軍事大事典ま

＜マーヴァイン＞：DD-489（駆逐艦）を参照。

＜マーヴィ・バリナ２０１６＞：トルコ海軍主催の多国籍対潜演習で、マーヴィ・バリナはシロナガスクジラの意。2016年11月19-28日に東地中海で実施され、トルコ（F497ギョクス、オルチレイス、ゲムリク、ゴコヴァ、209/1400型潜水艦３隻、209/1200型潜水艦２隻、S-70対潜ヘリ）、アメリカ（DDG-64カーニー）、イギリス、ルーマニア、NATO軍第２常設水上部隊（カナダ海軍シャーロットタウン、スペイン海軍補給艦カンタブリア）の水上艦艇12隻、潜水艦５隻、対潜哨戒機が参加した。参考：月刊世界の艦船3,’17

＜マーヴィン・Ｈ・マッキンタイヤー＞：APA-129（攻撃輸送艦）を参照。

＜マーヴィン・シールズ＞：FF-1066（フリゲート）を参照。

＜マーカス・アイランド＞：CVE-77（護衛空母）を参照。

＜マーカム＞：RSIU-5（データリンク）を参照。

＜マーガライト＞：K54（コルベット）を参照。

＜マーガリー＞：DDE-230（駆逐艦）を参照。

＜マーガレット・ブルク＞：カナダ海軍ハリー・デウォルフ級砕氷警備艦２番艦Margaret Brooke。2019年11月8日、バージに載せられて海上に出た。11月10日進水。2021年7月15日、ハリファックスで引き渡し式典を実施。参考：月刊世界の艦船2,’20、10,’21

＜マーキーズ＞：M4戦車・海外ファミリーまたはMU-2シリーズ（ビジネス機）を参照。

＜マーキュリー＞：E-6シリーズ（空中指揮機）を参照。

＜マーキュリー＞：アメリカ海軍貨物運送艦。1944年6月26日、サイパン付近で航空魚雷により損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜マーキュリー＞：アメリカ空軍のELINT衛星Mercury、別名は発展型ボルテックス。1994年と96年に打ち上げられたが、98年には打ち上げに失敗している。静止軌道を周回しており、トランペット衛星と対でSIGINT任務にあたる。衛星通信、電離層を通過する超短波通信やマイクロ波通信などを傍受しているようだ。参考：月刊軍事研究6,’04、12,’08

＜マーク＞：速力信号標を参照。

＜マークⅠ＞：LVT4水陸両用車ファミリーを参照。

＜マーク・Ａ・ミッチャー＞：ミッチャー提督を参照。

＜マークスマン＞：アメリカ陸軍の分隊指定射手またはアメリカ海兵隊の分隊上級射手のこと。通常のライフルにスコープを取り付け、小銃手では対処しにくい300-600m先の敵兵を精密射撃する。不朽の自由作戦で射程不足が問題になり、M4/M16小銃より一回り口径の大きいM14小銃の狙撃銃型を使用するようになった。参考：月刊軍事研究6,’14

＜マークスマン・ウェポン＞：南アフリカ陸軍の5.56mm狙撃銃。R4ライフルをベースにレールマウントを装備している。全長0.78m、重量3.4kg。射程400m。参考：月刊軍事研究3,’11

＜マークスマン砲塔＞：イギリスのヴィッカーズ社（マルコーニ社）が開発した対空砲塔。エリコンKDA35mm機関砲（デュアルフィード式、１門あたりHEI/HEI-Tを230発とAPDS-Tを20発）を砲塔両側面前方に備え、イギリスのマルコーニ・レーダー＆システムズの電子装備を搭載している。弾倉はコンテナ式で、再装填時間が10分に短縮された。砲塔後部には捜索・追尾兼用のレーダー（捜索距離12km、追尾距離10km、毎分60回転）が搭載されており、追尾中には捜索が出来ないが、コストを考えてこうなった。二軸安定化されているため走行間の使用が可能で、リアクションタイムは６秒である。非使用時には後ろに倒す。バックアップとしてSFIMタイプVS580VISAA二軸安定化光学照準装置２基（レーザー測距機組み込み）を搭載しており、レーダーと光学照準装置との間でデータを交換できる他、レーダーとは分離して目標捜索・追尾を行うこともできるので、両方合わせて３目標同時追尾が可能である。光学照準装置の間には環境センサーが立っており、砲塔両側に５連装の発煙弾発射機を持ち、砲塔後部にはディーゼルAPUを収容する。コンピュータはソリッドステート化省エネタイプで、28Vのバッテリーのみによる駆動も可能。装甲は前面が14.5mm徹甲弾、全周で7.62mm機銃弾及び155mm榴弾弾片に耐えられる程度である。砲塔内に全システムが収容されているので改造の手間が無く、価格も３億円と比較的安い。87式自走高射機関砲１両の値段で５両分くらい買える。しかしどこも採用しなかったので、試作した砲塔６基はフィンランドに売却した。参考：月刊軍事研究4,’97、異形戦車ものしり大百科、月刊PANZER9,’02

＜マークスマン砲塔・海外シリーズ＞

　＜ＩＴＰＳＶ９０＞：フィンランド陸軍自走対空機関砲で、90式対空戦車マークスマンの略。試作砲塔６基を格安購入し、T-55AM戦車の車体に載せたもので、車体後部に冷却システムを追加している。重量41トン。最大速度50km、航続距離500km。乗員３名。1988年12月にスペアパーツや訓練含め22億５千万円で購入した。1991年10月に初号車が到着したが、1992年からの訓練中に不具合があったため1993-94年に改修を行い、1996年に戦車旅団対空大隊に１個中隊（２両装備の小隊３個編成）が実戦配備され、ゲパルト、87式自走高射機関砲に次ぐ新型自走対空機関砲装備となった。2010年代から車体をレオパルト２に換装する改修を行っている。参考：月刊軍事研究4,’97、月刊PANZER7,’09、4・5,’17

＜マーク持ち＞：日本海軍用語で、術科学校（砲術学校や水雷学校など）を卒業して特技章を付けている特技兵のことをこう称した。参考：歴史群像10,’08

＜マーケイター＞：P4Mシリーズ（哨戒爆撃機）を参照。

＜マーケット＞：AKA-95（攻撃貨物輸送艦）を参照。

＜マーケット＞：フランスのNBCシステム社が開発した除染車両。ベースは６輪車両オールテリアンで、車体前部に除去剤撒布システムとペリカン社製LED投光器２基、後部荷台に洗浄装置を装備する。参考：月刊軍事研究6,’11

＜マーケット・ガーデン作戦＞：第２次大戦時、パリを解放して約３週間が経過した1944年9月中旬には、連合軍はベルギーの殆どを解放し、オランダ及びドイツ国境に到達していたが、あまりの快進撃に兵站が追いつかず、作戦範囲を絞る必要に迫られた。兵站拠点とすることが可能であるアントワープ港を占領したものの、海への出口にあたるスヘルデ川河口域をドイツ国防軍が抑えていることや、ドイツ国防軍が9月8日からA-4ロケットをオランダから撃ち込み始めたのも問題だった。そこで第21軍司令官モントゴメリーは、戦力をオランダ方面に集中、空挺部隊がライン川下流域の橋を強襲占領し、それに呼応して地上部隊が進撃してアーネム（オランダ語読み。英語読みだとアーンヘム）でネーデル・ライン川を渡り、オランダ制圧の足がかりを作るという作戦を考案し、総司令官アイゼンハワーを説得してゴーサインにこぎつけた。これが本作戦で、オランダ制圧後はルール地方に進撃してドイツの早期降伏を狙っていた。アメリカ・イギリス空挺部隊の強襲作戦が「マーケット」、呼応するイギリス地上軍の進撃作戦が「ガーデン」である。マーケット作戦に参加するのは第１連合空挺軍全力のイギリス第１空挺師団、アメリカ第82空挺師団、第101空挺師団、ポーランド第１空挺旅団計40000名で、2000機の輸送機とグライダーにより数波に分けて投入することになった。第101空挺師団は20kmほど北のヴィルヘルミナ運河とウィレムス運河にかかる橋を、第82空挺師団は85kmほど北のマース川とワール川にかかる橋を、第１空挺師団と第１空挺旅団は100kmほど北のアーネムに降下してネーデル・ライン川にかかる橋を占領するのが主任務である。ガーデン作戦に参加するのはイギリス第２軍第30軍団で、ムーズ・エスコー運河橋頭堡から出撃し、マーケット作戦で確保した橋梁を渡って北上、２日でアーネムに到着し、更に北上してゾイデル湖沿いのスウォレに到達、東にターンしてドイツ本土まで進撃する予定であった。もし橋の確保に失敗した場合、第30軍団先鋒の近衛師団が渡河地点周辺を援護し、第43師団が渡河して進撃することにした。この頃、ドイツ西方軍は48個師団あったが、実質兵力は27個程度で、戦車総数は100両に満たなかった。連合軍はウルトラ情報でオランダ付近にドイツ軍が集結して再編中であるという情報を掴んでおり、空挺作戦が見抜かれているような兆候も見られたが、モントゴメリーは重視せずに作戦を決行することにした。また、SS第２機甲軍団第９・第10装甲師団は戦車が十数両しか無く、オーバーロード作戦以来戦闘の連続で、再編成のため戦線後方のアーネム地区に移動していたが、この情報は連合軍のウルトラ情報から抜けていた。ドイツ国防軍上層部はイギリス第４軍によるオランダ上陸作戦と、米英地上軍共同のルール包囲作戦の可能性を考え、その際に使用されるであろう空挺部隊に対応するため、第１空挺軍を編成してオランダ中央部に派遣した。9月15日SS第２機甲軍団の１個機甲てき弾兵大隊がムーズ・エスコー運河橋頭堡にいるイギリス第30軍団を攻撃したが、撃退された。9月17日1000、イギリス東部の空港から空挺部隊が出撃。白昼の降下作戦だったが、防空能力が壊滅していたドイツ国防軍からは大した反撃も受けず、目標を正確に確認して降下していった。アメリカ第101空挺師団はウィルヘルミナ運河にかかるベスト橋・ソン橋と、ウィレムス運河にかかるフェーヘル橋、アイントホーフェン市街の確保に向かったが、ベスト・ソンはドイツ軍により爆破されてしまい、架設橋をかけてイギリス第30軍の到着を待ったが、第30軍の進撃路が２車線道路１本しか無く、周囲はボカージュや小川だらけで迂回もできず、ドイツ軍の阻止攻撃にあって進撃が遅れており、橋に到着したのは翌9月18日になってからだった。しかも架設橋が戦車重量に耐えられなかったため、改めてベイリー式架設橋をかけ直すのに１日かかり、初っ端から36時間の遅延が生じてしまった。イギリス第１空挺師団はアーネムの西に降下し、オーシュトルビークに集結した。しかし目標のアーネムの道路橋まで10kmも離れていたので、展開していたSS第９・第10装甲師団に進路を遮断され、ジョン・フロスト中佐率いる１部隊が橋の北側部分を確保したのみだった。しかも携帯した新型無線機が不調で、味方部隊と完全に連絡不能となってしまった。ワール川にかかるナイメーヘンの橋は、アメリカ第82空挺師団が9月20日の昼間に強行渡河して大損害を被りながら確保した。しかし進撃してきたイギリス第30軍団は、歩兵師団の到着待ちのためここで停止してしまい、決定的な遅れを生じさせた。アーネムでは地上部隊の進撃が遅れて完全に孤立してしまい、アーネムの道路橋を確保していた第１空挺師団のジョン・フロスト隊は9月21日0500に弾薬・食料共に尽き、西への脱出も失敗して、殆どが戦死するか捕虜になってしまった。9月21日遅くに地上軍は再度進撃を開始したが、9月22日にはクナウスト装甲集団とぶつかって前進できず、9月24日に第１空挺師団と連絡をつけようとしたが、それもかなわなかった。イギリス第１空挺師団は9月25日にモントゴメリー元帥の「ベルリン作戦（要するに撤退指令）」に基づいて撤退、兵力は11000名から2300名にまで減少していた。その他の損害は、アメリカ空挺師団3550名、イギリス地上部隊5450名、イギリス空軍300名、アメリカ空軍430名。ドイツ国防軍損害は3300名で、戦死は1300名だった。それでも連合軍はアイントホーフェンからナイメーヘンの突出部を頂点とした地域を解放し、スヘルデ川の河口も11月8日にカナダ第１軍が占領、一定の戦果を得た。イギリスとポーランドの空挺部隊が降下したギンケルスハイでは、各国空挺部隊（ドイツ含む）が参加しての作戦記念降下訓練が毎年行われている。参考：月刊PANZER7,’00、3,’02、月刊丸5,’07、12,’11、月刊軍事研究5,’07、歴史群像2,’08、月刊JWings12,’11、月刊世界の艦船5,’14

＜マーケット作戦＞：マーケット・ガーデン作戦の中で、空挺部隊の担った作戦を指す。参考：月刊PANZER7,’00

＜マージ＞：CV-41（空母）を参照。

＜マーシー＞：T-AH-19（病院船）を参照。

＜マージー＞：P283（哨戒艦）を参照。

＜マーシー級＞：アメリカ海軍病院船Mercy級。元は1976年竣工のサン・クレメンテ級大型給油艦である。MSC所属で、艦内に５層の病院施設を設け、ベッド1000床、手術室12室、手術準備室、処置室、除染室、集中治療ベッド80床、レントゲン室４室、血液保管庫などを配置した。CTスキャナ１基や人工透析器２基を備え、後に医療支援ロボットのダ・ビンチも導入している。船尾の艦橋を船首に移設し、艦橋構造物直後の露天甲板前部にヘリ甲板を設置、ヘリ甲板右後部にテント型の簡易ヘリ格納庫も設けていて、SH-60ヘリ２機を同時に運用できる。搬送された患者は必要に応じて除染室で除染されて処置室に運ばれ、手術が必要なら手術準備室から手術室に入り、病室へと運ばれる。処置室には訓練用のダミー人形も用意されている。災害派遣にも活用され、同時多発テロの際にはニューヨークで支援にあたった。全長272.6m、満載排水量69552-70473トン。主機は蒸気タービン２基１軸24500馬力、速力17ノット。乗員は73名（61名？）の民間人、820名の海軍医療スタッフ、387名の海軍支援要員。1986-87年にT-AH-19マーシーとT-AH-20コンフォートの２隻が就役した。参考：月刊世界の艦船9,’18、8,'20、5,’14、4,’15、2,’13、4,’04増刊、1,’10、月刊軍事研究8,’18、月刊航空ファン9,’18

＜マーシャ＞：アントノフＭ（戦闘機）を参照。

＜マーシャル＞：644トラックまたはDD-676（フレッチャー級駆逐艦）を参照。

＜マーシャル・ヴァシレフスキイ＞：ソ連海軍ウダロイⅠ型ミサイル駆逐艦Marshal Vasilevsky。1983年竣工。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜マーシャル・ウォロシーロフ＞：ハバロフスク（巡洋艦）を参照。

＜マーシャル・ウスチノフ＞：ソ連海軍スラヴァ級ミサイル巡洋艦Marshal Ustinov。元はアドミラル・フロタ・ロボフ（Admiral Frota Lobov）という名称で、1977年9月17日に艦籍編入された。1978年10月5日起工、1982年2月25日進水、1986年4月洋上公試開始、9月15日竣工、9月21日軍艦旗掲揚。11月5日、マーシャル・ウスチノフと改称されて北洋艦隊第43師団第120ミサイル艦旅団に配属された。1987年12月から1988年6月、地中海で作戦任務に就いた。1989年、ミサイル発射訓練に成功し、海軍総司令官から表彰を受けた。1989年7月、アメリカ海軍ノーフォーク基地を訪問した。8-12月、地中海で作戦任務に就いた。1991年7月、アメリカ海軍メイポート基地を訪問。1993年6-7月、カナダを訪問し、カナダ海軍と共同訓練を行った。7月、アメリカのボストンを訪問。1994年9月からサンクト・ペテルブルクで修理に入り、ガスタービンエンジン２基を交換した。1998年1月、修理を終えて北洋艦隊第７作戦艦隊に編入された。5月、ノルウェー国王の視察を受けた。8月、北洋艦隊演習時に大統領が視察のため乗艦。2002年、バレンツ海で北洋艦隊大演習に参加。2003年、ロシア大統領とポーランド大統領が演習視察のため乗艦。2004年、米ロ共同訓練に参加。2006年、バレンツ海で北洋艦隊大演習に参加し、海軍総司令官が演習視察のため乗艦した。2007年、バレンツ海で北洋艦隊大演習に参加。2008年、バレンツ海で北洋艦隊大演習に参加。2011年からセヴェロモルスクのズヴェズドーチカ造船所で修理に入り、2013年に作業を終えて再進水、引き続き近代化改装を行った。前部マストのレーダーをMR-710フレガットＭからフレガットM2Mに、後部マストのレーダーをMR-600ヴォスホート捜索レーダーからMR-700ポドベレゾーヴィク三次元レーダーに換装し、2016年10月30日に造船所公試を開始している。2018年8月8日、ウダロイ級駆逐艦セヴェロモルスクと共にイギリス海峡を通過。その後アルジェリアのアルジェに入港した。2019年7月28日、サンクト・ペテルブルグでロシア海軍記念日海上パレードに参加。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史、月刊世界の艦船3,’92増刊、9,’09、2,’15、1,’17、10,’19、月刊軍事研究2,’19

＜マーシャル・ゲロバニ＞：ロシア海軍ユグ型海洋観測艦。2014年10月2日、スラヴァ級ミサイル巡洋艦ワリャーグ、グリシャⅢ型警備艦ホルムスクと共に、宗谷岬北東80kmを航行するのをDE-231おおよどが確認した。2016年12月17日0030頃、ウダロイⅠ級ミサイル駆逐艦アドミラル・パンテレーエフ、ロプーチャⅠ型揚陸艦アドミラル・ニヴェルスキー、ロプーチャⅡ型揚陸艦ペレスウェート、アリゲーターⅣ型揚陸艦ニコライ・ヴィルコフ、改アルタイ型補給艦イジョラと共に宗谷岬北北東35kmを西北西に航行するのを第２航空群P-3CとPG-825わかたかが確認した。その後宗谷海峡を西に航行し、オホーツク海から日本海に入っている。参考：月刊世界の艦船3,’15、3,’17、朝雲

＜マーシャル・シャポシニコフ＞：ソ連海軍ウダロイⅠ級ミサイル駆逐艦Marshal Shaposhnikov。1985年12月就役。2004年8月31日から9月3日まで、ロプーチャⅡ型揚陸艦 BDK-11、タランタルⅢ型ミサイル艇 R-29と共に呉基地を訪問した。9月4日、ロプーチャⅡ型揚陸艦 BDK-11、タランタルⅢ型ミサイル艇 R-29と共に、対馬沖で DDH-144くらま、DD-103ゆうだちと捜索救難訓練を行った。2010年6月22日2100、ドゥブナ級給油艦ペチェンガ、ソルム型航洋曳船 MB-37と共に、下対馬の南東24kmを北東に航行するのをDD-128はるゆきが確認した。2012年4月18日、スラヴァ級ミサイル巡洋艦ワリヤーグ、ウダロイⅠ級ミサイル駆逐艦アドミラル・ヴィノグラードフ、ゴーリン型航洋曳船と共に、上対馬の北東130kmを航行するのをDD-128はるゆきが確認した。4月29日1000、スラヴァ級ミサイル巡洋艦ワリャーグ、ウダロイⅠ級ミサイル駆逐艦アドミラル・ヴィノグラードフと共に、下対馬の南西180kmを北に航行するのを第４航空群P-3Cが確認した。7月1日0600-1800、スラヴァ級ミサイル巡洋艦ワリヤーグ、ソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦ビストリイ、ウダロイⅠ級ミサイル駆逐艦アドミラル・トリブツ、同アドミラル・ヴィノグラードフ、グリシャⅤ型警備艦メテル、同ウスト・イムリスク、同コレーツ、ロプーチャⅠ型揚陸艦 BDK-98、同オスラビア、ロプーチャⅡ型揚陸艦ペレスウェート、アリゲーターⅣ型揚陸艦ニコライ・ヴィルコフ、ナヌチュカⅢ型ミサイル艇イネイ、同ラズリーフ、タランタルⅢ型ミサイル艇 R-14、同R-18、同R-19、フィニク級測量艦 GS-47、同GS-84、同GS-296、同GS-404、ビヤ級測量艦 GS-200、カメンカ級測量艦 GS-211、モマ級測量艦アンタークティダ、ユグ級海洋観測艦ヴィーツェ・アドミラル・ヴォロンツォフ、カシタン級設標艦 KIL-168と共に、宗谷岬の西160kmを東に航行するのを第２航空群 P-3Cが確認した。7月8日、スラヴァ級ミサイル巡洋艦ワリャーグ、ソブレメンヌイ級駆逐艦ビストリイ、ウダロイ級ミサイル駆逐艦アドミラル・ヴィノグラードフ、グリシャⅤ型警備艦メテル、同ウスト・イムリスク、同コレーツ、改アルタイ級補給艦イリム、フィニク級測量艦GS-84、モマ級測量艦アンタークティダ、ユグ級海洋観測艦ヴィーツェ・アドミラル・ヴォロンツォフ、ゴーリン級航洋曳船SB-522と共に宗谷岬の北東60kmを西に航行するのを第２航空群P-3Cが確認した。11月5日0730頃、ドゥブナ級補給艦イルクート、イングル型救難曳船アラタウと共に上対馬北東180kmを南西に航行するのを第４航空群P-3Cが確認した。2013年3月26-30日、LIMA2013に参加。7月13-14日、スラヴァ級ミサイル巡洋艦ワリャーグ、ソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦ビストルイ、ウダロイⅠ級ミサイル駆逐艦アドミラル・ヴィノグラードフ、グリシャⅤ型警備艦ウスト・イリムスク、同メテル、同ステリャーク、タランタルⅡ型ミサイル艇 R-79、タランタルⅢ型ミサイル艇 R-11、同R-14、同R-18、同R-19、同R-20、ソーニャ型掃海艇 BT-256、同艇番号553、ロプーチャⅠ型揚陸艦オスラビア、アリゲーターⅣ型揚陸艦ニコライ・ヴィルコフ、ドゥブナ級補給艦イルクート、フィニク型測量艦 GS-397、ユグ型海洋観測艦ヴィーツェ・アドミラル・ヴォロンツォフ、オビ型病院船イルティシュ、ゴーリン型航洋曳船 SB-522、ソルム型航洋曳船 MB-99、中国海軍 051C型ミサイル駆逐艦 116石家荘、同115瀋陽、054A級フリゲート 538煙台、同546塩城、福清型補給艦 881洪澤湖と共に宗谷海峡を東に航行するのを、第２航空群 P-3Cが確認した。その後ロシア艦のみでオホーツク海に於いて軍事演習を行い、7月19-20日に宗谷海峡を西に進んでいる。8月14日、スラヴァ級ミサイル巡洋艦ワリャーグ、ウダロイ級ミサイル駆逐艦アドミラル・ヴィノグラードフ、ソブレメンヌイ級駆逐艦ビストリイ、タランタルⅢ型ミサイル艇R-20、同R-22と共に、宗谷岬の北北西60kmを南東に航行するのを、第２航空群P-3Cが確認した。その後宗谷海峡を東に進んでいる。9月22日、ウダロイ級ミサイル駆逐艦アドミラル・ヴィノグラードフと共に、宗谷岬の東250kmを西に航行するのを、第２航空群P-3Cが確認した。10月25日、利尻島の西南西120kmを北東に航行するのを第２航空群P-3Cが確認した。10月31日、ソブレメンヌイ級駆逐艦ビストリイ、ロプーチャⅠ型揚陸艦オスラビアと共に、宗谷岬の東北東180kmを西に航行するのを第２航空群P-3Cが確認した。2014年3月17日、ドゥブナ級補給艦イルクート、イングル級航洋曳船アラタウと共に、上対馬の北東170kmを南西に航行するのを、DDG-173こんごうと第４航空群P-3Cが確認した。その後対馬海峡を南下し、3月下旬から4月上旬にインドネシアの多国間人道支援・災害救難訓練コモドに参加、インド洋へと向かった。4月、ロシア海軍代表団を乗せてパキスタンのカラチ港を非公式に訪問（ロシア軍艦としてはパキスタン初訪問らしい）し、パキスタン海軍と共同海賊対処訓練を実施。6月28日0000頃、ドゥブナ級補給艦イルクート、イングル級航洋曳船アラタウと共に、下対馬南西120kmを北東に航行するのをDE-233ちくまと第１航空群P-3Cが確認した。インド洋海賊対処任務の帰りで、その後対馬海峡を北上してウラジオストクに帰港した。10月25日1300頃、スラヴァ級ミサイル巡洋艦ワリャーグ、ボリス・チリキン級補給艦ボリス・ブトマ、バクラザン型救難曳船フォーティ・クリロフと共に、上対馬の北東220kmを南西に航行するのを第４航空群P-3Cが確認した。その後対馬海峡を南下して太平洋に抜けている。12月11日2300頃、スラヴァ級ミサイル巡洋艦ワリャーグ、ボリス・チリキン級補給艦ボリス・ブトマ、バクラザン型救難曳船フォーティ・クリロフと共に、下対馬南西110kmを北東に航行するのを、第１航空群P-3Cが確認した。12月27日1500頃、オスカーⅡ型ミサイル原潜と共に、宗谷岬北西50kmを南東に航行するのを、第２航空群P-3Cが確認した。宗谷海峡を通峡した後で原潜と別れ、再び宗谷海峡を西に向かっている。2015年6月19日2000頃、ウダロイ級ミサイル駆逐艦アドミラル・ヴィノグラードフと共に、宗谷岬西北西100kmを東に航行するのを、第２航空群P-3CとPG-825わかたかが確認した。その後宗谷海峡を東に進んでいる。7月11日、宗谷岬北東60kmを航行するのを、第２航空群P-3Cが確認した。9月3日1800頃、ウダロイ級ミサイル駆逐艦アドミラル・ヴィノグラードフと共に宗谷岬西南西200kmを北東に航行するのを第２航空群P-3Cが確認した。その後宗谷海峡を東に進み、オホーツク海に入っている。10月20日0800頃、ウダロイⅠ級ミサイル駆逐艦アドミラル・ヴィノグラードフ、ロプーチャⅡ型揚陸艦ペレスウェートと共に宗谷岬北東90kmを南西に航行するのを、第２航空群P-3Cが確認した。その後宗谷海峡を通峡してオホーツク海から日本海に入っている。10月26日0600頃、宗谷岬西北西150kmの宗谷海峡を東に航行するのを、第２航空群P-3Cが確認した。その後日本海に入っている。11月16日0500頃、オスカーⅡ級原潜１隻、アムガ級ミサイル補給艦ダウガヴァと共に、宗谷岬北東65kmを西に航行するのを、第２航空群P-3CとMSC-679ゆげしまが確認した。その後日本海に入っている。2016年3月30日、ウラジオストクのダーリザヴォード艦船修理センターによる近代化改装のためドックインした。2019年に改装を終える予定。2020年3月26日1100頃、スラヴァ級ミサイル巡洋艦ワリャーグ、ソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦ビストルイ、ウダロイⅠ級駆逐艦アドミラル・パンテレーエフ、グリシャⅤ型警備艦メテル、同ソビエツカヤ・ガヴァニ、タランタルⅢ級ミサイル艇 R14、同R18、同R19、同R20、同R24、同R297、マーシャル・ネデリン級ミサイル観測支援艦１隻、改アルタイ級補給艦２隻、オホーツク級航洋曳船１隻、アムール級工作艦１隻、オビ級病院船イルティシュと共に、宗谷岬北西95kmを東に航行するのを、第２航空群 P-3CとPG-825わかたかが確認した。その後これらは太平洋艦隊演習に参加するため宗谷海峡を東に進んでいる。2021年5月5日1600頃、スラヴァ級ミサイル巡洋艦ワリャーグ、ステレグシュチイ級フリゲート・ソブエルシェンヌイ、同グロームキイと共に、対馬北東220kmを南に航行するのを、PG-826おおたかと第４航空群 P-1哨戒機が確認した。その後これらは対馬海峡を南下し、東シナ海に向かっている。7月4日1400頃、スラヴァ級ミサイル巡洋艦ワリャーグ、ウダロイⅠ級ミサイル駆逐艦アドミラル・パンテレーエフ、ステレグシュチイ級フリゲート・ソブエルシェンヌイ、同グロームキイ、同アルダー・ツィデンジャポフ、マーシャル・ネデリン級ミサイル観測支援艦マーシャル・クリロフと共に、沖縄本島の南東150kmを北西に航行するのを、第１航空群 P-1哨戒機、第５航空群 P-3C哨戒機、MSC-601ひらしま、MSC-691ししじま、PG-829しらたかが確認した。その後これらは沖縄本島と宮古島の間を北上し、対馬海峡を北東に抜け、日本海に向かっている。2022年2月1-15日、ウダロイⅠ級ミサイル駆逐艦アドミラル・パンテレーエフ、ステレグシュチイ級フリゲートのグレミャーシチイ、同アルダー・ツィデンジャポフ、同ソブエルシェンヌイ、同グロームキイ、グリシャⅤ型警備艦メテル、同コレーツ、同 MPK82、ナヌチュカⅢ型ミサイル艇イネイ、キロ級潜水艦３隻、アリゲーターⅣ型揚陸艦ニコライ・ヴィルコフ、ロプーチャⅠ型揚陸艦オスラビア、同アドミラル・ニヴェルスキー、マーシャル・ネデリン級ミサイル観測支援艦マーシャル・クリロフ、改アルタイ級補給艦１隻、イーゴリ・ベロウソフ級潜水艦救難艦イーゴリ・ベロウソフ、ゴーリン型航洋曳船SB-522、ソルム型航洋曳船 MB99、同MB148、オホーツク型航洋曳船アレクサンドル・ピスクノフ、オビ級病院船イルティシュ、民間砕氷船カピタン・フレブニコフと共に、日本海とオホーツク海南部で活動するのを、DD-120しらぬいと第２航空群 P-3C哨戒機が確認した。3月14日0000頃、キロ級潜水艦３隻、マーシャル・ネデリン級ミサイル観測支援艦マーシャル・クリロフ、ゴーリン級航洋曳船 SB522と共に、宗谷岬南東130kmを北西に航行するのを、DD-112まきなみが確認した。その後これらは宗谷海峡を西に進んでいる。6月9日、ステレグシュチイ級フリゲートのグレムヤシチィ、同ソブエルシェンヌイ、同グロームキイ、同アルダー・チデヌサポフと共に、根室半島南東170kmを航行するのを、DD-103ゆうだちが確認した。6月15日1200頃、ウダロイⅠ級ミサイル駆逐艦アドミラル・パンテレーエフ、ステレグシュチイⅡ級フリゲートのグレムヤシチィ、ステレグシュチイ級フリゲートのソブエルシェンヌイ、同グロームキイ、同アルダー・チデヌサポフ、マーシャル・ネデリン級ミサイル観測支援艦１隻と共に、襟裳岬南東280kmを南に航行するのを、DD-103ゆうだちとDDG-173こんごうが確認した。これらは6月16日0900頃には犬吠埼南東180kmを南西に航行している。6月16日1900頃、ステレグシュチイⅡ級フリゲートのグレムヤシチィ、ステレグシュチイ級フリゲートのソブエルシェンヌイ、同グロームキイ、同アルダー・チデヌサポフと共に、伊豆諸島須美寿島と鳥島の間を南西に航行するのを、DD-116てるづき、DDG-173こんごう、第４航空群 P-1哨戒機が確認した。7月1日2300頃、ステレグシュチイⅡ級フリゲート 337グレムヤシチィ、ドゥブナ級補給艦１隻と共に、与那国島南70kmを北東に航行するのを、第５航空群 P-3C哨戒機とAOE-425ましゅうが確認した。その後これらは与那国島と西表島の間を北東に進んでいる。7月4日1900頃、ステレグシュチイⅡ級フリゲート 337グレムヤシチィ、ドゥブナ級補給艦１隻と共に、沖縄県久場島南東50kmを北に航行するのを、第５航空群 P-3C哨戒機、DD-120しらぬい、DE-229あぶくま、AOE-425ましゅう確認した。その後これらは久場島と大正島の間の接続水域内を北に進み、出域後は北東に航行して東シナ海に向かっている。7月5日2300頃、ステレグシュチイⅡ級フリゲート 337グレムヤシチィ、ドゥブナ級補給艦１隻と共に、長崎県男女群島西90kmを北東に航行するのを、PG-829しらたか、第１航空群 P-1哨戒機、第５航空群 P-3C哨戒機が確認した。その後これらは対馬海峡を北東に進み、日本海に向かっている。8月20日1300頃、ステレグシュチイⅡ級フリゲート 337グレムヤシチィ、ステレグシュチイ級フリゲート 333ソブエルシェンヌイ、同339アルダー・チデヌサポフと共に、宗谷岬東北東260kmを西に航行するのを、第２航空群 P-3C哨戒機とPG-827くまたかが確認した。その後これらは宗谷海峡を西に進んでいる。9月8日1100頃、礼文島西南西350kmを北東に航行するのを、第２航空群 P-3C哨戒機とPG-827くまたかが確認した。その後これは宗谷海峡を東に進んでいる。9月27日0200頃、ステレグシュチイ級フリゲート・ソブエルシェンヌイ、同アルダー・チデヌサポフ、同グロームキイと共に、犬吠埼東160kmを南に航行するのを、第４航空群 P-1哨戒機、DD-152やまぎり、MSC-605ちちじまが確認した。その後これらは1100頃に御蔵島東北東80kmを南西に航行し、御蔵島と八丈島の間の接続水域を南西に進んでいる。9月27日0900頃、ステレグシュチイ級フリゲート・ソブエルシェンヌイ、同アルダー・チデヌサポフ、同グロームキイ、055型ミサイル駆逐艦 101南昌、054A型フリゲート 546塩城、福池級補給艦 902東平湖と共に、室戸岬南南東260kmを西に航行するのを、DD-152やまぎり、DD-154あまぎり、AMS-4304げんかい、第４航空群 P-1哨戒機が確認した。その後これらは9月28-29日に大隅海峡を西に進み、東シナ海で相互に隊列を組み航行している。9月29日1400頃、ステレグシュチイ級フリゲート・ソブエルシェンヌイ、同アルダー・チデヌサポフ、同グロームキイと共に、長崎県男女群島南西90kmを北西に航行するのを、第４航空群 P-1哨戒機、DD-154あまぎり、PG-826おおたかが確認した。その後これらは対馬海峡を北東に航行し、日本海に向かっている。12月20日1700頃、スラヴァ級ミサイル巡洋艦ワリヤーグ、ステレグシュチイ級フリゲート・ソブエルシェンヌイ、同アルダー・チデヌサポフと共に、対馬北東80kmを南西に航行するのを、PG-829しらたかと第４航空群 P-1哨戒機が確認した。その後これらは12月21日にかけて対馬海峡を南西に進み、東シナ海に向かっている。12月27日1700頃、スラヴァ級ミサイル巡洋艦ワリヤーグ、ステレグシュチイ級フリゲート・ソブエルシェンヌイ、同アルダー・チデヌサポフと共に、長崎県男女群島北西140kmを北東に航行するのを、DD-106さみだれ、MSC-685とよしま、第４航空群 P-1哨戒機が確認した。その後これらは12月28日にかけて対馬海峡を北東に進み、日本海に向かっている。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、3,’05、9,’10、1,’13、4,’13、7,’13、11,’13、12,’13、1,’14、4,’14、6,’14、9,’14、1,’15、3,’15、9,'15、11,’15、2,’16、3,’16、6,’16、9,’19、4,'21、7,'21、10,'21、3,'22、3,'23、朝雲

＜マーシャル諸島沖航空戦＞：太平洋戦争時の昭和18年12月3日、中部太平洋侵攻作戦の要であるマーシャル諸島制圧のため、第50任務部隊第１群（CV-16レキシントン、CV-10ヨークタウン、CVL-25カウペンス、巡洋艦・駆逐艦11隻）と同第３群（CV-6エンタープライズ、CV-9エセックス、CVL-24ベロー・ウッド、巡洋艦。駆逐艦10隻）がF6F戦闘機193機、SBD艦爆104機、TBF艦攻89機を搭載して真珠湾を出撃。秘匿のため分散してマーシャル諸島北東沖に向かった。12月4日0614、クェゼリン環礁沖100マイルで攻撃隊の発艦を開始。CV-16レキシントンとCV-9エセックスの所属機はクェゼリン環礁北端ロイ島、CV-6エンタープライズとCV-10ヨークタウンの所属機は南端クェゼリン島を爆撃した。戦果は艦艇４隻と航空機55機と判定され、奇襲の割に成果が少なく第２次攻撃が検討されたが、日本海軍機が昼過ぎから反撃に出てきたため、第50任務部隊指揮官は状況判断に基づき帰還することにした。1500、攻撃隊を収容した第50任務部隊が離脱を開始。当初は25ノットだったが、荒天に見舞われて駆逐艦が遅れ始め、18ノットに下げざるを得ず、離脱完了が夜間にずれ込む見込みとなり、夜戦訓練を受けた戦闘機パイロットを乗せていない第50任務部隊は日没後から無防備で低速離脱する羽目になった。日本海軍は夜間攻撃を仕掛け、タロア基地とルオット基地から艦攻６機、陸攻６機、陸攻10機が３次に亘りそれぞれ出撃。2332に一式陸攻がCV-16レキシントンの右舷から雷撃を仕掛け１本が命中、右舷第184-198フレーム間・第2-4甲板間が破壊され、２名が戦死、７名が行方不明となり、35名が戦傷を負い、格納庫内の艦上機が多数破壊され、第２スクリューが失われて第２タービンが過回転に陥った。2338、浸水で操舵動力室の通路に及び、電気系統がショートして操舵できなくなり、舵が20度左に固定されて艦は旋回を始めた。操舵機関室には負傷者４名が閉じ込められたが、電話で指示を受けつつ手動油圧ポンプ１基を稼働させて舵を左２度まで復帰させることに成功、スクリューの回転調整による直進を可能とした。12月5日0124、月が沈み、日本海軍機の攻撃が終了、艦攻６機、陸攻４機が未帰還となった。第50任務部隊は21ノットで離脱した。0311、CV-16レキシントンの操舵機関室への通路が開設され、閉じ込められていた負傷者４名が救出された。参考：月刊航空ファン8,’19、第２次大戦日本海軍作戦年誌、太平洋海戦史

＜マーシャル諸島空襲作戦＞：太平洋戦争真珠湾攻撃で難を逃れたアメリカ海軍空母機動部隊が実施した、マーシャル諸島への奇襲反撃作戦。アーネスト・キング合衆国艦隊司令長官がニミッツ大将に作戦立案を命じ、陸攻の脅威から反対する参謀も多かったが、第８任務部隊司令官ハルゼー中将が賛同して昭和17年1月9日にニミッツ大将が実施を決定、CV-6エンタープライズを旗艦とする第８任務部隊にCV-5ヨークタウンを旗艦とする第17任務部隊（マーク・フレッチャー少将指揮）を加えて奇襲攻撃を行うことにした。目標は第８任務部隊がマーシャル諸島中央のクェゼリン、マロエラップ、ウォッゼ、第17任務部隊がマーシャル諸島南部とギルバート諸島のマキン、ミレ、ヤルートである。1月11日、空母エンタープライズが真珠湾を出撃。1月23日、第８任務部隊（空母エンタープライズ、CA-26ノーザンプトン、CA-25ソルトレイクシティ、CA-27チェスター、駆逐艦６隻）と第17任務部隊（空母ヨークタウン、CA-28ルイヴィル、CL-49セントルイス、駆逐艦４隻）はサモアへの海兵隊員輸送支援を終え、150海里の距離を保ってマーシャル諸島へと向かった。1月28日、第17任務部隊が第８任務部隊と分かれ、マーシャル諸島南部へと向かった。1月31日、日本軍哨戒機が第８任務部隊の60km後方に出現したのを空母エンタープライズのレーダーが探知。哨戒機の方は第８任務部隊に気付かず、そのまま南へと通り過ぎていった。夕方、第８任務部隊の重巡ノーザンプトンとソルトレイクシティがウォッゼに、重巡チェスターと駆逐艦２隻がタロアに向かい、残りは艦上機出撃地点へと30ノットで航行を続けた。2月1日0243（日本時間。現地時間は0543）、マーシャル諸島東300kmで空母エンタープライズからSBD艦爆37機とTBD艦攻９機が発艦し、ルオット航空基地爆撃及び在泊艦艇雷撃に向かった。0343、空母エンタープライズから100ポンド爆弾搭載F4F艦戦12機が発艦し、ウォッゼとタロアに向かった。0405、SBDとTBDがルオット上空に到着。朝靄で目標を確認できずにいるうちに日本軍の高射砲及び九六式艦戦による反撃を受けたが、何とか航空基地を見つけて0410に爆弾を投下した。0400に総員起こしがかかった千歳海軍航空隊１個中隊がタロアの飛行場で海軍体操を始めた頃、見張員が戦艦が見えますと叫んだ。分隊長中井大尉が、味方艦艇の行動予定は無いぞ、よく見ろ、と返すのとほぼ同時に、重巡チェスターと駆逐艦２隻が射距離15000mで放った初弾が弾薬庫付近に着弾。直ちに九六式陸攻９機で出撃準備に入ったが、タロアには魚雷が無く、通常爆弾は弾薬庫に入っていて取りに行けず、１機は250kg陸用爆弾、他は60kg陸用爆弾8-10発を積んで離陸を開始した。この時、第６戦闘飛行隊F4F艦戦６機がタロアに到達し、滑走路上の九六式陸攻を発見して攻撃を仕掛けたが、九六式艦戦の迎撃と機銃の故障で戦果は陸攻１機を炎上させるに止まった。残る九六式陸攻８機は0430に上空で編隊を組み敵艦に向かっている。0520、九六式陸攻８機が重巡チェスターに高度300mから緩降下爆撃を実施したが、至近弾に終わった。その後九六式陸攻は魚雷のあるルオットに向かったものの、SBDによる爆撃を受けている最中で着陸不能と連絡があり、0830にタロアに戻って再出撃準備に入っている。通常爆弾は弾薬庫ごと吹っ飛ばされていたため、各機は250kg陸用爆弾１発と60kg爆弾4-6発を搭載、準備中にSBD艦爆の爆撃を受けたが影響は無く、0910に５機で再出撃し、帰投するエンタープライズ機の送り狼となった。エンタープライズではレーダーで機影を探知したが、敵味方識別装置の作動が間に合わず、上空直掩のF4F戦闘機を発艦させた頃には千歳空九六式陸攻編隊は45km先まで迫っていた。1040、千歳空九六式陸攻５機が空母エンタープライズを視認。F4Fの迎撃を受けて分隊長中井大尉搭乗の指揮官機が両主翼に被弾したが、そのまま全機が空母へと向かった。F4Fは随伴駆逐艦の対空射撃に巻き込まれないよう待避していったため、九六式陸攻編隊は高度1800mから速度250ノットでエンタープライズ艦首右舷に緩降下爆撃を実施。対空砲火の隙間を突いて投弾したが、全て躱された。損傷していた指揮官機は投弾後にそのまま左旋回してエンタープライズに後方から突入を図ったが、飛行甲板上に繋止されていたSBD艦爆の後部座席に飛び乗った整備兵による旋回機銃の猛射を喰らい姿勢が崩れ、飛行甲板左舷側に主翼をぶつけてSBD艦爆１機を真っ二つにし、海に落ちた。残る４機は再度のF4Fによる迎撃を躱すのに精一杯でこの様子は確認できず、空戦で撃墜されたと考え1130にタロアに帰投した。入れ替わりで九六式陸攻２機がタロアを離陸し、北東に離脱を図るエンタープライズに向かったが、1300過ぎに高度4200mを飛んでいるところをレーダーで探知されてF4F戦闘機９機による迎撃を受け、250kg陸用爆弾は投下したものの左急回頭で躱されてしまい、爆撃後のF4Fによる攻撃で１機が撃墜され、１機は修復不能な損傷を受けつつも何とか1430にタロアに帰投した。エンタープライズの損害は至近弾による小火災だった。指揮官機がエンタープライズに突入を図ったことは「ライフ」誌3月2日号の記事で明らかとなり、8月17日の東京日日新聞に「みごとな体当たり」として記事が載っている。参考：月刊航空ファン5,’19

＜マーシャル諸島攻略戦＞：フリント・ロック作戦を参照。

＜マーシャル・セクション＞：航空母艦の航空管制（アメリカ海軍）を参照。

＜マーシャル・ソールト＞：I01（砲艦）を参照。

＜マーシャル・ソールト級＞：イギリス海軍砲艦Marshal Soult級。船体中央に超弩級戦艦の主砲塔がバーベット剥き出しで鎮座しており、その後ろに三脚構造の檣楼がある。全長108.5m、幅27.5m、吃水3.1m、基準排水量6400トン、満載排水量6900トン。主機はディーゼル（1500馬力）で、速力6.5ノット。兵装は38.1cm連装砲１基、10.2cm単装砲８門、7.6cm単装砲３門。I01マーシャル・ソールトとマーシャル・ネイの２隻が1915年に就役した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦、月刊世界の艦船8,’16

＜マーシャル・ティモシェンコ＞：ソ連海軍クレスタⅡ型ミサイル巡洋艦Marshal Timoshenko。1970年6月11日艦籍編入、1972年11月2日起工、1973年10月21日進水、1975年8月3日軍艦旗掲揚、11月25日竣工。1976年4月22日、北洋艦隊第７作戦艦隊第120ミサイル艦旅団に編入された。9-10月、NATO演習を偵察。1977年4月、セヴェル77演習とエスタフェタ77防空演習に参加。12月、第７作戦艦隊第170対潜艦旅団に編入された。1978年9-10月、ノルウェー領海付近に墜落したTu-16の捜索を実施。1979年4月、ラズベグ79演習に参加。1980年6月、アトランティカ80演習に参加。1981年3月、ユーゴスラビアを訪問。8月、戦略原潜ミサイル発射訓練海域を警備中に触礁し、ソナーとプロペラを損傷した。1982年4月、705K型攻撃原潜K-123救助作戦に参加し、K-123を曳航した。7-12月、ギニア、コンゴ、アンゴラを訪問。1983年9月、マジストラル83演習、オケアン83演習に参加。1985年2月、北洋艦隊の軍艦として初めてスエズ運河を通過し、イエメンとユーゴスラビアを訪問した。1986年3月、北洋艦隊演習に参加。7月、着岸中にプロジェクト61駆逐艦ストロイニーが接触し、右舷魚雷発射管が大破した。1987年6月、第95特別隊に臨時編入され、近代化に入ったが、予算不足で中止された。1992年7月3日に除籍され、1994年にスクラップとしてインドに売却された。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史、月刊世界の艦船4,’09、3,’92増刊

＜マーシャル・ネイ＞：イギリス海軍マーシャル・ソールト級砲艦２番艦Marshal Ney。1915年就役。参考：月刊世界の艦船8,’16

＜マーシャル・ネデリン＞：ロシア海軍マーシャル・ネデリン級ミサイル追跡艦Marshal Nedelin。1983年就役。参考：月刊世界の艦船6,’15、月刊軍事研究11,’98

＜マーシャル・ネデリン級＞：ロシア海軍プロジェクト1914／19141ミサイル追跡艦Marshal Nedelin級。艦前部の上構上にパラボラアンテナと前部タワーマスト、艦中央に大型レドーム、その後ろに背の低い構造物、更に後ろに後部タワーマスト（と煙突）、その後ろにパラボラアンテナ並列装備の低い構造物を持ち、弾道ミサイル追跡の他、有事には指揮艦としても使用できる。全長212m（211m？）、満載排水量24893トン（23780トン？）。主機はガスタービンで、速力20ノット。1983年にマーシャル・ネデリン、1990年にマーシャル・クリロフが就役した。参考：月刊世界の艦船6,’15、月刊軍事研究11,’18

＜マーシュ＞：DE-699（護衛駆逐艦）を参照。

＜マーズ＞：JRMシリーズ（飛行艇）またはT-AFS-1（戦闘給糧艦）またはXPB2Mシリーズ（飛行艇）を参照。

＜マーズ＞：IMI社が開発中の輸出用空対地ミサイルで、王手の意。全長4.4m、直径0.306m、全備重量500kg。推進は固体燃料ロケットで、最大速度は超音速、射程100km以上。誘導はINS/GPS。母機はマッハ0.95までの速度・12000mまでの高度でミサイルを発射できる。参考：月刊軍事研究11,’13

＜マーズ級＞：アメリカ海軍戦闘給糧艦Mars。給糧艦、一般消耗品（衣料品や郵便物、交代要員を含む）補給艦、航空用品補給艦の役目を１隻で果たす多目的艦で、Ｍ字型の補給マストが特徴的である。補給ステーションは片舷５基ずつで、３番ステーションのみ液体貨物補給用。船体後部には２機分のヘリコプター格納庫とヘリ甲板が装備されている。船体内に貨物倉５個があり、7000トンの貨物を収容可能。1963-70年にAFS-1マーズ、AFS-2、AFS-3ナイアガラ・フォールズ、AFS-4、AFS-5コンコード、AFS-6サンディエゴ、AFS-7サンノゼの７隻が就役した。後にMSCに移籍して艦番号T-AFS-1からT-AFS-7となったが、この時に兵装を撤去して艦橋構造物後部を増高し、居住性を増している。全長177.1m、全幅24.1m、吃水7.9m、満載排水量15900-18663トン。主機は蒸気タービン１基１軸22000馬力、最大速力20ノット。乗員は民間人123-134名（127名？）、海軍軍人29-49名（22名？）。参考：月刊世界の艦船1,’10、4,’04増刊

＜マースク・アラバマ号船長人質事件＞：2009年4月7日、アメリカ貨物船マースク・アラバマ（Maersk Alabama）がソマリア沖をケニアに向けて航行中に、自動小銃を持った海賊の襲撃を受けて一時海賊に乗っ取られた。後に乗員が船を取り返したが、船長が救命ボートで人質に取られてしまった。オバマ大統領から救出命令が出され、4月11日、駆逐艦ベインブリッジにSEALs隊員が空路派遣された。4月12日、船長と海賊３人を乗せた救命ボートを駆逐艦ベインブリッジで曳航しつつ、駆逐艦内で海賊１人と解放交渉を行った。夜になり、救命ボート内の海賊のうち１人が船長の背中に銃を突きつけたため、距離24mでSEALsが発砲。ボート内にいた海賊３人を射殺して船長を救出し、LHD-4ボクサーに収容した。参考：月刊コンバットマガジン7,’09、月刊世界の艦船6,’09

＜マースク・パーリー＞：T-AOT-5246（油槽船）を参照。

＜マースデン＞：No1MkⅠ（火炎放射器）を参照。

＜マーストン・マット＞：アメリカ軍がジャングル地帯に滑走路を仮設する際に使用したマット。長さ3m、幅0.35m、重量29kgで、アコーディオン式に連結して使用する。硫黄島上陸作戦では海岸の柔らかい砂浜に敷いた。参考：月刊軍事研究5,’02

＜マーダー＞：ドイツの人間魚雷Marder（てん）。ネガーを36mまで潜航可能にしたもので、上の魚雷（船体）の前部が延長されている。全長8.3m、最大幅0.53m、排水量３トン。主機は魚雷用電動モーターで、出力12馬力、水上速力4.2ノット、水中速力3.2ノット、航続距離は４ノット（３ノット？）で48海里。乗員１名。300基が製作され、連合軍による1944年6月のセーヌ湾上陸作戦時などに出撃したが、炭酸ガス中毒や航法ミスなどにより多数が失われた。参考：ナチスＵボート、Ｕボート入門

＜マーダーボード＞：NFWS（アメリカ海軍戦闘機兵器学校）を参照。

＜マーチネット・シリーズ＞：イギリス空軍の標的曳航機Martinet。マイルズ社がマスターをベースに開発し、1942年4月24日に初飛行した。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

　＜マーチネット＞：機体は全木製。全長9.42m、全幅11.89m、全備重量3060kg。エンジンはブリストル・マーキュリー20または30（870馬力）単発、最大速度386km、航続距離1120km。乗員２名。1945年までに1700機以上が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

　＜クイーン・マーチネット＞：無線誘導式無人標的機型、Queen Martinet。1946年までに65機が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜マーチフィールド航空博物館＞：アメリカのマーチフィールド空軍基地に隣接する航空博物館。P-59やYA-9などが展示されている。参考：月刊丸2,’08付録

＜マーチャンド＞：DE-249（護衛駆逐艦）を参照。

＜マーチン＞：G44（駆逐艦）を参照。

＜マーチン・Ｈ・レイ＞：DE-338（護衛駆逐艦）を参照。

＜マーチン社＞：アメリカの航空機会社。グレン・Ｌ・マーチンが1912年8月16日に創設した。1914年、アメリカ陸軍からモデルＴ練習機を受注した。1916年8月、ライト社と合併してライト・マーチン航空機会社となったが、生産能力が低すぎて第１次大戦での航空戦力急増には対応できないと判断され発注が得られず、1917年初めに閉鎖された。9月10日、オハイオ州に再創設された。第１次大戦終結で潰れかけたが、海軍から発注を受けて何とか持ち直している。1929年10月7日、メリーランド州に移転。12月からB-10爆撃機を開発。1940年からB-26とPBM-3を生産。1959年8月20日のP6M飛行艇開発打ち切りで航空機開発から手を引いた。1961年、アメリカン・マリエッタ社と合併してマーチン・マリエッタ社になった。参考：世界の傑作機No.155、月刊JWings10,’15

＜マーチン・ベイカー社＞：射出座席メーカー、Martin-Baker。ミーティアT.7練習機をテストベッドとして所有しており、F-35戦闘機用Mk.16E射出座席の試験もこれで行っている。参考：月刊航空ファン9,’19

＜マーチン・ペスカーダー＞：全長2.94m、直径0.2185m、翼スパン0.73m、重量140kg、弾頭重量40kg。推進は固体ロケットで、最大速度マッハ2.3、射程2.5-9km。誘導は無線コマンドリンク。参考：ザ・マーチ17号

＜マーチン・ボマー＞：SB-1シリーズ（爆撃機）を参照。

＜マーチン・マリエッタ社＞：マーチン社とアメリカン・マリエッタ社（化学製品・建築資材会社）が1961年に合併したものである。1995年、ロッキード社と合併してロッキード・マーチン社になった。参考：月刊JWings10,’15

＜マーツ＞：DD-691（駆逐艦）またはDE-174（カノン級護衛駆逐艦）を参照。

＜マーティン＞：DE-30（護衛駆逐艦）を参照。

＜マーテルＡＪ．１６８＞：アエロスパシアル社とBAe社が開発した空対地ミサイルで、イギリス軍が採用した。バッカニアに搭載できる。全長3.87m、直径0.4m、翼スパン1.2m、重量550kg、弾頭重量150kg。推進は固体燃料ロケットで、射程60km。TV誘導式で、可動フィンにより飛翔制御を行う。参考：世界の軍用機1979、軍用機ウェポン・ハンドブック

＜マーテルＡＳ．３７＞：アエロスパシアル社とBAe社が開発した空対地ミサイル（対レーダーミサイル）で、フランス軍が採用した。ジャギュア、バッカニアに搭載できる。全長4.12m、直径0.4m、翼スパン1.2m、重量530kg、弾頭重量150kg。推進は固体燃料ロケットで、射程60km。パッシブレーダー誘導式で、可動フィンにより飛翔制御を行い、目標に突入する。参考：世界の軍用機1979、軍用機ウェポン・ハンドブック

＜マーテル・マシン＞：イギリス軍のL.Q.マーテル少佐が1925年に自作した豆戦車。マックスウェル乗用車のエンジン、フォードトラックの車軸、ロードレス・トラクション社に作ってもらった履帯などを組み合わせた足回り（後方に１軸２輪の車輪があるが、単なる超壕用なのかハーフトラックなのかは不明）に木製上部構造物を載せている。イギリス国防局も注目して改良型４両を作ることになり、モーリス・モーター社が16馬力エンジンを車体前部に積んだ装甲車バージョンを製作した。うち３両は１名用、１両は２名用で、初号車は1926年3月に完成してテストに投入され、操縦と機銃操作を１名で行うのは無理があると判明、1927年に２名用が８両発注されて実験機械化部隊に配備されている。更に１名用改良型としてクロスレイ・マーテル１名乗りタンケッテも製作されたが、カーデンロイド豆戦車に負けて採用されなかった。参考：月刊丸6,’01

＜マートル＞：A199（曳船）を参照。

＜マートレット＞：LMM（多用途ミサイル）を参照。

＜マートレットⅠ＞：F4F海外シリーズ（戦闘機）を参照。

＜マートレットⅡ＞：F4F海外シリーズ（戦闘機）を参照。

＜マートレットⅢ＞：F4F海外シリーズ（戦闘機）を参照。

＜マートレットⅣ＞：F4F海外シリーズ（戦闘機）を参照。

＜マーフィ＞：DD-603（駆逐艦）を参照。

＜マーブルヘッド＞：CL-12（軽巡洋艦）を参照。

＜マーヘ級＞：エフゲーニャ級・海外シリーズ（掃海艇）を参照。

＜マーベリック＞：AGM-65シリーズ（空対地ミサイル）を参照。

＜マーベリック＞：南アフリカのパラマウントグループが開発した治安部隊用４輪装甲車。外見はランドシステムズOMC社のRG-12に似たワンボックスタイプで、装甲板溶接によるモノコック構造である。STANAG4569レベルⅢの装甲防御力を持つ。戦闘重量15トン、ペイロード５トン。エンジンはMAN社製ディーゼル（231馬力）で、トランスミッションはZF12セミオートマチック（12速）、最大速度120km、航続距離700km。出力20kWのAPUも搭載している。乗員２名＋乗車兵員10名。暴徒鎮圧任務車両の他、指揮通信、爆発物処理部隊・SWAT部隊輸送、放水、VIP輸送などのファミリーが想定されている。2008年のAADで展示された。参考：月刊軍事研究12,’08

＜マーベル＞：九七式二号艦上攻撃機を参照。

＜マーメイド＞：U30（スループ）を参照。

＜マーヤ＞：L-29（練習機）を参照。

＜マーラム空軍基地＞：イギリス空軍の航空基地。滑走路はメインがランウェイ06/24、クロスが01/19で、クロスランウェイ脇に垂直着陸用パッドがある。参考：月刊航空ファン4,’19

＜マーリイ＞：アメリカ海軍駆逐艦。1945年3月26日、沖縄方面で基地航空隊と特攻隊の攻撃を受けて損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜マーリーチ＞：インド海軍の魚雷防御装置Maareech。海軍物理海洋研究所と海軍科学技術研究所が開発した。TASS、曳航デコイ、投棄型デコイからなり、艦のソナーで魚雷を探知すると、TASSで追尾し、艦内情報処理装置で諸元を解析、曳航デコイを作動させ、10連装発射機から投棄型デコイを射出する。参考：月刊世界の艦船8,'21、2,’16、7,’20

＜マーリン＞：P5M（飛行艇）またはSS-205（潜水艦）またはSST-2（潜水艦）を参照。

＜マーリン＞：イギリス国防省とBAe社が開発した81mm迫撃砲用対戦車誘導弾。全長0.9m、重量6kg。誘導はミリ波レーダーで、弾頭はHEAT。1985年のイギリス陸軍装備展示会で展示された。参考：月刊PANZER10,’85

＜マーリン＞：ラジオ・コントロール・スペシャリスツ社が開発した小型RPV。無尾翼デルタ翼機で、翼スパン1.45m、発射重量4.8kg。航続時間は速度145kmで30分。参考：スパイ機

＜マーリン＞：イギリス防衛評価開発局（DERA）が1998年から開発中の実験用UUV。潜水艦から発進し、隠密偵察などの任務を行う。スピアフィッシュ重魚雷をベースに開発されており、全長50kmの光ファイバーにより、搭載センサーで得た情報を母艦に送信する。全長6m、重量1.2トン。バッテリーにより3-15ノットで推進し、連続４時間作動可能。最大深度350m以上。参考：月刊軍事研究8,’01

＜マーリン・シリーズ＞：スウェリンジェン社が開発した双発ターボプロップ・ビジネス機。1960年代から開発され、1971年にスウェリンジェンがフェアチャイルド社に吸収合併されたため、以降はフェアチャイルド社で生産した。マーリンⅡ／Ⅲは1983年までに319機が生産されている。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜マーリンⅡ＞：短胴型。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜マーリンⅢ＞：短胴型。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜マーリンⅣ＞：胴体を5.2m延長したタイプ。1970年から販売された。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜マーリンⅣＣ＞：１機がUC-26C麻薬密輸監視機に改造されてアメリカ州空軍に配備された。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜マーリン・シリーズ＞：ロールスロイス社が開発した航空機用エンジンで、マーリンは小長元坊の意。ケストレルＶ型12気筒エンジン（750馬力）がベースで、高速水上レース機スーパーマリンS6BのＲエンジン（2250馬力）の経験を取り入れて完成した。開発時名称はPV12で、Private Venture 12気筒の略であり、元々自主開発エンジンである。1932年初めに完成し、スピットファイア、ハリケーン、モスキート、ホイットレイ、ランカスターに搭載された。当初はクランクケースを製造するための軽合金製鋳物型を作るのに高度な技術が必要で、マーリンⅠ用シリンダーヘッドの65%が不良品になり、マーリンⅡでも最初に製造したシリンダー300個のうち80%が不良品として弾かれる状態に陥ってしまったため、ダイキャスト法に変更するなどして解決、1937年10月には不良品率を12%に改善して戦時量産に間に合わせた。第２次大戦中はロールスロイス社に非熟練労働者が大量投入され、作業員の３分の１を女性が占める状態だったが、作業の標準化と標準ゲージの採用、マニュアル完備、品質検査要員増員などにより、誉エンジンよりも部品精度が厳しかったにも関わらず品質を落とさなかった。参考：スピットファイア、月刊丸10,’93、歴史群像8,’08、月刊航空情報8,’12、月刊軍事研究10,’18

　＜マーリンＭｋ．１＞：液冷Ｖ型12気筒ガソリンエンジンで、中シリンダー径、中速回転方式である。シリンダー頭部に熱の歪みが生じないよう、頭部と胴部は分離して鋳造され、シリンダー外部には切れ目を入れて相互に熱が伝わらないようにしている。弁は１弁１カム方式とし、気化器はフロート室式だが、マイナスＧがかかった際にエンジンへの混合気供給が不十分になるという欠点があった。冷却は100%エチレングリコール液による高温冷却（110-30度）。シリンダー容積は137.3mm×152.5mm、総排気量27リットル、圧縮比6:1。離昇出力880馬力、公称出力990馬力。参考：月刊丸10,’93

　＜マーリンＭｋ．Ⅱ＞：１段１速過給器付きで、重量653kg、出力1030馬力。シリンダー直径137mm、行程152.4mm、総排気量27リットル。電気始動式で、冷却液は100%エチレングリコールを使用する。スピットファイアMk.Ⅰ、Mk.Ⅱに搭載された。参考：スピットファイア、図解世界の軍用機史

　＜マーリンＭｋ．Ⅲ＞：１段１速過給器付きで、重量653kg、出力1030馬力。電気始動式で、冷却液は100%エチレングリコールを使用する。スピットファイアMk.Ⅰに搭載された。参考：スピットファイア

　＜マーリンＭｋ．１０＞：２速スーパーチャージャーを搭載したもの。参考：月刊丸10,’93

　＜マーリンＭｋ．ⅩⅡ＞：冷却液が加圧水（120-125度）に変更された。１段１速過給器付きで、重量658kg、出力1175馬力。コフマン火薬式始動機付きで、冷却液は100%エチレングリコールを使用する。使用燃料は100オクタン。スピットファイアMk.Ⅱに搭載された。参考：スピットファイア

　＜マーリンＭｋ．２０＞：Mk.10の改良型で、当初はマーリンRM25Mと呼ばれた。離昇出力1280馬力、スーパーチャージャー１速作動で1240馬力（高度3050m）、２速作動で1175馬力（高度5340m）。スピットファイアMk.Ⅲに搭載された。参考：月刊丸10,’93、スピットファイア

　＜マーリンＭｋ．３２＞：１段１速過給器付きで、重量649kg、出力1645馬力。コフマン火薬式始動機付き。スピットファイアMk.ⅧPR、シーファイアMk.Ⅰ－Ⅲに搭載された。参考：スピットファイア

　＜マーリンＭｋ．４５＞：当初はマーリンRM5Sと呼ばれた。気化器をフロートレスに変更し、マイナスＧがかかっても混合気を安定供給できるようにしている。１段１速過給器付きで、重量628kg、出力1185馬力（ブースト+12）。始動機は電気式。ラジエーターは加圧水冷却方式で、冷却液は70%蒸留水と30%エチレングリコールを混合したものである。使用燃料は100オクタン。スピットファイアMk.Ⅴ、シーファイアMk.Ⅰ－Ⅲに搭載された。参考：スピットファイア

　＜マーリンＭｋ．４５Ｍ＞：Mk.45の過給器インペラー径を短縮したもの。１段１速過給器付きで、重量628kg、出力1230馬力（ブースト+12）。始動機は電気式。スピットファイアMk.ⅤLFに搭載された。参考：スピットファイア

　＜マーリンＭｋ．４６＞：１段１速過給器付きで、Mk.45の過給器インペラ径を増大している。重量628kg、出力1100馬力（ブースト+12）。始動は電気式。スピットファイアMk.Ⅴ、シーファイアMk.ⅡＣに搭載された。参考：スピットファイア

　＜マーリンＭｋ．４７＞：与圧システム併用、１段１速過給器付きで、重量635kg、出力1415馬力。始動は電気式。スピットファイアMk.Ⅵに搭載されている。参考：スピットファイア

　＜マーリンＭｋ．５０＞：１段１速過給器付きで、重量631kg、出力1185馬力（ブースト+12）。始動は電気式。スピットファイアMk.Ⅴに搭載された。参考：スピットファイア

　＜マーリンＭｋ．５０Ａ＞：１段１速過給器付きで、重量631kg、出力1100馬力（ブースト+12）。始動は電気式。スピットファイアMk.Ⅴに搭載された。参考：スピットファイア

　＜マーリンＭｋ．５０Ｍ＞：１段１速過給器付きで、過給器インペラー径を短縮している。重量628kg、出力1230馬力（ブースト+12）。始動は電気式。スピットファイアL.F Mk.Ⅴに搭載された。参考：スピットファイア

　＜マーリンＭｋ．５５＞：シリンダーブロックを２分割鋳造で製作している。１段１速過給器付きで、重量635kg、出力1185馬力。始動は電気式。シーファイアMk.Ⅰ－Ⅲに搭載された。参考：スピットファイア

　＜マーリンＭｋ．５５Ｍ＞：Mk.55の過給器インペラー径を短縮したもの。１段１速過給器付きで、重量628kg、出力1230馬力。始動は電気式。スピットファイアL.F Mk.Ⅴ、シーファイアMk.Ⅰ－Ⅲに搭載された。参考：スピットファイア

　＜マーリンＭｋ．５６＞：１段１速過給器付きで、重量635kg、出力1100馬力。始動は電気式。スピットファイアMk.Ⅵに搭載された。参考：スピットファイア

　＜マーリンＭｋ．６１＞：過給器を２段２速式メカニカル・スーパーチャージャーに換装してパワーアップしたもので、最小限の改修でMk.Ⅱ・Ⅲから35%以上の出力増加を果たした。過給器のケーシングは二重構造になっていて、そこに冷却水を通して過給器全体を冷却するシステムを組み込んでいる。排気管はシリンダーごとに用意されている。乾燥重量744kg。離昇出力1290馬力（1565馬力？）、スーパーチャージャー１速作動で公称出力1400馬力（高度3660m）、２速作動で公称出力1250馬力（高度7320m）。始動は電気式。スピットファイアMk.Ⅶ、Ⅷ、Ⅸに搭載された。参考：月刊丸10,’93、スピットファイア、月刊軍事研究9,’16

　＜マーリンＭｋ．６３＞：２段２速過給器付きで、重量746kg、出力1650馬力。始動は電気式。スピットファイアMk.Ⅷ、Ⅸ、Mk.ⅩⅠPRに搭載された。参考：スピットファイア

　＜マーリンＭｋ．６３Ａ＞：２段２速過給器付きで、重量746kg、出力1710馬力。始動は電気式。スピットファイアMk.Ⅷ、Ⅸに搭載された。参考：スピットファイア

　＜マーリンＭｋ．６４＞：２段２速過給器付きで、重量755kg、出力1710馬力。与圧システム併用で、始動は電気式。スピットファイアMk.Ⅶ、Mk.ⅩPRに搭載された。参考：スピットファイア

　＜マーリンＭｋ．６６＞：２段２速過給器付きで、重量746kg、出力1580馬力。燃料直噴装置付で、始動は電気式。スピットファイアMk.Ⅷ、L.F Mk.Ⅸに搭載された。参考：スピットファイア

　＜マーリンＭｋ．７０＞：２段２速過給器付きで、重量744kg、出力1475馬力。燃料直噴装置付で、始動は電気式。スピットファイアMk.Ⅷ、H.F Mk.Ⅸ、Mk.ⅩⅠPRに搭載された。参考：スピットファイア

＜マーリン海外シリーズ＞

　＜マーリン２６６＞：アメリカのパッカード社でライセンス生産したマーリン66。規格をフィートからメートルに直してあり、マーリン66との間で部品の互換性は無い。P-51に搭載された他、イギリスが逆輸入してスピットファイアMk.ⅩⅣに搭載した。参考：スピットファイア

＜マーリン２３＞：メトロ23ファミリー（コーポレート機）を参照。

＜マーリン２３Ｅ＞：メトロ23ファミリー（コーポレート機）を参照。

＜マーリンＨＣ　Ｍｋ．３＞：EH101海外シリーズ（ヘリ）を参照。

＜マーリンＨＭ　Ｍｋ．１＞：EH101海外シリーズ（ヘリ）を参照。

＜マーリンＷＳ＞：オットー・メララ社が開発した対小型船舶用近接防御兵器MARLIN WS（Modular Adcanced Remotely controlled Lightweight Naval Weapon Station）。マウザー30mm機関砲Mk30モデルＦまたはMk44ブッシュマスターⅡまたはエリコン25mm機関砲KBAまたはM242ブッシュマスターと、安定化砲塔、電子光学／赤外線センサー、レーザー測距器、照準器を組み合わせており、艦内の戦闘管制システムからの遠隔操作射撃も行える。必要に応じてミストラルや9K38イグラといった近接防御SAM４連装ランチャーと組み合わせ、対空CIWSとしても使用可能。甲板上にそのまま載せられるので、後日装備が容易である。マウント重量1.17トン（25mm機関砲）／1.43トン（30mm機関砲）。旋回角左右140度ずつ、旋回速度毎秒140度、俯仰角マイナス19度からプラス70度、俯仰速度毎秒80度。ホランド級外洋哨戒艦とアブ・ダビ級コルベットに搭載された。参考：月刊世界の艦船1,’15増刊、12,'20、月刊軍事研究2,’07、2,’12

＜マールボロー＞：F-233（フリゲート）を参照。

＜マールボロー＞：イギリス海軍アイアン・デューク級戦艦Marlborough。1914年6月2日竣工。1916年5月31日、第１戦艦戦隊第６小隊所属でジュットランド沖海戦に参加。魚雷たった１本による損傷で戦線離脱となったため、防御力に批判が出る結果となった。1932年に除籍され、6月に売却されて解体された。参考：近代戦艦史、月刊世界の艦船1,’12、歴史群像6,’16

＜マールンサンダー＞：アメリカ陸軍第３歩兵師団師団砲兵の愛称。参考：月刊軍事研究9,’03

＜マーレ・アペルト＞：イタリア海軍主催多国籍演習Mare Aperto（大海原、外洋）。年２回開催される。参考：月刊JWings8,’23

＜マーレ・アペルト２０１９＞：2019年4月29日から5月10日に地中海で実施された。イタリア海軍ジュゼッペ・ガリバルディ級空母C551ジュゼッペ・ガリバルディ、ホライゾン型ミサイル駆逐艦D553アンドレア・ドリア、同D554カイオ・デュイリオ、FREMM級ミサイル・フリゲートF593カラビニエーレ、マエストラーレ級フリゲートF577ゼフィーロ、哨戒艦P493コマンダンテフォスカリ、212A型潜水艦 S-527シレ、エトナ級補給艦A5326エトナ、ストロンボリ級補給艦A5329ヴェスヴィオ、給水艦A5377ティルソ、イタリア沿岸警備隊巡視船アントニオ・ペルーソ、アメリカ海軍、イギリス海軍、スペイン海軍サンタ・マリア級ミサイル・フリゲートF83ヌマンシア、カンタブリア級補給艦 A15カンタブリアなど８カ国45隻（うち潜水艦５隻）が参加し、対潜戦、対空戦、対水上戦、密輸取り締まり、海洋汚染防除などの訓練を行っている。参考：月刊世界の艦船8,’19

　＜マーレ・アペルト２０２３－１＞：2023年4月14日から5月6日に実施され、イタリア海軍空母C550カブール、揚陸艦L-9894サン・ジュースト、潜水艦、F-35B戦闘機、AV-8Bプラス攻撃機、TAV-8Bプラス攻撃機、EH-101早期警戒ヘリ、イタリア空軍F-35戦闘機、ユーロファイター戦闘機、G550CAEW早期警戒機、KC-767A空中給油輸送機、イタリア陸軍、イタリア憲兵、イタリア沿岸警備隊、NATO加盟国13カ国、NATOパートナー国10カ国が参加し、対水上戦、対空戦、対潜戦、海上阻止、強襲揚陸、海上警備、民間団体との海洋環境保護・災害救助訓練などを行った。参考：月刊JWings8,’23

＜マーレ・ノストラム作戦＞：イタリア軍の地中海南部亡命者監視・捜索救難作戦。亡命者を乗せた船がランペドゥーザ島沖で沈没し350人が死亡した事故を受け、2013年10月18日から開始した。シチリア海峡にマエストラーレ級フリゲート２隻、カシオペア級哨戒艦２隻、LPD１隻、ゴルゴナ級輸送艦１隻、AW101ヘリ、アトランティック１、プレデターＢなどが参加している。参考：月刊軍事研究3,’14

＜マーロット村人質事件＞：1974年5月15日未明、イスラエル北部のマーロット村にある宿泊施設をPFLPのゲリラ３人が急襲し、遠足に来ていた小学生90人を人質にして立て籠もった。1800までに岡本公三ら20人を釈放しないと建物を人質ごと爆破すると脅迫したため、現場にはダヤン国防相とグル参謀総長が出向き、救出作戦を行うことになった。時間制限直前に救出部隊が突入したが、建物を間違えたためにゲリラは人質に手榴弾を放り込んで突撃銃を乱射、人質24人が死亡して62人が負傷し、救出部隊も１名の死者と４名の負傷者を出した。ゲリラは全員射殺された。参考：月刊軍事研究7,’97

＜マーロン・Ｓ・ティスデル＞：FFG-27（フリゲート）を参照。

＜マイアーレ＞：イタリア軍が第２次大戦時に使用したミジェットサブマリンで、制式名称はSLC（低速魚雷）だが、あまりに遅いのでマイアーレ（豚）と呼ばれた。魚雷にフロッグマン２名が跨って乗るような形をしている。1941年12月19日、潜水艦シーレから出撃し、エジプトのアレクサンドリア港でイギリス海軍戦艦00クイーン・エリザベスと02ヴァリアントの２隻を着底させた。参考：月刊軍事研究4,’04、月刊世界の艦船6,’09

＜マイアミ＞：CL-89（軽巡洋艦）またはSSN-755（原潜）を参照。

＜舞風＞：日本海軍陽炎型駆逐艦18番艦Maikaze。昭和16年7月15日竣工、第４駆逐隊に編入された。12月8日、太平洋戦争開戦時は建制でも兵力部署でも第４駆逐隊所属で、南方部隊本隊としてマレー作戦とフィリピン上陸作戦に参加。昭和17年2月、ジャワ南方機動作戦に参加。4月5日、セイロン島攻撃に参加。6月5日、ミッドウェイ海戦に参加。8月16日、呉を出港してラバウルに向かい、ガダルカナル島輸送作戦を３回行った。8月24日、第２次ソロモン作戦に参加。10月26日、南太平洋海戦に参加。その後は翔鶴を護衛して横須賀に帰港した。12月1日、呉を出港した。ブカ輸送作戦で野分をラバウルまで曳航。昭和18年1月5日、ラエ輸送作戦に参加。1月14日、ガダルカナル島輸送作戦に参加。2月1日からイサベル島沖海戦に参加。2月4日、イサベル島沖海戦で航行不能となり、長月に曳航されてショートランドに着いた。その後横須賀に戻って修理を受け、7月22日に完了した。7月23日、横須賀を出港。内地とトラックとの間で護衛任務を行った。10月10日、陸軍部隊を乗せて上海を出港し、ラバウルまで輸送した。11月25日、トラックを出港してマーシャル方面輸送作戦を実施。12月31日、トラックを出港し、第３戦隊を護衛して佐世保に向かった。昭和19年1月3日、佐世保を出港してロレンゴウ輸送作戦を実施。その後はトラック付近で護衛任務を行った。2月17日、トラック空襲で沈没し、艦長ら240名が戦死した。3月31日に除籍された。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊丸4,’99、月刊世界の艦船9,’14

＜マイク＞：アメリカが開発した、世界初の水爆実験装置で、メガトンのＭを取って名付けられた。本体はソーセージと呼ばれ、高さ6.2m、直径2m、厚さ0.3mの鋼鉄製ケースの底にTX5型爆縮式原爆（47キロトン）を配置し、その上にポリエチレン・プラスチックと鉛のプッシャー・タンパーを置き、真ん中に高さ5m・直径1mの魔法瓶を配置して液体重水素１キロリットルを注ぎ、中心にプルトニウム管のスパーク・プラグを立てている。総重量82トンで、液化重水素を超低温に保つ液化冷却装置も付いていた。アイヴィー作戦で炸裂し、島１個を消滅させた。参考：月刊軍事研究8,’99

