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＜エア＞：K262（フリゲート）を参照。

＜エアアジア機墜落事故＞：2014年12月28日、スラバヤからシンガポールに向かっていたエアアジア・インドネシア8501便（乗員乗客162人搭乗）が墜落した。12月31日、インドネシア政府から日本政府に対して捜索救難要請が出されたことを受け、自衛隊を派遣することになり、防衛大臣が国際緊急援助活動に関する自衛隊行動命令を発出。防衛省から現地調整員３名を向かわせると共に、DD-110たかなみ、DD-111おおなみ、SH-60J/Kヘリ３機（いずれもソマリア沖海賊対処任務から帰投中）からなるインドネシア国際緊急援助海上任務部隊を編成した。2015年1月3日、国際緊急援助海上任務部隊がジャワ海で捜索活動を開始。日本以外にもアメリカ（LCS-3フォート・ワース）、韓国、中国、ロシアなど12カ国が捜索を行っている。1月9日、防衛大臣が現地調整所要員と海上任務部隊に撤収命令を発出し、活動を終了した。海上任務部隊はカリマタ海峡周辺で遺体４体を収容している。ロシアはBe-200飛行艇で捜索したが、波高3-4mの現場に着水できず、これを見たインドネシア政府は着水能力の高いUS-2に興味を示しているらしい。参考：月刊世界の艦船3,’15、9,'15、月刊JWings3,’15、MAMOR vol.98、朝雲

＜エア・アメリカ＞：アメリカCIAのダミー航空会社。民間航空機を装った特殊任務（工作員輸送、反共勢力向け兵器・物資供給、CSARなど）を行っていた。ただ装ったといっても機体は無塗装で派手な自社マークも無く、ぱっと見ですぐ怪しいと分かる。立川基地にもオフィスを構え、C-46、DC-4、DC-6などの中型機が飛来して東南アジア向け物資の中継点として利用していた。東南アジアのCIA前哨拠点は辺境の小規模拠点であり、滑走路というより100mくらいの不整地離着陸場しか無く、DHC-4/-6やポーター／ターボポーターなどのSTOL機やヘリを使っている。インドシナ半島やラオス周辺ではベル205でCSARを実施していたらしい。参考：月刊JWings6,'21、月刊軍事研究2,’07

＜エアインテイク＞：Air intake、空気取り入れ口のこと。ジェットエンジンの場合、エンジンナセルがそのままエアインテイクになっている場合と、離れた場所にエアインテイクを設けてダクトでエンジンまで空気を導く場合がある。飛行速度により発生する押し込み圧を利用して圧縮した空気を取り込むことができれば、飛行速度の増加に伴って推力も増大させることができるので、形状を工夫したり、ショックコーンを付けたりする。胴体に隣接する場合、境界層や衝撃波を吸い込まないよう、胴体から少し離したり、境界層分離板（ダイバーター）を設置したりする。エアインテイク形状を見れば、最大速度などがおおよそ判別可能。ジェットエンジンのファンや第１段圧縮機がレーダーを反射してRCSを増大するので、ステルス性を気にする機体ではダクトを曲げ（スネーク・ダクト）、エアインテイクとジェットエンジンが一直線に繋がらないようにしておく。参考：世界の傑作機No.113、月刊JWings1,’05、10,’09別冊付録、月刊軍事研究4,’12、戦闘機のしくみ、航空用語事典増補改訂版

　＜外部圧縮型エアインテイク＞：ショックコーンや斜板により斜め衝撃波を発生させ、これによる押し込み圧を利用して機体外部で圧縮した空気を取り込むもの。参考：世界の傑作機No.113

　＜可変型エアインテイク＞：超音速機ではコンバージェント／ダイバージェント型エアインテイクが有利だが、常に超音速で飛んでいるわけではないので、エアインテイク内部に可動ランプなどを設置して速度に応じた断面積を取れるようにしたもの。参考：月刊軍事研究4,’12

　＜可変斜板式エアインテイク＞：可変型エアインテイクの１つで、外部圧縮型エアインテイクとしての能力も持つ。エアインテイク前端から入口部にかけて、エアインテイク前端頂角やエアインテイク内部断面積を変化させることのできる斜板を設置したものである。斜板を動かすことにより、飛行マッハ数に応じて生じる斜め衝撃波が斜板とは反対側のエアインテイク前端と一致するようにして、効率良く外部圧縮を行うと共に、エアインテイク内部断面積も調節することにより、直角衝撃波を生じさせずに取り入れた空気を亜音速に減速してエンジンに送る。F-4戦闘機ではエアインテイクの胴体側に斜板を設けていたが、A-5攻撃機ではエアインテイク上面に設けることで斜板に作用する空気力を揚力として活かせるようになり、F-14やF-15で引き続き採用された。参考：世界の傑作機No.172

　＜コンバージェント／ダイバージェント型エアインテイク＞：先端部の断面積が大きく、奥に行くと一旦すぼまり、更に奥で断面積が拡大するタイプ。まず内部圧縮型エアインテイクと同様の効果により超音速の空気流を音速以下まで減速し、次いでダイバージェント型エアインテイクと同様の効果により動圧を低くした空気を圧縮機に向かわせる。超音速機で使用される。参考：月刊軍事研究4,’12

　＜ダイバージェント型エアインテイク＞：先端部よりも奥の方が断面積の大きいもの。吸入した空気が奥に行くと拡散し、動圧が低下したところで圧縮機に到達するようになっている。亜音速機で使用される。参考：月刊軍事研究4,’12

　＜ダイバーターレス・スーパーインレット＞：ダイバーターレス・スーパーインレットを参照。

　＜内部圧縮型エアインテイク＞：エアインテイク自体はラム型と同じく飛翔方向に垂直に開口しているが、その後ろのダクト部分を細く絞り込んであるもの。ダクト内部で超音速気流を減速し、発生する垂直衝撃波を弱めることができる。参考：世界の傑作機No.113

　＜ラム型エアインテイク＞：飛翔方向に対して垂直に開口したエアインテイクのことで、亜音速飛行時に効率が良い。飛翔速度が音速を超えた場合、エアインテイク前縁から生ずる離脱垂直衝撃波で開口部が覆われてしまい、空気抵抗が急増、押し込み圧が大幅に失われてしまう。エアインテイク前縁を薄く尖らせれば空気抵抗は減らせるが、押し込み圧の損失を防ぐことはできない。参考：世界の傑作機No.113

＜エアクッション艇（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の艦種。2004年4月8日、区分・自衛艦−大分類・警備艦−中分類・輸送艦艇の下の種別として制定された。艦種記号はLCAC、艦番号は2101以降である。エアクッション艇１号型が編入された。参考：月刊世界の艦船11,'17増刊

＜エアクッション艇１号型＞：LCAC海外シリーズ（揚陸艇）を参照。

＜エアクッション艇技術支援＞：防衛省がアメリカ海軍省に発注している。参考：月刊軍事研究7,’18

＜エアクッション艇隊＞：海上自衛隊の部隊。輸送隊の隷下にあり、エアクッション艇２隻以上で編成される。トップはエアクッション艇隊長（二等海佐）。参考：輸送隊の編制に関する訓令

＜エアクッション揚陸艇＞：LCACを参照。

＜エアサスペンション＞：力の伝達・ばね作用ともに空気を使用するサスペンション。可変容量の容器内に高圧空気を収容しており、強い力が加わった際には硬いスプリング、弱い力には柔らかいスプリングとして反応する。空気圧を変化させればサスペンション能力や車高を調節でき、車体の挙動制御と乗り心地の改善を両立させることが可能。参考：クルマのすべてがわかる事典、自動車のサスペンション

＜エア・シーカーＲ．Ｍｋ．１＞：RC-135W信号情報収集機（イギリス空軍）を参照。

＜エア・シー・バトル＞：空海協同戦闘。QDR2010で使われ出した概念で、表記は一定しておらず、最初はAir-Sea battleだったが、AirLand battleを真似てAirSea battleと書かれたりもする。これに基づいて国防総省が2011年11月にAir-Sea Battle Office（空海協同戦闘局）を発足させ、2013年5月に初めて公式文書を発行した。航空戦力と海上／海中戦力との統合作戦で、エア・ランド・バトルの海上版。と言いつつ、実際には陸海空宇宙に加えてサイバースペースまでを含む全作戦領域（ドメイン）での能力を統合するもので、ネットワーク化された統合部隊が広大な作戦領域で全縦深同時攻撃を行うことにより、接近阻止／アクセス拒否環境下でも戦闘に勝利できる。だが陸を省いた名称に陸軍と海兵隊が抵抗したらしく、統合作戦アクセス構想という上位概念を設け、その下に海空統合版としてエア・シー・バトル、陸上統合版として統合侵入作戦構想を置き、戦略ではなく戦略的任務を果たすための重要要素に止め置くことで陸軍海兵隊をなだめることに成功し、国防総省で具体化が進められ、NIA/D3という概念が生まれた。参考：月刊世界の艦船12,’14、月刊軍事研究9,’13、4,’12、月刊航空ファン2,’11

＜エアジープ＞：VZ-8シリーズ（垂直離着陸機）を参照。

＜エアシップ・エンデュアランス＞：アメリカのエアシップテクノロジーズグループが開発しているVTOL無人機。参考：月刊軍事研究10,’12

　＜Ｖ２＞：アメリカ陸空軍向けISR型。機体前部左右にリフトファン、後部に推力偏向ダクトファンを装備する。機体に太陽電池フィルムを貼り付けてあり、30-90日の滞空が可能。全長0.6m。参考：月刊軍事研究10,’12

　＜Ｖ５＞：空軍向けISR型。全長1.5m。参考：月刊軍事研究10,’12

　＜Ｖ９＞：空軍特殊部隊向けで、地上も走れる。全長2.7m。参考：月刊軍事研究10,’12

　＜Ｖ１７＞：機首に兵員席を設けた輸送型で、地上も走れる。サバイバル・エアストレッチャーによる傷病者搬送も可能。全長5.18m、全幅4.88m、全高1.52m、重量998kg。最大速度482km、滞空時間５時間。ペイロード454kg。参考：月刊軍事研究10,’12

＜エアショー・チャイナ＞：中国国際航空航天博覧会。珠海エアショーともいう。中国の航空トレードショーで、1996年に初開催された。第10回は2014年11月11-16日に開催され、殲撃31型戦闘機、Y-20輸送機、KJ-2000AWACSなどが参加した。第11回は2016年11月1-7日に開催され、殲撃20型、殲撃10型Ｂ、轟炸６型Ｋ、Y-20、KJ-500、蛟龍600、翼龍�U、81飛行表演隊、レッドアローズ、ルスキーイェ・ビチャージ、ストリージィなどが参加した。第12回は2018年に開催され、殲撃20型がウェポンベイを開けて飛行、殲撃10型Ｂ推力偏向ノズル型がコブラやクルビットを披露した。第13回は2020年11月10-15日に開催予定だったが新型コロナウイルス感染症拡大の影響で2021年9月28日から10月3日に変更され、殲撃16D型電子戦機、殲撃20型戦闘機、蛟龍600飛行艇の実機が参加し、殲撃31型戦闘機、FH-97無人機、WZ-7戦略偵察無人機、JY-300早期警戒無人機の模型が展示された。第14回は2022年11月8-13日に開催され、殲撃20型戦闘機、Y-20A輸送機、翼龍３無人攻撃機実物大モックアップが初地上展示された。参考：月刊航空ファン1,’15、1,’17、1,’19、2,’19、月刊JWings12,’21、1,’23

＜エア・スープレマシー＞：絶対的航空優勢を参照。

＜エアスタータユニット＞：自衛隊の機器。ジュピターコーポレーション製。参考：月刊軍事研究2,’17

＜エア・ゼロ＞：空中爆発中心点。核兵器を空中爆発させた時の爆心を指す。参考：U.S.ウェポンハンドブック

＜エアターボ・ラムジェット・エンジン＞：Air Turbo Ramjet Engine。エアインテイクから超音速の高温高圧空気を取り込み、冷却器内の水素ガスを加熱、その水素ガスによりターボジェットのタービンを回し、その後ラム燃焼器に噴射して、タービン室周囲を迂回してきた空気と共に燃焼させるエンジン。構造は複雑だが、ターボジェットのみを使って音速以下の飛行を行うこともでき、ターボジェットで超音速に再加速すればラムジェット併用の超高速飛行への切り替えも自由自在なので、速度運用範囲が広い。参考：月刊軍事研究9,’07、10,’11

＜エア・タトゥー＞：イギリスのフェアフォード基地で毎年開催される航空ショーRoyal International Air Tattoo（RIAT、リアット）。主催者はイギリス空軍慈善基金事業で、商談が目的ではなく、マニア向けである。入場は事前登録制で、３日間共通有料入場券を買わなければならないが、ショー当日だけでなく、３日前からのアライバル、前日のリハーサル、翌日のデパーチャーまで敷地内で撮影できる。Friends of RIAT（FRIAT）会員になると有料専用スタンドからの撮影が可能で、パーク・アンド・ビューに入れる、各開催日のプログラム（１日あたり３ポンド）を無料で手に入れることができるなどの特典が付くが、スタンドの上段は即日完売状態（申し込み受付は前年の開催と同時に会場で開始される）であり、起立しての撮影は禁止なので、微妙らしい。FRIAT会員証は届くまでに1-2週間かかるので、申し込みはお早めに。最高栄誉賞はキングフセイン記念ソードで、ジェット戦闘機の最優秀ソロディスプレイにはポール・ボーウェン・トロフィー、外国機最優秀ディスプレイにはRAFCTEトロフィー、スポッター選出最高スペシャルマーキングにはベストリベリー賞が授与される。2012年は7月6-8日に開催され、空自第１輸送航空隊第404飛行隊KC-767空中給油輸送機と空自入間基地和太鼓部入間修武太鼓が参加した。2013年は7月20-21日に開催され、19カ国230機が参加した。2014年は7月11-13日に開催され、25カ国180機（空自KC-767空中給油輸送機含む）が参加した。F-35B戦闘機も飛ぶ予定だったが、直前にエンジン火災による飛行停止処分を喰らい、中止されている。2015年は7月17-19日に開催され、232機が参加した。7月17日、海自第51航空隊P-1哨戒機２機がデモンストレーションを行った。2016年は7月8-10日に開催され、空自第１輸送航空隊第404飛行隊KC-767空中給油輸送機１機が参加した。2017年は7月14-16日に開催され、26カ国32サービス262機（246機？）が参加した。空自からも第１輸送航空隊第404飛行隊KC-767空中給油輸送機１機と春日基地太鼓隊が参加している。2018年は7月13-15日に開催され、30カ国43サービス302機が参加し、延べ入場者数は185000人だった。空自からは丸茂空幕長が出席し、第３輸送航空隊第403飛行隊C-2輸送機１機が地上展示で参加している。2019年（第38回）は7月19-21日に開催された。参加機は245機に止まり、天候も悪く、2010年以降で初めてチケットが売れ残った。7月21日、第52戦闘航空団第480戦闘航空隊F-16C戦闘機がデモフライト中に右水平安定板後部を破損した。デモ飛行を中止して無事着陸している。2020年は7月17-19日に開催予定だったが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で中止され、7月18-19日にネット上でバーチャル・エアタトゥーを行った。2021年も中止で、バーチャル・エアタトゥーを実施している。2022年は7月15-17日に開催され、266機が参加し、20万人が入場した。空自も第２輸送航空隊C-2輸送機１機と隊員15名を派遣し、地上展示を行っている。2023年は7月14-16日に開催された。参考：月刊JWings10,’10、7,’02、10,’13、10,’14、9,’16、10,’17、9,'18、10,’18、10,’19、6,’20、9,'20、10,'22、10,'23、月刊航空ファン10,'15、9,’16、9,'17、10,’17、9,’18、10,’18、10,’19、月刊軍事研究12,'15、朝雲

＜エアデイル＞：A102（曳船）またはL07（駆逐艦）を参照。

＜エア・データ・コンピュータ＞：Air Data Computer。航空機の周辺状況を示す各種データを処理し、各種計器、自動制御装置、ATCトランスポンダー、飛行記録装置などに出力するコンピュータのこと。参考：月刊JWings10,’09別冊付録

＜エア・データ・サブシステム＞：ADSを参照。

＜エア・ドミナンス＞：Air dominance、航空優位。対空・対陸上・対艦戦闘において、一定の優位を保っている状態のこと。F-22やF/A-18Eブロック�Uは１機種でこれを獲得できる。元はF-22の開発時にロッキード・マーチン社が使用した用語だが、後に一般化された。参考：月刊軍事研究1,’08、月刊JWings10,’09別冊付録

＜エア・ドミナンスＣＧ＞：イージスシステム・ベースライン9Aを参照。

＜エア・ドミナンス・ファイター＞：F-22戦闘機の愛称。ソ連領内に侵攻する爆撃機や戦闘爆撃機が、目標を攻撃するのに必要な空間的・時間的余裕（エア・ドミナンス、航空優位）を確保できるようにするため開発されたので、こう呼ばれる。高いステルス性により敵レーダーに阻害されず制空・迎撃活動が実施でき、たまたま捜索レーダーの上を飛行してしまってもマッハ1.6程度に達する超音速巡航で迎撃手段を講じられる前に輻域を突き抜け、目視距離外ミサイルにより敵機を迎撃、近距離でも推力偏向ノズルによる高いドッグファイト能力を駆使して相手に打ち勝てる。参考：月刊軍事研究5,’07

＜エアトレーナー＞：CT-4シリーズ（練習機）を参照。

＜エアパーク浜松＞：航空自衛隊浜松広報館を参照。

＜エアハート＞：APD-113（高速輸送艦）またはDE-603（護衛駆逐艦）を参照。

＜エアハウス型テント＞：アメリカ陸軍ナティック研究所が開発したテント。二重構造で、圧縮空気をポンプで送り込むと膨らんでテント状になる。軽量で簡単に輸送でき、強度も高く、二重構造のため断熱性も高い。ヘリコプターを収容できるサイズのもの（全長24m、重量900kg）もある。参考：ミリタリー・イラストレイテッド17

＜エアバスＡ３００誤射事件＞：1988年7月3日1042、イージス巡洋艦CG-49ヴィンセンズはイラク領海内に侵入し、イラン高速艇を撃沈。どうやらヴィンセンズ艦長が手柄を立てたいばかりに挑発行動を取ったようである。1047、イランのバンダル・アバス空港をイラン航空エアバスA300旅客機が離陸。ヴィンセンズは真っ直ぐに向かってくるその機影をレーダーに捉えたが、コンピュータがF-14戦闘機と判断した。高速艇との交戦直後で気が立っていたヴィンセンズ乗員は機影がヴィンセンズに向けて降下してくると勘違いし、IFFの応答には他の軍用機のものが混線、民間周波数での警告も混線で届かず、離陸が17分遅れだったため時刻表との照合も外れ、1054に15kmまで迫ったためにスタンダード艦対空ミサイル２発を発射。１発が命中して旅客機は墜落し、乗員乗客290人全員が死亡した。アメリカはF-14戦闘機と誤認したと発表して謝罪したが、イランは意図的な撃墜として非難、国連安保理にアメリカ非難決議案を提出するなどしている。参考：世紀の失敗物語、月刊軍事研究7,’99、6,’93別冊

＜エアバス・グループ＞：EADSが2014年1月2日に改称して創設された。これに伴い、エアバス・ミリタリー、カシディアン、EADSアストリウムをエアバス・ディフェンス・アンド・スペースに統合し、傘下のユーロコプターをエアバス・ヘリコプターズに改称している。民間機部門のエアバスはそのままの名称である。2017年1月、エアバス社に社名変更した。参考：月刊JWings3,’14、月刊軍事研究11,’18

＜エアバス社＞：エアバス・インダストリー（Airbus Industry）。第２次大戦後、アメリカに押されっぱなしの大型旅客機の開発を促進するため、フランスを中心として1970年12月に設立された。当初はイギリス及びドイツと共同で設立する筈だったが、1969年にイギリスが抜け、主翼の製造のみホーカー・シドレー社が担当することになった。1972年、CASAが参加。1978年、イギリスのBAeが20%を出資した。2001年、株式会社となり、EADSが80%、BAEシステムズ社が20%の株式を保有した。2006年、BAEシステムズ社が全株式をEADSに売却した。2017年1月、EADSを2014年に改称したエアバス・グループがエアバス社に社名変更した。参考：月刊軍事研究2,’08、11,’18、世界航空機年鑑2018-2019

＜エアバス・ヘリコプターズ＞：親会社EADSの社名変更に伴い、2014年1月2日にユーロコプターから改称された。参考：月刊JWings3,’14

＜エアバス・ヘリコプターズ式ＥＣ２２５ＬＰ型＞：AS332ヘリ海外シリーズを参照。

＜エアバス・ヘリコプターズ・ジャパン＞：親会社EADSの社名変更に伴い、2014年1月8日にユーロコプタージャパンから改称された。参考：月刊JWings3,’14

＜エアハブ＞：２ハブプラス３サイト体制を参照。

＜エア・バロンズ＞：アメリカ海軍予備航空隊のアクロバット・チーム。A-4L攻撃機６機で1970年に編成された。参考：アメリカジェット戦闘機

＜エアパワー航空ショー＞：オーストリアのツウェルトペグで隔年開催される航空ショーAir Power。統合防空演習を兼ねており、会場にも移動式防空レーダーや射撃指揮レーダーが展開して参加機体をアンノウンや仮想敵機に見立てた訓練を実施する。来場する観客を群衆や避難民に見立てたクラウド・コントロール訓練も行う。2022年は9月2-3日に開催され、20カ国から200機が参加、延べ275000人が来場した。参考：月刊JWings12,’22

＜エアパワー・ファースト＞：ある航空戦力（兵器・作戦）が初めて使用されること。参考：月刊軍事研究9,’03

＜エアバン＞：GA8シリーズ（軽飛行機）を参照。

＜エアフォース８６１０＞：C-121輸送機ファミリーを参照。

＜エアフォース・ツー＞：アメリカ副大統領搭乗機を示すコールサイン。

＜エアフォース・ワン＞：アメリカ大統領搭乗空軍機を示すコールサインAir Force One。大統領専用機の通称としても使われるが、大統領が乗った空軍機なら、VC-25AでもC-17でも何でもこう呼ばれる。ちなみに民間機に乗るとエグゼクティブ・ワン、海兵隊機に乗るとマリーン・ワン、海軍機ならネイヴィー・ワン、陸軍機ならアーミー・ワンになる。参考：月刊JWings1,’01、1,’04、THE MILITARY BALANCE 2016

＜エアフォックス＞：IAR-317（攻撃ヘリ）を参照。

＜エアフルト＞：F262（コルベット）を参照。

＜エアブレーキ＞：スピードブレーキを参照。

＜エアフロー・バッフル＞：Airflow baffle。ウェポンベイ内部の気流を乱して搭載兵装を落下しやすくするための装置で、孔の開いた板状をしている。参考：月刊JWings3,’12

＜エアボーン＞：輸送機からパラシュート降下などで地上に部隊を展開すること。参考：MAMOR vol.121

＜エアボーン・コントローラー＞：航空機に乗ったコントローラー。空中前線統制管制官のはしりである。陸上用と航空機用の２種類の無線機を積み、滞空時間の長い機体が求められた。参考：月刊航空ファン2,’02

＜エアボーン・ジープ＞：イギリス軍空挺部隊が独自改造したジープ。フロントバンパー両端、リアバンパー、サイドステップ、ウインドシールドを撤去して軽量化に努めている。参考：月刊PANZER7,’00

＜エアボーン・シガー＞：イギリスが第２次大戦時に開発したECM機材で、機載葉巻の意。ティンゼルの後継で、強力なECM送信機により、ドイツの機上レーダーを妨害する。参考：連合軍の傑作兵器駄作兵器

＜エアボーン・リコン・ジープ＞：イギリスSASと空挺偵察連隊が共同開発した改造ジープ、別名SASパトロール・ジープ。エアボーン・ジープがベースで、大型の燃料タンクを搭載して航続距離を増大させ、ヴィッカーズＫ型7.62mm連装機銃２基と、単装１丁を搭載した。参考：月刊PANZER7,’00

＜エアボス＞：アメリカ海軍航空管制士官（Air Officer）の通称Air Boss。空母デッキ・オペレーションの最高責任者で、階級は大佐（中佐？）。発着艦管制所でミニボスと共に任務に就く。参考：月刊JWings1,’02、月刊軍事研究4,’16、月刊世界の艦船2,’22

＜エアボス＞：技術研究本部電子装備研究所が開発した対弾道ミサイル用機上赤外線探知装置で、Advanced Infra-Red Ballistic missile Observation Sensor Systemの略。赤外線センサー、ジンバル制御部、信号処理部、標定処理部、操作制御部からなる。赤外線センサーは直径0.6m、高さ0.8mで、視野角0.6度×0.6度の長波赤外線センサーと視野角6×40度の中波赤外線センサーを内蔵しており、上下左右に旋回が可能である。ブースト段階の弾道ミサイルを中波赤外線センサーで探知し、弾頭部を長波赤外線センサーで追尾する。UP-3Cの機体上面コクピット後方に搭載され、2005年11月18日にカウアイ島から発射された模擬弾道ミサイルの捜索探知追尾に成功した。2007年12月にも成功している。参考：月刊JWings8,’05、月刊軍事研究2,’11、10,’07、月刊航空ファン2,’15

＜エアボットＸ６＞：マレーシアのホーンビル・セキュリティ・ソリューション社が開発したUAV。GPSやジャイロを備えていて、自律飛行を行える。全長1.05m。推進はローター６基、最大速度55km、滞空時間40分。ペイロード５kg。参考：月刊軍事研究8,’12

＜エアマスター＞：UC-77（輸送機）を参照。

＜エアマンシップ（航空自衛隊）＞：第17代航空幕僚長が迅速機敏、積極進取、柔軟多様を基調とする思考判断行動と定め、第20代航空幕僚長が基調に協調を加えた。参考：月刊軍事研究1,’16

＜エアメール＞：アメリカ空軍B-47爆撃機とKC-97空中給油機による核アラート作戦のこと。参考：月刊軍事研究10,’06

＜エア・モビリティ・ロデオ＞：アメリカ空軍輸送機部隊の競技会で、1990年にエアリフト・ロデオが改称されたものである。当初は不定期開催だったが、2005年以降は隔年開催となった。輸送、医療後送、空中投下、空中給油、整備（ナックルバスター・アワード）などのメジャー部門からフォークリフトやローダーといったマイナー部門まで設けられており、国外からもオブザーバー参加を受け付けていて、最優秀国際チームも選出される。参考：月刊JWings10,’11

＜エアラクーダ＞：XFM-1シリーズ（試作戦闘機）を参照。

＜エアラコブラ＞：P-39シリーズ（戦闘機）を参照。

＜エアラコブラ�T＞：P-39戦闘機・海外シリーズを参照。

＜エアラコメット＞：P-59シリーズ（戦闘機）を参照。

＜エアラボニータ＞：P-39戦闘機ファミリーを参照。

＜エアランダー１０＞：ハイブリッド・エア・ヴィークル社が開発したハイブリッド飛行船Airlander 10。アメリカ陸軍やイギリス軍がISTAR任務及び重量物運搬用として注目している。全長92m、幅44m、高さ26m。巡航速度150km、巡航高度4800m、滞空期間５日間。ペイロード10トン。2016年8月17日に初飛行した。参考：月刊軍事研究1,’17、朝雲

＜エア・ランド・バトル＞：アメリカ陸軍がFM100-5の1982年改訂で取り入れた、正規戦対処用ドクトリン。言葉が初登場したのは、1981年にアメリカ陸軍訓練教義コマンドTRADOC司令官が発布した訓練教義コマンドパンフレット525-5のタイトル「作戦コンセプト−エア・ランド・バトルと軍団’86」である。冷戦期におけるソ連軍を中核としたワルシャワ条約軍の高速縦深打撃戦法による大規模侵攻を阻止し、西ドイツ領域の戦場化を極力避けるためのもので、有効性に疑問符が付いたアクティブ・ディフェンスに代わるものとして製作された。西ドイツ国境から1000km以上の縦深に航空・地上兵器を投入してソ連軍集結地、交通網、地対地ミサイル陣地、航空基地、兵站基地、指揮統制通信施設に打撃を与え、侵攻してくるソ連部隊の第１梯団・第２梯団・予備・増援を纏めて火力逆襲により撃破するという縦深打撃戦法である。ソ連部隊は第１梯団連隊が前線から15km、第２梯団連隊が70km、第２梯団師団が150km、第２梯団軍が300kmの範囲に展開するため、敵支配下における敵状をも正確に把握し、第１梯団連隊を地上の機甲部隊（師団86編成）で撃破しつつ第２梯団連隊よりも後方を航空部隊及び対地ミサイルで攻撃し、一気に潰滅させる。また、時間的な縦深にも配慮し、事前に敵に与えた損害で以降の戦闘を有利に進めるようにしたり、過去に受けた損害で味方の作戦に支障が出ないようにしたりする。これら空間的・時間的な縦深打撃により敵の意思決定や行動が間に合わなくなり、組織的行動が取れなくなって敵戦力が崩壊する。エアは航空部隊、ランドは機甲部隊であり、誤射や敵の浸透を防ぐため厳密な共同作戦を行う必要がある。そのために訓練を徹底して部隊単位の意志決定能力を向上させると共に、戦域軍司令部に陸海空軍を一元管理させている。要則はイニシアチブ（戦術レベルでの的確な自己判断と素早い対応）、整合（軍組織の縦横の連携）、機動力、火力、防護力、統率力である。FM100-5の1986年改訂では、エア・ランド・バトルの戦術的勝利を戦争の目標達成という戦略的勝利に繋げるため、戦術と戦略の間に作戦次元を設け、戦争の階層という概念を導入し、個々の戦術的勝利を戦役として関連付ける作戦術の要素が加えられた。湾岸戦争時に威力を発揮したが、この時はまだ信頼できる長距離通信システムが無く、連絡の不備がしばしば生じている。参考：月刊軍事研究12,’02、9,’16、2,’98、6,’05、6,’08、8,’13

＜エアリフト・ロデオ＞：アメリカ空軍輸送機部隊の競技会。1990年にエア・モビリティ・ロデオと改称された。参考：月刊JWings10,’11

＜エアロ１Ｄ＞：アメリカ海軍の300ガロン（1135.6リットル）増槽。後部にフィンが付いている。空虚重量229ポンド（103.9kg）。参考：月刊JWings9,’13

＜エアロ３Ｂ＞：アメリカ軍のAIM-9用レール・ランチャーAero 3B。F-4などに装着可能。参考：月刊JWings6,’12、U.S.ウェポンハンドブック

＜エアロ７Ａ＞：アメリカ軍のAIM-7用エジェクト・ランチャー。F-4に装着可能。参考：月刊JWings6,’12

＜エアロ７Ａ＞：アメリカ軍のAIM-9B／ズーニー用単装ランチャーAero 7A。参考：世界の傑作機No.1

＜エアロ７Ｂ＞：アメリカ軍のエジェクター・ラック。F/A-18に装着可能。参考：月刊JWings10,’12

＜エアロ６５Ａ＞：アメリカ軍のストア・ラック。P-3に装着可能。参考：月刊JWings10,’12

＜エアロ・インディア＞：インドで隔年開催されるエアショー（航空ショー＋トレードショー）。９回目は2011年2月9-13日に開催された。2015年は2月18-22日にイェラハンカ空軍基地で開催され、33カ国から623の企業や組織が参加、日本からも新明和工業が出展し、US-2救難飛行艇の模型を展示した。第11回は2017年2月14-18日にイェラハンカ空軍基地で行われ、33カ国から682社が参加した。2019年は2月20-24日にイェラハンカ空軍基地で開催された。第13回は2021年2月3日からイエラハンカ空軍基地で開始され、60カ国から500社以上が参加、アメリカ空軍第28爆撃航空団B-1B爆撃機１機がデモフライトを行っている。2023年は2月13-17日にヤラハンカ空軍基地で開催され、インド空軍ラファール戦闘機が初一般公開デモフライトを行った。アメリカ空軍B-1B爆撃機２機が参加し、売り込みも兼ねてアメリカ空軍F-35A戦闘機、F-16C戦闘機、アメリカ海軍F/A-18E/F戦闘機がデモフライトや地上展示を行っている。サーブ社は売り込み中のJAS-39Eのフルスケールモデルを展示した。ロシアはSu-57E、Su-35S、Su-30SME、MiG-35Dを売り込んでいるが、縮小模型の展示のみとなっている。参考：月刊JWings5,’15、5,’11、5,’17、5,'23、月刊航空ファン5,’19

＜エアロコマンダー５２０（韓国空軍）＞：韓国空軍双発軽輸送機。主翼は高翼配置。降着装置は前輪式。エンジン出力260馬力。1954年に導入した。参考：月刊航空ファン3,’19

＜エアロサイクル＞：HZ-1（ヘリコプター）を参照。

＜エアロスター＞：イスラエルのコントロール・プレシジョン・テクノロジーズ社が開発した無人偵察機。イスラエル軍がヨルダン川西岸及びゴラン高原での情報収集に使用している他、2002年にはロシア非常事態省が導入した。参考：月刊軍事研究2,’09

＜エアロスター・システム＞：ナイジェリアが開発中の沿岸警備システム。イスラエルのアエロニュテック・ディフェンス・システムズ社と契約した。システムはターミナル１基、エアロスター無人機3-6機から構成され、14時間の連続昼夜間監視能力を持つ。参考：月刊軍事研究9,’06

＜エアロスパイク＞：ラファエル社の固定翼機用スタンドオフ空対地ミサイルAEROSPIKE。誘導は電子光学／赤外線。最大射程30km。CEP３フィート（0.91m）以下。参考：月刊JWings8,’22

＜エアロダイナミック・ブレーキング＞：空力ブレーキングを参照。

＜エアロック＞：日本初のプロフェッショナル曲技飛行チーム、エアロック・エアロバティック・チーム。1996年3月、ロック岩崎こと岩崎貴弘氏がアメリカでエアショーライセンスを獲得し、8月に設立した。11月よりピッツS-2Bを使用してエアショーを開始。1997年3月、アリゾナ州のコックス・エアショーに出場。1998年、第22回鳥人間コンテストのデモンストレーターとして飛行。1999年、プロペラを３翅に変更。2000年、ピッツS-2Cに機種変更。2002年5月、２番機パイロットのノブこと次田展之氏がデビュー。2003年、ノブが引退。2004年にはパイロットにサニー横山こと横山真隆氏と、ナレーターの鱈が加わった。メカニックはヨシこと松尾好哲氏。コウノトリ但馬空港フェスティバルではロック岩崎とサニー横山のフォーメーションフライトを披露した。2005年4月21日1120頃、但馬空港付近で訓練中に、錐揉み降下からの機体の引き起こしに失敗して墜落、岩崎貴弘氏が死亡した。5月21日、サニー横山氏をメインに再スタート。2006年の静浜基地航空祭で本格的にアクロバット飛行を再開した。2009年秋、アクロバット使用機の垂直尾翼付け根フレームに損傷が見つかり、大規模修理無しには使用不能となってしまい、エアロック創設時の権利保有者の意向もあってエアロックという名称でのチーム存続が困難となったため、2010年初頭に活動を終了した。総イベント参加回数183回。アクロバット使用機のピッツS-2Bは石川県立航空プラザに展示されている。参考：月刊JWings7,’05、6,’05、8,’05、4,’10、7,’10、月刊航空ファン11,’02

＜エアロボット＞：エアロボット社の偵察・観測用UAV。本体からアーム４本が延びており、先端に装備されたモーター駆動のローター４つにより飛行する。本体には飛翔位置制御用GPSと、赤外線カメラやCCDカメラなどの偵察機器を搭載する。直径1m、重量20kg、飛行時間20分。遠隔操作可能距離500m。風速4mまでなら飛行可能。参考：月刊軍事研究6,’07

＜エアロ・ボドホディ＞：チェコの航空機会社AERO Vodochody。1919年2月に創設された。1959年、L-29練習機が初飛行。1968年、L-39練習機が初飛行。1992年、L-59練習機が初飛行。1998年、L-159練習機が初飛行。2007年、完全民営化された。参考：月刊JWings5,’14

＜エアロミニＭ＞：自衛隊の航空機搭載インマルサット衛星通信装置。日本デジコム製。参考：月刊軍事研究1,’10

＜営＞：中国軍の部隊単位で、大隊に相当する。参考：月刊軍事研究5,’16

＜永安＞：MHC-1311（掃海艇）を参照。

＜エイヴェルツェン＞：F805（フリゲート）を参照。

＜エイヴォン＞：K97（フリゲート）を参照。

＜エイヴォン級＞：イギリス海軍揚陸艇RPL（Ramp Powered Lighter）、Avon級。全長22m、幅6.2m、吃水1.7m、満載排水量100トン。主機はディーゼル、出力870馬力、速力９ノット。RPL02ビュデ、RPL03クライド、RPL04ダート、RPL05エデン、RPL06フォース、RPL07グレン、RPL08ハンブル、RPL09イッチェン、RPL10ケネット、RPL11ロッドン、RPL12メドウェイの11隻が1961-67年に進水した。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜永嘉＞：1302（掃海艇）を参照。

＜曳火射撃＞：地上10メートルくらいで榴弾を空中炸裂させる射撃法。参考：月刊軍事研究5,’16

＜永久築城＞：築城を参照。

＜永久磁石同期電動機＞：PMSM（Permanent Magnet Syschronous Motor）と略す。交流電動機の１つで、固定子に交流電源を使用する電磁石、回転子に強力な永久磁石を使用したものである。回転子の表面に永久磁石を取り付けるタイプと、回転子の内部に永久磁石を仕込んで表面をカバーするタイプがある。交流誘導電動機よりも効率が良く、回転子に電磁石を使うタイプの交流電動機に必要なスリップリングが要らないので構造が単純かつ軽量化でき、回転子が発熱しないので冷却機構を省くことができ雑音が低く、回転数を全域に亘り連続的に調整できる。固定子の電源を切って空転している時には発電機と同じ原理で逆起電力が発生するので、これを利用することができるが、あまりに大電力が発生してしまうと流用先の回路が壊れるので、固定子にある程度の電流を流し続けて抑制する必要がある。電気自動車やハイブリッド車はほぼこのタイプを使用している。214型潜水艦やそうりゅう型潜水艦も採用した。参考：月刊軍事研究7,’14、クルマのすべてがわかる事典、月刊世界の艦船8,’17

＜永固＞：1308（掃海艦）を参照。

＜栄光＞：F-104J（戦闘機）を参照。

＜営口＞：581（コルベット）を参照。

＜曳航アレイ・ソナー・システム＞：TASSを参照。

＜えい航型アレイ（スリップリング）＞：自衛隊の機器。沖電気工業製。参考：月刊軍事研究2,’19

＜曳航具＞：海上自衛隊用語で、対魚雷用曳航式デコイを指す。参考：艦船メカニズム図鑑

＜曳航具３型＞：海上自衛隊の対魚雷用曳航式デコイ。はつゆき型の艦尾に２基搭載された。参考：月刊軍事研究6,’15

＜曳航具４型＞：海上自衛隊の対魚雷用曳航式デコイ。護衛艦の艦尾にあるラッパ型開口部から繰り出され、音響を発することで敵の魚雷を引きつける。たかなみ型、ひゅうが型、あきづき型に２基搭載された。参考：JShips Vol.48、月刊世界の艦船1,’11、月刊軍事研究6,’15

＜えい航具機械装置４形＞：自衛隊の機器。ユニバーサル造船またはJMUディフェンスシステムズ製。参考：月刊軍事研究3,’12、1,’18

＜曳光剤＞：曳光弾の底部に詰め込まれる物質で、燃焼して強い光を発する。一般に赤色光を出す物質が用いられ、ストロンチウムと塩素を反応させて塩化ストロンチウムを作るタイプのものが汎用されている。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜えい航式ソーナー捜索システム事後解析装置（ＰＭＡ）＞：自衛隊の機器。日立製作所製。参考：月刊軍事研究12,’13

＜えい航式ソーナー捜索システム用整備用器材＞：自衛隊の機器。住友商事が受注している。参考：月刊軍事研究8,’16

＜曳航式担架＞：負傷者を乗せて地面を引きずっていける担架のこと。牽引用ベルトが付いており、これを担架員の腰のベルトに接続すれば、１名で匍匐前進したまま後送でき、動揺も少ない。参考：月刊軍事研究3,’17

＜曳航式低周波アクティブ・ソナー＞：SURTASS LFAを参照。

＜曳航式低周波音源装置＞：自衛隊の音源装置。IHI製。参考：月刊軍事研究9,’08

＜曳航式デコイ＞：敵のミサイルやホーミング魚雷に対して妨害信号を発生する装置で、曳航索により牽引して使用する。ミサイルや魚雷をデコイの近くで炸裂させ、本体の被害を防ぐ。参考：艦船メカニズム図鑑

＜曳航式デコイ（航空機用）＞：セミアクティブ／アクティブレーダー誘導式ミサイルに対する囮で、母機と同じ速度で曳航されるためドップラー・レーダーにも有効である。曳航索が付いているので、水平尾翼にからむ危険がある。参考：月刊航空情報10,’05

＜曳航式デコイシステム＞：AN/ALE-50またはAN/ALE-55を参照。

＜曳航式爆破具＞：最初期の対潜水艦兵器。爆薬ケースを艦艇が曳航し、潜水艦に引っかかったところで艦上の指令により爆破するものである。参考：月刊世界の艦船3,’07

＜えい航式パッシブソーナー用インターフェース装置＞：自衛隊の機器。沖電気工業製。参考：月刊軍事研究5,’17

＜曳航式レーダー・デコイ＞：TRDを参照。

＜曳光弾＞：トレーサー。発射の際に弾丸底部の曳光剤が燃焼を開始し、発生する白煙及び光で弾道を視認できるようにしたもの。弾道確認及び次弾弾道修正に用いる。焼夷弾頭よりは弱いが、一応は着火性能を持っている。弾種記号の後ろに-Tを付けて示す（APFSDS-Tなど）。第１次大戦で実用化されて普及した。欠点は前からも光が見えるため発射点を特定されてしまうことで、アメリカ軍が後ろからしか見えないタイプを開発中。参考：火器弾薬技術ハンドブック、GUN用語事典、MAMOR vol.132、朝雲

＜曳光徹甲焼夷弾＞：API-Tを参照。

＜永興島＞：863（潜水艦救難艦）を参照。

＜曳航標的＞：Tow Target。航空機で曳航し、対空射撃訓練に使用する標的。バンナー・ターゲットやダート・ターゲットなどがある。参考：月刊JWings7,’13

＜えい航標的�T型＞：自衛隊の標的。日本電気製。参考：月刊軍事研究8,’08

＜えい航標的�U型＞：自衛隊の機器。日本電機製。参考：月刊軍事研究7,’13

＜曳航標的用可視光フレア＞：自衛隊の火工品。日本工機製。参考：月刊軍事研究2,’11

＜えい航標的用索＞：自衛隊の機器。日本飛行機製。参考：月刊軍事研究10,’09

＜曳航標的用赤外線フレア＞：自衛隊の火工品。日本工機製。参考：月刊軍事研究2,’11

＜えい航標的用ロケットモータ＞：自衛隊の火工品。日本工機製。参考：月刊軍事研究12,’10

＜永興要港＞：日本海軍の要港。明治44年1月に創設された。大正12年4月、廃止された。参考：月刊世界の艦船9,’13増刊

＜英語課程＞：陸上自衛隊の英語教育課程。日米共同作戦、PKO、防衛交流などで必要な英語の教育を行う。陸曹向けに各方面隊で陸曹基礎英語課程、陸曹普通英語課程、陸曹上級英語課程、幹部向けに幹部普通英語課程、幹部上級英語課程が実施されている。TOEICで一定以上の点（陸曹普通400点、陸曹上級600点、幹部普通500点、幹部上級730点）を取らないと修了できない。また、日米共同作戦や防衛交流などで通訳を務めるため、各上級課程から選抜された隊員が英語通訳集合訓練に参加している。参考：MAMOR vol.62

＜英国陸軍特殊空挺任務部隊＞：SASを参照。

＜榮山丸＞：興国汽船貨物船Eizan maru。元は大正2年7月に竣工したイギリスのスタグ・ライン向けフォティニアで、イギリス・ギリシャ・パナマの船主を経て昭和16年に興国汽船が購入し、榮山丸に改称された。垂線間長116.74m、幅15.7m、深さ8.99m、満載吃水7.62m、総トン数4702トン、重量トン数8440トン。主機は三連成レシプロ蒸気機関１基、公称出力431馬力、１軸推進、航海速力９ノット、最大速力9.5ノット。太平洋戦争中は船舶運営会が運航した。昭和17年1月15日、川崎を出港。1月17日、仮泊した御前崎を出発し、北九州の若松に向かった。1月18日、紀伊半島田辺湾南西420kmでSS-179プランジャーの雷撃を受けて沈没した。参考：月刊世界の艦船6,’23

＜永慈＞：1307（掃海艦）を参照。

＜営舎＞：営内隊舎を参照。

＜営舎掛（日本陸軍）＞：日本陸軍衛兵の掛の１つ。衛兵司令の命を受けて巡察を行い、歩哨の交代や仮眠時間をチェック、表門出入り者を点検し、消耗品を連隊本部の関係委員に請求する。また、火元の取締が重要な任務となっている。勤務交代の際、上番営舎掛は下番営舎掛の立ち会いで衛兵所や哨舎などの諸物品を検査受領し、破損欠失が認められたら下番者から証明書を預かり衛兵司令に提出する。また、衛兵の中から当番を決めて営門や衛兵所など受け持ち場の掃除と備品の手入れをさせる。衛兵の人数が少ない場合、歩哨掛との兼務になることがあるので、そちらの職務の研究も怠らないようにする。参考：衛兵勤務必携

　＜営舎掛（衛戌衛兵）＞：衛戌衛兵司令の命を受け、当番を指揮し、衛兵所と衛兵所に属する建物など内外の清潔保存、備付物品の監守、火元取締を担当する。参考：衛兵勤務必携

　＜営舎掛（風紀衛兵）＞：風紀衛兵司令の命を受け、衛兵所、営倉、面会所など内外の清潔保存、備付物品の監守、火元取締を担当する。参考：衛兵勤務必携

＜エイジャックス＞：イギリス海軍キング・ジョージ�X世級戦艦（初代）Ajax。竣工直前に前檣上に管制塔と方位盤塔を設置した。1913年10月31日竣工。1916年5月31日、第２戦艦戦隊第１小隊所属でジュットランド海戦に参加。1926年に除籍され、11月に売却されて解体された。参考：近代戦艦史、月刊世界の艦船1,’12、6,’16、歴史群像6,’16

＜永州＞：628（コルベット）を参照。

＜栄州＞：779（コルベット）を参照。

＜衛戌衛兵（日本陸軍）＞：日本陸軍の衛兵で、えいじゅえいへいと読む。衛戌地において、警備、陸軍秩序軍紀風紀の監視、陸軍に属する建築物等の保護といった衛戌勤務を行うのが主任務であり、警備する官衙などの名称を冠して○○衛戌衛兵と呼ばれる。服装は軍装で、服務中は基本的に背嚢を背負わず、携帯天幕、飯盒、携帯器具、手旗、水筒、雑嚢なども適宜省略できる。衛戌司令官は自分の部隊の参謀長を衛戌参謀長、参謀を衛戌参謀、副官を衛戌副官に任ずる。衛戌司令、営舎掛、歩哨掛などで編成され、衛戌司令は将校または准士官または下士官、営舎掛と歩哨掛は下士官または上等兵をそれぞれ充てるが、衛戌衛兵の人数が少ない時は衛戌司令を上等兵が務めたり、営舎掛と歩哨掛を兼任させたりすることが可能。哨所は１ヵ所あたり兵３名を置く単哨が基本だが、衛戌司令官の命で兵を増やしたり、複哨や分哨を設けたりすることもある。服務は通常24時間で、１哨所は１時間ごとに交替する。衛戌司令官の許可があれば夜は衛兵の３分の１が衛兵所で仮眠でき、枕、毛布、蚊帳を使える。衛戌司令官は、衛戌地の外にある弾薬庫や火薬庫などに分遣隊を派遣する際や、警備上必要な時などは、１週間または必要な期間、連続服務を命じることができる。この場合、昼夜とも就眠や仮眠を取らせることが可能で、衛兵所には寝具が用意されている。衛戌衛兵が衛兵所を離れる際には許可を取る。衛戌衛兵は衛戌司令官が指定する書籍以外を閲読してはいけない。衛戌勤務中に殺人、放火、窃盗などの軍人軍属現行犯を見付けた場合、管内居住の下士官兵が勤務によらず又は規定に反して営外にいる場合、軍人でない犯罪者を逮捕するため憲兵や警察官から協力要請があった場合には、これらの者を逮捕することができ、なるべく速やかに憲兵、所属部隊、警察官に引き渡す。ただし衛兵司令と衛兵の半分は、どの場合でも衛兵所を離れてはいけないという規定があるので、協力しすぎないよう注意。兵器の使用は、暴行を受け自衛のためやむを得ない場合、大勢が暴力行為を行っていて兵器の使用によらなければ制圧出来ない場合、人・土地・物件を防衛するのに兵器の使用以外に手段が無い場合に限定される。歩哨が急迫の事態に陥ることは稀なため、まず衛兵司令など上官の指示を仰ぐ。正当防衛だからといって暴行者より先に兵器を使用してはならず、作戦要務令にある野外歩哨のように誰何３回で返答がなければ殺害するような事は特に内地では厳禁である。兵器を使用した際は直ちに衛戌司令官に報告、衛戌司令官は陸軍大臣に（軍司令官や師団長の統括を受けていればそちらにも）報告する。衛兵所には非常用の実包入り弾薬箱を置き、鍵は衛兵司令が保管、衛戌司令官の命令またはやむを得ない場合に限り実包を衛兵に配る。参考：衛兵勤務必携

＜衛戌衛兵司令＞：衛戌司令官の命を受けて任務に就き、衛兵所と備品の清潔保存に責任を負う。衛戌司令官から歩哨を出すべき哨所の数、巡察・斥候の規定、災害時や非常時の処置、門の出入りを許可すべき者、物品持ち出しについて衛戌司令官の指示を受ける。衛兵交代後すぐ各哨所を巡視し、歩哨に守則を試問する。以降も度々巡察を行って歩哨の勤惰を監視し、火災予防にも注意する。営舎を離れる際には必要に応じ代理を命じておく。傷病者が出たら、軍隊官衙附軍医（やむを得なければ民間医）の診断を受けさせ、衛戌司令官に報告すると共に、所属部隊に交代者を請求する。火災や非常事態の際は即時に衛戌司令官に報告する。参考：衛兵勤務必携

＜衛戌巡察＞：日本陸軍の巡察。衛兵の勤惰を監察し、定められた場所を巡回して軍人軍属の非違を戒めるため行われる。また、災害時や非常時に治安維持の目的で指定の地域を巡察することもある。必要なら定められた場所や地域の外も巡視する。巡察要員は将校または准士官で、必要に応じ下士官兵が付属する。衛戌司令官は巡察の数、種類、日時、場所・区域を定め、区域が広い時は数個に分けて巡察させる。巡察中の出来事は、急を要するなら即時、そうでないなら勤務終了後に衛戌司令官へと報告する。参考：衛兵勤務必携

　＜第一種巡察＞：衛兵を監察巡視する目的の衛戌巡察で、過誤懈怠などがあれば矯正し、状況を衛兵司令に通告する。衛兵を整列させて検査することも可能。ついでに軍人軍属の非違も戒める。通常は１週間服務し、毎日最低１回は巡察を行う。参考：衛兵勤務必携

　＜第二種巡察＞：軍人軍属の非違を戒める目的の衛戌巡察で、軍隊内務令の規定により各隊から出した巡察がこれにあたる。休日や、臨時外出を許可した場合に、定められた区域を各隊で巡察する。営内居住者の大半が外出している場合には、必要なら週番士官や週番副官が営外巡察にあたる。軍人軍属の非違を認めた場合には、下級者なら直ちに矯正し、必要なら最寄りの憲兵や所属部隊に引き渡す。上級者なら非違行為であることを進言し、官職氏名を聴取して衛戌司令官に事の次第を報告する。参考：衛兵勤務必携

＜衛戌地＞：日本陸軍用語で、衛戌勤務を執行する区域として衛戌司令官が定めた地域のこと。地域名を頭に置いて○○衛戌地と称する。参考：衛兵勤務必携

＜永順＞：1304（掃海艇）を参照。

＜永城丸＞：日本海軍特設敷設艦Eijo maru。元は昭和19年9月に竣工した2D型戦時標準貨物船永城丸で、箕面型のプロトタイプとして改造を受けたものである。水密隔壁を持たない以外の改造要領は箕面型とほぼ同じ。昭和20年2-3月に改造されて就役した。6月、対馬海峡で機雷を敷設。6月16日、北海道南西で雷撃を受け沈没した。参考：写真集日本の小艦艇、月刊モデルアート9,'15増刊

＜永靖＞：MHC-1310（掃海艇）を参照。

＜エイジレス・ウォーリア＞：CV-43（空母）を参照。

＜エイスヴォル＞：ノルウェー海軍海防戦艦Eidsvol。1940年4月9日、オフォトフィヨルドにおいて、ヴェーゼル演習作戦で来襲したドイツ海軍駆逐艦隊の雷撃を受け沈没した。参考：JShips VOL.70、月刊世界の艦船11,’17

＜エイス・カード＞：DARPAのメガワット・ギガワット級高出力レーザー開発研究Eighth Card。1970年代後半にニューメキシコ州アルバカーキのキルクランド空軍基地で実施されていた。参考：月刊戦車マガジン10,’78

＜エイスク＞：ソ連海軍グリシャ�X型フリゲートEisk。参考：月刊世界の艦船6,’15

＜栄成＞：811（掃海艇）を参照。

＜衛生（航空自衛隊職域）＞：航空自衛隊の職域の１つで、衛生、放射線、臨床検査、歯科の各職種からなる。健康管理、食品衛生検査、環境衛生、救急救護などが主任務である。参考：月刊JWings7,’12

＜衛生員（自衛隊）＞：海上自衛隊と航空自衛隊の隊員で、看護師などの役割があり、日常健康管理、急患初期救護、災害医療支援を主任務とする。救急救命士は士長の階級である（ちなみに陸自衛生科では救急救命士は陸曹）。参考：MAMOR vol.105、月刊軍事研究1,’17

＜衛生科（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の科の１つで、衛生管理を担当する。トップは衛生長だが、人員不足のため、ほぼ全ての艦で補給長が兼務している。衛生員も看護長ら1-2名しかおらず、訓練時は遠洋航海や南極観測支援を除いて医官も配属されない。自衛艦では第４分隊が担任する。有事には医官が乗り込み、戦闘時には艦内の医務室（DDでは手術台もセットされている）の他に医官室も戦時治療室に切り替えて負傷者の治療にあたる。衛生員は自衛隊横須賀病院教育部で海曹衛生課程、海士衛生課程、専修科救急救命士課程といった教育を受ける。参考：月刊世界の艦船8,’11増刊

＜衛生科（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊の職種。隊員の健康管理、傷病者の治療や後送、防疫、衛生資材補給整備が主任務で、他の部隊が行う救急処置に医療専門技術で応じるため、これを応急処置と称する。職種色は濃緑色。職種徽章は桜花をバックにしたアスクレピオスの杖。一般隊員、衛生特技区分（救急救命士、准看護師、臨床検査技師、薬剤師、放射線技師、歯科技工士、理学療法士、作業療法士、栄養士など）を持つ陸曹、看護官（二等陸曹で入隊）、薬剤官、医官、歯科医官が含まれる。看護師、准看護師、医師などの国家資格を持つ隊員は赤十字の腕章を付けることが可能。方面隊総監部に医務官（１佐）１名、方面隊隷下に方面衛生隊（隊本部、本部付隊、野外病院隊、救急車隊からなる。救急車、病院用大型天幕、野外医療セット装備）１個、中央即応集団隷下に対特殊武器衛生隊１個、師団／旅団司令部に医務官（２佐または３佐）１名、師団後方支援連隊または旅団後方支援隊隷下に衛生隊（隊本部、治療隊、救急車小隊からなる。１・1/2トン救急車、野外手術システム装備）１個、普通科連隊・施設大隊・戦車大隊隷下に衛生小隊１個、特科連隊・高射特科大隊隷下に衛生班１個が配属されている。また、駐屯地業務隊隷下に医務室、方面隊隷下に地区病院（自衛隊札幌・仙台・富士・阪神・熊本・福岡・別府病院）、最終搬送病院である中央病院が衛生組織として置かれており、それぞれ１次・２次・３次医療を担任する。職種学校は衛生学校。平時で最も多い疾患は足白癬で、もの凄く染みる特製薬（特効薬なのかは不明）があるという噂である。他には腰痛や難聴といった日常訓練関連の疾病も多い。有事の負傷者は患者集合点に集結され、連隊の収容所に後送され、衛生小隊が治療に入る。一般隊員は法律上の問題で応急救護以上の措置はできない。前線部隊の規模や戦況に応じた規模の収容所を、敵の攻撃を受けず搬送が容易な場所に設営する必要があり、指揮官には医療知識のみならず戦術や部隊運用の知識も求められる。手に負えない場合は師団救急車小隊救急車分隊の救急車に収容され、師団収容所に送られ、後方支援連隊衛生隊が処置を行う。更なる治療の必要がある場合には、救急車隊の救急車やヘリコプターなどにより方面衛生隊の野外病院、駐屯地業務隊衛生科の医務室、地区病院、自衛隊中央病院、部外病院へと搬送される。参考：月刊軍事研究11,’08、3,’17、スピアヘッドNo.13、MAMOR vol.62、vol.120、vol.143、月刊JWings5,’13、陸上自衛隊パーフェクトガイド2015、日本の防衛戦力Part1

＜衛生下士官（日本陸軍）＞：日本陸軍の衛生部員下士官。衛生材料入りカバンの医療嚢を携帯する。参考：軍医サンよもやま物語

＜衛生学校（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊の職種学校。三宿駐屯地に置かれており、衛生科隊員課程教育を行う。任務は自衛隊法施行令第33条２項に規定されている。具体的には、防衛医大または一般大学で国家試験に合格して陸上自衛隊に入隊した医師・薬剤師・歯科医師に初級幹部課程教育を施すこと、看護陸曹が幹部になるに伴い初級幹部課程教育を施すこと、全職種からの志願により選抜された臨床検査陸曹・診療放射線陸曹・救急救命陸曹候補者に各技師課程の教育を施す（国家試験は教育修了後に受検する）こと、衛生科陸曹候補生に衛生資材課程や衛生整備課程の教育を施す（修了後はそれぞれ衛生補給陸曹、衛生整備陸曹になる）ことなど。看護師免許を有し、入隊試験に合格した陸上自衛官（看護）に対しては７週間の教育を行い、経験年数などにより２等陸曹から陸曹長として自衛隊病院に送り出す。元は1952年に久里浜駐屯地に開設された警察予備隊総隊学校の第４部で、保安庁発足後の1952年10月に保安隊衛生学校として独立し、1954年7月1日の自衛隊発足により陸上自衛隊衛生学校となった。1955年7月11日、久里浜駐屯地から三宿駐屯地に移動。企画室、総務部、教育部、研究部からなり、校長は陸将補である。1996年3月、教育支援衛生隊が創設された。1999年3月、教育支援衛生隊が衛生教導隊に改編された。2001年度から感染症・戦傷治療などの研究は衛生学校研究部から陸上自衛隊研究本部長監督下の開発実験団部隊医学実験隊に移された。2012年2月7-17日、コブラ・ゴールド12に参加。3月16日、完成したばかりのシミュレーション・ラボ（本庁舎３階にある人体シミュレータを使用した実習室）が関係者に公開され、戦闘状況下での実践的な医療活動のデモンストレーションが行われた。2013年2月19日、首都直下地震を想定し、発生24時間以内の救出・救護活動を訓練するメディカルラリーを実施した。2015年2月14日、平成26年度自衛隊中央病院大量傷者受入訓練に参加。2016年3月12日、平成27年度自衛隊中央病院大量傷者受入訓練に参加。10月13-16日、カザフスタン軍医療関係者に対する能力構築支援事業に協力した。2017年2月4日、自衛隊中央病院大量傷者受入訓練に参加。10月7日、自衛隊中央病院大量傷者受入訓練に参加。2018年7月7日、自衛隊中央病院主催の大量傷者受入訓練に参加。12月7-16日、２等陸佐１名がPKO応急救護訓練教官としてイタリアのブリンディシに派遣された。2019年5月25日、自衛隊中央病院主催の大量傷者受入訓練に参加。9月14-24日、医官１名がPKO応急救護上級訓練コース教官としてブラジルのサルバドール市に派遣された。10月3日、支援部隊早期展開プロジェクトに参加する２名が日本を出国した。10月17日、アトゥール・カレ国連事務次長が視察した。6月13-17日、ウガンダで行われた支援部隊早期展開プロジェクト野外衛生救護補助員コースUNFMSAC試行訓練に医官１名を教官要員として派遣。参考：月刊軍事研究11,’08、MOLIBITO Vol.3、月刊世界の艦船4,’12、朝雲、陸海軍学校と教育、MAMOR vol.100、vol.113、vol.133、久里浜駐屯地ホームページ

　＜衛生学校（２０１５年）＞：トップは校長で、企画室、総務部（総務課、管理課、会計課）、教育部（教務課、教材課、運用教官室、衛生技術教官室、臨床検査教官室）、研究部からなる。また、教育部隊として衛生教導隊が編成されている。幹部初級医官課程、同歯科医官課程、同薬剤官課程、同衛生官課程、同看護官課程、幹部上級医官課程、同歯科医官課程、同薬剤官課程、同衛生官課程、幹部特修課程、幹部特技看護師技術課程、同特技新任医官特別課程、同特技新任看護官特別課程、同特技衛生官課程、同特技心理課程、三等陸尉候補者課程、曹士初級特技衛生整備課程、曹士特技衛生資材課程、曹士上級特技救急救命士課程、同特技臨床検査技師課程、公募陸曹課程、集合教育・幹部専修課程の各教育を行う。参考：MAMOR vol.120

＜衛星可搬局装置�T型＞：自衛隊の機器。日本電気製。参考：月刊軍事研究9,’12

＜衛星可搬局装置対向用付加機材＞：自衛隊の機器。日本電気製。参考：月刊軍事研究9,’12

＜衛星監視レーダーシステム＞：アメリカ衛星監視システムを構成するレーダー。解像度は光学監視システムに劣るが、高度35,800kmまでの物体を監視できる。アラスカ州クリア、グリーンランド州チューレ、イギリスのファイリングデイルズ・ムーアにある弾道ミサイル早期警戒レーダー、マサチューセッツ州ケイプ・コッド空軍ステーション、カリフォルニア州ビール空軍基地、ジョージア州ロビンズ空軍基地、テキサス州エルドラード空軍基地にあるAN/FPS-115レーダー、アリューシャン列島シェミアにあるAN/FPS-108レーダー、太平洋のアルテア、アルコー、大西洋のアンティグア、アセンションのレーダーなどで構成される。また、アメリカ海軍が北緯32-33度に６カ所設置した超短波レーダーステーション（天頂に向けて電波を放射してフェンスを作り、それを横切る物体の反射を捉える）も利用される。衛星からの電波を受信して存在を探知する基地はイギリスのフェルトウェル、アメリカ本土、青森県三沢の３カ所に設置されている。参考：月刊軍事研究11,’98

＜衛生幹線通信システム＞：自衛隊の機器。三菱電機または日本電気製。参考：月刊軍事研究3,’18、2,’19

＜衛星幹線通信システム（携帯局）＞：陸上自衛隊の携帯型通信システム。国内外に展開している部隊同士の指揮通信機能も有する。参考：月刊軍事研究11,’10

＜衛生救護陸曹＞：陸上自衛隊陸曹で、衛生救護支援の任務を付与された者のこと。衛生科に所属し、治療や健康管理を主任務とする。参考：MAMOR vol.103

＜衛生教導隊＞：陸上自衛隊の教導隊。衛生学校の隷下にあり、学生の教育支援などを行う。1999年3月、教育支援衛生隊から改編されて衛生学校隷下に創設された。参考：MAMOR vol.117

＜衛星迎撃＞：ASAT（Anti SATtellite）と略す。1950年代から米ソで開発され、1985年にアメリカがASM-135による衛星破壊実験に成功したが、1980年代半ばの戦略兵器削減交渉を受け、両者とも実験停止を宣言した。2007年に中国が実験に成功、米露は宇宙軍拡に懸念を表明している。参考：月刊軍事研究5,’07、月刊JWings11,’17

＜衛星迎撃実験（アメリカ、２００８年）＞：2008年2月20日にアメリカが実施した、イージス弾道ミサイル防衛システムによる制御不能人工衛星迎撃作戦（Operation Burnt Frost）。海上配備ＸバンドレーダーSBXRの監視の下、CG-70レイク・エリー、DDG-59ラッセル、DDG-73ディケイターが参加した。目標の衛星は2006年12月14日に打ち上げられたUSA193（別名NROL-21）で、大きさは全長4m・幅2m程度、重量2.268トンと推定され、近地点高度354km、遠地点高度376km、傾斜角58.50度、周期91.73分で地球を周回しており、将来型画像偵察衛星の試験衛星だったといわれる。打ち上げ後、レーダー及び太陽電池パネルの展開に失敗して用無しになっていたが、2008年1月26日に報道機関がアメリカ政府関係者の話として2月末から3月初めに地球に落下すると伝えた。2月14日、アメリカ国防省は、衛星に積まれている軌道変更用スラスター燃料である有毒なヒドラジン1000ポンド（453.6kg）及びそれを収容した直径50インチ（1.27m）の球形タンクが地上を直撃する恐れがあるため、SM-3で迎撃する予定であると発表した。迎撃はスペースシャトルのアトランティスが着陸した後、破片が国際宇宙ステーションに影響を与えず、予備ミサイル発射の余裕もある高度130海里（241km）で実施するとしている。2月20日朝、CG-70レイク・エリー、DDG-59ラッセル、DDG-73ディケイターが真珠湾を出港し、迎撃海域に移動した。全てイージスBMD3.6.1搭載艦だったが、衛星迎撃対応のイージスBMD3.6Eに変更していたとされる。迎撃用のSM-3ブロック�TＡ改造型（目標の赤外線放射パターンを人工衛星用に変更したものと思われる）は３発が用意されCG-70レイク・エリーが２発、DDG-73ディケイターが１発を搭載した。アメリカ東部標準時2月20日2226（日本時間21日1226）、CG-70レイク・エリーがSM-3ブロック�TＡ改造型１発を発射し、高度153マイル（246km）を時速17000マイル（秒速7.6km）で周回する衛星の燃料タンク部分に直撃させて破壊した。高度が低いため、破片は数ヶ月以内に全て地球に落下、大気圏で燃え尽きたとみられる。衛星コース上は殆どが海で、人口密集地も存在せず、落下しても被害が出る公算は少なかったが、弾道ミサイル迎撃のテスト及び能力誇示のために実施したようである。参考：月刊軍事研究5,’08、6,’08

＜衛星迎撃実験（インド）＞：2019年3月27日、オリッサ州の試験場から弾道ミサイル迎撃用ミサイルを発射し、高度300kmの自国人工衛星に直撃させて破壊したと、モディ首相が発表した。全て国産システムで完結させたとしている。参考：月刊航空ファン6,’19

＜衛星迎撃実験（中国、２００７年）＞：日本時間2007年1月12日0728（グリニッジ標準時1月11日2228）、中国は四川省西昌上空で高度864kmを周回中の自国気象衛星風雲１号Ｃ（FY-1C。1999年5月打ち上げ、太陽同期軌道を周回、軌道傾斜角99.8度、近地点847km、遠地点869km）にKT-1ロケット（KT-2A？SC-19？）を直撃させて撃墜し、破片900個が宇宙空間にまき散らされた。迎撃高度が高いため、10年経っても破片が軌道を周回し続けている。中国はロシアと共同で宇宙軍備管理条約に関する４件の文書を国連軍縮委員会に提出しており、相反する行動を取ったことに対して西側諸国から批判が集中した。その後中国は2014年7月にDN-2対衛星ミサイルの打ち上げ実験を行っている（衛星に直撃させる実験ではなく、デブリなどは生じていない）。参考：月刊丸5,’07、月刊軍事研究5,’07、4,’07、10,’14、9,’15、月刊JWings11,’17

＜衛星迎撃実験（ロシア）＞：2021年11月15日、ヌードリ対衛星ミサイルの発射試験を行い、衛星を破壊した。参考：朝雲

＜衛星迎撃兵器（アメリカ）＞：ASM-135またはナイキ・ゼウスまたはシステム437を参照。

＜衛星迎撃兵器（ソ連／ロシア）＞：ISまたはヌードリを参照。

＜衛星迎撃兵器（中国）＞：KT-1またはDN-2を参照。

＜衛星携帯電話（イリジウム衛星）＞：自衛隊の機器。KDDI製。参考：月刊軍事研究8,’13

＜衛星携帯電話（インマルサット衛星）＞：自衛隊の機器。KDDI製。参考：月刊軍事研究11,’14

＜衛生検査ユニット＞：陸上自衛隊の移動式生物兵器同定装置。３トン半有蓋車のコンテナに検査装置を収容したもので、コンテナ内は陰圧に保たれており、検体はエアロックで受領、換気はHEPAフィルターを通して行い、高圧蒸気滅菌器も備え、生物兵器を外に漏らさない。所要電力は牽引する発電機トレーラーから供給する。隊員は個人防護衣PPEを着用して同定作業に当たる。参考：MAMOR vol.147

