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＜２＋２＞：外務・防衛担当閣僚協議のこと。日米2+2は日米安全保障協議委員会を参照。日英2+2（日英外務・防衛担当閣僚協議）、日豪2+2（日豪外務・防衛閣僚協議）、日露2+2（日露外務・防衛担当閣僚協議。2013年11月2日初開催）、日印2+2（日印次官級対話）、日仏2+2（日仏外務・防衛担当閣僚協議。2014年1月9日初開催）、日・インドネシア2+2（2015年12月17日初開催）も行われている。参考：MAMOR vol.71、vol.84、JWings4,’15、月刊世界の艦船3,’16、朝雲

＜２−４−６計画＞：タイコンデロガ級巡洋艦近代化計画を参照。

＜二・二六事件＞：昭和11年2月26日、日本陸軍青年将校20名強と、近衛歩兵第１連隊、歩兵第１連隊、歩兵第３連隊、野戦重砲第７連隊の一部及び民間人計1600名が起こしたクーデター（起こした当事者は維新や革新と称した）。農村の窮状を救うには、天皇に国民生活を正確に伝えない側近達（君側の奸と称した）を粛正し、財閥とそれを庇護する政党の打倒による急激な改革が必要という考えの下に計画され、首謀者は磯部浅一１等主計と栗原安秀歩兵中尉で、大正12年に発行された北一輝の日本改造法案大綱に賛同する安藤輝三歩兵大尉らが加わった。決起将校最先任は野中四郎大尉である。ただ同級生などの仲間集めに終始し、参謀本部や陸軍省などからの参加は無く、指揮官不在の決起となった。大正12年、皇居旧本丸に大学寮と呼ばれる社会教育研究所が創設され、北一輝の高弟である西田税が国防問題を論じるなどし、革新的青年将校のたまり場となっていった。昭和4年、世界大恐慌が勃発。日本も未曾有の経済危機に襲われ、企業の倒産などが相次いだ。昭和5年には失業者が300万人にもなり、東京市周辺の極貧生活者は28万人に及んだ。東北地方の農家は冷害による不作と不況による農産物価格や生糸の下落で壊滅的な状態となり、岩手県では人口の半分が社会的援助を受けなければ餓死する状況で、腐ったジャガイモを擦って食べ、犬猫まで食い尽くし、学校では朝食も昼の弁当も無い生徒が空腹でバタバタ倒れ、東北全体で年に６万人弱の女子が身売りに出され、山形県伊佐沢村では村役場に年端もいかぬ女子の売春宿への身売り相談窓口が設けられるという有様だった。その一方で地主や財閥は富を蓄積して貧富の差は拡大し続け、政党政治は賄賂疑惑続出で信頼を完全に失い、左翼革新運動は弾圧と内部分裂で体をなさず、ジャーナリズムはエログロナンセンスに溺れていた。昭和10年度予算21億９千万円のうち赤字が７億５千万円、予算の半分が軍事費という状況では農家への救済策など採りようもなかった。軍の青年将校は農村出身が多く、貴重な労働力である青年を徴兵で取られた（満州事変では仙台の第２師団が出撃。当然戦死傷者も出る）農家はますます苦境に陥る一方で軍事救護金はごく僅か、自らの妹が身売りされていく状況で、この原因は国民が幸福であるよう願う天皇陛下に対して「君側の奸」が特権階級に都合の良いよう嘘を吹き込むからだ、と不満を募らせていった。昭和5-6年、恐慌に乗じて民間右翼グループが政党政治打倒・軍部独裁政権樹立を掲げて活動を活発化。陸軍の一部将校と昭和6年3月に三月事件、満州事変勃発後の10月に十月事件を起こしたが、いずれもクーデター未遂に終わり、陸軍将校はクーデターを避けるようになった。昭和7年、陸軍の協力が得られない民間右翼グループは血盟団事件や五・一五事件を起こした。昭和8-10年、陸軍内部の統制派と皇道派による権力争いが激化。政治家や自由主義文化人に対する排斥運動も盛んになった。昭和7年12月、救国学生同盟の水上源一が歩兵第一連隊将校室で栗原安秀中尉と面会。昭和8年7月23日、前年12月に歩兵第一連隊に入営して栗原安秀中尉の思想に共感した20名が、戦車第２連隊に転出していた栗原中尉、近衛歩兵第３連隊の中橋基明中尉と営外集会を開催。栗原中尉はクーデターを起こして暫定軍事内閣を成立させ、革命委員会を組織して国家を改革するという計画を披露した。9月13日、栗原中尉は自ら戦車数両を率い、救国学生同盟など民間の維新運動と連動して夜半にクーデターを起こす予定だったが、直前に中止となった。青年将校が説得したとも、計画を察知した渋川善助の急報を受けた西田税が引き留めたともいわれるが、詳細は不明で、民間側に軍や栗原中尉への不信感を招く結果となった。9月17日、栗原中尉らは２回目の営外集会を開催。11月13日、民間側だけで翌日に実施しようとした立憲政友会関東大会襲撃計画（救国埼玉挺身隊事件）が察知され、関係者７人が殺人予備罪で逮捕された。昭和9年1月4日、参謀本部第二部第四課四班の片倉衷大尉が座長を務めていた軍の研究会が、青年将校運動への対応として「政治的非常事態勃発に処する対策要綱」を纏めた。軍部主導で早期に革新を行うが、クーデターには頼らないという内容で、クーデター対策も含まれており、鎮圧の際に参考とされている。昭和10年8月、皇道派の相沢三郎中佐が統制派の永田鉄山軍務局長を斬殺。裁判では皇道派グループが相沢中佐を支援する公判闘争を行い、統制派との対立がますます激化した。12月、第１師団の満州永久駐箚が決定。皇道派の多い第１師団を東京から遠ざけるために決めたという説もあるが、満州に行けばクーデターが実行できなくなるため、急遽年度末までに決行することになった。昭和11年2月20日前後、陸軍軍務局軍事課では2月下旬頃に歩兵第３連隊がクーデターを起こす可能性があるという情報が流れており、当時は同軍事課満州班に所属していた片倉衷少佐（大尉より昇任）は憲兵司令官や憲兵次官にこの事を告げたという。2月22日、安藤大尉が参加を決意（23日ともいわれる）。歩兵第３連隊第７中隊長の野中四郎大尉が第３中隊の清原康平少尉と第10中隊の鈴木金次郎少尉に蹶起を告げた。2月24日、北一輝宅で村中孝次大尉と野中四郎大尉が蹶起趣意書の原文を作成。クーデターの動機の一つに国体の擁護を挙げ、天皇の側近を誅戮して真の天皇の意に沿える権力機構を作り上げるとした。2月25日1900、磯部浅一元一等主計が自宅を出て歩兵第一連隊に向かった。2030、歩兵第３連隊第６中隊の下士官が、中隊長の安藤輝三大尉に呼ばれて中隊長室に集合。安藤大尉は翌日0100に靖國神社参拝という名目で非常呼集を行い、0500に昭和維新を断行するため要人を襲撃すると告げた。第３中隊の清原少尉と第10中隊の鈴木少尉も呼ばれ、野中大尉の指揮下で蹶起することを告げられた。2100、歩兵第３連隊第１中隊の下士官が中隊将校室に呼ばれ、坂井直中尉が蹶起趣意書を読み上げた後、赤坂方面で発生しつつある暴動を鎮圧するため明朝に出動することが告げられた。歩兵第３連隊第６中隊の将校と下士官が安藤大尉（第６中隊長）に呼ばれ、中隊長室に集合。翌日0100に非常呼集をかけ、0500に昭和維新を断行、鈴木貫太郎侍従長を襲撃するという中隊長命令を受けた。初年兵は入隊したばかりで完全軍装の教育を受けておらず、準備に時間が掛かると考えられたため、内務班に帰った際に２年兵に対して今夜非常呼集があるかも知れないから準備せよと告げた下士官もいた。歩兵第１連隊第11中隊でも日夕点呼終了後に週番下士官が非常呼集があるかも知れないので水筒に水を入れて二装軍衣袴を用意しておくよう告げている。2200、野中大尉のもとに歩兵第３連隊第３・第７・第10中隊の下士官が集合。蹶起が伝達された。第10中隊長代理の新井勲中尉は時期尚早論を唱えていたため、蹶起からは外されている。2200過ぎ、牧野伸顕前内大臣の襲撃を担当する予備役の宮田晃曹長、中島清治曹長、黒田上等兵、民間人の水上源一、綿引正三が歩兵第一連隊の栗原中尉に面会を求めて中に入り、軍服に着替えた。2230、近衛第３連隊第７中隊中隊長代理中橋基明中尉、斉藤一郎特務曹長、近衛師団司令部大江昭雄曹長が歩兵第一連隊の栗原中尉を訪ね、演習用と称して用意した小銃弾1000発と拳銃弾200発を受領し、帰隊した。2300過ぎ、歩兵第３連隊第２中隊の下士官が坂井直中尉に呼ばれ、明朝の出動を告げられた。2月26日未明、30年振りの大雪の中、第１師団歩兵第１連隊、同歩兵第３連隊、近衛師団近衛歩兵第３連隊の各一部中隊に非常呼集がかけられた。蹶起に参加したのは第１師団歩兵第１旅団司令部から将校１名、第１師団歩兵第１連隊第１中隊から将校１名、同第６中隊から下士官１名、同第11中隊（中隊長の丹生誠忠中尉指揮）から将校１名、短期現役軍医志願の見習医官１名、下士官11名、二年兵36名（うち１名は歩兵第49連隊所属）、初年兵115名、同機関銃隊（栗原安秀中尉指揮）から将校２名、短期現役軍医志願の見習医官２名、下士官８名、二年兵37名、初年兵239名、同歩兵砲隊から下士官１名、二年兵１名、第１師団歩兵第３連隊第１中隊（坂井直中尉指揮）から将校３名、下士官８名、二年兵34名、初年兵109名、同第２中隊（坂井直中尉指揮。第１中隊の指揮下に入る）から下士官６名、二年兵12名、同第３中隊（清原康平少尉指揮。第７中隊指揮下に入る）から将校１名、下士官10名、二年兵31名、初年兵110名、同第６中隊（安藤輝三大尉指揮）から将校１名、下士官11名、二年兵46名、初年兵101名、同第７中隊（中隊長の野中四郎大尉指揮）から将校２名、准士官１名、下士官11名、二年兵37名、初年兵105名、同第10中隊（鈴木金次郎少尉指揮。第７中隊の指揮下に入る）から将校１名、下士官９名、二年兵38名、初年兵94名、同機関銃隊から下士官９名、二年兵32名、初年兵115名、第１師団野戦重砲第７連隊第４中隊から将校１名、下士官１名、二年兵11名、近衛師団司令部から下士官１名、同近衛歩兵第３連隊第７中隊から将校１名、准士官１名、下士官２名、二年兵18名、初年兵39名、守衛隊75名、同鉄道第２連隊から将校１名、野砲兵第７連隊から将校１名、飛行第12連隊（所沢飛行学校）から将校１名、豊橋教導学校から２名、民間人９人の計1558名である。襲撃開始予定時刻は0500だった。0000頃、歩兵第３連隊機関銃隊週番士官柳下良二中尉（隊長は豊橋教導学校に出張中で不在）が安藤大尉に呼ばれ、左翼分子の治安撹乱行動に対する警備のため16個分隊を編成して第１・第２・第３・第６・第７・第10中隊に配属させるよう命令された。柳下中尉は当番兵を隊長の自宅に向かわせたが隊長は留守で、１時間以上逡巡した末、下士官に命令を下達した。0100、歩兵第３連隊第１中隊に非常呼集がかけられ、二年兵に120発、初年兵に60発の実弾が渡された。0200、歩兵第１連隊重機関銃中隊の下士官に非常呼集がかけられ、栗原安秀中尉（中隊付将校。中隊長は帰宅中で留守）の部屋に集合すると他に林八郎少尉、第１中隊の池田俊彦中尉、豊橋教導学校の対馬勝雄中尉がおり、林少尉が行動を起こすとの訓示があり、更に命令に背く者は射殺する、目標は岡田総理であると告げられた。中隊は９個分隊に分けられて約半数が小銃の編成となり、襲撃時の部署や任務も伝達された。歩兵第３連隊機関銃隊156名が非常呼集と分隊編成を完了。柳下中尉は安藤大尉から週番司令代理として営内に残るよう告げられていたが、自分だけ残るわけにはいかないと一緒に出動しようとした。しかし安藤大尉に見つかってしまい、結局営内への残留を余儀無くされている。0230、歩兵第１連隊重機関銃中隊の兵に非常呼集がかけられた。栗原中尉が村中大尉、磯部元一等主計、渋川善助ら（民間人含め全員軍服と将校マントを着用）を紹介し、「昭和維新断行のため出動する、皆は私の命のまま動いて貰いたい」との短い訓示の後、首相官邸に向かった。0300、歩兵第１連隊第11中隊の下士官が曹長室に呼ばれると丹生誠忠中隊長、香田大尉、村中大尉、磯部元一等主計がおり、丹生中隊長が蹶起趣意書を読み上げて昭和維新断行を下命、下士官に拳銃弾８発が支給された。下士官は内務班に戻ると兵を一人一人揺り起こし、非常呼集を告げた。営舎前に整列した兵を前に丹生中尉が訓示したが、暴動鎮圧または首相官邸付近の警備に向かうという内容だったという。0320、歩兵第３連隊第１中隊と第２中隊が集合を完了。0330、歩兵第３連隊第６中隊が営舎前に整列。安藤大尉は満州への出動を前にした靖國神社への参拝であると訓示して四列縦隊で鈴木侍従長官邸に向かった。侍従長官邸周辺の様子は事前に安藤大尉が当番兵に偕行社への買い物ついでの偵察を命じており、周囲に高い塀があると判明していたため、隊列の中に二分した消防用梯子を隠していた。行軍の途中、安藤大尉は、侍従長を殺すのが目的ではなく傷ついて分かって貰えばいい、と第１小隊第３分隊長の中島軍曹にささやいたという。0410、歩兵第３連隊第１中隊210名（重機関銃４丁、軽機関銃８丁、小銃130-140丁、拳銃十数丁装備）が営門を出発。小銃分隊８個、軽機関銃分隊８個、機関銃分隊４個を第１突撃隊（坂井直中尉と麦屋清済少尉指揮）、第２突撃隊（高橋太郎少尉と安田優少尉指揮）、警戒隊（指揮官となる予定だった末吉常次曹長が直前に蹶起を通報するため兵器係中島正二軍曹と共に中隊長宅に駆け込み、指揮官不在となった）に分け、斉藤内大臣襲撃に向かった。0420、近衛第３連隊第７中隊に非常呼集がかけられた。0425、歩兵第３連隊第３・第７・第10中隊が営門を出て歩兵第１連隊裏門に向かった。0430、歩兵第１連隊機関銃隊（291名）と歩兵第１連隊第11中隊が営門を出て裏門に回り、歩兵第３連隊第３・第７・第10中隊と合流、首相官邸、陸相官邸、警視庁に向かった。歩兵第３連隊第１中隊と第２中隊が営門を出た。0450、近衛第３連隊第７中隊が衛兵に明治神宮参拝と告げて営門を出発。0500頃、首相官邸を歩兵第１連隊機関銃隊（栗原安秀中尉指揮の291名）が包囲し、表門から主力、裏門から１個小隊60名、通用門から20名が侵入しようとしたが、表門は鍵がかけられて入れず、主力も裏門に回った。裏門は梯子で塀を越える予定だったが、梯子が来なかったので人間梯子を作って乗り越え、鍵のかかった日本間玄関の右にある高窓を壊し侵入した。護衛警官40人は殆どが巡査詰所で寝ており、応戦できたのは数人のみで、警視庁特別警備隊「新撰組」を呼ぶため非常ベルを鳴らしたが、トラックで駆け付けようとした新撰組は警備線で阻止されて武装解除されてしまった。斧まで使用したCQBの後、日本間の中庭に逃れる老人が発見され、林少尉から射殺を命じられた二等兵が発砲。顔と腹に１発ずつを被弾した老人は中庭の壁によりかかって正座し、それを発見した栗原中尉が倉友上等兵に射殺を命令、二六年式拳銃で胸と眉間に１発ずつを命中させて殺害した。栗原中尉は日本間にあった首相の写真と照合し、遺体を寝室に安置、清酒４斗樽で勝利の乾杯を行った。しかしこれは秘書官の松尾伝蔵予備役大佐（岡田啓介首相の妹の夫）で、岡田首相が就任すると同時に福井から上京して秘書官となり、頭髪を短くするなど容姿を首相に似せていて、いざという時の身代わり役を務める覚悟だったと思われる。松尾予備役大佐は襲撃と同時に首相を炊事場や大浴場に避難させ、自分は首相のもとを離れて囮となっていた。首相は浴室を出て洗面室の電灯を消し、寝室を覗いて襲撃隊が松尾予備役大佐を自分と間違えている様子を確認した後、お手伝いさんの部屋に逃れて押し入れに隠れた。他に首相官邸では護衛の警官４人が死亡し、警官の反撃により襲撃隊の２名が負傷、見習医官が襲撃隊の２名とまだ息をしていた警官１人を民間から徴発したトラックに乗せ、看護兵と共に陸軍衛戍病院へと後送している。その後見習医官２名は栗原中尉の命で岡田首相の家族に遺体を対面させる準備を行うことになり、遺体の顔が岡田首相とは違っている事に気付いたが、栗原中尉への報告は控えた。斉藤内大臣私邸には0500に歩兵第３連隊第１中隊が到着、警戒隊は付近の大宮御所や赤坂離宮を睨んで周囲警戒にあたり、第１突撃隊が正門、第２突撃隊が通用門に向かった。ただ正門が簡単に開いたため、第２突撃隊も正門から突入している。詰所にいた30人の警官は為す術無く武装解除され、兵士は雨戸を壊して屋内に入り、二階の寝室にいた斉藤実内大臣を発見。両手を挙げて立ち塞がる夫人を押しのけて安田少尉が拳銃を発砲、次いで坂井中尉と高橋少尉も加わり「天誅国賊」と叫びつつ拳銃を乱射し、内大臣は倒れた。夫人が内大臣に覆い被さったため、その体の下に拳銃を差し込み、軽機関銃の射撃も加えて47発の銃弾を浴びせ殺害した。0515、襲撃を終えた歩兵第３連隊第１中隊は内大臣私邸正門前に集結、天皇陛下万歳を三唱。渡辺教育総監襲撃に向かう下士官・兵30名（高橋太郎少尉と安田優少尉指揮）は野戦重砲第７連隊第４中隊田中勝砲兵中尉が手配したトラックで教育総監私邸に向かい、残りは陸軍省付近に移動した。高橋是清大蔵大臣私邸には近衛歩兵第３連隊第７中隊136名（中橋基明中尉指揮）と近衛師団司令部大江昭雄曹長が軽機関銃４丁、小銃100丁、拳銃数丁で武装して襲撃に向かった。襲撃時には鉄道第二連隊の中島莞爾少尉も加わっている。部隊は中橋中尉指揮の第１小隊（突撃隊。63名）と今泉義道少尉指揮の第２小隊（守衛控兵の当番だったのでその服装をしていた）に分けられており、タイ公使館近くで一時停止して着剣が命じられ、第１小隊にだけ実弾が渡されて弾込めも行われた。この際、中橋中尉が高橋蔵相襲撃を兵に告げている。その後第１小隊のみが数メートル先の蔵相私邸に向かい、表門から中橋中尉ら、東の塀から中島少尉らが邸内に侵入し、二階で臥床中の高橋是清大蔵大臣を発見。中橋中尉が国賊と叫んで拳銃を発射、中島少尉が軍刀で左腕と左胸を切りつけて殺害した。その後第１小隊は中島少尉の指揮で首相官邸に、第２小隊は守衛控兵の出動を装って宮城に侵入するため中橋中尉の指揮で半蔵門に向かった。鈴木貫太郎侍従長官邸には歩兵第三連隊204名（安藤輝三大尉指揮。それぞれ４個分隊からなる第１小隊と第２小隊）が重機関銃４丁、軽機関銃５丁、小銃130丁、拳銃十数丁で武装して0450頃に到着し、安藤大尉と第２小隊が表門、第１小隊が裏門近くの塀から侵入した。官邸警備の警官３人は突然の襲撃に為す術無く武装解除された。裏門から入った奥山軍曹率いる第１小隊第３分隊が寝室の奥の部屋で鈴木侍従長を発見したが、分隊長の奥山軍曹は同士討ちを避けるのと行軍中の安藤大尉の言葉を受け、突入直前に分隊員の銃に安全装置をかけさせて発砲を禁じており、自らも発砲せず、寝室に出てきた鈴木侍従長に対して安藤中隊長に会って欲しいと告げた。直後、表門から入った堂込曹長と永田曹長が侍従長に拳銃計４発（３発？）を発砲。銃弾は侍従長の左耳、左胸、腹部、左鼠径部に命中した。安藤大尉は倒れ込んだ侍従長を寝床の上に運ばせ、傍らに正座した夫人に蹶起理由を説明、夫人は「良く判りました」と応じた。安藤大尉は侍従長の脈があるのを確認し、「最期のとどめをさせて頂きます」と話し軍刀を侍従長の喉に当てたが、夫人が「それだけは私に任せて下さい」と言ったため、安藤大尉は「武士の情けというものがある」と告げて挙手の礼をし、兵士も安藤大尉の号令で捧銃をしてそのまま立ち去った。夫人は直ちに湯浅宮内大臣に通報、侍医を派遣するよう求めたが、宮内省は実力を優先し日本医科大学の塩田廣重教授（日本で初めて輸血を行った医師で、以前狙撃され重傷を負った浜口首相を救命した）に連絡。現場に駆けつけた教授は１円タクシーで大学に運び込んで手術を行い、心肺停止状態に陥った侍従長を輸血と蘇生術で救命した。頭に当たった弾丸は角度が浅く頭蓋骨に弾かれて後ろに抜け、心臓部に命中した弾丸は骨で滑り背中で止まり、腹部の弾丸は急所を外れていたという。鼠径部の弾丸は骨盤の上に残っているのが翌日に発見され、内出血で陰嚢が膨れていたため、塩田教授は心の中で「鉛玉　金の玉をば　通し兼ね」という迷句を詠んだ、というのは余計な話である。0530、侍従長官邸襲撃部隊は三宅坂に向かった。牧野伸顕前内大臣別邸・湯河原伊藤屋旅館別館襲撃隊の７名（所沢陸軍飛行学校の河野寿大尉指揮。部下がいないため栗原中尉が予備役３名と民間人２人、歩兵第一連隊現役の宇治軍曹と黒沢一等兵を派遣）はハイヤー２台に分乗して0400頃に到着した。0500、電報配達を装って河野大尉、宮田予備役曹長、宇治野軍曹、水上源一が勝手口を叩いた。残る４名は軽機関銃を表門と裏口に据えて待機した。勝手口には宿直警官の皆川巡査が出てきたため、河野大尉が拳銃を突きつけて牧野前内大臣の寝室に案内させた。しかし幅1m弱で真っ暗の廊下の角を曲がった瞬間に皆川巡査が拳銃で反撃。河野大尉が胸部に被弾して重傷を負い、「俺に替わって誰か突っ込め」と叫んだが続く者は無く、外から寝室に向け軽機関銃を乱射して別館に放火した。牧野伸顕前内大臣が自決したとの情報も入ったが、実際には裏山に逃れて無事だった。皆川巡査は河野大尉から銃撃を受けており、焼け跡から焼死体で発見された。歩兵第１連隊第11中隊を主力とする三宅坂（陸軍大臣官邸・陸軍省・参謀本部がある）占拠部隊170名（丹生誠忠中尉指揮）は重機関銃２丁（８丁？）、軽機関銃４丁（十数丁？）、小銃150丁、拳銃12丁で武装し、0420に出発して0500に三宅坂一体を制圧した。警視庁制圧部隊は警察との戦闘を考慮して第３連隊第10中隊主力の500名（指揮は野中四郎大尉）を擁しており、重機関銃８丁、軽機関銃十数丁、小銃数百丁、拳銃数十丁で武装して0430に出発、0500頃に警視庁前に到着した。屋内の警察官に決起の趣旨を告げて行動を停止させ、ほぼ抵抗なく警視庁の占拠に成功している。統制派の重鎮とされた渡辺錠太郎教育総監の私邸には歩兵第３連隊30名（安田優少尉指揮）が軽機関銃４丁、小銃10丁で武装してトラックで向かい、0700頃に到着。安田少尉、高橋太郎少尉を含む5-6名の襲撃班が表門から入ったが、玄関が開かないため中島与兵衛上等兵に軽機関銃を発射させた。教育総監邸には護衛憲兵２名が宿泊しており、首相官邸などへの襲撃情報が入っていたため反撃を実施、安田少尉に右大腿への貫通銃創、分隊長木部正義伍長に右大腿への盲管銃創を負わせた。ただ命に別状は無く、その後数分して裏口が開いていることが判明したため、襲撃班は裏口から突入。「帝国軍人が土足で家に上がるのは無礼でしょう、お帰り下さい、それが軍隊の命令ですか、他に方法が無いものですか」と叫んで立ち塞がる夫人を押しのけ、奥の寝室で渡辺教育総監を発見した。渡辺教育総監は布団を被って拳銃で反撃してきたが、軽機関銃と拳銃で射撃した後、軍刀で頭を切りつけて殺害した。その後歩兵第３連隊は赤坂見附台付近に歩哨線を張り、政府要人や軍幕僚らの登庁参内を阻止。しかし突きつけられた銃をものともせず強引に突破しようとする軍人は多数おり、渡された名刺は厚さ3cmにもなったという。クーデター首脳部の標的だった石原莞爾大佐も突破しようとしたが、歩哨に立っていた麥屋清済少尉の忠告に従い「お前達の気持ちは良く分かっておる」と言い残して軍人会館の方に回っていった。0505-0506頃、歩兵第１連隊第11中隊主力の170名（丹生誠忠中尉指揮）が陸軍大臣官邸、参謀本部、陸軍省を包囲。陸軍上層部に蹶起を認めさせて維新政府樹立を上奏させるため、磯部浅一元一等主計、村中孝次元大尉、香田清定大尉が陸軍大臣官邸に押し入って川島義之陸軍大臣への面会を要求した。0540頃、甘露寺侍従が天皇陛下に事件勃発を奏上。0610、東京日日新聞が東京から専用電話で名古屋、大阪、門司の各本社に東京での五・一五事件以上の大事件発生を急報。各本社では号外が出された。他の新聞社も事件勃発を知り、憲兵隊本部に取材のため殺到したが、発表は全てラジオで行われた。0630頃、陸軍大臣が官邸に入り、決起部隊から決起趣意書と陸軍大臣への要望（事態を収拾し維新を進めること、蹶起の趣意を天皇に奏上すること、宇垣大将、小磯中将、建川中将を直ちに逮捕し、根本大佐、武藤中佐、片倉少佐を即時罷免すること、ソ連威圧のため荒木大将を関東軍司令官に任命すること、事態の安定まで蹶起部隊を警備隊に編入して占拠地に止めることなど）を聞かされたが、勅許を得ないとできないことは自分の判断だけでは行えないと返答した。また、決起部隊を義軍と決定するよう要求されたが、拒否した。話が進まないため、決起部隊は皇道派の真崎、古荘、山下、今井各将軍、村上、鈴木両大佐、満井中佐の来邸を要求、陸軍大臣は受け入れた。現場には決起将校派の斉藤予備少将や歩兵第１連隊長小藤恵大佐と週番司令山口一太郎大尉が駆け付けて決起部隊と共に陸軍大臣を説得したが、石原莞爾大佐が到着して命令を聞かねば軍旗を持ってきて討伐すると言い放ったため一触即発になりかけた。皇道派の代表格である軍事参議官の真崎甚三郎大将も到着、磯部が統帥権干犯の賊軍を討つため蹶起したと告げると、「とうとうやったか、お前達の心はよおっ分かっとる、よおっ分かっとる。宜しきように取りはからうから」と返答した（「馬鹿者！なんと言うことをやったか！」と怒声を浴びせたという説もある）。真崎大将は陸軍大臣に戒厳令を敷いて事態を収拾するよう迫ったが、陸軍大臣は何もしないままだった。陸軍省軍務局の片倉衷少佐も駆け付けたが、磯部に拳銃で頭部を撃たれて重傷を負った。0640頃、杉山参謀次長（当時参謀総長は病気療養中、教育総監は殺害され、陸軍大臣は監禁されていて、事実上陸軍三長官代理の立場であった）が憲兵からの連絡で事件を知り、0850に臨時陸軍省兼参謀本部となっていた憲兵司令部に入った。参謀本部は決起部隊の行為を統帥権の侵犯であり軍の組織を脅かすものと判断しており、最初から弾圧する方針で、宇都宮や佐倉から応援を呼んで決起部隊を包囲すべきであると参謀次長に具申したが、まだ時期尚早であるとして参謀次長は応じず、0920に宮中に入った。だが参謀本部側はなるべく早い対応が必要であると考え、作戦班長が参謀次長を追いかけて説得、第１師団の甲府・佐倉連隊を東京に向かわせることに同意させた。0800、内務省から新聞各社に本事件に関する記事掲載禁止の通達が出された。0900頃、陸軍大臣が参内して天皇陛下と面会。天皇は今回の事件について精神の如何を問わず甚だ不本意であるとして、早期鎮定を命じた。0900過ぎ、東京朝日新聞東京本社に反乱軍部隊がトラック３台で乗り付けて包囲、乗り込んできた将校は国賊朝日を倒すなどと興奮状態だったが、主筆が諌め、反乱軍は活字ケースなどを倒して引き揚げた。反乱軍は電通、東京日日、国民、報知、時事新報も訪れ、蹶起趣意書の掲載を要求。各社は内務省の記事掲載禁止通達を受けて報道しなかったが、東京夕刊新報のみ当日夕刊で報じた（1600頃に発禁命令が出て押収された）。1400から宮中東溜の間で非公式の軍事参議官会議（天皇ではなく陸軍大臣が諮問）を実施。陸軍大臣や軍事参議官の他、別室に香椎浩平東京警備司令官、杉山元（はじめ）参謀次長、山下奉文軍事調査部長、石原莞爾作戦課長らが集結した。軍事参議官荒木大将は皇軍相撃を避けるべきとし、決起部隊に対して意図が天聴に達したと告げ、兵営に帰還するよう説得する方針を表明。これに沿って山下軍事調査部長と村上軍事課長が説得用の告示文を製作、一旦は軍事調査部長が決起将校に渡すことになった。しかし参謀次長は軍事参議官に対し、事態の収拾は責任者である三長官が実施すべきで、軍事参議官が干渉すべきではないと釘を刺したため、陸軍大臣が告示として発表することにした。1500、東京警備司令部は第１師団管内に戦時警備令を下令。決起部隊を警備部隊として組み込んだ。1520、陸軍大臣告示が出された（決起将校に対しては1400過ぎから陸軍大臣官邸で山下軍事調査部長が繰り返し読み上げた）。蹶起の趣旨は天聴に達せられた、行動（その後真意に変わる）は国体顕現の至情に基づくものと認める、軍事参議官もこの趣旨に沿って邁進するといったクーデターを承認するような内容で、これ以上のことは大御心を待つというものだった。しかし昭和天皇は側近（全幅の信頼を置く鈴木侍従長、内大臣を辞職した際に天皇が号泣したといわれる牧野前内大臣ら）や首相を殺害した決起部隊には一切理解を示さず、20-30分おきに侍従武官長を呼び寄せて早期鎮定を迫った。決起部隊は参謀本部や陸軍省の建物だけを占領していて重要人物の身柄を拘束せず、出入りも自由にしたため、迅速にクーデター賛同で固めきることができずにいた。参謀本部は作戦課長石原莞爾大佐を中心に断固鎮圧の方針をとり、作戦課は最高責任者の杉山参謀次長（参謀総長閑院宮載仁元帥は病気療養中）に対して東京への兵力招致を具申、杉山参謀次長は第１師団の歩兵第49連隊（甲府連隊）と歩兵第57連隊（佐倉連隊）の招致を天皇に上奏し、次いで第２師団を仙台から、第14師団を宇都宮から呼び寄せた。海軍は米内光政横須賀鎮守府長官が鎮圧の方針を明確にして横須賀海軍陸戦隊を東京芝浦に派遣、演習のため土佐沖にいた連合艦隊は東京湾と大阪湾の警備命令を受けてそちらに向かった。1600、第１師団命令により、決起部隊は歩兵第３連隊長の指揮下に入って現在地の警備を命ぜられた。1900、東京警備司令部は軍隊に対する告示を出し、1500を以て第１師団管区に戦時警備を下令したと発表。東京に戦時警備令が発令されたことと、事件の勃発がラジオから放送された。1928、東京警備司令部は師戦警第一号・第二号を発表。決起部隊は歩兵第１・第２連隊の隷下に入って市内の治安維持にあたるとした。決起部隊は原隊から食事提供を受けるなど、決起は成功したかのような雰囲気であった。2015、陸軍省が初めて事件の概要を発表。深夜、参謀本部作戦課長石原莞爾大佐と野戦重砲第二連隊長橋本欣五郎大佐が憲兵司令部で会談。皇軍相撃を避けるため、天皇陛下に決起部隊の大赦を奏上し、反乱軍を降参させた上で軍の力で革新政府を樹立するという方針で一致し、杉山参謀次長の了解も取り付けた。2月27日0130、後藤文夫臨時首相代理により、岡田内閣が総辞職した。0200、石原大佐と橋本大佐が帝国ホテル玄関応接間で会談。決起部隊に通じる満井佐吉中佐と亀川哲也も同席し、大赦と引き替えの撤収を伝えるため村中孝次と磯部浅一のもとに向かった。村中は撤退の意向で固まったが、磯部は断乎反対している。0240、枢密院が戒厳令の施行を決定。川島陸軍大臣は反対したが、杉山参謀次長が強行に主張して通ったものである。0350、東京市に戒厳令が敷かれ、三宅坂に戒厳司令部が設置された。戒厳司令官は東京警備司令官香椎浩平中将である。0440、戒厳司令部は戒作命第１号を発命、近衛師団と第１師団に現在の体制で警備を行うよう命じた。決起部隊も第１師団隷下の小藤部隊（小藤大佐指揮）として南部麹町地区警備の任務を与えられており、完全に官軍扱いで、これを聞いた磯部浅一は万歳を唱えた。0600、戒厳司令部が九段の軍人会館に移動。0815、戒厳司令部告諭第１号「帝都付近全般の治安を維持し緊要なる物件を掩護すると共に赤系分子等の盲動を未然に防遏するの目的に出づ」を発表。0820、天皇が戒厳司令官に対し、決起部隊を原隊に復帰させよという奉勅命令を裁可。ただし皇軍相撃を避けるため軍事参議官と部隊長が決起部隊を説得中であり、命令公布の時機は参謀総長に委任下さるよう杉山参謀次長が言上したため、正式な発令は翌日0508となり、それまで効力は無かった。天皇は股肱の老臣を殺戮されたことに対する怒りが収まらず、本庄侍従武官長は同日中に13回も呼び出されて決起部隊鎮定を督促された。その度に武官長が決起部隊の精神を認めるよう説得したが、天皇はこの蹶起は自分の首を真綿で絞めるような行為であるなどと漏らし、遂に近衛師団を自ら率いて鎮定に当たるとまで仰言するに至った。1000前、西田税が首相官邸の磯部に電話をかけると、磯部は村中の撤退案に断乎反対したことを告げた。1000、反乱軍将校全員が陸軍大臣官邸に呼ばれた。昼頃、陸軍衛戍病院から患者の問い合わせがあったため、歩兵第１連隊機関銃隊の見習医官１名が病院に向かった。到着して前日に後送した警官が病院で死亡した件について照会していると、病院長が院長室内に引っ張り込んでクーデター部隊に戻らないよう説得。見習医官は同僚２名を迎えに行くと言って戻り、無事に衛戍病院へと連れ帰っている。1327、岡田首相が弔問客のふりをして憲兵の手により自宅を脱出、真浄寺に入った。1400頃、陸軍大臣官邸で反乱軍将校（栗原中尉と林少尉を除く）と軍事参議官３名（真崎甚三郎大将、阿部信行大将、西義一大将）との会合が開かれた（立会人は歩兵第１連隊長小藤大佐と同副官の山口大尉）。村中大尉は維新断行と時局収集を要請したが、真崎大将からの返答は、陛下が御宸念を悩ましておられ、このままでは錦旗に刃向かうことになるから早く原隊に戻れというもので、物別れに終わった。1600、海軍艦隊（旗艦長門）が東京湾御台場沖に布陣。主砲を永田町に向けた。1659、天皇陛下の弟である秩父宮雍仁親王殿下が弘前連隊から上京し、皇居に入った。夕方、野中部隊が鉄道大臣官邸（支隊本部も置かれた）、鈴木部隊が文部大臣官邸、清原部隊が大蔵大臣官邸、栗原部隊と中橋部大が首相官邸、田中部隊と磯部が農林大臣官邸、歩兵第一連隊丹生中尉部隊が赤坂の山王ホテル、歩兵第三連隊安藤大尉部隊が料亭幸楽に移動。甲府連隊と佐倉連隊が東京に到着。戦車も配備され、重砲部隊が日比谷に展開した。2000、麹町署署長室の非常電話に天皇陛下と思われる人物から電話が入り、鈴木侍従長と岡田首相の安否について尋ねてきたという。2030、香椎戒厳司令官が天皇に翌日夕方までの平和的解決を上奏した。2300頃、首相官邸が襲撃されるという噂が流れ、磯部は偕行社や軍人会館への逆襲を考えたが、林八郎が戒厳令下にある決起部隊を攻撃することはなかろうと告げたため、立ち消えになった。2月28日0000過ぎ、歩兵第一連隊の山口一太郎大尉のもとに、陸軍戸山学校の柴有時大尉（臨時戒厳司令部で勤務していた）から、夜明けに奉勅命令が下達されるという電話が入った。山口大尉は連隊長の小藤恵大佐に報告。両名は鈴木貞一大佐と共に戒厳司令部に向かい、山口大尉は皇軍相撃を何としても防いで欲しいと香椎中将に奉勅命令下達の延期を懇願した。その場には石原莞爾大佐がおり、２時間に及ぶ山口大尉の交渉を黙って聞いていたが、突然立ち上がると「直ちに攻撃。命令受領者集まれ」と号令をかけて部屋を出た。ドアの前に集まった鎮圧各部隊に対し、「軍は本28日正午を期して総攻撃を開始し、反乱軍を全滅せんとす」と下命、攻撃要領を伝達。小藤大佐と満井中佐の首筋を掴まえ、軍使として決起部隊に降参しなければ殲滅すると伝えるよう告げて階段の方に押しやった。0508、香椎戒厳司令官が天皇による鎮定の奉勅命令「臨変参命第三号　戒厳司令官は三宅坂付近を占拠しある将校以下を以て速かに現姿勢を徹し各所属部隊長の隷下に復帰せしむべし　奉勅　参謀総長　載仁親王」を公布。この瞬間、決起部隊は反乱軍となった。決起部隊にも奉勅命令下達の噂が流れ、占拠していた首相官邸から村中元大尉、香田大尉、対馬中尉、竹島中尉が第１師団長のもとに向かい、奉勅命令を実施しないよう説得しようとしたところ、師団長は奉勅命令が師団に下達されていないという返事であった。0800、戒厳司令官室で陸軍大臣、陸軍次官、軍務局長、参謀次長、軍事参議官代表林大将、同荒木大将、香椎戒厳司令官、満井佐吉中佐らが協議を実施。満井中佐は維新を実現させるよう申し入れ、香椎戒厳司令官も石原大佐が起案した維新断行に関する上奏案を述べたが、陸軍参謀部は断乎制圧の方針を変えず、上奏は断念された。これを受けて石原大佐は直ちに攻撃を開始しようとしたが、安井戒厳参謀長は奉勅命令が周知された後にすべきであるとして第１師団長堀丈夫中将を招致することにした。1000、東京中央放送局のラジオ用スタジオが愛宕山から九段軍人会館の戒厳司令部に設けられた臨時スタジオに移転、以降はここからラジオを通して戒厳司令部発表が放送された。1040頃、堀第１師団長が戒厳司令部に出頭。師団長は、皇軍相撃を避けるため説得に当たるので奉勅命令の下達は暫く待って欲しい（結局最後まで奉勅命令は決起部隊に伝わらなかった）と告げ、山下少将、鈴木大佐、山口大佐も加わって陸軍大臣官邸で決起将校の説得を開始した。これで一旦は帰順の方向に傾きかけ、戒厳司令部にも正午過ぎに将校が自決、大命に従って下士官・兵を天皇に返上するという報告が入った。しかし安藤輝三大尉、坂井中尉、磯部らが強硬に反対、北一輝や西田税からも徹底抗戦の電話がかかり、再度決戦の方向に転換、決起将校は隷下部隊に檄文「尊皇討奸の義軍は如何なる大軍も兵器も恐れるものではない。又如何なる邪知策謀をも明鏡によって照破する。皇軍と名のつく軍隊が我が義軍を討てる道理がない。大御心を奉戴せる軍隊は我が義軍に対して全然同意同感し、我が義軍を激励しつつある。全国軍隊は各地に蹶起せんとし、全国民は万歳を絶叫しつつある。八百万の神々も我が至誠に感応し加護を垂れ給う。至誠は天聴に達す、義軍は飽くまで死生を共にし昭和維新の天岩戸開きを待つのみ。進め進め、一歩も退くな、一に勇敢、二にも勇敢、三に勇敢、以て聖業を翼賛し奉れ。昭和11年2月28日　維新義軍」を発した。秩父宮、朝香宮、東久邇宮らが軍事参議官に対し、事件を憂慮しているが下士官・兵を斃すことは大御心でないから出来るだけ原隊に復帰させるように、と伝えた。1100、杉山参謀次長は参内して本庄繁侍従武官長に決起部隊討伐を報告。参謀次長が参謀本部に向かった後、武官府には戒厳司令部と第１師団長が協議した結果、討伐が延期されたという連絡が入った。1140、参謀本部に帰った杉山参謀次長が討伐延期を知らされた。1300、川島陸軍大臣と山下少将が参内し、本庄繁侍従武官長に面会、クーデター首謀者が自刃して下士官と兵は原隊に復帰することになったので、勅使を派遣して死出の光栄を与えて欲しい、と天皇陛下に上奏するよう依頼した。侍従武官長は勅使派遣は不可能だろうと考えたが、一応上奏してみたところ、案の定「自殺するなら勝手にせよ、この如き者に勅使などもっての他だ、第１師団長が積極的に討伐できないというのは自分の責任を理解していないのだ」と未だかつて見たことない気色で言責され、直ちに鎮定するよう厳達せよとのご返答であった。1440、秩父宮が歩兵第３連隊第３中隊長森田大尉に電話で面会を要求。森田大尉は秩父宮邸で状況を説明した。秩父宮は決起将校らを反乱軍にさせたくないからせめて軍人らしく死なせてやれと述べ、また部下を持たない指揮官（現役でない磯部・村中ら元軍人のこと）がいるのは誠に遺憾であるとした。1545、森田大尉は秩父宮邸を出て大隊本部に戻り、本江大隊長と渋谷歩兵第３連隊長に報告。1600、安藤中隊長は歩兵第３連隊第６中隊に対して警戒配置を命じた。1600過ぎ、戒厳司令部に決起将校が昼食後に形勢を一変させた、奉勅命令も徹底していないという連絡が入ったため、安井戒厳参謀長は激怒。司令官が３日にわたり好意をもって一生懸命努力してきたのに、また勅命に背くとは、もはや皇軍ではなく犬畜生だと憤慨し、直ちに攻撃しようとしたが、夜間の市街戦になるので思いとどまり、翌日早朝から攻撃を行うことにして住民の避難準備などを命令した。1615、渋谷連隊長と森田中隊長が第１師団長に秩父宮の意見を報告。1700、渋谷連隊長と森田中隊長が幸楽にいる安藤中隊長を訪問し、秩父宮との会談の内容や、奉勅命令が出されたことなどを告げた。これに対して安藤中隊長は奉勅命令を決起部隊の誰も見ていないこと、部下を帰順させる意志の無いことを表明。1800、堀第１師団長が小藤第１連隊長に対し、決起部隊を指揮下から外すよう命令。決起部隊への食糧供給も止まった。2000、戒厳司令官が各部隊に対し、翌0500からの攻撃開始を準備するよう命令。夜、近衛歩兵第３連隊第７中隊が分隊単位で離脱を開始（同日午後に分隊長が警官詰め所で密かに脱出を打ち合わせていた）。2200過ぎ、坂井隊は幸楽を出て陸軍省と参謀本部付近に展開。2300、戒厳司令官は戒作命第十四号で「反乱部隊は遂に大命に服せず、依て断乎武力を以て当面の治安を恢復せんとす」との鎮圧命令を発令。右翼隊として歩兵第57連隊（第３大隊欠）、中央隊として歩兵第２旅団（歩兵第３・第57連隊欠）、歩兵学校教導隊、工兵第14大隊の１個中隊、左翼隊として歩兵第１旅団（歩兵第１連隊と第49連隊の２個中隊欠）、歩兵第59連隊の１個大隊、野砲兵中隊、工兵第１大隊、戦車隊として野戦第２連隊、砲兵隊として野戦重砲兵中隊、予備隊として歩兵第１連隊、歩兵第２連隊第１大隊、歩兵第３連隊（決起部隊除く）を配置した。総兵力は戒厳司令部350名、近衛師団6914名、第１師団7063名、第２師団1964名、第14師団4491名、教育総監部1651名、憲兵隊1408名の計23841名で、戦車数十両、重砲、航空機、更には連合艦隊が制圧準備を完了。対する決起部隊は1500名余り、兵の殆どは1月10日に入隊したばかりの初年兵であり、強力な包囲制圧部隊を前に士気が乱れ始めた。2300頃、戒厳司令部に捕縛された３名の決起部隊上等兵が連行された。参謀や曹長が尋問すると、自分は中隊長殿や小隊長殿と一緒に死んでゆきます、立派な中隊長殿の命令に背くことはできませんと言って号泣したため、その場にいた陸軍省新聞班大久保弘一少佐は下士官と兵に対する説得を決意した。2月29日0200、歩兵第３連隊第６中隊は幸楽を出て山王ホテルに移動。山王ホテルでは決起部隊に同情してオニギリを用意している。0300過ぎ、大久保弘一少佐は偕行社に向かい、林大将、荒木大将、真崎大将、阿部大将、西大将、寺内大将、植田大将らと面会。何も知らず上官達の命ずるまま逆賊扱いされている下士官と兵を説得するため、航空機と戦車で降伏勧告文を撒くことを提案し、各大将は攻撃を半日延ばすことに同意した。大久保少佐は朝日新聞などの協力を得てビラ３万枚を発行。立川の飛行隊と戦車部隊に配布した。0530、戒厳令下にある電車とバスは全て運転を中止。0600、戒厳司令部は戒厳司令部発表第４号を放送。当分外出を見合わせて火災予防に努めること、特別に命令のあった地域の他は避難しないこと、ラジオなどで正確な情報を流すので流言飛語に惑わされないことを要請した。東京市の小中学校は全て休校となり、避難地域の住民は麹町小学校、坂仲ノ町小学校、氷川小学校、三会堂などに避難。丸の内地区の避難場所には日劇や東京宝塚劇場などが指定された。0710、戒厳司令部発表で戦闘区域付近の住民に流れ弾に注意するよう呼びかけられ、市電三宅坂から赤坂見附、溜池、虎ノ門、桜田門、警視庁前、三宅坂を結ぶ線は戦闘区域になるため避難、半蔵門前警視総監官舎から弁慶橋を繋ぐ外郭を行き、黒田侯邸から大倉商業、霊南坂上、虎ノ門をまつわる区域は随意避難、その外郭は交通停止区域とされた。0800、航空機と戦車からビラ「下士官兵に告ぐ　一、今からでも遅くないから原隊に帰れ　二、抵抗する者は全部逆賊であるから射殺する　三、お前達の父母兄弟は国賊となるので皆泣いておるぞ　二月二十九日　戒厳司令部」「お前達の中から逐次奉勅命令の御趣旨を体して原隊へ復帰するものが生じつつある。今からでも遅くない。早く抵抗を止めて帰って来い。　戒厳司令部」の配布を開始。しかし航空機から撒いたものは殆どが宮城の堀に落ちたとみられ、兵には達しなかったという報告が飛行隊から入り、連隊本部には決起部隊の家族が押しかけているという連絡が戒厳司令部に寄せられた。そこで戒厳司令部は大久保少佐に対し、反乱軍の多くはラジオを聞いているようだから帰順勧告をラジオ放送するよう命じた。大久保少佐は戒厳司令部内の臨時放送室に向かい、マイクを持って呼びかけようとしたが、言葉が出てこなかったため、その場にあった陸軍の原稿用紙に２分足らずで文章を書いた。0855、戒厳司令部は反乱部隊に対し、ラジオを通して帰順を呼びかける「兵に告ぐ」を発表。読み上げたのは東京中央放送局の中村茂アナウンサーだった。「戒厳司令部発表　兵に告ぐ　遂に勅命が発せられたのである。既に天皇陛下の御命令が発せられたのである。お前達は将校の命令を正しいと信じ絶対服従をして誠心誠意活動して来たのであろうが、既に天皇陛下の御命令によってお前達は皆原隊に復帰せよと仰せられたのである。この上お前達が飽くまで抵抗したならば、これは勅命に反抗することになり逆賊とならなければならない。正しいことをしていると信じていたのに、これが間違っておったと知ったならば、徒らに今までの行懸りや義理上から何時までも反抗的態度を取って天皇陛下に背き奉り逆賊としての汚名を永久に受けるようなことがあってはならない。今からでも決して遅くないから直に抵抗をやめて軍旗の下に復帰するようにせよ。そうしたら今までの罪も許されるのである。お前達の父兄は勿論のこと国民全体もこれを心から祈っているのである。速かに現在の位置を捨てて帰って来い　戒厳司令官　香椎中将」中村アナウンサーは放送を繰り返しているうちに涙が出てきて声が詰まりそうになることもあったという。また、日比谷交差点飛行館ビル屋上には「勅命下る軍旗に手向かふな」のアドバルーンが揚げられ、遂に帰順が始まった。0930、警視庁方面の決起部隊の一部が帰順したとの報告が戒厳司令部に入った。その後、歩兵第３連隊第６中隊を除く全部隊が1300までに帰順。決起将校は陸軍大臣室に集合した。軍首脳部は決起将校の自決でけりを付ける準備を整えており、第１衛戌病院から看護兵を呼び寄せ、30個以上の棺桶まで準備されていたため、野中大尉や栗原中尉が反発。決起将校が最後の討議で自決を決定しようとした時に野中大尉が説得し、自決せず公判闘争を行うことで一致した。直後に野中大尉は渋谷歩兵第３連隊長と前第３連隊長井出大佐に呼び出されて秘書官室に入ったが、10分ほどして銃声が響き、憲兵が駆け付けると野中大尉が拳銃を握ったまま死亡していた。自決とみられるが、最後まで決起将校に自決を思いとどまるよう説得にあたっており、他殺説もある。最後まで帰順しない歩兵第３連隊第６中隊が立て籠もる山王ホテルには昼前から堀丈夫第１師団長、旅団長、参謀、連隊長、第２大隊長伊集院兼信少佐、中隊長らクーデター部隊の上級指揮官が次々と訪れ、安藤大尉に説得を試みた。午後からは決起将校も加わって帰順を説得したが、安藤大尉は拒否を続けたため次々とその場を去り、磯部と村中だけが残った。1430頃、山王ホテルに陸軍大臣官邸から伝令の将校が訪れ、野中大尉が自決したため磯部と村中に陸軍大臣官邸に戻るよう伝えた。安藤大尉は歩兵第３連隊第６中隊を山王ホテルの玄関に整列させて訓示を行い、連隊への帰順を命じた。そこに伊集院少佐が到着、安藤大尉に対し俺と一緒に死のうと呼びかけ、安藤大尉もそれに応じて拳銃を取り出したため、当番兵の前島清上等兵と磯部元主計が安藤大尉に飛びついて阻止。一旦は拳銃を収め、全員が号泣する中で中隊歌の合唱が始まった。２番に入る頃、安藤大尉は隊列の右から後方に移動、突如拳銃を引き抜くと顎の下に当てて自殺を図った。しかし弾丸は脳内には達せず左こめかみの直下で止まり、下士官４名が陸軍第１衛戌病院に運び込んで安藤大尉は一命を取り留めた。1500に戒厳司令部が「午後２時頃を以てその全部の帰順を終わり、ここに全く鎮定を見るに至れり」と反乱の終結を発表。クーデターは失敗した。1520、戒厳司令部が避難命令解除と1610頃の交通制限解除を発表。原隊に復帰した下士官と兵は営庭のテントに収容されて憲兵の取り調べを受けた。首謀者のうち自決した２名以外と、蹶起に加わった将兵や民間人は、当初常設の師団軍法会議（第１師団）で裁く予定だったが、天皇の強い意志と迅速な事件処理の必要性から、戒厳令下の緊急勅令による特設軍法会議（一審制で非公開、弁護人も付かない）にかけられることが枢密院本会議で可決された。これにより、法廷闘争で国民に蹶起の真意を伝えることは不可能となった。五・一五事件での甘い処罰が誘因になったとの意見から20名が死刑に処され、69名が有罪（分隊長級は禁固15年の求刑に対して禁固２年・執行猶予３年）となった。途中で離脱した見習医官３名は予審だけで不起訴になったが、免官・軍籍剥奪の行政処分を受けた（最終的に太平洋戦争で懲罰召集を受け軍医見習士官として軍籍が復活）。民間人の北一輝と西田税に関しては陸軍刑法で反乱罪の首魁にあたるとの判断だが、思想的影響を与えただけで計画に加わった訳でもなく、裁判長が軍に対して上申書まで出しているものの、死刑判決が出された（軍は量刑を既定しており、それに従って取り調べや裁判を進めたともいわれる）。五・一五事件とは逆に首謀者側に国民の同情は集まらず、軍部批判の大論評を張ったのも時事新報くらいで、大部分の新聞は軍部批判を自ら封じ、暴力に屈して言論の自由を失う結果となった。その後陸軍主流派は粛軍人事を行って皇道派を追放。ドイツの新聞特派員を装って東京に来ていたソ連諜報員リヒャルト・ゾルゲは、皇道派が勢力を失って統制派が台頭したため、日本軍の矛先はソ連ではなく中国に向かうという報告をソ連に送った。また、赤穂四十七士のような忠誠心を日本人がこよなく愛しており、青年将校らはこの特性を最大限に利用して、自分達の行動を天皇や国家に対する忠誠心からきたものであると発表している、と評した。3月5日1530頃、牧野前内大臣襲撃班を指揮した河野寿大尉が入院先の熱海衛戌病院で果物ナイフにより割腹自殺した。5月18日、陸海軍大臣は現役の大将・中将、次官は現役の少将に限定するという現役武官制を敷き、組閣を軍部が制御できる体制を確立した。これを批判するような報道は皆無だった。7月12日0700-0850、安藤輝三大尉、香田大尉、栗原安秀中尉ら蹶起将校13名と渋川善助、水上源一の民間人２人に対し、陸軍衛戌刑務所特設処刑場で３回に分けて銃殺刑が執行された。処刑総指揮官は歩兵第57連隊山之口甫大尉で、指揮官や射手は第１師団から集められた。偽装のためか隣接する代々木練兵場では近衛歩兵第２連隊が空包を大量に使って演習を行っていたが、明らかに異なる実包の発射音が聞こえてきたという。7月18日0000、戒厳令が解かれた。昭和12年8月19日、村中孝次大尉、磯部浅一大尉、北一輝、西田税に対する銃殺刑が執行された。事件関係者の遺骸は埋葬が許可されなかった。9月25日、反乱者を利する言動があったとして起訴されていた軍事参議官真崎甚三郎大将に、言動の内容はその通りだが反乱者を利する意図があったという証拠が無いということで、無罪が言い渡された。太平洋戦争終結後に関係者が占領軍の取り調べ対象となったが、デモクラシーだということで戦犯容疑者にはならなかった。昭和40年2月26日、銃殺刑にされた青年将校と民間人19名、自決した将校２名、永田軍務局長斬殺事件の相沢中佐を悼む「二十二士之墓」が元麻布の賢祟寺に建立された。参考：未公開写真に見る２・26事件、月刊軍事研究7,’05、8,’95、月刊丸4,’99、歴史群像4,’11、4,’18、日本医事新報No.4550、軍医サンよもやま物語