＜マイク型＞：685型（原潜）を参照。

＜マイクフライト＞：海上自衛隊固定翼哨戒機で海氷（流氷の気象庁用語）観測飛行を行うミッションのこと。毎年12月下旬から4月下旬に行われる。気象庁に対する協力として第２航空群が1960年から年10回くらいのペースで実施中。2016年2月23日に1090回を達成したが、人工衛星での観測技術が発達したことなどから、海氷観測のみのミッションは年１回に減らし、他は哨戒活動のついでに観測も行う方針とした。参考：月刊JWings5,’04、5,’06、5,’16、月刊世界の艦船5,’16、朝雲

＜マイグレーション処理＞：Migration。地中レーダーにおける合成開口レーダー処理のことで、同じく地中構造計測に使用されてきた地震波信号処理の用語を流用している。地中の反射体が少ない場合や、地表とほぼ平行な地層境界面がある場合、生の反射波形でも地中構造をある程度は把握できるが、二次元の合成開口レーダー処理を行うことで、それ以外の場合でも実際の反射体の形状をより正確に推定できる。地中レーダーではレーダー波を送受信している間にプラットフォームが殆ど移動しないので、プラットフォームの移動によるドップラー現象が起きず、ストップ・アンド・ゴーと呼ばれる合成開口レーダー計測方式をとる。参考：レーダの基礎

＜マイクレシーバブラケット（Ｐ－１用）＞：自衛隊の機器。神田通信工業製。参考：月刊軍事研究3,’13

＜マイクレシーバブラケット（ＵＳ－２用）＞：自衛隊の機器。神田通信工業製。参考：月刊軍事研究11,’15

＜マイクロ・ウージー＞：ウージー・シリーズ（短機関銃）を参照。

＜マイクロウェーブ・アンプ＞：自衛隊の機器。アジレント・テクノロジー製。参考：月刊軍事研究8,’15

＜マイクロ・コーラル＞：エルビット社が開発した軽量型個人用熱線暗視装置で、コーラルCRを小型化したものである。重量1.5kg。非冷却方式で、使用波長は3-5ミクロン、倍率７倍、最大探知距離8km。参考：月刊軍事研究11,’10

＜マイクロサイト＞：照準点の微調整が行える、可動式のピープサイトのこと。参考：GUN用語事典

＜マイクロジェット２００シリーズ＞：ミクロチュルボ社が自社製小型ガスタービンエンジンの市場拡大を狙って開発したジェット練習機。参考：世界の軍用機1982

＜マイクロジェット２００＞：Microjet 200。運用経費が安いのが売りで、１飛行時間当たり25000円しかかからない。胴体は全金属製セミモノコック構造で、胴体内に２基のエンジンを並列に収容しており、エアインテイクは胴体中央側面に、排気口は胴体後部側面にある。主翼は直線翼で、桁がカーボンファイバー、エルロンとフラップがグラスファイバー／エポキシ製。Ｖ字型の複合材製尾翼を持つ。降着装置は引き込み脚の前輪式。コクピットはサイドバイサイドだが、右側の教官席を左より0.55m後ろにずらして計器板を１つで済ませ、胴体幅を広げずに済むようにしてある。全長6m、全幅7.58m、全高1.90m、自重600kg、最大離陸重量1050kg。エンジンはミクロチュルボTRS18-046（推力110kg）双発、最大巡航速度250ノット、実用上昇限度9000m、航続距離540海里。乗員２名。1980年6月24日に原型機が初飛行した。参考：世界の軍用機1982、世界軍用機年鑑1990-91

　＜マイクロジェット２００Ｂ＞：前生産型で、初号機は1983年5月に初飛行した。３号機は尾翼端に垂直フィンを持つ。全長6.67m、全幅7.56m、全高2.27m、自重770kg、総重量1300kg。エンジンはミクロチュルボTSR18-1-081（推力148kg）双発、巡航速度210ノット、最大速度300ノット、実用上昇限度9150m、燃料容量440リットル、航続距離470海里。乗員２名。参考：世界軍用機年鑑1990-91

＜マイクロスター＞：DARPAとロッキード・マーチンが1998年に開発したマイクロUAV。全幅120mm、重量85g。参考：月刊軍事研究11,’12

＜マイクロ・タボール＞：TAR21シリーズ（小銃）を参照。

＜マイクロ波＞：波長1-1000mm、周波数300-0.3GHz（波長0.1-1000mm、周波数3000-0.3GHz？）の電磁波のこと。マイクロ波と言いつつ波長はマイクロメートル（ミクロン）単位ではなく、デカメートル波（極超短波）、センチメートル波、ミリ波のことである。導電性の高い分子に熱を発生させる誘電加熱を引き起こすことが可能で、電子レンジに応用された。高出力マイクロ波で電子機器を破壊する事もでき、UAVの群れに次々照射して飛行制御不能に陥らせ無力化する研究が各国で進行中。電力をマイクロ波に転換して電線無しに送ることができ、宇宙に展開した太陽光パネルから地上に送電する研究が進められていて、2014年3月12日には三菱重工で10kWの電力を500m離れた場所に送信する実験に成功した。マイクロ波を受信して電力に転換し、飛行機を飛ばすこともできる（1987年10月6日にカナダが世界初成功、1982年8月29日に日本が２番目に成功）が、人間が乗ると誘電加熱で死んでしまうのが難点である。無人機ならその心配は無く、レーダーなどのセンサーを宙に浮かせて運用できるくらいの出力を伝達できれば、半没水船体に空飛ぶマストを組み合わせたステルス艦が誕生する。参考：図解・電波のしくみ、月刊軍事研究7,’12、1,’07、5,’15、月刊航空ファン5,’17、11,’92、月刊世界の艦船9,’12増刊、8,’16、月刊JWings3,’20

＜マイクロ波式波高計改１型＞：自衛隊の機器。三社電機製作所製。参考：月刊軍事研究3,’09

＜マイクロ波信号発生器＞：自衛隊の機器。アンリツ製。参考：月刊軍事研究8,’11

＜マイクロ波着陸装置＞：MLS（Microwave Landing System）と略す。マイクロ波を使用した計器着陸装置（ILS）で、従来使用していたVHFやUHFより直進性や安定性に優れ電波干渉が少ない電波を使用することにより、精度が高い進入を可能とし、進入コース（進入方位と進入角）を自由に設定できるようにし、平行滑走路や交差滑走路に個別の着陸装置を設けられるようにする。参考：航空用語事典増補改訂版

＜マイクロバス＞：自衛隊の車両。三菱ふそうトラックバスまたはトヨタ自動車または日産自動車製。参考：月刊軍事研究6,’09、7,’10、9,’10

＜マイクロバス（全輪駆動）＞：自衛隊の車両。サイト用などのバリエーションがある。三菱ふそうトラックバス製。参考：月刊軍事研究5,’09

＜マイクロミサイルシステム＞：技術研究本部が2012年度から研究中の小型ミサイル。市街戦などで付随被害を局限するため小型小威力であるが、ソフトスキン車両や一般の建物の中にいるテロリストなどを攻撃するには十分な破壊力を持つ。シーカーは可視光カメラなどで、操作員が映像を見てロックオンすることにより移動目標にも命中させられる。無人車両にミサイルを搭載し、安全な位置に停車した指揮車内部の操作員が遠隔操作で発射するのが基本運用方式で、地上設置での発射も可能にする。民生品を多用して低価格に抑える。2016年度までに完成させて実射テストも済ませる予定。参考：朝雲

＜マイケーファー＞：Fi103（巡航ミサイル）を参照。

＜マイケル・マーフィー＞：DDG-112（駆逐艦）を参照。

＜マイケル・モンサー＞：DDG-1001（駆逐艦）を参照。

＜舞子＞：日本海軍舞子型砲艦Maiko。元は明治43年に竣工したポルトガル海軍小型砲艦マカウ（Macau）で、昭和18年8月15日に購入し、砲艦に類別した。太平洋戦争終戦時は広東にあり、国府海軍に接収されて舞鳳（Wufeng）と改称された。昭和22年5月3日、日本の艦籍から除かれた。参考：日本海軍特務艦船史

＜舞子型＞：日本海軍砲艦Maiko型。元はポルトガル海軍植民地警備用小型砲艦マカウで、昭和18年8月15日に購入し、香港や広東方面の哨戒任務に充てたものである。垂線間長36.5m、最大幅6m、吃水0.6m、常備排水量133トン。主機は直立式３気筒３段膨張式レシプロ蒸気機械２基、主缶はヤーロー式石炭専焼水管缶１基、出力250馬力、２軸推進、速力11.8ノット。兵装は57mm単装砲２門、機銃３丁。乗員24名。舞子が就役した。参考：日本海軍特務艦船史

＜マイコちゃん＞：舞鶴地方隊のイメージキャラクターで、モチーフはオオミズナギドリ。恥ずかしがり屋で子供好き。舞鶴地方総監部募集支援係デザインの１号と、舞鶴地方総監部広報係デザインの２号がいる。参考：朝雲

＜埋線建築車＞：日本陸軍の装軌式地下ケーブル敷設車両で、東京瓦斯電気工業が試作した。時速1kmで走りながら車体後端の埋線鍬で深さ400mmの孔を掘り、中に中径16mmの４対入りケーブルを埋め、牽引するローラーで地固めする装置である。エンジン出力65馬力。参考：工兵入門

＜マイソール＞：C60（巡洋艦）またはD60（駆逐艦）を参照。

＜マイソール級＞：インド海軍巡洋艦Mysore級。元はイギリス海軍フィジー級軽巡洋艦ナイジェリアである。基準排水量8700トン。主機は蒸気タービンで、速力31.5ノット。兵装は152mm３連装砲３基、102mm連装砲４基、40mm連装機関砲５基。C60マイソールが就役した。参考：月刊世界の艦船6,’83

＜マイダス＞：Il-78M（空中給油機）またはIl-78T（空中給油輸送機）を参照。

＜マイチくん＞：舞鶴地方隊のイメージキャラクターで、モチーフはオオミズナギドリ。やんちゃで人なつっこい。舞鶴地方総監部募集支援係デザインの１号と、舞鶴地方総監部広報係デザインの２号がいる。参考：朝雲

＜マイちゃん＞：新潟地方協力本部のマスコットキャラ。2016年4月11日、テレビ新潟の伝言板コーナーに生出演し、第36回防衛問題セミナーへの来場を呼びかけた。参考：朝雲

＜舞鶴衛生隊＞：海上自衛隊の衛生隊。舞鶴地方隊隷下にある。2020年3月2日、開隊50周年記念行事を実施。参考：朝雲

＜舞鶴音楽隊＞：海上自衛隊の音楽隊。1955年9月1日に創設され、1976年5月11日に正式な編成として認可されて舞鶴地方総監直轄部隊となった。2014年8月27日、福井県勝山市で行われた福井県経済界サマースクールで演奏を実施。2015年10月10日、横須賀芸術劇場で海上自衛隊バンドフェスティバルに参加。10月11日、横須賀パレードに参加。2016年2月27日、呉市文化ホールで呉音楽隊定期演奏会に参加。6月12日、岐阜市で行われたＪリーグFC岐阜－セレッソ大阪戦でファンファーレなどの演奏を行った。2017年4月29日、富山県立南砺福野高校で吹奏楽部員に対する演奏技術指導を実施。4月30日、2017となみチューリップフェアで演奏支援を実施。6月24日、三重県総合文化センターで行われた自衛隊まるごと体験＆ふれあいコンサート2017で演奏した。12月2日、福知山駐屯地創立67周年記念行事市中パレードで演奏を行った。2018年1月13日、舞鶴基地で体験公開を行ったDDH-181ひゅうが艦内で演奏会を実施。3月3日、亀岡市で開催された京都府防衛協会主催入隊・入校激励会で演奏を行った。8月18日、京都コンサートホールで演奏会を実施。11月4日、富山県氷見市のひみ食彩祭りで富山地本の広報活動を支援した。12月8日、倉吉東高・倉吉西高吹奏楽部員29人に演奏指導を行った。2020年8月30日、舞鶴市民総合文化会館でファミリーコンサートを実施。2021年2月7日、第55回定期演奏会を舞鶴市総合文化会館で開催。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、部内者のみの実施となり、一般向けには後日海自公式ユーチューブで配信した。4月24日、富山県砺波市で行われた第70回となみチューリップフェアで演奏会を実施。7月22-30日、舞鶴市内と大阪で３つのコンサートを実施。9月25日、サンガスタジアムbyKYOCERAで広報活動を実施。2022年5月22日、新潟テルサで新潟県自衛隊家族会の演奏会を実施。5月29日、経ヶ岬分屯基地開庁65周年記念行事エアーフェスタ経ヶ岬2022で音楽演奏を実施。6月12日、岐阜市長良川国際会議場で行われた第17回ぎふ自衛隊音楽まつりに参加。参考：舞鶴音楽隊ホームページ、朝雲

＜舞鶴海軍工廠＞：日本海軍の工廠で、京都府舞鶴にある。明治34年に舞鶴造船廠として設立され、明治36年11月に舞鶴海軍工廠に改称された。駆逐艦建造のメッカであり、新型駆逐艦の１番艦は基本的に本工廠で製造され、設計上や実用上の改良点を２番艦以降の建造所に送った。大正12年4月1日、舞鶴鎮守府が要港に格下げされたため、舞鶴要港部工作部に縮小改編され、3000人以上の工員が解雇されている。昭和初期に船台や工場を新設・整備し、船渠を延長した。昭和11年7月、舞鶴海軍工廠に拡大改編された。戦後は飯野重工舞鶴造船所に引き継がれた。参考：月刊世界の艦船5,’11、6,’11、9,’13増刊、日本海軍艦隊総覧

＜舞鶴基地（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の基地。舞鶴地方総監部、第３護衛隊群司令部、舞鶴水中処分隊、舞鶴海上訓練指導隊、舞鶴造修補給所、舞鶴造修補給所大波貯油所、舞鶴弾薬整備補給処、舞鶴教育隊、自衛隊舞鶴病院などが所在している。大元は舞鶴鎮守府で、1952年に保安庁警備隊舞鶴地方隊が開設され、自衛隊発足で舞鶴基地になった。2008年12月3-5日、韓国海軍第１艦隊司令官が訪問した。2009年2月9日と11日、私立木更津総合高校修学旅行生（２年生440人）が基地を訪問し、DD-124みねゆき、DD-126はまゆき、第23航空隊SH-60ヘリを見学した。2016年10月18-20日、奈良育英中学校の職場体験学習に協力した。2017年8月9日、三重地本が企画したまるごとツアーに協力し、募集対象者34人が基地を見学した。2018年6月29日、ベトナム人民軍幹部14名が来訪し、PG-824はやぶさとDDH-181ひゅうがに乗艦した。7月5日、ウダロイⅠ級駆逐艦アドミラル・トリブツ、同アドミラル・ヴィノグラードフ、ドゥブナ級補給艦ペチェンガが入港。7月10日、ウダロイⅠ級駆逐艦アドミラル・トリブツ、同アドミラル・ヴィノグラードフ、ドゥブナ級補給艦ペチェンガが出港。2019年2月26日、舞鶴地方総監部の入隊予定者部隊見学に協力した。2021年10月1日、京都地本京丹後地域事務所に協力し、府立海洋高校２年生の部隊見学を行った。参考：JShips Vol.44、月刊世界の艦船2,’12、朝雲、MAMOR vol.100

＜舞鶴基地（２００７年度、改編前）＞：第３護衛隊群、舞鶴地方隊、第４術科学校、自衛隊舞鶴病院が所在している。参考：月刊JWings6,’07

＜舞鶴基地（２０１１年）＞：第３護衛隊群、第14護衛隊、舞鶴地方隊が所在している。参考：JShips

＜舞鶴基地（２０１５年）＞：第３護衛隊群、第７護衛隊、第14護衛隊、舞鶴地方隊、第44掃海隊、第１ミサイル艇隊、第４術科学校、舞鶴教育隊、舞鶴音楽隊などが所在している。参考：舞鶴地方隊ホームページ、JShips VOL.70

＜舞鶴教育隊＞：海上自衛隊の教育隊。総務科、厚生科、補給科からなる。元は1952年12月に舞鶴地方隊隷下に新編された舞鶴練習隊で、1957年5月に舞鶴教育隊に改編された。1975年9月、舞鶴自動車教習所を開設。1976年4月、第１期一般海曹候補学生教育を開始。1991年4月、第１期海曹候補士教育を開始。2007年5月、舞鶴自動車教習所が閉所した。2008年4月、第１期一般海曹候補生教育を開始。2011年4月、第１期自衛官候補生教育を開始。2012年7月5日、第５期一般海曹候補生課程学生94名が三浜海水浴場で遠泳訓練を実施。7月10日、第357期練習員課程学生77名が三浜海水浴場で遠泳訓練を実施。9月10日、開隊60周年記念式典を実施。2013年3月19日、第118期初任海曹課程学生78名が天橋立清掃奉仕活動を実施。7月20日、第６期一般海曹候補生課程・第359期練習員課程学生計284名が海上保安学校学生51人とスポーツ交流を実施。2014年4月8日、第７期一般海曹候補生114名と自衛官候補生課程234名の入隊式を実施。2016年3月11日、鳥取県からの入隊予定者８名に対する研修を実施。2017年10月3日、第３期海曹予定者課程学生118名の始業式を実施。2018年2月7日、第15期自衛官候補生49名が引揚記念館でボランティア清掃を実施。5月8日、第369期練習員課程学生39名が修業前討論会を実施。5月10日、第369期練習員課程39名の修業式を実施。7月5-8日に発生した西日本豪雨の災害派遣に参加。7月12日、第11期一般海曹候補生と第370期練習員課程学生の計370名が福井県和田海水浴場で慣海訓練を実施。8月27日、第13期一般海曹候補生課程238名（うち舞鶴教育隊初の女性自衛官42名）の修業式を実施。8月30日、三重地本の夏休み自衛隊ミステリーツアーに協力した。9月27日、プールで第31回海上自衛隊水泳大会が行われた。11月16日、三重地本のミステリー・グルメツアーに参加した募集対象者と家族14人が部隊を見学した。2020年2月18日、第374期練習員課程58名の修業式を実施。3月28日、第15期一般曹候補生240名が着隊。3月31日、第22期自衛官候補生140名が着隊。5月15日、舞鶴自衛隊協力会婦人部の白菊会から新隊員向け手作りマスク400枚を寄贈された。5月26日、第24分隊38名に防火実習を実施。6月2日、DD-130まつゆきで第15期一般曹候補生課程と第22期自衛官候補生課程の計60名の航海実習を実施。7月9日、第376期練習員課程と第15期一般海曹候補生課程計366名が観閲行進訓練に参加。7月19日、第15期一般海曹候補生課程・第376期練習員課程学生が海上保安学校学生とスポーツ交流を実施。8月18日、23分隊64名が短艇整備作業を実施。2021年10月25日、第302期海曹上級課程・第11期海曹予定者課程学生計180名が大縄飛びによるスポーツ交流を実施。2022年7月2日、海上保安学校学生祭（五森祭）のカッターレースに参加。参考：舞鶴教育隊ホームページ、教育隊の編制に関する訓令、MAMOR vol.144、月刊世界の艦船9,'22、朝雲

　＜舞鶴教育隊（２０１５年）＞：舞鶴地方隊隷下で、舞鶴基地に置かれている。司令、副長、教育部（教務室、教官室、教育分隊）、総務科（総務掛、人事係、文書係、警衛係）、厚生科（厚生係）、補給科（補給係、経理係、給食係）からなる。参考：舞鶴教育隊ホームページ

＜舞鶴軍港＞：日本海軍の軍港。明治30年7月、舞鶴鎮守府隷下に開設された。舞鶴駅から軍港に向かう街路は途中で微妙にカーブしており、建物の影に入って直接見えないようになっている。大正12年4月、舞鶴要港となった。昭和14年12月、舞鶴要港から再編された。参考：日本海軍艦隊総覧、月刊世界の艦船9,’13増刊

＜舞鶴警備区＞：舞鶴地方総監部の管轄地域で、秋田から鳥取にかけての日本海側と、兵庫県内陸部の半分を担当する。参考：月刊世界の艦船1,’95、日本の防衛戦力Part3

＜舞鶴警備隊（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の警備隊。1973年、若狭湾の冠島で舞鶴市教育委員会が行っているオオミズナギドリの生態調査への協力を開始。調査は5月と8月に実施されるが、無人島で船着き場も無いため、ゴムボートなどで人員や器材を搬送している。2002年3月、隷下に第２ミサイル艇隊が創設された。2009年5月15日と18日、YDT-01水中処分母船１号で冠島調査研究会のオオミズナギドリ調査活動を支援した。2013年8月23日と26日、冠島調査研究会のオオミズナギドリ調査活動を支援した。2016年7月14日、舞鶴湾で行方不明になった男性１人の捜索に関する災害派遣に参加。2017年4月3日、AMS-4301ひうちが隷下に入った。8月25日と28日、YDT-01水中処分母船１号で冠島調査研究会のオオミズナギドリ調査活動を支援した。2018年9月28日から10月3日、福井国体・障害者スポーツ大会セーリング競技に隊員65名、AMS-4301ひうち、特別機動船、処分艇などで協力した。2019年3月7日、舞鶴港に民間車両１両が転落したため、1252に第８管区海上保安本部長から舞鶴地方総監に人命救助の災害派遣が要請された。隊員５名とゴムボート２隻が参加して水中を捜索し、要救助者がいないことを確認、1400に撤収要請を受けた。4月6日、舞鶴港に民間車両１両が転落したため、第８管区海上保安本部長から舞鶴地方総監に人命救助の災害派遣が出され、隊員５名とボート１隻が参加して捜索、要救助者がいないことを確認して撤収要請を受けた。6月18日、山形県沖を震源とする最大震度６強の地震が発生したため、情報収集を実施。参考：月刊世界の艦船6,’01、11,’17、朝雲、MAMOR vol.149、vol.150、vol.152

＜舞鶴警備隊（１９７８年）＞：舞鶴地方隊隷下で、新潟基地分遣隊を隷下に置く。参考：月刊世界の艦船1,’79増刊

＜舞鶴警備隊（２０１０年）＞：舞鶴地方隊隷下で、第２ミサイル艇隊を隷下に置く。参考：月刊世界の艦船1,’11

＜舞鶴警備隊（２０１１年）＞：舞鶴地方隊隷下で、本部、舞鶴陸警隊、舞鶴港務隊、舞鶴水中処分隊、新潟基地分遣隊、第２ミサイル艇隊からなる。参考：海上自衛新聞

＜舞鶴警備隊（２０１５年）＞：舞鶴地方隊隷下で、本部、舞鶴陸警隊、舞鶴港務隊、舞鶴水中処分隊、第２ミサイル艇隊、多用途支援艦ひうち、新潟基地分遣隊を隷下に置く。参考：舞鶴地方隊ホームページ、月刊世界の艦船6,’15

＜舞鶴警備隊（２０２０年）＞：舞鶴地方隊隷下で、第２ミサイル艇隊、AMS-4301ひうちなどを隷下に置く。参考：月刊世界の艦船6,’20

＜舞鶴航空基地＞：海上自衛隊の航空基地。所在地は京都府舞鶴市余部下1190で、舞鶴東港に面している。滑走路はランウェイ12/30で、長さ400m・幅45m、３カ所のヘリ発着スポットと10機分の整備スポットを持つ。管制塔、格納庫２棟、鉄筋３階建て庁舎、鉄筋６階建て隊舎、駐機場（25800平方メートル）などを有する。最寄り駅はJR小浜線東舞鶴駅。1995年9月に着工し、2001年3月22日に竣工した。3月24日、基地完成・第21航空群改編記念式典を実施。舞鶴航空基地隊、舞鶴航空分遣隊、舞鶴整備補給分遣隊が新編された。2012年1月6日、初訓練飛行を実施。2013年1月8日、初訓練フライトを実施。2014年1月7日、初訓練フライトを実施。2018年2月13日、舞鶴航空基地と館山航空基地を往復したSH-60Kが、舞鶴航空基地に帰投後に点検を行ったところ、機体側面のアルミ合金製カバーを固定するボルト１個とワッシャー３個が無くなっていた。飛行前点検では異常が無く、飛行中に落下した恐れがあるとして基地所属SH-60Kの飛行停止措置を執っている。219年2月26日、舞鶴地方総監部の入隊予定者部隊見学に協力した。参考：月刊丸6,’01、月刊JWings6,’10別冊付録、1,’13、5,’18、11,’18、月刊世界の艦船6,'01、3,’12、4,’13、4,’14、館山航空基地ホームページ、朝雲

＜舞鶴航空基地（２００７年度、改編前）＞：第21航空群第123航空隊分遣隊（SH-60J）が所在している。参考：月刊JWings6,’07

　＜舞鶴航空基地（２０１２年度）＞：第23航空隊（SH-60J/K）が所在している。参考：月刊JWings2,’13別冊付録

＜舞鶴航空基地隊＞：海上自衛隊の航空基地隊。2001年3月24日に新編された。2008年3月26日、第23航空隊の隷下に移った。参考：館山航空基地ホームページ

　＜舞鶴航空基地隊（２０１５年）＞：第23航空隊隷下で、舞鶴航空基地に置かれている。管理班、警衛班、運航班（運航係、気象係、地上救難係）、通信班、厚生班、衛生班からなる。参考：第23航空隊ホームページ

＜舞鶴港務隊＞：海上自衛隊の港務隊で、舞鶴警備隊の隷下にある。2015年11月27日、YT-07曳船７号が配備された。2016年1月12日、YT-05曳船５号が配備された。参考：月刊世界の艦船7,’16

＜舞鶴システム通信隊＞：海上自衛隊のシステム通信隊。2002年3月22日、システム通信隊群隷下に新編された。2013年7月11日、史跡研修を兼ねて天橋立の清掃活動を実施。10月15日、平成24年度縁故募集の功績により、海幕長から２級賞状を授与された。参考：朝雲、月刊世界の艦船7,’19

＜舞鶴重工舞鶴造船所＞：飯野重工舞鶴造船所が親会社の社名変更に伴い1963年に改称したもの。DE-214おおい、やまぐも型・みねぐも型２隻を建造した。1971年に親会社が合併し、日立造船舞鶴工場になった。参考：月刊世界の艦船6,’11

＜舞鶴水中処分隊＞：海上自衛隊の水中処分隊。2010年6月20日、重さ10kgのホイールをロープで両脚に縛られ舞鶴西港桟橋から海に突き落とされた少年の捜索救助に係る京都府知事からの災害派遣要請を受け、舞鶴地方総監から出動を命じられ、10名がゴムボート２隻で捜索し、少年を発見収容したが、病院で死亡が確認された。2012年8月24日と8月27日、冠島オオミズナギドリの生態調査を行う研究会会員ら43人を水中処分母船１号とゴムボート５隻で東舞鶴港長浜岸壁から冠島まで輸送した。2013年6月12-13日、隊員３名が汚染水域潜水器を使用した潜水訓練に参加。2016年5月20日と23日、オオミズナギドリの生態調査を行う冠島調査研究会の44人を海上輸送した。2018年6月4日、4月29日に海に転落した男性を救助した功績により、１等海曹が舞鶴海上保安部長と舞鶴警察署長から感謝状を授与された。7月5-8日に発生した西日本豪雨の災害派遣に参加。2020年5月26日、舞鶴市七条海岸付近で民間車両１両が海に転落し、行方不明者が出たため、1340に第８管区海上保安本部長から舞鶴地方総監に水中捜索救助に係る災害派遣要請が出され、隊員９名とゴムボート２隻で水中捜索を実施、行方不明者１名を発見して1541に撤収要請が出され、活動を終了した。2023年6月2日、島根県隠岐の島町大久漁港付近（岸から6m・水深3m）で長さ10m・直径0.5mの魚雷らしき物体が発見されたため、6月8日から調査に入った。11月17-27日、令和5年度機雷戦訓練（日向灘）及び掃海特別訓練（日米共同訓練）に参加。2024年2月1-10日、令和5年度機雷戦訓練（伊勢湾）及び掃海特別訓練（日米共同訓練）に参加。参考：朝雲、MAMOR vol.163、月刊世界の艦船8,’23、1,’24、4,’24

＜舞鶴水中処分隊（２００９年）＞：舞鶴地方隊舞鶴警備隊隷下で、YDT-01水中処分母船１号が配備された。参考：MORIBITO Vol.3

＜舞鶴水中処分隊（２０１５年）＞：舞鶴地方隊舞鶴警備隊隷下で、YDT-01水中処分母船１号が配備された。参考：舞鶴地方隊ホームページ

＜舞鶴造修補給所＞：海上自衛隊の造修補給所で、舞鶴地方隊の隷下にある。2010年10月16日、隊員40名が東郷平八郎元帥の忠魂碑がある舞鶴市四面山の清掃奉仕を行った。2011年7月2日、所長以下隊員60名が舞鶴クリーンキャンペーンに協力し、基地周辺の国道の補導清掃を実施した。2013年11月末、大波燃料桟橋の増設工事が終わり、総延長が250mから330mに拡大され、大型艦艇への給油が可能となった。参考：朝雲

＜舞鶴第２特別陸戦隊＞：日本海軍の特別陸戦隊。昭和16年12月8日の太平洋戦争開戦時、建制上は第４艦隊隷下、兵力部署では南洋部隊付属（１個中隊はウェーク島攻略部隊）所属だった。参考：帝国海軍太平洋作戦史Ⅰ

＜舞鶴弾薬整備補給所＞：海上自衛隊の弾薬整備補給所で、舞鶴地方隊の隷下にある。2009年6月18日、三浜海岸の清掃活動を実施。6月21日、有志ボランティアが地元住民の依頼を受けて青葉山への資材運搬登山を実施。2013年9月12日、日本初となる誘導弾整備場の落成式を実施。2014年6月25日、小橋海岸の清掃を行った後、舞鶴市内の多禰寺で野外教育を実施。訓話の拝聴と職務邁進祈願を行った。参考：朝雲

＜舞鶴地方総監部＞：海上自衛隊の地方総監部。所在地は京都府舞鶴市余部下1190。自衛隊関係の資料を集めた広報館と、海軍資料を集めた海軍記念館がある。また、舞鶴鎮守府司令長官官邸（1901年・明治34年竣工）が舞鶴地方総監部会議所として遺されており、初代鎮守府司令長官東郷平八郎中将が２年間使用したため東郷邸と呼ばれている。1952年8月、舞鶴地方隊隷下に新編された。2011年2月16日、大阪大学大学院国際公共政策研究科教授、同学生７人、韓国からの留学生ら34人に対して施設見学を実施。2012年10月24日、第８管区海上保安本部と共同で不審船対処訓練を実施。護衛艦しらね、ミサイル艇はやぶさ、SH-60ヘリ１機、巡視船２隻、巡視艇２隻、シュペルピューマ225ヘリ１機が参加した。2016年4月14日と16日に発生した熊本地震の災害派遣に参加。9月26日から10月9日、平成28年度海上自衛隊演習（図上演習〈日米共同演習〉）に参加。2017年3月、京都府トラック協会と、非常時における輸送能力確保に関する協定を締結。4月5日、京都府石油協同組合と、災害等の非常時における燃料等の確保に関する協定を締結。6月27日、舞鶴市との間で舞鶴所属部隊隊員とその家族に関する総合支援協定を締結した。6月30日、第４術科学校の支援を受け、舞鶴地区所在男性隊員を対象に料理講習会を実施。7月4日、男性隊員に対する育児講習会を実施。11月2日、京都平安ホテルで京都府国民保護セミナー・弾道ミサイル対応図上演習に参加。2018年5月21日、富山県石油業協同組合と災害等の非常時における燃料等の確保に関する協定を締結した。6月18日に発生した大阪北部地震の災害派遣に参加。7月5-8日に発生した西日本豪雨の災害派遣に参加。2019年2月26日、鳥取・滋賀・和歌山地本の入隊予定者部隊見学を実施。参加者は舞鶴基地、舞鶴航空基地、DDG-177あたごを見学した。2020年6月18日、京都地本と回線を繋いで初のオンライン説明会を実施。2022年3月25日、正門前にDDG-163あまつかぜの主錨が設置された。参考：月刊丸12,’90、月刊JWings6,’10別冊付録、朝雲、月刊世界の艦船1,’13、8,’14、12,’16、7,'22、MAMOR vol.140

＜舞鶴地方総監部（１９７８年）＞：舞鶴地方隊隷下で、管理部、防衛部、経理部、補給監理官、技術監理官、衛生監理官、監察官を隷下に置く。参考：月刊世界の艦船1,’79増刊

＜舞鶴地方総監部（２０１５年）＞：舞鶴地方隊隷下で、トップは地方総監。副官、幕僚長、先任伍長、監察官、管理部（総務課、人事課、厚生課、援護業務課、施設課）、防衛部（第１幕僚室、第２幕僚室、第３幕僚室、第４幕僚室、第５幕僚室）、経理部（経理課、契約課、原価計算課、監査課）からなる。参考：舞鶴地方隊ホームページ

＜舞鶴地方総監部海軍記念館＞：海上自衛隊舞鶴地方総監部大講堂（大元は海軍機関学校大講堂）の一部を利用して1964年5月27日に開設された記念館。日本海軍の関係資料（海軍士官の軍刀や短剣類、遺品、文献、写真など）が展示されている。開館時間は土日祝日0900-1600。参考：JShips VOL.46

＜舞鶴地方隊＞：海上自衛隊の地方隊Maizuru Regional District。舞鶴警備区を担当する。保安庁警備隊時代の1952年8月に新編され、舞鶴地方総監部、舞鶴航路警戒隊、新潟航路警戒隊を隷下に置いた。12月、舞鶴練習隊が新編された。1957年5月、舞鶴練習隊が舞鶴教育隊に改編された。1964年6月16日に発生した新潟地震の災害派遣に参加。1986年2月中旬、LSU-4172のとが沼津市今沢海岸で輸送艦総合訓練に参加。3月19日、ASU-66しらとりが配備され、PC-320ひよどりが直轄艦となった。3月27日、ASU-7012てるづきが配備された。2009年1月16日、舞鶴西港で大規模災害派遣運用訓練に参加。5月25-27日、日韓指揮官交流の一環として地方総監ら４名が韓国第１艦隊司令部を訪問した。2011年7月22-24日、若狭湾で展示訓練を実施。DDG-177あたご、DDG-176ちょうかい、DD-154あまぎり、DD-126はまゆき、DE-233ちくま、SS-502うんりゅう、掃海艇２隻、輸送艦１隻、PG-828うみたかなどミサイル艇２隻、AMS-4301ひうち、P-3C哨戒艇１機、SH-60J/Kヘリ４機、海保巡視船１隻が参加した。2012年4月6日、LSU-4172のとが除籍された。11月28日、移動衛生班が近畿府県合同防災訓練に参加。2013年7月26-27日、若狭湾で展示訓練を、舞鶴基地でサマーフェスタを実施。DDG-178あしがら、DDG-175みょうこう、DD-112まきなみ、DD-114すずなみ、DD-104きりさめ、MSC-681すがしま、MSC-682のとじま、AOE-425ましゅう、SS-504けんりゅう、PG-824はやぶさ、PG-828うみたか、AMS-4301ひうち、SB-25特別機動船25号、第71航空隊（US-1AとUS-2が１機ずつ）、第23航空隊（SH-60J/Kヘリ４機）が参加した。2014年7月25-26日、若狭湾展示訓練を実施。DDG-175みょうこう、DD-155はまぎり、DD-130まつゆき、DDH-143しらね、PG-824はやぶさ、PG-828うみたか、潜水艦うずしお、掃海艇２隻、AOE-425ましゅう、AMS-4301ひうち、SB-25特別機動船25号、P-3C哨戒機、SH-60Kヘリ、海上保安庁巡視船ほたかが参加した。9月1日、舞鶴市と連携し、家族一時預かり所設置・運営訓練を実施。2015年2月17日、防衛監察本部副監察官によるコンプライアンス講習を実施。6月20日、舞鶴基地で海上防災フェスタを実施。10月23日から11月13日、平成27年度自衛隊統合演習に参加。2016年7月28日、水交会舞鶴支部と自然災害等における家族支援に関する覚書を締結。協定に基づき、10月5日の台風18号接近に伴う小学校休校で子供１人が舞鶴基地まで送り届けられた。2017年4月3日、直轄艦のAMS-4301ひうちが舞鶴警備隊の隷下に移った。2018年7月6日に発生した西日本豪雨の災害派遣に参加。11月14日、福井国体・障害者スポーツ大会実行委員会から感謝状を贈呈された。2019年2月27日、DD-156せとぎりの入港歓迎行事を実施。8月8日、滋賀地本と共に大津駐屯地でびわ湖フェスタ2019を開催し、特別機動船体験公開、人命救助システム展示、ロープワーク体験などを行った。10月5日、ソマリア沖海賊対処にあたっていたDDあさぎりの帰国行事を実施。10月12日に上陸した台風19号の災害派遣に参加。2020年9月19-21日、新型コロナウイルス感染症に配慮し、マリンフェアを事前公募制で実施。2022年7月16日、若狭湾で舞鶴地方隊創設70周年記念展示訓練を実施。DDH-181ひゅうが、DDG-177あたご、DD-118ふゆづき、DD-151あさぎり、LST-4003くにさき、LCAC-2105エアクッション艇５号、LCAC-2106エアクッション艇６号、PG-824はやぶさ、PG-828うみたか、AMS-4301ひうち、TSS-3608おやしお、第２航空群P-3C哨戒機１機、SH-60K哨戒ヘリ２機、巡視船だいせんが参加し、掃海艇２隻と水中処分母船１隻が訓練海域の警戒にあたり、一般公募者・招待者ら860人が５隻に分乗して訓練を見学した。参考：月刊世界の艦船5,’86、10,’11、6,’12、10,’13、10,’14、9,'15、1,'16、11,’17、11,’19、1,’20、10,'22、月刊JWings10,’13、12,'20、月刊軍事研究10,’13、朝雲、舞鶴教育隊ホームページ、MAMOR vol.140

＜舞鶴地方隊（１９７８年）＞：舞鶴地方総監部、第31護衛隊、第４駆潜隊、第38掃海隊、舞鶴教育隊、舞鶴通信隊、舞鶴警備隊、舞鶴防備隊、舞鶴衛生隊、舞鶴音楽隊、舞鶴水雷調整所、舞鶴補給所、舞鶴造修所、直轄艦（海洋観測艇４号）を隷下に置く。参考：月刊世界の艦船1,’79増刊

＜舞鶴地方隊（２００１年４月１日）＞：第24護衛隊、第31護衛隊、第44掃海隊、LSU-4172のとなどを隷下に置く。参考：月刊世界の艦船6,’01

＜舞鶴地方隊（２００７年度改編前）＞：第24護衛隊（DD４隻）などを隷下に置く。参考：月刊JWings6,’07

＜舞鶴地方隊（２０１０年）＞：AMS-4301ひうち、LSU-4172のと、第44掃海隊、舞鶴警備隊などを隷下に置く。参考：月刊世界の艦船1,’11

＜舞鶴地方隊（２０１１年）＞：舞鶴地方総監部、第44掃海隊、舞鶴教育隊、舞鶴警備隊、舞鶴弾薬整備補給所、舞鶴造修補給所、舞鶴基地業務隊、舞鶴衛生隊、舞鶴音楽隊、LSU-4172のと、AMS-4301ひうちを隷下に置く。参考：海上自衛新聞

＜舞鶴地方隊（２０１２年）＞：第44掃海隊、舞鶴警備隊、AMS-4301ひうちなどを隷下に置く。参考：月刊世界の艦船6,’12

＜舞鶴地方隊（２０１５年）＞：舞鶴地方総監部、第44掃海隊、舞鶴教育隊、舞鶴警備隊、舞鶴弾薬整備補給所、舞鶴造修補給所、舞鶴基地業務隊、舞鶴衛生隊、舞鶴音楽隊を隷下に置く。参考：月刊世界の艦船6,’15

＜舞鶴地方隊（２０２０年）＞：舞鶴基地に置かれている。舞鶴地方総監部、第44掃海隊、舞鶴警備隊、舞鶴弾薬整備補給処、舞鶴造修補給処、舞鶴基地業務隊、舞鶴衛生隊、舞鶴音楽隊を隷下に置く。参考：舞鶴地方隊ホームページ、月刊世界の艦船6,'20

＜舞鶴鎮守府＞：日本海軍の鎮守府で、明治34年10月1日に開庁された。第４海軍区を管轄する。開庁当時は敷地内に民家が残っており、住民は東門から出入りしたが、家から東門までは立ち止まってはいけないという規則があった。大正12年4月1日、舞鶴要港部に改編された。昭和14年12月1日、舞鶴要港部から改編されて再編された。管轄は第４海軍区のままである。太平洋戦争終結後、庁舎は使われずに放置され、1964年に解体された。長官官舎は舞鶴地方総監部会議室として使用されている。赤レンガ倉庫は舞鶴市営観光交流施設の舞鶴赤れんがパークになっており、赤れんが１号棟（1903年建設の舞鶴海軍兵器廠魚形水雷庫）は赤れんが博物館、赤れんが２号棟は舞鶴市政記念館、赤れんが３号棟はまいづる知恵蔵、赤れんが４号棟は赤れんが工房、赤れんが５号棟は赤れんがイベントホールとなった。参考：日本海軍艦隊総覧、月刊世界の艦船9,’13増刊、8,’20

＜舞鶴飛行場＞：日本海軍の飛行場。参考：月刊JWings11,’18

＜舞鶴防備戦隊（日本海軍）＞：日本海軍の防備戦隊。昭和16年10月1日に編成された。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜舞鶴防備隊＞：海上自衛隊の防備隊。参考：月刊世界の艦船1,’79増刊

＜舞鶴防備隊（１９７８年）＞：舞鶴地方隊隷下で、第２魚雷艇隊、舞鶴警備所、舞鶴水中処分隊を隷下に置く。参考：月刊世界の艦船1,’79増刊

＜舞鶴要港部＞：日本海軍の要港部で、大正12年4月1日に舞鶴鎮守府から改編されて創設された。昭和12年7月28日、第１水雷隊が第３水雷戦隊に移った。昭和14年12月1日、舞鶴鎮守府に改編された。参考：月刊世界の艦船9,’13増刊、8,’20

＜マイティＯ＞：オーシャン（揚陸艦）を参照。

＜マイティーマウス＞：アメリカ軍70mm（2.75インチ）空対空ロケット弾で、制式名称Mk4、別名FFAR。第２次大戦末期にドイツが開発した対爆撃機用ロケット弾の威力を身を以て体験した戦訓を基に、第２次大戦後に開発した。無誘導で機関砲に比べれば飛翔速度も遅いが、急激な機動のできない爆撃機相手には十分であり、破壊力と射程は申し分無い。全長1.22-1.4m、直径70mm、重量8-10kg。有効射程1500m。参考：航空ジャーナル9,’77臨時増刊、自衛隊装備カタログ1981、月刊JWings6,’13

＜マイティ・シュライクス＞：VFA-94（戦闘攻撃飛行隊）を参照。

＜マイティ・マイト＞：M422シリーズ（トラック）を参照。

＜マイティ・モー＞：BB-63（戦艦）を参照。

＜マイト＞：PG-94（コルベット）を参照。

＜マイトランド＞：88（哨戒艇）を参照。

＜マイナス＞：日本海軍士官のスラングで、借金のこと。参考：帝国陸海軍事典

＜マイノール２＞：TNT40%、硝酸アンモニウム40%、アルミニウム粉末20%からなる混合爆薬。参考：月刊軍事研究3,’11

＜マイノトー＞：53（軽巡洋艦）を参照。

＜マイノトー級＞：イギリス海軍軽巡洋艦Minotaur級。フィジー級後期型に準ずる性能を持つ艦である。全長169.4m、幅19.2m、吃水5.3m、基準排水量8800トン。主機は蒸気タービンで、出力72500馬力、速力32.5ノット。兵装は152mm３連装砲３基、10.2cm連装砲５基、２ポンド４連装ポンポン砲４基、533mm３連装魚雷発射管２基。乗員855-867名、戦時960名。艦番号08スイフトシュア、53マイノトーの２隻が第２次大戦中に就役（53マイノトーはカナダ海軍に供与され32オンタリオになった）し、戦後にブレイク、ライオン、シュパーブ、タイガーの４隻が竣工した。シュパーブは幅が0.3m広げられており、ライオン、シュパーブ、タイガーは従来の152mm砲と102mm砲のかわりに新型の152mm３連装砲２基（砲１門あたり発射速度毎分20発。１番・３番砲の位置）と7.6cm連装速射砲３基（砲１門あたり発射速度最大120発、実用90発。艦橋直前、後部マスト直前両舷）を搭載し、40mm機関砲８門を追加して対空防御力を強化しており、タイガー級とも呼ばれる（シュパーブを含む場合と含まない場合がある）。指揮通信設備も強化された。参考：近代巡洋艦史、第２次大戦のイギリス軍艦、月刊世界の艦船5,’21

＜マイノトー級軽巡洋艦ファミリー＞

＜マイノトー級（タイガー級）指揮ヘリコプター巡洋艦改装＞：タイガーとブレイクは1969-72年に後部上構と後部兵装を撤去、01甲板にシーキングヘリ４機を収容する格納庫とヘリ甲板を設け、指揮ヘリコプター巡洋艦に改造された。全長169.6m、満載排水量12080トン（9500トン？）。主機は蒸気タービン、速力31.5ノット。兵装は15.2cm連装砲１基、シーキャットSAM４連装発射機２基。参考：近代巡洋艦史、月刊世界の艦船8,'15、4,’12

＜マイノトー級＞：イギリス海軍防空巡洋艦。建造中止になったネプチューン級の代替として1947年に計画された。基準排水量14300トン。速力31.3ノット。兵装は15.2cm連装両用砲５基（艦前部に３基、後部に２基）、7.6cm連装高角砲８基、533mm４連装魚雷発射管４基。マイノトー、センチュリオン、エドガー、マーズの４隻を建造予定だったが、予算が付かず中止された。1951年には基準排水量を15280トンに増加し、高角砲を４基に減らしたものが計画されたが、1952-53年に建造中止となった。参考：近代巡洋艦史

＜マイノトー級＞：イギリス海軍装甲巡洋艦。ロード・ネルソン級戦艦に対応し、副砲を全廃したタイプの装甲巡洋艦である。19.1cm中間砲を舷側にずらりと並べてあるが、被弾時に誘爆しやすいという欠点があった。全長158.2m、幅23m、吃水7.9m、基準排水量14600トン。主機は４気筒３段膨張レシプロ機関２基、主缶はヤーロー缶24基、２軸推進、出力27000馬力、速力23ノット。兵装は23.4cm連装砲２基、19.1cm砲10門。水線部装甲厚152mm。シャノン、ディフェンスなど３隻が建造された。参考：月刊丸4,’07

＜マイポ級＞：チリ海軍中型揚陸艇。フランスのバトラル級を導入したものである。兵員140名、戦車７両を搭載可能。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜マイヤー＞：エゴン・マイヤー（ドイツ空軍エース）を参照。

＜マイヤー＞：クルト・マイヤー（Kurt Meyer）。1910年12月23日、ドイツのブラウンシュヴァイク生まれ。1934年、SSアドルフ・ヒトラー連隊に入隊。白作戦時は第14戦車猟兵中隊長だった。黄作戦には第15オートバイ狙撃兵中隊長として参加。1940年、第１装甲索敵大隊長となり、ギリシャ戦線及び東部戦線で武勲を挙げてパンツァー・マイヤーの渾名を冠された。1943年、ヒトラー・ユーゲント師団第25装甲てき弾兵連隊長となった。1944年、ヒトラー・ユーゲント師団長となった。9月、フランスのレジスタンスに捕らえられてアメリカ軍捕虜となり、戦後の裁判で終身刑が下されてカナダに送られ、禁固10年に減刑されて釈放された。最終階級はSS少将。1961年12月23日に死亡した。参考：グラフィックアクション２

＜マイヤーズ＞：APD-105（高速輸送艦）またはDE-595（護衛駆逐艦）を参照。

＜マイヤーズ＞：リチャード・Ｂ・マイヤーズ。1965年、カンザス州立大学でアメリカ空軍予備役将校訓練課程を卒業し、戦闘機パイロットとなった。在日米軍司令官兼第５航空軍司令官を務めた後、1997年に大将に昇任、PACAF司令官となった。1998年、空軍宇宙軍団司令官となった。2000年、統合参謀本部副議長となった。2001-05年、第15代統合参謀本部議長を務めた。参考：月刊軍事研究3,’16

＜マイル＞：陸上距離の単位。１マイルは1.60934kmである。参考：月刊JWings4,’02

＜マイルズ・Ｃ・フォックス＞：DD-829（駆逐艦）またはDE-546（ジョン・Ｃ・バトラー級護衛駆逐艦）を参照。

＜マイルズ・エアクラフト社＞：イギリスの航空機会社で、1925年にフレッド・Ｇ・マイルズとジョージ・マイルズの兄弟が設立した。単発軽航空機、双発軽旅客機、連絡機、練習機などの製作を行い、M.35実験機やM.52実験機の開発にもあたっていた。M.68試作軽輸送機が初飛行した直後の1948年（1947年末？）に倒産し、航空機工場をハンドレイ・ページ社に売却した。参考：月刊JWings6,’05、8,’19、月刊航空ファン4,’17

＜マイルド・ハイブリッドエンジン＞：ハイブリッドエンジンを参照。

＜マイレ・ブレゼ＞：フランス海軍ヴォークラン級駆逐艦Maille Breze。1933年竣工。1940年4月30日、イギリスのグリーノックに停泊していたところ、前部魚雷発射管の魚雷が飛び出して艦橋を直撃、艦前部が大破した上燃料に引火してしまい、沈没した。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜マイン・ガズラー＞：スウェーデンのボフォース社が開発した地雷処理装置。戦車車体の前３分の２を占める程のキャビン付き支柱を設け、タングステン・カーバイドのカッター付き歯車状ディスクを装軌車両の幅一杯に並べており、地雷を圧力で爆破したり、切断したり、信管をちぎったりする。動力はエンジンから油圧駆動系を介して伝達される。幅3m、埋設深度0.5mまでの地雷を最大速度4kmで99.6%以上処理できるという。壊れたプレートはアセチレンバーナーで切断して新しいものに換える。運転席は12kgのTNT爆薬の炸裂に耐えられるが、TVカメラを使っての遠隔操作も可能。レオパルト１やM60の車体に搭載して使用できる他、民間用の装軌式土木作業車を改造したものにも乗せられる。重量は45トンもあるが、４つに分割して輸送できる。1995年12月に初号機がデモンストレーションを行い、次いでボスニアで２号機がテストされた。参考：月刊軍事研究6,’04、月刊PANZER9,’01、8,’99

＜マインスイーパ＞：92式地雷原処理車の愛称。参考：月刊JWings6,’01

＜マインスナイパー・シリーズ＞：ノルウェーのコングスベルグ社製ワンショット型UUVで、1990年代から開発された。参考：月刊軍事研究8,’01、月刊世界の艦船1,'15増刊

　＜マインスナイパーＭｋⅠ＞：ソナーとビデオカメラを搭載し、母艦より有線誘導で機雷に接近し、成型炸薬または半徹甲弾頭により機雷もろとも爆発する。全長1.5m、直径0.2m、重量26.5-30kg。機体中央部両脇に推進器２基が付いており、水中巡航速力2-4ノット、最大速力６ノット、最大深度500m、最大進出可能距離4000m。参考：月刊軍事研究8,’01

　＜マインスナイパーＭｋⅡ＞：機体を大型化し、搭載センサー・弾頭をモジュラー化、センサーも全周捜索可能なものに改良するなどしている。全長1.65m、直径0.21m、重量35kg。巡航速力2-4ノット、最大速力６ノット、運用深度300m、最大進出可能距離4000m。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊、月刊軍事研究8,’01

　＜マインスナイパーＭｋⅢ＞

＜マインツ＞：FuMG63（レーダー）を参照。

＜マインプラウ＞：TWMP（地雷処理装置）を参照。

＜マインブレーカー２０００＞：韓国政府がドイツのディール社に開発を依頼した地雷除去車両。北朝鮮に通じる道路に敷設された地雷を除去するのが主任務で、装軌式車体の前面に、螺旋状に歯を付けた車体幅一杯のローラーを搭載している。月刊PANZER9,’01

＜マインランチャー９０＞：オーストリア陸軍の地雷投射機。６輪トラックOAF Typ 20.320と牽引式投射用トレーラーからなり、トラックの荷台に搭載した地雷をレールに載せてランチャーに送り、撒布する。参考：月刊PANZER9,’05

＜マインレーキ＞：FWMP（地雷処理装置）を参照。

＜マインローラー＞：TWMR（地雷処理装置）を参照。

＜マウザー砲＞：MG151/20海外シリーズ（機関砲）を参照。

＜マウス＞：日本海軍士官のスラングで、口でしてもらうこと。参考：帝国陸海軍事典

＜マウス＞：ドイツ陸軍計画超重戦車Maus。1942年3月にポルシェに対しヒトラーから開発指示が出て計画が本格始動し、1943年5月から135両を生産する予定だったが、1944年11月に計画中止命令が出され、車体２両と砲塔１基のみが完成した時点で放棄された。車体前部左側に操縦手、右やや後方に無線手が位置し、その後方に機関室、更に後ろに戦闘室、最後部が電気モーター（左右２基）という配置である。操縦手・無線手用のハッチは後方にヒンジを持つ楕円形のもの１枚で、前方左側に固定式ペリスコープ、右側に旋回式ペリスコープが装備されている。操縦室左右には800リットルの燃料タンクがあり、その後ろにラジエーターと片側２組（２号車は１組）の強制冷却ファンを持つ。その間にエンジンがあり、１号車はMB509ガソリンエンジン（1080馬力）、２号車はMB517ディーゼルエンジン（1200馬力）を搭載する。エンジンの真上には外気導入用グリルがあり、前方に跳弾板が溶接されている。戦闘室の床には発電機と補助発電機、減速機が置かれ、袖板上に75mm砲弾薬とバッテリーが搭載された。車体最後部のモーター上には３分割のグリルがある。エンジンの動力を減速機を通して発電機に送り、モーターで起動輪を駆動するハイブリッド式を採用したのは、188トンの重量に応える機械式変速機が無かったことなどによる。転輪は垂直渦巻きスプリングを使用するサスペンションを持つ２枚１組のものを支持架に２組取り付け、これを片側６セットずつ装備する。ゴムの摩耗を避けるため、内部にゴムを収めた鋼製転輪を使用した。起動輪は後方にあり、サイドスカート側も車軸で固定されている。履帯は鋳造製一体式のものと三分割のものを56枚ずつ交互に組み合わせてあり、幅は1100mm。車体前部左右には前照灯、車体前上部左右にはアンテナが備えてある。主砲は55口径12.8cmKwK44 L/55（左、32発）と36口径7.5cmKwK44 L/36.5（右、200発）を同軸で装備しており、防楯左には7.92mm機銃MG34が装備され、主砲とは独立して操作できた。砲塔前部左側にはTW.ZF.1照準器を収める小塔があり、その後方に砲手用円形ハッチがある。その反対側に車長用ハッチがあり、前方に旋回式ペリスコープが装着されている。その左にベンチレーターがあり、ハッチ後方の中央部にもう１基のベンチレーターを装備、更にその後方に近接防御兵器を装着していた。砲塔後面中央には空薬莢排出孔兼射撃ポートがある。砲塔後部は弾薬ラックで、12.8cm砲用弾丸12発と薬莢12発を収める。砲塔右前部には7.5cm弾薬25発が収容された。重量過大のため橋を渡るのは不可能で、水深8mまで渡渉可能なカニングタワーを装備して潜水可能とした他、それ以上の場合にはもう１両のマウスからケーブルで電力を供給し、エンジン停止状態で渡渉する事になっていた。全長10.09m、全幅3.67m、全高3.66m、重量188トン。装甲厚は車体前面上部200mm55度、車体前面下部200mm35度、車体側面上部180mm０度、側面下部60mm０度＋スカート100mm０度、車体後面上部150mm37度、後面下部150mm30度、車体上面50-100mm90度、車体下部50-100mm90度。砲塔前面220-240mm（曲面）、砲塔側面200mm30度、砲塔後面200mm７度、砲塔上面60mm（40mm？）90度。エンジンはMB509（1080馬力）またはMB517ディーゼル（1200馬力）、最大速度20km、航続距離186km。無線機はFuG2とFuG5。乗員５名。１号車は車体だけでクンマースドルフ実験場に放置されてソ連軍に無傷で捕らえられ、２号車は砲塔も載せられて戦闘に駆り出されたが14km走ったところで行動不能となり、爆破されてしまった。その後、１号車の車体と２号車の砲塔を組み合わせてクビンカに展示されている。参考：月刊グランドパワー8,’03、ジャーマンタンクス、異形戦車ものしり大百科、月刊丸7,’09別冊

＜マウス・テイル＞：ソ連の水上艦用VDSのNATOコード。中周波アクティブ式で、ウダロイ級に搭載されている。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜マウストラップ＞：アメリカ海軍の対潜弾投射機で、発射反動のきついヘッジホッグを搭載できない小型艦船用として1942年に制式化された。外舷に向けて固定された架台と、仰角をもって取り付けられた発射レール（折り畳み可能）からなる簡単なもので、触発信管装着の7.2インチ（183mm）対潜ロケット（TNT66kg内蔵）を274m先に飛ばす。発射炎が甲板を舐めるので、レール後方には鋼板で出来た防炎装置が付いている。魚雷艇や駆潜艇の前甲板に２基１組で搭載された。参考：丸スペシャルNo.76、第２次大戦のアメリカ軍艦、月刊世界の艦船3,’10

　＜Ｍｋ２０＞：４連装型。重量180kg。参考：丸スペシャルNo.76、第２次大戦のアメリカ軍艦、月刊世界の艦船5,’02増刊

　＜Ｍｋ２２＞：８連装型（６連装型？）。参考：第２次大戦のアメリカ軍艦、丸スペシャルNo.76

＜マウス・リブ＞：ソ連の潜水艦用船底ソナーのNATOコード。攻撃用高周波アクティブソナーで、タイフーン級や667BDRM型デルタⅣ級に搭載された。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜マウス・ロア＞：MG519（ソナー）を参照。

＜マウトハウゼン強制収容所＞：ナチスが建設した、花崗岩採掘のための強制収容所。1938年後半にまず囚人が、1939年からはズデーデン地方の反体制分子が、1940年にはポーランド・スペイン共和派が、1941年からはソ連軍捕虜が収容された。労働は非常に過酷で、収容者のべ20万人のうち10万人が死亡したとされる。解放されたのは1945年5月で、67000人が収容されていた。参考：月刊軍事研究8,’04、月刊グランドパワー7,’02

＜マウルティア＞：Sd.Kfz.3（ハーフトラック）を参照。

＜マウンゼイ＞：K569（フリゲート）を参照。

＜マウンツ・ベイ＞：L-3008（揚陸艦）を参照。

＜マウンテッド・ソルジャー・システム＞：アメリカ軍が2010年から導入したデジタル通信対応装甲戦闘車両乗員用戦闘服で、MSSと略す。防弾ヘルメットはケブラー製で、ゴーグルやマイクに加えて右目に単眼式ヘッド・マウント・ディスプレイが付いており、画像情報を表示できる。参考：歴史群像6,’16

＜マウンテン・ジャケット＞：アメリカ軍山岳部隊用のジャケットで、第２次大戦中の部隊創設時から支給された。素材はM41フールドジャケットと同じコットンポプリンで、防寒用のライニングはされていないが、セーターなどを重ね着できるように大きく作ってある。また、上からパーカーを着ることも可能。両胸と腰に４つの大きなポケットがあり、背中にカーゴスペースを設けて装備を収容できるようにした。内側にはサスペンダーが設けられ、背部に重い荷物を入れてもジャケットが後ろに持って行かれないようになっている。収納式フードも装備。参考：月刊JWings11,’01

＜マウンテン・ストーブ＞：折り畳み式の携帯コンロで、固形燃料２個が付属している。参考：コンバット・バイブル

＜マウンテン・テント＞：アメリカ軍の山岳部隊用テントで、民間登山用テントに準ずる。テント内での炊事に備えて通風口が付けられた。参考：月刊コンバットマガジン7,’09

＜マウンテン・ライオン＞：南アフリカのDCDプロテクション・モビリティ社が開発した４×４輪装輪装甲車で、4-6名乗りの多目的型、8-12名乗りの装甲兵員輸送車型、フラット荷台付きの輸送型といったファミリー車両を構成する。車体は装甲鋼板製モノコックで、下部は80度のＶ字構造となっており、キャビンには防弾ガラスが填め込まれている。防御レベルは耐弾がSTANAG4569レベル３、耐衝撃波が同レベル3a-3bで、ボルト固定の追加装甲を搭載すれば耐IEDが同レベル５となる。天井には遠隔操作銃塔やイングウェ対戦車ミサイルターレットを装着可能。戦闘重量15トン、ペイロード2.18トン。エンジンはカミンズ社製QSB6.7ディーゼル（360馬力）、トランスミッションはアリソン社製3000SPオートマチック（前進６速）、最大速度110km、航続距離800km。参考：月刊軍事研究1,’15、11,’11、1,’13

＜マウント・ヴァーノン＞：LSD-39（アンカレッジ級ドック型揚陸艦）を参照。

＜マウント・オリンパス＞：AGC-8（揚陸指揮艦）を参照。

＜マウンド施設＞：アメリカの核弾頭生産施設で、オハイオ州マイアミスバークにある。1948年から稼働。起爆装置関係の部品を製造する。参考：核兵器事典

＜マウント・フッド＞：AE-29（給兵艦）を参照。

＜マウント・ベイカー＞：AE-34（級兵艦）またはT-AE-34（給兵艦）を参照。

＜マウント・ホイットニー＞：LCC-20（揚陸指揮艦）を参照。

＜マウント・マッキンレイ＞：AGC-7（揚陸指揮艦）を参照。

＜マウントレイル＞：APA-213（攻撃輸送艦）を参照。

＜前掛型落下傘＞：自衛隊の機器。藤倉航装製。参考：月刊軍事研究2,’18

＜前川原駐屯地＞：陸上自衛隊の駐屯地。所在地は福岡県久留米市高良内町2728。JR久留米駅または西鉄久留米駅からバスが出ている。元は1941年（昭和16年）に開設された久留米第１陸軍予備士官学校で、1952年1月に警察予備隊総隊普通科学校が久里浜駐屯地から移駐した。1954年7月、普通科学校が富士地区に移って幹部候補生学校が開設された。その後幹部候補生学校の移動が検討されたが、1960年5月に恒久駐屯地化が決定している。参考：幹部候補生学校ホームページ、JGround Vol.23、久里浜駐屯地ホームページ

　＜前川原駐屯地（２０１５年）＞：幹部候補生学校、第321基地通信中隊前川原派遣隊が駐屯している。参考：陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜まえじま＞：MSC-675（掃海艇）を参照。

＜前島＞：日本海軍測天型敷設艇。昭和18年7月31日竣工、馬公防備隊所属となり、馬公・高雄付近で哨戒と護衛を行った。昭和19年2月、第３南遣艦隊に編入され、高雄－フィリピン間の護衛任務に就いた。10月21日、ルソン島北西のラボック湾で爆撃を受けて沈没した。参考：写真集日本の小艦艇、第２次大戦日本海軍作戦年誌、小艦艇入門

＜マエストラーレ＞：CA355（急降下爆撃機）またはF570（マエストラーレ級フリゲート）を参照。

＜マエストラーレ級＞：イタリア海軍フリゲート、Maestrale級。ルポ級フリゲートの拡大改良型で、船体が大型化した他、兵装を減らして搭載位置も変更し、ヘリ格納庫を入れ子式から固定式にして搭載数を２機に増やした。艦載戦闘システムはSADOC2。対水上捜索・航海レーダーはSPS-702。射撃指揮レーダーはRTN-10XとRTN-20X。ソナーシステムはDE1164。全長122.7m、幅12.9m、吃水4.6m、基準排水量2500トン、満載排水量3251トン。主機はCODOG方式で、LM2500ガスタービン２基２軸50000馬力、巡航速力21ノット、最大速力32ノット。兵装はオットーメララ社製54口径127mm単装砲１門、オトマートMk2単装発射筒４基、アスピーデ８連装発射機アルバトロス（機力装填装置付き）１基、40mm連装機関砲ダルド（コンパクト40版）２基、324mm３連装短魚雷発射管２基（Mk46短魚雷）、533mm単装魚雷発射管２門。AB-212ヘリ２機またはNH90ヘリ１機を搭載できる。乗員232名。1982-85年にF570マエストラーレ、F571グレカーレ、F572リベシオ、F573シロッコ、F574アリセオ、F575エウロ、F576エスペロ、F577ゼフィーロの８隻が竣工した。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、10,’13、8,’82増刊、3,’05、9,’10、1,'15増刊、2,'21、6,'22、THE MILITARY BALANCE 2016

＜マエストラーレ級・海外シリーズ＞

　＜マエストラーレ級（フィリピン海軍）＞：新造艦２隻を購入する予定。参考：月刊世界の艦船10,’13

＜マエストロ＞：Yak-28U（練習機）を参照。

＜前田英夫＞：日本海軍エース。大正9年、三重県生まれ。昭和12年9月、海軍甲種飛行予科練習生に採用され、横須賀航空隊と霞ヶ浦航空隊で教育を受け、昭和14年6月に飛行練習生課程を修了して三等航空兵曹となり、大分航空隊に配属された。その後大村航空隊に転属となり、昭和15年1月に第12航空隊に配属された。11月、谷田部航空隊の教員となった。太平洋戦争開戦後は春日丸に乗艦し、その後大村航空隊に配属され、昭和18年4月に飛曹長となり、10月に第204航空隊に転属、ラバウルで空戦に従事した。昭和19年1月末、トラックに後退。2月17日のトラック空襲で２機を撃墜した後に未帰還となり、戦死認定された。公認撃墜数13機。最終階級は二階級特進を受けて中尉だった。参考：日本海軍戦闘機隊

＜前弾入＞：日本陸軍の小銃弾ケースで、前盒ともいう。紙函（５発クリップ３個入り）を２つ、計30発の銃弾を入れることができる。参考：日本陸軍兵器資料集

＜前橋飛行場＞：日本陸軍の飛行場。昭和18年4月（昭和19年？）、群馬県群馬郡堤ヶ岡村に開設された。戦後の発掘調査で滑走路に敷かれた金網が発見されている。参考：歴史群像6,’01、首都防空網と空都多摩

＜前橋丸＞：南洋海運貨物船。総トン数7005トン。昭和18年8月、雷撃を受け沈没し、1450名が戦死した。参考：輸送船入門

＜前畑弾薬庫＞：佐世保弾薬補給処を参照。

＜マオイスト＞：毛沢東の指導理念を支持する一派のこと。特にネパール共産党＝毛沢東主義派を指す。参考：MAMOR vol.57

＜マオミン＞：551（フリゲート）を参照。

＜マオリ＞：F24（駆逐艦）を参照。

＜マカウ＞：ブラジル海軍哨戒艇。2023年8月24日、ブラジルのレシフェ沖で日ブラジル親善訓練に参加。TV-3508かしま及びTV-3520はたかぜと、戦術運動訓練、PHOTOEX、通信訓練を行った。参考：月刊世界の艦船11,’23

＜マカエ級＞：ブラジル海軍哨戒艇Macae級。兵装は40mm機関砲塔Mk3など。2009-10年に２隻が就役した。参考：月刊世界の艦船1,’21

＜マガジン＞：Magazine。弾倉。多数の弾薬を収納し、遊底の運動と関連して弾薬を１発ずつ送弾路内へ給弾する装置のこと。リボルバー拳銃ではシリンダーと呼ばれる。参考：火器弾薬技術ハンドブック、GUN用語事典

＜マガジン・キャッチ＞：弾倉を着脱するための部品のこと。マガジン・リリース・ボタンともいう。参考：GUN用語事典

＜マガジン・セーフティ＞：弾倉を抜くと、自動的にセーフティがかかる機構のこと。参考：GUN用語事典

＜マガジン・ライフルＭｋ．Ⅰ＞：イギリス軍の小銃で、1889年から配備された。連発式ボルトアクション小銃で、ライフリングは山・谷のはっきりしないメタフォードタイプ。全長1.3m、銃身長0.76m、重量4.7kg。口径7.7mm、装弾数８発。着剣装置を省き、全長を切り詰めたカービンタイプ（装弾数６発）もある。参考：月刊PANZER10,’02

＜マガジン・リリース・ボタン＞：マガジン・キャッチを参照。

＜マガダン＞：B-602（改キロ級潜水艦）またはK-331（潜水艦）を参照。

＜マカッサル＞：590（ドック型輸送揚陸艦）を参照。

＜マカッサル海峡海戦＞：アメリカ側名称で、日本側は特に名称を付けていない。太平洋戦争中の1942年1月24日夜、日本軍ボルネオ島バリクパパン攻略部隊を乗せた輸送船団がバリクパパンに到着し、上陸していたところ、泊地南西に魚雷艇らしきものを発見、直後に輸送船１隻が雷撃を受けて沈没した。護衛艦艇は警戒配備に就いたが、DD-218パロット、DD-225ポープ、DD-228ジョン・D・フォード、DD-230ポール・ジョーンズの夜間魚雷攻撃とオランダ潜水艦K-14、K-18の攻撃を受け、更に輸送船４隻と哨戒艇第37号を沈められた。攻略部隊は上陸を終えており、損害は無かった。日本軍も反撃し、砲撃でDD-228ジョン・Ｄ・フォードに、機雷と爆撃でK-14、K-18に損傷を与えている。参考：太平洋海戦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜マカッサル級＞：ドクター・スハルソ級（揚陸艦）を参照。

＜マカッサル・ストレイト＞：CVE-91（護衛空母）を参照。

＜曲がった虫＞：H-21（ヘリ）を参照。

＜まがね丸＞：日本海軍特設砲艦Magane maru。元は昭和15年8月5日に竣工した日本海運中型貨物船で、昭和16年に徴用されて特設砲艦になった。垂線間長96m、幅14m、深さ7.5m、満載吃水6.389m、総トン数3120トン、重量トン数4800トン。主機は三連成レシプロ蒸気機関１基１軸2327馬力、航海速力10.5ノット、最大速力13.907ノット。昭和18年、船主が石原汽船になった。昭和19年1月23日、硫黄島から横須賀に向かっていたところ、鳥島南東110kmでSS-279スヌークの雷撃を受け沈没した。参考：月刊世界の艦船9,’22

＜マカビ＞：SS-375（潜水艦）を参照。

＜マガフ・シリーズ＞：イスラエル陸軍戦車Magach（戦争英雄の戦車Merkevet Giborey Chayilの略らしい）。M48/M60戦車系列の主力戦車にイスラエル陸軍が付けた名称である。戦車型は2006年に退役した。参考：世界AFV年鑑2002-2003、月刊PANZER6,’18、9,’10

　＜マガフ１＞：M48A1を改称したもの。M48シリーズ改良型（マガフ３相当）がこの名称という説もある。参考：月刊PANZER6,’05、6,’18、世界AFV年鑑2002-2003

　＜マガフ２＞：M48A2を改称したもの。M60の車長用キューポラをウルダン型キューポラに変更したものという説もある。参考：月刊PANZER6,’05

　＜マガフ３＞：マガフ1/2（M48A1/A2）のエンジンをM48A3と同じAVDS-1790-2Aディーゼルに、トランスミッションをCD-850-6に換装し、主砲を105mm戦車砲L7A1改にして戦闘力をM60相当に引き上げ、T-54/55に対抗できるようにしたもの。FCSは旧西ドイツ製のものに交換し、砲身冷却装置を導入、車内にも冷房を備え、履帯を接地圧の低いものに換装している。視野が狭く目立ちすぎて不評だった車長用キューポラは自国製の背の低いウルダン型キューポラに換えたが、その他の改良よりも後回しにされたため、初期にはM48シリーズそのままだったり、M4中戦車用の背の低いキューポラを付けていたりした。改修キットはアメリカから引き渡され（主砲はセンチュリオン導入時にイギリスから供与されたものも使った）、第三次中東戦争前から改修が始まったが、戦争で一旦中断し、本格化したのは戦後になった。ついでに第三次中東戦争で鹵獲したヨルダン陸軍のM48戦車50両もマガフ３に改修している。M60A1の車長用キューポラをウルダン型に変更したものという説もある。1982年のガリラヤ平和作戦前後にマガフ５（M48A5）規格に改造された。参考：月刊PANZER6,’18、6,’05

　＜マガフ４＞：存在しないという説、マガフ2/3にブレイザーERAを搭載したものという説、M60A3にウルダン型キューポラを搭載したものという説がある。参考：月刊PANZER6,’18、9,’10、6,’05

　＜マガフ５＞：第４次中東戦争時にアメリカから供与されたM48A5で、ヨーロッパに配備していたものを空輸した。マガフ１にブレイザーERAを搭載したものという説もある。後にナグマショットやペレフに改造された。参考：月刊PANZER6,’18、6,’05

　＜マガフ５＋＞：マガフ５に発煙弾発射機を追加したもの。参考：月刊PANZER6,’05

　＜マガフ６＞：第４次中東戦争時にアメリカから供与されたM60で、ヨーロッパに配備していたものを空輸した。マガフ２にブレイザーERAを装着したものという説もある。参考：月刊PANZER6,’18、6,’02、2,’02、世界AFV年鑑2002-2003

　＜マガフ６バタシュ＞：バタシュは全周防護という意味のヘブライ語。マガフ7D用の増加装甲開発に使用されたタイプ。参考：月刊PANZER6,’05、イスラエル軍現用戦車と兵員輸送車1985-2004

　＜マガフ６Ａ＞：第４次中東戦争時にアメリカから供与されたM60A1で、ヨーロッパに配備していたものを空輸した。マガフ３にサーマルスリーブを追加し、T142履帯に換装したものという説もある。参考：月刊PANZER6,’18、6,’05

　＜マガフ６Ａ＋＞：マガフ6AにブレイザーERAと発煙弾発射機を搭載したもの。参考：月刊PANZER6,’05

　＜マガフ６Ｂ＞：マガフ6Aにマガフ6R準拠の改良を施したもので、エンジンはAVDS-1790-2Cに換装した。1980年代前半にブレイザーERA（総重量0.7トン）を追加している。参考：月刊PANZER6,'18、6,’05

　＜マガフ６Ｂガル＞：Magach 6B Gal。マガフ6Bの射撃統制装置をガル（マタドールに同じ）に換装し、砲身にサーマルジャケットを追加、砲塔後部を大型化して環境センサーを搭載したもので、1980年代に改修された。一部に履帯と起動輪をメルカヴァと同じものに換えたものがある。マガフ7DのFCS系開発用車両という説もある。参考：月刊PANZER6,’18、6,’05、6,’02、イスラエル軍現用戦車と兵員輸送車1985-2004

　＜マガフ６Ｂガル・バタシュ＞：Magach 6B Gal Batash、バタシュは全周防護の頭文字。1997年11月にヒズボラの対戦車ミサイルでマガフ6B戦車２両が破壊されたために開発された防御力強化型で、増加装甲パッケージはIMIが10週間で完成させた。砲塔にマガフ7Cと同様の前面楔形・側面平面の複合装甲を取り付け、分厚いサイドスカート（1-4枚目が中空装甲）を装着している。重量増に対応してエンジンをAVDS-1790-5A（908馬力）に、トランスミッションをアリソンCD850-6BXオートマチックに換装したのもマガフ7Cと同じ。参考：月刊PANZER6,’18

　＜マガフ６Ｂバズ＞：Magach 6B Baz。マガフ6Bの射撃統制装置をメルカヴァMk.3と同じバズに換装したもの。数両のみ改修を受けた。参考：月刊PANZER6,’18

　＜マガフ６Ｃ＞：アメリカから導入したM60A3TTS。サーマルスリーブは原型のままで変更されていない。1980年代前半にブレイザーERAを追加した。ガリラヤ平和作戦に投入されたが、間も無く退役している。参考：月刊PANZER6,’05、6,’18

　＜マガフ６Ｄ＞：サブラ２の初期名称。参考：月刊PANZER6,’05

　＜マガフ６Ｒ＞：1982年のガリラヤ平和作戦前後にマガフ６（M60戦車）を改良したもので、ＲはReishの略。風向センサー、デジタル弾道計算機、サーマルスリーブを装着し、キューポラをウルダン型に換装、M2機銃を主砲防楯上に固定装備（測距銃としても使用できる）し、キューポラと装填手ハッチ脇にM1919機銃（後にFN-MAG）１丁ずつを搭載した。近接戦闘用として砲塔右側面に52mm/60mm軽迫撃砲も装着している。砲塔旋回に使用する油圧機構のオイルを難燃性のものに換え、砲塔後部の雑具入れを強化、主砲弾薬を全て車体に搭載するようにし、防楯両側にボックス式発煙弾発射機を装備して防御力も強化した。エンジンはAVDS-1790-2AGに換装している。1980年代前半にブレイザーERAを追加した。参考：月刊PANZER6,’05、6,’18

　＜マガフ６Ｒ　Ｋｏｃｈａｖ＞：新型射撃統制装置の試験型で、マガフ6Rにナハル・オズ射撃統制装置を搭載している。1980年代前半に製造され、テストの結果が良好だったため、マガフ6Mに採用された。参考：月刊PANZER6,’18

　＜マガフ６Ｍ＞：マガフ6R Kochavの制式化型。ナハル・オズ射撃統制装置を搭載し、ついでにサーマルスリーブを装備、砲塔に環境センサーを追加した。一部に履帯と起動輪をメルカヴァと同じものに換えたものがある。参考：月刊PANZER6,’18、6,’05