＜衛生航空機＞：専ら傷病者の収容並びに衛生要員及び衛生材料の輸送に使用される航空機のことで、ジュネーブ第１条約第６章第36条・第37条、ジュネーブ第２条約第５章第38-40条に規定がある。交戦国は、衛生航空機が関係交戦国の間で特別に合意された高度・時刻・路線に従って飛行している間、攻撃してはならず、尊重しなければならない。衛生航空機は下面、上面、側面に赤十字章を自国国旗と共に明白に表示し、敵対行為の開始の際または敵対行為が行われている間に交戦国の間で合意される他の標識または識別の手段となるものを付す義務がある。衛生航空機は、反対の合意が無い限り、敵の領域または占領地域の上空の飛行は禁止。また、全ての着陸または着水要求に従わなければならず、この要求により着陸した場合には、航空機と乗員は検査がある時はそれを受けた後、飛行を継続することができる。敵の領域又は占領地域内に不時着または不時着水した場合、傷病者と衛生航空機の乗員は捕虜となり、衛生要員はジュネーブ第１条約第24条以下またはジュネーブ第２条約第36・第37条の規定に従い待遇される。紛争当事国の衛生航空機は、当該領域の上空通過を事前に中立国に通告し、かつ着陸または着水の全ての要求に従うことを条件として、中立国の領域上空を飛行し、必要な場合にはその領域に着陸し、またはその領域を寄航地として使用することができる。この際、紛争当事国と関係中立国との間で特別に合意された路線・高度・時刻に従って飛行している場合に限り、攻撃を免れるものとする。中立国は、衛生航空機が自国領域の上空を飛行することまたは時刻の領域内に着陸することに関し、条件又は制限を付することができるが、それらの条件または制限は、全ての紛争当事国に対して平等に適用しなければならない。中立国と紛争当事国との間に反対の合意がない限り、現地当局の同意を得て衛生航空機が中立地域に積み卸す傷病者は、国際法上必要がある場合には、軍事行動に再び参加することができないように中立国が抑留するものとし、入院・収容費用はそれらの者が属する国が負担する。参考：日本赤十字社社史稿第６巻

＜衛星航法＞：人工衛星を利用して行う航法。通信に電波を使用するので、ECMに弱いという欠点がある。参考：ザ・マーチ42号

＜衛星航法受信モジュールＧＥＭ　Ｖ＞：自衛隊の機器。アメリカ空軍省に発注している。参考：月刊軍事研究7,’15

＜衛星航法受信モジュールＭＰＥ−Ｓ＞：自衛隊の機器。アメリカ空軍省に発注している。参考：月刊軍事研究7,’15

＜衛生酒＞：日本海軍の兵食。昭和6年の海軍糧食表改訂で制定した増加食で、気温が０℃以下となった場合、重労働を行った場合、その他衛生上必要があると認められる時に、下士官や兵に対して支給される火酒である。具体的には、泡盛36cc、ラム36cc、ジン36cc、焼酎53ccのいずれか。火酒が支給できない場合には日本酒140ccで代替される。葛粉と白砂糖になってしまったこともある。将校には支給されない。参考：写真で見る海軍糧食史

＜衛生小隊（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊の衛生科部隊。連隊本部管理中隊隷下で、隊員30名くらい。うち数名が救命士、看護士、准看護師の資格を有しており、医官はいない。健康管理や応急手当を主任務とする。参考：月刊JWings3,’14

＜衛星情報取得装置＞：自衛隊の機器。エヌ・ティー・ティー・データ製。参考：月刊軍事研究10,’17

＜衛生職域（海上自衛隊）＞：海上自衛隊の職域の１つ。総合衛生、医科、歯科、薬剤科、衛生医事がある。参考：日本の防衛戦力Part3

＜衛生整備業務＞：陸上自衛隊の衛生科業務の１つ。衛生隊や自衛隊病院の装備品を整備するのが主任務で、医療機器だけでなく、発動発電機などの整備も行う。参考：朝雲

＜衛生隊＞：戦場で負傷兵を治療したり、後送したりする部隊のこと。人員の健康管理、食中毒予防、食料・飲料水管理、戦死者回収なども担当する。当初は各級部隊や各軍に衛生隊を編成し、前線戦闘部隊に割り当てて医療支援を行っていたが、効率が悪いため、作戦地域ごとに統合衛生部隊を割り当てるようになり、南アフリカ軍のように三軍と同列で統合医療軍を編成する軍隊も現れた。軍隊の組織ではあるが、ジュネーブ第１条約第３章第19条で尊重と保護が規定されており、軍当局の同意を得た場合、赤十字の旗を掲揚でき（国旗も一緒に掲揚できるが、敵の権力内に陥った場合には赤十字の旗のみ）、紛争当事国はいかなる場合にも攻撃してはならないと定められている。とはいえ最前線で負傷兵の所まで行って後送しなければならないので、死傷率はかなり高い。武器は最小限の携行に止め、自衛または傷病者の防衛以外での衛生隊による攻撃は禁止だが、武装した衛生兵がいないために哨兵を付けたり、傷病者から回収した小火器・弾薬の適当な機関への引き渡しが済んでおらず衛生隊で保有していたりするのは可。フランス革命で民主主義が誕生すると、戦場で負傷した貴族だけでなく一般兵士も分け隔て無く治療する必要が生じ、1792年4月に勃発したオーストリアとの戦争の際にフランスの軍医ドミニク・ラレイが近代的な衛生隊を初めて組織し、前線での医療活動を開始した。この時は敵味方の区別無く、そのままでは死亡するが治療すれば救命できる重傷者を優先して医療活動を行っている。ただ軍隊という組織にはこの活動が合わず、衛生隊は次第に治療をすれば戦線に復帰できる味方兵士に対して優先的に医療活動を行うようになり、敵味方の区別無く重傷者から救護を行う活動は赤十字条約に引き継がれた。1938年6月の第16回赤十字国際会議決議第19で衛生材料調査国際常置委員会が衛生勤務下級人員が携帯すべき個人用衛生装備として規定されたのは、担架兵が包帯用品、包帯用鋏及びピンセット、止血器、軍隊用水筒または普通水筒で、看護兵及び下士がこれらに加え普通薬剤若干特に足治療剤（粉薬、軟膏、フヲマリン）、興奮剤（一種類または数種類）、消毒剤（ヨードチンキ）、折り畳み式で可能な限りガラス又は雲母で光を遮ったもの又は懐中電灯である。参考：歴史群像10,’10、月刊軍事研究1,’17、軍医サンよもやま物語、日本赤十字社社史稿第５巻・第６巻

＜衛生隊（航空自衛隊）＞：航空自衛隊の衛生部隊。基地業務群の隷下にあり、各基地で傷病者への対応、救急車の運転、航空身体検査、健康診断、航空祭などのイベントにおける救護、職務に必要な物品や医薬品の調達管理、健診の部外委託業務などを行う。毎日衛生当直を定めており、急患対応などを行っているが、医官は人数が限られて夜間休日には庁舎にいないため、電話で指示を送ってもらう。参考：月刊JWings1,’16

＜衛生隊（日本陸軍、師団）＞：戦時のみの編成であり、平時には存在しないので、演習の際には演習召集をかけて定数を集める。トップは軍医で、本部、師団包帯所、担架中隊４個、車両中隊１個からなる。担架中隊は前線から師団包帯所までの患者輸送を１日５回行うのが主任務で、車両中隊は師団包帯所から師団野戦病院までの患者輸送を１日５回行うのが主任務である。師団の20%が死傷したと仮定し、負傷者100名に対して軍医１名、看護長２名、看護卒10名が割り当てられる。衛生下士官や衛生兵はもちろん、衛生准尉、薬剤官、磨工卒なども所属し、患者の後送のため輜重兵科も割り当てられている。昭和13年の作戦要務令では野戦病院数個からなる一大衛生部部隊として規定されていたが、その編成になったものは皆無だった。本土決戦では連隊衛生隊に分割して各歩兵連隊に配属する。参考：軍医サンよもやま物語、歴史群像12,’10、6,’16

＜衛生隊（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊の衛生科部隊。参考：日本の防衛戦力Part1

　＜衛生隊（陸自、１９７７年）＞：師団隷下にある。後方地域に開設する傷病者収容所で治療を行う治療小隊と、更に後方後方の病院などに傷病者を搬送する救急車小隊からなる。また、前線部隊に救護員や衛生資材を送付する任務も行う。参考：日本の防衛戦力Part1

＜衛生隊（陸上自衛隊、１９８０年代半ば）＞：師団隷下にあり、救急車小隊と治療中隊からなる。負傷者の治療及び後送を主任務とする。参考：兵器最先端５

＜衛生貸費学生＞：貸費学生を参照。

＜衛星通信＞：通信衛星を通信中継に使用する無線通信のこと。地上からだと地形や構造物に阻まれたり、地平線や水平線の下に潜ってしまったりして届かない所にも通信を送れる。参考：月刊JWings4,’17

＜衛星通信役務＞：自衛隊の役務。エム・シー・シーが受注している。参考：月刊軍事研究11,’16

＜衛星通信機器改修用器材＞：自衛隊の機器。日本電気製。参考：月刊軍事研究4,’15

＜衛星通信固定局装置システム＞：自衛隊の機器。三菱電機製。参考：月刊軍事研究2,’17

＜衛星通信固定局装置用地上伝送路＞：自衛隊の機器。日本電気製。参考：月刊軍事研究12,’14

＜衛星通信制御装置改造器材＞：自衛隊の機器。日本電気製。参考：月刊軍事研究2,’14

＜衛星通信装置＞：自衛隊の機器。エーティコミュニケーションズまたはエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ製。参考：月刊軍事研究10,’12、9,’15

＜衛星通信装置改造器材（プログラム）＞：自衛隊の機器。日本電気製。参考：月刊軍事研究11,’11

＜衛星通信装置（艦艇等）＞：自衛隊の機器。日本電機製。参考：月刊軍事研究4,’16

＜衛星通信装置用整備器材＞：自衛隊の機器。エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ製。参考：月刊軍事研究6,’14

＜衛星通信統制装置改造器材＞：自衛隊の機器。日本電気製。参考：月刊軍事研究2,’15

＜衛星通信変復調器＞：自衛隊の機器。日本電気製。参考：月刊軍事研究7,’11

＜衛星電話装置（航空機用）＞：自衛隊の機器。ナビコムアビエーション製。参考：月刊軍事研究10,’09

＜衛星搭載型二波長赤外線センサ＞：防衛装備庁の研究試作。宇宙航空研究開発機構が受注した。衛星に搭載する２波長赤外線センサーで、取得した画像がBMDや情報収集・警戒監視に活用できるかどうか研究する。2023年2月12日にH3ロケット試作初号機で打ち上げ予定。参考：月刊JWings3,'23、月刊軍事研究3,’17

＜衛生部（日本陸軍）＞：兵科色（というか各部色？）は深緑色で、色も情も深緑という心意気を示す。軍事教育を施した医師である軍医、看護を担当する看護卒、応急処置などの医学教育を受けた衛生兵で構成される。軍医や薬剤官（昭和15年から歯科医官も）は全員士官なので、幹部候補生に乙種が無く、甲種幹部候補生の資格（医師・歯科医師・薬剤師免許所有など）が無い衛生兵は下士官候補生から衛生下士官に上がったところで進級が止まってしまう。前線で負傷した兵は、自分か、近くの味方兵士か、中隊指揮班所属の衛生兵による応急処置を受け、徒歩または師団衛生隊担架中隊担架卒の担架で前線から2km後方にある師団包帯所（師団包帯所の開設までは軍医１名、看護卒４名、補助担架卒が数名、輜重輸卒２名からなる仮包帯所／隊包帯所／大隊包帯所）まで送られ、処置を受ける。ちなみに徒歩で包帯所に行けず友軍に運んでもらう場合、中隊長の命令で補助担架兵が後送する時以外は、無傷の兵士が後退すると陸軍刑法の戦場離脱罪に問われるので、負傷者同士で包帯所に向かう必要がある。ここで前線復帰が無理な場合、車両中隊が更に4km後方の師団野戦病院まで運んで治療を受けさせる。より高度な治療が必要なら、兵站病院、外地陸軍病院、内地陸軍病院と後送されていく。西南戦争で軍団病院、軍団支病院、仮病院／臨時病院、包帯所を設けた。明治20年、戦時整備表で野戦衛生機関の兵站病院、野戦病院、衛生隊などを定めた。日清戦争中に似島陸軍検疫所を設置。昭和15年9月、歯科医官制度が創設された。参考：軍医サンよもやま物語、歴史群像12,’10

＜衛生兵＞：必要が生じた場合に傷病者の収容・輸送・治療にあたるため特別に訓練された軍隊構成員。これらの任務を遂行している際に敵と接触し、または敵国の権力内に陥った場合は、ジュネーブ第１条約に基づく尊重と保護を受ける。敵の権力内に陥った際には捕虜となるが、必要がある場合には医療上の任務に使用される。衛生兵であることを識別するため、ジュネーブ第１条約で定める特殊標章（赤十字記章）を付した軍当局発給・捺印の防水性腕章を左腕に装着する。また、特殊標章が付され、防水性で、ポケットに入る大きさの、自国語で少なくとも所持者の氏名・生年月日・階級・番号・条約の保護を受けるための資格が記載され、所持者の写真及び署名または／かつ指紋が付され、軍当局の印章を浮き出しにして押した、特別の身分証明書を携帯する。衛生上の任務を遂行している際に限り、中心の小型の特殊標章を付した白色の腕章（軍当局発給・捺印）を付け、軍の身分証明書類には受講した特別訓練の内容、従事している任務が一時的な性質の者であること、腕章を付ける権利を有していることを明記する。参考：日本赤十字社社史稿第６巻

＜衛生兵（アメリカ陸軍）＞：Medic。1775年に初めて設置されたが、この時は担架を担ぐくらいしか仕事がなかった。南北戦争前後に応急処置法教育が行き渡るようになり、戦争末期には負傷兵収容システムが確立して12時間以内に手当を受けられるようになったが、感染防御法が未熟であり、傷が腹腔に至ると手の施しようが無く、負傷兵の死亡率は25%に達していた。第１次大戦頃に感染防御のための衛生的手法が確立、実用的な応急処置を行うことができるようになり、軍用犬の使用などにより平均５時間で手当を受けることができ、負傷兵死亡率は8%に低下した。この頃衛生兵は前線で応急処置を行う野戦衛生兵と、良心的兵役拒否者による担架兵の２つに分けられた。第２次大戦時には部隊の衛生面全般や精神衛生もカバーするようになり、新開発のペニシリン、サルファ剤、アダプリン、DDT、血漿製剤の使用も開始され、死亡率は4%に低下した。ジュネーブ条約では非戦闘員に分類されていたため、ヨーロッパ戦線では非武装で前線を駆け回ったが、太平洋戦線では条約が守られなかったため、赤十字腕章などを付けずに行動している。この頃の衛生器材は野戦外科手術用キット、アスピリン、モルヒネ使い切りチューブ10本、包帯缶、圧迫包帯、止血帯、ファーストエイド・ドレッシング、衛生兵マニュアル、消毒用綿棒などで、これらを入れたメディカル・バッグ、エントレンチング・ツール、M1910ハンドアックス（木や枝を倒して添え木や担架を作るのに使う）、ボロー・マチェット（ハンドアックスと同じ用途や、四肢切断に使う）、赤十字腕章、赤十字入りのヘルメット、水筒、ナイフなどを装備した。朝鮮戦争ではヘリコプターによる後送と移動式陸軍外科病院の使用を開始。ベトナム戦争では北ベトナムがジュネーブ条約を批准していなかったため、衛生兵が銃撃を受けることも多かった。湾岸戦争では進撃スピードが速すぎて衛生部隊が追従できないという問題が起こり、また防弾ベストを撃ち抜ける高威力のライフルや、耐地雷装甲車を破壊するIEDなどにより、重症度や措置の緊急性が増したため、衛生兵を呼ぶ間も無く戦傷者自身や近くの兵が救急処置を行う必要性が高まっていて、現在対応中。また、衛生兵の使用する器材も医療機器の小型高性能化に伴い高度化しており、専門教育が必要で、衛生「兵」ではなく特技軍曹レベルになった。参考：月刊コンバットマガジン7,’06、月刊軍事研究8,’16

＜衛生兵（日本海軍）＞：昭和17年11月、看護兵から改称されてこの名称になった。科は看護科のままである。海兵団での教育を終え、海軍病院練習部で普通科看護術練習生となり、卒業すると各艦に配属される。昭和20年4月から練習生教育を海軍衛生学校で行うようになった。参考：月刊世界の艦船9,’13増刊

＜衛生兵（日本陸軍）＞：日本陸軍の衛生部員。隊付衛生兵と病院付衛生兵に分かれる。隊付衛生兵がいるのは中隊指揮班からで、小隊以下には存在せず、前線で負傷したら基本は手持ちの包帯包による応急処置を自分が現場で行う。参考：軍医サンよもやま物語

　＜隊付衛生兵＞：通称ヨーチン。新兵教育が終わって検閲を受けた後、中隊の准尉による適性判断などにより衛生兵が適していると判断されると、陸軍病院で軍医から衛生関連の特業教育を受け、中隊に戻って隊付衛生兵として勤務する。小銃は持たず、包帯嚢を携行し、応急手当を行う。参考：軍医サンよもやま物語

　＜病院付衛生兵＞：徴兵検査の段階で衛生兵に決定され、陸軍病院教育隊に直接入営し、衛生兵としての教育を軍医から受けると共に、近くの部隊で兵士としての教育を施され、病院付衛生兵として陸軍病院に勤務する。参考：軍医サンよもやま物語

＜曳船＞：タグボート。岸壁に艦船を横付けするのを手伝う船で、船首には緩衝材としてゴムタイヤや麻紐が巻かれている。参考：小艦艇入門

＜曳船（海上自衛隊）＞：海上自衛隊第１種支援船、船種記号YT（Yard Tugboat、港内曳船）。海上自衛隊発足時に最初に整備された支援船でもある。地方隊警備隊港務隊や基地隊本部に配備されており、艦艇の出入港援助・無機力船の曳航などを行う。押し船としての機能も持たせるため、船首は平らで、被曳航艦の艦橋を上に見るため操舵室上部に傾斜を付けたガラス窓を装備している。船体周囲には古タイヤなどの防舷材が括り付けられていて、被曳航艦の船体にタイヤの跡を付けないよう、更にロープで作った幕を垂らす。操縦性能を高めるため、２軸の全旋回式プロペラを持つ。静止推力が最も必要とされるので、性能要求には速力が入っていない。30トン型の初期艦には船倉やハッチがあり、人員や食料の輸送も行っていた。100トン型は非自走パージの曳航を主に実施しており、自衛艦の離接岸はあまり行わない。200トン型は船首水線下にも防舷材が装着されており、一部は放水銃や泡沫原液も搭載していて、消防船としても使用可能。LCMを改造した曳船は、タンクデッキに甲板を新設し、主として潜水艦の離接岸作業を行っている。ひゅうが型・いずも型向けの260トン型は飛行甲板にぶつからないようマストを起倒式にした。参考：月刊世界の艦船1,’79増刊、1,’95、1,’11、自衛隊装備カタログ1981、MAMOR vol.85、朝雲

＜曳船（日本海軍）＞：交通船も兼ねていて、艀の牽引にも使用された。敷設艦型曳船は防潜網や機雷（20-30個を搭載）を敷設できる。駆潜艇型曳船は爆雷最大14個を搭載可能。参考：小艦艇入門

　＜１００トン型曳船＞：船体後部には曳航ロープを掛ける引網受けビームが装着された。機関は信頼性の高いレシプロ蒸気機関である。煙突は１本。舵は非合舵。全長23.2m、最大幅5.4m、吃水2m、排水量106トン。機関出力240馬力、速力10ノット。100-150隻が建造された。参考：小艦艇入門

　＜１５０トン型曳船＞：全長26.5m、最大幅5.9m、吃水2.2m、排水量150トン。機関出力400馬力、速力10ノット。昭和7年から30-50隻が竣工した。参考：小艦艇入門

　＜２００トン型曳船＞：

　＜３００トン型曳船＞：全長37m、最大幅7 m、吃水2.4m、排水量300トン。機関出力800馬力、速力12ノット。昭和14年から11隻以上が竣工した。参考：小艦艇入門

　＜４００トン型曳船＞：全長37m、最大幅8m、吃水2.7m、排水量412トン。機関出力2200馬力、速力14ノット。昭和17-18年に２隻が竣工した。参考：小艦艇入門

　＜１００トン駆潜艇型曳船＞：

　＜１５０トン駆潜艇型曳船＞：全長41.8m、最大幅5.6m、吃水2.8m、排水量155トン。機関出力520馬力、速力13ノット。25mm機銃１丁、八一式爆雷投射機２基、爆雷数個を搭載する。昭和9年から竣工した。参考：小艦艇入門

　＜１７５トン駆潜艇型曳船＞：

　＜１００トン敷設艇型曳船＞：船体後部が延長されており、機雷搭載スペースとなっている。機雷及び防潜網を引き揚げるため、船体前後に小さなダビットを装備した。全長28m、最大幅5.4m、吃水1.6m、排水量100トン。機関出力300馬力、速力12ノット。機雷５個を搭載する。20-30隻以上が建造された。参考：小艦艇入門

　＜１５０トン敷設艇型曳船＞：全長36m、最大幅6m、吃水1.5m、排水量150トン。機関出力450馬力、速力12ノット。機雷７個を搭載する。20-30隻以上が建造された。参考：小艦艇入門

＜曳船０４号＞：YT-04を参照。

＜曳船０５号＞：YT-05を参照。

＜曳船０６号＞：YT-06を参照。

＜曳船０７号＞：YT-07を参照。

＜曳船０８号＞：YT-08を参照。

＜曳船０９号＞：YT-09を参照。

＜曳船１０号＞：YT-10を参照。

＜曳船１１号＞：YT-11を参照。

＜曳船１２号＞：YT-12を参照。

＜曳船１３号＞：YT-13を参照。

＜曳船１４号＞：YT-14を参照。

＜曳船１５号＞：YT-15を参照。

＜曳船１６号＞：YT-16を参照。

＜曳船１７号＞：YT-17を参照。

＜曳船２５号型＞：海上自衛隊曳船。船体は鋼製、船首は角型で、船体やや後方に操舵室がある。全長14m、幅4m、深さ1.8m、吃水1m、基準排水量21トン。主機はディーゼル、出力320馬力、２軸推進、速力11ノット。YT-25曳船25号、YT-26曳船26号、YT-27曳船27号、YT-28曳船28号、YT-29曳船29号、YT-30曳船30号、YT-31曳船31号、YT-32曳船32号、YT-33曳船33号の９隻が建造された。参考：月刊世界の艦船1,’79増刊、自衛隊装備カタログ1981

＜曳船３４号型＞：海上自衛隊曳船。鋼製で、通風筒が操舵室の前にあるのが曳船25号型との違い。全長14.5m、幅4m、深さ2m、吃水0.9mまたは1m、基準排水量28トン（YT-34は26トン、YT-59は30トン）。主機はディーゼル、出力330馬力または320馬力、２軸推進、速力９ノット。YT-34、YT-36、YT-38、YT-39、YT-42、YT-43、YT-47、YT-49、YT-51、YT-54、YT-59の10隻が建造された。参考：月刊世界の艦船1,’95、1,’79増刊

＜曳船３５号型＞：海上自衛隊曳船。鋼製の中型曳船で、煙突を持つなど船舶の形状をしており、ある程度の航洋性を有する。全長23.8m、幅5.4m、深さ2.4m、吃水1.8m、基準排水量100トン。主機はディーゼル、出力400馬力、２軸推進、速力10ノット。YT-35、YT-37、YT-40、YT-41、YT-44、YT-45、YT-46、YT-48の８隻が建造された。参考：月刊世界の艦船1,’95、1,’79増刊、自衛隊装備カタログ1981

＜曳船５０号型＞：海上自衛隊曳船。元はアメリカ海軍LCMで、1956年に供与されて交通船にしたのを、うずしお型潜水艦用曳船に船種変更したものである。鋼製で、船首に緩衝材が入れられ、船内も改修を受けた。全長17m、幅4.2m、深さ1.7m、吃水0.7m、基準排水量22トン。主機はディーゼル、出力450馬力、２軸推進、速力10ノット。YT-50とYT-52の２隻が就役した。参考：月刊世界の艦船1,’79増刊、自衛隊装備カタログ1981

＜えい船（５０トン型）＞：自衛隊の舟艇。本瓦造船製。参考：月刊軍事研究8,’14

＜曳船５３号型＞：海上自衛隊曳船。船体は鋼製。全長25.7m、幅7m、深さ3.2m、吃水2.3m、基準排水量190トン（195トン？）。主機はディーゼル、出力1500馬力、２軸推進、速力11ノット。横浜ヨット社でYT-53、YT-55、YT-56、YT-57、YT-58の５隻が建造された。参考：月刊世界の艦船1,’95、月刊世界の艦船1,’79増刊、自衛隊装備カタログ1981

＜曳船５８号型＞：海上自衛隊曳船。鋼製で、消火設備も備えており、放水銃２丁と泡沫原液タンク１基を持つ。全長28.4m、幅8.6m、深さ3.5m、吃水2.5m、基準排水量262トン。主機は新潟6L25BX型ディーゼル２基、出力1800馬力、全周旋回プロペラ２軸推進、速力11ノット。静止推力20トン。乗員７名。YT-89曳船89号やYT-90曳船90号などが建造された。参考：月刊世界の艦船6,’01、1,’95

＜曳船５９号型＞：海上自衛隊曳船。全長14.5m、幅4m、深さ2m、吃水1m、排水量30トン。機関出力320馬力、速力10ノット。YT-59曳船59号が就役した。参考：自衛隊装備カタログ1981

＜曳船６０号＞：YT-60を参照。

＜曳船６０号型＞：海上自衛隊曳船。曳船59号型を一回り大型化し、吃水を0.03mほど浅くしたものである。船体は鋼製。全長15.5m、幅4.2m、深さ2.1m、吃水0.97m、基準排水量35トン。主機はディーゼル、出力380馬力、２軸推進、速力10ノット。YT-60曳船60号、YT-61曳船61号など３隻が建造された。参考：月刊世界の艦船1,’95、自衛隊装備カタログ1981

＜曳船６１号＞：YT-61を参照。

＜曳船６２号＞：YT-62を参照。

＜曳船６３号＞：YT-63を参照。

＜曳船６４号＞：YT-64を参照。

＜曳船６５号＞：YT-65を参照。

＜曳船６６号＞：YT-66を参照。

＜曳船６７号＞：YT-67を参照。

＜曳船６８号＞：YT-68を参照。

＜曳船６９号＞：YT-69を参照。

＜曳船７０号＞：YT-70を参照。

＜曳船７５号型＞：海上自衛隊曳船。船体は鋼製。全長17m、幅4.8m、深さ2.4m、吃水1.2m、基準排水量50トン。主機はディーゼル、出力500馬力、２軸推進、速力11ノット。５隻が建造された。参考：月刊世界の艦船1,’95

＜曳船９５号＞：YT-95を参照。

＜えい船（約２６０トン型）＞：海上自衛隊曳船。マストは折り畳み式で、フレアの大きい大型艦の舷側と干渉しないようになっている。全長31m、幅8.6m、深さ3.6m、吃水2.3m、基準排水量260トン。主機はディーゼル、出力2600馬力、２軸推進、速力11ノット。前畑造船または栗之浦ドック製。YT-95曳船95号などが竣工した。参考：JShips VOL.70、月刊軍事研究12,’16、5,’18

＜営倉＞：日本陸軍の兵営に設けられた収監設備。部隊で罪を犯し、軽営倉または重営倉を申し渡された者が収監される。衛兵所の裏にあり、独房形式で、風紀衛兵が収監者を監視しており、週番副官と週番下士官が様子を見に来る。週番副官の指示により週番下士官から風紀衛兵が収監者を受領し、服装と所持品を検査して営倉に入れ、監視する。演習、入浴、取り調べなどで週番下士官が収監者を引き取りに来たら、風紀衛兵が週番副官の許可を受けて収監者を外に出す。准士官以上、見習士官、少尉候補者、中隊長、週番司令が許可した者以外とは面会できず、面会時も風紀衛兵の立ち会いが要る。所持できる物品は、用紙と、中隊長が許可した書籍１冊である。病気などで診断が必要な際は、風紀衛兵が週番副官に届け出て所属中隊の週番下士官に通報し、診断を受けさせる。営倉から解放されるのは、収監期間満了の翌日午前中である。参考：写真で見る日本陸軍兵営の食事、内務教育の参考、衛兵勤務必携

＜映像音声制御装置�U型＞：自衛隊の機器。電子システム製。参考：月刊軍事研究7,’14

＜映像データ出力装置＞：自衛隊の機器。SH-60Kに搭載されている。三菱電機製。参考：月刊軍事研究3,’11

＜営倉歩哨＞：日本陸軍の歩哨の１つ。任務に就くにあたっては、入倉者の罰目、日数、隊号官等級氏名、収容号室を把握しておく。営倉内外を見回ると共に錮房前を行動し、入倉者の状態、錠前・窓・扉などの異常の有無、火気、外部からの近接者に注意する。入倉者のうち、起居規定に違反する者、病気が疑われる者、脱走の恐れがある者、自殺しそうな者など異状を認める者は直ちに司令に報告する。入倉者から病気の申告があった場合も直ちに司令に報告する。参考：衛兵勤務必携

＜映像陸曹＞：陸上自衛隊の陸曹。通信団第301映像写真中隊に配属され、イベントや訓練などにおける各種映像の撮影編集やインターネットでのライブ配信を担当する。陸曹に進級した後、通信学校陸曹特技課程「写真」で教育が行われる。参考：MAMOR vol.127

＜英ソ偶発核戦争防止協定＞：1977年10月10日に効力が発生した協定で、正式名称は偶発的核戦争の防止に関するイギリスとソビエト社会主義共和国連邦との間の協定。核兵器の偶発使用・無許可使用が行われないように必要な措置を講じ、そういった事態が生じた場合には政府間直通連絡回線で迅速に情報を提供することとしている。参考：軍縮条約・資料集第２版

＜エイタン＞：イスラエル陸軍８輪装甲兵員輸送車。M113の後継で、2020年から配備する予定。参考：月刊軍事研究8,’18

＜永定＞：1303（掃海艇）を参照。

＜永同級＞：韓国海軍沿岸掃海艇ヨンドン級。元はアメリカ海軍MSC-320級で、1975年に２隻が引き渡された。船体は木造である。満載排水量380トン。AN/UQS-1機雷探知用ソナー、20mm連装機関砲１基、12.7mm機関銃３丁を搭載する。参考：月刊軍事研究5,’05

＜永徳＞：1309（掃海艦）を参照。

＜英独海軍協定＞：イギリスとドイツが1935年6月18日に締結した協定。ドイツ海軍とイギリス海軍の艦艇（トン数）保有比率を定めており、水上艦はドイツがイギリスの35%、潜水艦はドイツがイギリスの35%（1937年7月に45%、1938年12月に100%）を保有できる。再軍備を国際的に承認させたいドイツが提案し、ドイツとの無制限建艦競争に陥るのを避けたいイギリスも了承、これにより3月のドイツ再軍備宣言が事実上承認される形となった。ドイツは艦艇42万トンを保有可能とされ、26000トン級新型戦艦の建造も認められたため、シャルンホルスト級を作った。ドイツ戦艦の単艦制限としては排水量35000トン（ワシントン条約と同じ）及び主砲口径16インチ・406.4mmが設定されており、その後シャルンホルスト級を建造して余った101000トンを利用しビスマルク級を建造している。1939年4月29日（28日？）にドイツが一方的に破棄した。参考：月刊丸4,’17、ナチスＵボート、グラフィックアクション44、Ｕボート入門、

＜エイト・ボーラーズ＞：HSC-8（海上戦闘ヘリ飛行隊）を参照。

＜営内＞：営内隊舎を参照。

＜営内靴＞：日本陸軍用語で、普段用の外履きのこと。参考：帝国陸海軍事典

＜営内者＞：営内隊舎に居住する自衛官のこと。参考：MAMOR vol.100

＜営内隊舎＞：自衛官の居住用隊舎で、単に営内、略して営舎ともいう。基地や駐屯地の中にあり、自衛官が居住して集団生活を送り、チームワークを育むと共に、即応性を保持する。防衛大臣が指定し、防衛省本省内部部局、施設等機関、幕僚監部、統合幕僚学校、自衛隊の部隊または機関、情報本部、防衛監察本部または地方防衛局または防衛装備庁に設けられている。数名が１部屋に同居する方式で、談話室や自習室もある。海上自衛隊では艦船のつもりで使用するため、洗濯物は屋外で干さずに乾燥室に吊す。日常生活の場であるため、各種売店、理髪店、クリーニング屋、医務室も用意されている。規模に応じて別棟の隊員食堂、厚生棟、体育館などが併設されていたりする。基地や駐屯地から一定距離・一定時間を超えて外出する場合、外出申請書を書いて許可を受ける必要がある。自衛隊法施行規則第51条（陸上自衛官及び航空自衛官の営舎内居住義務）及び第52条（海上自衛官の船舶内及び営舎内居住義務）で、曹長以下の階級の自衛官は、船舶に乗組を命じられた海上自衛官や防衛大臣の定めるところに従い防衛大臣の指定する者の許可を受けた者（結婚した者など）を除き、営舎内に居住しなければならないと定められている。ただし自衛隊法施行規則第51条または第52条第２項の規定に該当しても、部隊等に営内隊舎が存在しないか不足している場合には営舎外に居住する。また、自衛隊法施行規則第51条または第52条第２項の規定に該当しても、陸海空曹長、一等陸海空曹、30歳以上の二等陸海空曹、親族や事実上婚姻関係にある者を扶養・保護する必要がある場合は、部隊等の長に対して営舎外居住の許可を申請できるが、幹部自衛官の候補者である自衛官には適用されない。医科幹部候補生、歯科幹部候補生、薬剤科幹部候補生、看護科幹部候補生は、実地修練等で必要な場合、部隊等の長に対して営舎外居住の許可を申請できる。ただしこれらにより営舎外に居住する場合、勤務場所から著しく遠距離だったり、勤務する場所との交通が著しく不便だったりしてはならず、勤務する部隊等の長に住所届を提出する。参考：自衛官の居住場所に関する訓令、MAMOR vol.93、vol.116、vol.119、vol.100

＜営内班＞：陸上自衛隊の組織。日本陸軍の内務班にあたるものだが、内務班時代の反省から、私的制裁は厳に戒められることとなった。営内班長と営内隊員10名前後から構成される。営内隊舎には営内班（１班全員が２段ベッドで同居）の他に中隊本部、幹部室、中隊長室、営外陸曹室、営内陸曹室といった部屋が同じ建物の同じ階に集結しており、休憩時などは中隊長や陸曹らが営内班に顔を出し、雑談に興じる。班のトップは先任士長で、たるんだ姿が見つかると徹底的に絞られ、１ヶ月の外出止めを喰らったりする。平成前後から営内班と中隊の建物が分離し、１室あたりの人数も３名前後に減った。参考：朝雲、月刊軍事研究2,’09

＜営内班長徽章＞：陸上自衛隊の徽章。営内班長を命ぜられた者が付ける。参考：MAMOR vol.62

＜永任丸＞：日本郵船戦時標準設計船。総トン数6968トン。昭和19年竣工。太平洋戦争終結後は改造工事を受けてフランス国際船級資格BV級を取得。昭和51年に解体された。参考：戦時標準船入門

＜エイノ・アンテロ・ルーッカネン＞：ルーッカネン（フィンランド空軍エース）を参照。

＜エイパー＞：APAR（レーダー）を参照。

＜エイフィッド＞：R-60（空対空ミサイル）を参照。

＜栄福丸＞：日本海軍特設艦船。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は第11特別根拠地隊に所属していた。参考：帝国海軍太平洋作戦史�T

＜エイ部隊＞：ヒラメ部隊（魚）を参照。

＜エイブラハム・リンカーン＞：CVN-72（ニミッツ級空母）またはSSBN-602（ジョージ・ワシントン級弾道ミサイル原潜）を参照。

＜エイブラムス＞：M-1シリーズ（戦車）を参照。

＜エイブラムス＞：クレイトン・Ｗ・エイブラムス（Creighton W. Abrams, Jr）。1936年、ウェストポイント陸軍士官学校卒。騎兵部隊に入り、機甲科創設でそちらに移った。1944年12月のバルジの戦いでアメリカ陸軍第３軍第４機甲師団戦闘団Ｒを指揮し、バストーニュを解放。1964年、大将に昇任して陸軍参謀次長となった。1967-72年、ベトナム派遣軍総司令官。1972-74年、陸軍参謀総長を務めたが、任期中に病死した。ちなみに息子のジョン・Ｎ・エイブラムズは1998年、ロバート・Ｂ・エイブラムズは2015年に大将に昇任している。参考：月刊軍事研究3,’16、4,’16、月刊PANZER7,’05

＜エイブル＞：T-AGOS-20（音響測定艦）を参照。

＜エイブル・アーチャー８３＞：NATO軍が1983年11月2-11日に実施した図上演習。ソ連の先制核攻撃に対してNATO軍が反撃する際の手順を確認するもので、実戦的にするため、NATO軍はデフコン１の態勢を取り、無線封鎖を実施、連絡手段には全て暗号を使用した。ライアン作戦を実施中のソ連は演習ではなく先制核攻撃をするつもりではと恐れ、KGB諜報員12000名による厳重な情報収集態勢を取っている。参考：月刊軍事研究3,’12

＜衛兵（アメリカ海軍）＞：担当区域と視界内の政府資産を監視し、区域内の見回りを行い、視聴界内の事象に気を配り、火災や混乱に際して警報を発し、正式な許可証の無い者は通過させず、不審者を尋問し、目に余る秩序侵害を報告する。指示以外の事態に遭遇したら衛兵勤務兵曹の指示を仰ぐ。他の衛兵からの要請は復唱伝達する。任務遂行に必要でない会話はしない。全士官及びケースに収納されていない軍旗・軍艦旗には敬礼を行う。交替の際は司令、当直士官、衛兵司令、衛兵長の全命令を伝達し、正式の交替を経た後に担当区域を離れる。参考：米海軍サバイバル・マニュアル

＜衛兵（日本海軍）＞：要員は各分隊（主に兵科）から派出する。参考：海軍よもやま物語

＜衛兵（日本陸軍）＞：衛戌（えいじゅ）衛兵と風紀衛兵に分かれる。営門にある衛兵所に詰めている。将校が営門を出入りする際には歩哨が「将校」と叫ぶので、席を立ち、不動の姿勢で敬礼を行う。宿営の際には舎営衛兵、露営衛兵、部隊衛兵が置かれる。参考：衛兵勤務必携、新兵サンよもやま物語、作戦要務令

＜衛兵伍長（日本海軍）＞：各当直で衛兵を指揮し、巡回や上陸員送迎などを行う役職で、なりたての下士官が任命される。参考：海軍よもやま物語

＜衛兵司令（日本陸軍）＞：衛戌衛兵司令または風紀衛兵司令を参照。

＜衛兵隊（日本海軍）＞：４直制（１日４交替）であり、トップは先任衛兵伍長で、その下に衛兵伍長がいる。艦隊入港の際には衛兵司令と衛兵副司令（兵科中尉）を臨時に置き、衛兵副司令以下が上陸先の歓楽街などを巡回して軍紀風紀の維持監視にあたる。参考：海軍よもやま物語、歴史群像8,’17

＜衛兵副官（アメリカ海軍）＞：Junior Officer Of the Watch（JOOW）。事実上は当直士官の見習士官で、報告を当直士官に上げる。参考：米海軍サバイバルマニュアル

＜エイペックス＞：R-23シリーズ（空対空ミサイル）を参照。

＜永豊＞：1301（掃海艇）を参照。

＜永豊＞：中国海軍砲艦。川崎重工が設計して輸出したものである。排水量830トン。後に中山と改称された。日華事変時に揚子江で九六式艦攻の攻撃を受けて沈没した。参考：小艦艇入門

＜永豊級＞：台湾海軍掃海艇ユンフェン（Yungfeng）級、別名MWV50型。ドイツに石油掘削リグ支援船として発注し、台湾で掃海艇に艤装したもので、掃海だけでなく機雷掃討にも使用できる。船体は木造で、船体装備の機雷探知機を持つ。全長49.7m、全幅8.7m、吃水3.1m、満載排水量500トン。主機はディーゼル、出力2180馬力、２軸推進、速力14ノット。兵装はピングイン型機雷処分具２基、12.7mm単装機銃２丁。乗員45名。1995年に艦番号1301永豊、1302永嘉、1303永定、1304永順の４隻が就役した。本当は８隻以上就役する予定だったが、保守整備部品に関するスキャンダルが発覚して打ち切られている。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊軍事研究7,’05

＜エイボンＲＡ．２８−４９＞：ロールスロイス社のターボジェットエンジン。乾燥重量1.314トン。常用推力3.924トン、最大連続推力4.24トン（30分間のみ）、最大推力4.536トン（10分間のみ）。X-13実験機に搭載された。参考：月刊JWings10,’05

＜永萬丸＞：日本の貨物船。総トン数6968トン。昭和19年12月30日、ヒ八六船団の一員としてシンガポールを出港。昭和20年1月12日、仏印沖で航空攻撃を受け沈没した。参考：輸送船入門

＜エイミング・ポスト＞：照準用支柱。地面に立てて照準の助けにする棒のこと。参考：コンバット・バイブル２

＜エイムズバリー＞：APD-46（高速輸送艦）またはDE-66（護衛駆逐艦）を参照。

＜エイモス＞：R-33シリーズ（空対空ミサイル）を参照。

＜永陽＞：1306（掃海艦）を参照。

＜永洋丸＞：日本の油槽船。昭和19年8月10日0500、ヒ七一船団の一員として伊万里湾を出撃。8月18日0524、バシー海峡南端イトバヤト島の西60海里でアメリカ潜水艦の雷撃を受け、魚雷１本を被雷、護衛艦１隻と共に高雄に引き返した。参考：輸送船入門

＜栄誉礼（自衛隊）＞：自衛隊で最も格式の高い礼式。儀仗隊による捧げ銃と、音楽隊による栄誉礼冠譜及び祖国の演奏からなる。受礼資格者は自衛隊法施行規則で定められており、天皇、皇族、内閣総理大臣、国務大臣、衆議院議長、参議院議長、最高裁長官、防衛庁長官／防衛大臣、防衛庁／防衛省政務次官、防衛庁／防衛省事務次官、統幕議長／統幕長、陸海空幕僚長、国賓、国賓に準ずる賓客など。天皇、皇族、国賓、国賓に準ずる賓客に対しては、特別儀仗隊と中央音楽隊が栄誉礼を行い、特別儀仗隊は儀仗隊長の号令で着剣捧げ銃の敬礼、儀仗隊長は投げ刀の敬礼（儀礼刀を下に向ける）を実施、中央音楽隊は天皇には日本国国歌のみ、国賓・国賓に準ずる賓客には相手国国歌、日本国国歌、栄誉礼冠譜４回、祖国を演奏する。栄誉礼が終わると受礼者は儀仗隊長の先導で巡閲・閲兵し、その間特別儀仗隊は捧げ銃、中央音楽隊は巡閲の譜の演奏を行う。大臣などには部隊で選抜した隊員により適宜編成した儀仗隊（１個小隊または２個分隊編成）が栄誉礼を実施する。参考：陸上自衛隊地上戦力の全容、月刊JWings8,’16、MAMOR vol.152

＜栄誉礼冠譜（自衛隊）＞：栄誉礼の際に演奏される譜面で、高位高官の名誉を称え、敬意を表するものである。受礼者により内容が異なっており、皇族から陸海空幕僚長には４種類、自衛隊の将には３種類、将補には２種類、外国軍大将には４種類、中将には３種類、少将には２種類、准将には１種類の楽節を組み合わせて演奏する。参考：陸上自衛隊地上戦力の全容

＜エイラート＞：K-40（駆逐艦）を参照。

＜エイラート＞：イスラエル海軍サール５級コルベット。1994年5月就役。参考：JShips VOL.70

＜エイラート級＞：サール５級（コルベット）を参照。

＜エイラート撃沈＞：第３次中東戦争停戦直後の1967年10月21日夕方、イスラエル海軍駆逐艦K-40エイラートがエジプト領海ギリギリのポートサイド沖を哨戒していた際、1730頃にポートサイド港内からエジプト海軍コマール級ミサイル艇によるP-15M艦対艦ミサイル２発の射撃を受けた。気付いたのは命中２分前で、増速と変針を命じ、機銃を乱射したが、２分間隔で艦中央部第２缶室と同機械室に被弾して機関系と電源を喪失、行動不能になった。ダメコン作業で曳航すれば帰還できる状態まで復旧したものの、救援が遅れているうちに艦の維持が困難となり、1945に総員退艦を発令。直後にP-15M対艦ミサイル２発が飛来し、うち１発が後部に命中、もう１発が至近の海上で炸裂し、１分後にエイラートは沈没した。人的損害は戦死19名、行方不明者28名、戦傷91名である。対艦ミサイルが初めて実戦で使用され、高い命中率と威力を証明した戦闘であり、これを受けて西側海軍は対艦ミサイル防衛用個艦防御システム（シースパローBPDMSとファランクス）整備に乗り出すこととなった。各国での対艦ミサイル開発やミサイル艇整備も一挙に進み、ペンギン、ガブリエル、エグゾセ、オトマート、ハープーンなどが誕生、艦対空ミサイルに対艦モードを追加するようになり、1967年のミサイル艇保有国・保有数は８カ国172隻だったのが、10年後の1976年には26カ国479隻に達している。参考：月刊世界の艦船4,’14、9,'22、11,’17、6,'20、月刊丸12,’92、3,’90、日本の防衛戦力Part3

＜エイリー＞：南アフリカのナショナル・ダイナミクス社が開発したRPV。胴体はグラスファイバー、カーボンファイバー、ケブラー、低密度コアによる一体成形で、主翼は結合翼としている。主任務は偵察、砲兵観測、捜索救難、電子戦、ECM、対地攻撃である。全長3.43m、翼幅4.27m、離陸重量136kg。エンジン出力30馬力、推進はシュラウド付プッシャープロペラ、最大速度222km、飛行高度4570m、航続時間５時間以上。レーザー照射装置やロケット弾４発の装備も可能。システムは作戦機１機、中継機１機、移動式地上ステーション（化学兵器防御）、発射回収施設、整備保管トラックで構成される。参考：スパイ機

＜英霊＞：死者の霊の尊称。戦死者の霊魂のこと。英霊が収められて遺族に渡された白木の箱は開けてはいけないことになっていたが、遺骨にしてはあまりに軽いので開けてみると認識票だけだったり、小石だったり、紙だったりした。洋上や海中で戦死すると遺骨や遺品を回収するのはまず無理なので、認識票があるだけマシではある。参考：軍事用語の基礎知識

＜エインズワース＞：FF-1090（フリゲート）を参照。

＜エヴァーソール＞：DE-404（護衛駆逐艦）を参照。

＜エヴァーツ＞：DE-5（護衛駆逐艦）を参照。

＜エヴァーツ級＞：アメリカ海軍護衛駆逐艦Evarts級。第２次大戦時に計画された護衛駆逐艦（1005隻計画、563隻完成）のうち、ディーゼル・エレクトリック推進を採用したもので、GMT（GM Tandem Diesel）型とも呼ばれる。また、他の護衛駆逐艦よりも船体が短い（イギリス海軍のフリゲート並み）ので、短船体型護衛駆逐艦とも呼ばれた。第２次大戦中の対潜護衛艦急造で造船所が埋まったイギリス海軍が、アメリカに緊急建造を依頼してきたもので、要求は全長280フィート（85.3m）・最大速力24ノット、対潜兵装と５インチ砲２門と３連装魚雷発射管１基だった。これに基づき、将来的にアメリカが参戦した場合にアメリカ海軍でも運用することを考えて1941年2月に海軍所艦船局が設計したが、アメリカ海軍用兵側から不満が出され5月に計画がストップ。しかしイギリス側は計画が進行していると思っており、6月に100隻のレンドリースを要請したため、アメリカとイギリスで新仕様を擦り合わせ、ギブス＆コックス社が設計にあたり、8月15日にルーズベルト大統領が建造を承認した。全溶接及びブロック建造方式を採用し、船首材には厚肉鋼管を使用するなど、生産性に最大限の配慮を行っている。船体は平甲板型で、小さめのフレアと大きなシーアを持つ。構造部材は普通鋼で、機関部へのスプリンター防御は施さなかった。砲熕兵装は５インチ砲２門を予定したが、生産が間に合わないとして３インチ砲３門に変更、船体が短いので魚雷発射管も積めなかった。主機はターボ・エレクトリック方式にする予定だったが、減速歯車の生産能力が乏しかったため、ディーゼル・エレクトリック方式を採用。ディーゼル８基を搭載する予定だったが、ディーゼル機関は揚陸艦艇に優先供給されていたため不足気味で、最大速力低下を忍んで搭載数を半分に減らしている。上部構造物が前後に分かれており、他の護衛駆逐艦よりも煙突が低め。操舵室の上にソナー室を設け、背後をオープンブリッジとしてあり、艦橋の背が高い。マスト上部にはSL対水上レーダーのレドーム、頂部にはSA対空レーダーのスプリング状アンテナを持つ。搭載ソナーはQCシリーズ。舵は２枚舵で、旋回半径の縮小に役立っている。全長88.22m、幅10.69m、吃水2.51m、基準排水量1140トン、満載排水量1360トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、GM式278Aディーゼル４基・直流発電機（出力1200kW）４基・電動機４基、出力6000馬力、２軸推進、速力21ノット、燃料搭載量126トン、航続距離6000海里（12ノット）。兵装は50口径7.6cm単装両用砲３門、40mm連装機関砲１基（初期艦は28mm４連装機関砲１基、後に40mm連装機関砲に換装）、爆雷投射機（Ｋ砲）８基（後甲板。４基斉射で艦尾135度に爆雷を投射する）、ヘッジホッグ１基（前甲板）、爆雷投下軌条２条（後甲板）。乗員156名（平時）／198名（戦時）。73隻が起工され、DE-308クリーマー、DE-309エリー、DE-310デルバート・Ｗ・ハルゼー、DE-311ケプラー、DE-312ロイド・トーマス、DE-313ウィリアム・Ｃ・ローウェ、DE-314ウィラード・ケイス、DE-315は途中で建造中止となり、DE-5エヴァーツ、DE-6ワイフェルス、DE-7グリスウォルド、DE-8スティール、DE-9カールソン、DE-10ビーバス、DE-11クロウター、DE-13ブレナン、DE-14ドハーティ、DE-15オースティン、DE-16エドガー・Ｇ・チェイス、DE-17エドワード・Ｃ・デイリー、DE-18ギルモア、DE-19バードン・Ｒ・ヘイスティングス、DE-20ル・ハーディ、DE-21ハロルド・Ｃ・トーマス、DE-22ワイルマン、DE-23チャールズ・Ｒ・グリーア、DE-24ホイットマン、DE-25ウィントル、DE-26デンプシー、DE-27ダフィ、DE-28エメリー、DE-29スタッドフェルト、DE-30マーチン、DE-31シーダーストロム、DE-32フレミング、DE-33ティスデイル、DE-34アイセル、DE-35フェア、DE-36マンラブ、DE-37グライナー、DE-38ワイマン、DE-39ラヴァリング、DE-40サンダース、DE-41ブラケット、DE-42レイノルズ、DE-43ミッチェル、DE-44ドナルドソン、DE-45アンドレス、DE-47デッカー、DE-48ドブラー、DE-49ドネフ、DE-50エングストロム、DE-256サイド、DE-257スマート、DE-258ウォルター・Ｓ・ブラウン、DE-259ウィリアム・Ｃ・ミラー、DE-260カバナ、DE-261ディオンヌ、DE-262キャンフィールド、DE-263ディード、DE-264エルドン、DE-265クラウス、DE-301レイク、DE-302ライマン、DE-303クロウリー、DE-304ロール、DE-305ハロラン、DE-306コノリー、DE-307フィネガン、DE-527オツール、DE-528ジョン・Ｊ・パワーズ、DE-529メイソン、DE-530ジョン・Ｍ・バーミンガムの65隻が就役した。また、イギリスにDE-1、DE-2、DE-3、DE-4、DE-12、DE-46、DE-266、DE-267、DE-268、DE-269、DE-270、DE-271、DE-272、DE-273、DE-274、DE-275、DE-276、DE-277、DE-278、DE-279、DE-280、DE-516、DE-517、DE-518、DE-519、DE-520、DE-521、DE-522、DE-523、DE-524、DE-525、DE-526の32隻が引き渡されている。参考：アメリカ護衛艦史、第２次大戦のアメリカ軍艦

＜エヴァレット＞：PF-8（フリゲート）を参照。

＜エヴァレット・Ｆ・ラーセン＞：DE-554（護衛駆逐艦）を参照。

＜エヴァレット・Ｆ・ラーソン＞：DD-830（駆逐艦）を参照。

＜エヴァレット海軍基地＞：アメリカ海軍基地Naval Station Everett。レーガン大統領の戦略母港構想（母港を分散して抗堪性を増す）に基づき、ワシントン州エヴァレット（シアトルの北40km）に1987年11月から建設され、1992年6月に開設された。1997年1月、CVN-72エイブラハム・リンカーンが配備され、原子力空母の母港となった。参考：月刊世界の艦船9,’13

＜エヴァンス＞：DD-552（駆逐艦）またはDE-1023（護衛駆逐艦）を参照。

＜エヴァンスビル＞：PF-70（フリゲート）を参照。

＜エヴゲーニィ・コチェシュコフ＞：ロシア海軍プロジェクト12322ズブル級LCAC、艦番号770 Evgeny Kocheshkov。2015年7月1-5日、IMDS2015に参加。2017年6月28日から7月2日、IMDS2017に参加。参考：月刊軍事研究10,’15、10,’17

＜エウジェニオ・ディ・サヴォイア＞：イタリア海軍デュカ・ダオスタ級軽巡洋艦Eugenio di Savoia。1936年竣工。1951年、戦後賠償艦としてギリシャに引き渡され、ヘレとなった。参考：近代巡洋艦史

＜エウロ＞：F575（フリゲート）を参照。

＜エウローパ＞：イタリア海軍水上機母艦兼潜水母艦（Nave pev transport i drovolanti e appogio Sommevgibili）Europa。第１次大戦参戦に伴い水上機母艦エルバだけでは能力不足になったため、貨物船クアルト（1895年8月竣工）を購入し、水上機母艦（兼潜水母艦）に改造したものである。船体前後の格納庫に水上機８機を収容でき、揚収用デリック４基を装備する。全長123.1m、幅14m、吃水5.8m、常備排水量8805トン。主機はレシプロ蒸気機関１基、主缶は円缶２基、出力2594馬力、速力12.2ノット。兵装は7.6cm高角砲２門。水上機８機を搭載する。乗員250名。1915年2月6日購入、10月6日竣工。第１次大戦ではアドリア海方面に配備された。1920年9月10日に除籍され、その後解体された。参考：月刊丸7,’14、月刊世界の艦船11,’00

＜エーエイチ＞：AH-1S対戦車ヘリ（陸上自衛隊）を参照。

＜エーグル＞：フランス海軍エーグル級駆逐艦Aigle。1932年竣工。1940年6月13日からヴァード作戦に参加。1942年11月にツーロンで自沈した。1943年に浮揚されたが、11月24日に連合軍の爆撃を受けて沈没した。参考：第２次大戦のフランス軍艦、月刊世界の艦船2,’18

＜エーグル級＞：フランス海軍駆逐艦Aigle級。ゲパール級の改良型で、主砲を半自動式の1927年型13.8cm単装砲に換装しており、発射速度が毎分12-15発になった。全長128.5m、幅11.8m、吃水5m、基準排水量2441トン。主機は蒸気タービン、出力64000馬力、速力36ノット。兵装は1927年型13.8cm単装砲５門、37mm機関砲４門、55cm魚雷３連装発射管２基。1927年度計画により６隻が建造され、エーグル、ヴォートゥール、アルバトロス、ジェルフォー、ミラン、エペルヴィエが1932-34年に竣工した。ミランとエペルヴィエは主機を38000馬力に強化、前部の３連装魚雷発射管を外して両舷に連装発射管２基を搭載するなど、いくつか変更がある。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜エーゴン＞：ドイツ空軍爆撃機編隊用航法装置Egon。160km離れた２カ所のFuMGフライア早期警戒レーダー基地を使用するもので、爆撃機編隊はあるフライア基地から目標までの距離を半径とする円周上を飛行（フライア基地がレーダーで編隊を捉えて無線でコース修正を伝える）し、もう１つのフライア基地が目標と編隊の距離を測定して投下地点に来たら投下命令を発する。爆撃機はフライア基地からの無線さえ聞いていれば、悪天候でも夜間でも目標への爆撃が可能。方位誤差は0.3度以内で、フライア基地から274km先でも誤差0.2kmで投弾できた。シュタインボック作戦から使用している。参考：世界の傑作機No.145

＜エーザウ＞：ヴァルター・エーザウ（Walter Oesau）。ドイツ空軍エース。1913年6月28日、ファーネヴィンケル生まれ。ドイツ陸軍第２砲兵連隊からドイツ空軍空輸飛行学校に転属し、1938年に戦闘機部隊に配属された。スペイン内戦には第88戦闘飛行隊本部所属で参加し、1938年7月15日にI-15戦闘機を撃墜して初撃墜（コンドル軍団としても初）を達成。スペイン内戦では計８機を撃墜した。第２次大戦開戦時は第51戦闘航空団第７飛行中隊長だった。1940年8月、第51戦闘航空団第３飛行隊長となった。8月20日、20機撃墜で騎士鉄十字章を受章。1941年2月2日、ドイツ空軍４人目の40機撃墜を達成。6月、第３戦闘航空団第３飛行隊長となり、東部戦線に移って44機を撃墜。その後西部戦線に戻り、第２戦闘航空団司令となった。1942年7月15日、剣付柏葉騎士十字章を受章。10月26日、ドイツ空軍３人目の100機撃墜を達成した。1943年10月8日、第１戦闘航空団司令となった。1944年5月11日、爆撃機の迎撃に出撃したが、アーヘン付近でP-38戦闘機に撃墜されて戦死した。その後、第１戦闘航空団にエーザウのニックネームが冠されている。総撃墜機数127機（123機？うち４発重爆10機）。最終階級は少佐。参考：グラフィックアクション36

＜エージェント＞：情報機関に傭われてスパイ活動を行う人物のこと。工作員とは別物。参考：月刊軍事研究8,’11

＜エース＞：Ace。敵機５機以上を撃墜したパイロットのこと。第１次大戦中にフランス空軍パイロットが腕利きの同僚をアス（トランプのエースのこと）と呼んだのが始まりで、最初は10機撃墜だったが、その後５機撃墜になった。ドイツ空軍は戦闘経験や性格なども踏まえてエクスペルテと呼んでいる。第２次大戦頃までは申告に誤りがあることも多かったが、今はレーダーで全て見られているので嘘はつけない。ステルス全盛になったらどうなるかは分からない。参考：歴史群像2,’08、月刊JWings11,’99、月刊軍事研究4,’11、図解世界の軍用機史

　＜エース（アメリカ空軍）＞：朝鮮戦争ではF-86パイロット39名がエースとなった。トップエースはマッコーネル大尉の16機（全てMiG-15戦闘機）。参考：月刊丸9,’03

　＜エース（ソ連空軍）＞：50機以上撃墜は７名で、イワン・コジェドゥフ（62機）、アレクサンドル・ポクリシュキン（59機）、グレゴリ・レチカロフ（56機）、Ｋ・ヤフステグネフ（56機）、ニコライ・グライエフ（53機）、アレクサンドル・クロボフ（50機）、ドミトル・グリンカ（50機）。女性エースが２名（リディア・リトヴァックなど）いる。参考：月刊丸1,’77

　＜エース（ドイツ空軍）＞：第１次大戦のトップエースはマンフレート・フォン・リヒトホーヘン（80機）、２位はエルンスト・ウーデッド（62機）である。第２次大戦では東部戦線で練度の低いソ連軍機相手に大量のスコアを挙げたエースが多く、練度や機体性能が低い戦闘機、護衛無しで出撃してくる爆撃機や攻撃機を相手に撃墜数を稼いだが、それでも連合軍の物量の前に押し潰されてしまった。100機以上のエースが100名以上、150機以上でも35名と、あまりに撃墜数が多すぎるので疑問も呈されたが、僚機または地上部隊が撃墜を確認していないと公認されないため、ガンカメラに頼っている連合軍のスコア以上に正確な数であるとみられている。スコア順にエーリッヒ・ハルトマン（352機）、ゲルハルト・バルクホルン（301機）、ギュンター・ラル（272機）、オットー・キッテル（267機）、ヴァルター・ノヴォトニー（258機）、ヴィルヘルム・バッツ（237機）、エーリッヒ・ルドルファー（222機）、ハインリッヒ・ベア（ハインツ・ベール？220機）、ヘルマン・グラーフ（212機）、ハインリヒ・エールラー（209機）、テオドール・ヴァイセンベルガー（208機）、ハンス・フィリップ（206機）、ヴァルター・シュック（206機）、アントン・ハーフナー（204機）、ヘルムート・リップフェルト（203機）、ヴァルター・クルピンスキー（197機）、アントン・ハックル（192機）、ヨアヒム・ブレンドル（189機）、マックス・シュトッツ（189機）、ヨアヒム・キルシュナー（188機）、クルト・ブランデル（180機）、ギュンター・ヨシュテン（178機）、ヨハンネス・シュタインホフ（178機）、ギュンター・シャック（174機）、エルンスト・ヴィルヘルム・ライネルト（174機）、ハインツ・シュミット（173機）、エミール・ランク（173機）、ホルスト・アデマイト（166機）、ヴォルフ・ディートリヒ・ヴィルケ（162機）、ハンス・ヨアヒム・マルセイユ（158機）、ハインリヒ・シュトルム（158機）、ゲルハルト・トュイベン（157機）、ハンス・バイスヴェンガー（152機）、ペーター・デュットマン（152機）、ゴードン・ゴロープ（150機）、フリッツ・テクトマイアー（146機）、アルビン・ヴォルフ（144機）、クルト・タンツァー（143機）、フリードリヒ・カール・ミュラー（140機）、ハインリヒ・セッツ（138機）、ルドルフ・トレンケル（138機）、カール・グラーツ（138機）、ヴァルター・ヴォルフラム（137機）、ホルスト・ギュンター・フォン・ファッソンク（136機）、オットー・フェンネコルト（136機）、カール・ハインツ・ヴェーバー（136機）、ヨアヒム・ミュンヒェベルク（135機）、ハンス・ヴァルトマン（134機）、フランツ・シャール（133機）、アルフレート・グリスラウスキー（133機）、ヨハンネス・ヴァイゼ（133機）、アドルフ・ディックフェルト（132機）、アドルフ・ボルヒャース（132機）、エルヴィン・クラウゼン（132機）、ヘルベルト・イーレフェルト（132機）、ヴィルヘルム・レムケ（131機）、ゲルハルト・ホフマン（130機）、ハインリヒ・シュテール（129機）、フランツ・アイゼナハ（129機）、ヴァルター・ダール（129機）、フランツ・ドール（128機）、ヴァルター・エーザウ（127機）、ルドルフ・ラーデマッヒャー（126機）、ヨーゼフ・ツェルネマン（126機）、ディートリッヒ・ハラバック（125機）、ヴォルフ・ウート・エーテル（124機）、ヴォルフガング・トンネ（122機）、ハインツ・マルクヴァルト（121機）、ロベルト・ヴァイス（121機）、エーリヒ・レイ（121機）、フリートリヒ・オプレイザー（120機）、フランツ・ヨーゼフ・ベーレンブロック（117機）、ハンス・ヨアヒム・ビルクナー（117機）、ヤーコプ・ノルツ（117機）、ハインツ・ヴェルニッケ（117機）、アウグスト・ラムベルト（116機）、ヴェルナー・メルダース（115機）、ヴィルヘルム・クリニウス（114機）、ヴェルナー・シュローア（114機）、ハンス・ダマース（113機）、ベルトホルト・コルツ（113機）、クルト・ビューリンゲン（112機）、クルト・ウーベン（110機）、フランツ・ヴォイディヒ（110機）、ギュンター・リュッツォウ（110機）、ヘルムート・レント（110機）、ラインハルト・ザイラー（109機）、エミール・ビッチ（108機）、ハンス・ハーン（108機）、ベルンハルト・ヴェヒテル（108機）、ヴィクトール・バウアー（106機）、ヴェルナー・ルーカス（106機）、ハインツ・シャッセンベルク（104機）、エバーハルト・フォン・ボレムスキー（104機）、アドルフ・ガーラント（103機）、ハルトマン・グラッサー（103機）、ジークフリート・フライターク（102機）、フリートリヒ・ガイスハルト（102機）、エゴン・マイヤー（102機）、マックス・ヘルムート・オステルマン（102機）、ヘルベルト・ロルヴァーゲ（102機）、ヨーゼフ・ヴュルムヘラー（102機）、ルドルフ・ミーティク（101機）、ヨーゼフ・プリラー（101機）、ウルリッヒ・ヴェルニッツ（101機）。参考：グラフィックアクション36、月刊丸1,’77、10,’10、戦闘機のしくみ

　＜エース（日本海軍）＞：太平洋戦争時、撃墜戦果は個人のものではなく、背後のカバーなどにあたる僚機とのチームプレイの結果であるとして、スコアを戦闘機隊または小隊単位での記録としたため、正確な個人撃墜数は分からなくなった。トップ10は西澤廣義（87機）、岩本徹三（約80機）、杉田庄一（約70機）、坂井三郎（64機）、奥村武雄（54機）、太田敏夫（34機）、杉野計雄（32機）、石井静夫（29機）、武藤金義（28機）、笹井醇一（27機）、赤松貞明（27機）。参考：日本海軍戦闘機隊、戦闘機のしくみ、月刊丸1,'15増刊

　＜エース（日本陸軍）＞：太平洋戦争中にスコアの公式記録を止めたため、正確な数は不明である。トップ10は篠原弘道（58機）、穴吹智（39機）、垂井光義（38機）、佐々木勇（38機）、黒江保彦（30機）、島田健二（27機）、隅野五市（27機）、柴田力男（27機）、金井守告（26機）、斉藤正午（26機）、細野勇（26機）。参考：日本海軍戦闘機隊、戦闘機のしくみ

＜エース・シリーズ＞：イギリス空軍試作ジェット戦闘機のグロスター社名称Ace。1942年から開発された。参考：月刊JWings3,’19

　＜ＧＡ．１＞：イギリス空軍省が1942年に発出した最初の仕様書E.5/42に基づいてグロスター社が設計した機体のイギリス航空機工業会名称。胴体両側にエアインテイクがあり、その後方から中翼配置の主翼が出ている。エンジンはハルフォード社製H.2ターボジェット（後のデハビランド社製ゴースト。推力4000ポンド・1.814トン）単発。３機が発注されたが、GA.3発注に伴い1945年9月に２機がキャンセルされた。残る１機は1947年7月に完成したが、トレーラーで工場から試験場に運ばれる途中に交通事故で全損、製作途中のGA.3初号機の部品取りに回されてしまった。参考：月刊JWings3,’19

　＜ＧＡ．２＞：イギリス空軍省がE.5/42の代わりに1944年2月に発出した仕様書E.1/44に基づく機体のイギリス航空機工業会名称。エンジン強化型のGA.3に進んだ。参考：月刊JWings3,’19

　＜ＧＡ．３＞：GA.2のエンジンをロールスロイス社製ニーンに換装したもの。ニーン搭載型がGA.2、その改良型がGA.3という説もある。全長11.58m、翼スパン10.97m、総重量6.146トン。翼面積23.62平方メートル。エンジンはロールスロイス社製ニーン（推力5000ポンド・2.268トン級）単発、最大速度998km、実用上昇限度13411m、上昇力12182mまで12分30秒、燃料搭載量1946リットル、航続距離1200km。固定武装はイスパノ20mm機関砲４門（前部胴体下部）。乗員１名。1945年1月に３機が発注されたが、性能不足で1946年11月末に実用化見送りが決まり、２機だけ完成させて試験に使うことになった。初号機は1947年末に完成したが、地上滑走試験で前輪の振動により前脚が破損してしまい、初飛行は1948年3月9日にずれ込んでいる。しかも後部胴体の製作が遅れて水平尾翼を当初予定していた垂直尾翼の半ばではなく胴体尾部に取り付けていたため、主翼後流に巻き込まれて効きが悪く、操縦性が最悪でテストパイロットから間抜け（Gormless）呼ばわりされる始末だった。２号機は予定通りの位置に水平尾翼を装着して1949年に初飛行し、所定の操縦性能を発揮したが、両機ともテストベッド機に回されて1951年に射撃標的となり破壊された。参考：月刊JWings3,’19

　＜ＧＡ．４＞：GA.3の改良型。1946年後半に40機が発注されたが、11月末の実用化見送りで全て取り消された。参考：月刊JWings3,’19

＜エース・オブ・スペーズ＞：VMA-231（飛行隊）を参照。

＜エーヌ会戦＞：第１次大戦中の1917年4月16日にフランス軍が開始した攻勢。フランス軍戦車が初めて実戦参加しており、まず砲兵の準備射撃で第一線陣地を粉砕、次いで反斜面陣地に構築された第二線陣地に戦車を突入させて突破し、そのまま第三線陣地に突入して塹壕線を破る計画だった。しかし準備射撃不足から急遽戦車を突入させることになり、シュマン・デ・ダームの尾根に進撃を開始したが、対戦車壕とＫ弾によってシュナイダー戦車132両中57両が撃破され、19両が行動不能となり、戦車兵の25%が戦死している。３週間後にサン・シャモン戦車16両を投入したが、車体や砲身が地面につっかえてまともに走れなかった。これによりフランスはルノーFT17など軽戦車の量産配備に切り替えている。参考：歴史群像12,’03

＜エーファ＞：カール自走臼砲２号車。

＜エーブル＞：Ａを表すアメリカ軍符丁で、朝鮮戦争まで使用された。

＜エームス研究所＞：アメリカの核施設。1947年、アイオワ州エームスに設立された。核物質と核廃棄物に関する研究を行っている。参考：核兵器事典

＜エーランデ要塞地帯＞：第２次大戦時、ドイツ軍がノルウェー占領後にノルウェー中部トロンハイム防衛のため建設した要塞地帯。トロンハイムに至るフィヨルドにあるエーランデ近郊10km四方の範囲に砲台が設置され、トロンハイムに第�]�]�]�V軍団司令部、北岸艦隊司令部、第702歩兵師団司令部、エーランデに第506・第507海軍沿岸砲兵大隊、その南に第975陸軍沿岸砲兵連隊第�U大隊、トロンハイム近郊に複数の飛行場、エーランデに防空用飛行場、エーランデからトロンハイムに至る水路に防潜網、その外側に機雷原を配置した。内層にはブレティンゲン要塞（15cmSKC/26艦砲４門、アームストロング21cmカノン砲M02を２門）、ヒュスネス要塞（アームストロング21cmカノン砲M97を２門、アームストロング15cmカノン砲M97を３門）、ハンバーラ要塞（アームストロング15cmカノン砲M97を２門と推定。他に45cm魚雷発射管４門）、ハッセヴィルケ要塞（45cm魚雷発射管４門）、ラクハウケン砲台（15cm SK L/45艦砲４門）、スタールダル砲台（10.5cmSKC/32艦砲３門）、外層にはエーランデ砲台（グナイゼナウから外したツェーザー砲塔。28cm SK C/34艦砲３門）、フセエン砲台（28cm SK L/45艦砲３門）、ストールフォセン砲台（15cmカノン砲K403(j)４門）、ホエ砲台（10.5cm重カノン砲K331(f)４門）、ボウダ砲台（10.5cm重カノン砲K335(h)５門）、レクサ砲台（不明）が建設されている。第２次大戦終結後、エーランデ砲台はノルウェー軍が使用し、1953年6月16日に最後の射撃を行い、1968年に運用を停止、1991年から博物館として公開されている。参考：月刊軍事研究6,’16