＜２Ａ１０＞：ZSU-23-4（自走対空機関砲）を参照。

＜２Ａ１７＞：M-62T2（戦車砲）を参照。

＜２Ａ１９＞：T-12（対戦車砲）を参照。

＜２Ａ２１＞：D-68（戦車砲）またはD-81（戦車砲）を参照。

＜２Ａ２０＞：U-5TS（戦車砲）を参照。

＜２Ａ２８＞：ソ連陸軍73mm低圧砲、別名グロム（雷鳴）。BMP-1の主兵装で、歩兵用SPG-9対戦車無反動砲を基に開発された。使用弾はPG9対戦車てき弾、PG15V対戦車てき弾など。有効射程700-1000m。アフガン侵攻で発射速度の遅さ、榴弾威力の無さ、射程の短さが露呈し、BMP-2では30mm機関砲が採用された。参考：月刊軍事研究11,’02

＜２Ａ２９＞：MT-12（対戦車砲）を参照。

＜２Ａ３１＞：ソ連陸軍2S1自走砲の主砲で、別名D-32（D-30S？）。D-30牽引砲を車載型に改修したものである。試作中に発射ガスが砲塔内に逆流してくるという欠点が発覚し、閉鎖機にプラスチック製閉鎖具を取り付けたD-16、分離装薬式のD-17/D-17Mを作ったが解決できず、砲口排煙器強化と薬莢改良などを施して漸く完成した。砲口部にダブルバッフル式マズルブレーキが付いている。全長4.27m、口径長35.5、重量955kg。使用弾は榴弾が3OF7、3OF8、3OF24、3OF24Zh、3OF56、3OF56-1、53-OF-462、53-OF-462Zh、成形炸薬弾が3BP（装甲貫徹力180mm）、3BK6（装甲貫徹力400mm）、3BK13（装甲貫徹力460mm）、化学弾が53KhSO-462D、53KhSO-463Bで、他に照明弾、煙幕弾、電波標識弾が用意されている。初速毎秒690m、最小射程4.2km、最大射程は通常弾で15.3km、RAP弾で21.9km。参考：月刊PANZER12,’13、月刊グランドパワー3,’95

＜２Ａ３６＞：ソ連陸軍152mm牽引式榴弾砲、別名ジアツィントＢ。1970年代に2A37車載榴弾砲と同時開発された。参考：月刊グランドパワー3,’95

＜２Ａ３７＞：ソ連陸軍2S5自走榴弾砲に搭載されている49口径155mm榴弾砲、別名ジアツィントＳ。2A36牽引砲と同時に開発された。参考：月刊グランドパワー3,’95

＜２Ａ３８＞：ソ連陸軍30mm水冷機関砲で、ソサナ牽引式対空ガン・ミサイルシステムに搭載されている。発射速度毎分500発。参考：月刊PANZER9,’97

＜２Ａ３８Ｍ＞：ソ連陸軍30mm連装水冷機関砲で、2S6自走対空システム・シリーズに搭載されている。２砲身から交互に発射するため、発射速度が高く、冷却効率に優れ、反動を交互に相殺できる。砲身には外筒が巻かれており、水平に並んでいて、１門には初速計測器、もう１門には初速計測器に干渉しないよう長いフードが付いている。このため当初は初速計測器無しの方が機関砲では無いという説が出されていた。砲身長3.478m、全備重量223kg。砲身寿命8000発。給弾はベルトリンク式で、使用弾はHE-IとHE-T。２砲身に独立して給弾するので、一方が故障しても他方には影響が無い。発射速度は１基２門あたり毎分1950-2500発で、2S6には２基４門搭載されているため、システムとしては最大毎分5000発になる。通常は1-3秒間のバースト射撃で83-150発を浴びせかける。バースト時間は目標に応じてFCSが自動的に判断する。水平最大有効射程4000m、最大有効射撃高度3000m。参考：月刊軍事研究2,’00、2,’12

＜２Ａ４０Ｍ＞：2S6（自走対空ガン・ミサイルシステム）を参照。

＜２Ａ４２＞：ソ連陸軍30mm機関砲。歩兵戦闘車用として最適の破壊力・発射速度を持っているとされ、東側諸国を中心に幅広く使用されている。単発または連射（毎分200-300発及び500発）を選択可能。砲口初速はAP-T（重量0.84ポンド／381g）で毎秒970m。全長3.03m、重量115kg。BMP-2などに搭載された。参考：月刊PANZER11,’05、軍用機ウェポン・ハンドブック、月刊軍事研究7,’95

＜２Ａ４４＞：2S7（自走砲）を参照。

＜２Ａ４５Ｍ＞：ソ連陸軍牽引式125mm滑腔対戦車砲、別名スプルトＢ（蛸）。1968年から開発したが、元になった2A46戦車砲の強烈な反動を抑えきる砲架の設計に手間取り、1980年代後半に漸く完成した。口径長51で、砲口にはシングルバッフル式マズルブレーキが装着され、その下に牽引用フックが付いている。直接照準器はOP4M-48A（昼間用）と1PN53-1（夜間用）、間接照準器は2TS33（機械式）とPG-1M（パノラマ式）で、人工衛星誘導式の精密誘導榴弾も使用可能。分離装薬式で、発射速度は毎分6-8発。使用弾は3BM42などのAPFSDS-T、3BK12M/3BM29HEAT-FS、3BK21B劣化ウランHEAT、9M119/9M120対戦車ミサイル、3OF19/3OF26榴弾。装甲貫徹力はAPFSDS-Tで600mm（弾着角０度、射距離2000m）。MT-LBまたはウラル4320トラックで牽引されるが、陣地間移動用の小型エンジンMeMZ-957Aにより路上速度14kmで50km走れる。この際、６発分の弾薬を載せることも可能。参考：月刊PANZER8,’01、月刊丸7,’09別冊

＜２Ａ４６シリーズ＞：ソ連陸軍125mm滑腔砲。M68戦車砲を上回る威力を持つ戦車砲として開発された。参考：月刊PANZER9,’06、月刊丸7,’09別冊

＜２Ａ４６＞：初期型で、砲身寿命が120発しかない。T-64やT-72に搭載された。参考：月刊グランドパワー9,’04、月刊軍事研究2,’02、月刊丸7,’09別冊

＜２Ａ４６Ｍ＞：2A46の改良型で、9M119Mミサイルを発射可能。T-64BやT-72に搭載された。参考：月刊PANZER12,’04、8,’18

＜２Ａ４６Ｍ−１＞：9M119Mミサイルを発射可能。T-80B/BVに搭載された。参考：月刊PANZER9,’06、8,’18

＜２Ａ４６Ｍ−２＞：別名2A46A1ラピラ３。クローム・ライナーを施して砲身寿命を向上させている。9M119Mミサイルを発射可能。参考：月刊PANZER9,’06、8,’18

＜２Ａ４６Ｍ−４＞：2A46M-1を2A46M-5相当に改良したもの。T-90Sに搭載された。参考：月刊PANZER9,’06、8,’18

＜２Ａ４６Ｍ−５＞：9M119M1ミサイルを発射可能。T-72B3/B3Mに搭載された。参考：月刊PANZER8,’18

＜２Ａ４６Ｍ海外シリーズ＞

　＜ＨＭ５０＞：イラン陸軍125mm滑腔戦車砲。ライセンス生産したものである。参考：月刊PANZER9,’06

＜２Ａ６０＞：2S9（自走迫撃砲）を参照。

＜２Ａ６１＞：ロシアのE.F.ペトロフ設計局が開発した152mm砲。重量4.35トン。最大射程は通常弾で15km、RAPで30km。最大発射速度毎分6-8発。モデル389という155mmNATO標準弾発射バージョンも製作されている。参考：月刊PANZER3,’01

＜２Ａ６４＞：2S19（自走榴弾砲）を参照。

＜２Ａ６５＞：ロシア陸軍牽引式榴弾砲、別名ムスタＢ（MSTA-B）。2S19自走砲シリーズ用152mm榴弾砲2A64ムスタＳの牽引型で、2S19自走砲とハイローミックスを形成する。輸出価格は１門60万ドル。参考：月刊PANZER12,’10

＜２Ａ７０＞：ロシア陸軍100mm低圧滑腔砲。9M117-3バスチオン腔内発射対戦車ミサイル、9M113-M1アルカン対ヘリコプター用ミサイル、3OF32ロケット榴弾（初速毎秒250m、最大射程4000m）、3BM25APFSDSを発射できる。BMP-3やBMD-4に搭載された。参考：月刊軍事研究2,’12

＜２Ａ７２＞：ロシア軍単砲身30mm機関砲。BMP-3やパンツィールS1に搭載されている。BMP-3に搭載されているものは、重量186kg、発射速度毎分330発、砲口初速960mで、特にヘリコプターに対抗するために使用される。使用弾は3UOR6曳光榴弾、3UOF8通常榴弾、3UBR徹甲弾で、給弾はダブルフィードのベルト式。パンツィールS1に搭載されているものは、発射速度毎分350発で、重量は80kgと半分以下に軽量化されている。徹甲弾を使用すれば、交戦距離1500mで殆どの歩兵戦闘車を破壊できる威力を持つ。参考：月刊PANZER10,’01、7,’11、月刊軍事研究3,’00、7,’97

＜２Ａ７５＞：ロシア陸軍125mm滑腔砲、別名SPRUT-D（スプルトＤ）。2A46をベースにエカテリンブルクの第９砲兵工廠が開発した。反動システムを改修しているが、砲口制退器は追加されておらず、反動は18000Nsに達する。砲口排煙機とサーマル・スリーブはそのまま付いている。弾薬は2A46と同じ125mm分離装薬弾を使用する。2S25が搭載した。参考：月刊軍事研究11,’98、月刊PANZER9,’02

＜２Ａ８０＞：2S31（自走迫撃砲）を参照。

＜２Ａ８０−１＞：ロシア陸軍2S34自走砲に搭載されている122mm砲（120mm砲？）で、2A80の発射速度向上型である。砲口部に角型マズルブレーキを持つ。キトロフ2Mを発射可能。参考：月刊PANZER12,’13

＜２Ａ８２シリーズ＞：ロシア陸軍125mm滑腔砲。参考：月刊軍事研究3,’11

＜２Ａ８２＞：T-90改良型に搭載予定とされる。使用弾は固定弾で、新しい合金を使用して高い腔圧に耐えられるようになっている。参考：月刊軍事研究3,’11

　＜２Ａ８２−１Ｍ＞：T-14戦車に搭載されたタイプ。無人砲塔なので砲口排煙機が廃止されている。使用弾は固定弾で、バキューム−１劣化ウランAPFSDS、タンデム弾頭HEAT-FS、テルニクHE-FRAG、3UBK21（ZUBK21？）スプリンター腔内発射式レーザー誘導ミサイル（射程7000m）、9M133腔内発射ミサイルが用意されている。自動装填装置と組み合わされる。口径125mm、砲身長55口径。参考：月刊PANZER4・5,’17、月刊軍事研究7,’15

＜２ＡＴ型油槽船＞：Ａ型戦時標準貨物船ファミリーを参照。

＜２Ａ型貨物船＞：Ａ型戦時標準貨物船シリーズを参照。

＜二Ａ根幹式砲＞：日本海軍が開発した砲身で、五〇口径三年式二号二〇サンチ砲を内筒交換により製造する際、鋼線巻き直しに時間がかかったため、より簡単に交換できるよう開発したものである。内筒を二分割し、境界部分に250分の１の傾斜を付け、内筒内側のライフリング部分のみを外せるようにした。これにより射撃によって主砲が寿命に達した時の内筒交換も容易となった。参考：月刊丸2,’08

＜２Ｂ１＞：ソ連陸軍自走迫撃砲、別名オカ。1955年から開発され、1957年に試作車が完成、1960年に制式採用された。T-10M戦車の車体に402mm迫撃砲2B1を搭載している。使用弾は有翼核砲弾RDS-9で、重量650kg、砲口初速毎秒715-720m、射程45km。１発発射するのにかかる時間は10分30秒。操砲用員は７名。全長20.02m、全幅3.08m、全高5.728m、重量55-55.3トン。エンジンはV-12-6ディーゼル（750馬力）、最大速度30km、航続距離200-220km。406mm自走カノン砲SM-54と共に運用されたが、戦術ミサイルが完成したため早々と退役した。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜２Ｂ８＞：2S4（自走迫撃砲）を参照。

＜２Ｂ９＞：ソ連陸軍82mm自動迫撃砲、別名バシレク（Vasilyek。ヴァシリョーク？）。後装式で、対戦車砲弾の直接照準射撃も行える。４発クリップにより毎分100発の連射が可能。有効射程800-4270m。参考：月刊PANZER8,’01、世界AFV年鑑2002-2003

＜２Ｂ９Ｍ＞：ハンガリーの自走迫撃砲システム、別名バシレク（Vasilyek）。1990年に存在が明らかとなった。ハンガリーでライセンス生産した2B9バシレク自動迫撃砲をMT-LB装甲車またはBMP-1歩兵戦闘車の車体に装備している。前者では後部兵員室に迫撃砲を後ろ向きに搭載し、後者では後部兵員室に一段高い砲室を設けて迫撃砲を前向きに搭載する。非戦闘時にはハッチでカバーする。採用されてはいないようだ。参考：世界AFV年鑑2002-2003

＜２Ｂ１１＞：ソ連陸軍120mm迫撃砲で、第２次大戦中に開発したM1943の後継である。使用弾は榴弾（重量16kg）で、有効射程480-7100m、発射速度毎分15発。参考：月刊PANZER8,’01

＜２Ｂ１６＞：ソ連陸軍・空挺部隊・海軍歩兵120mm迫撃砲、別名ノナＫ（NONA-K）。重量1.2トン。参考：月刊PANZER3,’01、THE MILITARY BALANCE 2016

＜２Ｂ２４＞：ロシアのブレヴェニスクが開発した82mm迫撃砲。使用弾は3O26榴弾弾頭搭載の3V36榴弾（射程6km）と、3O2榴弾弾頭搭載の3V12榴弾（射程4km）で、発射速度毎分20発。６×６輪全地形対応車両に車載でき、この場合は砲弾を36発ずつ積む。参考：月刊軍事研究6,’17

＜２／ＢＷ＞：�W号戦車Ｂ型を参照。

＜２Ｃ戦車＞：フランス陸軍重戦車シャール2C（Char 2C）。シャール１系試作戦車がベースで、野砲を搭載して敵陣地を突破し、FT17軽戦車や歩兵の通り道を作るのが主任務である。前後に長い車体に全周式の履帯を装備しており、超壕能力は6.25mもあった。アンダーパワーで鈍足だが、歩兵に先行できれば良いので、陣地突破戦では運用に問題無かったとみられる。全長10.27m、重量68トン。エンジンはメルセデス製ツェッペリン飛行船用200馬力（後にマイバッハ製250馬力）、最大速度12km。武装は主砲塔の75mm砲、後部銃塔と車体前部・両側面の機銃。最大装甲厚45mm。乗員12名（後に13名）。第１次大戦時に計画していた1919年の連合軍大攻勢に間に合わせようと1918年2月にFCM社に300両が発注されたが、大攻勢発起前に第１次大戦が終わってしまい、開発ペースと生産数が大幅にダウン、10両のみ生産されて1921年に第51戦車大隊に配備された。1927年まで改良が行われ、サスペンション強化や乗員間通信能力改善、無線機装備などを施している。参考：月刊戦車マガジン6,’89、ティーガー重戦車パーフェクトバイブル、月刊グランドパワー8,’00、歴史群像6,’10

＜２ＣＦＲ８７シリーズ＞：B-36爆撃機に搭載された遠隔操作式20mm連装機関砲塔。高々度極寒環境に耐えられず不具合が続出したため、改良が繰り返されたが、命中精度は最後まで惨憺たるものだったらしい。参考：世界の傑作機No.125

　＜２ＣＦＲ８７Ａ−１＞：YB-36に搭載された試作型。参考：世界の傑作機No.125

　＜２ＣＦＲ８７Ｂ−１＞：B-36Aに搭載された量産型。20mm機関砲M24A1またはM24E2を２門搭載しており、発射速度は１門当たり毎分550発または820発の選択式だったが、後に尾部砲塔で毎分700発、他で毎分600発の固定式となった。使用弾は焼夷弾、焼夷榴弾、徹甲焼夷弾、曳光徹甲弾で、装弾数は機首が１門あたり400発（砲塔１基あたり800発）、他が１門あたり600発（砲塔１基あたり1200発）。参考：世界の傑作機No.125

　＜２ＣＦＲ８７Ｂ−２＞：B-36BとB-36Dに搭載されたタイプ。参考：世界の傑作機No.125

　＜２ＣＦＲ８７Ｃ−１＞：B-36F前期型に搭載されたタイプ。参考：世界の傑作機No.125

　＜２ＣＦＲ８７Ｃ−２＞：B-36F後期型とB-36H前期型に搭載されたタイプ。参考：世界の傑作機No.125

　＜２ＣＦＲ８７Ｃ−３＞：B-36H後期型とB-36Jに搭載されたタイプ。参考：世界の傑作機No.125

＜２Ｄ型貨物船＞：Ｄ型戦時標準船シリーズを参照。

＜２Ｅ１８＞：T-64に搭載されている砲二軸安定化装置、別名メーテル。

＜２Ｅ２８Ｍ＞：T-64A改修型（1975年生産型）に搭載されている砲二軸安定化装置。

＜２Ｅ型貨物船＞：Ｅ型戦時標準船シリーズを参照。

＜２ＥＴ型油槽船＞：Ｅ型戦時標準船ファミリーを参照。

＜２Ｆ７７Ｍ＞：2S6自走対空ガン・ミサイルシステム用の再装填車。KamAZ-43101トラックに容量280kgの油圧クレーンを搭載したもので、１両あたりキャニスター入りミサイル８発と機関砲弾3808発を搭載し、16分かけて補充する。参考：月刊軍事研究2,’00

＜２Ｋ１１＞：ソ連陸軍自走式中距離地対空ミサイルシステム（ZRK-SD）、別名クルーグ（Krug、円）、米軍コードSA-4、NATOコードはガネフ（Ganef）。１個大隊はKS-41装軌式ランチャー（後に2P24と改称）に3M8ミサイル２基を搭載した自走発射機３両（戦時は４両）、1S32自走式誘導レーダー１両、2T6ミサイル運搬・再装填車両、ZU-23（後にZSU-23-4）などで編成される。１個旅団は３個大隊とオブイェークト426車台に搭載された捜索レーダー（1S12）１両などからなり、各野戦軍に１個旅団、各方面軍に２個旅団が配属される。後に3M8A/3M8Mミサイルを搭載するようになった。参考：世界の軍用車両(2)、ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜２Ｋ１２＞：ソ連陸軍師団用自走式地対空ミサイルシステム、別名クーブ（Kub、立方体）、米軍コードSA-6、NATOコードはゲインフル（Gainful）、輸出名称ZRD-SDエグヴァドラート。1958年から開発され、1967年からソ連本土防空用、次いで1970年から戦車師団に配備された。１個中隊は2P25ランチャーに3M9ミサイルを３連装で搭載した自走発射機４両、1S91レーダー車１両、クレーン付き再装填トラック（ミサイル３発搭載）４両からなる。１個連隊は連隊司令部、５個中隊、予備ミサイル運搬・再装填車両、長距離レーダー部隊、ZSU-23-4に加え、P-15フラット・フェイスまたはロング・トラック目標捕捉用レーダーが配備されることもある。1974年の第４次中東戦争でエジプト軍が実戦使用し、イスラエル軍機を多数（20機）撃墜した。欠点は、目標捕捉レーダーが中隊に１基しか無いので１個中隊で同時に１目標しか攻撃できないこと、確実を期すため１目標に３発を発射すると再装填無しでは１個中隊で計４目標しか攻撃できないことである。誘導方式は無線誘導と赤外線半自動誘導の併用だが、1970年代後半からECM対策としてTVモニターによる誘導システムも採用された。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊軍事研究2,’98、9,’10、月刊PANZER5,’02、月刊エアワールド4,’00

＜２Ｋ１５＞：ソ連陸軍対戦車ミサイルシステム、別名シメーリ（Shmel）、米軍コードAT-1、NATOコードはスナッパー（Snapper）。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜２Ｋ１６＞：ソ連陸軍対戦車ミサイルシステム、別名シメーリ（Shmel）、米軍コードAT-1、NATOコードはスナッパー（Snapper）。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜２Ｋ２１＞：ソ連陸軍機動迫撃砲システム、別名ヴァシリョーク（矢車菊。バシレク？）。2B9自動迫撃砲をGAZ-66トラックまたはMT-LB装軌車両に搭載しており、MT-LB搭載型はアフガン侵攻時に現地改造したのを1980年に制式採用したものである。前者では発射時に砲を降ろす必要があるが、後者は載せたままで撃てる。1973-80年に量産され、アフガン侵攻に投入された。参考：月刊PANZER8,’01

＜２Ｋ２２＞：2S6（自走地対空ガン・ミサイルシステム）を参照。

＜２Ｋ２２Ｍ＞：2S6M（自走地対空ガン・ミサイルシステム）を参照。

＜２Ｋ型機関砲＞：１型機関砲シリーズを参照。

＜２−Ｍ−３シリーズ＞：ソ連海軍艦載25mm連装機関砲。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜２−Ｍ−３＞：79口径25mm単装機関砲110-PMを縦に２門並べて砲塔化したものである。マウント重量1735kg。全周旋回可能、旋回速度は人力で毎秒25度、機械で毎秒70度（40度？）、俯仰角マイナス10度からプラス85度、俯仰速度は人力で毎秒15度、機械で毎秒40度（70度？）。砲弾重量281g、初速毎秒890m、射程3km。発射速度は１門あたり実用毎分270-300発、最大毎分450発。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船1,’15増刊

＜２Ｍ−３Ｍ＞：2-M-3の発射速度を向上させたもの。砲口初速毎秒900m、最大射程3000m。発射速度１門あたり最大毎分470-480発。参考：月刊世界の艦船1,’15増刊、1,'21、月刊軍事研究3,’02

＜２−Ｍ−３海外シリーズ＞

　＜６１式２５ｍｍ連装機関砲＞：中国軍25mm連装機関砲。2-M-3の砲身長を60口径に短縮したものである。初速毎秒890m、有効射程2700m、最大射程3000m。発射速度毎分800-900初。1960年代半ばから生産し、021型黄蜂級ミサイル艇、024型河谷級ミサイル艇、037型海南級哨戒艇、082型渦掃級掃海艇などに搭載した。参考：月刊世界の艦船1,'21、1,’15増刊、艦載兵器ハンドブック改訂第２版、中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

　＜８１式２５ｍｍ連装機関砲＞：2M-3Mを中国でコピーしたもの。参考：月刊軍事研究3,’02

＜２Ｍ−８＞：ソ連海軍潜水艦用25mm連装機関砲。2-M-3を潜水艦用に改造したものである。1953-54年に生産され、613型潜水艦などに搭載された。参考：月刊世界の艦船1,’15増刊

＜２Ｍ３９＞：ポセイドン（核魚雷）を参照。

＜２ＭＲ７＞：九二式偵察機を参照。

＜２ＭＲ８＞：九二式偵察機を参照。

＜２Ｐ＞：SU-310（自走砲）を参照。

＜２Ｐ２＞：ソ連軍の自走地対地ミサイルランチャー。S-122Aマルス地対地ミサイルシステムを構成する。PT-76の砲塔を取り外してランチャーを載せ、3R-1地対地ミサイル１発を搭載したものである。全長9.4m、車体長6.7m、全幅3.18m（2.65m？）、全高3.05m（2.1m？）、重量14.2トン（11.05トン？）。最大装甲厚13mm。エンジンはV-6ディーゼル（240馬力。260馬力？）、最大速度44km／20km（ミサイル搭載時）。浮航能力は無い。乗員３名。参考：月刊PANZER8,’02、ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜２Ｐ４＞：ソ連軍の自走地対地ミサイルランチャーで、別名オブイェークト804チュルパン。車体はISU-152がベースで、3R-2地対地ミサイル１基を搭載し、フィリン地対地ミサイルシステムを構成する。全長10.7m、全幅3.2m、全高3.32m、重量36.5トン（ミサイル無し）。エンジンはV-2ISディーゼル（520馬力）、最大速度37km。1955年から開発され、1957年に10両、1958年に26両が生産された。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜２Ｐ１６＞：ソ連軍のルナ戦術ミサイルシステム用自走ランチャー。車体はPT-76がベースで、上部転輪を片側２個ずつ追加した。ランチャーにはパイプ接合部品を多用して構造を単純化している。全長9.4m、全幅3.18m、全高3.05m、重量14.2トン。エンジンはV-6ディーゼル（240馬力）、最大速度44km、航続距離250km。装甲厚13mm。乗員５名。参考：月刊PANZER8,’02、ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、世界の軍用車両(2)