　＜マガフ６Ｍｅｍ　Ｔａｄａｃｈ＞：マガフ6Mにアメリカ製M9ドーザー・ブレードを装着可能としたもの。28両が製造された。参考：月刊PANZER6,’18

　＜マガフ７Ａ＞：ガラリヤ平和作戦にマガフ６を投入した結果、RPG-7には十分な防御力を示したが、T-72の125mmAPFSDS弾には力不足だったので、徹甲弾に対する防御を強化したもの。マガフ6R（大元はM60）の砲塔前側面・車体前部にモジュラー式複合装甲を追加、厚いサイドスカート（１・２枚目は中空装甲らしい）も装着している。砲塔は避弾経始の浅い箱型のような形状となり、ブレイザー爆発反応装甲は装備しておらず、重量増に合わせ油圧駆動機構を強化した。FCSはメルカヴァと同じエルビット／ELOP社製のマタドールに全車換装した説、マガフ6Mと同じナハル・オズ射撃統制装置に全車換装した説、両者混在説がある。副武装は主砲防楯上の12.7mm同軸機銃で、測距もできるようだ。砲塔右側面に60mm迫撃砲も搭載しているのはマガフ６と同じ。６連装発煙弾発射機を砲塔左右に装備する。重量増に合わせ、サスペンションをM1と同じトーションバー式に換装、第１・第２・第６転輪に新型ショックアブソーバー、第１・第２・第５・第６転輪に新型油圧バンパーを装着して転輪トラベル長を20mm増の200mmとし、サスペンション吸収エネルギーをマガフ6Rの3.35倍にした。これで乗り心地や射撃安定性は増加したが、エンジンがそのままなので機動力は低下している。履帯はメルカヴァと同じシングルピン・シングルブロックのゴムパッド無し全鋼製に換装している。重量54トン。エンジンはAVDS-1790-2AG（750馬力）。1990年代初めから運用され、1997年秋の治安作戦ではヒズボラから9M14対戦車ミサイル20発を喰らったが、２発貫通のみで耐えた。ただ車体上部が脆弱と判明し、改良が加えられている。参考：月刊PANZER6,’18、6,’05、6,’02、9,’10、世界AFV年鑑2002-2003、イスラエル軍現用戦車と兵員輸送車1985-2004

　＜マガフ７Ｂ＞：マガフ7Aの砲塔が切り立っており、前面上部がマガフ6Rよりも前方に張り出していて車長の視界が悪かったため、砲塔前面の形状を楔形に成型して視野を改善した試作型。テストの結果が良好だったため、更なる改良を加えてマガフ7Cとして配備した。参考：月刊PANZER6,’18、6,’05

　＜マガフ７Ｃ＞：マガフ7Bのテスト結果を基に、砲塔前面複合装甲を楔形にして車長用ハッチからの視界を改善したタイプ。砲塔前面装甲はマガフ7Bのものを更に改良しており、砲塔側面装甲はフラットなままで、砲塔モジュラー装甲キットはエンベロープ（封筒）のコードネームを持つ。砲塔旋回用油圧オイルは難燃性のものに変更した。マガフ7Aでは重量増による機動力低下も指摘されたため、エンジンをメルカヴァと同じテレダインAVDS-1790-5A（908馬力）に強化し、トランスミッションもアリソンCD850-6BXオートマチックに換装している。1990年代半ばから運用された。2003年2月15日にIEDで１両が吹き飛ばされて乗員４名全員が死亡、さすがに底面装甲強化改良を施して市街戦対応にするには無理があり、周辺国軍との対戦車戦闘が発生する見込みも少なく、2006年の退役へと繋がった。参考：月刊PANZER6,’18、9,’10、6,’05、イスラエル軍現用戦車と兵員輸送車1985-2004

　＜マガフ７Ｄ＞：マガフ８の初期名称。参考：月刊PANZER6,’05

　＜マガフ７ＧＩＭＥＬ＞：湾岸戦争の戦訓を踏まえて昼夜兼用砲手用照準器とレーザー測距器、デジタル弾道計算機と各種センサーを搭載し、砲塔前面形状を楔形に変えたもの。1998年から導入された。参考：月刊PANZER6,’02

　＜マガフ８＞：マガフ７の砲塔周囲に追加装甲を施したもの。側面に傾斜が付いている。防楯も傾斜角の付いた可動式のものに換装された。参考：月刊PANZER6,’05、世界AFV年鑑2002-2003

　＜マガフ９＞：サブラ１の原型。参考：月刊PANZER6,’05

＜マガフ・ファミリー＞

　＜ペレフ＞：ペレフ（対戦車ミサイル車両）を参照。

　＜マガフＴａｇａｓｈ＞：マガフ６の戦車橋型で、砲塔を外してシザーズ式戦車橋１基を搭載する。履帯と起動輪はメルカヴァと同じものに換装した。参考：月刊PANZER6,’18

　＜マガフＴａｇａｓｈ　Ａｋｒａｖ＞：マガフ６を改造した監視車両。砲塔を外して伸縮式アームとスラットアーマー装着監視小屋を装着したもので、ガザ地区とヨルダン川西岸に建設した壁の向こう側を監視するのが主任務である。監視小屋には12.7mm機銃も付いている。参考：月刊PANZER6,’18

　＜マガフＴａｇａｓｈ　Ｔｓｅｍｅ＞：マガフ６の戦車橋型で、小型シザーズ式戦車橋２基を搭載する。履帯と起動輪はメルカヴァと同じものに換装した。参考：月刊PANZER6,’18

＜マカラン＞：441（前方基地艦）を参照。

＜マガル＞：L11（戦車揚陸艦）を参照。

＜マガル＞：インド海軍マガル級（２代目）戦車揚陸艦Magar。1987年就役。2009年12月1日、マレーシア国際観艦式に参加。参考：月刊世界の艦船3,’10

＜マガル級（初代）＞：インド海軍戦車揚陸艦Magar級。満載排水量4980トン。主機はレシプロ蒸気で、速力13ノット。兵装は40mm単装機関砲２門。兵員200名、戦車12両、ヘリ１機を搭載できる。L11マガルが1945年に竣工した。参考：月刊世界の艦船6,’83、ミリタリー・バランス1989-1990

＜マガル級（２代目）＞：インド海軍戦車揚陸艦Magar級。イギリス海軍サー・ランスロット級をベースに国産化したものである。艦橋は後ろ寄りにあり、その前にLCVPダビット４基、後ろにヘリ格納庫とヘリ甲板がある。全長124.8m、満載排水量5746-5748トン。主機はディーゼル、速力15ノット。兵装は30mm単装機関砲CRN-91が２門、122mm多連装ロケット発射機２基。ヘリ２機、戦車10両、装甲車11両、兵員500名、LCVP４隻を搭載可能。マガル、L15ケサリ、シャルダル、アイラヴァルなど５隻が1987-2009年に就役した。就役年にかなりのずれがあるので、設計が見直されたともいわれ、後期型３隻をシャルダル級と別分類することもあるが、外見はほぼ同じである。車両搭載数は前期型２隻が戦車15両または装甲車８両またはトラック10両、後期型３隻が戦車11両または装甲車８両またはトラック10両という説もある。参考：月刊世界の艦船12,’12、3,’10、6,’16、1,'15増刊、12,'20、7,'21、THE MILITARY BALANCE 2016

＜まき＞：PF-298（警備船）を参照。

＜槇（初代）＞：日本海軍楢型駆逐艦４番艦。大正7年4月7日竣工、二等駆逐艦に類別された。昭和9年4月1日に除籍され、昭和11年5月6日に海軍工機学校保管船となった。参考：日本駆逐艦史

＜槇（２代目）＞：日本海軍松型駆逐艦８番艦。昭和19年8月10日竣工。昭和19年10月20日、比島沖海戦に参加。12月9日、長崎県女島灯台の東北東30海里でアメリカ潜水艦の雷撃を受けて中破した。昭和20年10月5日に除籍され、特別輸送艦として使用された後、昭和22年8月14日に賠償艦としてイギリスに引き渡され、解体された。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜マキーン＞：アメリカ海軍上陸用高速輸送艦。1943年11月17日、第５次ブーゲンビル島沖航空戦で雷撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜巻脚絆＞：巻絆、ゲートル（guetre、元はフランス語）ともいう。長さ240cm、幅9cmの布に150cmの紐を付けたもので、編上靴の上部が隠れるように巻き始め、下腿中央あたりで２回折り直し、膝下あたりまで巻き上げ、末端が足の真横に来るようにする。弾性ストッキングと同様に脚の浮腫や静脈鬱滞を防ぎ、脚の疲労を軽減できる。明治39年4月13日の陸軍服制改正で、軍服の色がカーキ色になるのと同時に導入された。太平洋戦争開始後は全ての男子が外出時に防空服装として身につけるようになっている。航空兵は外出時以外着用する必要が無く、冬の夜間作業の際に腹巻きとして使用していた。参考：戦時用語の基礎知識、新兵サンよもやま物語

＜まきぐも＞：DD-114（護衛艦）を参照。

＜巻雲＞：日本海軍夕雲型駆逐艦３番艦。昭和17年3月14日竣工。6月5日、ミッドウェイ海戦に参加。8月24日、第２次ソロモン海戦に参加。10月26日、南太平洋海戦に参加。10月27日、駆逐艦秋雲と共同でCV-8ホーネットを雷撃して撃沈した。11月29日、東部ニューギニア北東のロング島付近で爆撃を受けて中破した。昭和18年2月1日、イサベル島沖海戦においてサボ島南で触雷沈没し、3月1日に除籍された。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、日本海軍艦隊総覧

＜マキシ・アンビュランス＞：HMMWVシリーズ（輸送車）を参照。

＜まきしお＞：SS-567（うずしお型潜水艦）またはSS-593（おやしお型潜水艦）またはTSS-3610（おやしお型練習潜水艦）を参照。

＜マキシ・デコイ＞：ブラウンズウィック社が開発したデコイ用RPVで、航空機に装着して使用する。飛行速度マッハ0.9。ジャマーや電子戦装置の装備が可能。参考：スパイ機

＜まきしま＞：MSC-677（掃海艇）を参照。

＜マキシム機関銃＞：1883年にアメリカ人の発明家、ハイラル・Ｓ・マキシムが発明した反動利用式水冷機関銃。最初ヴィッカーズ社にアイデアを提供したが、パテントを完全に持って行かれたためロシアに渡り、1900年型機関銃として制式化された。口径7.7mm、給弾は250発布製ベルト。作動は反動利用短後座式で、弾丸が発射されると反動で銃身と遊底が後退し、１インチ（25.4mm）下がったところで銃身の後退が終了、引き続き後退する遊底が布ベルトから弾薬を、薬室から空薬莢を後ろに引き抜く。更に3.5インチ（88.9mm）ほど下がると遊底の後退が終了し、弾薬と空薬莢を支える包底面が下にずれ、弾薬を薬室後方正面に位置させる。その後遊底は前進し、弾薬を薬室に押し込み、空薬莢を機関部下面の排莢口から放り出す。その間に弾薬ベルトは１発分横にずれる。イギリス軍では1887年に少数を購入、1893年のンデベレ族との戦いでイギリス南アフリカ特許会社の軍が使用し、大勝利を挙げた。しかし機関銃の威力でなく文明の差と判断し、大量採用には踏み切らなかった。参考：歴史群像10,’04、月刊PANZER12,’04、2,’02、世界の軍用銃

＜マキシム機関銃・海外シリーズ＞

　＜７．６２　ｌｔ　Ｋｋ／ｓｓ＞：フィンランド軍４連装対空機銃。元はロシア製で、横一列に４丁を並べ、円錐台形の支柱と三脚を持つ背の高い対空銃架に載せている。参考：月刊丸6,’01

　＜１９００年式機関銃＞：ロシア軍機関銃。モシン・ナガン小銃用の7.62mm×54R弾を発射できるように改良され、日露戦争に投入されて日本軍をなぎ倒した。参考：月刊PANZER1,’05

　＜ＰＭ１９１０＞：PM1910を参照。

　＜ｓ．ＭＧ０８＞：ドイツ軍機関銃。1899年に採用し、日露戦争の観戦結果から1904-1905年にライセンスを取得して生産したもので、s.はDWMベルリン工場が建てられていたスパンダウの略である。脚を折り畳んで銃架をソリ替わりにすれば、移動が容易。口径7.92mm。全長1.1m、重量66.4kg。第１次・第２次大戦を通して使用された。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.3、世界の軍用銃

　＜ヴィッカーズＭｋ．Ⅰ重機関銃＞：ヴィッカーズMk.Ⅰ重機関銃を参照。

　＜馬式機関砲＞：日本陸軍が明治23年（1890年）に２丁購入して試験したもの。成績良好だったので、明治26年に二十二年式連発村田銃の口径と同じ8mmにしたものを４丁追加購入。更に東京造兵工廠でコピーして200丁を生産、日清戦争に投入した。しかしコピー銃（一部アメリカから輸入したものも混ざっていたともいわれる）は作動不良が続発したため、戦後も制式採用はされなかった。全長1.2m、銃身長0.70m、重量55.2kg。作動は反動利用式で、発射速度は毎分300-450発、給弾は250発の布製ベルト式。参考：月刊PANZER2,’02、月刊丸7,’14

　＜麻式機銃＞：日本海軍機関銃。口径8mmのものと6.5mmのものを明治35年頃に輸入して艦載した。日露戦争では8mmの銃身を6.5mmに交換しており、日露戦争後に6.5mmが艦載標準機銃となった。参考：月刊丸4,’13

＜マキシム・ゴーリキー１砲台＞：ソ連がクリミア半島のセバストポリに建設した要塞の１つで、ドイツ国防軍がセバストポリ攻略戦の際に付けたニックネームである。ソ連軍名称は第30砲台。1912年から建設が開始され、1914年に一旦中止された後、1928年から再開されて1934年に完成した。主砲は305mm連装砲塔２基で、1912-17年に製造されて1941年に近代化された。沿岸砲台としての役割の他、北側のベルベク峡谷も撃てる。1942年6月7日からドイツ軍が攻撃を仕掛け、M1臼砲で砲塔天蓋を吹き飛ばして内部に侵入、6月17日に占領した。守備隊1000名のうち、捕虜は負傷者40名のみだった。戦後、ガングート級ド級戦艦ポルタワから取り外されたオブコフ式305mm３連装砲塔（52口径305mm砲、俯仰角マイナス６度からプラス40度、最大射程44km。前面装甲厚350mm、側面230mm、天蓋175mm）が据え付けられ、未だに稼働状態にある。参考：月刊PANZER9,’01、月刊丸2,’07

＜マキシム・ゴーリキー２砲台＞：ソ連がセバストポリ市南西10kmのヘルソネス半島に建設した要塞の１つで、ドイツ国防軍がセバストポリ攻略戦の際に付けたニックネームである。ソ連軍名称は第35沿岸砲台。1913年から建設が開始されたが、第１次大戦で一旦中止され、1923年から再開、1928年に完成した。305mm連装砲塔２基を持つ。1941年12月に砲塔内の弾薬が爆発して第１砲塔が失われ、1942年7月2日には第２砲塔も破壊され、7月9日にドイツ国防軍に占領された。戦後も再建はされなかった。参考：月刊PANZER9,’01

＜マキシム・ゴルキイ＞：ソ連海軍マキシム・ゴルキイ級巡洋艦１番艦Maxim Gorkiy。1936年12月20日起工、1938年4月30日進水。ドイツ軍のポーランド侵攻に対する抗議集会に参加した作業員らが建造中の本艦に戻ろうとした際、梯子が壊れて37名が死傷した。他にも消防装置や蒸気パイプの故障で竣工までに７名の死傷者を出している。公試排水量8748トン。全力公試時の最大出力129750馬力、最大速力36.1ノット、航続距離は18ノットで9000海里だった。1940年12月12日竣工、バルト海艦隊に配属された。1941年6月、フィンランド湾偵察のためグロズヌイなど駆逐艦３隻と共に出撃した。6月23日0420、触雷して艦首を喪失。同じく触雷して艦首を失った駆逐艦グロズヌイと共にタリンに回航されたが、その途中で護衛の掃海艇１隻が触雷して沈没している。6月25日、タリンに到着し、護衛部隊を強化してクロンシュタットに回航され、修理に入った。8月、修理を終えてレニングラード防衛戦に参加。9月11日、ドイツ国防軍陣地に主砲弾285発を発射。9月12日からドイツ国防軍の反撃を受け、命中弾８発により行動不能に陥ったが、曳船でネヴァ川を曳航されながら砲撃を続けた。12月27日にドイツ国防軍陣地への砲撃を行った後、レニングラードの商業港に入り、主砲塔１基のみを即応状態としてバルチック艦隊司令部の燃料節約令に従った。1942年3月からドイツ国防軍がバルチック艦隊撃滅作戦アイシトッスを発動、至近弾多数により損傷した。1942-43年に修復を行い、甲板に30-37mmの装甲を追加。1944年1月、ソ連軍の反攻に参加し、ドイツ国防軍陣地に主砲弾701発を撃ち込んだ。3月、赤旗勲章を授与された。第２次大戦中にアメリカとイギリスから供与されたレーダーを装備しており、第１マスト頂部にSG対水上レーダー、第２マスト頂部に281型対空レーダーを搭載した。1947年、レニングラードで観艦式に参加。1950年、Ka-10の発着艦試験を実施。1953年、クロンシュタットに回航されて観艦式の旗艦を務めた後、大規模修理と近代化に入った。12月、海軍総司令官により近代化工事が中止され、予備役に編入された。1958年3月25日に発令された艦艇隻数削減令の対象となり、4月14日に除籍されて解体された。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史。近代巡洋艦史、月刊世界の艦船6,’13

＜マキシム・ゴルキイ級＞：ソ連海軍巡洋艦26bis型Maxim Gorkiy級。進水したキーロフ級１番艦を視察したバルチック艦隊司令官の意見を受けて３番艦以降に小改良を施したもので、キーロフ級第２グループとも呼ばれる。艦橋がやや複雑化し、45mm機銃が増やされた。マキシム・ゴルキイ、モロトフ、カガノヴィッチ、カリーニンの４隻が1940-44年に竣工した。第２次大戦終戦前後に前部マストにレーダーを装備し、対空機銃を追加した。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史、近代巡洋艦史

＜マキシム・ゴルキイ級（黒海／バルト海艦隊向け）＞：１番艦マキシム・ゴルキイと２番艦モロトフ。全長191.4m、幅17.7m、最大吃水6.3m、基準排水量8177トン、常備排水量8882トン、満載排水量9728トン。主機は蒸気タービンで、経済出力8260馬力、最大出力129750馬力、２軸推進、巡航速力17.8ノット、戦術速力25ノット、最大速力36.1ノット、後進速力18.0ノット、常備燃料搭載量650トン、最大燃料搭載量1750トン、航続距離4880海里、連続航海日数20日。兵装は18cm３連装砲３基、10cm単装高角砲６門、45mm単装機銃９門、12.7mm単装機銃４門、53.3cm３連装魚雷発射管２基、機雷100個。装甲厚は舷側70mm、下甲板50mm、砲塔50-70mm、司令塔100-150mm、舵取機室6-8mm。前後煙突間にカタパルトがあり、KOR1水上偵察機２機またはベリエフKOR2小型飛行艇１機を搭載する。乗員898名。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史、近代巡洋艦史

　＜マキシム・ゴルキイ級（太平洋艦隊向け）＞：３番艦カガノヴィッチと４番艦カリーニン。建造途中で独ソ戦が始まってしまい、兵装の変更を余儀無くされ、建造費も1-2番艦の6000万ルーブルから１億1000万ルーブルに跳ね上がっている。レニングラードからカタパルトを運ぶことができず、その場所に37mm機関砲６門を搭載した。全長191.2m、幅17.7m、最大吃水6.3m、基準排水量8400トン、常備排水量9105トン、満載排水量10040トン。主機は蒸気タービン、経済出力8200馬力、最大出力126900馬力、２軸推進、巡航速力17.0ノット、戦術速力25.2ノット、最大速力36.0ノット、後進速力17.0ノット、最大燃料搭載量1707トン、航続距離5590海里、連続航海日数20日。兵装は18cm３連装砲３基、8.5cm単装高角砲８門、45mm単装機銃６門、37mm単装機銃10門、12.7mm単装機銃６門、53.3cm３連装魚雷発射管２基、機雷100個。装甲厚は舷側70mm、下甲板50mm、砲塔50-70mm、司令塔100-150mm、舵取機室6-8mm。前後煙突間にカタパルトがあり、KOR1水上偵察機２機またはベリエフKOR2小型飛行艇１機を搭載する。乗員812名。竣工後に8.5cm単装高角砲を7.6cm単装高角砲に換装した。参考：ソ連／ロシア巡洋艦建造史、近代巡洋艦史

＜マキティス級＞：ギリシャ海軍哨戒艦Machitis級。主砲管制用にLIROD Mk2方位盤を装備する。兵装は62口径76mm単装砲１門。2003-04年に４隻が就役した。参考：月刊世界の艦船4,’22

＜まきなみ＞：DD-112（初代、あやなみ型護衛艦）またはDD-112（２代目、たかなみ型護衛艦）を参照。

＜巻波（初代）＞：日本海軍敷波型駆逐艦２番艦で、元はロシア海軍水雷砲艦ブサドニック（Vsadnik）である。明治38年1月に旅順で沈没状態だったところを鹵獲され、10月23日に引き揚げられ、10月31日に巻雲と命名された。12月12日に駆逐艦として艦籍に編入され、明治40年に整備を完了した。大正元年8月28日に三等駆逐艦に類別変更された。大正2年4月1日に除籍され、大正3年8月23日に雑役船に編入され、大正4年6月28日に廃船認許され、10月27日に売却された。参考：日本駆逐艦史

＜巻波（２代目）＞：日本海軍夕雲型駆逐艦６番艦。昭和17年8月18日竣工。10月26日、南太平洋海戦に参加。11月30日、ルンガ沖夜戦に参加。12月3日、ガダルカナル島への輸送任務中に爆撃を受けて損傷した。昭和18年2月1日、イサベル島沖海戦で損傷した。11月25日、セント・ジョージ岬海戦で沈没し、昭和19年3月10日に除籍された。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、日本海軍艦隊総覧

＜まきなみデータリンク装置＞：防衛省がアメリカ海軍省に発注している。参考：月刊軍事研究7,’18

＜まきなみ無線通信装置及びリンク連接補助装置＞：防衛省がアメリカ海軍省に発注している。参考：月刊軍事研究10,’18

＜マキノー・コート＞：マッキーノ・コートともいう。アメリカ陸軍が1938年に採用した士官用ウールコートで、1939年末から1940年初め頃に表地をコットン・ギャバジンに変更したタイプが下士官・兵用としても供給されるようになった。裏地はウール・ブランケットで、防寒性が高い。サービスドレスと合わせるものだが、ハーフコートで動きやすく、戦闘時にも使用された。参考：月刊丸3,’14

＜巻絆＞：巻脚絆を参照。

＜牧港補給地区＞：在沖縄米海兵隊の補給基地で、沖縄県浦添市にある。面積274万平方メートル。沖縄戦の時からアメリカ陸軍管理の下で使用しており、1948年から施設を拡大、ベトナム戦争では重要な役目を果たした。その後は機能が縮小され、1978年に海兵隊に移管された。2006年5月の日米安全保障協議委員会の合意に基づき、海兵隊8000名のグアム移転と普天間代替施設の建設が実施された後で、日本に返還される予定である。参考:月刊軍事研究4,’10

＜マキラⅠＡ＞：フランスのチュルボメカが開発したターボシャフトエンジンで、AS332シュペルピューマに搭載されている。圧縮機は軸流式３段・遠心式１段で、燃焼器はアニュラー式、タービン段数は高圧２段・低圧２段。全長1.395m、幅0.53m、重量210kg。最大連続出力1630馬力、離昇出力1775馬力、瞬間最大出力1910馬力。参考：世界の軍用機1979

＜マギルス・ボンベ＞：ドイツのマギルス・トラック会社が第２次大戦時に製造した双発多座機用ガンパック（外形が爆弾型をしている）の通称。参考：世界の傑作機No.141

＜マキン・アイランド＞：CVE-93（護衛空母）またはLHD-8（揚陸艦）を参照。

＜マキン島上陸作戦＞：ガルバニック作戦を参照。

＜マクート・ラジャクマルン＞：タイ海軍フリゲートMakut Rajakumarn。1969年、イギリスのヤーロー社に発注され、1973年に就役した。1984年2月、機関区画に火災が発生し、前部機械室のオリンパス・ガスタービンと隣の操縦室が大損害を受けた。2017年11月20日、タイのパタヤ沖でタイ海軍主催ASEAN創設50周年記念観艦式に参加。参考：月刊世界の艦船5,’86、2,’18、ミリタリー・バランス1989-1990

＜マクート・ラジャクマルン級＞：タイ海軍フリゲートMakut Rajakumarn級。基準排水量1650トン、満載排水量1900トン。主機はCODOG方式。兵装は114mm単装砲２門、シーキャットSAM、３連装対潜魚雷発射管２基（スティングレイ短魚雷）など。マクート・ラジャクマルンが1973年に就役した。参考：月刊世界の艦船5,’86、ミリタリー・バランス1989-1990、THE MILITARY BALANCE 2016

＜幕営（海軍兵学校）＞：海軍兵学校で夏期休暇直前の１週間にわたり実施されるキャンプ実習。宮島の包ヶ浦または愛媛県小部湾海岸に天幕を張ってマットを敷き、分隊ごとに寝泊まりする。日課は酷暑日課のままだが、座学と自習は無く、遊泳、体操、水中騎馬合戦などが行われる。訓練以外の時間は自選作業（読書、漕艇、散歩など）や昼寝などに充てられ、1200-1900はラジオ視聴可、夕食後から1930までは蓄音機や尺八・ハーモニカによる演奏可、訓練の余暇には地引き網を引いて漁をし、キャンプファイアを囲んでの軍歌演習や軍楽隊の演奏、劇や映画の鑑賞もあり、最終日には娯楽演芸会としてのど自慢大会が開かれるなど、海軍兵学校に於ける楽しみの１つであった。昭和18年度から廃止され、詰め込み教育が極致を迎えている。参考：海軍兵学校よもやま物語

＜マクギンティ＞：DE-365（護衛駆逐艦）を参照。

＜マクゴーワン＞：DD-678（駆逐艦）を参照。

＜マクスウェル＞：X-57（試験機）を参照。

＜マクストン＞：M1165（トン級機雷掃討艇）を参照。

＜マクダーマット＞：DD-677（駆逐艦）を参照。

＜マクダネル１８８Ｅ＞：ブレゲー940海外シリーズ（試作輸送機）を参照。

＜マクダネル社＞：アメリカの航空機会社で、1939年7月6日にアイルランド移民のジェームス・Ｓ・マクダネルがセントルイス市営空港内に設立した。当初は大手メーカーの下請けを行っていたが、1940年から独自設計に取り組み、XP-67を開発。これは採用されなかったが、FD-1艦上ジェット戦闘機の開発に成功。続いてF2H-1、XF-85、XF-88、F-101、F3Hなどを開発した。1968年4月28日にダグラス社を吸収合併してマクダネル・ダグラス社となった。参考：F-4ファントム物語

＜マクダネル・ダグラス社＞：McDonnell Douglas。1968年4月28日にマクダネル社がダグラス社を吸収合併して誕生した。1984年1月6日、ヒューズ・ヘリコプターズ社を傘下に収めた。1985年8月27日、ヒューズ・ヘリコプターズをマクダネル・ダグラス・ヘリコプターズに改称した。1997年8月4日にボーイングに吸収合併された。参考：月刊JWings12,’06、F-4ファントム物語、月刊軍事研究4,’18

＜マクダネル・ダグラス・ヘリコプターズ社＞：1984年（1985年？）8月27日、ヒューズ・ヘリコプターズから改称された。1997年8月4日、親会社のマクダネル・ダグラス社がボーイングと合併したため、ボーイング社の傘下になった。AH-64シリーズはボーイングで作ることになったが、民間用MDシリーズ（AH-64以外の全ヘリ？）は2005年（1999年？）からこちらで生産している。参考：月刊軍事研究4,’18、月刊JWings7,’19

＜マグデブルグ＞：F261（ブラウンシュヴァイク級コルベット）を参照。

＜マグデブルグ（２代目）＞：ドイツ海軍ケルン級軽巡洋艦Magdeburg。起工されたが建造中止になり、1922年に解体された。参考：近代巡洋艦史

＜マクドノー＞：DD-9（ローレンス級駆逐艦）またはDD-351（駆逐艦）またはDDG-39（クーンツ級ミサイル駆逐艦）を参照。

＜マクドゥガル＞：DD-358（駆逐艦）を参照。

＜マグナショット＞：イスラエルの重装甲兵員輸送車。センチュリオン戦車の車体を利用している。ナグマショットのことか？参考：月刊PANZER12,’97

＜マグナス効果＞：マグナス力を参照。

＜マグナス・モーメント＞：マグナス力によって生じるモーメント。マグナス力は無視できることが多いが、こちらは無視できない。このモーメントにより、弾丸飛翔中に、突然大きな離軸角を示すことがある。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜マグナス力＞：マグナス効果（Magnus effect）ともいう。一様な流れの中に、流れに垂直方向となるよう円柱を置き、中心軸周りに回転させると、流体の粘性が原因で円柱表面近くの流体が円柱に引きずられ、円柱の回転方向と流れの方向が一致する側では流れが加速し、逆側では減速する。ベルヌーイの定理により、加速側では圧力が減少し、減速側では増加するので、円柱は回転方向と流れの方向が一致する側に向かって流れに直角に押しやられる。これがマグナス力で、実際には摩擦と円柱後方の渦によって抗力が生まれるため、円柱は流れに向かって斜め後方に押しやられる。1852年にドイツの物理学者マグナスがライフル弾の飛翔を観測していた際に発見した。弾丸が後方から見て右スピンする場合、左に曲がる方向にマグナス力が働くが、偏流による右向きの力のほうが大きいので、観測されることは少ない。カーブを投げた時に野球ボールが曲がるのもマグナス力である。1920年頃にはドイツの技術者フレットナーがフレットナーのローター船を考案、帆の代わりにエンジンで回転する円柱（フレットナー・ローター）を立てて風によりマグナス力を発生させ、大西洋を横断した。マグナス力の大きさを理論的に算出したのはクッタとジューコフスキーで、クッタ・ジューコフスキーの定理と呼ばれる。参考：航空用語事典増補改訂版、火器弾薬技術ハンドブック、月刊世界の艦船7,’18

＜マクナマラ＞：ロバート・マクナマラ。第２次大戦中は陸軍航空隊に所属し、戦後はフォード社に就職した。社長にまで登りつめた後、1961年1月にケネディ政権で国防長官となった。軍用機に自動車産業の手法を導入し、陸海空三軍で共通の機体を使用してコストを抑えることを考え、F-4、A-7、X-22、OV-10などを送り出した。F-111のような失敗作もあるが。参考：世界の傑作機No.45

＜マグナム＞：元は大きな酒瓶という意味。1920年頃、大口径の強力なライフル弾の売り文句としてマグナム・カートリッジという言葉が使われ、また強力なライフルをマグナム・ライフルと呼んだ。最初に使ったのはイギリスのホーランド＆ホーランド社で、後にアメリカで拳銃弾の名称として使用された。他の同口径弾よりも強力な弾薬もしくはそれを発射できる銃をいうが、明確な基準は無く、メーカーが「マグナム」と命名しているのが「マグナム」である。参考：GUN用語事典

＜マグナム＞：アメリカの第３世代ELINT衛星で、傘の骨状の巨大なアンテナを持ち、携帯用無線機の通信も傍受できるという。地球を１日に12回周回している。傍受した信号はヨーロッパの地上基地に送信され、アメリカ国防省安全保障局に転送され、解読される。1990年11月、スペースシャトル「アトランティス」により２号機が傾斜角28.5度の軌道上に投入された。参考：軍事分析湾岸戦争

＜マクナルティ＞：DE-581（護衛駆逐艦）を参照。

＜マグニフィセント＞：カナダ海軍マジェスティック級空母Magnificent。参考：月刊世界の艦船2,’22

＜マグヌス・ラグアボタ＞：P381（哨戒艦）を参照。

＜マクネーア＞：DD-679（駆逐艦）を参照。

＜マグネシウム・オーバーキャスト＞：B-36A（爆撃機）を参照。

＜マグネシウム合金＞：Magnesium alloy。ドイツのGriesheim-Elektron社が1909年に開発したので、第２次大戦前はエレクトロンと呼ばれていた。比重は0.74で、アルミニウム合金の３分の２程度、プラスチックと同等と軽量であり、そこそこ強度も高い。アルミニウム合金では強度が高くなりすぎたり、強度を一定にすると薄すぎて剛性を保てなくなったりするような場所に使うと便利で、ヘリコプターの胴体や、舵面に使用される。常温での成形加工が非常に困難で加熱成形するか精密鋳造する必要がある、加工時などに発生する粉や切削くずの発火性が極めて高い、耐火性に劣る、非常に腐食に弱く表面が酸化して粉を吹く、高価という欠点がある。表面処理を工夫して耐蝕性を向上させたタイプがB-36爆撃機に大量に使用され、機体の軽量化に貢献した。参考：航空用語事典増補改訂版、世界の傑作機No.1、No.125、飛行機のしくみ、トコトンやさしい溶接の本

＜マグネシウムの雲＞：B-36A（爆撃機）を参照。

＜マグネット＞：A114（消磁船）を参照。

＜マグネット級＞：イギリス海軍消磁船Magnet級。全長54.8m、幅11.4m、吃水3m、満載排水量955トン。主機はディーゼルで、速力12ノット。A114マグネット、A115ロードストーンの２隻が1979年に進水した。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜マグネトー＞：Magneto、磁石発電機。ガソリンエンジンの点火プラグに火花放電を起こさせるのに必要な高圧電流を作り出す発電機で、エンジン回転軸の動力を利用して駆動する。参考：航空用語事典増補改訂版

＜マグネトゴルスク＞：B-471（キロ級潜水艦）を参照。

＜マグネトロン＞：磁電管。陰極と陽極からなる二極管から電子を発生させ、電界と磁界を加えて回転運動をさせることで、円筒形の陽極共振装置に極超短波の電圧を誘起し、大出力の極超短波パルス電波を発生させる。1940年にイギリスで開発され、出力400W・波長9.87cmを記録、量産型のNT98はAI Mk.7レーダーに使用された。その後改良を受け、AI Mk.8やH2Sレーダーにも使用されている。参考：連合軍の傑作兵器駄作兵器

＜マグピー＞：U82（スループ）を参照。

＜マクファーソン・ストラット式サスペンション＞：ストラット式サスペンションを参照。

＜マクファーランド＞：DD-237（駆逐艦）を参照。

＜マクファーランド＞：アメリカ海軍水上機母艦。1942年10月16日、ソロモン群島付近で急降下爆撃により損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜マクファウル＞：DDG-74（ミサイル駆逐艦）を参照。

＜マグフォード＞：DD-389（駆逐艦）を参照。

＜マクラケン＞：APA-198（攻撃輸送艦）を参照。

＜マクラスキー＞：FFG-41（フリゲート）を参照。

＜マクラナハン＞：DD-615（駆逐艦）を参照。

＜馬鞍山＞：525（フリゲート）を参照。

＜馬鞍山級＞：054級（フリゲート）を参照。

＜マクリレン＞：スウェーデン海軍アヴォレン級（２代目）潜水艦６番艦。元はU1級潜水艦U9である。1976年退役。参考：月刊軍事研究2,’03、1,’03

＜マクレナン＞：APA-246（攻撃輸送艦）を参照。

＜マグロ＞：一〇三号電探を参照。

＜マクロス＞：MACLOS（誘導方式）を参照。

＜馬毛島＞：鹿児島県大隅諸島（種子島北西12km）にある無人島で、周囲16km、面積８平方キロメートル。2007年にアメリカ軍が硫黄島の後継となるFCLP施設建設場所として候補に挙げ、2010年に防衛省も演習場・物資集積場としての利用計画を発表した。2011年6月に防衛省と地権者のタストン・エアポート社との間で交渉を開始、単純な不動産鑑定価格45億円と、整地コストなどを含めた額として地権者側が主張する数百億円との隔たりが大きく難航したが、2019年11月29日に160億円で基本合意に達した。FCLP施設を硫黄島から移す場合、岩国基地からの距離が1400kmから400kmに短縮される。防衛省も空自・海自固定翼機の訓練・分散配備基地を作る予定。2020年12月21日、港湾施設建設のための海底ボーリング調査を開始。2022年度から飛行場（滑走路は南北方向2450mと斜め交差の横風用1850m）を建設、航空自衛隊馬毛島基地（仮称）を開設して100-200名規模の隊員を置き（居住基盤は種子島に設置）、2024年度に飛行場を完成させ、2025年度からFCLPを行う計画である。参考：月刊JWings2,’20、3,’20、3,’21、月刊世界の艦船3,’20、月刊航空ファン3,’20

＜マケドニア軍＞：2003年に軍の再編プランを策定し、2005年の防衛白書で言及した。軍の主任務を領土保全、地域安定、平和支援任務、作戦遂行としている。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜マケドニア軍（２０１５年）＞：現役総兵力8000名、予備役4850名。統合作戦コマンド隷下に陸軍、兵站支援コマンド、海洋部隊、航空部隊が置かれている。陸軍は特殊部隊連隊１個、戦車大隊１個、機械化歩兵旅団１個、砲兵連隊１個、防空中隊１個、工兵大隊１個、憲兵大隊１個、NBC中隊１個、通信大隊１個からなる。兵站支援コマンドは工兵大隊１個、兵站大隊３個からなる。T-72A戦車31両、BRDM-2偵察車10両、BMP2歩兵戦闘車10両、BMP-2K歩兵戦闘車１両、レオニダス装甲車９両、M113装甲車28両、MT-LB装甲車10両、BTR-70装甲車57両、BTR-80装甲車12両、TM-170装甲車84両、105mm榴弾砲M-56を14門、122mm榴弾砲M-30/M-1938を56門、BM-21を６両、128mm多連装ロケットランチャー11基、ミラン対戦車ミサイル、57mm無反動砲、82mm無反動砲M60A、9K35自走地対空ミサイル８両、9K310、40mm機関砲L20を36基保有する。海洋部隊はボチカ級哨戒艇２隻を保有する。航空部隊はAn-2輸送機１機、Z-242練習機５機、Mi-24VハインドＥヘリ４機（＋Mi-24KハインドG2ヘリ２機とMi-24VハインドＥヘリ８機を保管中）、Mi-8MTV輸送ヘリ４機、Mi-17輸送ヘリ２機、ベル205ヘリ２機を保有する。アフガニスタンにNATOのレゾリュート・サポート作戦要員39名、アルバニアにOSCE要員１名、ボスニア・ヘルツェゴヴィナにEUFORアルテア作戦要員11名、レバノンにUNIFIL要員１名、コソボにOSCE要員19名、ウクライナにOSCE要員16名を派遣している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜魔犬＞：第１次大戦時、アメリカ海兵隊にドイツ軍が付けた名称。参考：月刊PANZER6,’02

＜マゲン＞：イスラエル海軍サール６型コルベット１番艦Magen。2018年2月起工、2019年5月23日命名式実施。2020年3月10日、ドイツで公試を開始。11月11日就役、ジャーマン・ネイヴァル・ヤードで引き渡し式典が行われた。11月17日、造船所を出港してイスラエルに向かった。兵装やセンサー類はイスラエルで積むらしく、未装備状態だった。2022年2月、Ｃドーム艦対空ミサイルの実射試験を実施。参考：月刊世界の艦船2,’21、3,’21、5,’22

＜マゲン級＞：サール６型（コルベット）を参照。

＜マコ＞：AT-2000（練習機）を参照。

＜マ工事＞：松代大本営を参照。

＜マコーミック＞：DD-223（駆逐艦）を参照。

＜誠第２０４戦隊＞：飛行第204戦隊を参照。

＜誠第一五三五一＞：飛行第17戦隊を参照。

＜誠第一五三五二＞：飛行第19戦隊を参照。

＜誠第一九一〇二＞：飛行第105戦隊を参照。

＜マゴフィン＞：APA-199（攻撃輸送艦）を参照。

＜真駒内駐屯地＞：陸上自衛隊の駐屯地。史料館には日本軍、札幌オリンピック支援、さっぽろ雪祭り支援の史料が展示されている。所在地は北海道札幌市南区真駒内17で、札幌市営地下鉄自衛隊駅前から歩いて１分。大元は北海道農業試験場で、太平洋戦争後に進駐したアメリカ第11空挺師団のキャンプ・クロフォードになり、1954年に北海道防衛任務がアメリカ軍から移管され、9月1日に真駒内駐屯地が開設された。1955年12月1日、第７混成団が新編された。1956年1月、第７混成団が編成を完結。1962年1月18日、第７混成団が廃止されて第11師団が創設された。1969年3月、第11特科連隊第１大隊が滝川駐屯地に移駐した。1996年3月、第11特科連隊第１大隊が滝川駐屯地から移駐した。第11対戦車隊が倶知安駐屯地に移駐した。2004年3月、第133特科大隊が新編された。2008年3月、第11師団が第11旅団に改編された。2008年12月11日、駐屯地らっぱコンクールを実施。隊員44名が参加し、.第11特科隊の金湖２曹が優勝した。

2011年4月、北部方面混成団第52普通科連隊が新編された。2014年3月、第11戦車大隊が北恵庭駐屯地に移駐した。12月、自衛隊札幌病院の新病院が竣工した。2015年3月25日、准看護学院が豊平駐屯地から移動してきた。3月26日、自衛隊札幌病院の新病院が開院した。4月1日、自衛隊札幌病院の一般外来が開院した。8月26日、札幌地方協力本部が陸自幹部候補生採用試験最終合格者説明会を実施。合格者４人に災害対処演習ノーザン・レスキュー2015見学、第18普通科連隊長執務室見学、北部情報保全隊任務・部隊概要説明などを行った。2017年7月3日、第３高射群がPAC-3機動展開訓練を実施。2018年4月13日、札幌地本が出陣式を実施。2019年3月26日、第133特科大隊が廃止された。9月26日、河野防衛大臣が視察した。

2020年6月27日、札幌地本が第11旅団の協力を得て高校生・大学生計10人に部隊研修を実施。8月10日、札幌地本が自衛隊、北海道警察、札幌市消防局、海上保安庁第１管区海上保安本部、国土交通省北海道運輸局、法務省札幌矯正管区、警察庁北海道警察情報通信部による合同就職説明会を実施。9月5-9日に札幌地本が行った大学生らに対するインターンシップに協力した。2021年4月13-14日、札幌地本が令和3年度総員訓練を実施。4月22日、札幌地本が地域援護会同を実施。8月28-29日、高校３年女子生徒と保護者を対象に札幌地本が実施したガールズツアー2021に協力した。2022年5月18日、養護施設が主催する行事への支援に係る取り組みがSDGs大賞に、高齢者宅等における灯油の給油支援に係る取り組みがSDGs優秀賞に選ばれ、防衛省で岸防衛相から表彰状を授与された。

参考：真駒内駐屯地ホームページ、JGround Vol.23、MAMOR vol.91、月刊航空ファン9,’17、朝雲、倶知安駐屯地ホームページ、滝川駐屯地ホームページ、月刊軍事研究11,’18

　＜真駒内駐屯地（２０１５年）＞：第11旅団司令部、第11旅団司令部付隊、第18普通科連隊、第11特科隊、第11高射特科中隊、第11偵察隊、第11後方支援隊、第11施設隊、第11通信隊、第11特殊武器防護隊、第11音楽隊、北部方面混成団第52普通科連隊本部管理中隊、同第１・第４中隊、同重迫中隊、北部方面後方支援隊北部方面輸送隊、同第102全般支援大隊、北部方面衛生隊、北部方面音楽隊、第１特科群第133特科大隊、第101特科直接支援大隊、第305普通科直接支援中隊、第５直接支援小隊、冬期戦技教育隊、第314基地通信中隊、北部方面隊情報保全隊真駒内情報保全派遣隊、第120地区警務隊本部、第325会計隊、冬期特別体育教育室、札幌地方協力本部南部地区隊、真駒内駐屯地業務隊、自衛隊札幌病院が駐屯している。参考：陸上自衛隊パーフェクトガイド2015、真駒内駐屯地ホームページ

＜真駒内駐屯地業務隊＞：陸上自衛隊の駐屯地業務隊。2018年7月18日、駐屯地業務で優れた功績を挙げたとして、山崎陸幕長から２級賞状と副賞が授与された。参考：朝雲

＜マコム＞：DD-458（駆逐艦）を参照。

＜マコン＞：PF-96（フリゲート）を参照。

＜マザー＞：Mk.Ⅰ菱形戦車試作型のニックネーム。

＜マザー・スコードロン＞：転換訓練部隊のこと。

＜マザーファッカー＞：最悪、という意味のスラング。ナンバーテンより下。

＜マサチューセッツ＞：BB-2（インディアナ級戦艦）またはBB-54（サウス・ダコタ級計画戦艦）またはBB-59（サウス・ダコタ級戦艦）またはSSN-798（ヴァージニア級攻撃原潜）を参照。

＜摩擦＞：クラウゼヴィッツが戦争論で提唱した概念で、不確定要素や偶発事象（天候、故障、人的ミスなど）により生じる、指揮官の意志決定や部隊の行動などへの影響のこと。参考：月刊軍事研究5,’15

＜摩擦抗力＞：摩擦抵抗を参照。

＜摩擦抵抗＞：Frictional drag。摩擦抗力、表面抗力（Surface drag）ともいう。実在の流体が物体の表面に沿って流れると、粘性により物体表面にへばり付こうとし、物体表面から離れた場所を流れる流体は、表面に近い流体を引きずろうとするため、物体表面には付近の流れに平行な方向の摩擦が生じる。この摩擦力を物体全表面に渡って合計した摩擦合力のうち、自由流に平行な成分を摩擦抵抗という。境界層や表面岨度（表面の凹凸具合）により生じ、物体の表面積に比例する。物体表面に層流境界層がある場合には速度勾配と粘性係数の積が単位面積当たりの摩擦力になり、乱流境界層がある場合には層流境界層より大きい摩擦抗力が生じる。船舶では水と接する部分の表面積を減らして抵抗を減少させる工夫が試みられ、吃水線下の船体を円断面にする方式が考案されて17%ほど抵抗を減らすことに成功したが、復元性能が悪い、内部スペースが使いにくい、ドックに据え付けるのが難しいといった欠点があり、実用化には至っていない。船体表面と水の間に空気層を作って摩擦抵抗を減らすエア・キャビティ法は小型高速船で実用化されており、船底全体を空気層で覆うのが難しい大型船では空気の泡を噴射する空気潤滑法を使っている。参考：航空用語事典増補改訂版、図解雑学　船のしくみ、図解船の科学、月刊世界の艦船8,’17

＜まさむね君＞：宮城地方協力本部の公式マスコットキャラで、陸まさむね君、海まさむね君、空まさむね君がいる。2010年12月に誕生し、着ぐるみは2013年4月7日にユアテックスタジアム仙台で初広報を行った。2016年10月16日、第20回東北最大登米市砂沼秋のフリーマーケットに陸まさむね君が参加。参考：朝雲、MAMOR vol.115、vol.132

＜マサン＞：955（フリゲート）を参照。

＜マサンドラ＞：「アルメニア人の良き息子であるアルチョム・ミコヤンから飛行士達への贈り物」の略。MiG-25の冷却システム用エタノールで作った密造酒のこと。参考：世界の傑作機No.172

＜マジェスティック＞：R77（軽空母）を参照。

＜マジェスティック級＞：イギリス海軍軽空母Majestic級。コロッサス級軽空母として計画された16隻のうち６隻で、飛行甲板を強化し、航空艤装を改良した。全長211.8m、基準排水量14224トン、満載排水量19500トン。主機は蒸気タービン、速力25ノット。搭載機数37機（シー・フューリー戦闘機、ファイアフライ戦闘偵察機、アヴェンジャー攻撃機など）。第２次大戦中にR77マジェスティック、６番艦テリブルなど６隻が起工したが、終戦で１隻が建造中止になり、戦後の1948年5月から1961年3月に竣工した５隻も後に全てインド、オーストラリア、カナダ（マグニフィセント）に売却・貸与され、1957年6月から1997年1月に退役した。参考：月刊世界の艦船2,’22、6,’18、月刊JWings9,’19

＜マシオーナ＞：F59（駆逐艦）を参照。

＜馬式機関砲＞：マキシム海外シリーズ（機関銃）を参照。

＜麻式機銃＞：マキシム海外シリーズ（機関銃）を参照。

＜マジスター＞：イギリス空軍初等練習機Magister。1937年からマイルズ社で開発された。低翼単葉の固定脚機で、機体は全木製合板張りである。全長7.53m、全幅10.34m、全備重量860kg。エンジンはデハビラント・ジプシーメジャー１（130馬力）単発で、最大速度229km、実用上昇限度5030m、航続距離590km。乗員２名。1941年までに1293機が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜マジステール＞：フランス軍ジェット練習機Magister、CM170R。フランス空軍初のジェット練習機で、916機が生産されてフランス海軍でも使用された。イスラエル、西ドイツ、フィンランドではライセンス生産されている。主翼は中翼配置の直線翼で、尾翼はＶ字。参考：月刊航空ファン7,’16

＜マジステール海外シリーズ＞

　＜マジステール（西ドイツ空軍）＞：西ドイツ空軍練習機。輸入とライセンス生産で234機を配備し、1957-69年に使用した。参考：月刊航空ファン7,’16

　＜マジステール（フィンランド空軍）＞：フィンランド空軍練習機、通称クッコピッリ（オカリナの意。エンジン音から）。参考：月刊JWings9,’18

＜マジック＞：R550シリーズ（空対空ミサイル）を参照。

＜マジック＞：SISがOP-20-Gの支援の下に解読した、日本の九七式欧文印字機による外交暗号通信に付けたコードネーム。1940年9月25日に暗号完全解読に成功、1941年春には４台の複製機が作られてワシントン（２台）、イギリス政府暗号学校、フィリピンに置かれ、内容は大統領や国務長官など限定された重要人物に提供された。ただ太平洋戦争開戦前は重要性がイマイチ認識されておらず、大統領が渡されたコピー（当然国家最高機密である）をホワイトハウスのゴミ箱に捨ててしまったり、陸海軍がお互いを立てるために報告月を交互にしたり、暗号解読作業を日曜に必ず休んだりといった事が行われていた。参考：ラバウル航空戦、月刊軍事研究10,’09

＜マジック２＞：R550シリーズ（空対空ミサイル）を参照。

＜マジック・カーペット＞：アメリカ海軍が開発中の空母艦上機用自動着艦システムソフトウェアMAGIC CARPET（Maritime Augmented Guidance with Integrated Control for Carrier Approach and Recovery Precision Enabling Technology、空母近接着艦精密化技術用統合管制付与海洋強化型誘導）。艦上機の操縦コンピュータ用ソフトウェアに組み込み、着艦進入と着艦を大幅に自動化してパイロットのワークロードを減らすものである。着艦までの18秒間にパイロットが行っていた200-300の操縦操作を、10-20に低減することが可能。2015年4月20日、CVN-77での洋上テストに成功した。2016年6月、CVN-73でテストを実施。参考：月刊世界の艦船10,’16、月刊JWings7,’15

＜マジック・ヒューズ＞：アメリカ海軍兵がVT信管に付けたニックネーム。参考：月刊軍事研究11,’08

＜マジック・ランタン＞：アメリカ海軍が開発した空中機雷掃討システム。透過性の高いレーザー光を用いている。重量410kg。第94予備役軽対潜ヘリコプター飛行隊のSH-2G LAMPSに装備され、将来的にはSH-60シリーズなどへの搭載も考えられているようだ。参考：月刊軍事研究3,’98

＜マジック・ワンド＞：ダビデ・スリング（迎撃ミサイル）を参照。

＜マジヌーン＞：イラクが1989年に公表した155mm装輪式自走榴弾砲Majnoon。車体は６輪駆動で、操縦手席・機関室のある前部ユニットと、砲塔・操作員室のある後部ユニットに分かれている。搭載砲はフランスのGIAT社が開発したもので、砲身長8.06m。重量45.5kgのERFB-BB弾で最大射程38.8km。持続発射速度は毎分１発、最大発射速度は毎分４発。全長12m、全幅3.5m、全高3.6m、重量43トン。最大速度90km。湾岸戦争時には配備に至っていなかった。参考：軍事分析湾岸戦争

＜マジノ線＞：フランスが1927年からドイツ・フランス国境地帯に建設した要塞線で、名前の由来は当時の陸軍大臣アンドレ・マジノから。全長140km・総延長310kmで、15kmごとに108の主要要塞があり、要所にトーチカ、監視塔、隠顕式旋回砲塔を備え、135mm榴弾砲、75mmカノン砲M1933、37mm対戦車砲M1934などを多数配置している。砲座は厚さ3.5mのコンクリートで固められており、地下数十メートルの所には弾薬庫や発電機、居住区などが設けられ、移動用の複線軽便鉄道（電車）まで敷かれていた。戦後に復元されたシェーネンブルク要塞は見学ツアーに２時間かかる広さである。地形などの問題からルクセンブルクやベルギーとの国境沿いには建設されておらず、第２次大戦では迂回されてあっさり突破された。戦時中から戦後にかけて撤去されたが、頑丈すぎて撤去できないところも多く、あちこちに一部が残っている。参考：月刊軍事研究6,’05、月刊丸3,’01、8,’11

＜マジャバ＞：AG-43（雑役艦）を参照。

＜ましゅう＞：AOE-425（補給艦）を参照。

＜ましゅう型＞：海上自衛隊高速艦隊補給艦。燃料を大量に消費する大型ガスタービン護衛艦を含む１個機動海上部隊に随伴し、継戦能力を１週間延長させることができるだけの十分な補給物資搭載スペースと速力を持たせており、就役時点で海上自衛隊最大の自衛艦となった。艦首はバルバス・バウで、艦型は船首楼型（抵抗の小さいマシュー船型）、艦中央にかけナックルが付く。前部甲板に片持ち式補給ポスト（門型よりも艦橋からの視界が良い）を左右３基ずつ備え、前後４基（１・２・５・６番補給ポスト）が液体貨物用、中央２基（３番・４番補給ポスト）がドライカーゴ用となっている。艦体後ろ寄りに上部構造物、その後ろに煙突があり、後甲板はMH-53EヘリやMCH-101ヘリが発着艦できるヘリ甲板である。固有の搭載ヘリは無く、上構最後部は一見ヘリ格納庫のようで上面右舷に発着艦管制室も設けられているが、正式には飛行甲板荷扱所という貨物一時保管所（MH-53E/MCH-101ヘリの一時保管はできる）で、ヘリ移送軌条やヘリ整備機材などは積んでいない。ヘリ甲板前部左舷寄りに貨物用エレベーターがあり、艦内倉庫から貨物を出し入れできる。大規模災害対応能力や海外への展開能力も持っており、艦内に病室やICUが用意されている。戦闘航海中の護衛隊群に洋上補給を行うため、艦橋やマスト（タワー型）はステルス性を考慮し、主機を防振支持構造で支えるなど静粛性にも気を遣った。補機は即応性の無いボイラー蒸気駆動を止め、防爆措置を施した電動補機を採用している。当初はフィン・スタビライザーを装備する予定だったが、高揚力舵と舵減揺装置で済ませた。長期行動を考慮し、女性自衛官に配慮した居住区を持つ。全長221m、全幅27m、深さ18m、吃水8.3m、基準排水量13500トン、満載排水量25000トン。主機はロールス・ロイス社製スペイSM1Cガスタービン２基２軸40000馬力、速力24ノット。20mmCIWS２基を後日装備する予定だが、2023年現在未装備である。ESMはNOLR-8B。乗員145名。2004-05年にAOE-425ましゅう、AOE-426おうみの２隻が就役した。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船11,'17増刊、1,’16、3,'23、1,’04、11,’11、1,’14、1,’13、8,’13、1,’15、1,’18、1,’19、5,'22、月刊軍事研究1,’12、5,’04、月刊JWings2,’05、3,’05、8,’05、5,’05、MAMOR vol.126

＜マシュー・Ｂ・リッジウェイ＞：リッジウェイ（アメリカ陸軍参謀総長）を参照。

＜マシューズ＞：AKA-96（攻撃貨物輸送艦）を参照。

＜マシュー・ペリー＞：T-AKE-9（補給艦）を参照。

＜マシュク＞：ロシア海軍イングル型救難曳船Mashuk。2009年2月17日、竜飛崎の西南西50kmを航行するのをDE-233ちくまが確認した。2月23日、尻屋崎の東北東70kmを航行するのをDE-233ちくまが確認した。2011年5月5日2300頃、デルタⅢ型戦略原潜と共に宗谷岬の西170kmを北東に航行するのを第２航空群P-3Cが確認した。2012年1月21日0200頃、宗谷岬の東300kmをキロ級潜水艦１隻と共に西に航行するのを第２航空群P-3Cが確認した。2018年8月29日0200-0330頃、プロジェクト20381ステレグシュチイ級フリゲートのソブエルシェンヌイ、グリシャⅤ型警備艦メテル、同MPK221、タランタルⅢ級ミサイル艇 R11、同R14、同R18、同R19、同R20、同R79、ドゥブナ級補給艦１隻、バクラザン級救難曳船フォーティ・クリロフ、オビ級病院船イルティシュと共に、礼文島北西110kmを東に航行するのを、DD-155はまぎりと第２航空群 P-3Cが確認した。その後これらは宗谷海峡を東に航行している。参考：月刊世界の艦船3,’10、7,’11、4,’12、3,’19

＜マシン・カービン＞：サブマシンガンを参照。

＜マシンガン・キャリアー＞：ブレンガンキャリア（輸送車）を参照。

＜マシン・ピストル＞：セミオート拳銃をベースに、フルオート射撃ができるよう改修した連射火器のこと。参考：スピアヘッドNo.13

＜麻酔銃＞：麻酔薬を動物（人間含む）に注入するための銃。弾体は炭酸ガスまたは雷管・少量の発射薬で発射される。弾体内部には小型の注射器と、注射器のピストンを押すためのガス発生薬が仕込まれ、先端に針が突き出ており、後部には弾体を安定させるために布や毛糸が付けられている。針の先端にはかえしが付いていて、刺さると抜けない。発射時にガス発生薬が混合され、ピストンを押すことで麻酔薬を体内に注入する。たまたま血管に刺さったり、量が多かったりすると呼吸が止まって死んでしまうこともある。参考：GUN用語事典

＜マスカー＞：Masker。主船体の船底に取り付けたエミッター・ベルトから微細な気泡を発し、自艦から出る音を包み込んでマスクする装置。水上艦のみならず潜水艦にも付いており、艦全体（特に雑音発生場所）を包み込むように気泡を発生させる。アクティブソナーの反射音を軽減させることも可能。プロペラに付けてキャビテーション・ノイズを軽減させることもある（プレーリー装置）。これが無いと、曳航式パッシブソナーを装備していても自艦のノイズばかり探知してしまう羽目になる。参考：月刊世界の艦船8,’11増刊、10,’02、3,’07、艦船メカニズム図鑑、現代の潜水艦

＜マスキーゴン＞：YTB-763（曳船）を参照。

＜マスキング・ビーコン＞：ミーコンと略す。ドイツの無線航法システム（ローレンツ・システム）やＸフェアファーレンに妨害電波を送り、ドイツの爆撃機隊を誤誘導させるシステムである。参考：英独航空決戦

　＜マスキング・ビーコン（Ｘフェアファーレン用）＞：Ｘフェアファーレン用誘導電波の発信元を機上で判断することができないことから、BBC中型電波送信機で同波長の電波を送信して間違ったコースに乗せる案が出され、早速実行に移された。ドイツ側はこれに対抗して波長を頻繁に変更するようになったため、傍受した波長に自動的にチューニングされるよう改良を加え、1940年8月から使用を開始、送信機から半径80km以内にいるドイツ爆撃機に対して有効な妨害を行えるようになった。参考：連合軍の傑作兵器駄作兵器

＜マスク＞：K289（改フラワー級コルベット）またはPG-94（テンプトレス級コルベット）を参照。

＜マスケーター作戦＞：アメリカ海軍が1944年10月10日から11月30日に行った、レイテ島上陸支援空襲作戦。第38機動部隊の正規空母12隻・軽空母８隻に搭載された艦上機1300機（＋カサブランカ級護衛空母８隻に搭載された補充機400機）と、第77機動部隊のサンガモン級護衛空母４隻とカサブランカ級護衛空母14隻に搭載された艦上機507機（F4F艦戦231機、F6F艦戦56機、TBF艦攻220機）が参加した。10月10日、沖縄を空襲。10月12-16日、台湾沖航空戦で日本軍航空戦力を蹴散らした。10月15日、マニラを空襲。参考：護衛空母入門、比島決戦

＜マスケゴン＞：PF-24を参照。

＜マスケット＞：滑腔銃身の前装式軍用小銃を指す。当初は射撃時に支えを必要とする大型銃のことだったが、後に必要としない比較的小型の銃（アーケバス）がこう呼ばれるようになった。参考：GUN用語事典、歴史群像2,’08

＜マスケティーア＞：G86（駆逐艦）を参照。

＜マスケティーア作戦＞：第２次中東戦争を参照。

＜マスケランジ＞：SS-262（潜水艦）を参照。

＜マスコーギー・クリーク・ネイション＞：T-ATS-10（航洋救難曳船）を参照。

＜マスコギー＞：PF-49（フリゲート）を参照。

＜マスコット＞：Il-28U（練習機）を参照。

＜升沢正利＞：大正4年、宮城県生まれ。昭和7年、陸軍歩兵第４連隊に入隊し、航空科に転科、昭和13年2月に熊谷陸軍飛行学校を卒業し、明野で戦技教育を受け、6月に飛行第１戦隊に配属された。昭和14年6月27日、ノモンハン事件タムスク空襲で初陣を飾った。昭和16年4月、准尉に昇進。太平洋戦争開戦後はマレー及び蘭印で作戦に就き、昭和18年1月からラバウルに配置された。6月22日、サラモア方面で１機を撃墜したが、被弾して重傷を負い、内地で半年以上加療した。昭和19年3月、第39教育飛行隊所属となり、教育にあたった。昭和20年2月、二式高等練習機でF6Fを撃墜した。総撃墜数15機。最終階級は少尉。参考：日本陸軍戦闘機隊

＜マスター＞：M-346（攻撃機）を参照。

＜マスター練習機シリーズ＞：イギリス空軍高等練習機Master。マイルズ社がケストレルを参考にして開発し、1939年3月31日に初飛行した。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

　＜マスターＭｋ．Ⅰ＞：最初の量産型で、900機が生産された。全長9.27m、全幅11.89m、全備重量2530kg。エンジンはロールスロイス社製ケストレル30（715馬力）単発、最大速度364km、実用上昇限度8230m、航続距離780km。乗員２名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

　＜マスターＭｋ．Ⅱ＞：エンジンをマーキュリーに換装したタイプ。1747機が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

　＜マスターＭｋ．Ⅲ＞：プラット＆ホイットニー社製ワスプジュニアを搭載したタイプで、602機が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇

＜マスタードガス＞：びらん剤の１種で、マスタード（辛子）に似た臭いがするのでこの名前が付いた。初実戦使用された場所からイペリットとも呼ばれる。精製マスタード（HD）と窒素マスタード（HN）に分かれ、前者は無色または淡黄色の液体でニンニク臭があり、後者は暗色の液体で魚・カビ臭がある。油性の液体で、爆発により霧状になって拡散する。皮膚や粘膜を障害して大きな水疱や表皮欠損を生じ、重度の結膜炎で目も開けられなくなり、吸入すると気管支や肺胞が損傷して致命傷になる。精製マスタードは融点14度、沸点217度、比重1.27。半数致死量は吸入で1500mg・min／立方メートル、皮膚で10000mg・min／立方メートル。100mg・min／立方メートルで行動不能となる。持続時間は晴天で１週間以内、低温だと２ヶ月程度。即座（数秒以内）に水もしくは石けん水で５分以上かけて洗い落とすのが有効で、発症してしまったら感染防止の抗生物質、炎症防止のステロイド、皮膚移植といった対症療法になる。除洗には漂白粉を使用する。金属酸化物の微粒子に吸収されて拡散するので粉塵のように見える粉塵マスタードも開発されている。これは粒子直径が小さいので作用が速く、ガスマスクのフィルターもすり抜けるといわれる。第１次大戦ではこのガスにより90万名が負傷したといわれており、イギリス軍だけで4000名が死亡、15万名が負傷した。ヒトラーが一時失明したのもこのガスによる。参考：図解雑学生物・化学兵器、戦争がやってくる、軍事分析湾岸戦争、化学・生物兵器概論、軍医サンよもやま物語

＜マスタードの鬼＞：チャーチルを参照。

＜増田飛行場＞：日本陸軍の飛行場。参考：月刊JWings11,’18

＜マスタング＞：P-51シリーズ（戦闘機）またはセスナ510（ビジネスジェット）を参照。

＜マスティフ＞：A180（曳船）を参照。

＜マスティフ・シリーズ＞：イスラエルのタディラン社が開発した無人機Mastiff。主任務は偵察、写真偵察、デコイ、電子戦など。イスラエルを初め各国に採用された。参考：スパイ機

　＜マスティフＭｋ１＞：機首にプルプロペラを持つ。エンジン出力14馬力。参考：スパイ機

　＜マスティフＭｋ２＞：ツインテイルブーム型で、プッシャープロペラを装備する。参考：スパイ機

　＜マスティフＭｋ３＞：エンジン出力を22馬力に強化し、機体を大型化して尾翼を改修、ペイロードと航続距離を増加させたもの。全長3.04m、翼スパン4.3m、発射重量115kg、ペイロード30kg。作戦速度80-130km・行動半径100kmでの航続時間は６時間。イスラエル陸軍ではテレビカメラ２基（ズーム撮影用及びパノラマ撮影用）とデータリンクを搭載し、1982年のレバノン戦に投入した。参考：スパイ機、ザ・マーチ33号

＜マスティフ＞：イギリス陸軍６×６輪装甲車Mastiff。アメリカのフォース・プロテクション社が開発した。クーガーをイギリス仕様に改造したもので、車体全周にスラット装甲を装着している他、車輪下で13.6kg、車体下で6.8kgのTNT爆薬に耐えられる装甲を持つ。前方と左右に２ヵ所ずつ、後方に１ヵ所のLED投光器及びビデオカメラを装備する。GPS、デジタル通信機、エアコンを標準搭載。全長7.08m、全幅2.74m、全高2.64m、戦闘重量23.5トン、ペイロード6.35トン。エンジンはキャタピラー社製C-7ディーゼル（300馬力）。乗員２名＋乗車兵員８名。108両が配備された。参考：月刊軍事研究9,’07、9,’09

＜マスティフ２＞：イギリス陸軍６×６輪装甲車。戦訓に基づいたマスティフの改良型で、車内側面と底部にスポールライナーを張り、耐地雷シートを採用、IEDジャマーを追加して防御力を高めた。エンジン左には消火設備を装備。ウインドシールド上には赤外線カメラとサーチライト、車体左右後部には赤外線イルミネーター付きビデオカメラを持つ。断熱シートが車内に装着され、エアコンも強力なものに換装された。重量増に合わせて足回りも強化されている。天井のターレットには7.62mm機銃、12.7mm機銃、40mmてき弾発射機を搭載可能。戦闘重量27トン、ペイロード5.2トン。乗員２名＋乗車兵員６名（最大７名）。2009年6月から実戦投入した。野戦救急車型もある。参考：月刊軍事研究9,’09

＜マスティン＞：DD-413（駆逐艦）またはDDG-89（イージス駆逐艦）を参照。

＜マスト＞：檣。艦上にある柱。元は帆船の帆柱のことだが、帆船が衰退すると見張り櫓、アンテナ支柱などを指すようになった。近年では各種電子機器も搭載されている。２本マストはそれぞれ前檣（Foremast）と大檣（Mainmast）と呼ばれ、３本マストは後檣（Mizzenmast）が加わる。参考：米海軍サバイバルマニュアル、月刊JWings2,’00、艦船メカニズム図鑑、月刊軍事研究2,’10、月刊モデルアート9,’15増刊

　＜囲い込みマスト＞：Enclosed Mast。内部にアンテナを収容し、特定周波数のみを通す複合材で囲んだマスト。ステルス性に優れる。参考：月刊軍事研究2,’10

　＜籠マスト＞：Cage Mast。双曲線状に折り曲げた鋼管を円周上に並べ、ところどころ緊縛したマスト。艦の振動に対して安定しており、30.5cm弾10発を被弾しても機能を失わないとされ、実験の結果三脚マストより頑丈ということでアメリカ海軍が弩級・超弩級戦艦に採用した。実際には実験データが間違っていて、耐振性も強度も三脚マストに劣り、1918年に戦艦BB-27ミシガンの籠マストが暴風で甲板に垂れ下がってしまったため、逐次三脚マストに換装している。参考：近代戦艦史、月刊世界の艦船4,'20、12,’15、米海軍サバイバルマニュアル

　＜三脚マスト＞：Tripod mast。支柱が三脚のマスト。参考：艦船メカニズム図鑑

　＜タワー型マスト＞：フェイズド・アレイ・レーダーや多機能レーダーなどの大型大重量アンテナを搭載できるよう、巨大な塔型をしているマスト。内部や壁面にアンテナやセンサーを取り付けることもできる。参考：月刊軍事研究2,’10

　＜統合マスト＞：各種センサーやアンテナを１本のマストに装備したもの。回転型アンテナ／センサーは全周をカバーするためマストトップに付けなければならないが、フェイズド・アレイ・レーダーなどの固定型アンテナはマスト側面に複数貼り付ければ済むので、マストを１本に纏めることが可能となった。参考：月刊軍事研究8,’11

　＜ポールマスト＞：Pole mast。支柱が１本のマスト。参考：艦船メカニズム図鑑

＜メインマスト＞：自衛艦などの有するマストのうち、最も高いものを指す。同じ高さの場合は、艦尾に近いものを指す。参考：艦船メカニズム図鑑

＜ラティスマスト＞：鋼管の支柱をクロスした棒で連結した、トラス構造のマスト。軽量で頑丈だがステルス性に劣る。参考：月刊JWings2,’00、艦船メカニズム図鑑

＜マストトップ攻撃法＞：アメリカ軍が反跳爆撃に次いで開発した対艦爆撃法。２機がペアを組み、１機は艦の前方もしくは後方、もう１機は側方から攻撃を仕掛ける。装甲の薄い艦船に対しては高度15m・速度386kmで接近し、前方機銃を撃ちまくりながら投弾、直後に機体を引き起こしてマストすれすれを飛び越しつつ再度投弾する。最初の爆弾は水面で跳ね返って船腹に突き刺さり、次弾は甲板を貫通して炸裂する。装甲の厚い艦船に対しては高度91m・速度500kmで接近し、目標から600mのところで投弾、暫く爆弾と共に高度を下げつつ敵艦に対して前方機銃を撃ちまくって接近、艦直前で引き起こしてマストすれすれを飛び越えつつ再度投弾する。この場合、最初の爆弾は反跳せず、水線下で炸裂する。反跳爆撃より簡単で正確、小型輸送船にも効果が高いといった長所があり、南西太平洋戦線ではこちらが多用された。参考：月刊航空ファン3,’11

＜マスト・マウンテッド・サイト＞：Mast-Mounted Sight、MMSと略す。ヘリコプターのメインローターマストの上にセンサーポッドを搭載したもの。機首に装備するより重心への影響が少なく、センサーだけを出して全周を偵察できるが、ローターと一緒に回転しないような機構を組み込む必要があり、空気抵抗が大きくなる。参考：月刊軍事研究7,’95、航空用語事典増補改訂版

＜マスバランス＞：Mass balance、釣り合い錘。動翼面の重心位置をできるだけ前方に持って行き、フラッターを防止するための錘のこと。修理や塗装で動翼面の重心位置が変化したら、マスバランスも調整する必要がある。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊JWings7,’15

＜ますみ会＞：航空自衛隊幹部隊員の夫人らによる親睦団体。空自隊員の夫を支え、相互に扶助し、家族を支援することを目的に設立された。1976年からは、航空自衛隊遺族会のともしび会に毎年寄付を行っている。参考：朝雲

＜増山正男＞：大正10年、長崎県生まれ。昭和15年6月、操縦練習生を卒業、佐世保海軍航空隊に配属された。その後第14航空隊に配属され、太平洋戦争開戦時には第３航空隊に所属、ルソン島・蘭印攻撃に参加した。更にチモール島に進出し、ラバウルにも派遣され、昭和18年4月に本土に戻って航空技術廠実験部のテストパイロットとなった。総飛行時間1540時間、総撃墜数17機。最終階級は飛行兵曹長。参考：日本海軍戦闘機隊

＜益山丸＞：巴組汽船貨物船。大元は明治29年8月にイギリスのラッセル社で竣工したヴィーナスで、明治38年3月に石炭を積んでシンガポールからウラジオストクに向かう途中で仮装巡洋艦日本丸に拿捕され、辨天丸と改称されて日本海軍運送船となり、明治45年に日本郵船に払い下げられ、大正12年に佐藤商会に売却され、大正13年に林汽船が購入して第二大寶丸に改称、昭和12年に巴組汽船に移って益山丸となった。垂線間長106.98m、幅14.02m、深さ8.66m、吃水6.95m、総トン数3680トン、重量トン数5750トン。主機は三連成汽機１基１軸4170馬力、航海速力10ノット。昭和19年9月29日、那覇から鹿児島に向かう途中、与論島北西15kmでSS-305スケートの雷撃を受けて沈没した。参考：月刊世界の艦船9,’16

＜マズル＞：銃口・砲口のこと。

＜マズルカ・シリーズ＞：フランス海軍の長射程艦対空ミサイルシステムMasurca（MArine SUpersonique Ruelle Contre Avionsの略）。第２次大戦末期から研究を行い、1959年頃から実験艦イル・ドレロンでテストし、1967年に就役、1968年に実戦配備した。システムが大がかりすぎてミサイル巡洋艦コルベールとシュフラン級ミサイル駆逐艦２隻にのみ搭載されている。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船2,’87、11,’17、12,'21、月刊丸3,’90

＜マズルカ＞：マルカで液体燃料を使って失敗したので、推進は固体燃料ロケットに変えてあるが、テリアミサイルに似ているので、この技術を導入したともいわれる。全長5.29m（ブースターなし）・8.6m（ブースターあり）、直径0.41m、翼幅1.5m、重量950kg、弾頭重量120kg、炸薬重量98kg。推進は２段式固体燃料ロケット、最大速度マッハ３、最大射程40-55km、最大射高22km。２連装発射機に搭載される。予備ミサイルは弾庫の水平式ドラム型弾倉に収容されており、一旦作業区画に送って発射前点検と動翼取り付けなどを行い、発射機に装填する。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船12,’21、月刊丸2,’07

＜マズルカＭｋ２Ｍｏｄ２＞：初の実用型。誘導は無線コマンドリンク方式で、後にDRBI51レーダーによるレーダー・ビーム・ライディングに変更された。参考：月刊世界の艦船12,'21、5,’86

　＜マズルカＭｋ２Ｍｏｄ３＞：DRBR51イルミネーター・レーダーによるセミアクティブ・レーダー・ホーミング方式に変更したもので、対艦ミサイル迎撃能力を持つらしい。全長8.6m、直径0.41m、翼スパン1.5m、発射重量2700kg、弾頭重量120kg、炸薬重量98kg。推進は２段式固体燃料ロケット、最大速度マッハ３、水平射程30-50km、垂直射程20000フィート（6096m）。参考：月刊丸3,’90、月刊世界の艦船2,’87、5,’86

＜マズルカ＞：フランス空軍の地対空ミサイル。全長8.6m、発射重量1.99トン。推進は固体燃料ロケット２段式で、最大射程22海里以上。参考：空軍

＜マズル・キャップ＞：銃口に異物が入らないようにするための蓋。薄いゴム製のものもあり、その場合は付けたまま発射しても弾道などに影響が無いので便利。参考：GUN用語事典

＜マズル・ブラスト＞：砲弾を発射した際、銃口・砲口から吹き出す発射ガスのこと。参考：GUN用語事典

＜マズル・フラッシュ＞：砲口炎を参照。

＜マズル・ブレーキ＞：Muzzle brake、砲口制退器。発射時の反動を軽減するために銃口・砲口に取り付ける装置のことで、燃焼ガスの一部を側方に設けた窓の前壁（偏向板、翼板、バッフルと称する）にぶつけて反動を緩和する。後座エネルギーを20-50%減少させることができ、その分砲架を軽量化することが可能である。砲身の軸線とバッフルの角度を大きくすれば効果が上がるが、あまり大きくしすぎるとバッフルにぶつかるガスの量が減るし、後方に噴射された燃焼ガスが照準などを妨げるので、概ね60-120度に設定する。上方に集中して逃がすことで銃口の跳ね上がりを防ぐこともでき、その場合にはジャンプ・ブレーキともいう。参考：火器弾薬技術ハンドブック、大砲入門、軍事力バランス78年版、British and American tanks of World War Two

　＜シングルバッフル式＞：マズル・ブレーキ内部に１枚の偏向板がついており、ここに発射ガスの一部をぶつけて外側に逃がし、反動を減少させるもの。参考：火器弾薬技術ハンドブック

　＜多孔式＞：多数の孔を持つもので、マルチスロット型やマルチポート型がある。参考：火器弾薬技術ハンドブック

　＜ダブルバッフル式＞：マズル・ブレーキ内部に偏向板が２枚付いているもの。参考：火器弾薬技術ハンドブック

　＜ペッパーボックス型＞：EX35に搭載されているもので、多数の孔が開いている。参考：月刊PANZER1,’05

　＜マルチスロット型＞：内部に多数の偏向板を付けるもの。参考：火器弾薬技術ハンドブック

　＜マルチポート型＞：偏向板は無いが、孔を多数開けているもの。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜マズル・ローダー＞：前装銃のこと。フロント・ローダーともいう。参考：GUN用語事典