＜エーリッヒ・ギーゼ＞：Z-12（駆逐艦）を参照。

＜エーリッヒ・ケルナー＞：Z-13（駆逐艦）を参照。

＜エーリッヒ・シュタインブリンク＞：Z-15（駆逐艦）を参照。

＜エーリッヒ・ハルトマン＞：ハルトマン（ドイツ空軍エース）を参照。

＜エーリッヒ・ルドルファー＞：ルドルファー（ドイツ空軍エース）を参照。

＜エール＞：BT-9シリーズ（練習機）を参照。

＜エールウィン＞：DD-355（駆逐艦）を参照。

＜エール・フランス航空エアバス機ハイジャック事件＞：1994年に発生したハイジャック事件。フランス特殊部隊GIGNが出動し、犯人４人全員を射殺、乗客乗員全員を救出した。参考：防衛技術ジャーナル1,’07

＜エールラー＞：ハインリヒ・エールラー（Heinrich Ehrler）。ドイツ空軍エース。1941年、ドイツ空軍第５戦闘航空団に配属された。1944年、第５戦闘航空団司令となった。11月、200機撃墜を達成。1945年4月4日に戦死した。最終階級は少佐。撃墜機数208機（209機？）。参考：グラフィックアクション36

＜エーレット＞：フランス海軍エーレット級一等通報艦Ailette。1918年就役。第２次大戦前は漁業保護任務に就いていた。第２次大戦開戦後はビスケー湾で対潜哨戒任務を行い、モロッコで武装解除され、1941年に解体された。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜エーレット級＞：フランス海軍一等通報艦Ailette級。マルヌ級の機関改良型である。全長74m、全幅8.3m、吃水3m、基準排水量492トン。主機は蒸気タービン、出力5000馬力、速力20ノット。兵装は10cm単装砲４門、7.6cm単装砲１門。エーレットが1918年に就役した。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜エーワー＞：ガーナ海軍スネーク級哨戒艇Ehwor。参考：月刊世界の艦船2,’12

＜エーンドラハト＞：デ・ゼーベン・プロビンシェン（巡洋艦）を参照。

＜エカテリーナ２世＞：ロシア海軍インペラトリーツァ・マリーヤ級戦艦Ekaterina �U。竣工直前にインペラトリーツァ・エカテリーナ２世（Imperatritsa Ekaterina �U）に改称された。1915年竣工。1917年、２月革命を受けてスヴォボードナヤ・ロシア（Svobodnaya Rossiya、自由ロシア）と改称された。1918年、ドイツとの講和でドイツに引き渡されることになったが、それを不満とする乗員らが駆逐艦で雷撃を加えたため、ノヴォロシースク沖で沈没した。参考：近代戦艦史

＜エカテリンブルグ＞：K-84（原潜）を参照。

＜液化天然ガスエンジン＞：ガソリンの代替として液化天然ガスを使用するエンジン。構造は４サイクルエンジンと同じで、気化器の代わりに液化天然ガスを気化して減圧するミキサーが付いている。ガソリンエンジンに比べて加速性がやや落ちる。参考：自動車メカニズム図鑑

＜液気圧式復座機＞：復座機を参照。

＜液酸コンバータ＞：自衛隊の機器。エーテック製。参考：月刊軍事研究4,’18

＜液酸コンバータ・パージング装置＞：自衛隊の機器。東京航空計器製。参考：月刊軍事研究8,’17

＜液酸タンク�X型超断熱型・移動式・２００Ｌ＞：自衛隊の機器。エーテック製。参考：月刊軍事研究4,’18

＜液状有毒化学剤検知・識別装置＞：自衛隊の機器。住商エアロシステムが受注している。参考：月刊軍事研究11,’11

＜エキストラクションロープ＞：陸上自衛隊の人員吊り下げロープ。ヘリに隊員をぶら下げて離脱する（スパイリギング）時に使用する。参考：JGround Vol.11

＜エキストラクター＞：抽筒子を参照。

＜液体金属冷却原子炉＞：LMR（Liquid Metal Reactor）と略す。一次冷却水の代わりに液体金属を使用した高速中性子原子炉である。軍事用としてはアメリカがナトリウムを使用してS2G原子炉を、ソ連がビスマス・鉛合金を使用してVT-1原子炉を製作した。液体冷却材を水よりも高温にできるため出力を向上でき、熱交換効率も高く、自然循環式にできるため循環ポンプが要らず静粛で、一次冷却系を加圧する必要が無く二次冷却系の圧力が高いため蒸気発生器が破損しても二次冷却系に放射能が漏れない、一次冷却系を耐圧構造にする必要が無いという利点がある。欠点は、一次冷却系を常に高温に保っておかないと固着して閉塞すること、ナトリウムを使用すると腐蝕の問題及び漏れた場合に二次冷却水と接触して炎上する問題があること、ビスマス・鉛合金を使用すると腐蝕の問題及び一次冷却系にポロニウム210が発生して保守整備が困難となること。これらの欠点によりアメリカではシーウルフ級の初航海前からナトリウムが蒸気発生器配管を腐食させる事故が発生、短期間の試験運用のみに終わった。ソ連では645型が大事故を起こして海底に沈められたが、その後705型７隻が就役している。参考：ソ連／ロシア原潜建造史、月刊軍事研究6,’07月刊世界の艦船11,’11、6,’21、10,’23

＜液体散布車＞：陸上自衛隊の化学消防車。化学防護隊や中央特殊武器防護隊本部対焼夷小隊が装備する消防車で、液化化学消火剤（ライトウォーター）１トンと水２トンを搭載し、荷台上の放水銃から放水して油脂火災などを消火する。全長8.6-8.85m、全幅2.5m、全高3.5m、全備重量15.88トン。最大速度115km。宮田工業またはいすゞ自動車またはジーエムいちはら工業製。参考：自衛隊装備年鑑1996、自衛隊装備カタログ1981、スピアヘッドNo.16、陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜液体推進ロケット＞：液体推進剤を使用するロケット。液体推進剤を燃焼室に送り込んで燃焼させるが、燃焼室内より高い圧力で送り込まないと炎が逆流してくるため、高圧タンクやポンプを使用する。燃料は民間用では液体水素だが、沸点がマイナス252.6℃で貯蔵に向かないので、ケロシン、アルコール、ヒドラジンなどを使う。酸化剤は当初液体酸素を使用していたが、沸点が絶対温度90Ｋ・摂氏マイナス183℃と低いため、タンク内に貯蔵しておくと蒸発してしまい、発射直前に燃料を充填する必要がある。こちらも民間用ならともかく軍用では問題があるため、後に燃料をタンクに入れたまま数ヶ月間貯蔵可能な新型酸化剤が開発された。燃料や酸化剤の供給量を変えれば推力を変化させることが可能で、微妙な飛翔制御が行える。燃料と酸化剤を混ぜただけで点火するタイプ（Hypergolic）もあり、ソ連は常温長期貯蔵できる非対称ジメチルヒドラジン＋抑制赤煙硝酸／四酸化二窒素の組み合わせで使用しているが、事故などの危険性も高いため、アメリカ海軍では艦上兵器への採用を禁止している。推進剤を燃焼室内の触媒に接触させて高温高圧のガスに転換するのが一液式で、タンクが１つで済み、点火器も要らない。推進剤にはヒドラジン、触媒にはイリジウムを使うが、推力が小さいので、人工衛星の姿勢制御や軌道変更などにしか使えない。参考：月刊JWings10,’16、12,’03、月刊軍事研究3,’05、8,'15、月刊世界の艦船11,'22、航空ジャーナル9,’77臨時増刊、月刊航空情報3,’10

＜液体装薬＞：液体状の発射薬。固体装薬に比べ、燃焼温度が低く砲腔内面の摩耗・腐食が少ない、砲口外での装薬燃焼が少なく発射炎が小さい、貯蔵容量が少なくて済む、製造の自動化が容易で安価、などの利点がある。また、燃焼速度が緩やかで、砲弾が砲身を移動する間ずっと加速され続けるので、砲口初速を固体装薬の２倍程度まで高められる。装填機構を単純化できるので発射速度も上がる。一液式と二液式、BLPとRLPといった分類がある。燃焼速度の安定化が上手くいかないらしく、まだ実用化されていない。参考：月刊PANZER4,’03、月刊世界の艦船11,’14

＜液体燃料タンク＞：スペースシャトルのオービターのメインロケット燃料を搭載するタンク。外面にアルミニウム製の断熱材が張られており、オレンジ色をしている。この断熱材は比較的柔らかく、キツツキにつつかれて穴だらけになったため飛行延期になったことがある。また、マーシャル宇宙飛行センターに展示してあるものには見物客が投げつけたコインが刺さっている。全長47m、直径8.4mで、内部に液体水素・液体酸素726トンを搭載する。発射後、地球周回軌道近くで切り離され、大気圏で燃え尽きる。参考：月刊Jwings4,’03、世紀の失敗物語

＜エギュィヨン＞：N-20シリーズ（試作戦闘機）を参照。

＜エキュレイユ＞：AS350シリーズ（ヘリ）またはAS550シリーズ（ヘリ）またはH125（ヘリ）を参照。

＜エキュレイユ２＞：AS355シリーズ（ヘリ）を参照。

＜エキュレイユ＋＞：AS350BA（ヘリ）を参照。

＜益陽＞：548（054A型フリゲート）を参照。

＜液冷式＞：冷却液を使用して過熱した銃身やエンジンを冷却する方式のこと。冷却液として水を使う場合は水冷式、油を使う場合は油冷式ともいう。空冷に比べて冷却効率が高く、冷却液が周囲を取り囲んでいるため騒音が少ない。空気に晒す面積を大きくする必要が無いので、航空機用エンジンでは抗力を少なくできる。循環ポンプや冷却液タンクが必要なため構造が複雑で大型になり、高価で生産や整備の手間もかかる。寒冷地では凍結して動かなくなる可能性があり、被弾で冷却系統をやられると本体が無事でも作動不能に陥る。参考：月刊丸1,'17別冊、月刊PANZER7,’05、機甲入門

＜エキンス＞：K552（フリゲート）を参照。

＜エクアドル海軍＞：1977年、209/1300型潜水艦２隻が就役開始。1991年、リアンダー級フリゲート２隻が就役。参考：月刊世界の艦船9,’96

＜エクアドル海軍（１９７７年）＞：兵力3800名（うち海兵隊700名）。ハント級駆逐艦２隻、駆逐艦１隻、沿岸護衛艦２隻、ミサイル艇３隻、高速哨戒艇３隻、哨戒艇８隻、LCM２隻、アラバ輸送機１機、DHC-6輸送機３機、カーディナル１機、アルエート汎用ヘリ２機を配備する。参考：軍事力バランス78年版

＜エクアドル海軍（１９８９年）＞：兵力4000名（うち海兵隊1000名）。グアヤキル、ハラミホ、ガラパゴス諸島に基地がある。209/1300型潜水艦２隻、ギアリング級駆逐艦１隻、モラン・バルベルデ級フリゲート１隻、エスメラルダス級コルベット６隻、キトー級ミサイル艇３隻、マンタ級ミサイル艇３隻、小型内海哨戒艇６隻、LST-1級戦車揚陸艦１隻、LSM-1級中型揚陸艦１隻、測量船１隻、給水艦１隻、曳船２隻、練習艦１隻、セスナ320軽輸送機１機、セスナ337軽輸送機３機、サイテーション�T輸送機１機、T-34C練習機３機、アルエート�Vヘリ１機を保有する。海兵隊は大隊３個からなる。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜エクアドル海軍（２０１５年）＞：現役兵力7300名（うち航空隊380名、海兵隊2150名、沿岸警備隊500名）。209/1300型潜水艦２隻、リアンダー級バッチ�Uフリゲート１隻、リアンダー級フリゲート１隻、エスメラルダス級コルベット６隻、キト級ミサイル艇３隻、兵站支援船15隻、CN-235-300M洋上哨戒機１機、ビーチ200Tキングエア偵察機２機、ビーチ300カトパス・キングエア偵察機１機、ビーチ200キングエア輸送機１機、ビーチ300キングエア１機、CN-235-100輸送機１機、T-34C練習機２機、T-35B練習機４機、ベル206Aヘリ３機、ベル206Bヘリ３機、ベル230ヘリ１機、ベル430ヘリ２機、ヘロン無人機２機、サーチャーMk�U無人機３機を保有する。海兵隊はコマンドー隊１個と海兵大隊５個からなり、60mm/81mm/120mm迫撃砲32門強、ミストラル携帯地対空ミサイル、9K38携帯地対空ミサイルを保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜エクアドル空軍＞：2010年、南アフリカ空軍からチータ戦闘機14機をリースした。参考：月刊JWings11,’16

＜エクアドル空軍（１９７７年）＞：兵力2600名。キャンベラB6爆撃機５機、ジャギュアA/B攻撃機６機、A-37B対ゲリラ戦機12機、メテオールFR9偵察機７機、BAC167ストライクマスター16機、PBY5哨戒機２機、エレクトラ２機、C-130H輸送機２機、DC-6B輸送機４機、リアジェット輸送機３機、HS748輸送機５機、スカイバン3M輸送機１機、C-47輸送機12機、C-45輸送機６機、DHC-5輸送機２機、PC-6Bターボポーター３機、SA-330ヘリ２機、アルエート�Vヘリ６機、SA316Bラマ４機、ベル47Gヘリ３機、FH1100ヘリ１機、T-28練習機、T-33練習機12機、T-41練習機20機、セスナA150練習機24機を保有する。参考：軍事力バランス78年版

＜エクアドル空軍（１９８９年）＞：兵力3000名。ジャギュアＳ攻撃機10機、ジャギュアＢ攻撃機２機、クフィールC2戦闘機10機、クフィールTC2戦闘機１機、ミラージュF-1JE戦闘機15機、ミラージュF-1JB戦闘機１機、A-37B対ゲリラ戦機７機、ストライクマスターMk89練習機12機、B727輸送機４機、BAe748輸送機２機、C-130H輸送機１機、DC-6B輸送機２機、DHC-5輸送機２機、DHC-6輸送機３機、L-188輸送機１機、B720輸送機３機、B707輸送機５機、DC-10-30輸送機１機、AS-332ヘリ２機、ベル212ヘリ１機、SA-316Bヘリ５機、SA-330ヘリ１機、UH-1Bヘリ２機、UH-1Hヘリ24機、AT-33練習機24機、T-34C練習機20機、T-41練習機６機を保有する。キャンベラB6爆撃機３機を保管している。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜エクアドル空軍（２０１５年）＞：現役兵力4200名。チーターＣ戦闘攻撃機10機、チーターＤ戦闘攻撃機２機、クフィールC2戦闘機４機、クフィールC10戦闘機７機、クフィールTC2戦闘機２機、C-130B輸送機２機、C-130H輸送機１機、L-100-30輸送機１機、ビーチE90キングエア輸送機１機、C-295M輸送機３機、セスナ206輸送機１機、DHC-6輸送機３機、EMB-135BJレガシー600輸送機１機、EMB-170輸送機２機、EMB-190輸送機２機、MXP-650輸送機１機、セイバーライナー40輸送機２機、PA-34輸送機１機、A320要人輸送機２機、B727要人輸送機２機、HS-748要人輸送機５機、DA20-C1練習機11機、EMB-314練習機17機、T-34C練習機11機、ベル206Bヘリ７機、パイソン�V／�W空対空ミサイル、R-550空対空ミサイル、シャフリル空対空ミサイル、シュペル530空対空ミサイル、9K33自走地対空ミサイル、M48自走地対空ミサイル、ブローパイプ携帯地対空ミサイル、9K32/9K38/9K310携帯地対空ミサイル、20mm自走高射機関砲M35を28両、23mm高射機関砲ZU-23を34基、35mm連装高射機関砲GDF-002を30基、CFTCギャップフィラー防空レーダー２基、CETC 2D防空レーダー２基を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜エクアドル軍＞：2014年、基地と部隊の削減及び2025年までに兵力を41000名から34500名に減らすことを発表した。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜エクアドル軍（２０１５年）＞：現役総兵力40250名（陸軍24750名、海軍9100名、空軍6400名）、予備役118000名、準軍事組織500名（沿岸警備隊）。コートジボアールにUNOCIオブザーバー２名、ハイチにMINUSTAH要員１名、リベリアにUNMIL要員１名とオブザーバー２名、スーダンにUNAMID要員１名とオブザーバー２名、UNISFAオブザーバー１名を派遣している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜エクアドル陸軍＞

＜エクアドル陸軍（１９７７年）＞：兵力17500名。自動車化歩兵大隊２個、歩兵大隊９個、空挺大隊１個、偵察中隊３個、騎兵連隊４個、大統領親衛中隊１個、独立歩兵中隊10個、砲兵グループ３個、高射砲大隊１個、工兵大隊２個からなる。M-3軽戦車15両、M-41軽戦車25両、AMX-13軽戦車41両、AML60/90装甲車27両、M113/AMX-VCI装甲兵員輸送車、105mm榴弾砲、155mm自走榴弾砲６門、40mm高射機関砲、スカイバン輸送機１機、アラバ輸送機５機、ポーター練習機３機、軽飛行機７機、ヘリコプター２機を保有する。参考：軍事力バランス78年版

＜エクアドル陸軍（１９８９年）＞：兵力35000名。軍管区４個、機甲旅団１個、歩兵旅団５個、ジャングル旅団２個、特殊部隊（空挺）旅団１個、大統領親衛隊中隊１個、高射砲グループ１個、航空グループ１個、工兵大隊３個からなる。M-3軽戦車45両、AMX-13軽戦車104両、AML60/90偵察車35両、EE-9偵察車10両、M-113装甲兵員輸送車20両、AMX-VCI装甲兵員輸送車60両、EE-11装甲兵員輸送車20両、56式105mm砲、105mm砲M-101を50門、155mm砲M-198を10門、155mm自走砲Mk-F3を10両、迫撃砲500門（81mm迫撃砲M-29、107mm迫撃砲M-30）、160mm迫撃砲12門、無反動砲400門（90mm無反動砲M-67、106mm無反動砲M-40A1）、20mm高射機関砲M-1935を20門、35mm連装高射機関砲GDF-002を30基、40mm高射機関砲M-1A1を30門、ブローパイプ携帯地対空ミサイル150基、セスナ206輸送機１機、クイーンエア輸送機２機、リアジェット24D輸送機１機、セスナ172連絡機１機、セスナ182連絡機１機、セスナ185連絡機２機、DHC-5連絡機１機、IAI-201連絡機４機、PC-6連絡機３機、SA-315B汎用ヘリ６機、SA-316B汎用ヘリ１機、AS-332輸送ヘリ10機、SA-330輸送ヘリ５機、SA-342汎用ヘリ14機を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜エクアドル陸軍（２０１５年）＞：現役兵力24750名。群は大隊規模である。師団司令部４個、第９特殊作戦旅団（特殊作戦群３個、特殊作戦隊１個、パラシュート大隊１個、通信隊１個、兵站司令部１個）、第11機甲騎兵旅団（機甲騎兵群３個、機械化歩兵大隊１個、自走砲兵群１個、工兵群１個）、第５歩兵旅団（特殊作戦隊１個、機械化騎兵群２個、歩兵大隊２個、戦闘工兵中隊１個、通信中隊１個、兵站中隊１個）、第１歩兵旅団（特殊作戦隊１個、機甲騎兵群１個、機甲偵察隊１個、歩兵大隊３個、医療中隊１個）、第３歩兵旅団（特殊作戦群１個、機械化騎兵群１個、歩兵大隊１個、砲兵群１個、重迫中隊１個、戦闘工兵中隊１個、通信中隊１個、兵站中隊１個）、第７歩兵旅団（特殊作戦隊１個、機甲偵察隊１個、機械化騎兵群１個、歩兵大隊３個、ジャングル大隊１個、砲兵群１個、戦闘工兵中隊１個、通信中隊１個、兵站中隊１個、医療中隊１個）、第13歩兵旅団（特殊作戦隊１個、機甲偵察隊１個、自動車化騎兵群１個、歩兵大隊３個、砲兵群１個、重迫中隊１個、戦闘工兵中隊１個、通信中隊１個、兵站中隊１個）、第17ジャングル旅団（ジャングル大隊３個、戦闘工兵中隊１個、通信中隊１個、兵站中隊１個）、第21ジャングル旅団（第17と同編成）、第19ジャングル旅団（ジャングル大隊３個、ジャングル訓練大隊１個、戦闘工兵中隊１個、通信中隊１個、兵站中隊１個）、第15航空旅団（輸送航空群２個、ヘリ群２個、混成航空群１個）、第27砲兵旅団（自走砲兵群１個、多連装ロケット群１個、防空砲兵群１個、戦闘工兵中隊１個、通信中隊１個、兵站中隊１個）、防空砲兵群１個、第23工兵旅団（工兵大隊３個）、独立憲兵中隊２個、独立通信中隊１個、第25兵站旅団、兵站大隊２個、独立医療中隊２個からなる。AMX-13軽戦車24両、AML-90偵察車25両、EE-3偵察車10両、EE-9偵察車32両、AMX-VCI装甲兵員輸送車80両、M113装甲兵員輸送車15両、EE-11装甲兵員輸送車18両、UR-416装甲兵員輸送車10両、155mm自走砲Mk F3を５両、105mm砲M101を30門、105mm砲M2A2を24門、105mm砲モデル56パックハウザー24門、155mm砲M114を12門、155mm砲M198を10門、122mm多連装ロケットBM-21を18両、122mm多連装ロケットRM-70を６両、81mm迫撃砲M29を400門、107mm迫撃砲M30、160mm迫撃砲M-66ソルタムを12門、106mm無反動砲M40A1を24門、90mm無反動砲M67を380門、ビーチ200キングエア輸送機１機、C-212輸送機２機、CN-235輸送機１機、セスナ172輸送機４機、セスナ206輸送機２機、セスナ500サイテーション�T輸送機１機、IAI-201アラバ輸送機４機、MX-7-235練習機２機、T-41D練習機２機、CJ-6A練習機２機、H125M汎用ヘリ５機、Mi-17-1V汎用ヘリ６機、SA315B汎用ヘリ３機、SA342L汎用ヘリ18機（うち13機はHOT対戦車ミサイル装備）、AS332B輸送ヘリ５機、Mi-171E輸送ヘリ２機、SA330輸送ヘリ３機（全て保管中）、AS350Bヘリ２機、AS350B2ヘリ４機、ブローパイプ携帯地対空ミサイル、9K32/9K38携帯地対空ミサイル、20mm自走高射機関砲M163を44両、14.5mm対空機銃ZPU-1/-2を128基、20mm高射機関砲M-1935を28基、20mm高射機関砲M167を10基、40mm高射機関砲L70/M1A1を30門保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜エグヴァドラート＞：2K12（地対空ミサイル）を参照。

＜エクスカリバー＞：B757ファミリー（テストベッド機）を参照。

＜エクスカリバー誘導砲弾シリーズ＞：アメリカ陸軍155mm榴弾砲用長距離精密誘導砲弾M982 Excalibur、別名精密誘導射程延伸野戦砲弾PGERAP。レイセオン社がスウェーデンのボフォース社などと共同で開発した。当初はNL-OS-C用だったが、NL-OS-Cが開発中止になったので、M777榴弾砲、M198榴弾砲、M109A6自走榴弾砲で使用している。基本的にはベースブリード弾で、弾体を長めにして前部にカナード翼４枚、後部に尾部翼８枚を装着し、着弾誤差を少なくするため弾体前部にGPS/IMU誘導装置を装備する。弾体中央部がペイロードで、HE、空中散布式子爆弾DPICM（64個収容）、M898SADARMを搭載できる。発射されるとカナード翼を展張し、目標上空でほぼ垂直落下に移って炸裂する。信管は曳火、瞬発、延期／貫徹の３種類から選択可能。総重量48kg、弾頭重量22kg。射距離40kmでのCEPは10m以下（3.8m説あり）。参考：月刊軍事研究12,’12、6,’05、6,’16、朝雲

　＜エクスカリバー・ブロック�T＞：XM85DPICM子弾64発を収容するもの。M777榴弾砲から84発を試射した結果、最大射程48.5kmで平均弾着誤差1.6mを記録している。2006年3月から配備された。参考：朝雲

　＜エクスカリバー・ブロック�Tａ−２＞：

　＜エクスカリバー・ブロック�Tｂ＞：価格を半分に抑えた廉価版。参考：月刊丸8,’11

　＜エクスカリバー・ブロック�U＞：M898SADARM弾頭２発を収容するもの。2008年から配備された。参考：朝雲

　＜エクスカリバー・ブロック�V＞：単一HE弾頭型。2008年から配備された。参考：朝雲

　＜エクスカリバーＮ５＞：アメリカ海軍127mm単装砲Mk45向け。CEP2m以内。射程20海里・37km（Mk45Mod0/Mod1/Mod2）／26海里・48km（Mk45Mod4）。2019年5月にテストを終了した。参考：月刊世界の艦船3,'21、8,’19

　＜エクスカリバーＳ＞：セミアクティブ・レーザー・ホーミングを追加し、GPSジャミングに対抗できるようにしたもの。2014年から試射を行う予定で、2016年にIOCを獲得する予定。参考：朝雲

＜エクスカリバー＞：IMI社のトップアタック撃ち放し式射程延伸戦車砲弾。前部にピッチ・ロール・ヨー制御用操縦翼４枚、後部に折り畳み安定翼６枚が付く。砲身を出るとポップアップ運動を行い、弾道がピッチダウンする時にトップアタック態勢をとり、タンデム型成型炸薬弾により目標を撃破する。口径105mm・120mmの２種がある。参考：月刊軍事研究3,’00

＜エクスカリバー＞：イギリスの実験用潜水艦Excaliber。エクスプローラーの姉妹艦である。全長68.7m、全幅4.7m、水上排水量780トン、水中排水量1000トン。1950年代初期に建造され、1953年10月までワルターエンジンの実験に用いられた。参考：月刊軍事研究5,’01

＜エクスカリバー＞：アメリカのオーロラ・フライトサイエンス社が開発しているVTOL無人機。分厚い主翼の両端にリフトファンを入れ子式に収容しており、胴体前部にリフトファン、胴体中央にターボジェットエンジンを持つ。VTOL時にはターボジェットエンジンを下向きにし、主翼リフトファンを外側に展開する。全長7.01m、全幅6.4m、全高2.13m、重量1.179トン。最大速度740km以上。兵装ペイロード0.181トン。AGM-114ヘルファイア４発などを主翼下に搭載できる。参考：月刊軍事研究10,’12

＜エクスキャリバー＞：インディアン・オードナンス・ファクトリーの突撃銃。INSASを5.56mm×45弾（5.56mm×30弾？）仕様に改造したもので、銃身長を4mm短縮し、ハンドガードを小型化、グリップと照準器を改良し、ピカティニーレールを装備、マガジンを頑丈なポリカーボネート製にした。作動はガス圧式。参考：月刊軍事研究2,'16、1,’09

＜エクステンダー＞：KC-10A（空中給油機）を参照。

＜エクストリーム＞：イスラエルのハーテンホフ社が開発した４輪装甲車。ユーロサトリ2008で公表された。車体はモノコック構造で、操縦室に操縦手と車長が座り、兵員室に２名＋３名が向かい合わせに座る。座席はフローティング式で、地雷やIEDの衝撃が直接伝わるのを防ぐ。天井にはハッチまたは遠隔操作式武器ステーションを搭載可能。参考：月刊軍事研究9,’08

＜エクストリーム・ヘビー＞：装甲は車体下部がレベル2b+3a、車体がレベル３で、爆発性反応装甲を取り付ければレベル４に強化でき、RPGに抗堪できる。全長5.34m、全幅2.51m、全高2.49m、戦闘重量16トン。ペイロード2.13トン。参考：月刊軍事研究9,’08

＜エクストリーム・ライト＞：全長5.34m、全幅2.51m、全高2.49m、戦闘重量9.2トン。ペイロード4.7トン。参考：月刊軍事研究9,’08

＜エクスプレス＞：H61（駆逐艦）を参照。

＜エクスプレス缶＞：水管缶を参照。

＜エクスプローシブ・カートリッジ＞：炸裂弾を参照。

＜エクスプローダー＞：拳銃用弾薬の１つで、商標名である。ホロー・ポイント弾の窪みに雷管が埋め込まれており、着弾すると炸裂する。思った程の威力は無いらしい。参考：GUN用語事典

＜エクスプローラー＞：MD900（ヘリ）またはMD902（ヘリ）またはP164（哨戒艇）を参照。

＜エクスプローラー＞：イギリスの実験用潜水艦Explorer。全長68.7m、全幅4.7m、水上排水量780トン、水中排水量1000トン。1950年代初期に建造され、1953年10月までワルターエンジンの実験に用いられた。参考：月刊軍事研究5,’01

＜エクスペディター＞：C-45シリーズ（輸送機）を参照。

＜エクスペディター２３＞：メトロ・ファミリー（貨物輸送機）を参照。

＜エクスペルテ＞：エースを参照。

＜エクスマウス＞：H02（嚮導駆逐艦）を参照。

＜エクスマウス＞：イギリス海軍14型フリゲートExmouth。1966年、ロールスロイス社製オリンパスTM-1Aガスタービンエンジン（24000馬力）１基とロールスロイス社製プロテュース・ガスタービンエンジン２基を搭載するCOGOG艦に改装され、テストを開始した。参考：月刊世界の艦船4,’14

＜エクスムーア＞：L61（護衛駆逐艦）を参照。

＜エグゼ＞：K92（フリゲート）を参照。

＜エグゼクティブ・アウトカムズ社＞：南アフリカの民間軍事会社PMC。1989年に設立された。1992年のアパルトヘイト廃止で失業した国防軍及び治安維持組織の所属員を雇用し、軍事コンサルタント500人と実戦要員300人を揃えた。1993年9月にアンゴラ政府と4000万ドルで１年契約を結び、社員500人を派遣して兵士5000名に訓練（飛行訓練含む）を施し、、1994年から空地一体の総攻撃でアンゴラ全面独立民族同盟を撃退して和平協定締結に一役買っている。同年にはルワンダにも派遣する計画があったが、契約金を払う国がなかったため、没になった。1995年3月にはシエラレオネ政府から1500万ドルで契約を結び、武装ヘリ、燃料気化爆弾、クラスター爆弾を持ち込み、現地民に訓練を施すなどして5月から攻勢をかけ、１ヶ月で革命統一戦線を100km以上後退させている。1996年10月に革命統一戦線が和平協定を破棄すると本部を破壊し、再度和平協定を結ばせた。この間の死傷者は20人弱という。1997年に南アフリカでPMCの規制法案が成立したのと、会社内で内部抗争が起きたのとで、1999年1月に解散した。参考：月刊軍事研究7,’08

＜エグゼクティブ・ワン＞：エアフォース・ワンを参照。

＜エグゼター＞：68（重巡洋艦）またはD-89（42型駆逐艦）を参照。

＜エグゼリス＞：AN/ALQ-211シリーズ（電子戦装置）を参照。

＜エクセルシオール試作重突撃戦車シリーズ＞：イギリス陸軍試作重突撃戦車（Heavy assault tank）、陸軍計画番号A33。北アフリカ戦の戦訓と、アメリカ中戦車を導入した経験から、1942年秋にはイギリス陸軍参謀本部では戦車にとって重要なのは重装甲よりも信頼性と機動力であると認識されるようになった。また、戦車砲に関しても、榴弾と徹甲弾を両方撃てる必要があると判明、75mm「両用」砲の開発に入った。これらを総合的に判断した結果、歩兵戦車と巡航戦車といった任務別の戦車ではなく、汎用戦車を作るべきであるという結論に達し、A27Mクロムウエル巡航戦車をベースとしてチャーチル歩兵戦車の任務も肩代わりできる戦車の開発を決定。これにロールスロイス社が応じ、クロムウエルに増加装甲を付けただけのA31と、チャーチル準拠の装甲強化に加えてサスペンション強化なども盛り込んだA32を提案したものの、両方とも没になり、第３の案として、イングリッシュ・エレクトリック社が、クロムウエルに増加装甲を追加してアメリカ陸軍M6重戦車の足回りを取り付ける案を提示、これがA33として試作された。１944年5月に開発中止となっている。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER1,’13

　＜Ａ３３タイプＡ＞：試作初号車。ベースはA27Mクロムウエル巡航戦車で、装甲板を溶接して最大装甲厚を114mmに強化し、信頼性が高く量産に心配の無いアメリカ陸軍M6重戦車と同じ足回り（T1履帯など）を搭載した。サイドスカートとフェンダーの間には隙間があって履帯が覗いており、サイドスカート前寄りに後方ヒンジ式円形ドアが付いている。主砲は75mm砲でなく６ポンド砲を積む。路上最大速度38.9km。1943年11月に完成した。参考：月刊PANZER1,’13、British and American tanks of World War Two

　＜Ａ３３タイプＢ＞：試作２号車。ロールスロイス社製サスペンション（通称R/L Heavy）を採用し、履帯をクロムウエル用のものを幅広にしたタイプに変更、サイドスカートをフェンダーまで覆う形状に換装し、サイドスカート前寄りのドアを前方ヒンジ式に変えた。全長22フィート８インチ（6.9m）、全幅11フィート1.5インチ（3.39m）、全高７フィート11インチ（2.41m）、戦闘重量100800ポンド（45.7トン）。主砲は37.5口径75mmOQF（64発）、副武装は7.92mmベサ機銃２丁。装甲厚は最大114mm、最小20mm。エンジンはロールスロイス社製メテオール12気筒Ｖ型（600馬力）、路上最大速度24マイル（38.6km）、路外最大速度12マイル（19.3km）、航続距離130マイル（209.2km）。乗員５名（車長、操縦手、副操縦手、砲手、装填手）。1943年12月23日に完成した。参考：British and American tanks of World War Two、月刊PANZER1,’13

　＜Ａ３３タイプＣ＞：タイプＡとタイプＢの比較試験の結果、タイプＡの方が好評だったため、それを踏まえてタイプＢに軽量化などの改修を加えたタイプ。新規戦車を生産する余裕が無い、従来戦車の改造で済む範囲の能力に止まる、M4シャーマン中戦車やチャーチル歩兵戦車で十分といった事情があり、制式化には至らなかった。参考：月刊PANZER1,’13、British and American tanks of World War Two

＜エクセレンス＞：シンガポール海軍揚陸艦。1999年3月30日、呉を訪問した。参考：月刊世界の艦船3,’00

＜エグゾセ・シリーズ＞：フランス海軍対艦ミサイルExocet（トビウオ）。グーグル先生（Google翻訳フランス語）に読んでもらうと、正確には「イグゾセット」らしい。アエロスパシアル社が1960年代に開発し、1972年に実用テストを完了、1973年に実用化された（1969年からフランス海軍が導入した？）。射程が短く威力も低めだが、敵艦の戦闘能力を奪うには十分な威力を持ち、小型軽量で単純化されており、各国に輸出もされている。参考：U.S.ウェポン・ハンドブック、月刊丸10,’97、12,’92、月刊世界の艦船1,'15増刊、8,’82増刊、3,’05

　＜ＭＭ３８＞：艦対艦型で、シリーズで最初に実用化された。主翼と尾翼を折り畳んで箱形発射機に収容され、発射されるとAHV-7電波高度計により高度30-70m以下を巡航し、次いで高度を9-15mに下げ、最終的に高度2.5-8mで目標に命中、遅延信管で炸裂する。全長5.21m、直径0.348m、翼幅1m、重量735kg、弾頭重量165kg。誘導は中間慣性＋終末ARH（Ｘバンド）。推進は固体燃料ロケット（ブースター2.4秒＋サステナー93秒）、飛翔速度マッハ0.93、射程42km。参考：月刊丸12,’92、3,’90、艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船9,’22、月刊軍事研究6,’93別冊、ザ・マーチ17号

　＜ＡＭ３９＞：MM38の空対艦型で、1977年7月に実用化された。航空機から投下されると1.5秒後にブースター（２秒燃焼）と慣性航法装置・電波高度計が作動、サステナー（130-150秒燃焼）により高度15mをマッハ0.9で飛翔し、次いで高度を8mまで下げ、目標の10kmほど手前でADAC Mk2モノパルスＩバンドレーダー（探知範囲は垂直方向60度、水平方向140度）を作動させて高度を2mとし、目標に命中すると遅延信管が作動、装甲貫徹後に炸薬が炸裂する。目標が小型艦だった時や、波が高く終末高度2mを維持できない時は、近接信管で撃破する。全長4.72m、直径0.36m、翼幅1.14m、重量1438ポンド（652.3kg）、炸薬重量341ポンド（154.7kg）。推進は固体燃料ロケット、最大速度マッハ0.93、射程50-70km。誘導は中間慣性＋終末ARH。参考：月刊軍事研究6,’93別冊、月刊丸10,’97、U.S.ウェポン・ハンドブック、軍事分析湾岸戦争、ワイルドウエポン、ザ・マーチ17号、世界軍用機年鑑1990-91

　＜ＡＭ３９ブロック２Ｍｏｄ２＞：中間誘導をGPS/INSに変更し、デジタル誘導コンピュータを装備したもの。参考：月刊軍事研究7,’12

　＜ＭＭ３９＞：AM39の艦対艦型。開発中止になった。参考：月刊軍事研究3,’08

　＜ＭＭ４０＞：艦対艦型。MM38の改良型で、飛行コースを変更して迎撃回避を行える。主翼と尾翼を折り畳んで円筒形のキャニスターに収容する。全長5.8m、直径0.35m、翼幅1.14m、重量855kg、弾頭重量165kg（HE）。推進は固体燃料ロケット（ブースター2.4秒＋サステナー200-220秒）、飛翔速度マッハ0.93、射程65-72km。誘導は中間慣性＋終末ARH（Ｉバンド）。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船3,’05、ザ・マーチ17号

　＜ＳＭ３９＞：潜対艦型。主翼と尾翼を折り畳み式とし、ロケット動力の耐圧カプセルに収容して魚雷発射管から射出する。全長5.8m、直径0.35m、翼幅1.14m、発射重量666kg、弾頭重量165kg（HE）。推進は固体燃料ロケット、射程50km。1970年代半ばに実用化された。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊丸3,’90、月刊世界の艦船3,’05、9,’12増刊、11,’17、月刊軍事研究6,’93別冊

　＜ＭＭ１５＞：ヘリコプター搭載用小型版。メキシコ海軍が哨戒艇用に採用した。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版

　＜エグゾセ・ブロック２＞：レーダーを改良し、ECCM能力を強化、飛翔高度を2-3mに下げ、任意機動設定による迎撃回避行動を取れるようにした。全長5.8m、直径0.35m、翼スパン1.13m、重量855kg、弾頭重量165kg。推進は固体燃料ロケット、最大速度1134km・マッハ0.9、最大射程75km。誘導は慣性誘導＋ARH（Ｘバンド。Ｊバンド？）。1991年に公表された。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊軍事研究3,’02、3,’08、7,’99、月刊世界の艦船11,’17、月刊航空ファン10,’18

　＜エグゾセ・ブロック２Ｍｏｄ１＞：中間誘導をINS/GPSとしたもの（オートパイロット能力を強化したもの？）。参考：月刊世界の艦船11,’17、軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜エグゾセ・ブロック２Ｍｏｄ２＞：アナログ部品を全てデジタル化したもの。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

　＜エグゾセ・ブロック３＞：エンジンをマイクロターボ社製TRI40ターボジェットに換えて最大射程を180kmに延伸し、ミサイル形状を改良してレーダー・赤外線被探知率を軽減した。レーザージャイロ慣性計測装置及びGPSを航法システムに追加しており、ウェイポイント10ヵ所以上を設定でき、固定陸上目標攻撃能力も付与されている。機体後部側面には４ヵ所にエアインテイクがある。全長5.8m、直径0.348m、重量780kg、弾頭重量165kg。推進はTRI40ターボジェット＋固体燃料ブースター、最大速度マッハ0.93、最大射程180km。誘導は中間INS/GPS＋終末ARH。2010年代から運用された。参考：月刊軍事研究3,’08、3,’02、1,’07、月刊世界の艦船1,'15増刊、11,’17、6,’20、9,’22

　＜エグゾセ・ブロック３Ｃ＞：ＣはCohérentの略。レーダー・シーカー（タレス社製。使用周波数Ｊバンド）と誘導制御アルゴリズムを改良し、全天候性などを向上した。2023年9月20日、D656アルザスからの試射に成功した。参考：月刊世界の艦船1,’24

＜エクペ級＞：ナイジェリア海軍ミサイル艇Ekpe級。西ドイツのラーセン57m級を導入したものである。兵装はオトマート艦対艦ミサイル発射筒４基、76mm砲１門。参考：ミリタリー・バランス1989-1990、THE MILITARY BALANCE 2016

＜エクラニロヴァンヌイ＞：Ｅを参照。

＜エクラノプラン＞：WIG（航空機）を参照。

＜エクラン１＞：MR-244（レーダー）を参照。

＜エグランティン＞：K197（コルベット）を参照。

＜エクリプス＞：H08（駆逐艦）を参照。

＜エクリプス５００＞：エクリプス・エアロスペースの小型ビジネスジェットEclipse 500。エンジンはPW610F双発。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜エクリプス５５０＞：ワン・アビエーションの小型ビジネスジェット。エクリプス500の改良型で、アビオニクスを換装し、アンチロック・ブレーキ・システムを搭載した。エンジンはPW610F双発。2014年にFAA、2015年にEASAの形式証明を取得した。売り上げは不調で、2017年3月に製造中止に追い込まれている。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜エクリプス７００＞：ワン・アビエーションの小型ビジネスジェットEclipse 700。エクリプス550の改良型で、主翼付け根を拡大して燃料搭載量を増やし、翼端増槽は撤去、エンジンを強化して最大離陸重量を増加させた。リアジェット形式で、主翼は低翼配置、尾翼はＴ型。全長10.2m、全幅11.6m、全高3.4m、最大離陸重量2.722トン。エンジンはプラット＆ホイットニー社製PW615双発、巡航速度695km、航続距離2084km。乗員１名。客席数５。2017年9月1日に初飛行した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜エグリン空軍基地＞：アメリカ空軍の航空基地。フロリダ州にある。空軍資材コマンドの管轄で、兵装テスト部隊が所在している。参考：月刊JWings12,’22

＜エグリントン＞：L87（護衛駆逐艦）を参照。

＜エゲリア＞：A72（内水測量艇）を参照。

＜エコー＞：A70（内水測量艇）またはH23（駆逐艦）またはH87（海洋調査艦）を参照。

＜エコー＞：Ｅを表すアメリカ軍符丁。

＜エコー・シリーズ＞：アメリカ初の通信衛星。地上からの電波をそのまま弾き返すパッシブリレー式である。参考：月刊軍事研究1,’07

　＜エコー１＞：直径40mの電波反射バルーンで、重量76kg。1960年に２基が打ち上げられた。参考：月刊軍事研究1,’07

　＜エコー２＞：エコー１の改良型。1964年に１基が打ち上げられた。参考：月刊軍事研究1,’07

＜エコー１＞：ロッキード社のRCS計算用プログラム。基本原理はソ連のPTD理論に基づいている。開発当時はスーパーコンピュータが無く、平面での計算しか行えなかったため、F-117はあんな格好（ファセット構造）になってしまった。参考：ロッキードF117ナイトホーク、歴史群像2,’01

＜エコー�T型＞：659型（潜水艦）を参照。

＜エコー�U型＞：675型シリーズ（潜水艦）を参照。

＜エコー・アルファ＞：M5A1（爆薬）を参照。

＜エコー級＞：イギリス海軍海洋調査艦兼掃海艇支援艦Echo級。EM710マルチビーム・バウソナー、EA600音響測深義、曳航ソナーを装備する他、艦内に曳航式CTDシーソアー（Seasoar。海水温や塩分濃度を調べる）など各種調査機材や調査計画システムを搭載しており、水陸両用戦調査及び機雷探査支援にも使用される。吊り下げ式推進器２基を持ち、その場での旋回など、細かい操艦が可能。艦橋前方01甲板がヘリ甲板になっている。全長90m、幅16.8m、吃水5.5m、満載排水量3470-3600トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、出力4560馬力、２軸推進、最大速力15ノット、航続距離9000海里（12ノット）。兵装は20mm単装機関砲２門、7.62mm機銃４丁。乗員49名＋調査関係者81名。H87エコーとH88エンタープライズが2003年に就役した。参考：月刊世界の艦船3,’20、1,’20、5,’18、月刊丸4,’07

＜エコー・ブラボー＞：M37（爆薬）を参照。

＜エコー・ボイジャー＞：アメリカ海軍が開発している超大型無人潜水艇XLUUV（Extra Large Unmanned Undersea Vehicle）、Echo Voyager。長さ10.4m・容量56.6立方メートルのペイロード・スペースを持ち、INS/GPS、衛星通信装置、音響通信装置、インターネット接続機能を備え、対機雷戦、機雷戦、対潜戦、通信ネットワーク結節、ISRに投入可能。全長25.9m（ペイロード・スペース含む）、本体長51フィート・15.5m、直径8.5フィート・2.6m、水中排水量50トン。航海速力2.5-3ノット、最大速力８ノット。電源は鉛蓄電池、充電器はディーゼル発電機で、１回のフル充電により水中を150海里航行でき、自動充電を繰り返して6500海里先への完全自律進出能力を持つ。2017年に３ヶ月間の試験を行った。参考：月刊世界の艦船7,'20、7,’17、1,’19、5,'20、月刊軍事研究8,’17

＜エゴン・マイヤー＞：ドイツ空軍エースEgon Mayer。1917年8月29日生まれ。1939年、第２戦闘航空団に配属された。黄作戦終了後に教育任務に就いたが、後に第２戦闘航空団に復帰している。1942年8月18日、50機撃墜を達成。11月、第２戦闘航空団第３飛行隊長となった。1943年、第２戦闘航空団司令となった。4月8日、63機撃墜で柏葉騎士鉄十字章を受章。この頃にB-17爆撃機撃墜法として正面上方攻撃を編み出した。1944年3月2日にフランス北東部で戦死した。総撃墜機数102機（うち４発重爆25機）。最終階級は中佐。参考：グラフィックアクション36

＜エジェクション・ポート＞：銃の機関部側面または上面にある開口部で、薬莢などが排出・装填される。アクション・ポート、ローディング・ポートとも呼ばれる。参考：GUN用語事典

＜エジェクター＞：蹴子。打殻薬莢または不発弾薬を銃外に射出する装置である。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜エジェクター・ラック＞：ラックを参照。

＜エジェクターラック・カートリッジ（国産）＞：自衛隊の火工品。細谷火工製。参考：月刊軍事研究10,’14

＜エジェクト＞：蹴出を参照。

＜エジェクト・ランチャー＞：ランチャーを参照。

＜恵式二〇粍固定機銃一型＞：九九式二〇粍固定機銃一型を参照。

＜恵式二十粍旋回機銃＞：九九式一号二十粍旋回機銃を参照。

＜エジプト海軍＞：1982-84年、ロメオ級潜水艦４隻を中国から輸入。1984年、デスクビエルタ級フリゲート２隻が就役。1994年、ノックス級フリゲート２隻を貸与された。1996年、オリヴァー・ハザード・ペリー級フリゲート４隻が就役開始。2015年、FREMM級フリゲート１隻が就役。2016年、ミストラル級強襲揚陸艦２隻が竣工。209/1400型潜水艦が就役開始。参考：月刊世界の艦船11,’16、3,’17、10,’17

＜エジプト海軍（１９７７年）＞：兵力20000名、予備役10500名。613型ウイスキー級潜水艦６隻、ロメオ級潜水艦６隻、スコリー級駆逐艦４隻、Ｚ級駆逐艦１隻、護衛艦３隻、ソイ級駆潜艇12隻、オサ級ミサイル艇６隻、コマール級ミサイル艇６隻、シェルシェン級魚雷艇６隻、P6級魚雷艇20隻、P4級魚雷艇４隻、大型哨戒艇３隻、T34級掃海艇６隻、ユルカ級掃海艇４隻、T301級掃海艇２隻、K8級掃海艇２隻、ビドラ級上陸用舟艇９隻、SMB�T級上陸用舟艇４隻、ポルノクヌイ級上陸用舟艇３隻、SRN6級ホバークラフト３隻、シーキング10機を保有する。参考：軍事力バランス78年版

＜エジプト海軍（１９８９年）＞：兵力18000名（うち徴兵10000名）、予備役14000名。アレクサンドリア（地中海司令部）、フルガダ（紅海司令部）、ポートサイド、メルサマトルー、サファカ、ポートテウフィグに基地がある。ロメオ級潜水艦６隻、033型潜水艦４隻、Ｚ級駆逐艦１隻、デスクビエルタ級フリゲート２隻、053H級フリゲート２隻、ブラック・スワン級フリゲート１隻、ラマダン級ミサイル艇６隻、オサ�T型ミサイル艇７隻、オクトーバー級ミサイル艇６隻、コマール級ミサイル艇６隻、海南型哨戒艇８隻、シェルシェン級哨戒艇６隻、上海�U級哨戒艇４隻、SRN-6敷設艇３隻、ユルカ級掃海艇４隻、T-301級掃海艇２隻、ポルノクヌイ級中型揚陸艦３隻、潜水艦支援艦１隻、練習艦２隻、曳船４隻、シーキングMk47対潜ヘリ５機、SA-342対艦ヘリ12機、130mm沿岸砲SM-4-1、オトマート／SSC-2bサムレット地対艦ミサイル発射機30基を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜エジプト海軍（２０１５年）＞：現役兵力18500名（沿岸警備隊2000名含む。うち徴兵10000名）、予備役14000名。033型潜水艦４隻、アキテーヌ級ミサイル・フリゲート１隻、オリヴァー・ハザード・ペリー級ミサイル・フリゲート１隻、ノックス級フリゲート２隻、053H級フリゲート２隻、デスクビエルタ級コルベット２隻、アンバサダー�W級ミサイル艇４隻、プロジェクト12421ミサイル艇１隻、ラマダン級ミサイル艇６隻、タイガー級ミサイル艇５隻、海南型哨戒艇５隻（うち３隻以上が予備役）、コマール級ミサイル艇４隻（＋予備役２隻）、オクトーバー級ミサイル艇５隻（＋予備役１隻）、オサ�T型ミサイル艇８隻、シェルシェン級哨戒艇４隻、シェルシェン−１級哨戒艇２隻、哨戒艇14隻、掃海艦艇14隻、ポルノクニイＡ級揚陸艦３隻、ヴィドラ級揚陸艇９隻、兵站支援船32隻、ビーチ1900C洋上哨戒機４機、SH-2G対潜ヘリ10機、SA342L汎用ヘリ５機、カムコプター5.1無人機２機を保有する。沿岸防衛隊は100mm沿岸砲、130mm沿岸砲SM-4-1、152mm沿岸砲、4K87（SS-C-2B）地対艦ミサイル、オトマートMk�U地対艦ミサイルを保有する。沿岸警備隊は巡視艇79隻、港内曳船４隻を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜エジプト革命＞：エジプトのムバラク大統領は1981年の就任以来、戒厳令を敷き続けて反体制派を押さえ込んでいたが、若者の失業率増加、2010年のロシア干魃による穀物輸入停止からくるパンの大幅値上げなどにより潜在的な社会不安が増していた。2011年1月15日、チュニジア革命に煽られる形で反政府デモが発生、暴動に発展した。ここでもフェイスブックやツイッターなどでデモが呼びかけられ、4月6日運動（2008年4月にフェイスブックで結成されたグループ）がタハリール広場で大規模デモを呼びかけた1月25日からは全国で大規模なデモが発生して警官隊との衝突に発展し、1月28日には更に大規模化して「怒りの金曜日」と呼ばれる状況に至った。2月1日にはタハリール広場に20万人が集結、大統領府への行進と無期限ゼネストが開始され、ムバラク大統領は軍に制圧を命じたが、軍は中立を維持して手出ししなかった。ムバラク大統領は閣僚の更迭やインターネットの封鎖で対抗したが、自身の退陣は拒否したため国民の怒りは収まらず、2月11日（追放の金曜日）にはデモ参加者が100万人を突破、ムバラク政権は崩壊し、大統領の権限は軍最高評議会に移った。ムバラク元大統領は4月に逮捕されている。2012年5月23-24日、大統領選挙が行われ、自由公正党（ムスリム同胞団）のモルシ氏とムバラク政権下で首相だったシャフィーク氏の決選投票が行われることになった。6月17-18日、大統領選挙決選投票が行われ、3%差でモルシ氏が大統領となった。2013年7月、モルシ大統領の急激なイスラム化政策や軍の権益抑制政策に反発が広がり、クーデターが発生。ムスリム同胞団の抗議活動を軍が実力で排除して1000人以上を殺害し、ムスリム同胞団をテロ組織に認定して弾圧を開始した。2018年3月26-28日、大統領選挙で軍出身のシシ大統領が再選された。参考：月刊丸12,’11、月刊軍事研究8,’11、11,’12、6,’18、ストライク・アンド・タクティカルマガジン5,’11、月刊PANZER7,’11

＜エジプト空軍＞：1971年、MiG-25偵察機の供与が始まった。1974年、MiG-23戦闘機を導入。1979年、F-4E戦闘機の供与を受けた。1980年、F-16戦闘機の導入を開始。2014年、C-295M軽輸送機の引き渡しが開始された。2015年2月16日、リビアのシルトにあるイスラム国拠点をF-16戦闘機６機で爆撃。7月、ラファール戦闘機の引き渡しが開始された。2018年11月3日、訓練飛行中のMiG-29M戦闘機が墜落した。パイロットは緊急脱出して無事だった。参考：月刊JWings5,’15、1,’19、月刊エアワールド8,’05、月刊丸1,’77、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜エジプト空軍（１９７７年）＞：兵力25000名。Tu-16D/G爆撃機25機、Il-28爆撃機５機、MiG-21戦闘機80機、MiG-17戦闘機90機、Su-7攻撃機60機、ミラージュ�VＥ攻撃機38機、Su-20攻撃機25機、MiG-27フロッガーＤ攻撃機18機、MiG-23フロッガーＢ迎撃機24機、C-130輸送機４機、EC-130H輸送機２機、Il-14輸送機30機、An-12輸送機19機、ファルコン１機、B707輸送機１機、Mi-4ヘリ12機、Mi-6ヘリ32機、Mi-8ヘリ70機、シーキング６機、コマンドー30機、ガゼル42機、MiG-15/MiG-21/MiG-23/Su-7/L-29練習機150機、グムフリア練習機40機を保有する。参考：軍事力バランス78年版

＜エジプト空軍（１９８０年）＞：MiG-21F/PFM/MF戦闘機250機、MiG-23B戦闘機24機、Su-7BM戦闘機100機、MiG-27戦闘機20機、MiG-19戦闘機20機、MiG-17戦闘機50機、Su-20戦闘機30機、Tu-16爆撃機20機、ミラージュ�VSDE戦闘機32機、殲撃６型戦闘機80機、C-130H輸送機20機、An-12輸送機16機、Il-14輸送機24機、B707輸送機10機、B737輸送機１機、An-24輸送機３機、ファルコン20輸送機１機、シーキングMk47ヘリ６機、コマンドーMk1/2ヘリ28機、Mi-8ヘリ50機、Mi-4ヘリ20機、Mi-6ヘリ10機、SA342ヘリ52機、Bu181を100機、L-29練習機、MiG-21U練習機、Su-7U練習機、Yak-11練習機、Yak-18M練習機、MiG-15UTI練習機、アル・カヒラを保有している。参考：ザ・マーチ18号

＜エジプト空軍（１９８９年）＞：兵力30000名（うち徴兵10000名）、予備役20000名。Tu-16爆撃機９機、ミラージュ5E2戦闘攻撃機16機、F-4E戦闘機33機、J-6戦闘機76機、アルファジェット攻撃機15機、MiG-17戦闘機30機、MiG-21戦闘機83機、J-7戦闘機52機、F-16A戦闘機33機、F-16C戦闘機34機、ミラージュ5E戦闘機54機、ミラージュ2000C戦闘機16機、ミラージュ5SDR偵察機６機、MiG-21偵察機14機、EC-130H電子情報収集機２機、ビーチ1900電子情報収集機４機、コマンドーMk2E電子戦ヘリ４機、E-2C早期警戒機５機、ビーチ1900C洋上哨戒機１機、SA-342L攻撃ヘリ72機（うちHOT対戦車ミサイル装備42機、20mm機関砲装備30機）、Mi-6輸送ヘリ６機、CH-47C輸送ヘリ15機、Mi-8輸送ヘリ27機、コマンドーMk1輸送ヘリ５機、コマンドーMk2輸送ヘリ17機、コマンドーMk2B要人輸送ヘリ２機、Mi-4輸送ヘリ12機、UH-12E練習ヘリ17機、C-130H輸送機19機、An-12輸送機５機、DHC-5D輸送機５機、C-123B輸送機１機、アルファジェットMS-1練習機29機、L-29練習機20機、グムフリア輸送機36機、PZL-104練習機10機、ミラージュ5SDD練習機５機、F-16B練習機７機、F-16D練習機６機、ミラージュ2000B練習機３機、EMB-312練習機40機、DHC-5練習機４機、JJ-6練習機16機を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜エジプト空軍（２０１５年）＞：現役兵力30000名（うち徴兵10000名）、予備役20000名。F-16A戦闘機26機、F-16B戦闘機６機、J-7戦闘機30機、F-4E戦闘機29機、F-16C戦闘機139機、F-16D戦闘機38機、ミラージュ2000B戦闘機３機、ミラージュ2000C戦闘機15機、ミラージュ5D/E戦闘機36機、ミラージュ5E2戦闘機12機、MiG-21/-21U戦闘機50機、ラファールDM戦闘機３機、VC-130H電子情報収集機２機、ミラージュ5R（5SDR）偵察機６機、E-2C早期警戒機７機、C-130H輸送機21機、C-130H-30輸送機３機、An-74TK-200A輸送機３機、ビーチ200キングエア輸送機１機、ビーチ1900電子情報収集機４機、ビーチ1900C輸送機４機、C-295M輸送機８機、DHC-5D輸送機９機、B707-366C要人輸送機１機、ファルコン20要人輸送機３機、ガルフストリーム�V要人輸送機２機、ガルフストリーム�W要人輸送機１機、ガルフストリーム�WSP要人輸送機４機、アルファジェット練習機36機、EMB-312練習機54機、グロブ115EG練習機74機、K-8カラコルム練習機120機、L-39練習機10機、L-59E練習機35機、AH-64D攻撃ヘリ45機、SH-2G対潜ヘリ10機（運用は海軍）、コマンドーMk2E電子戦ヘリ４機、AW139捜索救難ヘリ２機、SA342K汎用ヘリ65機（一部HOT対戦車ミサイル装備）、SA342L汎用ヘリ５機（運用は海軍）、CH-47C輸送ヘリ３機、CH-47D輸送ヘリ16機、AS-61輸送ヘリ２機、コマンドー輸送ヘリ24機（うち要人輸送用３機）、Mi-8輸送ヘリ40機、S-70要人輸送ヘリ４機、UH-60L要人輸送ヘリ４機、UH-12E練習ヘリ17機、R4E-50スカイアイ無人偵察機、テレダイン・ライアン324スカラブ無人偵察機、AGM-65A/D/F/G空対地ミサイル、AGM-114F/K対戦車ミサイル、AS-30L対地ミサイル、HOT対戦車ミサイル、AGM-84空対艦ミサイル、エグゾセAM-39空対艦ミサイル、アルマート対レーダーミサイル、Kh-25MP対レーダーミサイル、R-3空対空ミサイル、AIM-7E/F/M/AIM-9FL/P空対空ミサイル、R530/R550空対空ミサイル、GBU-10/-12ペイブウェイ�Uレーザー誘導爆弾を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜エジプト軍＞：1966年11月、シリアと防衛協定を締結。1967年5月、ヨルダンと防衛協定を締結。1971年3月、ソ連軍第63独立航空分遣隊のMiG-25R偵察機２機とMiG-25RB偵察爆撃機２機がカイロ西飛行場に展開し、1972年7月まで毎月２回のイスラエル偵察を行った。1977年1月、スーダンと防衛条約を締結。2015年からイエメン内戦に介入。参考：軍事力バランス78年版、世界の傑作機No.172、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜エジプト軍（１９８９年）＞：総兵力448000名（うち徴兵250000名）、予備役604000名。イラク、クウェート、オマーン、サウジアラビア、スーダン、ソマリア、ザイールに軍事顧問を派遣している。アメリカ、イギリス、イタリア、ウルグアイ、オランダ、カナダ、コロンビア、ニュージーランド、フィジー、フランスの平和維持軍2600名が展開している。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜エジプト軍（２０１５年）＞：現役総兵力438500名（陸軍310000名、海軍18500名、空軍30000名、防空軍80000名）、予備役479000名（陸軍375000名、海軍14000名、空軍20000名、防空軍70000名）、準軍事組織397000名（内務省中央保安軍325000名、国家警備隊60000名、内務省国境警備隊12000名）。中央アフリカ共和国にMINUSCA要員265名、工兵中隊１個、輸送中隊１個、オブザーバー６名、コートジボアールにUNOCI要員176名、工兵中隊１個、コンゴ民主共和国にMONUSCO要員153名、特殊部隊中隊１個、オブザーバー19名、リベリアにUNMILオブザーバー８名、マリにMINUSMA要員65名、憲兵中隊１個、南スーダンにUNMISS要員１名、オブザーバー３名、スーダンにUNMID要員865名、歩兵大隊１個、オブザーバー19名、UAEにRestoring Hope作戦でF-16C戦闘機６機、西サハラにMINURSOオブザーバー18名を派遣している。オーストラリア軍MFO（マズルカ作戦）要員25名、カナダ軍MFO要員70名、コロンビア軍MFO要員354名、歩兵大隊１個、チェコ軍MFO要員15名、C-295M輸送機１機、フィジー軍MFO要員338名、歩兵大隊１個、フランス軍MFO要員２名、イタリア軍MFO要員78名、沿岸小隊ユニット３個、ニュージーランド軍MFO要員27名、訓練ユニット１個、輸送ユニット１個、ノルウェー軍MFO要員３名、イギリス軍MFO要員１名、アメリカ軍MFO要員692名、陸軍州兵偵察大隊１個、陸軍州兵支援大隊１個（爆発物処理中隊１個、医療中隊１個、ヘリ中隊１個）、ウルグアイ軍MFO要員58名、工兵・輸送ユニット１個が駐留している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜エジプト航空機ハイジャック事件＞：1985年11月23日、エジプト革命団を名乗るテロリストがエジプト航空機をハイジャックし、マルタ島のバレッタ空港に強行着陸させた。エジプトは特殊部隊を強行突入させたが、十分な事前準備の無い状態で不慣れな部隊が実施したため、犯人と共に多数の人質も死傷している。参考：現代の空挺作戦

＜エジプト防空軍＞

＜エジプト防空軍（１９８９年）＞：兵力80000名（うち徴兵50000名）、予備役70000名。師団５個、高射砲大隊100個、S-75大隊65個、S-125大隊60個、改ホーク中隊12個、クロタル中隊12個からなる。20mm/23mm/37mm/40mm/57mm/85mm/100mm高射砲2500門、S-75地対空ミサイル400基、S-125地対空ミサイル240基、2K12地対空ミサイル60基、改ホーク地対空ミサイル108基、クロタル地対空ミサイル50基、9K31地対空ミサイル、アモウン防空システム（スカイガード＋RIM-7Fスパロー４連装発射機２基＋35mm連装機関砲２基）18個、シナイ23近距離防空システム（ダッソー6SD-20Sレーダー＋23mm機関砲＋アイン・アスサクル地対空ミサイル）を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜エジプト防空軍（２０１５年）＞：現役兵力80000名（うち徴兵80000名）、予備役70000名。防空師団５個からなり、M48自走地対空ミサイル部隊計12個、レーダー大隊計12個、防空砲兵旅団計12個（防空砲兵大隊計100個）、MIM-23B改ホーク地対空ミサイル部隊計12個、クロタル地対空ミサイル部隊計14個、スカイガード地対空ミサイル大隊計18個、S-125/2K12/S-75M地対空ミサイル大隊計110個を擁する。アモウン（Amoun）地対空システム数基（４連装地対空ミサイルシステム計36基以上＋スカイガード牽引地対空ミサイルシステム＋35mm連装高射砲システム計36基以上）、クロタル自走地対空ミサイル24両以上、M48自走地対空ミサイル50両以上、2K12自走地対空ミサイル56両以上、9K37ブークM1自走地対空ミサイル40両以上、9K331MトールM1自走地対空ミサイル10両、MIM-23B改ホーク地対空ミサイル78基以上、S-75M地対空ミサイル、スカイガード地対空ミサイル282基以上、S-125ペチョラＭ地対空ミサイル212基以上、シナイ−23自走地対空ガン・ミサイルシステム（ダッソー6SD-20Sランド対空レーダー＋23mm機関砲＋Ayn al-Saqr携帯地対空ミサイル）36両以上、ZSU-23-4自走高射機関砲230両、57mm高射砲S-60を600門、85mm高射砲M-1939/KS-12を400門、100mm高射砲KS-19を300門保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜エジプト陸軍＞：1972年、T-34/122自走砲を配備。2016年5月3日、スエズ近郊で行われたMagd14砲兵演習の映像を公開。６×６輪ウラル4320トラック（装甲キャブ装備）に122mm榴弾砲D30や130mm野砲M1954を搭載した装輪自走砲、タレス社製スクワイア携帯式地上捜索レーダーといった新装備が映っていた。参考：月刊軍事研究10,’16

＜エジプト陸軍（１９７７年）＞：兵力300000名（うち防空司令部75000名）、予備役500000名。機甲師団２個、機械化歩兵師団３個、歩兵師団５個、共和国警備旅団１個、独立機甲旅団３個、独立歩兵旅団７個、空輸機動旅団２個、空挺旅団１個、コマンドー部隊６個、砲兵旅団６個、重迫撃砲旅団２個、対戦車ミサイル旅団１個、スカッド弾道ミサイル連隊２個、MiG-21MF迎撃中隊９個からなる。T-54/55中戦車1100両、T-62中戦車750両、PT-76軽戦車80両、OT-62/OT-64/BTR-40/BTR-50/BTR-60/BTR-152/ワリド装甲兵員輸送車2500両、BMP-76PB装甲戦闘車200両、76mm/100mm/122mm/130mm/152mm/180mm榴弾砲1300門、SU100/ISU152自走砲200門、120mm/160mm/240mm迫撃砲300門、140mm/240mmロケット砲300門、フロッグ３／７地対地ミサイル30基、スカッド弾道ミサイル／サムレット地対艦ミサイル24基、57mm/85mm/100mm対戦車砲900門、62mm/107mm無反動砲900門、9K11/3M6/3M11対戦車ミサイル1000基、ZSU-23-4/ZSU-57-2自走高射機関砲350門、2K12/9M32/9K31地対空ミサイル、フォーニアRF4偵察機６機を配備する。防空司令部にはMiG-21MF迎撃戦闘機108機、S-75地対空ミサイル360基、S-125地対空ミサイル200基、2K12地対空ミサイル75基、20mm/23mm/37mm/40mm/57mm/85mm/100mm高射砲2500門、ナイフ・レスト／スプーン・レスト早期警戒レーダー、ファイア・カン／ファイア・ホイール／ホイッフ射撃レーダーを配備する。参考：軍事力バランス78年版