＜２Ｐ１９＞：ソ連軍のスカッドＢミサイル用自走ランチャー。ISU-152ベースで、8U218ランチャーに似ているが、キャビン両側面の高圧エアボンベが２本ずつになり、キャビン操縦席前部にランチャー固定用パイプ製アームが追加されている。参考：月刊PANZER9,’02

＜２Ｐ２０＞：9P113（自走ミサイルランチャー）を参照。

＜２Ｐ２４＞：KS-41（自走ミサイルランチャー）を参照。

＜２Ｐ２５＞：2K12自走地対空ミサイルシステムの自走車体。ZSU-23-4とほぼ同じ装軌車体で、自走ミサイルランチャー及びレーダー搭載車両として使用されている。全長7.39m、全幅3.18m、全高3.45m、重量19.5トン。エンジンはV-6Rディーゼル（240馬力）、最大速度44km、航続距離260km。最大装甲厚9mm。乗員３名。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、世界の軍用車両(2)

＜２Ｐ２６＞：ソ連陸軍自走対戦車ミサイル。４輪小型輸送車GAZ-69の車体後部に3M6対戦車ミサイル４連装ランチャーを搭載したものである。移動時はキャンバスで覆って隠す。全備重量2.37トン。非装甲だったため、すぐ2P27に後を譲った。東ドイツ軍やアフガン政府軍も配備している。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊PANZER1,’01

＜２Ｐ２７＞：BRDM-1ファミリー（自走対戦車ミサイル）を参照。

＜２Ｐ３２＞：BRDM-1ファミリー（自走対戦車ミサイル）を参照。

＜２Ｐ３２Ｍ＞：BRDM-1ファミリー（自走対戦車ミサイル）を参照。

＜２Ｓ１シリーズ＞：ソ連陸軍122mm自走榴弾砲、別名グヴォージカ（Gvozdika、カーネーション）、西側名称SO-122またはM1974。フルシチョフ政権下で通常兵器の新規開発が遅れ、第２次大戦時の自走砲がそのまま配備されている状況だったが、さすがに1965年の陸軍大演習で後継車両の必要性が急務と認識され、1967年に開発が決定、1971年から配備され、1991年までにポーランドとブルガリアを含め10000両が生産された。浮航能力があるので海軍歩兵も装備し、ロシア以外にも20カ国以上が配備している。参考：月刊PANZER12,’13、8,’18

＜２Ｓ１＞：車体は当初BMP-1をベースにする予定だったが、BMP-1自体の開発が遅れていてファミリー化を可能とする設計変更を加える余裕が無く、MT-LBをベースとした。車体を延長して下部転輪を１組増やし射撃安定性を確保、前部に操縦室（左）と機関室（中央から右）、後部に戦闘室と弾薬庫を設け、後面に左開きのドアを装着した。下部転輪はシングルタイプ片側７枚で、サスペンションは高低の調節が可能（空輸の際に車高を下げる）。起動輪は前部、誘導輪は後部にあり、上部転輪は無い。砲塔は全周旋回可能で、左中央にキューポラ、右中央と左後方にハッチを持つ。主砲は牽引式122mm野砲D-30の車載型2A31（別名D-32。D-30S？）で、口径122mm、口径長36、砲身中程に砲口排煙器を持つ。使用弾は榴弾、RAP弾、化学砲弾、HEAT、レーザー誘導砲弾キトロフ２、発煙弾、照明弾で、計40発を搭載する。俯仰角はマイナス３度からプラス70度、射程はOF-462榴弾（21.72kg）で15300m、RAP弾で21900m、キトロフ２で射程12000m。動力式ラマーと動力式エキストラクター（排莢子）を持ち、発射速度は最大毎分5-8発、持続毎分1-2発。機銃は装備していない（自衛用に7.62mm機銃PKT１丁を装備？）。照準器はOP5-37直接照準器と10P40パノラマ式間接照準器。視察装置はTKN-3B昼夜間ペリスコープ、TVN-2B夜間用視察装置、TNPO-170Aプリズム式視察装置。無線機はR-123M（最大通信距離28km）で、R-124車内通信用インターコムを装備する。全長7.26m、全幅2.85m、全高2.285m、重量15.7トン。エンジンはYaMAZ-238Nディーゼル（300馬力）、最大速度路上61.5km／路外26-32km／水上4.5km（履帯）、燃料550リットル、航続距離500km。装甲厚は車体15mm、砲塔全周20mm。乗員４名。１個戦車師団に１個大隊（18両編成の１個中隊３個からなる）が、１個自動車化狙撃師団に６個大隊が配属された。参考：月刊PANZER12,’13、ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、世界AFV年鑑2002-2003、世界の軍用車両(2)、月刊軍事研究4,’09、ミリタリー・バランス1989-1990

＜２Ｓ１Ｍ１＞：2003年に登場した改良型。FCSを1V168-1自動射撃指揮システムに換装し、環境センサーと砲兵用データリンクを追加した。参考：月刊PANZER12,’13

＜２Ｓ１ファミリー＞

　＜ＩＶ１２シリーズ＞：砲兵指揮・偵察車両。参考：世界AFV年鑑2002-2003

　＜ＩＶ２１シリーズ＞：防空管理車両。参考：世界AFV年鑑2002-2003

　＜ＭＴＫ−２＞：地雷除去車両。砲塔を外して上部構造物を設け、地雷爆破ホース３本を搭載している。ホースは長さ150m、ロケットで射出されて車体前方200-400mに落下させ、ケーブルで位置を調整、爆破する。参考：月刊戦車マガジン2,’81、世界AFV年鑑2002-2003

　＜ＰＰＲＵ＞：機動偵察・指揮車両。参考：世界AFV年鑑2002-2003

　＜ＲＫｈＭ＞：化学偵察車両。参考：世界AFV年鑑2002-2003

　＜ダル＞：NBC偵察車両。参考：世界AFV年鑑2002-2003

＜２Ｓ１海外シリーズ＞

　＜２Ｓ１（アメリカ軍）＞：アメリカ軍がどこかから18両を手に入れて1992-2010年に技術研究を行っていた。参考：月刊PANZER12,’13

　＜２Ｓ１（ブルガリア陸軍）＞：ブルガリア陸軍自走砲。ライセンス生産したものである。参考：月刊PANZER12,’13

　＜２Ｓ１Ｍ＞：ポーランド陸軍自走砲。ライセンス生産したもので、エンジンをポーランド製SW-680Tに換装した。参考：月刊PANZER12,’13

　＜２Ｓ１Ｔ＞：ポーランド陸軍自走砲。2S1Mの改良型で、ポーランド製TOPAZ射撃指揮装置を搭載している。参考：月刊PANZER12,’13

　＜１２２ＰｓＨ７４＞：フィンランド陸軍自走砲。参考：月刊PANZER4・5,’17

＜２Ｓ３シリーズ＞：ソ連陸軍152mm自走砲、別名アカーツィア（Akatsia、アカシア）、西側コードM1973またはSO-152。1967年から開発され、1970年から量産されて1971年から部隊配備された。1990年代終わりまでに10000両が生産され、ソ連の他、東ドイツ、イラク、リビア、シリアなど10カ国以上で使用されている。1989年には後継の2S19が完成したが、配備が進んでおらず、チェチェン紛争でも相変わらず姿を見せていた。参考：世界AFV年鑑2002-2003、世界の軍用車両(2)、月刊戦車マガジン6,’89

＜２Ｓ３＞：車体はほぼ新造で、2K11地対空ミサイルシステムと共通であり、前部が機関室、後部が戦闘室で、戦闘室の上に砲塔が載る。下部転輪はダブルタイプ片側６組で、第1-2転輪間と第2-3転輪間が他に比べ広い。前部に起動輪、後部に誘導輪を持ち、上部転輪は４個。スカートは無い。サスペンションはトーションバー式。砲塔は全周旋回可能。主砲は152mm牽引砲D-20を車載化した34口径152mm榴弾砲2A33で、砲身中央やや前寄りに砲口排煙器を追加し、チェーンドライブ式ラマーで装填するようにした。発射速度は持続毎分１発、最大毎分３発、バースト時毎分４発。使用弾種は榴弾、RAP榴弾、発煙弾、成型炸薬弾、徹甲弾、照明弾、焼夷弾、地雷撒布弾、核砲弾（５キロトン以下）などで、搭載弾数は46発。射程はOF-546榴弾（43.5kg）で18500m、RAPで24000m。砲塔上面左に全周旋回式車長用キューポラがあり、小型赤外線サーチライトと自衛用遠隔操作式7.62mm機銃PKT１丁（1500発）を装備している。前期型では車体後面上部に大型楕円形ハッチ、下部左右に円形給弾ハッチ、砲塔後面左右に点検扉（ボルト止め）があったが、後期型では車体後面上部左右に下開きの角形ハッチ２個、右下部に円形給弾ハッチという配置に変更され、砲塔後面の点検扉は廃止された。全長8.4m、車体長7.765m、全幅3.25m、全高3.05m、重量27.5トン。エンジンはV-59V-12ディーゼル（520馬力）、最大速度60km、航続距離500km。装甲厚は車体20mm、砲塔15mm。乗員４名。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、世界AFV年鑑2002-2003、世界の軍用車両(2)、月刊軍事研究9,’09、月刊戦車マガジン6,’89、ミリタリー・バランス1989-1990

　＜２Ｓ３Ｍ＞：装填システムの改良型。自動装填装置により発射速度が最大毎分４発に向上している。1975年に完成し、2S3も順次この規格に改良された。参考：世界AFV年鑑2002-2003、世界の軍用車両(2)

　＜２Ｓ３Ｍ１＞：データ交換装置を追加し、統合運用能力を持たせたタイプ。参考：世界AFV年鑑2002-2003

　＜２Ｓ３Ｍ１（長砲身型）＞：長砲身の152mm砲に換装し、射程を榴弾で20550m、ベースブリードで23900mとしたもの。参考：世界AFV年鑑2002-2003

＜２Ｓ４＞：ソ連陸軍240mm自走迫撃砲、別名オブイェークト305チュリパン（Tyulipan。チューリップ）、西側名称M1975またはSM-240。1960年代初めに開発が始まり、1971年に就役した。車体は2S3自走砲／2K11自走地対空ミサイルシステム用車台を改造したもので、下部転輪はダブルタイプ片側６組、前部に起動輪、後部に誘導輪を持ち、上部転輪は４個。スカートは無い。車体前部右にパワーパック、左に操縦手席、その後ろに車長席があり、操縦手用・車長用暗視ペリスコープが用意されている。車長用キューポラには7.62mm機銃PKT（1500発。リモコン、マニュアル両方での発射が可能）と赤外線サーチライトを装備。車体後部に主砲が搭載され、両側に砲要員２名の座席と弾薬庫がある。主砲は240mm後装式迫撃砲2B8（40発）で、ベースプレート両側が旋回式支柱により車体後面に固定されており、移動時は砲身を前向き水平にした状態でトラベリングロックにより固定する。戦闘時は支柱を後ろに倒してベースプレートを接地させ、後ろ向きに発射する。射角50-80度、射界左右10度ずつ。使用弾種は榴弾、対コンクリート弾、核・化学砲弾など。射程は3F-864榴弾（130kg）で9650m、RAPで18000m。20発入りドラムマガジン２基に搭載された弾薬はクレーンで装填されるが、発射速度が毎分１発（仰角88度では１発撃つのに77秒かかる）と遅いので、多数による同時発射でカバーする。1980年代半ばに1K113レーザー誘導ミサイルも使用可能となった。NBC防護装置付き。弾薬補給車及び砲要員５名の運搬車とセットで運用される。全長7.94m、全幅3.25m、全高3.225m、戦闘重量27.5トン。最大装甲厚16mm。エンジンはV-59ディーゼル（520馬力）、最大速度60km、燃料搭載量500リットル、航続距離500km。乗員４名。400両が生産され、軍直属の自走重迫撃砲連隊（34-56両）に配備された他、チェコスロバキアとイラクに輸出され、イラクのものは後にレバノンのキリスト教民兵部隊の手に渡った。参考：世界の軍用車両(2)、ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、世界AFV年鑑2002-2003、月刊PANZER8,’01、月刊軍事研究11,’09

＜２Ｓ５＞：ソ連陸軍152mm自走カノン砲、別名オブイェークト307ジアツィント（Giatsint、ヒヤシンス）。短射程の2S1と2S3を補うため1968年から開発された。車体はほぼ2S3と同じもので、装甲厚が13mmに減らされ、車体後部に駐鋤が追加されている。主砲は49口径（57口径？）152mmカノン砲2A37ジアツィントＳで、剥き出しに搭載しており、車内にNBC防御は施されているが、NBC状況下での戦闘は乗員全員が防護服を着る必要がある。砲口部に多孔式マズルブレーキがあり、排煙器は無い。俯仰角はマイナス2.5度からプラス58度、射界は左右15度（30度？）ずつ。移動時には車体のトラベリング・クランプで固定する。使用弾は榴弾、RAP榴弾、核砲弾（2-5キロトン）、化学砲弾で、射程は3OF-29榴弾（43.5kg）で28400m、3OF-59RAPで37000m。1980年代後半からレーザー誘導弾9K25クラスノポール（有効射程3-20km）を導入した。遠隔操作式の半自動装填装置で発射速度は毎分5-6発、持続で毎分２発。装填手は２名で、ベルトコンベアから砲弾と発射薬をトレイに移す作業を行う。搭載弾数30発。車長用キューポラに自衛用7.62mm機銃PKT１丁（1500発。遠隔操作可能）を装備する。車内にはRPG-7（５発）を搭載している。全長8.33m、全幅3.25m、全高2.76m、重量28.23トン。エンジンはV-59-V12ディーゼル（520馬力）、最大速度63km、航続距離500km。最大装甲厚15mm。乗員５名。１個大隊は18両で構成され、同一車台の弾薬車（60発搭載）が１対１で配備される。1976年から2000両程度が生産され、1981年に西側が確認した。輸出はあまりされておらず、東ドイツ陸軍の装備を譲り受けたフィンランド陸軍が18両配備している。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、世界AFV年鑑2002-2003、月刊PANZER9,’01、世界の軍用車両(2)、ミリタリー・バランス1989-1990

＜２Ｓ６シリーズ＞：ソ連陸軍地対空ガン・ミサイルシステムの戦闘車両名称で、制式システム名称は機関砲・ロケット併用対空システム2K22、別名ツングースカ（Tsunguska、ツングース人）、西側コードはM1986（1986年に東ドイツ駐留ソ連軍で配備を確認）。ZSU-23-4の後継として1970年から開発され、1982年に制式採用された。師団防空用9K330トールM1地対空ミサイルの内側を守るのが主任務である。初陣は1994年のチェチェン紛争といわれる。インドに輸出された。参考：月刊PANZER10,’01、ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊軍事研究2,’00、2,’12、世界の軍用車両(2)

＜２Ｓ６＞：車体は装軌式のGM-569（GM-352？）で、前部に操縦手が位置し、中央の戦闘室に2A40M砲塔が載っている。砲塔は装甲鋼板溶接・全周旋回式で、前部に目標追尾レーダー（有効距離13km）、上部にレーザー誘導・照準装置、後部に目標捜索レーダー（有効距離18km）がある。砲塔内には油圧俯仰機構、1RL-144Mレーダー本体、1A29M光学照準装置、1A26M車載コンピュータ、レーダー冷却装置、1K28空調ユニットを収める。砲塔上面には車長・レーダー操作員用ハッチ（右）と砲手用ハッチ（左）がある。車長・レーダー操作員用ハッチは小型の回転型キューポラに装着され、キューポラには昼間用潜望鏡２基、昼夜間兼用赤外線型潜望鏡１基、赤外線サーチライトが装備されている。車長席前面には大型コンソール３基とPPIスクリーン、右にはR-173型VHF通信機と対空捜索レーダー及び1RL-138IFF操作機、左には1A26Mデジタル・コンピュータ操作用PUIMコンソールがある。レーダー操作員席は車長席の左で、前面に捜索・追尾レーダー用コンソール３基があり、右のSI1Mコンソールで作動モード選択と目標距離表示を、中央のSU5Mコンソールで標準的操作を、左のSI2Mコンソールでレーダーシステム点検を行う。砲手席の天井には1A29M光学照準装置が装備され、ミサイル飛翔追尾及び目標追尾のバックアップに使用される。砲手席にはコンソール２基があり、左のPPコンソールでミサイル状況表示とNBC防護用換気装置作動を、正面のPNコンソールで1A29M光学照準装置の作動モード選択と使用兵器選択・発射を行う。対空目標射撃では1RL-144Mと1A29Mを使用し、対地目標射撃では1A29Mのみを使用する。主砲は砲塔左右の30mm連装機関砲2A38M２基で、俯仰角はマイナス６度からプラス80度、水平方向最大射程5000m、有効制圧高度3000m。装弾数1904発（HE-I1524発、HE-T380発）。信管はA-670。地対空ミサイルはセミアクティブレーダー誘導式の9M311で、４連装キャニスター（２列２段。１列２段２連装でも装備可）に収容され、機関砲外側に左右１基ずつ搭載される。車長がミサイル使用を選択すると、キャニスターは機関砲と同じ仰角をとり、発射炎が1A29M光学照準装置を妨げないよう発射軸線を目標から反らした後、１目標あたり２発発射され、直ちにキャニスターも俯角をとって照準装置を妨げないようにする。ミサイルの有効射程は8000m。ただし照準器が昼間用なので、夜間や悪天候時は使えない。ミサイル誘導電波は追尾レーダーから発信されるので、この間は機関砲用の目標追尾データを取得することができず、ミサイルと機関砲による同時攻撃を行うことはできない。対空目標データを他の防空システムから得ることもできるが、無線交信で得たデータを手入力する必要がある。全長7.93m、全幅3.24m、全高4.02m、重量34トン。最大装甲厚10mm。エンジン出力520馬力、最大速度65km、航続距離500km。乗員４名（車長、操縦手、砲手、レーダー操作員）。戦車師団の防空大隊に配備されている。参考：月刊軍事研究2,’00、2,’12、月刊PANZER10,’01、ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、世界の軍用車両(2)

＜２Ｓ６Ｍ＞：システム制式名称2K22M、別名ツングースカＭ。PU-12Mランジール小隊指揮車とPPRU-1M機器支援システム車（ガスタービン発電機搭載）でバックアップするようにしたタイプである。参考：月刊軍事研究2,’00、月刊PANZER10,’01

＜２Ｓ６Ｍ１＞：2S6Mの改良型、別名ツングースカM1。光学追尾装置の改良、サーボ・アクチュエータの作動精度改良、9M311-Mミサイルの採用を行い、フレアなどに対する対抗能力を得た。全長7.93m、全幅3.24m、全高3.36m／4.02m（レーダー起位置）、戦闘重量34トン。エンジンはV-46-6水冷ターボチャージド・ディーゼル（709馬力）、最大速度65km、航続距離500km。乗員４名。1990年代中頃に登場した。参考：月刊軍事研究2,’00

＜２Ｓ６中隊＞：2S6自走発射機６両、2F77M再装填車６両、1R10-1整備用トラック１両、M2F55-1整備用トレーラー・トラック１両、M2V110-1整備トラック１両、9V921ミサイル点検用トラック１両、ATG-M1整備用トラック１両で構成される。輸出価格は１個中隊丸ごとで6000-6500万ドル。参考：月刊軍事研究2,’00

＜２Ｓ７シリーズ＞：ソ連陸軍203mm自走カノン砲、別名ピオン（Pion、シャクヤク）。1967年に射程25kmの自走砲を製作する計画が出され、1969年に砲口径203mmに決定、1975年に採用された。西側も1975年に存在を把握してM1975のコードを付け、SO-203とも呼んでいる。参考：月刊PANZER9,’01、世界の軍用車両(2)

＜２Ｓ７＞：車体はT-64ベースで、装甲厚を10mm程度に減らして車体長を延ばし、前部に操縦室を設置、中央に機関室を置いてパワーパックを収容し、後部を戦闘室として主砲を剥き出しに搭載している。車体前部に主砲固定用のトラベリングロックがある。操縦室に車長、砲手、操縦手の３名が乗り、自衛用9M32ストレラ２携帯地対空ミサイルを２セット搭載する。戦闘室には砲要員４名が位置し、操縦室と戦闘室の通信用にA1V116通信システムを装備する。車体最後部には水圧駆動式の大型駐鋤が搭載されている。下部転輪は片側７個、前部に起動輪、後部に誘導輪を持ち、上部転輪は片側６個、スカートは無い。主砲は56.2口径203mmカノン砲2A44で、マズルブレーキや砲口排煙器は無い。射界は左右15度ずつ。使用砲弾は榴弾、対コンクリート弾、核砲弾（2-5キロトン）、化学砲弾など。射程はZOF-40/ZOF-43（3OF-43？）榴弾（重量110kg）で37500m、RAPで47500m（55000m？）にも達する。装填は半自動式で、発射速度は最大５分で６発、持続で毎時40発。搭載弾薬は４発で、専用の弾薬運搬車は無く、予備弾薬はトラックなどに載せて一緒に運用する。停止してから発射可能になるまで６分かかる。全長13.12m、全幅3.38m、全高3m、重量46.5トン。エンジンはV-46-1V-12（840馬力）、最大速度50km、路上航続距離500km。乗員７名。1000両程度が生産され、方面軍最高司令部直属重自走砲旅団に１個あたり48両が配備された。ポーランドとチェコスロバキアに輸出もされている。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、世界AFV年鑑2002-2003、月刊PANZER9,’01、異形戦車ものしり大百科、ミリタリー・バランス1989-1990

＜２Ｓ７Ｍ＞：装填トレイに８発を搭載できるようにし、発射速度を毎分2.5発に向上させたタイプ。1983年に登場した。参考：月刊PANZER9,’01

＜２Ｓ９＞：ソ連空挺軍120mm自走迫撃砲、別名アノーナ（Anona、アネモネ。NONA-S？）。ASU-85の後継として空挺部隊用に開発された。西側が確認したのは1985年だが、1981年にはアフガン侵攻に投入されていたといわれる。BTR-D装甲兵員輸送車の車体中央に左右35度ずつの限定旋回式砲塔を載せ、後装式120mm榴弾砲／迫撃砲2A60（曲射・直射両方に使用できる）を装備する。射程は3OVF49榴弾（16.2kg）の間接照準で8855m、RAPの間接照準で13000m、成型炸薬弾（13.17kg、装甲貫徹力600mm）の直接射撃で7100m（有効射程500m？）。レーザー誘導弾キトロフや、フランスのトムソン・ブラント社製弾薬も使用できる。搭載弾数25発。自動装填装置を持ち、発射速度毎分10発。An-22からの空中投下が可能で、投下時にはサスペンションを解除して転輪を折り畳み、衝撃緩衝用ロケットブースター付きの特殊キャリアーにセットする。全長6.02m、全幅2.63m、全高2.3m、重量8.7トン。最大装甲厚16mm。エンジンは5D-20ディーゼル（240馬力。5D25？）、最大速度60km、航続距離600km。ウォータージェットにより時速9kmで水上航行も可能。乗員４名。総生産数1000両で、海軍歩兵部隊も採用した他、ベトナムに輸出されたらしい。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、世界AFV年鑑2002-2003、世界の軍用車両(2)

＜２Ｓ１１＞：ソ連軍自走迫撃砲、別名Tundzha。ブルガリア陸軍も装備している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜２Ｓ１２＞：ソ連軍機動迫撃砲、別名サーニ。120mm迫撃砲2B11をGAZ-66トラックに搭載したもので、弾薬と操砲要員５名も乗れる。アフガン侵攻で2K21機動迫撃砲の有効性が確認されたため、新たに開発された。参考：月刊PANZER8,’01、月刊軍事研究12,’17

＜２Ｓ１９シリーズ＞：ソ連陸軍152mm自走砲、通称ムスタ（Msta、川の名前）。2S3/2S5の後継として1980年代から開発し、1988年に制式化、1989年から配備した。しかし直後に冷戦が終結してソ連も崩壊し、財政難で完全更新には程遠い状況である。ロシア陸軍が600両、ウクライナ陸軍が40両、ベラルーシ陸軍が13両、エチオピア陸軍とエリトリア陸軍が少数配備している。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、世界AFV年鑑2002-2003、世界の軍用車両(2)、月刊PANZER12,’10、8,’18

＜２Ｓ１９＞：T-80の車体を装甲だけ削ってそのまま使っており、エンジンはV-84Aディーゼルに換装した。車内配置はT-80のままで、前部が操縦室、中央部が戦闘室、後部が機関室。操縦手には操縦用パッシブ暗視装置が用意されている。車体前部には二股のガントラベリングクランプを持つ。足周りもT-80と共通で、第4-6転輪の間隔を詰め、トーションバーサスペンションに加えて第１・第２・第６輪には射撃時に車体を固定する油気圧サスペンションを追加しており、駐鋤は無い。砲塔は大型で、自走砲システムの全てを収容する。装甲厚は20-30mm程度。搭載砲は40-45口径152mm砲2A64ムスタＳ（MSTA-S）で、牽引型の2A65ムスタＢ（MSTA-B）と共に新開発された。マズルブレーキと砲口排煙器を持つ。俯仰角はマイナス３度からプラス68度。射程は3OF-45榴弾（重量43.56kg）で24700m、3OF-61ベースブリードで28900m、OF-61ロケットアシスト弾で36000m、レーザー誘導砲弾クラスノポールで最大射程18000m。他に電波妨害弾3NS-30や戦後型152mm砲弾の全てを使用可能。弾薬搭載数50発。空薬莢は砲身基部下方の開閉式ハッチから排出される。FCSは2S46ガンパワーコントロールシステムで、500m以内から射撃データを遠隔入力でき、砲手の作業が軽減されている。精密射撃も可能で、1993年のデモンストレーションでは15km先の38個の標的に次々と命中させた。弾薬は分離装薬、発射薬は金属薬莢式で、全仰角対応の自動装填装置（弾丸のみ。装薬は装填手が装填する）が付いており、車外からの給弾装置と連動させたり、1V13M砲兵車両と連結したりしての長時間射撃が行える。発射速度毎分８発、長時間射撃では毎時60発、最大毎時100発。砲要員は砲手１名と装填手２名で、長時間射撃時は車外で弾薬補給要員２名が給弾する。車外装填での発射速度は毎分6-7発。直接照準器（砲身基部右）、直接照準用パッシブ暗視装置、車長用バックアップ射撃操砲装置も用意されている。砲塔後部にはガスタービンAPU（16kW）が搭載されており、エンジンを止めても射撃できる。副武装として砲塔の車長用キューポラにPZU-5対空機銃架（俯仰角マイナス３度からプラス70度）を介して遠隔操作式12.7mm対空機銃NSVT（300発）を装備し、これと連動するサーチライトもある。砲塔正面左右に発煙弾発射機３基ずつを持つ。乗員自衛用にAK-74を５丁搭載する。シュノーケル潜水装置を付けると5mまで潜水可能（付けないと1.2m）。NBC防護装置付き。全長11.917m、全幅3.584m、全高2.985m、戦闘重量42トン。エンジンはV-84A水冷12気筒Ｖ型多燃料ディーゼル（840馬力）、トランスミッションは前進７速・後進１速、最大速度60km、航続距離500km。乗員５名（操縦手、車長、砲手、装填手２名）。600両前後が生産された。１両160万ドルで輸出市場にも出され、UAE陸軍が装備している。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、世界AFV年鑑2002-2003、月刊PANZER12,’10、9,’01、戦車マガジン11,’92

＜２Ｓ１９Ｍ＞：車載弾道コンピュータを備えたASUNO自動砲射撃管制システム（AGFCS）を搭載したバージョン。車載GLONASSシステム及び自動照準システムと連動させることで反応時間を短縮し、目標への精度を向上させることができる。自動装填装置も改良された。2009年現在、600両以上が新規生産で配備されたとみられる。既存の2S19に同様の改造が施されたかは不明。参考：月刊軍事研究11,’00、2,’09、月刊PANZER12,’10

＜２Ｓ１９Ｍ１＞：2S19Mの主砲をNATO標準の52口径155mm 榴弾砲に換装したもので、M-388ともいう。最大射程は通常弾で30km、ベースブリードで41km。弾丸・装薬搭載数は46発。輸出用として第９野砲工場で開発され、2006年に発表されたが、実用化には至っていない。参考：月刊軍事研究11,’00、2,’09、月刊PANZER12,’10

＜ムスタＫ＞：８×８輪トラックMAZに砲塔を搭載したもの。試作のみ。参考：月刊PANZER12,’10

＜２Ｓ２３＞：ソ連陸軍120mm自走迫撃砲、別名ノナ（NONA-SVK、第９音。Nona-SVK K？）。1990年に公開された。BTR-80の車体中央部を改造し、2S9と同じ砲塔を左右35度ずつの限定旋回で搭載している。主砲は120mm後装式迫撃砲2A60で、2S9と性能は同じ。半自動装填装置を持ち、発射速度毎分8-10発。搭載弾数は30発で、うち４発がHEATである。車体左右の小ハッチから弾薬を補給する。砲塔左後部に車長用外部視察キューポラがあり、遠隔操作可能な対空・近接自衛用7.62mm機銃PKT（500発）が搭載されている。全長7.65m、全幅2.9m、全高2.495m、車重15.5トン。最大装甲厚16mm。エンジンはKAMAZ-7403ディーゼル（260馬力）、最大速度80km、航続距離600km。ウォータージェットにより時速10kmで水上航行可能。乗員４名。自動車化狙撃師団の支援用に配備され、チェチェン紛争に投入されたが、防御が貧弱でRPGにより何両か破壊された。中国が100両前後を発注したとされる。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、世界AFV年鑑2002-2003、月刊PANZER9,’01、世界の軍用車両(2)

＜２Ｓ２３ファミリー＞

　＜消防車＞：砲身内に放水銃を取り付けたもの。赤く塗装されている。参考：月刊JWings11,’05

＜２Ｓ２５シリーズ＞：ロシア空挺軍125mm対戦車自走砲SPTP（サモホードナヤ・プロチヴォタンコヴァヤ・プーシカ）。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜２Ｓ２５＞：別名スプルトSD（スプルト？）。車体はボルゴグラード・トラクター工場の開発といわれ、BMD-3空挺戦闘車の車体延長型とみられる。主砲は125mm滑腔砲2A75で、搭載弾数40発（9M119M含む）、自動装填装置付き。コンピュータ化射撃管制装置、NBC防護装置、暗視装置が標準装備されている。主砲発射時には油気圧サスペンションにより車体を接地させることが可能だが、マズルブレーキ無しの2A75の発射にどれだけ耐えられるか疑問の余地はある。副武装は7.62mm同軸機銃PKT１丁（2000発）。装甲は薄く、車体前面で12.7mmAP、それ以外では7.62mmAPに対する防御力を有する。乗員を乗せたままの空中投下が可能で、空挺・空中強襲師団に配備される予定といわれていた。全長6m、全幅3.114m、全高2.5m、重量18トン。エンジンは2V-06-2Sディーゼル（510馬力）、最大速度71km、航続距離500km。ウォータージェット２基で水上航行可能（時速10km）。乗員３名。2010年4月に調達中止となった。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊軍事研究11,’98、2,’11、11,’11、月刊PANZER1,’01、9,’02

＜２Ｓ２５Ｍ＞：ロシア空挺軍戦車駆逐車、別名スプルトSDM1。2S25の近代化改良型で、ベース車体をBMD-4Mに変更し、125mm滑腔砲2A75MとソスナＵ照準装置を備える。戦闘重量18トン。高度400-1500mから投下可能。2018年からテストに入る予定。参考：月刊軍事研究10,’18、7,’18

＜２Ｓ３１＞：ロシア陸軍120mm自走カノン迫撃砲、別名ベナ（Vena）。1994年に制式化され、1997年のIDEXで初公開されたが、2000年代初めになっても就役していない。車体はBMP-3の改造型で、袖部の機銃を外し、後部の機関室上面を単純化している。砲塔は大型だが背が低く、上部右に各種視察装置付きキューポラを持つ。主砲は120mm後装式迫撃砲2A80で、マズルブレーキや砲口排煙器は無い。最大仰角80度、直射も可能。自動装填装置付で、専用砲弾（フィン付き迫撃砲弾、RAP、HEATなど）の他、2S9や2S23の砲弾も使用でき、最大射程18000m（通常弾で7000m・RAPで10000mという説、迫撃砲弾と地雷撒布弾で7200m・通常榴弾で13000mという説もある）。HEATの場合、低圧砲身から低仰角で撃ち出すので射程は1000mに留まる。また、レーザー誘導砲弾キトロフ2Mも撃てるが、これは手動装填である。最大発射速度毎分8-10発。弾薬搭載数70発（うち自動装填装置内36発）。副武装は砲塔上部のリモコン式7.62mm機銃PKT１丁。砲塔前部左右に81mm発煙弾902Bトゥーチャ用６連装発射機を１基ずつ装備する。レーザー測距器や環境センサーを搭載している。全長6.75m、全幅3.15m、全高2.6m、重量18トン。エンジンはUTD-29Mディーゼル（500馬力）、最大速度70km、航続距離600km。ウォータージェットで水上航行可能。乗員４名。参考：世界AFV年鑑2002-2003、ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）、月刊PANZER1,’01、月刊軍事研究7,’97

＜２Ｓ３４＞：ロシア陸軍装軌式122mm自走砲、別名ホスタ（ギボウシという多年草のこと）。2S1の後継で、2S31や2S23と共通化した車体・砲塔に122mm榴弾砲2A80-1（40発）を搭載している。主砲は仰角を80度まで取ることができ、最小射程500m（迫撃砲弾）／1.8km（榴弾砲用砲弾）、最大射程13km（通常弾）／17.5km（RAP）。副武装は7.62mm機銃PKT１丁。大隊指揮官車がFCSとして1V180-2を搭載しており、他の車両はデータリンクのみで射撃諸元を得る方式を採用していて、コスト削減のためらしいが、最小運用単位が大隊規模になる、ECMを受けると大隊が丸ごと機能しなくなるという欠点がある。2008年から配備された。参考：月刊PANZER12,’13

＜２Ｓ３５＞：ロシア陸軍が開発中の152mm自走榴弾砲、別名コアリツィヤSV（Koalitsiya-SV）。2010年に開発中止となったコアリツィヤSVとは別物である。車体はアルマータ重装軌式プラットフォームだが、T-14戦車やT-15歩兵戦闘車より車体長が短く、下部転輪はダブルタイプ片側６組となっている。薄い波形スカートを装備。砲塔は無人で、乗員は全て車体前部に位置する（右に車長、中央に操縦手、左に砲手）。ただ無人だからといって砲塔が小さい訳では無く、2S19ばりの巨大砲塔である。主砲は第９砲兵工廠が新規開発した52口径152mm榴弾砲2A88（自動装填装置付）で、最大射程40km（通常弾）／70km（RAPまたは誘導砲弾）、発射速度毎分16発／最大毎分20発。装弾数70発。車体前部上面に頑丈そうな二股ガントラベリングロックが用意されている。砲塔上面に12.7mm機銃Kordの遠隔操作銃塔を装備し、車長が操作する。乗員３名（車長、操縦手、砲手）。対独戦勝70周年記念式典軍事パレードで試作型が初公開されたが、この時の車体はT-90だった。参考：月刊軍事研究7,’15、5,’15、月刊PANZER8,’18、THE MILITARY BALANCE 2016

＜２Ｓ３８＞：ロシアのブレブストニック・インスティテュートが開発している57mm自走対空機関砲、別名デリヴァーツィヤPVO。車体はBMP-3がベースで、リアクティブアーマー付きの装甲スカートを装備する。砲塔は無人で、前面中央に57mm高射機関砲１門、左に7.62mm機銃を持つ。57mm高射機関砲は飛翔速度毎秒500m以上の目標にも対応でき、有効射程6000m以上、有効射高4500m以上、発射速度毎分120発、装弾数148発（徹甲弾、曳光榴弾、多目的榴散弾、誘導弾など）。照準器はJWG Peleng社製OES OP電子光学照準器で、有効照準距離は固定翼機なら6400m、小型UAVなら700m。自衛用として砲塔前側面に発煙弾発射機を装備する。乗員３名。参考：月刊軍事研究11,’18、1,’19

＜２Ｓ４６＞：2S19自走榴弾砲のFCS。無線または有線のデータリンクで自動的に射撃諸元を入力することができるが、通信装置の性能に限界があり、無線交信可能距離は500mしかない。参考：月刊PANZER12,’10、世界AFV年鑑2002-2003

＜２Ｔ６＞：2K11の予備ミサイル運搬・再装填車両。６輪貨物トラックIL-157がベースである。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（下）

＜２ＴＧ２０＞：牽引車（航空機用２トン）を参照。

＜２ＴＬ＞：TLシリーズ（戦時標準船）を参照。

＜２ＴＭ＞：TMシリーズ（戦時標準船）を参照。

＜２ＴＳ３３＞：2A45M（戦車砲）を参照。

＜２ＴＶ−２Ｆ＞：ソ連の試作ターボプロップエンジン。TV-2ターボプロップエンジン２基をギアボックスで繋げたものである。出力12000軸馬力。Tu-95爆撃機に搭載予定だった。参考：月刊JWings9,’23

＜２Ｔストライカー＞：ベラルーシ製の戦闘偵察車で、2001年のIDEXで公開された。ステルス性を考慮しており、外面は特殊素材で覆われる。車体は2S6Mをベースに大改造を加えており、車体前部に操縦手と偵察員を配置し、中央に戦闘室があって砲塔が載り、後部は機関室でパワーパックを収容する。サスペンションはハイドロニューマティックで機動性が高く、地上クリアランスを130-570mmの間で調節可能。平たい２名用砲塔に30mm機関砲（500発）と7.62mm連装同軸機銃（2000発）、砲塔後部左右に引き込み式ミサイル発射機（9M120アタカ２対戦車ミサイル予備含め14発、9K38イグラ地対空ミサイル予備含め12発）を搭載。ミサイルは砲塔上面のカバーが開いてランチャーが露出し、発射される。再装填は外部から行う。30mmグレネードランチャー（166発）も装備しており、砲塔側面後部に発煙弾を２発ずつ埋め込み式に搭載する。砲塔・車体とも前面は35mm弾の直撃に耐えられる装甲を持ち、対地雷性も高く、NBC防護力も有する。車体上にパッシブ暗視装置とレーザー放射センサーを備え、レーザーを感知するとフレアを活性化させる。車重24.7トン、戦闘重量27.4トン。最大速度95km、航続距離1000km。砲塔に無人機、後部区域に装輪無人車両を搭載することも可能。参考：月刊軍事研究8,’03、6,’03、7,’99

＜２ＺＬＡ／３５３ＭＫ＞：KDM（機関砲）を参照。

＜２液混合式液体装薬＞：燃料成分と酸化剤を別に貯蔵し、燃焼の際に薬室で混合させる液体装薬。燃料としてJP-4やデカハイドロナフタレンなど、酸化剤として硝酸などを用いる。混合するだけで自然発火するものもあるが、管理が難しくなる。参考：月刊PANZER4,’03

＜２階建て＞：陸王のサイドカーの通称。

＜２型機関砲＞：１型機関砲シリーズを参照。

＜２型クラスター爆弾＞：中国軍のクラスター爆弾で、対ソフトスキン子爆弾28発または対人子爆弾42発、対戦車子爆弾26発を搭載できる。重量250kg。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜２型通常爆弾＞：中国軍の爆弾で、100kg、250kg、500kg、1500kg、3000kgの５種類がある。炸薬はTNT。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜２型１２＞：FCS2型12（射撃指揮装置）を参照。

＜２型２１＞：FCS2型21（射撃指揮装置）を参照。

＜２型２２＞：FCS2型22（射撃指揮装置）を参照。

＜２型２３＞：FCS2型23（射撃指揮装置）を参照。

＜２型３１＞：FCS2型31（射撃指揮装置）を参照。

＜二型短機関銃＞：日本陸軍が昭和12年から研究したサブマシンガンで、6.5mm弾を使用する。失敗作に終わった。参考：拳銃・小銃・機関銃

＜二級鉄十字章＞：ドイツの勲章。略綬は黒赤白の３色リボンで、第２ボタン穴に付ける。第１次大戦では5009645名に授与された。第２次大戦では300万名（うち女性27名）に授与された。参考：武装親衛隊、Ｕボート入門

＜二号一型対空電探＞：二式二号電波探信儀一型を参照。

＜二号二型電探シリーズ＞：日本海軍の対水上レーダーで、日本海軍技術研究所が日本無線の水冷式Ｇ型発振磁電管（極超短波マグネトロン。波長10cm）を使用して昭和14年から開発し、一〇三号を経て昭和17年末に実用化した。参考：海軍技術研究所