＜馬賊＞：マーツェイ。前漢時代、地方豪族に土地を奪われた農民が盗賊団（緑林山を根拠にしたので当時は緑林と呼ばれた）に身をやつしたのが始まりで、中国北部の乗馬風土のある地域では必然的に馬を従えることとなった。これに対抗して民衆が組織する自衛組織の保衛団も乗馬突撃を行うことになる。満州建国時にも、清朝末期の混乱時に出たものや、第１次大戦中に帝政ロシアで雑務についていて革命後に赤軍が武器を与えたものなど多数が存在しており、もちろん保衛団も存続していて、これら乗馬武装組織に日本人が付けたのが馬賊という名称である。民衆は馬賊を防ぐために銃を常備しており、農民として生活できなくなると馬賊になった。張作霖など、後に重要な地位に就いた者もあり、抗日運動を行う者、日本軍に協力する者もあった。日露戦争の時には日本人が馬賊を指揮してロシア軍に対抗している。満州建国後に不況の日本から満州に移民した日本人にも、職が無く馬賊になったものがいた。満州事変勃発で日本軍が日本人の馬賊を介して民衆へのプロパガンダや謀略工作を行うようになったが、日本人馬賊が用心棒として得た地元の信頼を、日本軍の高圧的な支配政策が台無しにするという調子で、成果が上がらなかった。参考：月刊軍事研究5,’15、戦時用語の基礎知識

＜馬祖・金門事件＞：金門・馬祖事件を参照。

＜マタ二八船団＞：貨物船８隻、掃海艇・駆潜艇３隻からなる船団で、昭和19年10月3日にマニラを出港して高雄に向かった。途中で３隻を喪失している。参考：輸送船入門

＜マダガスカル海軍＞：

＜マダガスカル海軍（１９７７年）＞：兵力250名。沿岸哨戒艇２隻、80トン級哨戒艇１隻、河川哨戒艇５隻、小型上陸用舟艇２隻を配備する。参考：軍事力バランス78年版

＜マダガスカル海軍（１９８９年）＞：兵力500名（うち海兵隊100名）。ディエゴ・スアレズに基地がある。マライカ級内海哨戒艇１隻、トキー級中型揚陸艦１隻、戦車揚陸艇１隻、強襲揚陸艇１隻、輸送・練習艦１隻を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜マダガスカル海軍（２０１５年）＞：現役兵力500名（海兵隊100名弱含む）。哨戒艇８隻、LCT１隻、兵站支援船３隻を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜マダガスカル空軍＞

＜マダガスカル空軍（１９７７年）＞：兵力200名。C-47輸送機３機、F27輸送機２機、F28輸送機２機、アルエートⅡ／Ⅲヘリ５機、ピューマ３機を配備する。参考：軍事力バランス78年版

＜マダガスカル空軍（１９８９年）＞：兵力500名。MiG-17F戦闘機４機、MiG-21FL戦闘機８機、An-26輸送機４機、Yak-40要人輸送機２機、Mi-8ヘリ６機、BN-2連絡機３機、セスナ310連絡機１機、PA-23連絡機１機、セスナ172練習機４機を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜マダガスカル空軍（２０１５年）＞：現役兵力500名。An-26輸送機１機、セスナ172輸送機４機、セスナ310輸送機１機、セスナ337輸送機２機、J.300ジョーカー輸送機２機、PA-23輸送機１機、テトラス輸送機１機、Yak-40要人輸送機２機、B737要人輸送機２機、SA318CアルエートⅡヘリ４機を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜マダガスカル軍＞：2010年、クーデターに失敗。2012年、反乱を起こした。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜マダガスカル軍（２０１５年）＞：現役総兵力13500名（陸軍12500名、海軍500名、空軍500名）、準軍事組織（憲兵）8100名。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜マダガスカル陸軍＞：

＜マダガスカル陸軍（１９７７年）＞：兵力9550名。歩兵連隊２個、工兵連隊１個、通信連隊１個からなる。フェレット偵察車、M3A1装甲兵員輸送車、迫撃砲、106mm無反動砲を配備する。参考：軍事力バランス78年版

＜マダガスカル陸軍（１９８９年）＞：兵力20000名。大隊グループ２個、工兵連隊１個、通信連隊１個、業務連隊１個、建設連隊７個からなる。PT-76軽戦車12両、M-8偵察車８両、M-3A1偵察車20両、フェレット偵察車10両、BRDM-2偵察車35両、M-3A1ハーフトラック30両、76mm砲ZIS-3を12門、105mm砲M-101、122mm砲D-30を12門、81mm迫撃砲M-29、120mm迫撃砲８門、89mmロケットランチャーM-20、106mm無反動砲M-40、14.5mm対空機銃ZPU-4を50門、55式37mm高射機関砲20門を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜マダガスカル陸軍（２０１５年）＞：現役兵力12500名強。歩兵連隊２個、地域歩兵連隊10個、砲兵連隊１個、防空砲兵連隊１個、工兵連隊３個、通信連隊１個、兵站連隊１個からなる。PT-76軽戦車12両、BRDM-2偵察車35両、フェレット偵察車10両、M3A1偵察車20両、M8偵察車８両、M3A1ハーフトラック30両、105mm砲M101を５門、122mm砲D-30を12門、82mm迫撃砲M-37、120mm迫撃砲M-43を８門、106mm無反動砲M40A1、14.5mm対空機銃ZPU-4を50基、55式37mm高射機関砲（M-1939）20門を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜マタゴーダ＞：AVP-22（飛行艇支援艦）を参照。

＜マタドール＞：AV-8S（VTOL機）またはAN/ALQ-204（赤外線対抗装置）またはTAV-8S（VTOL機）またはTM-61A（巡航ミサイル）を参照。

＜マタドール＞：ヨルダン陸軍４×４輪装甲車Matador。ヨルダンの中東ディフェンス・システムズが開発した。Ｖ字の車体底部により地雷の爆風を逃すことができ、耐地雷能力が高い。エアコンを標準装備しており、マローダーと同様のオプション装備を持つ。全長5.51m、ホイールベース3.5m、全幅2.3m、戦闘重量14.5トン。エンジンはMAN社製D0836LF（238馬力）で、最大速度120km、航続距離700km、追加燃料タンク搭載で1000km。乗員２名＋乗車兵員８名。諸元はマローダーと逆かも。参考：月刊軍事研究5,’07、4,’08

＜マタドールⅡ＞：EAV-8B（攻撃機）またはEAV-8Bプラス（攻撃機）またはT/EAV-8B（練習機）を参照。

＜マダドガル級＞：パキスタン海軍給油艦Madadgar級。給油以外にも機雷敷設や救難などを行う。満載排水量1600トン。2011年に艦番号23ラサドガルなど２隻が就役した。参考：月刊世界の艦船7,’14

＜マタニカウ＞：CVE-101（護衛空母）を参照。

＜マタパン岬沖海戦＞：第２次大戦時、ドイツのバルカン半島侵攻により、イギリスはギリシャへと３個師団を送り込むことにし、アレクサンドリアから輸送船が続々と出港した。これに対し、ドイツはイタリアに対してエジプト－ギリシャ間のシーレーン共同遮断作戦を提案。タラント空襲で主力艦隊が行動不能になっているイタリア海軍は燃料や航空戦力の不足もあって一旦拒否したが、ドイツ空軍が制空権を提供すると言ってきたため、主力艦の不足は重巡で補うことにし、作戦を実行することにした。1941年3月26日、イタリア海軍第１巡洋艦戦隊（ザラ、ポーラ、フューメ）、第３巡洋艦戦隊（トリエステ、トレント、ボルツァーノ、駆逐艦３隻）、第８巡洋艦戦隊（ルイジ・ディ・サヴォイア・デュカ・デリ・アブルッチ、ジュゼッペ・ガリバルディ）がそれぞれタラント、ナポリ、ブリンディを出撃、旗艦の戦艦ヴィットリオ・ヴェネト及び駆逐艦13隻と共に、イギリスAG9船団を撃破するためクレタに向かった。3月27日、上空援護を担当する筈のドイツ空軍機が姿を見せず、代わりにイギリスの飛行艇が飛来して艦隊を発見。更に暗号解読と無線傍受を組み合わせてイタリア側の意図を掴み、出港予定の輸送船団１個は出港延期とし、出港済みの輸送船団１個を引き返させ、夕方に地中海艦隊の戦艦03ウォースパイト、04バーラム、02ヴァリアント、空母67フォーミダブル、軽巡85オライオン、22エイジャックス、パース、62グロスター、駆逐艦13隻がアレクサンドリアから出撃した。3月28日朝、クレタ島南でイタリア第３巡洋艦戦隊がイギリス地中海艦隊Ｂ部隊（軽巡オライオン、エイジャックス、パース、グロスター、駆逐艦４隻）と遭遇戦になり、火力に劣るイギリス側は東に逃げた。イタリア側はイギリス側による囮作戦と読んで第３巡洋艦戦隊を本隊へと呼び戻したところ、Ｂ部隊が逆に追撃してきたため、戦艦ヴィットリオ・ヴェネトの射程内に入り込んだところを第３巡洋艦戦隊と共に砲撃した。1130、空母フォーミダブルを発艦したアルバコア艦攻６機がヴィットリオ・ヴェネトに対して雷撃を実施。全て外れたが、タラント空襲でイギリス艦隊航空隊の脅威を思い知っているイタリア艦隊は1140にＢ部隊への攻撃を中止して退避に移った。1200、クレタ島を出撃したソードフィッシュ艦攻３機がボルツァーノを雷撃したが、全て外れた。1520、フォーミダブルを発艦したアルバコア艦攻３機がヴィットリオ・ヴェネトを雷撃し、左舷に１本が命中して速力が19ノットに落ちた。1930、フォーミダブルを発艦したアルバコア艦攻６機とクレタ島を出撃したソードフィッシュ艦攻２機がイタリア艦隊に雷撃をかけ、重巡ポーラが右舷に１本を被雷して行動不能に陥った。2100、イタリア第１巡洋艦戦隊の重巡ザラ、フューメ、駆逐艦４隻が重巡ポーラを援護すべく引き返したが、2015にマタパン岬南西においてイギリスＢ部隊がレーダーで第１巡洋艦戦隊を捕捉。2230から戦艦ウォースパイト及びヴァリアントが夜間レーダー射撃を喰らわせ、ザラ、フューメ、駆逐艦ヴィットリオ・アルフィエーリを撃沈した。他にイタリア駆逐艦ジョズエ・カルドゥッチがイギリス駆逐艦H43ハボックの攻撃で沈められ、3月29日明け方には重巡ポーラが駆逐艦F00ジャービスとF36ヌビアンの雷撃を受け沈没した。イギリスの損害は艦攻２機だった。これによりイギリスは地中海制海権で優位に立ち、ドイツは北アフリカへの補給に苦慮することになった。参考：月刊世界の艦船4,’18、1,’12、4,’17、近代巡洋艦史

＜マタビリ＞：F26（駆逐艦）を参照。

＜マタフン級＞：タイ海軍汎用揚陸艇LCU、Mataphun級。戦車3-4両または兵員250名を搭載可能。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜マダラカ級＞：ケニア海軍ミサイル艇。イギリスのブルックマリーン32m級を導入したものである。兵装はガブリエルⅡ艦対艦ミサイル発射筒４基。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜マチアス＞：PF-53（フリゲート）を参照。

＜待ち受け式対砲迫レーダー＞：対砲迫レーダーを参照。

＜マチティス＞：ギリシャ海軍ピルポリティス級哨戒艇１番艦Machitis。参考：月刊世界の艦船1,’04

＜待ち伏せ攻撃＞：アンブッシュを参照。

＜マチャーン＞：マルコーニ社の多用途研究用RPVで、マチャーンは木のてっぺんの見張り台を表すヒンズー語である。機体はアルミニウム及びグラファイト複合材製で、機首にセンサー類を装備する。全長2.13m、翼スパン2.44m、発射重量82kg。エンジンはウェスレーク製レシプロ（18馬力）、推進はダクテッド・プロペラ、最大速度240km、航続時間は速度119kmで２時間。離陸は空気カタパルト、着陸はスキッドで行う。参考：スパイ機

＜マチルダⅠシリーズ＞：イギリス陸軍歩兵戦車MkⅠ（Tank, Infantry, MkⅠ）、Matilda Ⅰ。陸軍開発番号A11。歩兵戦車第１号である。1934年4月、イギリス陸軍参謀本部研究委員会が、歩兵と協調行動をとる戦車として、機銃装備の小型重装甲戦車と、戦車砲装備の大型重装甲戦車の２案を提案。どちらも速度は歩兵の進撃スピード程度で十分とした。これらを更に検討した結果、参謀本部では２ポンド砲か12.7mm機銃を主兵装とし、厚さ１インチ（25.4mm）以上の装甲を持つ戦車を完成させることにし、ヴィッカーズ社でA9(qv)として設計に入ったが、1934年5月にイギリス兵器廠に赴任したヒュー・エルス少将は、自身の経験と第１次大戦に於けるフランス戦車隊の戦訓に鑑み、現用のあらゆる対戦車火器に耐えられる重装甲を持つ戦車が作る必要があると考え、ヴィッカーズ社に製作を依頼した。これに応えてヴィッカーズ社のジョン・カーデンが製作したのが本戦車で、1936年9月に試作初号車A11E1が完成、陸軍でテストに入り、制式採用された。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER8,’03

　＜Ａ１１Ｅ１＞：試作初号車。量産車とは車体前面の形状が微妙に違う、上部転輪が車体ではなく下部転輪ボギーに固定されているといった相違点がある。参考：British and American tanks of World War Two

　＜マチルダⅠ＞：車体は60mm装甲鋼板のボルト止めとされたが、２ポンド砲の直撃に耐えられなかったので、65mmに増やされた。重量は当時の橋梁強度を考えて14トン以内に抑えてある。車体前部中央に操縦手席、車体中央に戦闘室、後部に機関室を持つ。操縦手席前面には視察スリット、上面にペリスコープ付き上開きハッチがある。コスト削減のため、エンジンとトランスミッションは民間用を採用し、ステアリング機構、ブレーキ、クラッチはヴィッカーズ軽戦車用のものを流用している。下部転輪はダブルタイプ小型転輪４組をリーフスプリング式サスペンション（ヴィッカーズ社製ドラゴン砲牽引車の強化型）で挟み込み、１本のボギーに取り付けた構造をしており、これを片側２組ずつ装備する。誘導輪は前方、起動輪は後方にあり、ダブルタイプ上部転輪片側２組を持つ。フェンダーやスカートは装備されていない。車体前部両側面と履帯の間に雑具箱を追加することが可能。砲塔は１名用で、装甲厚65mm、.303口径ヴィッカース水冷機銃１丁（4000発）を装備する。砲塔両側に発煙弾発射機を追加したものもある。全長4.85m、全幅2.29m、全高1.87m、戦闘重量11.17トン。エンジンはフォードＶ型８気筒ガソリン（70馬力）、最大速度は路上13km／路外5-6マイル（8-9.7km）、燃料搭載量227リットル、航続距離130km。乗員２名（車長兼銃手、操縦手）。1937年4月に60両が発注され、その後増やされて結局1940年8月までに計139両（試作車を入れると140両）が生産された。1936年11月にはマチルダⅡの試作車が完成しており、量産当時から繋ぎ扱いではあったが、武装をヴィッカーズ12.7mm機銃に交換して第１戦車旅団に配備され、フランス戦に参加している。装甲厚は申し分無く、ドイツ対戦車砲弾を弾き飛ばしたが、武装が貧弱で運用上の柔軟性に欠けており活躍できず、ダンケルク撤退後は生産を中止、残存車は訓練用に回された。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER8,’03、12,’99、月刊丸9,’97

＜マチルダⅠファミリー＞

　＜マチルダ・マインプラウ＞：試作地雷除去戦車Infantry Tank Mk Ⅰ with Coulter Plough。1937年1月に戦車用地雷除去具を試作することになり、コールター・プラウとフォウラー・ローラー（Fowler Rollers）が検討され、前者が取り付けられることになった。車体側面の２カ所にピボットを取り付け、履帯の外側にアームを装着、先端に地雷除去用鋤を取り付けて履帯前方の地雷を掘り返せるようにしている。左右の鋤は鋼管の支柱で連結されていて、鋤の後ろにはローラーも付けられた。アームは後部ドライブシャフトから抽出される動力で回転するチェーン機構により上下する。テストのみで、実戦使用はされなかった。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER8,’03

＜マチルダⅡ歩兵戦車シリーズ＞：イギリス陸軍歩兵戦車Infantry Tank Mk Ⅱ　Matilda Ⅱ、陸軍開発番号A12。マチルダⅠの試作車であるA11E1が完成した頃、機械化委員会では既に、２ポンド砲または２連装機銃を搭載する最大速度15マイル（24.1km）のスケールアップ版を計画し、重量は橋梁の関係で14トンに抑える予定とした。ただ２ポンド砲搭を積むにはマチルダⅠの車体が小さすぎ、重量増に対応してエンジンも強化しないといけないので、完全な新型戦車の開発に切り替え、60mm厚の装甲に身を包み、ヴィッカーズ中戦車と同じ「ジャパニーズタイプ」サスペンションを分厚いスカートで防御し、民間用AECディーゼルを積んだA12歩兵戦車MkⅡ「マチルダ・シニア（Matilda Senior）」の開発を決定した。ベースとなったのは1929-32年に試作されたA7中戦車である。1936年11月にモックアップが完成し、審査の結果、エンジンを２つ積むことにした。他にも３インチ榴弾砲を搭載した近接支援バージョンなど多数が検討されている。トランスミッションの開発が遅れたため、A12E1軟鋼製試作車２両は1938年4月に完成した。量産命令はその前の1937年12月に出されている。テストは順調に進み、ギアボックス、サスペンション、エアクリーナーに若干の改修を加えることとなった。ちなみにニックネームはA11歩兵戦車MkⅠがマチルダⅠになったのを受けてマチルダⅡになり、単にマチルダ歩兵戦車といえば本戦車を指すようになった。最初65両だった量産数は世界情勢に鑑みてあっという間に増えていき、1943年8月までに2987両が生産されている。生産性は考慮されておらず、特に分割無しのスカートを作るのが難しく、試作車で６つ開いていた側面の土砂排出孔を量産車で５つに減らした程度の生産性向上しか図られなかったため、第２次大戦開戦時には２両しか配備されていなかった。それでも完成次第在ヨーロッパ戦車部隊へと送られていき、アラスの戦車戦では一定の戦果を挙げている。分厚い装甲で北アフリカ戦ではドイツの88mm高射砲を除いて敵対戦車火器には無敵の強さを誇ったが、２ポンド砲が威力不足になり、６ポンド砲搭を積むだけの車体の余裕も無く、1942年7月の第１次エルアラメイン戦を最後に前線から引き揚げられた。その後は地雷除去装置などのテストに用いられている。ソ連に1000両が供与された。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER8,’03

　＜マチルダⅠ＞：Matilda Ⅰ、Infantry Tank MkⅡ。歩兵戦車MkⅠの方のマチルダⅠと名前が同じなので紛らわしい。車体装甲は厚く、前面72-78mm、側面上部70mm、側面下部40mm＋スカート25mm、後面55mm、上部20mm、下部20mm-13mmで前後面は避弾経始も付いている。車体前部が操縦室、中央が戦闘室、後部が機関室という構造で、戦闘室には鋳造製砲搭が載る。エンジンは２基並列で搭載した。足周りはジャパニーズタイプ（日本に輸出されたヴィッカーズＣ型戦車と同じもの）と呼ばれるもので、低速で威力を発揮する。片側10個の小型転輪を持つ。砲搭は油圧で全周旋回し、武装として２ポンド砲（93発）と.303ヴィッカース水冷機銃（2925発）を同軸で装備、全周75mm（上面20mm）と分厚い装甲を持つ。主砲はフリクションダンパー式と呼ばれるもので、砲手が砲を肩で支えて俯仰角の照準を付けた。砲塔右に発煙弾発射機２基を搭載し、砲塔上部左に車長用キューポラがある。砲塔には車長、砲手、装填手兼無線手の３名が位置する。水冷機銃を搭載したため、防楯の開口部が大きく、ここが弱点となった。全長5.61m、全幅2.59m、全高2.44m、戦闘重量26.5トン。エンジンはAEC社製直列６気筒ディーゼル（87馬力）２基、最大速度は路上24km／路外８マイル（12.9km）、燃料搭載量508リットル、航続距離160マイル（257.5km）。乗員４名（車長、砲手、装填手、操縦手）。参考：月刊PANZER8,’03、British and American tanks of World War Two

　＜マチルダⅠＭ＞：マチルダⅠの軟鋼（Mild steel）製訓練型で、最初の10両がこれにあたる。参考：British and American tanks of World War Two

　＜マチルダⅡ＞：Matilda Ⅱ、Infantry Tank Mk ⅡA。機銃を空冷式のベサ7.92mm機銃（3000発）に換えたもの。防楯形状も変更された。参考：月刊PANZER8,’03、British and American tanks of World War Two

　＜マチルダⅢ＞：Matilda Ⅲ、Infantry Tank Mk ⅡA*。マチルダⅡのエンジンをレイランド社製直列６気筒ディーゼル（95馬力）２基に換えたもの。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER8,’03

＜マチルダⅢＣＳ＞：Matilda Ⅲ CS。マチルダⅢに３インチ榴弾砲を搭載した近接支援型。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER8,’03

　＜マチルダⅣ＞：Matilda Ⅳ、Infantry Tank Mk ⅡA**。マチルダⅢのエンジンマウントを改良し、オイルと空気圧系の配管を改修したタイプ。参考：月刊PANZER8,’03、British and American tanks of World War Two

　＜マチルダⅣＣＳ＞：Matilda Ⅳ CS。マチルダⅣの３インチ榴弾砲搭載型。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER8,’03

　＜マチルダⅤ＞：Matilda Ⅴ。変速操作性を改善するため、マチルダⅣにウェスティングハウス製空気圧作動式サーボを搭載したもの。参考：月刊PANZER8,’03、British and American tanks of World War Two

＜マチルダⅡ歩兵戦車ファミリー＞

　＜マチルダＡＭＲＡ　ＭｋⅠａ＞：地雷除去戦車Matilda with Anti-Mine Roller Attachment Mk Ⅰa。車体両側面からそれぞれフレームを延ばし、ドラム缶くらいのローラー２個を前後に並べて履帯前に配置、地雷を踏み潰して除去する。少数が製作されて北アフリカ戦で使用された（実戦には投入されず？）。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER8,’03

　＜マチルダＣＤＬ＞：CDLはCanal Defense Light（海峡防衛用照明）の略だが、実際は野戦用照明灯搭載戦車である。砲塔を外して装甲ボックスを設置し、強力なカーボンアーク灯を取り付けており、移動照射も可能。１個旅団に１基を配備する予定で、300基が用意されてマチルダⅡやマチルダⅤに取り付けられ、訓練に使用されたが、実戦では使う機会が無く、1945年のライン渡河作戦で漸くCDLの出番が来た時にはグラント中戦車に搭載されたものが使われた。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER8,’03

　＜マチルダ架橋戦車＞：架橋戦車型Matilda with Inglis Bridge。イングリス架設橋を押していくタイプである。イングリス架設橋は第１次大戦時に開発された架設橋で、第２次大戦初頭にも使用されており、巨大なので、橋の下に装軌式のガイドローラーが付いている。1942年に開発され、訓練のみに使用された。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER8,’03

　＜マチルダ・キャロット＞：地雷除去戦車Matilda with Carrot。マチルダAMRAの前端に600ポンド梱包爆薬（キャロット爆破装薬）を搭載し、遠隔操作で爆破させて地雷原の誘爆や障害物除去を狙ったもの。もっと小型の梱包爆薬を取り付けたLight Carrotというバージョン（対比して600ポンド爆薬の方をHeavy Carrotともいう）もあるが、こちらはAMRAのローラーを外していた。どちらも実戦では使用されなかった。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER8,’03

　＜マチルダ・スコーピオンＭｋ．Ⅰ＞：地雷除去戦車Matild Scorpion MkⅠ。フレイル型地雷除去システムであるスコーピオン装置によって地雷原を叩き壊すために作られた。動力のベドフォード30馬力エンジンを車体内部右に搭載し、操作手はエンジン後部に位置する。エル・アラメイン戦に32両が参加し、時速0.8kmの低速ながら確実に地雷原を処理していった。しかし180m進むとエンジンがオーバーヒートしてしまい、巻き上げる砂埃でエアフィルターが詰まるのであまり役に立たなかった。参考：月刊戦車マガジン8,’78、月刊PANZER8,’03、British and American tanks of World War Two

　＜マチルダ・スコーピオンＭｋ．Ⅱ＞：地雷除去戦車型で、Mk.Ⅰの改良型。エアフィルターとローター保持アームを更新している。スコーピオン装置の操作手は砲塔内に位置した。この装置はバレンタイン歩兵戦車やM3中戦車にも装着されている。参考：月刊戦車マガジン8,’78、British and American tanks of World War Two

　＜マチルダ超壕戦車＞：Matilda with (experimental) Trench Crossing Device。試作超壕装置を押していくタイプ。超壕装置は幅をホイールトラックに合わせた軽量橋体で、先端に装軌式のガイドローラーが付いており、塹壕に渡して歩兵や軽車両を通過させることができる。試作のみに終わった。参考：British and American tanks of World War Two

　＜マチルダ・バロン＞：バロン・シリーズを参照。

＜マチルダⅡ海外シリーズ＞

　＜マチルダⅡ（オーストラリア陸軍）＞：オーストラリア陸軍戦車。1942年にマチルダⅢ／Ⅳが供与され、ニューギニア戦線に投入した。参考：British and American tanks of World War Two

＜マチルダⅡ海外ファミリー＞

　＜マチルダ５ｃｍＫｗＫ搭載型＞：ドイツ国防軍対戦車自走砲。第２次大戦時に鹵獲したマチルダⅡの砲塔を取り外し、Ⅲ号戦車に搭載されていた42口径5cmKwK38を装備、前側面を覆う防楯を装着し、防楯上部左右には7.92mm08/15機関銃を搭載した。1942年末に２両が改造されて教育コマンドに配備され、大西洋防壁の一部（兵員輸送を兼ねた警備用車両）として使用された。参考：月刊グランドパワー9,’03

　＜マチルダ・ドーザー＞：オーストラリア陸軍工兵戦車Matilda Dozer。車体前方に頑丈な箱形ドーザーを搭載する。ドーザーを上下させる動力は砲塔旋回用油圧システムを流用した。ニューギニア戦線でジャングル啓開用及びトーチカ陣地に対する肉薄攻撃援護用に用いられた。参考：月刊PANZER8,’03、British and American tanks of World War Two

　＜マチルダ・フロッグ＞：オーストラリア陸軍火炎放射戦車Matilda Frog。ベースはマチルダMkⅣまたはMkⅤで、２ポンド砲の代わりに射程100ヤード（91.4m）の火炎放射器を搭載する。砲塔内タンクに360リットル、車体後部の投棄可能なタンクに450リットル、車体前部左右のタンクに135リットル、車体側面のタンクに145リットルのジェレトロール燃焼剤を搭載できたが、実戦では砲塔内と車体後部のみに搭載した。放射ノズルには３インチ榴弾砲を似せたカバーが被せてある。１回の放射で45リットルの燃料を消費し、燃料放射用ガス圧の回復を20-30秒くらい待たないと次の放射ができない。1944年後半に25両が生産され、ボルネオやニューギニアで使用された。改良型も試作されたが、配備前に終戦を迎えた。参考：月刊グランドパワー1,’04、月刊PANZER8,’03、British and American tanks of World War Two、異形戦車ものしり大百科

　＜マチルダ・ヘッジホッグプロジェクター＞：オーストラリア陸軍工兵戦車。車体後端にM3中戦車の砲塔旋回装置を流用して製作した７連発ランチャーを搭載し、ヘッジホッグに着発信管を付けたものを装填、180-270m先に投射してバンカーを破壊する。実戦には間に合わなかった。参考：月刊PANZER8,’03

　＜マチルダ・マーレイ＞：オーストラリア陸軍火炎放射戦車Matilda Murray。マチルダ・フロッグの改良型で、火炎放射器の燃料放射を火薬式にして連続放射を可能としたものである。1945年に製作された。参考：異形戦車ものしり大百科、British and American tanks of World War Two

＜まつ＞：PF-286（警備船）を参照。

＜松（初代）＞：日本海軍樺型駆逐艦８番艦。大正4年4月7日竣工、二等駆逐艦に類別された。大正6年3月11日、第２特務艦隊第11駆逐隊の一員としてシンガポールを出撃して地中海に向かい、海上護衛作戦を行った。昭和7年4月1日除籍。参考：日本駆逐艦史、月刊世界の艦船9,’13増刊

＜松（２代目）＞：日本海軍松型駆逐艦１番艦。昭和19年4月28日竣工。昭和19年8月4日、父島付近でアメリカ艦上機の攻撃を受けて沈没し、10月10日に除籍された。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、日本海軍艦隊総覧

＜松浦利夫＞：大正6年、佐賀県生まれ。昭和10年2月、少年飛行兵となり熊谷陸軍飛行学校に入学、明野で戦技教育を受け、昭和13年3月に飛行第６連隊配属となった。7月、飛行第１戦隊第２中隊に転属。12月、航空兵軍曹となった。昭和14年6月、満蒙国境に進出してノモンハン事件に参加。7月12日、加藤敏雄戦隊長が被弾して敵中に落下傘降下したため、戦車が迫る中を草原に着陸して救出、功五級金鵄勲章を授与された。9月、ノモンハン事件終結でハルビンに移動。太平洋戦争開戦後はマレー、スマトラ、ビルマで作戦を行い、昭和18年1月にラバウルに進出。9月、本土に帰還し、柏基地に配置された。12月2日、夜間訓練中に事故で殉職した。総撃墜数十数機。最終階級は少尉。参考：日本陸軍戦闘機隊

＜松江＞：日本海軍松江型運送船Matue。元は明治31年6月にイギリスで竣工したロシア貨物船スンガリ（Sungari）で、日露戦争時に仁川で自沈していたのを明治37年に捕獲して引き揚げ、明治38年6月5日に三等海防艦に類別、松江丸（しょうこうまる）と改称した。大正元年、二等海防艦に艦種変更された。大正3年、青島攻略戦前に兵装搭載工事を実施。大正7年2月1日、運送船に艦種変更され、松江に改称された。大正9年、運送艦に艦種変更された。大正11年4月1日、測量艦に艦種変更された。昭和4年4月1日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史、月刊世界の艦船12,’21、月刊丸6,’14

＜松江型＞：日本海軍運送船Matue型。元は日露戦争時に仁川で自沈していたロシア貨物船スンガリで、当初は海防艦に類別されたが主に測量に使用され、後に艦種も測量艦に変更された。垂線間長72.24m、最大幅9.5m、吃水4.27m、常備排水量2550トン。主機は直立式３気筒３段膨張レシプロ蒸気機械１基、主缶は石炭専焼円缶２基、出力1500馬力、１軸推進、速力11ノット、石炭搭載量91トン。兵装は保式５サンチ単装砲（保式47ミリ重速射砲）２門（大正3年搭載）。乗員114名。松江が就役した。参考：日本海軍特務艦船史、月刊丸6,’14

＜松榮丸＞：日本海軍特設工作艦Matue-Maru。元は松岡汽船の貨物船で、「しょうえいまる」と読んでいたが、海軍に徴用された際に特設砲艦勝泳丸と同じ読みだったため、「まつえまる」に改称された。垂線間長123m、幅16.8m、深さ9.4m、満載吃水7.6m、総トン数5645トン、重量トン数8748トン。主機はターボ・コンプレッサー付き三連成汽機１基１軸2700馬力、航海速力12ノット、最大速力15.3ノット。昭和13年2月26日竣工。その後日本海軍に徴用され、昭和16年12月8日の太平洋戦争開戦時は第４艦隊付属だった。昭和17年5月12日、敷設艦沖島を救難しに向かう途中、セントジョージ岬南西でアメリカ潜水艦S44の雷撃を受けて沈没した。参考：月刊世界の艦船7,’13、帝国海軍太平洋作戦史Ⅰ

＜松尾景光＞：日本海軍エース。大正9年、福岡県生まれ。昭和17年2月、海軍予備学生に採用され、霞ヶ浦航空隊、岩国航空隊、大分航空隊で教育を受け、昭和18年2月に海軍予備少尉となり、8月に第253航空隊に配属された。9月下旬からラバウル周辺で空戦に参加。12月23日、ラバウル上空で戦死した。総撃墜機数10機以上。最終階級は予備中尉。参考：日本海軍戦闘機隊

＜マッカーサー＞：Douglas MacArthur。父親はフィリピン初代総督アーサー・マッカーサー陸軍中将である。1880年生まれ。1903年、ウェストポイント陸軍士官学校を主席（在学４年間の全科目平均98.14点）で卒業して工兵科少尉となった。第１次大戦では旅団長や師団長を務めた。1919年、ウエストポイント陸軍士官学校の校長に史上最年少で就任した。1922年、フィリピン地区司令官となった。1925年、アメリカに帰還。1927年、アムステルダム・オリンピックでアメリカチーム総監督に就任。1928年、在フィリピン米軍司令官としてマニラに赴任。1930年11月20日（1931年11月？）、陸軍参謀総長に史上最年少で就任し、陸軍大将となった。1932年6月、ワシントンに集結した失業在郷軍人を武力制圧。1935年10月、アメリカ陸軍を退役し、フィリピン軍事顧問（実質フィリピン軍総司令官）としてマニラに赴任した。1941年7月、アメリカ陸軍に現役復帰し、アメリカ極東陸軍司令官に就任。12月からフィリピン防衛戦を指揮し、この功績で名誉勲章を授与された。自分で勇敢に戦った訳では無いから厳密には該当しないという意見もあったが、本人は勇敢な指揮下部隊に対する受勲と受け止めている。実際には真珠湾攻撃を知らされていながら日本軍に奇襲されて敗北した訳だが、真珠湾攻撃で罷免させられたキンメル太平洋艦隊司令長官とは扱いの差が歴然としていた。1942年3月、南西太平洋軍司令官に就任。1944年、元帥に昇任。1945年4月、アメリカ太平洋陸軍司令官に就任。8月、連合国軍最高司令官に就任。8月30日早朝、指揮下幕僚バターン・ボーイズと共にバターン号でフィリピンを発ち、1400に厚木飛行場に到着した。間もなく愛車のジェネラル・モーターズ社製1942年型キャデラック・フリートウッド75リムジンをフィリピンから船便で取り寄せ、宿舎のアメリカ大使館から第一生命相互ビルのGHQへの往復に使っている。1947年1月、アメリカ極東軍総司令官に就任。1950年7月、在韓米軍司令官に就任。1951年4月11日、トルーマン政権と朝鮮戦争の処理を巡って対立、軍から解任され、1950年型クライスラー・インペリアル・リムジンで羽田空港に向かい、バターン号で日本を去った。アメリカ議会で、老兵は死なず、ただ消え去るのみ、との退任演説を行っている。インペリアル・リムジンは後任のリッジウェイ大将が引き継ぎ、GHQへの往復に使用している。1964年、84歳で死去した。参考：朝鮮戦争（上）、THE JEEP、月刊PANZER5,’83、月刊軍事研究8,’14、月刊世界の艦船4,’17

＜マッカーディーズ・アーマー＞：アメリカが開発した組み立て式防弾シェルターで、名称は戦死したアメリカ海兵隊マッカーディー上等兵に由来する。アルミ製本体フレームに装甲板を填め込む方式で、工具は不要、2.39m×1.83mの標準キットなら４人が20分の作業で屋根付きの防弾シェルターが出来上がる。7.62mm弾や砲弾弾片に対する防御力を持ち、防弾ガラス視察窓やガンポートも用意されている。数個を連結して大型化することも可能。アメリカが自国軍に配備してアフガニスタンやイラクで使用している他、アフガニスタン軍・警察にも供与した。日本では三菱長崎機工が製造販売している。参考：朝雲

＜松風（初代）＞：日本海軍神風型駆逐艦７番艦。明治40年2月16日竣工。大正元年8月28日、三等駆逐艦に類別変更された。大正13年4月1日除籍。参考：日本駆逐艦史

＜松風（２代目）＞：日本海軍神風型（２代目）駆逐艦４番艦。大正13年4月5日竣工、第７駆逐艦という名称で一等駆逐艦に類別された。大正13年4月24日、第７号駆逐艦に名称変更。昭和3年8月1日、松風に改称。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時には建制では第５駆逐隊、兵力部署では比島部隊主隊に所属していた。昭和18年7月12-13日、コロンバンガラ島沖夜戦に参加。7月17日、ショートランドで爆撃を受けて小破した。7月18日、ショートランドで爆撃を受けて小破した。10月6日、ベラ・ラベラ島沖夜戦に参加。昭和19年1月14日、ラバウルで爆撃を受けて小破した。2月17日、トラック空襲で損傷した。6月9日、父島北方40海里でSS-193ソードフィッシュの雷撃を受け沈没し、8月10日に除籍された。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、歴史群像8,’11、日本海軍艦隊総覧、帝国海軍太平洋作戦史Ⅰ

＜松型＞：日本海軍一等駆逐艦Matsu型、別名は丁型駆逐艦。太平洋戦争中、ソロモン方面で駆逐艦を大量に消耗したため、急遽量産計画を立てた対空・対潜重視の駆逐艦で、海軍軍人からは雑木林駆逐艦や雑木林艦隊と揶揄された。船型は船首楼型、船体は普通鋼製、上甲板は高張力鋼製で、外形は直線部分を多く持ち、甲板のキャンバーを廃止、艦尾をスケグ方式とするなど量産に適した設計を取ったが、ブロック建造方式ではなく、溶接は部分使用に止まり、工数は70000、平均建造期間は５ヶ月くらい（１番艦は９ヶ月）である。機関室と缶室は日本海軍駆逐艦として初のシフト配置となっており、生残性が高い。操舵機は羅針艦橋内に配置し、操舵室は廃止した。ソロモン戦の戦訓を受け、主砲として高角砲を採用し、高角測距儀と四式射撃装置を組み合わせている。対潜戦用に水中聴音機と水中探信儀を装備した。雷装は省くという意見もあったが、最低限の搭載としている。量産向きの強力な機関が無かったため、鴻型の主機（これもあまり量産向きではないが）を流用しており、プロペラ回転数が違うので、減速歯車は新設計のものを使用した。速力と航続力が低いのが難点だが、幅広船体にして操艦性は向上させている。全長100m、水線幅9.4m、吃水3.3m、基準排水量1262トン。主機は艦本式高中低圧３胴型オールギヤードタービン（中圧タービンに手動嵌脱式巡航タービンが付く）２基、主缶はロ号艦本式空気予熱器付重油専焼水管缶（蒸気圧力30気圧、蒸気温度350度）２基、出力19000馬力、２軸推進、速力27.8ノット、航続距離は18ノットで3500海里。兵装は八九式12.7サンチ連装高角砲１基（艦尾）、八九式12.7サンチ単装高角砲１基（艦首）、25ミリ３連装機銃４基（艦橋前方、後部煙突前方機銃台上両舷、後部マスト後方）、25ミリ単装機銃８門（両舷４門ずつ）、九二式61サンチ４連装魚雷発射管１基（予備魚雷無し。前部煙突後方）、Ｙ砲２門、爆雷投下軌条２条、爆雷36-60基。艦載艇は10メートル特型運貨船（小発）２隻、６メートルカッター２隻。乗員211名。改マル五計画で42隻、以降32隻の計74隻を建造する予定だったが、松（２代目）、竹（２代目）、梅（２代目）、桃（２代目）、桑（２代目）、桐（２代目）、杉（２代目）、槇（２代目）、樅（２代目）、樫（２代目）、榧（２代目）、楢（２代目）、櫻（２代目）、柳（２代目）、椿（２代目）、檜（２代目）、楓（２代目）、欅（２代目）、柿（２代目）、樺（２代目）、橘（２代目）、蔦（２代目）、萩（２代目）、菫（２代目）、楠（２代目）、初櫻（２代目）、楡（２代目）、梨（２代目）、椎（２代目）、榎（２代目）の32隻が竣工し、雄竹、初梅、八重櫻、矢竹、葛（２代目）、桂（２代目）、若櫻、梓、栃、菱（２代目）、榊（２代目）の９隻が建造途中で中止となった。橘（２代目）以降は建造期間３ヶ月を目指して艦首のシアを直線にしてフレアを小さくし、ブロック建造と溶接を多用、吃水が3.4m、基準排水量が1350トンに増え、速力は27.3ノットに低下（航続距離は同じ）、兵装も変更されており（同じ？）、橘型（改丁型）と分類されることもある。参考：日本駆逐艦史、日本海軍艦隊総覧、歴史群像10,’06、小艦艇入門、月刊世界の艦船4,'21、5,’11、4,’13、9,’14

＜マッカフェリー＞：DD-860（駆逐艦）を参照。

＜マッカラ＞：DD-488（駆逐艦）を参照。

＜マッカン＞：DE-73（バックレイ型護衛駆逐艦）またはDE-179（カノン級護衛駆逐艦）を参照。

＜マッカンドレス＞：FF-1084（フリゲート）を参照。

＜マッキー＞：DD-575（駆逐艦）を参照。

＜マッキーノ・コート＞：マキノー・コート（制服）を参照。

＜マッキーン＞：APD-5（高速輸送艦）またはDD-90（平甲板型駆逐艦）またはDD-784（ギアリング級駆逐艦）を参照。

＜マッキナック＞：AVP-13（飛行艇支援艦）を参照。

＜マッキナニー＞：FFG-8（フリゲート）を参照。

＜マッキャン・チェンバー＞：アメリカ海軍のレスキュー・チェンバーMcCann Rescue Chamber。SS-109沈没事故の教訓を踏まえてマッキャン中佐が開発した。参考：月刊世界の艦船9,’12増刊

＜マック＞：DE-358（護衛駆逐艦）を参照。

＜マック＞：Mack。マスト（Mast）とスタック（Stack、煙突）を足してできた造語である。マストと煙突を合わせることで強度を確保し、レーダーなどを多数搭載できるようにしたもので、排煙は後ろに逃がし、レーダーに煙害が起こらないようになっている。蒸気タービンの振動に耐えるのが主目的であり、ディーゼルやガスタービンが主流となって廃れた。参考：艦船メカニズム図鑑、月刊JWings2,’00、月刊世界の艦船1,’79増刊、8,’11増刊

＜マック２キット＞：F-104パイロットにロッキード社が贈った記念品Mach Deuce Kit。F-104への機種転換訓練修了書、マック２カード、スターファイター・メンバーズカード、マック２バッジ、F-104の50分の１ソリッドモデルからなる。航空自衛隊F-104J機種転換操縦課程修了者にも贈呈された。参考：世界の傑作機No.104

＜マックキャンベル＞：DDG-85（駆逐艦）またはデビッド・マッキャンベル（アメリカ海軍エース）を参照。

＜マックス＞：Yak-18シリーズ（練習機）を参照。

＜マックス・インパクト＞：アメリカ空軍音楽隊ハードロックバンドMax Impact。2005年に結成された。参考：MAMOR vol.118

＜マックスサンダー＞：アメリカ空軍と韓国空軍の共同訓練Max Thunder。レッドフラッグのコンセプトをベースとして2008年から年に1-2回ずつ実施されている。参考：月刊JWings7,’12、月刊航空ファン8,’16

　＜マックスサンダー１２－１＞：オーストラリア空軍がオブザーバー参加した。2012年5月7-18日、韓国空軍F-15K戦闘機など38機とアメリカ空軍F-16戦闘機・KC-135空中給油機など22機の計60機が参加して12日間連続CAP訓練を実施。韓国海軍の駆逐艦も北朝鮮の沿岸砲陣地に対する砲撃準備訓練を行った。参考：月刊JWings7,’12、月刊航空ファン3,’13

　＜マックスサンダー１２－２＞：通算９回目で、2012年10月26日から11月2日、群山基地と周辺空域で実施された。韓国空軍F-15K、KF-16C/D、KF-5F、F-4E、E-737など34機、アメリカ空軍F-16C/Dブロック40、E-3など28機が参加した。また、オーストラリア空軍もオブザーバー参加している。参考：月刊航空ファン3,’13

　＜マックスサンダー１４－１＞：2014年4月11-25日、光州基地で実施された。アメリカ空軍F-15C、F-16C/D、E-3B、アメリカ海軍EA-18G、アメリカ海兵隊F/A-18Cが参加している。参考：月刊JWings7,’14

　＜マックスサンダー２０１６－１＞：2016年4月下旬に実施された。アメリカ空軍第８戦闘航空団F-16、第51戦闘航空団第36戦闘飛行隊F-16、アメリカ海軍VAQ-138のEA-18G、アメリカ海兵隊VMFA-314のF/A-18、韓国空軍第110戦闘飛行大隊F-15K、第111戦闘飛行大隊KF-16C/D、第８戦闘飛行団FA-50など航空機100機以上と人員1800名が参加した。参考：月刊航空ファン8,’16

　＜マックスサンダー１７＞：2017年4月17-28日に烏山基地などで実施され、SEAD訓練を行った。アメリカ軍から人員1000名、アメリカ空軍E-8監視機１機、在韓米空軍F-16戦闘機28機、在日米空軍E-3早期警戒管制機１機、第12海兵航空群AV-8B攻撃機６機が参加している。参考：月刊軍事研究8,’17

　＜マックスサンダー１８＞：2018年5月14-25日にクワンジュ航空基地などで実施された。アメリカ空軍から第18航空団F-15戦闘機、第154航空団F-22A戦闘機などが参加している。参考：月刊航空ファン8,’18

＜マックス・シュティンスキー＞：ドイツ海軍水上機母艦。第２次大戦後はフランスに譲渡され、ポール・ゴフィニーとなった。参考：グラフィックアクション44

＜マックス・シュルツ＞：Z-3（駆逐艦）を参照。

＜マックスドーム＞：Il-80（空中コマンドポスト）を参照。

＜マックス・バーネーズ＞：カナダ海軍ハリー・デウォルフ級砕氷警備艦３番艦Max　Bernays。2022年9月2日に引き渡された。参考：月刊世界の艦船2,’20、12,’22

＜マックスプロ・シリーズ＞：アメリカのナビスター・インターナショナル社が開発した４×４輪装甲車MaxxPro。イスラエルのプラサン・ササ社の技術も導入した。生産は子会社のインターナショナル・ミリタリー・アンド・ガバメント社が行っている。参考：月刊軍事研究11,’07

　＜マックスプロ＞：元々海兵隊MRAP／陸軍MMPV用として開発されていたもので、MRAPカテゴリー１に提案され、２両が評価用に採用された後、2007-2008年に7250両が採用された。シャシーはナビスター・インターナショナル社製インターナショナル・ワークスター・タイプ7000シリーズと同じもので、これにプラサン・ササ社が開発したＶ字型カプセルキャビンを載せてある。全長6.6m、全幅3.04m、全高4.03m、最大重量19.749トン。エンジンはナビスター・インターナショナル社製マックスフォースD8.7I-308型水冷ターボチャージドディーゼル（排気量8700cc、回転数2100回転、出力330馬力）、後に同社製マックスフォースD9.3I-6水冷ターボチャージドディーゼル（排気量9300cc、出力330馬力）で、トランスミッションはアリソン3000SP（前進５速・後進１速）、最大速度110km。乗員6-10名。参考：月刊軍事研究11,’07

　＜マックスプロ・プラス＞：マックスプロの改良型で、2008年6月からマックスプロ・ダッシュと合わせて750両が導入された。エンジンをマックスフォース10、トランスミッションをアリソン3200SPに換装しており、出力を375馬力（毎分2000回転）に強化してある。これによりペイロードが増加したため、その分装甲を強化し、後輪をダブルタイヤに換装した。参考：月刊PANZER12,’10

　＜マックスプロ・ダッシュ＞：MaxxPro Dash。マックスプロ・プラスの改良型で、2008年9月から海兵隊に納入された。不整地踏破能力を向上させるため、車重を2.2トン軽量化し、車高を0.35m下げ、ホイールベースを0.22m短縮し、後輪をシングルタイヤに戻してある。前輪の切れ角は拡大され、最小回転半径が縮小した。参考：月刊PANZER12,’10

　＜マックスプロＸＬ＞：MRAPカテゴリー２に提案され、16両が評価用に採用された。最大重量20.5トン、ペイロード５トン。参考：月刊軍事研究11,’07

　＜マックスプロ・プラスＸＬ＞：マックスプロXLにマックスプロ・プラスと同じ改修を行ったもの。参考：月刊PANZER12,’10

＜マックスプロ・ファミリー＞

　＜マックスプロ牽引車＞：アメリカ海軍建設工兵隊向けに開発した牽引車両。ベースはマックスプロ・ダッシュで、操縦席を３座並列とし、車重を増してある。座席の内１つは折り畳み式で、遠隔操作式兵器ステーション操作員が位置する。参考：月刊軍事研究4,’11

　＜マックスプロ救急車＞：マックスプロ・ダッシュを改造した救急車型。後部兵員室に担架２床＋医療者２名もしくは坐位患者４名＋医療者２名を乗せることができる。改造キットを使用して既存の車両を改造することも可能。参考：月刊軍事研究4,’11

＜マックック＞：DD-496（駆逐艦）を参照。

＜マックム＞：M857（オランダ掃海艇）を参照。

＜マックモリス＞：DE-1036（護衛駆逐艦）を参照。

＜マックラスキー＞：FFG-41（フリゲート）を参照。

＜マック・ループ＞：Mach Loop。イギリス軍低空飛行訓練空域LFA7（ウェールズ地方）北西部のスノードニア国立公園内訓練地域の通称。30マイルほど谷が連続する地形で、低空飛行訓練にうってつけらしく、時間限定で対地高度100フィート（30.5m）まで下げて飛ぶことができ、練習機だけでなく戦闘機からオスプレイまで各種NATO軍機が対気速度400-450ノットで駆け抜ける。参考：月刊航空ファン10,’17、月刊JWings10,’11

＜マックレイシュ＞：DD-220（駆逐艦）を参照。

＜マックレランド＞：DE-750（護衛駆逐艦）を参照。

＜マックロイ＞：DE-1038（護衛駆逐艦）を参照。

＜マッケイ＞：D70（駆逐艦）を参照。

＜マッケイル級＞：1710型（潜水艦）を参照。

＜マッケレル＞：SS-204（潜水艦）またはSST-1（潜水艦）を参照。

＜マッケレル級＞：アメリカ海軍実験潜水艦Mackerel級。当初はT-1級だったが、1956年の艦名付与でマッケレル級になった。新型装備品の実験だけでなく、士官教育や対潜哨戒機用標的としての任務もこなす潜水艦で、予算縮減のため排水量を戦後最小に抑えた。全長40m、最大幅4.1m、吃水3.7m、水上排水量303トン、水中排水量347トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、GM式ディーゼル２基・エリオット式発電機２基・エリオット式電動モーター１基、水上出力250馬力、水中出力380馬力、１軸推進、水上速力10ノット、水中速力10.5ノット、蓄電池はゴウルド・ストレージ・バッテリー社製69セル２群計138セル、航続距離2000海里（水上10ノット）。安全潜航深度69m。兵装は533mm魚雷発射管１門（艦首）。BQS-3ソナー、JTパッシブ・ソナーを装備する。SST-1マッケレルとSST-2マーリンの２隻が1953年に竣工した。両艦とも1973年に除籍された。参考：アメリカ潜水艦史

＜マッケンジー＞：DD-614（駆逐艦）を参照。

＜マッケンジー級＞：カナダ海軍護衛駆逐艦Mackenzie級。レスティゴーシュ級の改良型で、カナディアン・ヴィッカーズ社が建造した。基準排水量2380トン。兵装は76mm連装砲Mk6が１基（前甲板。DDE-264のみ装備せず）、76mm連装砲Mk33が１基（後甲板。DDE-264は２基で前後甲板に装備）、３連装短魚雷発射管。1962年からDDE-262サスカチュアンやDDE-264カペルなど４隻が竣工した。1992年現在の諸元は以下の通り。全長111.6m、幅12.8m、吃水4.1m、基準排水量2880トン。主機は蒸気タービンで、出力30000馬力、２軸推進、速力28ノット。兵装は76mm連装砲２基、324mm３連装短魚雷発射管２基。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、3,’12

＜マッケンゼン＞：ドイツ海軍マッケンゼン級計画巡洋戦艦１番艦Mackensen。1917年進水。その後工事は中止され、第１次大戦後に解体された。参考：月刊世界の艦船6,'20

＜マッケンゼン級＞：ドイツ海軍計画超弩級巡洋戦艦Mackensen級。デアフリンガー級の改良型である。煙突は２本。全長223m、常備排水量30500トン（34742トン？）。主機は改良パーソンズ式高低圧串型直結蒸気タービン、主缶はシュルツ・ソーニクロフト混焼缶24基、推進軸回転数毎分295、プロペラ直径4.20m、速力28ノット（27ノット？）。兵装は35cm連装砲塔４基（艦前後背負い式）、15cm単装砲14門（ケースメート式両舷７門ずつ）。装甲厚は水線部300mm、甲板120mm。マッケンゼン、グラーフ・シュペー、プリンツ・アイテル・フリードリッヒ、フュルスト・ビスマルクの４隻の建造を予定したが、第１次大戦でＵボートを優先することになり、１番艦マッケンゼンと３番艦グラーフ・シュペーが1917年に進水（２隻は未起工）した時点で工事は中止され、終戦後の1920-24年に解体された。参考：月刊世界の艦船6,'20、近代戦艦史、月刊丸11,’09

＜マッコイ・レイノルズ＞：DE-440（護衛駆逐艦）を参照。

＜マッコード＞：DD-534（駆逐艦）を参照。

＜マッコーネル＞：ジョセフ・マッコーネル。アメリカ空軍エース。アメリカ空軍第51戦闘要撃航空団に所属して朝鮮戦争に参加。1953年1月、初撃墜を記録。1953年2月16日、アメリカ空軍として27番目のエースとなった。朝鮮戦争では16機のMiG-15を撃墜した。朝鮮戦争休戦後はアメリカ本土に戻り、F-86Hの開発に携わったが、乗機の機体トラブルにより殉職した。参考：月刊丸9,’03

＜マッコール＞：DD-400（駆逐艦）を参照。

＜マッコール級＞：クレイブン級（駆逐艦）を参照。

＜マッコーレイ＞：APA-4（攻撃輸送艦）を参照。

＜マッコネル＞：DE-163（護衛駆逐艦）を参照。

＜マッコム＞：アメリカ海軍掃海駆逐艦。1945年5月3日、沖縄付近で特攻を受けて損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜マッジ＞：Be-6（飛行艇）を参照。

＜マッシー＞：DD-778（駆逐艦）を参照。

＜まつしま＞：MSI-686（掃海艇）を参照。

＜松島＞：日本海軍厳島型海防艦。フランスに発注された。明治25年4月5日竣工。10月19日、佐世保に回航された。明治27年7月19日、連合艦隊旗艦となった。主砲のカネー社製38口径32cm単装砲が後ろ向きに搭載されているので、単縦陣の先頭に立っても役に立たないという欠点はあったが、厳島はボイラーと煙突の繋ぎ目が緩くてまともに航走できず、橋立は公試中に５号ボイラーが破損して速力が11ノットしか出せず、本艦の出番となっている。明治27年9月17日、黄海海戦に参加。速射砲の連射に人力揚弾がついて行けず、射撃の合間にも揚弾し続けて間に合わせていたが、1526に装甲艦鎮遠の主砲弾が中甲板の12cm速射砲防楯に命中、周辺に積み上がっていた速射砲装薬が誘爆して乗員113名が死傷した。更に下甲板にも延焼、前部弾薬庫の入り口付近にまで燃え広がったが、何とか消火して難を逃れた。夕方に旗艦を橋立に譲り、損傷修理のため内地に戻った。11月13日、連合艦隊旗艦に復帰。明治28年5月18日、連合艦隊解散に伴い旗艦任務を終えた。明治31年3月21日、海防艦から二等巡洋艦に艦種変更された。5-8月、米西戦争に伴い、居留民保護のためマニラに３回派遣された。明治41年度の遠洋練習航海に参加し、海兵第35期生を乗せてシンガポール・コロンボ、マニラなどに寄港。明治41年4月27日、馬公に入港。4月30日0408、後部火薬庫付近で大爆発を起こし、0411に着底、乗員400名のうち艦長や海軍兵学校35期33名を含む222名が死亡した。原因は火薬の自然発火とも、乗員がこっそり呑んでいた自作の酒をこぼして引火したためともいわれる。5月22日、馬公港で慰霊祭が行われ、スクリューと砲身が馬公の公園で記念碑として展示された。引き揚げられたカッターは海軍軍人子弟教育のため横須賀鎮守府の依頼で設立された神奈川県逗子の中学校に寄贈されたが、明治43年に生徒12人が無断でこのカッターを使用し、七里ヶ浜で遭難して全員死亡する事故が発生した。2018年9月24日、有志75人が日本から台湾に渡り、松島型防護巡洋艦沈没慰霊碑前で慰霊祭を行った。参考：月刊世界の艦船12,’10、6,’14、9,’13増刊、7,'20、歴史群像6,’16、朝雲

＜松島海軍航空隊＞：日本海軍航空隊。宮城県桃生郡にある。九州に対するB-29の爆撃が始まり、宮崎海軍航空隊での陸攻訓練が中断されるようになったため、安全地域に移すことになり、昭和19年8月1日に新編され、宮崎から九六式陸攻17機が到着した。航空隊司令と飛行長は宮崎海軍航空隊からそのまま異動している。8月3日、宮崎から九六式陸攻19機が到着した。8月6日、捷号作戦に備えたルソン海峡船団護衛のため、九六式陸攻９機を第901航空隊に派遣した。8月31日、飛行学生42期36名が入隊。9月26日、第13期飛行予備学生57名が卒業。9月29日、第14期予備学生42名が入隊。10月13日、捷一号作戦協力のため九六式陸攻21機を第３航空艦隊に派遣。うち１機が未帰還になった。10月下旬、第901航空隊への派遣陸攻８機（１機未帰還になった）が原隊に復帰。昭和20年、ガソリン不足でアルコール燃料を使うようになった。2月末、飛行学生42期36名が卒業。3月10日、司令と飛行長が搭乗員総員に特攻攻撃についてという講話を実施。3月31日、第10航空艦隊司令部との特攻隊編成打ち合わせのため、陸攻２機で司令らが霞ヶ浦飛行場に向かったが、天候不良で２機とも行方不明になった。部隊では特攻志願が行われ、4月1日に第１次22名を決定、4月2日に九六式陸攻４機で基地要員を乗せた九六式陸輸２機と共に出水基地に到着した。4月11日、第２次特攻隊30名が発表された。4月13日、第２次特攻隊30名が九六式陸攻６機で出水基地に向かったが、着陸時に１機が中破した。5月25日、第２次特攻隊残存２機と搭乗員４ペアが松島に帰投。5月26日、豊橋海軍航空隊を吸収した。出水基地に進出していた第３次・第４次特攻隊も松島に戻る事になり、最後の２機は7月22日に帰還している。松島基地が剣作戦及び烈作戦で使用されることになったため、6月下旬に練習生は美幌飛行場に移り、そのまま終戦を迎えた。参考：月刊航空ファン3,’20

＜松島管制隊＞：航空自衛隊の管制隊で、航空保安管制群の隷下にあり、松島基地に置かれている。1959年、松島基地で新編された。2012年9月2日、松島基地で創設55周年記念イベントを実施。2018年1月23-25日に開催された航空保安管制競技会で３位の成績を収めた。参考：朝雲、月刊JWings4,’16、8,’14、航空自衛隊パーフェクトガイド2015

＜松島気象隊＞：航空自衛隊の気象隊で、松島基地に置かれている。1959年、松島基地で新編された。参考：月刊JWings8,’14、航空自衛隊パーフェクトガイド2015

＜松島基地＞：航空自衛隊の基地。所在地は宮城県東松島市板取85。総面積363万平方メートル、滑走路は冬の横風対策として2700×46m（45m？）・ランウェイ07/25の主滑走路と1500×46m（45m？）・15/33の第２滑走路による十字滑走路（東側で交叉）となっており、横風試験に使われたりもする。非常時には主滑走路の誘導路も着陸に使える。ブルーインパルスのホームベースであり、基地祭では午前と午後の１回ずつ展示飛行が行われる他、前日にも東松島夏祭りで展示飛行を実施する。東日本大震災以降は来場者安全確保・津波対策中のため基地祭はしばらく開催されず、2016年に来場者限定で再開された。正門左奥にF-86F、F-86D、F-104J、T-2、T-6、T-33Aが展示されている。JR仙石線矢本駅から徒歩15分。元は1942年（昭和17年）に創設された日本海軍松島航空隊の矢本飛行場（松島飛行場？）で、太平洋戦争終結後にアメリカ軍が駐留、1954年に保安隊臨時松島派遣隊が創設され、7月1日の航空自衛隊発足で航空自衛隊臨時松島派遣隊となり、1955年に日本に返還されて第２操縦学校が創設された。1957年12月1日、第３航空団が新編された。1958年2月16日、第４航空団が新編された。10月1日、管制教育団が新編された。11月1日、第５飛行隊が浜松基地から移動してきた。1959年、松島管制隊と松島気象隊が新編された。11月、管制教育団が小牧基地に移った。12月1日、第５航空団が新編された。1960年2月1日、第７飛行隊が新編された。7月1日、第５航空団が新田原に移った。9月20日、松島救難分遣隊が新編された。10月1日、第６飛行隊が新田原基地から移動してきた。10月29日、第８飛行隊が新編された。1961年2月1日、第９飛行隊が新編された。5月1日、第８飛行隊が小松基地に移った。7月15日、第７航空団が新編された。第６飛行隊が新田原基地に移った。12月1日、偵察航空隊と第501飛行隊が創設された。1962年5月15日、第７航空団と第９飛行隊が入間基地に移った。8月28日、偵察航空隊と第501飛行隊が入間基地に移動した。1963年3月5日、第３飛行隊が千歳基地から転入した。1964年、松島救難隊が新編された。2月1日、第３飛行隊が八戸基地に移動した。1971年6月30日、第５飛行隊が解隊された。1976年10月1日、第21飛行隊が新編された。1977年7月1日、第７飛行隊が解隊された。1982年、第21飛行隊に戦技研究班を新編した。1994年、第402基地防空隊が新編された。1995年12月22日、第11飛行隊ブルーインパルスが編成された。2001年、第22飛行隊が廃止された。2003年、第402基地防空隊が廃止され、第４基地防空隊が新編された。2010年8月21日、ブルーインパルス創設50周年記念行事を実施。

2011年1月6日、第４航空団第11飛行隊のブルーインパルス、第21飛行隊のF-2B、松島救難隊のU-125A及びUH-60Jが飛行初めを実施。2011年3月11日の東日本大震災では震度６強の揺れに襲われたため、すぐに司令部庁舎に指揮所を開設、情報収集を開始した。しかし降雪が激しく（当日は悪天候で第４航空団の飛行が終日キャンセルされていた）、地震による基地施設や航空機の損傷も懸念されたため、航空機の離陸は断念。直後に大津波警報が発令され、隊員900名と訪問者らは全員庁舎の３階以上（整備補給群補給隊は補給倉庫の中２階）に避難。到達予想時間になっても津波は来ず（基地付近の津波観測所は鮎川港だけで気象庁では正確な予報が出せなかった）、気を揉む場面もあったが、1530過ぎに飛行場中央と東側から大津波が来襲した。基地は海岸から400mしか離れておらず、標高は僅かに2mで、高さ4mの津波により基地ゲートの鉄扉が瞬時に吹き飛ばされ、基地全体が海没した。隊員らは無事（休暇中の男性隊員１名が死亡）だったが、滑走路を含む363ヘクタールの基地全てが冠水し、地上にあったF-2B戦闘機18機、T-4練習機４機（うち１機はブルーインパルス仕様）、U-125A救難機２機、UH-60J救難ヘリ４機、車両150両以上が海水に浸かって使用不能になり、庁舎１階、管制塔電源施設、コンピュータ、航空灯火地下埋設ケーブル、航空灯火電灯、航空燃料給油システム、蒸気ボイラー、上下水道、補給物資、燃料施設が全損して電話も不通となり、基地機能を喪失した。滑走路の列線に並んでいたF-2Bのうち１機は庁舎の１階に、１機は格納庫に突っ込んだ。T-4も２機がそれ以上に流されて建物の隙間に填り込んでしまった。松島救難隊のUH-60Jヘリの１機は滑走路上を押し流されてポールに激突、１機は格納庫内で壁や天井に激突して23mm機関砲弾の直撃にも耐えられるメインローターブレードがへし折れた。ブルーインパルスは九州新幹線全線開業式典に備えて芦屋基地に展開しており、無事だった。2000頃、百里救難隊のUH-60Jヘリが基地上空に飛来。無線で状況と最優先器材を伝えた。3月12日早朝、百里救難隊のUH-60Jヘリが衛星電話と発電機などを輸送した。午後、漸く海水が引いてきたため、浸水を免れた６両の車両のうちの１両だった滑走路除雪用スノーブロー車と、百里、入間、大滝根山、山田などから駆け付けた支援の施設車両を使用して昼夜兼行で滑走路の復帰作業を行い、その日のうちに暫定的ながらヘリの発着を可能とした。3月13日、東北防衛局の土木職４名が被害調査を開始。3月14日、東北防衛局技官５名が増派され、施設応急危険度判定を実施。3月15日、東北防衛局の土木・機械職９名が滑走路や燃料タンクの点検を実施、百里基地の移動管制隊も展開し、航空灯火の必要が無い昼間に限り固定翼輸送機が離着陸可能となった。3月16日、アメリカ空軍第353特殊作戦群所属のMC-130P２機が復旧後初めて着陸し、飲料水を降ろした。3月17日午後から空自のC-130HやC-1が離着陸し、支援物資を次々と降ろした。物資集積場所を確保するため、損壊した航空機を日本軍時代の格納施設に移し、格納庫内の泥を清掃して物資を搬入している。装備施設本部の専門職９名からなる調査団が到着。3月18日、計器飛行での離着陸が可能となった。3月24日、入浴設備が復旧し、被災者に開放された。3月26日、車両９両と隊員140名で民生支援、給水支援、炊き出しを実施。3月29日1000、周辺住民に入浴支援を行った。3月30日、入浴支援、炊き出し、瓦礫撤去、巡回医療支援を行った。0930、東松島市で巡回医療を実施。4月2日、C-1輸送機がソーラー発電システムを運び込んだ。4月4日、捜索活動と医療支援活動を実施。4月5日、物流管理支援を実施。4月6日、沐浴支援を実施。中学校の校庭の泥の撤去作業を行った。4月10日、沐浴支援、給水支援、炊き出しを実施。4月12日から第４航空団第21飛行隊の戦闘機操縦課程を第３航空団のF-2を使用して三沢基地で行うことになった。5月7日、蒲田女子高等学校の生徒から東日本大震災の復興支援活動に対する激励のメッセージが書かれた折り鶴2200羽が届いた。6月、津波で沼地と化して復旧が遅れていた07エンドのリフレクター（滑走路07側リフレクター）を設置、悪天候時の滑走路07エンドへの航空機レーダー誘導が可能となった。10月末、東松島市議会が基地の機能回復とブルーインパルスの早期訓練再開を要望する意見書を全会一致で可決し、財務大臣、防衛大臣、国土交通大臣に提出した。11月、地盤沈下による北上運河からの流水を防ぐため石巻湾側滑走路周囲4.3kmに建設していた応急堤防（１トン土嚢44000個）が完成。2012年3月11日、整備格納庫で東日本大震災東松島市慰霊祭を実施。3月12日、隊員50名が参加して顕彰碑地区で植樹式を実施。4月9-11日、F-2運用再開に向け実地確認を実施。4月19日、三沢基地に避難している第４航空団第21飛行隊F-2戦闘機の飛行訓練（離着陸訓練）を再開。8月30日、ネット式クラッシュバリアの設置工事が終了し、T-4練習機の運用を再開。10月25日、仮設水防堤が完成した。2013年1月24日、東日本大震災で被災した航空機のうち、最初に修復が完了したT-4練習機が震災後初の整備試験飛行を実施。4月、高台のエプロンに松島救難隊用簡易格納庫が竣工した。10月、ブルーインパルス用格納庫のかさ上げ改修工事に伴う曳家工事を完了。従来の格納庫を4mジャッキアップして62mほど水平に移動させ、東日本大震災で到達した2mの津波でも平気なよう、基礎を3.5mかさ上げした後、格納庫を基礎の上に戻した。新管制塔の完成は2014年2月。2014年3月27日、松島救難隊用格納庫のかさ上げ工事が完工し、完成式典が行われた。3月31日、ブルーインパルス用正式格納庫とエプロンの復旧・かさ上げ工事が完工し、運用を再開した。2015年4月21日、東日本大震災で被災して修復可能と認められたF-2B戦闘機13機のうち、修復の完了した最初の１機が納入された。ちなみに2011年度予算では６機を800億円かけて修復する予定だったが、使用可能な構成品があったため、440億円くらいで済んでいる。12月2日、松島救難隊新庁舎が竣工。

2016年2月6日、第11飛行隊創設20周年を迎え、東日本大震災の津波で被災したブルーインパルス804号機の垂直尾翼とドーサルフィンを使用したモニュメントが設置された。3月11日、東日本大震災慰霊行事を実施。3月20日、第21飛行隊の帰還記念式典を実施。8月4日、東北防衛局が国土交通省東北地方整備局との技術交流会現地研修会を実施。松島基地航空祭は宮城県が建設中の7.2m防潮堤、東松島市が計画する6.2m防波堤と高台道路による対大津波用三重防護壁が完成して見学者の安全が確保できるようになってからとなる見込みで、2016年8月28日に抽選で10000人を招待して復興感謝イベントが行われた。2017年1月5日、初飛行訓練を実施。ブルーインパルスと第21飛行隊F-2B戦闘機が揃って初飛行訓練を行うのは東日本大震災以来初めてである。3月24日、復興庁と連携し、基地給養員の調理技術向上を目的にほや調理競技会を実施。6月6日、VMFA-232のF/A-18C戦闘機３機がトラブルのため着陸した。8月27日、東日本大震災以降初となる一般公開の航空祭を実施。2018年2月28日、東日本大震災被災F-2B修復13号機（最終号機）を受領した。10月24-26日に大阪地本が近畿地方の援護企業主に実施した、東北地方での３自衛隊統一就職掩護広報を支援した。2020年7月21日、山崎統幕長と在日米軍司令官シュナイダー空軍中将が基地を視察し、ブルーインパルス隊員を激励した。

2021年3月5日、ブルーインパルスが、歌手のMISIAさんのテレビ音楽番組向け東日本大震災慰霊特別ライブの収録に協力し、デルタ・ローパス、スラント・キューピッド、フェニックス・ローパスを披露した。3月15-16日、福島地本が退職自衛官雇用企業主ら12社22人を招いて部隊研修を実施。8月4日、福島地本が航空学生受験希望者・募集対象者計22人に行った研修に協力した。

参考：松島基地ホームページ、航空自衛隊パーフェクトガイド2015、MOLIBITO Vol.3、月刊JWings6,’10別冊付録、11,’10、3,’11、6,’11、5,’12、6,’12、4,’13、6,’14、9,’14、4,’15、2,’17、9,’17、5,’18、月刊航空情報5,’18、月刊航空ファン6,’10、6,’11、2,’12、1,’15、6,’16、3,’17、月刊世界の艦船6,’11、スピアヘッドNo.8、月刊軍事研究6,’15、MAMOR vol.121、朝雲、月刊丸4,’17

＜松島基地（２００７年度）＞：第４航空団第11飛行隊（T-4、T-4ブルーインパルス）、同第21飛行隊（F-2B、T-4）、航空救難団松島救難隊（UH-60J、U-125A）などが所在している。参考：月刊JWings6,’07

＜松島基地（２０１５年）＞：第４航空団司令部、同飛行群本部、同整備補給群、同基地業務群、第11飛行隊、第21飛行隊、松島救難隊、松島管制隊、松島気象隊、松島地方警務隊が所在している。参考：航空自衛隊パーフェクトガイド2015

＜松島基地（２０２０年）＞：第４航空団、第４航空団第11飛行隊ブルーインパルス（T-4ブルーインパルス）、同第21飛行隊（F-2B、T-4）、航空救難団松島救難隊（U-125A、UH-60J）などが所在している。参考：月刊JWings3,’20

＜松島救難隊＞：航空自衛隊の救難隊。1960年9月20日、救難航空隊隷下の松島救難分遣隊として松島基地で新編された。1960年12月13日、初の実任務となる航空救難を実施。1961年7月15日、上級部隊が航空救難群になった。1964年6月16日に発生した新潟地震の災害派遣に参加。12月1日、松島救難隊に改称された。1970年2月14日、V-107が配備された。1971年2月6日、MU-2が配備された。1971年3月1日、上級部隊が航空救難団飛行群になった。1999年3月11日、UH-60Jが配備された。2000年3月9日、U-125Aが配備された。2008年6月14日、岩手・宮城内陸地震でUH-60JによりＶ字渓谷に転落したバスの乗員乗客を救出した。この際、緊急時に離脱コースとなるヘリ前上方を報道ヘリが塞いで取材を続けていたため、航空自衛隊が報道側に是正を申し入れ、救難ヘリと報道ヘリの使用高度域を分ける紳士協定が結ばれた。2009年5月18-22日、UH-60Jヘリでマグロ延縄漁船第21共栄丸の捜索を実施。10月12日、北海道美瑛滑空場から離陸して行方不明になった１人乗りグライダーの捜索にU-125A救難機１機で参加。2010年7月28日、北海道渡島半島付近で行方不明になった中日本航空所属セスナTU206G型機の捜索に参加。9月19日、松島基地で創立50周年記念式典を実施。サイボーグ009の記念塗装を施したU-125AとUH-60Jが飛行した。12月14日、犬吠埼の東900kmを航行中のパナマ船籍貨物船ヤング・スプリングの中国人船員が右手を骨折したと海上保安庁に連絡が入った。しかし荒天で海上保安庁のヘリが出動できなくなり、12月15日1130に第２海上保安本部から第４航空団に災害派遣が要請され、1230前にU-125A救難機とUH-60Jヘリ１機ずつが松島基地を離陸した。1400過ぎにヘリが現場に到着して患者を収容、U-125Aは1530前に、UH-60Jは1600過ぎに基地に戻り、消防に患者を引き継いだ。2011年1月6日、初訓練飛行を実施。3月11日の東日本大震災では発災後20分で津波が来ると予想されたことと、天候不良（降雪）、滑走路や機体の被害状況が不明だったため、アラート待機のU-125AとUH-60Jの出動は断念し、隊員を避難させた。その後に押し寄せた津波で航空機（U-125A救難機２機、UH-60J救難ヘリ４機）を全て失ったが、飛行班長の指示で搭乗員が個人装備品を身に付け救難装具を持てるだけ持って避難しており、軽トラックにも器材をすし詰めにして高い場所に移動させてあったため、3月12日に隊員12名（うち固定翼機操縦士２名、回転翼機操縦士２名）が入間ヘリコプター空輸隊CH-47Jで入間基地を経由し百里基地（百里救難隊）に移動、災害派遣に参加した。残る隊員も第22飛行隊（解隊済）の旧庁舎２階にあるオペレーションルーム跡に支援器材を運び込み、部隊機能復帰作業を行うと共に、ゾディアックボートや第４航空団のウニモグなどを使用して周辺地域での救助、救援物資輸送、巡回診療支援などにあたっている。避難場所がたまたま営内者の居住区だったため、食料をかき集めて２日分として各隊員に分配した。津波で損耗したUH-60Jは2016年度末までに４機が追加導入される予定。3月12日、エプロン地区の一部をヘリが離着陸できるよう復旧整備し、ヘリコプター空輸隊のCH-47J/JAが復旧支援隊員や食料物資を運び込んだ。家族と連絡が取れない隊員は救難隊長が日没まで安否確認に出掛けられるよう取り計らった。3月13日、漸く基地周辺の海水が引いてきたため、周辺の救助活動を開始。3月21日、UH-60J救難ヘリ２機が配備され、早速捜索救助任務を開始した。3月22日1312、UH-60Jヘリで患者と医師を田代島から石巻赤十字病院に輸送。4月1-3日、東日本大震災の第１回集中捜索に参加し、45ソーティをこなして４人の遺体を収容した。4月25-26日、宮城県の行方不明者集中捜索に参加。5月30日、宮城県南三陸町志津川湾沖で小型漁船が故障して動けなくなったため、1830に第２管区海上保安本部長から第４航空団司令に災害派遣が要請され、1840に本救難隊のUH-60J救難ヘリが離陸した。1900前に現場に到着、救難員が海上に降りて泳いで船に乗り込み、ホイストで乗員２名を収容した。6月18日、東松島市主催の慰霊祭を格納庫内で実施。市民3000人と隊員400名が参列した。6月23日、岩手県沖を震源とする震度５弱の地震が発生したため、航空機で情報収集を行った。7月6日、松島基地を拠点に活動していた空自の東日本大震災災害派遣隊が解散した。基地南側に仮設水防堤の建設を開始。工事は各航空方面隊隷下の航空施設隊が２週間交代で実施した。7月25日0351頃に福島県沖で発生した震度５弱の地震を受け、航空機で情報収集を行った。8月24日夜、宮城県松島の北東93kmを航行中の太平洋フェリー所属きたかみから乗客１人が海中に転落したため、8月25日0300前に第２管区海上保安本部長から第４航空団司令に災害派遣要請が出され、0400過ぎにUH-60Jヘリ１機が出動した。現場周辺は海霧が濃く、上空から海面を視認することができず捜索を中止し、0600前に撤収要請を受けた。2013年4月、松島基地エプロンに簡易格納庫が竣工。UH-60Jヘリ１機からU-125A救難機１機＋UH-60Jヘリ２機に態勢を強化した。5月18日1448頃、福島県沖を震源とする震度５強の地震が発生したため、1501から1802まで航空機で情報収集を行った。2014年1月6日、初飛行訓練を実施。4月、新格納庫が竣工。定時飛行後点検が可能となり、U-125A救難機２機＋UH-60Jヘリ２機の態勢となった。2015年2月17日1346、岩手県沖を震源とするマグニチュード5.7・最大震度５強の地震が発生したため、1350からU-125A救難機１機で情報収集を実施。5月13日0612頃、宮城県沖でマグニチュード6.8の地震が発生し、最大震度５強を観測したため、航空機により情報収集を行った。12月2日、松島基地で新庁舎高台移転式典を実施。2016年4月13日、金華山東168海里の中国漁船で乗員が頭部を負傷したため、U-125A救難機１機とUH-60Jヘリ１機で負傷者を松島基地に輸送した。2017年8月27-28日、福島県福島市不動沢橋付近に墜落したモーターグライダーの捜索に参加。2018年1月9日、年初飛行訓練を実施。9月27日に福島県沖で行方不明になった小型機の捜索に参加。2020年9月18日、創設60周年記念式典を実施。9月29日1520、訓練飛行中のUH-60Jで駆動系の警報灯が点灯したため、1520頃に宮城県石巻北高校飯野川校グラウンドに予防着陸した。人的・物的被害は無かった。点検整備で安全性を確認し、9月30日1243に離陸して松島基地に戻っている。2021年1月6日、U-125A救難捜索機とUH-60Jヘリで初飛行訓練を実施。2月13日2308頃、福島県沖を震源とする最大震度６強の地震が発生したため、情報収集を行った。2022年3月16日2336頃、福島県沖を震源とする最大震度６の地震が発生したため、U-125A捜索救難機とUH-60J救難ヘリで情報収集を行った。参考：松島救難隊ホームページ、航空救難団ホームページ、月刊航空ファン6,’11、5,’17、2,’16、6,’16、11,’16、5,’17、11,’17、4,’19、3,’20、JWings7,’11、5,’12、4,’13、7,’13、5,’15、11,’17、3,’18、12,’18、12,'20、6,'22、MAMOR vol.52、朝雲