＜エジプト陸軍（１９８９年）＞：兵力320000名（うち徴兵180000名）、予備役500000名。軍団司令部２個、機甲師団４個、機械化歩兵師団６個、歩兵師団２個、共和国警備機甲旅団１個、独立機甲旅団１個、独立歩兵旅団４個、独立機械化旅団３個、空中機動旅団２個、パラシュート旅団１個、独立砲兵旅団14個、重迫撃砲旅団２個、コマンドー・グループ７個、フロッグ７地対地ミサイル連隊１個、スカッドＢ弾道ミサイル連隊１個からなる。T-54/55中戦車1040両、T-62中戦車600両、M-60A3戦車785両、PT-76軽戦車15両、BRDM-2偵察車300両、BMP-1歩兵戦闘車220両、BMR-600P歩兵戦闘車250両、ワリド装甲兵員輸送車650両、ファド装甲兵員輸送車200両、BTR-50/OT-62装甲兵員輸送車1075両、M-113A2装甲兵員輸送車1000両、122mm砲M1931/37を48門、122mm砲M1938を400門、122mm砲D-30を220門、130mm砲M-46を440門、152mm砲ML-20を12門、122mm自走砲、M-109A2自走砲140門、80mm多連装ロケットVAP-80-12、122mm多連装ロケットBM-21、アス・サークル18/-30、130mm多連装ロケットM-51、プラガV3S、132mm多連装ロケットBM-13-16、140mm多連装ロケットBM-14-16、240mm多連装ロケットBM-24、82mm自走迫撃砲50門、120mm迫撃砲M-43を450門、160mm迫撃砲M-43を100門、240mm迫撃砲M-1953を24門、フロッグ７地対地ミサイル12基、スカッドＢ弾道ミサイル９基、3M6対戦車ミサイル1000基、3M11/9K11対戦車ミサイル1400基、ミラン対戦車ミサイル220基、スイングファイア対戦車ミサイル200基、TOW対戦車ミサイル520基（うちM-901自走対戦車ミサイル52両）、107mm無反動砲B-11、14.5mm高射機関砲ZPU-2/-4、23mm高射機関砲ZU-23-2を460門、23mm自走高射機関砲ZSU-23-4を110両、23mm自走高射機関砲シナイ45両、37mm高射機関砲M-1939を150門、57mm高射砲S-60を300門、ZSU-57-2自走高射砲40両、9M32／アイン・アスサクル地対空ミサイル1200基、M-48自走地対空ミサイルを保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜エジプト陸軍（２０１５年）＞：現役兵力310000名（うち徴兵190000-220000名）、予備役375000名。コマンドー群５個、対テロユニット１個、機甲師団（機甲旅団２個、機械化旅団１個、砲兵旅団１個）４個、独立機甲旅団４個、共和国親衛旅団１個、機械化師団（機甲旅団１個、機械化旅団２個、砲兵旅団１個）８個、独立機械化旅団４個、歩兵師団１個、独立歩兵旅団２個、空中機動旅団２個、パラシュート旅団１個、砲兵旅団15個、フロッグ７地対地ミサイル旅団１個、スカッドＢ弾道ミサイル旅団１個、工兵旅団６個、特殊作戦工兵大隊２個、救難工兵大隊６個、憲兵大隊24個、通信大隊18個、兵站大隊36個、医療大隊27個からなる。M-1A1戦車1360両、M60A1戦車300両、M60A3戦車850両、T-62戦車200両（＋保管中300両）、ラムセス�U戦車260両（全て保管中）、T-54/55戦車840両（全て保管中）、BRDM-2偵察車300両、コマンドー・スカウト偵察車112両、25mm機関砲装備YPR-765歩兵戦闘車390両、BMP-1歩兵戦闘車220両（全て保管中）、M113A2/YPR-765装甲兵員輸送車2000両、BTR-50/OT-62装甲兵員輸送車500両、BMR-600P歩兵戦闘車250両、BTR-60S装甲車250両、ファハド30/TH装甲車410両、ファハド装甲車390両、ワリド装甲車650両、レヴァ�XLWB装甲車少数、122mm自走砲124両、155mm自走砲M109A2を164両、155mm自走砲M109A5を204両、122mm牽引砲D-30Mを190門、122mm牽引砲M1931/37を36門、122mm牽引砲M-30を300門、130mm牽引砲M-46を420門、155mm牽引砲GH-52を16門、122mm多連装ロケットBM-11を96基、122mm多連装ロケットBM-21を60基、122mm多連装ロケットSakr-10を50基、122mm多連装ロケットSakr-18を50基、130mm多連装ロケットK136を36基、140mm多連装ロケットBM-14を32基、MLRS26両、240mm多連装ロケットBM-24を48基（全て保管中）、107mm自走迫撃砲M106A1を65両、107mm自走迫撃砲M106A2を35両、120mm自走迫撃砲M1064A3を36両、81mm自走迫撃砲M125A2を50両、82mm迫撃砲500門、120mm迫撃砲M-1943を1800門、120mm迫撃砲ブラントを48門、160mm迫撃砲M160を30門、M901自走対戦車ミサイル52両、YPR-765PRAT自走対戦車ミサイル210両、9K11／ミラン／TOW2対戦車ミサイル、R4E-50スカイアイ無人偵察機、ASN-204無人偵察機、M1097アヴェンジャー自走地対空ミサイル50両、M48自走地対空ミサイル26両、9K31自走地対空ミサイル20両、Ayn al-Saqr/9K32/9K38/スティンガー携帯地対空ミサイル、23mm自走高射機関砲シナイ23を45両、23mm自走高射機関砲ZSU-23-4を120両、37mm自走高射機関砲150両、57mm自走高射機関砲ZSU-57-2を40両、14.5mm対空機銃ZPU-4を300基、23mm高射機関砲ZU-23-2を200基、57mm高射砲S-60を200基、AN/TPQ-36/-37対砲迫レーダー、フロッグ７地対地ミサイル９基、Sakr-80地対地ミサイル24基、スカッドＢ弾道ミサイル９基、ファハド240装甲回収車、GMR3360.55装甲回収車、M88A1戦車回収車220両、M88A2戦車回収車90両、M113装甲回収車、M578装甲回収車45両、T-54/55戦車回収車、KMM戦車橋、MTU戦車橋、MTU-20戦車橋、アードヴァークJFSU Mk4地雷処理車を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜エジャー（４×４輪）＞トルコのヌロル・マキナ社が開発した４×４輪軽装甲車。エジャー６×６とは別の新規設計である。耐地雷・IED防御能力はレベル３以上で、全周防御用増加装甲がオプション選択できる。戦闘重量12-14トン。エンジンはカミンズ社製ディーゼル（300馬力）、最大速度110km、航続距離600km。ペイロード４トン。自衛用にSARP遠隔操作銃塔などを搭載できる。乗員２名＋乗車歩兵７名。参考：月刊軍事研究7,’13

＜エジャー（６×６輪）＞：トルコのヌロル社が開発した６×６輪装甲車。独立懸架式サスペンション、全輪操舵システム、タイヤ圧調整装置を持ち、車輪をいくつか破壊されても機動力を維持できる。ルーフ上に昼間用カメラ５基と回転式赤外線カメラからなる監視装置を持つ。増加装甲を装備すればSTANAGレベル３の耐弾・耐地雷能力を得る。戦闘重量18トン。エンジンはディーゼル（402馬力）、トランスミッションは６速オートマチック、最大速度110km、水上最大速力4km（ウォータージェット）。乗員９名。車体後部にテレスコープ式監視装置を搭載した偵察型も開発された。ジョージア（グルジア）が南オセチア紛争で使用している。参考：月刊軍事研究8,’09、8,’11

＜エシュロン＞：UKUSAが運用する通信監視システム、ECHELON。1990年代半ばにその内容が明らかとなり始めた。衛星通信、無線、地上のマイクロ波ネットワーク、偵察衛星などをシステムに組み込み、アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、日本に傍受装置が設置されていて、全世界の衛星通信を監視しているといわれる。傍受した通信は、ディクショナリーというシステムにより、キーワードごとに自動的に記録・分類される。傍受対象は冷戦中はソ連の衛星通信だったが、冷戦後は各国政府・公的機関や一般市民が使用する衛星通信も対象となった。ただし短波通信はエシュロンの担当ではないようだ。参考：月刊軍事研究2,’01、4,’09

＜エシュロン・ローパス＞：ブルーインパルス航過飛行の１つ、Echelon。６機が斜め１列に並んで航過する。レフト・エシュロンとライト・エシュロンがある。参考：月刊JWings6,’09

＜エジンコート＞：S-100（アスチュート級原潜）を参照。

＜エジンコート＞：イギリス海軍クイーン・エリザベス級戦艦Agincourt。1914年に建造中止となった。参考：月刊世界の艦船1,’12

＜エジンコート＞：イギリス海軍エジンコート級戦艦Agincourt。元はブラジルがイギリスに発注したリオ・デ・ジャネイロで、1913年に進水したが、ブラジルが超ド級戦艦を購入する方針に変更したため、1914年1月にトルコへの輸出が決定、スルタン・オスマン�T世と改称して7月に竣工した。しかしオーストリアとセルビアの戦争が勃発、トルコも参戦するとみられたために引き渡しを延期し、第１次大戦に発展してイギリスが参戦すると同時に押収してエジンコートの名称を付け、イギリス海軍で就役した。1916年5月31日、第１戦艦戦隊第６小隊に所属してジュットランド海戦に参加。ワシントン条約締結に伴い廃棄が決定、1922年に除籍された。その後ブラジルへの譲渡交渉が行われたが、決裂している。参考：近代戦艦史、月刊世界の艦船6,’16、歴史群像6,’16

＜エジンコート級＞：イギリス海軍戦艦Agincourt級。ブラジルがイギリスに発注したリオ・デ・ジャネイロが回り回ってイギリスで使用されたものである。主砲塔数は戦艦として最多を誇るが、船体が長い分だけ装甲は薄めで、足は速い。当初は煙突間に宙に浮いたボート甲板があったが、後に撤去された。全長204.7m、幅27.4m、吃水8.2m、常備排水量27500トン。主機は蒸気タービン４基４軸40000馬力、速力22ノット。兵装は45口径30.5cm連装砲７基（前甲板背負い式２基、中央両舷に前後ずらして１基ずつ、後甲板ピラミッド式３基）、15.2cm単装砲20門、7.6cm単装砲10門、7.6cm単装高角砲２門、533mm水中魚雷発射管３門。装甲厚は水線部229mm、甲板65mm（64mm？）。乗員1115名。エジンコートが1914年に竣工した。参考：近代戦艦史、月刊世界の艦船6,’16、8,'16

＜エジンバラ＞：16（重巡洋艦）またはD-97（駆逐艦）を参照。

＜エジンバラ級＞：サウザンプトン級軽巡洋艦・第３グループを参照。

＜エス＞：日本海軍士官のスラングで、芸者、芸妓を表す。Singerの頭文字。参考：日本海軍史、帝国陸海軍事典、続海軍よもやま物語

＜エスエー＞：日本海軍士官のスラングで、コンドームのこと。Sackの頭２文字。参考：帝国陸海軍事典

＜エスカドリラ・ダ・フマサ＞：ブラジル空軍アクロバット・チームEsquadrilha da Fumaca（煙の飛行隊）。ブラジル空軍訓練学校教官がT-6テキサン２機で訓練生にアクロバット飛行を披露したのが始まりで、1952年5月14日に軍公式の初展示飛行が実施された。使用機はT-6テキサンで、４機によるフライトを行っており、1953年にスモークを初使用したのをきっかけにこの愛称が付けられている。1969年、公式チーム名としてエスカドロン・ジ・デモンストラソン・アエレアという名称が付けられ、独立した部隊に昇格、T-24マジステールを使用機とした。1972年、使用機をT-6に戻した。1976年、T-6退役、予算不足、軍事作戦優先などの事情から一旦チームは廃止された。1983年にT-27（EMB-312）ツカノの売り込みを兼ねたアクロバット飛行部隊として復活し、６機編隊で展示飛行を行っている。2010年、T-27（EMB-312）ツカノでFIDAE2010に参加。その帰りにブラジルのラジェスでショーを行ったが、１機が高度判定を誤って墜落し、パイロットが死亡した。2012年10月からA-29A単座機８機とA-29B複座機４機への機種転換を行っており、2013年中に完了する予定。参考：月刊JWings3,’14、月刊航空ファン9,’02、6,’10、3,’13

＜エスカパック射出座席シリーズ＞：アメリカ軍A-7攻撃機用ゼロゼロ射出座席。ダグラス社が開発した。参考：月刊エアワールド8,’05

　＜エスカパック�TＧ２＞：座席にNES12Mパラシュート（直径8.53m）が内蔵されている。高度0-15240m、速度0-1062kmで使用可能。座席上端のＵリングまたは座席中央前端のＤリングを引くと射出される。ただし、Ｕリング使用時には腕をクロスさせてコクピット内壁と接触を防ぐ必要があり、しかもその姿勢だと背骨に無理がかかりやすいので、普通はＤリングを引く。A-7A/Bに搭載された。参考：月刊エアワールド8,’05

　＜エスカパック�TＧ３＞：A-7C/Eに搭載された。参考：月刊エアワールド8,’05

　＜エスカパック�TＣ２＞：パラシュートをA/P-28S-20に換装したタイプ。A-7Dに搭載された。参考：月刊エアワールド8,’05

＜エスカペイド＞：H17（駆逐艦）を参照。

＜エスカレーション抑止＞：非核戦争を核戦争に進展させないこと。ソ連／ロシアでは、戦争発生前または緒戦で核兵器を使用すると脅すまたは実際に使用し、交戦意志や軍事介入を抑止すること。参考：月刊世界の艦船6,’15

＜エスキモー＞：F75（駆逐艦）を参照。

＜エスク＞：H15（駆逐艦）を参照。

＜エスクデイル＞：L36（駆逐艦）を参照。

＜エスコート＞：H66（駆逐艦）を参照。

＜エスコート・ジャミング＞：Escort Jamming（編隊防御電子妨害）、ESJと略す。電子戦機が攻撃部隊と共に目標地域まで飛行し、電子妨害を行うこと。敵レーダー波を正確に解析できるので、ディセプション・ジャミングが可能。攻撃部隊と同等の飛行性能を持つ電子戦機が必要である。非ステルス機では自分が撃墜されないよう、捜索レーダーの探知距離内には入り込むが地対空ミサイルの射程内には入らない距離で電子妨害を掛けるモディファイド・エスコート・ジャミングを行う。ステルス機を使えば射程内に潜り込んでのペネトレイティング・エスコート・ジャミングが可能となるが、妨害器材を外装ポッドに積むとステルスでなくなるので、内蔵AESAレーダーの電子妨害モードを使うといった工夫が要る。参考：月刊軍事研究7,’14、2,’13、7,’99、9,’17、図解現代の航空戦

＜エスコラー＞：SS-294（潜水艦）を参照。

＜エステス＞：AGC-12（揚陸指揮艦）を参照。

＜エストシン＞：FFG-15（フリゲート）を参照。

＜エストニア＞：SS第20義勇師団を参照。

＜エストニア＞：1721年、ニスタット講和条約でスウェーデン・バルト帝国からロシア帝国に割譲された。1918年2月24日、ロシア革命の隙を突いて独立宣言を出したが、3月3日にドイツとロシアが締結したブレスト・リトフスク講和条約ではドイツの勢力圏下に組み込まれ、4月12日にラトビアと共にバルト連合公国としてドイツ軍の占領下に置かれた。11月11日にドイツが降伏すると、11月28日からロシア赤軍派の侵攻を受け、12月10日には国土の半分以上を占領されてしまった。エストニアは義勇兵を組織すると共に、イギリスの軍事支援を受け、更に反ロシア赤軍派のロシア北西軍も加わって1919年5月13日からの総攻撃で奪還に成功。1920年2月2日にロシアと平和条約を締結して正式に独立、1921年1月26日に旧連合国からも承認された。1921年9月22日、国際連盟に加盟。1923年11月1日、ラトビアと相互援助条約に調印。1926年9月28日、ソ連と相互不可侵条約を締結。1934年4月4日、ソ連との相互不可侵条約の有効期限を1945年12月31日まで延長。1939年6月7日、ドイツと相互不可侵条約（有効期間10年）を締結したが、8月23日に締結された独ソ不可侵条約の秘密議定書でソ連の勢力圏と勝手に決められてしまった。ソ連はポーランド占領後にエストニア併合に乗り出し、エストニアに脱出したポーランドの潜水艦が抑留後に逃走したことを中立違反だと難癖を付け、9月28日に相互援助条約を調印させて10月18日からソ連軍25000名の駐留が始まった。1940年6月16日、ソ連は条約違反を理由に親ソ政権樹立とソ連軍自由通行許可を要求、総兵力が駐留ソ連軍より少ないエストニア政府は抗う術も無く、6月17日にソ連軍がエストニア全土を掌握して傀儡の人民政府を設立した。7月14-15日、ソ連軍監視の下で総選挙が実施され、親ソ派議員だけが当選した。7月21日、エストニア議会はソ連への編入を議決し、8月6日にエストニアはソ連に併合されて大粛正が始まった。国家元老はスウェーデンに脱出した１人と逮捕前に自殺した１人を除いて全員死刑または強制収容所で死亡し、大臣70人のうち47人が逮捕されて44人が死亡、市長と助役は全て交代させられ、地方議会は廃止、独立記念碑は引き倒され、ソ連に不都合な放送が聴けないようにラジオメーカーを廃業に追い込むことまでしている。1941年6月14日、ソ連による大量強制連行が行われ、１万人がシベリアに追放された。現役高級将校はモスクワで訓練を受けるという名目で国外に連れ出されて逮捕され、予備役将校もNKVDに逮捕されて強制収容所送りとなり200名が死亡。残る将校と下士官も、命じられるままに部隊本部に出頭するとNKVDが待ち受けていて逮捕されるパターンで次々と強制収容所に送られ、殆ど帰ってこなかった。残る兵士5573名はソ連第22地域狙撃兵軍団に組み込まれ、南東方面軍での戦闘に駆り出されて500名にまで損耗した挙げ句、労働大隊という名の強制収容所に送られている。また、エストニアの若者に対する根こそぎ徴兵も始まり、３万人が労働大隊に送られ、半年で１万人が死亡した。1940年6月から1941年6月までに強制収容所送りにされたのは６万人以上にのぼる。8月、バルバロッサ作戦でドイツ軍がエストニアを占領。海路で脱出を図った市民多数がドイツ空軍の爆撃で死傷した。エストニアはバルト三国・白ロシアと共に帝国全権委員区オストラントに組み込まれてドイツ統治下に置かれ、ソ連に対する抵抗組織は解体されてオマカイツェと呼ばれる民兵組織が創設されている。8月28日、ドイツがSSエストニア軍団の新編を発表した。1942年10月、ドイツ北方軍集団隷下にオマカイツェをベースとする７個防護武装大隊と、後方地域警備のための４個防護大隊がエストニアで新編された。1943年2月、ドイツ軍がエストニア人に対する徴兵を開始。SSエストニア軍団最初の大隊であるSS義勇大隊ナルヴァが編成を完結。ドイツ軍が劣勢になるとパルチザンが創設され、1944年3月にパルチザン組織連合であるエストニア共和国民族委員会が設立されたが、4月に中心メンバーがドイツに逮捕されてしまった。4月、SS第20義勇師団エストニアが編成された。8月末、ソ連軍によるバグラチオン作戦で、ほぼ全土がソ連に再占領された。9月、ドイツ軍がアスター作戦でエストニアを脱出。ソ連による弾圧が始まることを知っていたエストニア人は手持ちの小舟で大西洋に繰り出そうとしたが、スウェーデンに辿り着くのが精一杯で、脱出できた69000人の一部はスウェーデンによりソ連側に引き渡されてしまった。NKVDはソ連軍よりも先にタリンのドイツ情報機関施設に突入し、エストニア民族主義者リストを入手、パルチザン活動の中心人物をあらかた逮捕している。それでもドイツ軍兵士となっていたエストニア人を中心に抵抗組織が編成され、1945年夏から本格的な活動が開始された。抵抗組織は後に武装抵抗連合を形成、選挙の際には森の兄弟と書いたポスターを貼り付け、共産党候補者や地方政権関係者の殺害、列車の攻撃などを行っている。1945年8月7日、エストニア共産党中央委員会が対策会議を開き、NKVD/KGB治安部隊と国境警備隊、時にソ連空軍まで加わっての抵抗組織狩りが始まった。最盛期には15000人が活動していたが、1947年11月までに8468人が殺害または逮捕され、6000人が離脱、同年末には中核メンバーが殺害・逮捕された。1949年2月、武装抵抗連合司令部が襲撃されて９人が死亡、3月25-26日に２万人以上のエストニア人がシベリア送りにされて支持基盤も失い、活動はほぼ終焉を迎えた。1944-52年にシベリアなどに送られたエストニア人は124000人にのぼる。1956年、CIAが在外エストニア人をエージェントに仕立ててエストニアに送り込んだが、ほぼ何もできずにKGBに逮捕された。1960年代にはソ連が微笑政策と呼ばれる穏健政策を執り始めたが、その陰では1mに１台置かれていると言われるほど盗聴器を設置しまくり、海外からの手紙も全てKGBがチェック、逮捕拘留は日常茶飯事のままだった。1978年9月28日、KGBが最後の抵抗者を自殺に追い込み、エストニアでのパルチザン活動は完全に消滅した。1988年11月、ソ連崩壊が迫る中、エストニア最高会議がエストニア主権宣言を発表。1989年11月、エストニア最高会議が1940年のソ連への編入要請決議を無効であるとした。1990年2-3月、エストニア議会とエストニア最高会議選挙で独立派が勝利し、1991年8月19日のソ連クーデター未遂に乗じて8月20日に独立を宣言、9月6日にソ連も独立を承認した。9月17日、国連に加盟。1994年8月末、ロシア軍の大部分が撤退。2004年3月29日、NATOに加盟。5月1日、EUに加盟。参考：月刊軍事研究5,’11、7,’11、12,’11、10,’12、1,’13、3,’13、10,’18、歴史群像4,’17

＜エストニア海軍＞：1936年、カレフ級潜水艦２隻が竣工。再建後は対機雷戦戦力が主要な戦備であり、第２次大戦中に敷設されて未だに見つかる機雷を掃海掃討して沿岸の安全航行を確保している。1992年、チュク級哨戒艇１隻が就役。2007-09年、サンダウン級掃海艇３隻を導入。参考：月刊軍事研究1,’12

　＜エストニア海軍（２０１１年）＞：兵力350名、予備役1500名。トップは海軍司令官で、海軍参謀部が補佐する。その下にタリン海軍基地と機雷戦戦隊がある。主要艦艇は警備艇アドミラル・ピトカ、サンダウン級掃海艇アドミラル・コヴン、サカラ、ウガンディ、掃海艇オレヴ、カレヴ、ヴァンボラ、スレヴ、補助艦タスヤ。参考：月刊軍事研究1,’12

　＜エストニア海軍（２０１５年）＞：兵力200名。Ristna級哨戒艇１隻、Tasuja級掃海艇１隻、サンダウン級掃海艇３隻を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜エストニア空軍＞：戦闘用の機体は無く、領空内の空域監視と管制が主任務で、アマーリ空軍基地を整備してNATO軍にBAPで防空を肩代わりしてもらうホストネーションサポート方式を採用している。アメリカでCH-47ヘリへの機種転換訓練を受け、不朽の自由作戦に参加したヘリパイロットもいる。2019年7月13日、アマーリ空軍基地でエストニア空軍創設100周年記念航空ショーを実施。アメリカ空軍F-35A戦闘機、NATO軍E-3A早期警戒管制機、イギリス陸軍アパッチAH.1攻撃ヘリ、デンマーク空軍F-16戦闘機などが参加した。参考：月刊軍事研究1,’12、月刊航空ファン11,’15、月刊JWings10,’19

　＜エストニア空軍（２０１１年）＞：兵力300名（徴兵者はゼロ、全員職業軍人）。トップは空軍司令官で、空軍参謀部が補佐する。その下にアマリ空軍基地と空域監視隊がある。An-2輸送機２機とR-44ヘリ４機を保有する。参考：月刊軍事研究1,’12

　＜エストニア空軍（２０１５年）＞：兵力250名。年間飛行時間120時間。An-2輸送機２機、L-39練習機２機、R-44ヘリ４機を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016、月刊航空ファン11,’15

＜エストニア国防軍＞：陸海空軍からなる。2008年3月13日に再編法令が政府から公布された。参考：月刊軍事研究1,’12

　＜エストニア国防軍（２０１５年）＞：現役兵力5750名（陸軍5300名、海軍200名、空軍250名）、エストニア防衛同盟12000名、予備役30000名。アフガニスタンにNATOのレゾリュート・サポート作戦要員４名、レバノンにUNIFIL要員37名、マリにEUTMマリ要員８名、MINUSMA要員10名、中東にUNTSOオブザーバー４名、北海にSNMCMG要員１名と掃海艇１隻、セルビアにKFOR要員２名、ウクライナにOSCE要員７名を派遣している。NATOのバルチック・エア・ポリシング用ドイツ空軍ユーロファイター戦闘機４機が展開している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜エストニア第１＞：SS第20義勇てき弾兵師団を参照。

＜エストニアへのサイバー攻撃事件＞：2007年、エストニアのタリンにあった第２次大戦時におけるソ連軍兵士の功績を称える像が、エストニア国民の手により撤去された。同年4-5月、エストニアに大規模なDDoS（分散サービス拒否。大量のスパムメールを送る）攻撃が仕掛けられ、イー・エストニアと自称するほどIT化を進めていたエストニアでは、政府を初めとする公共機関、銀行、放送局などのコンピュータネットワーク機能が麻痺してインフラが機能不全に陥った。大半の攻撃はロシアから行われていたため、エストニアはロシアからの回線を切断してフィンランドやスウェーデンに迂回路を作るなど対応に追われている。ロシア与党である統一ロシア系の青年団体ナーシ（我らの意）が関与を認めており、団員を大量に動員して攻撃を仕掛けたとみられるが、政府や軍の関与も噂される。2008年、エストニアが政府の防衛委員会にサイバー防衛評議会を創設し、タリンにはNATO共同サイバー防衛高等センターが設立された。参考：月刊軍事研究3,’09、8,’13、朝雲、THE MILITARY BALANCE 2016

＜エストニア陸軍＞：2008年、フィンランドから中古の122mm榴弾砲D-30を購入。7月1日、再編法令に基づいて北東部防衛管区が創設された。参考：月刊軍事研究1,’12

＜エストニア陸軍（２０１１年）＞：兵力は6000名だが、戦時には予備役を動員して20万名以上に膨れあがる。トップは陸軍司令官で、陸軍参謀部が補佐し、北部防衛管区、北東部防衛管区、西部防衛管区、南部防衛管区、第１歩兵旅団からなる。主要装備はXA180/XA188装輪装甲車、155mm榴弾砲FH-70A-1、122mm榴弾砲D-30、23mm連装高射機関砲ZU-23-2、VSHORAD地対空ミサイルシステム（ミストラル地対空ミサイル用個人携行発射機）。参考：月刊軍事研究1,’12

＜エストニア陸軍（２０１５年）＞：現役兵力5300名（うち徴兵2800名）。偵察大隊１個、軽旅団１個、独立軽歩兵大隊３個、砲兵大隊１個、防空大隊１個、工兵大隊１個、通信大隊１個、兵站大隊１個からなる。XA-180装甲車56両、XA-188装甲車80両、BTR-80装甲車15両、マンバ装甲車７両、122mm榴弾砲D-30を42門、155mm榴弾砲FH-70を24門、81mm迫撃砲B455を41門、81mm迫撃砲NM95を10門、81mm迫撃砲M252を80門、120mm迫撃砲2B11を14門、120mm迫撃砲41Dを165門、ミラン対戦車ミサイル、MAPATS対戦車ミサイル、106mm無反動砲M40A1を30門、84mm無反動砲カールグスタフ、90mm無反動砲PV-1110を130門、ミストラル携帯地対空ミサイルを保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜エスパーニャ＞：アルフォンソ�V世（戦艦）を参照。

＜エスパーニャ＞：スペイン海軍エスパーニャ級戦艦Espana。1913年竣工。1923年8月にモロッコ沖で座礁した。主砲を外すなどして浮上させようとしたが、暴風で船体が破壊され、放棄されている。参考：近代戦艦史

＜エスパーニャ級＞：スペイン海軍戦艦España級。スペイン初のド級戦艦だが、ドックの能力に限界があったため、他国よりも小型である。設計、主機、主兵装はイギリスの技術支援を受けつつスペインで国産した。船型は平甲板型。主砲塔は中心線上に２基、両舷に１基ずつ配置しており、両舷のものは反対方向にも80度の範囲で射撃可能。全長139.9m、幅24m、吃水7.8m、常備排水量15452トン、満載排水量15700トン。主機は蒸気タービン４基４軸15500馬力、速力19.5ノット。兵装は30.5cm連装砲４基（１・４番は艦前後中心線上、２・３番は梯形配置で２番が右舷前寄り・３番が左舷後ろ寄り）、10.2cm単装砲20門（ケースメート式両舷10門ずつ）、4.7cm単装砲４門。装甲厚は水線部203mm（229mm？）、甲板38mm。乗員854名。1913-21年にエスパーニャ、アルフォンソ�V世、ハイメ�T世の３隻が竣工した。参考：近代戦艦史、月刊世界の艦船9,'20、1,’12

＜エスバーン・スネール＞：L-17（多用途支援艦）を参照。

＜エスハウ＞：日本海軍士官のスラングで、芸者の置屋を表す。エスのハウス。参考：日本海軍史、帝国陸海軍事典

＜エスパダ＞：SS-355（潜水艦）を参照。

＜エスパドン＞：フランス海軍ルカン級潜水艦Espadon（カジキ）。1927年竣工。第２次大戦開戦後にイタリアに接収されてFR.114と命名され、1943年に自沈した。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜エスパドン試作戦闘機シリーズ＞：フランスSNCASOの試作ジェット迎撃戦闘機。1948年から開発したが、採用されなかった。参考：月刊JWings6,’14

　＜ＳＮＣＡＳＯ６０２０＞：初号機。主翼は中翼配置の後退翼で、胴体中央下面にエアインテイクがある。1948年11月12日に初飛行した。後にSNCASO6021と同様の機体形状に改造されている。参考：月刊JWings6,’14

　＜ＳＮＣＡＳＯ６０２１＞：２号機。エアインテイクが主翼付け根後部付近の胴体左右に移された。1950年9月3日に初飛行した。参考：月刊JWings6,’14

　＜ＳＮＣＡＳＯ６０２５＞：３号機。胴体下面にポッド状構造物を設け、前部をジェットエンジン用エアインテイク、後部を加速用SEPR251ロケット（推力1.5トン）収容部にしている。1951年10月15日に初飛行した。参考：月刊JWings6,’14

　＜ＳＮＣＡＳＯ６０２６＞：４号機。機体形状をSNCASO6021と同様のものに戻し、加速用ロケットを機体後部エンジンノズル下面に装着した。参考：月刊JWings6,’14

＜エスピリート・サント＞：D38（駆逐艦）を参照。

＜エスプレイ＞：日本海軍スラングで、芸者遊びを表す。エス＋プレイ。サド侯爵とは無関係。海軍初級士官心得に海軍士官は品位を重んずるとあるので、士官はエスプレイのみとし、ピーやジーには行かないという建前だったが、軍服を着ている時に限られたようである。参考：日本海軍史、帝国陸海軍事典、海軍兵学校よもやま物語

＜エスペランス岬海戦＞：サボ島沖夜戦を参照。

＜エスペロ＞：F576（フリゲート）を参照。

＜エスポラ級＞：MEKOシリーズ（フリゲート）を参照。

＜エスメラルダ＞：チリ海軍練習帆船Esmeralda。帆装は４檣バーケンチンである。全長109.8-113.1m、幅13.1m、吃水7m、満載排水量3673-3754トン。エアードラフト48.5m、帆数29枚、全帆面積2860平方メートル。ディーゼル補機１基１軸1400馬力、速力17.5ノット（帆走）／13ノット（機走）。乗員310名（うち候補生97名）。1954年6月就役。2001年10月4-7日、東京を親善訪問した。2004年6月10日、東京に来航した。2010年9月20日、チリ独立200周年国際観艦式で観閲艦を務めた。2011年5月15日、第56回遠洋練習航海のためパルパライソを出港。7月21日、サンフランシスコに入港。11月6日にチリに帰国予定。2016年6月12日、遠洋練習航海のため乗員298名（うち候補生97名）を乗せてバルパライソを出港。他国士官候補生15名も招待されて乗船しており、海自からも１名がハワイから乗り込んだ。8月26-30日、東京港晴海埠頭に寄港し、8月27-28日に一般公開された。11月16日、ニュージーランドのデヴォンポート海軍基地に入港。11月19日、ニュージーランド海軍創設75周年記念国際観艦式に参列。2017年1月8日、パルパライソに帰港予定。2019年6月9日、９カ国を巡る遠洋練習航海のためパルパライソを出港。10月22日、東京港晴海埠頭に入港し、一般公開された。10月25日、東京港晴海埠頭で一般公開された。10月26日、東京港晴海埠頭を出港。2020年1月5日にパルパライソに帰港予定。参考：月刊世界の艦船11,’16、3,’05、12,’10、10,’11、9,’16、2,’17、1,’20、月刊JWings1,’20、朝雲

＜エスメラルダス＞：CM-11（コルベット）を参照。

＜エスメラルダス級＞：エクアドル海軍ミサイル・コルベットEsmeraldas級。イタリアのCNR社が建造した。全長63.2m、幅9.3m、吃水2.5m、満載排水量685トン。主機はMTU製MA20V956TB92ディーゼル４基４軸24000馬力、連続速力34ノット、最大速力37ノット、航続距離4400海里（14ノット）。兵装はエグゾセMM40艦対艦ミサイル３連装発射筒２基、アスピーデ艦対空ミサイル４連装発射機アルバトロス１基、A244短魚雷用３連装発射管B515ILAS-3が２基、76mm砲１門、40mm機関砲コンパクト40など。A109対潜ヘリが発着艦可能なヘリ甲板を持つ。乗員51名。CM-11エスメラルダス、２番艦CM-12マナビなど６隻が1982-84年に就役した。参考：月刊世界の艦船6,’83、1,’15増刊、3,’19、ミリタリー・バランス1989-1990、THE MILITARY BALANCE 2016

＜エゼスト・ニール＞：WM23（試作戦闘機）を参照。

＜エセックス＞：CV-9（空母）またはLHD-2（揚陸艦）を参照。

＜エセックス級空母＞：アメリカ海軍空母Essex級。1938年の第２次ロンドン条約エスカレーター条項発動で、排水量計40000トンを空母に割り当てることになり、CV-8ホーネット建造後の残り20000トンを使い、日本海軍空母や基地航空隊に対抗できるよう、５個飛行隊90機搭載艦隊型空母を作ることになった。ただヨークタウン級と同じ排水量で搭載機を飛行隊１個分増やし、艦隊の主役になれる速力や防御力を備えるのに無理があり、悪戦苦闘していたところ、第２次大戦勃発で第２次ロンドン条約の効力が停止されたため、排水量を7000トン増やして所定の性能を備えることが可能となっている。また、当初は１隻だけ作る予定だったが、第２次大戦勃発で量産化されることになり、1940年2月に設計案が承認され、7月3日に最初の３隻が発注され、スターク案に基づいて9月9日には８隻が追加され、更に真珠湾攻撃直後の1941年12月15日に２隻、1942年8月の第２次大戦時緊急建造計画で1943年度10隻、1944年度３隻、1945年度６隻の追加が決まった。当初はニューポート・ニューズ社とベスレヘム製鋼所が建造を担当しており、最初の追加発注を受けて両社の空母建造用大型ドックを計５基に増やしたが、更なる追加発注によりノーフォーク・フィラデルフィア・ニューヨークの各海軍工廠に大型艦建造用ドック５基ずつを新造している。主船体は船首楼型で、４層の全通甲板を持ち、船体中央部（全長の70%程度）には第１甲板（格納庫甲板）に厚さ2.5インチ（63.5mm。対高度10000フィート投下1000ポンド爆弾防御）、第４甲板（機関室天井）に厚さ1.5インチ（38.1mm）のSTS特殊鋼製装甲板を張った。これで飛行甲板を貫通した1000ポンド爆弾を格納庫甲板で食い止められ、それ以上の爆弾でも格納庫甲板で信管を作動させて弾片を第４甲板で受け止める。1943年2月以降に起工したCV-14/-15/-19/-21/32-40/45-47は艦首を伸ばして形状もクリッパー型に変更、凌波性を向上させており、長船体型と呼ばれる（1941年4月から1943年1月に起工したそれ以外の艦は短船体型）。短船体型は艦首甲板に40mm４連装機関砲１基を搭載しており、長船体型は２基に増やした。水線下には４層の防御縦壁があり、内部に重油などを収容、魚雷や機雷などTNT500ポンド（226.8kg）相当の爆発力を吸収できる。船底は三重底で、一部は更に下に真水タンクがある。また、対152mm砲防御として、フレーム39-166にかけて第４甲板付近から吃水線下に達する厚さ４インチ（101.6mm）の舷側装甲帯が張られた。第１甲板よりも下は密閉区画であり、第２甲板レベルに設置した吸気ダクトを通して船体後部から取り入れた空気を送る構造になっていたが、CV-16が船体後部発煙剤タンクの破損事故を起こした際、負圧になっていた給気ダクトに煙が吸い込まれて艦内が煙だらけになる事態となり、改修が施された。機械室と缶室は前部缶室２室・前部機械室・後部缶室２室・後部機械室のシフト配置で、前部機械室が外舷軸、後部機械室が内舷軸を駆動する。航空機用ガソリンタンクは第４甲板装甲板の下にあり、外側のサドルタンクから使用、使った分は海水を入れて気化ガソリンの充満を防ぐ。飛行甲板への燃料配管も装甲化し、ポンプの電気系は火花が飛ばない位置に配置、緊急時には燃料庫全体に二酸化炭素を充満させるシステムを備えた。格納庫は開放式で、長さ199.3m、幅21.3m、高さ5.4m、床が第１甲板で、防火壁により３分割することが可能。緊急時に格納庫から直接発艦できるよう、左舷側にH-4A油圧カタパルト１基が横向きに設置されていて、通常は90度上に跳ね上げておき、使用時に水平に下ろす。ただ実用性が無かったらしく、７隻（６隻？）が装備したものの、1943年半ばまでに撤去された。格納庫の天井はギャラリー甲板で、ここには航空機搭乗員待機室や居住区などがある。航空機搭乗員待機室は以前の空母ではアイランドにあったが、本級からギャラリー甲板に移し、広さを活かして飛行隊ごとに独立させた。短船体型ではCICもギャラリー甲板にあったが、長船体型では生残性向上のため格納庫甲板の下に移している。ギャラリー甲板の上が飛行甲板で、長さ262.9m・幅32.9m、厚さ1.5インチ（38.1mm）のSTS鋼板の上に板を張った木甲板であり、トップヘビー防止の観点から防御甲板にはなっておらず（設計段階のCV-9G案で検討されたが重量過大で却下された）、強度甲板でも無いので伸縮継手が用意されている。飛行甲板前端にH-4油圧カタパルト（後期型はH-4B）を２基搭載するが、開発が間に合わず、１番艦はカタパルト無しで就役し、その後H2�Tカタパルト１基を飛行甲板前部右舷に装着、H-4の開発完了を待った。飛行甲板中心線前後に容量12.7トンのエレベーター（長さ14.7m、幅13.5m、最大荷重12.6トン）が１基ずつ、艦中央左舷に容量8.2トンの舷側エレベーター（長さ18.3m幅10.4m、最大荷重12.6トン）が１基装着されていて、舷側エレベーターはパナマ運河通過に備え90度上に跳ね上げることが可能。武器用エレベーターは３基用意されている。アレスティング・ワイヤはMk4Mod3A（CV-20以降はMk5）を10基前後搭載した。当初は飛行甲板前部にも装着して艦首側から着艦できるようにしており、後進速力も１時間に限り最大22ノット（25ノット？）を発揮できたが、前部アレスティング・ワイヤは1944年頃までに撤去している。飛行甲板舷側に伸縮式の桁があり、艦上機の尾輪を固定して舷側に突き出すことで、艦上機の飛行甲板専有面積を最小限にすることが可能。アイランドは飛行甲板右舷中央付近にあり、艦橋、煙突、三脚マスト、レーダーアンテナなどが一体化されている。艦橋はそれまでの露天式ではなく、開閉式の天井が付けられた。完全閉鎖にしなかったのは古式を好む艦長への配慮だったようだが、さすがに実戦で開放することは殆ど無かったらしい。両用砲は開発中の47口径152mm両用砲を搭載する案があったが、従来通り38口径12.7cm両用砲Mk12連装砲塔Mk32と同単装砲塔Mk24に落ち着いた。高射機関砲はボフォース４連装40mm高射機関砲とエリコン20mm高射機関砲で、戦訓に基づいて適宜増強されている。CV-16/-17/-18/-20/-31は艦尾と左舷に機関砲搭載用スポンソンを追加した。高角砲用射撃指揮装置はMk37方位盤（前期型はMk4射撃指揮レーダー、後期型はMk12/22レーダー装備）で、アイランド前後のMk32連装砲塔の背後に１基ずつ搭載されている。長船体型では左舷前部格納庫甲板レベルにもう１基搭載されたが、レーダーの視界確保のため飛行甲板を削る必要があり、後に４連装40mm高射機関砲に換装された。機関砲用方位盤はMk51（後にMk63）で、左舷側高角砲もこれで指揮する。電子兵装はSK対空レーダー、補助用SC-2対空レーダー、SG対水上・航空機誘導用レーダー。CV-16にはCXBL測高レーダー、CV-17以降にはその量産型であるSM測高レーダーが追加された。長距離対空レーダーは直上付近が死角になるので、CV-16にSO-11マイクロ波レーダーを搭載したが成績が芳しくなく、CV-14の右舷キャットウォークにAN/APS-6を装備してみたり、CV-19やCV-31に陸軍のSCR-720レーダーを搭載してみたりしている。ただ船体設計時期がレーダー本格使用前だったので、配置場所は予め確保されておらず、無理矢理積めるだけ積んだものの、互いに干渉したりした。レーダー員もアイランドの戦闘指揮室に入りきれなくなり、非装甲の格納庫甲板レベルに部屋を用意せざるを得なくなっている。長船体型はTDY電波妨害装置を装備し、短船体型にも第２次大戦末期にかけて追加された。泡沫消火装置や二酸化炭素発生装置を備え、ダメージ・コントロール能力が高く、戦没艦はゼロである。全長265.8m（CV9-13、CV16-18、CV-20、CV-31。267.2m？）／270.8m（CV-14、CV-15、CV-19、CV-21、CV32-40、CV45-47）、水線長249.9m、水線幅28.4m、飛行甲板幅32.9m、最大幅45m、吃水7m（8.7m？）、基準排水量27100トン（CV-34は33000トン）、満載排水量36380トン（33000トン？CV-34は39800トン）、装甲重量997トン。主機はウエスティングハウス式オール・ギヤード・タービン４基、主缶はバブコック＆ウィルコックス式重油専焼水管缶（蒸気温度440℃、圧力１平方センチあたり40kg）８基、出力150000馬力、４軸推進、最大速力33ノット、後進速度22ノット（25ノット？）、重油搭載量6161-6331トン、航続距離20000海里（15ノット。16900海里？）。兵装は127mm連装両用砲Mk32が４基（アイランド前後に背負い式）、127mm単装両用砲Mk24が４門（船体左舷前後スポンソンに２門ずつ）、40mm４連装機関砲８基（17-18基？）、20mm単装機関砲46門（52門？）。CV-34の兵装は38口径127mm単装両用砲Mk24が８門、50口径76mm連装両用砲14基。装甲厚は舷側102mm（水線部装甲帯。第４甲板レベル上縁が102mm厚で最下縁では64mmにテーパー）、甲板64mm（格納庫甲板にあたる第１甲板レベル）＋38mm（機関室・缶室天井にあたる第４甲板レベル）、司令塔38mm。搭載機数80-100機で、艦隊空母航空団定数は艦戦中隊１個F6F/F4U艦戦36機、艦爆中隊１個SB2C艦爆36機、艦攻中隊１個TBF/TBM艦攻18機。乗員は計画時には士官215名＋下士官・兵2171名、航空要員870名だったが、実際には対空兵装要員などが増員され、艦要員を1.5倍くらい乗せていた。32隻を建造する予定だったが、1945年度計画のCV-50からCV-55は発注されず、CV-9エセックス、CV-10ヨークタウン、CV-11イントレピッド、CV-12ホーネット、CV-13フランクリン、CV-14タイコンデロガ、CV-15ランドルフ、CV-16レキシントン、CV-17バンカーヒル、CV-18ワスプ、CV-19ハンコック、CV-20ベニントン、CV-21ボクサー、CV-31ボノム・リシャール、CV-32レイテ、CV-33キアサージ、CV-34オリスカニー、CV-35リプライザル、CV-36アンティータム、CV-37プリンストン、CV-38シャングリラ、CV-39レイク・シャンプレイン、CV-40タラワ、CV-45ヴァリー・フォージ、CV-46イオージマ、CV-47フィリピン・シーの26隻が起工され、CV-35とCV-46は建造中止となり、24隻が竣工した。発注当初の１番艦就役予定は1944年3月だったが、主機用減速ギアを優先供給するなど最優先で建造を進め、1942年12月に就役させている。第２次大戦中に就役したのは17隻、初実戦参加は1943年8月31日の南鳥島空襲。第２次大戦中にアレスティング・ワイヤをMk5に換装した。第２次大戦終結後、SKレーダー、SC2レーダー、SMレーダーの代わりにSX三次元レーダーが搭載された。1952年10月1日に空母CVから攻撃空母CVAに艦種変更され、更に21隻が対潜空母CVSに艦種変更された。1952年から1960年代まで、CV-15ランドルフ、CV-16レキシントン、CV-19ハンコック、CV-20ベニントン、CV-31ボノム・リシャール、CV-37プリンストン、CV-39レイク・シャンプレインがレギュラス�T戦略巡航ミサイルを搭載している。改装を繰り返してジェット艦上機にも対応したが、さすがにF-4艦戦やA-6艦攻までは積めず、前線任務からはベトナム戦争を最後に1970年代に退いている。その後は練習空母として使用され、最後の１隻AVT-16レキシントンは1991年に除籍された。参考：月刊世界の艦船8,'21、6,’12、6,’17、第２次大戦のアメリカ軍艦、丸スペシャルNo.83、月刊丸2,’12別冊付録、月刊航空ファン7,’19、比島決戦

　＜エセックス級ＳＣＢ−２７改装＞：SCBはShip Characteristics Boardの略。新型航空機（ジェット艦上機）、無人機（巡航ミサイルのこと）、弾道ミサイルの運用能力を追加するもので、CV-34オリスカニーに進水後の1946年から実施した。油圧式カタパルトをH8に強化し、ジェット・ブラスト・デフレクターを追加、着艦拘束装置をMk5に換装し、クラッシュ・バリアをワイヤーからナイロンに変更、ミラー・ランディング・システムを装備し、飛行甲板強度とエレベーター容量を向上させている。12.7cm連装砲塔を撤去して飛行甲板を広げ、40mm機関砲を7.6cm連装砲に強化した。乗員待機室は騒音と防御面を考慮してギャラリー・デッキから格納庫甲板下に移し、エスカレーターで飛行甲板まで昇降できるようにしている。更にSCB-27A規格の改装を加えて完成した。参考：月刊世界の艦船6,’17、6,’12

＜エセックス級ＳＣＢ−２７Ａ改装＞：初期改装型で、SCB-27に準ずる。AJ艦攻シリーズを運用できるよう、飛行甲板と格納庫の強度を27.2トン対応にし、油圧式カタパルトをH8に強化、着艦拘束装置をMk5に換装し、ミラー・ランディング・システムを装備した。短船体型は艦首をクリッパー型に変更している。アイランドを一新し、飛行要員待機室をギャラリー甲板から格納庫甲板下に移設、アイランド直下外舷部に待機室から飛行甲板まで繋がるエスカレーターを設置した。アイランド前後の127mm連装砲は全て撤去し、艦首尾両舷に127mm単装砲を装備、艦首尾の40mm４連装機関砲も撤去して76mm連装速射砲に換装している。船体重量増に対応するため、船体にバルジを装着して幅を2.4m広げ、舷側装甲を撤去した。全長273.7m、軽荷排水量28204トン、満載排水量40600トン。1949-53年にCV-9エセックス、CV-10ヨークタウン、CV-12ホーネット、CV-15ランドルフ、CV-18ワスプ、CV-20ベニントン、CV-33キアサージ、CV-39レイク・シャンプレーンが改装を受け、SCB-27改装を受けていたCV-34オリスカニーもこの規格で完成した。参考：月刊世界の艦船6,’12、6,’17、丸スペシャルNo.90

＜エセックス級ＳＣＢ−２７Ｃ改装＞：カタパルトを油圧式からスチーム・カタパルトに変更したもので、CV-14とCV-19はイギリスのブラウン・ブラザーズ社が開発したBSX-1、それ以外はアメリカ製C-11を搭載した。新たにジェット・ブラスト・デフレクターを装備し、クラッシュ・バリアをワイヤーからナイロン製に変更、飛行甲板後部の第３エレベーターを右舷に移設して舷側エレベーターとしている。重量増に合わせて舷側バルジを大型化した。満載排水量41944トン。1952-55年にCV-11イントレピッド、CV-14タイコンデロガ、CV-16レキシントン、CV-19ハンコック、CV-31ボン・ノム・リチャード、CV-38シャングリ・ラが改装を受けた。うちCV-16、CV-31、CV-38はSCB-125改装も同時に実施している。参考：月刊世界の艦船6,’12、6,’17

＜エセックス級ＳＣＢ−１２５改装＞：艦首をエンクローズド・バウに変更して凌波性を向上させ、アングルド・デッキ（左舷の第２エレベーターが前端にある）を導入した改装。飛行甲板と格納庫を補強、エレベーターを大型化（後部の第３エレベーターは右舷艦橋後方に移設）し、着艦拘束装置をMk7に強化、A-3艦攻シリーズを運用できるよう運用可能機体重量を36.32トンに引き上げた。ただA-3艦攻は全長が長いので艦首第１エレベーターには収まりきらず、舷側エレベーターを使用せねばならない。艦首にブライドル・リトリーバーを装備した艦もある。SCB-27Aからの改装艦はH-8油圧式カタパルトをそのまま使い、艦後部中央エレベーターを艦後部右舷に移設した。全長271.3m、満載排水量40000トン以上。CV-16レキシントン、CV-31ボン・ノム・リチャード、CV-38シャングリ・ラがSCB-27C改装と同時、CV-11イントレピッド、CV-14タイコンデロガ、CV-19ハンコックがSCB-27C改装後、CV-9エセックス、CV-10ヨークタウン、CV-12ホーネット、CV-15ランドルフ、CV-18ワスプ、CV-20ベニントン、CV-33キアサージがSCB-27A改装後に工事を受けた。参考：月刊世界の艦船6,’17、6,’12、世界の傑作機No.118

＜エセックス級ＳＣＢ−１２５Ａ改装＞：SCB-125改装に加え、カタパルトをC11-1スチーム・カタパルトに、着艦拘束装置をMk7に換装している。SCB-27A改装を受けたCV-34オリスカニーをSCB-27C＋SCB-125規格に強化するため実施された。参考：月刊世界の艦船6,’12、6,’17

＜エセックス級対潜空母＞：S2Fトラッカー対潜哨戒機を運用できる空母で数を揃えられるのがエセックス級しか無かった（新型艦建造は予算が付かなかった）ので、1953年の海軍艦種更新に伴い、24隻中21隻が対潜空母（CVS）に艦種変更された。アングルド・デッキ装備艦は防空戦闘機としてA-4Bスカイホークも搭載している。満載排水量40600トン。兵装は12.8cm単装両用砲８基、7.6cm連装両用砲14基。搭載機数60-70機（S2F対潜哨戒機、HSS-1ヘリなど）。対潜空母といっても艦戦や艦攻を普通に運用できるので、ベトナム戦争で北爆に参加した艦もある。後に３隻がボクサー級強襲揚陸艦に改造された。参考：月刊世界の艦船6,’12、3,’07、丸スペシャルNo.90

＜エセックス級対潜空母ＦＲＡＭ�U改装＞：SCB-144改装ともいう。自衛用にAN/SQS-23バウソナーを追加し、CICを対潜任務用に改修、格納庫側壁のローラーカーテンをスライドドアに換装した。1961-66年にCV-9エセックス、CV-10ヨークタウン、CV-11イントレピッド、CV-12ホーネット、CV-15ランドルフ、CV-20ベニントン、CV-33キアサージが改装を受けている。参考：月刊世界の艦船6,’17、6,’12

＜えぞぎく＞：LSSL-426（警備船）を参照。

＜エダー＞：ゲオルグ・ペーター・エダー（Georg-Peter Eder）。ドイツ空軍エース。1921年3月8日生まれ。1940年9月、ドイツ空軍第51戦闘航空団に配属された。白いスカーフを巻いており、自機の機番号が13だったため、連合軍からは白スカーフの男やラッキー13というニックネームを付けられている。1942年2月、第２戦闘航空団に転属となり、エゴン・マイヤーの僚機となってB-17爆撃機に対する正面上方攻撃を学んだ。1943年3月、49機撃墜で騎士鉄十字章を受章。第１戦闘航空団に転属した。1944年10月、ジェット戦闘機実験飛行隊に転属。総撃墜機数78機（うち４発重爆は36機でドイツ空軍３位）。最終階級は少佐。被撃墜回数が多く、17回もベイルアウトしたらしい。参考：グラフィックアクション36

＜えたじま＞：MSC-656（掃海艇）またはMSO-306（掃海艦）を参照。

＜えだじま＞：MSC-663（掃海艇）を参照。

＜江田島海軍兵学校＞：海軍兵学校を参照。

＜江田島地震＞：江田島にある海軍兵学校を朝に襲う人工地震。起床後に寝室を巡回する週番生徒が、畳み方の悪い毛布を甲板（床のこと）に叩き落として積み上げていくものである。岩国分校など分校にも江田島地震という名称のままで襲った。参考：月刊丸7,’14、海軍兵学校岩国分校物語

＜エタノール＞：太平洋戦争後半の昭和19年になると、南方からの石油還送が困難となったため、台湾で生産したサトウキビを原料にエタノールを作り、日本軍がガソリンの代わりに航空燃料として使用した。ガソリンと混合した航空丙揮発油として使った他、純エタノールでも使用しており、熱量はガソリンの70%だが、ノッキングの問題が無いため、性能低下は殆ど無かったという。ただし銅と人工ゴムを腐食させるので、前者は鉄またはアルミ合金、後者は天然ゴムに交換した。また時間あたりの消費量がガソリンの30%増しになるので、航続距離が減少したが、日本上空での防空戦闘ではあまり問題にならなかった。エタノールを抜き取られないように、ガソリンと同様青色に着色して区別が付かないようにしてあった（ガソリンはオクタン価向上のために猛毒の４エチル鉛を添加してあり、それに注意を喚起するため青に着色した）が、駐機してある機体からエタノールを抜き取って４倍量の水または紅茶を加え、レモンまたは柚子を一絞りして即席ウイスキーを作る面々もいたようである（三式戦闘機飛燕設計者の土井武夫氏・談）。昭和20年に入ると台湾からの輸送もおぼつかなくなり、松根油が考案された。21世紀に入り、植物からアルコールを造ってジェット燃料に混ぜ込み、グリーン燃料として使用する試みが行われている。参考：月刊丸1,’77、3,’18別冊、月刊JWings1,’20

＜エタンダール�U＞：フランス空軍試作双発戦闘機。ダッソー社が開発し、当初はミステール22と呼ばれた。エンジンはチュルボメカ製ギャビゾ（A/B時推力1.5トン）。1956年7月23日に初飛行したが、能力不足で採用されなかった。参考：月刊エアワールド8,’05

＜エタンダール�Wシリーズ＞：フランス海軍艦上戦闘機。ミステール24の名称でダッソー社が自主開発した。エタンダール�Uのエンジンをスネクマ製アター101（推力3.7トン）単発に換装したもので、フランス空軍には採用されず、改良型のエタンダール�WＭなどが海軍に採用されている。参考：月刊エアワールド8,’05

　＜エタンダール�WＭ＞：主翼に折り畳み機構を追加するなどして艦上運用に適合させた。1958年5月21日（12日？）に原型機、1960年9月19日に海軍運用型が初飛行し、1962年に就役して68機が生産され、空母クレマンソーとフォッシュに搭載されている。参考：月刊エアワールド8,’05、月刊世界の艦船3,’21

＜エタンダール�Wファミリー＞

　＜エタンダール�WＰ＞：偵察機型。Ｍ型の機首に航空カメラを搭載したもので、機首上面に空中給油受油プローブ、機首下面にECMアンテナ内蔵フィンを持つ。航法装置を強化し、胴体下面には太いポッド状の空中給油用ドローグホース・リール、主翼下面に増槽１本ずつを搭載する。全長14.4m、全幅9.6m、総重量8.2-10.84トン。翼面積29平方メートル。エンジンはスネクマ製アター8B（推力4.4トン）単発、最大速度マッハ1.02、実用上昇限度15000m、戦闘行動半径350-800海里、最大航続距離1650海里。乗員１名。21機が３個飛行隊に配備された。参考：空軍、月刊エアワールド8,’05、月刊航空ファン2,’19

＜エチオピア・エリトリア紛争＞：1952年、国連がエチオピア（アメリカが後ろ盾）とエリトリア（ソ連が後ろ盾）の連邦制を採択した。1958年、エリトリア国旗の掲揚を禁止し、エリトリア言語を廃止。これに反対するデモ隊にエチオピア軍が発砲、532名が死傷した。1962年、エリトリアがエチオピアに併合された。1970年代、エリトリアにEPLFが発足、エチオピアにゲリラ戦を仕掛けた。1974年、エチオピアで革命が起こり、社会主義軍事政権が発足。1991年5月、EPLFがアスマラを制圧した。1993年5月、エリトリアが独立。7月、エリトリアとエチオピアが友好条約を結んだ。1995年、エチオピアの反政府組織EPRDFが暫定新政権を発足させ、5月に実施された人民代表議会の選挙でEPRDFが圧勝した。1997年11月、エリトリアが独自通貨を導入。1998年5月、国境問題で両国が対立して武力衝突に発展、国交を断絶し、国際紛争に突入した。2000年6月18日、アフリカ統一機構OAUの仲介で停戦協定が結ばれた。9月15日、国連安保理が国連平和維持軍の派遣を決定した。参考：月刊軍事研究12,’00

＜エチオピア海軍＞：

＜エチオピア海軍（１９７７年）＞：兵力1500名。沿岸掃海艇１隻、練習船１隻、大型哨戒艇３隻、クラルジェビカ級哨戒艇１隻、スイフト級高速哨戒艇４隻、沿岸哨戒艇４隻、上陸用舟艇４隻を保有する。参考：軍事力バランス78年版

＜エチオピア海軍（１９８９年）＞：兵力1800名。マッサワとアッサブに基地がある。ペチャ�U級フリゲート２隻、オサ級ミサイル艇８隻、ツリャ級水中翼魚雷艇２隻、モル級高速艇４隻、沿岸掃海艇１隻、スイフトシップス32m級高速艇３隻、小型内海高速艇３隻、ポルノクヌイ級中型揚陸艦２隻、戦車揚陸艇２隻、機械化揚陸艇４隻、輸送艦１隻、練習艦１隻を保有する。ただし内戦状態のため実際の配備状況は不明。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜エチオピア空軍＞：1960年代、キャンベラ爆撃機４機を導入。1977年、MiG-23戦闘機を導入。1998年、Su-27戦闘機４機とSu-27UB戦闘機２機を配備。参考：週刊エアクラフトNo.82、月刊エアコマンド8,’93、月刊JWings4,’23

＜エチオピア空軍（１９７７年）＞：兵力2000名。キャンベラB2爆撃機２機、F-5戦闘機20機、F-86F戦闘機７機、T-28A偵察機６機、C-47輸送機６機、C-54輸送機２機、C-119G輸送機７機、ダブ輸送機３機、Il-14輸送機１機、オッター輸送機１機、サフィール練習機20機、T-28A/D練習機13機、T-33A練習機20機、AB204ヘリ10機、アルエート�Vヘリ５機、Mi-8ヘリ２機、UH-1Hヘリ10機を配備する。参考：軍事力バランス78年版

＜エチオピア空軍（１９８９年）＞：兵力4000名。MiG-17F戦闘機20機、MiG-21MF戦闘機78機、MiG-23BN戦闘機40機、An-12輸送機11機、An-26輸送機２機、L-100-30輸送機２機、Yak-40要人輸送機１機、L-39練習機11機、MiG-21U練習機５機、SF-260TP練習機21機、Mi-8ヘリ32機、IAR-330ヘリ１機、IAR-316ヘリ10機、チェタック10機を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜エチオピア空軍（２０１５年）＞：現役兵力3000名。MiG-21MF/UM戦闘機15機、Su-27戦闘機８機、Su-27UB戦闘機３機、An-12輸送機３機、C-130B輸送機２機、C-130E輸送機１機、L-100-30輸送機２機、An-26輸送機１機、An-32輸送機１機、DHC-6輸送機１機、Yak-40要人輸送機１機、L-39練習機12機、SF-260練習機４機、Mi-24攻撃ヘリ15機、Mi-35攻撃ヘリ３機、AW139汎用ヘリ１機、SA316アルエート�V汎用ヘリ６機、Mi-8/-17汎用ヘリ12機、R-3/R-23/R-24/R-27/R-60/R-73空対空ミサイルを保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜エチオピア軍＞：1989年5月、クーデター計画がエチオピア政府に阻止され、上層部の粛正を喰らった。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜エチオピア軍（１９８９年）＞：兵力315800名。キューバ軍歩兵旅団１個2800名、ソ連軍事顧問1700名、東ドイツ軍事顧問550名、北朝鮮軍事顧問200名が駐留している。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜エチオピア軍（２０１５年）＞：現役総兵力138000名（陸軍135000名、空軍3000名）。コートジボアールにUNOCIオブザーバ−２名、リベリアにUNMIL要員６名とオブザーバー11名、ソマリアにアフリカ連合ソマリア・ミッションAMISOM要員4400名、歩兵大隊１個、南スーダンにUNMISS要員1263名、歩兵大隊３個、オブザーバー10名、スーダンにUNAMID要員2522名、歩兵大隊３個、オブザーバー11名、UNISFA要員4367名、偵察中隊１個、機甲中隊１個、機械化歩兵大隊１個、歩兵大隊２個、ヘリ飛行隊１個、砲兵中隊２個、工兵中隊１個、通信中隊１個、野戦病院１個、オブザーバー79名を派遣している。アメリカ軍MQ-9無人機数機が駐留している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜エチオピア人民革命民主戦線＞：EPRDFを参照。

＜エチオピア併合＞：1935年10月3日、イタリア軍がエチオピア帝国に侵攻。航空機によるエチオピア拠点や町村への爆撃を繰り返し、戦車も投入して攻勢をかけた。11月、マスタードガス212kgを詰めたC500T爆弾と、航空機搭載型マスタードガス撒布装置の使用を開始。裸足のエチオピア兵は足底に重傷を負って歩けなくなり、兵站に使用していたラバも汚染された草を食べて死傷した。1936年5月、イタリアが首都アジスアベバを占領し、5月9日にエチオピアを併合した。イタリア政府がマスタードガスの使用を公式に認めたのは1996年3月である。参考：図解雑学生物・化学兵器

＜エチオピア陸軍＞：2011年6月、ウクライナ国営兵器輸出会社Ukrspecexport社からT-72戦車200両を輸入する契約を締結したことが明らかになった。2012年に99両が輸出され、2013年9月にも数十両を受領したとみられる。参考：月刊軍事研究3,’14

　＜エチオピア陸軍（１９７７年）＞：兵力50000名。歩兵師団４個、対ゲリラ戦師団１個、軽歩兵大隊１個、空挺歩兵大隊１個、砲兵大隊５個、工兵大隊２個からなる。M-60戦車35両、T-34/T-54中戦車35両、M-41軽戦車70両、AML-60装甲車56両、M-113装甲兵員輸送車90両、コマンド/M-59/BTR-152装甲兵員輸送車40両、75mm榴弾砲36門、105mm砲52門、155mm砲12門、155mm自走砲M-109を12両、107mm迫撃砲M2を146門、4.2インチ（107mm）迫撃砲を140門保有する。参考：軍事力バランス78年版

　＜エチオピア陸軍（１９８９年）＞：兵力313000名（うち人民民兵150000名）。自動車化師団３個、山岳師団４個、軽師団３個、歩兵師団12個、戦車大隊32個、空挺／コマンドー旅団８個、砲兵大隊37個、防空大隊12個からなる。M-47戦車30両、T-34/85戦車20両、T-54/-55戦車600両、T-62戦車100両、M-41軽戦車15両、BRDM-1/-2偵察車200両、BMP-1歩兵戦闘車40両、M-113装甲兵員輸送車30両、BTR-40/-60/-152装甲兵員輸送車600両、75mm砲M-116、105mm砲40門、122mm砲D-30を180門、122mm砲M-1938を190門、130mm砲M-46を48門、152mm砲D-20を12門、122mm自走砲、155mm自走砲M-109を６両、122mm多連装ロケットBM-21、107mm迫撃砲M2/M30を200門、120mm迫撃砲M-38を100門、9K11対戦車ミサイル、82mm無反動砲B-10、100mm対戦車砲M-1955、23mm高射機関砲ZU-23、23mm自走高射機関砲ZSU-23-4、37mm高射機関砲M-1939、57mm高射機関砲M-1950、57mm自走高射機関砲ZSU-57-2、S-75地対空ミサイル18基、S-125地対空ミサイル18基、9K32携帯地対空ミサイル、DHC-6輸送機３機、DHC-3輸送機４機、U-17観測機１機、UH-1Hヘリ６機を保有する。ただし内戦状態のため実際の配備状況は不明で、古いアメリカ製装備は稼動していないとみられる。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜エチオピア陸軍（２０１５年）＞：現役兵力135000名。北部・西部・中央・東部軍管区に分かれ、それぞれ軍団司令部として機能する。アガジ・コマンドー司令部、北部軍団（機械化師団１個、歩兵師団４個）、西部軍団（機械化師団１個、歩兵師団３個）、中央軍団（機械化師団１個、歩兵師団５個）、東部軍団（機械化師団１個、歩兵師団５個）からなる。T-54/-55/-62戦車246両以上、T-72戦車211両、BRDM偵察車／BMP歩兵戦闘車／BTR-60/-152装甲兵員輸送車／89式装輪装甲車／92式装輪装甲車／ゼーヴ装輪装甲車計450両、122mm自走砲2S1、152mm自走砲2S19を10両、122mm砲D-30/M-1938(M-30)を464門、130mm砲M-46、155mm砲AH2、122mm多連装ロケットBM-21を50両、81mm迫撃砲M1/M29、82mm迫撃砲M-1937、120mm迫撃砲M-1944、9K11/9K111/9K135対戦車ミサイル、82mm無反動砲B-10、107mm無反動砲B-11、85mm対戦車砲D-44、S-75地対空ミサイル、S-125地対空ミサイル、9K32携帯地対空ミサイル、23mm自走高射機関砲ZSU-23-4、23mm高射機関砲ZU-23、37mm高射機関砲M-1939、57mm高射機関砲S-60、T-54/-55戦車回収車（を保有しているという報告あり）、MTU戦車橋（を保有しているという報告あり）、ボゼナ地雷戦車両を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜エックス舵＞：Ｘ舵を参照。

＜エックス線＞：Ｘ線を参照。

＜エッグスフォールド＞：L15（駆逐艦）を参照。

＜エックス翼＞：Ｘ翼を参照。

＜エックス・レイ＞：Ｘを表すアメリカ軍符丁。

＜エックス・レイ級＞：1851型（ソ連／ロシア原潜建造史）または10831型（世界の潜水艦ハンドブック）を参照。

＜エッグビーター＞：AV2091（衛星通信アンテナ）を参照。

＜エッジクーム＞：APA-164（攻撃輸送艦）を参照。

＜エッシングトン＞：K353（フリゲート）を参照。

＜エッセンシャル・ハーベスト作戦＞：NATO軍がマケドニアで行った、アルバニア系勢力の武装解除作戦。12カ国3500名が投入された。参考：月刊PANZER4,’02

＜エッナ級＞：アイルランド海軍コルベット。全長81m、排水量1910トン。兵装は70口径57mm砲１門、20mm機関砲２門。１番艦は1984年に就役した。参考：月刊軍事研究1,’98

＜越年準備＞：日本海軍の艦船が新年を迎えるにあたって行う各種作業のこと。内外舷総塗粧で艦の塗装を内外共に一新（外舷は水平に、内舷は垂直に塗る）し、大掃除を行い、マストトップと舷門に松飾りを施す。参考：海軍よもやま物語

＜エッフィンガム＞：APA-165（攻撃輸送艦）を参照。

＜エッフェル型風洞＞：風洞を参照。

＜エディソン＞：DD-439（駆逐艦）を参照。

＜エデュアルト・トラット＞：Eduard Tratt。ドイツ空軍の駆逐機エース。1943年5月、ヴィットムントハーフェンで創設された第25実験部隊（重爆撃機撃墜を主任務とし、各種大口径兵器のテストを行う）の指揮官となった。その後、第26駆逐航空団第�U飛行隊隊長となっている。1944年2月22日にノルトハウゼンで迎撃任務中に戦死した。生涯スコアは撃墜38機、地上撃破26機、戦車24両、軍用車両312両、対空砲33門破壊。最終階級は大尉で、死後に柏葉騎士鉄十字章を授与された。参考：月刊丸4,’07、世界の傑作機No.141

＜エデン＞：RPL05（揚陸艇）を参照。

＜エドウィン・Ａ・ハワード＞：DE-346（護衛駆逐艦）を参照。

＜江藤豊喜＞：日本陸軍エース。大正2年、福岡県生まれ。昭和11年6月、陸軍士官学校を卒業し、10月に航空兵少尉となり、所沢で操縦学生訓練を受け、明野で戦闘機戦技教育を受講、昭和13年3月に飛行第８大隊所属となった。8月10日、漢口攻撃でI-16戦闘機２機を撃墜。昭和14年秋、満州の竜鎮に移動。昭和15年1月、明野の甲種学生となり、6月に修了して飛行第77戦隊第１中隊長となった。太平洋戦争後はラングーン侵攻などに参加。昭和17年1月23日、ラングーン攻撃で４機（不確実１機含む）を撃墜。昭和18年5月、明野の教官となった。8月、少佐に昇進した。昭和19年6月、飛行第64戦隊長に赴任。7月末、ビルマに展開した。昭和20年1月9日、アキャブ港攻撃でスピットファイア１機を撃墜。昭和20年4月、明野に転任となり、終戦を迎えた。公認撃墜数12機。最終階級は少佐。参考：日本陸軍戦闘機隊

＜エドガー・Ｇ・チェイス＞：DE-16（護衛駆逐艦）を参照。

＜エドガー・ジョンソン＞：イギリス空軍エース。1916年生まれ。1940年、第616飛行中隊に配属されたが、肩の手術を受けることになり、1941年に部隊復帰、6月に初撃墜を記録した。515回出撃して被弾ゼロ、生涯スコアは38機。参考：英独航空決戦

＜江戸川丸＞：日本郵船貨物船。総トン数6968トン。昭和19年11月、済州島西で雷撃を受けて沈没し、2113名が戦死した。参考：輸送船入門

＜エドソル＞：DD-219（駆逐艦）またはDE-129（護衛駆逐艦）を参照。

＜エドソル級＞：アメリカ海軍護衛駆逐艦Edsall級。長船体型の１つで、逆転装置付フェアバンクス・モース社製ディーゼルを搭載しており、FMR（Fairbanks-Morse Reduction geared）型とも呼ばれる。本来は主機８基・出力12000馬力を予定していたが、主機が潜水艦に優先配分されていたためと、6000馬力用減速歯車の製造に手間がかかるため、主機を４基、出力を１軸当たり3000馬力にして生産を容易にした。艦底にQC型サーチライト式アクティブ・ソナーを装備する。全長93.27m、幅11.15m、吃水2.67m、基準排水量1200トン、満載排水量1490トン。主機はフェアバンクス・モース式38D-1/8-10ギヤード・ディーゼル４基２軸6000馬力、速力21ノット、燃料搭載量279トン、航続距離10800海里（12ノット）。兵装は50口径7.6cm単装両用砲３門、40mm連装機関砲１基、20mm単装機関砲８門、533mm魚雷３連装発射管１基、爆雷投射機８基、爆雷投下軌条２条（爆雷130個）、ヘッジホッグMk10が１基。乗員186名（平時）／200名（戦時）。DE-129からDE-152、DE-238からDE-255、DE-316からDE-338、DE-382からDE-401の85隻が就役した。うち太平洋戦争中に30隻、朝鮮戦争中に12隻がコースト・ガードで使用されている。太平洋戦争末期には魚雷発射管を撤去して40mm単装機関砲や20mm単装機関砲を増設、40mm連装機関砲を４連装に強化するなどの改装が行われた。1951-52年、DE-152ピーターソンなど３隻が２番砲と機関砲全てを外し、旋回式ヘッジホッグ２基を装備、ソナーとレーダーを新型にし、対潜魚雷発射管と爆雷投射機14基を追加して対潜装備強化型となった。また、1951-58年に36隻がレーダー・ピケット艦（DER）に改造され、中央船楼を設置して艦橋も拡大、前後のマストを三脚式にして前部にAN/SPS-6対空レーダーとAN/SPS-4対水上レーダー、後部にTACANとECMを搭載、AN/SPS-8高角測定レーダーも装備し、２番砲を撤去して旋回式ヘッジホッグを設置した。参考：アメリカ護衛艦史、第２次大戦のアメリカ軍艦