＜二号二型電探＞：マグネトロンはパルス変調式のM-312を使用している。受信器は当初鉱石検波器を採用することにしたが、耐震性が無いとして真空管検波器による超再生受信器を用いた。設置場所を節約するため、アンテナはラッパ型をしており、送信用と受信用が別々に用意されていて、送受信管からアンテナまでは導波管で結ばれている。ピーク出力は2kWで、水上艦のマスト上に装備すれば戦艦クラスの目標を25km、巡洋艦クラスを17kmで探知可能である。ただ駆逐艦はマストが低く、下手をすると夜でも目視に劣った。潜水艦では更に装備位置が低いため、戦艦クラスでも7-8km程度しか探知距離が無い。送信管と受信管の波長が合わないという事態が多発し、可変周波数の送信管を作ったが上手くいかなかったため、波長の合いそうな管を選別して取り付けるという手間が必要だった。また、真空管40本を使用しているが、これに不良が多く、故障が多かった。導波管湾曲部は直径10cmで、加工が難しく、呉工廠電気部で工作法を開発している。昭和16年12月5日に横浜港でテストしたところ、日本郵船の浅間丸を23km先まで探知できた。昭和17年5月にプロトタイプの一〇三号が日向に試験搭載され、ミッドウェイ海戦後の撤収やアリューシャン作戦では夜間悪天候中での艦隊集結に威力を発揮した。その後の採用検討会で対空レーダーとしては不採用になったが、日向の艦長が有用性を証明したために対水上用として採用が決定、受信器をオートダイン式に改良して昭和17年末に完成した。ただ量産用資材の都合が付かず、ヤミ物資を調達して間に合わせた。その後水上艦への装備が始まり（戦艦は昭和18年7月から）、昭和18年7月末のキスカ撤収作戦では濃霧の中の撤収に成功。昭和19年春以降には潜水艦にも装備された。捷一号作戦参加艦は発電機を追加してピーク出力を5kWに上げたものを搭載している。昭和19年9月にはレーダー射撃用の射撃指揮装置が追加され、鉱石検波器を採用して信頼性を向上させ、サマール沖海戦で実戦投入された。後にアンテナが送受信兼用となり、１つに纏められている。300基が生産されたものの、装備する筈の艦艇がそれよりも少なかったので海軍工廠に山積みになっており、戦後も占領軍に接収されず残存していたため、昭和21年に南氷洋捕鯨船団母船摂津丸が航海レーダーとして装備し、氷山や流氷の回避に使用した。参考：海軍技術研究所、月刊軍事研究8,’08、日本の潜水艦パーフェクトガイド、図解日本の戦艦、月刊丸10,’10、8,’11、月刊世界の艦船5,’11、4,’17、レーダの基礎

＜二号二型電探改一型＞：受信機をオートダインに変更したもので、マイクロ波を使用する。マリアナ沖海戦で愛宕が使用して効果を上げ、１ヶ月以内に全艦に装備するよう軍令部から命令が出された。参考：海軍技術研究所

＜二号二型電探改二型＞：受信機に鉱石検波スーパー方式を採用したもので、昭和19年9月から量産された。参考：海軍技術研究所

＜二号二型電探改三型＞：レーダー射撃を可能としたもので、戦艦用としては一定の成果を挙げたが、駆逐艦では使い物にならなかった。参考：月刊丸10,’10、月刊世界の艦船5,’11

＜二号二型電探改四型＞：最終生産型。参考：月刊丸10,’10

＜二号二型電探改四型（特）＞：本格的な射撃指揮レーダー完成までの繋ぎとして、二二型改四に射撃指揮能力を追加したもの。探知距離は戦艦クラスで35km、駆逐艦クラスで17km、方位精度プラスマイナス1-2度、測距精度プラスマイナス100m。戦艦主砲の弾着観測なら15kmまで行える。あくまでも暫定版で、技術力の限界から能力に劣り、基線長式測距儀を併用する必要があった。参考：月刊世界の艦船3,’15、4,’17

＜二号火焔発射器＞：日本陸軍の火炎放射器で、大正13年6月に制式化された。燃料タンクの両脇に棒が２本付いており、高圧窒素ボンベをタンクにくっつけ、棒を２名で担いで移動する。使用燃料や点火方式は一号火焔発射器と同じ。重量88kg。満州事変で実戦テストが行われたが、大型で重すぎるという欠点が露呈した。参考：工兵入門

＜�U号火炎放射戦車＞：�U号戦車ファミリーを参照。

＜二号機雷＞：日本海軍の係維機雷。小田海軍中佐が開発した。直径0.74m、炸薬重量50kg。日露戦争の際、帝政ロシア海軍太平洋艦隊旗艦の戦艦ペトロパブロフスクを撃沈した。参考：小艦艇入門

＜�U号重歩兵砲３３式搭載自走砲＞：�U号戦車ファミリーを参照。

＜�U号戦車シリーズ＞：ドイツ陸軍軽戦車Sd.Kfz.121、Panzerkampfwagen �U。開発当初はVs.Kfz.622という名称で、秘匿名称は1Serie LaS 100である。�T号戦車の補助車両という位置付けで、1934年7月に開発命令が出され、1935年10月に試作車が完成。軍備を急速に拡大させる必要から、テストで露呈した欠点を改良しきれないうちに量産に入った。1936年から部隊配備され、小隊長車・中隊長車として使用された他、各中隊に１個小隊が配属され、対戦車戦闘を担った。白作戦では主力戦車として使用されたが、黄作戦では偵察・連絡用に使われるようになった。バルバロッサ作戦開始時には戦車連隊、戦車大隊、戦車中隊に偵察用として１個小隊がそれぞれ配備されていた。1942年に戦車中隊から外され、1943年末には大隊や連隊の装備からも外されて第一線を退いたものの、後方部隊で終戦まで使用された。参考：ジャーマンタンクス

　＜�U号戦車ａ／１型＞：増加試作型。下部転輪は小型のもの片側６枚で、２枚１組にしてボギーに取り付け、リーフスプリングで緩衝している。誘導輪は後方にあり、基部はリアパネルに設けられた。起動輪は前方にあり、上部転輪は片側３枚。最初の10両は誘導輪が溶接製で、その後はゴム縁付きの鋳造に換えられた。全長4.38m、全幅2.14m、全高1.95m、全備重量7.6トン。武装は砲塔左の20mm機関砲KwK30L/55（榴弾・徹甲弾計180発）と右の7.92mm同軸機銃MG34（2250発）で、俯仰角はマイナス9.5度からプラス20度、旋回は手動式、照準器はTZF4。装甲厚は車体前面13mm（曲面）、側後面13mm０度、上面5mm90度、上部構造物前面13mm９度、側面13mm０度、後面13mm９度、上面前部8mm90度、上面後部10mm70度、砲塔前面13mm（曲面）、側後面13mm22度、上面8mm86-90度、防楯15mm（曲面）。エンジンはマイバッハHL57TR、トランスミッションは前進６速・後進１速、最大速度40km、航続距離200km。FuG無線機を搭載する。乗員３名。参考：ジャーマンタンクス、月刊PANZER3,’02

　＜�U号戦車ａ／２型＞：機関室防火隔壁を乗員室に設けたタイプ。これを外すと燃料ポンプとオイルフィルターの手入れができる。参考：ジャーマンタンクス

　＜�U号戦車ａ／３型＞：ラジエターを大型化し、サスペンションを改良したタイプ。参考：ジャーマンタンクス

　＜�U号戦車ｂ型＞：秘匿名称2Serie LaS 100。機関部を強化し、誘導輪基部を車体内側に移動、起動輪を新型とし、履帯幅及び上部・下部転輪の幅を広げた。サスペンションも強化し、転輪ボギーの支柱を追加、フェンダー後端を折り畳み式とし、排煙消音器の形状を変更している。全長4.76m、全幅2.14m、全高1.96m、重量7.9トン。武装は砲塔左の20mm機関砲KwK30L/55（榴弾・徹甲弾計180発）１門と砲塔右の7.92mm同軸機銃MG34（2250発）１丁で、俯仰角はマイナス9.5度からプラス20度、旋回は手動式、照準器はTZF4。装甲厚は車体前面13度（曲面）、側面13mm０度、後面13mm７度、上面5mm90度、上部構造物前面13mm10度、側後面13mm０度、上面前部12mm90度、上面後部10mm82度、砲塔前面13mm（曲面）、側後面13mm21度、上面10mm84-90度、防楯15mm（曲面）。エンジンはマイバッハHL62TR、トランスミッションは前進６速・後進１速、最大速度40km、航続距離200km。無線機はFuG5。乗員３名。1937年2-3月に25両が生産された。参考：ジャーマンタンクス、月刊PANZER3,’02

　＜�U号戦車ｃ型＞：増加試作最終型。下部転輪を大型５枚に変更し、サスペンションを独立懸架式リーフスプリングとした。上部転輪は４個に増えている。機関室の通気・冷却機機構も改良し、履帯変更に伴い起動輪、誘導輪、フェンダーの幅を広げている。諸元はｂ型とほぼ同じ。黄作戦で、対戦車ライフルにより前面装甲をしばしば貫通されたため、1940年5月に20mm厚装甲板を砲塔、上部構造物、車体前面にボルト止めした。車長用の両開きハッチを閉じると殆ど外が見えなくなるという欠点もあり、1940年10月からペリスコープ８個付きキューポラを装着している。参考：ジャーマンタンクス

　＜�U号戦車Ａ型＞：最初の量産型で、1937年7月から生産された。装甲厚を14.5mmに増やし、変速機を改良している。全長4.81m、全幅2.22m、全高1.99m、重量8.9トン。武装は砲塔左の20mm機関砲KwK30L/55（榴弾・徹甲弾計180発）１門と砲塔右の7.92mm同軸機銃MG34（2250発）１丁で、俯仰角はマイナス9.5度からプラス20度、旋回は手動式、照準器はTZF4/36。装甲厚は車体前面14.5mm（曲面）、側面14.5mm０度、後面14.5mm６度、上面14.5mm63-73度、底面5mm90度、上部構造物前面14.5mm９度、側面14.5mm０度、後面14.5mm９度、上面10mm81-90度、砲塔前面14.5mm（曲面）、側後面14.5mm22度、上面10mm86-90度、防楯16mm（曲面）。エンジンはマイバッハHL62TR、トランスミッションは前進６速・後進１速、最大速度40km、航続距離200km。無線機はFuG5。乗員３名。黄作戦で、対戦車ライフルにより前面装甲をしばしば貫通されたため、1940年5月に20mm厚装甲板を砲塔、上部構造物、車体前面にボルト止めした。車長用の両開きハッチを閉じると殆ど外が見えなくなるという欠点もあり、1940年10月からペリスコープ８個付きキューポラを装着している。参考：ジャーマンタンクス

　＜�U号戦車Ｂ型＞：Ａ型の小改良型で、視察スリットカバーなどが微妙に違う。諸元はＡ型とほぼ同じで、生産後改修も同じ。参考：ジャーマンタンクス

＜�U号戦車Ｃ型＞：Ｂ型の小改良型で、照準器がTZF4/38に変更されている他はＢ型とほぼ同じ。生産後改修も同じ。参考：ジャーマンタンクス、月刊PANZER7,’03

＜�U号戦車Ｄ型＞：騎兵用偵察軽戦車として使用するため、Ｃ型の車体と足周りを改良したもので、秘匿名称は8 Serie LaS 138。機動性の向上のため、トーションバー・サスペンションを導入し、下部転輪を大直径のダブルタイプ片側４組に変更、上部転輪は無くなった。変速機を換装し、履帯をドライ式シングルピン型（初期は複列式ガイド、後に単列中央ガイド）に変更している。車体は機関室側面に空気吸入口を設け、車体前面装甲板が厚さ30mmの１枚式となった。全長4.65m、全幅2.3m、全高2.06m、全備重量10トン。武装は砲塔左の20mm機関砲KwK30L/55（榴弾・徹甲弾計180発）、砲塔右の7.92mm同軸機銃MG34（2250発）で、俯仰角はマイナス9.5度からプラス20度、旋回は手動式、照準器はTZF4/36。装甲厚は車体前面30mm９度、側後面14.5mm０度、底面5mm90度、上部構造物前面30mm９度、側面14.5mm０度、後面14.5mm20度、上面10mm79-90度、砲塔前面14.5mm（曲面）、側後面14.5mm22度、上面10mm76-90度、防楯16mm（曲面）。エンジンはマイバッハHL62TRM、トランスミッションはマイバッハ製バイオレックスVG（プリ・セレクト式前進７速・後進３速）、最大速度55km、航続距離200km。無線機はFuG5。乗員３名。1938年5月から1939年8月までにＥ型と合わせて43両が生産され、軽機甲師団戦車大隊（１個）に配備され、ポーランド戦に使用されたが、武装が貧弱で活躍できず、1940年5月に前線から引き上げられて全て火炎放射型に改造された。また、車体のみ新規生産してマルダー�UＥが製作された。参考：ジャーマンタンクス、月刊PANZER11,’02

＜�U号戦車Ｅ型＞：Ｄ型の履帯をウェットピン型に変更したもので、起動輪、誘導輪、転輪の形状も変えられた。これもＤ型同様の経過で全て火炎放射型に改造された他、車体のみ新規生産してマルダー�UＥが製作された。参考：ジャーマンタンクス、月刊PANZER11,’02

＜�U号戦車Ｆ型＞：Ｃ型の改良型で、秘匿名称は9 Serie LaS 100。車体前部を35mm厚の平面装甲板とし、戦闘室・砲塔前面も30mm厚に強化した。戦闘室前面左には上下開閉式の貼視孔があり、右にはアルミニウム製の偽貼視孔が付けられている。誘導輪形状は円錐形断面を持つものになった。砲塔上面には生産当初からペリスコープ８基付きの車長用キューポラを装備する。全長4.81m、全幅2.28m、全高2.15m、重量9.5トン。武装は砲塔左の20mm機関砲KwK30L/55（榴弾・徹甲弾計180発）、砲塔右の7.92mm同軸機銃MG34（2700発）で、俯仰角はマイナス9.5度からプラス20度、旋回は手動式、照準器はTZF4。装甲厚は車体前面35mm13度、側面15mm０度、後面15mm７度、底面5mm90度、上部構造物前面30mm10度、側面15mm０度、後面15mm９度、上面15mm90度から10mm82度、砲塔前面30mm（曲面）、側後面15mm21度、上面10mm77-90度、防楯30mm（曲面）。エンジンはマイバッハHL62TR、トランスミッションは前進６段・後進１段、最大速度40km、航続距離200km。無線機はFuG5。乗員３名。参考：ジャーマンタンクス

＜�U号戦車Ｇ型＞：VK901。�U号戦車の高速化バージョンである。足回りを完全新設計とし、下部転輪５枚を千鳥式に配置、サスペンションをトーションバー式に換えた。車体前面はＦ型と同じ平面だが、上面左にあったハッチは無くなっている。上部構造物前面と側面前部には操縦手及び無線手用の貼視孔が設けられており、上面前方左右にそれぞれ専用のハッチがある。全長4.24m、全幅2.38m、全高2.05m、全備重量10.5トン。武装は砲塔左の20mm機関砲EW141が１門、右の7.92mm同軸機銃MG34が１丁。装甲厚は、車体前面30mm20度、側面15mm０度、後面15mm、上部構造物前面30mm10度、側面15mm０度、後面15mm、砲塔前面30mm（曲面）、側後面15mm。エンジンはマイバッハHL66P、トランスミッションは前進５速・後進１速、最大速度50km、航続距離200km。乗員３名。武装が20mm機関砲では貧弱すぎるのと、高速化といいつつＤ・Ｅ型よりも遅かったので、12両だけしか生産されず、前線に配備されたという記録も残っていない。先行生産された砲塔26基（27基？22基？）はデンマークのバンカー、大西洋の壁、ジークフリート・ライン用として流用された。参考：ジャーマンタンクス、月刊PANZER3,’05、8,’05、月刊丸2,’08

＜�U号戦車Ｈ型＞：VK903。Ｇ型の最大速度が要求の60kmに満たなかったので、トランスミッションを38(t)戦車用のSSG48に換装したものである。ついでに側面装甲を強化した。重量10.5トン。武装は2cm機関砲KwK38L/55と7.92mm同軸機銃MG34が１丁ずつで、照準器はTZF4/38。装甲厚は車体前面30mm、側後面20mm、底面5mm、上部構造物前面30mm、側後面20mm、上面10mm、砲塔前面30mm、防楯30mm。エンジンはマイバッハHL66P、トランスミッションは前進４速・後進１速、最大速度65km。乗員３名。一度は250両（200両？）が発注されたが、トランスミッションの開発が遅れ、�U号戦車Ｌ型を採用することになって1942年9月に発注を取り消された。参考：ジャーマンタンクス、月刊PANZER8,’05

＜�U号戦車Ｊ型＞：�U号戦車の重装甲歩兵戦車型、VK16.01。�T号戦車Ｆ型同様に重装甲化したもので、1939年12月22日から開発され、1940年6月に試作初号車が完成した。�T号戦車Ｆ型と同じく転輪を千鳥型、サスペンションをSchachtellaufwerk（中空式懸架装置）に変更し、車体側面に脱出用ハッチを設けてフェンダーを切り欠いている。重量18トン。武装は2cm機関砲KwK38L/55と7.92mm同軸機銃MG42が１丁ずつで、照準器はTZF4/38。装甲厚は車体・上部構造物・砲塔前面80mm、側後面50mm、上面25mm。エンジンはマイバッハHL45P、トランスミッションは前進５速・後進１速、最大速度31km。乗員３名。1942年4月から12月までに22両が生産され、1943年初めに第12機甲師団に配備されて東部戦線に送られたが、どう使われたかは不明。１両は戦車回収車に改造された。参考：ジャーマンタンクス、月刊PANZER3,’05

＜�U号戦車Ｌ型＞：Sd.Kfz.123、別名ルクス。�U号戦車という名前は付いているが、それまでとは全くの別物である。また、機甲捜索大隊に配備されたものは�U号装甲偵察車ルクスと呼ばれた。高速偵察軽戦車として�T号戦車Ｃ型、�U号戦車Ｇ型、同Ｈ型、同Ｍ型を開発したが、どれも試作または増加試作程度に止まったため、本格量産を目指してVK1303の試作名称で開発され、�U号戦車Ｍ型をベースにエンジン強化などの改良を加え1942年4月に完成、8月から生産された。車体は垂直面で構成され、それまでのドイツ陸軍戦車の形状を踏襲している。下部転輪は大直径の５枚を千鳥型に装備しており、起動輪は前方、誘導輪は後方で、上部転輪は無い。サスペンションはトーションバー式。履帯はセンターガイド付き鋼製で、片側67枚。砲塔には車長及び砲手用の回転式ペリスコープが１基ずつ用意されており、覘視孔や固定式ペリスコープは無い。後期型では砲塔リアハッチが大型化した。武装は2cm機関砲にグレードダウンしているが、101両目以降はＭ型と同じ5cmKwK39/1 L/60に換装する予定だった。全長4.63m、全幅2.48m、全高2.21m、戦闘重量11.8トン。主砲は2cm機関砲KwK38L/55（330発）と7.92mm同軸機銃MG34（2250発）各１丁ずつ。主砲俯仰角はマイナス９度からプラス18度で、旋回は手動。照準器はTZF6/38。装甲厚は車体前面30mm22度、側面20mm０度、後面20mm28度、底面10mm90度、上部構造物前面30mm10度、側面20mm０度、後面20mm28度、上面10mm86-90度、砲塔前面30mm10度、側後面20mm21度、上面12mm79-90度、防楯30mm（曲面）。エンジンはマイバッハHL66P直列６気筒水冷ガソリン（200馬力）、トランスミッションはZFアフォンSSG48（前進６段、後進１段）、最大速度60km、燃料タンク容量235リットル、航続距離290km。FuG5無線機（FuG Spr a？）を搭載しており、機甲捜索大隊の車両ではFuG12長距離無線機を装備してスターアンテナを取り付けた。乗員は車長、砲手、操縦手、無線手の４名で、乗員全てにハッチが用意されている。最初は800両が発注されたが、1943年1月に100両で打ち切ることが命令され、1944年1月までに100両のみが完成した。よって、5cm砲搭載型は量産されていない。戦車師団に配備され、第２次大戦終戦まで東西両戦線で使用された。参考：月刊PANZER6,’02、8,’05、9,’05、ジャーマンタンクス

＜�U号戦車Ｍ型＞：VK1301。�U号戦車Ｈ型の改良型で、エンジンは�T号戦車Ｆ型と同じマイバッハHL45P（145馬力）を搭載している。主砲は5cm戦車砲KwK39/1に変更した。1942年4月末に最初のプロトタイプが完成し、試作型４両が製作された。これは採用されなかったが、エンジンを強化したものが�U号戦車Ｌ型として採用された。参考：月刊PANZER8,’05、ジャーマンタンクス

＜�U号戦車ファミリー＞

　＜�U号火炎放射戦車Ａ型＞：ドイツ陸軍火炎放射戦車、特殊車両番号SdKfz.122、別名フラミンゴ（Flamingo）。�U号戦車Ｄ型／Ｅ型の車体を使用し、無線手席を車体前部に移動して機関室レイアウトを変更、戦闘室左右の床上に燃料放射用の圧搾窒素ボンベ２本ずつを搭載した。車体前面には操縦手・無線手用に30mm厚装甲バイザーが１つずつ装備されている。左右フェンダー上面には装甲カバーで覆われた160リットルの燃料タンクがあり、その前方に火炎放射ノズル付きボールマウントを持つ小ターレットを配置した。小ターレットは操縦手（左）と無線手（右）が操作し、左右に各90度旋回可能、ノズルの俯仰角はマイナス10度からプラス20度である。噴射には圧縮窒素、点火にはアセチレンを使用し、2-3秒の噴射では80回の放射が可能だった。燃料タンクの後方には３連装発煙弾発射機が、車体後部には５連装発煙弾発射機が置かれ、車長が発射する。車体後部には予備履帯を搭載。主砲塔は小さな固定式（全周旋回可能？）のものに換装し、前面に7.92mm機銃MG34（1600発）を搭載するボールマウント（俯仰角プラスマイナス10度、照準器はKgZF2）を装備した。主砲塔両側面には�V号戦車Ｅ型のものと同じ30mm厚の装甲バイザーと開閉式装甲クラッペを備え、後部にも装甲クラッペを搭載して周囲の視界を確保。主砲塔上部には前にヒンジを持つ車長用ハッチを装備し、前部にはペリスコープが付く。全長4.9m、全幅2.4m、全高1.85m、重量12トン。装甲厚は車体前面30mm９度、側後面14.5mm０度、底面5mm90度、上部構造物前面30mm９度、側面14.5mm25度及び15mm０度、後面14.5mm15度、上面10mm79-90度、主砲塔前面30mm０度、側面20mm21度、後面20mm30度、上面10mm84-90度。エンジンはマイバッハHL62TRM、トランスミッションは前進７速・後進３速、最大速度55km、航続距離250km。無線機はFuG2。乗員３名。1940年1月から１次生産分90両が生産された。火炎放射大隊１個あたりＢ型と合わせて36両が配備されており、1941年6月のバルバロッサ作戦から実戦投入された。火炎の威力の割に装甲が薄いなどの問題から使い勝手が悪かったらしく、1941年末から1942年初めには前線から全て引き揚げられてマルダー�UＥ対戦車自走砲に改造された。参考：ジャーマンタンクス、月刊グランドパワー1,’04、異形戦車ものしり大百科、世界の軍用車両(1)

　＜�U号火炎放射戦車Ｂ型＞：ドイツ陸軍火炎放射戦車、特殊車両番号Sd.Kfz.122、別名フラミンゴ（Flamingo）。起動輪と走行装置を改良したタイプで、150両が発注されたが、1941年8月から63両を生産したところで打ち切りとなり、Ａ型と同様に配備された。参考：ジャーマンタンクス

　＜�U号架橋戦車＞：ドイツ陸軍架橋戦車、Bruckenleger auf Panzerkampfwagen �U。�U号戦車ｂ型がベースで、�T号架橋戦車用に開発した２分割式橋梁を搭載したものである。第７戦車師団の機甲工兵に４両が配備されたが、他の生産・配備状況は不明。参考：ジャーマンタンクス

　＜�U号工兵用装甲車＞：ドイツ陸軍工兵用装甲運搬車、Pionier-Kampfwagen �U。修理のため後方に送られた�U号戦車の砲塔を外し、工兵用運搬車として使用したもの。1942年から多数が改造された。外した砲塔は固定陣地用に流用している。参考：ジャーマンタンクス

　＜�U号重歩兵砲３３式搭載自走砲＞：ドイツ陸軍自走砲、15cm sIG33 auf Fahrgestell Panzerkampfwagen �U (Sf)。�T号重歩兵砲33式搭載自走砲が有用だったので、もう少しマシな車体に搭載して本格的な改造を施したもので、アルケット社が設計した。1940年初めに�U号戦車の砲塔を外して15cm重歩兵砲sIG33を車輪ごと載せた試作車で射撃試験を開始、6月には車輪を外して載せたタイプでの射撃試験を行い、10月に上構を撤去して新設計の車載用砲架を積み車高を低く抑えたタイプを完成させた。これで砲架の方は実用レベルに至ったが、�U号戦車でも車体が小さく車内容積不足が問題となったため、量産車では車体を長さ670mm・幅320mm拡大、下部転輪を片側６枚に増やし（間隔は詰めた）、車体中央から後部に車幅一杯の上構を設けた。操縦手は車体前部左の装甲ボックス内に位置し、装甲ボックスには前と左側面に装甲蓋付き視察窓、上面に後ろ開きハッチが用意されている。重量増に対応してエンジンも強化したが、出力不足は否めず、変速機や操向装置も含めて故障が多かった。冷却装置用開口部が小さすぎてオーバーヒートしやすいという欠点もあり、北アフリカ戦線では機関室上面の大型ハッチを開けっ放しにして対応している。起動輪は前方、誘導輪は後方にあり、上部転輪は片側４枚。主砲は前面と側面をカバーする14.5mm厚の防楯と共に車体中央に搭載した。全長5.41m、全幅2.6m、全高1.9m、重量11.2トン。武装は15cm sIG33 L/12（10発。30発？）で、旋回角は10度、照準器はRblf36。装甲厚は車体前面30mm15度、側面15mm０度、後面15mm15度、上部構造物前面30mm９度、側面15mm30度、後面15mm10度、上面5mm90度、防楯前面15mm10度、側面15mm30度。エンジンはビュッシングNAG製L8V（150馬力）、トランスミッションは前進６速・後進１速、最大速度40km、航続距離160km。無線機はFuG Spr f。乗員４名（車長、砲手、装填手兼無線手、操縦手）。1941年9月までに12両を生産する予定で、これを６両ずつ配備する第707・第708重歩兵砲中隊（自走）が1941年9月に新編されたが、実際の生産は1941年12月に７両と1942年1月に５両と遅れ、早速配備されて北アフリカに送られた。1942年4月半ばから戦線に投入され、12月2日までに全て失われている。参考：ジャーマンタンクス、月刊PANZER8,’18、5,’01、異形戦車ものしり大百科、世界の軍用車両(1)

　＜�U号水陸両用戦車＞：ドイツ陸軍水陸両用戦車、Panzerkampfwagen �U mit Schwimmkorper。ゼーレーベ作戦用に1940年半ばから開発されたもので、A-C型を改造して52両が製作された。車体の外側にフロート（車体左右に１つずつ付けるタイプと、一体式舟形タイプの２種がある）を装着し、起動輪の回転軸から動力を得て推進する。シーステート3-4まで時速10kmで航行できる。ゼーレーベ作戦中止後、1940年10月に編成された第18戦車連隊に普通の�U号戦車として配備され、バルバロッサ作戦に回されて中央戦区に投入された。参考：異形戦車ものしり大百科、ジャーマンタンクス

　＜�U号戦車Ｊ型戦車回収車＞：ドイツ陸軍戦車回収車。1944年にＪ型１両が砲塔を外し、ジブクレーンを取り付けて戦車回収車に改造された。参考：ジャーマンタンクス

＜�U号戦車車台５ｃｍＰａＫ３８搭載自走砲＞：ドイツ陸軍対戦車自走砲、5cm PaK38L/60 auf Fahrgestall Panzerkampfwagen �U (Sf)。�U号戦車A-C型の砲塔を外し、5cmPaK38を防楯ごと搭載、側後面に装甲板を付けて戦闘室とした車両である。防楯には戦闘室との隙間を塞ぐため、鋼板３枚を溶接した。マルダー�Uに似ているが、戦闘室装甲板の形が左右で違っていたり、防楯の鋼板がやっつけ仕事だったり、装甲板に寸法がチョークで書き込まれていたりと、現地改修であろうことが推察される。機関室上面前方に弾薬ラック、後方に弾薬箱が設けられていて、それぞれ支柱で固定されているが、どちらも支柱から取り外せる。こういう所は芸が細かい。参考：月刊グランドパワー9,’03、ジャーマンタンクス

＜ヴェスペ＞：ヴェスペを参照。

＜装甲自走砲架１ｃ型ＰａＫ３８搭載�U号戦車＞：ドイツ陸軍試作対戦車自走砲、Panzer Selpsefahrlafette 1c/5cm PaK38 auf Panzerkampfwagen �U、別名VK901。�U号戦車（Ｇ型か？）の車体に新たな上部構造物を設け、5cmPaK38を搭載する砲塔を載せたもので、1940年7月にMAN社に対して開発命令が出された。ラインメタル・ボルジッヒ社の協力の下に試作が進められ、２両が1942年1月に引き渡されて前線に出されたが、砲の威力が対戦車戦闘に不十分だったので、量産には至らなかった。参考：ジャーマンタンクス

＜マルダー�U＞：マルダー�Uを参照。

＜�U号戦車Ｄ／Ｅ型７．６２ｃｍＰａＫ３６（ｒ）装甲自走車体＞：マルダー�Uシリーズ（対戦車自走砲）を参照。

＜�U号戦車車台５ｃｍＰａＫ３８搭載自走砲＞：�U号戦車ファミリーを参照。

＜�U号戦車車体搭載７．５ｃｍＰａＫ４０／２＞：マルダー�Uシリーズ（対戦車自走砲）を参照。

＜２号掃海具＞：日本海軍が日露戦争時に使用した対艦式係維掃海具。２隻でカッター付きワイヤーを曳航するが、右撚りのワイヤーしか無かったので掃海深度が不安定になってしまい、あまり効果が無かった。参考：月刊世界の艦船8,’82増刊

＜二号特薬＞：日本海軍の化学兵器で、ジフェニルシアノアルシンのことである。第一次上海事変後に海軍工廠平塚出張所で生産された。一号特薬よりも白人に対して効果があるとされ（根拠は不明）、艦砲用砲弾の隙間や六番一号陸用爆弾二型用として配備された。ただ使用されることは無く、昭和18年に生産を終えた。参考：日本海軍の爆弾

＜二号爆弾＞：日本海軍の対潜爆弾。大正13年から対潜爆撃の実験が開始され、30kg級通常爆弾では威力に欠けるといったことが判明、昭和13年3月に専用爆弾の開発が決まった。なるべく炸薬を多く詰めるため弾体は軽合金製としているが、海面に衝突した衝撃で破壊されないように頑丈に作ることにし、仮称九八式六番二号爆弾と仮称九八式二十五番二号爆弾が開発されたが、実用化には程遠かった。そのため陸用爆弾をベースに改めて作り直し、九九式六番二号爆弾と一式二十五番二号爆弾が制式化された。ただこれらも実用の域に達したのは昭和17年になってからである。磁力探知装置が開発されたため、これを妨害しない非金属製の十九試二十五番二号爆弾もテストされたが、完成前に終戦を迎えた。参考：日本海軍の爆弾

＜二号無線機＞：日本陸軍の軍通信用無線機で、師団より上級の部隊が使用する。発電用エンジンが付いている。参考：月刊丸12,’92

＜二号無線電信集所機＞：日本陸軍の器材。昭和8年5月に制式化された。参考：工兵入門

＜２サイクルエンジン＞：レシプロエンジンの一形式で、1881年にイギリスのクラークが実用化したため、クラーク・サイクルとも呼ばれる。燃料の燃焼・膨張によりピストンを押し下げ、ピストンが下がりきる前に排気と吸気を開始、ピストンの上昇で排気を完了して圧縮に移り、上死点付近で燃料に点火、というサイクルを行う。シリンダーに吸排気用の開口部を設けるだけだと、膨張している燃焼ガスが両方から出て行くだけで吸気が出来ないので、圧を掛けて吸気を流し込み燃焼ガスを押し出す（掃気）必要があり、ピストンが下がる時にクランクケースで圧縮した空気を流し込んだり、掃気ポンプで圧縮した空気を注入したりする。吸排気の流れで細分されており、掃気口と排気口がシリンダー側面に付いているのをクロスフロー、上下に付いているのをターンフロー、掃気ポンプと排気バルブを組み合わせるのをユニフローといい、２サイクルディーゼルは全てユニフロー式になった。構造が単純で、１回の爆発でピストンを１往復させるため４サイクルエンジンより出力を高くできるが、圧縮比が低い、排気量を大きくするのが難しい、排気と吸気ガスが混ざって燃焼効率が悪くなる、１往復あたり１回高熱に晒されるので冷却が難しいなどの欠点がある。また、背圧がかかると運転できなくなるため、潜水艦ではシュノーケル航行が困難だが、アメリカ海軍では昇降式吸気筒孔開閉装置、吸気管路用気水分離装置、排気弁自動開閉管制装置などを装備して解決した。参考：月刊軍事研究8,’16、月刊JWings1,’01、自動車エンジンの技術、日本の潜水艦パーフェクトガイド、自動車メカニズム図鑑、アメリカ潜水艦史

＜二次監視レーダー装置＞：自衛隊の機器。ネットコムセック製。参考：月刊軍事研究8,’11

＜二式二号電波探信儀一型＞：日本海軍の対空捜索レーダーで、二号一型電探、二一型電探ともいう。一号一型対空電探の艦載型である。使用波長1.5m（VHF）、出力5kW、重量840kg。前部マストの頂部に設置されるが、花魁のかんざしみたいなものをメインマストに付けるわけにはいかない、トップヘビーになる、敵に見つかりやすいなどと用兵側から文句が出たため、性能には目を瞑って小型軽量に纏め、納得させた。真空管54本を使用しているが、これの信頼性がイマイチで、故障が多かった。昭和17年5月に伊勢に試験搭載され、日向に搭載された一〇三号電探との比較試験の結果、高度3000mを飛行する艦上攻撃機単機を55km先で、戦艦日向を20km先で探知できることが分かり、採用が決定、昭和17年7月から戦艦に１基ずつ搭載することになった。9月、武蔵に搭載して主砲射撃演習を行ったところ、１斉射で衝撃により破壊されてしまった。昭和17年後半からは秋月型駆逐艦に搭載されている。参考：海軍技術研究所、図解日本の戦艦、月刊軍事研究8,’08、月刊世界の艦船5,’11、3,’15

＜二式二瓩爆弾＞：日本陸軍の子爆弾で、流線型の投下器内に16発収容して連続投下する。参考：日本海軍の爆弾

＜二式四輪駆動自動貨車＞：日本陸軍の四輪駆動トラックで、別名ヨキ車。いすゞが昭和17年に開発した。一式四輪自動貨車に前輪駆動装置を付けたものである。全長6.5m、全幅2.2m、全高2.34m、自重4.1トン、全備重量6.5トン。エンジンはディーゼル（総排気量5100cc）、最大速度65km、燃料搭載量80リットル、燃費はリッター3.7km。積載量２トン。乗員３名。昭和19年からは資材不足で木材を多用したタイプを生産した。参考：機甲入門、日本戦車隊戦史

＜二式六番二十一号爆弾シリーズ＞：日本海軍の60kg級二十一号爆弾。参考：日本海軍の爆弾

＜二式六番二十一号爆弾＞：３分割式の六角形断面容器にHEAT弾頭（タ弾）を持つ重量0.94kg・炸薬量0.5kgの子弾36発（上から２発、３発、４発、３発を前後３列）を内蔵している。子弾は陸軍のタ一〇二とは微妙に違い、炸薬収容部が円錐状の尾部に直接繋がっており、尾部に安定翼、尾端に風車式安全装置が付いていて、内部の発火装置と弾底信管に連結されている。投下と同時に子弾を放出するようにして実験したところ、爆発事故を起こしたため、改良が施されることになった。参考：月刊航空ファン3,’17、日本海軍の爆弾、激闘太平洋戦記

＜二式六番二十一号爆弾一型＞：投下して５秒後に容器が割れるようにしたもの。子弾は40個を収容し、容器が割れて放出されると2.5秒後に安全装置が解除され、信管がアクティブになる。全長1.135m、直径0.24m、総重量56.5kg。昭和18年初めには実験中だったが、8月1日には既にラバウルに685発も送られていた。参考：月刊航空ファン3,’17、日本海軍の爆弾

＜二式六番二十一号爆弾二型＞：一型の安全性を向上させたもので、昭和19年に採用された。容器の弾頭部には三式点火装置一型が装着される。容器内部に重量0.5kgの子弾40発（1kgの子弾36発？）が詰まっており、子弾には瞬発信管の二式小型爆弾信管一型が取り付けられている。全備重量56.5kg。参考：日本海軍の爆弾

＜二式六番陸用爆弾五型＞：日本海軍の60kg級クラスター爆弾で、飛行場攻撃用に開発され、昭和18年6月に採用された。尾部にねじれ安定翼が付いており、投下されると回転し始め、毎分1000回転になると弾体が割れて炸薬6.4kg入りの子爆弾が５個放出される。小爆弾には瞬発信管の二式小型爆弾信管一型がセットされていて、地上で炸裂する。全備重量56.5kg。少数が実戦投入されたようだが、効果は低かったらしい。参考：日本海軍の爆弾

＜二式六輪自動貨車乙＞：日本陸軍の６輪トラック。一式六輪自動貨車の搭載量増大型で、後２軸をダブルタイヤにしている（ので実際は３軸10輪）。全長7.08m、全幅2.2m、全高2.14m、自重4.4トン、全備重量9.8トン。エンジンはディーゼル（総排気量5100cc）、最大速度55km、燃料搭載量65リットル、燃費はリッター3.3km。搭載量５トン。量産には至らなかった。参考：機甲入門、日本戦車隊戦史

＜二式八倍双眼鏡＞：日本陸軍の双眼鏡で、昭和18年8月9日に制定された。射出瞳孔径4mm、倍率８倍、視野７度。重量はフィルタ、帯革、眼鏡入を含め1.3kg。参考：工兵入門

＜二式十二糎迫撃砲＞：日本陸軍の中迫撃砲。参考：大砲入門

＜二式十二糎迫撃砲＞：九六式・九七式中迫が重すぎたのと、試製九九式短中迫が性能不良だったのを改善したものである。口径120mm、砲身長1.535m、砲身重量80kg、放列砲車重量260kg、仰角40-80度、旋回角10度。使用弾は二式榴弾と二式重榴弾で、初速毎秒239m、最大射程4200m。南方作戦向けに採用され、太平洋戦争中に増設した師団の師団砲兵隊にも配備された。参考：大砲入門

　＜３０ｋｇ航空爆弾投射用＞：太平洋戦争末期の航空機不足で余った30kg航空爆弾を投射できるようにしたもの。爆弾後部に発射装薬を付け、迫撃砲砲身に押し込み、木製のガイドに載せて発射する。最大射程500m。参考：コンバット・バイブル２

＜二式十三粍旋回機銃＞：日本海軍の航空機用旋回機銃。昭和17年12月に輸入したMG131機銃を呉海軍工廠で国産化したものである。ドイツの工業レベルに付いていけず生産が遅れたため、三式十三粍旋回機銃も採用した。参考：歴史群像8,’17

＜二式二〇粍高射機関砲＞：日本陸軍の牽引式高射機関砲で、別名ケキ砲�T型。九八式機関砲を固定式砲架に搭載し、ボルトを回転式に変更、15発入り弾倉を採用したものである。口径20mm、戦闘重量550kg。全周旋回可能で、俯仰角はマイナス15度からプラス95度。旋回速度毎秒60度、俯仰速度毎秒15度。参考：月刊戦車マガジン11,’92、大砲入門