　＜松島救難隊（２０１５年）＞：航空救難団隷下で、松島基地に配備されている。U-125A、UH-60Jを装備する。参考：月刊航空ファン4,’16

　＜松島救難隊（２０２０年）＞：航空救難団隷下で、松島基地にある。U-125A、UH-60Jを装備する。参考：月刊JWings6,’20

＜松島飛行場＞：日本海軍の飛行場。昭和17年5月、滑走路２本の飛行場として完成し、館山航空隊松島派遣隊が展開、対潜哨戒を行った。昭和18年3月（2月？）、ラバウルから帰還した第201航空隊が展開し、再編に入った。その後滑走路２本を追加し、大型機の運用を可能としている。昭和19年8月1日、松島海軍航空隊が開設された。12月、本土空襲が始まると、関東から空襲退避で飛来する海軍機で溢れるようになった。戦後は松島基地になった。参考：月刊航空ファン3,’20、月刊JWings11,’18

＜マッシュルーミング＞：銃弾（ダムダム弾など）が目標に命中した際、先端が潰れてマッシュルーム状になること。これにより抵抗が増し、目標内で銃弾のエネルギーを100％消費でき、破壊力が高い。手負いの動物（人間を含む）を出さない、貫通弾による付随被害を出さないなどの目的がある。参考：GUN用語事典

＜マッシュルーム＞：ソ連の機上迎撃レーダーのNATOコード。Tu-16バジャーＢ、Il-28ビーグル、Tu-95ベアD/E、M4バイソンA/B/C、Yak-28ブリュワーＢ、Mi-4ハウンド、Ka-25ホーモンの一部に搭載されている。参考：ザ・マーチ17号

＜松代大本営＞：日本陸軍が本土決戦に備えて長野県松代周辺に建設していた地下大本営の通称で、秘匿のためにイ号倉庫、ロ号倉庫、ハ号倉庫と命名され、工事自体はマ工事と呼ばれた。日本本土空襲が開始され、爆撃による大本営の機能喪失が懸念されたため、陸軍省で移転が提案され、当初は八王子周辺を予定していたが、後に松代周辺に変更された。地盤が固い、広さを確保できる、防諜に便利、飛行場に近いといった利点の他に、信州が神州に似ている、皆神山という山があって縁起が良いなどの理由もあったらしい。最初は大本営のみの移転を考えていたが、空襲が激化したため宮城の移転を追加、東条首相は政府機能の一部も加えることにし、更に日本放送協会の一部も移すことになった。戦闘部隊は配備されておらず、警備要員だけで、要塞陣地だった訳ではない。政府と日本放送協会が入るイ号倉庫は10000人を収容可能とされ（トイレの数から計算すると4000人前後らしい）、大本営が入るロ号倉庫は2000人を収容（トイレは500人分だった）する。ハ号は食料庫、ニ・ホ・ヘ号は送信施設、ト号は受信施設である。チ号は皇太子・皇太后の住居、リ号は印刷局で、海軍省と軍令部の入る海軍壕や、賢所も設けられる予定だった。建設要員は朝鮮からの強制連行者と、付近の勤労報国隊員の計10000人といわれる。昭和19年10月4日に正式な建設命令が出され、マ（10・４）工事によりイ号・ハ号・ロ号倉庫の建設を開始。昭和20年3月、マ（３・23）工事により仮皇居と通信施設の建設を開始。6-7月にも工事が発注されたが、延べ61万人により総床面積４万平方メートルが完成したところで終戦を迎えた。終戦時、イ号は80%、ロ号は89%、ハ号は70%、ト号は65%の進捗率で、賢所と海軍壕は建設を始めたばかり、ホ・ヘ・チ・リ号は建造に着手されていなかった。現在、一部が信州大学宇宙船観測所や気象庁精密地震観測室になっており、象山地下壕の一部が一般公開（無料。第３火曜日と年末年始が休日）されている。参考：歴史群像8,’02、月刊丸8,'15別冊

＜マッセナ＞：フランス海軍マッセナ級前弩級戦艦Masséna。1898年5月25日竣工。1905年8月、イギリスを訪問した。1913年1月6日、主缶が爆発する事故を起こして大破した。以降はハルクとして使用されている。1915年11月9日、ガリポリ上陸作戦で防波堤として沈められた。参考：月刊世界の艦船11,’20

＜マッセナ級＞：フランス海軍前弩級戦艦Masséna級。フランス戦艦初の３軸推進艦で、艦首は衝角様のスノート・バウ、舷側はタンブルホームである。全長117.1m、常備排水量11735トン。主機はレシプロ蒸気機関３基、速力18ノット。兵装は30.5cm単装砲２門、27.4cm単装砲２門、13.8cm単装砲８門、10cm単装砲８門、45cm魚雷発射管４門。マッセナが1898年に竣工した。参考：月刊世界の艦船11,’20

＜マッターホルン＞：K18（カノン砲）を参照。

＜マッタフォン＞：タイ海軍揚陸艇Mattaphon。満載排水量450トン。2010年12月就役。2011年2月7-18日、コブラゴールド2011に参加。参考：月刊世界の艦船5,’11

＜マッチ＞：日本海軍用語で、布きれや雑巾のこと。内舷マッチともいう。参考：赤十字の旗なにわに百年

＜マッチボックス作戦＞：イギリス軍による、第２次大戦終了直後のドイツ人科学者連行作戦。参考：月刊軍事研究11,’09

＜マッチャーヌ＞：タイ海軍マッチャーヌ級潜水艦１番艦Machanu。1936年5月起工。1951年に退役した。艦橋と機銃がタイ海軍博物館に展示されている。参考：月刊世界の艦船5,’15

＜マッチャーヌ級＞：タイ海軍潜水艦Machanu級。三菱重工神戸造船所で建造し、輸出したものである。行動圏が熱帯なので、冷蔵・冷凍設備を搭載した。全長51m、水上排水量375トン、水中排水量430トン。主機はディーゼル・電動機２基、２軸推進、水上速力15.7ノット、水中速力8.1ノット、潜航深度60m。兵装は45cm魚雷発射管４門、8cm単装砲１門。乗員29名。マッチャーヌ、ウイルン、シンサムッタ、プラーイチュンポーンが1937-38年に引き渡された。参考：月刊世界の艦船5,’15、12,’15

＜マッチレス＞：G52（駆逐艦）を参照。

＜マッチ・ロック＞：火縄銃のこと。筒状の銃身底部がネジで閉鎖されていて、その直前が薬室の役割を果たし、ここに横穴が開いていて銃身外部の火皿と呼ばれる火薬入れに繋がっている。銃身先端から発射薬を入れ、次いで球形の弾丸を入れて棒で押し込む。火皿に口薬と呼ばれる点火薬を入れ、火縄に火を付けて火挟みに固定する。引き金を引くと、火挟みが倒れて火縄が口薬に押しつけられ、口薬経由で発射薬が点火されて弾丸が発射される。1450-1500年頃にヨーロッパで開発され、日本には1543年頃にポルトガルから種子島へ伝わった。戦闘時に火を絶やすことが出来ず、雨が降ると発射不可能で、速射もできず、１発ごとに照準を合わせ直す必要があり、弓矢ほどの実用性は無かった。参考：MAMOR vol.132、GUN用語事典

＜マッツ・コニー＞：C-121輸送機ファミリーを参照。

＜マッドキャップ＞：An-72輸送機ファミリーを参照。

＜マット・グロッソ級＞：アレン・Ｍ・サムナー級駆逐艦（ブラジル海軍）を参照。

＜松戸駐屯地＞：陸上自衛隊の駐屯地。元は昭和15年に開設された逓信省松戸中央航空機乗員養成所で、当時に建てられた航空機格納庫が保管倉庫として使用されている。ただ痛みが酷く、強風で窓ガラスが落ちてくるため、倉庫前は通行禁止にされてしまった。第１空挺団所在地に近く、落下傘整備施設もある。広報展示室には明治天皇の手袋や自衛隊の史料などが展示されている。所在地は千葉県松戸市五香六実17。新京成線元山駅から徒歩３分。C-1輸送機の強度試験機が屋外展示されている。1952年に開設された。1966年3月、第107特科大隊が横浜駐屯地から移駐した。1996年、需品学校長が上富良野駐屯地のご当地カレーを賞味したのがきっかけで、ナスとピーナツバターを入れた松戸カレーを隊員食堂メニューとして提供するようになった。2010年3月28日、地元社会福祉協議会主催で第３回ふれあい会食会桜まつりを開催。松戸市の高齢者やボランティアなど90人が駐屯地内で花見などを楽しんだ。2011年3月11日、東日本大震災で建物の一部が破損した。2012年4月17日、スペースシャトルのディスカバリー号に積まれて宇宙を旅した松戸白宇宙カボチャの種を譲り受け、野草園で栽培を開始。9月10日、松戸白宇宙カボチャの収穫に成功。これを使用した松戸カレー60A（60th Anniversaryの略）という隊員食堂メニューも開発した。2016年3月1日、東部方面音楽隊の支援を受けてらっぱ競技会を実施。2020年2月24-28日、令和元年度日米共同統合防空・ミサイル防衛訓練に参加。2021年7月6日、防衛監察本部が第50回コンプライアンス講習会を実施。参考：JGround Vol.23、スピアヘッドNo.2、千葉県隊友会ホームページ、月刊丸4,’13、朝雲、月刊JWings10,’11、5,'20、MAMOR vol.91、横浜駐屯地ホームページ

　＜松戸駐屯地（２０１５年）＞：第２高射特科群（群本部／本部管理中隊、第337高射中隊、第302高射搬送通信中隊）、需品学校、需品教導隊、関東補給処松戸支処、第301高射直接支援中隊第３直接支援小隊、第301高射直接支援中隊通信電子整備班、第320基地通信中隊松戸派遣隊、第127地区警務隊松戸連絡班が駐屯している。参考：千葉県隊友会ホームページ、陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜松戸飛行場＞：日本陸軍の飛行場。昭和14年、千葉県松戸市に開設された。昭和19年2月、軍機保護法施行規則に基づく陸軍大臣所管の機密飛行場に指定された。参考：首都防空網と空都多摩

＜マッド・ファイアーズ＞：DARPAとレイセオン社が開発している57mm単装砲Mk110用57mmロケットアシスト弾MAD FIRES（Multi Azimuth Defense Fast Intercept Round Engagement System）。ミサイル並みの精度を持つ砲弾を速射し、群がり寄る対空・対水上目標を片っ端から叩き落とすというのがコンセプトである。2015年から開発され、2019年5月にロケット・アシスト関連の試射に成功した。2020年半ばにシーカー精度向上の第３段階契約を結んでおり、2022年末までに完成させる予定。参考：月刊世界の艦船3,’21

＜マッド・フォックシズ＞：VP-5（哨戒飛行隊）を参照。

＜マットレス＞：CXAM（レーダー）またはSK（対空レーダー）を参照。

＜松場秋夫＞：大正3年、三重県生まれ。昭和10年3月、海軍操縦練習生を卒業。昭和11年11月、加賀に乗艦した。昭和12年8月16日、上海上空でO-38を共同撃墜した。霞ヶ浦航空隊、龍驤、岩国航空隊、元山航空隊、大分航空隊などに所属した後、昭和18年11月、第301航空隊戦闘601飛行隊に配属された。昭和19年6月末から硫黄島に進出。7月3-4日にかけてF6F戦闘機６機を撃墜した。7月、戦闘701飛行隊に転属となり、台湾沖航空戦とレイテ航空戦に参加。第343航空隊に転属となり、終戦を迎えた。総撃墜数18機。最終階級は中尉。参考：日本海軍戦闘機隊

＜マッハ角＞：マッハ・コーンの半頂角のこと。Sin（マッハ角）＝飛行マッハ数の逆数、という関係式が成り立ち、マッハ1.4で45度、マッハ２で30度である。参考：航空用語事典増補改訂版

＜マッハ計＞：Mach meter。総圧が静圧とマッハ数のみの関数であることを利用したもので、ピトー静圧管の動圧に静圧を加えて総圧を計算し、アナログ計算でマッハ数に換算、表示する計器である。参考：航空用語事典増補改訂版

＜マッハ・コーン＞：Mach cone。ある物体が音速未満で飛翔していると、物体からの音は全周で聞くことができるが、音速で飛翔すると、音が物体と一緒に伝わってくるので、物体より前方では聞こえなくなる。物体が超音速で飛翔すると、物体から発生する音は、物体を頂点として後方に拡がる円錐の中でのみに聞こえるようになるが、この円錐をマッハコーンという。物体先端から発生する衝撃波が弱い場合には、ほぼマッハコーンに沿って衝撃波が形成され、マッハコーンの外側では気流が常に超音速となる。航空機の先端から発生するマッハ・コーンの内側に主翼全体が収まるよう設計すれば、主翼周囲の気流を亜音速に抑えることができ、前縁部が超音速になることで生じる空気抵抗の増大を抑制することが可能となる。ただし主翼が厚いとマッハコーンの内側でも衝撃波が出てきてしまうので、翼厚比を小さくしておく。参考：航空用語事典増補改訂版、世界の傑作機No.120、No.104、月刊JWings10,’09別冊付録

＜マッハ数＞：Mach number。飛行機など物体周囲の流れの速さ（＝飛行機などの真対気速度）と、その場所の音速の比で、マッハ１、マッハ２などと表す。空気の圧縮性が問題となるような高速領域では、速度を絶対値で表すよりも音速との比で示した方が流体の性質を表現しやすいため、この値が用いられる。また、高度や重量に依らず巡航速度や制限速度などを表示できる。高速空気力学で先駆的な研究を行ったオーストリアの物理学者・哲学者エルンスト・マッハにちなみ、スイスのヤコブ・アッケレートが命名した。参考：航空用語事典増補改訂版、世界航空機年鑑2018-2019

＜マッハ・バスター＞：X-1（実験機）を参照。

＜マッハ波＞：音速と等しい速度で伝わる衝撃波のこと。超音速の衝撃波でも、発生源から離れると次第に減衰し、いずれマッハ波になる。参考：航空用語事典増補改訂版

＜マッハ反射＞：爆弾が地表からある高度で炸裂した場合、地表に達した衝撃波が反射して空中を広がる衝撃波とぶつかり、地表面と垂直な波面を持つ第３の衝撃波（マッハステム）を構成する現象。このマッハ反射を利用すれば、地上炸裂時よりも効力半径を50%以上増大できる。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜マッピング・レーダー＞：地上及び海上の地形・目標情報を入手するためのレーダー。1939年にイギリスで開発され、自機の位置確認や目標捜索に使用された。朝鮮戦争頃には地形データを基地まで持ち帰って分析することが可能となり、地上偵察に使用されるようになった。更に側視レーダーや合成開口レーダーの登場で、移動目標と停止目標の区別や高解像度画像の入手も可能となった。参考：スパイ機

＜マップソウ＞：MUPSOW（空対地スタンドオフ兵器）を参照。

＜松村百人＞：まつむらももと。日本海軍エース。大正4年、山口県生まれ。昭和9年、海軍に入隊し、昭和10年11月に操縦練習生を卒業、日華事変勃発で第12航空隊に配備されて上海に着任した。12月、第13航空隊に転属。昭和13年2月25日、初陣で南昌に出撃し、７機（不確実３機含む）を撃墜した。3月、第12航空隊に転属となった。5月31日、漢口上空で３機を撃墜した。昭和14年1月、赤城の乗員となった。次いで岩国航空隊、大分航空隊の教員となり、昭和17年7月に第6航空隊に転属、8月下旬にラバウルに進出した。昭和18年4月、飛曹長に昇進し、岩国航空隊教官となり本土に帰還。その後鈴鹿航空隊、神ノ池航空隊で教官を務め、昭和19年8月に第601航空隊戦闘第161飛行隊に所属、10月24-25日に比島沖海戦に参加したが、母艦の瑞鶴が沈没したため不時着水し、駆逐艦初月に救助された。10月25日夜、初月がアメリカ艦隊の攻撃を受けて沈没、行方不明となり、戦死認定された。公認撃墜数13機。最終階級は少尉。参考：日本海軍戦闘機隊

＜松本サリン事件＞：1994年6月27日2240頃、長野県松本市深志の住宅街駐車場から、オウム真理教の幹部ら５名（予めピリドスチグミンを内服、自作のガスマスクと防護服を着用し、PAMも用意していた）が、上九一色村のクシティガルバ棟で作った精製サリンを、２トン保冷車改造のコンピュータ制御式噴霧車から10分間にわたり撒布した。目的は、外界が毒ガスに満ちているなどとする教祖の説法の正しさを証明すること、製造したサリンの殺傷力テスト及びオウム真理教に関する民事訴訟の妨害である。サリンと不純物が空中の水分と反応して白煙が立ち上り、当時の風速は0.4mと遅かったことからサリンは現場付近に滞留し、住民のみならず通報により駆けつけた警察官や救急隊員も被害に遭い、７人が死亡、586人（593人？）が負傷した。死者はいずれも共同住宅の2-3階の住人で、窓を閉じていた１階の住人からは死者は出なかった。また、付近の草が枯れているのが発見された。民事訴訟を担当していた裁判官官舎も駐車場から30mのところにあり、判事１人が入院し、裁判判決が延期された。6月28日、長野県衛生公害研究所のガスクロマトグラフィーによる分析結果から、原因はサリンと思われる物質であると判明。ただ標準物質が無いので確定は出来ず、警察は7月3日にサリンと推定される物質が付近から検出されたと発表した。当時はサリンに関する知識が不十分で、たまたま農薬を所持していた第一通報者が犯人扱いされてしまった。参考：化学・生物兵器概論、図解雑学生物・化学兵器、月刊軍事研究8,’95、1,’08

＜松本駐屯地＞：陸上自衛隊の駐屯地。秀峰館には日本軍や長野オリンピックの資料が展示されている。所在地は長野県松本市高宮西1-1。JR南松本駅からタクシー４分、徒歩10分。JR松本駅からバス。1950年12月に開設された。1962年7月、第12特科連隊第２大隊が宇都宮駐屯地から移駐した。1991年3月、第５施設群第316施設隊が同第353施設中隊に改編された。2001年3月、第353施設中隊が高田駐屯地に移駐した。2009年4月28日、長野県議会総合安全保障問題調査議員連盟の議員11人に対する防衛講話や史料館・装備品見学を実施。2011年8月29日、県経営者協会、県農業協同組合中央会など５団体が主催し、東日本大震災で災害派遣された松本駐屯地駐留部隊を慰労する県民感謝の集いを実施。2012年12月1日、駐屯地協力者など22人にUH-1ヘリによる体験飛行を実施。2013年1月11日、新成人隊員27名の成人記念行事を実施。5月14日、30年にわたり駐屯地医務室に医師を派遣している松本市の倉田病院に感謝状を贈呈した。2014年1月10日、新成人隊員23名の成人記念行事を実施。3月6-7日、県立松本盲学校の依頼でマッサージ実習に協力し、延べ60名の隊員が施術を受けた。2016年1月8日、成人記念行事を実施。3月30日、入隊予定者16名を長野地本部員と長野地域事務所員が長野県第２合同庁舎駐車場から見送った。2017年2月18-19日、松本大学で子供向け職業体験イベントあるぷすタウンに協力し、野営体験や高機動車体験試乗などを行った。11月18日、長野地本が自衛官候補生採用予定者を対象に採用予定通知書授与式を実施。2018年2月1-28日、フリースローバスケットボール大会を行い、第102施設直接支援大隊第１直接支援隊が優勝した。4月27日、首都直下地震が発生し、東京都周辺に甚大な被害が発生したとの想定で、応急出動訓練を実施。0500に緊急登庁命令を発してから第13普通科連隊や第306施設隊などの主力が前進準備を完了するまでの行動を確認・検証した。5月12日、太鼓クラブ松本アルプス太鼓が入間基地ランウェイウォーク2018で演奏を披露した。2019年3月11-12日、駐屯地広報班が松本盲学校生徒によるマッサージ施術会を実施。5月15-17日、長野県内各企業新入社員に隊内生活体験を実施。7月27-28日、太鼓クラブ松本アルプス太鼓が国宝松本城太鼓まつりで演奏を披露した。8月3日、新隊員教育隊が松本市夏祭り松本ぽんぽんに松本自衛隊連として参加し、220連中５位「グッドダンス賞」を受賞した。2020年8月3日、長野地本が長野県任期制隊員合同企業説明会に向けた若手隊員事前教育を実施。11月21-22日、長野地本が自衛官試験合格者やその家族ら80人に駐屯地見学会を実施。2021年1月8日、飯山市、白馬村、野沢温泉村と、スキー競技会運営協力協定に調印した。4月5日、基本訓練場で自衛官候補生72名の令和3年度自衛官候補生入隊式を実施。11月12日、第12旅団第12音楽隊の協力を得て長野県隊友会と共催で自衛隊医殉職隊員42柱の追悼式を実施。2022年1月11日、新成人隊員28名の成人行事を実施。参考：高田駐屯地ホームページ、宇都宮駐屯地ホームページ、朝雲、JGround Vol.23、MAMOR vol.91、vol.149

　＜松本駐屯地（２０１５年）＞：第12旅団第13普通科連隊、第１施設団第306施設隊、東部方面会計隊第335会計隊（3月26日から第379会計隊松本派遣隊）、松本駐屯地業務隊が駐屯している。参考：陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜松本駐屯地業務隊＞：陸上自衛隊の駐屯地業務隊。1966年、初の小梅漬けを実施。2009年6月13日、食糧班が梅漬けを実施。50kgの梅の実に塩を揉み込み、シソの葉と混ぜて漬け込んだ。7月下旬には漬け上がって食堂で提供される。2014年6月4日、糧食班が恒例の梅漬けを実施。11月12日、駐屯地女性友の会の協力を受け、野沢菜・大根漬けを製作。野沢菜150kgと大根200kgを漬け込み、１ヶ月後から駐屯地隊員に提供した。2016年1月27日、臨時物品現況調査を行い、全リヤカーの保有状況・状態確認を行った。2018年11月28日、毎年冬季恒例（1964年以来54回目）の野沢菜・大根漬けを実施し、隊員11名が野沢菜160kgと大根100kgを漬け込んだ。2019年2月27日、豚コレラ対処部隊支援の功績で、東部方面総監から３級賞状を授与された。6月12日、食堂で第53回小梅漬けを実施。2022年5月31日、駐屯地食堂で小梅漬けの漬け込み作業を実施。梅20kgと赤紫蘇4kgを漬け込んだ。参考：朝雲

＜松本飛行場＞：日本陸軍の飛行場。参考：月刊JWings11,’18

＜松本丸＞：日本海軍特設艦船。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は連合艦隊補給部隊に所属していた。参考：帝国海軍太平洋作戦史Ⅰ

＜松山海軍航空隊＞：日本海軍航空隊で、愛媛県温泉郡にある。飛行予科練習生教育を行う。参考：陸海軍学校と教育

＜松山駐屯地＞：陸上自衛隊の駐屯地。敷地面積142000平方メートル。所在地は愛媛県松山市南梅本町乙の115。伊予鉄道牛渕団地前駅から徒歩10分。大元は1950年に開設された警察予備隊松山訓練所で、当時は三津浜町にあったが、狭かったので1955年に小野村の旧歩兵第22連隊演習場に移って小野駐屯地になり、1967年に小野村が松山市と合併したのを受けて松山駐屯地になった。1961年12月2日、第２教育団第108教育大隊が信太山駐屯地から移駐してきた。1969年7月29日、第２教育団第４陸曹教育隊が信太山駐屯地から移駐してきた。8月1日、第108教育大隊が廃止された。1994年3月24日、第４陸曹教育隊が大久保駐屯地に移駐した。2009年6月8日、新隊員教育隊が駐屯地周辺で25km行進訓練を実施。2011年1月7日、新成人14名がFH70をロープで50mほど引っ張った。8月9-10日、隊友会特別会員の４人に対する体験入隊を実施。2012年1月6日、新成人17名がFH70と81式短距離地対空誘導弾をロープで50mほど引っ張った。2013年1月11日、新成人隊員の成人行事を実施。FH70と81式短SAMをロープで引っ張った。2017年8月、北朝鮮軍による弾道ミサイル連射を受け、PAC3部隊が展開を開始。2018年2月9日、中部方面混成団第110教育大隊が善通寺駐屯地から移駐した。3月、第14特科隊が中部方面隊特科隊に、第14高射特科中隊が第14高射特科隊に改編された。7月31日、北朝鮮軍による弾道ミサイル発射の恐れが当面低くなったとして、PAC3部隊が撤収した。2020年4月11-12日、中部方面混成団第47普通科連隊が令和2年度即応予備自衛官招集訓練開始式を実施。2021年4月22日、長野地本が令和2年度優秀出張所等表彰式と令和3年度出陣式を実施。参考：松山駐屯地ホームページ、中部方面混成団ホームページ、JGround Vol.23、月刊軍事研究11,’18、朝雲

　＜松山駐屯地（２０１５年）＞：第14旅団第14特科隊、第14高射特科中隊、第14後方支援隊第２整備中隊特科直接支援小隊、同中隊高射直接支援小隊、中部方面会計隊第358会計隊（3月26日から第348会計隊松山派遣隊）、第323基地通信中隊松山派遣隊、第133地区警務隊松山連絡班、松山駐屯地業務隊が駐屯している。参考：松山駐屯地ホームページ、陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜松山駐屯地業務隊＞：陸上自衛隊の駐屯地業務隊。2018年7月25日、愛媛県自衛隊家族会、隊友会と、隊員家族支援協力に関する協定を締結。2019年11月9日、愛媛県自衛隊家族会、愛媛県隊友会と、松山駐屯地厚生センターで家族支援訓練を実施。参考：朝雲

＜松山駐屯地業務隊（２０１５年）＞：隊員数は隊長以下70名。総務科、管理科、補給科、厚生科、衛生科からなる。参考：松山駐屯地ホームページ

＜松山飛行場＞：日本陸軍の飛行場。昭和20年、埼玉県比企郡宮前村に開設された。参考：首都防空網と空都多摩

＜松山飛行場＞：日本海軍の飛行場。参考：月刊JWings11,’18

＜まつゆき＞：DD-130（護衛艦）を参照。

＜松輸送＞：太平洋戦争時、絶対国防圏の西－南西部に位置するマリアナ諸島、カロリン諸島、パラオ諸島に守備兵を送り込む輸送作戦で、1944年3月から開始された。第52師団をトラックへ、第43師団をサイパン島へ、第29師団をグアム島へ、第14師団をパラオ島へ、第109師団を硫黄島へと輸送、5月下旬までに終了した。参考：月刊軍事研究10,’05

＜松輪＞：日本海軍択捉型海防艦Matsuwa。昭和18年3月23日竣工、佐世保鎮守府付属艦となった。4月1日、第１海上護衛隊に転入した。昭和19年5月24日、ボルネオ西方でSS-270レイトンの雷撃により損傷した。8月17日からヒ71船団の護衛に参加。8月22日、マニラ西方でSS-257ハーダーの雷撃により沈没した。参考：月刊丸7,’14、第２次大戦日本海軍作戦年誌、輸送船入門

＜待て＞：日本海軍の号令。単に待機するのではなく、号令がかかった時の姿勢をそのまま保つので、静止画像のような状況になる。海軍兵学校ではその場で不動の姿勢をとり、手が離せない時はそのままの姿勢でいる。参考：海軍よもやま物語、海軍兵学校岩国分校物語

＜マディソン＞：DD-425（駆逐艦）を参照。

＜マデナ＞：F702（フリゲート）を参照。

＜マデナ級＞：F2000S級（フリゲート）を参照。

＜マ・デュース＞：M2シリーズ（重機関銃）を参照。

＜マデラ＞：APA-244（攻撃輸送艦）を参照。

＜マテリアル・ド・１０５＞：ルノーFT17戦車ファミリーを参照。

＜マテリアル・ド・１０５長Ｍ１９１３＞：シュナイダー戦車ファミリーを参照。

＜磨刀石の戦い＞：昭和20年8月9日、太平洋戦争でのソ連侵攻を受け、満州東部の石頭予備士官学校では士官候補生ら850名からなる猪俣大隊を編成し、石頭の北にある磨刀石でソ連軍との戦闘に入った。押し寄せるソ連第１極東方面軍１個機甲軍団・４個軍団（戦車・自走砲720両、カチューシャ432両、野砲3509門）に対し、周辺駐屯部隊が本土防衛に引き抜かれてしまった予備士官学校にはろくな兵器が無く、押し寄せるソ連戦車に対して士官候補生は工業用爆薬を10kgずつ小分けして鞄や個人用天幕に詰め、信管代わりに手榴弾をセット、体に巻き付け個人用掩体（タコツボ）から敵戦車の履帯目掛けて突入した。動きを止めた敵戦車に乗り込んで他の戦車を砲撃破壊する予定だったが、戦車の銃砲撃、戦車跨乗兵のPPSh41、火炎放射器による激しい反撃を受け、手榴弾の起爆秒時と突入のタイミングが合わずに爆死する候補生も続出し、２日間の戦闘で大隊850名のうち750名が戦死している。参考：朝雲

＜マドゥマティ級＞：バングラデシュ海軍哨戒艇Madhumati級。兵装は57mm砲１門。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜マトカ級＞：ソ連海軍206型水中翼ミサイル艇Matka型。全長39.6m、満載排水量264トン。主機はディーゼルで、速力40ノット。兵装は76mm単装砲１門、P-15M/P-27R艦対艦ミサイル単装発射筒２基、AK630CIWS１基。1977-80年代前半にボロフスクなど20隻が竣工した。参考：月刊世界の艦船6,’15、THE MILITARY BALANCE 2016

＜マドセン機関銃＞：デンマークのマドセン社が開発した7.92mm機関銃。25発入りボックスマガジンを使用する。1942年からはドイツ国防軍がベルト給弾式のものを再生産させた。全長1.15m、銃身長0.478m、重量10kg。口径7.92mm、発射速度毎分1100発。給弾は100発ベルトリンク。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.3

＜マドセン・ライトオートマチックライフル＞：デンマークのダンスク・インダストリー・シンディカット社が開発した突撃銃。アルミニウム合金を多用して軽量化してあるが、使用弾が7.62mm×51弾なので反動が大きいという欠点がある。製造にも手間がかかり、採用されなかった。全長1.15m、銃身長0.58m、重量4.8kg。ライフリングは４条右回り。装弾数20発。参考：最新軍用ライフル図鑑

＜マトソ・マイヤ＞：ブラジル海軍ニューポート級戦車揚陸艦Mattoso Maia。元はアメリカ海軍ニューポート級戦車揚陸艦LST-1186カユーガで、リースして1994年に就役させた。2000年、アメリカから購入した。2011年から大規模修理に入っている。参考：月刊世界の艦船12,’12

＜マドックス＞：DD-622（リバモア級駆逐艦）またはDD-731（アレン・Ｍ・サムナー級駆逐艦）を参照。

＜マトラ＞：フランス軍のレーザー誘導爆弾MATRA。1980年代初めに実戦配備された。重量250kg、400kg、1000kgの３種類があり、誘導キットは他の通常爆弾にも装備可能である。使用するレーザー照射器はAtrisⅡ。参考：軍事分析湾岸戦争

＜マトラ２５０ｋｇ爆弾＞：フランスの250kg爆弾で、ドイツやアメリカでも使用されている。信管はM904E2、M904E3、M905。全長2.121m、直径0.324m、尾翼スパン0.456m、重量247kg（ドイツ軍用は237kg）。参考：ワイルドウエポン

＜マトラＢＡｅダイナミクス＞：マトラ・ディフェンス社とBAeが1996年に共同で設立したミサイル会社。1998年にシーメンス・プレッシー・システムを買収して子会社にした。2001年、MBDA社に統合された。参考：月刊軍事研究2,’08

＜マトラ・ディフェンス社＞：1996年、BAe社と共同でマトラBAeダイナミクスを設立した。参考：月刊軍事研究2,’08

＜マトリックス・テクノロジー＞：ALIAS（自動操縦装置）を参照。

＜マトロゾス＞：S-123（潜水艦）を参照。

＜マナーズ＞：K568（フリゲート）を参照。

＜マナート・Ｌ・エーブル＞：DD-733（駆逐艦）を参照。

＜マナーマ対話＞：地域安全保障サミットを参照。

＜俎板戦法＞：反斜面陣地に浸透戦術で攻撃を仕掛ける部隊に対し、陣地の曲射砲や隣接陣地の機関銃、後方の野砲で反撃する戦法のこと。最終的には浸透した敵を近接白兵戦で追い出す。参考：月刊軍事研究11,’06、歴史群像8,’17

＜馬奈木機関＞：ベルリン陸軍武官室真奈木敬信陸軍大佐をトップとする特殊機関。昭和11年に日独防共協定、昭和12年春に日独共同情報活動に関する協定が締結されたのを受け、ドイツ国防軍情報部アプヴェーアとの共同対ソ諜報工作に入った。更にドイツへの接近を図っていたエストニアの対外諜報機関であるエストニア軍参謀本部第二部と、昭和11年にラトビア駐在陸軍武官となった小野寺信少佐が協力関係を築いていたことから、エストニア軍も引き込んで３カ国共同での対ソ諜報工作を行っている。まずはソ連の一部だったウクライナとジョージアの政権転覆を謀ることにし、亡命者組織と接触を図ったが、ソ連側に工作が筒抜けになったため失敗。次いでソ連領内に多数の工作員を送り込むことにし、スターリンによる大粛正で国境警備が甘くなっている隙にトルコ、バルト三国、フィンランドなどを経由して年間40人くらいを潜入させた。ソ連では1938-39年頃にエストニア国境ペイプス湖畔で森林の大量伐採を行い監視所を敷き詰めており、馬奈木機関による潜入工作を察知して国境警備を強化したらしい。第２次大戦が迫るとドイツがソ連との接近を図ったため活動が低調になり、1940年6月にソ連がバルト三国を併合して8月にラトビア駐在陸軍武官室が閉鎖され、エストニアとの協力関係は終了した。参考：月刊軍事研究8,’17

＜まなづる＞：R4D-6（輸送機）またはR4D-6Q（練習機）を参照。

＜真鶴＞：ク－７（グライダー）を参照。

＜真鶴（初代）＞：日本海軍隼型水雷艇Manazuru。明治33年11月7日竣工。大正8年4月1日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史

＜真鶴（２代目）＞：日本海軍千鳥型水雷艇２番艦Manazuru。昭和9年1月31日竣工。3月、友鶴事件に伴い舞鶴工作部でバラストを搭載するなど改装工事を受け、7月22日に佐世保に帰港した。この工事により最大速力が28ノット前後に低下した。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は建制では第２水雷隊、兵力部署では第21水雷隊に所属していた。昭和18年9月20日、大島那瀬湾で台風により座礁した。昭和19年9月8日、石垣島の西でアメリカ潜水艦の雷撃を受けて大破した。昭和20年3月1日、沖縄県那覇港でアメリカ艦上機の攻撃を受けて沈没し、昭和20年5月20日に除籍された。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、小艦艇入門、帝国海軍太平洋作戦史Ⅰ

＜マナビ＞：CM-12（コルベット）を参照。

＜マナワヌイ＞：A09（海洋観測艦）を参照。

＜マナワヌイ＞：ニュージーランド海軍マナワヌイ級水中処分母艦Manawanui。1988年就役。2018年に退役した。参考：月刊世界の艦船11,’00、11,’18

＜マナワヌイ級＞：ニュージーランド海軍水中処分母艦Manawanui級。北海油田の潜水作業支援船スター・パーシュースを改造したもので、レスキュー・チェンバー、ROV、再圧タンクなどを搭載している。全長43.6m、満載排水量911トン。主機はディーゼルで、出力1130馬力、２軸推進、速力10.7ノット。対機雷戦任務にも投入されるが、ソナーや機雷処分具は搭載していない。参考：月刊世界の艦船11,’00

＜マナワヌイ級＞：ニュージーランド海軍海洋観測艦Manawanui級。海洋観測艦レゾリューションと水中処分母艦マナワヌイの代艦で、新造する計画もあったが、民間海洋調査船エッダ・フォンを改造して済ませた。前甲板がヘリ甲板で、後甲板にはサルベージ用100トン・クレーンを装備する。マルチービーム・ソナーや再圧タンクなどを追加した。全長84.7m、全幅18m、吃水6.3m、排水量5700トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、推進はアジマス・プロペラ、最大速力15.5ノット（13ノット？）。乗員39名＋便乗者27名。A09マナワヌイが2019年に就役した。参考：月刊世界の艦船11,'20、6,’19

＜マニトウォック＞：LST-1180（戦車揚陸艦）またはPF-61（フリゲート）を参照。

＜マニプレータ（Ｂ）等診断装置＞：自衛隊の機器。ユニバーサル特機製。参考：月刊軍事研究4,’15

＜マニャス＞：トルコのアセルサン社が開発した地雷探知システム。磁気式探知装置、IEDジャマー、赤外線デコイを統合している。参考：月刊軍事研究7,’13

＜マニュアル・トランスミッション＞：Manual Transmission（MT）、手動変速機。シフトレバーを手動操作して変速するトランスミッションで、選択摺動式、ドッグクラッチ付き常時咬合式、シンクロメッシュ式がある。歯車付きシャフト２本の歯車の組み合わせを変えて変速する平行二軸式が主に使用され、クラッチを切ってエンジンの回転をシャフトに伝えないようにし、シャフト同士の回転数を合わせてシフトレバーの操作により歯車を噛み合わせ、クラッチを繋げて再びエンジンの回転をシャフトに伝達する。参考：自動車メカニズム図鑑、クルマのすべてがわかる事典

＜マニューバリング・エンベロープ＞：運動包囲線を参照。

＜マニラ・ベイ＞：CVE-61（護衛空母）を参照。

＜まにら丸＞：日本の病院船。昭和18年3月4日1120、パラオ南東135海里で魚雷２本による雷撃を受け、船体を損傷した。日本赤十字社が赤十字国際委員会に抗議文書を送付している。参考：日本赤十字社社史稿第５巻

＜マニング＞：DE-199（護衛駆逐艦）を参照。

＜マヌエル・ヴィラヴィセンシオ＞：F52（フリゲート）を参照。

＜マネーバッグス＞：CVW-5が部隊創設60周年を記念して新たに制定した優秀部隊トロフィーMoneybags。台座の上に信楽焼の雄狸が鎮座しており、Moneybagsはその金○袋のことである。雄狸はMUTHAトロフィー50周年記念でエースノベルティ商会が寄贈したもので、台座には正面に「KINBUKURO金袋」、正面向かって左側面に「友」、右側面に「五」の文字がある。2015年はVFA-102が受賞した。参考：月刊航空ファン8,’15

＜マノック＞：エドワート・マノック。イギリス空軍エースで、第１次大戦時に73機を撃墜した。1918年7月、対空砲火で戦死した。参考：戦闘機のしくみ

＜マノラ＞：オーストラリア海軍カニンブラ級揚陸輸送艦２番艦Manoora。元はLST-1193フェアファックス・カウンティである。1994年11月就役。2006年6月26日から7月28日まで、リムパック2006に参加。2011年2月1日退役。参考：月刊世界の艦船11,’00、6,’05、10,’06、5,’11

＜マハー・バンドーラ＞：F21（フリゲート）を参照。

＜マハチェカーラ＞：ロシア海軍プロジェクト21630型ブヤン級コルベット３番艦Mahachkala、艦番号015。2013年2月就役。7月3-7日、サンクトペテルブルクでIMDS2013に参加。参考：月刊軍事研究10,’13

＜マハツ＞：IAIが開発した中高度・長滞空無人機。自動離着陸能力を持ち、TV/IRミッション・光電子安定化ペイロード、EL/M2055合成開口レーダー多目標追跡捜査システムを搭載する。翼スパン16.6m、最大離陸重量1100kg、ペイロード250kg。エンジンはロタックス914ターボチャージャー付き４気筒４サイクル（100馬力）で、滞空時間52時間、航程1000km、レーダー指示回線距離200km。参考：月刊軍事研究6,’05

＜マハツ海外シリーズ＞

　＜ヘロン＞：輸出バージョンで、インド空軍とトルコ空軍が採用した。参考：月刊軍事研究6,’05

　＜ヘロン（トルコ空軍）＞：トルコ空軍無人機。アセルサン社製アセルファ300T監視システムを搭載する。2008年に10機を導入した。エンジン換装により高度30000フィート（9144m）を飛行できるようにする予定。参考：月刊軍事研究8,’09

＜マハディ＞：シーア派のサドル師を支持するイラクの民兵組織。2003年秋以降に、ムクタダ・アル・サドル師の私兵組織を中心に編成された。ムハンマド・ハキム師が爆弾テロで暗殺されてからはイランの宗教保守派との関係を強め、勢力を拡大、バグダッド南部のシーア居住区（通称サドル・シティ）を拠点として2003年10月頃からアメリカ軍の襲撃を開始し、2004年4月には数万人の組織になり、ナジャフやクファのモスクを占拠した。これに対し、連合軍暫定統治機構が機関誌の発禁や幹部逮捕といった対抗措置を執ったため、テロを激化させ、4月4日にはアメリカ兵８名を殺害。クートやカルバラにも勢力を広げていったため、アメリカ軍が掃討作戦を開始、ナジャフやカルバラで激戦となり、中核勢力の約半数を失ったといわれる。この時、マハディはモスクを武器弾薬庫として使用しており、他のシーア派勢力指導者の怒りを買い、シーア派最高権威のシスターニ師もイラク暫定政府側に付いたため、カルバラ及びナジャフからの全面撤退を余儀無くされた。2004年10月にアメリカ軍と停戦に合意したが、2006年初めにシーア派各派と連合を組んで勢力を拡大しているようである。参考：月刊軍事研究7,’04、12,’14、8,’04、10,’06

＜マハミル＞：11（掃海艇）を参照。

＜マハミル級＞：マレーシア海軍掃海艇Mahamiru級。ベースはイタリアのレリチ級で、建造したのはイタリア（アメリカ？）のインターマリン社である。船体はフレーム以外がGRP製。満載排水量620トン。兵装は40mm単装機関砲１門。1985年に艦番号11、12、13、14が就役した。参考：月刊世界の艦船7,’13、7,’15、JShips Vol.24

＜マハラジャ・レラ＞：マレーシア海軍ゴーウィンド級コルベット１番艦Maharaja Lela（19世紀の反英闘争活動家）。2017年8月24日進水。参考：月刊世界の艦船11,’17

＜マハラジャ・レラ級＞：ゴーウインド級（マレーシア海軍）を参照。

＜マハワンサ＞：1504（補給支援艦）を参照。

＜マハン＞：DD-364（マハン級駆逐艦）またはDDG-42（クーンツ級ミサイル駆逐艦）またはDDG-72（イージス駆逐艦）を参照。

＜マハン級＞：アメリカ海軍駆逐艦Mahan級。ファラガット級の改良型で、砲の配置などを変えている。後部マストは２番煙突の直後になり、第２・３番魚雷発射管が上甲板の両舷に移った。後期２隻は前部マストをポール状に換え、前部主砲を前方シールドのみから密閉式砲塔に変更するなどしており、ダントラップ級またはファニング級とも呼ばれる。全長104.1m、幅10.8m、吃水3m、基準排水量1500トン（DD-364は1450トン、DD-365、-376、-377は1465トン、DD-366から-369は1480トン、DD-384・-385は1490トン）。主機は二段減速歯車付ギヤード・タービン、出力49000馬力、２軸推進、速力36.5ノット。兵装は12.7cm単装両用砲５門、533mm４連装魚雷発射管３基。乗員173名。DD-364マハン、DD-365カミングス、DD-366ドレイトン、DD-367ラムソン、DD-368フラッサー、DD-369レイド、DD-370ケイス、DD-371コニンガム、DD-372カッシン、DD-373ショウ、DD-374タッカー、DD-375ダウンズ、DD-376カッシング、DD-377パーキンス、DD-378スミス、DD-379プレストン、DD-384ダンラップ、DD-385ファニングの18隻が1936-37年に就役した。参考：第２次大戦のアメリカ軍艦、月刊世界の艦船5,’11

＜マヒティス級＞：ギリシャ海軍哨戒艇Machitis級。兵装は76mm砲１門。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜マヒューリン＞：ウォーカー・マヒューリン。1918年12月5日、ミシガン州生まれ。第２次大戦では20.75機を撃墜した。朝鮮戦争にも参加し、MiG-15を3.5機撃墜したが、対空砲で撃墜されて北朝鮮の捕虜になっている。参考：歴史群像6,’10

＜マピロ＞：SS-376（潜水艦）を参照。

＜マフ・コブ＞：MR-103（射撃指揮レーダー）を参照。

＜マフラー（日本海軍）＞：日本海軍航空機乗員のトレードマークで、格好良さを追求するだけでなく、防寒、応急手当、不時着水時の鮫避けといった役目も果たした。小型機パイロットは離陸時にキャノピーを開放しているので、長さ150cm・幅40cmくらいの白いマフラーをなびかせて出撃していく。大型機は機内に籠もったままなので目立たず、マフラーを着用する者は少ない。参考：続日本海軍よもやま物語

＜ママイの丘＞：スターリングラード市街中央にある高地。スターリングラード戦における要所であった。

＜真水一滴、血の一滴＞：真水が貴重な日本海軍潜水艦の標語。参考：続潜水艦気質よもやま物語

＜間宮＞：日本海軍間宮型給糧艦Mamiya。名物は羊羹で、腰を抜かすほど美味しかったといわれる。羊羹の代わりにもみじ饅頭を供給したこともあった。大正13年7月15日竣工、運送艦に類別された。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は連合艦隊補給部隊に所属していた。昭和18年7月20日、瀬戸内海で興西丸と衝突事故を起こした。10月12日、父島の西南西300海里で後部にアメリカ潜水艦の雷撃を受けて大破した。昭和19年5月6日、五島列島南西でアメリカ潜水艦の雷撃を受けて大破した。12月20日、海南島三亜の東250海里でアメリカ潜水艦の雷撃を受けて沈没した。昭和20年2月10日に除籍された。参考：日本海軍特務艦船史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、小艦艇入門、歴史群像12,’10、帝国海軍太平洋作戦史Ⅰ

＜間宮型給糧艦＞：日本海軍給糧艦Mamiya型。当初は給油艦として設計されたが、途中で連合艦隊随伴給糧艦に変更された。18000名の３週間分の食糧（重量7.5トン）を搭載しており、冷蔵庫の容積は５万立方フィート（1416立方メートル）で、製氷機も積んでいてアイスクリームも製造できる。また、牛１頭を生きたままで積むことができ、各種食料庫やパン・菓子を含む調理設備を完備、料理人80名により調理を行った。医療設備や居住設備も充実しており、工作設備や無線装備も優秀で、演習では射撃標的を積んで仮想敵も務めている。補充用水偵も搭載でき、広範な能力を持つ支援艦として竣工後から戦没まで連合艦隊を支え続けた。垂線間長144.78m、最大幅18.59m、吃水8.43m、基準排水量15820トン。主機は直立式３気筒３段膨張式レシプロ蒸気機械２基、主缶はロ号艦本式石炭専焼水管缶８基、出力10000馬力、２軸推進、速力14.0ノット、燃料搭載量石炭3350トン・重油2100トン。兵装は三年式50口径14サンチ砲２門の予定だったが、日華事変では三年式40口径８サンチ単装高角砲２門と九六式連装機銃を搭載した。乗員283名（軍人200名＋軍属280名？）。間宮が大正13年に竣工した。参考：日本海軍特務艦船史、小艦艇入門、歴史群像12,’10、写真で見る海軍糧食史、JShips Vol.44

＜間宮の洗濯板＞：給糧艦間宮で作った羊羹のことで、巨大なためこう呼ばれる。極めて美味であり、自艦にどれだけ持って帰れるかが各艦主計長の腕の見せ所である。参考：海軍よもやま物語、JShips Vol.44

＜マムート＞：Ju322（グライダー）を参照。

＜マムリー級＞：ポーランド海軍沿岸掃海艇Mamry級。掃海と掃討をこなせる。満載排水量219トン。兵装は23mm連装機関砲ZU-23-2M。ウジジェ、シニャルドヴィなど４隻が199-294年に就役した。参考：月刊世界の艦船9,’14、12,’13、1,’21

＜マムリュク＞：フランス海軍ル・アルディ級駆逐艦Mameluck。1940年竣工。1942年11月にツーロンで自沈した。その後イタリア軍が引き揚げ、イタリア降伏後はドイツ国防軍の手に渡り、1944年6月8日に連合軍の爆撃を受け大破し、そのまま放棄された。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜真室川飛行場＞：日本陸軍の飛行場。参考：月刊JWings11,’18

＜豆戦艦＞：ドイッチュラント級（装甲艦）を参照。

＜豆戦車＞：タンケッテ。第１次大戦で活躍した重機関銃チームを１名で済ませて装甲防御力と不整地踏破機動力も持たせるというコンセプト（タンケッテ構想）から生まれた小型戦車で、重量は５トン以下である。フランスのエティエンヌ将軍が提唱し、イギリスのフューラー大佐が1925年に試作車を自作した。テストの結果、１名で操縦しながら機銃を撃つというのは無理があったので、操縦手と機銃手が乗れるようにして1927年から試験を行い、これに注目したカーデンロイド社がカーデンロイド豆戦車シリーズを開発。構造が簡単で安いので軍縮時代にも大量配備でき、歩兵部隊の機械化にはうってつけということで各国に採用されたが、第２次大戦前には既に旧式化、投入された豆戦車は戦場に残骸を晒すのみとなった。参考：月刊丸6,’01、月刊戦車マガジン1,’88

＜マモルくん＞：新潟地方協力本部のマスコットキャラ。2016年4月11日、テレビ新潟の伝言板コーナーに生出演し、第36回防衛問題セミナーへの来場を呼びかけた。2018年1月7日、城下町しばた全国雑煮合戦で広報を実施。4月29日、デンカビッグスワンスタジアムで行われた新潟カナール彩でひかりんと共に広報を実施。参考：朝雲

＜護一一型＞：日本海軍の航空機用ガソリンエンジンで、まもりと読む。略号NK7。中島飛行機が開発した。光エンジンがベースで、シリンダーを縮小して数を増やしている。空冷星型複列14気筒で、全幅1.38m、重量870kg。ボア155mm、ストローク170mm、圧縮比6.5、総排気量44900cc。二速式過給機・水噴射装置付。減速比0.578。離昇出力1870馬力（回転数2600rpm、ブースト圧400mmHg）、公称出力1750馬力（回転数2500rpm、ブースト圧300mmHg、高度1400m）／1690馬力（高度3000m）／1600馬力（高度4900m）。十四試艦上攻撃機／天山一一型、深山に搭載されたが、誉の完成を受けて量産は200基で打ち切られた。参考：月刊JWings2,’03、月刊丸3,'18別冊

＜まもるくん＞：大阪地方協力本部のマスコットキャラ。陸海空の服装をした３パターンがあり、大阪と分かりやすいようにタコ焼きを持っている。2016年10月15-16日、堺泉北港・大浜埠頭で大阪地本防災フェスタに参加。2017年3月19日、大阪市浪速区日本橋でんでんタウンで開催された第13回日本橋ストリートフェスタに参加。2018年1月21日、インテックス大阪で同人誌即売会こみっくトレジャー31に参加。参考：朝雲、月刊JWings6,’17、MAMOR vol.132

＜まもるん（仮称）＞：旭川地方協力本部の非公式キャラクター。参考：朝雲

＜まや＞：DDG-179（イージス護衛艦）を参照。

＜摩耶＞：日本海軍摩耶型砲艦Maya。明治21年1月20日竣工。明治31年3月21日、二等砲艦に類別された。明治41年5月16日に除籍され、雑役船（横須賀海兵団練習船）となった。明治44年に廃船となり、12月に兵庫県港務部検疫番船摩耶号となった。大正7年、池田商事に売却され、若松造船所で貨物船に改造されて摩耶丸となった。昭和10年頃に解体された。参考：日本海軍特務艦船史、月刊世界の艦船9,’20

＜摩耶＞：日本海軍高雄型重巡洋艦３番艦Maya。世界恐慌で倒産しかけていた川崎造船所のてこ入れ策として、大蔵省から3000万円の特別融資を行った上で昭和3年12月4日（3月26日？）に起工。昭和5年11月8日進水、昭和7年6月30日竣工。昭和7年9月27日、東京湾外で実施された公開戦技に参加。昭和12年7月7日、日華事変勃発時には第４戦隊に所属していた。昭和16年12月8日の太平洋戦争開戦時は建制では第４戦隊、兵力部署では比島部隊主隊に所属し、フィリピン攻略作戦支援にあたった。昭和17年3月2日、ジャワ南方において、第４駆逐隊と合同でH50ストロングホールドを砲撃により撃沈した。6月、アッツ島攻略戦に参加。8月11日、柱島を出撃。8月17日、トラックに到着。8月21日、トラックを出撃してガダルカナルに向かった。8月24日、第２次ソロモン海戦に参加。10月26日、南太平洋海戦に参加。11月14日、第３次ソロモン海戦で爆撃を受けて損傷した。昭和18年3月27日、アッツ島沖海戦で被弾損傷した。4月27日、陸奥湾を出港。4月29日、占守島に到着。11月5日、ラバウルでアメリカ機動部隊艦上機の爆撃を受けて中破した。11月30日、冲鷹、雲鷹、瑞鳳、鳥海、駆逐艦３隻と共にトラックを出港。内地に戻って修理と大改装に入った。昭和19年4月9日、大改装を完工し、防空巡洋艦になった。6月19日、マリアナ沖海戦に参加。6月20日、艦上機の攻撃で損傷した。10月22日、比島沖海戦に参加。10月23日、レイテ沖海戦でSS-247デースの雷撃を受け沈没し、艦長以下336名が戦死、769名が救出された。平成31年4月19日、ポール・アレン氏の沈没艦船調査チームがパラワン島沖の深さ1850mの海底で艦首部が破断した状態の摩耶を発見した。参考：連合艦隊巡洋艦、第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊丸2,’08、ラバウル航空戦、月刊世界の艦船11,’11、9,’14、10,’19、護衛空母入門、日本海軍艦隊総覧、帝国海軍太平洋作戦史Ⅰ

＜マヤーク生産協会＞：チェリャビンスク65（核兵器生産都市）を参照。

＜摩耶型砲艦＞：日本海軍砲艦Maya型。船体は摩耶と鳥海が鉄製、愛宕が鋼製骨組みに鉄製外皮、赤城が全鋼製と、次第に発展している。赤城だけ船首楼があり、摩耶は艦橋ウイング支持材が剥き出し、鳥海は浅い流線型カバー付き、愛宕は深い流線型カバー付きである。スクーナー型帆船で、マストは２本。風が無い時はレシプロ蒸気機関を駆動し、11-12ノットで航行できる。主砲は24cm砲にする予定だったが、重すぎるとして15cm砲や21cm砲としたものの、それでも重かったらしく荒天時に青波を被る傾向が見られたため、４番艦は12cm砲にした。垂線間長46.85m（鳥海と愛宕は46.8m、赤城は47m）、最大幅8.2m、吃水3.34m（鳥海と愛宕は3.11m、赤城は2.95m）、常備排水量622トン。主機は横置式２気筒２段膨張レシプロ蒸気機械２基、主缶は石炭専焼円缶２基、公試時出力614馬力（鳥海は744馬力、愛宕は983馬力、赤城は902馬力）、２軸推進、速力10.25ノット、石炭搭載量74.4トン（愛宕は72トン、赤城は68トン）。兵装は摩耶が克式二五口径一五珊砲２門、保式47mm単装重速射砲２門、諾式25mm４連装機砲２基、鳥海と愛宕が克式21cm単装砲１門、克式25口径12cm単装砲１門、諾式25mm４連装機砲２基、赤城が比式32口径12cm単装砲４門、保式47mm単装重速射砲４門、保式47mm単装軽速射砲２門。乗員111名。摩耶、鳥海、愛宕、赤城が明治21-23年に竣工した。参考：日本海軍特務艦船史、小艦艇入門、月刊世界の艦船12,’11

＜まや型＞：海上自衛隊8200トン型イージス護衛艦、計画艦名27DDG/28DDG。あたご型の改良型で、イージスシステム・ベースラインJ7（ベースライン9C2の日本版。イージスBMD5.1を統合）とマルチ・ミッション・シグナル・プロセッサMMSPを搭載してIAMD能力を有し、CECを搭載してLORに加えEORを可能とし、（NIFC-CA FTSの統合火器管制IFC機能も持つという説あり）、推進をCOGLAG方式としている。外見はあたご型と同様で、上構幅を船体幅一杯にして逆傾斜を付け、煙突は角型とし、タワーマストを採用、前部上構を後方に延長して短魚雷発射管や舷梯を上構内に収容し、救命筏の側面を露出させないようにするなどステルス性に配慮した。更にMk41VLSの両舷側にRCSスクリーンを設け、煙突間の上甲板舷側手すりを上構側面と面一の金属板に変更してブルワーク化するなど、あたご型より細かいステルス艤装が施されている。主機搭載スペース確保のため、あたご型よりも船体を中央部で5m延長し、船体と幅の比は8.1になった。凌波性向上のため艦首にはシアとフレアが付けられており、錨は艦首前端と左舷側に１基ずつ装備する。上甲板には前から揚錨装置、５インチ砲、スライディング・パッドアイ収容ハッチ、前部Mk41VLS、艦橋構造物、前部煙突、艦対艦ミサイル発射機、後部煙突、ヘリ格納庫、ヘリ甲板と並び、ヘリ甲板両舷が軽い下り坂になって艦尾の係船装置甲板に繋がっている。艦橋構造物はアーレイ・バーク級より１甲板分高くして司令部居住区などを設けたのは海自イージス護衛艦の伝統。艦橋構造物斜め４隅にAN/SPY-1D(V)多機能レーダーの八角形プラナー・アレイ・アンテナがあり、後方２枚は１甲板分高い位置にある。艦橋前面にはUSC-42衛星通信装置用アンテナドームを持つ。艦橋構造物上面にタワーマストが立っていて、１番艦と２番艦では形状が違っている。１番艦は頂部から下に向かってORN-6Eタカン用アンテナ、リンク16アンテナ、AN/UPX-29IFF用環状アンテナ、CEC用データリンクアンテナPAAA（斜め４方向）の順で、２番艦は頂部から下に向かって直方体のNOLQ-2C用ESMアンテナ、円錐台形の洋上無線ルータ、一回り大きい円錐台形のリンク16アンテナ、更に一回り大きい円錐台形のORN-6Fタカン用アンテナ、AN/UPX-29IFF用環状アンテナ、CEC用データリンクアンテナPAAAと並ぶ。２番艦ではタカンを改良して頂部に置く必要を無くしており、電波探知範囲が最も広い場所にNOLQ-2C用ESMアンテナを配置できた。１番艦よりアンテナ位置が5.5m上なので、電波水平線が1km延び、亜音速対艦ミサイルなら対処時間が３秒増え、計算上は３発余計に叩き落とせる。PAAAから下は１・２番艦共通で、左右に延びる桁にNOLQ-2C電子戦装置、その下前方のフラットにORQ-1Dヘリコプター・データリンク用アンテナドーム、その下前方のフラットにAN/SPQ-9B対水上レーダー（２番艦は後日搭載）を装備する。NORA-1C衛星通信装置はあたご型の07甲板レベルから艦橋上面06甲板に移った。後部煙突両舷01甲板レベルRCSスクリーン内に３連装短魚雷発射管HOS-303があり、雷撃の際にはRCSスクリーンを開放（機力で30秒、手動で３分）してHOS-303を旋回させる。機関最大出力はこんごう型／あたご型より31%少ないが、船体延長で長さ・幅比が8.1に向上したのと、船型を工夫して抵抗を減らしたりスターン・フラップを装備したりするなどし、最大速力30ノットを維持している。ちなみに電気推進のみでは17-18ノット、機械推進のみでは28-29ノットくらいらしく、護衛隊群運用速力21ノットに対しては微妙な数字で、電気推進による燃費向上がどれだけ活かせるかは不明である。統合電力推進で、総発電能力は15600kWとあたご型護衛艦（8400kW）の倍くらいあるが、推進用電動機が全力で10800kW消費するので、その場合は4800kWとあたご型の半分強しか使えない。煙突は前後に分かれ、あたご型より細身で、１本あたりガスタービン主機１基、ガスタービン発電機１基、ディーゼル発電機１基の排気を担当し、外壁を上に延ばして排気筒頂部を隠した。レーダーはAN/SPY-1D(V)多機能レーダー、AN/SPQ-9B対水上レーダー、AN/SPG-62Aイルミネーター・レーダー３基（艦橋上面１基、後部煙突後方背負い式２基）。艦橋上面AN/SPG-62Aの前方にMk20電子光学センサーを装備する。艦対空ミサイル用FCSはMk99GMFCS。艦対艦ミサイル用FCSはFFG-179まやが90式艦対艦ミサイル対応の艦対艦ミサイル艦上装置２型、２番艦が17式艦対艦ミサイル対応の艦対艦ミサイル艦上装置３型。砲射撃システムはMk34GWS（イージス・システムに統合）、主砲用FCSはMk160Mod4GFCSで、Mk34がイージスシステムからまたはAN/SPQ-9BレーダーやMk20電子光学センサーなどから直接目標データを受け取り、Mk160Mod4で射撃データを算出、127mm砲Mk45Mod4を管制する。ソナーシステムはAN/SQQ-89A(V)15J、艦首ソナーはAN/SQS-53C、曳航ソナーはAN/SQR-20MFTAで、バイスタティック・ソナー・オペレーションが可能である。前部煙突両側にボート・ダビットがあり、右舷側に11メートル作業艇、左舷側に大型複合艇RHIBを積む。搭載艇の舷側にはRCSスクリーンを設け、艇下部を舵やスクリュー部分も含めてカバーし、RCSの低減を図った。後部煙突左舷側には小型RHIBを１隻搭載する。前後煙突間にスライディング・パッドアイがあり、これも全体をRCSスクリーンで覆った。ヘリ甲板右前部にLSO区画がある。ヘリは必要時搭載で、搭乗員待機室は中身が整備されているが、常時乗艦しているのは航空整備員の一部のみである。RAST Mk6はDDG-179まやが後日装備（移送軌条だけ設けられている）で、DDG-180はぐろは新造時から搭載した。艦尾左舷にMFTA曳航ソナー繰り出し用ラッパ状開口部がある。右舷側には錨があるが開口部は無く、曳航具４型対魚雷デコイは装備しない。艦尾水線部にスターン・フラップがある。CICは中央にコラボレーション・テーブルがあり、正面の壁には横一杯に広がる大型ディスプレイ（FMS発注先企業のサブコントラクターである富士通が製作したビデオ・ウォール）を装着、左から戦術行動士官TAO、艦長CO、表示補佐DA、司令EC席が並び（座席背面に略称を黄文字で記入）、それぞれに共通ディスプレイシステムCDS（ディスプレイ３面からなるコンソール）が用意されている。CIC対潜戦区画には対潜航空機管制員ASAC、対潜戦コーディネーターASWC、GECOが座る。機関区画は第１機械室（左舷軸担当。第１煙突直下）と第２機械室（右舷軸担当。第２煙突直下）の間に補機室を置いたシフト配置で、各機械室に主機、減速機、発電機、推進用電動モーターなどを収容する。機関操縦室兼応急指揮所は第２甲板にあり、あたご型よりも統合化・デジタル化・遠隔操作化・省人化を進めた。搭載する情報システムは、GCCS-M、CENTRIXS、MARSシステム用洋上端末MMT、GEDMS、NOYQ-1B-2艦内統合ネットワーク、AN/UYQ-120(V)1、リンク11、リンク16。電源系は6600V。女性自衛官30名分の居住区画を持つ。全長170m、幅21m、深さ12m、吃水6.2m、基準排水量8200トン、満載排水量10070トン。主機はCOGLAG方式、巡航用川崎重工製M7A-05ガスタービン発電機（6000kW級）２基＋ディーゼル発電機（1800kW級）２基＋電動機（5400kW・6500馬力）２基・ブースト用LM2500IECガスタービン（28000馬力）２基、出力69000馬力、可変ピッチプロペラ２軸推進、最大速力約30ノット。兵装はMk41VLS96セル（前甲板64セル、ヘリ格納庫上32セル。スタンダード２ブロックⅢＢ、スタンダード３ブロックⅠＡ／ⅠＢ／ⅡＡ、07式VLA。ESSMやスタンダード６の発射機能もある）、90式艦対艦ミサイル（DDG-179まや）／17式艦対艦ミサイル（DDG-180はぐろ）４連装発射筒２基、62口径127mm単装砲Mk54Mod4が１門、ファランクス・ブロックⅠＢ２基（艦橋前面、ヘリ格納庫上）、324mm短魚雷３連装発射管HOS303が２基（Mk46Mod5短魚雷、97式魚雷、12式魚雷。後部煙突両舷01甲板レベルRCSスクリーン内）。艦橋前部、AN/SPY-1用アンテナ後部甲板、中部甲板、飛行甲板の各両舷計８カ所に12.7mm機銃架がある。自衛用にNOLQ-2C電子戦装置、Mk36SRBOCを装備する。SH-60J/Kヘリ１機を搭載できる。乗員300-340名。建造はジャパン・マリンユナイテッド横浜事業所磯子工場で、１番艦DDG-179まやと２番艦DDG-180はぐろが2020-21年に就役した。2022年4月、DDG-180はぐろが年次検査ついでにAN/SPQ-9Bレーダーを搭載した。SM-6艦対空ミサイルを後日装備予定。参考：月刊世界の艦船6,'23、5,'21、9,'20、6,'20、12,’19、1,’20、5,'20、10,’18、6,’19、11,'17増刊、12,’18、1,’19、9,’19、10,’19、7,'22、1,'24、月刊航空ファン10,’18、月刊軍事研究10,’18、MAMOR vol.140

＜マヤグエス号奪回作戦＞：1975年5月12日、香港からタイのサタヒップ港に向け航行中のアメリカのコンテナ船マヤグエス号がカンボジア沖100kmの海上でカンボジア武装組織クメール・ルージュの警備艇２隻に拿捕された。数日前にカンボジアは領海90マイルを宣言しており、領海侵犯とのことでマヤグエス号をコータン島に係留し、乗員39人をカンボジア本土のコンポンソム港に連行した。アメリカはマヤグエス号及び乗員の奪回を計画、P-3C哨戒機による監視や機関砲やロケット弾、催涙ガスなどによる威嚇攻撃を行った。それでもカンボジア側は乗員を解放しなかったため、海兵隊1220名をタイのウタパオ基地に展開させ、5月15日未明に第16特殊作戦飛行隊AC-130Aスペクター、アメリカ空軍A-7D、F-4Eなどの支援の下、175名をCH-53ヘリ８機に乗せてコータン島に向かった。カンボジア軍との交戦でヘリ２機が撃墜されたが、残る６機が島に着陸、AC-130Aによる火力支援（BLU-82/Bも使ったらしい）を受けつつカンボジア軍を引きつけている間に駆逐艦ホルトがマヤグエス号に接舷して奪回した。カンボジアは乗員39人の解放を発表し、船でコータン島に移動させていたが、途中で駆逐艦ウィルソンが救出した。アメリカの損害はCH-53ヘリ２機撃墜、３機損傷、41名死亡。参考：月刊軍事研究7,’97、月刊航空ファン1,’18

＜摩耶山丸＞：日本陸軍上陸用舟艇母船で、乾ドック型輸送揚陸艦と言った方が通りが良い。船型は中央船楼型で、揚収用デリック・クレーンが林立している。上甲板に大発16隻と特大発２隻を横方向に上下２段で並べて搭載する。中央船楼は３層で、内部は船橋と上陸部隊2000名の居住区になっており、ボートデッキには小発６隻を積む。船内の中甲板は中央の機関室を挟んで前後が上陸用舟艇収容スペースになっていて、床にローラー、天井にクレーン、艦尾に観音開きの扉があり、大発22隻を縦２列に並べて収容する。下甲板は船倉で、兵器や食糧などを搭載する。上陸地点近くで船内の大発に将兵を移乗させ、天井のクレーンで艦尾の扉から発進させる方式で、海上での移乗の手間を省き迅速な水陸両用作戦を可能とした。最大で一度に１個大隊1000名を出撃させることができる。中甲板が空になったら、上甲板から海面に降ろした大発や特大発に下甲板から貨物を積み込み、上陸地点へと向かわせる。建造費用は第１次戦時標準船の予算に計上され、三井船舶が所有し、運航は陸軍からの委託で三井船舶の船員が行った。総トン数9433トン。兵装は艦首の7cm野砲、艦尾の7cm高射砲、艦首尾や船橋の20mm単装・連装高射機関砲。昭和16年2月起工、昭和17年12月竣工。昭和19年8月8日、ヒ71船団の一員として六連島泊地を出港。11月14日、ヒ81船団の一員として伊万里湾を抜錨し、レイテに向かった。11月17日1815、済州島西南西130海里で雷撃を受け、船体中央機関室付近と船体後部船倉付近に魚雷１本ずつを被雷して1818に沈没し、乗船4387名のうち3437名が戦死、948名が救助された。参考：戦時標準船入門、護衛空母入門、輸送船入門

＜マヨルカ・シリーズ＞：セルビアの対戦車ミサイルで、9M14の改良型である。参考：月刊軍事研究9,’11

　＜９Ｍ１４－２Ｍ＞：直径120mm、装甲貫徹力800mm。参考：月刊軍事研究9,’11

　＜９Ｍ１４－２ＭＴ＞：タンデム弾頭型。参考：月刊軍事研究9,’11

＜マラーター＞：G23（駆逐艦）を参照。

＜マラート＞：ペトロパブロフスク（戦艦）を参照。

＜マラード＞：L42（コルベット）を参照。

＜マラウイ軍＞：

＜マラウイ軍（１９７７年）＞：兵力2400名。歩兵大隊２個、偵察中隊１個からなる。フェレット偵察車10両、81mm迫撃砲、小型湖水哨戒艇３隻、C-47輸送機４機、ペングローク輸送機２機、Do28輸送機２機、ディフェンダー輸送機１機を配備する。参考：軍事力バランス78年版

＜マラウイ軍（１９８９年）＞：兵力7250名（全軍種は陸軍の一部。海兵隊100名、空軍150名含む）。歩兵大隊３個、支援大隊１個、フォックス偵察車20両、フェレット偵察車10両、エランド偵察車４両、105mm砲12門、81mm迫撃砲L16、89mmロケットランチャーM-20、57mm無反動砲、ブローパイプ12基、内海哨戒艇１隻、Do28輸送機３機、Do228輸送機３機、HS-125-800要人輸送機１機、SA-316Bヘリ１機、SA-330Jヘリ２機、AS-350ヘリ２機を保有する。モザンビークに600名を派遣している。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜マラウイ軍（２０１５年）＞：現役総兵力5300名（うち海上部隊220名、航空団200名）。旅団司令部２個、歩兵大隊５個、パラシュート大隊１個、一般戦闘支援大隊（海兵中隊１個、機甲偵察隊１個、軽砲兵中隊２個、工兵ユニット１個）１個、兵站中隊８個からなる。エランド偵察車13両、FV721フォックス偵察車20両、フェレット偵察車８両、プーマM26-15装甲車18両、105mm砲L118を９門、81mm迫撃砲L16を８門、14.5mm対空機銃ZPU-4を40基保有するが、稼働率は２割以下である。海上部隊は哨戒艇１隻、航空団はDo-228輸送機１機、AS532ULヘリ１機、SA330Hヘリ１機、AS350Lヘリ１機を保有する。準軍事組織（機動警察軍）1500名。コートジボアールにUNOCI要員２名とオブザーバー３名、コンゴ民主共和国にMONUSCO要員853名、歩兵大隊１個、オブザーバー９名、スーダンにUNISFA要員１名、西サハラにMINURSOオブザーバー３名を派遣している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜マラカイボ級＞：イギリス海軍戦車揚陸艦Maracaibo級。世界初の戦車揚陸艦で、ベネズエラのマラカイボ油田向け浅吃水タンカーを改造したものである。1941年に３隻が改造された。後にアメリカ海軍との艦種記号統一が図られ、LST級に改称されている。参考：月刊世界の艦船4,’22

＜マラケブ１０００＞：イラクが1989年のバグダッド武器展示会で発表したUAV。参考：軍事分析湾岸戦争

＜マラセスティ＞：F111（駆逐艦）を参照。

＜マラセスティ級＞：ルーマニア海軍駆逐艦Marasesti級。設計と製造を自国で行っており、船体は遮浪甲板型で、後部がヘリコプター格納庫となっている長い上部構造物を持ち、艦橋上部と上構中央にタワーマストが立っている。全長148m、幅14.8m、吃水7m、満載排水量6000トン。主機はガスタービン４基２軸96000馬力、速力32ノット。兵装はP-15M艦対艦ミサイル連装発射筒４基（艦前後両舷１基ずつ）、3K90艦対空ミサイル発射機７基、76mm連装砲２基（前甲板背負い式）、30mm連装機関砲４基、533mm魚雷発射管２門（53-65魚雷。３連装発射管２基？）、RBU-1200対潜ロケット発射機（RBU-6000？）２基。IAR-316アルーエトⅢヘリ３機を搭載できる。マラセスティが1985年に竣工した。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、7,’17、THE MILITARY BALANCE 2016

＜マラソン＞：APA-200（攻撃輸送艦）を参照。

＜マラッカ海峡＞：インド洋と太平洋の境目で、海賊多発地帯。狭いので大型船は通過時に減速しなければならない上、朝夕はラッシュになるので錨泊する必要があり、狙われやすい。水深が浅いため、総トン数20万トン以上の船舶は迂回して南東のスンダ海峡を通る。軍艦は幅が広く隠密性に優れる、更に東のロンボク海峡を利用する。参考：月刊世界の艦船6,’83、月刊軍事研究2,’05

＜マラッカ・ジレンマ＞：中国が抱えるジレンマ。中国がチョーク・ポイントとしている国際海峡でシーレーン安定化のため軍事支配を固めようとすると、国際社会から反発や制裁を喰らって逆にシーレーンが不安定になる。参考：月刊世界の艦船5,’20

＜マラド＞：6112（揚陸艦）を参照。

＜マラニー＞：DD-528（駆逐艦）を参照。

＜マラニョン＞：アレクサンドリノ・デ・アレンカー（駆逐艦）を参照。

＜マラノン級＞：ペルー海軍哨戒艇Marañon級。兵装は76mm砲２門。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜マラバール演習＞：アメリカ海軍とインド海軍の共同演習Exercise Malabar。マラバールはインドの地名（海岸の名前）である。1992年に開始された。2007年から多国間演習になり、海上自衛隊も2007年、2009年、2014年以降毎年参加している。参考：月刊世界の艦船9,’10、1,’16、月刊軍事研究9,’16、朝雲

　＜マラバール０７＞：2007年9月4-9日、ミャンマーのココ島周辺で実施され、アメリカ、インド、オーストラリア、海自（DD-103ゆうだち、DD-111おおなみ、P-3C哨戒機２機）、シンガポールが参加した。参考：月刊軍事研究9,’16、月刊世界の艦船7,’19

　＜マラバール０９＞：インド艦隊が東アジアを訪問するのに合わせ、海上自衛隊も参加して2009年4月26日から5月3日まで長崎県佐世保や沖縄東方海域で行われた。参加したのはDDH-144くらま、DD-132あさゆき、艦載ヘリ、P-3C哨戒機２機、LCC-19ブルーリッジ、DDG-62フィッツジェラルド、駆逐艦ムンバイ、D-54ランヴィル、P47カンジャール、補給艦ジョティなど艦船10隻。参考：朝雲、月刊世界の艦船7,’19