＜エドソル級・海外シリーズ＞

　＜エドソル級（メキシコ）＞：メキシコ海軍フリゲート。元はエドソル級護衛駆逐艦DE250ハーストで、1973年10月1日に引き渡されてコモドーロ・マヌエル・アスエータ・ペリロスに改称され、メキシコ湾で練習艦として使用された。全長92.3m、幅11.3m、吃水4m、満載排水量1850トン。主機はディーゼル、出力6000馬力、２軸推進、速力20ノット。兵装は76mm単装砲３門、40mm４連装機関砲１基、40mm連装機関砲２基。1995年に近代化改装を受け、76mm１番砲をOTOメララ社製76mm単装砲に換装、76mm２番砲を撤去して40mm４連装機関砲Mk2を移し、艦橋と操舵室を一体化して前部マストを三脚式とした。ただ76mm砲はすぐに元のMk22に戻され、Mk2機関砲の位置も元通りとされている。2000年現在の諸元は以下の通り。基準排水量1400トン。主機はディーゼル、速力12ノット。兵装は76mm単装両用砲Mk22が３門、40mm４連装機関砲Mk2が１基、40mm連装機関砲Mk1が２基、20mm単装機関砲２門。参考：月刊世界の艦船11,'00、3,’92増刊

＜エドソンズ・リッジ＞：川口支隊飛行場攻撃を参照。

＜エトナ＞：A5326（補給艦）を参照。

＜エドナ＞：キ−71（試作襲撃機）を参照。

＜エトナ＞：イタリア海軍エトナ級防護巡洋艦１番艦Etona。1887年12月竣工。1893年4月、アメリカで国際艦隊集合行事に参加。1905-07年、練習艦となるため大改装を実施。船体前後に甲板を１層増設し、25.4cm砲を12.7cm単装砲に換装、15.2cm単装砲も新型の同口径砲に換えた。他に57mm単装砲４門、47mm単装砲２門、37mm単装機砲２門、35.6cm魚雷発射管２門を搭載する。1909年9月、ニューヨークでハドソン・フルトン祭り参加。第１次大戦では港務艦として参加し、タラント軍港にいてイタリア艦隊司令部が置かれていた。1921年5月に除籍された。参考：月刊世界の艦船7,’15

＜エトナ級＞：イタリア海軍軽巡洋艦Etna級。元はタイ海軍がCRDAに発注したタクシン級軽巡洋艦で、工事が中断していたのを1942年8月にイタリアが取得し、防空巡洋艦として建造を再開したものである。基準排水量5900トン。速力28ノット。兵装は13.5cm連装両用砲３基、6.5cm単装高角砲10門。タクシンをエトナ、ナレスワンをヴェスヴィオと改称して建造を進めたが、60%ほど工事が進んだところで1943年9月にドイツに接収され、その後トリエステで自沈した。戦後に浮揚されたが、1949年に解体されている。参考：近代巡洋艦史

＜エトナ級＞：イタリア海軍防護巡洋艦Etona級。全長91.4m、常備排水量3538トン。主機はレシプロ蒸気機械２基２軸7480馬力、速力17.8ノット。兵装は25.4cm単装砲２門、15.2cm単装砲６門、57mm単装砲５門、37mm単装機砲５門、35.6cm魚雷発射管３門（２門説あり）。他に37mm回転式５連機砲１基を搭載していたという説もある。エトナなど３隻が竣工した。改良型のエットーレ・フィエラモスカもこのクラスに４番艦として入れることもある。参考：月刊世界の艦船7,’15

＜エトナ級＞：イタリア海軍補給艦Etna級。燃料7750トン（6600トン？）を搭載可能。全長146.5m、満載排水量13615トン。速力21ノット。兵装は76mm砲１門。AW101またはNH90またはAB212ヘリ１機を搭載できる。乗員160名。A5326エトナが1998年に就役した。参考：月刊軍事研究1,’07、月刊世界の艦船8,’19、THE MILITARY BALANCE 2016

＜エド・ハイネマンのホットロッド＞：A-4シリーズ（攻撃機）を参照。

＜エト袋＞：船酔いなどの際に使うエチケット袋のこと。参考：MAMOR vol.100

＜江戸丸＞：日本海軍特設砲艦Edo maru。元は廣南汽船貨物船で、昭和12年8月12日に大阪造船所で竣工し、昭和13年に廣南汽船に売却され、昭和15年11月に徴用されて特設砲艦になった。垂線間長66.86m、幅10.9m、深さ5.65m、満載吃水5.05m、総トン数1299トン、重量トン数1824トン。主機は三連成レシプロ蒸気機械１基１軸1100馬力、航海速力10ノット、最大速力12.2ノット。南方海域に送られて訓練に入り、太平洋戦争勃発で引き続き南方海域で作戦に就いた。昭和18年8月13日、父島から横須賀に向かっていたところ、南硫黄島東南東130kmでSS-281サンフィッシュの雷撃を受け沈没した。参考：月刊世界の艦戦10,’20

＜エトマン・サガイダチヌイ＞：ウクライナ海軍クリヴァク�V型フリゲートHetman Sagaidachny（コサック酋長サハイダチヌイ。ロシア語綴りはGetman Sagaydachniy）。元はソ連海軍クリヴァク�V型フリゲートで、1993年に就役した。2012年7月9-24日、シー・ブリーズ2012演習に参加。2014年、NATO海軍のソマリア海賊対処任務に参加してアラビア海に展開中にウクライナ紛争があり、2月26日にスエズ運河を通過、地中海に入った。セヴァストポリに3月初めに帰還する予定だが、ウクライナ海軍でなくロシアに亡命したヤヌコビッチ大統領の命令に従っていてロシア軍艦旗を掲揚しているという説があり、ウクライナのヤツェニューク首相はトルコに対してボスポラス海峡通過の許可を与えないよう要請した。2014年9月8-10日、黒海でシー・ブリーズ2014演習に参加。2022年2月24日のロシアによるウクライナ侵攻を受け、鹵獲を防ぐために自沈した。参考：月刊世界の艦船10,’12、5,’14、12,’14、10,’16、5,’22

＜エドモンズ＞：DE-406（護衛駆逐艦）を参照。

＜エトリック＞：A274（通船）またはK254（フリゲート）を参照。

＜エトルリア＞：イタリア海軍ロンバルディア級防護巡洋艦Etruria。1894年7月11日竣工。1909年9月、ニューヨークでハドソン・フルトン祭に参加。1911-12年、伊土戦争に参加。1916年、潜水母艦に艦種変更された。1918年8月13日、リヴォルノで弾薬運搬艀の爆発に巻き込まれて沈没した。参考：月刊世界の艦船5,’16

＜エドレドン＞：ポーランド海軍がグダンスク工業大学と共同開発中の無人水上艇Edredon。スポルティスS5700硬式ゴムボートに無人操縦システム、電子光学／赤外線センサー、NBC検知装置、爆薬探知装置、兵装を搭載したものである。全長5.6m。主機はヤンマーZT350、巡航速力35ノット、航続時間30時間。兵装は軽機関銃１丁、てき弾発射機１基。操作要員２名（陸上コンテナ内から操作）。参考：月刊世界の艦船5,’13

＜エドレミト＞：M261（掃海艇）を参照。

＜択捉＞：日本海軍択捉型海防艦Etrohu。昭和18年5月15日竣工、佐世保鎮守府付属となった。6月1日、第１海上護衛隊に編入された。昭和19年5月13日、ヒ六三船団の護衛に就いた。5月24日、雷撃で沈没した壱岐の生存者を収容。6月27日、台湾南方で潜水艦の雷撃を受け大破した。8月6日、朝鮮東方でアメリカ潜水艦の雷撃を受けて大破した。8月17日からヒ七一船団の護衛に参加。11月14日からヒ八一船団の護衛に参加。12月25日、千島方面根拠地隊に編入された。昭和20年4月10日、大湊警備府に編入された。10月5日に除籍され、12月1日に特別輸送艦に艦種変更されて昭和21年12月まで外地からの引揚を行った。昭和22年8月5日、賠償艦としてアメリカに引き渡されて解体された。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、小艦艇入門、月刊丸7,’14、3,’90、輸送船入門

＜択捉型＞：日本海軍海防艦Etrohu型、別名甲型海防艦。南方航路護衛が主任務で、占守型をベースに設計期間を短縮、戦時量産を考慮して舵を生産に適した吊舵にしている。船型は船首楼型で、船首楼直後から船体後部まで上構がある。上構には前から艦橋、前部三脚マスト、探照灯台、煙突、後部三脚マスト、12cm砲と並ぶ。水線長76.2m、最大幅9.1m、基準排水量870トン、公試排水量1020トン。機関出力4200馬力、速力19.7ノット。燃料搭載量200トン。兵装は三年式四五口径一二サンチ平射砲３門（前甲板、上構後部上面、後甲板）、九六式25mm連装機銃２基（艦橋両舷）、九四式爆雷投射機１基（後部主砲後方の後甲板）、九五式爆雷36個。昭和18-19年に択捉、松輪、佐渡、隠岐、六連、壱岐、対馬、若宮、平戸、福江、天草、満珠、干珠、笠戸の14隻が竣工した。後に前部マスト中段フラットに二二号電探、後部マスト中段に一三号電探、艦橋前面フラットに三式14口径8cm迫撃砲、船首楼甲板後端と後部マスト直前の上構後部両舷に九六式25mm三連装機銃１基ずつ計３基を追加した。参考：小艦艇入門、月刊丸7,’14、月刊モデルアート9,’15増刊

＜エドワーズ＞：DD-619（駆逐艦）を参照。

＜エドワーズ空軍基地＞：アメリカ空軍の基地。カリフォルニア州の高地砂漠地帯にあり、周囲の人家はまばらで、天候はほぼ晴れ、隣接する硬い地表のロジャーズ乾湖やロザモンド乾湖にも数本の滑走路を備えていることから、空軍資材コマンドが所管し、第412試験航空団、空軍資材コマンド試験評価部隊、空軍テストパイロットスクールを擁する評価試験部隊基地となっていて、機体の評価試験が行われる。北側にはNASAアームストロング飛行研究センター（ドライデン飛行研究センターから改称）も存在する。元は陸軍航空隊ミュロック飛行場で、1949年にYB-49試作爆撃機の飛行試験で事故死したグレン・Ｗ・エドワーズ大尉の名を取ってエドワーズ空軍基地に改称された。参考：月刊JWings5,’20、12,'22、月刊航空ファン2,’16

＜エドワード・Ａ・カーター・ジュニア＞：T-AK-4544（輸送船）を参照。

＜エドワード・Ｃ・デイリー＞：DE-17（護衛駆逐艦）を参照。

＜エドワード・Ｈ・アレン＞：DE-531（護衛駆逐艦）を参照。

＜エドワード・Ｈ・ハイネマン＞：ダグラス社エル・セグンド工場技術部長で、ロッキード社のケリー・ジョンソンと並び、アメリカ二大航空機設計者と称される。1908年生まれ。高校卒業後、19才でダグラス社に製図工として入社した。その後、現場の知識と独学により航空機デザイナーとなり、30才でエル・セグンド工場技術部長に就任。第２次大戦中はSBD艦爆、XSB2D-1艦爆、BTD-1艦攻、XTB2D-1艦攻、A-20攻撃機、A-26攻撃機の設計に参加し、戦後はAD艦攻、A2D艦攻、A3D艦攻、F3D艦戦、F4D艦戦などのチーフデザイナーを務め、47才でA-4攻撃機を海軍に提案した。最高傑作と呼ばれるA-4にはエド・ハイネマンのホットロッドという愛称が付けられている。参考：世界の傑作機No.3、月刊JWings1,’20

＜エドワード・マクダネル＞：DE-1043（護衛駆逐艦）を参照。

＜エドワード・マノック＞：マノック（イギリス空軍エース）を参照。

＜エドワード・ラトレッジ＞：AP-52（攻撃貨物輸送艦）を参照。

＜エニアック＞：世界初の電子計算機。真空管18800本を使用した弾道計算機で、IBMとペンシルベニア大学が共同開発し、1946年に完成した。参考：海軍技術研究所

＜エニウェトク＞：CVE-125（護衛空母）を参照。

＜エニグマ＞：UAEのエミレーツ・ディフェンス・テクノロジー社が開発した８×８輪装甲車。BMP-3と同じ砲塔を搭載する。全長8.3m、全幅2.8m、戦闘重量28トン。エンジンはキャタピラー・ディーゼル社製C13ディーゼル（711馬力）、トランスミッションはオートマチック（前進７段）、最大速度130km、航続距離700km。M777榴弾砲を搭載した自走榴弾砲型、AU220M無人砲塔搭載型、スカイレンジャー対空砲塔搭載型なども開発中。参考：月刊軍事研究5,’15

＜エニグマ＞：ドイツ国防軍の暗号機。1915年にアメリカのエドワード・ヘバーンが開発した暗号化タイプライターがベースで、これは電気配線により打つキーと印字される文字を別のものに入れ替えるという単純なものだったが、1917年に１つのキーを打つとアルファベット26文字ドラム５個が回転して５つの文字に変換（パターンは26文字の５乗で11881376通り）する改良型を開発している。これの特許をドイツのアルツール・シュルビウスが購入し、1920年頃にエニグマ安全装置／暗号機として完成させ、1923年にライプチヒ博覧会に出展、国防軍暗号課長エーリッヒ・フェルギーベル大佐の目に止まり、1926年に海軍が最初に採用した。回転ローター３つによりサイファー暗号を作るもので、キーボードの配列を変更するプラグボードも６本用意されている。形状はタイプライター型で、手前にプラグボードのジャック、その奥にタイプライターのキーボード、更に奥にアルファベットの点灯ボード、一番奥に回転ローター収容部という配置になっていて、回転ローター収容部にはアルファベット３文字を設定する小窓がある。送信者はまず暗号書に定められたアルファベット３文字のキーコードを小窓にセットし、タイプで適当なアルファベット３文字（メッセージ鍵）を２回繰り返して打つと、プラグボード、第１回転ローター、第２回転ローター、第３回転ローター、第３回転ローター、第２回転ローター、第１回転ローター、プラグボードと巡って次々と他のアルファベットに転換され、点灯ボードに最終転換アルファベットが表示される。元の６文字は１・４文字目、２・５文字目、３・６文字目が同じアルファベットだが、エニグマを通した後は違うものに変換されていて（ATVATV→EKLUWOなど）、この最初の６文字が解読コードとなる。続いて暗号書に定められたアルファベット３文字のセットコードを小窓にセットし、送りたい電文のアルファベットをタイプすると、１文字が５文字のアルファベットに変換され、暗号化される。受信先は解読コードと一緒に送信するコールサインで識別する。受信したら、発信者と同じ暗号書のセットコードを小窓にセットし、解読コードのアルファベット６文字を入力すると、点灯ボードに元のメッセージ鍵（の繰り返し２回）が表示されるので、これを小窓にセットし直して暗号化電文を５文字ずつタイプすれば、点灯ボードに解読されたアルファベットが映し出される。送信は１名、受信は暗号文タイプ係と点灯ボード読み取り係の２名で行った。暗号は１京通りにも達し、ローターの順序、位置、プラグボードの配線（日鍵）を毎日組み替えたので解読は不可能と考えられていた。ただ送信ミスを防ぐ目的で３文字のメッセージ鍵を２回打っていたのが大きなヒントになってしまい、1930年代にポーランド暗号局BS4課がドイツ大使館向けエニグマ暗号機を調査、1933年にAVA電気通信工場でコピーして解読に成功し、エニグマのローター設定を探すボンブ（ボンバ？）という電気機械式解読装置も開発した。1938年、ドイツはローターを５個用意して３個選ぶ方式に変更、プラグボードの数を10本に増やし、パターンを１垓通りに強化。再び解読不能となった。1939年、ドイツ海軍はエニグマM1/M2/M3を実用化し、シュルセルＭという暗号書を作成、大海艦隊用にアウサーハイミッシュ・ゲヴァッサー（外国海域。通称ヒュードラ）暗号、ドイツ周辺海域用にハイミッシュゲヴァッサー（本国海域。通称ハイミッシュ）暗号、造船所用にヴェルフト暗号を使い分けていた。シュルセルＭは機密度により定期的（月一回、毎日一回など）及び随時に変更され、Ｕボート用のものはゲヘイム（秘密）という高い機密度が割り当てられた。ドイツによるポーランド侵攻が迫ると、ポーランド暗号局BS4課はフランスに脱出し、フランスとイギリスの情報機関に旧エニグマの解読法などを伝達。イギリスのGC&CSが解読にあたり、1940年1月23日頃に一部の解読に成功し、5月には暗号保守がいい加減だったドイツ空軍の日鍵が毎日分かるようになった。更にボンブの改良型であるボンベ（ボム？）や、コロッサスと呼ばれた解読用コンピュータを開発して解読に成功、内容はウルトラ情報としてチャーチル首相らに報告された。1941年9月27日深夜から28日未明にかけ、カーボ・ベルデ諸島で会同したＵボート３隻がイギリス潜水艦に襲撃されたため、エニグマが解読されたという疑いがもたれ、キーコード変更を実施。ただドイツ海軍通信部長の調査結果では解読されていないという結論になっている。1942年にドイツ海軍はローターを４個に増やしたエニグマ・シュセル４（M4エニグマ）を採用したが、これも解読されてしまった。1942年2月、ドイツ海軍がＵボート専用のトリートン暗号を使うようになった。1943年12月、イギリスがトリートン暗号の解読に成功した。参考：Ｕボート入門、月刊丸12,’11、連合軍の傑作兵器駄作兵器

＜エニセイ＞：P-12（レーダー）またはZSU-37-2（自走対空機関砲）を参照。

＜エニセイ（２代目）＞：ロシア海軍アムール級敷設艦（２代目）２番艦Yenisei。1910年竣工。1915年6月4日、タリン沖でドイツ潜水艦U-26の雷撃を受けて沈没した。参考：月刊世界の艦船9,’12

＜エヌケイド＞：NCADE（ミサイル）を参照。

＜エヌる＞：日本海軍士官のスラングで、のろけること。NorokeruのＮ。参考：帝国陸海軍事典

＜エネルガ＞：スイスが開発した対戦車小銃てき弾。外装式で、装甲貫徹力300mm。1947年に公開され、その時は肩撃ち式対戦車ロケットに負けて採用されなかったが、1950年代半ばから肩撃ち式対戦車ロケットよりも手軽で各兵士が持ち歩けるためNATO各国で採用された。参考：手榴弾・迫撃砲

＜エネルギー機動性理論＞：E-M理論を参照。

＜エノーマス＞：ソ連のNKVDが行った、原子爆弾開発関連情報収集作戦ENORMOZ。1941年9月に、表向きは外交官としてロンドンで活動していた諜報員から、NKVD長官がイギリスの原爆開発に関する報告を受けたことにより開始された。チューブ・アロイやマンハッタン計画に関与していたドイツ移民のクラウス・フックスが重要な情報源となり、ウラン235の分離にガス遠心分離が有利であること、ソ連での産出が少ないウランの代わりにプルトニウム239でも原爆が開発できること、核融合を使った水素爆弾に開発の可能性があることなどを掴んだ。1945年のポツダム会談でトルーマン大統領がスターリンに対して「我々は前代未聞の破壊力を持つ兵器を保有している」と伝えた時、スターリンは既にアメリカが原爆を持っていることを知っていた。8月の広島・長崎原爆投下を受け、全諜報機関の能力を原爆開発に関する情報収集に集中させることになり、ボロジノ作戦に引き継がれた。参考：月刊軍事研究11,’09

＜榎（初代）＞：日本海軍楢型駆逐艦６番艦。大正7年4月30日竣工、二等駆逐艦に類別された。昭和5年6月1日に掃海艇に転籍し、第10号掃海艇に改称された。昭和11年4月1日に雑役船に編入され、麗女と通称された。昭和15年に廃船となり、船体は呉工廠実験部の防波堤となった。参考：日本駆逐艦史

＜榎（２代目）＞：日本海軍松型駆逐艦30番艦。昭和20年3月13日竣工。6月26日、福井県古浜湾で触雷して損傷した。昭和20年9月30日に除籍され、昭和23年7月1日に解体された。参考：日本駆逐艦史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、日本海軍艦隊総覧

＜えのしま＞：MSC-604（えのしま型掃海艇）またはMSC-652（はつしま型掃海艇）を参照。

＜江之島＞：日本海軍戸島型敷設特務艇。大正7年9月25日進水。大正8年3月31日、舞鶴海軍工廠で大型敷設艇（雑役船）の江之島丸として竣工。大正9年7月1日、二等敷設艇に類別変更され、江之島に改称された。昭和6年5月30日、敷設艇に類別変更された。昭和19年2月1日、敷設特務艇に類別変更された。10月14日、高雄で艦上機の攻撃を受けて小破した。終戦時には馬公におり、現地で接収または処分されたようである。参考：月刊世界の艦船10,’21、第２次大戦日本海軍作戦年誌、小艦艇入門、写真集日本の小艦艇

＜えのしま型＞：海上自衛隊掃海艇。海自初のFRP船体採用掃海艇で、船体と上部構造物はサンドイッチ構造GFRP製（強化繊維がガラス繊維多軸織物、成形用樹脂がビニルエステル樹脂。GFRPの低弾性率を補うサンドイッチ心材は高密度塩化ビニルフォーム心材）である。組み立てはブロック工法で、主船体船首ブロック、同中央部ブロック、同船尾ブロック、船首楼ブロック、上部構造物ブロックに分けられており、VaRTM（真空含浸法）成形で外皮と内皮を建造し、骨部材（船底部は中心線ガーダと第１・第２サイドガーダによる縦肋骨構造、舷側及び甲板はリング形状横式フレームを第２サイドガーダで結合した横肋骨構造）、隔壁、甲板などを組み立て、各ブロックを２次接着して船体を完成させている。木造艇よりも原価は高い（ひらしま型１番艇175億円、えのしま型１番艇201億円）が、寿命が２倍（30年）になり、水を吸わないので重量増による燃費悪化も無く、ライフ・サイクル・コストが大幅に向上した。船型は角型（スケグ無し）の長船首楼型で、ひらしま型よりも一回り大きくなり、船体側面の防舷材を廃止、煙突を角張った形状に変更したが、装備はほぼ同じ。船首楼甲板には科員居住区、士官室、処分爆雷用弾庫などがある。上部構造物の１層目前部にCIC、後部に士官居住区、２層目に航海艦橋を持つ。艦橋頂部にはOPS-39対水上レーダーを装備する。煙突脇に球形の再圧タンクを搭載しており、緊急時には潜水病にかかった病人１名と看護者１名を収容したままクレーンで吊り上げて他艦や陸上に移すことができる。機関砲は当初遠隔操作式30mm機関砲を搭載する予定だったが、予算不足で20mm多銃身機関砲になった。掃海時には補助電気推進器で騒音を低減しつつS-10掃討具と併走し、掃討時にはバウ・スラスターとシリング舵による自動操舵で艦を定点に保持する。掃海艇として初めて衛星通信装置を搭載しており、煙突後方に白いアンテナドームがある。全長60m、幅10.1m、深さ4.5m、吃水2.5m、基準排水量570トン、満載排水量660トン。主機は三菱6NMUディーゼル２基２軸2200馬力、最大速力14ノット。補助電気推進器（出力230kW）２基と磁気掃海電源兼用主発電機（出力400kW）４基を装備する。兵装は20mm多銃身機関砲JM61M（1-2番艦）１基／JM61-RFS（３番艦）１基（前甲板）。OYQ-201掃海用情報処理装置、ZQS-4機雷探知器（船体下面前寄り）、サイドスキャンソナー４型、小型繋維掃海具１型、感応掃海具１型、S-10掃討具、衛星通信装置を搭載する。乗員45名。20MSC以降で建造され、MSC-604えのしま、MSC-605ちちじま、MSC-606はつしまが2012-15年に就役した。参考：月刊世界の艦船5,’15、10,'15、1,’16、1,’19、8,’12、1,’11、2,’12、1,’13、5,’13、10,’19、月刊軍事研究5,’12、月刊JWings10,’15

＜エノラ・ゲイ＞：B-29シリーズ（爆撃機）を参照。

＜エバーグリーン・ステート＞：T-AOT-5205（油槽船）を参照。

＜エバーソール＞：DD-789（駆逐艦）を参照。

＜エパーソン＞：DD-719（駆逐艦）を参照。

＜エバート＞：DE-84（バックレイ型護衛駆逐艦）またはDE-768（カノン級護衛駆逐艦）を参照。

＜エバール＞：DD-430（駆逐艦）を参照。

＜エバリュエイターズ＞：VX-9（航空試験評価飛行隊）を参照。

＜エバン・エマール要塞攻略＞：エバン・エマール要塞（Fort Eben Emael）はベルギー東部リエージュ要塞群の中枢で、マース川とアルベルト運河を見下ろす位置にあり、第１次大戦ではドイツ軍を12日間にわたり拘束した。ベルギーはドイツが侵攻してきた場合にはここで進撃を食い止め、英仏軍の到着を待つ予定であり、第１次大戦後に増強を重ね、75mm/120mm砲30門と機銃座35基を最大六重のコンクリート壁で固めて兵力1200名を配置していた。ドイツ国防軍は空挺作戦で奇襲攻略することにしたが、パラシュートだと狭い要塞に集中降下できないため、無音のグライダー（空挺突撃部隊）で隠密突入し、エバン・エマール要塞、アルベルト運河橋梁、ヴェルトヴェゼルトとヴロエンホーフェンの橋梁を制圧することにした。第２次大戦で黄作戦が始まった1940年5月10日0430、ドイツ第７降下師団空挺突撃大隊が第172輸送飛行団第１・第２飛行隊Ju52/3m輸送機が曳航するDFS230グライダー41機に分乗してケルンを離陸。途中で輸送機２機が引き返したが、残りは要塞手前30km・高度2100mでグライダーを切り離した。要塞上空に到達すると、まずは着地後に銃声を乱発する仕掛けがセットされた人形を投下。これに守備隊が気を取られている隙に、降下猟兵85名を乗せたDFS230グライダー11機が要塞前面に着地して兵が内部に侵入、据え付けられていた75mm/120mm砲などを次々と爆破し、守備隊1200名を内部に閉じこめた。残るグライダー30機（９機92名、11機96名、10機90名で橋梁３カ所を制圧予定）はアルベルト運河近くに強行着陸したが、グライダーを切り離して反転していたJu52/3m輸送機がベルギー軍に見つかって対空砲火を浴びたため、ベルギー守備兵が警戒を強める中での襲撃となってしまい、橋梁３ヵ所のうち２ヵ所を確保したものの損害も大きく、アルベルト運河橋梁はベルギー軍工兵に爆破されている。エバン・エマール要塞の守備隊長は隣のポンディス要塞及びノーシャトー要塞に「エバン・エマール要塞が占領された」と連絡したため、両要塞はエバン・エマール要塞目掛けて射撃を開始、この隙にドイツ第18軍は確保した橋梁を渡った。5月11日昼頃に要塞の守備隊は降伏。戦死者はベルギー軍60名、ドイツ第７降下師団数名だった。参考：月刊航空ファン12,’19、現代の空挺作戦、月刊PANZER2,’02、月刊丸4,’99

＜エピトロプ級＞：ルーマニア海軍魚雷艇。兵装は533mm魚雷発射管４門。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜えびの駐屯地＞：陸上自衛隊の駐屯地。第８師団第24普通科連隊などが駐屯している。所在地は宮崎県えびの市大字大川平4455-1。最寄り駅はJRえびの飯野駅。1977年5月にえびの市自衛隊駐屯地誘致期成同盟会が結成され、1978年6月に開設が決まり、1981年12月に開設された。1982年、誘致期成同盟会がえびの自衛隊後援会に名称変更された。2005年、第８特科連隊第３大隊が北熊本駐屯地から移駐した。2015年3月26日、第437会計隊が廃止され、第364会計隊えびの派遣隊が新編された。4月14日、自衛隊家族支援説明会を実施。2017年2月4-5日、えびの市京町温泉の買物市・京町二日市で、宮崎地本と協力してPR活動を行い、車両や火砲などを展示した。2018年1月20日、小野寺防衛大臣の視察を受けた。2月3-4日、京町二日市に参加。8月9日、西部方面総監部主催の自衛隊ツアーであるパワーアドベンチャーに協力した。2020年2月1-2日、京町二日市で装備品展示を実施。2021年1月25日、新成人隊員４名の成人行事としてレンジャー訓練塔からの懸垂降下を実施。7月20日、隊員が集めたカブトムシやクワガタ100匹をえびの市飯野保育園にプレゼントした。参考：JGround Vol.23、朝雲、MAMOR Vol.57、北熊本駐屯地ホームページ

＜えびの駐屯地業務隊＞：陸上自衛隊の駐屯地業務隊。2018年1月17日、自隊能力を活用した福利厚生施設の整備などの功績で、陸幕長から２級賞状が授与された。2021年4月1日、女性浴場の運用開始式を実施。参考：朝雲

＜愛媛丸＞：日本陸軍輸送船Yehime maru。元は大正9年1月15日に竣工した山下汽船貨物船で、昭和15年11月に陸軍が徴用した。全長109.73m、幅15.61m、深さ8.69m、満載吃水7.09m、総トン数4655トン、重量トン数6695トン。主機は三連成レシプロ蒸気機関１基１軸2500馬力、航海速力9.5ノット、最大速力10ノット。太平洋戦争勃発でインドネシア方面攻略部隊の輸送任務に就いた。昭和17年、近海輸送に従事。昭和18年、ラバウル方面の輸送任務に従事。10月31日、オ112船団の一員として佐伯を出港し、パラオに向かった。11月2日未明、船団がアメリカ潜水艦群に襲撃され、種子島東南東490kmでSS-232ハリバットの雷撃を受け沈没した。参考：月刊世界の艦船2,’21

＜えひめ丸・グリーンヴィル衝突事件＞：2001年2月9日、ハワイのダイヤモンド・ヘッド沖18kmで、日本の漁業実習船えひめ丸とロサンゼルス級フライト�V攻撃原潜SSN-772グリーンヴィルが衝突した事件。えひめ丸は全長58.2m、幅9.3m、深さ3.9m、吃水3.5m、総トン数499トン。主機はディーゼル１基、出力1800馬力、航海速力12.5ノット、最大速力15ノット。定員は生徒45人、教官２人、生徒45人の計67人だが、この日は宇和島水産高校海洋工学科２年生13人、指導教官２人、船員20人を乗せてマグロの漁獲量調査を行っており、グリーンヴィルは戦艦ミズーリ記念協会会員（記念艦ミズーリ維持管理のスポンサー）を中心とする16人の体験航海中だった。2月9日0759、グリーンヴィルが体験航海のためパール・ハーバーを出港（帰港予定は1500）。安全潜航深度ギリギリまでの潜航、水中最大速力発揮、急旋回などを披露した。午前中のプログラムを終了して昼食に入ったが、士官食堂の席に余裕が10席しか無く、招待客に交替で食事を取らせたため、午後のプログラム開始が45分遅れた。1200、えひめ丸がホノルル港を出港し、南に向かった。グリーンヴィルのソナー室は1232からえひめ丸をキャッチし、シエラ13というコードを付けていたが、司令室のソナー・リピーターがなぜか故障しており（ソナー室に行けば確認できたが、艦長は午後に２回訪れたのみ、哨戒長は一度も行かなかった）、艦長は情報を掴んでいなかった。また、ソナー情報は指揮管制装置で解析されて発令所の目標評価作図装置CEP（Contact Evaluation Plot）に自動でプリントアウトされるので、そこにCEP員が目標の速力や距離を手書きすることになっていたが、体験航海の16人が邪魔でシエラ13の位置を記入できなかった。ソナー担当員２名のうち１名は無資格で、指導にあたる筈のもう１名は事故当時は招待客を接待して席を外していた。1338、南下中のグリーンヴィルは潜望鏡深度（深度18m）に上昇し、哨戒長が潜望鏡による全周視察に入ったが、4m出して３分行うところを1.4mで１分半実施（当時の波高は1.8-2.5m）したところで艦長が潜望鏡について主に前方を視察し、「オーケーだ」と言ったためにそこで止めてしまい、左舷側後方寄りを走るえひめ丸には気づかず、潜望鏡画像もなぜかビデオテープに記録されていなかった。また、通常10分掛ける緊急浮上前のパッシブ・ソナー探知を５分しか行わず、発射管制員はソナー情報でシエラ13の距離を1.8km（2000ヤード）と算出していたが、艦長がオーケーだと発言したため、自分の判定に誤りがあったと思い8.2km（9000ヤード）に書き換えた。招待客の手前、艦長の判断に疑いがあると指摘するのもまずいと思ったという。1340、グリーンヴィルは針路120度で深度126mまで潜航しつつ再加速し、午後1時42分30秒から緊急浮上を実施。潜望鏡視察後に針路を変更せず、そのまま潜って浮上すればぶつからなかった筈だが、1340から衝突までの間になぜか船体を左に100度変針して20度にし、午後1時43分30秒頃、グリーンヴィルの縦舵がえひめ丸のフレーム番号54から21にかけての船底を右舷から左舷に向かって切り裂き、生徒食堂、中央階段、機関室制御室の床板を破り、船底には最大幅1mの亀裂が入り、海水が一気に浸入してえひめ丸はやや艦首を立てた状態で艦尾から一気に沈没した。グリーンヴィルは翌日まで海域にとどまり、生存者を捜索したとされるが、この間に口裏を合わせていた疑いが持たれている。3月5-20日、太平洋艦隊司令部で査問委員会が開催された。委員長は太平洋艦隊航空部隊司令官、委員は戦略軍司令部企画部長、第５巡洋艦・駆逐艦群司令で、艦長のスコット・ワドル中佐以下33名の聴聞を実施。ワドル中佐は証言内容が軍法会議で証拠として採用されないよう証言免責を求め、認められるまで証言を拒否する姿勢だったが、委員長は3月19日に証言免責要求の棄却を決定し、3月20日にワドル中佐が証言を開始している。ワドル中佐は職務怠慢、艦船危険行為、過失致死で裁かれ、太平洋艦隊司令官の裁定により過失致死以外の容疑で有罪となり、2001年9月に名誉除隊となった。えひめ丸は深さ610mの深海に沈んでおり、ダイバーによる船内捜索は不可能で、無人操作ロボットでは船室のドアやハッチが開けられず、ダイバーが潜れるところまで釣り上げたままにするのも危険性が高く、かといって船体をそのまま放置すると損傷部から燃料が漏れるリスクがあるため、海中に釣り上げて浅海域に移動させることになった。ちなみに陸揚げするのは燃料漏れのリスクが高まるのと、起重機船の容量オーバーで不可能である。ただ水深610mから750トンの船舶を分割せずに引き揚げるのは過去に例が無く、アメリカ海軍のサルベージ委託会社であるオランダのシュミット・インターナショナル社に作業を委託し、流出が予想される油への環境アセスメントを実施した。シュミット社は作業船オーシャン・ハーキュリーズを現場に派遣して海底位置測定用音響発信器をえひめ丸に取り付け、引き揚げ作業を行うROVの邪魔にならないようえひめ丸の中央マストを爆破して切断し、両舷外部海底にガイド・シンカーを設置。アメリカ海軍は救難艦ARS-52サルヴァ、測量艦T-AGS-61サムナーを出して支援した。2001年8月、シュミット社がサルベージ作業を開始。フレーム番号15付近と61付近の２カ所に長さ2m、幅1.5m、厚さ19mm、重量２トンの鉄板を置き、この部分にワイヤーをかけて引き揚げることにした。えひめ丸は泥に船首を突っ込んでいたため、8月15日から船首側フレーム61付近の船底下掘削を開始。8月20日、潜水艦救難艦ASR-403ちはやが現地に到着。8月21日、船底部海底の貫通ができなかったため、船底下掘削を断念。まず船尾のフレーム15側に鉄板を設置し、船尾側を少し引き上げてから船首側に鉄板を置くことになり、8月23日から作業を再開した。しかし鉄板に亀裂が入ったり、ワイヤーが切れたりとトラブルが続き、船首側鉄板もフレーム41から先に入れることが出来ず、9月9日に中止された。そこで船首側の泥を浚渫してワイヤーを通し、泥の無い堅めの海底に仮移動させてから鉄板を差し込むことになり、9月10日から作業を開始。10月4日に吊り上げ準備を完了し、10月5日に船体を左舷側へ33m、船首方向に5m移動させた。その後、フレーム15と61への鉄板敷設を完了し、10月12日、大型サルベージ船ロックウォーター２（満載排水量8136トン）がえひめ丸を海底から30mの高さの海中に吊り下げたまま、速力0.8ノットでホノルル国際空港沖1.8kmの浅瀬に移動を開始。10月14日、ホノルル国際空港沖の浅瀬に到達。えひめ丸を水深35mの海底（水深40mだとダイバーの負担が大きく、20mだと波浪や潮流の影響を受ける）に着底させ、ロックウォーター２に搭載されているTXL-16ROVによる観測が行われた。えひめ丸近くの海上にはダイバー基地となるパージ450-10が停泊した。10月16日、海自とアメリカ海軍のダイバーによる船内捜索を開始。10月26日までに行方不明者９人のうち８人の遺体を発見した。11月7日にアメリカ海軍は捜索を打ち切り、11月8日からASR-403ちはやが残る行方不明者１人の捜索にあたっている。11月25日、えひめ丸が深海域の海底に沈められた。引き揚げ作業は8月中旬に終える予定が大幅にずれ、掛かった費用は予想4000万ドルのところ6000万ドルとなっている。12月16日、ASR-403ちはやが帰国。2010年6月8日、海自遠洋航海部隊の乗員有志22名がハワイのえひめ丸メモリアルを参拝し、清掃活動を行った。参考：月刊軍事研究5,’01、4,’03、月刊JWings4,’01、月刊世界の艦船6,’01、9,’01、1,’02、5,’02増刊、朝雲

＜エピルス＞：ギリシャ海軍ノックス級フリゲート１番艦Epirus。元はアメリカ海軍ノックス級フリゲートFF-1056コノールである。1992年就役。参考：月刊世界の艦船9,’96

＜エピング・フォレスト＞：LSD-4（揚陸艦）を参照。

＜エフィンガム＞：I98（軽巡洋艦）を参照。

＜エフェクティブ＞：T-AGOS-21（音響測定艦）を参照。

＜エフェス演習＞：トルコ軍の水陸両用演習Efes。1976年に開始された。参考：朝雲

　＜エフェス２０１６＞：初の多国間演習として開催され、トルコ、アゼルバイジャン、アメリカ、イギリス、カタール、サウジアラビア、ドイツ、パキスタン、ポーランドから9000名が参加し、陸上幕僚長も視察した。参考：朝雲

＜エフェルトセン＞：オランダ海軍ヴァン・スペイク級フリゲートEvertsen。後にインドネシア海軍に引き渡され、アブトゥル・ハリム・ペルダナクスマとなった。参考：月刊世界の艦船9,’96

＜エフゲーニャ級＞：ソ連海軍沿岸掃海艇プロジェクト1258E、Yevgenya級。船体はガラス繊維強化プラスチック製で、機雷探知用高周波ソナーを持つ。全長26.13m、満載排水量91.5トン。兵装は25mm連装機関砲２門。参考：月刊軍事研究7,’05

＜エフゲーニャ級・海外シリーズ＞

　＜マーヘ級＞：インド海軍掃海艇。1983-84年に６隻が就役した。21世紀に入って４隻が退役している。参考：月刊軍事研究7,’05

＜エプシロン＞：TB30（練習機）を参照。

＜エフニキ＞：ギリシャ海軍オスプレイ級掃海艇Evniki。元はアメリカ海軍オスプレイ級掃海艇MHC-53ペリカンである。2007年3月就役。参考：月刊世界の艦船2,’10

＜エフニキ級＞：オスプレイ級掃海艇（ギリシャ海軍）を参照。

＜エフユー＞：日本海軍用語で、褌のこと。FundoshiのFu。参考：帝国陸海軍事典

＜エブリウェア・オン・ザ・シアター＞：工兵隊のモットー。参考：月刊軍事研究8,’04

＜エフられる＞：日本海軍士官のスラングで、異性にふられること。F（u）られる。参考：日本海軍史、帝国陸海軍事典

＜エプロン＞：Apron、駐機場。飛行場内の飛行機停留区域のことで、ランプともいう。駐機位置を示すスポットが記入されている。参考：JWings8,’04、10,’09別冊付録、11,’18

＜エプロン＞：ソ連海軍プルト型救難曳船Epron。2016年2月6日、インド国際観艦式に参加。それに先立ち、インド海軍原潜S73アリハントの潜航試験支援を行っていたともいわれる。参考：月刊世界の艦船6,’15、7,’16

＜エプワース＞：A355（通船）を参照。

＜エペルヴィエ＞：M.S.1500（COIN機）を参照。

＜エペルヴィエ＞：フランス海軍エーグル級駆逐艦Epervier。1934年竣工。1946年に解体された。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜エペルヴィエ＞：ベルギー陸軍無人偵察機。ベルギーのMBLEがNATO戦術偵察システムとして1960年代から開発したが、NATOでは採用されず、ベルギー陸軍向けに1974年から43機のみ生産された。全長2.38m、翼スパン1.72m、射出重量142kg。エンジンはルーカスCT3201ターボジェット（推力52kg）、作戦速度500km、作戦高度1330m以下、最大行動半径75km。搭載偵察装置はオメラまたはウード・デルフト社製光学カメラ（焦点距離70mmまたは127mm）とリアルタイム送信装置付きSATシクロープ赤外線ラインスキャン。参考：スパイ機

＜エポーハ＞：ロシア陸軍無人砲塔Epoch Almaty。元はロシアのKBP社が輸出向けBMP-2/-3用に開発したもので、T-15歩兵戦闘車、B-11歩兵戦闘車、K-17装輪歩兵戦闘車に搭載された。無人の割にかなり大きく、中央に30mm機関砲2A42（徹甲弾160発、榴弾340発）、その左に7.62mm同軸機銃6P7K（PKT）１丁（2000発）、砲塔左右にコルネットEM対戦車ミサイル連装（横並び）ランチャーを１基ずつ装備する。砲塔前面右に砲手用サイト、砲塔上面中央左に車長用全周旋回サイトを持つ。砲塔両側面前部に連装（横並び）発煙弾発射機２基（前方内向きと前方外向き）ずつ、後面左右に連装発煙弾発射機１基（真横向き）ずつ、砲塔前面左と両側面後部にレーザー検知器が用意されている。砲塔上面中央右に後ろヒンジの徹甲弾給弾ハッチ、砲塔上面後ろ半分に前ヒンジの砲塔内部点検ハッチがある。参考：月刊PANZER8,’18

＜エポーラール＞：Br.965（試作艦上対潜哨戒機）を参照。

＜エポーレット＞：肩章、肩飾り、肩当てのこと。トレンチコートやミリタリージャケットの肩にあるボタン留めの布もこう言う。14世紀頃に開発された当初は純粋に肩の防御用で、ストラップ止めの役割もあったが、次第に装飾的要素が強くなった。参考：MAMOR Vol.50

＜エマージェンシー・プルバック＞：緊急発艦時のスペース確保のため、空母飛行甲板の艦首側に駐機している艦上機を艦尾側に移動させること。参考：月刊世界の艦船2,’22

＜エマージェンシー・プルフォワード＞：緊急着艦時のスペース確保のため、空母飛行甲板の艦尾側に駐機している艦上機を艦首側に移動させること。参考：月刊世界の艦船2,’22

＜エマージェンシー・ランディング＞：着艦フックや降着装置などに異常を起こした艦上機が行う空母着艦。陸上基地への緊急着陸が不可能な場合に行われる。他機をなるべく着艦させた上で、アングルド・デッキ周辺の艦上機を格納庫甲板に退避させ、飛行甲板上の機体も艦首側に移動（エマージェンシー・プルフォワード）、バリケード・スタンチョンを立て、クラッシュ・バリアを展張する。着艦機は搭載兵器と燃料を投棄、クラッシュ・バリアに突っ込んで停止する。すぐに消防車が消火剤を撒布、乗員は機体から離れるか、負傷していればクラッシュ・アンド・サルベージ・クルーが救出する。参考：月刊JWings1,’02

＜エマージコン＞：アメリカ軍のICBM攻撃に対する即応体制。海外に展開する部隊が攻撃を受けた場合のEMERGCON�Tと、アメリカ本土及びカナダが攻撃を受けた場合のEMERGCON�Uの２種がある。参考：月刊軍事研究4,’07

＜エマール級＞：アイルランド海軍艦艇。ノルウェー製SUソナーを搭載する。参考：月刊世界の艦船1,’15増刊

＜エマッド＞：イランの弾道ミサイル。2015年10月11日にテストを実施した。参考：月刊軍事研究4,’16

＜エマヌエレ・フィリベルト・デュカ・ダオスタ＞：イタリア海軍デュカ・ダオスタ級軽巡洋艦Emanuele Filiberto Duca d’Aosta。1935年竣工。1942年6月14日、イギリスのマルタ島補給ヴィガラス作戦MW11船団を攻撃するため、戦艦リットリオ、ヴィットリオ・ヴェネト、重巡ゴリツィア、トレント、軽巡ジュゼッペ・ガリバルディ、駆逐艦と共にタラントを出撃。1949年、ソ連に引き渡された。参考：近代巡洋艦史、月刊世界の艦船7,’23

＜エマヌエレ・ペッサーノ＞：イタリア海軍ナヴィガトリ級駆逐艦Emanuele Pessagno。1930年竣工。1942年に雷撃を受けて沈没した。参考：月刊世界の艦船10,’06

＜エミール＞：Bf109E（戦闘機）を参照。

＜エミール・ベルタン＞：フランス海軍エミール・ベルタン級軽巡洋艦Emile Bertin級。1934年就役。1940年4月、連合軍のノルウェー上陸作戦に参加した。6月のフランス降伏時にはマルティニク島にあり、1942年5月に武装解除された。1943年6月、連合軍に参加し、改装工事を受けた後、南フランス上陸作戦の支援などに投入された。1946年3月、仏印に派遣された。1959年に解体された。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜エミール・ベルタン級＞：フランス海軍軽巡洋艦Emile Bertin級。当初はプルトン級の改良型として建造される筈だったが、途中で設計を変更し、機雷敷設もできる軽巡として完成した。後部煙突がアンテナ線の支柱や探照灯スポンソンを支える構造になっている。主砲塔付近の構造に弱い所があり、補強が施されたらしい。全長177m、幅16m、吃水6.6m（5.4m？）、基準排水量5886トン。主機は蒸気タービン、出力102000馬力、４軸推進、速力34ノット。兵装は15.2cm３連装砲塔３基、9cm連装高角砲１基、9cm単装高角砲２門、55cm（53.3cm？）魚雷３連装発射管２基、機雷200個。後部9cm単装高角砲直後から艦尾にかけての上甲板両舷に機雷敷設軌条を持つ。航空機２機を搭載可能。乗員567名（平時）／711名（戦時）。エミール・ベルタンが1934年に就役した。1943-45年にアメリカで改装を受け、カタパルト、航空設備、魚雷発射管を撤去し、魚雷発射管の位置に9cm連装高角砲を追加、対空射撃用レーダーを装備し、艦橋両側と後部煙突脇に40mm４連装機関砲を搭載した。参考：第２次大戦のフランス軍艦、近代巡洋艦史

＜エミール・ランク＞：ランク（ドイツ空軍エース）を参照。

＜エミッター・ロケッター・システム＞：AN/APR-38（レーダー警報）を参照。

＜エミリー＞：二式大型飛行艇シリーズを参照。

＜エミリオ・ジャシント＞：PS-35（コルベット）を参照。

＜エミリオ・ジャシント級＞：フィリピン海軍小型パトロール・コルベットEmilio Jacinto級。元はイギリス海軍が香港で使用したピーコック級パトロール・コルベットで、1997年に導入した。満載排水量712トン。PS-35エミリオ・ジャシント、PS-36、PS-37の３隻が就役した。2004年から対艦ミサイル搭載改修を開始しており、フィリピン海軍初の対艦ミサイル搭載艦となる予定。2015年現在の兵装は76mm砲１門になっている。参考：JShips Vol.20、THE MILITARY BALANCE 2016

＜エミリオ・ビアンキ＞：F589（ミサイル・フリゲート）を参照。

＜エミレーツナイツ＞：UAE空軍アクロバットチーム。アル・フルサン（フルサン・アル・エマラーテ）が2013年に改称したもので、単に英訳しただけである。2014年11月11-16日、エアショー・チャイナでアクロバット飛行を行った。2016年1月21-23日、バーレーン国際エアショー2016で展示飛行を実施。参考：月刊航空ファン2,’15、月刊JWings4,’16

＜エム＞：日本海軍士官のスラングで、異性にもてること。Moteruの頭文字。参考：日本海軍史、帝国陸海軍事典

＜エムエムケー＞：日本海軍士官のスラングで、もててもててこまること。MoteteMoteteKomaruの略。1990年代の若者スラングであるエムケーファイブ（マジでキレる５秒前）の祖先かどうかは定かでない。21世紀初めに女子高生らにより一時的に再使用された。参考：日本海軍史、帝国陸海軍事典

＜エムデン＞：F210（フリゲート）またはF266（コルベット）を参照。

＜エムデン（初代）＞：ドイツ海軍ドレスデン級軽巡洋艦Emden。1914年9月初めにインド洋に入った。10月末までに商船22隻97660総トンを捕獲し、うち16隻70825総トンを撃沈、２隻8591総トンを石炭船として使用し、４隻18244総トンを捕獲船乗員解放のために釈放した。その間、マドラスを砲撃し、ペナン港を襲撃してロシア軽巡ゼムチューグとフランス駆逐艦ムスケを撃沈した。11月8日、軽巡シドニー（初代）の砲撃を受けて座礁した。参考：月刊世界の艦船11,’00

＜エムデン（２代目）＞：ドイツ海軍ケーニッヒスベルク級（２代目）軽巡洋艦Emden。1916年竣工。1926年に解体された。参考：近代巡洋艦史

＜エムデン＞：ドイツ海軍エムデン級軽巡洋艦。1921年12月起工、1925年10月15日竣工、練習艦として使用された。1927年、日本に来航。1931年、日本に来航した。1939年9月4日、ウィルヘルムスハーフェン沖でイギリス空軍機の爆撃を受け、１機が艦前部に衝突し、損傷した。12日間で修復するとオランダ沿岸の機雷輸送に従事。1940年4月6日、ヴェーゼル演習作戦ではオスロ攻略に参加するため歩兵を乗せて出撃。オスロ攻略中は無線中継を実施したが、機雷で損傷した。作戦終了後は練習艦として使用されている。1941年9月、継続戦争のオーゼル島上陸作戦に参加。1942年、近代化改装を受けた後、ノルウェーで機雷を敷設した。1945年3月、キール軍港でイギリス空軍機の攻撃を受けて大破。4月9日、キールでトールボーイによる爆撃を受けて損傷。5月3日、イギリス空軍機の爆撃を受けて大破自沈し、終戦後に解体された。参考：月刊丸8,’11、写真集ドイツの巡洋艦、近代巡洋艦史

＜エムデン＞：ドイツ海軍ケルン級フリゲートEmden。1961年就役。1983年にトルコに引き渡され、ゲムリクとなった。参考：月刊世界の艦船9,'96

＜エムデン級＞：ドイツ海軍軽巡洋艦。第１次大戦後初の軽巡洋艦で、ドレスデン級の改良型であり、建艦技術のテスト用といった艦である。ベルサイユ条約で排水量を6000トンに制限されたため、基準排水量5600トンで設計した。基本船体は電気溶接を多用して重量を10%減らし、その分を高角砲や装甲に充てている。装甲板はクルップ浸炭鋼板やKC非浸炭鋼材を使用。当初は15cm連装砲４基を装備する予定だったが、連合軍監視委員会からクレームが付いて単装８門に変更されている。第１煙突の方が第２煙突よりも背が高い。全長155.1m、幅14.3m、平均吃水5.15m、吃水5.8m、基準排水量5600トン。主機はB&Wギヤード・タービン２基、主缶は石炭専焼缶４基＋重油専焼缶６基、出力46500馬力、２軸推進、速力29.4ノット。兵装は55口径15cm単装砲８門（艦中心線上前後に２門ずつ、両舷に２門ずつ）、8.8cm高角砲２門（３門？）、533mm魚雷連装発射管２基（艦橋下ウエルデッキ両舷に１基ずつ）。装甲厚は舷側水線部50mm、甲板25mm。乗員650名。1925年にエムデンが就役し、主に士官候補生訓練の遠洋航海に使用された。竣工後、前部マストを短縮してポールマストを設置し、煙突の高さを揃えている。その後更に改装を受け、後部マストを短縮し、第２煙突にアンテナマストを設置した。更に後に後部マストを延長し、第２煙突のアンテナマストをポールマストに変更している。その後、第２煙突のポールマストの背を高くした。1933-34年、主缶を全て重油専焼缶に変更している。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜エムデン座礁＞：第１次大戦中の1914年11月8日、ドイツ軽巡エムデンはココス諸島ディレクション島にある海底電信中継所を破壊するため島に接近した。0630、ディレクション島から不審船接近中という通信が発せられ、ココス諸島北方55海里を航行していたアルバニー船団護衛隊の軽巡シドニー、メルボルン、装甲巡洋艦伊吹がこれをキャッチした。伊吹艦長が急行を申し出たが、旗艦メルボルンの艦長は最も近い位置にいるシドニーの派遣を決定、シドニーは全速でココス諸島に向かった。エムデンは上陸部隊を派遣して海底電信中継所を占領、送受信機とアンテナ塔を破壊し、オーストラリアのパースへの海底電線を切断した。0915、エムデンがシドニーを発見し、上陸部隊を残したまま錨を上げ、シドニーへと向かった。0940、射距離9400mでエムデンが10.5cm砲による射撃を開始。シドニーは0950までに16発を被弾し、後部射撃指揮所が破壊された。シドニーは高速を活かして敵射程外に逃れ、15.2cm砲でアウトレンジ砲撃を行い反撃。1000過ぎからエムデンは被弾多数で戦闘不能となり、1115に北キーリング礁に座礁した。シドニーはエムデンに随伴していたビュレスクの追跡に移ったが、ビュレスクは国旗を降ろして自沈したため、再びエムデンに接近して降伏を勧告。当初は応答が無かったが、砲撃を再開して降伏させ、182名（重傷者21名と軽傷者44名を含む）を捕虜にしてコロンボに向かった。シドニーは死者３名と負傷者12名、エムデンは死者134名と負傷者65名を出した。参考：月刊世界の艦船11,’00

＜エムナイン＞：9mm機関拳銃を参照。

＜エムパー＞：ホライゾン級駆逐艦（フランス海軍フォルバン級／イタリア海軍アンドレア・ドリア級）用多機能レーダーEMPAR（European Multi-function Phased Array Radar）、イタリア名SPY-790。イタリアのアレニア社が開発した。アンテナは１面回転型パッシブ・フェイズド・アレイ・レーダーで、直径5mのレドームに覆われており、毎分60回転する。アンテナは1.5m四方で、ピン・ダイオード移相器2160個が埋め込まれている。アンテナ面は30度上向きに設置され、ペンシルビームは使用周波数Ｃバンド（Ｇバンド。4-6GHz）、ピーク出力120kW、幅2.5度で、方位プラスマイナス45度・高角プラスマイナス60度を走査可能。探知距離180km以上、追尾可能距離120km（航空機）／50km（ミサイル）／23km（低高度ミサイル）。300目標を追尾でき、高優先度69目標・低優先度231目標から12（24？50？）目標と同時交戦可能でき、アスター15/30艦対空ミサイルに中間誘導用アップリンク信号を送る。イタリア海軍空母C550カブールにも搭載された。参考：月刊軍事研究10,’14、5,’01、8,’06、1,’07、3,’08、月刊世界の艦船12,’19、11,'21、8,’13、1,'15増刊、6,’16、艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜エムロード＞：S-604（原潜）を参照。

＜エムロード級＞：フランス海軍機雷敷設潜水艦Emeraude級。1937年計画で４隻が承認されたが、第２次大戦が勃発したため、起工済みの１番艦は建造途中で破壊され、他３隻は起工されなかった。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜エメラルド＞：I66（軽巡洋艦）を参照。

＜エメラルド・ムーブ２０１０＞：フランス、イタリア、オランダが2010年11月8-28日にセネガルで実施した共同水陸両用演習で、対抗部隊役はセネガル軍が務めた。兵員5000名、艦艇10隻、航空機18機、車両105両が参加している。参考：月刊PANZER2,’11

＜エメリー＞：DE-28（護衛駆逐艦）を参照。

＜エモリー・Ｓ・ランド＞：AS-39（潜水母艦）を参照。

＜エモリー・Ｓ・ランド級＞：L.Y.スピア級（潜水母艦）を参照。

＜エモンス＞：DD-457（駆逐艦）を参照。

＜エヤクラフト・フロートライト２型＞：自衛隊の火工品。細谷火工製。参考：月刊軍事研究8,’08

＜エラミー作戦＞：イギリスによる対リビア作戦Operation ELLAMY。2011年3月19日、オデッセイ・ドーン作戦指揮下に開始された。ただし3月7日にはSAS隊員がリビア反政府勢力に拘束されており、外交官や護衛の特殊部隊員はこれに先立って現地入りし、反政府勢力との接触を行っていたとみられる。3月19日、地中海に展開したS93トライアンフがトマホークを発射。イギリス東部のマーラム空軍基地からトーネードGR.4攻撃機がリビアに飛来し、ストームシャドー巡航ミサイルによる防空施設爆撃を行った。3月20日、イタリアのジョイア・デル・コッレ基地にトーネードGR.4攻撃機８機（12機？）とタイフーンFGR.4戦闘機８機（10機？）を展開させた。3月21日、イタリアのジョイア・デル・コッレ基地からタイフーンFGR.4戦闘機が出撃。タイフーン初の実戦参加となった。3月26日、トーネードGR.4攻撃機がブリムストーン対地ミサイルを搭載して出撃し、装甲車５両を破壊した。3月27日、ユニファイド・プロテクター作戦指揮下に移行。3月30日、攻撃原潜１隻、フリゲート２隻、掃海艇１隻を展開させていた。5月26日、WAH-64D攻撃ヘリの投入を発表。6月30日、ヘリ空母L12オーシャンからWAH-64D攻撃ヘリが出撃し、ブレガ付近の目標を攻撃した。参考：航空ファン6,’11、月刊JWings6,’11、7,’11、8,’11、9,’11、月刊世界の艦船6,’11、月刊軍事研究11,’11、8,’11

＜エラン＞：フランス海軍エラン級掃海通報艦Elan。第２次大戦中は地中海で任務に就き、1944年にトルコに抑留され、後に返却された。1958年に解体された。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜エラン級＞：フランス海軍掃海通報艦Elan級。1934-37年度計画で建造された。船型は平甲板型で、艦橋前部は丸みを帯びており、艦首甲板に乗り上げてきた波を左右に分けるようになっている。艦尾に掃海具を装備する。全長78m、幅8.5m、吃水2.4m、基準排水量630トン。主機はディーゼル、出力4000馬力、速力20ノット。兵装は1925年型10cm砲を搭載する予定だったが、国際情勢悪化により入手できず、1892年型10cm砲、9cm連装砲、イギリス製10.2cm連装高角砲など、あり合わせの砲を搭載した。その他40mm・20mm機関砲を装備する。エランやラ・グラシューズなど13隻が就役した。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜エランド９０＞：AML海外シリーズ（装甲車）を参照。

＜エランドＭｋ．１＞：AML海外シリーズ（装甲車）を参照。

＜エランドＭｋ．７＞：AML海外シリーズ（装甲車）を参照。

＜エリ＞：F-450（フリゲート）を参照。

＜エリア５１＞：CIAの秘密飛行場。ネバダ州グルームレイク（ネバダ核実験場の隣にある干湖）にあり、U-2偵察機の飛行テストを行うため1955年4月から建設された。U-2開発主任のケリー・ジョンソンは皮肉を込めてパラダイス牧場（パラダイス・ランチ）と名付けている。機密性の高い航空機の実験を行っているため周囲ではUFO目撃情報が絶えず（一般人にとって正体不明の飛行物体という意味では確かにUFOである）、宇宙人がいるという説まで出た。1957年7月5日に20km先のネバダ核実験場エリア９で74キロトンの核実験が行われたため、爆風による施設被害とフォールアウトで使用不能になってしまった。1959年、A-12開発に伴い使用を再開。その後イスラエルから手に入れたMiG-21のテストや、F-117の開発などに使用されている。1995年、民間人の立ち入り禁止区域が拡大された。参考：月刊丸4,’13、月刊軍事研究3,’15

＜エリアイ＞：PS-890（レーダー）を参照。

＜エリアイＥＲ＞：PS-890シリーズ（レーダー）を参照。

＜エリア・ディフェンス＞：Area defense、地域防御、地域防空。参考：月刊世界の艦船5,’86

　＜エリア・ディフェンス（艦船）＞：艦隊防空の１つ。艦船が味方の艦隊からなるべく遠距離で経空脅威を迎撃し、艦隊全体を防衛するもので、長距離センサーと長距離艦対空兵器を組み合わせたエリア・ディフェンス・システムを使用する。艦隊の中の高価値ユニットを優先して防衛しつつ、他の構成艦や自艦も守らないといけないので、どれを先に迎撃するかの脅威度評価が重要かつ複雑になる。対艦ミサイルを発射する潜水艦に対抗するためのソナー類や、対潜ヘリもシステムに含む。空母が艦上機を使って迎撃するのはエリア・ディフェンスとは呼ばない。長距離センサーの主役は周波数の低い大出力三次元レーダーで、当初は回転式だったが、データレートが低く探知確率に劣るので、フェイズド・アレイ式が開発された。水平線以遠は探知できないので、ピケット艦を配置したり、僚艦とのデータリンクを駆使したり、早期警戒機を飛ばしたりして補うこともある。太平洋戦争時は５インチ（127mm）級高角砲の有効射程に収まる範囲内（概ね半径2kmくらい）で輪形陣を組み、高角砲によるエリア・ディフェンスを行った。核兵器が登場すると一網打尽にされる恐れが出て輪形陣を拡大しなければならなくなり、防空範囲が15-100海里程度に拡大したため、高角砲では弾が届かず（有効射程15海里以上は16-18インチ・406-457mm三式対空弾くらい）、長距離艦対空兵器の主役は長射程艦対空ミサイルになった。シースキマー対処能力獲得、更なる長射程化、同時多目標対処能力追加といった改良が続けられている。当初は主に防空巡洋艦が行っていたが、対空戦闘システム、FCS、センサー、兵装など艦隊防空関連システムが小型高性能化したため、駆逐艦やフリゲートといった、より小型の艦船も実施するようになった。参考：月刊世界の艦船6,’16、5,’86、12,’18

　＜エリア・ディフェンス（アメリカ海軍）＞：太平洋戦争直前には大型艦艇にCXAM対空レーダーを搭載し、25口径５インチ砲Mk10/Mk11＋Mk33射撃指揮装置を装備した。太平洋戦争時は５インチ単装砲Mk30＋Mk37GCFS＋Mk4射撃指揮レーダー、末期に５インチ単装砲Mk39＋Mk37GCFS＋Mk4射撃指揮レーダーを使用し、フレッチャー級以降の駆逐艦にも標準装備している。1943年1月からVT信管を実戦投入した。艦全体での対空射撃指揮も実施して効果的なエリア・ディフェンス体制を築いており、SC/SK対空レーダーとSM-1高角測定レーダーからの情報をCICで統一管理して対空射撃を実施した。太平洋戦争末期から神風特攻に対抗すべくバンブルビー計画で長射程艦対空ミサイルの開発を開始。太平洋戦争後、ジェットエンジンの本格実用化で航空機の性能が向上し、当時最新の５インチ単装砲Mk42＋Mk56GFCSでも遷音速爆撃機を撃ち漏らして核爆弾により艦隊が壊滅するとNATO軍演習で結論が出たため、1950年代に3Tミサイルを実用化し、同年代半ば以降からミサイル艦として急速整備した。空母もエリア・ディフェンスを担当していて、キティ・ホーク級1-3番艦にテリアを積んだが、1963年に空母はポイント・ディフェンスのみとする方針に転換したため、キティ・ホーク級４番艦からテリアを外している。各艦CICによる情報集約に加え、艦同士がNTDSで情報を共有し、早期対処に努めるようになった。ソ連では対艦ミサイルの装備化が進んだが、当時は大型で射程も短めだったため発射母体の撃破に重点を置き、3Tミサイルを機動部隊構成艦全てに積むような方針にはしていない。3Tミサイルの後継を予定していたタイフォン計画は没になり、タロスは大型すぎるため廃止してテリアとターターを1966年就役のスタンダード艦対空ミサイルに一本化した。その後は射程を順次延伸、ASMSを経て多目標同時対処可能なイージス艦が登場し、飽和攻撃に対するエリア・ディフェンスが可能となり、1988年頃からF-14戦闘機が艦隊防空任務を外れている。2002年からCECを装備して水平線以遠目標に対する対処能力を強化。今後はNIFC-CAによる水平線以遠エリア・ディフェンス能力を備えていく予定。参考：月刊世界の艦船6,’16、12,'21、月刊JWings8,’21

　＜エリア・ディフェンス（イギリス海軍）＞：1962年からシー・スラグ装備カウンティ級駆逐艦が就役。1970年代半ばからGWS30シーダート装備42型駆逐艦が就役。2009年からアスター装備45型駆逐艦が就役。参考：月刊世界の艦船6,’16

　＜エリア・ディフェンス（イタリア海軍）＞：1961年、アメリカからテリア艦対空ミサイルを導入してジュゼッペ・ガリバルディ級ミサイル巡洋艦に搭載。1963-64年、アメリカからターター艦対空ミサイルを導入してインパヴィド級ミサイル駆逐艦に搭載。1964年、テリア搭載アンドレア・ドリア級ヘリ巡洋艦が就役。1969年、テリア搭載ヴィットリオ・ヴェネト級ヘリ巡洋艦が竣工。1993年、スタンダードSM-1MR艦対空ミサイル装備のデ・ラ・ペンヌ級ミサイル駆逐艦が就役。2008-09年、アスター艦対空ミサイル装備のホライズン級ミサイル駆逐艦が就役。2013年からアスター装備のFREMMが就役。参考：月刊世界の艦船6,’16

　＜エリア・ディフェンス（オーストラリア海軍）＞：1965-67年、アメリカからターター艦対空ミサイルを導入してパース級が竣工。2017-20年、アメリカからイージス・システムを導入してホバート級イージス艦が就役。参考：月刊世界の艦船6,’16

　＜エリア・ディフェンス（海上自衛隊）＞：海上自衛隊のある部隊に所属する全艦を経空脅威から守るため、部隊として対空戦を行うこと（Area Air Defence、艦隊防空）。護衛隊群のエリア・ディフェンスを行うため、アメリカからターター艦対空ミサイルを導入して1965年にDDG-163あまつかぜが就役した。その後たちかぜ型とはたかぜ型を配備。飽和攻撃に対抗するため、こんごう型イージス護衛艦を1993-98年に就役させ、各護衛隊群に１隻ずつ配備した。ただこんごう型がBMD改修を受けると、BMD任務中に対空戦が行えなくなるという欠点が生じ、同時２目標対処が限界の旧来DDG１隻に護衛隊群のエリア・ディフェンスを任せた上であきづき型によりこんごう型を防御せざるを得なくなった。あたご型イージス護衛艦２隻とまや型イージス護衛艦２隻の配備で欠点を解消し、CECの導入でエリア・ディフェンスの範囲も水平線以遠に広がる。参考：月刊世界の艦船6,’16

　＜エリア・ディフェンス（中国海軍）＞：1999年からロシア製ソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦を配備し、西側ターター艦並の限定エリア・ディフェンス能力を得た。その後は国産艦にロシア製エリア・ディフェンス・システムを載せる方式で2004年にシュチル１装備の052B型ミサイル駆逐艦、2006-07年にS-300FMリフＭ装備の051C型ミサイル駆逐艦が就役。2004-05年に就役した国産エリア・ディフェンス・システム装備の052C型ミサイル駆逐艦と比較した結果、国産技術に自信を持ったようで、発展型の052D型ミサイル駆逐艦を量産している。参考：月刊世界の艦船6,’16

　＜エリア・ディフェンス（ドイツ海軍）＞：1969-70年、アメリカからターター艦対空ミサイルを導入して103型リュッチェンス級が竣工。参考：月刊世界の艦船6,’16

　＜エリア・ディフェンス（日本海軍）＞：初期には十年式四五口径十二サンチ高角砲＋九一式高射装置、太平洋戦争開戦時時には八九式四〇口径十二糎七高角砲＋九四式高射装置を使用した。ただ装備艦が大型艦に限られており、駆逐艦は水上戦用127mm砲を積んでいる。太平洋戦争後期には九八式六五口径一〇サンチ高角砲や九八式六〇口径八サンチ高角砲といった小さめの高角砲を追加して九四式高射装置と組み合わせたものの、今度は量産が難しくなり、駆逐艦では秋月型しか搭載できなかった。更に平射砲の最大仰角を上げたり、三式弾を開発したりしたが、発射速度や射撃諸元入手などに難があり、実用性に欠けた。二式二号一型や一号三型対空電探を装備したが、CICは無く、レーダーの能力や信頼性も劣り、敵機の高速化に時限信管調定が追い付かず、高角砲よりポイント・ディフェンス用対空機銃の追加を優先したため、有効なエリア・ディフェンスを行えず終戦を迎えている。参考：月刊世界の艦船6,’16、7,’23