＜二式二五番三号爆弾シリーズ＞：日本海軍の250kg級三号爆弾で、昭和17年に制式化された。本来の三号爆弾は爆撃機編隊の攻撃が主任務だが、昭和17年12月に連合艦隊がB-24の高々度迎撃への是非を海軍航空本部に問い合わせた際の答えは、炸裂のタイミングを離陸前にセットしなければならないので実用的でないというものだった。実際、重量の関係で上昇性能や速度性能が落ちるため、対空迎撃は無理があり、空対空での使用記録が残っているのは昭和20年8月上旬の第131航空隊（芙蓉部隊）彗星艦爆による１件のみで、実戦では主に飛行場や小型艇（の乗員）に対する攻撃に使用された。マリアナ沖海戦では基地航空隊がCV-18ワスプに投下したが、損害は与えられなかったようである。昭和17年に300発、昭和18年に5500発、昭和19年に8800発、昭和20年に420発が製造されたらしい。参考：日本海軍の爆弾、月刊航空ファン2,’17

　＜二式二五番三号爆弾一型＞：最初の量産型。弾頭部に発火装置と信管、弾体中央に焼夷弾子775個と飛散用下瀬火薬15kgと特薬（硝酸バリウムとアルミ粉末の混合物で、弾子の広がりを白煙で示す）25kg、弾体後部に爆弾外殻を吹っ飛ばす下瀬火薬15kg、弾底部に信管と時計式発火装置があり、４枚の尾翼はなだらかに捩られている。焼夷弾子は重量118gの鉄パイプにチオコールテルミット（合成ゴムのチオコールにテルミットを混ぜたもの）62gを詰めたもので、燃焼すると3000度の高熱を発する。発火装置は弾頭部の九七式二号弾頭発火装置二型／二型改一と弾底部の二式三号発火装置二型（遅延秒時15-50秒で、高度数百ｍの低空爆撃、高度差1000mの空対空投下、高度2000-3000mの夜間爆撃、高度5000mの昼間爆撃に全て対応できる）。信管は全て着発式で、弾頭内が九六式爆弾信管、弾底内が九九式三号爆弾信管改二であり、弾頭の方は後に九二式爆弾信管に換装された。投下されると尾翼により爆弾が回転、毎分1000回転に達すると安全装置が解除され、弾底部発火装置の遅延秒時を過ぎると発火装置に続いて信管が作動、弾子が束藁角（散開頂角）70度で散布され、195m下方で38000平方メートルの範囲に50平方メートルあたり１個の弾子が散らばる。弾底部発火装置や信管が作動しなかった場合、着弾の衝撃で弾頭部発火装置次いで弾頭信管が作動する。全長1803mm、直径300mm、全備重量246kg、弾殻重量75.8kg。参考：月刊航空ファン2,’17、日本海軍の爆弾、月刊丸3,’18別冊

　＜二式二五番三号爆弾一型改一＞：昭和18年12月に多賀城海軍工廠で事故が起こったため、生産時の安全性を向上させたもの。焼夷弾子は長さ10cmのガスパイプにチオコールテルミットを詰め込んだもので、780-800個を内蔵した。ケースが炸裂すると直径300mに弾子が散らばって20秒間燃焼する。全備重量246kg。参考：日本海軍の爆弾

　＜二式二五番三号爆弾二型＞：焼夷剤を黄燐にしたタイプ。焼夷弾子は重量135gの鉄パイプに黄燐45gを詰めたもので、1086個が収容され、下瀬火薬（九八式爆薬？）8.53kgでばらまく。特薬も黄燐50kgに変更されている。発火装置や信管は一型と同じで、弾子は束藁角70度で散布され、235m下方で55000平方メートルの範囲に50平方メートルあたり１個の弾子が散らばる。鉄パイプは220m下方で毎秒125mの速度を持つが、航空機外板を貫通するほどの威力は無い。全備重量258.1kg（251.8kg？）、外殻重量75.8kg、黄燐総重量56kg。参考：月刊航空ファン2,’17、日本海軍の爆弾

＜二式三〇粍固定機銃一型＞：日本海軍の航空機用30mm機関砲で、九九式二〇粍固定機銃のボアアップ型である。重量50.9kg。42発入りドラム弾倉を使用する。昭和17年2月に試作型が完成し、零戦５機に装備して昭和18年7月にラバウルに送った。輸送途中の空襲で３機が失われ、ラバウルに到着したのは２機だったが、早速実戦投入されて戦果を挙げている。雷電一一型の主翼に２丁装備したものも第302航空隊でテストされ、昭和19年12月3日にB-29爆撃機１機を撃墜した。国産の十七試三〇粍固定機銃（乙）／五式三〇粍固定機銃一型に負けて量産には至らなかった。参考：月刊航空ファン11,’17、歴史群像6,’08

＜二式四十粍撒布弾（二式五十瓩型）＞：日本陸軍のクラスター弾。長ったらしいためか正式の名称はほぼ使われず、50キロ・タ弾と呼ばれていた。子爆弾を収容するコンテナ部分は波板製で、断面形が縦長六角形をしており、前後にフェアリング（キャップ）を付けて抗力を減じている。子爆弾はタ一〇二で、左右６発・中央７発を上下に重ね、これを前後に４列配置し、計76発を収容、コンテナを縛帯で縛り付けて上部の締め金で固定する。機体には増槽と同様にラックで直接装着したり、専用のパイロンを作って取り付けたりした。投下されるとすぐ締め金が外れ、コンテナが割れキャップも外れてタ一〇二が放出されるが、特に撒布面積を大きくするような工夫はされていない。飛行場に並ぶ航空機を破壊するのが主任務で、後に爆撃機編隊攻撃にも使用された。艦艇攻撃に使われたこともある。コンテナ全長1.05m、コンテナ幅0.2m、実重量60kg。大阪造兵廠で生産された。一式戦闘機が火力不足でB-17を墜とせないため、昭和18年1月11日に参謀本部がラバウルに60発を送付し、第６飛行師団では下旬に受領、一式戦闘機で主に対進攻撃を試した。子爆弾は撒布後すぐに信管がアクティブになるため、高度差を取る必要は無いが、相対速度が速く投下タイミングを計るのが難しく、なかなか上手く行かなかったようである。明野飛行学校でも空対空での使用法を検討したが、子爆弾の落下速度が遅く投下タイミングが難しいとして効果無しの判定になってしまった。8月に第４航空軍が新編されると空対空での試用が再開され、昭和19年初めにはP-47やB-24/B-26編隊に投下して2-3機纏めて撃墜している。昭和19年3月に満州白城子で明野陸軍飛行学校水戸分校と第３航空技術研究所が一式戦闘機二型に積んで空対空テストを行い、改良すれば使えるとの判定を得た。昭和19年10月から捷一号作戦で飛行場攻撃に投入されたが、制空権を早々に失い爆撃機での大量投下は無理で、レイテ島陥落後には一式戦闘機が薄暮から黎明に細々と投下せざるを得なかった。11月からは硫黄島からサイパン南部イスリイ飛行場への投下を行い、11月27日にはB-29爆撃機12機以上の炎上を報告している。本土防空では命中しなかったタ一〇二が地上で爆発して市街地に損害を出すため、使用を禁じた部隊も多い。独立飛行第83中隊は北九州防空でB-29を３機撃墜、１機撃破したと報告している。飛行第５戦隊は昭和20年6月26日の迎撃戦でB-29爆撃機２機を撃墜した。参考：月刊航空ファン3,’17

＜二式五十番一号爆弾＞：日本海軍の500kg級一号爆弾。80mm厚の装甲化甲板を貫通できるとも、50mm厚の装甲化甲板に衝突すると弾体が破壊されることがあるともいわれる。中に何を詰めていたかは不明。参考：日本海軍の爆弾

＜二式五十番通常爆弾一型＞：日本海軍の通常爆弾。アメリカ海軍新鋭空母の甲板装甲厚が80mmであるという情報が入ったため、これを貫通できる爆弾として昭和17年末に制式化され、新分類の五号爆弾に類別された。弾体を分厚い一体鍛造製とし、100mm厚の装甲板に衝突しても砕けないようにした。弾頭部と弾底部に信管がある。全長2m、直径0.395m、全備重量491kg。炸薬は九一式爆薬または九八式爆薬で、重量56.3kg。高度1200m以上から投下すると、落下速度毎秒170mで80mmの鋼板を貫通できる。参考：月刊航空ファン11,’18、日本海軍の爆弾

＜二式八十番五号爆弾＞：日本海軍の五号爆弾。高度2500mから投下すればポスト・ジュットランド級戦艦の水平装甲を貫通できる800kg徹甲爆弾として十三試八十番五号爆弾という名称で試作されたが、当初は炸薬160kgを入れることにしたため弾体強度が確保できず、製作に手間取って制式化は昭和17年にずれこみ、真珠湾攻撃には間に合わなかった。全備重量811.2kg、炸薬量34.4kg。発火装置は弾底部にあり、弾体後端に風車が付いている。信管は弾頭の0.2秒遅延信管と弾底の0.03秒遅延信管（弾底のみ？）。完成時には既に出番が無く、炸薬が少なすぎて特攻にも使えず、使用されずじまいだったらしい。参考：日本海軍の爆弾、月刊丸3,’18別冊

＜二式大型自動貨車＞：日本陸軍の後方輸送用７トントラックで、いすゞ自動車が製作し、商工省にも採用された。全長7.81m、全幅2.3m、全高2.3m、自重5.5トン、全備重量12.9トン。エンジンは６気筒ディーゼル（総排気量8550cc）、最大速度55km、燃料搭載量120リットル、燃費リッター3.3km。積載量７トン。乗員３名。参考：機甲入門

＜二式飛行艇シリーズ＞：日本海軍飛行艇、通称二式大艇、連合軍コードはエミリー（Emily）。長距離哨戒と雷撃による洋上の漸減作戦が主任務で、海軍４発攻撃機開発計画飛行艇版（陸上機版は深山）兼九七式飛行艇後継機として巡航速度160ノット・最大速度240ノット・航続距離4000海里・爆弾1000kgまたは魚雷２本搭載という要求が出され、川西航空機が昭和13年8月21日から開発し、輸送機型含まず126機、輸送機型含め156機（162機？167機？166機？）が生産された。昭和17年3月4日のハワイ爆撃が初実戦参加である。太平洋戦争では飛行時間20時間・航程5500kmの長距離爆撃を行い、南方の島々に取り残された将兵の撤退任務にも活躍した。太平洋戦争末期には特攻作戦の先導機としても使用されている。終戦時に残存していたのは５機（＋二式輸送飛行艇晴空６機）で、１機が修理を行った上アメリカに運ばれ、PB2Yと比較テストをしたところ二式大艇が圧勝した。現存する１機は昭和54年にアメリカのノーフォーク基地から日本に返還された一二型で、東京の船の科学館に展示され、平成16年4月から海上自衛隊鹿屋航空基地史料館に展示されている。この機体は昭和20年7月24日に詫間基地でP-51の機銃掃射を受けており、機首付近の弾痕が長方形のパッチで塞がれている。参考：月刊JWings6,’05、4,’07、3,’18、月刊丸1,’77、5,’07、3,'18別冊

　＜十三試大型飛行艇＞：略符号H8K1。試作機で、昭和15年12月29日（30日？）に初飛行した。主翼はセミモノコック構造の直線テーパー翼で、桁材として超々ジュラルミンの押出型材、主桁間の外板には超ジュラルミンを使用して強度を保ちつつ、外翼後方上面は羽布にして軽量化を図っている。高速巡航を可能とするため、主翼アスペクト比は小さめの９とし、翼面荷重が大きくなった分は親子フラップ（ファウラーフラップ＋スプリットフラップ）の採用により補った。空中性能を重視してビームローディングを１立方メートルあたり1170kgと九七式飛行艇の倍近くにしている。兵装搭載量は2000kgで、一式陸攻の２倍である。エンジンは三菱製火星一一型（1530馬力）４基、プロペラは住友ハミルトン油圧式可変ピッチ恒速４翅（直径3.9m）、燃料タンクはセルフシーリング式。防御兵装は機首の7.7mm旋回機銃、機体後部側面の7.7mm旋回機銃、後上方の20mm旋回機関砲１門、後下方の7.7mm予備機銃座、機体後部の20mm旋回機関砲１門。試験の結果、ビームローディングが大きいのと吃水が深いのとポーポイジングの癖があったのとで、離着水時の波飛沫があまりに高くてプロペラから水平尾翼までかかることが判明。昭和16年1月には時化模様の西宮沖から離水しようとした際に両内側プロペラを海水の塊が直撃し、全翅が折れ曲がるという事態が発生したため、機体底面を下に0.5m延ばし、機首下面左右にカツオブシと呼ばれる波抑え板（インボード・ステップ）を装備した。また、安定性向上のため機首を1.3m延長し、機体底面後部に水中ひれを増設、垂直尾翼の形状を変更した。試作初号機は昭和16年3月26日に海軍に引き渡され、後に二式輸送飛行艇試作機（二式大型飛行艇三二型）に改造されている。参考：月刊JWings6,’05、10,’14、12,’19、月刊航空情報4,’18、月刊丸3,'18別冊

　＜十三試大型飛行艇・増加試作型＞：４機が製作された。エンジンを火星一二型（1530馬力、推力式単排気管付き）に換装している。参考：月刊JWings6,’05

　＜二式大型飛行艇一一型＞：略符号H8K1。昭和17年2月5日に制式採用された量産型で、通算17号機までがこれにあたる。全長28.13m、全幅38m、全高9.15m、自重18380kg、全備重量24500kg。翼面積160平方メートル。エンジンを火星一二型（1530馬力）４基、最大速度433km（高度5000m）、航続距離7200km。離着水可能波高1m。防御兵装は機首の7.7mm機銃１丁（射界232度）、後部胴体両側面7.7mm機銃１丁ずつ（射界100度）、胴体後上面一式大型動力銃架二二型（射界全周）、胴体尾部一式大型動力銃架二一型、コクピット直後左右の予備7.7mm機銃座（射界75度）、胴体上面予備7.7mm機銃座（射界後方60度）、両主翼付け根下面予備7.7mm機銃座（射界75度）。爆弾2000kgを搭載可能。乗員10名。部隊配備されてからは未熟パイロットによるポーポイジング現象が問題となり、コクピット前方のピトー管支柱に機体姿勢を適度に保つための横棒（通称カンザシ）を付けて解決した。カンザシが水平線と重なるように機首を上げれば、迎え角５度の適正姿勢を保つことができる。参考：月刊JWings6,’05、10,’14、歴史群像8,’17、月刊航空情報4,’18、月刊丸3,'18別冊

　＜二式大型飛行艇一二型＞：略符号H8K2。エンジンを火星二二型とし、機首を延長、装甲板を追加し、垂直尾翼面積を増積したもので、後期からは側方銃座の窓が水滴型から平窓に変わっている。全長28.13m、全幅37.98m、全高9.15m、前車輪部吃水1.7m、自重18200kg、最大離陸重量24500kg、過荷最大重量32500kg。エンジンは三菱製火星二二型空冷星型複列14気筒レシプロ（1850馬力）４基、巡航速度296km、最大速度454km（466.7km？）、上昇限度8850m、実用上昇限度7152m、燃料容量17260リットル、航続距離5200km（7192km？）。防御武装は機首・両側面・後上方電動銃座・後部の20mm機関砲１門ずつと、銃眼の7.7mm機銃３丁。60kg爆弾16発または250kg爆弾８発または九一式魚雷２発を搭載できる。ただし、鈍重な大型機では被撃墜の恐れが高く、雷撃は行われていない。乗員10名。昭和19年までに114機が生産された。参考：月刊JWings6,’05、4,’07、12,’19、第二次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、図解世界の軍用機史、月刊世界の艦船11,’00、月刊丸3,'18別冊

　＜二式大型飛行艇二二型＞：略符号H8K3。装甲を強化し、上部銃塔を半球形引き込み式に変更、主翼端フロートも引き込めるようにしたもの。フロートは支柱が１本で、外側に折り畳み、翼端に収容される。２機が試作された。参考：月刊JWings6,’05、月刊丸3,'18別冊

　＜二式大型飛行艇二三型＞：略符号H8K4。二二型のエンジンを火星二五型乙（1830馬力）に換装したもの。引き込み式上部銃塔が円筒形になった。131機が生産され、索敵用として実戦参加している。参考：月刊JWings6,’05、週刊エアクラフトNo.137、月刊丸3,'18別冊

＜二式大型飛行艇ファミリー＞

　＜二式輸送飛行艇＞：別名晴空。一二型をベースとした輸送型で、昭和17年初めに海軍が川西航空機に開発を下命し、十三試飛行艇初号機を改造して二式大型飛行艇三二型の名称でテストを実施、結果が良好だったため二式大艇68号機も改造して昭和18年11月に海軍へと引き渡した。内部を上下２段に区切り、乗客64名またはソファー席29席を設けており、機体側面に窓と非常用脱出口を付け、換気空調装置、照明、防音装置、スピーカーなども装備した。防御兵装は機首の13mm機銃１丁と尾部の20mm機関砲１門に減らしている。火星二二型を積んだタイプには晴空三二型（略符号H8K2-L）、火星二五乙型を積んだタイプには晴空三三型（略符号H8K4-L）の仮称が付けられた。全長28.1m、全幅37.9m、全高9.2m、自重15.233トン、全備重量26.683トン。エンジンは火星二二型（1850馬力）または火星二五乙型４基、巡航速度296km、最大速度420km、航続距離4400km（巡航速度で15時間飛行可能）。乗員９名。昭和18-20年に36機が生産された。敵の制空権下に入ったラバウルから、600名の航空要員を夜間に救出したこともある。参考：月刊丸3,'18別冊、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊JWings6,’05

＜二式艦上偵察機一一型＞：彗星ファミリーを参照。

＜二式艦上偵察機一二型＞：彗星ファミリーを参照。

＜二式艦上偵察機一二型甲＞：彗星ファミリーを参照。

＜二式機械信管＞：日本陸軍の時限信管で、二式高射尖鋭弾に使用されている。参考：大砲入門

＜二式起爆装置＞：日本海軍の魚雷用磁気信管で、九五式魚雷用として昭和19年7月に完成した。生産数は80個程度。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド

＜二式魚雷＞：日本海軍の魚雷。魚雷艇用として開発したが、供給量が多いため潜水艦・潜水艇用にも回された。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド

＜二式機雷＞：日本海軍の機雷。フィリピンで鹵獲したアメリカ軍制式のMk10Mod1係維機雷をコピーしたものである。日本の生産力に合わせて素材を変更したところ性能が悪くなり、少数の使用のみに留まった。参考：日本の潜水艦パーフェクトガイド

＜二式距離苗頭盤＞：日本海軍の水上射撃用計算装置で、対空射撃用としても本格的に使用できる。夕雲型駆逐艦から装備された。参考：日本駆逐艦史

＜二式軽戦車＞：日本陸軍軽戦車、別名ケト。九八式軽戦車の改良型で、これも空挺戦車として昭和16年から試作されたが、載せるグライダーが無く本土決戦専用となり、昭和19年から生産が始められたが、既に時代遅れで、29両しか生産されなかった。砲塔が狭かったので傾斜装甲を止めて傾斜角80度のほぼ円筒形にしており、転輪を九八式六屯牽引車と同じものに変更した。グライダーに収容するため出っ張りを無くしており、ボギーのロッカー・アームを車内に移し、上部構造物の前面形状も操縦手席が出っ張っていないものにしている。装甲厚、機関部、足周り、乗員配置は九八式軽戦車ケニＡ型と同じ。主砲は一式三十七粍戦車砲（75-93発）に、機銃は7.92mm（3160発）に換装された。車体長4.11m、全幅2.12m、全高1.82m、自重6.2トン、全備重量7.2トン。装甲厚は車体前面16mm、側面12mm、後面10mm、上下面6mm、砲塔全周16mm、上面6mm。エンジンは統制型一〇〇式空冷直列６気筒ディーゼル（130馬力）、トランスミッションはクラッチ・ブレーキ式、最大速度50km、燃料搭載量130リットル、航続距離300km。乗員３名。参考：月刊PANZER6,’02、3,’10、日本の戦車と装甲車両、機甲入門

＜二式軽量二十粍機関砲＞：ホ五シリーズを参照。

＜二式拳銃＞：浜田二式拳銃を参照。

＜二式高射瞬曳信管＞：日本陸軍の時限信管で、三式高射尖鋭弾に使用されている。参考：大砲入門

＜二式高等練習機シリーズ＞：日本陸軍練習機キ−79。九七式戦闘機の練習機型で、満州飛行機設計部特別班が開発した。3700機が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊航空ファン11,’17

　＜二式高等練習機甲型＞：キ−79甲。最初の量産型で、昭和17年1月に採用され、当初は二式戦闘練習機と呼ばれた。エンジンをパワーダウンしてエンジン位置を変更、キャノピーを開放式とし、可変ピッチプロペラを採用してスピナーを付け、機銃を機首左側のみにしてある。全長7.9m、全幅11.5m、全高3.3m、自重850kg、全備重量1300kg。エンジンはハ−13甲（510馬力）単発、プロペラはハミルトン式金属製油圧高低２段可変ピッチ２翅（ピッチ17度または22度30分、直径2.5m、重量67.4m）、最大速度340km、航続距離920km。武装は7.7mm機銃１丁。乗員１名。昭和19年には機体を木金混合にしたタイプの開発に入ったが、テスト中に終戦となった。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊航空ファン12,’19

　＜二式高等練習機乙型＞：キ−79乙。複座型で、プロペラを木製高低２段可変ピッチ２翅にし、スパッツを取り除いた。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

　＜二式高等練習機丙型＞：キ−79丙。プロペラを木製高低２段可変ピッチ３翅にした単座型。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

　＜二式高等練習機丁型＞：キ−79丁。丙型の複座型で、エンジンをハ−13甲�Vに換えた。プロペラはそのままである。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊航空ファン12,’19

＜二式高等練習機・海外シリーズ＞

　＜二式高等練習機（インドネシア空軍）＞：インドネシア空軍練習機で、ニシコレンと呼ばれた。日本軍から甲・乙計９機を接収・鹵獲し、1949年まで使用している。参考：月刊航空ファン12,’17、6,’17

＜二式小型輸送滑空機＞：日本陸軍の輸送用グライダー、ク−１。昭和15年のドイツ軍強襲グライダーによる空挺作戦の成功を受けて前田航研で開発され、昭和16年9月1日に初飛行、昭和17年に採用されて9月から量産された。機体はツインテイルブームで、中央胴体に兵員８名（７名？）を乗せられる。九九式軍偵に曳航されて車輪で離陸、スキッドで着陸する。全長9.4m、全幅17m、総重量1.3トン。曳航速度150-200km、滑空速度60-90m。乗員１名。100機が生産され、訓練に使用された。参考：第二次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、

月刊丸4,’99

＜二式射爆照準器シリーズ＞：日本海軍のテレスコピック式射爆照準器。参考：月刊航空ファン2,’20

　＜二式一号射爆照準器一型＞：飛行データ入力装置が付いており、見越し照準が要らない。照準眼鏡式で、機外に装着するので、肝心の急降下時にレンズが曇るという欠点があった。彗星一二型に搭載された。参考：月刊航空ファン2,’20

＜二式小銃＞：日本軍の空挺部隊用小銃で、テラ銃（鉄砲落下傘または挺身落下傘の略）と呼ばれた。太平洋戦争緒戦で、小銃をいちいち物量筒から取り出すのに時間がかかったため、簡単に使用できるよう九九式短小銃を基に開発したもので、Kar98k分解型の技術供与を受けたともいわれる。機関部後端（尾筒前端）がピンで止められていて２分割できるようになっており（初期には銃身がネジ止めだったが、射撃中に緩むので銃床と同じくピン止めになった）、２つの銃袋に別々に収容して体の下にぶら下げて降下、着地後に組み立てて使用する。全長1113mm、重量3.99kg。使用弾口径7.7mm、装弾数５発。昭和17年から製造された。民間用は二式スポーターと呼ばれ、こちらも２分割となっており、ハリウッド映画にも登場している。参考：月刊PANZER11,’01、世界の軍用銃、拳銃・小銃・機関銃、大日本帝国陸海軍軍装と装備

＜二式小銃てき弾器＞：日本陸軍の小銃装着式てき弾発射機で、別名タテ器。二式てき弾を発射する。参考：帝国陸軍戦車と砲戦車

＜二式哨信儀＞：日本海軍の哨信儀で、一式哨信儀の改良型。昭和17年に制式化されて数百基が生産され、昭和18年7月から配備された。参考：丸スペシャルNo.78

＜二式地雷探知器＞：日本陸軍の地雷探知器。本体（重量5kg）は電源（乾電池）と発振装置（真空管発信器）からなり、腰あたりに背負って携行する。本体には線輪接続用プラグを介してリング状の探知線輪（銅またはアルミニウム製）が繋げられており、これを地面に近づけて動かすと、地下の金属物が発生させる電磁誘導により出力計の針が左に振れる仕組みである。立って捜索する際には探知線輪に立姿補助柄と呼ばれるアルミニウム製の棒を取り付ける。大型地雷なら地下400mm、小型地雷なら250mmまで探知でき、熟練者なら伏姿で毎分10平方メートル、立姿で毎分20平方メートルの捜索が可能。捜索手と助手が１名ずつで捜索班を構成し、数班が幅2mずつを捜索していく。参考：工兵入門

＜二式水上戦闘機＞：零式艦上戦闘機ファミリーを参照。

＜二式水上偵察機＞：日本海軍高速水上偵察機、別名紫雲一一型、略符号E15K、連合軍コードはノーム（Norm）。潜水艦隊旗艦の軽巡洋艦大淀に搭載され、敵戦闘機を振り切って強行偵察を行い、指揮下の潜水艦に目標情報を提供すると共に、必要に応じて急降下爆撃も行うというのがコンセプトで、十四試水上偵察機という名称で昭和14年7月から川西航空機で開発された。プロペラは二重反転式で、主翼には層流翼を採用、蝶型フラップを装備し、翼端フロートは半引き込み式、メインフロートは折り畳み及び切り離しが可能となっていた。しかし水上機に必要な構造を持たせた上で戦闘機より高速を発揮させるのはどだい無理があり、最大速度がF4Fより70km近く遅く、一応昭和19年2月までに試作機15機が製作されたが、実用試験のため配備された６機があっさり全滅するなど性能が悪すぎて量産されなかった。全長11.588m、全幅14m、全高4.95m、自重3165kg、全備重量4100kg、過荷時総重量4900kg。エンジンは火星二四型（1680馬力）単発、巡航速度296km、最大速度468km（フロート切り離し時563km）、実用上昇限度9830m、航続距離3371km。武装は7.7mm旋回機銃１丁。60kg爆弾２発を搭載できる。乗員２名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊丸3,'18別冊、月刊JWings8,’06、連合艦隊巡洋艦、週刊エアクラフトNo.137

＜二式水中弾＞：日本軍の対潜弾で、二式中迫撃砲から発射される。弾重量25.66kg、炸薬重量5.9kg。初速毎秒214m、最大射程3900m。着水すると毎秒10mで沈降する。信管は試製三式水中小二号信管で、炸裂深度は15・30・45mの３段階に調節できる。有効範囲は200-300m。参考：月刊丸2,’08、コンバット・バイブル２

＜二式スポーター＞：二式小銃を参照。

＜二式穿甲銃榴弾＞：日本陸軍の対戦車小銃てき弾（タ弾）。タテ器に装填して発射する。全長180mm、直径30mmまたは40mm、重量370g、炸薬重量100g。装甲貫徹力90mm。昭和18年中期には第８方面軍隷下部隊に送られている。参考：月刊PANZER11,’86

＜二式戦闘機シリーズ＞：日本陸軍初の重戦闘機、キ−44鍾馗。正式な略称は二式戦だが、二式複座戦闘機と紛らわしいので、二式単戦（またはキよんよん）と呼ばれた。連合軍コードはトージョー（Tojo）。昭和13年に中島飛行機に試作が命じられ、昭和15年に初号機が完成、テストで方向安定性不良が発覚したため、胴体尾部を延長するなどの改修の後、昭和17年に制式採用された。総生産数は1225機（一型40機、二型1175機）。初空戦は昭和17年1月の独立飛行第47中隊である。高翼面荷重のため、特に着陸が難しいとされ、導入当初は飛行時間500-600時間に達していないと乗せてもらえなかったが、独立飛行第47中隊で速成教育を考案し、戦技教育を終えたばかりで配属された飛行時間200時間そこそこのパイロットでも訓練に投入できるようにした。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、日本陸軍戦闘機隊、世界の傑作機No.141、月刊航空ファン11,’15

　＜二式戦闘機一型＞：キ−44�T。最初の量産型で、40機が生産された。高速を出すためエンジンはハ−41（1250馬力）を搭載し、主翼を小型化（翼面積15平方メートル）して翼面荷重を大きくした。これにより低下した離着陸・空戦性能を補うため、蝶型フラップ（下げ角は着陸時45度、離陸・空戦時15-20度）を装備している。プロペラはハミルトン式金属製油圧定速３翅（直径2.95m）。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊航空ファン12,’19

　＜二式戦闘機二型＞：キ−44�U。エンジンをハ−109に換装したもので、キ−44�Tから５機が改造されてテストされた。全長8.84m、全幅9.45m、総重量2666kg。エンジンはハ−109（1450馬力）単発、プロペラは金属製油圧定速３翅（ピッチ26-46度、直径3m、重量150kg）、最大速度603km、上昇限度10500m、航続距離800km。固定武装は7.7mm機銃２丁、12.7mm機銃２丁。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊丸12,’90、月刊航空ファン12,’19

　＜二式戦闘機二型甲＞：キ−44�U甲。�U型の制式型で、昭和17年12月に採用が決定した。胴体フレームは１番から18番。主翼は低翼配置の直線テーパー翼で、上反角６度。内翼の前後桁間は燃料タンクに割り当てられており、容量は右翼側が120リットル、左翼側が105リットル。内翼後縁にフラップ、外翼後縁にエルロン（羽布張り）を持つ。左外翼中央前縁にピトー管がある。全長8.9m、全幅9.45m、全高3.32m、全備重量2765kg。エンジンは中島製二式一四五〇馬力発動機（1520馬力）単発、最大速度605km、航続距離1290km。固定武装は主翼内の一式12.7mm機銃（ホ−103）２丁、機首の八九式7.7mm機銃２丁。内翼下面に130リットル入り増槽１個を搭載可能。乗員１名。参考：図解世界の軍用機史、月刊JWings1,’13、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

　＜二式戦闘機二型乙＞：キ−44�U乙。武装を機首の一式12.7mm機銃（ホ−103）２丁と翼内の40mm機関砲ホ301に強化したものである。後期型では光像式照準器を装着したが、B-29は巨大すぎて照準器からはみ出してしまい、近接したつもりでも実際には相当の距離があってホ301の命中率が悪かった。全長8.84m、全幅9.45m、全高3.12m、自重2106kg、全備重量2764kg。エンジンはハ−109空冷複列星型14気筒（1450馬力）単発、最大速度605km、実用上昇限度11200m、航続距離1200km。乗員１名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、図解世界の軍用機史、月刊JWings5,’11

　＜二式戦闘機二型丙＞：キ−44�U丙。武装を一式12.7mm機銃（ホ−103）４丁（機首２丁、翼内２丁）としたものである。照準器は光像式。全長8.8m、全幅9.5m、全高2.9m、自重2095kg、全備重量2770kg。エンジンはハ−109（1450馬力）単発、最大速度605km、実用上昇限度10000m、航続距離1000km。250kg爆弾を搭載できる。乗員１名。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、図解世界の軍用機史

　＜二式戦闘機三型＞：キ−44�V。エンジンをハ−45（2000馬力）に換え、主翼を改良したタイプである。昭和18年に試作された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

＜二式戦闘練習機＞：二式高等練習機甲型を参照。

＜二式掃海具＞：日本海軍の磁気掃海具で、昭和17年に制式採用された。掃海艇２隻でブイの付いた電線を牽引し、発電機から電流を流して磁場を発生させる。参考：小艦艇入門

＜二式双眼鏡＞：日本陸軍の分隊長用双眼鏡。九三式双眼鏡の簡易型として開発されたが、配備前に終戦を迎えた。参考：日本陸軍兵器資料集

＜二式大艇＞：二式大型飛行艇シリーズを参照。

＜二式多連二〇粍高射機関砲＞：日本陸軍の対空機関砲で、別名ケキ砲�U型。ドゥーリットル部隊による東京空襲を受け、中高度以下の防空を担当するシステムとして開発された。発電車、海軍用指揮具、二式照準具、二式二〇粍高射機関砲６門から構成されており、指揮装置に配置されている照準手がトリガーを引くと、６門が同時に射撃を開始、濃密な弾幕を張ることができる。発電車重量4000kg、指揮具重量550kg、機関砲重量650kg。有効射高2000m、発射速度は１門あたり毎分300発。昭和19年に制式化されたが、機関砲を16門しか生産できず、東京、八幡、台湾、スマトラに配置されたのみだった。参考：月刊戦車マガジン11,’92、日本の戦車と装甲車両、大砲入門

＜二式単戦＞：二式戦闘機シリーズを参照。

＜二式中迫撃砲＞：日本軍の対潜迫撃砲。昭和18年7月頃に採用された。口径150.5mm、重量255.5kg。俯仰角はマイナス15度からプラス80度。使用弾は二式水中弾で、初速毎秒214m、最大射程3900m。あきつ丸に搭載された。参考：月刊丸2,’08

＜二式てき弾＞：日本陸軍の対戦車擲弾。ドイツの技術協力で開発された成型炸薬弾で、二式小銃てき弾器から発射する。歩兵の対戦車火器として期待されたが、曲射弾道をとるので命中率が悪い、命中しても角度が悪いと効果が出ない、とあまり役に立たなかった。参考：帝国陸軍戦車と砲戦車

＜二式投下照明弾＞：日本陸軍の航空機投下用照明弾。参考：日本海軍の爆弾

＜二式土工牽引車＞：トイ車を参照。

＜二式爆薬＞：日本海軍が昭和17年に制式化した爆薬で、トリニトロアニソール（九一式爆薬）とアルミニウムを６対４で混合したものである。砲弾用炸薬として使用された。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜二式爆雷＞：日本海軍の爆雷。重量162kg。威力半径50m。最大調定深度150m（後期型は160m）。参考：丸スペシャル第49号、月刊丸5,’07、月刊世界の艦船5,’11

＜二式複座戦闘機＞：日本陸軍の複座双発長距離戦闘機、別名屠龍、連合軍コードはニック（Nick）。陸軍が護衛戦闘機として昭和12年に開発を提案し、中島にキ−37、川崎にキ−38、三菱にキ−39の試作を命じたが、中島と三菱は他機の生産で手一杯のため辞退、川崎のものがモックアップまで進んだところで要求変更され、キ−45に改称された。昭和19年に陸軍が一般向けに公表した際、屠龍の名が付けられている。各型計1690機が生産され、実戦では戦闘爆撃機や迎撃機として活躍している。参考：月刊JWings12,’01、12,’06、世界の傑作機No.24

　＜キ−４５＞：試作機は昭和14年1月に完成した。最大速度540km、航続時間４時間40分＋戦闘時間30分を目指したが、エンジンの中島ハ20乙が不調で最大速度が480kmしか出ず、ハ25に換えて機体構造も変更、最大速度520kmまで改善した。その後性能向上型のキ−45改の製作に入り、昭和17年2月に制式採用された。参考：月刊JWings12,’01、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

　＜キ−４５改甲型＞：最初の量産型で、初号機は昭和16年9月に完成した。胴体・尾翼を量産向けの構造にし、エンジンを三菱製ハ102に換装した。主翼は中翼配置の直線テーパー翼で、微妙な逆ガル翼としてエンジン取り付け位置を低くしている。操縦・油圧系統はキ−45から一新した。全長11m、全幅15.02m、総重量5500kg。エンジンは三菱製一式一〇五〇馬力発動機（1080馬力）双発、プロペラはハミルトン式金属製定速３翅（直径2.95m）、最大速度538km、上昇限度10000m、航続距離2000km。武装は機首の前方固定式12.7mm機銃ホ一〇三２丁、八九式七．七粍旋回機銃１丁、胴体右下面の20mm機関砲ホ三１門。昭和17年春から配備され、B-17を迎撃した。B-29に対しては、急降下で限界速度の700kmまで加速し、引き起こして前下方から攻撃、反転離脱する戦法を用いた。参考：月刊JWings12,’01、1,’13、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、特別攻撃隊、月刊丸12,’90、月刊航空ファン12,’19

　＜キ−４５改甲型丁装備機＞：夜間戦闘機型で、キ−45改甲型に上向き銃２丁を追加している。海軍の斜め銃をまねたものだが、使えそうな20mm機関砲が無かったため、12.7mm機銃ホ一〇三を装備した。昭和18年後半に少数が生産されたが、実戦参加の機会はあまり無く、キ−45改丁型に後を譲った。参考：月刊JWings12,’06、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

　＜キ−４５改乙型＞：対大型機用迎撃戦闘機型。キ−45改甲型の胴体右下面武装を九四式三十七粍機関砲（手動装填式）に換装したもので、胴体下部にフェアリングを設けて収容した。機首の武装も20mm機関砲１門に強化している。後期型では内翼下面に200リットル増槽または250kg爆弾各１発を搭載可能とした。参考：月刊JWings12,’01、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

　＜キ−４５改丙型＞：対大型機用迎撃戦闘機型。キ−45改甲型の機首12.7mm機銃を外して37mm機関砲ホ二〇三を１門搭載し、着陸灯を機首から左翼に移設、胴体右下面に20mm機関砲ホ五を装備している。旋回機銃は九八式七.九粍機銃１丁に取り替えたものや、威力が小さいので外したものがあった。左右内翼下面にタ弾２発ずつまたは50kg/60kg爆弾２発ずつまたは250kg爆弾１発ずつを搭載可能。後期生産型では推力式単排気管を装備した。キ−45改甲型からの改造機は、機首から機関砲砲身が飛び出ている。全長10.6m、全幅15.1m、全高3.7m、自重3900kg、全備重量5500kg。翼面積32平方メートル。エンジンは三菱製ハ−102空冷星形複列14気筒ガソリン（1080馬力）双発、最大速度540km、実用上昇限度10000m、航続距離2000km。乗員２名。参考：月刊JWings12,’01、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、世界の傑作機No.157、月刊丸1,'17別冊

　＜キ−４５改丁型＞：夜間戦闘機型。キ−45改丙型の操縦席後方に上向き銃として20mm機関砲ホ五を２門搭載し、アンテナ支柱を後方に移設した。胴体右下面の機関砲は撤去しており、旋回機銃は装備しているものも無いものもある。キ−45改甲型からの改造型は、改丙型と同様に機首から機関砲砲身が突き出ている。後期生産型では推力式単排気管を装備した。全長11m、全幅15.07m、全高3.7m、自重4000kg、全備重量5500kg。エンジンは三菱製ハ−102空冷星形複列14気筒（1080馬力）双発、最大速度540km、航続距離2000km。武装は37mm機関砲ホ二〇三１門、20mm機関砲ホ五２門、7.92mm旋回機銃１丁。爆弾500kgを搭載できる。乗員２名。477機が生産され、本土防空担当の飛行第４・第53戦隊、フィリピン防空隊の飛行第27・第45戦隊などに配備された。参考：月刊JWings12,’01、12,’06

　＜キ−４５戌型＞：夜間戦闘機型。キ−45改丁型の機首機関砲を撤去してプレキシグラスに変更、タキ−４電波標定機（レーダー）を搭載し、胴体下面に40mm機関砲ホ三〇一を装備した。上向き銃や旋回機銃は外したらしい。昭和18-19年に10機が改造された。参考：月刊JWings12,’01

＜二式砲戦車シリーズ＞：日本陸軍砲戦車、別名ホイ。参考：月刊PANZER12,’04

　＜試製一式砲戦車＞：試作車。九七式中戦車の車体を利用したものと一式中戦車ベースのものが作られ、後者が採用された。主砲は九九式七糎半戦車砲で、全周旋回砲塔に搭載されている。三菱重工と日立製作所で一両ずつ完成し、後に教材や訓練用として使用されたらしい。参考：日本の戦車と装甲車両、月刊PANZER12,’04

　＜二式砲戦車＞：量産型。一式中戦車の砲塔を外し、キューポラ付きの全周旋回砲塔を左にオフセットして搭載、九九式七糎半戦車砲（63発）を装備している。砲塔形状は２種類あったらしい。車体の九七式車載重機関銃（2120発）は残された。車体長5.73m、全幅2.33m、全高2.58m、自重15.4トン、全備重量16.7トン。装甲厚は車体前面50mm、側後面25mm、上面12mm、底面8-10mm、砲塔前面50mm、側面35mm、後面25mm、上面12-16mm。エンジンは統制型一〇〇式空冷12気筒Ｖ型ディーゼル（平均出力200馬力、最大出力240馬力）、最大速度44km、燃料搭載量300リットル、航続距離200km。乗員５名。低初速砲のため徹甲弾の威力が低い、動目標に対して命中率が悪いという欠点があり、一度は破棄されかけたが、成型炸薬弾の搭載により対戦車戦闘が可能となったため、昭和19年に30両が三菱重工で生産された。全て日本本土に配備されている。参考：月刊PANZER12,’04、世界の軍用車両(1)、日本の戦車と装甲車両、機甲入門、帝国陸軍戦車と砲戦車