　＜マラバール１４＞：2014年7月24-30日に四国の南から沖縄の東で行われ、対潜戦、対水上戦、対空戦、臨検、捜索救難といった訓練を実施した。参加したのは海自がDDG-178あしがら、DDH-144くらま、US-2救難飛行艇１機、P-3C哨戒機１機、アメリカ海軍がCVN-73ジョージ・ワシントン、DDG-56ジョン・Ｓ・マッケーン、インド海軍がD-55ランヴィジェイ、F47シヴァリク、補給艦シャクティである。参考：月刊航空ファン10,’14、朝雲、月刊世界の艦船7,’19

　＜マラバール１５＞：2015年10月12-19日にベンガル湾で実施された。海自からDD-118ふゆづきと隊員200名、アメリカ海軍からCVN-71セオドア・ルーズベルト、巡洋艦１隻、LCS-3フォートワース、インド海軍からD-55ランヴィジェイ、フリゲート２隻（F47シヴァリクなど）、潜水艦１隻、シャクティが参加し、戦術訓練、射撃訓練、捜索救難訓練、洋上補給訓練を行った。参考：月刊世界の艦船1,’16、12,’15、朝雲

　＜マラバール１６＞：2016年6月10-17日、佐世保から沖縄東方海域（アメリカ軍訓練海域Ｈ・Ｈ）で実施された。海自からDDH-181ひゅうが、DDH-144くらま、DD-110たかなみ、US-2救難飛行艇１機、P-3C哨戒機１機、P-1哨戒機１機、アメリカ海軍からCVN-74ジョン・Ｃ・ステニス、CVW-9（VFA-14/-41/-97/-151、VAQ-133、VAW-112、HSC-14、HSM-71、VRC-30Det.4）、CG-53モービル・ベイ、DDG-110ウィリアム・Ｐ・ローレンス、DDG-106ストックデイル、DDG-93チャンフーン、T-AO-199ティペカノー、ロサンゼルス級原潜、P-8A、インド海軍からF48サップラ、F49サヒャドリ、P62キルチ、シャクティ、チェタック・ヘリが参加し、対潜戦、対水上戦、対空戦、捜索救難などの訓練や、相互艦艇訪問、スポーツ交歓を行っている。中国海軍東調級情報収集艦艦番号855が6月15日未明に日本の領海を侵犯してインド艦隊の後方7-10海里に張り付き、情報の収集にあたった。参考：月刊軍事研究9,’16、月刊世界の艦船9,’16、8,’16、月刊JWings8,’16、月刊航空ファン9,’16、8,’16、朝雲

　＜マラバール２０１７＞：2017年7月10-17日、チェンナイとベンガル湾で実施された。インド海軍から空母ヴィクラマディチャ、D-54ランヴィル、F47シヴァリク、F49サヒャディ、コルベット３隻（P44キルパン、コラなど）、877EKM型キロ級潜水艦１隻、補給艦ジョティ、アメリカ海軍からCVN-68ニミッツ、CG-59プリンストン、駆逐艦３隻（DDG-83ハワード、DDG-86シャウプなど）、ロサンゼルス級潜水艦１隻、海自からDDH-183いずも、DD-113さざなみが参加し、7月10-13日に停泊フェーズとして発表会や意見交換、7月14-17日に洋上フェーズとして対潜戦、対水上戦、対空戦訓練を行っている。参考：月刊世界の艦船10,’17、朝雲

　＜マラバール２０１８＞：2018年6月8-16日、グアム島周辺海空域で実施された。インド海軍からF49サヒャドリ、カモルタ、A57シャクティ、アルエートⅢヘリ、アメリカ海軍からCVN-76ロナルド・レーガン、CG-54アンティータム、CG-62チャンセラーズヴィル、DDG-65ベンフォールド、SSN-723オクラホマ・シティ、P-8A洋上哨戒機など、海自からDDH-182いせ、DD-118ふゆづき、DD-114すずなみ、艦載ヘリ５機（うちDDH-182いせ艦載３機）、SS-501そうりゅう、P-1哨戒機２機が参加し、対潜戦、対水上戦、対空戦訓練を行っている。中国海軍は東調級情報収集艦を近接させて情報収集を行った。参考：月刊世界の艦船8,’18、9,’18

　＜マラバール２０１９＞：2019年9月26日から10月4日に佐世保基地と佐世保から関東南方海域に至る海空域で実施された。参加艦艇は佐世保基地、航空機は厚木航空基地に展開している。海上自衛隊からDDH-184かが、DDG-176ちょうかい、DD-106さみだれ、AOE-426おうみ、P-1哨戒機、インド海軍からF49サヒャドリ、P30キルタン、第312海軍飛行隊P-8I哨戒機、アメリカ海軍からDDG-85マッキャンベル、SSN-723オクラホマ・シティ、VP-5所属P-8A哨戒機が参加し、対抗、対潜戦、対空戦、対水上射撃、対空射撃、洋上補給の各訓練を行った。ATAC社ハンターF.58がRM-30A1標的曳航装置にレーダー増幅曳航標的TRXシリーズを装着して標的曳航任務に就いている。参考：月刊世界の艦船12,’19、月刊JWings12,’19、月刊航空ファン12,’19

　＜マラバール２０２０＞：2020年11月3-6日に前段がベンガル湾で、11月16-20日に後段がアラビア湾北部で実施された。前段は海上自衛隊からDD-111おおなみ、アメリカ海軍からDDG-56ジョン・Ｓ・マッケーン、インド海軍からD-55ランヴィジャイ、F47シヴァリク、S-57シンドゥライ、A57シャクティ、P-8I哨戒機など、オーストラリア海軍からFFH155バララトが参加し、対空戦、対空射撃、対水上射撃、対潜戦、洋上補給などの各訓練を行った。後段は海上自衛隊からDD-101むらさめ（11月17日）、第51航空隊２名（11月17-18日）、アメリカ海軍からCVN-68ニミッツ、CG-59プリンストン、DDG-104ステレット、P-8A哨戒機、インド海軍R33ヴィクラマディチャ、D-63コルカタ、D-65チェンナイ、F40タルワル、カンデリ、L50ディーパク、MiG-29K戦闘機、P-8I哨戒機など、オーストラリア海軍からFFH155バララトが参加し、戦術運動訓練などを行った。第51航空隊２名はアメリカ海軍P-8A哨戒機に同乗して対潜戦訓練に参加している。参考：月刊JWings2,’21、月刊世界の艦船2,’21、朝雲

　＜マラバール２０２１＞：2021年8月23日から9月10日にフェーズ１前段がグアム島及び周辺海域で、8月26-29日にフェーズ１後段がフィリピン海で行われた。フェーズ１前段には海上自衛隊特別警備隊、アメリカ海軍DDG-52バリー、補給艦T-AO-198ビッグ・ホーン、補給艦T-AO-202ユーコン、P-8A哨戒機、C-17輸送機、太平洋特殊作戦コマンドSOCPAC、インド海軍フリゲートF47シヴァリク、コルベットP29カドマット、P-8I哨戒機、オーストラリア海軍フリゲートFFH152ワラムンガが参加し、各種戦術訓練を実施。フェーズ１後段には海上自衛隊DDH-184かが、DD-101むらさめ、DD-120しらぬい、そうりゅう型潜水艦１隻、P-1哨戒機、アメリカ海軍DDG-52バリー、補給艦T-AO-202ユーコン、P-8A哨戒機、インド海軍フリゲートF47シヴァリク、コルベットP29カドマット、P-8I哨戒機、オーストラリア海軍フリゲートFFH152ワラムンガが参加し、対潜戦、防空戦、洋上補給などの各訓練を行った。DDH-184かがはF47シヴァリクに洋上補給を実施。DD-120しらぬいは主砲実射訓練を行った。フェーズ２は10月11-14日にベンガル湾で実施され、海上自衛隊DDH-184かが、DD-101むらさめ、アメリカ海軍 CVN-70カール・ヴィンソン、CG-57レイク・シャンプレイン、DDG-106ストックデイル、T-AO-202ユーコン、P-8A哨戒機、インド海軍駆逐艦D-55ランヴィジャイ、フリゲートF48サツプラ、潜水艦、P-8I哨戒機、オーストラリア海軍フリゲートFFH155バララト、補給艦O226シリウスが参加し、対潜戦、対水上射撃、洋上補給などの各訓練を行った。参考：月刊世界の艦船11,’21、1,’22

　＜マラバール２０２２＞：2022年11月8-15日、海自が主催して関東南方海空域で実施された。海自からDD-110たかなみ、DD-120しらぬい、DDH-181ひゅうが、LST-4003くにさき、AOE-426おうみ、潜水艦、P-1哨戒機、UP-3D電子戦訓練機、特別警備隊、アメリカ海軍からCVN-76ロナルド・レーガン、CG-62チャンセラーズビル、DDG-69ミリアス、P-8A哨戒機、特殊部隊、インド海軍からF47シヴァリク、P28カモルタ、P-8I哨戒機、特殊部隊、オーストラリア海軍からFFH151アランタ、A304ストルワート、SSG-74ファーンコム、オーストラリア空軍からP-8A哨戒機が参加し、各種戦術訓練（対潜戦、対空戦、洋上補給など）を行っている。30周年記念で11月5日には４カ国参謀長級懇談が実施された。参考：月刊世界の艦船2,’23

　＜マラバール２０２３＞：2023年8月11-21日、オーストラリアが初主催してシドニーとオーストラリア東方海空域で実施された。海自からDD-120しらぬい、特別警備隊、アメリカ海軍からDDG-115ラファエル・ペラルタ、T-AO-204ラパハノック、SSN-777ノース・カロライナ、P-8A哨戒機、特殊部隊、インド海軍からD-63コルカタ、F49サヒャドリ、オーストラリア海軍から41ブリスベーン、L100チョールズ、潜水艦、特殊部隊、オーストラリア空軍からP-8A哨戒機、F-35A戦闘機が参加し、8月11-15日に停泊フェーズとして艦艇相互訪問、艦上レセプション、スポーツ交流など、8月16-21日に洋上フェーズとして各種戦術訓練（対潜戦、対空戦。対水上戦など）、洋上補給などを行っている。参考：月刊世界の艦船10,’23、11,’23

＜マラハヤティ＞：インドネシア海軍ファタヒラー級フリゲート２番艦Malahayati。1996年5月25日、海自の遠洋航海艦隊と親善訓練を行った。参考：月刊世界の艦船9,’96

＜マラヒト＞：P-50（対艦ミサイル）またはP-120（対艦ミサイル）またはクラスノポールM2改（レーザー誘導砲弾）を参照。

＜マラフォン＞：フランス海軍艦対潜ミサイルMalafon。全長5.9m（ブースター含め6.15m）、直径0.65m、翼スパン3.3m、重量1450kg。固体燃料ロケットブースター２基で射出されて速力450ノットまで加速し、ブースター切り離し後は無動力飛翔体（グライダー）が自動操縦＋電波高度計＋無線指令誘導により目標の800m手前まで飛翔、パラシュートで減速し、弾頭のL4魚雷を切り離す。射程2-13km（15km？）。1956年から開発され、駆逐艦やフリゲートに装備され、1997年（1999年？）までに退役した。参考：月刊丸3,’90、月刊世界の艦船3,’05、8,’82増刊、5,’12、ザ・マーチ17号

＜マラン＞：イギリス空軍エース、アドルフ・マラン。1910年、南アフリカ生まれ。ユニオンキャッスル蒸気船会社に入社した後、1936年にイギリス空軍に入隊した。1940年7月、メルダースが搭乗するBf109戦闘機を撃墜した。第２次大戦中の撃墜機数は27機。参考：月刊丸1,'15増刊

＜マリアーノ・Ｇ・ヴァレホウ＞：SSBN-658（戦略原潜）を参照。

＜マリア・テレサ＞：SS義勇第22騎兵師団を参照。

＜マリアナ沖海戦＞：連合軍呼称はフィリピン海海戦。太平洋戦争中の昭和19年3月、日本海軍は戦時編制を改訂し、第１機動艦隊を編成して海戦の主役を戦艦から空母に移した。また、航空戦教範草案と第１機動艦隊戦策を策定し、空母機動部隊の戦術を制定した。5月3日に大本営があ号作戦方針を策定したのを受け、5月中旬に第１機動艦隊がタウイタウイに集結。6月13日、アメリカ軍のサイパン島攻略作戦開始を受けてあ号作戦決戦用意が下命され、第１機動艦隊がタウイタウイを出撃。陣容は、前衛部隊が第３航空戦隊（空母千歳、千代田、瑞鳳）、第１戦隊（大和、武蔵）、第３戦隊（金剛、榛名）、第４戦隊（愛宕、高雄、摩耶、鳥海）、第７戦隊（熊野、鈴谷、利根、筑摩）、第２水雷戦隊（能代）、第２水雷戦隊第31駆逐隊（長波、朝霜、岸波、沖波）、同第32駆逐隊（玉波、浜波、藤波）、第１補給部隊（特設運送船・油槽艦日栄丸、国洋丸、清洋丸、駆逐艦響）、第２補給部隊（油槽艦玄洋丸、あづさ丸、軽巡洋艦名取、駆逐艦卯月、初霜、夕凪、栂）で、本隊が第１航空戦隊（甲部隊。大鳳、瑞鶴、翔鶴）、第２航空戦隊（乙部隊。隼鷹、飛鷹、龍鳳）、第５戦隊（妙高、羽黒）、第10戦隊（矢矧）、第10戦隊第10駆逐隊（朝雲）、同第17駆逐隊（磯風、浦風、雪風）、同第61駆逐隊（初月、若月、秋月）、戦艦長門（低速のため同じくらいの速力の第２航空戦隊護衛に回された）、重巡最上、第４駆逐隊（野分、山雲、満潮）、第27駆逐隊（時雨）、駆逐艦濱風、早霜、秋霜。艦上機は第１航空戦隊搭載第601航空隊（彗星一二型70機、九九式艦爆二二型９機、零戦二一型爆戦11機など）、第２航空戦隊搭載第652航空隊（彗星一二型11機、九九式艦爆二二型29機、零戦二一型爆戦27機など）、第３航空戦隊搭載第653航空隊（零戦二一型爆戦45機、艦攻27機など）の計396機（439機？艦戦225機、艦爆117機、艦攻99機、艦偵９機の計450機？）で、翔鶴は零戦五二型34機、彗星18機、天山12機（うち電探装備の偵察用３機）、二式艦上偵察機９機、九九式艦爆３機（対潜哨戒）、瑞鶴は零戦五二型24機、零戦二一型（戦爆）11機、彗星18機、天山17機（うち電探装備の偵察用２機）、二式艦上偵察機２機、九九式艦爆３機（対潜哨戒）だった。他に偵察観測用水上機45機を搭載している。第１機動艦隊司令長官小澤治三郎中将は、ミッドウェイ海戦の反省から索敵を十分に行って敵を先に発見し、戦艦の一部などからなる有力な前衛部隊を主隊の100海里前方に配置して敵を吊り上げ、その隙に本隊はアメリカ艦上機の行動半径である200海里圏外（アウトレンジ）から攻撃隊を発進させ、レーダーに発見されないよう敵空母から50海里以内に入るまでは低空飛行で近づき、アメリカ機動部隊の空母甲板を使用不能に陥らせた後、戦艦部隊が突撃して決着をつけるというアウトレンジ作戦を立て、アメリカ艦上機による反撃は前衛部隊で吸収することにした。しかし航空機搭乗員の練度は低く、第１航空戦隊搭載の第601航空隊は推測航法で母艦に帰投できず夜間発着艦不能、第２航空戦隊の第652航空隊は更なる洋上発着艦訓練が必要、第３航空戦隊の第653航空隊は攻撃兵力として使用不可と判定される有様で、敵潜水艦の脅威や天候不順もあって戦闘訓練は殆どできなかった上に第601航空隊で33機、第652航空隊で13機、第653航空隊で10機以上を訓練中の事故で喪失して66名が死亡、艦隊の方も大鳳は就役後３ヶ月で駆り出され、艦隊随伴給油艦と燃料の不足から艦隊行動半径は1000海里までに限定され、策定した空母戦術を実現できる状態では無かった。基地航空隊の第１航空艦隊も整備不良とマラリアで配備機数1188機のうち稼動していたのは２割しか無く、マリアナ沖海戦にはトラック方面と硫黄島の航空隊しか参加できなかった。6月15日、アメリカ軍がサイパンに上陸したため、連合艦隊はあ号作戦を発動。サイパン島沖のアメリカ機動部隊（第５艦隊第58任務部隊。ミッチャー中将指揮）の正規空母７隻（CV-16レキシントン、CV-12ホーネット、CV-10ヨークタウン、CV-17バンカーヒル、CV-18ワスプ、CV-6エンタープライズ）、軽空母８隻（CVL-24ベロー・ウッド、CVL-29バターン、CVL-26モントレイ、CVL-28キャボット、CVL-23プリンストン、CVL-30サン・ジャシント、CVL-27ラングレイ、CVL-25カウペンス）、戦艦７隻（BB-56ワシントン、BB-55ノース・カロライナ、BB-61アイオワ、BB-62ニュー・ジャージー、BB-58インディアナ、BB-57サウス・ダコタ、BB-60アラバマ）、重巡洋艦３隻、軽巡洋艦６隻、防空巡洋艦４隻、駆逐艦58隻、艦上機866機（891機？うち艦戦475機）に対し、第１航空艦隊の基地航空隊（パラオ、マリアナ、ヤップに配置）が攻撃を開始した。ただ基地航空隊はビアク島（5月27日に連合軍が上陸）方面支援の渾作戦に転用されるなどして定数1700機に対し稼働機は500機程度しか無く、アメリカ軍の反撃とサイパン、グアム、テニアン、ペリリュー、トラック空襲であっという間に100機台まで消耗してしまった。第１機動艦隊はフィリピンのビサヤ諸島ネグロス島ギラマス泊地を出撃。決戦海面に味方基地航空兵力が最も集中する時期を狙い、19日黎明にマリアナ列島線の西300海里付近に進出して攻撃をかけることとした。しかし第１補給部隊を護衛していた駆逐艦白露が特設運送船（油槽艦）清洋丸と衝突し、爆雷が誘爆して沈没している。夕方、SS-229フライングフィッシュが日本海軍機動部隊をフィリピン中部のサンベルナルジノ海峡で発見、第５艦隊に通報した。6月16日、第５艦隊は輸送船団500隻以上をサイパン島東200海里に避難させ、小笠原方面に空襲を行った第58任務部隊を呼び戻した。第58任務部隊は任務群５個（第58・1-4任務群、第58・７任務群）から構成されており、CVL-24ベロー・ウッド、CVL-29バターン、CV-12ホーネット、CV-10ヨークタウンを基幹とする第１任務群輪形陣の右翼12マイルにCVL-23プリンストン、CV-6エンタープライズ、CV-16レキシントン、CVL-30サン・ジャシントを基幹とする第２任務群輪形陣が位置し、更に右12マイルの位置にCVL-28キャボット、CV-18ワスプ、CVL-26モントレイ、CV-17バンカーヒルを基幹とする第３任務群輪形陣が展開、第１任務群の12マイル後方にCVL-25カウペンス、CVL-27ラングレイ、CV-9エセックスを基幹とする第４任務群が位置した。第２任務群の後方15マイルにはBB-56ワシントン、BB-55ノース・カロライナ、BB-61アイオワ、BB-62ニュー・ジャージー、BB-57サウス・ダコタ、BB-60アラバマを基幹とする第７任務群が控えており、日本海軍攻撃隊の予想進路上に進出して艦隊防空に従事することにした。総戦力は正規空母７隻、軽空母８隻、戦艦７隻、重巡11隻、軽巡13隻、駆逐艦59隻、艦上機902機である。探知距離150海里のMk12/Mk22レーダーを備え、性能の良い対空無線電話による迎撃管制システムと、VT信管付き砲弾を運用できる高角砲（ただし量産が追いつかずVT信管装備弾は全体の２割くらい）、二重の弾幕を張れる高射機関砲で濃密な艦隊防空網を作り上げていた。6月17日1530、第１機動艦隊に戦艦大和、武蔵などが合流。前衛に航続距離の短い爆装戦闘機を搭載した空母千歳、千代田、瑞鳳からなる部隊を置き、100海里後方に大鳳、瑞鶴、翔鶴、隼鷹、飛鷹、龍鳳からなる主隊を配置して前進した。6月18日午後、第１機動艦隊の索敵機がサイパン西にアメリカ機動部隊を彼我の距離380海里で発見した。攻撃可能な位置だったため大林末雄第３航空戦隊司令官が同戦隊の攻撃隊を発艦させたが、帰投が夜間になるので無事に着艦できる見込みが無く、小澤司令長官が帰投を下命、攻撃は翌朝まで待つこととなった。6月19日0345、第１機動艦隊の水上偵察機16機が戦艦・巡洋艦から発進。0415、千代田、瑞鳳、重巡から九七式艦攻と水上偵察機合わせて14機が発進。0634、索敵機がサイパン西160マイルに空母４隻、戦艦４隻、その他十数隻からなるアメリカ機動部隊（七イと呼称）を発見。本隊との距離360海里（380海里？）、前衛との距離300海里で、アウトレンジ作戦には理想的であり、サイパン・グアムから数十海里しか離れておらず、基地航空隊との連携も取れる位置だったが、この時陸上の稼働機は72機しか無かった。0725、第３航空戦隊の千歳、千代田、瑞鳳から艦戦14機、零戦戦爆45機、艦攻７機が発艦。0745、第１航空戦隊の大鳳、瑞鶴、翔鶴から艦戦48機、艦爆53機、艦攻27機が発艦した。最後に発艦した彗星が、大鳳の右舷前方5300mにいたSS-218アルバコアから発射された魚雷６本の航跡を発見したため、海面に突入して阻止しようとしたがならず、0810に１本が命中。前部軽質油庫から燃料が漏れ、気化ガスが格納庫内に充満したものの、大鳳は作戦を続行した。0840、第１航空戦隊所属機が前衛部隊上空を通過したところ、味方の誤射を受けて数機が損傷、引き返す羽目になった。0900、第２航空戦隊の隼鷹、飛鷹、龍鳳から艦戦17機、戦爆25機、艦攻７機が発艦。合計243機の第１次攻撃隊が敵機動部隊七イを目指したが、索敵機がグアム南西70海里に空母３隻、戦艦５隻などからなる別の機動部隊（一五リと呼称）を発見、更に七イの北50海里に空母３隻、戦艦１隻などからなる機動部隊（三リと呼称）を発見したため、第１機動艦隊では第２航空戦隊第１次攻撃隊を三リに向かわせた。第58任務部隊は日本艦隊がグアム島周辺にいると考え、グアムの陸上基地ごと壊滅させるため全艦上機をそちらに向かわせていたが、アウトレンジ戦法で航続距離を延ばそうと高空を巡航する日本海軍機をレーダーで250km先から捉えたため、急遽戦闘機を呼び戻した。グアム攻撃SBD・TBF編隊には最小限の護衛を付け、グアム方面で周回待機させている。0935、第３航空戦隊の攻撃隊がレーダーで誘導された第58・７任務群のF6F戦闘機による迎撃を受け、零戦８機、爆装零戦32機、天山艦攻２機を失った。戦果は戦艦BB-57サウスダコタに直撃弾、重巡CA-45ウイチタとCA-36ネアポリスに至近弾、F6F戦闘機６機撃墜のみで、雲に阻まれて攻撃を断念した機も多かった。1015、敵機動部隊一五リを攻撃するため、第２航空戦隊第２次攻撃隊の艦戦20機、九九式艦爆27機、艦攻３機が発艦。1020、一五リを攻撃するため、グアムに向け瑞鶴の第１航空戦隊第２次攻撃隊の艦戦４機、爆戦10機、艦攻４機が発艦。しかし一五リが索敵機の誤認だったため、第２次攻撃隊は敵を見つけられず、第１航空戦隊第２次攻撃隊は母艦に帰投した。第２航空戦隊第２次攻撃隊はグアムに帰投したが、着陸進入中に周回待機攻撃隊の護衛に就いていたF6F戦闘機に襲撃されて艦戦13機、九九式艦爆９機、艦攻３機を撃墜され、残りも着陸後に地上で撃破されてしまった。隼鷹からも第２航空戦隊第２次攻撃隊の別働隊として彗星９機と艦戦６機が発艦したが、迎撃機と対空砲で彗星４機と艦戦１機を喪失、残存機は陸上基地に着陸した。1053頃、第１航空戦隊第１次攻撃隊が戦場に到着し、第58・２及び３任務群の空母に攻撃を行った。CV-18ワスプとCV-17バンカーヒルに彗星の急降下爆撃による至近弾で火災を発生させ、第58・７任務群のBB-58インディアナには天山が体当たりしたものの、F6Fによる迎撃とVT信管装着弾の対空砲火などで零戦31機、彗星41機、天山23機を失った。1120、翔鶴の右舷前方1100mからSS-244カヴァラが魚雷を発射、４本が右舷に命中して大火災を生じた。第２航空戦隊第１次攻撃隊は1155頃にF6Fの迎撃を受け、零戦１機、爆戦５機、天山１機を失い、戦果は挙げられなかった。一方的な先制攻撃だったにも関わらず、日本海軍側は発艦した324機中約200機を失い、帰還する残機もF6Fの追撃を受け、合わせて攻撃隊の８割弱を喪失するという大打撃を受けた。アメリカ側の損害は30機だった。1401、翔鶴が沈没。1432、大鳳の艦内に充満した気化ガスに引火して大爆発が起こった。1606、旗艦が大鳳から重巡羽黒に変更された。1628、大鳳がヤップ島北方で沈没。6月20日0800、第１機動艦隊は補給部隊と合流。1200、旗艦を羽黒から瑞鶴に変更。1300、陸上基地の索敵機から第１機動艦隊の東280海里にアメリカ機動部隊を発見との報を受け、洋上補給を中止して西へ待避した。1438、空母CV-6エンタープライズのF6F１機とTBF２機が日本艦隊を発見。1524、アメリカ機動部隊は帰投時に夜間着艦となり損失が出る恐れがあるのを承知でF6F戦闘機85機、SB2C艦爆51機、SBD艦爆26機、TBF/M艦攻54機からなる攻撃隊を発進させた。1610、瑞鶴の索敵機が東200海里にアメリカ艦上機を発見。1615、瑞鶴の索敵機がアメリカ機動部隊を発見。1725、雷装した天山７機が瑞鶴から発艦し、アメリカ機動部隊に向かった。これが日本海軍最後の雷撃隊空母発艦となった。1700、アメリカ攻撃隊に日本艦隊の位置が更に70海里先と伝達され、燃料切れの恐れが出てきたが、そのまま進撃を続けた。1745、アメリカ攻撃隊が日本艦隊上空に到達、攻撃を開始した。1747、瑞鶴の艦橋後方飛行甲板に爆弾１発が命中。隼鷹は煙突に被弾して発着艦不能となり中破、飛鷹は被雷して大火災を生じ、千代田が小破、榛名も命中弾を受けた。補給隊にも攻撃機が殺到し、玄洋丸が自沈、清洋丸が雪風に処分された。航行不能に陥った飛鷹は長門で曳航を試みたものの、４番主砲塔付け根と飛鷹前甲板を結んだ曳航索が切れてしまい断念。1810、アメリカ攻撃隊は帰投した。夜間着艦となったため、ミッチャー提督は第58任務部隊各艦に点灯せよと命じて探照灯や照明弾により艦隊位置を知らせたが、空間識失調で海に突っ込む機や燃料切れで不時着水する機が続出。空母レキシントンには無灯火のSB2Cが高速で強行着艦して飛行甲板前方の３機に突っ込み、甲板員数名が死傷したが、クラッシュクルーが撤去して10分で着艦を再開している。また、レキシントンに着艦しようとしてきた機体を探照灯で照射したら彗星で、途中で気付いたのか飛び去っていったという複数甲板員の話もある。日本海軍側損害は未帰還機22機、不時着水９機で、アメリカ側損害は戦闘によるものが戦闘機６機、艦爆10機、艦攻４機、帰投時の事故によるものが80機。1900頃、日本海軍機動部隊は残存35機による夜間攻撃を行うことにし、瑞鶴など空母３隻を東に向かわせた。1928、飛鷹が沈没。反撃に向かった天山部隊はペイロードの関係でレーダーを搭載しておらず、夕闇の中アメリカ艦隊を発見できずに帰投した。その際未帰還機１機と空中衝突２機の損害を出し、残りも全て不時着水した。1940、広島湾の軽巡大淀から連合艦隊司令長官が機動部隊の戦線離脱を指示。レーダー監視下での夜戦は不利と見て機動部隊側もこれに応じ、反転離脱した。6月21日夕方、瑞鶴が沖縄中城湾に帰投。6月25日、日本海軍機動部隊は柱島に帰還した。日本海軍は潜水艦34隻を投入し、トラックとニューアイルランド間で哨戒任務に就かせていたが、敵はマリアナに出現したため、無為に終わった上、マリアナへの戦力集中も遅れた。更にレーダーでシュノーケルを探知されて撃沈されるものが続出し、18隻を喪失してしまった。攻撃を行った潜水艦は１隻だけで、戦果は無かった。日本海軍側の損害は戦死3000名以上、正規空母３隻・駆逐艦１隻・特設運送船（油槽艦）２隻沈没、空母４隻・戦艦１隻・重巡１隻など損傷で、艦上機330機（うち246機が敵艦捜索・攻撃によるもの）を喪失、レキシントン搭載VF-16のF6Fパイロットから「マリアナの七面鳥撃ち（Great Marianas Turkey Shoot）」呼ばわりされるほどの完敗を喫してしまい、海上航空戦力が消滅（正規空母は瑞鶴のみ、空母航空隊は皆無）し、サイパン、グアム、テニアンを次々と失うことになった。第２艦隊は前衛を務めたが、愛宕に装備されていた二二型改一電探により敵の動静をいち早く掴んで適切な対応を取り、ほぼ無傷で帰投できた。アメリカ海軍側の損害は空母２隻小破、戦艦２隻小破、重巡２隻小破、艦上機188機喪失（うち80機は夜間帰艦時の事故）だった。参考：激闘太平洋戦記、日本海軍艦隊総覧、JShips Vol.24、月刊軍事研究8,’04、7,’04、第２次大戦日本海軍作戦年誌、歴史群像8,’98、月刊丸12,’92、8,’87、2,’12別冊付録、太平洋海戦史、日本航空母艦史、海軍技術研究所、月刊世界の艦船9,’13増刊、4,’19、9,’14、12,’15、月刊航空ファン10,’19、海軍操舵員よもやま物語

＜マリアナ・ターキー・シュート＞：マリアナの七面鳥撃ちを参照。

＜マリアナ台風被害に対する災害派遣＞：海上自衛隊初の海外における災害派遣。1965年10月7日未明、マリアナ諸島海域に最大風速75mの台風29号が襲来。北部のアグリハン島周辺に避難していた静岡県の漁船７隻が遭難し、乗員１人が死亡、208人が行方不明となった。10月9日2035、自衛艦隊司令官が第１護衛隊群第９護衛隊護衛艦DD-103あやなみ・DD-105うらなみ、第５護衛隊護衛艦DD-181あさかぜ・DD-182はたかぜに災害派遣準備を下令、航空機派遣のため在日米海軍司令部とグアム島基地の使用について協議を開始した。2110、海上保安庁長官から災害派遣要請があり、マリアナ沖遭難漁船乗組員の捜索・救難に関する海上自衛隊行災命を発令。第５護衛隊、第９護衛隊、給油艦AO-411はまなに派遣命令が出された。航空部隊にはグアム島基地の使用許可が下りた段階で命令を発出することとし、P2V-7哨戒機６機からなる航空捜索救難任務隊と同４機からなる航空輸送任務隊の編成を決定、第４航空群と第２航空群に出動準備を命じた。10月10日0100、第５護衛隊が佐世保を出港。0220、第９護衛隊が横須賀を出港。早朝にグアム島基地の使用許可が下りたことを受け、0800過ぎにP2V-7哨戒機計10機が離陸。夕方、P2V-7哨戒機全機がグアム島アガナ基地に到着。10月11日早朝、航空部隊が捜索を開始。炎天下で長時間の捜索となったため、輸送任務隊も帰国せず捜索に加わった。災害派遣に参加するため仮泊中の疋田湾から引き返したAO-411はまなが久里浜に到着。急速補給を行い、第１護衛隊群の隊員86名を乗せて1400過ぎにマリアナ諸島へと向かった。10月12日朝、第９護衛隊が現地に到着し、アグリハン島東の遭難予想区域を昼間幅８マイル・夜間幅４マイル、速力15ノットで捜索を開始した。10月13日朝、第５護衛隊が現地に到着、捜索に加わった。夕方、漂流物の発見位置などからアグリハン島西方海域に捜索区域を移動。10月14日夕方、AO-411はまなが現地に到着。10月16日、AO-411はまなが補給任務を終えて横須賀へ向かった。10月18日、AO-411はまなが小笠原諸島父島の北方で漂流中の第５常丸を発見曳航し、10月19日に海上保安庁巡視船に引き渡した。10月19日夕方、海上保安庁長官から撤収要請があり、10月22日までに部隊は帰国した。艦艇が11500平方マイル、航空機が283130マイルを捜索し、行方不明者の発見には至らなかったが、漁船の破片など35点を回収して遺族に引き渡した。参考：朝雲

＜マリアナの七面鳥撃ち＞：Great Marianas Turkey Shoot。太平洋戦争マリアナ沖海戦で、空母レキシントン搭載VF-16のF6Fパイロットが、防御力も練度も低い日本軍機に対する大戦果を「お馴染みの七面鳥狩り」と揶揄したもので、VF-16の隊長が言いふらして有名になった。参考：月刊世界の艦船4,’19、GUN用語事典、月刊航空ファン9,’19

＜マリーゴールド＞：K87（コルベット）を参照。

＜マリー・サープ＞：T-AGS-66（海洋観測艦）を参照。

＜マリー・シアーズ＞：T-AGS-65（海洋観測艦）を参照。

＜マリース・Ｅ・バッホス＞：D26（駆逐艦）を参照。

＜マリース・イ・バホス＞：ブラジル海軍マルシーリオ・ジーアス級駆逐艦２番艦Mariz E Barros。1943年11月29日竣工。1966年、３番砲を撤去してシーキャット４連装発射機１基を搭載した。1972年に除籍された。参考：月刊世界の艦船12,’20

＜マリーボロー＞：95（哨戒艇）を参照。

＜マリーン・ツー＞：海兵隊ヘリに副大統領が乗った時のコールサイン。

＜マリーン・ワン＞：海兵隊ヘリに大統領が乗った時のコールサイン。公式にこう呼ばれるようになったのは、大統領専用ヘリをアメリカ海兵隊のみで運用するようになった1976年からである（それまで陸軍も運用していた）。大統領の旅行先には常に随伴し、大統領がどれに乗っているか分からなくするため2-5機を同時に飛ばしており、テレビカメラによる生中継は禁止されている。1957年9月7日にロードアイランド州ニューポートの別荘にいたドワイト・Ｄ・アイゼンハワー大統領が急用でホワイトハウスに戻ろうとした際、空軍エアフォース・ワンを使うと近場の飛行場までの移動に１時間とアンドリューズ空軍基地からホワイトハウスまでの移動に２時間かかるため、緊急事態に備えてロードアイランド州の飛行場に待機していた海兵隊HUS-1ヘリを臨時で使ったのがきっかけで、ホワイトハウス南庭に直接着陸できる大統領専用ヘリを開発することになり、海兵隊HMX-1所属HUS-1ヘリが空軍H-21Bヘリとの運用比較試験に勝って採用され、初の大統領専用ヘリ「マリーン・ワン」としてVH-34Dヘリが誕生した。直射日光でキャビンが過熱しないよう、コクピットと機体上面を白塗りにしており、ホワイトトップの通称も生まれている。その後VH-3A、VH-3D、VH-60N、VH-92Aがマリーン・ワンとなった。参考：月刊航空ファン6,’10、8,’19

＜マリウス＞：ソ連海軍特殊任務用深海原子力潜水艦の通称で、語源は幼児という意味のロシア語（Malyush）であり、マルトカ（Malutka。これも幼児の意）ともいう。1910型、1851型、10831型、01210型などを指し、小型のためこのニックネームが付いた。就役当初は参謀本部情報局の管理下にあり、1986年に北洋艦隊に編入されたが、海軍でなくモスクワの軍からの指令を受けて出撃する。乗員は全員が士官で、マニュピレータ及び深海作業用ロボットを搭載し、海底通信ケーブルからの盗聴やSOSUSの妨害、沈没艦艇などからの機密機器の回収、実験、特殊工作員運搬などを行う。以上を2003年にすっぱ抜いたロシアのベルシア新聞社は、ロシア保安局から国家秘密法違反容疑で捜索を受けた。参考：ソ連／ロシア原潜建造史

＜マリエル級＞：コニ級フリゲート（キューバ海軍）を参照。

＜マリオット級＞：フランス海軍艦隊随伴型潜水艦Mariotte級。水中高速性能を持たせると共に、艦隊に付いていける水上速力と凌波性を備えるため、セイルを艦前端まで引き延ばして水上艦の艦首のような形状に成形している。水中排水量627トン。水上速力14.3ノット、水中速力11.7ノット。兵装は45cm魚雷発射管４門。1913年にマリオットが竣工した。参考：月刊世界の艦船8,’16

＜マリ軍＞：2013年1月、イスラム過激派や反乱トゥアレグ族の鎮圧に失敗。後にフランス軍の介入を要する事態となり、軍の強化が必要としてEU訓練ミッションEUTM（EU Training Mission） Maliが始まった。7月、国連が治安維持作戦MINUSMAを開始。2019年1月19日、空軍Z-9ヘリ１機がハードランディングして大破、修復不能で軍籍を抹消された。参考：THE MILITARY BALANCE 2016、月刊航空ファン4,’19

＜マリ軍（１９７７年）＞：兵力4200名。歩兵大隊５個、戦車中隊１個、空挺中隊１個、砲兵大隊１個、工兵中隊１個からなる。T-34戦車20両、62式軽戦車６両、BTR-40/BRDM-2装甲車、BTR-152装甲兵員輸送車、81mm/120mm迫撃砲、85mm/100mm対戦車砲、57mm高射砲、河川哨戒艇３隻、MiG-17戦闘機８機、MiG-15UTI練習機２機、C-47輸送機２機、An-2輸送機２機、Il-14輸送機２機、Yak練習機６機、Mi-4ヘリ２機を配備する。参考：軍事力バランス78年版

＜マリ軍（１９８９年）＞：兵力7300名（全軍種は陸軍の一部。うち海軍50名、空軍400名）。戦車大隊２個、歩兵大隊４個、空挺大隊１個、砲兵大隊２個、工兵大隊１個、特殊部隊大隊１個、高射砲中隊２個、地対空ミサイル中隊１個からなる。海軍基地はバマコ、モプチ、セグー、チンブクツにある。T-34/85戦車21両、62式軽戦車18両、BRDM-2偵察車20両、BTR-40装甲兵員輸送車30両、BTR-60装甲兵員輸送車10両、BTR-152装甲兵員輸送車10両、85mm砲D-44を６門、100mm砲M-1944を６門、122mm砲D-30を８門、BM-21を２両、81mm迫撃砲、120mm迫撃砲M-43を30門、37mm高射機関砲M-1939を６門、57mm高射砲S-60を６門、S-125地対空ミサイル12基、小型河川哨戒艇３隻、MiG-17F戦闘機５機、MiG-19戦闘機８機、MiG-21戦闘機14機、An-2輸送機２機、An-24輸送機２機、An-26輸送機２機、L-29練習機６機、MiG-15UTI練習機１機、Yak-11練習機４機、Yak-18練習機２機、Mi-4ヘリ２機、Mi-8ヘリ１機を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜マリ軍（２０１５年）＞：現役総兵力6000名。自動車化歩兵戦闘群（軽機械化中隊１個、自動車化歩兵中隊３個、砲兵中隊１個、偵察隊、コマンドー隊、戦闘支援隊）６個からなる。BRDM-2偵察車、BTR-60PB装甲兵員輸送車10両以上、BTR-70装甲兵員輸送車９両、122mm多連装ロケットBM-21を30両以上、哨戒艇３隻、MiG-21MF戦闘機１機、MiG-21UM戦闘機１機、An-24輸送機１機、An-26輸送機２機、BT-67輸送機１機、BN-2輸送機２機、テトラス輸送機４機、L-29練習機６機、SF-260WL練習機２機、Mi-24D攻撃ヘリ２機、Z-9汎用ヘリ１機（保管中）、Mi-8汎用ヘリ１機、AS350ヘリ１機（保管中）を保有している。準軍事組織は憲兵1800名、共和国護衛隊2000名、国家警察1000名、民兵3000名。コンゴ民主共和国にMONUSCO要員１名とオブザーバー４名、スーダンにUNAMIDオブザーバー１名を派遣している。アルメニア軍MINUSMA要員１名、オーストリア軍EUTMマリ要員８名、バングラデシュ軍MINUSMA要員1578名、歩兵大隊１個、工兵中隊１個、河川中隊１個、通信中隊２個、輸送中隊１個、ベルギー軍EUTMマリ要員４名、ブルキナファソ軍MINUSMA要員1714名、歩兵大隊２個、カンボジア軍MINUSMA要員303名、工兵中隊１個、EOD中隊１個、チャド軍MINUSMA要員1108名、特殊作戦中隊１個、歩兵大隊２個、中国軍MINUSMA要員402名、保安中隊１個、工兵中隊１個、野戦病院１個、コートジボアール軍MINUSMA要員３名、チェコ共和国EUTMマリ要員38名、デンマーク軍MINUSMA要員19名、エジプト軍MINUSMA要員65名、エルサルバドル軍MINUSMA要員91名、ヘリ飛行隊１個、エストニア軍MINUSMA要員10名とEUTMマリ要員８名、フィンランド軍MINUSMA要員５名とEUTMマリ要員10名、フランス軍MINUSMA要員24名、Barkhane作戦要員1680名、機械化歩兵戦闘群１個、兵站大隊１個、ヘリ隊１個、ティグル攻撃ヘリ２機、AS532ヘリ２機、NH90TTHヘリ２機、SA330ヘリ２機、SA342ヘリ２機、EUTMマリ要員15名、ガンビア軍MINUSMA要員３名、ジョージア軍EUTMマリ要員１名、ドイツ軍MINUSMA要員９名とEUTMマリ要員209名、ガーナ軍MINUSMA要員217名、工兵中隊１個、ヘリ飛行隊１個、オブザーバー３名、ギリシャ軍EUTMマリ要員２名、ギニア軍MINUSMA要員854名、歩兵大隊１個、オブザーバー３名、ギニアビサウ軍MINUSMA要員１名、ハンガリー軍EUTMマリ要員５名、インドネシア軍MINUSMA要員133名、ヘリ飛行隊１個、アイルランド軍EUTMマリ要員８名、イタリア軍MINUSMA要員２名とEUTMマリ要員15名、ヨルダン軍MINUSMA要員１名、ケニア軍MINUSMA要員４名、ラトビア軍EUTMマリ要員３名、リベリア軍MINUSMA要員49名、歩兵小隊１個、リトアニア軍EUTMマリ要員４名、ルクセンブルグ軍EUTMマリ要員１名、モーリタニア軍MINUSMA要員１名、ネパール軍MINUSMA要員145名、爆発物処分員中隊１個、オブザーバ－３名、オランダ軍MINUSMA要員532名、特殊作戦中隊１個、攻撃ヘリ飛行隊１個、ヘリ飛行隊１個、工兵中隊１個、情報中隊１個、EUTMマリ要員１名、ニジェール軍MINUSMA要員859名、歩兵大隊１個、ナイジェリア軍MINUSMA要員178名、通信中隊１個、野戦病院１個、オブザーバー２名、ノルウェー軍MINUSMA要員21名、ポーランド軍EUTMマリ要員20名、ポルトガル軍EUTMマリ要員９名、ルーマニア軍MINUSMA要員１名、セネガル軍MINUSMA要員675名、歩兵大隊１個、工兵中隊１個、シエラレオネ軍MINUSMA要員４名、スロベニア軍EUTMマリ要員３名、スペイン軍EUTMマリ要員118名、スウェーデン軍MINUSMA要員210名、情報中隊１個、EUTMマリ要員10名、スイス軍MINUSMA要員３名、トーゴ軍MINUSMA要員935名、歩兵大隊１個、野戦病院１個、イギリス軍MINUSMA要員２名、EUTMマリ要員26名、アメリカ軍MINUSMA要員10名、イエメン軍MINUSMA要員７名が駐留している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜マリコパ＞：APA-245（攻撃輸送艦）を参照。

＜マリスカル・スクレ級＞：ルポ級フリゲート（ベネズエラ海軍）を参照。

＜マリする＞：日本海軍士官のスラングで、結婚すること。参考：帝国陸海軍事典

＜マリタイム＞：F27（哨戒機）またはフォッカー50マリタイム（哨戒機）を参照。

＜マリタイム・エンフォーサー＞：F27マリタイム・エンフォーサー（哨戒機）を参照。

＜マリタイム・エンフォーサー２＞：フォッカー50マリタイム・エンフォーサー２（哨戒機）を参照。

＜マリタイム・グローバルホーク＞：グローバルホーク・シリーズ（無人機）を参照。

＜マリタイム・ディフェンダー＞：ピラタス・ブリテンノーマン社が開発した洋上哨戒機Maritime Defenfer。ディフェンダー軽攻撃機の洋上哨戒型で、機首のレーダーをペンディックスRDR1400（捜索範囲左右60度、捜索距離60海里。RCS100平方メートルの目標を距離36海里で探知可能）に換装し、航法装置を強化、主翼下面パイロンにサーチライトや拡声器、照明弾を搭載できるようにしたもの。全長11.07m、全幅16.15m、全高4.18m、自重1.824トン、最大離陸重量2.993トン。エンジンはIO-540-K1B5（300馬力）またはアリソン250-B17C（320軸馬力）双発で、巡航速度131ノット、最大速度144ノット、実用上昇限度5180m、燃料容量741リットル＋454リットル、航続距離1000海里／1497海里（最大燃料時）。乗員は操縦士、副操縦士、レーダー操作員１名、監視員２名。1977年に完成した。参考：世界の軍用機1982、1979

＜マリタイム・ハロプ＞：イスラエルのIAIが開発した自爆無人機。ハロプ自爆無人機を艦載型にしたもので、対艦ミサイルの補完として使う。参考：月刊JWings4,’21

＜マリタイム・バンディランテ＞：EMB-111（対潜哨戒機）を参照。

＜マリ多元統合安定化ミッション＞：MINUSMAを参照。

＜マリッツァ＞：MT-LB装甲車・海外ファミリーを参照。

＜マリナー＞：PBMシリーズ（飛行艇）を参照。

＜マリナー＞：アメリカ海軍無人水上艇Mariner。ゴースト・フリート・オーバーロード計画４番艦である。レイドス社が主契約社となり、ガルフ・クラフト社が民間石油プラットフォーム補給船を流用して建造した。ベースはレンジャー無人水上艇と同じだが、塗装やマスト数・形状が違う。発電機を１基増設して３基とし、イージス戦闘システム管制機能を積んだ。艦前部に20フィート・コンテナ２個分、後部に40フィート・コンテナ４個または20フィート・コンテナ８個分のミッション機材搭載スペースを持つ。全長59.1m。2023年9月18日、レンジャーUSVと共にアメリカ海軍横須賀基地に入港。9月27日、関東南方で日米共同訓練に参加。LCS-24オークランド、レンジャーUSVと共に、FFM-2くまのと、戦術運動訓練・PHOTOEXを行った。参考：月刊世界の艦船11,’22、12,’23

＜マリナーＧＲ.１＞：PBM-3C（飛行艇）を参照。

＜マリナーデモンストレーターⅡ＞：MQ-9無人機ファミリーを参照。

＜マリナイゼーション＞：航空機に艦上運用を可能とする改修を施すこと。塩害対策を施し、艦のレーダーなどに障害が出ないよう電磁干渉防止措置を執るなどする。参考：月刊世界の艦船5,’17

＜マリ内戦＞：1960年4月、フランス領西スーダンの一部がマリ共和国として独立。しかしマリ北部ではトゥアレグ人が独立を求めて対立し、政府軍との間で戦闘が行われ、一部のトゥアレグ人はリビアに脱出した。1989年、リビアが国連制裁により経済危機に陥ると、脱出していたトゥアレグ人がマリに戻り、一部が地元トゥアレグ人族長らと共にアザワド人民運動を結成。1990年初めから軍の施設や刑務所に対する襲撃を開始した。1992年4月、アザワド人民運動がマリ政府と和解したが、これに不満を持つ勢力は再びリビアに脱出した。2011年2月、リビアで内戦が勃発。これにより再びマリに戻ったトゥアレグ人（どさくさ紛れにリビア軍の武器も持ち帰った）は、10月半ばに地元トゥアレグ人族長らと共にアザワド解放民族運動（MNLA）を創設した。6月24日、モーリタニア軍がマリ中西部のワガドゥの森に越境攻撃を行い、AQMIマリ方面総指揮官と副官の殺害を図ったが、失敗した。11月、AQMIなどイスラム過激派がマリ北部を実効支配した。2012年1月17日、MNLAがマリ北東部のメナカにあるマリ政府軍駐屯地を襲撃して占領、更に別のキャンプも制圧した。政府軍はMi-24を投入して一旦は撃退したが、MNLAは数波にわたる攻撃を仕掛けて再占領した。1月18日、MNLAがマリ北部のテッサリトとアゲルホックに攻撃を開始。1月27日、MNLAはアゲルホックを制圧し、政府軍兵士などを惨殺した。3月21日、首都北西15kmにあるスンジャタ・ケイタ基地でマリ政府軍兵士による暴動が発生。これがクーデターに発展し、大統領はジコロニ基地に逃れた。3月22日、陸軍大尉が暫定大統領に就任。3月30日、MNLAがマリ北東部のキダルを制圧。3月31日、マリ政府軍司令部のあるガオがMNLAに制圧された。4月1日、MNLA及びAQMIがマリ西部のティンブクトゥを制圧。4月6日、MNLAはマリの北半分を制圧して勝利宣言を出したが、MNLAはイスラムの規律を地元住民に押しつけ、インフラや文化遺産を破壊するなどしたため支持を得られず、戦火を逃れるためトゥアレグ人が国外脱出を開始した。また、勢力外のマリ南部もトゥアレグ人に対する反感が高まり、復讐の標的にされる恐れが出てきたため、こちらでも国外脱出を余儀無くされる状態に陥った。12月、国連安保理がアフリカ主導マリ国際支援ミッションを承認し、アフリカ諸国22カ国が部隊を派遣。2013年1月10日、AQMIとMUJAO（アッラー神の唯一絶対性支持及び聖戦のための西アフリカ運動。AQMIの分派）がマリ中部コンナに侵攻。1月11日、フランス軍が軍事介入を決定し、セルヴァル（北アフリカのサヘルに棲むヤマネコ）作戦を開始した。まずイスラム武装勢力の南下を阻止し、次いでマリ北部のティンブクトゥ地域、ガオ地域、キダル地域の要所を制圧、最終的にバラバラになったイスラム武装勢力を各個撃破・無力化して秩序を回復するという作戦である。フランス本土やブルキナファソなどの基地からはラファール、ミラージュ2000D、ティグル、ガゼルなどが次々と飛び立ち、各地に精密爆撃を開始した。イスラム武装勢力側は夜間爆撃を避けるため住民に灯火管制を命じたりしたが、高性能FLIRの前には全く無意味で、拠点や装備する武装ピックアップを次々と撃破されてしまった。1月14日、AQMIがマリ中南部のディアバリ村を制圧。マリ軍、フランス軍、アフリカ主導マリ国際支援ミッション派遣部隊は共同で奪回作戦に入った。1月18日、コンナをフランス／マリ軍が奪還。1月21日、ディアバリ村をフランス／マリ軍が奪回。1月25日深夜、フランス軍がガオ市のMUJAO拠点に爆撃を開始。1月27日夕方、フランス／マリ軍がガオ市を制圧。夜、ティンブクトゥにフランス／マリ軍が奪還攻撃を開始。まず南にある空港を制圧してから市街に突入することにしたが、爆撃で大損害を受け、地元住民の支持も無いイスラム武装組織は既に市街を脱出していた。2200、ティンブクトゥ南の空港に地上から装甲車が突入し、2300にはフランス外人部隊第２落下傘連隊250名がパラシュート降下を行い、既にもぬけの殻になっていた空港を制圧、フランス第６工兵連隊が管制塔などに仕掛けられたIEDを無力化した。1月28日、フランス／マリ軍がティンブクトゥを制圧。1月末、フランス軍がマリ最北部キダルの空港を制圧。AQMIはアルジェリアとの国境付近にある北東部山岳地帯アメテタイに撤退した。2月19日、フランス外人部隊第２落下傘連隊がアメテタイ西側から攻撃を開始。2月22日、フランス軍の指揮下にあるチャド軍特殊部隊200名がアメテタイ東側から攻撃をかけたが、待ち伏せ攻撃に遭って指揮官を含む26名が戦死し、60名以上が負傷した。AQMIは80名が戦死した。3月2日、チャド軍特殊部隊がAQMIマリ方面総指揮官の死亡を確認した。イスラム過激派の方は抑え込んだものの、トゥアレグ人民兵組織が政府軍との戦闘を激化させている。4月、アフリカ主導マリ国際支援ミッションを国連PKOの国連マリ多元統合安定化ミッション（MINUSMA）が引き継いだ。2014年7月、政府軍と民兵組織が停戦に合意した。参考：月刊軍事研究9,’13、8,’13、10,’14、12,’15

＜マリネオン＞：MUH-1（汎用ヘリ）を参照。

＜マリネット＞：LCS-25（沿海戦闘艦）を参照。

＜マリネット・マリーン社＞：アメリカの造船会社で、1942年に木造はしけを製作する会社として設立された。第２次大戦後は小型特殊船舶（哨戒艇、曳船など）の建造にあたり、1999年にマニトウォック社に買収された。参考：月刊軍事研究9,’07

＜マリノン＞：MUH-1（汎用ヘリ）を参照。

＜マリフェン＞：AKA-61（攻撃貨物輸送艦）を参照。

＜マリポサ＞：アメリカのマトソン社所属客船Mariposa。全長192.6m、幅24.2m、深さ13.6m、吃水8.6m、総トン数18017トン。主機は蒸気タービン２組２軸28450馬力、速力20.5ノット、最大速力22.84ノット。船客定員一等475名、キャビンクラス229名。1931年12月14日峻国。1932年2月2日、サンフランシスコ－ホノルル－シドニー航路に就航した。太平洋戦争勃発でアメリカ海軍が兵員輸送に使用した。1946年に返却されたが、復旧コストがかさむとみられたため係船状態にされ、1953年にイタリアのホームラインに売却されてホメリックに改称され、1955年に北大西洋航路に就航した。1973年、クルーズ中の火災で損傷。被害が大きく修復は断念され、1974年にスクラップにされた。参考：月刊世界の艦船3,’22

＜マリュートカ＞：9K11（対戦車ミサイルシステム）または9M14（対戦車ミサイル）を参照。

＜マリュートカＭ＞：9M14M（対戦車ミサイル）を参照。

＜マリュートカ級＞：Ｍ級潜水艦（ソ連）を参照。

＜マリリン・モンロー＞：エリアルールを参照。

＜マリる＞：日本海軍士官のスラングで、結婚すること。参考：海軍こぼれ話

＜マリンユナイテッド＞：住友重機械と石川島播磨重工の艦艇事業が1995年に統合して創設された。2002年10月に石川島播磨重工海洋船舶事業部門と統合し、IHIマリンユナイテッドになった。参考：月刊世界の艦船6,’11

＜マリンユナイテッド浦賀工場＞：マリンユナイテッド創設に伴い、住友重機械浦賀工場が改称されたもの。たかなみ型護衛艦１番艦の建造中にマリンユナイテッドがIHIマリンユナイテッドになったため、IHIマリンユナイテッド浦賀工場になった。参考：月刊世界の艦船6,’11

＜○一＞：日本海軍潜水艦の仮称で、マルイチと読む。第１次大戦の戦利艦としてドイツから取得したUEⅡ級機雷敷設潜水艦U125で、日本海軍の現役艦籍には入らなかったため仮称が付けられた。全長82m、水上排水量1163トン。兵装は500mm魚雷発射管４門、15cm甲板砲１門（セイル前方）、機雷敷設筒２基、機雷42個。これをコピーして伊121を建造した。大正7年12月19日、イギリスのハリッジで引き渡された。スエズ運河経由で日本に向かい、大正8年6月18日に横須賀に到着した。大正10年1月、ベルサイユ条約に基づいて艦橋や魚雷発射管などが撤去された。大正13年、呉潜水学校の交通桟橋になった。大正14年3月、工作艦朝日の釣瓶式潜水艦引き上げ装置用沈錘船に改造された。参考：月刊丸12,’10、月刊世界の艦船4,’18、日本の潜水艦パーフェクトガイド、日本潜水艦物語

＜マル一計画＞：日本海軍がロンドン条約締結直後の昭和6年4月1日に策定した第一次軍備補充計画（期間は６カ年）のこと。最上型巡洋艦４隻、初春型駆逐艦４隻（12隻作る予定だったが、友鶴事件で改設計型の有明型と白露型にコンバート）、有明型駆逐艦２隻、白露型駆逐艦６隻、千鳥型水雷艇４隻、海大六型ａを６隻、巡潜２型を１隻など39隻を建造した。他に9800トン型空母（基本計画番号G5）１隻と8000トン型潜水母艦１隻を作る予定だったが、見送りとされ、昭和8年度追加計画で潜水母艦大鯨を建造している。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド、歴史群像10,’06、日本航空母艦史、月刊世界の艦船12,’11

＜○一号船＞：甲標的シリーズを参照。

＜○二＞：マルニと読む。日本海軍潜水艦で、第１次大戦時に戦利品としてドイツから取得したU46である。旧式のため、その後の参考にはあまりならなかった。大正8年4月、呉工廠で艦橋や魚雷発射管などを撤去する工事を実施。大正14年、横須賀工廠で工作艦朝日の釣瓶式潜水艦引き上げ装置用沈錘船に改造された。4月、呉に曳航する途中に大王崎付近で暴風により流出してしまい、行方不明になった。昭和2年8月、ホノルルの西でアメリカ商船に発見され、自沈処分された。参考：月刊丸12,’10、日本の潜水艦パーフェクトガイド、日本潜水艦物語

＜マル二計画＞：日本海軍が昭和9年4月1日に策定した第２次補充計画（期間は４カ年）のこと。空母蒼龍、飛龍、利根型巡洋艦２隻、白露型４隻と朝潮型10隻、鴻型水雷艇８隻、剣崎型潜水母艦２隻、千歳型水上機母艦２隻、駆潜艇３号型１隻、駆潜艇51号型２隻、駆潜艇53号型１隻など48隻を建造したが、途中で第４艦隊事件が起こったため、各艦とも設計変更を余儀無くされた。機動力増大のため、巡航速力をそれまでの14ノットから18ノットに引き上げている。空母はロンドン条約で許可された空母保有量81000トンから赤城、加賀、龍驤の排水量を引いて２で割った10050トンで２隻を建造する予定だったが、友鶴事件による設計変更でロンドン条約失効後に就役がずれ込むと見られたため、より大型化して完成した。潜水艦は海大六型ｂを２隻、巡潜３型を２隻建造した。木更津海軍航空隊の開隊も計画している。参考：日本駆逐艦史、日本の潜水艦パーフェクトガイド、日本航空母艦史、月刊世界の艦船12,’11、9,’13増刊、丸スペシャル第49号、木更津分屯基地ホームページ

＜○三＞：マルサンと読む。日本海軍潜水艦で、第１次大戦時に戦利品としてドイツから取得したU55である。旧式のため、あまり参考にならなかったようだ。大正10年、装備を外された。参考：月刊丸12,’10、日本の潜水艦パーフェクトガイド、日本潜水艦物語

＜マル三金物＞：海龍（潜水艇）を参照。

＜マル三計画＞：日本海軍が昭和12年4月1日に策定した第３次補充計画（昭和12年度海軍補充計画）のことで、ワシントン条約・ロンドン条約失効に伴い計画された。排水量制限の解かれた戦艦としては大和型戦艦を建造することにしたが、この大きさの艦船を建造できるのが呉海軍工廠造船ドックと三菱重工長崎造船所第２船台しかなく、２隻の建造に止めている。洋上決戦及びミッドウェイ付近での漸減作戦に備え、翔鶴型空母（翔鶴、瑞鶴）、作戦海域を無補給で往復できる航続力6000海里クラスの大淀型軽巡洋艦２隻（完成したのは１隻）、陽炎型駆逐艦18隻（うち３隻は大和型戦艦のダミー分）の調達を計画した。他に日進型水上機母艦１隻、敷設艦３隻、砲艦４隻、占守型海防艦４隻、潜水艦14隻（うち１隻が大和型戦艦のダミー分）、掃海艇６隻、特務艦２隻、敷設艇５隻、駆潜艇９隻の建造を予定した。実際には大和型戦艦２隻、翔鶴型空母２隻、大淀型軽巡１隻、陽炎型駆逐艦15隻、駆潜艇４号型９隻、橋立型砲艦、占守型海防艦４隻、巡潜甲型２隻、巡潜乙型20隻、巡潜丙型５隻、初鷹型敷設艦、測天型敷設艇５隻、掃海艇７号型６隻などを建造した。参考：月刊世界の艦船12,’11、5,’91、9,’13増刊、日本駆逐艦史、図解日本の空母、日本の潜水艦パーフェクトガイド、歴史群像10,’06、小艦艇入門、写真集日本の小艦艇

＜マル四＞：震洋を参照。

＜○四＞：マルヨンと読む。日本海軍潜水艦で、第１次大戦後に戦利品としてドイツから取得したUC90である。大正10年に装備を撤去された。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド、月刊丸12,’10、日本潜水艦物語

＜マル四計画＞：日本海軍が昭和14年4月1日に策定した軍備充実５カ年計画（昭和14年度海軍補充計画）で、第２次ヴィンソン法案によるアメリカ海軍増強計画に対抗して立てられた。昭和13年4月現在、日本海軍とアメリカ海軍のトン数比は、主力艦＋空母が日本海軍16隻381500トン対アメリカ海軍31隻596100で対米比64%、巡洋艦＋駆逐艦は147隻373100トン対245隻524700トンで71%、主力艦から潜水艦まででは222隻830100トン対365隻1202300トンで69%、総艦艇では303隻1177600トン対652隻2055400トンで52%、建造中＋未起工では15隻96000トン対83隻390300トンで、今後の差が開く一方になるのを防がなければならなかった。大和型戦艦建造用の横須賀海軍工廠第６ドックが完成したため、ここで１隻（３番艦）を作り、１番艦大和の進水後にもう１隻（４番艦）を建造する予定としている。他に大鳳型空母１隻、阿賀野型軽巡４隻、大淀型軽巡洋艦２隻、陽炎型駆逐艦３隻、夕雲型駆逐艦15隻（うち２隻が大和型のダミー予算）、島風型駆逐艦１隻、秋月型駆逐艦６隻、潜水艦25隻（うち１隻が大和型のダミー予算）、秋津洲型飛行艇母艦１隻、敷設艇10隻、掃海艇６隻、駆潜艇４隻、敷設艦１隻、特務艦１隻、飛行機1443機を建造し、実用飛行隊34.5隊、練習飛行隊40.5隊を創設する予定とした。実際には大和型戦艦と大淀型軽巡が１隻ずつキャンセルとなり、大和型戦艦１隻（信濃。後に空母に変更）、大鳳型空母１隻、阿賀野型軽巡４隻、大淀型軽巡洋艦１隻、陽炎型駆逐艦３隻、夕雲型駆逐艦12隻、島風型駆逐艦１隻、秋月型駆逐艦６隻、巡潜甲型１隻、海大７型10隻、初鷹型敷設艦１隻、測天型敷設艇９隻、秋津洲型飛行艇母艦１隻、駆潜艇13号型４隻などを建造した。参考：月刊世界の艦船12,’11、5,’91、9,’13増刊、日本駆逐艦史、図解日本の空母、日本の潜水艦パーフェクトガイド、連合艦隊巡洋艦、写真集日本の小艦艇、山本五十六と米内光政、日本航空母艦史、月刊丸6,’01、丸スペシャル第49号

＜○五＞：マルゴと読む。日本海軍潜水艦で、第１次大戦時にドイツから取得したUC99である。大正10年、横須賀で装備を撤去され、東京湾で魚雷や爆弾の実験に使用された。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド、参考：月刊丸12,’10、日本潜水艦物語

＜マル五計画＞：日本海軍が昭和17年に策定した、昭和17年度艦船建造補充及航空兵力増勢計画のこと。昭和15年にアメリカが策定した第３次ヴィンソン計画に対抗するもので、昭和17-25年度で実施する予定で昭和15年から立案に入り、昭和16年5月に概案が決まったが、昭和16年8月に出師準備計画第２着が発動し、9月21日に軍令部総長から海軍大臣に商議されたものの11月には日米開戦が決定したため、更なる建造促進などが図られている。アメリカの増強案に対抗するのが主目的であり、日本の造船能力で実際に建造できるかどうかは検討の対象外だった。予算は一般会計である。戦艦３隻（大和型と50cm砲搭載艦）、45000-50000トン級の改大鳳型１隻、17000トン以上級の改飛龍型２隻、超甲巡２隻、大淀型軽巡洋艦５隻、改阿賀野型軽巡洋艦５隻、第815艦型軽巡洋艦４隻、島風型駆逐艦16隻、秋月改型駆逐艦16隻、水上機母艦２隻、秋津洲型飛行艇母艦１隻、小型飛行艇母艦６隻、潜水母艦２隻（基準排水量13000トン。仮称艦名第863号艦、第864号艦）、甲型潜水艦２隻、乙型潜水艦６隻、丙型潜水艦６隻、中型潜水艦９隻、小型潜水艦９隻、海大型潜水艦10隻、補給潜水艦３隻、津軽型敷設艦２隻、鵜来型海防艦４隻、大型砲艦１隻、小型砲艦２隻、掃海艇10隻、駆潜艇18隻、敷設艇８隻、給油艦３隻、測量艦１隻、給糧艦１隻、砕氷艦１隻、工作艦２隻計65万トンの建造と、実用飛行隊67隊1320機、練習飛行隊93隊2138機の創設を予定した。これを実現するため、大分県大神に海軍工廠（空母用船台１基、潜水艦２隻用船台１基、主力艦用ドック１基、重巡用ドック１基、潜水艦２隻用ドック１基）を作り、川崎重工、三菱神戸造船所、三井玉野造船所、浦賀船渠の建艦施設を拡張することになった。ミッドウェイ海戦で敗北したため、改マル五計画に移された。参考：月刊世界の艦船12,’11、日本駆逐艦史、近代巡洋艦史、月刊丸6,’01、日本潜水艦物語

＜マル六＞：回天シリーズ（人間魚雷）を参照。

＜○六＞：マルロクと読む。日本海軍潜水艦で、第１次大戦時にドイツから取得したUB125である。一時、海中型の代替としてコピー艦の建造が検討された。大正10年に装備を撤去された。参考：月刊丸12,’10、日本の潜水艦パーフェクトガイド、日本潜水艦物語

＜マル六計画＞：日本海軍が昭和15年に検討した軍備充実計画で、正式名称は不明。1940年7月にアメリカが策定したスターク案（両用艦隊計画）に対抗して立案された。戦艦４隻、超甲巡４隻、空母３隻、巡洋艦12隻、駆逐艦34隻、潜水艦67隻、他艦船73隻計80万トン超を建造するとしたが、造船能力的に願望レベルの計画だった。昭和16年9月21日に軍令部総長から海軍大臣に商議されたが、すぐ太平洋戦争に突入、戦局の推移などから改マル五計画などに移行し、実行には移されなかった。参考：月刊世界の艦船12,’11、日本航空母艦史

＜○七＞：マルナナと読む。日本海軍潜水艦で、第１次大戦時にドイツから取得したUB143である。大正10年に装備を撤去された。参考：月刊丸12,’10、日本の潜水艦パーフェクトガイド、日本潜水艦物語

＜マル九金物＞：震海（潜水艇）を参照。

＜マルＪ＞：紫電シリーズ（戦闘機）を参照。

＜マルイシェフ・タイプ９９Ａ＞：AB13（歩兵戦闘車）を参照。

＜マルーダー＞：南アメリカのパラマウント社が開発した４×４輪軽装甲車。戦闘重量3.5トン。エンジン出力172馬力、最大速度120km以上、航続距離800km。乗員4-5名。参考：月刊軍事研究1,’13

＜マルート＞：HF-24（戦闘機）を参照。

＜マルーン・ベレー＞：アメリカ陸軍空挺部隊及び空挺能力保持部隊所属で、空挺章を所持する者に与えられるベレー帽。参考：月刊コンバットマガジン7,’06

＜マルカ＞：フランス海軍の試作艦対空ミサイル。全長4.6mの航空機型で、液体燃料ロケットと固体燃料ロケットブースター４本を装備する。液体燃料の安全性に問題があり、マズルカが開発されることになった。参考：月刊丸2,’07

＜マルカントニオ・コロンナ＞：P433（外洋多用途警備艦）を参照。

＜マル急計画＞：日本海軍が昭和16年7月28日に策定に着手し、出師準備計画第２着発動により出師準備計画要領に含まれ、11月6日に軍令部総長から海軍大臣へ正式に商議された戦時急造建艦計画で、正式には昭和16年度戦時艦艇建造及航空兵力拡充計画という。雲龍型空母１隻、伊吹型重巡２隻（起工されるも１隻は建造中止、１隻は後に空母に改造されるも結局未完成）、夕雲型駆逐艦16隻（うち竣工したのは８隻）、乙型駆逐艦10隻、潜水艦33隻（巡潜乙型改一６隻、巡潜丙型３隻、中型８隻など）、水上機母艦１隻、海防艦30隻、掃海艇28隻、駆潜特務艇100隻、その他艦艇72隻計30万トンを昭和18年度までに建造する予定で、実際には228隻が完成した。参考：月刊世界の艦船12,’11、日本の潜水艦パーフェクトガイド、図解日本の空母、歴史群像10,’06、近代巡洋艦史

＜マルクグラーフ＞：ドイツ海軍ケーニッヒ級戦艦Markgraf。1915年竣工。1916年5月31日、第３戦艦戦隊第５小隊所属でジュットランド海戦に参加。1919年に自沈した。参考：近代戦艦史、月刊世界の艦船6,’16、歴史群像6,’16

＜マルけ＞：日本陸軍が開発した突撃艇。Ｋ号曳船をベニヤ船で製作したもので、橋脚の爆砕を主任務とする。松花江で訓練が行われた。参考：工兵入門

＜マルケ＞：日本陸軍が開発した対艦誘導爆弾（自動吸着弾と称した）の秘匿名称で、ケは検知器または決戦兵器の頭文字。昭和19年3月に陸軍兵器行政本部技術課に出された、戦局を一挙に打開できる決戦兵器開発要求に基づいて考案され、その頃芝浦電機でテストしていた熱線探知装置（手のひらの熱を70m先からキャッチする）の原理を利用した対艦誘導爆弾として第２陸軍技術研究所で昭和19年末から開発された。昭和19年秋には八木秀次技術院総裁が帝国議会で「必死にあらずして必中必勝の兵器我にあり」と発言、研究費1000万円が付き、昭和20年10月までに700発を量産する予定だった。ボロメーター凹面鏡を使用した熱電堆で艦船主機の熱（赤外線）を探知し、周波数継電器で増幅、その方向に向けて誘導するもので、弾体中央重心線上に４枚の十字型操縦翼（内外エルロン付き）、尾部に４枚の展張式エアブレーキを持つ。銀河に搭載されて高度10000mから投下されるとエアブレーキを開いて降下速度を制御し、気圧計により高度2000mで赤外線センサーが作動を開始、ジャイロと操縦翼外側エルロンにより本体のスピンを防止し、操縦翼内側エルロンで落下コースを修正して命中する。飛翔中は常に頭部が下を向いている。弾体や操縦翼は木製で、内部に成型炸薬600kg（400kg？）を収容する。全長3m（4-5m？）、直径0.5m、操縦翼幅2.5m。実用探知距離5kmを目指していた。昭和20年1月に初テストが行われ、本土決戦前に完成させる予定だったが、１発目が命中して炎上すると２発目以降が全てその艦に集中してしまう、油漏れなどで海面が火災を起こすとそちらに誘導されてしまうという欠点があり、シーカーの改良を行っているうちに終戦を迎えた。参考：月刊丸8,’95、8,’87、海軍技術研究所、日本海軍の爆弾、兵器メカニズム図鑑

＜マルケス・デ・ラ・エンセナダ＞：D43（駆逐艦）を参照。

＜マルコーニ・エレクトロニク・システムズ＞：イタリア人のグリエルモ・マルコーニがイギリスで設立した通信事業会社。1968年にGECに買収されて同社の軍需部門となった。1999年、BAeに売却されてBAEシステムズ社の傘下となった。参考：月刊軍事研究9,’07

＜マルコ飛行魚雷＞：日本陸軍が昭和19年から開発した、沿岸防衛用特殊飛行魚雷。航空機から投下され、ロケットにより海面すれすれを飛翔する。昭和20年7月にテストが行われたが、ロケットの点火に失敗して放棄された。参考：月刊丸5,’13

＜マルコフ殺害事件＞：イギリスに亡命してBBCのニュース解説者となり、ブルガリア政府を批判していたマルコフ氏がリシン入り金属球を傘型銃で撃ち込まれて殺害された事件。1978年9月7日、マルコフ氏がバス停に立っていたところ、右大腿部に激痛を感じた。振り返ると知らない男が傘を拾い上げており、男は謝罪してタクシーで去った。５時間後にマルコフ氏を全身の脱力感が襲い、高熱や吐き気も出現、１日半経って重症化したため入院した。右大腿部には直径60mmの硬結が生じており、原因が分からぬままショック症状を起こして9月11日に死亡した。司法解剖の結果、右大腿部に直径1.52mmの金属球（プラチナ90%、イリジウム10%）が埋まっており、金属球には十字に交差した２つの穴が開いていたが、正体不明だった。その後、コストフ暗殺未遂事件で使用されたリシン入り金属球と同じものであることが判明、これを傘型銃で撃ち込まれたことによる暗殺であると分かった。参考：図解雑学生物・化学兵器

＜マルコム＞：D19（駆逐艦）を参照。

＜マルシーリオ・ジーアス＞：D25（駆逐艦）を参照。

＜マルシーリオ・ジーアス級＞：ギアリング級駆逐艦（ブラジル海軍）を参照。

＜マルシーリオ・ジーアス級＞：ブラジル海軍駆逐艦Marcílio Dias級。アメリカ海軍マハン級駆逐艦がベースで、アメリカから機関と兵装の供給を受けてブラジルで国産したが、竣工まで６年かかった。全長108.8m、基準排水量1524トン。主機は蒸気タービン２基２軸42800馬力、速力36.5ノット。兵装は12.7cm単装両用砲４門、40mm４連装機関砲１基、20mm単装機関砲４門、533mm４連装魚雷発射管１基、爆雷投射機（Ｋ砲）４基、爆雷投下軌条２条。２番艦マリース・イ・バホスなど３隻が1943年11月29日に竣工した。参考：月刊世界の艦船12,’20

＜マルス＞：MLRS（多連装ロケットシステム）またはS-122A（弾道ミサイル）を参照。

＜マルス＞：ドイツ海軍砲術練習艦。大元は1938年竣工のアルゴ汽船アルタイアで、1939年に購入して測量艦アルタイアに改造、後に魚雷艇母艦サモアに改造し、更に1941年1月に艦種・艦名変更して砲術練習艦マルスになった。総トン数2414トン。主機はレシプロで、出力1500馬力、速力12ノット。兵装は37mm機関砲８門、20mm機関砲10門。1944年4月、ステッチンのドックで爆撃を受けて大破した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜マルスアン＞：フランス海軍ルカン級潜水艦Marsouin。1926年竣工。1946年に解体された。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜マルス作戦＞：第２次大戦時の1942年11月25日からソ連軍が開始した、ルジェフ攻略作戦。カリーニン方面軍がドイツ第９軍に対して攻勢をかけ、11月27日にルジェフとシュチェフカを結ぶ線路に到達。11月30日、マリョ・クロトポヴォ間の鉄道を越えてルジェフへの補給路を断ち、第９軍を包囲にかかった。ドイツ軍は第23軍団の残存部隊をかき集めて必死に反撃し、12月6日に鉄道を再占領、12月13日のソ連第30軍団による攻勢も跳ね返して防衛に成功した。参考：月刊軍事研究5,’09

＜マルス作戦＞：第２次大戦中の1944年にドイツ空軍が行った、ロンドン爆撃作戦。当初は1月20日過ぎに開始される予定だったが、1月21-22日の連合軍によるドイツ本土爆撃と、1月22日の連合軍アンツィオ上陸により延期され、1月28日にMe410とFw190がサリーの商用ドックを爆撃した。2月4-5日、爆撃機による本格的な夜間爆撃作戦を開始したが、集結に手間取ったり、編隊が組めなかったりして戦果を挙げられず、逆に15機を撃ち落とされてしまった。2月18-19日と2月20-21日、ロンドンに200機ずつの爆撃機を出撃させ、140トンの爆弾を投下した。これにより1000カ所以上に火災が発生して400人が死亡、鉄道にも被害が出た。2月末までイギリス本土各地への爆撃が続き、航空機240機と艦船330隻が破壊された。参考：世界の傑作機No.141