　＜エリア・ディフェンス（フランス海軍）＞：1960年代前半、アメリカからターター艦対空ミサイルを導入してデュプティ・トアール級ミサイル駆逐艦に搭載した。1960年代後半からマズルカ装備巡洋艦コルベールとシュフラン級ミサイル駆逐艦が就役し、クレマンソー級空母のエリア・ディフェンスを担当した。1988-90年、スタンダードSM-1MR装備カサール級ミサイル駆逐艦が就役。2010-11年、アスター装備ホライズン級防空フリゲートが就役。2021年からアスター装備FREMMフリゲート（対空型）が就役。参考：月刊世界の艦船6,’16

　＜エリア・ディフェンス（ロシア海軍）＞：1959年からM-2艦対空ミサイルシステムをテストしたが実用には至らず、1962年にM-1艦対空ミサイルシステムを実用化し、コトリン級、クルップニイ級（カニン級）に搭載改装を行い、キンダ級、カシン級、クレスタ�T型を新造した。参考：月刊世界の艦船6,’16

＜エリア・ナビゲーション＞：Area navigation、RNAVと略す。航空交通量増大により、VOR/DME地上局の真上を通る航空路だけでは航空機を捌ききれなくなったために開発された航法システムである。地上航法援助施設の信号有効範囲内や、航空機が積む航法装置の機能範囲内に、ウェイポイントと呼ばれる任意の通過地点を設け、ウェイポイントを結んだラインか、それに平行な任意のコースを航空路として飛行する。ウェイポイントをVOR/DMEからの距離及び磁方位、または緯度経度で設定するものを二次元RNAV、高度を加えて設定するものを三次元RNAV、更に通過時間を加えて設定するものを四次元RNAVという。航路情報はVOR/DME、INS、オメガ航法装置などからの入力を元に航空機のコンピュータで算出され、航法計器、制御表示装置、チャート表示装置などに示される。参考：航空用語事典増補改訂版

＜エリア・ボミング＞：地域爆撃と訳される。一般には絨毯爆撃、無差別爆撃ともいう。戦略目標が存在すると思われる広範囲（都市など）に多数の爆撃機を短時間に殺到させて集中爆撃するもので、1942年3月にイギリス空軍が北ドイツのリューベックに対して初めて行った。防空火器の届かない高空から爆撃するため、命中率が低く、効果を得るためには必然的に大量投弾を行うこととなる。対義語は精密爆撃、ピンポイント爆撃。参考：月刊軍事研究4,’03、8,’99、戦時用語の基礎知識

＜エリアルール＞：Area Rule。NACAのリチャード・ホイットコム博士が発見した法則で、遷音速から超音速にかけての領域では、機体断面積変化を胴体のみで考えるのではなく、翼の断面積と合わせて考えないと抵抗が増大して思ったような速度が出ないというものである。遷音速での機体抵抗は、胴体長さをＸ軸、機体断面積をＹ軸にとったグラフ上に、機軸に垂直な断面積をプロットした面積曲線を、Ｘ軸周りに回転させた回転体と等しくなる。通常の胴体では機体断面積が主翼の付いている部分で急増するので、抵抗も増大し、最悪の場合には超音速への加速ができなくなってしまう。その部分の胴体を絞り込んで機体断面積の変化を緩やかにすると、抵抗が減少して音速を突破できる。このルールに基づいて制作された主翼取り付け部分の胴体を細く絞り込んだ機体は、コークボトルやマリリン・モンローなどと呼ばれ、その後ブレンデッド・ウイング・ボディに発展している。ちなみに超音速領域でのエリアルールは、機体断面積を機軸とマッハ角をなして交わる無数の平面によって求める必要があり、コンピュータを使わないと正確な値が出ない。音速突破を主眼に置く場合には遷音速でのエリアルール、最大速度の増大を目的とする場合には目標最大速度（目標マッハ数）におけるマッハ角でのエリアルールを適用するのが有利だが、普通は両者のバランスを取って決定する。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊JWings6,’05、10,’10、戦闘機のしくみ

＜エリー＞：DE-309（護衛駆逐艦）またはPG-50（砲艦）を参照。

＜エリー級＞：アメリカ海軍砲艦Erie級。中央アメリカ東岸からバナナを輸送してくるシーレーンを防御するため、1936年度予算によりロンドン条約の制限一杯で建造された砲艦である。全長100.1m、幅12.6m、吃水3.5m、基準排水量1900トン。主機は蒸気タービン、出力6200馬力、２軸推進、速力20ノット。兵装は152mm単装砲４門、57mm単装砲２門、対空機銃10丁。水上偵察機１機を搭載する。乗員236名。PG-50エリーとPG-51チャールストンの２隻が就役した。参考：第２次大戦のアメリカ軍艦、小艦艇入門

＜エリーゼ条約＞：正式名称は仏独協力に関するフランス共和国とドイツ連邦共和国との間の条約。1963年にド・ゴール大統領とアデナウアー首相が締結した。参考：月刊軍事研究7,’97

＜エリート演習＞：ドイツ空軍が中心となり毎年6月に開催される、NATO参加各国中心のSEAD・電子戦演習Electoric Warfare Live Training Exercise。1995年（1991年？）に開始された当時は小規模だったが、後に世界最大の電子戦演習となった。2006年はワールドカップの関係で5月に行われている。参考：月刊JWings9,’05、8,’06、月刊航空情報10,’05

＜エリカ＞：K50（コルベット）を参照。

＜エリオス・シリーズ＞：フランスがイタリア・スペインと共同開発した画像偵察衛星。地球観測衛星SPOTがベースである。参考：月刊軍事研究8,’03

＜エリオス１Ａ＞：画像センサーはソダーン社製DTO4マルチスペクトラルCCD望遠カメラで、高度850kmから赤外線とカラー画像で地上を撮影可能。分解能1m。重量2.5トン。参考：月刊軍事研究8,’03

＜エリオス１Ｂ＞：

＜エリオス２Ａ＞：ドイツも出資して作るもので、大口径反射望遠鏡を搭載して地上分解能0.5mを目指す。夜間暗視用に赤外線CCDセンサーも搭載する予定。参考：月刊軍事研究8,’03

＜エリオット＞：DD-967（スプルーアンス級駆逐艦）を参照。

＜エリオット＞：アメリカ海軍駆逐艦。1942年1月29日、真珠湾付近でDD-393ジャービス、トレバー、ロングと共に伊73を撃沈した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜エリ級＞：ギリシャ海軍フリゲートElli級。オランダ海軍から購入したコルテノール級フリゲート後期建造艦で、ヘリ格納庫を2m延長してその上に76mm単装砲を追加している。76mm砲・シースパロー用射撃指揮レーダーはSTIR1.8。F-450エリとF-451リムノスが1981-82年に就役した。1990年にファランクス２基を追加装備した。1992年現在の諸元は以下の通り。全長139.5m、幅14.6m、吃水6.2m、基準排水量3050トン、満載排水量3630-3688トン。主機はガスタービン４基２軸61400馬力、速力30ノット。兵装はハープーン艦対艦ミサイル４連装発射筒２基、シースパロー艦対空ミサイル８連装発射機１基、76mm単装砲２門、ファランクス２基、324mm短魚雷３連装発射管２基。AB212ヘリ２機を搭載できる。乗員176名。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、1,’18、4,’22

　＜エリ級バッチ�T＞：兵装はRGM-84A/Cハープーン艦対艦ミサイル４連装発射筒Mk141が２基、RIM-7M/Pシースパロー用８連装発射機Mk29が１基、Mk46短魚雷用連装発射管２基、ファランクス１基、76mm砲１門。AB212ヘリ２機を搭載できる。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜エリ級バッチ�U＞：兵装はRGM-84A/Cハープーン艦対艦ミサイル４連装発射筒Mk141が２基、RIM-7M/Pシースパロー用８連装発射機Mk29が１基、Mk46短魚雷用連装発射管２基、ファランクス１基、76mm砲２門。AB212ヘリ２機を搭載できる。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜エリ級バッチ�V＞：兵装はRGM-84A/Cハープーン艦対艦ミサイル４連装発射筒Mk141が２基、RIM-7M/Pシースパロー用８連装発射機Mk29が１基、Mk46短魚雷用連装発射管２基、ファランクス１基、76mm砲１門。AB212ヘリ２機を搭載できる。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜エリクソン＞：DD-440（駆逐艦）を参照。

＜エリコン＞：Oerlikon。スイスの機関砲会社。元はスイスのエリコンにあったスイス工作機械会社で、1920年代半ばにドイツの工作機械会社に買収されたが、ベルサイユ条約の関係でドイツの会社名を使えなかったため、エリコン工作機械会社に社名変更した。ついでに1924年に倒産したゼーバッハ機械工作所を吸収したが、この会社がセマグ＝ベッカー砲の製造権を持つ会社だったため、量産を引き継ぎ、輸出にあたっている。1937年、ドイツの会社が株式を全売却したため、スイス企業となった。この際、セマグ＝ベッカー砲をエリコン20mm機関砲に改称し、改良を加えて世界中に販売、ベストセラーになった。1989年にエリコン・コントラベス（Oerikon Contraves）社となり、ラインメタル社の傘下となった。1999年に兵器部門をラインメタル社に売却して兵器とは無関係の会社（OCエリコン・ホールディングスAG社）となった。旧エリコンの兵器部門は2009年1月にラインメタル・エア・ディフェンス社となっている。参考：月刊丸4,’17、月刊軍事研究12,’09、2,’15、月刊PANZER4,’11

＜エリコン２０ｍｍ高射機関砲＞：スイスのエリコン社が開発した20mm機関砲。大元はラインハルト・ベッカーが第１次大戦中に設計したベッカー砲で、改良型のセマグ・ベッカー砲を高射機関砲に改造したものである。セマグ・ベッカー砲は重機関銃以上・歩兵砲未満の中途半端な存在だったが、高射機関砲としてはちょうど良いクラスで、弾数と初速は物足りなかったが信頼性は高く、航空機の急速な発達とドイツの空軍力拡大を受けて各国で採用された。作動はブローバック式。砲口初速毎秒600m、発射速度毎分550発。60発入りドラム弾倉を使用する。イギリスがMk.�T／�Uとして制式化し、手を加えて国産化している。アメリカもイギリスの生産を手伝うと共に、改良を続けてMk2、Mk4、Mk5、Mk6、Mk10、Mk24として制式化した。ドイツ（Flak28、Flak29）、チェコスロバキア、ポーランド、イタリアなどにも輸出され、航空機関砲型のエリコンFFも製作されている。参考：月刊丸4,’17、米英軍戦闘兵器カタログVol.2、丸スペシャルNo.75

＜エリコン２０ｍｍ高射機関砲・海外シリーズ＞

　＜Ｍｋ．�T＞：イギリス海軍高射機関砲。高度1000m以下の敵機に対する信頼性の高い対空兵装が無いまま、ドイツとの関係悪化が進んでしまったため、1938年に輸入を決定した。ただ弾速が遅く命中率が悪い、発射速度が速すぎるという問題が指摘され、砲口初速を毎秒830mに向上させ、発射速度を毎分450発に落として1939年からスイスのエリコン社で生産に入っている。参考：月刊丸4,’17

　＜Ｍｋ．�U＞：イギリス海軍高射機関砲。Mk.�Tのライセンス生産版で、ついでに小改良を施した。ルイスリップにある工場で第２次大戦中に35000門が生産され、アメリカでも量産されている。参考：月刊丸4,’17

　＜Ｍｋ�W自動砲＞：アメリカ軍高射機関砲。Mk14リード・コンピューティング照準器と組み合わせて日本軍機に弾幕を張った。通常の雷爆撃に対しては飛行コースを反らせて命中を防ぐ効果を発揮したが、ストッピングパワーが弱く特攻機に対しては数発命中させてもそのまま突っ込んでくるので、あまり役に立たなかった。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2、月刊軍事研究11,’08、月刊世界の艦船9,’21

　＜Ｍｋ１０＞：Mk10を参照。

＜エリコンＦＦ型機関砲＞：エリコン社の20mm固定式航空機関砲。エリコン20mm高射機関砲の航空機関砲型で、1934年から販売され、ドイツ空軍がMGFF、日本海軍が九九式二〇粍固定機銃、日本陸軍が九九式一号二十粍旋回機銃として採用した。参考：歴史群像6,’08、月刊丸4,’17

＜エリス＞：DD-154（駆逐艦）を参照。

＜エリスコープ＞：シャルル・マルシェッティ社が1970年から開発したヘリコプター型偵察用RPV。ワイヤーで地上に繋がれており、単ローターまたは三重ローターを使用して高度230mまで上昇し、センサー（最大100kg）により周囲を偵察する。参考：スパイ機

＜エリス・ジャイアントソード・トロフィー＞：グローバルストライク・チャレンジで、優秀な成績を収めた爆撃航空団整備チームに授与されるトロフィー。参考：月刊航空ファン2,’11

＜エリソン＞：DD-454（駆逐艦）を参照。

＜エリソン級＞：アメリカ海軍高速掃海艇Ellyson級。リバモア級駆逐艦を改造したもので、魚雷発射管と艦尾の127mm砲を撤去して掃海装備を搭載し、揚陸前の敵前掃海を行う。DMS-19からDMS-42アールが就役した。参考：第２次大戦のアメリカ軍艦

＜エリダン＞：アメリカ海軍兵員輸送船Eridan。元はフランスのメサジュリ・マリティーム所属オーストラリア航路客船で、1929年11月に竣工し、1935年末からニューカレドニア航路に転配され、第２次大戦でフランスが占領されるとサイゴン航路に就き、1942年11月にアルジェリアでアメリカ軍に拿捕されて兵員輸送船に改造された。全長142m、幅18.6m、吃水7.96m、総トン数9927トン、重量トン数6100トン。主機はスルザー8ST60型ディーゼル２基２軸6000馬力、航海速力15.5ノット。改造後は北アフリカやインドシナへの兵員輸送任務に就き、1945年5月にフランスに返還され、インドシナ戦争などに参加した後にメサジュリ・マリディームのオーストラリア航路に復帰した。1956年に解体された。参考：月刊世界の艦船8,’23

＜エリダン級＞：トリパルタイト級シリーズ（掃海艇）を参照。

＜エリック・Ｋ・シンセキ＞：シンセキ（アメリカ陸軍大将）を参照。

＜エリックス＞：フランス軍個人携行対戦車ミサイルEryx。装甲貫徹力900mm。参考：月刊軍事研究1,’98、3,’03

＜エリックス海外シリーズ＞

　＜エリックス（ノルウェー軍）＞：ノルウェー軍個人携行対戦車ミサイル。雪の上でも使用できるよう、三脚を改良した。参考：月刊軍事研究1,’98、3,’03

＜エリッジ＞：L68（駆逐艦）を参照。

＜エリトリア海軍＞：

　＜エリトリア海軍（２０１５年）＞：現役兵力1400名。哨戒艇12隻、LST２隻、LCU１隻を保有する。参考；THE MILITARY BALANCE 2016

＜エリトリア空軍＞：1994年に創設された。1998年、ロシアからMiG-29戦闘機を輸入した。2003年、ウクライナからSu-27戦闘機を輸入した。参考：月刊JWings3,’22

　＜エリトリア空軍（２０１５年）＞：現役兵力350名。MiG-29戦闘機４機、MiG-29UB戦闘機２機、MiG-29SMT戦闘機２機、Su-27戦闘機５機、Su-27UBK戦闘機３機、ビーチ200輸送機１機、Y-12（�U）輸送機４機、L-90Redigo練習機８機、MB-339CE練習機４機、ベル412（AB-412）汎用ヘリ４機、Mi-17汎用ヘリ４機、R-27/R-60/R-73空対空ミサイルを保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜エリトリア軍＞：2000年、国土南部の領有権をめぐり、エチオピアと紛争になった。参考：月刊JWings3,’22

　＜エリトリア軍（２０１５年）＞：現役総兵力200000名（陸軍200000名、海軍1400名、空軍350名）、予備役120000名（全て陸軍）。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜エリトリア人民解放戦線＞：EPLFを参照。

＜エリトリア陸軍＞：

　＜エリトリア陸軍（２０１５年）＞：現役兵力200000名。軍団司令部４個、機械化旅団１個、歩兵師団19個、コマンドー師団１個、予備役歩兵師団１個からなる。T-54/-55戦車270両、BRDM-1/-2偵察車40両、BMP-1歩兵戦闘車15両、MT-LB装甲兵員輸送車10両、BTR-152/-60装甲兵員輸送車25両、122mm自走砲2S1を32両、152mm自走砲2S5を13両、122mm砲D-30、130mm砲M-46を19門、122mm多連装ロケットBM-21を35両、220mm多連装ロケット9P140を９両、120mm迫撃砲、160mm迫撃砲100門以上、9K11/9K113対戦車ミサイル、85mm対戦車砲D-44、9K32携帯地対空ミサイル、23mm自走高射機関砲ZSU-23-4、23mm高射機関砲ZU-23、T-54/-55戦車回収車（を保有しているという報告あり）、MTU戦車橋（を保有しているという報告あり）を保有している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜エリニヤ＞：ロシア海軍補給艦Yelnya。2020年1月20-21日、アデン湾で、フリゲートのヤロスラブ・ムドゥリィ、航洋曳船ヴィクトール・コネツイーと共に、ソマリア沖海賊対処第35次水上部隊DD-102はるさめとの海賊対処共同訓練（戦術運動、通信、立入検査、小火器射撃、クロスデッキ）に参加。参考：月刊世界の艦船4,’20

＜エリノミ級＞：ナイジェリア海軍コルベット。イギリスのヴォスパーMk9を導入したものである。兵装は76mm砲１門、375mm連装爆雷投射機１基、シーキャット艦対空ミサイル３連装発射機１基など。参考：THE MILITARY BALANCE 2016、ミリタリー・バランス1989-1990

＜襟布＞：日本陸軍のカラーの１つ。上衣の襟に糸を波形にして縫い付ける。三角巾としても使用でき、清潔にしておかなければならないため、毎日洗っては付け直す必要がある。汚れていたり、縫い付けず首に巻くだけで済ませたり（巻き襟と称する）しているのを古参兵に見つかると、即座にビンタを取られる。参考：新兵サンよもやま物語、帝国陸海軍事典

＜エリミネーター＞：AC-208（ガンシップ）を参照。

＜エリミネート＞：航空自衛隊用語で、学生免の通称。操縦課程学生が飛行適性不良や進度不良と判断され、飛行教育途中で失格となって地上勤務の他職種へと移らされることである。適性や進度が不良のままで飛行を続ければ最悪事故で死ぬ（または有事に任務に失敗して国民を死なせる）ことになるため、言い渡す教官には情けをかけない真の愛情が必要であり、言い渡される学生も素直に受け入れなければならない。参考：月刊軍事研究6,’14、7,’14

＜えりも＞：AMC-491（敷設艇）を参照。

＜襟裳＞：日本海軍知床型給油艦Erimo。大正9年12月16日竣工、運送艦に類別された。昭和5年、呉工廠で洋上給油用マストを設置。昭和6年11月19日、タラカンで石油を積み横須賀に向かう途中でマニラに寄港。昭和7年、北米から石油を輸入するついでにハワイ沖で行われていたアメリカ海軍大演習の通信を傍受した。昭和16年12月8日、太平洋戦争勃発時は連合艦隊補給部隊に所属していた。昭和17年3月4日、アメリカ潜水艦S-39の雷撃を受けて大破し、放棄された。昭和22年5月3日に除籍された。参考：日本海軍特務艦艇史、第２次大戦日本海軍作戦年誌、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜えりも型＞：海上自衛隊敷設艇。計画番号はH101で、秘匿（国民感情配慮）のため大型掃海船という名前が付いていた。日本海軍測天型敷設艇をベースに設計されており、敷設機材のみならず対潜兵装や掃海具も搭載した汎用戦闘艦である。船型は船首楼型。ソナーはQHBで、後にAN/SQS-11に換装した。AN/SPS-5対水上レーダー（前部マスト頂部）とMk51方位盤（艦橋頂部）を搭載する。機雷敷設軌条は艦尾上甲板にあり、溝型鋼２本を支柱で支えただけの簡単なもので、敷設時計を見ながら人力で投下する。搭載艇は軽合金製６メートル内火艇で、煙突両舷にラッフィング型ボート・ダビットを持つ。試運転時に主機のバランス不良で振動が発生したため、対策を施してから引き渡された。全長65.6m（66m？）、最大幅7.9m、深さ4.6m、吃水2.6m、基準排水量630トン、満載排水量700トン。主機は佐世保6LTK42/56ディーゼル２基２軸2500馬力、速力18ノット。兵装は40mm連装機関砲Mk1が１基、20mm単装機関砲２門、ヘッジホッグ１基、爆雷投射機（Ｋ砲）４基、爆雷投下軌条兼機雷敷設軌条２条（常備はＫ砲２基のみで、掃海任務時にＫ砲２基と爆雷投下軌条兼機雷敷設軌条２条を追加する）、機雷40個（通常）／100個（最大）。乗員85名。AMC-491えりもが1955年に就役した。1976年に特務船YASとなった際、艦中央の機雷搭載用クレーンを撤去してダビットを装着した。1972年に除籍された。参考：海上自衛隊全艦艇史、月刊世界の艦船11,'17増刊、8,’13、5,’02増刊、3,’10、丸スペシャルNo.76、No.78

＜襟裳分屯基地＞：航空自衛隊の分屯基地。第36警戒隊が駐屯している。所在地は北海道幌泉郡えりも町字えりも岬407。1954年に開設された。参考：月刊JWings6,’10別冊付録、月刊軍事研究9,’11、MAMOR vol.152

＜エリン＞：イギリス海軍エリン級戦艦Erin。1914年8月22日竣工。1916年5月31日、第２戦艦戦隊第１小隊所属でジュットランド海戦に参加したが、砲撃の機会は無かった。1918年、２番・３番砲塔上に航空機滑走台が設置された。ワシントン条約で廃棄対象となり、1922年に除籍され、12月に売却されて解体された。参考：月刊世界の艦船1,’12、6,’16、近代戦艦史、歴史群像6,’16

＜エリン級＞：イギリス海軍戦艦Erin級。元はトルコが1911年にイギリスに３隻発注したレシャディエ級超弩級戦艦１番艦レシャディエで、第１次大戦勃発によりイギリスの敵になると予想されたトルコには引き渡さず、イギリスが参戦と同時に引き取ってエリンと改称したものである。キング・ジョージ�X世級（初代）の改良型で、トルコのドックを配慮して船体長を短く、設計時に幅の狭いドックの多いイギリスでの使用を考えず船体幅を広くしたため、船型が改善して速力が増した。３番砲塔は船首楼甲板上に移し、荒天時でも波を被らなくしている。元は２本マストで建造されたが、イギリス海軍が接収時に後部マストを撤去、三脚マスト１本のみとした。全長170.5m、幅27.9m、吃水8.7m、常備排水量22780トン。主機はパーソンズ式直結蒸気タービン４基、主缶はバブコック＆ウイルコックス式混焼缶15基、出力26500馬力、４軸推進、速力21ノット、航続距離5300海里（10ノット）。兵装は45口径34.3cm連装砲５基、50口径15.2cm単装砲16門、20口径7.6cm単装高角砲２門、5.7cm単装砲６門、533mm水中発射管４門。装甲厚は水線部305mm、甲板76mm、バーベット254mm、砲塔前楯279mm、司令塔305mm。乗員1070名。エリンが1914年に竣工した。ワシントン条約で廃棄対象となり、1922年に除籍されている。参考：月刊世界の艦船1,’12、6,’16、近代戦艦史

＜エリンス＞：アメリカ海軍掃海駆逐艦。1945年6月22日、特攻隊の攻撃を受けて損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜エリント＞：ELINT（情報）を参照。

＜エルアラメイン攻防戦＞：第２次大戦北アフリカ戦で1942年6月30日から開始された、北アフリカでの枢軸軍による突破作戦と、イギリス軍の防衛作戦。エルアラメインは地中海に面した小さな集落で、南60kmの所に車両通過が困難なカッターラ凹地があって迂回攻撃ができず、その間には高地が点在しており砲兵観測に有利である。トブルク陥落後に消耗したイギリス軍は第８軍をエルアラメインに撤退させ、防御陣地を構築することとした。これに先んじてロンメルはイギリス第10軍を包囲、一部の突破を許したものの部隊を壊滅させ、6月30日からエルアラメインになだれ込んだが、激しい航空攻撃でアフリカ機甲軍の戦車はドイツ55両・イタリア30両にまで減少しており、7月1日0300からの攻撃は南アフリカ歩兵旅団の砲兵射撃に遭って進撃が停止。右翼で進撃するイタリア軍戦車師団も撃破され、左翼に陣取るイタリア第21軍はイギリス軍の反撃で士気を喪失、ドイツ軍はなけなしの戦力を広域に散らすことになった。この反撃に対する防衛戦の中で、ドイツNFAKp621無線傍受中隊が白兵戦に投入されて壊滅、更に米英の無線暗号「ブラック・コード」の解読もドイツのミス（国民向けラジオでリトル・フェラーズと呼ばれた解読情報の存在を暴露してしまった）により不可能となり、ロンメルは貴重な作戦情報源を２つとも失っている。7月3日、ロンメルは枢軸軍に攻撃中止を命令。7月10日、イギリス第９オーストラリア師団がイタリア第10軍団サプラタ師団を攻撃して壊滅させた。これを機にイタリア軍が崩壊、逃亡兵や投降が続出している。7月21日、イギリス軍は大規模な反撃を仕掛けたが、開始前にドイツ軍から砲兵射撃を喰らって尖兵が壊滅、進撃したイギリス第23装甲旅団戦車146両もドイツ軍ギュンター・ハルム２等兵の照準するソ連製76.2mm野砲の射撃を喰らってあっという間に９両が破壊され、次いで反撃してきたドイツ第21機甲師団により全戦車が破壊されて全滅してしまった。イギリス軍は7月26日にも攻勢に出たが失敗、ドイツ軍も戦力を完全に消耗しきってどちらも打つ手がなくなり、戦線は膠着した。8月、ロンメルの主治医が国防軍最高司令部に対し、重症高血圧と重度肝障害により長期療養が必要であると打電した。8月3日、チャーチル首相がエジプト戦線を視察。8月12日、イギリス軍第８軍司令官がモントゴメリーに交代した。この頃からドイツ・アフリカ機甲軍は戦力増強に努め、ドイツが兵力50000名、戦車211両（うち100両が�W号戦車Ｇ型）、火砲644門、航空機275機、イタリアが兵力54000名、戦車278両、火砲575門、航空機400機を揃えた。しかしイギリス側にエニグマ暗号が完全に解読されていたため、燃料補給に向かうドイツ軍輸送船がルートを読まれて次々と沈められ、イタリアからガソリン計6000トンと弾薬を積んで補給に向かった輸送船６隻も全て撃沈されて結局アフリカには辿りつけなかった。また、イギリスは戦力補充も急速に進め、兵力195000名、戦車1351両（うちシャーマンが285両）、火砲2311門、航空機750機を揃えた。ロンメルはイギリス軍の戦力回復が9月中旬までかかると見て9月初めに攻勢をかけることとし、8月30日2300にドイツ軍が戦車220両、イタリア軍が戦車240両でエルアラメイン後方のアラム・ハルファ台地東側に向け進撃を開始。これを暗号解読で知っていたイギリス第８軍（戦車700両装備）は南部主攻撃ラインに地雷181000個を敷設、空軍に爆撃を要請した。また、枢軸軍の進撃路を誤らせるため、偽の防衛状況地図が枢軸軍側の手に渡るよう仕組んでいる。8月31日0240、ドイツ軍がイギリス陣地に攻撃を開始。砂嵐を突いて何とか進撃したものの、猛烈な砲爆撃を喰らって第21機甲師団長が死亡、ドイツ・アフリカ軍団長も重傷を負い、朝には進路変更を余儀無くされ、アラム・ハルファ台地そのものを占領することにした。しかし燃料が48km行動分しか無くなったため、9月1日0825にロンメルは枢軸軍に対して攻撃発起点への後退を指示している。その後枢軸軍は燃料と弾薬の供給不足から機動防御よりも陣地防御に頼らざるを得なくなり、エルアラメイン戦線周囲に地雷50万個を敷いた悪魔の園・カステンH/J/L/Kをはじめとする防御陣地を構築した。イギリス第８軍は第51スコットランド師団と第７装甲旅団の増援を受け、他部隊も補充を実施している。9月4日、ロンメルが国防軍最高司令部に対し、病気療養を希望すると打電。9月19日、ロンメルの後任となるゲオルク・シュトゥンメ上級大将が到着。9月23日、ロンメルはイギリス軍攻勢が11月半ばまでは無いだろうと予測し、病気療養のためドイツへ帰国した。これを掴んだイギリス軍は猛スピードで戦力を増強、入念なカモフラージュ（偽パイプライン、トラックに偽装した戦車、ガントラクターに牽引された野砲など）で攻撃開始地点・日時・兵力を偽装し、枢軸軍側に主攻方面を北部であると思い込ませた。イギリス第８軍の北部戦線における兵力配置は北から第９オーストラリア師団、第１機甲師団、第51歩兵師団、第10機甲師団、第２ニュージーランド師団、第１南アフリカ師団で、兵力195000名、戦車1000両、航空機1000機を揃えている。枢軸軍は北からイタリア第20・第21軍団の第164アフリカ軽師団、トレント歩兵師団、ボローニャ歩兵師団と配置し、後方には第15機甲師団、リットリオ機甲師団、第90アフリカ軽師団を置き、兵力はドイツ軍50000名とイタリア軍54000名、戦車489両、航空機675機だった。10月23日2140、モントゴメリーが火砲1000門以上とM4シャーマンを含む戦車・装甲車800両で第164アフリカ軽歩兵師団の防衛する10km正面に大攻勢を仕掛け、地雷原を10万発の砲撃で吹っ飛ばして前進を開始した。第９オーストラリア師団と第51歩兵師団が地雷原に突入したが、第164アフリカ軽歩兵師団と救援に駆けつけたドイツ第15機甲師団・第90軽機械化師団の激しく抵抗に遭い、進撃を阻止されている。10月24日、シュトウンメ上級大将が砲撃により車外に吹き飛ばされて死亡したため、ヴィルヘルム・フォン・トーマ大将がドイツ・アフリカ軍団長に任命された。10月25日にはドイツ軍のガソリンが３日分しか無くなり、戦闘可能人数が30000名を切っていたが、0750にウィーン空港を発ったロンメルが2325にエルアラメインの前線司令部に到着、戦線に復帰して南部戦線の部隊をイギリス軍主攻方面の北部に移し、イギリス軍を撃退し続けた。しかし補給不足は如何ともし難く、ロンメルは作戦主任参謀と撤退に向けた秘密協議を開始。10月28日、第９オーストリア師団が前線を突破してイタリア軍を分断しにかかった。更にドイツ第15機甲師団戦区をイギリス第51スコットランド師団と第１機甲師団が突破、北部戦線で枢軸軍の防衛ラインが崩壊し、イギリス第１・第10機甲師団が枢軸軍後方に進撃を開始した。地雷原によりイギリス軍を食い止めていた南部戦線からドイツ第21機甲師団が北部戦線に回されたが、航空攻撃と機甲師団２個の集中攻撃を受けて大損害を受けている。その隙にイギリス軍は南部戦線でも攻勢を開始。ドイツ側には11月1日に空輸でガソリンが届くようになったものの、2200からイギリス第１・第10機甲師団が戦車800両で大攻勢を開始、ドイツ第15・第21機甲師団と激戦となった。イギリスは戦車100両以上を失ったものの、翌日には同数が供給されている。ドイツ側には補充が無く、ドイツ・アフリカ軍団の稼働戦車は35両になり、抵抗力を失った。11月2日1800、イギリス軍が1.6平方kmあたり1000発の猛爆撃を開始したため、2100にドイツ・アフリカ軍団全部隊に対してロンメルから撤退命令が発令された。11月3日0830、国防軍最高司令部総監がヒトラーに対し、ロンメルから届いた退却を匂わせる電文を報告した。これに対し、ヒトラーはエルアラメインの死守を命令、ロンメルも一度はそれに従っている。しかしイギリス軍の航空攻撃が間断無く続き、11月4日にはドイツ・アフリカ軍団の稼働戦車が僅か22両となり、機械化されていないイタリア軍部隊は各個包囲殲滅され、1100にトレント歩兵師団とボローニャ歩兵師団が全滅、1255にドイツ・アフリカ軍団長トーマ大将がイギリス軍に投降し、1530にはイタリア第20自動車化軍団が壊滅して戦線に20kmの隙間が出来てしまった。ここに至り、ロンメルは独断で全軍撤退命令を下達、ヒトラーもロンメルが総統大本営に派遣したロンメル副官アルフレート・ベルント大尉の説得に応じ、2050に撤退要請を許可した。11月7日、悪天候と補給不足のためイギリス軍は前進を停止。枢軸軍は2000km離れたリビアへと退却していった。損害はドイツ軍が戦死1100名、戦傷3900名、捕虜10000名、イタリア軍が戦死1200名、戦傷1600名、捕虜21000名、イギリス軍が戦死3900名、戦傷8300名、捕虜1800名。11月8日には英米軍10万名以上がモロッコとアルジェリアに上陸、チュニジア防衛ラインでも激戦が繰り広げられていた。11月17日、アフリカ機甲軍向けのガソリン500トンを積んだ商船がイギリス潜水艦により沈められ、燃料不足で全く身動きが取れなくなったが、空軍が80トンを緊急空輸して何とか撤退を継続した。11月26日、ロンメルはヒトラーに早期撤退を直訴したが、ヒトラーは8.8cm高射砲Flak41と�Y号戦車ティーガーの派遣を約束してリビアの死守を命じた。12月、枢軸軍はブエラトに向け撤退を開始し、12月28日までに撤退を完了した。1943年1月2日、ムッソリーニが退却命令を出した。1月10日、ヒトラーからも撤退許可を受けると枢軸軍はチュニジアへの撤退を開始し、1月20日にはトリポリを放棄、1月25日にチュニジアへの撤退を完了し、エルアラメインからチュニジアまでの間に一兵も失わなかった。枢軸軍は1943年2月12日にマレト陣地まで後退して防衛線を築き、チュニジアとマレトの分断を企図する英米軍の機先を制すべく、春風作戦を開始している。参考：月刊PANZER12,’13、9,’02、8,’97、12,’97、4,’98、12,’99、ウォーマシン・レポート11

＜エルアル航空機撃墜事件＞：1955年7月、イスラエルのエルアル航空のコンステレーション旅客機がロンドン発ウイーン経由でテルアビブに向かっていたところ、ギリシャ・ブルガリア国境付近のブルガリア領内でブルガリア戦闘機に撃墜され、乗員乗客58人全員が死亡した。ブルガリアは特に戦争状態にも無く、完全な誤攻撃である。当時のブルガリアは国際民間航空機関や国連に加盟しておらず、乗員乗客の国籍国であるイスラエル、アメリカ、イギリスは国際司法裁判所に提訴してブルガリアの法的責任及び賠償額を確定、ブルガリア政府も謝罪し、賠償と責任者の処罰、再発防止措置を実施した。参考：月刊軍事研究7,’99

＜エルヴィン・ヴァスナー＞：ドイツ海軍エルヴィン・ヴァスナー級特設潜水母艦。元は1938年に竣工した果実運搬船グレン・カナリアで、改造を受けて1939年に就役した。第２次大戦時は潜水艦隊総司令部や戦隊司令部として使用された。1944年7月、キールで連合軍の爆撃を受けて沈没した。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜エルヴィン・ヴァスナー級＞：ドイツ海軍特設潜水母艦。全長123.1m、幅16.7m、平均吃水5.2m、基準排水量5150トン。機関出力6750馬力、速力19.5ノット。兵装は37mm機関砲４門、20mm機関砲６門。エルヴィン・ヴァスナーが1939年に商船から改造された。参考：写真集ドイツの巡洋艦

＜エルヴィン・ロンメル＞：ロンメルを参照。

＜エル・エルラディ＞：910（フリゲート）を参照。

＜エル・エルラディ級＞：MEKO A200AN（フリゲート）を参照。

＜エル・カッセフ１級＞：アルジェリア海軍掃海艇El-Kasseh 1級（エル・カセ１級？）。イタリアのインターマリン社がレリチ級掃海艇をベースに建造した。船型は長船首楼型で、上構舷側を船体幅一杯にして逆傾斜とし、前甲板にはブルワークを設置、航海艦橋後方の上構後部上面に細身のタワーマストが立っている。機雷処分具はプルート・プラス。全長52.5m、幅9.9m、吃水3.1m、満載排水量720トン。主機はディーゼル２基、速力15ノット。兵装は30mm単装機関砲２門。掃海作業用補助電動機２基を搭載する。乗員36名。２番艇・艇番号502エル・カッセフ２、３番艇・艇番号503エル・カッセフ３など３隻が2017年から就役した。参考：月刊世界の艦船11,’19、10,’22

＜エル・カッセフ２＞：502（掃海艇）を参照。

＜エル・カッセフ３＞：503（掃海艇）を参照。

＜エルカン＞：ミラージュ5M（戦闘機）を参照。

＜エルカン・スペクターＤＲ＞：カナダのレイセオン・エルカン社が開発した小銃・機関銃用デュアル・ロール照準器。側面のスローレバーを操作するだけで倍率を簡単に切り換えられ、レティクルの焦点合わせやヘッドポジションの修正も要らない。アイリリーフが70mmあり、アイボックスも大型で、両目照準が可能。レティクルは弾丸降下補正（BDC）式、照準点はレッドダット。参考：朝雲

　＜エルカン・スペクターＤＲ１−４＞：等倍と４倍の切り替え型。オーストラリア軍が2018年に採用し、有効射程が従来の倍の600mになったらしい。参考：朝雲

　＜エルカン・スペクターＤＲ１．５−６＞：1.5倍と６倍の切り替え型。参考：朝雲

＜エル・キルチ＞：アルジェリア海軍ミサイル艇。全長58.45m、満載排水量549トン。兵装はC802艦対艦ミサイル連装発射筒２基（後甲板両舷、外舷前方向き）など。2002年就役。参考：JShips VOL.70

＜エルクーツキー・コムソモレッツ＞：ロシア海軍グリシャ�X型警備艦Erkutskiy Komsomolets。2014年8月20日1800頃、ソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦ビストリイ、グリシャ�X型警備艦MPK82、改アルタイ級補給艦イリム、ネフテガズ型航洋曳船カラルと共に、宗谷岬の西90-150kmを北東に航行するのを、DD-114すずなみと第２航空群P-3C哨戒機が確認した。2018年6月5日1330頃、グリシャ�X型警備艦MPK82、ナヌチュカ�V型ミサイル艇イネイ、同ラズリフと共に、宗谷岬北35kmを西に航行するのを、PG-827くまたかと第２航空群P-3C哨戒機が確認した。その後これらは宗谷海峡を西に進み、日本海に向かっている。6月16日0300頃、グリシャ�X型警備艦MPK82と共に、宗谷岬北西35kmを東に航行するのを、PG-827くまたかが確認した。その後これらは宗谷海峡を東に進んでいる。2022年7月29日1800頃、宗谷岬北50kmを東に航行するのを、DD-120しらぬいが確認した。その後宗谷海峡を東に進んでいる。参考：月刊世界の艦船11,’14、3,’19、3,’23

＜エルクストーン＞：A353（通船）を参照。

＜エルク・テイル＞：ソ連海軍水上艦用VDSのNATOコード。高周波アクティブ式で、グリシャ型に搭載された。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜エルクハート＞：APA-80（攻撃輸送艦）を参照。

＜エルクハウンド＞：A162（曳船）を参照。

＜エルクレス＞：アルゼンチン海軍エルクレス級ミサイル駆逐艦Hercules。1976年就役。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜エルクレス級＞：42型駆逐艦・海外シリーズを参照。

＜エルサルバドル海軍＞

＜エルサルバドル海軍（１９７７年）＞：兵力130名。小型哨戒艇４隻を配備する。参考：軍事力バランス78年版

＜エルサルバドル海軍（１９８９年）＞：兵力1300名。CG-6カム推進艇３隻、小型内海哨戒艇３隻、機械化揚陸艇３隻を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜エルサルバドル海軍（２０１５年）＞：現役兵力2000名（うち特殊作戦群海軍歩兵中隊90名）。哨戒艇10隻、LCM４隻を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜エルサルバドル空軍＞：1923年3月20日にサルバドル航空艦隊（Flotilla Aerea Salvadorena）という名称で創設され、1946年5月18日にFuerza Aerea Salvadorenaと改称された。参考：月刊JWings10,’11

　＜エルサルバドル空軍（１９７７年）＞：兵力1000名。ウラガン戦闘攻撃機17機、マジステール戦闘攻撃機４機、DC-6輸送機２機、C-47輸送機12機、アラバ輸送機４機、アルエート�Vヘリ１機、ラマ３機を保有する。参考：軍事力バランス78年版

　＜エルサルバドル空軍（１９８９年）＞：兵力2200名。航空部隊の他、空挺大隊１個と高射砲大隊１個を隷下に置く。ウーラガン戦闘機８機（稼動せず）、A-37B対ゲリラ戦機９機、AC-47対ゲリラ戦機５機、O-2A対ゲリラ戦機12機、ヒューズ500武装ヘリ３機、ヒューズ500M武装ヘリ４機、UH-1M武装ヘリ12機、UH-1H汎用ヘリ43機、C-47輸送機６機、C-123K輸送機１機、DC-6B輸送機１機、IAI-201輸送機４機、ラリエ輸送機９機、セスナ180連絡機６機、セスナ182連絡機１機、セスナ185連絡機１機、SA-315ヘリ３機、SA-316ヘリ１機、CM-170マジステール練習機６機、T-41練習機６機を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜エルサルバドル空軍（２０１１年）＞：A-37B対ゲリラ戦機４機、OA-37B対ゲリラ戦機５機、CM-170マジステール練習機１機、O-2A対ゲリラ戦機８機、O-2B対ゲリラ戦機１機、セスナ337G軽輸送機１機、T-35A練習機２機、T-35B練習機３機、MS893-235GTAアギラ練習機４機、T-41D練習機１機、RC114軽輸送機１機、BT-67軽輸送機２機、IAI-202軽輸送機３機、SA226T軽輸送機１機、セスナ210軽輸送機２機、UH-1H汎用ヘリ15機、UH-1M汎用ヘリ７機、ベル412EP汎用ヘリ４機、ベル407汎用ヘリ１機、MD-500E汎用ヘリ５機、TH-300C練習ヘリ６機を保有する。参考：月刊JWings10,’11

　＜エルサルバドル空軍（２０１５年）＞：現役兵力2000名。A-37パイロットの年間飛行時間は90時間。A-37B攻撃機14機、O-2A/Bスカイマスター観測機６機、OA-37B観測機５機、BT-67軽輸送機２機、セスナ210軽輸送機２機、セスナ337G軽輸送機１機、コマンダー114軽輸送機１機、IAI-201アラバ軽輸送機３機、SA-226Tマーリン�VＢ軽輸送機１機、R-235GT練習機５機、T-35練習機５機、T-41D練習機１機、ベル412EP汎用ヘリ４機、MD-500E汎用ヘリ８機、UH-1M汎用ヘリ２機、ベル205ヘリ（UH-1H）18機（うち捜索救難ヘリ４機）、ベル407要人輸送ヘリ１機（政府所有）、TH-300練習ヘリ５機、シャフリル空対空ミサイルを保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜エルサルバドル軍＞：治安悪化に歯止めが掛かっておらず、2015年9月には殺人事件で１日当たり18人が死亡、内戦末期（1992年）の１日あたり17人を上回る事態となり、特殊対応部隊Fuerzas Especiales de Reacción３個大隊計600名の訓練を開始した。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜エルサルバドル軍（２０１５年）＞：現役総兵力24500名（陸軍20500名、海軍2000名、空軍2000名）、予備役9900名、準軍事組織17000名（公安省国家市民警察）。コートジボアールにUNOCIオブザーバー３名、ハイチにMINUSTAH要員34名、レバノンにUNIFIL要員52名、歩兵小隊１個、マリにMINUSMA要員91名、ヘリ飛行隊１個、南スーダンにUNMISS要員１名とオブザーバー２名、西サハラにMINURSOオブザーバー３名を派遣している。USSOUTHCOM前進作戦所１個が所在している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜エルサルバドル内戦＞：1980年から内戦が本格的となり、反政府左翼ゲリラのファルブンドマルチ解放戦線FMLN（人民革命軍、人民解放軍、民族抵抗軍、中米労働者革命党、解放軍の連合体）が国土の３割を制圧したが、政府軍が北部と東部で反撃に出て膠着し、アメリカが政府軍、ソ連とキューバがFMLNを支援して泥沼化した。1989年3月に極右政党アレナ党が大勝利し、大統領がFMLNとの恒久的対話の意向を示したが、FMLNは受け入れず、内戦が持続している。参考：月刊丸4,’99、ミリタリー・バランス1989-1990

＜エルサルバドル陸軍＞

＜エルサルバドル陸軍（１９７７年）＞：兵力6000名。歩兵旅団３個、砲兵旅団１個、混成騎兵大隊１個、防空大隊１個、空挺大隊（中隊規模）１個、奇襲レンジャー中隊２個からなる。M-3軽戦車３両、UR412装甲兵員輸送車20両、105mm榴弾砲30門を保有する。参考：軍事力バランス78年版

＜エルサルバドル陸軍（１９８９年）＞：兵力40000名。軍管区６個、軍区14個、歩兵旅団６個、砲兵旅団１個、機械化騎兵連隊１個、工兵大隊１個、即応大隊５個からなる。M-3A1軽戦車５両（全て保管中）、AML-90偵察車12両、M-37B1装甲兵員輸送車66両、M-113装甲兵員輸送車20両、UR-416装甲兵員輸送車10両、105mm砲M-102を54門、81mm迫撃砲M-29を300門、120mm迫撃砲UB-M52を60門、LAW対戦車ロケット、90mm無反動砲M-67を400門、20mm高射機関砲M-55を24門、20mm自走高射機関砲を４両保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜エルサルバドル陸軍（２０１５年）＞：現役兵力20500名。特殊作戦群（特殊作戦中隊１個、パラシュート大隊１個、海軍歩兵中隊１個）１個、機甲騎兵連隊（機甲騎兵大隊２個）１個、歩兵旅団（歩兵大隊３個）６個、保安旅団（国境警備大隊２個、憲兵大隊２個）１個、砲兵旅団（野戦砲兵大隊２個、防空大隊１個）１個、工兵司令部（工兵大隊２個）１個からなる。AML-90偵察車５両（＋保管中４両以上）、M37B1Cashuat改装甲車30両、UR-416装甲兵員輸送車８両、105mm砲M-102を36門、105mm砲M-56(FLY)18門、81mm迫撃砲M-29を151門、120mm迫撃砲M-74（全て保管中）、120mm迫撃砲UBM52を12門、106mm無反動砲M40A1を20門（うち自走砲16両）、90mm無反動砲M67を379門、20mm高射機関砲M-55を31門、20mm高射機関砲TCM-20を４門保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜エル・シノア２５０型＞：XLR250（オートバイ）を参照。

＜エルシュ型＞：671型（潜水艦）を参照。

＜エルシング＞：A277（通船）を参照。

＜エル・スエズ級＞：デスクビエルタ級フリゲート（エジプト海軍）を参照。

＜エルストリンク＞：FuG25a（敵味方識別装置）を参照。

＜エルツヘルツォーク・カール＞：オーストリア＝ハンガリー海軍エルツヘルツォーク・カール級戦艦。1906年6月17日竣工。1918年にカッタロで抑留され、1920年にフランスに引き渡された。ツーロンに回航する途中でビゼルト付近に座礁、1921年に解体された。参考：月刊世界の艦船4,’98

＜エルツヘルツォーク・カール級＞：オーストリア＝ハンガリー海軍前ド級戦艦。水線長124.4m、常備排水量10640トン。兵装は24cm連装砲２基、19cm単装砲12門、6.6cm単装砲12門、4.7cm単装砲８門、45cm魚雷発射管２門。エルツヘルツォーク・カールなど３隻が竣工した。参考：月刊世界の艦船4,’98

＜エルデク＞：M263（掃海艇）を参照。

＜エルトゥールル＞：トルコ海軍テレボーン・パリッシュ級戦車揚陸艦Ertugrul。参考：月刊世界の艦船12,’12

＜エルトゥールル級＞：テレボーン・パリッシュ級戦車揚陸艦（トルコ海軍）を参照。

＜エルトゥールル号遭難事故＞：明治23年（1890年）9月16日、オスマントルコ海軍エルトゥールル号が日本を親善訪問して帰路についたが、台風に遭遇して和歌山県串本町大島樫野埼沖の岩礁地帯に迷い込み、夜間に座礁沈没した。大荒れの海上に投げ出された乗員や使節団のうち587名が死亡したが、地元住民が必死の救助活動を行い、日本赤十字社も救護員を派遣、69名が救命されている。コルベット金剛と比叡がちょうど海軍兵学校17期生を乗せて日本一周練習航海に出る直前で、長期航海の準備が整っていたため、遠洋練習航海も兼ねて救助したエルトゥールル号乗員をトルコまで送ることになり、9月24日に品川に回航され、9月26日に正式にトルコ派遣が決まった。10月5日、金剛と比叡が品川を出港し、85日後にトルコのコンスタンティノープルに到着して乗員を下ろした。明治24年3月31日に日本に帰国する予定だったが、１ヶ月以上の大歓迎と機関故障などで出港が明治24年2月10日に遅れ、帰投中の訓練なども中止して5月9日に品川に帰港している。明治24年に日本が慰霊塔を建立（その後昭和4年に日本、昭和12年にトルコが改修）し、以降５年ごとに串本町、和歌山県、トルコ大使館が共催する追悼式典が行われている。イラン・イラク戦争中の1985年にイラクがイラン上空の無差別攻撃を宣言した際、駐在日本人が出国できなくなり、当時は自衛隊の海外派遣ができず、日本の航空会社もフライトを取り止めたため完全に見捨てられた形になったが、エルトゥールル号の恩返しとトルコ政府がチャーター機を用意し、215人を日本まで輸送した。2010年6月3日、DD-131せとゆき艦上で洋上慰霊祭、慰霊碑前で陸上追悼式典が執り行われ、串本町内でトルコ軍メフテル軍楽隊50名が演奏を行った。2011年8月8日、串本町を親善訪問したトルコ海軍フリゲートF492ゲムリクが遭難現場付近の海上で追悼式典を実施。2015年6月1-4日、串本町を親善訪問したトルコ海軍フリゲートF495ゲディズが追悼行事に参加。参考：朝雲、月刊世界の艦船11,’11、月刊軍事研究9,’15、人道・博愛−百年のあゆみ

＜エルドガン＞：Ka-50-2（攻撃ヘリ）を参照。

＜エルトホルム＞：デンマーク海軍ホルム級特務艇３番艇Eltholm。2006年就役。 2010年6月19-27日、ドイツのキール・ウィーク2010に参加。参考：月刊世界の艦船9,’10

＜エルドラド＞：AGC-11（揚陸指揮艦）を参照。

＜エルドラド・キャニオン作戦＞：アメリカ軍が1986年に行った対リビア爆撃。1986年3月のプレイリー・ファイル作戦に対し、リビアが報復として4月5日に西ベルリンにあるアメリカ人御用達のナイトクラブで爆弾テロを行い、２人が死亡、204人が負傷した。これに対し4月14日にアメリカ空軍は懲罰爆撃の実施を決定。フランスが領空の通過を許可しなかったため、イギリスから出撃した後ジブラルタル海峡経由で爆撃することにし、F-111F戦闘爆撃機18機、F-111A戦闘爆撃機４機、EF-111A電子戦機５機にKC-135空中給油機とKC-10A空中給油機24機を付けて片道5100km（行きに４回、帰りに２回の空中給油を実施）の爆撃を行い、カダフィ大佐の司令部、トリポリ国際空港、訓練キャンプなどにGBU-10E/B誘導爆弾を投下した。第１編隊は直撃弾を与えたが、第２編隊は2.7km外して外国大使館が損害を受けている。アメリカ海軍もCV-43コーラル・シー、CV-60サラトガ、CV-66アメリカの艦上機（A-7E攻撃機やEA-6B電子戦機など）で攻撃をかけ、訓練キャンプやベンガジ空港を爆撃した。参考：月刊エアワールド8,’05、月刊軍事研究12,’04、5,’03、11,’07、4,’15

＜エルドリッジ＞：DE-173（護衛駆逐艦）を参照。

＜エルドン＞：DE-264（護衛駆逐艦）を参照。

＜エルバ＞：イタリア海軍防護巡洋艦。排水量2732トン。兵装は15.2cm砲２門、12cm砲８門、45cm魚雷発射管２門など。1895年竣工。1907年、後甲板に気球係留装置を設置し、1908-11年にカイト・バルーン母船となった。1914-15年、デリック２基を追加し、後甲板に水上機３機を搭載可能として水上機母艦になった。兵装は12cm砲６門、3.7cm砲２門、機銃１丁、45cm魚雷発射管２門である。１920年1月5日に除籍され、その後解体された。参考：月刊丸7,’14

＜エル・バイ・ディー＞：揚抗比を参照。

＜エル・ハジ・スマネ＞：013（潜水艦）を参照。

＜エル・パソ＞：PF-41（フリゲート）を参照。

＜エル・ハッサン＞：チャレンジャー１海外シリーズ（戦車）を参照。

＜エル・ハッサン・ハイバード＞：チャレンジャー１海外シリーズ（戦車）を参照。

＜エルビット・システムズ＞：イスラエルの防衛関連企業Elbit Systems。C4ISR、SIGINT、電子戦、無人機含む航空機関連機器を扱っている。1966年に創設された。参考：月刊JWings6,’16

＜エルビンク＞：ドイツ海軍ピラウ級軽巡洋艦Elbing。1915年竣工。1916年に戦没した。参考：近代巡洋艦史

＜エル・ファテ＞：921（アダーファー級コルベット）または971（ゴーウインド級フリゲート）を参照。

＜エル・ファテ級＞：Ｚ級駆逐艦（エジプト海軍）またはゴーウインド級フリゲート（エジプト海軍）を参照。

＜エル・ファヨゥム級＞：T-301級掃海艇（エジプト海軍）を参照。

＜エルブスボルイ＞：スウェーデン海軍エルブスボルイ級機雷敷設艦Alvsborg。1971年竣工。参考：月刊世界の艦船8,’82増刊

＜エルブスボルイ級＞：スウェーデン海軍機雷敷設艦Alvsborg級。パトリシア級潜水母艦の後継でもあり、潜水母艦機能も持っている。全長92m、排水量2660トン。主機はディーゼル、速力16ノット。兵装は40mm機関砲３門、機雷300個。エルブスボルイが1971年に竣工した。参考：月刊世界の艦船8,’82増刊

＜エルブラス＞：ソ連海軍エルブラス級潜水艦救難艦El’brus。1981年就役。2019年4月28日0600頃、プロジェクト22350アドミラル・ゴルシコフ級フリゲートのアドミラル・ゴルシコフ、カリーニングラードネフチ型補給艦カマ、バクラザン型航洋曳船ニコライ・チカーと共に、下対馬南西220kmを北東に航行するのを、第１航空群P-3CとMSC-601ひらしまが確認した。その後これらは対馬海峡を北上し、日本海に向かっている。5月11日1000頃、プロジェクト22350アドミラル・ゴルシコフ級フリゲートのアドミラル・ゴルシコフ、バクラザン型航洋曳船ニコライ・チカーと共に、北海道松前半島白神岬西160kmを東に航行するのを、第２航空群P-3CとPG-825わかたかが確認した。その後これらは津軽海峡を東に進み、太平洋に向かっている。参考：月刊世界の艦船6,’01、3,’20

＜エルブラス級＞：ソ連海軍潜水艦救難艦537型El’brus級。船体は砕氷構造で、DSRV２基と、レスキュー・チェンバーを装備する。全長175.5m、満載排水量22500-22861トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、出力20000馬力、２軸推進、速力17ノット。兵装は30mm連装機関砲２基。ヘリコプター１機を搭載可能。1981年にエルブラス、1988年にアラゲズ、1993年に３番艦が就役した。参考：月刊世界の艦船6,’15、6,’01

＜エルブルス＞：9K72（弾道ミサイル）を参照。

＜エルブルス＞：ロシア海軍プロジェクト23120耐氷型支援船１番艦Elbrus。2015年6月26日進水。参考：月刊世界の艦船2,’15、9,’15

＜エルベ＞：A511（支援母艦）を参照。

＜エルベ＞：ドイツ海軍漁業保護艦。第２次大戦後はソ連に引き渡され、テレクとなった。参考：グラフィックアクション44

＜エルベ＞：ドイツ海軍計画特設航空母艦。元は1935年に竣工した客船ポツダム（神鷹に改造されたシャルンホルストの姉妹艦）で、1942年5月に空母への改造が決定した。飛行甲板は長さ186m・幅27mで、右舷側に煙突と一体化したアイランドを設置し、前部にカタパルトを２基、前後に内舷式エレベーターを１基ずつ装備する。格納庫は長さ148m・幅18mで、Bf109G艦上戦闘機12機とJu87D艦上爆撃機12機を搭載可能。飛行甲板に20mm、格納庫に10mmの装甲が施されている。全長203m、最大幅26.8m、吃水8.85m、基準排水量17527トン、満載排水量23500トン。主機はターボ・エレクトリック方式、SSW／ブロム・ウント・フォス式蒸気タービン２基＋ターボ発電機４基、主缶はベンソン高圧缶４基、出力26000馬力、２軸推進、速力21ノット、燃料搭載量3145トン、航続距離9000海里（19ノット）。兵装は10.5cm連装高角砲６基、37mm連装高射機関砲５基、20mm４連装機関砲８基。12月に復原性向上のための設計変更を受けたが11月に空母への改造は計画中止となり、代わって12月から練習空母へ改造されることになったがこれも1943年2月2日に中止され、結局宿泊艦になっている。1946年にイギリスで兵員輸送艦エンパイア・フォウェイとなり、1960年からパキスタンで回教徒巡礼船として使用され、1976年に解体された。参考：月刊丸3,’14

＜エルベ級＞：ドイツ海軍支援母艦Elbe級、タイプ404。ミサイル艇や掃海艇の母艦任務を行う支援艦で、燃料450トン、飲料水150トン、弾薬130トンを搭載でき、廃油・ゴミ収容スペースを持つ。船体中央後ろ寄りに背の高い上構があり、その前方に大型クレーンがある。全長100.5m、満載排水量3114-3164トン。主機はディーゼル、速力15ノット。兵装はスティンガー４連装発射機２基、27mmまたは20mm単装機関砲２門。1993-94年にA511エルベ、A513ライン、６番艦A516ドナウなど６隻が就役した。2015年現在、２隻がミサイル艇、１隻が潜水艦、３隻が掃海艇の支援に使われている。参考：月刊世界の艦船3,’07、9,’14、5,’15、THE MILITARY BALANCE 2016

＜エルボ・グラーフ・フォン・カーゲネック＞：カーゲネック（ドイツ空軍エース）を参照。

＜エルマ＞：スウェーデン海軍爆雷投射機ELMA。ソ連潜水艦の領海侵犯の証拠を掴むのが主任務で、1983年から開発した。100mm爆雷９連装投射機LLS-920を４基１組で甲板上に装着、M83爆雷を250-300m前方の80m×100mの範囲に着弾させ、成型炸薬で耐圧船殻に穴を開け、浮上を余儀無くさせる。フィンランド海軍も採用した。1990年代にM90爆雷、1992年にASW-600爆雷投射機、1995年にASW-601爆雷投射機が開発されている。参考：月刊世界の艦船9,’20

＜エルマー・モンゴメリー＞：FF-1082（フリゲート）を参照。

＜エル・マウダミール＞：911（フリゲート）を参照。

＜エル・マオウナ＞：モロッコ海軍総旗艦兼王室ヨットEl Maouna。元はフランス海軍リバー級フリゲートのラ・シュルプリズで、1964年6月に譲渡された。1965年、後部にヘリ甲板を設置。1975年に除籍された。参考：月刊世界の艦船5,’13

＜エルマ工業＞：ドイツの銃器メーカー。1924年にエルフルトで設立され、ドイツ軍制式P08拳銃用.22口径LRコンバージョン・キットの注文を受けるなどした。第２次大戦後はエルフルトがソビエト占領地区になったため、西ドイツに逃げた従業員がダッハウに新しいエルマ社を創立した。現在は軍用銃から手を引いている。参考：GUN用語事典

＜エルメス＞：ラドロア（哨戒艇）を参照。

＜エルメネヒルド・ガレアナ＞：メキシコ海軍ブロンスタイン級護衛艦Hermenegildo Galeana。元はアメリカ海軍ブロンスタイン級護衛艦DE-1037ブロンスタインである。1993年に就役した。参考：月刊世界の艦船9,’96

＜エルメンドルフ空軍基地＞：アメリカ太平洋航空軍PACAFの基地で、アラスカ州にある。名前の由来は1933年にテスト飛行中墜落して死亡した大尉。面積は5315ヘクタールで、滑走路はランウェイ06/24（3048m）と16/34（2288m）の２本。1940年6月から建設され、フォート・リチャードソンという名称で8月から運用され、11月からエルメンドルフ飛行場という名称になった。1941年2月、第18追撃飛行隊が配備された。1942年、第11航空軍司令部が配置された。1945年12月、アラスカ航空コマンドが創設された。1982年、配備されていた第21戦術戦闘航空団がF-4戦闘機からF-15戦闘機への更新を終えた。1986年、E-3早期警戒管制機の配備が始まった。1990年8月9日、アラスカ航空コマンドが解隊され、所属部隊は太平洋航空軍隷下となった。1991年5月、第21戦術戦闘航空団に替わってクラーク基地の第３戦術戦闘航空団が移動。1992年6月、第３戦術戦闘航空団が第３航空団に名称変更された。参考：月刊軍事研究4,’10

　＜エルメンドルフ空軍基地（２０１０年）＞：第３航空団と隷下の第19戦闘飛行隊（F-15C/D戦闘機）、第90戦闘飛行隊（F-22A戦闘機）、第525戦闘飛行隊（F-22A戦闘機）、第517空輸飛行隊（C-17A輸送機、C-12U汎用機）、第962空中航空管制飛行隊（E-3B/C早期警戒管制機）、アメリカ空軍予備役軍団第477戦闘航空軍第302戦闘飛行隊が所在している。参考：月刊軍事研究4,’10

＜エルモ＞：駐留軍等労働者労務管理機構を参照。

＜エルモ・Ｒ・ズムウォルト＞：ズムウォルト提督を参照。

＜エルモア＞：APA-42（攻撃輸送艦）を参照。

＜エル・ラディン＞：910（フリゲート）を参照。

＜エルレ＞：ノルウェー海軍ハウク級ミサイル哨戒艇。1980年就役。参考：週刊ワールドウェポン17

＜エルロッド＞：FFG-55（フリゲート）を参照。

＜エルロン＞：Aileron（元はフランス語、英語でもこう呼ぶ）、補助翼。基本三舵の１つで、主翼端近くの後縁に付いており、上下に可動する。上げると揚力が減少し、下げると揚力が増加するので、左右逆に動かすことで機体を傾ける（ローリング）ことができ、ラダーの効果を補助して旋回半径を小さくすることができる。フラッターが生じやすいので、ヒンジから前の部分に錘を付けて重心位置をヒンジよりも前に位置させる。大型機で主翼が長い場合、翼端側のみにエルロンが付いていると、高速飛行時にエルロンを上げた際に翼がしなって揚力が増加してしまい、エルロン・リバーサルが生じるので、胴体に近い方にもエルロン（高速エルロン、全速度エルロンと呼ぶ）を取り付けてそちらを使う（翼端側は低速エルロンと呼び、低速時に使う）。超低速時にはエルロンの効きが不十分になる場合があり、スポイラーを同時に使用して補助することもあるが、アドバース・ヨーが生じることがあるので注意。超低速時に大きく操舵すると、翼表面からの気流の剥離を助長して一気に失速、錐揉みに入るので危険である。参考：航空用語事典増補改訂版、飛行機のしくみ、JWings5,’03、12,’06、10,’09別冊付録

＜エルロン・リバーサル＞：Aileron reversal、エルロンの逆効き現象。意図した方向と逆向きにエルロンが作用してしまうことで、操縦桿を右に倒したのに機体が左に倒れてしまったりする。主翼剛性が低く、エルロンを作動させた際の抗力に対抗できず主翼が捩れてしまい、主翼迎え角が負になってしまうような場合に生じる。飛行速度が速いほどエルロンの抗力が増えるため生じやすくなり、零戦のエルロンが高速で効きが悪かったのもこのためといわれる。主翼剛性が不足しがちな後退翼機でも起こりやすい。主翼全体の捩り剛性を向上させる、飛行速度を制限する、エルロンで無くスポイラーを使う、といった方法で解決する。参考：世界の傑作機No.172、航空用語事典増補改訂版、スピットファイア

＜エルン＞：U03（スループ）を参照。

＜エルン＞：ノルウェー海軍ハウク級ミサイル哨戒艇。1979年就役。参考：週刊ワールドウェポン17

＜エルンスト・ヴィルヘルム・ライネルト＞：ライネルト（ドイツ空軍エース）を参照。

＜エルンスト・ウーデッド＞：ウーデッド（ドイツ空軍エース）を参照。

＜エルンスト・ハインケル株式会社＞：1922年にハインケル博士が設立した。ベルサイユ条約下でも軍用機開発を継続している。参考：歴史群像2,’08付録

＜エレクトラ＞：AKA-4（攻撃貨物輸送艦）またはH27（駆逐艦）を参照。

＜エレクトリック・イントルーダー＞：EA-6A（電子戦機）を参照。

＜エレクトリック・スパッド＞：AD-5Q（電子戦機）を参照。

＜エレクトリック・フォックス＞：EF-111A（電子戦機）を参照。

＜エレクトリック・ホースマン＞：VAQ-34（電子戦飛行隊）を参照。

＜エレクトリック・ホエール＞：EKA-3B（電子戦・空中給油機）を参照。

＜エレクトリック・ボート社＞：アメリカの企業で、1899年に設立された。1910年代から潜水艦建造に関わるようになり、第２次大戦中にはガトー級の約半分を建造している。1952年にジェネラル・ダイナミックス社エレクトリック・ボート事業部となった。参考：月刊軍事研究9,’07

＜エレクトレマデュラ＞：F-75（フリゲート）を参照。

＜エレクトロパルト＞：ウエスティングハウス社の試作電磁カタパルト。1946年からジェット艦上機用に開発したもので、航空機用空冷星型レシプロエンジン（1100馬力）を直流発電機に繋ぎ、電動モーターを作動させて重量24トンの鋼鉄製フライホイールをぶん回しエネルギーを蓄積、必要時に交流発電機に接続して12MWの電力を発生させ飛行甲板に設置した全長420mの電磁石に流し、カタパルト・レール上の艦上機搭載滑走車を加速する。テストではP-80戦闘機を98mで186kmに加速して離陸させた。当時としては技術的ハードルとコストが高く、スチーム・カタパルトの方が実用的だったため、採用されなかった。参考：月刊世界の艦船12,’16

＜エレクトロヒンプリボーア・コンビナート＞：ソ連の核関連施設。核弾頭及び物理パッケージの製造を行っている。参考：核兵器事典

＜エレクトロ・ボート＞：Ｕボート�]�]�T型（潜水艦）を参照。

＜エレクトロ・ルミネッセンス・ライト＞：低電圧編隊灯。アメリカ軍機が装備する編隊灯で、蛍光体を電圧で発光させる。長方形３つが横一列に並んでおり、普段は薄黄色だが、点灯すると淡い黄緑になるので、ライムライトとも呼ばれる。参考：F/A-18ホーネット

＜エレクトロン＞：マグネシウム合金を参照。

＜エレクトロン＞：ソ連が部分的核実験禁止条約の調印を受けて打ち上げた、地表核実験監視衛星。元はバン・アレン帯の分析衛星だったが、２号機から核爆発センサーを搭載して高度72000kmに打ち上げて核実験監視任務に就いた。地下核実験に切り替わったのを受けて任務を終了した。参考：月刊軍事研究1,’07

＜エレクトロン焼夷弾＞：焼夷弾を参照。

＜エレザ＞：BM-13-16（ロケット砲）を参照。

＜エレット＞：DD-398（駆逐艦）を参照。

＜エレドン＞：TSM-2233（ソナー）を参照。

＜エレドン・オクトパス＞：TSM-2272（ソナー）を参照。

＜エレバス＞：I02（砲艦）を参照。

＜エレバス級＞：イギリス海軍砲艦Erebus級。第１次大戦の急造計画で建造された艦で、射程40kmの38.1cm砲を装備しており、ネームシップは第２次大戦でも上陸支援砲撃に活躍した。全長123.5m、幅26.8m、吃水3.4m、基準排水量7200トン。主機はレシプロ蒸気機関、出力6000馬力、速力12ノット。兵装は38.1cm連装砲１基、10.2cm単装砲８門、7.6cm単装砲２門。I02エレバスとI03テラーが1916年に就役した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜エレファン＞：コートジボアール海軍バトラル型軽輸送艦Elephant。満載排水量1330トン。1974年にフランスに発注され、1977年に就役した。参考：月刊世界の艦船4,’98

＜エレファント＞：S11（哨戒艦）またはゼートイフェル（水陸両用艇）またはフェルディナンド・シリーズ（駆逐戦車）を参照。

＜エレファント・ウォーク＞：Elephant Walk。多数機発進準備訓練など、多数機を同時に地上滑走させることを言う。アメリカ軍が第２次大戦で戦略爆撃を行った際、多数の重爆が連なってタキシングしていく様子を象の行進に例えたのが始まりである。時代が下ると大型機が一斉出撃する機会が減ったため、機体サイズや機種に関わらず多数機が一斉滑走すればエレファント・ウォークと呼ばれるようになり、新型機のプレゼンスや記念行事として行われることが多くなった。同一機を数十機並べるのはほぼアメリカ空軍の特権だが、大型輸送機・空中給油機５機以上くらいなら他国でも何とかなる。参考：月刊JWings4,’20、5,’22

＜エレファント・ガン＞：象を一撃で倒せるような高い威力を持つライフルのこと。参考：GUN用語事典

＜エレファント級＞：ナミビア海軍哨戒艦Elephant級。中国製で、１番艦S11エレファントは武漢造船所で建造された。中国の漁業監視船漁政310と似ており、電子装備は347型Ｇ電子光学装置を装備する射撃指揮レーダー、対水上レーダー、航海レーダー、衛星通信装置。全長100m、排水量2500トン。兵装は37mm級の小口径砲１門。艦後部にヘリ甲板を持つが、格納庫は無い。参考：月刊世界の艦船8,’12、月刊軍事研究11,’12