＜二式輸送飛行艇＞：二式大型飛行艇ファミリーを参照。

＜二式陸上初歩練習機＞：日本海軍練習機、略符号K9W1。後に紅葉に改称された。連合軍コードはサイプレス（Cypress）である。三式陸上初歩練習機の後継で、ビュッカー社が昭和13年に日本でデモ飛行を行ったBü131ユングマンとBü133ユングマイスターのうち、前者を昭和14年に20機発注、昭和15年にはライセンス生産して陸上初歩練習機に充てることにし、昭和18年に制式化した。量産担当は渡邊鉄工所（後の九州飛行機）で、エンジンや装備品を日本製に換装している。全長6.62m、全幅7.45m、全高2.67m、自重407.2kg、全備重量638.5kg。エンジンは東京瓦斯電気工業製初風一一型（離昇出力105馬力）単発、巡航速度120km、最大速度181km、実用上昇限度3880m、上昇力2000mまで12分54秒、航続距離641km。武装は無い。乗員２名。同乗飛行５時間で単独飛行に移ることができるとされた。渡邊鉄工所と日立航空機で277機が生産された。参考：月刊丸3,'18別冊、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊航空ファン11,’17

＜二式陸上中間練習機シリーズ＞：日本海軍練習機、略符号K10W1、連合軍コードはオーク（Oak）。九三式中間練習機の後継で、参考として昭和13年にBT-9とBT-10を輸入、前者をベースに十四試陸上中間練習機として開発することになり、昭和15年から渡邊鉄工所が設計、昭和16年に試作機が完成し、昭和18年6月に制式採用された。ただ九三式中練が優秀で後継機を必要とせず、本格量産には至っていない。参考：月刊丸3,'18別冊、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

＜二式陸上中間練習機＞：低翼単葉固定脚機で、コクピットはタンデム複座。全長8.83m（8.6m？）、全幅12.36m（11.2m？）、全高2.84m（4.1m？）、自重1476kg、全備重量2033kg。エンジンは寿二型改一（離昇出力580馬力）単発、巡航速度222km、最大速度282km（295km？）、実用上昇限度6770m、上昇力5000mまで17分30秒、航続距離830km（1095km？）。武装は7.7mm固定機銃１丁で、後席に7.7mm旋回機銃を追加できる。乗員２名。試作機17機、初期量産型９機、量産機150機の計176機が生産された。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇

　＜二式陸上中間練習機二一型＞：全木製バージョン。計画のみ。参考：月刊丸8,’11

＜二式陸上偵察機＞：日本海軍の長距離偵察機、略符号J1N1-C（後にJ1N1-R）、連合軍コードはアービング（Irving）。海軍初の防弾タンク搭載機でもある。十三試双発陸上戦闘機が戦闘機としては失敗作だったため、偵察機に転用した。動力銃座は諦めて武装は7.7mm旋回機銃１丁のみ（最初は機首に20mm機関砲１門と7.7mm機銃２丁が付いていたが、後に外された）とし、胴体下面に偵察カメラ２台を装備している。胴体下面には中型爆弾懸吊架２基を装備することも可能で、25番や６番を積める。全長12.177m、全幅16.98m、自重4582kg（4852kg？）、過荷時総重量7250kg。エンジンは栄二一型（1130馬力）双発、巡航速度333km、最大速度507.4km、実用上昇限度9320m、上昇力5000mまで９分35秒、航続距離2544km／3745km、航続時間7.63時間。250kg爆弾２発を搭載可能。乗員３名。昭和17年7月に制式化され、年末までに26機が完成し、台南航空隊、第151航空隊、第321航空隊などラバウル方面に配備された。ただ実際の最大速度は480kmが限界で、P-38やP-40には間違いなく捕まり、F4Fでもトントンくらい、上昇性能もせいぜい高度8000mが限度で周辺警戒にも限界があったため、敵戦闘機に見つかったらまず逃げるのは不可能で、ほぼ使われなかったようである。後に、深山と同じ20mm機関砲搭載球形動力銃座を装備して夜間戦闘機に改造されることになったが、重量と空気抵抗が大きすぎたので、一式陸攻用の小型20mm機関砲塔に換え、10機程度が改造された。また、昭和17年11月に小園安名中佐が提案した斜め銃を搭載して簡易版夜間戦闘機にしてみることになり、ラバウルに送って昭和18年5月21日から実戦投入したところ、B-17を撃墜し、月光に進んだ。参考：第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊JWings5,’02、歴史群像6,’08、月刊航空ファン6,’16、月刊丸3,'18別冊

＜二式練習用戦闘機＞：九六式艦上戦闘機ファミリーを参照。

＜二式練習用飛行艇＞：日本海軍小型飛行艇、略符号H9A1。練習機と沿海対潜哨戒機を兼用する小型飛行艇として十三試小型飛行艇の名称で愛知航空機に発注した。昭和15年に試作機が完成してテストした結果、着水時の安定性が悪く、改良を重ねて制式化された。主翼はパラソル翼、降着装置は引き込み式の前輪式で、主脚は胴体側面に引き込まれる。全長16.95m、全幅24m、全高5.25m、自重4900kg、全備重量7000kg。翼面積63.3平方メートル。エンジンは寿四三型（710馬力）双発、最大速度317km、実用上昇限度6780m、航続距離1580km。武装は7.7mm旋回機銃２丁。250kg爆弾２発を搭載できる。乗員5-8名。31機が生産され、レーダーやMADなどを搭載して主に対潜哨戒に投入された。参考：月刊丸3,'18別冊

＜二軸エンジン＞：Twin-shaft engine。ガスタービンエンジンの１つで、タービンと圧縮機を結合する軸を中空にして内部にもう１本軸を通し、それぞれの両端にタービンと圧縮機を取り付けたもの。圧縮機を低圧と高圧の２つに分けて最適の回転数で回すことにより、圧縮機失速を防ぎ、圧縮効率や運転特性を向上させる。参考：航空用語事典増補改訂版

＜二軸式ターボファンエンジン＞：ファン及び低圧圧縮機を回転させる軸と高圧圧縮機を回転させる軸の２本を持つターボファンエンジンのこと。中空の高圧圧縮機軸の内部を低圧圧縮機軸が通っている。ファンが低圧圧縮機と同じ回転速度になるので、三軸式よりは効率に劣る。参考：月刊軍事研究4,’12

＜二次元翼＞：Two-dimensional wing。翼スパンが無限大で、翼断面形（翼型）が全て同一であり、ねじれの無い翼のこと。翼の空気力学的性能は主に翼断面形と翼平面形で決定されるが、２つを同時に勘案すると複雑になるので、翼断面形だけを研究したい時に用いられる架空の翼である。翼幅方向には流れの変化が無く、どの断面でも空気の流れが同じになるため、１つの平面での流れ（二次元流）を調べれば済み、数学的手法の適用も容易である。参考：航空用語事典増補改訂版

＜二次元レーダー＞：目標の距離と方位を計測するレーダーのこと。参考：レーダシステムの基礎理論

＜二字信号＞：艦船が文字旗二枚を上下に掲揚して表現する信号。一般的な通信に使用する。参考：艦船メカニズム図鑑

＜二次操縦翼面＞：Secondary control surface。高揚力装置、スポイラー、タブなど、一次操縦翼面の補助や揚力増加などに使用される翼面のこと。参考：月刊JWings10,’09別冊付録

＜二次電池＞：充電できる電池のことで、蓄電池、充電池、バッテリーとも呼ばれる。発電して化学反応を終えた化学物質に外部から電力を供給して反応前の物質に戻すことで、再び起電力を発揮できるようになる。使用する化学物質により、鉛蓄電池、ニッカド電池、ニッケル水素電池、リチウム電池など多種多様な二次電池が作られていて、特徴により使い分ける。完全放電前に充電したり完全充電前に放電したりすると蓄電容量が減る（メモリー効果）タイプもあるので注意。参考：月刊世界の艦船11,'20、クルマのすべてがわかる事典、月刊軍事研究10,’06

＜二重三角翼＞：ダブルデルタ翼を参照。

＜二重エネルギー高感度探知システム＞：DERDSを参照。

＜二重カナード＞：前方に固定カナード、後方に操縦用カナードを配置するもので、固定カナードが整流作用を持ち、大迎え角でも操縦用カナードが失速しにくい。R550空対空ミサイルが最初に導入した。参考：月刊丸10,’97

＜二重楔翼＞：Double Wedge Aerofoil。楔を背中合わせに２つ貼り付けたような、薄い四辺形の翼型。超音速の流れに迎え角をもって平板を置くと、前縁から後縁まで圧力分布が一様になる性質を利用している。亜音速飛行時には前縁や頂角部に剥離を生じてしまうので、常に超音速で飛翔する対空ミサイルなどの翼型として使われる。参考：航空用語事典増補改訂版

＜二重作動式動力再生操向装置＞：緩旋回と急旋回の二段階選択で旋回を行う動力再生操向装置のこと。ハンドルを切り続けるとトランスミッションが切り替わっていき、それによっても旋回半径が変化していくので、実質上は連続的に旋回半径を切り替えるのと変わらない。参考：ウォーマシン・レポート11

＜二重隙間フラップ＞：フラップを参照。

＜二重スパイ＞：敵対する両国のために諜報活動を行っているが、忠誠を誓っているのは一方の国のみで、もう一方の国は本人が裏切っていることを知らない諜報要員のこと。忠誠を誓っている国は、二重スパイを通して相手の諜報網を把握し、偽情報を相手国に流して混乱させることができるが、偽情報ばかり流していると信頼性を失うので、時々チキンフィード（僅かだが正確な情報）を与える必要がある。敵諜報機関の情報や敵諜報活動の目的・交信手段の把握、敵国エージェントの逮捕や破壊活動防止も容易となる。参考：月刊軍事研究5,’10、7,’10

＜二重船殻＞：複殻構造を参照。

＜二重装甲＞：スペースド・アーマーを参照。

＜２周波ＣＷドップラー・レーダー＞：ドップラー・レーダーを参照。

＜二重反転式ポッド推進器＞：ポッド前後にモーターとプロペラが付いているポッド推進器。単純な構造で二重反転プロペラと同じ効果を出すことができる。参考：図解雑学　船のしくみ

＜二重反転プロペラ＞：Contra-rotating propeller、Counter-rotating propeller。２つのプロペラを１本のプロペラ軸の前後に近接させて取り付け、トルクを相殺するため逆回転させるようにしたもの。プロペラ直径を大きくせずに大出力を吸収することが可能となる。また、プロペラ及び軸の回転による回転流（推進には全く寄与しない）を無くすことができ、推進効率が良くなる。プロペラ軸内部にもう１つの軸を設け、二重反転歯車装置を使用してそれぞれの軸を逆に回転させる必要があり、構造が複雑なのが欠点。プロペラ形式によっては可変ピッチ機構を設けることが困難になる。参考：図解雑学　船のしくみ、航空用語事典増補改訂版、月刊世界の艦船8,’17

＜二重反転モーター＞：外側の界磁と内側の回転子が逆方向に回転するモーターで、二重反転プロペラを駆動するために使用される。参考：丸スペシャルNo.76

＜二重反転ローター＞：同軸反転ローター（Coaxial rotors type）ともいう。機体重心付近を通る１つの回転軸に、同直径・逆回転するメインローターを上下に２つ取り付けたもの。必要な回転翼軌道面積が小さくて済むので、ローター直径を小さくできる。また、それぞれのローターの前進側ブレードと後進側ブレードで生じる揚力のアンバランスを上下で打ち消すことができるので、ローター回転速度を高速にすることが可能。トルクも相殺されるためテイルローターが要らず機体全長を短縮でき、動力を全てメインローターに回すことが可能で、操縦安定性が比較的良好である。ヨーイングは上下ローターのトルク差で制御するが、オートローテーションの際にはトルク差を発生させることができないので、方向舵を使って機首の向きを変える。メインローターが２セットあるので、操縦系統が複雑になる。また、上方ローターの吹き下ろし流を受けて下方ローターが作動するので、空力干渉が大きい。カモフのヘリコプターがこれを採用しているが、ブレードが完全関節式なので上下ローターの衝突を防ぐためにローターの間隔を1.5mほど取らねばならず、全高が高くなり、抵抗が増大して速度に限界が出るという欠点がある。シコルスキーではブレードをリジッド式に取り付けて全高を抑えたABCローターをテスト、XH-59AやX2を設計し、高速ヘリコプターの研究を行っている。参考：月刊航空ファン6,’11、航空用語事典増補改訂版、月刊JWings9,’05、7,’18、週刊エアクラフトNo.49

＜二重偏波レーダー＞：Dual polarization radar。降水量観測用気象レーダーの１つで、パルスごとに水平偏波と垂直偏波を切り替え、それぞれのレーダー反射因子を独立に測定し、反射強度差から降水粒子の水平方向及び垂直方向の形状の違いを検出する。これにより、直径1mm未満の球形雨滴と直径1mm以上の扁平雨滴、球形の雹と紡錘形の雪霰、雪結晶の平板・針状の違いを識別できるようになり、より正確な降水量の推定が可能となる。識別に際し、水平偏波の反射強度を縦軸、反射因子差（水平偏波の反射強度から垂直偏波の反射強度を引いたもの）を横軸にして降水粒子の種類別に値を記入した降水粒子判別表を予め作成しておく。1970年代後半から研究が始まった。日本でも雷による電力設備などへの被害が多発する日本海沿岸の雷雲観測のため1990年代から研究が盛んになり、雷雲中心部に存在する雪霰をキャッチして雷雲を予測する方式を採用している。ただし正確な降水粒子判別表の作成、比較的小型で時間変化の速い冬期雷雲を探知するレーダー能力、発雷と霰数密度との関係の正確な把握といった問題がある。参考：レーダの基礎

＜二重目的改良通常弾薬＞：DPICMを参照。

＜二次レーダー＞：SSR（Secondary Surveillance Radar）と略す。目標に向けて送受信機（Interogator）から質問電波を送り、目標の応答装置（Transponder）から回答電波を得る方式のレーダー。回答電波に目標の情報を載せて一緒に送れるため、目標識別が容易である。参考：航空管制のはなし

＜二重包囲＞：敵大部隊を殲滅するための戦法。敵の両翼に兵力を集中して一気に突破し、敵後方で両者が手を結び、包囲環を完成させる。包囲環は敵を直接包囲する内側包囲環と、脱出を図る敵や救援部隊を阻止する外側包囲環（戦車中心）からなり、包囲した敵を逃さない。参考：月刊丸8,’87

＜二乗三乗法則＞：Square-Cube Law。航空機を大型化する際、翼面積は拡大率の二乗で増えるが、航空機の体積に比例する構造重量は三乗で増えてしまうという法則。その分ペイロードを減らさなければならず、性能は拡大するどころか低下に陥る羽目になる。法則の打破にはエンジンを強化・効率化したり、構造重量を減らしたりといった根本的な改良が必要である。船舶では水中翼船が航空機と同じ事になるが、それ以外は浮力も重量も拡大率の三乗で増えるので、いくら大きくしても釣り合いが取れる。また、船の抵抗は水面下の面積に比例し、ディーゼルエンジンの出力はシリンダーの体積に比例するので、大きくするほど速力を出しやすくなり、同じ速力ならエネルギー効率が良くなる。参考：世界の傑作機No.125、図解船の科学、日本の防衛戦力Part3

＜二正面作戦＞：同時に２ヵ所で戦闘を行わなければならない作戦のこと。戦力が分散するので避けたい状況ではあるが、やむを得ない場合には部隊を分けて戦闘を行う。参考：朝雲

＜二速式スーパーチャージャー＞：スーパーチャージャーを参照。

＜二段式スーパーチャージャー＞：スーパーチャージャーを参照。

＜二段式可変ピッチプロペラ（ハミルトン・スタンダード社製）＞：ハミルトン・スタンダード社が開発した高低２段式可変ピッチプロペラ。回転するプロペラブレードには空力によりピッチを大きくする力と遠心力によりピッチを小さくする力が働いており、通常は後者が大きいが、ブレードから少し離れた所に錘を付けておくと前者が大きくなる。これを利用し、ブレード付け根に錘を取り付け、油圧ピストンでブレードに近づけたり遠ざけたりできるようにしたもので、油圧を掛けると錘が近づいてピッチが小さくなり、油圧を抜くと錘が遠のいてピッチが大きくなる。参考：月刊航空ファン10,’19

＜二段膨張式レシプロ蒸気機関＞：Double Expansion Engine。高圧シリンダーと低圧シリンダーの２つを持つレシプロ蒸気機関で、二連成レシプロ蒸気機関ともいう。高圧シリンダーで使用済みの蒸気を低圧シリンダーに送って動かすもので、単一シリンダーよりも効率が高い。シリンダーの配置は90度Ｖ型、並列、上下（串型）、対向など様々である。3.5気圧くらいの蒸気が作れる主缶が開発されたことに伴い、実用化された。参考：月刊世界の艦船10,’11

＜２直哨戒配備＞：艦内哨戒配備を参照。

＜二胴型水管缶＞：水管缶の１つで、ドラムが２つあるのでこう呼ばれ、外見からＤ型水管缶とも称される。上に蒸気ドラム、下に水ドラムがあり、その間を多数の水管が繋いでいて、これを燃焼ガスで加熱して高温高圧の蒸気を発生させる。蒸気ドラムに溜まった蒸気は機関の方に抽出されるが、冷えて水に戻ってしまったものは蒸気ドラム下部の降水管を通って水ドラムに戻される。参考：月刊世界の艦船10,’11

＜２等空尉＞：航空自衛隊の階級。飛行隊整備小隊長などを務める。参考：月刊JWings8,’18

＜２等空佐＞：航空自衛隊の階級。飛行隊長などを務める。参考：月刊JWings8,’18

＜二等輸送艦シリーズ＞：日本海軍輸送艦、計画番号J-39、別名SB艇。ガダルカナル戦で低速輸送船が悉く沈められたため、敵制空権下を高速で突破、擱座着岸で物資を夜のうちに荷揚げできる輸送艦として昭和18年6月に軍令部が艦政本部に設計を命じ、7月から開発された。要求は中戦車13両、人員200名搭載で、基準排水量950トン、速力16ノット、航続距離3000海里（16ノット）、防御兵装８サンチ高角砲１門・25mm３連装機銃２基である。実質的には戦車揚陸艦で、LSTと揚陸方式は同じだが、アメリカのLSTの資料は日本には入っておらず、昭和18年春にドイツ海軍特設巡洋艦が日本へ運んできたイギリス海軍LCT5型の図面（ドイツ海軍本部作成）を参考にした。島嶼への逆上陸用揚陸艦を開発していた陸軍もこれに乗り、設計と建造を海軍、資材を陸軍が担当して昭和18年11月には早くも１番艦が起工した。最初の６隻は主機が間に合わずディーゼルを積んで第101号型と呼ばれ、以降は予定通り蒸気タービンを積んで第103号型と呼ばれる。当初は特設輸送艦に分類され、昭和19年9月5日に二等輸送艦に類別変更され、第○○○号（特設）輸送艦と３桁の番号が振られて終戦までに69隻が完成、うち24隻（未完成２隻含む）は海軍が借用していた15000トンの鋼材の返却も兼ねて陸軍にSB艇（機動艇ともいう。Ｓは戦車、Ｂは海軍設計を示す）の名称で引き渡された。また、６隻が陸軍に引き渡された後、海軍に返還された。フィリピンや硫黄島への強行輸送に使用されたため損害が多く、寿命は平均２ヶ月だった。終戦時に残っていたのは９隻である。参考：月刊丸9,’03、歴史群像10,’06、日本海軍特務艦船史、月刊戦車マガジン11,’92、小艦艇入門、月刊モデルアート9,’15増刊

　＜輸送艦第１０１号型＞：別名SB(D)艇。生産性を優先したため船体は直線形状で、前部・中央部・後部の３ブロックに分けて製作され、鋲接または溶接で結合される。船型は長船尾楼型で、中央から前方に向かって盛り上がっており、艦首に平らな下開きランプを持つ。防水性には劣るが、量産は容易であり、浸水した場合にはビルジタンクに排水した。艦首底部には接岸用の肘材２本があり、船底は二重底となっていて、擱座着岸による揚陸が可能である。離岸する時は、後部バラストタンクに注水して艦首を持ち上げ、艦尾の錨（重さ2.3トン。着岸地点の200-300m手前に投錨しておく）をウインチで巻き上げて船体を後進させる。船体が平板形状なので波浪の影響が大きく、接岸用肘材が凌波性を悪化させたため、基本的に好天時を選んで輸送を行う予定だったが、実戦ではそんな余裕は無く、四苦八苦しながら任務に従事した。艦の前半部が車両甲板になっており、船倉に九七式中戦車なら５両、九五式軽戦車なら６両、特二式内火艇なら２両を搭載、上甲板に九七式中戦車なら４両、九五式軽戦車なら８両、特二式内火艇なら３両を２列に積む。車両甲板前方に上げ下ろし式の防水傾斜道板があり、下げれば上甲板に車両を積み降ろしする際の道板（傾斜26度）となり、中甲板の防水扉も兼ねている。ただ傾斜がきつくて雨が降ると滑って登れなくなるため、筵を使用した。戦車を揚陸する際には船倉内の戦車から発進させる。車両甲板の両脇が戦車兵や陸戦隊員の居住区である。行きは16ノットで1000海里航行し、帰りは敵に捕捉されてもいいから14ノットで1000海里戻る、という運用法を考えていたが、蒸気タービンが間に合わず、既存のディーゼルを搭載したため、予定速力を下回る13.4ノットしか出せなかった。艦の中央やや後ろ寄りに艦橋と煙突があり、艦橋は四角柱の３層構造で、艦橋後面に三脚マストがある。煙突後方左舷に小発、右舷に９メートルカッターを搭載する。その後ろは機関室、居住区、倉庫などである。簡易艤装のため、電探や水測兵器は装備せず、逆探と測深儀のみ搭載した。水線長75m、垂線間長72m、最大幅9.1m、吃水2.89m、基準排水量950トン、公試排水量1010トン。主機は中速400馬力ディーゼル３基３軸1200馬力、速力13.4ノット、重油搭載量68トン、航続距離は3000海里（13.4ノット）。兵装は三年式四〇口径八サンチ単装高角砲１門（船尾楼甲板）、25ミリ３連装機銃２基（艦橋両側）、25ミリ連装機銃２基、25ミリ単装機銃11丁、爆雷12個（後部上甲板両舷外側に３個ずつ、爆雷庫に６個）。九五式軽戦車14両または九七式中戦車９両または特二式内火艇９両（１個中隊分。詰めれば10両）、貨物26トン、人員320名、ガソリン缶など計250トンを搭載できる。乗員90名。輸送艦第101号、第102号、第127号、第128号、第149号、第150号の計６隻（最初に完成したのは第149号）が建造され、全て戦没した。参考：歴史群像10,’06、日本海軍特務艦船史、小艦艇入門、写真集日本の小艦艇

　＜輸送艦第１０３号型＞：別名SB(T)型。第101号型の主機を2A型戦時標準型貨物船と同じ蒸気タービンに換えたものである。第101号型よりも煙突が細長いが、昭和20年1月以降は主缶を変更したため、煙突が更に長くなった。予定通りの速力を発揮できたが、機関スペースに圧迫されて貨物搭載力が落ちている。水線長75m、垂線間長72m、最大幅9.1m、吃水2.94m、基準排水量870トン、公試排水量1020トン。主機は艦本式甲二五型オールギヤードタービン１基、主缶はホ号艦本式重油専焼水管缶（昭和20年1月以降に起工したものは石炭専焼）２基、出力2500馬力、１軸推進、速力16ノット、重油搭載量208トン、航続距離2000海里（行き16ノット、帰り14ノット）。兵装は三年式四〇口径八サンチ単装高角砲１門、25ミリ３連装機銃２基、25ミリ連装機銃２基、25ミリ単装機銃11丁、爆雷12個（後部上甲板両舷外側に３個ずつ、爆雷庫に６個）。九五式軽戦車14両または九七式中戦車９両または特二式内火艇９両、貨物22トン、人員200名（120名？）、ガソリン缶など計250トンを搭載できる。乗員100名。後に兵装強化と船体補強を行ったため、人員120名と搭載量220トンに減少したらしい。63隻が竣工（最初に完成したのは輸送艦第151号）し、４隻が未完、２隻が建造中止となった。参考：月刊丸9,’03、日本海軍特務艦船史、歴史群像10,’06、小艦艇入門、写真集日本の小艦艇

＜二トンキャブ付シャシ＞：自衛隊の車両。日野自動車製。参考：月刊軍事研究11,’12

＜二トン弾薬トレーラ＞：自衛隊の車両。小平産業が受注している。参考：月刊軍事研究7,’09

＜二年現役士官＞：海軍短期現役士官制度を参照。

＜二倍動員＞：日本陸軍が戦時に特設師団を動員すること。参考：月刊軍事研究12,’06

＜２ハブプラス３サイト体制＞：2003年に提示された、在韓米軍の新体制。烏山（アメリカ第７航空軍所在地）、平澤（陸軍ヘリ部隊の総合基地）をエアハブ、釜山（韓国最大の港）、テグ（兵站拠点）をシーハブ、龍山駐屯地・連合訓練センター・群山空軍基地を３サイトとして韓国防衛にあたる。参考：月刊軍事研究9,’03

＜２プラス４条約＞：正式にはVertrag uber die abschliesende Regelunr in bezug auf Deutschland。ドイツ統合を定めた条約で、1990年9月に東西ドイツ、アメリカ、ソ連、イギリス、フランスの間で締結された。統一後のドイツの主権完全回復、ソ連軍完全撤退、東部国境確定、軍事力制限（総兵力370000名、うち陸軍345000名）などを定めている。参考：月刊軍事研究2,’09

＜二別＞：陸上幕僚監部第二部別室の略。SIGINT担当の部署で、全国８カ所の通信所で外国からの電波を傍受し、分析するのが主任務である。基本的に暗号解読技術を持たないので、内容を読み取るのは暗号化されていない通信に限られ、暗号通信は発信地や通信量を分析した。また、傍受情報はアメリカ軍の方が膨大なため、傍受した暗号通信をアメリカ軍に上げて解読を依頼するということも行っていなかった。警察予備隊創設に伴い埼玉県大井のアメリカ陸軍保全局（ASA）太平洋域通信情報部隊通信所で発足した。その後ASAに勤務していた日本軍関係者を加えて1956年に本部を練馬駐屯地に移し、アメリカ軍から通信所が移管され、航空・海上自衛隊要員も加わった。1957年、内閣調査室の警察出身者を要員に加えるようになった。1960年、市ヶ谷駐屯地に移った。1977年度の改編により調別に改称された。参考：月刊軍事研究1,’05、7,’97、4,’09、3,’14、日本の防衛戦力Part1

＜２本桁構造＞：複桁構造を参照。

＜２ポンド砲シリーズ＞：イギリス軍の52口径40mm対戦車砲／戦車砲、2pdr Ordnance Quick Firing。ヴィッカーズ社が1934年から開発し、1935年1月から対戦車砲及び戦車砲として使用され、1938年に制式化されてガン・ポーティーなどとしても用いられた。対戦車任務に特化しており、榴弾が無いのが最大の欠点である。ドイツ軍3.7cm戦車砲KwK L46.5よりも貫徹力で勝った（ただし表面硬化装甲板で徹甲弾が砕かれる事もあった）が、戦術面で劣り黄作戦で電撃戦を許し、1941年以降は口径5cm以上の戦車砲を装備する戦車が登場して完全に力負けするようになった。1940年にチェコのJanececが砲口初速増大用口径漸減アタッチメントを開発したが、採用されなかった（その後６ポンド砲にリトルジョン・アダプターとして採用）。1942年9月に装甲貫徹力を強化するためAPCBC弾が開発されたが、大口径砲には勝てず、６ポンド砲への交替が始まっている。対戦車砲としては北アフリカでは1942年から６ポンド砲と交替して対戦車部隊から歩兵部隊に回されたが、極東では終戦まで対戦車部隊で使用された。戦車砲としては1942年までに６ポンド砲などに後を譲った。参考：月刊PANZER11,’03、米英軍戦闘兵器カタログVol.2、British and American tanks of World War Two

　＜２ポンド砲＞：防楯は上下２分割で、上部３分の１を前に倒すことが可能であり、側面に防楯を追加することもできた。照準手は左に位置し、右のペダルで旋回ギアを切り替え、左のペダルで発砲を行う。右のペダルを踏み込むと旋回ハンドル１回転で砲を20度、踏み込まないと３度旋回させることができる。照準望遠鏡はNo.24B Mk.�WまたはMk.�Xで、減装薬使用時にはNo.24C Mk.�WまたはMk.�Xを使う。オープンサイトも用意されている。発砲レバーが俯仰ハンドル上部と砲尾ブロック左にあり、照準手以外の要員も発砲可能。三脚式のMk�T砲架（射撃姿勢でもタイヤが付いたまま）を使用すると全周射撃ができ、開脚式のMk�U砲架（射撃姿勢ではタイヤを外す）もある。砲架の右には16発入り即応弾収容箱と工具箱が設置された。ただ固定陣地に据え付けて安定した射撃を行うのを主眼としたため、砲架をしっかりと作りすぎて重量がかさみ、移動や隠蔽が困難なのと�V号戦車の50mm砲にアウトレンジされるのとで役に立たなかった。砲身全長2.082m、砲身長2m、ライフリング長1.672m、全備重量830kg。駐退機は油圧式、復座機はスプリング式、閉鎖機は半自動垂直鎖栓式。俯仰角はマイナス13度からプラス15度。使用弾は徹甲弾と被帽徹甲弾で、徹甲弾重量1kg、初速毎秒800m、装甲貫徹力53mm（傾斜角30度、射距離450m）。参考：月刊PANZER8,’10、10,’04、米英軍戦闘兵器カタログVol.2

　＜２ポンド砲Ｍｋ．�U＞：口径長52、砲重量797kg。砲口初速毎秒792m、射距離548mでの装甲貫徹力51mm。参考：月刊PANZER11,’03

　＜２ポンド砲Ｍｋ�\＞：戦車砲型。口径1.575インチ（40mm）、砲身長78.75インチ（2m）、砲全長81.95インチ（2.08m）、重量287ポンド（130kg）。弾丸重量２ポンド６オンス・1.08kg（AP）／２ポンド1.5オンス・0.95kg（APCBC）、砲口初速毎秒2800フィート・853m（AP）／2600フィート・792m（APCBC）、装甲貫徹力は射距離500ヤード（457m）で30度傾斜装甲板に対し57mm（AP）／57.5mm（APCBC）。参考：British and American tanks of World War Two

　＜２ポンド砲Ｍｋ�]＞：戦車砲型。参考：British and American tanks of World War Two

　＜２ポンド砲Ｍｋ�]Ａ＞：戦車砲型。参考：British and American tanks of World War Two

＜２ポンド砲・海外シリーズ＞

　＜Ｐａｋ１９２（ｅ）＞：ドイツ軍対戦車砲。第２次大戦で鹵獲して使用した。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2

　＜ヴィッカース４０ｍｍ対戦車砲＞：日本陸軍対戦車砲。マレー戦で100門を鹵獲した。うち現地修理で使えるのが96門、大修理を要するのが２門、廃棄レベルが２門である。陸軍による本格的な調査の前に16門が現地部隊で使用されており、残りは南方での対戦車戦闘が激しい場合には現地に予備兵器として残し、そうでなければ内地に還送して北方戦用に回す予定とした。口径40mm、砲身長52口径、放列砲車重量800kg。方向射界360度、高低射界プラス25度。徹甲弾重量1.1kg、初速毎秒805m、最大射程7300m。参考：月刊丸4,’13

＜二メートル望遠写真機＞：日本陸軍の偵察用望遠カメラ。200-300台が配備された。参考：工兵入門

＜二連降流一〇〇甲型気化器＞：中島飛行機が開発した航空機用フロート式キャブレター。従来のフロート式キャブレターは背面飛行時にフロートが役に立たなくなって燃料が大量に供給され、チョークを起こすという欠点があり、背面飛行が事実上不可能だったため、これを解消すべく工夫を加えたものである。フロート室に入口制御弁やバイパス通路などを設けてマイナスＧでも適切な量の燃料が供給されるようにした。また、ゼロＧでも弁が作動するよう、ゼロＧ弁バネを仕込んである。横須賀航空隊の源田実大尉の協力で完成し、栄エンジンなどほぼ全ての軍用航空機エンジンに搭載された。参考：丸メカニック別冊１

＜二連成レシプロ蒸気機関＞：二段膨張式レシプロ蒸気機関を参照。

＜２・１／４号Ｃｏｍｐ・Ｃ−４爆破薬＞：自衛隊のコンポジットC-4爆薬。日本工機製。参考：月刊軍事研究7,’07

＜２・１／２Ｍ１Ｊ連鎖爆破薬＞：自衛隊の爆破薬。細谷火工製。参考：月刊軍事研究7,’08

＜２・１／２号Ｍ１Ｊ連鎖爆破薬＞：自衛隊の火工品。中国化薬製。参考：月刊軍事研究6,’12

＜２・１／２戦略＞：冷戦時代にアメリカが採っていた戦略で、核の傘により全面核戦争を防止する一方で、通常兵器により欧州及びアジアで二正面作戦を行いつつ１ヵ所の地域紛争にも介入できる兵力を維持するものである。ベトナム戦争の泥沼化及び中ソ対立を受け、１・1/2戦略に変更された。参考：日本の戦力

＜２・１／２トン４×２カーゴ（教習用）＞：陸上自衛隊の車両。日産ディーゼル製。参考：月刊軍事研究3,’97

＜２　１／２トン４×４カーゴトラック（２トンクレーン付き）＞：航空自衛隊のクレーン付き４輪トラックHTS12G。全長7.29m、全幅2.39m、全高3.14m、車重6.15トン。エンジン出力170馬力、最大速度85km。最大積載量4.5トン。参考：自衛隊装備年鑑1996

＜２・１／２トン生物剤対処用衛生検査ユニット用トレーラ＞：自衛隊のトレーラー。日本トレクス製。参考：月刊軍事研究10,’07

＜２　１／２トンダンプ＞：陸上自衛隊の６×６輪ボンネット型ダンプ。全長6.36m、全幅2.22m、全高2.92m、車両重量6.49トン。エンジン出力125馬力、最大速度65km。積載量４トン。いすゞ自動車製。参考：自衛隊装備カタログ1981

＜２　１／２トントラック＞：警察予備隊／保安隊／自衛隊のボンネット型2.5トントラック。警察予備隊発足時にアメリカ軍から供与されたCCKW352A/CCKW352B大型トラックで、三自衛隊も引き続き使用した。３軸10輪（後ろ２軸がダブルタイヤ）の全輪駆動。参考：月刊PANZER4・5,’17

＜２　１／２トントラック＞：陸上自衛隊の６×６輪ボンネット型2.5トントラック。GMC製CCKW352トラックをベースにいすゞ自動車がTW21シリーズとして国産化したものを採用した。全長6.76m、全幅2.28m、全高2.91m、車両重量5.51トン。エンジン出力115馬力、最大速度84km。積載量５トン。73式大型トラックに後を譲って退役した。参考：自衛隊装備カタログ1981

＜２　１／２トントラック（長）＞：警察予備隊／保安隊／自衛隊のボンネット型2.5トントラック。２　１／２トントラックの荷台を1.5m延長したものである。全長8.37m、全幅2.4m、全高2.91m、車両重量6.62トン。エンジン出力130馬力、最大速度73km。積載量５トン。参考：自衛隊装備カタログ1981

＜２・１／２トントラック４×２カーゴ（２トンクレーン付）＞：自衛隊の車両。日野自動車製。参考：月刊軍事研究1,’17

＜２・１／２トントラック４×４カーゴ＞：自衛隊の車両。いすゞ自動車製。参考：月刊軍事研究6,’14

＜２・１／２トントレーラ発電機用＞：自衛隊の車両。トノックス製。参考：月刊軍事研究9,’15

＜２　１／２トン燃料タンク車＞：陸上自衛隊の車両。ボンネット型６×６輪トラックの後部荷台にガソリンタンクを搭載している。全長6.69m、全幅2.4m、全高2.70m、車両重量6.85トン。エンジン出力125馬力、最大速度84km。燃料搭載量5000リットル。いすゞ自動車製。参考：自衛隊装備カタログ1981

＜２・１／２トン発電機トレーラ（２輪）＞：陸上自衛隊のトレーラー。千代田自動車工業またはソーシンまたはトノックス製。参考：月刊軍事研究3,’97、7,’09、9,’15

＜２・１／２トン発電機用トレーラ＞：航空自衛隊の車両。千代田自動車工業製。参考：月刊軍事研究3,’97

＜２・１／２トン武器電子修理車用トレーラ＞：自衛隊のトレーラー。日本トレクス製。参考：月刊軍事研究10,’07

＜２　１／２トン水タンク車＞：自衛隊の水タンク車。６×６輪ボンネット型トラックの後部荷台に水タンクとポンプ（毎時227リットル）を搭載している。全長6.70m、全幅2.25m、全高2.65m、車両重量6.24トン。エンジン出力125馬力、最大速度74km。水タンク容量4000リットル。乗員３名。いすゞ自動車製。参考：自衛隊装備カタログ1981

＜２・１／２トン野外医療用トレーラ（発動発電機用）＞：自衛隊の車両。日本トレクス製。参考：月刊軍事研究10,’09

＜２　１／２トン有蓋車＞：陸上自衛隊の人員輸送用シェルター搭載トラック。簡易型ボンネットバスのような６×６輪車両で、トラックの荷台に乗るよりも人員が疲労しにくい。シェルター側面にガラス窓、後面に乗降ドアを持つ。全長6.90m、全幅2.44m、全高3.18m、車両重量9.73トン。エンジン出力115馬力、最大速度70km。いすゞ自動車製。シェルターを修理スペースに改造した武器隊用工作車バージョンもある。参考：自衛隊装備カタログ1981

＜２．５メートル測距儀＞：海上自衛隊の砲戦用基線長式測距儀。くす型、あさひ型、はるかぜ型に搭載された。参考：丸スペシャルNo.75

＜２．７ｃｍ信号拳銃＞：ドイツ陸軍の信号拳銃。ワルサー社製で、1928年に採用され、リューベッカー社でも生産された。中折れ式で、重量1325g。内筒と361式対人てき弾を装着すれば陣地防衛にも使用可能である。1934年から軽合金を使用するようになり、730gに軽量化された。1935年から全長326mmのものも使用されるようになった。1938年からは簡素化され、エルマ社やモーターコンデンサー社でも生産された。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.3

＜２．７ｃｍ戦闘拳銃＞：ドイツ陸軍のてき弾発射機。第２次大戦時の東部戦線で、遭遇戦での近接戦闘に使えるよう、2.7cm信号拳銃から小銃てき弾を発射可能としたものである。銃身にライフリングを刻み、重量140g（炸薬量7g）の小銃てき弾を使用可能とした。射程90m。361式対人てき弾（射程75m）の使用も可能。1942年から生産された。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.3

＜２．７ｃｍ突撃拳銃＞：ドイツ陸軍のてき弾発射機。2.7cm戦闘拳銃にパッド付きの折り畳み銃床を付けたものである。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.3

＜２０＞：アルゼンチン海軍キング級練習艦ムラトゥーレ（Murature）。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊

＜２０＞：イギリス海軍リアンダー級軽巡洋艦ネプチューン（Neptune）。1934年竣工。1941年12月19日、トリポリ沖で触雷して沈没した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦、近代巡洋艦史

＜２０＞：チリ海軍209/1300型潜水艦１番艦トムソン（Thomson）。1980年11月起工、1984年4月就役。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、現代の潜水艦

＜２０ｃｍ軽てき弾発射機＞：ドイツ陸軍突撃工兵用てき弾発射機。ラインメタル社が開発し、1940年から配備した。重量93kg。黄作戦や北アフリカ戦で使用されたが、重くて機動性に欠けるため、1942年には後方部隊に回された。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.3

＜２０Ｆ２＞：F2（機関砲）を参照。

＜２０ＨＳＰ＞：M110A2自走砲（陸上自衛隊）を参照。

＜２０ＩｔＫ／３０ｓａｋ＞：Flak30海外シリーズ（高射機関砲）を参照。

＜２０ＩｔＫ／３９−４４ＶＫＴ＞：フィンランド軍20mm高射機関砲。元は1939年に導入した対戦車ライフルで、威力不足になったので1944年に高射機関砲に改造したものである。参考：月刊丸6,’01