＜マルス・パッサート＞：ソ連の艦載多機能レーダーで、NATOコードはスカイ・ウォッチ。アンテナはパッシブ・フェイズド・アレイ式４面固定型で、使用周波数はＳバンド（Ｅ・Ｆバンド）。探知距離500km。同時目標追尾数80。アドミラル・クズネツォフ級とキエフ級４番艦アドミラル・ゴルシコフに搭載された。参考：月刊世界の艦船1,’15増刊、10,’18、艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜マルスピアーレ＞：SM.82（爆撃・輸送機）を参照。

＜マルセイエーズ＞：フランス海軍ラ・ガリソニエール級軽巡洋艦Marseillaise。1937年竣工。1942年11月にツーロンで自沈し、その際の爆破で１週間にわたり火災が発生、全損した。イタリア軍が引き揚げを検討したが、損傷が激しいため断念された。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜マルセイユ＞：ハンス・ヨアヒム・マルセイユ（Hans-Joachim Marseille）。ドイツ空軍エースで、アフリカの星とも砂漠の星とも呼ばれた。1919年12月13日、ベルリン生まれ。1938年11月、ドイツ空軍に士官候補訓練生として入隊。1940年8月10日、第２教導航空団第１中隊に配属され、バトル・オブ・ブリテンに参加。8月末にスピットファイアを撃墜して初戦果を上げた。9月中旬、５機撃墜で功一級鉄十字章を受章。10月までにスコアは７機となったが、規律を無視して敵に挑んだ末に撃墜されることも多く、被撃墜は６回に達した。12月、第52戦闘航空団第４中隊に転属。ただ素行不良で出撃禁止になったこともあった。その後第27戦闘航空団第Ⅰ飛行隊に移り、ユーゴスラビアで空戦を行い、スコア７機で1941年4月に北アフリカに移った。4月23日に北アフリカでの初撃墜を記録。以降ロッテ戦法を無視して単機で格闘戦を挑み、敵機が弾に当たりに行くと称されるほどの優れた見越し射撃能力でスコアを伸ばしていった。１機を撃墜するのに平均15発を叩き込んだといわれる。1941年12月、33機撃墜を達成。1942年2月20日、50機撃墜を達成し、騎士鉄十字章を受章。練度の高いイギリス軍相手に高いスコアを挙げたためドイツ宣伝省も着目し、イケメンだったこともあって映像は広報キャンペーンに引っ張りだことなった。6月3日、P-40戦闘機を11分間に６機撃墜して通算75機撃墜を達成、柏葉騎士鉄十字章を受章した。6月8日、第３中隊長・中尉に昇進。その９日後には12分間で６機を撃墜して通算101機撃墜を記録し、ドイツに帰還してヒトラーから剣付柏葉騎士鉄十字章を授与された。9月1日、２回の出撃でスピットファイアとキティホーク合わせて12機を撃墜。ケッセルリンク元帥に戦果を報告すると、もう１回出撃して５機を撃墜した。9月2日、ダイヤモンド剣付柏葉騎士鉄十字章の授与が決定したが、戦況悪化により授与式は延期され、北アフリカ戦線に留まることになった。9月30日、新しい乗機であるBf109G-2で出撃（通算382回目）したが、帰路についた直後にプラグコードが発火してオイルに引火。コクピットに煙が充満して視界が奪われ、味方の支配域まで戻ったところで脱出を試みたものの、尾翼に体が激突し、パラシュートも開かなかった。総出撃回数382回、総撃墜機数158機（全て米英軍機）。最終階級は大尉。墜落地点にはピラミッド型の墓標が建てられており、ダイヤモンド剣付柏葉騎士鉄十字章と撃墜マーク入りの尾翼はドイツ空軍博物館に保管されている。参考：月刊JWings9,’10、歴史群像2,’08、グラフィックアクション36、戦闘機のしくみ

＜マルセル・ダッソー＞：元の名前はマルセル・フェルディナンド・ブロックである。1892年1月、フランスのアルザス生まれ。スパッド戦闘機用の可変ピッチプロペラを開発生産して得た資金で1928年にマルセル・ブロック社を創設した。1936年にマルセル・ブロック社がSNCASOとして国有化されたため、1937年に改めてマルセル・ブロック株式会社を設立している。フランスがドイツに占領されるとドイツ国防軍向け航空機の開発を断ったため1940年10月に投獄された。1949年にレジスタンスの名前をとってダッソーに改名し、スペルも元々のDassautにAssault（攻撃）をプラスしたDassaultとした。それに先立つ1947年にマルセル・ブロック社をダッソー社に改称するとフランス軍機の開発に着手。ビジネスジェットの分野にも進出し、1972年にはファルコンジェット社を設立した。1981年、ダッソー・システムズ社を設立。1986年、94歳で死去した。参考：月刊JWings7,’12、6,’14

＜マル戦計画＞：日本海軍が策定した、昭和18年度戦時艦船建造補充並びに陸上防備兵力等増勢計画のこと。ソロモン諸島周辺での局地戦闘と、激増する潜水艦による船舶被害に対応するため、対潜護衛艦艇や魚雷艇などを中心に建造を予定している。昭和18年4月22日に軍令部が中型潜水艦50隻、輸送潜水艦19隻、輸送艦32隻、甲型魚雷艇100隻、乙型魚雷艇380隻、海防艦230隻、哨戒特務艇甲型90隻、哨戒特務艇乙型300隻を要求したが、海軍省では建造不能として中型潜水艦13隻、輸送潜水艦７隻、輸送艦10隻、甲型魚雷艇28隻、乙型魚雷艇452隻、海防艦244隻、哨戒特務艇乙型300隻に変更して6月3日に軍令部に諮った。この間にも戦局悪化が続き、正式決定前に中止を余儀無くされた。参考：月刊世界の艦船12,’11

＜マルソパ＞：S-63（潜水艦）を参照。

＜マルダーⅠ＞：ロレーヌ37L海外ファミリー（対戦車自走砲）を参照。

＜マルダー１シリーズ＞：西ドイツ陸軍歩兵戦闘車Marder 1。レオパルト１戦車と同時に計画され、1960年から開発、1968年に先行量産型で運用試験が行われ、1969年に制式化された。主契約社はラインシュタール社である。1970年12月に量産車体が完成し、1971年5月から配備、1975年までに2136両が生産された。2025年まで使用する予定で、対戦車ミサイルをMELLSに換装する。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊、月刊PANZER5,’01、月刊軍事研究10,’18

　＜マルダー１＞：車体は避弾経始良好で、車体後部が兵員室であり、背中合わせに６名が座る。また、４名分の寝台にすることも可能。後部ランプから出入りでき、兵員室上部にも円形ハッチ４個が設けられている。後部兵員室両側面にモワク社製ボールマウント式ガンポート２個ずつ、兵員室上後部に7.62mm機銃のリモコンターゲットを装備する。兵員室上部左右に３個ずつのペリスコープが付いており、ガンポートからの射撃時の照準もこれを使う。砲塔の兵装は20mm機関砲MK20Rh202（1250発）と同軸7.62mm機銃（5000発）で、砲塔左に76mm発煙弾発射機を６発搭載する。砲塔内には車長と砲手の２名が乗り、車長用にペリスコープ８個と視察・照準用PERI-Z11ペリスコープ（オーバーライド可能）、砲手用に赤外線暗視装置付きペリスコープ（対空照準も可能）が用意されている。1977-79年にミラン対戦車ミサイルを装備しているが、地上発射機の三脚を折り畳んで車長用キューポラに取り付けただけなので、発射時には乗員が体を晒さなければならない。また、搭載スペースを確保するために乗員が１名減らされた。装甲は鋼板製で、前面で20mm機関砲に耐えられる程度であるようだ。下部転輪はダブル式片側６枚、前方に起動輪、後方に誘導輪を持ち、上部転輪は３個。エンジンはMTU社製MB833Ea500水冷ディーゼル（600馬力、22400cc）、トランスミッションはHSWL194遊星式ギア・オートマチック（前進４速・後進２速）。参考：月刊PANZER3,’04、5,’01、月刊グランドパワー10,’00別冊、10,’94

　＜マルダー１Ａ１＞：火力強化と暗視能力の向上を行ったもので、1979-82年にかけてマルダー１から670両（全車？）が改修された。機関砲がダブルフィード式に改良され、砲手用サイトが光量増幅式夜間サイトを組み込んだ大型のものとなり、砲塔左側面に白色光／赤外線投光器（熱源探知装置？）も装備された。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊、10,’94

　＜マルダー１Ａ２＞：1A1の砲手用サイトに熱線暗視装置を組み込んで砲塔左の投光器を撤去、兵員室後部のリモコン機銃架を廃止して旋回式ペリスコープに換装したもの。1984-89年に改修された。全長6.79m、全幅3.24m、全高2.99m、重量29.2トン。エンジン出力600馬力、最大速度75km、燃料搭載量652リットル、航続距離520km。参考：月刊PANZER5,’01、月刊グランドパワー10,’00別冊、10,’94

　＜マルダー１Ａ３＞：1986年7月に計画が公表され、1988年1月（1989年？）に改修プロジェクトが開始された装甲強化型で、既存の生産車に対して改修が施された。車体前面（溶接）、車体前上面（ボルト止め）、車体上面（スペースドアーマー）、側面上部（スペースドアーマー）、後面扉（スペースドアーマー）、砲塔基部（ボルト止め）、機関砲基部後面（ボルト止め）に20mm程度の増加装甲を取り付け、30mm機関砲に対する抗堪力を得ている。この増加装甲の重量は1.6トンで、戦闘重量は33.5トンに増加し、最大速度が65kmに、航続距離が500kmに低下した。車体側面上部には雑具収納スペースもあり、これも防御能力を増加させている。操縦手用ハッチ後方の観測員用ハッチは廃止され、ガンポートは塞がれ、兵員室上面ハッチは大型のもの３個になった。7.62mm機銃は同軸から独立装備（砲塔左側）に変更され、砲塔内の居住性が改善された。全長6.88m、全幅3.38m、全高3.01m、重量33.5トン。エンジンは600馬力の６気筒液冷ディーゼル。乗員３名＋乗車兵員６名。参考：月刊PANZER5,’01、月刊グランドパワー10,’00別冊、10,’94

　＜マルダー１Ａ４＞：1A3にSEM93無線システムを搭載した車両。戦術指揮所として用いることが可能。参考：月刊軍事研究12,’02

　＜マルダー１Ａ５＞：対地雷・IED用増加装甲を装着したタイプ。下部車体を縫い合わせ溶接し、特殊成型パネルで強化した。また、乗員区画なども再設計され、ベンチシートも天井から吊り下げられている。バッテリーには弾片避けのライナーを取り付けてスカート側に移動、砲塔下部の燃料タンクは小型になり、応急燃料タンクを砲塔後部右に設置した。重量37トン。74両が改修された。参考：月刊軍事研究12,’02、6,’11、9,’16、月刊PANZER10,’03

　＜マルダー１Ａ５Ａ１＞：不朽の自由作戦アフガン向けの改良型。車体底部装甲を強化し、車体後面左に箱形の空調装置を外付けした。IEDジャマー・アンテナや赤外線輻射低減用MMTカモフラージュ・カバーも装着している。2010年に1A5から35両が改修された。参考：月刊PANZER8,’13、月刊軍事研究6,’11、9,’16

　＜ＩＦＶ　ＣＣＶ＞：Infantry Fighting Vehicle Close Combat Vehicleの略。ラインメタル社の独自改良型で、IDEX2011に展示された。対HEAT/IED用の分厚い増加装甲を搭載し、砲塔を無人のランスに変更、エンジン出力を強化してエアコンを追加した。ランス無人砲塔には30mm機関砲が装備されており、仰角60度、発射速度毎分400発。センサーはSEOSS P（Stabilized Electro-Optical Sighting System P）で、全周を監視でき、デジタル式FCSを搭載している。２名用の有人型砲塔に換装可。参考：月刊軍事研究6,’11

＜マルダー１ファミリー＞

　＜マルダーＡＰＣ＞：ユーロサトリ2012で展示された装甲兵員輸送車型で、マルダー・エボリューションともいう。砲塔を外して兵員室を300mmかさ上げし、増加装甲を装着、パワーパックとサスペンションを強化している。装甲防御は全周でレベル４、耐地雷・IEDはレベル3a-3b。エンジンはMTU社製MB883EA（600馬力）。参考：月刊軍事研究10,’12、4,’15

　＜マルダー中型主力戦車＞：ユーロサトリ2012で展示された105mm戦車砲塔搭載型。HITFAST105砲塔を積んでいる。戦闘重量43トン。最大速度65km、航続距離500km。参考：月刊軍事研究10,’12

＜マルダー１海外シリーズ＞

　＜マルダー（チリ）＞：チリ陸軍歩兵戦闘車。中古の177両を配備した。また、60両をスペアパーツ用に購入している。参考：月刊軍事研究6,’11

　＜マルダー１Ａ３（インドネシア）＞：インドネシア陸軍歩兵戦闘車。2013年に中古の50両（うち８両がスペアパーツ用）の導入を決定した。参考：月刊PANZER8,’13

＜マルダー２＞：西ドイツがマルダー１の後継として開発していた歩兵戦闘車で、1987年末にクラウス・マッファイ社の案が採用された。車体は装甲鋼板の全溶接式で、前部左に操縦手席、右にMTU社製MT881ディーゼル（1000馬力）とZF社製変速機を一体化したパワーパックを収める。車体中央が戦闘室で砲塔が載り、後部が７名乗りの兵員室となっている。車体後面には観音開きのドア、上面には４枚の円形ハッチがある。ガンポートは無く、側面に３基のペリスコープを付けるのみである。砲塔は２名用で、MK35/50mmRh503機関砲を搭載し、デジタル式FCSとレーザー測距器内蔵熱線暗視装置を備える。車体及び砲塔にはモジュラー化した増加装甲を装着できる。東西ドイツの統合による資金難で、開発中止となった。参考：月刊グランドパワー10,’00別冊

＜マルダーⅡシリーズ＞：ドイツ陸軍のⅡ号戦車改造対戦車自走砲で、マルダーは貂（てん）の意。1941年から開発された。参考：異形戦車ものしり大百科、月刊グランドパワー3,’11

　＜Ⅱ号戦車Ｄ／Ｅ型７．６２センチＰａＫ３６（ｒ）装甲自走車体＞：制式名称はPanzer Selbstfahrlafette 1 fur 7.62cm PaK36(r) auf Fahrgestell Panzerkampfwagen Ⅱ Ausf D1 und D2、別名Sd.Kfz.132マルダーⅡＥ。当時火炎放射戦車に改造されていたⅡ号戦車D/E型の車体を用い（ただし既存生産分の流用でなく、新規生産されている）、75mmクラスの対戦車砲を載せる計画で開発された。しかしPaK40が間に合わなかったため、取り敢えずソ連の7.62cmPaK36(r)L51.5を搭載したのがこれである。車体上にオープントップ・後方開放式の戦闘室を設け、野砲改造砲架に7.62cmPaK36(r)L51.5を搭載、機関室上面と砲の台座の先端部にガントラベルロックを持つ。防楯内側前面に２ヵ所、左右各１ヵ所にペリスコープ装着アタッチメントを備える。戦闘室周囲には小さなフックが溶接されており、雨天時などにキャンバスをかけることができた。全長5.65m、全幅2.3m、全高2.6m、戦闘重量11.5トン。主砲は7.62cmPaK36(r)L51.5で、装弾数30発、旋回俯仰は手動式で、旋回角は左右25度ずつ、俯仰角はマイナス５度からプラス16度、照準器はZF３×８。MG34機銃（900発）を車内に搭載する。装甲厚は車体前面30mm９度、側後面14.5mm０度、底面5mm90度、戦闘室前面30mm９度、側面14.5mm20度、後面14.5mm15度（メッシュのみの車両もある）、防楯前面14.5mm30度、側面14.5mm15度、後面・上面はオープン。エンジンはマイバッハHL62TRM（140馬力）、変速機はマイバッハ・バリオレックスVG102128H（前進７速・後進３速）、最大速度55km、燃料搭載量220リットル、航続距離220km（路上）／130km（路外）。無線機はFuG Spr d。乗員は操縦手、砲手、装填手、車長の４名。1942年3月に60両、4月に90両が生産され、更にⅡ号火炎放射戦車の車体を流用して1943年11月までに60両が改造された。1942年4月から戦車師団及び機甲てき弾兵師団の戦車駆逐大隊（自走式）に配備が開始され、東部戦線で1944年頃まで使用された。参考：月刊PANZER11,’02、異形戦車ものしり大百科、ジャーマンタンクス

　＜Ⅱ号戦車車体搭載７．５ｃｍ　ＰａＫ４０／２＞：制式名称は7.5cmPaK40.2 auf Fagrgestell Panzerkampfwagen Ⅱ (Sf)、別名Sd.Kfz.131MarderⅡ。1942年5月13日にヒトラーとシュペーア軍需相が会議を行った際、ヒトラーがⅡ号戦車（当時月産50両で生産されていた）の戦闘力が低いためPaK40を搭載できないかと提案したのが開発の端緒であり、5月18日にシュペーアから陸軍総司令部へと開発命令が出された。1942年6月から1943年6月までにＦ型車体から531両（576両？）が新規生産された他、1943年1月以降に前線から引き上げられたｃ、Ａ、Ｂ、Ｃ、Ｆ型の車体を流用して改造されたものもある。1943年6月から1944年1月までの改造数は68両（75両？）で、1943年1-5月の改造数は不明。ちなみにマルダーⅡの名称が付けられたのは1943年11月29日（ヒトラーが命名した）で、それを国防軍総司令部が承認したのは1944年2月1日、陸軍総司令部が承認したのは2月27日である。車体はⅡ号戦車Ｆ型で、重量増に対応して足回りが改造されており、リーフスプリングの幅を広げて緩衝力を強化、第１・第２・第５転輪にはダンパーを追加した。砲塔は外され、車体上面装甲板は操縦室と機関室の上面を覆うのみとされている。車体前面には予備履帯16枚を装着する。車内配置はそのままで、戦闘室下面右側にドライブシャフトが走っていたため、その上に位置する装填手は作業がしにくく、車長兼砲手席の後ろにあるスペースに予備乗員を１名配置して補うことが多かったらしい。戦闘室は10mm（傾斜15度）の装甲板で前面左右と側面を囲まれており、前面中央部分はPak40/2の防楯（4mm厚×２枚）がカバーしている。操縦室上面と防楯の隙間から弾片が入り込まないよう、防楯下端に厚さ4mm、操縦室上面に厚さ10mmの装甲板が溶接された。主砲は7.5cmPaK40の車載型、7.5cmPak40/2であり、少し左にオフセットされている。戦闘室後部と車台前端にガントラベリングクランプを持つ。弾薬庫は機関室上面に設けられていて、厚さ10mmの装甲板製。内部はエンジン上面カバーに合わせて３分割されており、左に24発、中央に７発、右に６発を収容する。弾薬庫の蓋は下開き。全長6.36m、全幅2.28m、全高2.2m、重量10.8トン。主砲は7.5cmPak40/2（37発）、旋回俯仰は手動式、旋回角は左32度・右25度で、俯仰角はマイナス８度からプラス10度、照準器はZF３×８。副武装は車内の7.92mm機銃MG34（600発。戦闘室右）とMP38短機関銃（192発）。装甲厚は車体前面35mm13度、側面15mm０度、後面15mm７度、底面5mm90度、上部構造物前面30mm10度、側面10mm８度、後面10mm０度、上面10mm90度、防楯4+4mm30度。エンジンはマイバッハHL62TRM（140馬力）で、トランスミッションはSSG64（前進６段・後進１段）、最大速度40km、航続距離190km。操向はクラッチ・ブレーキ式。懸架装置は片持ちの独立懸架リーフ・スプリング式。履帯はドライピン式スケルトン型シングルピン・シングルブロック型。無線機はFuG Spr d（後にFu.5）で、1942年12月1日以降は中隊指揮車にFu.8、それ以外の車両にFu.2も搭載されたようである。乗員は操縦手（無線も操作する）、装填手、車長の３名だったが、後に砲手が増やされて４名になった。1942年7月から戦車駆逐大隊に配備され、終戦まで使用されている。1942年10月、前照灯を管制型に変更し、機関室後面に強制始動用クランクを装着した。1943年1月、K.F.F.2ペリスコープと操縦室前面左バイザー上方の双眼式ペリスコープ孔が廃止され、装甲栓で塞がれた。1943年2月、ペリスコープ孔をもともと持たない操縦室前面装甲を持つタイプが生産されるようになった。主砲防楯上部に赤外線投光器と暗視装置を装着した車両も製作（試作？）されている。参考：月刊グランドパワー3,’11、月刊PANZER2,’02、異形戦車ものしり大百科、世界の軍用車両(1)、ジャーマンタンクス

＜マルダーⅡＥ＞：マルダーⅡシリーズ（対戦車自走砲）を参照。

＜マルダーⅢシリーズ＞：ドイツ陸軍の対戦車自走砲Marder（動物のテンの意）Ⅲ。38(t)戦車車体ベースで、マルダーⅢの愛称は1944年2月以降に付いた。参考：月刊PANZER12,’01、ジャーマンタンクス

＜７．６２ｃｍＰａＫ３６（ｒ）搭載３８（ｔ）戦車＞：制式名称はPanzerjager 38(t) fur 7.62cm PaK36(r)、別名Sd.Kfz.139、MarderⅢ。1941年秋から開発されたもので、38(t)戦車Ｇ型の車体上に低い戦闘室を作り、そこに鹵獲した7.62cm師団砲F-22（を改造したPaK36(r)L/51.5。装弾数30発で、Pzrgr39Rot、Pzgr40、Sprgr39を混載）を防楯ごと搭載している。見た目、かなり背が高い印象がある。車長・装填手の作業スペースを確保するため、機関室形状も改められた。ガントラベルロックが車体前部にあり、機関室上部にも砲のスライド部を支えるトラベリングロックを装備している。下部転輪はシングルタイプ４枚で、起動輪は前方、誘導輪は後方にあり、上部転輪２個を持つ。サスペンションはリーフ・スプリングで、下部転輪２枚を１つで支える。全長5.85m、全幅2.16m、全高2.5m、重量10.67トン。主砲旋回角は左右21度ずつで、俯仰角はマイナス８度からプラス13.5度、照準器はZF３×８。副武装は車体前面の7.92mmMG37(t)１丁（1200発）で、旋回角は左35度・右11度、俯仰角はマイナス14度からプラス25度、照準器はMGZF(t)。装甲厚は車体前面50mm16度、側面15mm０度、後面15mm16度、底面10mm+8mm90度、上部構造物前面50mm17度、側面16mm11度／16mm14度、後面10mm65度、上面10mm90度、防楯前面11mm31度、側面11mm12度、後上面はオープン。エンジンはプラガEPAまたはEPA/2ガソリン（125馬力）で、前進５速・後進１速、最大速度42km、航続距離185km。無線機はFuG Spr d。乗員は車長兼砲手、装填手、無線手兼車体銃手、操縦手の４名。1942年7月からはエンジンがプラガAC（150馬力）に強化され、最大速度が49.5kmに、航続距離が197kmとなった。1942年4月から10月まで344両が生産され、1942-43年に75両が改造されて東部戦線や北アフリカに送られ、機甲師団／機甲てき弾兵師団戦車駆逐大隊（自走式）に配備されている。北アフリカには1942年5-11月に66両が送られ、最初の６両は戦車軍司令部直轄として使用され、残りは第15戦車師団の第33・第39戦車駆逐大隊に配備された。参考：月刊PANZER12,’01、異形戦車ものしり大百科、世界の軍用車両(1)、ジャーマンタンクス、月刊丸12,’10

＜７．５ｃｍＰａＫ４０／３搭載３８（ｔ）対戦車自走砲Ｈ型＞：7.5cmPaK40/3 auf Panzerkampfwagen 38(t) Ausf H、別名Sd.Kfz.138、MarderⅢH。1942年5月から開発され、6月に試作が完成した。当初は38(t)戦車Ｇ型の車体をほぼそのまま流用していたが、後に38(t)式戦車車台Ｈ型を使用するようになった。戦闘室上部にボルト止めの防楯を増設、主砲を搭載し、車長兼砲手と装填手が位置する。全長5.77m、全幅2.16m、全高2.51m、重量10.8トン。主砲は7.5cmPaK40/3 L/46（38発）で、、旋回角は左右30度ずつ、俯仰角はマイナス５度からプラス22度、照準器はZF３×８。副武装は車体前面の7.92mmMG37(t)機銃１丁（600発）で、旋回角は左35度・右11度、俯仰角はマイナス14度からプラス25度、照準器はMGZF(t)。装甲厚は車体前面下部50mm16度、上部12mm74度、側面15mm０度、後面15mm16度、底面8mm90度、戦闘室前面は50mm17度、側面は30mm０度（Ｈ型車台は15mm０度）、後面オープン、上面10mm65度・10mm90度、防楯前面15mm25度、側面15mm25度、後上面オープン。エンジンはプラガEPA/2ガソリン（140馬力）で、最大速度35km（47km？）、航続距離240km。乗員５名。1942年11月から596両（1943年4月までに242両ないし275両を生産、1943年中に175両ないし336両を改造という説も）が生産され、1942年末から戦車駆逐大隊（自走式）に配備が始まり、全戦線で使用された。参考：月刊PANZER12,’01、異形戦車ものしり大百科、世界の軍用車両(1)、ジャーマンタンクス

＜７．５ｃｍ　ＰａＫ４０／３搭載３８（ｔ）対戦車自走砲Ｍ型＞：Panzerjager 38(t) mit 7.5cm PaK40/3 Ausf M、別名Sd.Kfz.138 MarderⅢM。1942年7月、38(t)戦車を全て自走砲に流用せよというヒトラーの命を受けて生産されたタイプである。38(t)戦車車台Ｍ型を使用し、7.5cm PaK40/3を車体後部に搭載、前後左右10mmの装甲板で囲って製作された。後部装甲の一部（マフラーより上の部分）は下付きヒンジにより後方に倒して射撃操作スペースに当てることができる。車体前部と戦闘室後部にトラベリングロックを備える。上部転輪は１個になった。全長4.95m、全幅2.15m、全高2.48m、重量10.5トン。主砲は7.5cmPaK40/3 L/46（27発）で、旋回角は左右21度ずつ、俯仰角はマイナス５度からプラス13度、照準器はZF３×８。車内に7.92mm機銃MG34を１丁搭載する。装甲厚は車体前面20mm15度、側面15mm０度、後面10mm41度、底面10mm90度、上部構造物10mm30度、側面10mm15度、後面10mm０度、上面8mm90度、防楯前面6mm28度、側面10mm16度、後面10mm17度、上面オープン。エンジンはプラガACガソリンで、前進５速・後進１速、最大速度42km、航続距離190km。無線機はFuG Spr d。乗員４名（車長、操縦手、砲手、装填手）。BMM社で1943年4月から1944年5月までに975両（942両？）が生産された。後期生産型（1943年末以降）では車体前面と操縦室前面の装甲が20mmに強化され、操縦室上部の丸みがなくなり、車体前部の牽引フックが側面装甲と一体化したものになり、排気管が車体右のグリルから車外に出て後方に導かれるようになった。1943年5月から戦車師団及び歩兵師団の戦車駆逐大隊（自走式）に配備され、全戦線で使用された。1945年2月1日時点では350両が可動状態にあった。参考：ジャーマンタンクス、月刊PANZER12,’01、11,’86、異形戦車ものしり大百科、月刊丸12,’10

＜マルダー・エボリューション＞：マルダーAPC（装甲兵員輸送車）を参照。

＜マル大＞：桜花一一型（ロケット特攻機）を参照。

＜マルタ・クリスティナ・ティアハフ＞：インドネシア海軍トライバル級フリゲートMartha Khristina Tiyahahu。元はイギリス海軍トライバル級フリゲートのズールーである。参考：月刊世界の艦船9,’96

＜マルタ軍＞

＜マルタ軍（１９８９年）＞：兵力1500名。２個連隊からなり、第１連隊は歩兵中隊１個、海兵中隊１個、空港中隊１個、ヘリ小隊１個、第２連隊は防空中隊１個、一般任務中隊１個、保安中隊１個、電気・機械工兵中隊１個からなる。RPG-7対戦車ロケット、81mm/82mm迫撃砲、哨戒艇８隻、AB-204ヘリ２機、AB-206Aヘリ１機、AB-47Gヘリ１機、ベル47Gヘリ１機、SA-316ヘリ３機（保管中）、14.5mm機銃ZPU-4を50基保有する。イタリア軍AB-212捜索救難ヘリ２機が駐留している。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜マルタ軍（２０１５年）＞：現役総兵力1950名、予備役180名（緊急義勇予備軍120名、個人予備役60名）。第１歩兵連隊（歩兵中隊３個、防空・戦闘支援中隊１個）、第３戦闘支援連隊（戦闘工兵隊１個、爆発物処理隊１個、整備隊１個）、第４戦闘支援連隊（戦闘偵察中隊１個、保安中隊１個）、海洋部隊（外洋哨戒部門、沿岸哨戒部門、即応・訓練部門、整備部門、兵站部門。哨戒艇８隻、兵站支援船２隻）、航空部隊（飛行任務部門、整備部門、統合兵站部門、救難セクション。ビーチ200洋上哨戒機２機、BN-2B軽輸送機２機、ブルドッグT.Mk1練習機３機、AW139捜索救難ヘリ２機、SA316BアルエートⅢ汎用ヘリ３機）からなる。イタリア軍25名、HH-212ヘリ２機が駐屯している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜マルタディナタ＞：インドネシア海軍クロード・ジョーンズ級護衛艦Martadinata。元はDE-1035チャールズ・ベリーである。1974年就役。参考：月刊世界の艦船9,'96

＜マルタディナタ級＞：シグマ級コルベット（インドネシア海軍）を参照。

＜マルタ島攻防＞：第２次大戦時、マルタ島にはイギリス空海軍基地が設営されており、ドイツ北アフリカ軍団に補給物資を届ける枢軸軍艦船を攻撃、1941年末まで撃沈率75%という大打撃を与えてロンメルの攻勢を阻止した。イタリア空軍は1940年6月の参戦時からマルタ島を攻撃したが、空母グローリアス所属のグラディエーター４機（１機は程無く撃墜されて３機になった）が18日間に渡り攻撃を阻止、7月に空母I49アーガス所属のハリケーン12機の増援を受けた。8月、空母91アークロイヤルからハリケーン部隊が増派された。1941年1月、ドイツ第10航空軍団がシチリア島に移動し、激戦が開始された。この時ハリケーンの稼働機は15機で、戦闘機・爆撃機合わせて100機以上を擁するドイツ空軍に押され、一時は稼働機が６機にまで減少し、空母87イラストリアスが修理途中でアレクサンドリアに脱出する羽目になったが、ドイツ空軍が北アフリカ軍団の支援に向かった2月以降は態勢を建て直した。1941年12月6日、北アフリカ戦で消耗したドイツ第10航空軍団に替わり、ドイツ第２航空艦隊がシチリア島に配置された。1942年3月20日、第２航空艦隊がマルタ島に対して本格的な攻撃を開始、水上艦と潜水艦は脱出を余儀無くされたが、イギリス空軍はスピットファイアを増派して対抗し、8月に再び枢軸軍補給艦船への攻撃を開始した。参考：ラバウル航空戦

＜マルチカム迷彩＞：アメリカ陸軍が2010年に採用した、アフガニスタン駐留部隊向け戦闘服・個人装備用迷彩。参考：月刊丸12,’11

＜マルチスタティック・ソナー・オペレーション＞：複数のプラットフォーム（艦船、対潜哨戒機、対潜哨戒ヘリなど）にソナーやソノブイを搭載し、あるプラットフォームが装備するソナーやソノブイにより音波を発信、敵潜水艦からの反射波を他プラットフォームのソナーやソノブイで受信して位置を特定する方式のこと。音波発信プラットフォーム以外は全てパッシブ・オペレーションを行うため、味方部隊の配置を秘匿したまま静粛潜水艦を探知可能で、TASSなどの受信機を層深より下に配置すれば深海に潜む潜水艦も発見でき、音波送受信機の位置の違いを利用してアクティブソナー音の海底反射による残響を排除できるため浅海域での潜水艦探知にも威力を発揮する。潜水艦を攻撃するための探知追尾を行うには、各プラットフォーム間でアクティブソナー位置情報、音響発信時刻、発信音響諸元などをリアルタイムで共有する必要があるため、データリンク能力が重要である。また、水中状況を的確に捉えて正確な水中音響伝搬モデルを構成した上で各ソナーを配置しておかないと、正確な位置特定ができない。参考：月刊世界の艦船9,’18、8,’12、4,’18

＜マルチスタティック・ソーナー付加装置（ＯＱＳ－５用）＞：自衛隊の機器。日本電気製。参考：月刊軍事研究2,’11

＜マルチスロッテッド・フラップ＞：フラップを参照。

＜マルチスロット型マズルブレーキ＞：マズルブレーキを参照。

＜マルチセール２０１８＞：2018年3月8-14日にグアム島周辺海空域で実施された日米共同訓練で、DD-118ふゆづき、CG-54アンティータム、DDG-54カーティス・ウィルバー、DDG-65ベンフォールド、DDG-89マスティンが参加し、対空戦、対水上戦、対潜戦、射撃訓練（SM-2、艦砲）を行った。T-AKE-8ウォリー・シラーが弾薬補給を行っている。参考：月刊世界の艦船5,’18、6,’18

＜マルチ・センシング・システム＞：自衛隊の機器。富士重工製。参考：月刊軍事研究4,’14

＜マルチチャンネル分光器＞：自衛隊の機器。浜松ホトニクス製。参考：月刊軍事研究6,’18

＜マルチパス＞：多重伝播経路。電波が海面、地面、建造物などに反射して複数の経路で伝わることで、１つの目標に対するレーダー反射波が複数の経路を通って複数回受信されることになり、虚目標を生じる。参考：月刊世界の艦船2,’14、レーダの基礎

＜マルチパスＩｎＳＡＲ＞：干渉合成開口レーダーを参照。

＜マルチ・バンク＞：A57（エンジン）を参照。

＜マルチバンド型インター・イントラ・チーム通信機＞：AN/PRC-148(V)(C)を参照。

＜マルチビーム測深儀＞：数本の音波ビームを海底に発振し、反射波を分析することにより、一定の幅での水深を測ることが可能な音響測深儀。艦船の進行方向に対して左右に広がる扇状の音波ビームを発振し、それに直交する進行方向と平行の扇状ビームで受信を行い、両ビームの交点だけをピックアップして解像度を高めるクロスファンビーム画像化方式により、海底地形が分かるので、海底地形図の作成や、それと照合しての艦位測定に使用される。参考：月刊世界の艦船1,’17、1,’19

＜マルチファンクション校正器＞：自衛隊の機器。TFF製。参考：月刊軍事研究5,’18

＜マルチプロダクト校正器＞：自衛隊の機器。TFF製。参考：月刊軍事研究5,’18

＜マルチプロダクト校正器１型＞：自衛隊の機器。フルーク製。参考：月刊軍事研究7,’09

＜マルチプロダクト校正器２型＞：自衛隊の機器。TFF製。参考：月刊軍事研究11,’14

＜マルチベース発射薬＞：トリプルベース発射薬の性能を更に改善させたもの。トリプルベース発射薬に、基材としてRDXを加えたものを中心に開発が進められている。燃焼温度が更に低くなっており、エロージョンの抑制に有用である。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜マルチポート型マズルブレーキ＞：マズルブレーキを参照。

＜マルチミッション・マリタイム・エアクラフト＞：MMAを参照。

＜マルチメータ４型＞：自衛隊の機器。日本電計製。参考：月刊軍事研究11,’14

＜マルチメータ８型＞：自衛隊の機器。日本電計製。参考：月刊軍事研究6,’14

＜マルチリンク式サスペンション＞：ダブルウィッシュボーン式サスペンションの変形で、２本のアームの換わりに4-5本のリンクを使用するものである。リンクの取り付け位置・角度などを細かく調整することで非常に高性能のサスペンションとなるが、構造が複雑でコストがかさみ、整備性も劣る。参考：自動車のサスペンション

＜マルチロール＞：多目的。種々の任務を１つで行えること。

＜マルチロール戦術データリンク＞：MR-TCDLを参照。

＜マルチロール・ファイター＞：多用途戦闘機、多目的戦闘機、Multi-role fighter。機体に改造を加えること無く、様々な兵装を組み合わせて搭載し、空対空ミッション（対航空作戦）、空対地ミッション（戦術航空支援や航空阻止など）、空対艦ミッション（対水上戦）など、多種多様な任務を１機種で行えるもの。別に開発するよりも費用が浮く、運用の手間が省ける、整備性が向上するなどの効果がある。出撃ごとに異なる装備を使用することもあるので、予め基地に多様な兵装を準備しておき、搭載作業に無駄な時間を費やさないよう工夫する必要がある。任務に応じた装備を積んでいかないと、役に立たないので注意。参考：月刊JWings3,’02、10,’09別冊付録、空軍

＜マル追計画＞：日本海軍が軍令部次長の進言に基づいて昭和16年11月6日に策定した潜水艦追加急造計画で、正式には昭和16年度戦時追加建造艦船計画という。マル５計画で建造する予定だった潜水艦を繰り上げて製作するものである。巡潜甲型改一１隻、改二４隻（うち２隻未完成）、乙型改二７隻（うち４隻未完成）、丙型５隻（実際に建造されたのは丙型改３隻）、中型15隻（うち14隻未完成）、潜補型３隻（うち２隻未完成）、標的艦１隻を建造する予定だったが、結局潜水艦10隻と標的艦１隻しか完成しなかった。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド、月刊世界の艦船12,’11

＜マル通＞：太平洋戦争時に日本海軍が行った、潜水艦による輸送作戦のこと。昭和17年11月からガダルカナルとニューギニア向けに実施された。兵装は魚雷２本のみで、砲は全て降ろし、食糧を入れたゴム袋を積んで夜間に荷揚げする。搭載量は数トンから数十トンに過ぎなかった。当初は迎えに来た陸軍の大発に食糧を手渡ししていたが、12月末には航空機や魚雷艇などの監視の目が厳しくなり、潜航したままで上甲板に括り付けたゴム袋やドラム缶を放出した。また、運貨筒や運砲筒を開発してカバーすることになった。潜水艦の上甲板に大発を括り付け、目的地で浮上して艦内からエンジンを取り出して大発に装着、そのまま岸に発進させたり、水陸両用戦車を揚陸地点まで運んで艦内から離脱したりしたこともあった。計333回の輸送を行い、25回失敗、潜水艦22隻が沈められた。参考：続潜水艦気質よもやま物語、歴史群像8,’02、月刊世界の艦船6,’09

＜マルテ・シリーズ＞：コントラベス・イタリアーナ（OTOメララ社？後のMBDA社）がシー・インディゴ艦対空ミサイルをベースに開発した対艦ミサイル。参考：月刊世界の艦船11,’17

　＜マルテＭｋ１＞：空対艦型。誘導は無線コマンドリンク＋レーダービームライディング。参考：月刊世界の艦船11,’17

＜マルテＭｋ２＞：ヘリコプター搭載用のマルテMk2/S、固定翼機（MB339C軽攻撃練習機などに搭載可能）用のマルテMk2/A、水上艦搭載用のマルテMk2/Nがある。誘導は中間が慣性誘導、終末がアクティブレーダー。全長4.816m、直径0.305m、翼スパン0.975m、重量345kg、弾頭重量100kg。射程16海里。1987年に実用化された。参考：世界軍用機年鑑1990-91、軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊丸10,’97、月刊軍事研究8,’95、2,’15

＜マルテＥＲ＞：射程延伸型。2018年3月、カタール軍がNFH90艦載ヘリ用に発注した。2021年11月、MBDA社サルデーニャ射場で量産仕様ハードウェアのテレメトリー弾による最終試射を行った。2022年に就役予定。参考：月刊世界の艦船11,’17、3,'22、月刊航空ファン6,’18

＜マルテン＞：橘花（ジェット特殊攻撃機）を参照。

＜マルト＞：日本軍が開発した潜航式機銃トーチカで、浮沈特火点の略。敵の上陸地点に沈めておき、上陸後に浮上して背後から射撃を行う。試作のみで終戦を迎えた。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド

＜マルトカ＞：マリウス（原潜）を参照。

＜マル特＞：日本海軍の陸用爆弾で、昭和15年頃から鋼材が不足してきたため、弾体の素材となる鋼材を代用品に変更したもの。参考：日本海軍の爆弾

＜マルヌ＞：A630（補給艦）を参照。

＜マルヌ＞：フランス海軍マルヌ級一等通報艦Marne。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜マルヌ川会戦＞：第１次大戦中の1914年9月5日から開始された、ドイツ軍に対するフランス軍の反撃戦。シュリーフェン計画に基づいてパリに進撃するドイツ軍は、戦力集中の不十分さとイギリス軍の増援などにより、外側を進撃する部隊の疲労が激しくなったため、パリの西を大きく回りこむプランを修正して小回りにパリを目指した。これに対し、フランス軍は予備戦力をかき集めてパリに２個軍を配置しており、9月3日にはフランス航空偵察機部隊がマルヌ河に向けて進撃中のドイツ軍をキャッチした。態勢を立て直したフランス軍は、南下するドイツ第１・第２軍の正面を第５軍で抑え、側面をパリ防衛軍と第６軍により攻撃し、イギリス大陸派遣軍がこれを支援して、ドイツ軍の前進を阻止することを計画。更にECMをかけてドイツ軍の通信を混乱させた。9月5日、フランス第６軍はパリ前面のマルヌ河でドイツ第１軍の側面を突いた。これに驚いたドイツ第１軍が方向転換したため、第２軍との間に50kmの間隙が生じ、フランス第５軍及びイギリス大陸派遣軍の浸透を許した。9月9日にイギリス軍進撃（実際は後退中だった）の情報を受けてドイツ第１・第２軍は後退を開始。補給線が伸びきり、兵士の疲労も極度に達していたドイツ軍は、隣接する第3-5軍にも後退命令を出し、北フランスで防御陣地構築に入った。9月14日、ドイツ軍参謀総長ヘルムート・フォン・モルトケ（小モルトケ）が罷免された。その後、海峡に向けての陣地延翼競争が始まった。これによりドイツ軍は長期間の二正面作戦を強いられることになり、国力を消耗する結果となった。参考：月刊PANZER1,’05、11,’99、歴史群像6,’02

＜マルヌ級＞：フランス海軍一等通報艦Marne級。第１次大戦時に建造された。全長78m、幅8.9m、吃水3.4m、基準排水量601トン。主機は蒸気タービン、出力4000馬力、速力20ノット。兵装は10cm単装砲４門、6.5cm単装砲２門。マルヌ、ローム、イーゼルが就役した。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜マルハセ＞：日本軍の半潜水式特攻艇で、半潜攻撃艇の略。マルレを半潜没式にしたもので、被発見率を低くしている。試作のみで終戦となった。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド

＜マルバッハⅤ＞：FuMG76（レーダー）を参照。

＜マルベリー＞：第２次大戦ノルマンディー上陸時に連合軍が設けた人工港。沖合１マイルに閉塞船と波消しブロック（Bombardonsと呼ばれた）を沈め、その内側に高さ18mの鉄筋コンクリート製潜函（フェニックスと呼ばれた。重量は1672-6000トン）を200個、3.5マイルにわたり連結して防波堤を作り、両端から海岸に向けて鋼鉄の浮体と潜函を延ばして内港を形成、浮き桟橋（Lobnitzと呼ばれた）を設置して岸までポンツーン（Whaleと呼ばれた）で繋ぎ、船舶からカーゴに直接貨物を搭載できる設備を作ったものである。必要な資材はフェニックスだけでもコンクリート100万トン、鋼材70万トンにのぼった。１万トン級の外航船なら７隻、小型内航船なら400隻が同時に入港でき、防波堤には高射砲や居住区が設置されている。各部はタグボート150隻により4.5ノットで曳航され、オマハ海岸とゴールド海岸に造られたが、オマハ海岸のものは建造途中の6月19-22日に嵐で破壊されてしまった。ゴールド海岸のものは上陸後３週間で完成し、シェルブール港が使用可能となり、ディエップ、アントワープを占領し、ル・アーブル制圧の目処が立った1944年9月7日まで膨大な兵站を支え続け、グーズベリーと合わせて補給品142万トン、車両15万両、人員35万名を揚陸した。参考：月刊軍事研究6,’07、月刊PANZER5,’99、歴史群像10,’08、連合軍の傑作兵器駄作兵器

＜マルボレⅣＦ＞：フランスのチュルボメカが開発したターボジェットエンジンで、シュペル・マジステールに搭載されている。圧縮機は遠心式１段、燃焼器はアニュラー型、タービンは１段で、アフターバーナーは無い。全長1.416m、高さ0.631m、重量140kg。通常巡航推力420kg、離昇推力480kg。参考：世界の軍用機1979

＜マルマダン＞：G90（駆逐艦）を参照。

＜マルメ＞：K12（コルベット）を参照。

＜マルモン・パリングトン新型戦車＞：CTLS-4TAC海外シリーズを参照。

＜マルゆ＞：日本陸軍の開発した輸送用潜水艦で、制式名称は三式潜航輸送艇。ガダルカナル戦以降、海軍による補給が困難となったために開発された。当初は海軍には秘密で開発したが、その後協力を要請し、９ヶ月後の昭和18年10月31日に試作初号艇が完成した。ソナーも取り付けて海軍技術官に指導を依頼したが、陸軍のように命令調で話して欲しい、敵性語が多すぎて分からないなどと難癖を付けたため、海軍技術官は怒って帰ってしまったらしい。また、海軍造船官が設計図を見たところ役に立ちそうもないので海軍の設計に改めると説明したところ、既に材料を裁断してしまっているので手遅れということが判明、乗員教育のみ海軍潜水学校で行うことになった。艦内に貨物を搭載するだけでなく、上甲板に耐圧ドラム缶などを括り付けて輸送する。全長41.4m、幅3.9m、吃水3m、水上排水量274トン、水中排水量346トン。主機はヘッセルマン型発動機２基（400馬力）＋電動機１基（75馬力）、１軸推進、水上速力10ノット、水中速力５ノット、航続距離は水上８ノットで1500海里／水中４ノットで32海里。安全潜航深度100名。自衛用に37mm船舶砲（九八式三七粍戦車砲の改造）１門を装備する。乗員24名や貨物20トンを搭載できる。40隻が発注され39隻が完成、小笠原諸島への輸送任務を主とし、父島に数回、レイテに１回、徳之島に１回隠密輸送を行ったとされる。出撃総数は16隻で、10隻が戦闘などで失われた。また、終戦時には陸軍潜水輸送教育隊に24隻が配備されていた。潜輸小型を参考にした改良型も試作されたが、テスト中に終戦を迎えた。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド、歴史群像6,’04、激闘太平洋戦記、海軍技術研究所、潜水艦気質よもやま物語、工兵入門

＜マル臨計画＞：日本海軍が昭和11年の帝国国防方針改定に基づいて計画した、情勢に応ずる軍備欠陥補充と呼ばれる建艦計画のこと。マル三からマル六計画では正面戦力の拡充に重点を置いており、実戦に必要な支援艦艇の建造数が少なく、日米開戦を控えて即戦力に不安があったため、昭和15年8月に海軍省と軍令部が決定したものである。揮発油運搬用特務艦６隻、冷凍運送用特務艦３隻、駆潜艇12隻、掃海特務艇６隻、敷設特務艇４隻、魚雷艇６隻、潜水艦18隻計59525トンを昭和18年12月までに建造する計画で、キャンセルされた揮発油運搬用特務艦３隻以外が完成し、太平洋戦争中に就役した。参考：月刊世界の艦船12,’11

＜マルレ＞：日本陸軍特攻艇で、別名四式肉薄攻撃艇。震洋の陸軍版で、昭和19年6月15日に設計を開始し、7月8日には試作艇を完成させた。秘匿名が四式連絡艇だったので、連絡艇の頭文字を取ってこの名を付けた。ベニヤ製で、全長5.6m、全幅1.8m、自重１トン。85馬力の自動車用エンジンを搭載し、最大速力20ノット、乗員１名。後部に120kgの爆雷２個または250kgの爆雷１個を搭載し、敵艦に30-90度の角度で突入、敵艦近くに落下させて爆発させる。一応は帰還できるが、遅延秒時が３秒しかないので、投下後に船を転針して離脱する時間は無く、殆どの乗員が爆発の巻き添えになって死亡したようである。生き残った乗員は、敵艦とほぼ平行に全速で突入し、投下後そのまま離脱する方法をとっている。部隊は昭和19年8月から編成が開始され、100隻で１個海上挺進戦隊を編成し、うち１割が戦果を挙げることを期待したが、爆雷を海面で炸裂させるため、エネルギーの大半が空中に逃げてしまい、実際の戦果には乏しかった。構成員は特別幹部候補生、見習士官、現役下士官、少尉（中隊長）、大尉（戦隊長）、少佐。10月までに30戦隊を編成し、終戦までに4000隻以上が完成。初陣は昭和20年1月9日のルソン島リンガエン湾で、140隻が突入し、輸送艦ウォーホーク、LST１隻、歩兵上陸艇１隻が大破、DD-562ロビンソンとLST３隻が損傷した。それ以降、アメリカ軍は船団泊地に木材を浮かべて接近を防ぐようになった。沖縄では第２・第26－第29戦隊が攻撃を仕掛け、２隻撃沈、６隻損傷の戦果を上げている。中にはアメリカ軍の攻撃で特攻艇が破壊され、隊員しかいない部隊もあり、手持ちの拳銃と軍刀のみでの斬り込み戦に投入された（アメリカ軍から奪った武器で武装することもあった）。沖縄から出撃した部隊は二階級または少尉への特進を受けたが、ルソン島の部隊は特進措置は無く、感状授与も不明なため、正式には特攻による戦死とは扱われていない。参考：歴史群像12,’03、激闘太平洋戦記、月刊軍事研究9,’04、特別攻撃隊、月刊丸10,’93、8,'15別冊

＜マルろ作戦＞：日本軍の白金電極製造作戦。ロケット弾の酸化剤として使用する過酸化水素の生成に必要な白金電極を製造するもので、昭和19年から実施された。政府による強制買い上げを行った他、金貨や金製品を製造して南方占領地の華僑から白金を入手した。この作戦の一環としてフィリピンに持ち込まれた金貨・金製品が山下財宝伝説のベースとなったようである。参考：月刊丸10,’93

＜マルン＞：G35（駆逐艦）を参照。

＜マレイ＞：DD-576（駆逐艦）を参照。

＜マレー沖海戦＞：昭和16年8月の米英首脳会談（大西洋会談。秘匿名称リヴィエラ）で、イギリスが太平洋方面に海上部隊を送り込むことを決定。ただ第２次大戦の最中であり、大西洋方面に主力を置かなければならないため、戦艦１隻と巡洋戦艦１隻を主力とする最小限の部隊をシンガポールに送り込み、シーレーンに脅威を与えることとし、10月20日に派遣を最終決定、10月25日に戦艦53プリンス・オブ・ウェールズがクライド湾を出撃した。11月27日、戦艦53プリンス・オブ・ウェールズがコロンボに入港。日本を牽制するため、これからシンガポールに向かうというニュースを世界に流した。12月2日、イギリス東洋艦隊に派遣された戦艦53プリンス・オブ・ウェールズ、巡洋戦艦34レパルス、駆逐艦エレクトラ、エクスプレス、エンカウンター、ジュピターからなるＧ部隊がシンガポールに到着。日本海軍がイギリス戦力増強に対抗するため南方部隊に編入した戦艦金剛、榛名と十分張り合える主力艦戦力を配備した。空母92インドミタブルも配備する予定だったが、座礁事故で間に合わなかった。日本海軍側は更に重巡鳥海、第４潜水戦隊、第５潜水戦隊をマレー部隊に編入、フィリピン東方に投入する予定の東方支援隊（戦艦榛名、第６駆逐隊）とフィリピン部隊の第２水雷戦隊第８駆逐隊を南方部隊本隊主隊に組み込んで仏印方面に展開させることにした。また、当初はマレー方面に回すつもりが無かった最新鋭の一式陸上攻撃機を割り当てることにし、フィリピン方面から鹿屋海軍航空隊の半分（一式陸上攻撃機常用27機＋補用９機）をマレー部隊に移した。イギリス東洋艦隊の増派主力艦に対抗するため、内地から戦艦を派遣すべきとの意見も出たが、山本五十六連合艦隊司令長官が数で有利な米英相手に戦艦同士の潰し合いはできず、歩で王を食う必要があり、雷撃隊で十分としている。太平洋戦争勃発直後の12月8日2025（東京時間。現地時間は1.5時間遅れ）、マレー半島攻略を行うコタバル・シンゴラの日本軍上陸船団を奇襲攻撃するため、イギリス東洋艦隊は戦艦プリンス・オブ・ウェールズ、巡洋戦艦レパルス、駆逐艦H27エレクトラ、H61エキスプレス、H04テネドス、オーストラリア海軍駆逐艦ヴァンパイアからなるＺ部隊を編成し、シンガポールを出撃。出撃前に東洋艦隊フィリップス司令長官は極東軍司令部でポッファム総司令官にイギリス空軍の支援を要請したが確答は無く、空軍からも護衛戦闘機は付けられないと言われたが、脅威となる日本軍機の行動半径を200海里前後と見積もって護衛無しでも大丈夫と判断した。12月9日1309、第１航空部隊九八式陸偵がシンガポール湾内に戦艦２隻、巡洋艦２隻、駆逐艦４隻が在泊中と報告。1515（1555？）、アナンバ諸島北北西200kmを哨戒中の伊65潜水艦がイギリス東洋艦隊を発見。敵レパルス型戦艦２隻見ゆ、地点コサチ一一（プロコンドル島196度225海里）、針路340度・速力14ノットと緊急信を南遣艦隊旗艦鳥海と第５潜水艦隊旗艦由良に打電した。日本海軍南方部隊総指揮官（兼第２艦隊司令長官）近藤信竹中将はマレー作戦部隊旗艦鳥海（マレー部隊指揮官兼南遣艦隊司令長官小澤治三郎中将座乗）、駆逐艦狭霧、第７戦隊重巡熊野、鈴谷、三隈、最上、第11駆逐隊駆逐艦初雪、白雪、吹雪、第４潜水戦隊軽巡鬼怒、潜水艦10隻（第18潜水隊伊53、伊54、伊55、第19潜水隊伊56、伊57、伊58など）、第５潜水戦隊軽巡由良、第29潜水隊伊62、伊64、第30潜水隊伊65、伊66を向かわせると共に、第１航空部隊（第22航空戦隊元山・美幌航空隊、第23航空戦隊第３航空隊・山田隊、第21航空戦隊鹿屋航空隊）の陸偵１機と陸攻３機が索敵攻撃を開始、1830頃から航空機による触接を始めた。当初は艦隊同士の夜戦や航空機による夜襲も考慮し、近藤信竹中将直率の第４戦隊第１小隊重巡愛宕、高雄、第３戦隊第２小隊戦艦金剛、榛名、第４駆逐隊駆逐艦嵐、萩風、野分、舞風、第６駆逐隊第１小隊響、暁、第８駆逐隊朝潮、大潮、満潮、荒潮も加えてイギリス東洋艦隊を追いかけた。サイゴンの第22航空戦隊司令部に情報が届いたのは1700過ぎだったが、現地（時刻1530過ぎ）はまだ明るいため、鹿屋航空隊一式陸攻第１中隊が雷装、第３中隊が250kg爆弾２発でツドウムから（ちなみに第２中隊は哨戒中だった）、元山航空隊第１・第２中隊が雷装でサイゴンから、美幌航空隊２個中隊が雷装でツドウムから出撃し、計53機で東洋艦隊を探したものの、スコール混じりの悪天候で索敵機の触接が途絶え、雲の下に出ようと高度300mまで降りても雨が激しすぎて視界が300-400mしか無かった。小澤治三郎中将は、プロコンドル島南島海域での夜間戦闘を企図し、新鋭戦艦２隻相手に劣勢の戦力ではあったが、手持ちの部隊で夜襲をかけることとし、イギリス東洋艦隊に35海里の地点まで接近したものの、悪天候で敵はおろか味方艦相互の位置も掴み難い状況だった。第22航空戦隊司令部には索敵機から敵艦隊見ゆ、オビ島150度90海里という入電があったが、これは味方艦隊を誤認したもので、味方索敵機から吊光弾を浴びたマレー作戦部隊艦隊では小澤治三郎中将が同士討ちの危険が高いとして進撃を断念し、第１航空部隊指揮官に命じて陸攻を引き返させた。2000、伊65潜水艦は東洋艦隊を見失った。2015、近藤信竹中将は航空部隊に明朝の全力攻撃、水上部隊に航空部隊への策応を命じた。2020、鹿屋航空隊第１中隊長が帰投を下命、第１航空部隊の他部隊も基地から引き返せとの電文を受領し、陸攻は基地に戻った。2145、東洋艦隊は日本軍機の触接を受けたことにより日本軍上陸地点への奇襲攻撃を断念し、シンガポールに向けて南に変針した。12月10日になる直前、第22航空戦隊司令官が隷下航空隊司令、飛行隊長、分隊長を集めて打ち合わせを実施。攻撃部署を甲空襲部隊（元山空。雷撃２個中隊、爆撃１個中隊、偵察１個中隊）、乙空襲部隊（美幌空。雷撃２個中隊、爆撃１個中隊、偵察１個中隊）、丙空襲部隊（山田部隊。九八式陸偵５機、上空警戒用零戦）、丁空襲部隊（鹿屋空。雷撃３個中隊）と定めた。12月10日0100過ぎ、クアンタンに日本軍が上陸中であるとの電信を受けた東洋艦隊は日本船団の攻撃に向かった。0122、伊58潜水艦が南に航行する東洋艦隊を発見、魚雷５発をレパルスに向けて発射したが全て外れ、引き続き16ノット水上航行で追跡した。0220、シンガポールに残っていた東洋艦隊参謀長から日本軍がクワンタンに上陸中という緊急電が入ったため、東洋艦隊は南西に変針してクワンタン沖に向かった。伊58は引き続き追跡している。0341、伊58が東洋艦隊の南進を打電。近藤中将は南方部隊に28ノットでの南進を命じた。0425、伊58が東洋艦隊の針路変更を打電したが、近藤中将には届かず、南方部隊はそのまま南進し続けた。0615、伊58は東洋艦隊に振り切られ、触接が断たれた。0625、サイゴン基地に展開していた元山航空隊（甲空襲部隊）第４中隊九六式陸攻９機が６番陸用爆弾２発ずつを搭載し、南方へと扇形に展開（西から東に１番索敵機から９番索敵機）して索敵を開始した。0700、ソクトランから第23航空戦隊陸上偵察機２機が離陸し、南西方向へと索敵を開始した。0730、東洋艦隊がシンガポールからの護衛戦闘機直衛圏内に逃げ込む恐れがあったため、第22航空戦隊司令が索敵機の索敵結果を待たず隷下攻撃隊に発進を下命。0755、元山空の九六式陸攻26機（九一式魚雷改一１本搭載の雷撃隊第１中隊９機と同第２中隊８機、50番通常爆弾１発搭載の爆撃隊９機）がサイパンを離陸し、シンガポールに向かい針路を192度に取った。0814、ツドモー基地に展開していた鹿屋航空隊（丁空襲部隊）の一式陸攻26機（雷撃隊第１中隊９機、同第２中隊８機、同第３中隊９機）が九一式航空魚雷改二（改一？）１本ずつを搭載して出撃。0815、距離が離れすぎたため、日本海軍水上部隊は追撃を断念して燃料補給のためカムラン湾に向かった。0820-0930、ツドモー基地に展開中の美幌航空隊（乙空襲部隊）に所属する九六式陸攻33機（50番通常爆弾１発搭載の爆撃隊第６中隊８機が0820、九一式航空魚雷改一１本搭載の雷撃隊第８中隊８機が0845、25番通常爆弾２発搭載の爆撃隊第５中隊８機が0855、50番通常爆弾１発搭載の爆撃隊第７中隊９機が0930）が出撃。１時間以上かけて逐次の出撃になったのは、魚雷の搭載順が同じ基地の鹿屋航空隊所属一式陸攻優先だったためで、第７中隊は雷装が間に合わず爆装に変更、最後に出撃していった。0930、東洋艦隊はクアンタン沖に達し、H61エキスプレスをクアンタンに接近させて様子を探ったが、日本軍がいなかったため、アンナバス諸島方面に迂回してシンガポールに戻るべく、東に針路を取った。元山空九六式陸攻26機は司令部の敵位置情報を受けて南に変針し、シンガポール沖に向かった。1000、元山空３番索敵機（帆足少尉機）が会敵予想地点に到達したが、東洋艦隊は見つからなかった。1043、元山空３番索敵機がチオマン島南東で北北西に針路を変更。1113（1134？）、元山空の４番索敵機が敵軽巡らしき艦艇１隻を発見。これは前日1835にＺ部隊を離脱してシンガポールに向かっていたH04テネドスで、元山空第３中隊９機もH04テネドスを発見して500kg爆弾により爆撃したが、全て至近弾に終わった。元山空第１・第２中隊はH04テネドスを放置し南へと飛行を続けている。1145、クアンタン東40海里で元山空３番索敵機副操縦士が航跡を発見。偵察員が大型艦２隻で前方の艦は前部主砲４連装であることを確認、帆足少尉はキングジョージⅤ世型と確信し、電信員に作戦特別緊急信（ホホキン電）の発信を下命、「司令部宛　敵主力見ゆ　北緯４度東経103度55分　敵針路60度　1145」を打電した。３番索敵機の発見電は第１航空部隊司令部と甲・乙空襲部隊各中隊長機で受信されたが、各機で平文化したものを第１航空部隊司令部で海図に記入してみると位置がバラバラで、中にはマレー半島の陸上に東洋艦隊が乗り上げているものもあり、３番索敵機に対して平文での再送を要求している。第１航空部隊司令部は４番索敵機と３番索敵機のどちらが敵主力の位置か判断を迫られたが、３番索敵機は前日にクアンタン爆撃に参加しており位置評定を間違うことは無いとみて、３番索敵機に触接を保ちつつの長波発信を下命。発見電を正確に受信できなかった航空部隊機も、方位測定でこの長波の発信方位を探知して目標に集結した。1200、元山空指揮官機が司令部から回送された帆足電により針路を330度に変針、後続の第１・第２中隊機も続いた。1230、美幌空爆撃隊第５中隊８機が東洋艦隊を発見。東洋艦隊は前衛に駆逐艦３隻（エクスプレス、エレクトラ、バンパイア）、後方1000mにプリンス・オブ・ウェールズ、その右後方1000mにレパルスという隊形であり、1242に高度3000mから250kg爆弾１発ずつの一斉投下による水平爆撃（編隊公算爆撃）をかけ、１発がレパルスの右舷後部に命中、飛行機格納庫と隊員居住区中甲板を貫通して下甲板で炸裂し、火災を発生させた。５機が被弾し、うち２機が不時着すると残して編隊から離れたため、残る６機で高度4000mから再度250kg爆弾１発ずつの編隊公算爆撃を行ったが、至近弾のみだった。1258、鹿屋空が基地からの帆足電の転送を受信。反転北上の最中だったため、そのまま北上してアナンバス島西方で西に変針し、東洋艦隊に向かった。1302、元山空指揮官機がト連送を打電。1307、元山空第１中隊９機と第２中隊７機（１機はエンジン不調で1015に引き返した）が到着、指揮官機がバンクで小隊開散・突撃を下命し、1314に第１中隊がプリンス・オブ・ウェールズ、1315に第２中隊がレパルスに雷撃を仕掛けた。プリンス・オブ・ウェールズは対空砲火で第１中隊第12小隊３番機を撃墜したが、左舷中央と左舷外側推進器付近に魚雷が１本ずつ命中、左舷スクリュー２軸が停止して速力が20ノットに落ちた。プリンス・オブ・ウェールズは350トンポンプ14基と1000トン非常用ビルジポンプ４基を備え、電源もターボ発電機６基とディーゼル発電機２基を用意していたが、乗員に対する教育が徹底していなかったためか防水扉の閉め忘れが多数あり、４分間で4200トンもの海水が後部区画に流入、発電機５基が停止し、艦後部の照明が落ちて対空砲台も動かなくなり、通信が途絶えたため応急指揮所も状況を把握できなくなった。レパルスへの雷撃が１分遅れたのは、見た目が金剛と似ており確認航過を行ったためで、マストに翻るユニオンジャックでイギリス艦と判明、魚雷２本を命中させた（日本海軍戦闘詳報。イギリス側報告では命中無し）。1317、対空砲火で損傷し離脱した２機を除く美幌空爆撃隊第５中隊６機が高度4000mから再び250kg爆弾１発ずつで水平爆撃したが、命中弾は無かった。1327、美幌空第８中隊九六式陸攻８機が到着し、レパルスに対して７機が左舷側から、１機が右舷側から雷撃をかけたが、左舷側から雷撃を図った中隊長機は魚雷が落下せず、他も全て回避された（中隊では確実命中２本、不確実１本を報告）。1328、レパルス艦長が攻撃を受けたことをシンガポールに打電、センバワン飛行場からオーストラリア空軍第453中隊バッファロー戦闘機11機が救援に向かったが、到着は戦闘終了後になった。1348、鹿屋空の一式陸攻26機がプリンス・オブ・ウェールズを発見、指揮官機がプリンス・オブ・ウェールズ南西20kmでト連送を打電し、指揮官機、第１中隊３機、第２中隊２機の計６機がプリンス・オブ・ウェールズに距離500mで雷撃を実施。右舷艦首、艦橋直前、後部主砲塔付近、艦尾直前に４本が命中（日本海軍側報告は５本命中）し、右舷外側のスクリュー軸が折れ曲がった上16000トン浸水し、速力が８ノットに低下した。残る第１中隊５機、第２中隊６機、第３中隊９機の計20機はレパルスを雷撃し、左舷船体中央、主機室舷側、後部主砲塔付近、艦尾部、右舷缶室舷側に命中（日本海軍側報告は７本命中）。速力は６ノットに落ち、舵が効かなくなった。この時レパルスの対空砲火で第３中隊第１小隊２番・３番機が撃墜された。1353、それまでほぼ全速航行していたレパルスが急速に左舷側に傾斜し始めた。1355、美幌空第６・第７中隊九六式陸攻17機が到着。うち第７中隊９機が1403にプリンス・オブ・ウェールズに対して爆撃に入ったが、指揮官機が偵察員の過緊張から誤って駆逐艦に爆弾を落としてしまったため、全て外れた。1403、急速に左に傾斜したレパルスが沈没。513名（508名？）が死亡し、艦長含む796名（801名？）が救助された。1413、プリンス・オブ・ウェールズに美幌空第６中隊九六式陸攻７機が投弾（１機は爆弾が落ちなかった）、500kg爆弾１発が艦尾左舷射出機甲板を貫通して炸裂し、行動不能となった。東洋艦隊司令長官フィリップス中将は退艦を懇願する幕僚に対して”No, thank you”と告げ艦に残り、1450にプリンス・オブ・ウェールズは大爆発を起こして沈没した。東洋艦隊司令長官フィリップス中将とリーチ艦長を含む327名が死亡し、1285名が救助されている。帰投後、ツドウム基地では指揮所近くにテントを張り、戦死者に黙祷を捧げた後、万歳三唱で冷酒による乾杯を行った。サイゴン基地では撃墜された元山空第１中隊第12小隊３番機（13小隊１番機？）の分の夕食も用意されており、「今晩はつけなくてもいいんだよ」との声に、食卓番は「最後の食事をとってもらいます」と言って落涙した。これが航行中の戦艦を航空機だけで沈めた世界初の戦いで、飛行場から450海里も離れた海域での戦果であり、世界中に衝撃を与えた。レパルスには250kg爆弾１発と魚雷13-14本（イギリス側報告だと250kg爆弾１発と魚雷５本）、プリンス・オブ・ウェールズには500kg爆弾２発と魚雷７本（イギリス側報告だと500kg爆弾１発と魚雷６本）が命中、命中率は爆弾が21発中３発で14%、魚雷が49本中21本で43%だった。元山空の九六式陸攻１機と鹿屋空の一式陸攻２機が未帰還となり、１機が不時着大破、27機が損傷した。日本海軍側は無線や情報連絡システムに問題があり、伊65の電文を航空戦隊に送るまで２時間かかり、索敵機の暗号電文も正確に受信できず、各航空隊も連携無しの各個攻撃になった。この時点で西太平洋とインド洋に戦闘可能な米英主力艦が存在しなくなったため、チャーチル首相はこの報を受けた際にしばし呆然としたといい、回顧録に「全ての戦争を通じて私はこれ以上直接的な衝撃を受けたことはなかった」と記した。山本五十六連合艦隊司令長官は攻撃隊発進の報告を受けた際に戦果を１隻撃沈・１隻大破、三和航空参謀は２隻とも撃沈と予想し、外れたら長官はビール10ダース、航空参謀は１ダースを奢るという賭けを行い、戦果を聞いた山本長官はいつになく顔をほころばせて10ダースでも50ダースでも出すよと話した。参考：帝国海軍太平洋作戦史Ⅰ、月刊航空ファン1,’19、激闘太平洋戦記、日本海軍艦隊総覧、第２次大戦日本海軍作戦年誌、歴史群像4,’11、月刊世界の艦船11,'18、9,’12増刊、5,’91、9,’13増刊、山本五十六と米内光政、太平洋海戦史

＜マレー攻略作戦＞：太平洋戦争時、日本は石油資源確保のためオランダ領インド（蘭印。今のインドネシア）を占領する方針を立てたが、これには昭和13年（1938年）に要塞化を完了していたシンガポール島を攻略する必要があった。シンガポール島には海に向けて15インチ（381mm）砲３門、８インチ（203mm）砲３門、６インチ（152mm）砲14門が並べられ、島内の４つの飛行場には戦闘機や爆撃機が待機しており、昭和15年9月に陸軍参謀本部作戦課将校２名が外務省伝書使を装ってシンガポールを訪問しシンガポール要塞の情報を収集、上陸作戦は不可能と判断し、当時イギリス領だったマレー半島を1000km南下して陸路攻め入ることにした。兵要地誌も集める予定だったが、200万分の１の航空図くらいしか手に入らず、開戦後に敵から奪う事にした。陸軍の担当航空部隊は第３飛行集団で、南北仏印進駐によりベトナムとカンボジアに飛行場を設営していたが、九七式戦闘機では戦闘行動半径が足らず、急いで一式戦闘機を配備したが多少足が伸びた程度で数も40機しか揃わず、タイのシンゴラとバタニにある飛行場を開戦直後に占領して制空権を確保する計画を立てた。昭和16年7月、マレー攻略担当の第25軍司令部がサイゴンに進出。南方資源地帯を確実に押さえるため、山下奉文司令官以下陸軍大学校恩賜を６名集め、参謀本部第三部要員を引き抜いて司令部に配置するなど、態勢を固めた。隷下部隊は第５師団25000名（上陸作戦指定師団で、自動車859台と九〇式機動野砲を持つ機械化部隊。自転車も大量に配備された）、第18師団17000名（馬がメイン。三八式野砲改を持つ）、近衛師団18000名（機械化編成、九〇式機動野砲を持つ。自転車も大量に配備された）、第３戦車団戦車第１連隊（九七式中戦車31両、九五式軽戦車15両。第５師団に配属）、同第６連隊（九七式中戦車25両、九五式軽戦車12両。軍直轄）、同第14連隊（第３戦車団第２連隊がジャワ作戦に転用されたため、独立第14戦車連隊を代わりに編入。九五式軽戦車32両。近衛師団に配属）、独立山砲第３連隊（7.5cm及び10cm山砲装備）、野戦重砲第３連隊（九六式一五糎榴弾砲32門）、野戦重砲第18連隊（九二式一〇糎加農砲16門）、野戦重砲第21大隊（四年式一五糎榴弾砲16門）、独立速射砲第１大隊（九四式三七粍速射砲、一式四七粍速射砲）、独立臼砲第14大隊（九八式三三糎臼砲）、野戦高射砲第33大隊（八八式七糎半高射砲）、第17野戦防空隊（高射機関砲）、迫撃砲大隊２個、気球第１中隊（弾着観測用気球装備）、独立工兵第４・第15・第23連隊、第25軍鉄道隊（九七式貨車）、第25軍通信隊、架橋材料中隊、渡河材料中隊、第２野戦憲兵隊で、当時３個しか無かった機械化師団のうち２個が配置されていた。海軍の支援部隊は第22航空戦隊と南遣艦隊である。対するイギリス・マレー軍は第３インド軍団（パーシバル中将）隷下の第11インド歩兵師団（シンゴラ・パタニ南西）、第９インド歩兵師団（コタバル及びその南方）、第28インド歩兵旅団（第３インド軍団予備。第11インド師団後方）、第８オーストラリア歩兵師団（マレー半島南部）、第12インド歩兵旅団（マレー軍予備。第９インド師団後方）、シンガポール要塞守備隊、マレー旅団２個計88600名で、５個師団（イギリスの師団は２個旅団編成）に相当する兵力を持っていたが、武装は小銃が中心で、装軌戦力はブレンガンキャリアしかなく、重砲も存在しなかった。また、日本側に航続力の大きい戦闘機と中戦車が存在することを見落としており、本国に２個戦車連隊の増援を要請していたものの、戦闘には間に合わなかった。昭和16年9月、陸軍航空隊はマレー攻略、海軍航空隊はフィリピン攻略に集中することになり、マレー攻略用海軍航空隊１個をフィリピン向けに移し、フィリピン攻略支援の陸軍飛行団１個をマレー向けに変更した。10月初め、南シナ海の警戒にあたる海軍陸攻航空隊１個をマレー方面に展開させることが決まった。10月下旬、訓練により零戦の航続性能を向上させた結果、フィリピン方面に空母を回さず台湾から直接エアカバーを行える見込みとなり、余剰となった零戦27機などをマレー方面に回すことになった。11月8日、連合艦隊、第２艦隊、南方軍が作戦協定の協議を開始。上陸地点は海軍側が真珠湾攻撃開始時刻や上陸時の被害を勘案してタイ領内のみと主張したのに対し、陸軍は上陸後の行動を考えてイギリス領コタバルも含むことを主張して折り合いが付かず、実際の攻略を担当する第25軍と南遣艦隊で協議決定することにして陸海軍作戦協定（東京協定）を策定した。11月9日、山下奉文中将が新設の第25軍司令官に就任した。11月10日、山下中将が陸軍大学校で連合艦隊司令長官山本五十六大将、南遣艦隊司令長官小澤治三郎中将と上陸作戦の打ち合わせを行った。この時山下中将は輸送船団護衛戦力の不足を訴え、山本長官もこれを認めたが、上陸までイギリス側が防御行動をとることは無いと考え、イギリス領コタバルにも上陸を行うことを決定、小澤中将も同意してコタバルへの上陸が決まった。12月4日0700、日本陸軍第25軍の先遣隊２万名（第５師団主力、第５師団の歩兵第42連隊と砲兵１個中隊と工兵１個小隊からなる安藤支隊、第18師団の３分の１の兵力で編成され歩兵第56連隊を基幹とする佗美支隊）を乗せた輸送船17隻と病院船１隻が中国海南島三亜港を出港、14ノットで南下し、サンジャック岬沖で輸送船６隻を加え、第３水雷戦隊を主力とする第１護衛艦隊と、第７戦隊・第３飛行集団の800機が護衛に付き、マレー半島東岸（安藤支隊はタイ南部東岸のシンゴラとパタニ、侘美支隊はその南のイギリス領マラヤ東岸北端コタバル）に向かった。上陸地域別の輸送船の振り分けは、コタバル（侘美支隊）が淡路山丸、佐倉丸、綾戸山丸、バタニ（安藤支隊）が相模丸、金華山丸、東山丸、宏山丸、タペー（安藤支隊）が鬼怒川丸、阿蘇山丸、シンゴラ（第５師団主力）が那智丸、熱田丸、香椎丸、龍城丸（神洲丸）、関西丸、浅香山丸、笹子丸、九州丸、青葉山丸、佐渡丸、ナコン・スリタムラートが善洋丸、三池丸、山浦丸で、日本を代表する海運会社の優秀船を船員と共に集結させ、通常船団航行速力15ノット、非常時18ノット、単独航行時20ノットという高速船団を編成している。部隊の上陸を支援するのは第２揚陸団隷下の独立工兵（丁）連隊３個（第11、第14、第26）。12月7日、哨戒中のオーストラリア空軍ハドソン爆撃機が仏印南端カモウ岬南東で上陸船団を発見。護衛の第３飛行集団所属九七式戦闘機が直ちに撃ち落としたが、位置を打電されてしまった。イギリス軍は日本に先んじてマレーからタイに軍を進め、主要路を占領してしまうというマタドール作戦を立案していたが、タイ政府に進軍許可を得ていなかったため実行には移されず、部隊はマレー国内から動くことは無かった。12月8日0000（日本時間）、安藤支隊がタイランド湾に入港し、将兵を大発に移乗させた後、シンゴラへの上陸を開始。南西に進撃してマレー国境に設けられたジットラ陣地に向かった。0135、侘美支隊5300名がマレー半島コタバル半島沖で大発に移乗、船舶工兵の独立工兵第11・第14連隊の支援を受けてコタバルに上陸作戦を開始した。ここには第９インド師団が配置に付いており、海岸線はトーチカで固めてあり、４機のハドソン爆撃機も繰り出して応戦した。真珠湾攻撃が0319（日本時間）に始まる１時間前の0210、侘美支隊は「八ヒ〇一三〇第一回上陸成功ス」と軍司令部に打電。イギリス空軍の反撃により大型輸送船淡路山丸が航空燃料に引火して沈没し、輸送船兼防空船佐倉丸と輸送船綾戸山丸が大破、320名が戦死し、538名が負傷したが、0230には第２回上陸を開始、コタバル市街に向かった。0400、第５師団主力がシンゴラに上陸。0412、安藤支隊がパタニに上陸、ペラ河の橋を確保するため南西へと進撃を開始した。上陸時に第５師団は戦死47名、戦傷47名、行方不明１名の損害を出し、小銃５丁と実包4800発、重機関銃２丁と実包3300発、速射砲弾薬48発を失ったが、大半は上陸用舟艇が転覆（大発は３割に達する）したことによるものである。0900、第12飛行団が飛行場確保の報を待たずフコク島クーカン基地を出発。1110、第12飛行団がシンゴラ上空に到着し、味方が飛行場を確保しているのを確認、着陸した。12月9日午後、侘美支隊が320名の戦死者と538名の負傷者を出しつつもコタバル飛行場を占領。マレー半島東岸に沿って南下を開始した。1400、イギリス空軍第34・第62中隊のブレニム爆撃機の反撃を受けつつもヤラー付近まで前進した安藤支隊は、中立国だったタイ（8日夜半に首相が日本軍通過協定にサインした）を南下。クローン村でタイ軍１個中隊の反撃を排除し、１個大隊を降伏させ、機関車８両、客車９両、貨車158両を接収して輸送路を確保した。12月10日、マレー沖海戦でイギリス東洋艦隊を撃破、西・南太平洋の制海権を確保。輸送船が東洋艦隊に襲撃される危険が無くなったため、第２次輸送船団41隻、第３次２隻、第４次43隻、第５次13隻を次々と送り込むことにした。安藤支隊は道路網の発達したマレー半島西岸に向けて前進を開始。しかし2km進んだところでインド第11師団の抵抗に遭って前進が停止した。12月11日、九四式軽装甲車20台と九七式中戦車、九〇式七糎半機動野砲を先頭に立てて進撃を再開、道路沿いに展開した２ポンド砲を破壊して前進を再開した。12月12日朝には装甲車及び25ポンド砲の攻撃を受けたが、速射砲と機動野砲により対抗し、後退するイギリス軍を追撃、ジットラ防御線の突破を開始した。12月13日、安藤支隊はイギリス軍防御陣地を突破、ジットラを占領。110名の死傷者が出たが、捕虜1000名、砲51門、装甲車及び自動車210両、機銃50丁を得た。12月14日1500にペトンを占領。安藤支隊はトラック及び自転車を駆って、敗走するイギリス軍を追撃、12月16日にスンゲイパタニーを占領。12月19日、ペナン島及びプッテルウォース港を占領。12月23日、近衛師団を載せた列車がタイから漸く前線に到着。第５師団と併走して南進を開始した。12月24日、ペラ河の北岸に到着、鉄橋が落とされていたため12月26日に九三式・九五式折畳艇と九九式重門橋を使用して敵前渡河を行い、12月27日にケダー州の州都を占領。イギリス軍はポッパム極東軍総司令官を罷免し、米英蘭豪統合軍を創設してアーチボルト・ウェーベル陸軍大将を総司令官とした。ここで安藤支隊は二手に分かれて陸上及び海上からクアラルンプールへ進撃することとし、12月31日にペラ河河口から第25軍第５師団歩兵第11連隊が海上から南下を開始、1月2日までに120km進撃してイギリス軍後方に回り込み、陸路をとった歩兵第41連隊とイギリス軍を挟撃して撃破。第５師団はスリム台地付近に展開するインド第11師団と戦闘に入った。ここには７層の防御陣地と25ポンド砲があり、一時は苦戦したが、1月4日に独立工兵第15連隊（中国大陸から前年12月30日にシンゴラに上陸）がシンパンチカで第５師団と合流して架橋を行い重火器と重車両を前線部隊に追随させ、戦車第６連隊の２個中隊による1月7日払暁の襲撃（トロラクの戦い）で戦線を突破。1月8日、第５師団はスリム台地を制圧し、スリム橋梁を確保、捕虜1000名、ブレンガンキャリアー84両、野砲７門、２ポンド砲68門、トラック600台を得た。第３インド軍団長はクアラルンプール放棄を決意して撤退。軍団長は解任された。1月10日夕方に第５師団はセランゴール河を渡った。1月11日正午、クアラルンプールを歩兵第11連隊が無血占領、Ｆ機関の事前懐柔工作もあり住民の抵抗は無かった。1月12-14日、第５師団はクアラルンプールに留まり、戦車１個連隊と歩兵１個大隊からなる向田支隊がジョホールバルに向かったが、反撃を受けて前進できなかった。1月15日、第５師団が前日に独立工兵第15連隊が修復したゲマス北5kmの３つの橋を渡って前進を再開、向田支隊と合流してイギリス軍の反撃を排除し、1月18日にゲマスを占領。ジョホールバルへの進撃を再開した。1月18日、バクリ陣地攻撃。1月21日、半島東岸のクワンタンから西岸に向かっていた侘美支隊がクアラルンプールに到着。1月23日、第18師団主力がクアラルンプールに到着。タイからは近衛師団の後続部隊が列車でクアラルンプールに到着した。快速の近衛師団は第５師団に協力してマレー半島南西部に残存するオーストラリア第８師団に攻撃を開始。九七式中戦車が爆雷で肉弾攻撃を受けたり、近衛師団の九五式軽戦車１個中隊９両のうち８両が２ポンド砲で破壊されたりしたものの、捕虜400名、ブレンガンキャリアー19両、トラック178台、地雷34ケースを得て制圧した。1月31日、残存イギリス部隊がシンガポールに撤退。２ヶ月弱で1000kmを南下した安藤支隊はシンガポール島を望むジョホールバルに進出。馬がメインの第18師団もシンガポール島攻略のため半島南部に移動した。工兵部隊は55日間で250の橋梁を修理してこの進撃を支えた。参考：月刊PANZER5,’81、3,’12、激闘！太平洋戦争地上戦、激闘太平洋戦記、歴史群像4,’16、軍医戦記、月刊軍事研究4,’15、JGround Vol.23、日本戦車隊戦史、工兵入門、月刊丸8,’11、山本五十六と米内光政