＜エレべーション・ドラム＞：M16A2小銃に付いているエレべーション・ノブ。参考：GUN用語事典

＜エレべーション・ノブ＞：照門を上下させるノブのこと。参考：GUN用語事典

＜エレベーター（航空機）＞：Elevator、昇降舵。水平尾翼後部・水平安定板後方に付いており、主に縦操縦（ピッチング）を担い、縦安定や縦の釣り合いにも関与する。操縦桿を引くとエレベーター前部のヒンジを中心に後縁が上がり、水平尾翼に下向きの反力が生じ、機首が上がる。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊JWings5,’03

＜エレベーター（空母）＞：Elevator。イギリス海軍ではリフト（Lift）という。飛行甲板と格納庫甲板の間を、航空機を載せて昇降する構造物である。甲板と同等の防御力を有し、間違ってエレベーター部分に着艦してきても壊れず、甲板との繋ぎ目から海水が浸入することも無いように作らねばならない。参考：月刊軍事研究12,’03、月刊世界の艦船8,’20

　＜外舷式＞：Outboard Type。エレベーターが船体側面から張り出しているもので、Deck-Edge Type、Deck Side Typeともいう。アメリカ海軍ワスプ級空母に初めて簡易型が搭載され、エセックス級に本格的なものが装備された。飛行甲板をフルに使え、格納庫内のスペースも邪魔せず、エレベーターからはみ出すサイズの航空機も運用でき、拡大改修も楽だが、船体側面に格納庫出入り口が大穴を開けることになるので船体強度の問題があり、波を被ることがあるので乾舷の高い大型艦でないと装備できず、荒天時の運用が制限される。艦尾の場合、最後方だけが開放されているものがあり、これを特に後部外舷式（After Deck-Edge Type）と言うこともある。参考：月刊軍事研究12,’03、12,’13、月刊世界の艦船8,’15、11,’15、6,’17

　＜内舷式＞：Inboard Type。四方を甲板に囲まれたエレベーター。船体強度に影響を与えないので、小型空母によく採用されている。使用時には飛行甲板に穴が開き、格納庫内でも面積を占拠するので、発着艦や航空機移送作業に支障が出る。参考：月刊軍事研究12,’13、12,’03

　＜カンチレバー式＞：片持ち式。外舷式エレベーターに使用される支持形式で、船体側だけでエレベーターを支えている。ワイヤーロープや滑車とチェーンで昇降するが、整備に手間がかかる。参考：月刊軍事研究12,’03

　＜サスペンド式＞：ガイドレールに沿ってエレベーターを昇降させる方式。内舷式エレベーターでよく使用される。大戦中には主流だったが、ガイドレールが邪魔なのでしだいに廃れた。また、戦闘中にエレベーターがガイドレールから外れて動かなくなった大鳳のような例もある。参考：月刊軍事研究12,’03

　＜シザーズ式＞：エレベーターをＸ字型のストラット（支柱）で支えて油圧で上下させる方式。機構が単純で信頼性が高い。参考：月刊軍事研究12,’03

＜エレボン＞：Elevon。エレベーターの機能をエルロンに持たせたもの（ELEVator＋ailerON）で、左右の主翼で同方向に動かせばエレベーターに、逆に動かせばエルロンになる。水平尾翼の無い無尾翼機に付けられたのが始まりで、当初はアイラベーター（AILEron＋eleVATOR）と呼ばれたこともあったが、エレボンに落ち着いた。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊JWings6,’05

＜エレメント＞：Element。２機編隊のこと。戦闘機隊の最小行動単位で、編隊長（リーダー）と僚機（ウイングマン）からなる。参考：月刊JWings9,’02、月刊軍事研究3,’99

＜エレロン−３／−１０＞：ロシア陸軍手投げ式偵察用小型UAV。2010年9月に採用を決定した。短射程火砲の着弾観測などに使用されるとみられる。重量3.5kg（エレロン-3）、滞空時間２時間。シリア内戦介入で実戦投入された。参考：月刊軍事研究2,’11、10,’17、月刊世界の艦船6,’16

＜エロージョン＞：焼損。銃・砲身内面が高熱の発射ガスにより傷む現象で、熱腐食ともいう。ガス・エロージョン、スコーリング、アブレーションに分類される。また、コロージョンやヒートチェックを含むこともある。ハード・クローム処理や、ステンレスなどはエロージョンに強い。砲身と弾丸の間に冷ガス層を作る物質を薬莢に入れて防止することもある。味の素（グルタミン酸ナトリウム）でもエロージョンが抑制されるらしい。参考：火器弾薬技術ハンドブック、GUN用語事典、月刊PANZER5,’79

＜エロス＞：EROSシリーズ（画像衛星）を参照。

＜エロ爆弾＞：イ号一型乙（無線誘導爆弾）を参照。

＜延安＞：106（ミサイル駆逐艦）を参照。

＜延安二号＞：中国の試作シングルローター・ヘリコプター。1944年にアメリカ陸軍航空軍第14航空軍が雲南省に展開した際に持ち込んだR-6ヘリを、陝西省西北工業大学に持ち込み、1959年に部分研究を開始、1965年から西北工業大学、南京航空航天大学、湖江機器工場で共同設計を行い、1975年9月4日に初飛行した。メインローターは３翅で、胴体後部上方からテイルブームが延び、後端右側にテイルローターが付いている。巡航速度180km、最大高度5000m。乗員２名（操縦士、偵察員）。ソ連国境地帯で国境警備隊に哨戒ヘリとして配備する予定だったが、機体が小型すぎて実用性に欠け、制式化はされなかった。参考：月刊航空ファン4,’17

＜掩蓋＞：軽掩蓋、中掩蓋、重掩蓋がある。

＜沿海域作戦支援艦＞：LOSCを参照。

＜沿海域戦場センシング無人潜航艇＞：LBS-UUVを参照。

＜沿海域任務艦＞：インディペンデンス級沿海域任務艦を参照。

＜エンカウンター＞：H10（駆逐艦）を参照。

＜エンカウンター＞：オーストラリア海軍エンカウンター級防護巡洋艦Encounter。元は1905年にイギリスで竣工した防護巡洋艦で、1910年7月1日にオーストラリア海軍に移籍した。第１次大戦では太平洋やインド洋で護衛哨戒任務に就いた。1923年5月、ペンギンと改称され、倉庫船になった。1932年9月、シドニー沖で海没処分された。参考：月刊世界の艦船11,’00

＜エンカウンター級＞：オーストラリア海軍防護巡洋艦Encounter級。オーストラリア人の乗員で運用され、オーストラリア連邦予算で運営された初の軍艦である。常備排水量5915トン。速力21ノット。兵装は15.2cm単装砲11門。エンカウンターが1910年にイギリス海軍からオーストラリア海軍に移籍した。参考：月刊世界の艦船11,’00

＜遠隔起爆装置（施設作業車用爆弾パレット）＞：自衛隊の火工品。石川製作所製。参考：月刊軍事研究4,’10

＜遠隔機雷掃討システム＞：AN/WLD-1シリーズを参照。

＜遠隔交戦＞：エンゲージ・オン・リモートを参照。

＜遠隔散布地雷＞：地雷を参照。

＜遠隔操作器材用火工品＞：自衛隊の火工品。銀座銃砲店が受注している。参考：月刊軍事研究4,’18

＜遠隔操作式武装機動車＞：リップソーを参照。

＜遠隔操縦観測システム＞：FFOSを参照。

＜遠隔操縦機＞：RPVを参照。

＜遠隔操縦航空機システム＞：RPASを参照。

＜遠隔操縦作業車両システム＞：CBRN対応遠隔操縦作業車両を参照。

＜遠隔操縦式小型偵察システム＞：防衛省技術研究本部が2012-14年度に試作試験予定の無人小型偵察装置。小型UGVに小型UAVを搭載し、UGVが入り込めないところは発進させたUAVにより情報収集を行う。UGVは無線または有線操縦、UAVは有線操縦のみで、UGVに300m、UAVに500mのケーブルを収容する。参考：MAMOR vol.77、月刊軍事研究1,’12

＜遠隔操縦走行体＞：ROVを参照。

＜遠隔操縦偵察システム＞：FFRSを参照。

＜遠隔操縦デューン・バギー＞：TDBを参照。

＜遠隔測定情報収集＞：TELINTを参照。

＜遠隔対空通信施設＞：RCAG（Remote Center Air-Ground Communication）と略す。VHF/UHF無線機は通信距離が短いため、それを補う目的で遠隔地に設置される通信施設である。参考：航空管制のはなし

＜遠隔対装甲地雷＞：RAAMを参照。

＜遠隔発火装置＞：自衛隊の火工品。石川製作所製。参考：月刊軍事研究8,’09

＜遠隔発射＞：ランチ・オン・リモートを参照。

＜遠隔ビデオ受信端末＞：ERS-RVTを参照。

＜塩化シアン＞：血液剤の１つで、CKと略す。常温では無色の気体で、桃の芯の臭いがする。摂取されるとシアン化水素（青酸ガス）に変わり、毒性を発揮する。粘膜の刺激作用がある。融点マイナス6.5度、沸点12.5度、空気に対する比重は2.1。気体での半数致死量は11000mg・min／立方メートル、行動不能にできる濃度は7000mg・min／立方メートル。参考：化学・生物兵器概論、戦争がやってくる、図解雑学生物・化学兵器

＜エンガディン＞：K08（ヘリコプター支援艦）を参照。

＜エンガディン級＞：イギリス海軍ヘリコプター支援艦Engadine級。艦載ヘリ乗員の訓練を洋上で支援するのが主任務である。上部構造物後部がヘリ格納庫、後甲板が広いヘリ甲板となっていて、船体動揺抑制のためフィン・スタビライザーを装備する。全長129.3m、幅17.8m、吃水6.7m、満載排水量9000トン。主機はディーゼル、出力5500馬力、速力14.5ノット。ヘリ６機を搭載できる。K08エンガディンが1967年に就役した。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜エンガノ岬沖海戦＞：比島沖海戦を参照。

＜遠軽演習場＞：陸上自衛隊の演習場。面積108万平方メートル。在日米軍の地位協定に基づく日米共同施設区域である。参考：月刊軍事研究4,’10

＜遠軽駐屯地＞：陸上自衛隊の駐屯地で、えんがると読む。駐屯地史料館には日本軍や自衛隊国際貢献活動の史料が展示されている。所在地は北海道紋別郡遠軽町向遠軽272。JR遠軽駅から徒歩30分、タクシー５分。大元は1935年（昭和10年）6月に竣工した同種馬所で、戦後に北見種馬所を経て1949年6月に北海道農業試験場遠軽試験所となり、警察予備隊発足を受けた誘致運動の結果、1951年1月に誘致が決まり、3月に創設され第４連隊第３大隊が駐屯した。1952年6月、駐屯部隊が第６普通科連隊第２大隊に改称された。1953年9月、遠軽駐屯地業務隊が新編された。1955年9月、第376会計隊と第356警務分遣隊が新編された。1962年1月、第２師団第25普通科連隊が新編された。1968年1月、駐屯地史料館が開館した。2008年4月、第２後方支援連隊第２整備大隊第２普通科直接支援中隊が新編された。第106地区警務隊が第119地区警務隊に、地域援護センターが旭川地方協力本部道北地域援護センターに改編された。2009年7月7日、平成21年度花壇コンクールを実施。最優秀花壇に第２中隊、優秀花壇に遠軽駐屯地業務隊と重迫中隊が選ばれた。10月29日、駐屯地警備・消防総合訓練を実施。2015年10月8日、絶滅危惧種（絶滅危惧�TＢ類）の蝶であるアサマシジミの生息環境保全に関する協定を遠軽町と締結した。2022年4月14日、令和4年度防衛・駐屯地モニター委嘱状伝達式を実施。参考：遠軽駐屯地ホームページ、MAMOR vol.89、vol.91、JGround Vol.23、朝雲

　＜遠軽駐屯地（２０１５年）＞：第２師団第25普通科連隊、第２後方支援連隊第２整備大隊第２普通科直接支援中隊、遠軽駐屯地業務隊、第301基地通信中隊遠軽派遣隊、第376会計隊、第119地区警務隊遠軽派遣隊、旭川地方協力本部道北地域援護センターが駐屯している。参考：MAMOR vol.89、陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

＜遠軽駐屯地業務隊＞：陸上自衛隊の駐屯地業務隊。1953年9月に遠軽駐屯地で新編された。2010年4月、北部方面総監から第３級賞状を授与された。参考：遠軽駐屯地ホームページ

＜遠軽駐屯地業務隊（２０１５年）＞：遠軽駐屯地に置かれている。総務科、管理科、厚生科、補給科、衛生科からなる。参考：遠軽駐屯地ホームページ

＜煙缶＞：陸上自衛隊用語で、灰皿のこと。大きめの円筒形の空き缶（直径20cmくらい）を赤く塗り、針金で取っ手を付けた手作りのものである。傍には缶飲料の空き缶や空きペットボトルに水を入れたものが置かれており、煙草はこれで消火してから煙缶に入れる。参考：スピアヘッドNo.12

＜円缶＞：主缶（煙管缶）の１つで、缶が円形断面（円筒形）をしているもの。参考：月刊世界の艦船10,’11

＜煙管缶＞：主缶の１つで、高温の燃焼ガスが通る煙管を密閉された水缶の内部に置いて水を沸騰させる方式のもの。発生した蒸気は缶の上部に溜まる。参考：月刊世界の艦船10,’11

＜沿岸監視隊＞：コースト・ウォッチャーを参照。

＜沿岸監視隊（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊の部隊。1950年代半ばに対ソ監視網として北部方面隊隷下に第301沿岸監視隊（稚内・礼文島）及び第302沿岸監視隊（標津）が創設された。主任務は、光学機材、防空レーダー、無線傍受などにより、岸から300kmまで、上空10kmまでの艦船及び航空機の動きを監視することである。2016年3月28日、与那国沿岸監視隊が新編された。参考：月刊軍事研究7,’97、朝雲

＜沿岸監視レーダーシステム＞：AN/APS-149を参照。

＜沿岸警備隊（アメリカ）＞：U.S. Coast Guard（USCG）。元は1789年に設立された税関監視船隊（リベニュー・マリーン）で、この時予算獲得と国民感情配慮のため40フィート・カッターという名称で船舶を取得、以降現在までこの命名法を継続している。1798年、大統領の命があれば海軍と協同して行動することとなり、メキシコ戦争や南北戦争などで活躍した。1915年に救難隊と合併して沿岸警備隊と改称され、第１次大戦に参加。第２次大戦では1939年9月8日の国家非常事態宣言発令を機に軍事任務が開始され、大西洋方面の沿岸警備隊が海軍の下に置かれた。1941年8月16日、ハワイ水域の沿岸警備隊も海軍管轄下となり、11月1日には全警備隊が海軍管轄下となった。1942年3月にはアメリカ商船と海員の保護を沿岸警備隊が担当することとなり、自前の沿岸警備艇（127mm砲や爆雷投射機を備える）の他、海軍護衛駆逐艦とパトロール・フリゲートを使用して警備任務に就いた。1946年1月1日、海軍管轄下を離れて財務省に復帰した。主任務は海上国境警備及び沿岸海上交通の安全保障。連邦法違反が存在する場合、国際法の範囲内で、公海上の外国船舶にも法の執行を行う。平時の監督機関は運輸省で、予算も運輸省から出る（よって軍事費に含まれない）が、法制上はアメリカ軍の一部を形成する準海軍組織でもあり、リムパックなどの軍事演習にも参加する他、ポスト・イラク戦争ではアラビア海の警備にもあたっている。艦艇には有事に備えてハープーン艦対艦ミサイルの搭載スペースまで確保してある。参考：第２次大戦のアメリカ軍艦、月刊軍事研究5,’07、7,’08、ミリタリー・バランス1989-1990

　＜沿岸警備隊（アメリカ、１９８９年）＞：人員は現役38100名、予備役18350名。ハミルトン級カッター12隻、ベア級カッター11隻、リライアンス級カッター16隻、中耐洋型沿岸警備船10隻、ファラロン級内海哨戒艇30隻、ケープヒッゴン級内海哨戒艇13隻、シーホーク級SES型内海哨戒艇３隻、ポイントホープ級内海哨戒艇53隻、砕氷船３隻、砕氷曳船９隻、練習船１隻、E-2C早期警戒機２機、HU-25A哨戒機41機、HC-130H輸送機29機、VC-4A輸送機１機、VC-11A輸送機１機、HH-65Aヘリ58機、HH-3Fヘリ36機、CH-3Eヘリ２機、HH-52Aヘリ29機を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜沿岸警備隊（アメリカ、２０１５年）＞：人員48300名。アレックス・ハーレー級カッター１隻、フェイマス級カッター13隻、ハミルトン級カッター６隻、レジェンド級カッター５隻、リライアンス級カッター14隻、センチネル級カッター14隻、アイランド級カッター37隻、マリーン・プロテクター級内海哨戒艇37隻、コスモス級支援船１隻、パンリコ級支援船４隻、アンヴィル級支援船８隻、ジュニパー級支援船16隻、WLI支援船４隻、キーパー級支援船14隻、WLR支援船18隻、ベイ級砕氷船９隻、マッキノー級砕氷船１隻、ハーリー級砕氷船１隻、ポーラー級砕氷船２隻（うち保管中１隻）、イーグル級練習帆船１隻、レスポンス級雑役船174隻、多用途ボート13隻、港内哨戒船117隻、中型航洋曳船11隻、HC-130H捜索救難機11機、HC-130J捜索救難機９機、C-27J輸送機４機、CN-235-200輸送機18機、ガルフストリーム�X汎用機２機、MH-60T捜索救難ヘリ52機、MH-65C/D（AS366G1）捜索救難ヘリ102機を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜沿岸警備隊（中国）＞：中国では海岸警衛隊と呼ぶ。実態としては中国が非対称戦争に使用する戦力である。国家海洋局海監総隊、交通部海事局、公安部辺防管理局公安辺防海警総隊、農業部漁業局漁政総隊、海関総署緝私局（税関の密輸取り締まり局）の５つがあり、沿岸警備を担当するのは本来は海警総隊の役目だが、大型船が少なく航空機も装備していないので、実際には海監総隊の監視船と漁政総隊の漁業取締船が主に海上の法執行を実施していた。2009年頃に１つに統合する案が出されたが、縄張り争いが激しく立ち消えになっている。2010年から台湾の沿岸警備隊（台湾海岸巡防署）と隔年で合同洋上救難訓練を行っていた。2013年3月、海事局以外の組織を国家海洋局ベースの中国海警局に統一することを決定。7月22日、海警局が発足した。国土資源部が管理する国家海洋局の主権・権益維持及び法執行を実施する機関で、公安部の業務指導を受ける行政組織である。所属船には中国海警CHINA COAST GUARDと書いてある。2014年8月7日、金門島と厦門島の間の海域で、台湾海岸巡防署と合同洋上救難訓練を実施。2018年、アメリカ国防総省が世界最大のコースト・ガードになったと報告した。2018年7月、人民武装警察に編入され、海警総隊に改称された。これにより、中央軍事委員会が一元指揮する軍事組織（憲法、国防法、部警法で軍事力と規定している）に改編された。保有船舶は政府公船（法執行船）と軍艦を兼ねるので、海上保安庁は呼称を「中国公船」から「中国海警局に所属する船舶」に変更している。2020年7月1-5日、西沙諸島周辺で中国海軍との協同訓練を実施。2021年1月22日、全人代常務委員会が海警法を可決し、2月1日に成立、中国の管轄海域（どこまで管轄海域なのかは不明）とその上空で、外国船からの脅威阻止のため、警告無しに武器使用を含むあらゆる措置が執れるようになった。11月、ミサイルを撤去して海警船艇に改造した056型コルベット（76mm砲と30mm機関砲装備）の引き渡しが始まった。参考：月刊世界の艦船11,’13、9,’11、9,’12、10,’13、11,’14、2,’19、9,’20、4,’21、6,’21、1,’22、4,’22

　＜沿岸警備隊（中国、２０１５年）＞：哨戒艇326隻強、ユカン級戦車揚陸艦３隻、ユティン�U級戦車揚陸艦４隻、兵站支援船16隻を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜沿岸戦場偵察分析システム＞：AN/DVS-1を参照。

＜沿岸砲兵軍団（アメリカ陸軍）＞：アメリカ陸軍の沿岸砲兵部隊。アメリカ本土が担当で、1794年に編成された。ちなみに遠隔地は現地の防衛担当部隊が担う。第２次大戦時には対空砲を装備して沿岸防空部隊となっており、航空機やミサイルの発達に伴い1950年1月1日に廃止された。参考：月刊コンバットマガジン7,’06

＜沿岸砲兵章＞：ドイツ海軍の勲章Kriegsabzeichen fur Marineartillerie。1941年6月24日にレーダー提督が制定した。沿岸砲を柏の葉で囲み、上部に鈎十字を掴んだ鷲を配したデザインで、陸上勤務において特に功績のあった将兵に授与される。参考：グラフィックアクション44

＜沿岸要塞＞：敵の上陸に備えて建設する要塞のこと。参考：工兵入門

＜延期信管＞：信管を参照。

＜遠距離戦闘機＞：日本陸軍の戦闘機分類の１つ。行動半径1000km以上で、対戦闘機任務を実施する。参考：世界の傑作機No.24

＜遠距離早期警戒網＞：DEWラインを参照。

＜遠距離探知センサシステム＞：防衛省技術研究本部が開発した赤外線／アクティブレーダー／バイスタティックレーダーシステム、略称LRDSS（Long Range Detection Sensor System）。電波・光波複合センサシステムの研究と称して2010-17年度計画で試作した。エアボスと同等またはそれ以上の能力を持つ赤外線センサー（近赤外線センサーを追加するかもしれない）と、ＳバンドAESAレーダーを組み合わせ、航空機に搭載する。レーダー波の周波数帯はＸバンドよりもステルス機を探知しやすいＳバンドを選択しており、他のレーダーからの反射電波を処理する能力も持つ。これによりステルス機、巡航ミサイル、弾道ミサイルを超遠距離で探知するのが主目的であり、概ねセンサ搭載機よりは低いところを飛んでくるため、レーダーアンテナは機体下に搭載する。UP-3Cの機体上部に光波センサー、機体下部にレーダーを搭載した実験機は2016年10月に初飛行し、2018年度までテストを行った。参考：月刊軍事研究2,’11、MAMOR vol.98、月刊JWings2,’19

＜遠距離用テレメータ中継ポッド＞：航空自衛隊のテレメータ中継ポッド。XASM-3などのテスト用ミサイルから送信された試験データを中継し、飛行試験管制システムに送るのが主任務で、投下ピボットの無い増槽といった外見をしており、側面各所に白く塗られた中継アンテナ窓が多数設けられている。三菱電機製で、2016年に納入され、飛行開発実験団がF-15Jで運用する。参考：月刊JWings2,’17、月刊軍事研究5,’16

＜遠距離レーザー装置＞：アメリカ海軍の空母用艦位置提示装置LRLLS（Long Range Laser Lineup System）と略す。艦尾に搭載されており、10海里先の着艦機に、赤・緑・黄色のアイセーフ・レーザー光で位置を示す事ができる。参考：月刊世界の艦船2,’16、月刊軍事研究4,’16

＜エングストロム＞：DE-50（護衛駆逐艦）を参照。

＜エンクローズド・バウ＞：Enclosed Bow。ハリケーン・バウ（Harricane Bow）ともいう。艦首外板を空母飛行甲板前端・側面まで延長して包み込んだ構造のこと。飛行甲板の長さを確保できる他、艦首・飛行甲板の凌波性・耐波性に優れ、船体の密閉性が保てるのでNBC防護にも便利である。初期の空母は主船体上に支柱を立てて飛行甲板を載せる方式で、艦首部に隙間があるのが標準だったため、わざわざ閉じた構造にこの名称を付けたが、現在は主船体に飛行甲板が組み込まれているため、エンクローズド・バウの方が標準となった。参考：図解日本の空母、月刊JWings2,’00、月刊世界の艦船11,’15、2,’22

＜エンゲ＞：日本海軍士官のスラングで、婚約者のこと。エンゲージの略。参考：帝国陸海軍事典

＜円形劇場＞：ミート・グラインダーを参照。

＜円形公算誤差＞：CEPを参照。

＜エンゲージ・オン・リモート＞：Engage On Remote（EOR、遠隔交戦）。他者からデータリンクにより目標情報を受け取り、それに基づいて自分でミサイルを発射するが、誘導に必要な追尾データを自分のセンサーでは獲得せず、他者からデータリンクで受け取った目標情報だけでミサイルを誘導し、命中させる能力のこと。NIFC-CAの能力の１つである。参考：月刊軍事研究5,’16、月刊世界の艦船5,’21

＜遠航＞：遠洋練習航海（海上自衛隊）を参照。

＜エンジェル＞：U-2シリーズ（偵察機）を参照。

＜エンジェル＞：高度を表すコード。エンジェル20（ツー・ゼロ）は高度20000フィート（6096m）の事である。参考：英独航空決戦

＜エンジェルエコー＞：Angel echo。レーダーから近い所にいる鳥や昆虫の群れにより生じる、レーダースクリーン上のブリップ（光点）のこと。初期のレーダーで何も無い筈の快晴の空に反射波による光点を生じたため、天使が映っているとして命名された。100km先にいるRCS１平方メートルの航空機を検出できるレーダーは、10km先にいるRCS0.0001平方メートルの鳥、1km先にいるRCS0.00000001平方メートルの昆虫も同じように検出するので、近距離域がエンジェルエコーで埋め尽くされ、データ処理用コンピュータがパンクしてしまう。解決のため、レーダーに近距離域のレーダー受信信号を減衰させるSTC機能を持たせることが多い。参考：レーダシステムの基礎理論、レーダの基礎

＜遠紫外線＞：紫外線を参照。

＜えんしゅう＞：AMS-4305（多用途支援艦）を参照。

＜演習＞：Exercise。最高レベルの訓練で、仮想敵部隊を作り、実際の作戦と同じ状況下で部隊を動かし、作戦計画の検討などに利用する。また、仮想敵国に対する威嚇の意味もある。実戦を想定した細かな準備が必要で、場合によっては実戦よりも実施が難しく、内容も実戦以上に厳しくなったりする。兵力を集中できるので、演習からそのまま戦争に入ることもある。参考：月刊丸12,’90、月刊軍事研究10,’10

　＜演習（日本海軍）＞：艦隊、鎮守府、要港部で司令長官や将校が統監し随時行う基本演習（年10回くらい）、複数の艦隊、鎮守府、要港部に跨る小演習（年１回、軍令部長統監）、ほぼ全海軍が参加する大演習（４年に１回くらい、軍令部長統監）、大元帥（天皇）が統監する特別大演習、陸海軍共同の特別演習がある。参考：月刊世界の艦船9,’13増刊、陸海軍学校と教育

　＜演習（日本陸軍）＞：師団以上の単位で行われる通常の演習の他、兵科ごとに行う特別各兵演習、特定の目的を決めて実施する特種演習、司令部の指揮訓練を行う司令部演習などがある。空腹のあまり野外演習のついでに農作物をくすねたり、軒下に吊してある干し柿を胃の中に収めたりする事態が多発したが、農家も元兵士で気持ちは十分に理解していたため、あまり問題にはならなかったようである。参考：陸海軍学校と教育、新兵サンよもやま物語

　＜演習（ロシア軍）＞：夏期訓練が6月1日から9月31日に行われるので、仕上げとして9月に大演習を行うことが多い。参考：月刊軍事研究11,’12

＜演習〇一＞：中国とキルギス共和国が2001年に上海協力機構SCOの枠組みの下で行った合同軍事演習で、中国・キルギスの国境に跨がって実施された。参加兵力は合わせて数百名で、中国軍のヘリコプターや装甲兵員輸送車、キルギス軍騎馬部隊などの写真が公表されている。参考：月刊軍事研究4,’07、10,’07

＜演習小型指向性散弾＞：自衛隊の火工品。石川製作所製。参考：月刊軍事研究10,’12

＜演習場＞：軍隊が訓練や演習を行うために使用する地域のこと。陸上のみならず海上にも設定されている。参考：月刊軍事研究3,’10

　＜演習場（自衛隊）＞：陸自スラングではヤマと呼ばれる。５年契約の使用条件を地元自治体と締結して使用する。車両などの移動について制限が設けられることもあり、アメリカ軍が使用する場合には別個に話し合いが必要である。山菜などを収穫するため、一般人の立ち入りが許可されている所もある。樹木が生長して邪魔になると伐採の必要が出てくるが、地上120cmの高さで直径10cm以上のものは財産登録されているため、伐採の前年から計画を立てて申請しなければならない。その手間を省くため、直径10cm未満のうちに擬装用の材料としてさっさと切ってしまうのが良。概して狭く、在日米陸軍砲兵が実弾射撃演習を行ったら、経験したことの無い短い射距離で弾道も安定せず、全然目標に命中しなかった程で、30kmを越えるクラスの射場は存在せず、長射程火砲、地対空ミサイル、地対艦ミサイルなどはアメリカで訓練を行っている。また、数も少ないため訓練予定がタイトで、他部隊との日程調整に苦労しているらしい。もちろん有事の際は演習場で戦う訳では無いから、演習場に行くついでに公道を走行したり、その辺の山野を駆け巡ったりすることも重要である。沿岸域はほぼ航路や漁場として使用されており、浜辺から海に向かって撃てる所もあまり無い。海上で射撃演習を行う場合には事前通告が必要で、海上保安庁が水路通報に載せている。航空部隊用の訓練空域や射爆撃場も狭く、実弾訓練や電子戦訓練といった実戦的訓練に事欠いており、日米共同訓練／演習でカバーしている。参考：月刊軍事研究3,’10、8,’12、9,'15、8,’16、9,’16、MAMOR vol.164、朝雲

＜演習召集＞：召集（日本軍）を参照。

＜演習場整備器材�T型（油圧ショベルロングアーム）＞：自衛隊の車両。住友建機販売が受注している。参考：月刊軍事研究11,’12

＜演習場整備器材�\型（油圧ショベル〔伐採機・草刈り機アタッチ付〕）＞：自衛隊の車両。住友建機販売が受注している。参考：月刊軍事研究11,’12

＜演習対人障害システム用障害�T型＞：自衛隊の火工品。石川製作所製。参考：月刊軍事研究4,’10

＜演習対人障害システム用障害�U型＞：自衛隊の障害装置。石川製作所製。参考：月刊軍事研究12,’07

＜演習弾＞：Practice ammunition。参考：軍事力バランス78年版

＜塩城＞：546（054A型フリゲート）を参照。

＜援蒋ルート＞：日華事変で重慶に遷都し、工業地帯も占領されて経済が成り立たなくなった蒋介石政権に対して、米英が援助物資を送り込んだルートのこと。香港経由、仏印経由（ハノイ・ルート。仏印国境からの陸路で、滇越鉄道がメイン）、ビルマ経由（滇緬公路。ラングーン−マンダレー−ラシオの鉄道とラシオ−雲南省昆明の山岳地帯トラック輸送。シッタン川をバーモまで遡上して陸路を辿りビルマ・中国国境で昆明への道路に合流するルートもある）、カザフスタン経由（タシケント−ウルムチ−成都−重慶）の４つがあった。昭和13年9月、ビルマ・ルートが開通。12月、日本軍が広東を攻略して香港から広九鉄道を使うルートを抑えた。昭和15年5月、月間物資輸送量は香港経由6000トン、仏印経由15000トン、ビルマ経由10000トン、カザフスタン経由500トンだった。7月18日から10月18日、日本政府の抗議でビルマ・ルートの物資輸送が中断された。9月の北部仏印進駐でハノイ・ルートが途絶え、主要経路がビルマ経由のみとなった。ただビルマ経由の陸路は途中で略奪されまくったため、ビルマ北部ミートキーナ飛行場から中国奥地に民間航空会社で輸送する空路も開拓している。昭和16年2月、日本軍がビルマ・ルート遮断を狙ってビルマ独立運動支援の南機関を創設した。9月、ビルマ・ルートの輸送量は月間18000トンだった。太平洋戦争開戦後、日本軍はビルマ・ルートの遮断を図りビルマに侵攻、昭和17年5月にほぼ全土を制圧、ビルマ・ルートを空陸共に遮断した。カルカッタも日本軍の爆撃圏内に入ってしまったため、仕方無くインドのカラチに物資を揚陸し、ディマプールを中継点としてアッサム地方の飛行場からヒマラヤ山脈を越えて昆明に空輸するルート（通称Hamp）を開拓したが、C-47の数も性能も足りず、毎月500トンの輸送が限界だった。インドのレドから迂回して陸路でビルマ・ルートに繋げるレド・ロードも建設したが、険しい山岳地帯で時間を要し、完成した頃には日本軍がビルマから去っていた。参考：歴史群像6,’02、10,’18、月刊航空ファン11,’17、3,’18

＜エンジン＞：原動機。石炭、石油、ガスなどの化学エネルギーを熱エネルギーに転換し、そこから運動エネルギーを取り出して機械エネルギーとして利用できるようにする機械のこと。往復運動を回転運動に変換して取り出すレシプロエンジンと、最初から回転運動を行うタービンエンジン（蒸気タービンやガスタービン）がある。ロケット・モーターや電動モーターはエンジンに入らない。過大トルクの保持能力が電動モーターよりも低い。参考：図解雑学　船のしくみ、月刊JWings10,’09別冊付録、トコトンやさしい油圧の本

＜エンジンガン＞：モーターカノンを参照。

＜遠心式圧縮機＞：圧縮機を参照。

＜エンジン整備作業台＞：自衛隊の機器。川崎重工製。参考：月刊軍事研究7,’16

＜エンジン整備実習用教材用整備工具＞：自衛隊の機器。アイ・エヌ・シー・エンジニアリング製。参考：月刊軍事研究3,’18

＜エンジン洗浄装置＞：自衛隊の機器。IHIジェットサービス製。参考：月刊軍事研究12,’18

＜エンジン脱着用トレーラ＞：自衛隊の車両。ジュピターコーポレーション製。参考：月刊軍事研究3,’11

＜エンジン・テレグラフ発信器＞：艦船の主機運転連絡用機材で、航海艦橋に据え付けられている。これの針を前進、停止、後進やエンジン回転数などの目盛りに合わせると、機関操縦室の受信機にそのデータが送られるので、これに合わせて機関の運転を行う。参考：丸スペシャルNo.83

＜エンジンナセル＞：エンジンを専用の流線型容器（ナセル）に収容したもの。主翼前縁斜め上に取り付ける場合、地上からのクリアランスが大きく、ナセル取付部の主翼下面が空くためその部分に引き込み式主脚を取り付けられるが、エンジンナセルにより主翼上面の気流が干渉を受けるため空力損失が大きく、排気熱から主翼上面を守る工夫が要る。主翼前縁斜め下に取り付ける場合、エンジンナセルによる気流の干渉は無くなり、排気管の配置も工夫は要らないが、地上からのクリアランスは小さいので、低翼配置のプロペラ機でこの配置を取るのは難しい。主翼前縁前方に取り付けることもあるが、排気が主翼前縁を直撃しないよう排気管をねじ曲げる必要があり、あまり採用されない。パイロンを介して取り付ける場合はエンジンポッドと呼ばれる。参考：航空機設計法

＜エンジンビルドアップドーリ（ＣＨ−４７Ｊ用）＞：自衛隊の機器。堀口エンジニアリング製。参考：月刊軍事研究10,’14

＜エンジンブリードエア＞：ガスタービンエンジンの圧縮機から抽出した高圧空気のこと。参考：航空用語事典増補改訂版

＜エンジンポッド＞：航空機用エンジンをパイロンを介して装着したもの。主翼に取り付ける場合、主翼上面の気流が乱れないよう、通常は主翼下面に吊り下げる。揚力により生じる主翼の曲げモーメントをエンジンの重さで軽減でき、ポッド前端を主翼前縁より少し前方に配置することで、後退角付き主翼の空力弾性現象も低減可能で、多発機では主翼下面吊り下げが一般的な配置である。エンジンの位置が機体中心線から離れているので、片発停止などにより左右の推力バランスが崩れると、大きなヨーイングモーメントが発生し、修正に難渋するのが欠点。また、エンジンと地上のクリアランスが小さいので、地上滑走中に滑走路上のゴミを吸い込む、横風着陸で機体をバンクさせると滑走路にエンジンを擦る、といった短所もある。小型機だと地上クリアランスが小さいので主翼下面に取り付けられず、後部胴体側面に装着するリア・エンジン方式を採用する。主翼上面に取り付けた場合、飛行中の地上騒音が少ない、滑走路上のゴミを吸い込みにくいといった利点はあるが、主翼上面の気流が乱れる、客室内の視界が悪く騒音が酷いといった欠点があり、ドイツのVFW614旅客機くらいしか採用していなかった。ホンダでは主翼上面に取り付けても形状と胴体との位置関係を工夫すれば気流を乱すどころか遷音速域での衝撃波の発生を遅らせて造波抗力を減少させることができるという研究結果を得て、ホンダジェットで主翼上面エンジン配置OTWEM（Over-The-Wing Engine Mount）を採用している。参考：航空機設計法、月刊航空ファン7,’15

＜エンジン用特殊工具（第二段階９２式地雷原処理車用特殊工具セット）＞：自衛隊の機器。富永物産が受注している。参考：月刊軍事研究2,’12

＜エンジン用特殊工具（第二段階施設作業車用特殊工具セット）＞：自衛隊の機器。富永物産が受注している。参考：月刊軍事研究1,’11

＜エンジンランナップ＞：アラート待機部隊が毎朝実施する、模擬スクランブル発進。待機所でブリーフィングを受けた後、アラートハンガー内でアラート機のエンジンをスタートさせ、滑走路上に出て離陸滑走を開始、離陸はせず滑走路を縦断してアラートハンガーに戻り、スクランブル発進用セットアップを完了させる。参考：月刊JWings11,’07

＜遠心力発生装置（航空自衛隊）＞：航空医学実験隊第４部加速度訓練科の装備する器材。アメリカのETC社製。半径7.62mのアームの先端にゴンドラが付いており、これを最大速度107kmで回転させて最大12Gの垂直方向への加速度を発生させる。ただし訓練時の最大加速度は9Gである。ゴンドラ内の座席は後傾角をF-15戦闘機と同じ13度またはF-2戦闘機と同じ30度に変更可能。飛行準備課程学生全員が基本１型及び基本２型の加速度訓練を受け、戦闘機パイロット用には更に８種類のパターンで訓練が施される。参考：月刊軍事研究7,’14、MAMOR vol.138

＜円錐爆雷＞：日本陸軍の対戦車兵器。成型炸薬弾頭に信管を取り付けただけの簡単なものである。遅延秒時10秒で、150mm厚装甲板に射出部で10mmの孔を開けられる２キロ円錐爆雷、これを2-2.5mの木の棒に括り付けた上面装甲破壊用の２キロ木桿円錐爆雷、２キロ円錐爆雷または急造円錐有孔爆薬を木の棒に括り付け、触発信管・三式地雷信管・三式手投爆雷信管を装着した側面装甲破壊用の刺突爆雷がある。参考：月刊丸1,’07

＜エンスドルフ級＞：ドイツ海軍掃海艇352型Ensdorf級。ハーメルン級掃海艇を機雷掃討・無人掃海艇管制艇に改装したものである。トロイカ無人掃海システムを装備しており、ゼーフント級無人掃海艇４隻を制御可能。シー・フォックス機雷処分具も搭載する。全長54.4m、満載排水量635-645トン。主機はディーゼル、速力18ノット。兵装はスティンガー艦対空ミサイル４連装発射機２基、40mm単装機関砲２門（後に27mm機関砲に換装）、機雷60個。M1090ペグニッツ、M1093アウエルバッハ、M1098ジークブルグなど５隻が2000-01年に就役した。参考：月刊世界の艦船3,’07、8,’12、5,’15、9,’18

＜エンストロム２８０シリーズ＞：エンストロム社のシングルローター・ヘリ、別名シャーク。エンストロムF28シリーズの機体形状を改良し、速度性能を向上させたもので、1975年12月8日に形式証明を取得した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜エンストロム２８０ＦＸ＞：テイルブーム後部の水平安定板にエンドプレート・フィンを追加したもの。胴体長8.75m、メインローター直径9.75m、全高2.7m、自重757kg、機体重量1066kg、総重量1179kg。エンジンはライカミング製HIO-360F1ADレシプロ（225馬力）単発、経済巡航速度185km、最大速度189km、海面上昇率毎分444m、ホバリング高度限界4023m（地面効果内）／2652m（外）、航続距離424km。乗員１名。客席数２。1985年から納入された。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜エンストロム４８０シリーズ＞：エンストロム社のシングルローター・ヘリ。アメリカ陸軍新型練習ヘリ向けに開発したもので、エンストロム280FXのエンジン強化型である。1989年10月にTH-28の名称で試作機が初飛行し、1992年9月に形式証明を取得したが、TH-67に負けて採用されず、エンストロム480として民間市場向けに完成させた。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜エンストロム４８０Ｂ＞：Enstrom 480B。エンストロム280FXのキャビン幅を0.35m広げて座席数を増やし、エンジンを250-C20Wに換装した。後にトランスミッションを強化して総重量を増やし、操縦システムを改良して乗り心地を改善、2001年2月8日に形式証明を再取得している。胴体長9.2m、メインローター直径9.75m、全高3m、自重0.826トン、総重量1.361トン。エンジンはロールスロイス社製250-C20Wターボシャフト（305軸馬力）単発、経済巡航速度202km、最大速度230km、海面上昇率毎分420m、ホバリング高度限界3749m（地面効果内）／1646m（外）、航続距離657km。乗員１名。客席数3-4。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜エンストロム４８０海外シリーズ＞

＜ＴＨ−４８０Ｂ＞：TH-480Bを参照。

＜エンストロム４８０ＢＧ＞：チェコ軍練習ヘリ。2017年秋に６機の購入契約を締結した。計器板をグラスコクピット化している。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜エンストロムＦ２８シリーズ＞：エンストロム社のシングルローター・ヘリ。原型機は1960年11月12日に初飛行した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜エンストロムＦ２８Ａ＞：最初の量産型。胴体はアルミ合金及びグラスファイバー製、エンジン取り付け部は鋼管トラス構造、テイルブームはアルミ合金製セミモノコック構造。コクピットはサイド・バイ・サイドで、間にもう１席追加できる。コクピット後方がエンジン室で、レシプロエンジンを水平に搭載し、トランスミッションをベルトで駆動する。メインローターは金属製３翅の全関節式。エンジン室後方は手荷物室になっている。テイルブーム尾部左舷側に２翅テイルローターが付く。降着装置はスキッド式。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜エンストロムＦ２８Ｃ＞：エンジンをターボチャージャー付きにしたもの。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜エンストロムＦ２８Ｆ＞：最後のＦはファルコンの略。エンジンをHIO-360F1AD（出力225馬力）に換装したもの。1980年12月に形式証明を取得した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜エンストロム・ヘリコプター＞：アメリカのヘリコプター会社Enstrom Helicopter。ヘリの自主開発を行っていた鉱山技師のルドルフ・エンストロムがR.J.エンストロム社として1959年に設立した。1965年、F-28ヘリが形式認証を取得。1968年10月、洗濯洗剤メーカーのピューレックス社に買収されたが、F-28ヘリのターボシャフト化に失敗して1971年1月にリー・ベイリー弁護士に売却され、エンストロム・ヘリコプターに改称された。1979年、事業家連合に売却された。1993年、F-480ヘリが形式認証を取得。2000年、スイス企業が買収した。2013年1月、重慶直昇機産業投資有限公司が買収した。2021年12月、ペルー空軍向けエンストロム280FXヘリ２機を納入。これが最後の生産ヘリとなった。2022年1月7日、新規部品受注とオーバーホール業務を終了。1月19日、技術サポート業務を終了。1月20日、オーナーが連邦破産法第７条の適用宣言を指示し、1月21日に全事業を停止した。3月8日、アメリカのミッドテックス・アビエーションが、ほぼ全資産を買収し、エンストロム・エアロスペース・インダストリー社として再建すると発表した。既存機のパーツ製造やサポートだけでなく、ヘリの新造やeVTOL機の開発も行う予定。参考：月刊JWings6,’17、4,’22、5,’22

＜エンスラポイド作戦＞：第２次大戦中の1942年、ロンドンにあったチェコスロバキア亡命政府が行った、ドイツ親衛隊最高幹部で国家保安本部長官兼ベーメン・メーレン保護領総督代理のラインハルト・ハイドリヒSS大将暗殺作戦「類人猿」。1939年3月のドイツによる併合でチェコスロバキアはベーメン・メーレン保護領となり、1941年9月からハイドリヒが総督代理（副総督）となった。チェコスロバキア亡命政府はハイドリヒが労働者懐柔と処刑という飴と鞭を駆使した政策で反独感情を抑え込んでいる状況を危惧し、暗殺計画を立案、チェコスロバキア秘密情報機関長官が総指揮を執り、チェコスロバキア人２人がイギリス特殊作戦執行部SOEで訓練を受けて参加した。1941年12月28日、訓練を終えた２人がイギリス空軍機でチェコスロバキアに運ばれ、パラシュートで降下した。1942年5月27日朝、ハイドリヒは部下の運転する車の助手席に乗ってプラハ郊外の自宅を出発、執務室のあるプラハ城に向かった。午後からベルリンに行く予定だったため、護衛の親衛隊員は先に出発させていた。1030頃、車がヘアピンカーブにさしかかって徐行すると、ヘアピンカーブを曲がった先にある路面電車の停留所の手前に立っていた男がハイドリヒの車を確認し、新聞を反対側に抱え直した。それを合図に、路面電車の停留所で待ち構えていたチェコスロバキア人１人が車の前に飛び出し、ステン機関銃を発射しようとしたが、ジャミングを起こしてしまった。ハイドリヒは自らこの男を捕まえようとして拳銃を手に車から降りたが、停留所からもう１人が飛び出して手榴弾を投げ、ハイドリヒ背後の浅い溝で炸裂、ハイドリヒは重傷を負って6月4日に敗血症で死亡した。SS長官ハインリヒ・ヒムラーは地下活動組織への取り締まりを強化し、怪しい者は即刻射殺するよう伝え、容疑者と目された150人以上が殺害されている。6月9日にはヒトラーが見せしめの指令を出し、リディツェ村など小さな村が数個破壊されて更地にされ、住民は全員射殺されるか強制収容所に送られ、5000人以上が犠牲となった。6月18日、チェコスロバキア人２人はプラハの聖ツィリル・メトデイ正教大聖堂地下室に仲間５人と隠れているところを発見され、銃撃戦の末に手榴弾で自爆した。参考：月刊軍事研究3,’10、歴史群像4,’17

＜エンスン＞：船尾旗のこと。一般にはエンサインという発音だが、海軍では慣例でこう呼ぶ。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜遠征火力支援システム＞：アメリカ海兵隊120mm重迫撃砲システム、略称EFSS（Expeditionary Fire Support System）。120mm迫撃砲M327が１門、M1163ITV牽引車２両、M1164弾薬トレーラー１両で構成される。１個射撃中隊は６個システム（＋支援車両５両）からなり、155mm榴弾砲M777装備の射撃中隊が必要に応じてEFSSに持ち替えて出撃する。66セットを調達する予定。参考：月刊軍事研究12,’12

＜遠征機動基地＞：ESBを参照。

＜遠征攻撃群＞：ESGを参照。

＜遠征高速輸送艦＞：EPFを参照。

＜遠征前進基地作戦＞：アメリカ海兵隊の作戦、略称EABO。小規模ヘリ部隊を前進基地に展開させて実施する作戦である。参考：月刊JWings10,’21

＜遠征積替ドック＞：ESDを参照。

＜遠征打撃群＞：ESGを参照。

＜遠征打撃部隊＞：ESFを参照。

＜遠征飛行隊＞：アメリカ海空軍統合電子戦飛行隊Expeditionary Squadron。統合飛行隊Joint Squadronとも呼ばれる。アメリカ空軍EF-111A電子戦機が退役し、海軍・海兵隊EA-6B電子戦機を空軍でも使うことになったのに伴い、発足した。通常は定数４機で、必要に応じて増やされる。運用する機体には空母航空団CVWに国防総省統合プロジェクトのコードネームであるパープルを加えたCVWPという文字が入れられ、ここからパープル・スコードロンという通称が生まれている。また、陸上基地から運用されるものをコンクリート・スコードロン、艦上運用されるものをボート・スコードロンとも称する。VAQ-128が1997年10月に新編され、VAQ-133/-134/-142がこれに再編され、VAQ-137が空母航空団用遠征飛行隊として発足した。参考：月刊航空ファン7,’99

＜遠征フード＞：ドライレーションを参照。

＜遠赤外線＞：赤外線を参照。

＜延線車＞：日本陸軍の器材。日野重工業製。参考：工兵入門

＜塩素ガス＞：窒息性ガスの１つ。緑黄色の気体で、漂白剤臭がする。半数致死量は3200mg・min／立方メートル。濃度が1-3ppmを超えると気道粘膜刺激症状が出現、30ppmを超えるあたりから気管支炎や肺水腫が発生する。参考：図解雑学生物・化学兵器

＜エンタープライズ＞：A71（内水測量艇）またはCV-6（ヨークタウン級空母）またはCVN-65（エンタープライズ級空母）またはCVN-80（ジェラルド・Ｒ・フォード級）またはH88（測量艦）またはI52（Ｅ級軽巡洋艦）を参照。

＜エンタープライズ級＞：アメリカ海軍原子力空母Enterprise級、計画名SCB-160。世界初の原子力空母で、原子力砕氷船レーニン、原子力巡洋艦CGN-9ロングビーチに次ぐ世界３番目の原子力水上艦である。1946年に空母の原子力化の議論が始まり、1949年にフォレスト・シャーマン海軍作戦部長が原子力空母の研究を開始、ユナイテッド・ステイツ級空母後期量産型を原子力空母とする案に至ったが、1953年に技術力不足で水上艦用原子炉の製造計画が一旦断念されたため、没になった。1954年に再度水上艦用原子炉の研究が始まり、1955年8月にアーレイ・バーク大将が海軍作戦部長になると、原子力水上戦闘艦に加えて原子力空母の研究が再開され、1958会計年度に建造が承認されている。飛行甲板は長さ328.8m（331.6m？）、最大幅71.7m（76.8m？）で、左前方10度８分を向いた長さ219.4mのアングルド・デッキを持つ。右舷中央後部にパゴダ・マストまたはビルボードと呼ばれるアイランドがあり、４周にAN/SPS-32/-33フェイズド・アレイ・レーダーを装備、上面に円筒形の構造物（ESMなど）が載る。ただAN/SPS-32/-33の信頼性に問題があったため、アイランド上面にAN/SPS-12レーダーも搭載した。エレベーターは26m×16m、容量45トンで、右舷前方・中央・後方に計３基、左舷後方に１基。カタパルトは当初主機で発生させる水蒸気の圧力不足が懸念されたため、ジェット燃料を燃やして作動させる内燃式カタパルトを採用する予定だったが、燃焼ガスに腐食性があるという問題が解決できず、C13Mod0スチーム・カタパルト（C13Mod1？）を採用した。艦前方に２基、アングルド・デッキ前方に２基装備しており、飛行甲板最前部にはカタパルトの発艦機牽引索（ブライドル）を回収するホーンが付く。Mk7Mod3着艦拘束装置５本（クラッシュ・バリア含む）をアングルド・デッキ後方に装備する。格納庫は長さ262.2m（223m？）、幅32.6m（29m？）、高さ7.62mで、最大95機（96機？）を収容可能。自艦用燃料を積む必要が無く、航空燃料をキティホーク級空母の1.5倍の280万ガロン・10600キロリットル搭載した。弾薬庫容量は1800トンで、12日間連続無補給作戦が可能である。魚雷防御のため、舷側に重油庫を設けてあり、護衛艦艇に燃料補給を行える。全長342.3m（史上最長の軍艦である）、船体幅40.5m、飛行甲板幅76.8m、吃水11.9m、基準排水量61689トン（75700トン？）、満載排水量83350トン（85480トン？93970トン？）。主機は原子力蒸気タービン方式、A2W加圧水型原子炉８基・ギヤード蒸気タービン４基、出力280000馬力、５翅プロペラ（32.5トン）４軸推進、舵は４枚、最大速力36ノット（35ノット？33.6ノット？）、航続距離40万海里（20ノット）。建造費高騰の煽りで兵装は当初全く装備していなかった。搭載機数固定翼機68機＋ヘリコプター６機（標準）／95機（最大）。乗員3215名＋航空要員2480名＋司令部要員70名。建造費４億5130万ドル。CVN-65エンタープライズが1961年11月に就役した。他に同型艦５隻（６隻？）が建造される予定だったが、建造費高騰でキャンセルされ、1961年度計画艦CVAN-66はCV-66に、1963年度計画艦CVAN-67はCV-67として就役している。1967年、シースパロー艦対空ミサイル８連装発射機Mk25を３基（２基？）と、AN/APQ-72火器管制レーダーを搭載。後にMk29発射機２基に換装、更に20mmCIWS３基を追加した。1979-82年、近代化改装を実施。フェイズド・アレイ・レーダーとECMアンテナが撤去されて通常のレーダー・電子戦装備に改められた。またカタパルトも改修され、ブライドル・リトリーバーは必要無くなったが、撤去はされていない。核燃料は最初３年で交換したが、２回目は５年、３回目以降は10年と長持ちするように改良された。1990-91年のRCOHで飛行甲板長さを342mに広げた。2010年時点の諸元は以下の通り。全長342.3m、幅40.5m、飛行甲板最大幅76.8m、吃水11.9m、基準排水量75700トン、満載排水量89600トン。主機は原子力蒸気タービン方式、原子炉８基・蒸気タービン４基４軸280000馬力、速力33ノット。兵装はシースパロー艦対空ミサイル８連装発射機２基、RAM艦対空ミサイル21連装発射機２基、20mmCIWS２基。固定翼機56機とヘリ15機を搭載できる。乗員3350名＋航空要員2480名＋司令部要員70名。2012年時点では基準排水量が76915トン、満載排水量が91038トン、搭載機数が固定翼機52機とヘリ15機になっている。2012年12月1日に活動を終えた。参考：月刊世界の艦船4,’04増刊、10,'22、10,'23、12,’16、3,’00、1,’10、8,’11、9,’12、2,’13、月刊軍事研究5,’03、5,’05、丸スペシャルNo.83、月刊丸12,’92、週刊ワールドウェポン17、世界の傑作機No.118

＜エンタープライズ対空捜索レーダー＞：EASRを参照。

＜エンタープライズ爆発事故＞：1969年1月14日、ハワイ沖で作戦即応検閲を受けていたCVN-65エンタープライズの後部飛行甲板上で、F-4戦闘機に搭載されていたロケット弾にエンジンスターター用電源車の排気がかかっているのを安全検査チームが発見。甲板士官に爆発の恐れがあると警告したため、甲板士官は兵装担当下士官に伝達、更に安全担当者にも伝えられた。しかし対処は行われず、そのまま炙られたロケット弾が爆発。付近の艦上機も巻き込んで爆発炎上し、艦内にも火が回った。３時間後に消火したが、飛行甲板２カ所に大穴が開き、艦上機15機が破壊され、27名が死亡、344名が負傷した。ベトナムに展開する途中の事故であり、空母ローテーションに間に合わせるため鉄板で穴を塞いで済ませる案まで出されたが、真珠湾で突貫修理を行い3月1日に完工している。参考：月刊世界の艦船2,’13、世紀の失敗物語、世界の傑作機No.118

＜掩体＞：バンカーを参照。

＜掩体＞：Aircraft Shelter。強度の高い航空機格納庫で、敵の攻撃を受けても内部の航空機を守れる。側面だけを防護した無蓋掩体と、天井も取り付けた有蓋掩体がある。支援器材も格納しており、掩体内での整備支援作業が可能。大型徹甲爆弾などで一網打尽にならないよう、分散配置しておく。参考：月刊JWings10,’09別冊付録、歴史群像12,’10

＜煙台＞：538（054A型フリゲート）を参照。

＜掩体掘削機＞：陸上自衛隊の機材。施設科と特科が装備する。見た目はショベルカーだが、アームに全周旋回機構が付いており、バケットの角度を変えられるので、コーナー部分を残さずに掘れる。車体下部には姿勢制御装置もあり、左右35度までの傾斜地で作業可能。全長9.08m、全幅2.99m、全高3.07m、全備重量23.7トン。エンジン出力117kW、走行速度6.5km。バケット容量0.7立方メートル。小松製作所製。価格は2004年契約で１両3989万700円。参考：陸上自衛隊パーフェクトガイド2015、月刊軍事研究8,’04、11,’08

＜掩体壕＞：バンカーを参照。

＜えん体用レーザー受信装置�V型＞：自衛隊の機器。日立国際電気製。参考：月刊軍事研究11,’13

＜エンチャントレス＞：L56（スループ）を参照。

＜エンツィアン・シリーズ＞：ドイツのメッサーシュミット社が1943年から開発した地対空ミサイルEnzian。空対空ミサイルや地対地ミサイルへの転用も考慮されていた。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4、グラフィックアクション29

　＜エンツィアン１＞：試作型。胴体は積層材や合板による木製である。弾頭や近接信管には様々なタイプが考えられていた。ブースター・ロケット４本で射出され、ベンゼンと硝酸を使用するヴァルター液体ロケットで飛翔、誘導手がレーダーと目視を併用して爆撃機編隊目掛けて突入させる。弾頭重量300kg。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4

　＜エンツィアン２＞：試作型。参考：グラフィックアクション29

　＜エンツィアン３＞：試作型。参考：グラフィックアクション29

　＜エンツィアン４＞：生産型で、1945年2月に製作された。ベースはMe163ロケット戦闘機で、胴体にブースター４基を装備する。発射台は8.8cmFlaKの砲架を改造したものである。全長3.75m、直径0.8m、発射重量1800kg、弾頭重量300kg。巡航速度975km、上昇限度12500m。高度12500mに達した後に10000m飛翔できる。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4、グラフィックアクション29、月刊丸1,’98、4,’07

　＜エンツィアン５＞：超音速飛行を可能としたもの。計画のみ。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4

　＜エンツィアン６＞：有線誘導式の対戦車ミサイル型。計画のみ。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4

＜エンテ＞：ドイツ国防軍の地雷処理車両。Ｂ�U地雷清掃車の水陸両用型で、排気管を高い位置に移し、後部にスクリューと舵を設けた。３両が試作され、1941年に第１地雷処理大隊第１・第２中隊が装備、ライン川で実験を行い、7月のドヴィナ河渡河作戦で使用している。参考：月刊丸8,’98

＜エンディコット＞：DD-495（駆逐艦）を参照。

＜エンデバー＞：210（揚陸艦）を参照。

＜エンデバー＞：イギリス海軍エンデバー級魚雷揚収艇Endeavour。1966年進水。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜エンデバー＞：ニュージーランド海軍エンデバー級給油艦Endeavour。1988年4月就役。2005年5月、F111テ・マナと共に名古屋を親善訪問した。2006年8月4-8日、F77テ・カハと共に東京を親善訪問した。8月8日、F77テ・カハと共にDD-102はるさめと親善訓練を実施。参考：月刊世界の艦船10,’06

＜エンデバー級＞：イギリス海軍魚雷揚収艇Endeavour級。全長23.2m、幅4.4m、吃水3m、基準排水量88トン。主機はディーゼル、出力337馬力、速力10.5ノット。エンデバーが1966年に進水した。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜エンデバー級＞：ニュージーランド海軍給油艦Endeavour級。韓国海軍天地級給油艦の小型版であり、韓国で建造された。商船構造を採用して価格を低減しており、艦後部にヘリ甲板を持ち、必要ならヘリ１機を搭載できる。全長138.1m、幅18.4m、吃水7.3m、満載排水量12390トン。主機はディーゼル、出力5780馬力、１軸推進、速力13.5ノット。艦艇用ディーゼル燃料7500トン、航空機用燃料100トン、貨物コンテナ20個を搭載できる。エンデバーが1988年に就役した。参考：月刊世界の艦船10,’06、4,’09、11,’00

＜エンテベ空港救出作戦＞：ヨナタン作戦を参照。

＜エンテメダー＞：SS-340（潜水艦）を参照。

＜エンデュアランス＞：207（揚陸艦）またはA171（氷海哨戒艦）を参照。

＜エンデュアランス１６０＞：シンガポールのSTM社が2010年に構想を発表した多目的揚陸艦Endurance 160。要するにドック型輸送揚陸艦で、パワー・プロジェクション、シーレーン防護、災害救援／人道支援などを主任務とする。全通飛行甲板にUH-60級中型ヘリなら５機、大型ヘリなら２機が発着艦できるヘリ・スポットとエレベーター２基を備え、艦内の格納庫にヘリ８機を収容し、ドック・ウェルにはLCMとLCVPを２隻ずつ搭載する。サイドランプから車両甲板に車両を自走搬出入可能。医療設備も完備する。全長163.7m（153.7m？）、幅25.6m、吃水5.8m、排水量14500トン。速力20ノット。IMDEX ASIA 2023でも模型が展示された。参考：月刊世界の艦船5,’16、9,’19、8,’23

＜エンデュアランス級＞：LST-1級戦車揚陸艦（シンガポール海軍）を参照。

＜エンデュアランス級＞：イギリス海軍氷海哨戒艦Endurance級。元はデンマークの貨物船アニタ・ダンで、1967年に購入して改造した。南氷洋での自国領警備、基地支援、海洋観測が主任務である。艦橋直前に作業艇搭載設備、上部構造物後部にヘリ２機分の格納庫、後甲板にヘリ甲板を持つ。全長91.5m、幅14m、吃水5.5m、総トン数2641トン、排水量3600トン。主機はディーゼル、出力3220馬力、速力14.5ノット。兵装は20mm機関砲２門。A171エンデュアランスが就役した。参考：月刊世界の艦船5,’83、月刊丸10,’93

＜エンデュアランス級＞：シンガポール海軍ドック型揚陸艦Endurance級。カウンティ級戦車揚陸艦の後継として自国で建造したものである。艦首にバイザー付きランプ、艦首水線下にバウ・スラスター２基、艦尾にドック・ウェルと通じるゲートを持ち、艦後部に２スポット（CH-47級対応）のヘリ甲板があり、ヘリ着艦補助用にASISTを装備する。艦内に全通車両甲板、艦内後部にドック・ウェルがあり、速力を控えめにして機関区画を縮小し、搭載区画に回した。電子装備はIAI／エルタ社製EL/M-2238。全長462.5フィート・141m、全幅21m、吃水5m、基準排水量6000トン、満載排水量8500-8636トン。主機はディーゼル２基、可変ピッチプロペラ２軸推進、最大速力15ノット、航続距離12000海里。兵装はオットー・ブレダ製76mm速射砲１門、ミストラル艦対空ミサイル連装発射機シンバッド２基、25mm機関砲２門、12.7mm機銃６丁。兵員350名、戦車18両、装甲車両20両、物資1080トンを搭載でき、ヘリ格納庫にAS332Mシュペルピューマ２機を収容する。ドック・ウェルにLCU４隻、両舷にLCVP２隻ずつ、デビッド・トップサイド下に硬式浮嚢艇２隻を搭載し、プロテクターUSVの運用が可能。2000-01年に１番艦207エンデュアランス、２番艦L208レゾリューション、３番艦209パーシステンス、４番艦210エンデバーが就役した。参考：月刊軍事研究9,’09、6,’05、月刊世界の艦船12,'23、12,’12、5,’16、12,’20、THE MILITARY BALANCE 2016

＜エンデュアランス級・海外シリーズ＞

　＜エンデュアランス級（タイ海軍）＞：アントン級を参照。

＜エンデュアリング・フリーダム作戦＞：不朽の自由作戦を参照。

＜エンデュアリング・ライトニング＞：アメリカ空軍とイスラエル空軍の合同演習。2020年3月29日にイスラエル南部で行われ、アメリカ空軍第388戦闘航空団第34戦闘飛行隊F-35A戦闘機、イスラエル空軍第122飛行隊F-35I戦闘機、G550早期警戒機が参加した。参考：月刊JWings6,’20

＜エンテ翼機＞：レシプロ機時代のカナード翼付き無尾翼機のこと。エンテは鴨の意で、カナード翼による重心移動を機体後方の後退角付き主翼で相殺している形状が飛んでいる鴨に似ているのでこの名が付いた。カナード翼（エンテ翼と呼ばれていた）が発生する揚力分だけ主翼面積を減らせるので高速が出せる、後部胴体が要らないので小型化できる、エンジンを機体後部に推進式で搭載するので機首に強力な武装を積める、といった利点がある。欠点はエンジンの冷却がしにくいこと、プロペラを地面に擦らないよう脚柱を長くする必要があることなど。ジェット機になるとカナード翼機に名称変更された。参考：月刊丸8,’11

＜円島＞：日本海軍戸島型敷設特務艇。大正6年3月1日進水。昭和19年9月13日、セブ島の北で艦上機の攻撃を受けて小破した。昭和20年1月15日、揚子江栃寮でアメリカ機動部隊の空襲を受けて擱座した。後に浮揚され、高雄に回航されて終戦となった。現地で処分されたようである。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、小艦艇入門、写真集日本の小艦艇

＜遠藤喜一＞：海軍兵学校39期卒。大正12年、海軍大学校卒。昭和2-4年、ドイツに駐在。海軍大学校教官、長良副長を歴任し、昭和6-9年にドイツ大使館付武官を務めた。鬼怒艦長を経て昭和10-13年に侍従武官、昭和13年12月から昭和15年9月までドイツ大使館付武官となり、横須賀鎮守府参謀長を務め、太平洋戦争開戦時は総力戦研究所長だった。昭和18年3月9日から8月20日、第１遣支艦隊司令長官を務めた。昭和18年11月、第９艦隊司令長官に就任。昭和19年4月、ニューギニアのホーランジアに進出。現地でアメリカ軍の攻撃により第９艦隊司令部が玉砕し、5月3日に戦死した。享年53。死後に大将に昇進した。参考：日本海軍艦隊総覧

＜円筒形ソナー・アレイ＞：ソナー・アレイの１つで、トランスデューサーやハイドロフォンを円筒形に並べたもの。水平方向は全周で同じ精度の方位探知を行えるが、垂直方向では目標が上下に逸れるほど精度が甘くなる。参考：月刊世界の艦船12,’16

＜遠藤幸男＞：えんどうさちお。日本海軍エース。大正4年、山形県生まれ。昭和5年6月、飛行予科練習生として横須賀航空隊に入隊し、昭和8年6月に飛行練習生課程を修了、館山航空隊で艦攻パイロットとして訓練を受け、空母赤城に配置された。その後霞ヶ浦航空隊、大村航空隊に転属し、昭和12年12月に空母蒼龍に配置され、昭和13年春から中支方面に向かい、5月から南京派遣隊として陸上作戦に協力した。昭和14年12月、百里原航空隊に転属。館山航空隊、大村航空隊の教官となり、昭和17年5月から霞ヶ浦航空隊で予科練の教育担当となった。11月、少尉に昇進。昭和18年1月、第251航空隊に転属となり、月光夜戦の実験を実施。5月、ラバウルに進出。負傷して内地に送還された。11月、中尉に昇進。昭和19年3月、第302航空隊月光夜戦隊分隊長となり、厚木基地に配置された。6月、第352航空隊に転属となり、大村基地に配置された。8月20日、B-29爆撃機２機を撃墜。10月25日、B-29爆撃機１機を撃墜。西部軍司令官の賞詞と佐世保鎮守府長官の感状を授与された。11月、厚木基地に帰還。第302海軍航空隊に転属し、12月中旬以降は関東東海地区のB-29迎撃戦に出動した。昭和20年1月14日、遠州灘上空で１機を撃墜した後、被弾して火災を生じ、渥美半島上空まで引き返してパラシュートで脱出したが、大火傷を負っており1月15日に戦死した。総撃墜機数８機。死後に二階級特進で中佐となった。参考：日本海軍戦闘機隊、月刊丸8,'15別冊

＜遠藤桝秋＞：えんどうますあき。日本海軍エース。昭和16年10月、海軍乙種予科練習生を卒業し、昭和17年2月に台南航空隊に配属された。4月、ラバウルに進出。11月、本土に帰還。昭和18年5月、第251航空隊の一員としてラバウルに進出。6月7日、P-38戦闘機１機を撃墜後にP-39戦闘機の攻撃を受け、かわせないと判断して体当たりを行い、戦死した。公認総撃墜数14機。最終階級は一等飛行兵曹。参考：日本海軍戦闘機隊

＜煙突＞：Stack。マストと一体化するとマックになる。アンテナやアンテナ用フラットが付いていることもある。煙路が艦内スペースを圧迫し熱による悪影響を及ぼし、排煙が艦橋に被ると視界を妨げ、艦上に被さると航空機の運用に困難を来すので、十分な考慮を払って配置を決める。パッシブ赤外線誘導式対艦ミサイル対策として放出赤外線抑制が必要であり、煙突側面に吸気口を設けて空冷したり、NBC洗浄を兼ねて散水ノズルを取り付けたりする。ガスタービンでは排気が高温になるので、冷却装置／赤外線低減装置が必要となり、排気が上構やマストなどを直撃しないよう工夫が要る。騒音振動防止のため、吸音ダクトを取り付ける、ディーゼルでは消音器をかませるなどの対策が必要になる。船尾や舷側に排気管を設置する場合には煙突は付いていない。参考：月刊世界の艦船2,’15、8,’11増刊、5,’17