＜２０ＩｔＫ／Ｓ−ＯＬ＞：フィンランド軍20mm高射機関砲。元はエリコン社が1923年に開発した20mm高射機関砲で、1926年に導入したが、性能不足で４門を配備したに止まっている。冬戦争では弾薬を使い切るまで使用された。参考：月刊丸6,’01

＜２０ｋｌ燃料給油車＞：航空自衛隊のジェット燃料給油車両。４軸の単車形式タンクローリーで、5000G給油車の後継として採用された。全長11.995m、全幅2.49m、全高3.3m、車両重量14.52トン。エンジン出力257kW、最大速度85km。積載量16トン。東急車輌製造または東邦車輌製。参考：航空自衛隊パーフェクトガイド2015、月刊軍事研究9,’16

＜二〇ＫＬ燃料給油車１形＞：自衛隊の車両。東急車輌特装または東邦車輌製。参考：月刊軍事研究2,’14、1,’18

＜二〇ＫＬ燃料給油車２形＞：自衛隊の車両。東急車輌特装または東邦車輌製。参考：月刊軍事研究2,’14、9,’16

＜２０Ｍ６２１＞：M621（機関砲）を参照。

＜２０Ｍ６９３＞：M693（機関砲）を参照。

＜２０ｍｍＣＩＷＳ＞：ファランクスを参照。

＜２０ｍｍえい光自爆榴弾＞：自衛隊の20mm榴弾。日本工機製。参考：月刊軍事研究10,’07

＜２０ｍｍえい光信号弾＞：自衛隊の弾薬。日本工機製。参考：月刊軍事研究12,’13

＜２０ｍｍえい光弾（リンク付）＞：自衛隊の弾薬。日本工機製。参考：月刊軍事研究12,’13

＜２０ｍｍえい光弾（リンク無）＞：自衛隊の20mm曳光弾。日本工機製。参考：月刊軍事研究10,’07

＜２０ｍｍ機関砲用えい光演習弾＞：自衛隊の20mm演習弾。日本工機製。参考：月刊軍事研究8,’08

＜２０ｍｍ機関砲用えい光演習弾薬包（バルカン）＞：自衛隊の火工品。日本工機製。参考：月刊軍事研究12,’09

＜２０ｍｍ機関砲用演習弾薬包（バルカン）＞：自衛隊の弾薬。日本工機製。参考：月刊軍事研究12,’13

＜２０ｍｍ機関砲用基準弾薬（徹甲弾薬包）＞：自衛隊の火工品。日本工機製。参考：月刊軍事研究6,’09

＜２０ｍｍ機関砲用地上標的＞：自衛隊の機器。野中産業または斎田産業製。参考：月刊軍事研究12,’10

＜２０ｍｍ機関砲用普通弾（リンク無）＞：自衛隊の20mm普通弾。日本工機製。参考：月刊軍事研究12,’08

＜２０ｍｍ機関砲用普通弾（リンク付）＞：自衛隊の弾薬。日本工機製。参考：月刊軍事研究3,’11

＜２０ｍｍ機関砲用榴弾＞：自衛隊の20mm榴弾。昭和金属工業製。参考：月刊軍事研究10,’07

＜２０ｍｍ機関砲用榴弾薬包（バルカン）＞：自衛隊の火工品。日本工機製。参考：月刊軍事研究12,’09

＜２０ｍｍ機関砲用リンクデリンクマシン＞：自衛隊の器材。大川工業製。参考：月刊軍事研究5,’08

＜２０ｍｍ空包＞：自衛隊の火工品。日本工機製。参考：月刊軍事研究12,’08

＜２０ｍｍ航空機機関砲用砲身＞：自衛隊の火器。住友重機械工業製。参考：月刊軍事研究8,’09

＜２０ｍｍ実弾＞：自衛隊の火工品。日本工機製。参考：月刊軍事研究8,’09

＜２０ｍｍ焼い榴弾＞：自衛隊の弾薬。日本工機製。参考：月刊軍事研究8,’17

＜２０ｍｍ弾薬包金属容器（バルカン）＞：自衛隊の機器。松原製作所製。参考：月刊軍事研究12,’10

＜２０ｍｍバルカン砲（海上自衛隊）＞：VASSを参照。

＜２０Ｚｈ６＞：ソ連軍の宇宙監視レーダーで、クローナ宇宙監視システムを構成する。高さ20m・幅20mの八角形平板UHFアンテナと、直径5mのSHFパラボラアンテナを持つ。参考：月刊軍事研究5,’13、2,’16

＜２０機砲車＞：HMMWV海外ファミリーを参照。

＜２０キロリットル燃料給油車＞：自衛隊の車両。東邦車輌製。参考：月刊軍事研究6,’15

＜２０キロリットル燃料給油車１形＞：自衛隊の車両。東邦車輌製。参考：月刊軍事研究6,’15

＜２０キロリットル燃料給油車２形＞：自衛隊の車両。東邦車輌製。参考：月刊軍事研究6,’15

＜二〇糎双眼鏡＞：日本陸軍の双眼鏡で、ソ連・満州国境に配置してソ連側を監視するために使用された。倍率は25倍と60倍の切り替え式。本体重量93kg、全備重量282kg。天候の影響を受けやすいという欠点があった。参考：日本陸軍兵器資料集

＜２０軍団＞：中国軍が開発に力を入れている殲撃20型ステルス戦闘機、運輸20型輸送機、直20型汎用ヘリのこと。参考：月刊軍事研究12,’15

＜２０式５．５６ｍｍ小銃＞：陸上自衛隊の自動小銃。89式小銃の後継で、豊和工業がHOWA5.56の名称で開発し、防衛省が2018年度予算でHK416とSCAR-Lと共に購入、89式小銃と火力性能（射程や命中率など）、環境性（水陸両用作戦で海水に浸かった時の耐蝕性能など）、拡張性、整備性、経費などを比較した結果、2019年12月6日に採用された。89式小銃より小型化し、拡張性、信頼性、排水性、耐塩害性、防錆性を高めている。コッキングレバーとセレクターは左右両方に設けて左利き対応にした。３点バーストは機構が複雑な上に実用性に欠けるとして廃止しており、セレクター周囲にはア（安全、セイフティ）、タ（単射）、レ（連射）と刻まれている。銃身周囲にレールマウントが付いており、フォアグリップ、バイポッド、ディオン光学技研製MARCH光学照準眼鏡（倍率８倍）、ベレッタ製40mm小銃てき弾発射機GLX160A1などを装備可能。銃床はポリマー製伸縮式、チークパッドは可変式で、体格に合わせて調整できる。グリップ内に工具を収容可能。全長783-854mm、銃身長330mm、重量3.5kg。作動はガス圧式。使用弾は5.56mmNATO標準弾、装弾数30発。2020年度予算で3283丁を調達した。2021年度から水陸機動団などに優先配備が始まり、配備完了には20年掛かる予定である。参考：月刊JWings8,'20、2,’20、月刊世界の艦船8,'20、朝雲

＜２０拇臼砲＞：彰義隊が配備した他、西南戦争でも使用された臼砲で、拇はドイム（オランダ尺、１ドイム＝9.7mm）のこと。口径201mm。弾量18kg。射程1300m。参考：大砲入門

＜２０デ・フリオ級＞：コロンビア海軍哨戒艦20 de Julio（7月20日。コロンビア独立記念日）級。ドイツのファスマー社製OPV-80級を導入したものである。MEOS�U電子光学センサーを搭載する。全長80.6m、満載排水量1723トン。主機はディーゼル、速力18ノット（20ノット？）。兵装は１番艦が76mm単装砲１門＋40mm単装機関砲１門、２番艦が40mm連装機関砲１基。ヘリ１機を搭載可能。１番艦20デ・フリオ、２番艦７デ・アゴスト（艦番号47）など３隻が2012-17年に就役した。参考：月刊世界の艦船10,’17、2,’21、12,’21

＜２０トン戦車＞：帝政ロシアで1915年に設計された戦車。アメリカ製のホルト装軌式トラクターがベースで、前方にオチキス8mm水冷機銃、後方に107mm砲１門を搭載している。全体の形状はフランスのシュナイダー戦車に似ていて、友好関係にあったフランスの協力を得たようだ。エンジンはガソリン（200馬力）、最大速度7km。乗員４名。設計のみで終わった。参考：月刊PANZER8,’97、ソビエト・ロシア戦闘車両大系（上）

＜２０フィート型通船＞：日本海軍の艦載伝馬船で、外舷の手入れなどに使用した。参考：図解日本の戦艦

＜２０ポンド砲シリーズ＞：イギリス陸軍83.4mm戦車砲。第２次大戦終戦直後に17ポンド砲の後継としてFVRDEとヴィッカーズ・アームストロング社が開発した。センチュリオンMk.3、Mk.5-8に搭載された。参考：ウォーマシンレポート11

　＜２０ポンド砲Ｍｋ．１＞：砲身先端にカウンターウェイトが付く。口径83.4mm、全長5.588m、砲身長5.347m、口径長64、重量1.309トン。ライフリングは28条右回り。弾種はAPDS（初速毎秒1465m）、APCBC（初速毎秒1020m）、HE。装甲貫徹力はAPCBCの射距離1000mで210mm、APDSの射距離1000mで287mm、射距離2000mで194-132mm（30度）。参考：ウォーマシンレポート11、月刊軍事研究3,’12、月刊PANZER12,’11

　＜２０ポンド砲Ｍｋ．２＞：

　＜２０ポンド砲Ｍｋ．２／１＞：Mk.2の砲身中央に円筒形の砲口排煙器を装着したもの。カウンターウェイトは外された。参考：ウォーマシンレポート11、月刊PANZER12,’11

＜二〇粍翼内機関砲＞：ホ五を参照。

＜二十米鋼製巻尺＞：日本陸軍の測量器材。参考：工兵入門

＜２１＞：イギリス海軍サウザンプトン級軽巡第１グループ、グラスゴー（Glasgow）。1937年竣工。1958年に解体された。参考：近代巡洋艦史、第２次大戦のイギリス軍艦

＜２１＞：シンガポール海軍インディペンデンス級沿岸警備艦７番艦ドーントレス（Dauntless）。2018年8月18日進水。2023年6月16-29日、グアム島周辺海域でアメリカ海軍主催演習パシフィック・グリフィンに参加。VL MICA艦対空ミサイルの初実射訓練を行った。参考：月刊軍事研究2,’19、月刊世界の艦船10,’23

＜２１＞：チリ海軍209/1300型潜水艦２番艦シンプソン（Simpson）。1980年11月起工、1984年9月就役。1996年5月22日から6月22日までリムパック96に参加。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、現代の潜水艦、月刊世界の艦船9,’96

＜２１／４号Ｃｏｍｐ．Ｃ−４爆破薬＞：自衛隊の火工品。日本工機製。参考：月刊軍事研究4,’11

＜２１−５２Ｔ＞：自衛隊のUHFホーミングアンテナ。双日エアロスペースが受注している。参考：月刊軍事研究1,’19

＜２１−９０−３１＞：アメリカ軍のAN/ARC-231無線機用SATCOMアンテナ、通称ダイポール・ドルーピー。傘の骨のような形状をしている。参考：月刊JWings8,’20

＜２１ｃｍＢＲ＞：W.Gr21（空対空ロケット弾）を参照。

＜２１ｃｍＫ１２（Ｅ）シリーズ＞：ドイツ軍の長距離列車砲。当初は３門が製作される予定だったが、1939年までに２門のみ完成した。第701列車砲中隊に配備されて1940年にフランスに送られ、ドーバー海峡越しにイギリスに砲弾を撃ち込んでおり、88km先のケント州ラインハイムにも着弾している。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4

＜２１ｃｍＫ１２（Ｅ）＞：１番砲。砲身が長いため、上部にワイヤーを張って吊り橋のように支えている。砲身を搭載した車台は、前方に10軸20輪、後部に８軸16輪の台車を取り付けて支持される。砲身長33.3m（158口径）、戦闘重量302トン。最大仰角55度、最大射程112km。価格は150万RM。1938年に１門が完成した。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4、歴史群像12,’03

＜２１ｃｍＫ１２Ｎ（Ｅ）＞：２番砲で、射撃時に砲尾が地面に衝突しないよう、車台を1.5mほど持ち上げる油圧ジャッキが搭載された。１門が製作され、第701列車砲中隊に配備された。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4

＜２１ｃｍ長臼砲＞：ドイツ軍の臼砲。クルップ社が製作し、1916年に制式採用された。砲身長14.6口径、戦闘重量9.22トン。18式榴弾（重量113kg）を使用すると、チャージ７で初速毎秒393m、射程11.11km。重量121.4kgの18Be対ベトン徹甲弾も用意されている。第１次大戦後も保有が認められており、1930年代に残存していた28門の車輪をゴムタイヤに変更、防楯を外した。第２次大戦でも使用されていたが、1942年には沿岸防衛隊に回された。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4

＜二一型対空電探＞：二式二号電波探信儀一型を参照。

＜２１型フリゲート＞：イギリス海軍フリゲートで、アマゾン（Amazon）級ともいう。西側フリゲートとして初のオール・ガスタービン艦である。安価大量生産を旨としており、ヴォスパー・ソーニクロフト社製輸出用フリゲートVT5をベースとした。船型は中央船楼型で、上部構造物にはアルミ合金を使用して軽量化、艦内スペースを広くしている。機関区画はパラレル配置。砲ミサイル射撃指揮用に912型レーダーを装備する。ソナーは184M型。全長117m（110m？）、幅12.7m、吃水5.8m、満載排水量2500トン。主機はCOGOG方式、ロールスロイス社製タインRM1C巡航用ガスタービン（4250軸馬力。タインRM1A？）２基・ロールスロイス社製オリンパスTM3Bブースト用ガスタービン（25000軸馬力）２基、２軸推進、速力32ノット、航続距離3500海里（18ノット）。兵装は114mm単装砲Mk8Mod0が１門（、20mm機関砲２門、シーキャットGWS24艦対空ミサイル４連装発射機１基。ワスプ対潜ヘリ１機の搭載が可能。F169アマゾン、F171アクティブ、F172アンバスケイド、F173アロー、F174アラクリティ、F185アヴェンジャー、アンテロープ、アーデントの８隻が1974-78年に就役した。竣工後にMM38エグゾセ単装発射筒４基や324mm３連装短魚雷発射管Mk32を２基追加しており、３番艦以降は新造時からエグゾセを搭載している。これに伴い船体補強やバラスト装備も行われて基準排水量が2750トンに、満載排水量が3250トンに増えた。最終要目は全長117m、幅12.7m、吃水5.9m、基準排水量3100トン、満載排水量3600トン。主機はガスタービン４基２軸50000馬力、速力30ノット。兵装はシーキャット艦対空ミサイル４連装発射機１基、114mm単装砲Mk8Mod0が１門、20mm機関砲2-4丁、324mm３連装短魚雷発射管２基。リンクスHAS-2/HAS-3ヘリ１機を搭載可能。乗員175名。軽金属製の上構が火災に弱いと指摘されており、実際フォークランド紛争でアンテロープとアーデントの２隻が撃沈されている。残る６隻は1993-94年にパキスタンに売却された。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、3,'22、5,’83、9,’96、8,’82増刊、9,’10、4,’14、2,’15

＜２１型フリゲート海外シリーズ＞

　＜タリク級＞：パキスタン海軍フリゲートTariq級。1993-94年に６隻を取得した。全長109.7m、幅12.7m、吃水5.9m、満載排水量3759トン。主機はCOGOG方式、速力30ノット。兵装は114mm単装砲１門、ファランクス１基、30mm機関砲２門で、ハープーン艦対艦ミサイル連装発射筒Mk141を２基装備する対艦型と、HQ-64艦対空ミサイル６連装発射機を艦橋直前に装備する対空型がある。ヘリコプター１機を搭載可能。タリク、艦番号182ババル、ティプ・サルターン、ハイバルなど６隻が就役した。2015年現在の兵装は以下の通り。共通なのは114mm単装砲１門とファランクス・ブロック1B近接防御兵器１基で、324mm短魚雷Mk46用３連装発射管２基とRGM-84Dハープーン連装発射筒Mk141を２基装備する艦が１隻、400mm短魚雷TP45用単装発射管２門とRGM-84Dハープーン４連装発射筒Mk141を２基装備する艦が１隻、LY-60艦対空ミサイル６連装発射機１基と400mm短魚雷TP45用単装発射管２門を装備する艦が３隻配備されている。参考：月刊世界の艦船6,’09、3,’10、6,’12、JShips vol.48、THE MILITARY BALANCE 2016

＜二十一号爆弾＞：日本海軍の飛行場制圧用対地クラスター爆弾で、ラバウル航空戦の戦訓を元に開発された。制式化されたのは二式六番二十一号爆弾で、他に仮称二式二十五番二十一号爆弾が研究されていた。参考：日本海軍の爆弾

＜２１世紀水上戦闘艦計画＞：SC21を参照。

＜２１．５ｍｍ拳銃信号弾＞：自衛隊の信号弾。昭和金属工業製。参考：月刊軍事研究8,’07

＜２１．５ｍｍ信号拳銃＞：自衛隊の信号拳銃。ミネベア製。参考：月刊軍事研究8,’07

＜２２＞：イギリス海軍リアンダー級軽巡洋艦アジャックス（Ajax）。1935年4月竣工。1937年、高角砲を単装から連装に強化。1939年12月13日、ラプラタ沖海戦に参加。1940年、マストを前後とも三脚式に変更。1941年3月27日、マタパン岬沖海戦に参加。1942年、エリコン20mm単装機関砲11門を搭載。1943年1月1日、アルジェリアでJu87の爆撃を受けて500kg爆弾１発を被弾、缶室が損傷した。4-9月、ニューヨーク海軍工廠で修理改装を実施。２ポンド４連装ポンポン砲２基を撤去してボフォース40mm４連装機関砲２基に換装し、エリコン20mm連装機関砲４基を追加した。1948年2月に退役し、1949年にスクラップとして売却され、解体された。参考：月刊世界の艦船11,’14、1,’12、第２次大戦のイギリス軍艦、月刊軍事研究7,’07、月刊丸8,’87、近代巡洋艦史

＜２２＞：中国海軍636型海洋調査艦、銭三強。2022年7月29日0500頃、対馬西40kmを北東に航行するのを、第１航空群P-1哨戒機と第４航空群P-1哨戒機が確認した。その後対馬海峡を北東に進み、日本海に向かっている。8月1日1800頃、礼文島西50kmを北東に航行する636A/B型測量艦22銭三強のを、第２航空群P-3C哨戒機が確認した。その後これは宗谷海峡を東に進んでいる。参考：月刊世界の艦船10,’22、3,’23

＜２２＞：チリ海軍オベロン級潜水艦１番艦オブライエン（O’Brien）。1976年就役。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、現代の潜水艦

＜２２ＤＤＨ＞：海上自衛隊が22中期防でしらね型の後継として計画したヘリコプター護衛艦。艦載ヘリによる護衛艦隊の対潜護衛が主任務で、八八艦隊構想を大幅に上回る８艦16機体制での対潜戦が可能となる。また、艦隊指揮、洋上後方支援、人道支援、災害救難といった任務をこなすとみられる。ひゅうが型よりも一回り大型になると想定され、ヘリパッドも５基付いている。エレベーターは前部中央がインボード式、後部右舷がデッキサイド式。車両輸送能力を持ち、船体右舷中部のランプから積み降ろしする。右舷中央にアイランドがあり、前面、前方左舷、後方右舷、後面にOPS-50の平面アンテナが付く。格納庫は一層で、航空機と車両の両方を搭載する。CICとFIC（司令部作戦指揮区画）は第２甲板レベルにある。テロ特措法に基づくインド洋補給支援任務中で高速補給艦が不足がちになっていることに鑑み、艦内に3300キロリットルの燃料や真水を積んで僚艦にハイライン給油を行える。洋上物資補給はVERTREPで行う。全長248m、全幅38m、深さ23.5m、吃水7.3m、基準排水量19500トン、満載排水量24000トン。主機はCOGAG方式、LM2500IECガスタービン４基２軸112000軸馬力、速力30ノット。哨戒ヘリ７機と輸送救難ヘリ２機を搭載し（最大14機）、大型車両（3.5トントラック50両）の自走搭載も可能。4000名の人員輸送能力と3300キロリットルの洋上給油能力を持ち、35床のベッドと医療施設もある。自衛用兵装は高性能20ミリ機関砲２基とシーRAM（RIM-116B使用）２基のみで、ESSMやアスロックは搭載しないのでVLSは積まない。搭載レーダーはFCS-3シリーズから武器管制機能を除いたOPS-50であり、高度なFCSが要らないのでサイズの割に価格が安い。アイランド上部の平面アンテナもミサイル誘導用が要らないので各面１枚ずつに減らされる。他にOPS-28対水上レーダー、OPS-20航海レーダーを装備する。バウソナーはOQQ-22から側面ソナー・アレイを取り除いた自衛用ソナーで、魚雷や機雷の探知に使用する。電子戦装置はNOLQ-3。艦内通信システムはJSWAN（統合艦内ネットワーク）、データリンクはリンク11とリンク16。対魚雷デコイは投射型静止式ジャマー（FAJ）と自走式魚雷デコイ（MOD）からなる魚雷防御システム（TCM）。乗員470名（970名まで増員可）。いずも型として竣工した。参考：月刊世界の艦船8,’11、9,’12、9,’09、4,’10、1,’11、6,’11、2,’12、4,’12、月刊JWings11,’09、6,’10、月刊航空ファン4,’10、7,’11、月刊軍事研究8,’11、朝雲

＜二二型水上電探シリーズ＞：二号二型電探シリーズを参照。

＜２２型フリゲート・シリーズ＞：イギリス海軍フリゲートで、１番艦の艦名からブロードソード級ともいう。リアンダー級の後継となる対潜フリゲートであり、新型低周波ソナー、ポップアップ攻撃型SSM、シーウルフSAMを装備する将来改良可能な大型艦として設計され、1979-90年に14隻が就役した。一部は戦闘システムとしてCAAISを装備する。2011年4月にイギリスでは全て退役した。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、10,’02、8,’82増刊、5,’83、3,’05、9,’10、7,’11、10,’11

　＜２２型バッチ１＞：中口径砲を廃止し、前甲板中央にエグゾセミサイル発射筒を搭載しているのが特徴である。船楼後部にはヘリ格納庫があり、シーキング１機またはリンクスHAS-3ヘリ２機を搭載できる。182型曳航式音響デコイを装備する。全長131.2m、幅14.8m、吃水6m、基準排水量3500トン、満載排水量4400トン。主機はCOGOG方式、ガスタービン４基２軸54600馬力、速力30ノット。兵装はエグゾセMM38艦対艦ミサイル４連装発射筒１基（前甲板）、シーウルフ艦対空ミサイル６連装発射機２基（上部構造物前後）、30mm連装機関砲GCM２基、20mm単装機関砲２門、324mm３連装短魚雷発射管２基。乗員227名。22隻を建造予定だったが、2031型VDSを搭載する余裕が無いとして1979-84年にF88ブロードソード、F89バトルアクス、F90ブリリアント、F91ブレイズンの４隻のみが就役した。砲が無いので上陸支援に使えないとして早期退役に追い込まれ、1994年11月に全てブラジル海軍に売却された。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、10,’02、9,’96、3,’05、9,’10

　＜２２型バッチ２＞：バッチ１の船体を15m延長して艦内容積を拡大している。艦首も鋭く突き出た形となった。全長145m（F92とF93）／146.5m（F94以降）、幅14.8m、吃水6.4m、基準排水量4100トン、満載排水量4800トン。主機はCOGOG方式、巡航用タインRM1Cガスタービン２基＋高速用オリンパスTM3BまたはスペイSM1Aガスタービン２基、出力52300馬力、２軸推進、速力30ノット。主兵装はシーウルフ６連装発射機２基、40mm単装機関砲２門、３連装短魚雷発射管２基で、前甲板にはエグゾセMM38艦対艦ミサイル発射筒４基を搭載していたが、固体ロケットが寿命を過ぎた後は撤去され、水上打撃力が無くなっている。リンクスHAS.3ヘリ２機またはシーキングHAS.5ヘリ１機またはマーリン・ヘリを搭載する。乗員273名。1984-88年にF92ボクサー、F93ビーバー、F94ブレイブ、F95ロンドン、F96シェフィールド、F98コベントリーの６隻が竣工した。1999-2002年に退役、F96シェフィールドがチリ海軍に、F98コベントリーなど２隻がルーマニア海軍に売却され、１隻はスクラップとして売却され２隻は標的となって沈没した。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、10,’02、9,’96、2,’87、7,’17、月刊軍事研究10,’10

　＜２２型バッチ３＞：フォークランド紛争の戦訓を受け、水上打撃力強化のため114mm単装砲１基を前甲板に追加、エグゾセに換えてハープーンSSM４連装発射筒２基を搭載し、CIWSとしてゴールキーパーを装備したもの。ゴールキーパーとハープーンはイギリス艦として初めて導入した。船体はやや延長されている。FCSはシーアーチャー30。艦橋上にGSA-8B電子光学方位盤がある。前部マスト頂部には967型レーダーと968型レーダーのアンテナが背中合わせに装備されており、前部マストのスポンソンには1006型航海レーダーを搭載する。艦橋上部及び後部ヘリ格納庫上に911型レーダー方位盤１基ずつを持つ。ソナーは2050型バウソナーと2031型曳航ソナー。全長148.1m、全幅14.8m、吃水6.4m、基準排水量4200トン、満載排水量4900トン。主機はCOGOG方式、ガスタービン４基２軸47240馬力、最大速力30ノット、航続距離は18ノットで3900海里。兵装はハープーン４連装発射筒２基、シーウルフ６連装発射機２基、114mm単装砲１門、ゴールキーパー１基、30mm単装機関砲２門、324mm３連装短魚雷発射管２基。リンクスHAS.3ヘリ２機またはリンクスHAS.3ヘリ１機＋シーキングHAS.5ヘリ１機を搭載可能。乗員250名。１番艦F99コーンウォール、２番艦F85カンバーランド、３番艦F86キャンベルタウン、４番艦F87チャタムの４隻が1988-90年に竣工した。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、10,’02、月刊軍事研究10,’10

＜２２型フリゲート海外シリーズ＞

　＜２２型バッチ２（チリ海軍）＞：チリ海軍フリゲート。兵装はRGM-84ハープーン艦対艦ミサイル４連装発射筒Mk141が２基、バラク艦対空ミサイル用８セルVLS２基、Mk46短魚雷３連装発射管２基、76mm砲１門。AAS532SCヘリ１機を搭載可能。F96シェフィールドを購入し、2003年にアルミランテ・ウイリアムスとして再就役させた。参考：世界航空機年鑑2018-2019、月刊世界の艦船1,’16

　＜２２型バッチ２（ルーマニア海軍）＞：ルーマニア海軍フリゲートで、レジール・フェルディナンド（Regele Ferdinand）級ともいう。中古の２隻を購入し、ミサイルは撤去して76mm砲を積んだ。全長148.5m、満載排水量4877トン。速力30ノット。兵装はオットー・メララ社製76mm砲１門、324mm短魚雷３連装発射管２基。IAR-330ヘリ１機を搭載できる。F221レジール・フェルディナンドなどが就役した。参考：月刊世界の艦船12,’18、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜ブロードソード級（ブラジル海軍）＞：ブラジル海軍フリゲート、Broadsword級。1995年から購入したバッチ１である。全長131.2m、幅14.8m、吃水6m、満載排水量4731トン。速力30ノット。兵装はGWS25シーウルフ対空ミサイル６連装発射機２基、40mm単装機関砲２門、324mm３連装短魚雷発射管２基。２隻にはMM38エグゾセ艦対艦ミサイル連装発射筒２基も装備されている。ヘリコプター１機を搭載可能。ボシシオ、ドドスウォース、ラデマケルなど４隻が就役した。2015年現在の兵装は以下の通り。エグゾセMM40艦対艦ミサイル単装発射筒４基、シーウルフ艦対空ミサイル６連装発射機２基、Mk46短魚雷単装発射管STWS Mk2が６門。スーパーリンクスMk21Aヘリ２機を搭載可能。参考：JShips Vol.24、月刊世界の艦船9,’96、THE MILITARY BALANCE 2016

＜二十二号爆弾＞：日本海軍の飛行場制圧用爆弾。昭和18年初めに研究されていたようだが、どんな爆弾なのかは不明。参考：日本海軍の爆弾

＜二十二年式銃剣＞：日本陸軍の銃剣。二十二年式村田連発銃用として明治23年に採用した。参考：世界の軍用銃

＜二十二年式村田連発銃シリーズ＞：日本陸軍の小銃。十八年式村田小銃を連発化したもので、明治22年に採用された。日清戦争で初めて使用されたが、この時は大半の部隊が十八年式のままだった。日清戦争後は散弾銃に改造されて民間に払い下げられ、太平洋戦争終了後も地方では重宝された。参考：月刊PANZER9,’01

　＜二十二年式村田連発銃＞：装薬を無煙火薬に換え、口径を8mmに縮小している。初速は毎秒600m台とそれまでの1.5倍になり、射程も2000mに達した。弾倉はチューブ・マガジンで、銃身の下に設置されており、銃弾が前後に並んでいる。全長1.21m、銃身長0.74m、重量4.1kg。装弾数8+1発。作動はボルトアクション。装填口と排莢口が同一なので、弾倉への再装填が面倒で、残弾表示も無く、発射ごとに重心がずれるので、評判は芳しくなく、三十年式歩兵銃が開発されることとなった。平成26年1月、明治天皇がオーストリア＝ハンガリー帝国フランツ・フェルディナント皇太子に明治26年夏に贈った本銃、銃弾、銃剣がウィーン市内の世界博物館地下倉庫で発見された。参考：月刊PANZER9,’01、世界の軍用銃、朝雲

　＜二十二年式村田連発騎銃＞：カービン型。全長1m、銃身長0.5mに短縮したモデルである。重量3.7kg。弾倉も短くなったので装弾数が5+1発となり、銃身短縮で射程が1300mと短くなった。参考：月刊PANZER9,’01

＜２３＞：中国海軍636型海洋調査艦。2022年7月27日0900頃、636型海洋調査艦艦番号25と共に、鹿児島県横当島北西240kmを北東に航行するのを、AOE-426おうみ、AMS-4303あまくさ、第１航空群P-1哨戒機、第５航空群P-3C哨戒機が確認した。その後これらは大隅海峡を北東に進み、太平洋に向かっている。参考：月刊世界の艦船10,’22

＜２３＞：チリ海軍オベロン級潜水艦２番艦Hyatt。1976年竣工。参考：現代の潜水艦

＜２３＞：パキスタン海軍マダドガル級給油艦２番艦Rasadgar。2011年就役。2014年3月25-27日、DIMDEX2014に参加。参考：月刊世界の艦船7,’14

＜２３ＤＭＵ＞：ｉ３FIGHTERを参照。

＜２３ＤＴ＞：フランス軍の55cm魚雷。炸薬重量310kg。射程9000m（39ノット）／13000m（35ノット）。参考：月刊世界の艦船10,’06

＜２３ｍｍ自走高射機関砲（北朝鮮軍）＞：北朝鮮軍自走高射機関砲。ZSU-23-4の車体に、オリジナルよりもやや背の高い箱形砲塔を載せ、23mm連装機関砲と後部に円形のレーダーアンテナを搭載したものである。参考：月刊軍事研究7,’02

＜２３ＳＳ用水中発射管システム（ＦＣＳ信号切替器等）＞：自衛隊の機器。日立製作所製。参考：月刊軍事研究7,’14

＜２３型＞：イギリス海軍フリゲートType-23、別名デューク（Duke、公爵）級。ソ連の原潜に対抗するため開発された対潜重視の汎用フリゲートで、設計は1981年に開始されたが、フォークランド紛争の戦訓を基に、ステルス性と兵装などを強化して完成した。船型は平甲板型で、前部にシアが付く。上部構造物は前中後の３つに分けられており、ステルス性を考慮していずれにもテーパーを付けた。後部上構はヘリ格納庫、後甲板はヘリ甲板である。ディーゼルエンジンはボックスに収容されており、厚さ20mmのゴム板４枚を介して左右４ヵ所ずつと前後２ヵ所ずつのマウントで支え、振動と騒音を防止した。ガスタービンエンジンも同様のボックスに収容されており、交換時には機関室とボックスの天井を外して引き上げる。艦載戦闘システムはSSCS、FCSはシーアーチャー30。マスト頂部に996型レーダー、マスト下部左舷スポンソンに1007型レーダー、艦橋上部右舷に1008型レーダー、艦橋上とヘリ格納庫上に911型レーダー方位盤を持つ。マスト上部にはUAT電波探知機のアンテナが８方向に突き出している。前部マスト前方スポンソンにGSA-8B電子光学方位盤を持つ。ソナーは2050型バウソナーと2031Z型TASS。全長133m、幅16.1m、吃水5.5m、基準排水量3500トン、満載排水量4200トン。主機は静粛性に優れた（世界で最も静粛な水上戦闘艦と言われたこともある）CODLAG方式、ロールスロイス社製スペイSM1ガスタービン２基・パックスマン・ヴァレンタ・ディーゼル４基・GEC社製1.5MW発電機２基・電動モーター２基、出力7000馬力（巡航時）／59300馬力（高速時）、２軸推進、ディーゼル・エレクトリック推進時速力15ノット、巡航速力18ノット、最大速力28ノット、航続距離は15ノットで7800海里。兵装は55口径114mm単装砲Mk8が１門（前甲板）、ハープーン艦対艦ミサイル４連装発射筒２基（艦橋前方）、シーウルフ短SAM用32セルVLS１基（114mm砲の後方）、30mm機関砲２門、20mm機関砲２門、324mm短魚雷スティング・レイ連装固定式発射管２基。114mm単装砲は、途中でステルス砲塔型に換装された。自衛用に2070型対魚雷デコイを装備しており、後に2170型に換装している。リンクスHMA8ヘリ２機またはマーリンHM1ヘリ１機を搭載可能。乗員185名。1990-2002年（2003年？）に14番艦F78ケント、F79ポートランド、F81サザランド、F83セント・アルバンス、F230ノーフォーク、F234アイアン・デューク、グラフトン、10番艦F239リッチモンド、サマセット（Somerset）など16隻が竣工し、後に３隻がチリ海軍に売却された。2004-12年、６番艦以降が2031Z型TASSを2087型TASS（艦尾左舷ドアから曳航）に換装する改装を受けた。997型レーダー搭載（996型は撤去）、DNA(2)戦闘システム（SSCSは撤去）搭載、熱帯地域用空調システム追加といった改装を開始しており、2013年前半にF234アイアン・デュークが改装を終えた。全長133m、全幅16.1m、吃水7.3m、満載排水量4900トン（4267トン？）。主機はCODLAG方式、ガスタービン２基・ディーゼル発電機４基・電動モーター２基、２軸推進、巡航速力15ノット、最大速力28ノット以上、航続距離は15ノットで7500海里。兵装はMk8Mod1単装砲１門（前甲板）、シーウルフGWS26艦対空ミサイル用32セルVLS１基（主砲後方）、DS30Mk2機関砲２門、RGM-84Cハープーン・ブロック�TＢ艦対艦ミサイル４連装発射筒Mk141が２基（VLS後方）、324mm短魚雷スティング・レイ用連装発射管２基（前部上構内）。997型レーダー１基、911型レーダー方位盤２基、GSA-8Bシー・アーチャー30電子光学方位盤１基、2050型バウソナー、2031Z型TASS（1-5番艦）または2087型TASS（６番艦以降）、UAF-1ESM、FDS3デコイ用発射管を装備する。リンクスHMA8ヘリ２機またはマーリンHM1ヘリ１機を搭載可能。2016年からシーウルフGWS26をCAMM(M)シーセプターに換装して911型レーダー方位盤を撤去し、前部上構両舷にDLF-3Bデコイ単装発射筒２基ずつを搭載する改装を進めている。26型フリゲートに後を譲って2023-36年に退役する予定。参考：月刊世界の艦船10,’02、3,’07、3,’92増刊、9,’12、9,’13、2,’15、4,’15、7,'20、7,'21、JShips Vol.24、月刊軍事研究12,’15、1,’14、10,’10、1,’98、1,’07、7,’97、2,’12、月刊丸2,’07、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜２３型フリゲート（Ｓ２０５０ＴＲ）＞：Sonar 2050 Technology Refreshの略。2050型ソナーの代わりに2150型ハル・ソナーを搭載し、コンソール２基を換装、整備間隔を５年に延長する。６番艦以降が対象で、2020年4月にF79ポートランドが改修を終えた。参考：月刊世界の艦船7,’20

＜２３型フリゲート海外シリーズ＞

　＜２３型フリゲート（チリ海軍）＞：チリ海軍フリゲートで、Almirante Cochrane級ともいう。３隻を購入し、艦番号07アルミランテ・リンチなどとして就役させた。満載排水量4267トン。兵装はRGM-84Cハープーン艦対艦ミサイル４連装発射筒Mk141が２基、シーウルフ艦対空ミサイル用32セルVLS１基、Mk46Mod2短魚雷連装発射管２基、114mm砲１門。AS532SCヘリ１機を搭載可能。参考：月刊世界の艦船9,’18、THE MILITARY BALANCE 2016

＜二十三号爆弾＞：日本海軍の時限式爆弾で、高々度から飛行場に投下し、数時間以上後に炸裂させる。三式六番二十三号爆弾が完成し、十八試二十五番二十三号爆弾も研究されていた。参考：日本海軍の爆弾

＜２４＞：イギリス海軍サウザンプトン級軽巡第１グループ、シェフィールド（Sheffield）。1937年竣工。1940年12月31日、フィジー級軽巡44ジャマイカと共にドイツ駆逐艦Z-4を砲撃して損傷させた。1941年2月9日、グロッグ作戦に参加。5月、ライン・ユーブング作戦行動中のビスマルク追撃戦に参加。1942年12月31日、バレンツ海海戦でドイツ駆逐艦Z-16を撃沈した。1943-44年、カタパルトを撤去し、艦橋背後に271型レーダーを搭載した。1943年12月25日、北岬沖海戦に参加。1967年に解体された。参考：第２次大戦のイギリス軍艦、月刊丸8,’87、4,’17、写真集ドイツの巡洋艦、近代巡洋艦史

＜２４ｃｍＫ（Ｅ）５５７（ｆ）＞：M1917海外シリーズ（列車砲）を参照。

＜２４ｃｍＫ（Ｅ）５５７／１（ｆ）＞：M1917海外シリーズ（列車砲）を参照。

＜２４ｃｍＫ（Ｅ）５５８（ｆ）＞：ドイツ軍の列車砲で、24cmKMod93/96(f)ともいう。第２次大戦でフランス軍から８門を接収して使用した。口径240mm、砲身長41.7口径、砲身重量29トン。弾丸重量162kg、初速毎秒840m、射程22700m。参考：月刊グランドパワー3,’03

＜２４ｃｍＫＭｏｄ９３／９６（ｆ）＞：24cmK(E)558(f)列車砲を参照。

＜２４ｃｍ重カノン砲（ｔ）＞：ドイツ軍24cmカノン砲。チェコのスコダ社が1916年に開発したもので、接収して使用した。最大射程29875m。黄作戦で実戦投入された。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4

＜２４ＤＭＵ＞：ｉ３FIGHTERを参照。

＜２４ＧＰＭ＞：自衛隊の油圧機。島津製作所製。参考：月刊軍事研究2,’18

＜２４ＳＳ用水中発射管システム（ＡＨＷＣＳ模擬装置用）＞：自衛隊の機器。日立製作所製。参考：月刊軍事研究4,’15

＜２４ＳＳ用潜水艦用魚雷防御システム模擬装置＞：自衛隊の機器。日立製作所製。参考：月刊軍事研究4,’15

＜２４ＷＺ−３０Ｍ＞：三菱重工のディーゼルエンジンで、高速６号型に搭載された。Ｗ型24気筒２サイクルで、出力2300馬力。参考：丸スペシャルNo.78

＜２４ＷＺ−３１ＭＣ＞：三菱重工が開発した艦船用ディーゼルエンジンで、魚雷艇11号型に搭載された。Ｗ型24気筒（シリンダー列角度60度）２サイクルターボチャージド高速ディーゼルで、重量６トン（逆転機付きで6.7トン）。出力3000馬力、回転数1600rpm。参考：丸スペシャルNo.78