＜マレーシア海軍＞：Tentera Laut Tiraja Malaysia、TLDMと略す。1980年、スリ・インデラ・サクティ級補給支援艦２隻が就役開始。1984年、カスツーリ級コルベット２隻が就役開始。1985年、ムシュタリ級２隻が就役開始。1986年、西ドイツからカストゥリ級フリゲートを導入。1988年、ワスプHAS.1を導入。1991年、国際観艦式を実施。以降は隔年で開催するようになった。1990年代後半、ラクサマナ・ハン・ナディム級コルベット４隻をイタリアから購入。1997年、ラクサマナ級コルベット４隻とブンガ・マス・リマ５級支援艦２隻が就役開始。1999年、レキウ級フリゲート２隻を配備。2006-2010年、MEKO A100型ケダー級コルベット６隻が就役。2007年12月4日、国際観艦式を実施。2009年、スコルペヌ級潜水艦２隻が竣工。2009年12月1日、国際観艦式を実施。マレーシア艦艇の他、アメリカ（DDG-89マスティン）、韓国（975チュンムゴン・イースンシン、ドクト）、パキスタン（ハイバル）、インド（ケサリ）が参加した。2020年、LMSが就役開始。2021年3月4日、初の無人機飛行隊である第601飛行隊が新編された。スキャンイーグル６機、カタパルト及びスカイフック回収装置２基ずつ、管制ステーション２基を配備する。参考：月刊世界の艦船3,’10、9,’10、3,’16、6,'21、4,'22、月刊航空ファン11,’18

　＜マレーシア海軍（１９７７年）＞：兵力5500名、予備役1000名。フリゲート２隻、ミサイル艇８隻、哨戒艇27隻、沿岸掃海艇６隻、戦車揚陸艦３隻を配備する。参考：軍事力バランス78年版

　＜マレーシア海軍（１９８９年）＞：兵力12500名、予備役1000名。東経109度から西は第１地域司令部、東は第２地域司令部が担当する。ルムットに第１地域司令部、ラブアンに第２地域司令部、タンジュンゲラン、クアンタン、サンゲイアントゥに基地があり、シンガポールのウッドランズにも訓練基地がある。カスツーリ級フリゲート２隻、ハンチュア級フリゲート１隻、ラーマト級フリゲート１隻、ハンダラン級ミサイル艇４隻、パーダナ級ミサイル艇４隻、ムシタリ級哨戒艇２隻、ジェロン級内海哨戒艇６隻、ケダー級内海哨戒艇３隻、サバ級内海哨戒艇４隻、クリス級内海哨戒艇14隻、マハミル級掃海艇４隻、潜水母艦１隻、LST-1級戦車揚陸艦２隻、機械化揚陸艇５隻、汎用揚陸艇13隻、兵員揚陸艇15隻、補給／燃料支援艦２隻、測量艦１隻、HAS-1ヘリ６機を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜マレーシア海軍（２０１５年）＞：現役兵力14000名、予備役1000名。東岸コマンド（クアンタン）、西岸コマンド（ランカウイ）、ボルネオコマンド（キナバル）からなる。特殊部隊（海兵コマンドー）ユニット１個を持つ。スコルペヌ級潜水艦２隻、レキウ級フリゲート２隻、カスツーリ級フリゲート２隻、ケダー級フリゲート６隻、ラクサマナ級コルベット４隻、ペルダナ級（コンバタントⅡ級）ミサイル艇４隻、ハンダラン級（スピカＭ級）ミサイル艇４隻、テンプル級（CB90級）高速艇17隻、ジェロング級（ラーセン45級）哨戒艇６隻、スリ・ペルリス級哨戒艇２隻、マハミル級（レリチ級）掃海艇４隻、LCM/LCU115隻、兵站支援船14隻、スーパーリンクス300対潜ヘリ６機、AS555汎用ヘリ６機、シー・スキュア空対艦ミサイルを保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜マレーシア空軍＞：Tentera Udara Diraja Malaysia、TUDMと略す。1958年6月2日に創設された。同年、ツイン・パイオニアMk3の運用を開始。12月30日、パイオニアC.C.1連絡機９機の導入を開始。1963年、アルエートⅢヘリの運用を開始。1966年、DHC-4A輸送機17機を導入。1967年、CL-41G-5対ゲリラ戦機20機を導入。1975年、F-5E戦闘機の配備を開始。1983年、RF-5E偵察機２機を導入。1984年、A-4PTM/TA-4PTM攻撃機の運用を開始。1995年、MiG-29戦闘機を導入。1996年、A-4PTM/TA-4PTM攻撃機が退役した。2007年、A319-115X(CJ)要人輸送機を配備。2015年3月、A400M輸送機４機の受領を開始。参考：月刊JWings3,’09、5,’16、9,’18、月刊航空ファン11,’18、世界航空機年鑑2018-2019

　＜マレーシア空軍（１９７７年）＞：兵力6000名。F-5E戦闘機14機、CL41G対ゲリラ戦機20機、C-130H輸送機６機、DHC-4A輸送機17機、ダブ輸送機５機、ヘロン輸送機３機、HS125輸送機２機、F28-100輸送機２機、セスナ402B輸送機12機、S61A4ヘリ21機、アルエートⅢヘリ30機、ベル47Gヘリ12機、ベル206Bヘリ５機、AB212ヘリ、F-5B練習機２機、ブルドッグ102練習機15機、セスナ402B練習機４機を保有する。参考：軍事力バランス78年版

　＜マレーシア空軍（１９８０年）＞：F-5Eを14機、F-5Bを２機、CL-41Gを20機、C-130H、F.28Mk1000を２機、DHC-4を16機、ダブMk7/8を５機、ヘロンSrs.2を３機、HS125を２機、ブルドッグ102を14機、セスナ402Bを12機、S-61A-4を30機、アルエートⅢを25機、AB212を３機、ベル206B、ベル47Gを９機保有している。参考：ザ・マーチ18号

　＜マレーシア空軍（１９８９年）＞：現役兵力12000名。A-4PTM攻撃機30機、TA-4攻撃機６機、F-5E戦闘機14機、RF-5E偵察機２機、F-5F転換訓練機２機、C-130HMP洋上哨戒機３機、C-130H輸送機６機、DHC-4輸送機13機、HS-125要人輸送機２機、F-28要人輸送機１機、HU-16輸送機１機、HU-16要人輸送機１機、セスナ402B輸送機11機、NAS-332輸送ヘリ１機、S-61Aヘリ32機、アルエートⅢ連絡ヘリ24機、MB-339練習機10機、PC-7練習機44機、ブルドッグ練習機11機、S-61ヘリ４機、アルエートⅢヘリ７機、ベル47ヘリ７機を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜マレーシア空軍（２００９年）＞：７カ所の基地に３個航空師団（第１、第２、訓練）16個飛行隊を配備している。Su-30MKM10機、MiG-29N14機、MiG-29NUB２機、F/A-18D８機、F-5E４機、F-5F４機、MB339AM攻撃機９機、RF-5E２機、CN-235輸送機８機、C-130H輸送機１機、C-130H-30輸送機８機、C-130H-MP１機、C-130T（KC-130H）４機、CN235-220M６機、CN235-220M-VIP２機、ホークMk.208を13機、ホークMk.108を６機、PC-7練習機35機、PC-7Mk2練習機18機、MD3-160を20機、B737-7H6を１機、A319-115Xを１機、F28-1000を２機、ファルコン900を１機、BD700-1A10を１機、キングエア200T４機、セスナ402B10機、S-70A-34ヘリ２機、S-61A-4ヘリ32機、AS-61N-1ヘリ２機、SA316Bヘリを26機装備する。参考：月刊JWings3,’09

＜マレーシア空軍（２０１５年）＞：現役兵力15000名、予備役600名。航空作戦司令部１個、航空師団２個、訓練・兵站コマンド１個、統合防空システム司令部１個からなる。年間飛行時間60時間。F-5E戦闘機８機、F-5F戦闘機３機、MiG-29N戦闘機８機、MiG-29NUB戦闘機２機、F/A-18D戦闘機８機、Su-30MKM戦闘機17機、ビーチ200T偵察機４機、RF-5E偵察機２機、KC-130H空中給油機４機、A400M輸送機１機、C-130H輸送機２機、C-130H-30輸送機８機、CN-235M-220輸送機８機（うち要人輸送機２機）、セスナ402B輸送機９機、A319CT要人輸送機１機、B737-700BBJ要人輸送機１機、BD700グローバル・エキスプレス要人輸送機１機、F28フレンドシップ要人輸送機１機、ファルコン900要人輸送機１機、ホークMk108練習機６機、ホークMk208練習機12機、MB-339C練習機８機、MD3-160練習機７機、PC-7練習機30機、PC-7MkⅡ練習機17機、SA316アルエートⅢヘリ17機、H225Mヘリ12機、S-61A-4ヘリ28機、S-61Nヘリ２機、S-70Aヘリ２機、AW109ヘリ１機、アルドラ無人機、スターバースト携帯地対空ミサイル、AIM-7/-9/-9X/-120C/R-27/-73/-77空対空ミサイル、AGM-65空対地ミサイル、AGM-84D空対艦ミサイルを保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜マレーシア軍＞：2013年のサバ州ラハ・ダトゥにおける武装勢力の上陸と、2014年のマレーシア航空機行方不明事件で、軍事的能力の不足が明らかとなった。特に後者は空及び洋上の捜索・安全保障能力に疑問を呈する形となり、南シナ海や南沙諸島の緊張度上昇と相まって、新型洋上哨戒機や哨戒艦艇の調達、空輸力強化に拍車をかける結果となっている。2019年12月、国防白書で、大国間関係の不確実性、東南アジア地域での複雑な安全保障環境、テロ・サイバーなど安全保障への非軍事的脅威という３つの課題を掲げた。参考：THE MILITARY BALANCE 2016、MAMOR vol.160

＜マレーシア軍（１９８９年）＞：現役兵力114500名、予備役46600名。イラン・イラク国連軍事監視団UNIMOGに15名、ナミビア国連独立移行援助グループUNTAGに歩兵大隊１個889名を派遣している。オーストラリア陸軍歩兵中隊１個とオーストラリア空軍P-3C分遣隊が駐留している。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜マレーシア軍（２０１５年）＞：現役総兵力109000名（陸軍80000名、海軍14000名、空軍15000名）、予備役51600名（陸軍50000名、海軍1000名、空軍600名）、準軍事組織現役24600名（警察全般作戦軍18000名、沿岸警備隊4500名、海洋警察2100名）、同予備役244700名（地域保安ユニット3500名、国境偵察隊1200名、人民義勇軍240000名）。コンゴ民主共和国にMONUSCO要員７名とオブザーバー８名、レバノンにUNIFIL要員830名、機械化歩兵大隊１個、リベリアにUNMIL要員１名とオブザーバー３名、フィリピンにIMT11名、スーダンにUNAMID要員11名、UNISFAオブザーバー１名、西サハラにMINURSOオブザーバー７名を派遣している。オーストラリア軍130名、歩兵中隊１個（３ヶ月ローテーション）、AP-3C対潜哨戒機１機（たまに）が駐留している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜マレーシア航空機撃墜事件＞：2014年7月17日協定標準時1030、マレーシア航空17便（MH17。ボーイングB777-2H6ER/9M-MRD）がオランダのアムステルダム空港を離陸、マレーシアのクアラルンプール空港へと向かった。乗員は15人、乗客は国籍別にオランダ192人、マレーシア43人、オーストラリア27人、インドネシア12人、イギリス９人、ドイツ４人、ベルギー４人、フィリピン３人、カナダ１人、ニュージーランド１人、複数国籍数人の計283人である。1053、初期巡航高度31000フィート（9448.8m）に到達し、水平飛行に移行。ドイツとポーランドを横切り、ウクライナへと向かった。ウクライナのドネツク及びオブラスト周辺上空はウクライナ側が高度26000フィート（7924.8m）以下、ロシア側が高度32000フィート（9753.6m）以下の飛行禁止を通告しており、MH17はウクライナ領空に入る直前、ウクライナの航空交通管制官に対し、フライトプランに従って35000フィート（10668m）での通過を求めたが、ウクライナ管制官は高度33000フィート（10058.4m）を指示、1201に高度33000フィート（10058.4m）まで上昇してウクライナ領空に入った。ヨーロッパの航空交通管制を管理するユーロコントロールもウクライナ内戦関連空域の高度33000フィート（10058.4m）以上には何の制限もかけておらず、MH17はウクライナを横断し、ウクライナ東部のスラビャンスクとドネツクの間を抜けていった。1315、ウクライナの航空管制官とウェイポイントのタマクで最後の交信を行った。1321、北緯48度４分３秒・東経38度77分28秒・高度33000フィート（10058.4m）を490ノットで飛行するのが確認された。直後、位置通報点タマクから30kmの地点でウクライナ航空交通管制とのコンタクトを喪失。ドネツク州フラボヴェ（北緯48度８分45秒・東経38度38分55秒）に墜落していることが判明し、乗員15人と乗客283人全員の死亡が確認された。機体外板からは弾頭破片により生じたとみられる大小の破孔が見つかっている。ウクライナ内戦でウクライナ反政府勢力がウクライナ空軍機を度々撃墜しており、ロシアがウクライナ反政府組織に引き渡した9K37ブーク（6月末に反政府組織が画像付きでツイートした。ただし入手先はウクライナ軍A1402防空連隊としている）によるものとみられるが、もちろんロシアも反政府勢力も認めておらず、ウクライナが空対空ミサイルまたは地対空ミサイルで撃墜したと主張している。ロシアのアルマーズ・アンティ社は2011年にロシア軍で退役し、ウクライナ軍では配備中の9M38ブークによると発表した。犠牲者の大半がヨーロッパ住民で、墜落現場付近の反政府勢力が欧州安全保障協力機構の調査を妨害するなどの暴挙に出ており、ロシアとの友好関係を重視していたヨーロッパ諸国がロシアへの制裁強化へと舵を切っている。オランダ検察局は2014年7月半ばから国籍マークを外してウクライナ領内で活動していたロシア第53防空旅団がミサイルを発射したとみて残骸の調査などを続け、10月13日にオランダ安全委員会が墜落原因をコクピット左で炸裂した9K37ブークによるものとする最終報告書を公表した。ウクライナ東部320平方キロメートルの範囲から発射された9M38M1ブーク地対空ミサイルの9N314M弾頭（破片形状に立方体と砂時計型が混じっており、立方体のみの9M38用9N314弾頭とは違う）がコクピット左上方で炸裂し、コクピットの３人が即死、機体が破壊されて墜落したものである。誰が発射したかは言及していない。2016年9月28日、５カ国の専門家で構成される調査チームが原因についての最終報告を発表。ウクライナ反政府勢力支配地域のペルボマイスキー近郊（墜落地点から180km。発射炎による焼け焦げを整地した痕跡あり）から発射されたブークによるもので、ロシアの主張するウクライナ軍機説はレーダー記録を元に否定した。撃墜前日には反政府勢力がブークの送付を要請する電話を掛けていたことが判明している。ブークの発射に関与した人物100人以上を特定しており、容疑者の絞り込みを実施中。参考：月刊軍事研究10,’14、9,’15、4,'16、月刊航空ファン10,’14、月刊JWings10,’14、1,’16、12,’16

＜マレーシア航空機行方不明事件＞：2014年3月8日、乗員12人と乗客227人の計239人を乗せたマレーシア航空370便B777-2H6ER（中国南方航空CZ748便とのコードシェア）が、0041にクアラルンプール国際空港を離陸し、北京国際空港（0630着予定）に向かったものの、そのまま消息を絶った。マレーシアの管制空域を離脱する際、クアラルンプールの管制官からホーチミンセンターと120.9MHzで交信せよと呼びかけられ、午前１時19分29秒に了解、おやすみと返答したのが最後の交信で、ホーチミンセンターとは交信せず、音信不通になっている。燃料が切れる時間になってもどこにも現れず、墜落したと判断されたが、場所に関しては0811にインマルサットが最後に受信したピン信号（電波が発せられたというだけで位置情報などは何も含まれていない）くらいしか情報が無く、マレー半島東側、インドネシア南方など二転三転し、結局オーストラリアのパースの西2000kmの南インド洋らしいとされた。14カ国から捜索機60機と艦艇40隻を派遣したが、航空機が現場海域に到達するまで４時間もかかり、捜索範囲も40000平方キロメートルに及び、捜索は難航している。3月11日、前日のマレーシアからの要請に基づき、日本政府が国際緊急援助隊を派遣すると発表、防衛大臣が国際緊急援助活動の実施に関する自衛隊行動命令を発出した。夜には自衛官４名を含む先遣隊８名がクアラルンプールに向かった。3月12日朝、自衛隊先遣隊をマレーシア現地支援調整所に改編。本隊はP-3C哨戒機２機とC-130H輸送機２機（＋日本で待機する１機）からなり、3月12日に空自国際緊急援助飛行隊（航空支援集団司令官隷下、110名）、3月14日に海自国際緊急援助飛行隊（自衛艦隊司令官隷下、50名）が派遣され、3月13日から捜索を行っている。海上保安庁もガルフストリームⅤを派遣した。3月20日、オーストラリア政府が人工衛星画像の分析結果より不明機の残骸と見られる漂流物をパースから2500km離れたインド洋南方海上で発見したと発表。3月21日、防衛大臣が国際緊急援助活動の実施に関する自衛隊行動命令の一部を変更する自衛隊行動命令を発出し、活動拠点をオーストラリアに変更、活動地域にオーストラリア及びその周辺海域などを追加した。これを受け、P-3C哨戒機２機が3月23日にマレーシアからオーストラリア南西部のピアース空軍基地に移動。3月24日、P-3C哨戒機２機がオーストラリア南西沖2500kmの南インド洋で捜索を開始。3月25日、C-130H輸送機２機が日本に帰国し、待機態勢に移った。4月4日、ガルフストリームⅤが日本に帰国。4月28日、防衛大臣が国際緊急援助隊の活動終結命令を発出。5月1日に国際緊急援助隊が帰国した。捜索活動は46回（C-130H輸送機がマレーシアから10回、P-3C哨戒機がマレーシアから４回とオーストラリアから32回）計400時間にわたり実施されている。6月13日、現地支援調整所と海自・空自国際緊急援助飛行隊に防衛大臣から一級賞状が授与された。アメリカ海軍は嘉手納基地からVP-16のP-8A哨戒機２機をオーストラリアのパース基地に派遣した。中国海軍は528綿陽、171海口、998崑崙山、999井岡山、863永興島、886千鳥湖を派遣した。2017年1月17日、オーストラリア政府が、マレーシア及び中国と行っていた捜索活動を終了したと発表した。残骸やブラックボックス信号の発見情報は幾度も流れたが、未だに機体はカケラすら発見されていない。参考：月刊世界の艦船5,’14、6,’14、7,’14、8,’14、月刊JWings6,’14、7,’14、MAMOR vol.90、月刊軍事研究11,’14、5,’15、月刊航空ファン5,’18、6,’19、朝雲

＜マレーシア陸軍＞：Tentera Darat Malaysia、TDMと略す。1997年、マレーシア空軍からアルエートⅢヘリ10機が移管された。参考：月刊航空ファン11,’18

＜マレーシア陸軍（１９７７年）＞：兵力52500名、予備役26000名。師団司令部２個、歩兵旅団９個からなる。コマンドー偵察車200両、パナール偵察車140両、M3装甲偵察車、フェレット偵察車60両、105mm榴弾砲80門、120mm無反動砲、40mm高射機関砲35門を配備する。参考：軍事力バランス78年版

＜マレーシア陸軍（１９８９年）＞：兵力105000名、予備役45000名。軍団司令部１個、師団司令部４個、地域治安司令部１個、歩兵旅団９個、機甲連隊４個、野砲兵連隊５個、高射砲連隊２個、工兵連隊５個、特殊部隊連隊１個からなる。予備役部隊は師団司令部１個、旅団司令部１個、歩兵連隊12個、高速道路保安大隊４個からなる。スコーピオン軽戦車（90mm砲装備）26両、SIBMAS偵察車162両、AML-60/-90偵察車140両、フェレット偵察車92両、V-100/-150装甲兵員輸送車134両、ストーマー装甲兵員輸送車25両、コンドル装甲兵員輸送車460両、56式105mm砲150門、105mm砲M-102A1を56門、81mm迫撃砲L-16、SS-11対戦車ミサイル、89mmバズーカM-20、84mm無反動砲カールグスタフ、106mm無反動砲150門、120mm無反動砲５門、12.7mm対空機銃70門、40mm高射機関砲36門、ダーメン級強襲艇165隻を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜マレーシア陸軍（２０１５年）＞：現役兵力80000名、予備役50000名。軍地域２個に地域コマンド（師団規模）４個を置く。特殊作戦旅団１個、戦車連隊１個、機甲連隊５個、機械化歩兵旅団１個、歩兵旅団（歩兵大隊４個、砲兵連隊１個）１個、歩兵旅団（歩兵大隊３個、砲兵連隊１個）５個、歩兵旅団（歩兵大隊２個）３個、空挺旅団１個、ヘリ飛行隊１個、砲兵連隊９個、砲兵位置特定連隊１個、多連装ロケット連隊１個、防空連隊３個、戦闘工兵隊１個、野戦工兵連隊３個、情報ユニット１個、憲兵連隊４個、通信連隊１個、建設連隊１個からなる。PT-91Mトワルディ戦車48両、スコーピオン90軽戦車21両、AML-60/-90偵察装甲車130両、フェレット偵察車92両（うち改良型60両）、K216A1CBRN偵察車、SIBMAS偵察車74両、ACV300アドナン装甲兵員輸送車149両、FV4333ストーマー装甲兵員輸送車13両、K-200A装甲兵員輸送車63両、K-200A1装甲兵員輸送車40両、アノア装甲兵員輸送車32両、コンドル装甲兵員輸送車300両、LAV-150装甲兵員輸送車150両、パナールM3装甲兵員輸送車30両、VBL装甲兵員輸送車10r用、105mm砲パックハウザー・モデル56、155mm砲FH-70を12門、155mm砲G-5を22門、アストロスⅡ多連装ロケット36両、81mm自走迫撃砲K281A1を４両、81mm自走迫撃砲ACV300-Sを10両、120mm自走迫撃砲ACV-Sを８両、81mm迫撃砲232門、ACV300バクタル・シカン自走対戦車ミサイル８両、K263自走対戦車ミサイル、9K115/9K115-2／エリックス／バクタル・シカン（紅箭８型）／C90-CRRB/SS.11対戦車ミサイル、84mm無反動砲カール・グスタフ236門、106mm迫撃砲M40を24門、ダーメン540強襲艇165隻、AW109ヘリ10機、レイピア2000地対空ミサイル15基、アンザ／HY-6（FN-6）／9K38/QW-1／スターバースト携帯地対空ミサイル、35mm高射機関砲GDF-005を16基、ボフォース70口径40mm機関砲36門、MID-M装甲工兵車３両、WZT-4装甲工兵車６両、コンドル装甲回収車、ACV300装甲回収車15両、K-288A1装甲回収車４両、SIBMAS装甲回収車22両、レグアン戦車橋、PMCz-90戦車橋５両を保有する。予備役部隊は機甲隊４個、歩兵連隊16個、国境保安旅団１個、高速道路保安大隊５個、砲兵隊５個、野戦工兵連隊２個、情報ユニット１個、通信隊３個、医療中隊４個、輸送中隊５個からなる。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜馬來丸＞：日本陸軍徴用船Malar maru。大元はスコットランド汽船所属中型貨物船クレイグホールで、明治38年3月に竣工し、大正14年3月に大阪商船が購入して馬來丸に改称、第１次大戦では対米提供船になった。大正13年に南洋鉱業公司に移籍し、石原産業海運、大関汽船、八馬汽船と移り、太平洋戦争勃発で日本海軍指定船となり、その後徴用船に変更、昭和20年1月に日本陸軍徴用船になった。垂線間長115.79m、幅15.24m、深さ8.74m、吃水7.2m、総トン数4556トン、重量トン数6960トン。主機は三連成レシプロ蒸気機関１基１軸2000馬力、航海速力9.5ノット、最大速力10.1ノット。昭和20年1月25日、部隊輸送で門司から鹿児島に向かう途中、坊ノ岬北西10kmでアメリカ潜水艦SS-236シルバーサイズの雷撃を受け沈没し、1576名が戦死した。参考：月刊世界の艦船12,’21、輸送船入門

＜馬來部隊（太平洋戦争第一段作戦第一期兵力部署）＞：南方部隊隷下で、南遣艦隊司令長官小澤治三郎中将が指揮する。主隊（鳥海、狭霧）、護衛部隊本隊（第７戦隊、第11駆逐隊）、第１護衛隊（第３水雷戦隊）、第２護衛隊（香椎、占守）、第１航空部隊（第22航空戦隊）、第２航空部隊（第12航空戦隊）、根拠地部隊（第９根拠地隊）、潜水部隊（第４潜水戦隊、第５潜水戦隊）、機雷部隊（辰宮丸、長沙丸）からなる。参考：帝国海軍太平洋作戦史Ⅰ

＜マレーヤ＞：01（戦艦）を参照

＜マレト防衛線突破＞：第２次大戦の北アフリカ戦で、1943年3月17日にパットン率いるアメリカ第２軍団は中部チュニジアを東に進撃を開始した。イタリア軍歩兵師団が防衛にあたっていたが、すぐに突破してガフサ及びエル・ゲタールを占領。チュニジア南部のマレトに防衛線を敷いていたイタリア第１軍の後方が脅かされる事態となった。これに対してイタリア第１軍は第10装甲師団と第504重戦車大隊などを投入し、防衛にあたったが、今度はマレト正面のイギリス第８軍が3月20日に攻撃を開始。一部がマレトを迂回して後方に入り込む気配を見せたため、マレト防衛軍は後退、3月26日に地形要害であるワジ・アカリトに新たな防衛線を敷いた。イギリス第８軍は部隊を集中させて4月6日から攻撃を開始。物量作戦で戦線を突破し、イタリア第１軍を4月20日に北方のアンフィタビルまで撤退させた。これによりドイツ・アフリカ軍団は９個師団（各師団の戦力は40%程度）にまで減勢、補給も途絶え、チュニス湾周辺に押し込められた。参考：歴史群像10,’06

＜マロイ＞：APD-83（高速輸送艦）またはDE-791（護衛駆逐艦）を参照。

＜マロウ＞：Be-10（飛行艇）またはK81（コルベット）を参照。

＜マローダー＞：B-26シリーズ（爆撃機）を参照。

＜マローダー＞：ヨルダン陸軍４×４輪装甲車Marauder。ヨルダンの中東ディフェンス・システムズが開発した。車体前部が機関室、中央が操縦室、後部が兵員室となっており、車体底部はＶ字型で、耐地雷能力が高い。全長6.5m、ホイールベース4.175m、全幅2.51m、戦闘重量14.5トン。エンジンはMAN社製D0836LF（238馬力）。熱帯での運用を考慮し、エアコンを標準装備している。乗員２名＋乗車兵員12名。NBC防護装置、強化型エンジン、APUなどのオプションも用意されている。2008年後半から量産に入る予定。諸元はマタドールと逆かも。参考：月刊軍事研究5,’07、4,’08

＜マローダーズ＞：VFA-82（飛行隊）を参照。

＜マローン・Ｓ・ディスデイル＞：FFG-27（フリゲート）を参照。

＜マロカ＞：オーストラリア海軍の水上艦用ソナー。中周波アクティブ式ハルソナーで、アデレードに搭載された。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜マン・イン・ザ・ループ＞：Man-in-the loop。交戦や兵器誘導などのシークエンス中に人間が介在する方式のこと。ミサイルのカメラで情景を撮影し、それを人間が見ながら目標に突入させるものなどがこれにあたる。参考：月刊軍事研究7,’99、月刊航空ファン10,’14

＜満艦飾＞：信号旗を艦首－マスト－艦尾と一杯に掲揚するもの。マストトップには軍艦旗を掲げ、外国のために行う場合にはメインマストトップにその国の旗章を掲揚する。当初は信号旗でなく万国旗だったが、下の方に掲揚される国からクレームが付いたせいか、信号旗をずらりと並べて戦闘意志が無いことも示すようになった。海上自衛隊では旗章規則で規定されており、0800から日没まで掲揚する。参考：月刊世界の艦船8,’11増刊、3,’05、海軍こぼれ話、MAMOR vol.157

＜満期前の特務大尉＞：日本海軍用語で、がめつい人のこと。満期ついでに備品を持って帰るので。参考：帝国陸海軍事典

＜マングース＞：AN/ALE-56（カウンターメジャー撒布ポッド）を参照。

＜マングース級＞：プロジェクト12150（高速戦闘艇）を参照。

＜マングース作戦＞：アメリカによるキューバ政権転覆・カストロ暗殺作戦で、ケネディ大統領が発動した。CIA長官、国家安全保障問題担当補佐官、国務次官補、国防副長官、統合参謀本部議長、大統領直属軍事顧問らがスペシャル・グループ（SGA）を結成して指揮に当たり、国務長官や国防長官もオブザーバーとして参加、実際の作戦指揮は空軍少将が行った。CIAでは638通り以上の暗殺計画を立案しており、中にはカストロの靴にタリウムを仕込んでつるっぱげにさせ、威厳を損なわせるという案まであった。1960-65年に少なくとも８回の暗殺計画が実行されたという。キューバへの軍事作戦も立案されており、航空作戦によるOPLAN312や、上陸作戦によるOPLAN314などがあった。参考：月刊軍事研究4,’11

＜マンクス＞：HP.75（無尾翼研究機）を参照。

＜マングスタ＞：A-129（攻撃ヘリ）を参照。

＜マンクスマン＞：イギリス海軍アブディール級敷設巡洋艦３番艦Manxman。1941年6月20日竣工。1970年に退役し、1971年1月に除籍されて解体された。参考：月刊世界の艦船6,’12、近代巡洋艦史

＜マンクラン＞：782（揚陸艇）を参照。

＜マングロ＞：S-133（潜水艦）を参照。

＜マングローブ＞：Yak-26（爆撃機）を参照。

＜萬剣＞：台湾空軍の長射程空対地・空対艦巡航ミサイルで、ワンジエンと読む。弾体は箱形で、上面に折り畳み翼、下面にエアインテイク、尾部にＸ字の操縦翼を持つ。内部にクラスター弾を収容する。誘導はGPS。射程200km以上。F-CK-1C戦闘機の主翼下に１発ずつ搭載可能。2018年8月に初の戦術評価試験が行われたが、高々度投下で不具合が発生した。2019年4月2日、高々度と低高度で１発ずつ投下し、どちらも洋上標的に命中した。参考：月刊JWings5,'21、月刊軍事研究4,’14

＜マンゴ・シリーズ＞：ドイツ連邦軍特殊作戦師団の小型４×４輪装甲兵員輸送車で、KMW社が開発した。CH-53Gに搭載できる。アフガニスタン作戦に投入されており、各型計900両以上を生産する予定。参考：月刊軍事研究7,’07

　＜マンゴ＞：マルチカー社製トラックのシャシーや機関系を流用し、車体後部にオープントップの兵員室を設けている。全周で7.62mm通常弾に抗堪可能。全長4.47m、全幅1.94m、全高2.44m、輸送時全高1.89m、戦闘重量5.3トン。乗員２名＋乗車兵員８名。参考：月刊軍事研究7,’07

　＜マンゴ２＞：コンテナ搭載用アームを装備したもの。参考：月刊軍事研究7,’07

　＜マンゴ３＞：後部兵員室を密閉式にしたNBC防護仕様。指揮通信車型などが存在する。参考：月刊軍事研究7,’07

＜マンゴ・ファミリー＞

　＜マンゴＮＢＣ偵察車＞：NBC偵察車型。NBCモニタリング・探知装置、サンプル採取装置などを備える。戦闘重量5.8トン。参考：月刊軍事研究12,’13

＜滿光丸＞：日本海軍給糧船Manko maru。大元は葛原冷蔵の冷凍冷蔵貨物船で、大正12年3月14日に竣工し、太平洋戦争開戦で陸軍に徴用され、その後海軍に移った。垂線間長76.2m、幅11.29m、深さ5.79m、吃水5.16m、総トン数1503トン、重量トン数1694トン。主機は三連成レシプロ蒸気機関１基１軸1332馬力、航海速力９ノット、最大速力13.03ノット。昭和18年11月2日、ラバウル在泊中にアメリカ陸軍B-25爆撃機の攻撃を受け沈没した。参考：月刊世界の艦船11,’21

＜満載燃料タンク＞：燃料タンク（潜水艦）を参照。

＜満載排水量＞：燃料・弾薬・食糧など全ての消耗品と乗員を定量一杯に積み込み、バラスト用の水を50%入れた時の排水量。商船では1966年制定の国際満載吃水線条約で定められており、船体舷側中央に満載吃水線円標という目印が付いている。参考：艦船メカニズム図鑑、月刊世界の艦船8,’11増刊、図解船の科学、海軍操舵員よもやま物語

＜マンサップ＞：MANSUP（対艦ミサイル）を参照。

＜マンサティシ＞：S-101（潜水艦）を参照。

＜マンサティシ級＞：209/1400M型（潜水艦）を参照。

＜満様＞：満ちゃんを参照。

＜満珠＞：日本海軍択捉型海防艦12番艦Manju。昭和18年11月30日竣工、第２海上護衛隊に編入された。12月3日から横須賀－トラックの船団護衛に就いた。昭和19年3月30日、連合艦隊付属に移った。6月11日から第１機動艦隊第３補給部隊の護衛に就いた。7月17日から呉－シンガポールの船団護衛に就いた。昭和20年1月31日、仏印のサイゴン付近で爆撃を受けて損傷した。4月3日、香港港内で爆撃を受けて擱座した。参考：月刊丸7,’14、第２次大戦日本海軍作戦年誌、小艦艇入門

＜満州＞：日本海軍海防艦Manshuu。元はロシア義勇艦隊汽船マンチュリアで、日露戦争開戦時に長崎港に停泊していたのを捕獲した。排水量3510トン。明治39年3月、日本海軍艦籍に編入し、通報艦に類別した。実際には客船設備を活かして迎賓艇として使用されている。大正元年8月、二等海防艦に類別変更された。昭和6年、等級が廃止されて海防艦になった。昭和7年4月に除籍され、昭和8年に標的として雷撃を受け沈没した。参考：月刊丸6,’14、小艦艇入門

＜満州国＞：南は朝鮮、南西は中国（北京にほど近い）、西はモンゴル、北から北東はソ連に囲まれている。興安東・西・南・北分省、黒竜江省、吉林省、奉天省、熱河省からなり、南満州鉄道沿線域にあたる。明治44年の辛亥革命において、日本陸軍の一部が袁世凱を爆殺して満蒙を独立させる計画を立てていたが、爆殺に失敗し、外務省とも対立したため計画は失敗に終わった。第３革命時にも同様の計画を立てたが、袁世凱の後継者を日本が支援することになったため、再び失敗。張作霖爆殺事件を機に満州南部を占領する計画を立てたが、これも陰謀が露見して失敗した。昭和6年9月18日に満州事変を起こし、清国最後の皇帝溥儀を天津から脱出させて執政とすることで昭和7年3月1日に満州国が建国された。9月15日には日満議定書が取り交わされ、軍事面では日本に従属、政治中枢は日本人が占め、経済でも日本の資本が強い影響力を持つなど傀儡国家の色が濃いものとなった。しかしその直後に遼東湾営口でイギリス人女性数名の誘拐・身代金要求事件が発生して治安維持能力が疑われた上（満州国、外務省、関東軍でもどうにもならず、日本人馬賊に依頼して解放してもらった）、10月1日に日本に通告されたリットン調査団の報告により国際連盟が承認を取り消したため、日本は国際連盟を脱退した。満州事変勃発時には抗日武装集団が36万人もおり、警察、満州国軍、関東軍が治安作戦に当たって昭和13年には当局発表で8700人にまで減少させた。昭和13年10月1日、満州国赤十字社が創設された。昭和14年から東辺道の抗日武装集団の掃討を開始し、次いで東北抗日連軍第２方面軍を主目標として昭和16年3月まで続け、東辺道の抗日武装集団はほぼ掃討されたが、第２方面軍トップの金日成はソ連に脱出した。昭和15年7月、満州国をフィンランドが承認（11番目の承認国）した。昭和20年8月9日のソ連侵攻時には1549700人の日本人がおり、占領後は難民生活を強いられ、復員船第一号が日本本土に着いたのは昭和21年12月8日のことである。参考：戦時用語の基礎知識、月刊PANZER1,’90、月刊軍事研究5,’15、6,’09、日本赤十字社社史稿第５巻、朝雲

＜満州国軍＞：装備や制服は日本軍式、幹部は日本軍将校で固められていた。参考：日本戦車隊戦史

＜満州国江上軍＞：満州国の海軍。1933年、大同級砲艦２隻が就役。1934年、砲艦済民と順天型砲艦２隻が就役。1935年、親仁型砲艦２隻が竣工。1935年10月、前年の満州国皇帝・康徳帝溥儀の執政就任に伴う大典記念観艦式を停泊式で実施。参考：月刊丸3,’14、月刊世界の艦船7,’11

＜満州国境要塞＞：昭和8年に陸軍参謀本部、築城本部、工兵学校などから新京に築城偵察要員が派遣され、３ヶ月かけてソ連との国境地帯を偵察し、要所20カ所に要塞の建設を決定した。第一次工事は東寧、綏芬河、半截河、ハイラルで行われ、掩蓋付きの銃砲座と鉄条網障害を構築している。第二次工事は黒河、ホルムシン、虎頭、璦琿で実施された。ハイラルの河南台要塞と虎頭要塞が最重点で、関東軍が集中を完了するのに必要な100日間持ちこたえられるよう設計されている。昭和13年12月には潜望式銃塔などトーチカや付属装備の研究予算が付いて開発が開始された。参考：工兵入門

＜満州事変＞：明治38年、日露戦争に勝利した日本は東清鉄道の長春から南を獲得、関東州を租借した。明治39年、南満州鉄道株式会社が設立され、新規の鉄道敷設を開始。鉄道関連用地の管理も行った。第１次大戦で総力戦を目の当たりにした日本は、世界大恐慌後のブロック経済の中では戦争に必要な国力が得られないと考え、満州を日本の経済ブロックに組み込んで国力の増大を図ることを考えた。張作霖爆殺後、息子の張学良は青天白日旗を掲げて蒋介石と組み、満州で抗日運動を盛んに行い、米英資本による鉄道や港湾の建設を進めていた。また、満州鉄道が中国の鉄道会社に借款した金銭が踏み倒されており、総額は１億円を超え、満州鉄道の経営を圧迫しつつあった。これを好機とし、関東軍は張学良政府を転覆させて満州を制圧することとした。関東軍兵力11000名に対し、張学良軍は正規軍18万、民兵45万の合わせて63万。しかし正規軍の内11万５千名は張学良と共に北京に留まっており、外蒙古にいる45万も統制を欠いていたため、実質の敵兵力は約10万と見積もられた。また、満州鉄道による行動の自由が確保されており、予め24cm榴弾砲２門も運び込んでいた。陸軍や外務省は関東軍の不穏な動きをキャッチし（大連港から奉天に大量の馬のエサが運び込まれたことから、港湾労働者を介して昭和6年夏には東京でも秋に奉天付近で戦争が起こるという噂が立っていた）、参謀本部から人員を派遣したため、関東軍は予定を前倒しし、昭和6年9月18日2230、奉天北方の柳条湖で満鉄線を爆破（柳条湖事件）、張学良配下の奉天軍によるものと宣伝して独断で戦闘行動に入った。この爆破地点は張学良軍の拠点である北大営（兵力6000名在留）から600mしか離れておらず、ちょうど近くで演習中だった独立守備第２大隊第２中隊はここを奇襲し、24cm榴弾砲を叩き込んで9月19日朝までに制圧した。第２師団歩兵第29連隊は奉天城に攻撃を開始。9月19日0000、関東軍司令官が正式に戦闘命令を下命、事変が開始された。長春では歩兵第４連隊と騎兵第２連隊が出動準備に入り、満州鉄道では臨時輸送列車を編成、奉天に援軍を送る準備を整えたが、奉天での戦闘が日本軍有利に進んでいるという電報を受けて0310から長春周辺の中国軍を攻撃した。第２師団主力は奉天城攻撃に加わり、鉄道網を駆使して各地の部隊は満州に結集、戦闘を開始した。9月19日正午、奉天城を占領。その東にある拠点の東大営も占領した。これにより張学良軍は無線設備を破壊されて状況把握ができなくなり、郊外の飛行場も占拠されて航空戦力が戦わずして壊滅してしまった。この飛行場の航空機のうち40機（陸軍全体の航空機数が160機という時代である）が関東軍に使用され、朝鮮からも航空隊が飛来、関東軍が制空権を確保した。9月19日1600、長春周囲の中国軍を制圧。1740、南満州を制圧した関東軍は日本に向けて増援を要求。これに対し、陸軍省は承諾する予定だったが、外務省から軍の陰謀でないかと意見が出されたため、増援は送らずに政府は不拡大方針を決め、陸軍中央は作戦禁止指令を出した。張学良は局地戦と判断し、国際連盟に訴えることとして現地軍に不抵抗を指示、これが関東軍の進撃を助ける結果となった。9月21日、日本陸軍の朝鮮軍も一部が独断越境して戦闘に参加。満州事変勃発以来、反日行動が激化したことを口実に、関東軍は作戦禁止指令を無視、第２師団主力が吉林を攻撃した。この時移動に使用した列車には貨車や石炭車を改造した装甲列車が編成されていた。吉林の張学良軍は自ら武装解除し（日本軍との会談でリーダーが拳銃で脅されたという説もある）、第２師団は列車に乗ったまま吉林駅に到着、無血占領となった。9月22日、昭和天皇は不拡大方針を徹底するよう首相に指示。陸軍中央もこれ以上の進撃はソ連を刺激するとして行動を控えることとし、一時戦闘は下火となった。10月8日、日本の航空機12機が錦州を爆撃。日本国内では10月事件（クーデター未遂）が発生、関東軍もこれに同調しようとした。奉天周辺に住んでいた朝鮮人は、退却する張学良軍の略奪暴行から逃れようと奉天に数十万人単位でなだれ込んだものの、土地も食糧も無く、占領した関東軍は取り敢えず奉天に繋がる鉄道を復旧させて沿線から食糧を運び込むことにした。そこで関東軍の依頼を受けた満州青年連盟の代表３名が潘海鉄道の幹部と奉天城内で会談し（城内の中国人を刺激しないよう関東軍の護衛は付けなかった）、復旧が決定。10月14日に鉄道を開通させ、青天白日旗を掲げて潘海鉄道社員が列車を運行、無事に輸送路を確保した。また、イギリスが管理していた北京と奉天を結ぶ京奉鉄道も接収することにし、中国側が借款を全く支払っていないことを利用して65852ポンド全額を立て替え、イギリスからの買収に成功、抗日団体との摩擦を防ぐため中国人により接収を済ませた。11月4日、関東軍歩兵第16連隊が満州北部のチチハル南の鉄橋の修理に向かったところ、張学良派の馬占山軍がこれを射撃。関東軍は２個大隊の救援を受けて11月6日までに撃退した。11月7日、馬占山軍は対日宣戦を布告。11月11日、日本政府は増援を派遣。11月16日、日本政府は必要があれば一時的にチチハルを占領することを許可した。11月18日、関東軍はチチハルを占領。11月末、鉄道網を駆使して部隊の移動を完了した関東軍は満州南西部の制圧を開始。12月、陸軍歩兵学校教導戦車隊と第１戦車隊からルノー甲・乙戦車計６両を集めて満州に派遣し、現地の装甲自動車を加えて臨時派遣戦車第１中隊を編成し、ハルビン付近に投入（第２師団独立戦車第１中隊？）。これが日本戦車隊の初陣である。飛行第７連隊第８大隊第１中隊（重爆装備）・第３中隊（軽爆装備）が満州に派遣された。12月11日、内閣が交替し、満州事変の不拡大方針が取り消され、関東軍は重砲や八九式中戦車の増援を受け、満州南西部の本格的な制圧作戦を開始した。12月28日、遼河を関東軍が渡河し、錦州への総攻撃を開始。張学良は全面対決を避けて軍を撤退させたため、昭和7年1月3日までに関東軍は錦州を占領し、南西部を制圧した。2月3日、今度は北に主力を振り向け、チチハル南東のハルビンを占拠。2月28日には関東軍が清朝最後の皇帝溥儀をたてて満州国が建国されたが、国際連盟のリットン調査団により満州国の承認を取り消され、日本は国際連盟を脱退した。ちなみに日本政府が満州国を承認したのは昭和7年3月12日で、軍の一部組織である関東軍が勝手に１つの国を作ってしまったことになる。4月4日、満州北部の大部分を制圧。昭和8年、満州に再び入った張学良に対し、関東軍は2月に熱河作戦を行い、張学良の拠点である熱河省の省都を陥落させた。また、蒋介石も中央軍を派遣して圧力を加えたが、関東軍の反撃に遭い、停戦交渉が行われ、満州事変は終結した。これ以後、今度はソ連軍が満州に圧力を加えはじめ、ハルハ廟事件などの国境紛争が頻発、ノモンハン事件に繋がっていく。また、中国での反日運動が激化し、第１次上海事件が発生した。参考：歴史群像10,’06、月刊PANZER1,’90、日本戦車隊戦史、月刊軍事研究7,’05、8,’13、月刊丸5,’07、2,’07、月刊航空ファン3,’18、大日本帝国陸海軍軍装と装備

＜満州青年連盟＞：昭和3年11月に満州青年会議（同年5月に大連新聞が満州に在住する日本人の発言の場として設立した）を母体として発足した団体。初代理事長は満州鉄道理事で、民族協和を掲げ、満州鉄道のバックアップを受けてメンバーは3000名に達した。初代理事長が退くと一旦下火になったが、昭和6年9月24日に２代目理事長が奉天省政府主席顧問に就き、再び活動が活発となった。その直前の9月20-21日に鞍山で非常時在満邦人大会を開催し、満州事変を支持すると共に、全満州の軍事占領のため皇軍を動員すべきであり、これに反対する者は宰相でも上将でも匪賊であるという過激な声明を発表、日本にも宣撫班を派遣して世論を煽動した。満州事変中も前線や後方で関東軍の支援や宣伝活動にあたった。潘海鉄道や京奉鉄道接収の際には満州鉄道とのパイプを活かし、反奉天軍閥の協力的な中国人を動員して混乱無く接収作業を行った。参考：月刊丸5,’07

＜マンシュタイン計画＞：ドイツのマンシュタイン将軍が黄作戦のために立案した作戦計画。シュリーフェン計画に従った場合、北フランスの平原地帯で連合軍主力と対決することとなってドイツ側に不利なこと、市街地を機甲部隊が進撃することになっていて速度が鈍ることなどから修正を加えた。機甲部隊の大半を、進撃不能といわれたアルデンヌ森林地帯に集結させてムーズ河を渡河し、そのまま連合軍をドーバー海峡に追いつめるというものである。グデーリアン大将との検討の結果、アルデンヌ森林地帯を機甲部隊が突破できると見込まれたため、1939年10月から1941年1月まで７回ほど陸軍参謀本部に意見書を出したが、採用されなかった上、マンシュタイン将軍はＡ軍集団参謀長から第38軍団長に左遷されてしまった。しかし1940年2月17日のヒトラーの朝食会にマンシュタイン将軍が招かれ、ヒトラーがこれを採用した。参考：月刊PANZER5,’11、月刊丸3,’01

＜萬壽丸＞：岡田商船ストックボートManju maru。元は大正8年2月17日に川崎造船所で竣工し、8月1日に国際汽船に売却された壽福丸で、所属や船名を変更しつつ昭和12年に岡田組（後の岡田商船）が所有して萬壽丸になった。垂線間長117.35m、幅15.54m、深さ10.97m、満載吃水8.26m、総トン数5858トン、重量トン数9108トン。主機は三連成汽機１基１軸3869馬力、航海速力10ノット、最大速力14.275ノット。太平洋戦争勃発で日本海軍の輸送任務に就いた。昭和18年11月29日、横須賀からトラックに向け航行していたところ、マリアナ諸島パガン島の西600kmでSS-264パーゴの砲雷撃を受けて沈没した。参考：月刊世界の艦船7,’15

＜満珠丸＞：さんとす丸（特設潜水母艦）を参照。

＜満珠丸＞：日本の油槽船。総トン数6515トン。昭和20年1月6日、モタ三〇船団の一員として六連島泊地を出港。1月8日、潜水艦の雷撃を受けて大破擱座した。参考：戦時標準船入門

＜マンスフィールド＞：DD-728（アレン・Ｍ・サムナー級駆逐艦）またはG76（タウン級駆逐艦第３グループ）を参照。

＜マンセン＞：DDG-92（ミサイル駆逐艦）を参照。

＜マンタ＞：S201（UUV）またはSS-299（潜水艦）を参照。

＜マンタ＞：アメリカ海軍のUAVで、スティレット実験艇に搭載されている。平たい胴体にプッシャープロペラを持つツインテイルブーム機で、電子光学赤外線カメラなどを搭載して偵察任務を行う。最大重量27kg、ペイロード6.8kg。エンジンは２ストロークのガソリンエンジンで、最大速度130km、上昇限度4877m、滞空時間5-7時間。データ転送可能距離は20海里。油圧カタパルトで発進し、専用装置で回収される。参考：月刊軍事研究11,’06

＜マンタ＞：アメリカ海軍対潜戦センター（NUWC：Naval Undersea Warfare Center）で開発中の完全自立型UUV。水上情報収集・捜索・偵察（ISR）、機雷偵察、戦術的海洋データ収集、沿岸浅海域での対潜戦を主任務とする。また、データリンク機能により、艦隊と非自立型UUVを繋ぐ役割も果たす。名前の通り平べったい形をしており、前方に格納式の砲、中央左右に魚雷発射管を持つ。参考：月刊軍事研究8,’01

＜マンタ＞：イタリアの対潜・対水上艦用沈底機雷で、MN103ともいう。ホワイトヘッド社が開発した。機雷探知ソナーの捜索を避けるため外殻をFRPにして円錐台形に成形しており、アクティブソナー音の反射を防ぐと共にあらぬ方向へと反射し、海底の砂に潜り込んで海底地形と一体化する。航空機や水上艦から敷設可能。全長470mm、直径980mm、重量220kg、炸薬量180kg。最大敷設深度100m。音響・磁気信管を持つ。遠隔操作型のMN103Mod1も生産された。1990年頃に海自にも売り込みがあったが、外殻が脆く、価格も安すぎて性能に不安があり、自衛隊の基準では使えないと判断されて導入されなかった。海自呉史料館に展示されている。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版、軍用機ウェポン・ハンドブック、ペルシャ湾の軍艦旗、月刊軍事研究2,’14、月刊世界の艦船1,'15増刊、2,’15

＜マンダウ級＞：インドネシア海軍ミサイル艇Mandau級。兵装はエグゾセMM38艦対艦ミサイル単装発射筒４基、57mm砲１門。参考：ミリタリー・バランス1989-1990、THE MILITARY BALANCE 2016

＜マンタ級＞：エクアドル海軍ミサイル艇。西ドイツのラーセン36級を導入したものである。兵装はガブリエルⅡ艦対艦ミサイル発射筒４基。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜マンダリン＞：P192（防材敷設船）を参照。

＜マンダリン級＞：イギリス海軍防材敷設船Mandarin級。全長55.4m、幅11.2m、吃水3.7m、軽荷排水量750トン。主機はディーゼルで、出力550馬力、速力10ノット。P192マンダリン、P193ピンテイルが1964年に竣工した。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜マンタ・レイ＞：DARPAが開発している大型水中無人機Manta Ray。2020年2月、ロッキード・マーチンとフェーズ１契約を締結した。その後ノースロップ・グラマン、ナヴァテク、メトロンとも契約しており、４社で競合試作する。参考：月刊世界の艦船5,’20、6,’20

＜マンチェスター＞：15（サウザンプトン級軽巡洋艦）またはCL-83（クリーブランド級軽巡洋艦）またはD-95（42型駆逐艦）またはLCS-14（沿海戦闘艦）を参照。

＜マンチェスター爆撃機シリーズ＞：イギリス空軍双発中型爆撃機Manchester。アブロ社が1936年から開発し、1939年7月25日に初飛行した。1940年11月から配備され、1941年にドイツ爆撃に初参加したが、エンジン不調が続き、ランカスターが開発されることとなった。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇、月刊JWings4,’05、月刊軍事研究11,’17

　＜マンチェスターＭｋ．Ⅰ＞：双発双尾翼の爆撃機で、当初はロールスロイス社が開発した1800馬力級のバルチャー・エンジンを搭載したが、故障が多発したので出力を1760馬力に落として実戦運用が開始された。全長21.32m、全幅27.45m、全備重量22.68トン。エンジンはロールスロイス社製バルチャー１（1760馬力）双発で、最大速度426km、実用上昇限度5850m、航続距離2620km。防御兵装は7.7mm機銃８丁。爆弾4.68トンを搭載できる。乗員７名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・ヨーロッパ篇、月刊JWings4,’05

　＜マンチェスターＭｋ．Ⅲ＞：４発型。後にランカスターとして採用された。参考：月刊JWings4,’05

＜満ちゃん＞：満様ともいう。日本陸軍用語で、満期除隊を指す。参考：帝国陸海軍事典

＜マンティス＞：Yak-30（練習機）を参照。

＜マンティス＞：BAEシステムズ社が開発した無人攻撃機。主翼は低翼配置で、６カ所のハードポイントを持つ。機首にセンサーとデータリンクアンテナを収容する。後部胴体上部両側にポッド式にエンジンを搭載しており、プロペラはプッシャー式である。尾翼はＴ字。全幅22m。エンジンはターボプロップ双発。2009年11月に初飛行した。これをベースとした中高度長時間滞空無人機をフランスのダッソー社と共同開発する。参考：月刊軍事研究2,’11、月刊航空ファン6,’11、月刊JWings8,’11

＜マンティス＞：イスラエルのカーモア・インテグレイテッド・ヴィークル・ソリューション社が開発した４×４輪汎地形装甲車。車体中央に操縦席があり、その後ろが兵員室になっている。装甲は全周NATOレベル３・耐地雷NATOレベル１だと戦闘重量６トン、全周NATOレベル３・耐地雷NATOレベル２だと戦闘重量７トン、全周NATOレベル４・耐地雷NATOレベル2a/3bだと戦闘重量８トンになる。全長5m、全幅2.3m、全高2.2m、戦闘重量6-8トン。最大速度120km、航続距離700km。乗員１名＋搭乗兵員4-8名。兵員室を貨物スペースにしたピックアップ型や、オープントップ型もある。ユーロサトリ2018で展示された。参考：月刊軍事研究11,’18

＜マンテック社＞：ManTech社。1968年に創業した民間会社で、諜報員を各国諜報機関に派遣している。湾岸戦争でアメリカ陸軍のC4I任務を担当し、ハイチ侵攻でも同様の任務をこなした。ユーゴスラビア紛争ではSIGINT任務を実施。不朽の自由作戦（アフガン）、イラク戦争でも衛星回線のセキュリティ管理や情報分析などを行った。アメリカ空軍にはUAV運用要員を派遣。アメリカ以外の陸軍にも要員を送っている。参考：月刊軍事研究4,’11

＜マントルプロペラ＞：ドイツのシュワルツ社が開発した木製プロペラ製造法。木製プロペラに麻布を被せ、更にセルロイド薄板で覆い、ゴム袋に入れて真空加熱するもので、溶けたセルロイドがプロペラ表面に厚さ1mmの保護膜を作り、麻布を通してプロペラ木部にも浸透し密着する。プロペラ前縁には保護金具として黄銅の網を被せ、更に真鍮の薄板を固定する。軟木を素材として使用でき、翼断面を薄くしつつ耐久性を持たせることが可能である。川崎造船飛行機工場がライセンスを取得し、被包式プロペラ（甲型）として九二式戦闘機と九三式軽爆に使用した。また、製法を変更してライセンスの問題をクリアした被包式プロペラ（乙型）を陸軍の依頼で日本楽器製造が製作している。参考：月刊航空ファン9,’19

＜マンドレイク＞：K287（改フラワー級コルベット）またはPG-92（テンプトレス級コルベット）またはYak-25RD（高高度偵察機）を参照。

＜マントレット＞：Mantelet。弾片防御用遮蔽物のこと。日本海軍では長さ３インチ（76.2mm）くらいのロープを網状に編んだものを使用し、ハッチの下に設置して落下物が室内に落ちないようにしていた。また、釣床を要所に括り付けておいた。参考：月刊丸8,’11

＜マンドレル＞：イギリス軍がムーン・シャインに続いて開発したFuMG43フレイアー早期警戒レーダー用ECM装置で、心棒の意。同一周波数のノイズ電波を送信するもので、1942年12月のマンハイム夜間爆撃でデファイアントに搭載されて使用され、損失を半分に減らすことができた。しかしドイツ国防軍がムーン・シャインの時と同様にレーダー周波数に変調をかけたため、以降は通用しなくなった。参考：月刊軍事研究12,’08、連合軍の傑作兵器駄作兵器

＜マンネスマン・ムラグ装甲自動車＞：帝政ロシアで1914年に開発された４輪装甲自動車。４トン貨物自動車のシャシーに厚さ3-5mmの装甲板を張り付け、後部に47mmホチキス速射砲もしくは37mmマキシム機関砲、機銃２丁を搭載する。全長4.88m、全幅2.01m、全高2.39m、重量4.14トン。エンジンはガソリン（50馬力）、最大速度60km。乗員５名。1915年までに３両が製作された。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（上）

＜マンノク級＞：タイ海軍揚陸艇Mannok級。タイ国産で、艦首にランプを持つ。満載排水量559トン。戦車２両を搭載可能。２番艦艦番号782マンクランなど３隻が就役した。参考：月刊世界の艦船6,’20

＜マンバ＞：南アフリカのサンダック・オストラルがロイメックOMC及びメコム社の支援で開発した、４×２輪耐地雷装甲車Mamba。ウニモグ416・162（南アフリカ陸軍が1970年代半ばに購入したもの）の足回りと駆動系を流用し、耐地雷装甲と対小銃弾装甲を張り付けたもので、プロトタイプは31日間で完成した。重量5.7トン。参考：月刊軍事研究7,’95、4,’97

＜マンバＭｋ．Ⅱ＞：南アフリカのロイメック社が開発した４×４輪兵員輸送車両で、マンバを４輪駆動にしたものである。後部乗員席天井にハッチが用意されており、ハッチカバーは射撃時の防盾を兼ねる。最大速度102km、航続距離900km。C-130など中型輸送機で空輸可能。南アフリカ陸軍が採用し、1993年から生産された。参考：月刊軍事研究7,’95、1,’15、月刊PANZER6,’05

＜マンバＭｋ．Ⅱ海外シリーズ＞

　＜アルビス８＞：イギリスのアルビス社が販売契約を結んで売り込んでいるもの。ベンツ社製ウニモグのシャシーにモノコックの装甲車体を組み合わせており、全周で7.62mm機銃弾及び榴弾弾片から防御できる。車体下部は凸型で、地雷の爆風を反らすようにできている。２個の対戦車地雷（TNT計17.5kg）または、１個の対戦車地雷（TNT10kg）が車体直下で炸裂しても、足回りが吹き飛ばされるだけで車体は残る。全長5.5m、全幅2.2m、全高2.6m、戦闘重量7.5トン。エンジンは６気筒ディーゼル（388馬力）で、トランスミッションはシンクロメッシュ式４速、最大速度110km、燃料搭載量200リットル、航続距離路上900km／路外500km。後部兵員室には７名を収容できる。また、このスペースを107mmロケット弾36発または対戦車ミサイル11発の収容スペースとすることも可能。C-130輸送機に搭載でき、空中投下も行える。参考：月刊PANZER6,’05

＜マンバＭｋ５＞：オスプレア・ロジステックス社が開発した４×４輪耐地雷装甲車。マンバMk.Ⅱをベースに車体を拡大し、二重装甲（12mm装甲板＋65mm空間＋6mm装甲板）を採用するなど防御力強化を図っている。装甲レベルは全周がSTANAG4569レベル３（レベル５まで強化可能）、耐地雷／IEDがSTANAGレベル４（車体下部TNT爆薬14kg抗堪）。戦闘重量12.2トン、ペイロード3.63トン。エンジンはマギリウス・ドイツ社製ディーゼル（136kW）またはイヴェコ社製ディーゼル、トランスミッションはアリソン製オートマチック（前進６速）、最大速度105km、航続距離800km。乗員２名、乗車兵員９名。アフリカ各国に60両が配備された。参考：月刊軍事研究1,’15

＜マンハイム＞：FuMG64(41T)レーダーを参照。

＜マンハイム型フェリー・ボート＞：西ドイツ陸軍の渡河器材。内陸水路渡河用フェリー・ボートで、吃水の浅いフラットな船体の前後に跳ね上げ式ランプを設け、中央部を貨物スペースとし、両舷に船橋や自衛用機銃を搭載している。参考：月刊PANZER11,’86

＜マンバ級＞：ケニア海軍ミサイル艇。イギリスのブルックマリーン37m級を導入したものである。兵装はガブリエルⅡ艦対艦ミサイル発射筒４基。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜マンハッタン計画＞：アメリカ・イギリス・カナダの原爆開発計画。1939年3月、コロンビア大学のシラルト博士が、ウランを低速中性子で分裂させると高速中性子が分離されるということを証明する実験に成功、核分裂連鎖反応への道が開かれ、同大学のフェルミ博士がアメリカ陸海軍に核分裂の軍事的利用を進言したが、あまり反応は無かった。同年夏、両博士とブリンストン大学のウィグナー教授、スマイス教授により、核分裂連鎖反応を引き起こすためには、ウラン235の大量分離抽出技術と、核分裂で発生する中性子をウラン235に捕捉させるための中性子減速技術の確立が必要であることが判明。1938年にウラン核分裂実験を成功させていたドイツでも核分裂連鎖反応の研究が進んでいることを知っていたシラルト博士とウィグナー教授は、核分裂連鎖反応による新型爆弾作成の可能性と、同様の研究を行っているドイツに対する警告を記載した文書を1939年8月2日に作成し、アインシュタイン博士の署名を添え、大統領と個人的に親交のあったザックス博士が1939年10月11日にルーズベルト大統領に手渡した。10月12日、ルーズベルト大統領は副官を呼び、開発のための委員会を設置するよう命じた。11月1日、アメリカ商務省標準局のブリッグス博士を委員長とし、アメリカ陸海軍代表者を委員とするウラン諮問委員会が設置された。1940年4月、ドイツのカイザー・ウィルヘルム研究所がウランなどに関する大規模研究を行っていると分かり、6月27日にウラン諮問委員会の上部組織として国防調査委員会が大統領命令によって設立され、原爆製造の責任組織が誕生した。1941年春から夏にかけて原子エネルギーに関する詳細な検討が行われ、軍事利用面で開発を行うべきであるという結論を得、大統領と相談した結果、イギリスとも情報交換して研究を進めることが決定した。12月6日、アメリカ科学研究開発庁が創設され、原子力実験工場と生産施設の工事に関する計画会議が設置された。12月7日、真珠湾攻撃を受けてアメリカが参戦。原爆開発に拍車がかかることになった。12月下旬、冶金研究所というコードの付けられた原子力研究所が科学研究開発庁の支援でシカゴ大学に設けられ、プルトニウム生産工場に関する研究が始まった。1942年6月7日、科学研究開発庁長官のブッシュ博士は大統領に経過を報告、原爆生産が可能であり、戦争の結果に影響を与える可能性もあると述べた。6月18日、陸軍工兵隊が生産施設を建造することになり、新たな工兵管区を設置することになったため、本部を置く予定だったニューヨーク市にちなんでマンハッタン工兵管区と名付けた。管区の上級部隊は建前上は陸軍工兵隊司令部だが、実際は政府直轄である。8月17日、原爆開発計画が正式に動き出し、マンハッタン計画という秘匿名称が付けられた。9月23日、陸軍工兵隊建設副部長のレスリー・リチャード・グローブス准将がマンハッタン計画の責任者に任命され、科学研究開発庁に代わってマンハッタン工兵管区が原爆開発計画の責任組織となった。資金や資材は最優先で供給され、極秘裏に20億ドルの巨費（当時のアメリカ軍事費の６割、日本の年間国民所得の２割にあたる）を投じて開発が進められている。12月2日、シカゴ大学CP-1原子炉で世界初の核分裂連鎖反応に成功。これを受けてプルトニウムに関する技術経験のあるデュポン社に計画への参画を依頼、同社は報酬１ドルで開発に参加することになった。1943年、オークリッジにガス拡散法によるウラン235精製施設、ワシントン州ハンフォード（サイトＷ）にプルトニウム生産用大型原子炉３基が建設された。また、1943年初めにかけてロスアラモスに原爆生産施設が建設された。ロスアラモスから30kmほど離れたサンタフェ市では、連日貨物を満載した大量のトラックが山の中に向かうため、妊娠した陸軍婦人部隊を収容する施設を作っているとか、無駄な公共事業をしているとか様々な噂話が出始め、海軍士官がロスアラモスに配置されると、新型潜水艦を造っているのだろうという話も出た。1944年8月、ガンバレル型原爆が1945年6月には完成するという予測が出され、9月に原爆投下を行う第509混成部隊（将校225名、下士官・兵1542名。輸送中隊なども隷下に置き、完全独立行動ができる）が編成されて訓練を開始した。9月、ハンフォードの原子炉が稼動を開始。9月18日、ケベックで米英首脳会談が開かれ、万が一原爆が不発弾になった際、パラシュートやエアブレーキ付きで投下するため無傷で地上に落ちて回収される恐れがあり、科学技術の進んだドイツではコピーされる可能性が高いことから、最初の原爆は日本に対して使用すると決められた。1945年2月、原爆搭載B-29の発進基地をマリアナ諸島のテニアン島に設置することとし、2月末から建設作業に入った。4月12日、ルーズベルト大統領が死去、副大統領のトルーマンが後を継いだ。4月15日、原爆投下作戦の名称がセンターボード作戦に決定。4月23日、原爆が8月までに完成する見込みが立った。4月25日、スチムソン陸軍長官はトルーマン大統領に原爆覚書を提出、トルーマンは原爆が開発中であることを知った。4月末、第509混成部隊がアメリカ本土から前線への移動を開始。5月18日、第509混成部隊先遣飛行隊がテニアンに到着、第20航空軍第21爆撃部隊の作戦指揮下に入った。6月、ウラン235の生産量が原爆１発分、プルトニウム239の生産量が原爆２発分に達し、原爆の製造に入った。6月1日、原爆をなるべく速やかに日本に使用すること、目標は他の建物（密集家屋）に取り囲まれている軍事目標とすること、兵器の性質に関する事前通告無しに投下することを特別委員会が採択し、トルーマン大統領に提出した。この内容を知ったシカゴ大学の原爆開発参画科学者たちは猛烈に反発し、6月11日にシカゴ大学フランク教授を委員長とする７人の科学者からなる委員会はスチムソン陸軍長官に対し、日本に対する原爆奇襲攻撃は、得られる軍事的利益とアメリカ人の生命の節約よりも世界各国に波及する恐怖感と反感の方が大きくなる可能性があり、アメリカがこの無差別破壊兵器の最初の使用者となるならば、アメリカは世界中の世論の反発を買い、軍備拡充競争を激化させ、核管理に関する国際的協力を阻害するだろうとする意見書を送ったが、原爆開発は継続された。アーノルド元帥は通常兵器のみで戦争の終結は可能であるとし、アイゼンハワー元帥はアメリカがそんな残酷な兵器を最初に使う国になるのは忍びないと述べたが、マーシャル元帥は使用すべきとし、特別委員会８名のうち７名や科学諮問委員会の全員、政府首脳部の多くは原爆投下推進派だった。6月末、ファットマン投下訓練用のパンプキン爆弾がテニアンに到着し始めた。7月16日0530、ニューメキシコ州アラモゴードでMk3ファットマンの核実験に成功。ポツダム会議に出席中のスチムソン陸軍長官には「無事に出産した」という暗号電報が届けられた。7月20日、第509混成部隊がパンプキン爆弾による空襲を開始。8月6日、広島原爆投下。8月9日、長崎原爆投下。原爆開発にかかった費用は20億ドルで、最も多かった時には関連部門を含め54万名が開発に携わっていた。太平洋戦争終結直後にアメリカ政府はデュポン社への報酬１ドルを払ったが、契約期限が満了していなかったため、政府会計監査官がデュポン社に33セントの返済を求めた。1946年、アメリカで原子力法（マクマホン法）が成立し、核関連技術の他国への提供が禁止され、マンハッタン計画に参加していたイギリスは独自に核開発をやり直す羽目になった。ハンフォードのサイトＷは冷戦中の核兵器用プルトニウム量産優先で放射線管理が疎かになり、辺り一面が放射性物質で汚染され、今は退役済艦艇用原子炉の保管場所になっている。参考：丸エキストラ版No.71、戦争がやってくる、アメリカの核兵器、核兵器図鑑、月刊JWings5,’22、月刊世界の艦船10,’23

＜マンフレート・フォン・リヒトフォーヘン＞：リヒトフォーヘン（ドイツ軍エース）を参照。

＜マンフレッド・ミューラー＞：ミューラー（ドイツ空軍エース）を参照。

＜マンボ＞：飛行開発実験団を参照。

＜万羊山＞：995（揚陸艦）を参照。

＜マンラブ＞：DE-36（護衛駆逐艦）を参照。

＜マンリー＞：APD-1（高速輸送艦）またはDD-74（駆逐艦）を参照。

＜マンリー級高速輸送艦＞：アメリカ海軍駆逐艦改造揚陸艦Manley級。旧式化したフラッシュ・デッキ型駆逐艦を揚陸艦に改造したもので、主缶２基を撤去して第１缶室を輸送兵員・機材室に変更し、魚雷発射管を撤去して船体中央両舷に重力式ダビット２基ずつをタンデムで設置、LCVPやLCPLなど小型揚陸艇４隻を搭載する。４本煙突のうち前２本は撤去した。全長95.8m、幅9.3m、吃水2.59m、基準排水量1090トン。主機はカーチス蒸気タービン２基、主缶はヤーロー缶２基、出力13500馬力、２軸推進、速力25ノット。兵装は50口径7.6cm単装両用砲３門（一部は10.2cm単装砲３門）、40mm単装機関砲２門、20mm単装機関砲５門、爆雷投射器４基、爆雷投下軌条１条。乗員106名。兵員147名（短期間なら200名）を搭載できる。APD-1マンリー、APD-2コルハウン、APD-3グレゴリー、APD-4リトル、APD-5マッキーン、APD-6ストリングハム、APD-7タルボット、APD-8ウォーターズ、APD-9デント、APD-10ブルックス、APD-11ギルマー、APD-12ハンフリーズ、APD-13サンズ、APD-14シュレイ、APD-15キルティ、APD-16ウォード、APD-17クロスビー、APD-18ケイン、APD-19タトノール、APD-20ローパー、APD-21ディッカーソン、APD-22ハーバート、APD-23オバートン、APD-24ノア、APD-25ラスバーン、APD-29バリー、APD-31クレムソン、APD-32ゴールズボロ、APD-33ジョージ・Ｅ・バジャー、APD-34ベルナップ、APD-35オズモンド・イングラム、APD-36グリーンの32隻が1940-44年に改造され、APD-26、APD-27、APD-28、APD-30は改造されずに終わった。太平洋戦争開戦後に建造されたAPD-7以降をタルボット級と称することもある。参考：アメリカ揚陸艦史、第２次大戦のアメリカ軍艦

＜マンリカ・カルカノ＞：M1891ライフル（イタリア）を参照。

＜マンレイ＞：イギリス海軍マンレイ級通船Manley。1981年進水。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜マンレイ級＞：イギリス海軍通船Manley級。クロヴェリイ級とほぼ同じである。主機はディーゼル。マンレイ、メンター、メッシーナ、ミルブルック、メルトン、A84メナイ、ミオン、ミルフォードが竣工した。参考：月刊世界の艦船5,’83

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