＜煙突＞：日本海軍用語で、煙草のこと。参考：海軍よもやま物語

＜エンド・トレイ＞：スカッドＡ弾道ミサイルの発射後追跡を行う車載気象観測用レーダー。参考：ザ・マーチ17号

＜沿ドニエストル・モルドヴァ共和国＞：モルドヴァ共和国のドニエストル川東岸からウクライナ国境にかけての地域が勝手に独立したもので、国際的には承認されていないが、独自の大統領を冠して政府や軍隊組織（モルドヴァ共和国軍に無い戦車もある）も持っている。モルドヴァはモルダヴィア・ソビエト社会主義共和国としてソ連に編入されていたが、冷戦終結が近づくとモルドヴァ独立を目指すモルドヴァ人と、人口の13%を占めるロシア人・13.8%を占めるウクライナ人との間で対立が生じ、1990年にドニエストル川東岸が沿ドニエストル・ソビエト社会主義共和国として勝手に独立を宣言、1991年8月にモルドヴァ共和国がソ連からの離脱を宣言すると沿ドニエストル・モルドヴァ共和国に改称し、12月に独自の選挙を行って大統領を決めた。モルドヴァ共和国との間で軍事衝突にまで発展したが、ドニエストル川東岸に駐屯していたロシア第14親衛軍を味方に付け、ロシア政府の協力も取り付けて1992年7月21日に停戦している。ただ合意事項である独立状態の解消やロシア軍の撤退は守られていない。2003年、ロシアのドミトリー・コザク大統領府第１副長官がコザク・メモランダムと呼ばれる解決案を提示。沿ドニエストルに自治権を与える非対称的連邦制を採用し、2000名規模のロシア軍の駐留を認めるというもので、モルドヴァ共和国側も同意しかけたが、アメリカに潰された。2005年、モルドヴァ共和国にも電力を供給しているモルドヴァ地区発電所の株式の51%をロシア国営電力企業インテルRAOが取得して傘下に収めた。ウクライナが和平案を提示したが、沿ドニエストル側が拒否。またウクライナは自国国境経由での沿ドニエストル・モルドヴァ共和国からの輸出を禁止する措置に出たため、企業本社の登記先をモルドヴァ共和国首都に変更することで対抗した。2006年、モルドヴァ共和国がロシア側に接近する動きを見せたため、住民投票で独立とロシアへの編入を決議した。2011年、大統領選挙を実施。2013年末からのウクライナ紛争を受け、国際的な承認とロシアへの編入を求める動きが出ている。2015年10月25日、独立25周年記念行事を実施。参考：月刊軍事研究7,’14、1,’16

＜エントレンチング・ツール＞：個人用掩体を掘るための携帯シャベルのこと。参考：コンバット・バイブル

＜エントレンチング・ツール（アメリカ陸軍）＞：第１次大戦時にはM1910、第２次大戦半ばから後継のM1943を配備した。ベトナム戦争末期からは携帯に便利な３つ折り型を使用している。参考：コンバット・バイブル

＜援農班＞：北海道や東北の自衛隊部隊が民生協力のため編成していた組織で、農村に派遣されて田植えの手伝いなどを行う。参考：朝雲

＜エンパイア級＞：ウェーブ級（特設給油艦）を参照。

＜エンパイア級戦時標準船＞：イギリスの戦時標準船。イギリス戦略輸送用として大型貨物船、小型貨物船、重量物運搬貨物船、油槽船、鉱石運搬船などのファミリーが製作され、各型計506隻344万総トンが建造された。また、民需物資輸送用として各海運会社が本船をベースとした貨物船を536隻387万総トン作っている。損失は戦略輸送用が85隻60万総トン、民需用が100隻90万総トンだった。終戦により戦略輸送用の船も民間海運会社に売却（主にイギリス国内）され、1960年代に入るとスクラップ業者に回されている。参考：戦時標準船入門

　＜エンパイア級戦時標準大型貨物船＞：オーシャン級標準設計船がベースである。前期型（Ｄ型）は船橋が前後に分離しており、オーシャン級に多少簡易設計を取り入れた程度だったが、戦況の悪化を受け一部に電気溶接を採用し、船尾をトランサム・スターンにするなどの改良を加え、後期型（Ｙ型）では船橋を中央に纏め、ブロック建造方式を一部に取り入れて工程の半分を電気溶接にした。全長133-134m、全幅16.9-17.4m、総トン数7100-7280トン、重量トン数10180トン、載貨重量10500トン。主機は三衝程レシプロ蒸気機関１基、出力2500馬力、１軸推進、航海速力10ノット、最大速力11.5ノット。イギリスで295隻（290隻？）が建造された。参考：戦時標準船入門、輸送船入門

　＜エンパイア級戦時標準高速貨物船＞：大型貨物船が低速だったので、主機を倍に増やして高速化したもの。主機は三衝程レシプロ蒸気機関２基２軸5000馬力、航海速力14ノット、最大速力16ノット。地中海マルタ島方面への輸送などに使用された。参考：戦時標準船入門

　＜エンパイア級戦時標準小型貨物船＞：イギリス本土−ジブラルタル−マルタ島の輸送を専任するもの。総トン数2900トン。参考：戦時標準船入門

　＜エンパイア級戦時標準重量物運搬専用船＞：ソ連への戦車・工場プラント設備輸送用。大型貨物船をベースに前部甲板や船倉を強化し、50トン・デリックを装備する。1942年11月から５隻が竣工し、第19次以降のPQ船団に投入された。参考：戦時標準船入門

　＜エンパイア級穀物運搬船＞：イギリス連邦国から小麦を運ぶ輸送船。オーシャン級標準設計船がベースで、戦況の推移に伴い順次簡素化を進めた程度であり、戦時標準と言うほどの量産化設計にはなっていない。６隻が建造され、全てエンパイア・マックアルパイン級MACシップに改造された。参考：戦時標準船入門

　＜エンパイア級油槽船＞：タンカー型。オーシャン級標準設計船をベースとしており、戦況の推移に伴い順次簡素化を進めた程度で、戦時標準と言うほどの量産化設計にはなっていない。参考：戦時標準船入門

＜エンパイア級・海外シリーズ＞

　＜フォート級＞：カナダ建造型、別名エンパイア級Ｂ型。エンパイア級戦時標準大型貨物船前期型とほぼ同型である。全長132.3m、幅17.1m、総トン数7140トン、重量トン数10230トン。主機はレシプロ蒸気機関、出力2050馬力、航海速力11ノット。60隻が竣工した。参考：輸送船入門、戦時標準船入門

＜エンパイア・ステート＞：T-AOT-5193（油槽船）を参照。

＜エンパイア・マックアルパイン＞：イギリス海軍エンパイア・マックアルパイン級MACシップ。1942年7月竣工。参考：護衛空母入門

＜エンパイア・マックアルパイン級＞：イギリス海軍MACシップ。エンパイア級穀物専用運搬船をMACシップに改造したもので、起工前の６隻を割り当て、基本船体完成後にMACシップとしての設備の工事に取り掛かっている。上甲板に支柱を立てて長さ130m（124.1m？）・幅18.6mの全通飛行甲板を載せ、右舷前部に小さいアイランドを設けた。アレスティング・ワイヤは４本。後部飛行甲板と上甲板の間が格納庫で、エレベーター１基が用意されている。搭載機の関係でカタパルトは必要性が無く、装備されていない。船体内部は穀物運搬船のままで、飛行甲板上に19カ所のハッチがあり、港の設備を使って船倉に穀物を出し入れする。全長135m（130.1m？）、全幅17.1m、排水量7930トン。機関出力2500馬力、航海速力11ノット。兵装は10.2cm単装高角砲１門（船尾甲板）、40mm機関砲１門（船尾甲板）、20mm単装機関砲４門（飛行甲板両舷２門ずつ）。ソードフィッシュ艦攻４機を搭載する。エンパイア・マックアルパインなど６隻が1942年に竣工した。参考：護衛空母入門

＜エンパイア・マッケイ級＞：イギリス海軍MACシップ。起工前の大型油槽船４隻をMACシップに改設計したもので、上甲板に支柱を立てて全通飛行甲板（長さ138m・幅18.6m）を載せ、右舷前部に小さいアイランドを設置している。格納庫は無く、飛行甲板後半３分の１の両舷に起倒式の遮風板があり、整備スペースに充てることが可能。カタパルトは不必要なので搭載しなかった。全長143.8m、全幅18.3m、排水量11246トン。機関出力3300馬力、航海速力11ノット。兵装は10.2cm単装高角砲１門（船尾甲板）、40mm機関砲１門（船尾甲板）、20mm単装機関砲８門（飛行甲板両舷スポンソン４基ずつ）。ソードフィッシュ艦攻４機を搭載する。４隻が建造された。参考：護衛空母入門

＜円板荷重＞：Disc Loading。回転翼機の総重量を円板面積で割ったもの。固定翼機の翼面荷重に相当し、速度性能（円板荷重が小さいと速い）、ホバリング性能、オートローテーション、ローター強度設計などに影響を及ぼす。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊JWings10,’19

＜エンハンスドＬＧＴＲ＞：BDU-58/B（レーザー誘導訓練弾）またはBDU-59/Bシリーズ（レーザー誘導訓練弾）またはBDU-60/Bシリーズ（レーザー誘導訓練弾）を参照。

＜エンハンスド・エア・ポリシング＞：EAP（アラート任務）を参照。

＜エンハンスド・ハンター＞：IAI社の無人機。RQ-5Aハンターを大型化したもので、主翼幅を16.6mにして滞空時間を25時間に延長し、ペイロードも300kgに強化、GPSによる自律航法を可能とした。参考：月刊軍事研究3,’05

＜エンハンスド・ペイブウェイ誘導爆弾シリーズ＞：アメリカ軍の誘導爆弾Enhanced Paveway。レイセオン社が開発した。ペイブウェイにGPS/IMUを追加し、レーザーの反射波を捉えられなくなってもGPS/IMUにより精密着弾できるようにしたもので、コンピュータ制御グループ部分にGPS受信用の丸アンテナが装着されている。参考：月刊軍事研究12,’04、8,’18、月刊JWings4,’10

＜エンハンスド・ペイブウェイ�U＞：ペイブウェイ�Uベースのもので、EP2と略す。通常爆弾の頭部にGPSアンテナ装備のMAU-169K/B（MAU-119K/B？）コンピュータ制御グループを取り付け、後部にエアフォイル・グループ（展開翼）を装備する。エアフォイル・グループに機体へのインターフェースが装着されているので、コンピュータ制御グループとエアフォイル・グループとの間に配線用ハーネス（弾体右側面のフェアリングでカバーされている）が取り付けられているのが特徴。機体軸線から90度外れた目標にも投下でき、突入角度は30-90度の範囲で選択できる。2006年のテストでは39発が投下され、CEP2m以下という成績を記録した。GBU-48/Bシリーズ、GBU-49/Bシリーズ、GBU-50/Bシリーズ、GBU-51/B、GBU-52/Bがある。参考：月刊軍事研究8,’18、5,’08、月刊JWings12,’12、6,’17

＜エンハンスド・ペイブウェイ�V＞：ペイブウェイ�Vベースのもので、EP3と略す。通常爆弾の頭部にGPSアンテナ付きのWGU-39A/BまたはWGU-43G/B誘導制御ユニットを取り付け、後部にエアフォイル・グループ（展開翼）を装着する。エアフォイル・グループに機体へのインターフェースが装着されているため、コンピュータ制御グループとエアフォイル・グループとの間に配線用ハーネス（弾体右側面のフェアリングでカバーされている）が取り付けられているのが特徴。GPS/IMUのみ、レーザー誘導のみ、相互の切り替えなど様々な誘導パターンが可能で、CEPは好天なら3m台、悪天候でも13-15mといわれる。GBU-24E/B、GBU-24G/B、GBU-24(V)9/B、GBU-24(V)10/B、GBU-27A/B、GBU-27B/B、GBU-28B/B、GBU-28C/Bがある。コソボ紛争で初使用された。参考：月刊軍事研究8,’18、5,’08、2,’09、12,’04、月刊JWings12,’12

＜エンハンスド・ペイブウェイ�W＞：ペイブウェイ�Wベースのもの。参考：月刊軍事研究5,’08

＜円板面積＞：Disc Area。回転翼が回転する際、ブレード先端が描く軌跡に囲まれる面積のこと。飛行中はブレードが上にしなるので、その分を勘案しないと正確な面積は算出できないが、実際にはローター半径の２乗に円周率を掛けた単純な数値が用いられている。参考：航空用語事典増補改訂版

＜円匙＞：えんぴと読む。シャベルのこと。参考：MAMOR vol.164

＜エンフィールド回転式拳銃シリーズ＞：イギリス軍の回転式拳銃。参考：月刊PANZER8,’02

＜エンフィールドＭｋ．�T回転式拳銃＞：1880年に制式化された。口径12.1mm（0.471インチ）、装弾数６発。全長300mm、銃身長150mm、重量1.1kg。作動はシングル及びダブルアクション。全弾発射後、フレーム左のロックを外して銃身と弾倉上部を下に折ると、弾倉が前進してエキストラクターが打殻薬莢を６発いっぺんに排出する。装填は、銃を元に戻して装填口から１発ずつ行う（排莢後にそのまま装填するとエキストラクターと薬莢がかみ合わず、排莢できなくなる）。参考：月刊PANZER8,’02

＜エンフィールドＭｋ．�U回転式拳銃＞：Mk.�Tの改良型で、1882年に採用された。装填口を開くと撃鉄をロックする安全機構を追加している。参考：月刊PANZER8,’02

＜エンフィールドＮｏ．２回転式拳銃シリーズ＞：イギリス軍の回転式拳銃。ウェブリー＆スコット回転式拳銃の改良型で、国営エンフィールド造兵工廠が生産した。参考：月刊PANZER8,’02

＜エンフィールドＮｏ．２Ｍｋ．�T回転式拳銃＞：口径を0.38インチ（9.65mm）とし、シリンダーを強化して新型無煙火薬を使用可能としたもの。中折れのロック機構はフレーム両側をロックする方式に変更した。全長260mm、銃身長130mm、重量0.8kg。装弾数６発。作動はシングル及びダブルアクション。1936年から生産され、1957年に退役した。参考：月刊PANZER8,’02

＜エンフィールドＮｏ．２Ｍｋ．�U回転式拳銃＞：Mk.�Tをダブルアクション専用としたもので、車両乗員用。トリガー・プルが重く、射撃精度が悪い。1936年に制式化され、1957年に退役した。参考：月刊PANZER8,’02

＜エンフィールドＰ５３＞：イギリス軍前装式ライフル銃、通称エンフィールド銃。1853年に採用された。ミニェー弾及びブリチェット弾（発射ガスで弾丸スカート部を広げてライフリングに食い込ませる）を使用する。参考：月刊軍事研究11,’02

＜エンフィールド型ライフリング＞：ライフリングの一種で、山と谷がくっきりと刻まれたタイプ。参考：GUN用語事典

＜エンフィールド工廠＞：イギリスのミドルセックス州エンフィールド・ロックにある工廠。元は1804年に同地に設立されたロイヤル・スモールアームズ製造所である。最初は民間メーカーからパーツを買って組み立てていたが、次第に生産力が需要に追いつかなくなったため、アメリカから大量生産方式を取り入れてモデル1853ライフルを製造。その後も現在に至るまで、各種小火器を製造している。参考：GUN用語事典

＜エンフィールド銃＞：エンフィールドP53（小銃）を参照。

＜エンブラー＞：AUAS社が開発中のUAV。コアンダ効果を利用したVTOL型UAVで、空飛ぶ円盤のような外見をしている。電動と内燃機関（JP8燃料使用）使用の２種類がある。UGVに搭載してUGVから遠隔操作し、IEDを処理するというコンセプトも検討中。参考：月刊軍事研究12,’09

＜エンブラエル１７０シリーズ＞：エンブラエル社のリージョナル・ジェット。ERJ-145シリーズが成功したので一回り大きくしてBAe146やフォッカー70の後継を狙ったもので、1996年6月にERJ-170の名称で正式に開発を始め、2001年10月の原型初号機完成でエンブラエル170に改称した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜エンブラエル１７０＞：2002年2月19日に初飛行した。胴体断面はダブル・バブル型（ダルマを逆さにした感じ）で、上を客室、下を貨物室にしており、客室中央の内寸幅は2.74m、天井高は2mと広い。計器板は液晶モニター５基（正副操縦士前面にPFDとMFDが１基ずつ計４基、中央にEICAS１基）でグラス・コクピット化され、操縦系統はフライ・バイ・ワイヤである。全長29.9m、全幅26m、全高9.85m、最大離陸重量35.99トン。エンジンはGE製CF34-8E（推力6.44トン）双発、巡航速度マッハ0.82、燃料搭載量9.335トン、航続距離3330km。乗員２名。客席数66-78。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜エンブラエル１７５＞：胴体延長型で、エンブラエル170と95%の共通性を持つ。全長31.68m。エンジンはGE製CF34-8E（推力6.44トン）双発、航続距離3150km。客席数76-88。2003年6月14日に初飛行した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜エンブラエル１９０＞：更に胴体を延長して100席前後としたもので、エンジンはCF34-10Eに換装した。エンブラエル170と88%の共通性を残している。全長36.24m。エンジンはCF34-10E双発、航続距離3330km。客席数96-114。2004年3月12日に初飛行した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜エンブラエル１９５＞：エンブラエル190の胴体延長型で、95%の共通性を持つ。全長38.65m。エンジンはCF34-10E双発、航続距離2780km。客席数100-124。2004年12月7日に初飛行した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜エンブラエル１７５＞：エンブラエル170シリーズ（リージョナル・ジェット）を参照。

＜エンブラエル１７５−Ｅ２シリーズ＞：エンブラエル社のリージョナル・ジェット。エンブラエル170シリーズの次世代型で、エンジンを換装し、主翼と操縦系統を改良して燃費を向上させた。2013年のパリ航空ショーでスカイウエスト航空からエンブラエル175-E2を100機受注し、開発が正式決定した。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜エンブラエル１７５−Ｅ２＞：最初に受注したのはこのタイプだが、2019年にアメリカで予定されているスコープ条項交渉の結果次第で計画変更の可能性があることから、運航開始を１年遅らせて2021年の予定としている。全長32.3m、全幅31m、全高9.98m、最大離陸重量44.8トン。エンジンはプラット＆ホイットニー社製PW1700Gギヤード・ターボファン双発、最大運用速度マッハ0.82、航続距離3815km。最大ペイロード10.6トン。乗員２名。客席数80-88。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜エンブラエル１９０−Ｅ２＞：原型初号機は2016年2月25日に完成し、5月23日に初飛行した。全長36.2m、全幅33.7m、全高10.9m、最大離陸重量56.4トン。エンジンはプラット＆ホイットニー社製PW1900Gギヤード・ターボファン双発、最大運用速度マッハ0.82、航続距離5278km。最大ペイロード13.08トン。乗員２名。客席数97-106。2018年4月4日に量産初号機が納入された。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜エンブラエル１９５−Ｅ２＞：原型初号機は2017年3月29日に初飛行した。全長41.5m、全幅35.1m、全高10.9m、最大離陸重量60.7トン。エンジンはプラット＆ホイットニー社製PW1900Gギヤード・ターボファン双発、最大運用速度マッハ0.82、航続距離4537km。最大ペイロード16.15トン。乗員２名。客席数120-132。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜エンブラエル１９０＞：エンブラエル170シリーズ（リージョナル・ジェット）を参照。

＜エンブラエル１９０−Ｅ２＞：エンブラエル175-E2シリーズ（リージョナル・ジェット）を参照。

＜エンブラエル１９５＞：エンブラエル170シリーズ（リージョナル・ジェット）を参照。

＜エンブラエル１９５−Ｅ２＞：エンブラエル175-E2シリーズ（リージョナル・ジェット）を参照。

＜エンブラエル社＞：ブラジルの航空機会社Embraer、Empresa Brasileira de Aeronautica S.A.。元は1945年に設立された国立航空機研究機関CTA（Aeronautics Technology Center）で、1969年にブラジル政府の国営企業エンブラエル社となった。1970年代に軍用機のライセンス生産を開始。1975年、ブラジルの航空機メーカーNeviaを合併。1980年代にEMB312ツカノ練習機を開発。1989年にはAMX攻撃機を開発したが、ビジネス的にはあまり成功と言えず、民間向けにアルゼンチンと共同開発したCBA123の失敗も重なって経営が困難になり、1994年に民営化された。2016年6月1日、中国との合弁企業であるハルビン・エンブラエル・エアクラフトを解消すると発表した。ボーイング社との事業統合を目指していたが、2018年12月6日にブラジル連邦裁判所が差し止めを命令し、12月11日に差し止めを撤回、12月20日に再び差し止めるなど混乱、2019年1月10日にブラジル政府の承認が下りて民間機部門と軍用機部門の合弁企業を立ち上げることが決まり、出資比率は民間機部門がボーイング80対エンブラエル20、軍用機部門がボーイング49対エンブラエル51を予定していたが、結局2020年4月26日に事業統合の中止が決まった。参考：月刊JWings1,’13、2,'21、ザ・マーチ５号、月刊航空ファン4,’17、3,’19、4,’19

＜エンプレス＞：D42（護衛空母）を参照。

＜エンプレス・オーガスタ湾海戦＞：ブーゲンビル島沖海戦を参照。

＜エンプレス・オブ・カナダ＞：イギリスのカナディアン・パシフィック・ライン所属の北太平洋航路船Empress of Canada。全長198m、幅23.7m、深さ12.9m、吃水8.79m、総トン数21517トン、重量トン数10194トン。主機は蒸気タービン２基２軸23000馬力、航海速力18ノット、最大速力20.3ノット。船客定員一等488人、二等206人、三等238人、アジア人スティアリッジ926人。1922年5月竣工。5月5日、ファルマス−スエズ運河−香港の処女航海に出発。1928年、主機を換装し、出力26000馬力、航海速力21ノット、最大速力22.5ノットになった。第２次大戦勃発で兵員輸送船として使用された。1943年3月13日、南アフリカのダーバンからイギリスに向かっていたところ、リベリア南でイタリア潜水艦レオナルド・ダ・ヴィンチの雷撃を受け沈没した。参考：月刊世界の艦船10,’19

＜エンプレス・オブ・ジャパン＞：イギリスのカナディアン・パシフィック所属の太平洋航路（バンクーバー−横浜−神戸−長崎−上海−香港）客船Empress of Japan。垂線間長138.86m、幅15.6m、深さ10.1m、吃水7.47m、総トン数5940トン。主機は三連成汽機２基２軸9400馬力、平均航海速力16.85ノット、最大速力18.91ノット。ネイバル・コンストラクション＆アーマメント社で建造され、1890年12月進水。第１次大戦では特設巡洋艦として使用された。1922年に係船状態となり、1924年に売却されて1925年に解体された。参考：月刊世界の艦船1,’15

＜エンプレス・オブ・ブリテン＞：イギリスのカナディアン・パシフィック所属の北大西洋航路客船Empress of Britain。全長231.8m、幅29.7m、深さ17.1m、吃水9.75m、総トン数42348トン。主機は蒸気タービン12基４軸66500馬力、航海速力24ノット、最大速力25.5ノット。1931年4月5日竣工。5月27日、サザンプトン・ケベック航路に就航した。第２次大戦では兵員輸送に使用された。1940年10月26日、スエズから喜望峰経由でイギリスに向かう途中、アイルランド北西でドイツ空軍第40爆撃航空団Fw200哨戒爆撃機の爆撃を受け、250kg爆弾３発が船体中央に命中して炎上。総員退避して曳船によりグラスゴーに向け曳航されたが、10月28日にU-32の雷撃を受けて沈没した。第２次大戦において航行中に撃沈された最大の商船である。参考：月刊世界の艦船3,’12、護衛空母入門

＜エンプレス・オブ・ラシア＞：イギリスのカナディアン・パシフィック所属の北太平洋航路客船Empress of Russia。全長180.44m、幅20.78m、深さ12.8m、吃水8.84m、総トン数16810トン。主機は直結式蒸気タービン４基４軸27000馬力、航海速力20ノット、最大速力21.4ノット。1913年3月22日竣工、バンクーバー・香港航路に就航した。第１次大戦でイギリス海軍に徴用され、特設巡洋艦に改造されてインド洋で任務に就いている。1915年10月に一旦解役されたが、アメリカ参戦後に再徴用されて兵員輸送に使用された。終戦後は北太平洋航路で旅客輸送に従事し、第２次大戦で再々徴用されて兵員輸送を実施。終戦で解役されてヴィッカーズ社で改装を受けていたが、1945年9月に火災を起こして全焼した。参考：月刊世界の艦船8,’11

＜エン・ブロック・クリップ＞：En Bloc Clip。単にクリップとも呼ばれる。カートリッジを装填した時にクリップが弾倉に残るタイプで、クリップが無いと弾倉が機能しない。1880年代にマンリカのストレート・プルに採用されたのが最初で、M1ガーランドなども使用している。参考：GUN用語事典

＜掩蔽壕＞：バンカーを参照。

＜延坪島砲撃事件＞：延坪島は韓国の西側にある西海に浮かぶ島で、韓国仁川広域市に属し、面積6.19平方キロメートルの大延坪島と面積0.94平方キロメートルの小延坪島からなり、住民計1700人が居住している。北朝鮮の島から3.7km、本土から12kmの位置にある（北朝鮮が射撃訓練を行っている様子も見える）ため、韓国海兵隊第６海兵旅団所属離島守備隊（600名）が両島に１個ずつ配備されていて、隷下の機械化中隊はM48A5K戦車やKIFV装甲兵員輸送車を装備する。また、大延坪島には第７砲兵中隊が駐屯しており、海兵隊全体で20両しか配備されていないK9自走砲のうち６両と、韓国軍全体で５基しか保有していないAN/TPQ-37対砲レーダーを１基有している。砲兵陣地は大延坪島北部にある高地の南側斜面に設けられていて、普段は分厚いコンクリートバンカー内に自走砲が収容されており、北朝鮮側から直接砲撃されないようになっている。有事の際にはバックしてバンカーから出た後、高射角で間接照準射撃を行う。2010年11月中旬、アメリカの元ロスアラモス国立研究所長が北朝鮮のウラン濃縮施設と軽水炉建設現場に案内された。この報告を元に、アメリカ政府は日中韓に特使を派遣することにし、砲撃事件当時は特使が北京に滞在していた。11月21日、金正日氏と金正恩氏が延坪島に近い茂島とケモ里海岸の砲兵部隊を視察したとされる。11月22日、韓国軍が30日までの予定で延坪島付近の海域において定例訓練を開始。11月23日0820、延坪島で予定されていた第７砲兵中隊による実弾射撃訓練に対して北朝鮮が中止を求めるファックスを送付。南北将校級会談団長名義であり、中止されない場合には報復を行うと記載されていた。また、北朝鮮軍は北倉基地（平壌の北70kmにある）からMiG-23戦闘機５機を発進させて付近の哨戒飛行を行った後に黄海南道の黄州基地（平壌の南50km、延坪島の北150kmにある）に展開させた他、沿岸砲部隊、地対艦ミサイル部隊、艦艇を戦闘配置に付けており、韓国軍もこの動きを察知していて、合同参謀本部内に緊急対策チームを設置したが、いつもの北朝鮮の過剰反応だと判断して訓練をそのまま実行した。1400、第７砲兵中隊が実弾射撃訓練を開始。公開された1415頃に射撃訓練を行っているK9自走砲の写真では、山の斜面を背にしてコンクリート陣地に布陣し、斜面と反対方向に砲撃を行っている様子が捉えられているが、南側斜面のバンカーからすぐの所なのか、別の砲撃訓練用の場所に移動しているのかは不明である。1425、第７砲兵中隊は60発を射撃して訓練を終了。直後の1434、北朝鮮軍が延坪島に対して榴弾砲とロケット砲で砲撃を加え、1455までに150発を叩き込んだ。北朝鮮軍の砲撃陣地は対岸の小島にある茂島陣地と北朝鮮本土にあるケモ里陣地で、延坪島と反対側の高地北側に作られており、韓国側と同様に砲や自走車両をバックさせて砲撃を行い、すぐにバンカー内に戻して反撃を防いだとみられる。これに対して韓国側も反撃を行おうとしたが、AN/TPQ-37対砲レーダーは故障中で使用できず、K9自走砲のうち２両は演習中に故障して修理中、１両は至近弾の衝撃で故障したため、残る３両のみが1447から第一次対応射撃を行い、1515までに50発を撃ち込んだ。また、韓国空軍はテグ基地からF-15K戦闘爆撃機４機（２機が空対空装備、２機がSLAM-ER装備）を、別の基地からKF-16戦闘機４機を緊急発進させた。韓国大統領は1440に国家安全管理センターに到着している。1510、北朝鮮軍が再び砲撃を実施、1541までに20発を射撃した。２回とも着弾したのは大半が122mmロケット弾（第４軍団ロケット砲兵旅団所属、当日午前中にケモ里に到着）であり、弾頭は榴弾や焼夷弾で、サーモバリック弾頭も含まれていたという話もある。130mm沿岸砲も撃ち込まれ、軍団砲兵の240mmロケット弾も使用されたといわれる。半分の90発は海に落ちたが、残りは島に着弾し、K9自走砲用コンクリートバンカーを直撃したロケット弾もあった他、住宅街にもロケット弾が降り注ぎ、10発が着弾した商店街は炎上して全損した。これにより海兵隊員２名と民間建設作業員２人が死亡し、海兵隊員16名と民間人３人が負傷している。1525、修理の終わったK9自走砲１両を加え、４両で北朝鮮に対する第二次対応射撃を実施、1541までに30発を発射した。ただ対砲レーダーが使えず、民生品を使用していたGPSはジャミングに遭い、事前標定及び観測員の目視修正となった上、K9自走砲の砲身冷却能力が悪く、実際の着弾精度はかなり悪かったらしい。1530、韓国は局地戦最強度警報である珍道犬１を発動。事件後、海上自衛隊もEP-3とOP-3Cで情報収集活動を行った。11月24日、韓国とアメリカの大統領が電話会談を行い、合同軍事演習の実施を決定。アメリカの国務次官補は記者会見で北朝鮮に戦争の意図は無いと述べた。11月28日から12月1日、黄海でCVN-73ジョージ・ワシントン、CG-63カウペンス、DDG-62フィッツジェラルド、DDG-63ステザム、DDG-82ラッセン、在韓米空軍F-16C/D戦闘機、E-8C地上監視機、韓国海軍KDX-2級ミサイル駆逐艦、KDX-3級ミサイル駆逐艦991セジョンデワン、P-3C哨戒機、韓国空軍F-15K戦闘機などが参加して米韓合同軍事演習（対空戦、対潜戦、臨検、洋上補給など）が実施された。12月3-10日の日米合同演習キーン・ソードには韓国軍の士官がオブザーバーとして初参加している。12月9日、防衛省で防衛大臣とアメリカ統合参謀本部議長が会談し、北朝鮮の挑発を止めるには軍事だけでなく政府全体で対応することが戦略的に重要であり、それを達成するため日米韓の連携に取り組むことで一致した。12月10日、東京で日韓防衛次官級協議を開催。2011年1月から２ヶ月の予定で、バーモント州兵航空隊の２個戦闘飛行隊が群山空軍基地にF-16C/Dブロック30を12機派遣した。2011年11月9日、韓国軍が延坪島と白翎島に最大67発のスパイクNLOSミサイルを配備すると発表した。参考：月刊PANZER1,’11、9,’12、月刊軍事研究1,’11、2,’11、3,’12、2,’14、12,’15、月刊JWings2,’11、3,’11、月刊航空ファン2,’11、ストライク・アンド・タクティカルマガジン3,’11、月刊PANZER8,’13、2,’11、朝雲

＜エンベッデッド・トレーニング＞：EBTを参照。

＜エンペラー＞：D98（護衛空母）を参照。

＜エンペラー・オブ・インディア＞：イギリス海軍アイアン・デューク級戦艦Emperor of India。1914年10月12日竣工。1930年に除籍され、1931年9月1日に実艦的として海没処分された。参考：月刊世界の艦船1,’12、近代戦艦史

＜円偏波＞：偏波を参照。

＜エンボイ�W　ＣＣ．１＞：ファルコン900海外ファミリーを参照。

＜遠望１＞：中国国家海洋局遠望１級衛星追跡艦１番艦ユアンワン１（Yuanwang 1）。1979年就役。1990年代に改装工事を受けた。2008年退役。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊軍事研究11,’18

＜遠望１級＞：中国国家海洋局衛星追跡艦ユアンワン１（Yuanwang 1）級。ミサイル実験支援も行う。所属は国家海洋局だが、運用は中国海軍が行っているとみられる。大型パラボラ・アンテナ１基を搭載し、後甲板にヘリ発着スペースを持つ。全長186m、全幅22.6m、吃水7.5m、満載排水量18400トン。主機は蒸気タービン（ディーゼル？）、出力17400馬力、１軸推進、最大速力18ノット（20ノット？）。乗員470名。遠望１と遠望２の２隻が1978-79年に就役した。1990年代に大型パラボラ・アンテナ２基を増設、更に電子装備を改良した。全長191m、満載排水量21000トン。主機は蒸気タービン、最大速力18ノット。参考：月刊軍事研究11,’18、中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜遠望２＞：中国国家海洋局遠望１級衛星追跡艦２番艦ユアンワン２（Yuanwang 2）。1979年就役。1990年代に改装工事を受けた。2008年退役。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊軍事研究11,’18

＜遠望３＞：中国国家海洋局遠望３級衛星追跡艦１番艦ユアンワン３（Yuanwang 3）。1995年4月就役。2003年10月、有人宇宙飛行船神船５号の大気圏再突入命令を発信したとされる。参考：月刊軍事研究11,’18、中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜遠望３級＞：中国国家海洋局衛星追跡艦ユアンワン３（Yuanwang 3）級。遠望１級の改良型で、有人宇宙船支援にも使えるよう大型パラボラ・アンテナ３基を備えている。全長180m、満載排水量16800-17059トン。主機はディーゼル、最大速力20ノット。遠望３が1995年に就役した。参考：月刊軍事研究11,’18、月刊世界の艦船4,’21

＜遠望４＞：中国国家海洋局遠望４級衛星追跡艦１番艦ユアンワン４（Yuanwang 4）。1999年就役。有人宇宙飛行船神船と北京の管制センターとの映像・音声中継を行った。2007年8月、石炭運搬船と衝突して火災を起こし大破。修理は断念され、2010年前半に空母を模した実艦的に改造され、同年後半に東風21D対艦弾道ミサイルの試射で沈められた。参考：月刊軍事研究11,’18、中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船2,’19

＜遠望４級＞：中国国家海洋局衛星追跡艦ユアンワン４（Yuanwang 4）級。向陽紅10海洋調査船を改造したもので、衛星追尾用レーダーなどを追加している。全長156.2m、満載排水量13000トン。主機はディーゼル、最大速力20ノット。遠望４が1999年に就役した。参考：月刊軍事研究11,’18、月刊世界の艦船2,’19

＜遠望５＞：中国衛星海上測控部遠望５級衛星追跡船１番船ユアンワン５（Yuanwang 5）。2007年就役。参考：月刊軍事研究11,’18、月刊世界の艦船9,’11

＜遠望５級＞：中国衛星海上測控部衛星追跡船ユアンワン５（Yuanwang 5）級。遠望１級の後継である。船型は長船首楼型で、船首楼中央に前後に長い１甲板分の上構があり、最前部が更に２甲板分高い航海艦橋で、最後部には１甲板分高い甲板室があり、その前に二股の煙突を持つ。上構上面中央には探知追尾用大型パラボラ・アンテナ３基（使用周波数はIEEEのＳ・Ｃバンド／NATOのE/F/Gバンド）、光学観測用ドーム、衛星通信ドーム６基などが並ぶ。２番・３番船は改良が加えられており、甲板２層分の衛星管制センターを持つらしい。全長222.5m（222.2m？）、幅25.2m、吃水8.2m、総トン数22686トン、満載排水量25000トン。主機はディーゼル２基、出力31000馬力、２軸推進、速力20ノット、航続距離20000海里（12ノット）。後部ヘリ格納庫にヘリ１機を搭載可能。乗員470名。遠望５、遠望６、遠望７の３隻が2007-16年に就役し、衛星海上測控部に配備された。参考：月刊世界の艦船4,'22、2,’19、3,’18、6,’14、3,’13、9,’11、月刊軍事研究11,’18

＜遠望６＞：中国衛星海上測控部遠望５級衛星追跡船２番船ユアンワン６（Yuanwang 6）。2008年就役。参考：月刊軍事研究11,’18、月刊世界の艦船6,’14

＜遠望７＞：中国衛星海上測控部遠望５級衛星追跡船３番船ユアンワン７（Yuanwang 7）。2016年7月就役。参考：月刊軍事研究11,’18、月刊世界の艦船3,’18

＜遠望７級＞：中国衛星海上測控部衛星追跡船ユアンワン７（Yuanwang 7）級。探知追尾用パラボラ・アンテナとして直径11mのもの２基と直径10mのもの１基を積んでおり、天空２宇宙ステーションの宇宙飛行士交代時に支援を行う。全長220m、満載排水量25000トン。参考：月刊軍事研究11,’18

＜掩砲所＞：戦車や砲を丸ごと隠せる陣地のこと。ライナープレートや木材で組み上げ、防弾用として厚さ2mくらいの土を載せる。参考：戦車隊長

＜エンポリア＞：PF-28（フリゲート）を参照。

＜煙幕＞：隠蔽手段の１つで、防御だけでなく、敵部隊を混乱させたり、攻撃のための接近を容易にしたりする目的でも使用される。可視光線、赤外線、ミリ波といった電磁波のエネルギーを散乱・吸収するような粒子を高濃度で散布し、これらの電磁波の透過を妨げる他、熱を発して赤外線映像を欺瞞したりする。妨害しようとする電磁波の波長と同じ径の粒子を散布すると効果が高い。燃焼時に発生する煙を使用する他、ホウ素、カリウム、塩素酸塩、二酸化チタンなどの金属混合物をエアゾールとして散布することもある。航空機など高速飛行するものは煙幕のカバー範囲をすぐに通り抜けてしまうので、あまり効果が無い。参考：月刊PANZER8,’10、ザ・マーチ５号

＜遠未来機雷偵察システム＞：AN/BLQ-11を参照。

＜エンヤ＞：アイルランド海軍80.8m級哨戒艇Eithne。2022年7月7日に退役した。参考：月刊世界の艦船10,’22

＜エンヤ級＞：アイルランド海軍哨戒艦Eithne級。兵装は57mm砲１門。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜遠洋練習航海（海上自衛隊）＞：海上自衛隊が1958年から実施している訓練航海で、遠航と略す。実地訓練と国際親善を兼ねて4-6ヶ月の航海を行うものである。対象は幹部候補生学校を卒業した大学出身の初級幹部で、洋上では４グループに分かれて航海、砲雷、船務、機関を順に担当、更に当直を行う実習直と、当直が無い代わりに研究会や自習に励む研究直に分かれ、実習や座学に励む。途中で立ち寄る国では史跡見学を行ったり、友好親善行事に参加したり、親善訓練を実施したりする。上陸中は楽しみも多いが、乗員に質問して予習するのが難しくなるので、次の航海に出る時が大変。幹部候補生課程の後期実習航海にあたり、その前には前期実習航海として近海練習航海（内地巡航。２ヶ月くらい）を行う。訓練は事前に内容を伝達されるが、艦船乗員として基本的な事項（天気予察やブイ揚収など）は指定作業として予告無しに実施される。艦橋で副直士官を行うための訓練はこの航海しか機会が無いので、輪を掛けて真剣に望むこととなる。練習艦隊司令官は海将補（途中で海将に昇進した場合もある）で、教育を施すベテラン幹部や海曹に加え、長期航海を支えるため医療要員も多数乗り込んでおり、入出港・停泊時やレセプションなどの際に国歌（寄港地のものも含む）などを演奏するため、各地方隊音楽隊から選抜された練習艦隊司令部音楽隊も乗艦する。訪問各地で歓迎会も開催されるが、重要人物の妻（それ相応の年齢である）よりも若い美人に引き寄せられてしまうため、尻をつねって注意する係を設けたりもした。寄港地でお土産を購入するが、１ドル360円の固定相場で国外持ち出しが100ドルに制限されていた頃は、洋モク（海外製タバコ）、ジョニ黒（スコッチウイスキーのジョニー・ウォーカー黒ラベル）、パーカー万年筆の３点セットが定番だった。遠洋航海が終わると各職種に分かれて配属される。1956年度に開始する予定だったが、海外派兵などの議論が出て１年度延期された。

第１回は1958年1月14日から2月25日で、練習隊群DD-101はるかぜ（旗艦）、PF-285すぎ、PF-288かや、PF-281くすが参加、東京からハワイを往復（1月29日パール・ハーバー入港、2月11日ハワイ出港。総航程7790海里）した。1958年8月6日から10月10日、DD-101はるかぜ（旗艦）、DD-103あやなみ、DD-105うらなみ、PF-291きり、PF-285すぎ、PF-288かやが第８期幹部候補生課程実習幹部203名を乗せ、北米を回って総航程12487海里を航行した。1959年6月24日から8月25日、PF-295けやき（旗艦）、DD-106しきなみ、DD-104いそなみ、PF-282なら、PF-281くす、PF-290さくらが参加し、北米を回って総航程12487海里（11857海里？）を航行した。

1960年5月18日から7月22日、DD-102ゆきかぜ（旗艦）、DD-184ゆうぐれ、DD-104いそなみ、DD-106しきなみ、DD-105うらなみが参加し、北米を回って総航程24648海里を航行した。1961年6月23日から9月1日、DD-161あきづき、DD-103あやなみ、DD-183ありあけ、DD-184ゆうぐれが参加し、北米を回って総航程15499海里を航行した。1962年6月8日から8月18日、DD-162てるづき（旗艦）、DD-109はるさめ、DD-183ありあけ、DD-184ゆうぐれが参加し、オセアニアを回って総航程13521海里を航行した。1963年7月19日から11月25日、DD-161あきづき（旗艦）、DD-162てるづき、DD-111おおなみ、DD-110たかなみが参加し、欧州を回って総航程26505海里を航行した。1964年7月17日から9月30日、DD-162てるづき（旗艦）、DD-112まきなみ、DD-183ありあけ、DD-184ゆうぐれが参加し、北米を回って総航程13660海里を航行した。1965年6月11日から11月2日、DD-161あきづき（旗艦）、DD-162てるづき、DD-108ゆうだち、DD-107むらさめが参加し、北米と南米を回って総航程32247海里を航行した。1966年7月8日から10月11日、DD-161あきづき（旗艦）、DD-111おおなみ、DD-110たかなみ、DD-112まきなみが参加し、実習幹部131名が搭乗、オセアニアを回って総航程17424海里を航行した。戦後初めてマニラ、台湾、沖縄（返還前）を訪問、沖縄では自衛艦旗を掲げ軍艦マーチを演奏しつつ沖縄在住の元日本海軍軍人と共に那覇国際通りをパレードし、市民の歓迎を受けた。1967年6月26日から10月27日、DD-162てるづき（旗艦）、DD-106しきなみ、DD-108ゆうだち、DD-107むらさめが参加し、北米を回って総航程22684海里を航行した。1968年6月3日から10月4日、DD-161あきづき（旗艦）、DD-109はるさめ、DD-103あやなみ、DD-105うらなみが参加し、北米と南米を回って総航程24985海里を航行した。1969年7月1日から11月5日、DD-162てるづき（旗艦）、DD-111おおなみ、DD-112まきなみ、DD-110たかなみが参加し、オセアニア・アジアを回って総航程23815海里を航行した。

1970年6月30日から11月18日、TV-3501かとり（旗艦）、DD-165きくづきが参加し、東回り世界一周で32822海里を航行した。1971年6月28日から11月5日、TV-3501かとり（旗艦）、DD-113やまぐもが参加し、北米を回って総航程26154海里を航行した。1972年6月22日から11月7日、TV-3501かとり（旗艦）、DD-166もちづきが参加し、北米と南米を回って総航程30455海里を航行した。1973年6月20日から11月2日、TV-3501かとり（旗艦）、DD-165きくづきが参加し、オセアニアと南米を回って総航程28113海里を航行した。1974年6月17日から11月19日、TV-3501かとり（旗艦）、DD-119あおくもが参加し、東回り世界一周で総航程35106海里を航行した。1975年6月20日から11月12日、TV-3501かとり（旗艦）、DD-113やまぐもが参加し、北米と中米を回って総航程26364海里を航行した。1976年5月21日から10月22日、TV-3501かとり（旗艦）、DD-167ながつきが参加し、北米と南米を回って総航程32188海里を航行した。途中の7月4日、アメリカ建国200年記念国際観艦式に参加した。1977年6月25日から11月11日、TV-3501かとり（旗艦）、DD-164たかつきが参加し、オセアニアとアジアを回って総航程27880海里を航行した。1978年7月7日から11月15日、TV-3501かとり（旗艦）、DD-119あおくもが参加し、北米を回って総航程26363海里を航行した。1979年6月15日から11月9日、TV-3501かとり（旗艦）、DD-166もちづきが参加し、東回り世界一周で28543海里を航行した。

1980年5月26日から10月22日、TV-3501かとり（旗艦）、DD-120あきぐもが参加し、北米と南米を回って総航程29467海里を航行した。1981年6月24日から11月6日、TV-3501かとり（旗艦）、DD-113やまぐもが参加し、オセアニアとアジアを回って総航程22516海里を航行した。1982年6月7日から11月5日、TV-3501かとり（旗艦）、DD-115あさぐもが参加し、北南米を回って総航程29477海里を航行した。ペルー訪問時には非常事態宣言が出されており、寄港中にはかとりの艦橋に警備本部を設置、防弾チョッキ着用の警備員を配備し、あさぐもには完全武装の臨時陸戦隊24名を配置、港内には武装内火艇と水中処分隊員を置き、主機関は30分待機で緊急出港に備えている。チリにはクーデター後初の自由圏艦隊訪問となった。1983年6月15日から11月16日、TV-3501かとり（旗艦）、DD-165きくづきが参加し、東回り世界一周で29000海里を航行した。1984年6月4日から11月10日、TV-3501かとり（旗艦）、DD-117なつぐもが参加し、北南米を回って総航程33000海里を航行した。1985年6月3日から11月8日、TV-3501かとり（旗艦）、DD-114まきぐもが参加し、オセアニアとアジアを回って総航程27000海里を航行した。1986年5月21日から10月17日、TV-3501かとり（旗艦）、DD-167ながつきが参加し、北南米を回って総航程32000海里を航行した。7月14日にはニューヨーク湾で自由の女神100年記念国際観艦式に参加している。1987年6月12日から11月11日、TV-3501かとり（旗艦）、DD-129やまゆき、DD-130まつゆきが参加し、東回り世界一周で31000海里を航行した。1988年6月27日から11月15日、TV-3501かとり（旗艦）、DD-131せとゆき、DD-133しまゆきが参加し、オセアニアとアジアを回って総航程25000海里を航行した。10月1日にはシドニーでオーストラリア建国200周年記念観艦式に参加している。1989年6月14日から11月14日、TV-3501かとり（旗艦）、DD-125さわゆき、DD-132あさゆきが第39期幹部候補生を乗せ、北南米を回って総航程30000海里を航行した。

1990年5月8日から10月12日、TV-3501かとり（旗艦）、DD-128はるゆき、DD-131せとゆきが第40期幹部候補生を乗せ、東南アジア、オセアニア、北米を回って総航程32500海里を航行した。5月20日にはペナンで国際観艦式に参加している。1991年6月13日から11月20日、TV-3501かとり（旗艦）、DD-122はつゆき、DD-129やまゆきが第41期幹部候補生を乗せ、東回り世界一周で30000海里を航行した。1992年6月3日から11月5日、TV-3501かとり（旗艦）、DD-123しらゆき、DD-133しまゆきが第42期幹部候補生を乗せ、オセアニア、北米、アジアを回って総航程32000海里を航行した。シドニー市制150周年記念式典と、サンフランシスコで行われたコロンブス米大陸発見500周年記念国際観艦式に参加している。1993年6月16日から11月12日、TV-3501かとり（旗艦）、DD-126はまゆき、DD-127いそゆきが第43期幹部候補生を乗せ、北南米を回って総航程28500海里を航行した。1994年6月27日から11月15日、DD-167ながつき（旗艦）、DD-166もちづき、DD-164たかつき、DD-123しらゆきが第44期幹部候補生を乗せ、北中米を回って総航程25000海里を航行した。1995年5月22日から10月26日、TV-3508かしま（旗艦）、DD-131せとゆきが第45期幹部候補生を乗せ、西回り世界一周で26000海里を航行した。初めて女性自衛官が乗艦した遠航で、訓練幕僚補佐１名、歯科医官１名、実習幹部13名の計15名が参加している。1996年4月19日から9月10日、TV-3508かしま（旗艦）、DD-125さわゆきが第46期幹部候補生を乗せ、東南アジアとオセアニアを回って総航程22000海里を航行した。1997年4月21日から9月5日、TV-3508かしま（旗艦）、DD-130まつゆきが第47期幹部候補生を乗せ、北中南米を回って総航程28500海里を航行した。1998年4月20日から9月11日、TV-3508かしま（旗艦）、DD-157さわぎりが第48期幹部候補生を乗せ、北南米を回って総航程32000海里を航行した。1999年4月27日から9月14日、TV-3508かしま（旗艦）、DD-155はまぎりが第49期幹部候補生を乗せ、環太平洋回りで26477海里を航行した。

2000年4月13日から9月8日、TV-3508かしま（旗艦）、DD-153ゆうぎりが第50期幹部候補生を乗せ、西回り世界一周で26700海里を航行した。7月4日にはアメリカ国際観艦式に参加している。2001年4月20日から9月10日、TV-3508かしま（旗艦）とDD-152やまぎりが第51期一般幹部候補生課程を修了した初任幹部150名を乗せ、中東（バーレーン、クウェート、サウジアラビア、カタール、オマーン、UAE、イラン）回りで23800海里を航行した。帰国直後に同時多発テロが勃発、インド洋に補給艦を送ることになり、遠洋練習航海で得た中東周辺の港湾情報や軍との親善交流ネットワークが大いに活かされている。2002年4月22日から9月9日、TV-3508かしま、DD-130まつゆき、TV-3513しまゆきが参加し、第52期幹部候補生を乗せ、北中米方面を歴訪した。2003年4月24日から9月9日、TV-3508かしま、DD-126はまゆき、DD-157さわぎりが参加し、第53期幹部候補生を乗せ、オセアニア・東南アジア方面を歴訪した。2004年4月20日から9月17日、TV-3508かしま、DD-155はまぎり、DD-158うみぎりが参加し、第54期幹部候補生を乗せ、北米西岸・南米東岸を歴訪した。2005年4月19日から9月20日、TV-3508かしま、DD-101むらさめ、DD-153ゆうぎりが参加し、第55期幹部候補生を乗せ、東回りで世界一周した。6月28日にポーツマスでトラファルガー海戦200周年観艦式に参加し、7月5日に海自艦として初めてサンクト・ペテルブルグを訪問している。2006年4月19日から9月5日、TV-3508かしま、TV-3515やまぎり、DD-154あまぎりが参加し、第56期幹部候補生を乗せ、北米方面を歴訪した。2007年4月20日から9月21日、TV-3508かしま、TV-3513しまゆき、DD-157さわぎりが参加し、第57期幹部候補生を乗せ、環太平洋方面を歴訪した。2008年4月15日から9月18日、TV-3508かしま、TV-3516あさぎり、DD-158うみぎりが参加し、第58期幹部候補生を乗せ、東回りで世界を一周した。2009年4月16日（21日？）から9月4日、TV-3508かしま、DD-153ゆうぎり、TV-3513しまゆきが参加し、第59期幹部候補生を乗せ、中東、東南アジア、東ヨーロッパ13カ国14都市に寄港した。予定では香港に寄港して9月8日に帰国する予定だったが、中国の都合でキャンセルとなり、帰国が早まっている。

2010年5月26日から10月28日、TV-3508かしま、TV-3515やまぎり、DD-125さわゆきが参加し、第60期幹部候補生を乗せ、東回り世界一周で総航程28514海里を航行した。紅海とアデン湾の間のバブ・エル・マンデブ海峡に接近した際、国際VHF通信で付近の商船からメーデーが入り、複数の海賊船に挟撃されているとの内容だったため、DD-125さわゆきから対潜ヘリを発艦させて現場に向かわせた。海賊船は遠目でヘリを見て付近に軍艦が存在すると思ったらしく、海賊船が離れていったと商船から無線が入り、事無きを得ている。2011年5月24日から10月27日、TV-3508かしま、TV-3516あさぎり、DD-124みねゆきが参加し、第61期幹部候補生課程修了実習幹部180名（うちタイ海軍少尉１名）を乗せ55000kmを航海してアメリカ、カナダ、メキシコ、パナマ、ペルー、チリの14寄港地を歴訪した。2012年5月22日、TV-3508かしま、TV-3513しまゆき、DD-130まつゆきが第62期幹部候補生を乗せ晴海埠頭を出港。東南アジア、中東、アフリカ東岸を歴訪して10月22日に東京に帰投した。2013年5月22日（第57回）、TV-3508かしま、TV-3517しらゆき、DD-127いそゆきが第63期幹部候補生を乗せ東京港晴海埠頭を出港。162日間・総航程55000kmの東回り世界一周で、18カ国19寄港地を巡り、ポーランド、クロアチア、フィンランド（TV-3508かしまのみ。その間TV-3517しらゆきとDD-127いそゆきはロシアのサンクトペテルブルクに寄港）、ミャンマーに初寄港して10月30日に東京に帰国した。2014年5月22日、TV-3508かしま、TV-3518せとゆき（初の遠洋航海部隊女性艦長）、DD-151あさぎりが第64期一般幹部候補生課程修了者170名（タイ人留学生１名を含む）を乗せ、東京港晴海埠頭を出港。北米、カリブ海周辺国、オセアニア、東南アジアなど13カ国15寄港地を訪問（総航程57000km）して10月24日に帰国した。海自として初めてキューバのハバナ港に寄港している。9月19-20日にはガダルカナル島ホニアラに入港（昭和18年2月に日本軍が撤退して以来の日本艦隊入港）し、ガダルカナル島未送還遺骨情報収集活動自主派遣隊からソロモン諸島の戦没者遺骨137柱を受領、帰国後に厚生労働省に引き渡した。2015年5月21日、TV-3508かしま、TV-3513しまゆき、DD-152やまぎりが第65期幹部候補生を乗せて東京港晴海埠頭を出港。海自艦艇として初めてマゼラン海峡を通峡し、南米大陸を時計回りに１周して12カ国16寄港地を訪問（総航程29500海里）、10月27日に東京港晴海埠頭に帰国した。2016年5月20日、TV-3508かしま、TV-3518せとゆき、DD-151あさぎりが第66期一般幹部候補生課程修了者190名（タイ海軍少尉１名含む）を乗せ横須賀を出港。第60回であり、13カ国16寄港地（リトアニアのクライペダを初訪問）を回って世界一周（総航程57000km）し、11月4日に横須賀に帰投した。2017年5月22日、TV-3508かしまとDD-102はるさめが第67期一般幹部候補生課程修了者190名（うちタイ海軍１名）とSH-60Kヘリ１機（初参加）を乗せ横須賀を出港。真珠湾、サンディエゴ、メキシコのチアパス、キューバのハバナ、ニューポート、フォートローダーデール、チリのバルパライソ、エクアドルのグアヤキル、メキシコのマンサニージョ、バンクーバー、アンカレッジ、ロシアのウラジオストク（初入港）、韓国のピョンテク（初入港）の８カ国13寄港地を歴訪（総航程33000海里）して11月1日に横須賀に帰投した。2018年5月21日、TV-3508かしまとDD-112まきなみが実習幹部191名を含む584名を乗せ横須賀を出港。ジャカルタ、UAEのフジャイラ、アブダビ、バーレーンのミナサルマン、サウジアラビアのジッダ、スエズ運河、バルセロナ、ストックホルム、ヘルシンキ、ポーツマス、ノーフォーク、パナマ運河、メキシコのマンサニーヨ、ホノルルを歴訪（西回り世界一周、総航程57290km）して10月30日に横須賀に帰港した。2019年5月21日、TV-3508かしまとDD-105いなづまが第69期一般幹部候補生課程修了者190名（うちタイ海軍１名）を乗せ横須賀を出港。真珠湾、サンディエゴ、グアテマラのプエルト・ケツァル、ペルーのカヤオ、エクアドルのグアヤキル、メキシコのマサトラン、仏領ポリネシアのパペーテ、フィジーのスバ、ニュージーランドのオークランド、オーストラリアのシドニー、パプア・ニューギニアのラバウル、パラオのコロール、グアムの11カ国13寄航地を歴訪（総航程26000海里）し、10月24日に横須賀に帰港した。

2020年6月9日、令和2年度前期遠洋練習航海のためTV-3508かしまとTV-3513しまゆきが第70期一般幹部候補生課程修了者155名を乗せ呉を出港。新型コロナウイルス感染症拡大の影響で前期と後期に分かれており、前期の寄港地は沖縄の勝連（6月13-14日）とシンガポールのチャンギ（7月5-6日）だけで、内容も補給のみに止まっていて、7月22日に横須賀に帰港（総航程19000km）した。洋上ではシンガポール海軍フリゲート72ストルワート（6月22日南シナ海）、アメリカ海軍LCS-10ガブリエル・ギフォーズ（6月23日南シナ海）、インド海軍駆逐艦D-52ラナ及びコルベットP63クリシュ（6月27日インド洋）、アメリカ海軍CVN-76ロナルド・レーガン及びDDG-89マスティン（7月7日南シナ海）と共同訓練を行っている。8月28日、令和2年度後期遠洋練習航海のためTV-3508かしまが第70期一般幹部候補生課程修了者110名を乗せ呉を出港。アメリカのノーム（9月10-11日）、アンカレッジ（9月17-19日）、パール・ハーバー（9月28日から10月1日）、サイパン（10月14日入港）に寄港（補給のみ実施）して10月21日に呉に帰港した。総航程22000kmで、海自艦として初めて北極圏に入り、9月8日にアラスカのセント・ローレンス島沖でアメリカ沿岸警備隊WMEC-39アレックス・ヘイリーと、9月28-29日にハワイ沖でDDG-93チャンフーンと親善訓練を行っている。2021年5月26日、令和3年度遠洋練習航海部隊（前期）TV-3508かしまとTV-3518せとゆきが第71期一般幹部候補生課程修了者160名を乗せ呉を出港。総航程20000kmで、沖縄の勝連（5月28-29日）、ブルネイのムアラ（6月6-8日）、スリランカのコロンボ（6月18-20日）、インドネシアのスラバヤ（6月28-30日）、東ティモールのディリ沖（7月3-5日錨泊）、フィリピンのダバオ（7月9-11日）に寄港（新型コロナウイルス対策で全て上陸無しの補給のみ）して7月21日に呉に帰港した。6月8日にブルネイ海軍哨戒艦09ダルタクワ、6月13日にインド海軍コルベットP63クリシュ、6月20日にスリランカ海軍哨戒艦P822サガラ、6月21日にCVN-76ロナルド・レーガン空母打撃群、6月30日にインドネシア海軍コルベット332グスティ・ングラ・ライと共同訓練を行っている。6月27日にはインドネシア海軍潜水艦402ナンガラの洋上慰霊祭をバリ島沖で行った。8月25日、令和3年度遠洋練習航海部隊（後期）TV-3508かしまが第71期一般幹部候補生課程修了者110名を乗せて呉を出港。24000km航行し、横須賀（8月30日から9月1日）、アラスカ州ノーム（9月11-13日）、ダッチハーバー、真珠湾、マーシャル諸島（マジュロ）、ミクロネシア連邦（ウエノ島）に寄港して10月27日に呉に帰投した。ノームを出港後に北極海に入り、海自艦２度目の北極圏入域を果たしている。真珠湾寄港後にタラワ島にも寄港する予定だったが、中止になった。2022年4月24日、令和4年度練習艦隊TV-3508かしまとTV-3521しまかぜが第72期一般幹部候補生課程修了者160名を乗せ横須賀を出港。新型コロナウイルス対策で沖合に待機し、5月2日に横須賀沖を離れた。西回り世界一周で、勝連（5月5-6日）、スリランカのコロンボ（5月19-21日）、オマーンのサラーラ（5月26-27日）、ジブチ共和国ジブチ（5月29-31日）、フランスのツーロン（6月12-14日）、イギリスのロンドンとポーツマス（6月22-25日）、アメリカのノーフォーク（7月9-11日）、パナマ共和国パナマ・シティ（7月19-21日）、アメリカのパール・ハーバー（8月7-9日）に寄港して8月22日に横須賀に帰港した。総航程48600km。2023年5月25日から10月20日、令和5年度遠洋練習航海を実施。TV-3508かしまとTV-3520はたかぜが、第73期一般幹部候補生課程修了者160名を乗せ、アメリカのダッチハーバー、サンディエゴ、パールハーバー、カナダのヴィクトリア、メキシコのマンサニージョ、ペルーのカヤオ、チリのバルパライソ、アルゼンチンのブエノスアイレス、ブラジルのリオデジャネイロ、レシフェ、コロンビアのカルタヘナに寄港した。総航程52400km。

参考：月刊世界の艦船5,’02増刊、6,'22、6,’83、9,’09、6,’09、8,’10、12,’10、1,’11、8,’11増刊、8,’12、7,’13、8,’13、1,’14、8,’14、11,’14、12,’14、1,’15、7,’15、8,’15、1,'16、7,'16、8,’16、1,’17、7,’17、8,’17、1,’18、7,’18、8,’18、1,’19、2,’19、5,’19、8,’19、1,’20、8,'20、9,'20、11,'20、12,'20、1,'21、8,'21、9,'21、10,’21、11,'21、12,'21、1,'22、7,'22、11,'22、日本の戦力、月刊軍事研究9,’13、5,’18、朝雲、海上自衛新聞、月刊丸8,’95、JShips Vol.46、MAMOR vol.103、vol.60、vol.81、vol.100

＜遠洋練習航海（日本海軍）＞：日本海軍の遠洋練習航海で、明治8年に生徒実地練習の名称で開始され、明治20年に少尉候補生練習航海に改称され、昭和14年まで実施された。海軍兵学校などを卒業した少尉候補生を練習艦に乗せ、諸外国を巡りながら海上勤務の基礎を叩き込むものである。寄港地では外交儀礼も兼ねて各国海軍士官と交流し、世界的視野を広げた。初回は明治8年11月6日から明治9年4月14日で、筑波艦が海軍兵学寮２期生徒37名（計47名？）、士官25名、下士官・兵232名を乗せて品川を出港し、サンフランシスコ（12月中旬入港・明治9年1月10日出港）、メア・アイランド、ホノルル（明治9年2月11日入港）を訪問して横浜に帰港した。第２回は明治11年1月で、筑波艦がブリスベーンとシドニーを訪問して6月に帰投した。この際に赤道を越えたのが日本軍艦初の赤道越えである。第３回は明治12年で、筑波艦がマラッカやペナンを訪問した。第４回は明治13年4月29日から9月29日で、海兵７期を乗せ、北米を訪問した。第５回は明治14年2月2日から7月28日で、龍驤が海兵８期を乗せ、赤道を越えてオーストラリアのシドニーやメルボルンを訪問した。第６回は明治15年3月4日から10月5日で、筑波が海兵９期を乗せ、シンガポール、バタビア、メルボルン、タスマニア、オークランドに寄港した。ただ5月10日から脚気患者が続出、6月1日に１名が死亡し、6月2日には休業者が50名を超える事態となり、ニュージーランドのウェリントンは訪問せず帰路に就いている。第７回は明治15年12月19日から明治16年9月15日で、龍驤が海兵10期ら総員378名を乗せ、ニュージーランドのウェリントン、チリのバルパライソ、ペルーのカヤオ、ハワイのホノルルに寄港した。しかしこの際も脚気患者が大量発生し、特にカヤオ−ホノルル間では１日あたり最大103名・延べ138名が罹患、航海中に15名とホノルル停泊中に８名が死亡し、麦飯導入のきっかけとなった。ちなみにホノルル入港２日前の7月1日に蒸気走に切り替えたのは脚気で帆装要員が足らなくなったのではなく無風だったからで、火夫が足らなくなる程の患者数ではないので艦長が率先して石炭をくべたということも無く、ハワイに到着して重症患者を入院療養させた際の費用も手持ちの臨時航海費で間に合ったため海軍省に送金要求電報は送っていない。入院費の1254ドル50セントは後にハワイ国王の厚意でハワイ政府が負担する事になり、後日返金されている。明治22年8月から明治23年2月、第12回遠洋練習航海を実施。金剛と比叡が海軍兵学校15期生80名を乗せ、南洋諸島方面を航海し、ハワイやグアムに寄港した。明治23年6月16日から12月24日、筑波が海軍兵学校17期29名を乗せてウラジオストク・ホノルルへの第13回遠洋練習航海を実施。17期は海軍機関学校教育を海軍兵学校で行うことになった関係で修業が２回に分かれており、残る88名は予算不足でコルベット金剛・比叡による日本一周航海で済ませる予定だったが、9月16日に発生したトルコ海軍エルトゥールル号遭難者を送還するためトルコへの第14回遠洋練習航海に切り替え、10月16日に品川を出港し、トルコのコンスタンティノープルに寄港して明治24年5月10日に品川に帰港した。明治25年9月、金剛が海軍兵学校19期生50名を乗せ、北米方面への第16回遠洋練習航海に出港。明治26年1月28日にハワイに到着すると、クーデターの真っ最中だっったため、滞在を延期して邦人保護にあたった。明治27年4月19日、金剛が海軍兵学校20期を乗せ第17回遠洋練習航海に出発。タヒチ、フィジー、シドニー、ソロモンを回る予定だったが、実際には6月5日に政情不安定なハワイに入港して邦人保護・警備任務に就き、更に日清戦争開戦が迫ったため7月5日にハワイを出港して日本に戻った。明治28年の海軍兵学校22期生による遠洋練習航海は日清戦争で中止になった。明治29年4月10日から9月16日、金剛が海軍兵学校22期生24名と海軍兵学校23期生19名を乗せ、第18回遠洋練習航海を実施。マニラ、シンガポール、上海、威海衛、大連、仁川、釜山、ウラジオストクなどに寄港した。明治34年、厳島と橋立が遠洋練習航海を実施。明治35年2月15日から8月21日、金剛と比叡が明治34年卒業海兵第29期生125名の遠洋練習航海を行い、マニラ、メルボルン、釜山などに寄港した。これが最後の帆走艦による遠洋練習航海である。明治36年、新編された練習艦隊での遠洋航海が始まった。明治37-38年は日露戦争で中止になったので、この時の候補生は明治40年に纏めて遠洋練習航海を行っている。明治41年、海兵第35期生を乗せて馬公に戻ってきた松島が爆発事故を起こして沈没した。大正4年、一等巡洋艦阿蘇（旗艦）と二等巡洋艦宗谷（２番艦。訓練上の配慮でメルボルン入港直前の短期間のみ旗艦になっている）が参加し、海兵42期少尉候補生116名を乗せて4月20日に横須賀を出港、14カ国（メルボルン6月14-19日など。第１次大戦中のため全て連合国や連合国側占領地で、中立国や敵国は含まない）を巡って14680海里を航海し、8月23日に横須賀に帰港した。大正9年8月から大正10年4月、浅間と磐手が初の世界一周遠洋練習航海を実施。この回から海軍兵学校だけでなく海軍機関学校と海軍経理学校の少尉候補生も加わるようになった。大正10年8月20日から大正11年4月4日、出雲と八雲が海兵49期、海機30期、海経10期の計260名強を乗せて東回りで世界一周した。大正12年11月7日、一等海防艦浅間、磐手、八雲が海兵51期、海機32期、海経12期計391名を乗せて横須賀を出港。フリーマントル、メルボルン（大正13年1月10-16日）、ホバート、シドニーに寄港し、総航程17300海里で、磐手は大正13年3月27日（帰途で10名が赤痢を発症し、１名が死亡したため帰還を早めた）、浅間と八雲は4月5日に横須賀に帰港した。大正14-15年から基礎教育終了後の軍医中尉と軍医少尉も研究乗組軍医科上官（研軍）として同乗するようになった。昭和8年3月6日、一等海防艦磐手と八雲が海兵60期126名、海機41期34名、海経21期14名、軍医科・薬剤科士官計32名（研究要員）を乗せ横須賀を出港。北米・中米西岸、ハワイ、南洋を巡るコースだったが、国際連盟脱退直前で日米関係が極度に悪化していたため、弾薬を定数通り搭載して信管も装着し、石炭は現地調達せず予め日本から寄港地に運んでおいた。実際にアメリカを巡ってみると通常通りの歓迎を受けている。7月18日、パラオで候補生や研究士官を連合艦隊に配属し、練習艦隊司令部と磐手・八雲は7月26日に横須賀へ帰港した。航海日数93日、総航程21020海里だった。昭和12年、八雲と磐手がヨーロッパまで往復した。昭和14年、ホノルルまで往復した。昭和15年は練習巡洋艦香取と鹿島が竣工したばかりで、8月7日に海兵68期などを乗せて出港、記念すべき遠洋練習航海になる筈だったが、日華事変長期化などで中国や小笠原諸島を巡って40日間で終了（タイや蘭印方面も訪問する予定だったが中止）し、それ以降は太平洋戦争勃発で練習航海自体が中止となってしまった。参考：月刊世界の艦船9,’13増刊、8,'11増刊、8,'23、5,’13、4,’14、10,'15、11,’19、1,'21、4,'22、2,'23、5,'23、月刊丸8,’11、海軍こぼれ話、日本海軍艦隊総覧、歴史群像4,’18

＜延来型測量艦＞：中国海軍測量艦。1970年代に５隻が建造された。全長73.7m、幅9.8m、満載排水量1040トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、速力16ノット。参考：月刊世界の艦船10,’02

＜エンライト＞：APD-66（高速輸送艦）またはDE-216（護衛駆逐艦）を参照。

＜エンリコ・ダンドロ＞：イタリア海軍エンリコ・トーチ級潜水艦Enrico Dandolo。1968年9月25日竣工。1996年退役。1999年6月30日に除籍され、ベネチアで陸上展示されている。参考：月刊世界の艦船10,’15

＜エンリコ・トーチ＞：イタリア海軍エンリコ・トーチ級潜水艦Enrico Toti。1968年就役。1992年に退役した。2005年からミラノのダヴィンチ科学博物館で展示されており、艦内見学も可能。参考：月刊世界の艦船6,’13

＜エンリコ・トーチ級＞：イタリア海軍潜水艦Enrico Toti級。イタリア海軍が第二次大戦後初めて建造した潜水艦で、小型のため浅い地中海でも運用が楽である。耐圧船殻は単殻式。艦首上部に大型のソナー・フェアリングを持つ。全長46.2m、水上排水量536トン、水中排水量582トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、フィアット／メルセデス・ベンツ820型ディーゼル２基・電動モーター１基、出力2200馬力、５翅スクリュー１軸推進、水中速力15ノット。兵装は艦首の533mm魚雷発射管４門（A184魚雷６本または機雷12個）。エンリコ・トーチ、エンリコ・ダンドロなど４隻が1968年に就役した。参考：月刊世界の艦船6,’13、10,’15

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