＜２４Ｚ＞：MP40海外シリーズ（サブマシンガン）を参照。

＜２４級＞：イギリス海軍スループ。全長84.3m、幅10.7m、吃水3.7m、基準排水量1320トン。主機はレシプロ、出力2500馬力、速力17ノット。T73ヘラルドなどが竣工した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜２４斤加農＞：薩英戦争や下関で使用された24ポンド加農砲。参考：大砲入門

＜二十四号爆弾＞：日本海軍の暴露飛行機攻撃用爆弾。十八試六番二十四号爆弾が研究されていたが、詳細は不明である。参考：日本海軍の爆弾

＜２４時間システム＞：軍隊の時刻表示法で、第２次大戦初期から使用されるようになった。時と分を並べて４桁の数字で示し（午前8時5分は0805、午後2時14分は1414）、日付を加えるならその前に付ける（7日午後4時32分なら071632）。月を加える場合は３文字のアルファベットをその後に加える（5月13日午前0時4分なら130004MAY）、年を付けるなら月の後に下２桁を加える（2007年11月28日午後9時17分なら282117NOV07）。正確を期すならば、タイムゾーン（グリニッジ標準時をＺ、そこから１時間東がＡ、更に１時間東がＢ、…と続く。Ｊは除く）を加える（日本時間午前7時45分なら0745I）。日本海軍／自衛隊での数字の読み方はマル、ヒト、フタ（陸上自衛隊ではニ）、サン、ヨン、ゴ、ロク、ナナ（自衛隊では点呼など通常時にはシチと読むので注意）、ハチまたはヤー、キュウである。日本海軍で手旗信号を使う場合、４桁の数字の後に数字の頭文字（レイのレ、ヒイのヒ、フウのフ、ミイのミ、ヨオのヨ、イツのイ、ムウのム、ナナのナ、ヤアのヤ、ココのコ）を付け足して確実に伝えるようにする（1420ヒヨフレ）。海上自衛隊の艦船は遠洋航海で日本から離れたりするので、タイムゾーンを小文字で付ける（0745i）。アメリカ軍の場合、0100はゼロ・ワン・ハンドレッド、1900はナインティーン・ハンドレッドと読む。参考：ミリタリー・イラストレイテッド17、米海軍サバイバルマニュアル、海軍兵学校よもやま物語、海軍よもやま物語、海上自衛官紹介資料、月刊丸7,’14、MAMOR vol.116、横須賀教育隊ホームページ

＜２４式柄付き手榴弾＞：ドイツ軍の手榴弾。柄の後端のキャップを外して紐を引っ張ると、起爆筒に摩擦で火花が飛び、4-5秒後に炸裂するので、その間に投げる。参考：第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.3

＜二十四センチ加農＞：日本陸軍の23口径24cmカノン砲。最大射程9km。明治19年2月に配備された。明治36年には26口径の長砲身型も制式化されている。参考：大砲入門

＜２４センチ綫臼砲＞：日本陸軍の臼砲。実口径240mm、俯仰角はマイナス10度からプラス75度。使用弾は堅鉄弾と堅鉄破甲榴弾で、初速毎秒116-256m、最大射程5500m。参考：大砲入門

＜２５＞：中国海軍636A/B型測量艦、銭維昌。2022年7月27日0900頃、636型海洋調査艦艦番号23と共に、鹿児島県横当島北西240kmを北東に航行するのを、AOE-426おうみ、AMS-4303あまくさ、第１航空群P-1哨戒機、第５航空群P-3C哨戒機が確認した。その後これらは大隅海峡を北東に進み、太平洋に向かっている。8月1日、与那国島南南西80kmを北西に航行するのを、AOE-423ときわを確認した。その後これは与那国島と台湾の間を北に進み、東シナ海に向かっている。8月3日0600頃、久米島北西160kmを南東に航行するのを、DD-119あさひ、第１航空群P-1哨戒機、第５航空群P-3C哨戒機確認した。その後これは沖縄本島と宮古島の間を南東に進み、太平洋に向かっている。2023年4月18日0500頃、与那国島南50kmを北東に航行するのを、AOE-426おうみが確認した。その後与那国島と西表島の間の接続水域を北上し、魚釣島西70kmを北に進んでいる。参考：月刊世界の艦船10,’22、3,’23、6,’23

＜２５＞：マレーシア海軍カスツーリ級フリゲート、カスツーリ（Kasturi）。参考：JShips Vol.24

＜２５＞：ルーマニア海軍ロコテネントゥ・レムス・レプリ級掃海艇２番艇ロコテネントゥ・ルプ・ディネスク（Locotenent Lupu Dinescu）。参考：月刊世界の艦船5,’18

＜２５ＤＤ＞：海上自衛隊がむらさめ型やたかなみ型に続く汎用護衛艦として要求した護衛艦で、2013年度に5000トン型護衛艦として１隻が予算計上され、2014年度にも26DDとして同型艦１隻が予算化された。あきづき型の対潜型ともいえるタイプで、船体構造や船内配置はほぼあきづき型と同じだが、ESSMを搭載するものの防空能力をポイント・ディフェンス級に止め、代わりにマルチスタティック対潜戦を行える新型バウソナーシステムOQQ-24、OQR-4広帯域TASS、07式VLAを搭載して対潜能力を強化する。P-1のレーダーをベースに開発する潜水艦の潜望鏡や低空高速目標などを探知可能な新型フェイズド・アレイ式Ｘバンドレーダーが完成すれば追加搭載し、アンテナは多機能レーダーアンテナの上に付ける（２番艦26DDから建造時搭載の予定。１番艦25DDは後日装備）。対空戦闘情報処理装置はOYQ-13、多機能レーダーアンテナはFCS-3Aのポイント・ディフェンス型であるOPY-1で、Ｃバンド捜索追尾レーダーとＸバンド照射レーダーを１対として前部上構上部４面（斜め４方向。前方２面は並列、後方２面は上下に並べる）に装着するが、ICWIは装備せず、ESSMの管制誘導能力は多機能レーダーと戦闘指揮システムCDSに付与する。コンソールはCDS、OPY-1、電子戦システムで共通のものを使用し、どれかが故障しても他のコンソールで代替可能。C4ISRシステムは洋上ターミナルMMT、艦内統合ネットワークJSWAN。艦内電源はガスタービン発電機２基（2.8MW。推進用発電機を兼ねる）と補助用ディーゼル発電機（1.8MW）１基で供給する。ディーゼル発電機の電力を推進に回すことも可能で、12ノット程度の巡航速力を出せるとみられ、ガスタービンより燃費に優れるので経費節減になる。推進用ガスタービンが減ったので第２煙突が細くなり、第１・第２煙突共に船体中心線上に移された。艦尾にはフラップがあり、トランサム部にアクセスドアが追加されて搭載艇への移乗が楽になった。洋上給油装置は片舷１ヵ所ずつ。艦載艇は11m作業艇（FRP製）と7.5m複合型作業艇。女性自衛官の乗艦設備を持つ。全長151m、幅18.3m、深さ10.9m、吃水5.4m、基準排水量5100トン、満載排水量6800トン。主機はCOGLAG方式、ガスタービン発電機２基・LM2500IECガスタービン（2.8MW）２基・電動モーター（2.5MW）２基、出力62500馬力、可変ピッチプロペラ２軸推進、最大速力30ノット。兵装はMk41VLS（16セル）１基（４セルにESSMを16発、12セルに07式VLAを12発）、90式艦対艦ミサイル４連装発射筒２基、127mm単装砲Mk45Mod4が１門、20mmCIWS２基、３連装短魚雷発射管HOS-303が２基（12式短魚雷）。12.7mm機銃搭載遠隔操作兵装ステーションが後日装備（２番艦は竣工時から装備）されるかもしれない。自衛装備は魚雷防御装置、NOLQ-3D電子戦装置。ヘリ格納庫とヘリ甲板、RAST Mk6着艦拘束装置（レール１条、移送装置１基）を持ち、SH-60K哨戒ヘリ１機（最大２機）を搭載できる。乗員230名。あさひ型護衛艦となった。参考：月刊世界の艦船1,’17、3,’16、1,’16、1,’13、4,’14、12,’12、2,’12、4,’13、8,’13、11,’13、1,’14、1,’15、5,’16、月刊軍事研究9,’14、3,’17、MAMOR vol.105

＜２５ＤＭＵ＞：i3FIGHTERを参照。

＜２５ｍｍ曳光焼い榴弾弾頭自爆信管付＞：自衛隊の火工品。日本工機製。参考：月刊軍事研究12,’08

＜２５ｍｍ演習弾＞：自衛隊の火工品。日本工機製。参考：月刊軍事研究12,’08

＜２５ｍｍ機銃＞：九六式二五ミリ機銃を参照。

＜２５ｍｍ装弾筒付曳光徹甲弾＞：自衛隊の火工品。日本工機製。月刊軍事研究2,’10

＜２５ｍｍダミー弾＞：自衛隊の機器。グローバルコム製。参考：月刊軍事研究9,’18

＜２５ｍｍ単装機関砲＞：Mk38を参照。

＜２５ｍｍ連装機銃＞：2-M-3シリーズまたは61式25mm連装機関砲または九六式二五ミリ機銃を参照。

＜２５ｍｍ３連装機銃＞：九六式二五ミリ機銃を参照。

＜２５ＭＳＯ＞：海上自衛隊690トン型掃海艦。やえやま型の後継として平成25年度計画で建造される掃海艦で、他に２隻を作る予定だったが、対機雷戦戦力を多機能護衛艦DEX（の装備するUSV、UUV、自走式機雷処分用弾薬）と掃海艦MSOのみで賄うことになったため、25MSOと同型艦３隻を26-30中期防で建造する。主任務は深々度対潜機雷の掃海・掃討で、多任務対応機能を持ち、災害発生時の小規模港湾への輸送任務も考慮されている。船体はサンドイッチ構造GFRP（塩化ビニールフォーム心材をGFRPでサンドイッチ）製ブロック建造方式で、基準排水量をやえやま型の７割に抑えつつ同程度の大きさを確保した。更なる軽量化のためCFRPとする予定もあったが、これは見送りとなった。上部構造物にも極力GFRPを使用している。消磁装置も改良した。上構前部にはVDSの巻き上げ機を収容する。上構01甲板レベルは前部が艦橋、後部がCICとなっており、CICには対機雷戦情報処理装置MCDSの汎用コンソール（護衛艦や潜水艦と共通）が搭載される。上構後方には6.3m型複合作業艇と汎用クレーンを装備。多機能性を考慮して広い後部作業甲板を持ち、通常は掃海具を積むが、掃海具用器材を外せば貨物搭載スペースとして使えるので、災害派遣などの際に便利である。艦尾にはREMUS600UUVの揚降装置を装備する。VDSはZQS-4を日立製作所でVDSに改造したものを採用する予定。使い捨ての機雷処分具はドイツ製シーフォックスをテストしたが、深々度性能不足だったため、三井造船製自走式機雷処分用弾薬（Expendable Mine Destructor）を採用した。浮遊機雷の捜索や夜間監視任務用に有効距離5km程度の三菱重工製レーザー・レーダー（ライダー）を積む予定で、MSO-303はちじょうの艦橋上面前方右に試作機をセットしてテストしている。ソナー・システムはOQQ-10で、掃海情報処理機能も持ち、コンソールへの表示などもこのシステムが行う。隊司令部機能を後日装備する予定。全長67m、全幅11m、深さ5.2m、吃水2.7m、基準排水量690トン。主機はディーゼル２基２軸2200馬力、最大速力14ノット。兵装は遠隔操作式20mm多銃身機銃JM61-RFS Mk2が１基、小型掃海具１型、感応掃海具１型、自走式機雷処分用弾薬EMD、REMUS600無人水中航走体。乗員50名。あわじ型として完成した。参考：月刊世界の艦船1,’16、4,’14、1,’13、12,’12、2,’13、5,’13、月刊軍事研究1,’16、朝雲

＜２５ＭＳＯ用テストサイト器材（その１）＞：自衛隊の機器。日立製作所製。参考：月刊軍事研究7,’16

＜２５ＭＳＯ用テストサイト用器材＞：自衛隊の機器。日立製作所製。参考：月刊軍事研究5,’18

＜２５型＞：滬川級（魚雷艇）を参照。

＜二十五号爆弾＞：日本海軍が研究していた飛行場破壊爆弾。十八試二十五号爆弾一型が開発されていたが、詳細は不明である。参考：日本海軍の爆弾

＜２５センチ臼砲＞：日本陸軍の臼砲。実口径228.6mm、俯仰角は０度から65度。初速毎秒145-290m、最大射程6750m。参考：大砲入門

＜二五糎双眼鏡＞：日本陸軍がソ連監視用に１台試作した双眼鏡。参考：日本陸軍兵器資料集

＜２５センチ手持航空写真機＞：日本陸軍の気球器材。参考：工兵入門

＜２５トン型砲艇＞：日本海軍内火艇。実際には河用砲艇といった風体で、中国のクリークを遊弋し、大発の護衛や沿岸地区の制圧を行った。船体中央やや前に操舵室があり、厚さ5mmのデュコール鋼によりスプリンター防御が施されている。船体中央やや後ろにマストを持つ。川底を擦らないように、スクリューが位置する場所には船体に凹みを付けている。船体下部の主機はディーゼル（150馬力）２基、２軸推進、速力11ノット。兵装は九三式一三ミリ連装機銃１基（防楯付き）。昭和15-19年に70-80隻が建造された。戦後は多数が国府海軍に接収されたが、５隻が海上保安庁巡視船として就役している。参考：小艦艇入門

＜二十五番通常爆弾シリーズ＞：日本海軍の250kg通常爆弾。制式時期は不明で、年式も付いていない。炸裂力は高いが、アメリカの新型空母の装甲化甲板（厚さ50mmと推定していた）が貫徹できないと見込まれたため、九九式二十五番通常爆弾一型に後を譲った。参考：日本海軍の爆弾、月刊航空ファン11,’18

　＜二十五番通常爆弾一型＞：輸入したものらしい。参考：日本海軍の爆弾

　＜二十五番通常爆弾二型＞：国産化したものらしい。発火装置は一五式弾底発火装置、九七式弾頭発火装置、二式発火装置など、信管は九七式甲信管、九七式乙信管、九九式甲爆弾信管、九九式丙爆弾信管などを使用する。全長1.81m、全備重量257kg、炸薬重量111kg（下瀬火薬）。装甲貫徹力50mm未満。参考：日本海軍の爆弾、月刊航空ファン11,’18

　＜二十五番通常爆弾二型改一＞：弾体と尾部の接合を強化した改良型。全備重量258kg、炸薬重量110kg。装甲貫徹力50mm未満。参考：日本海軍の爆弾

＜二十五番陸用爆弾シリーズ＞：日本海軍の250kg陸用爆弾。制式時期は不明。参考：日本海軍の爆弾

　＜二十五番陸用爆弾＞：直径0.357m、全備重量262kg、炸薬重量149kg（下瀬火薬）。参考：日本海軍の爆弾

　＜二十五番陸用爆弾改一＞：炸薬を九八式爆薬に変更したもの。参考：日本海軍の爆弾

＜２５ポンド訓練爆弾＞：自衛隊の火工品。石川製作所製。参考：月刊軍事研究1,’12

＜２５ポンド砲シリーズ＞：イギリス軍の軽榴弾砲で、使用弾の重量が25ポンド（11kg）なのでこの名がある。18ポンド砲と4.5インチ榴弾砲を同時に更新する射程13kmの機械化牽引野砲として1925年から設計されたが、平時なので後回しにされ、口径94mm・弾量25ポンドのカノン榴弾砲に一旦決定してからも数年かけて議論が行われ、1934年9月に漸く試作砲の開発に入った。しかし開発費を抑制することになって18ポンド砲の砲架を流用することが決まり、口径が87.6mmにスケールダウンされて1936年8月に3.45インチ速射砲として採用され、1938年2月に25ポンド速射砲と改称された。参考：月刊PANZER4,’11、米英軍戦闘兵器カタログVol.2、異形戦車ものしり大百科

　＜２５ポンド砲Ｍｋ．�T＞：最初の量産型。予算の関係で新規生産ができなかったため、18ポンド砲の内腔を87.6mmにボアアップして25ポンド榴弾を発射できるようにしている。初期にはMk.�VＰ砲架を使用していたが、仰角が30度しか取れないので、後に仰角37.5度（俯角はマイナス５度）のMk.�WＰ箱形砲架に換えられた。一部にMk.�XＰ開脚砲架（俯仰角はMk.�WＰと同）を使用したものがある。口径87.6mm、砲身長28口径、ライフリング長1.885m、砲身重量0.45トン、戦闘重量1.6トン、運行重量は前車含め2.516トン。固有の旋回角は９度で、旋回盤を使用して全周射撃を行う。Mk.�XP砲架では方向射界50度を取れた。弾薬は装薬分離の真鍮製薬莢式で、装薬は通常装薬が赤、白、青の３色の袋に詰められており、チャージ１（赤）、チャージ２（赤と白）、チャージ３（赤、白、青）に加えて調整用の４オンス（113.4g）装薬袋を充填した。他に超装薬も用意されている。使用弾はMk.1D榴弾、Mk.2DT曳光榴弾、Mk.1DからMk.7D発煙弾、Mk.1TからMk.8T徹甲弾、目標指示弾、テルミット焼夷弾、照明弾（43万カンデラ）。成型炸薬弾も計画されたが、開発中止になっている。使用弾重量11.34kg、初速毎秒435m、最大射程10.8km（11.7km？）、発射速度毎秒12-14発。参考：月刊PANZER4,’11、5,’11、米英軍戦闘兵器カタログVol.2

＜２５ポンド砲Ｍｋ．�U＞：輸出用105mm榴弾砲M1922の砲架をベースに旋回台座（ファイアリング・プラットホーム）と脚を改造した箱形砲架（Mk.�T砲架）に換装したもの。旋回台座を利用しての360度射撃が可能（旋回には脚後端のハンドスパイクを使用する）となり、仰角がアップして最大射程が延びた。閉鎖機は垂直鎖栓式である。砲身長2.295m、戦闘重量1.801トン、全備重量（No27トレーラー付き）3.327トン。俯仰角はマイナス５度からプラス40度、固有の射界は左右４度ずつ。後座長は通常914mmだが、仰角が上がると508mmに制限される。使用弾は榴弾（11.34kg）、徹甲弾、発煙弾で、最大射程10.8km（通常装薬）／12.25km（超装薬）、発射速度毎分5-6発。砲要員６名（砲長、装填手、照準手、弾薬手２名、弾薬整備調整手１名）。第２次大戦中に12000門が生産されて1940年3月から実戦投入され、1967年までイギリス軍に配備された。後に砲架が車軸幅を483mm縮めたMk.�Uに換装されて防楯や旋回盤も変更され、更にMk.�V砲架が採用されて最大仰角が76度となった。北アフリカ戦では対戦車砲代わりにも使用されており、ダブルバッフル式マズルブレーキ（徹甲弾射撃時の反動軽減用として1942年7月から装備。砲尾装置直前にはカウンターマスが付いている）や直接照準器が後付けされた。参考：月刊PANZER5,’11、米英軍戦闘兵器カタログVol.2

＜２５ポンド砲・海外シリーズ＞

　＜２５ポンド野砲＞：日本陸軍野砲。マレー戦で150門を鹵獲した。うち現地修理で使えるのが63門、大修理が必要なのが23門、廃棄レベルが64門で、陸軍の調査前に現地部隊が47門を増加装備として使用しており、共食い整備により極力再生させるよう命令も出た。口径87.6mm、砲身長28.2口径、放列砲車重量1750kg。方向射界は左右４度ずつ（砲床使用で全周旋回可能）、高低射界はマイナス５度からプラス40度。初速毎秒518m、最大射程12200m。弾薬は榴弾68852発、尖鋭弾73196発、徹甲弾2692発、発煙弾12776発、薬筒228225発を鹵獲している。参考：月刊丸4,’13

　＜ＦＫ２８０（ｅ）＞：ドイツ軍野砲。第２次大戦時に鹵獲して使用した25ポンド砲Mk.�Uである。参考：米英軍戦闘兵器カタログVol.2

　＜ＦＫ２８１（ｅ）＞：ドイツ軍野砲。第２次大戦時に鹵獲して使用した25ポンド砲Mk.�T箱型砲架バージョンである。参考：月刊PANZER4,’11、米英軍戦闘兵器カタログVol.2

　＜ＦＫ２８２（ｅ）＞：ドイツ軍野砲。第２次大戦時に鹵獲して使用した25ポンド砲Mk.�T開脚砲架バージョンである。参考：月刊PANZER4,’11、米英軍戦闘兵器カタログVol.2

＜ベビー２５ポンド砲＞：オーストラリア軍野砲。ジャングル戦用に開発したもので、正式にはOrdnance QF 25-pdr Short (Aust) Mark �T　on Carriage Light (Aust) Marks �T and �Uという。砲身を1.266mに切り詰めて先端にフラッシュハイダーを付け、駐退機構も1mに短縮、防楯を外し、脚を短くして前後分割に変更、車輪も小型化して1.32トンに軽量化してある。空挺投下が可能であり、14個に分解すれば馬でも運べる。強力な装薬は使用できず、初速も低いため、最大射程は9.4kmである。1943年に製作され、Mk.�T砲架型が112門、Mk.�U砲架型が100門配備され、1946年まで使用された。参考：月刊PANZER5,’11、米英軍戦闘兵器カタログVol.2

＜２６＞：イギリス海軍アリシューザ級軽巡洋艦（２代目）アリシューザ（Arethusa）。1935年就役。1940年7月2日、Ｈ部隊の一員としてカタパルト作戦のためフランス領アルジェリアのメルス・エル・ケビール軍港に向け出撃。1950年に解体された。参考：第２次大戦のイギリス軍艦、近代巡洋艦史、月刊世界の艦船2,’18

＜２６＞：マレーシア海軍カスツーリ級フリゲート、レキル（Lekir）。2009年12月1日、マレーシア国際観艦式に参加。2011年1月26日、ケランタンと共に、マラッカ海峡でCVN-70カールヴィンソン、CG-52バンカーヒルとの洋上訓練に参加。2021年4月9日、アンダマン海でフリゲート30レキウと共にオーストラリア海軍補給艦O226シリウスから洋上補給を受けた。2022年6月29日からリムパック2022に参加。参考：月刊世界の艦船3,’10、4,’11、7,'21、10,'22、JShips Vol.24

＜２６ＡＳＲ＞：海上自衛隊が平成26年度計画で建造した潜水艦救難艦。潜水艦救難母艦AS-405ちよだの代艦で、母艦機能は無いが、大規模災害時の医療支援や被災者支援が任務に加えられており、医療設備（手術台２床、ベッド10床）や入浴支援設備を持つ。燃料タンクを大型化しており、高速航行時の航続距離を延伸することで救難海域への速やかな進出を可能とした。艦前後に２基のサイドスラスターを装備する。全長128m、幅20m、吃水5.1m、深さ9m、基準排水量5600トン、満載排水量7100トン。主機はディーゼル２基、２軸推進、速力20ノット。救難支援システム（RSS、Rescue Support System。日立製作所製）、スキャニング・ソナー、マルチビーム・ソナー、ポジショニング・ソナー、リチウムイオン電池駆動の新型DSRV（16名収容）、OXX-3無人探査機（ROV）、深海救難装置（DSRS）、飽和潜水による深海潜水装置、治療用再圧タンク３基、手術用寝台２床、病床10床を持つ。MCH-101ヘリを運用できる。ちよだ型（２代目）となった。参考：月刊世界の艦船7,’14、1,’15、7,’15、8,’14、12,’13、11,’13、1,’14、9,’15、12,’16

＜２６ｂｉｓ型巡洋艦＞：マキシム・ゴルキイ級を参照。

＜２６型巡洋艦＞：キーロフ級（初代）を参照。

＜２６型フリゲート＞：イギリス海軍フリゲート、別名シティ（City）級。1998年からの将来水上戦闘艦（FSC）計画、2010年10月からはグローバル・コンバット・シップGCS（Global Combat Ship）計画に基づき、BAEシステムズ社が開発した。22型及び23型の後継で、14隻を配備する予定だったが、13隻（汎用型５隻、対潜型８隻）に減り、更に2015年の戦略国防・安全保障評価で対潜型のみ８隻に減り、５隻は安価で輸出にも力を入れた31e型フリゲート（後にeが取れて31型に改称）で済ませることになった。主任務は対潜戦で、対空戦、特殊部隊輸送、MOOTW任務も実施でき、遠隔地に長期展開しての作戦も行える。船型はFSC時代に三胴船を検討していた時期があり、試験艦RVトライトンでテストを行ったが、結局FSC C1ベースのスタンダードな単胴船になった。船体は鋼製で、対レーダーステルスと音響ステルスを重視する。船型は長船首楼型で、ナックルラインより上の舷側を船体と逆傾斜にしてステルス性に配慮、マストも太い八角錐台形のタワー型とした。前甲板の主砲は155mm砲、114mm砲、オットー・メララ社製64口径127mm砲、Mk45Mod4を検討して最終的にMk45Mod4になり、Mk45MIFS（Maritime Intirect Fire System。Mk45Mod4A艦砲と完全自動化弾薬ハンドリングシステムからなる）として搭載する。GFCSは海上視程外目標射撃指揮装置MIFS。上構の配置は前からVLS（前方がシーセプターCAMM、後方の横長がSLCM/SSM）用の高さ１甲板分の甲板室、艦橋、タワーマスト、煙突、ミッション・ベイ、ヘリ格納庫の順。ミッション・ベイには必要に応じて9mRHIB、12mRHIB４隻、USV10隻以上、UUV、魚雷防御装置、20フィートISOコンテナなどを搭載、両舷２箇所ずつのシャッターから出し入れする。ヘリ格納庫上両舷にポールマストが１本ずつ立っている。艦載戦闘システムはINTeACT。三次元レーダーは997型で、長距離レーダーとしてS1850Mが追加されるかもしれない。航海レーダーはケルヴィン・ヒューズ社製シャープアイ。ソナーは2150型バウソナーと2087型TASS。ディーゼル主機は水線上に配置した。全長149.9m、幅20.75m、吃水6m、満載排水量6900トン（8000トン？8800トン？）。主機はCODLOG方式、巡航用MTU社製20V4000M53Bディーゼル発電機４基（16300馬力）＋電動モーター２基（8542馬力）・高速用MT30ガスタービン１基（46935馬力）、出力46935馬力、２軸推進、ディーゼル・エレクトリック巡航速力15ノット、ガスタービン最大速力28ノット、航続距離7000海里（15ノット）、行動期間60日。兵装は艦対空ミサイルCAMMを運用するFLAADS（Future Local Area Air Defence System、将来区域防空システム）、127mm単装砲Mk45Mod4が１門（前甲板）、シーセプターCAMM艦対空ミサイル用24セル（前後３セル×左右２セルが横に４基並ぶ。１セルあたり４発装填）VLS２基（上構前部と煙突後方。６セルVLS８基？）、CVS401ペルセウスSLCM／トマホークSLCM／艦対艦ミサイル／アスロック用24セル（前後２セル×左右12セル）垂直発射機Mk41が１基（上構前部シーセプター用VLS後方。８セル３基？）、スティング・レイ短魚雷連装（３連装？）発射管２基、20mmCIWSファランクス・ブロック�TＢ２基（煙突両舷）、30mm単装機関砲DS30B２門（ヘリ格納庫両舷。DS30M Mk2？）、機銃２丁。AW159ワイルドキャットHMA2ヘリ２機またはマーリン１機を収容できるヘリ格納庫と、13トン級大型ヘリ（チヌーク）も発着艦できるヘリ甲板を持ち、UAVも運用できる。乗員157名＋予備居住区51名分。クラス名はシティ級（City class）を予定しており、最初の３隻はバッチ１、残る５隻はバッチ２になる。１番艦グラスゴー（Glasgow）は2017年7月20日にファースト・スチール・カットを行い、2022年12月2日に進水した。２番艦ベルファスト（Belfast。３番艦？）、３番艦カーディフ（Cardiff。２番艦？）、４番艦エジンバラ（Edinburgh）、５番艦バーミンガム（Birmingham）、６番艦シェフィールド（Sheffield）、７番艦ニューキャッスル（Newcastle）、８番艦ロンドン（London）の計８隻が就役して2028年10月にIOCを獲得し、2060年頃まで主力の座に就く予定。経費削減のため外国と共同開発して輸出する計画もあり、インド、オーストラリア、カナダ、トルコ（TF-2000計画）、ニュージーランド、ブラジル、マレーシアなどに提案し、カナダとオーストラリア（派生型ハンター級）が採用、他にブラジルが興味を示している。参考：月刊世界の艦船5,’18、6,’19、12,’19、2,'23、9,'23、10,’17、3,’16、5,’16、12,’12、8,’13、3.’14、11,’14、12,’15、12,’17、12,’18、1,’19、6,’19、7,'20、2,'21、9,'21、2,'23、5,'23、朝雲、月刊軍事研究1,’12、1,’14、12,’12、3,’13、2,’12、3,’12、12,’17、3,’18、2,’19、JShips vol.48

＜２６型フリゲート海外シリーズ＞

　＜２６型フリゲート（オーストラリア海軍）＞：ハンター級を参照。

　＜２６型フリゲート（カナダ海軍）＞：カナダ海軍がハリファックス級の後継として15隻の配備を計画している水上戦闘艦で、計画名CSC（Canadian Surface Combatant）。2016年10月27日に提案要求が発出され、スペインのナバンティアがF105型フリゲート、ロッキード・マーチン・カナダ／BAEシステムズが26型フリゲート、ダーメン社／アリオン・カナダがデ・ゼーベン・プロヴィンシェン級フリゲート、フランスのネイヴァル・グループとイタリアのフィンカンティエーリがFREMMで応じ、2018年に26型フリゲートが採用された。アリオン・カナダが異議を申し立てたため正式決定は先送りされたが、審議の結果カナダ国際貿易裁判所が異議を却下したため、2019年に最終決定されている。戦闘システムはロッキード・マーチン・カナダ社製CMS330、指揮管制装置はイージス・システムがベースのInternational Aegis Fire Control Loopで、CECも装備し、多機能レーダーはAN/SPY-7(V)3（アレイ１面あたり送受信モジュール８×８計64個）、目標指示レーダーはMDA社製AESA（固定型プラナー・アレイ・アンテナ）を積む。イージス・システム、AN/SPY-7(V)3、CEC、Mk41VLS、スタンダードSM-2ブロック�VＣはアメリカからFMSで導入し、Mk41にExLS（Extensive Launching System）を装着して１セルあたりシーセプター用CAMM艦対空ミサイル３発を装填できるようにする。全長151.4m（149.9m？）、幅20.75m、満載排水量（基準排水量？）7800トン。主機はCODLOG方式、MT30ガスタービン１基（46935馬力）・ディーゼル４基（15555馬力）・電動モーター２基（8542馬力）、出力46935馬力、２軸推進、速力27ノット。航続距離7000海里。兵装はMk41VLS（上構前方。スタンダードSM-2ブロック�VＣ、ESSMブロック�U、トマホーク）32セル、ExLS垂直発射機６セル（煙突後方。CAMM24発）、NSMまたはハープーン艦対艦ミサイル４連装発射筒２基、オットー・メララ社製64口径127mm単装砲LW１門、30mm単装機関砲２門、324mm短魚雷連装発射管２基。CH148サイクロン哨戒ヘリ１機を搭載できる。乗員204名。１番艦は2024年に就役する予定。参考：月刊世界の艦船11,'21、6,'23、9,'23、2,’18、5,’18、3,’19、5,’19、6,'19、2,'21、7,'21、8,'21、月刊軍事研究4,’18

＜二十六号爆弾＞：日本海軍の飛行場破壊爆弾。十八試二十六号爆弾一型が開発されていたが、詳細不明。参考：日本海軍の爆弾

＜二六年式拳銃＞：日本軍の拳銃。初の日本製軍用リボルバー式拳銃で、明治27年に制式化された。作動はダブルアクションのみであり、ハンマーにはスパーが無い。再装填は中折れ式で、弾数６発。トリガーガードを前に開くと、サイドプレートと右グリップのロックが解除され取り外すことができ、整備が楽。太平洋戦争末期まで震洋や戦車兵の携行火器として使用された。口径9mm、全長220mm、銃身長120mm、重量1kg。参考：月刊PANZER5,’01、月刊コンバットマガジン7,’06

＜二六年式拳銃嚢＞：日本軍のホルスター。二六年式拳銃用で、フランス軍制式のド・オルドナンス1892年式ホルスターをコピーしたものである。茶色の内革製で、椀型のフラップにより蓋をする。参考：月刊PANZER4,’93

＜２６フィート型内火艇（台湾海軍）＞：台湾海軍内火艇。FRP製。速力7.5ノット。人員24名を搭載可能。参考：月刊世界の艦船8,’14

＜２７ＤＤＧ＞：海上自衛隊がはたかぜ型の後継として平成27年度から２隻建造したイージス艦で、平成27年度概算要求では7700トン型護衛艦（あたご型３番艦）だったが、平成27年度防衛関係費政府案では8200トン型になった。平成28年度にも同型の28DDGを建造するが、イージスシステムだけ平成27年度に纏め買いして安く済ませる。搭載するのはイージスシステム・ベースライン9C／イージスBMD5.1で、NIFC-CAとCEC（AN/USG-2）の運用能力を持ち、エンゲージ・オン・リモートやIAMDモード（弾道ミサイル・巡航ミサイル・航空機同時対処）による交戦が可能。ただしSM-6と海自E-2Dが未装備なので、NIFC-CAに関しては名目のみとなっている。艦形はほぼあたご型で、艤装品の露出を避けるなどステルス性に気を遣い、艦尾にフラップを追加した。レーダーはAN/SPY-1D(V)、AN/SPQ-9Bなど。射撃指揮装置はミサイル用Mk99と艦砲用Mk160。対潜システムはAN/SQQ-89A(V)15Jで、ソナーはAN/SQS-53Cバウソナーと艦尾左舷から繰り出すTB-37MFTA。主機は低速時の燃費に優れたCOGLAG方式で、6MW級ガスタービン主発電機２基を積んでおり、あたご型で４基あったガスタービンのうち２基を推進電動機に換えたため、２番煙突が小さくなっている。電気系統は6000Vの高圧系で、ガスタービン主発電機に加えてディーゼル主発電機も２基搭載する。ヘリ格納庫とヘリ甲板を持ち、整備能力を有するのでヘリを常時搭載することが可能。ヘリ格納庫は高さを減らしてAN/SPY-1D(V)レーダーの後方視界を良好にした。ヘリ甲板には着艦拘束装置を就役時から装備する。艦載艇は前部煙突両舷の11メートル型作業艇１隻、7.5メートル型RHIB１隻。艦内統合ネットワークJSWAN、海上自衛隊指揮統制・共通基盤システム洋上ターミナルMMT、CENTRIXS通信システムなどを装備する。洋上給油装置は片舷２ヵ所ずつ。女性自衛官の乗艦設備を持つ。全長169.9m、水線長158m、最大幅21m、水線幅19m、深さ12m、常備吃水6.3m、基準排水量8200トン、満載排水量10070トン（11000トン？）。主機はCOGLAG方式、LM2500IECガスタービン２基・推進電動機２基、２軸推進、速力30ノット。兵装は５インチ単装砲Mk45Mod4が１門、Mk41VLS２基（前部64セル＋後部32セル。SM-3ブロック�UＡ、07VLAなど）、90式艦対艦ミサイル４連装発射筒２基、３連装短魚雷発射管HOS-303（97式／12式短魚雷）２基、20mmCIWSファランクスMk15Mod25が２基。SH-60Kヘリ１機を搭載可能。乗員340名。まや型となった。参考：月刊世界の艦船1,’16、7,’15、10,’17、2,’18、4,’14、3,’15、1,’15、7,’17、10,’18、月刊軍事研究5,’16

＜二十七号爆弾＞：日本海軍が開発した空対空ロケット弾で、二十八号爆弾よりも後に完成した。三番三号爆弾をロケット化するというのがコンセプトで、三式六番二十七号爆弾一型として制式化された。四番も作られたらしいが、詳細は不明である。参考：日本海軍の爆弾

＜２７．４ｃｍＫ（Ｅ）５９２（ｆ）＞：ドイツ軍列車砲。元はシュナイダー社が1917年に製作してフランス軍が配備した５軸ボギー列車砲で、第２次大戦で接収して使用した。発射前にブレーキパッドを地面に降ろし、駐退機構の補助に使用する。車台全長25.89m、放列重量152トン。口径274mm、砲身長46.7口径。俯仰角はプラス40度からマイナス０度、射撃可能範囲はプラス22-40度。砲弾重量238kg、初速毎秒842m、最大射程29100m。発射速度は５分に１発。参考：月刊グランドパワー3,’03

＜２７．４ｃｍＫ（ｆ）Ｍ９３／９６＞：M1893/96海外シリーズ（列車砲）を参照。

＜２８＞：イギリス海軍ネルソン級戦艦ネルソン（Nelson）。1922年起工、1927年8月（11月？）竣工。第２次大戦勃発時はイギリス本国艦隊旗艦で、同艦隊第２戦艦戦隊に所属していた。1939年10月30日、U-56の雷撃を受け、魚雷３本を被雷したが、全て不発だった。12月4日、U-31が敷設した機雷に触雷して損傷した。1940年8月、修理を終えてイギリス本国艦隊旗艦に復帰し、ゼーレーベ作戦対策のためイギリス南部に移動。1941年4月1日、イギリス本国艦隊旗艦を41キング・ジョージ�X世に譲った。その後ジブラルタルに展開してＨ部隊の隷下に入り、7月にマルタ島増援サブスタンス作戦に参加。7月29日、Ｈ部隊旗艦となった。8月、マルタ島人員輸送スタイル作戦に参加。9月、マルタ島戦闘機増援ステイタス作戦に参加。9月、ハルバード作戦に参加。9月27日、イタリア空軍機の空襲を受けて魚雷１本を被雷し、イギリスに戻って修理に入った。1942年8月、Ｆ部隊旗艦としてペデスタル作戦に参加。11月、Ｈ部隊旗艦としてトーチ作戦に参加。1943年6月、イギリスに帰投。6月末、地中海に展開。7月、ハスキー作戦に参加。9月、アバランシュ作戦に参加。9月29日、艦上でイタリア休戦調印式が行われた。10月末、イギリスに帰投。11月、ロシスで修理改装に入った。1944年6月6日、オーバーロード作戦に参加。支援砲撃で主砲弾224発を発射した。6月18日、機雷２発に触雷し、修理のためアメリカのフィラデルフィア工廠に入渠した。1945年4月末、修理を終えて東インド艦隊に配備され、7月7日にセイロン島に到着、太平洋戦線に投入された。7月19日、第63任務部隊旗艦としてプーケット空襲・強行掃海リプリー作戦に出撃。セレター軍港の妙高と高雄に備えたものだったが、両艦の出撃は無かった。7月29日、セイロンに帰港。そのまま太平洋戦争終戦を迎えた。1946年8月から練習艦任務に就いた。1947年10月、退役した。1948年5月（2月？）に除籍され、その後解体された。参考：月刊世界の艦船12,’15、1,'24、1,’12、9,’13増刊、第２次大戦のイギリス軍艦、近代戦艦史、Ｕボート入門

＜２８ＳＳ＞：海上自衛隊の潜水艦で、3000トン型ともいう。そうりゅう型の後継で、外見はそうりゅう型とあまり変わらないが、船体は完全新設計で、次世代潜水艦用ソナーシステム、新型ソナー、新型シュノーケル発電システム、新型ディーゼルを搭載する。蓄電池はリチウムイオン電池。基準排水量3000トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式。兵装は533mm魚雷発射管６門（魚雷、USM）。発注が１年遅れたので、29SSになった。参考：月刊世界の艦船10,’17、1,’16

＜２８型＞：カモルタ級（コルベット）を参照。

＜二十八号爆弾＞：日本海軍の空対空ロケット弾。航空機が高速になると自由落下の三号爆弾では照準が付けられなくなってきたため、対爆撃機用の小型ロケット弾を開発したものである。三式一番二十八号爆弾が制式化された。参考：日本海軍の爆弾

＜二十八センチ臼砲＞：日本陸軍の臼砲。口径280mm、俯仰角はマイナス５度からプラス65度。使用弾は堅鉄弾で、初速毎秒142-315m、最大射程7650m。参考：大砲入門

＜２８センチ臼砲＞：ロシア軍の28cm臼砲。クルップから購入したもので、二八糎榴弾砲とはライフリングが右回りという程度の差しか無い。日露戦争に投入され、奉天会戦で日本軍が撃ち込んだ二八糎榴弾砲の不発弾に47mm速射砲用の信管を取り付けて撃ち返している。参考：大砲入門

＜二八糎榴弾砲＞：日本陸軍の要塞砲。イタリアの砲兵少将ペリグローの意見を取り入れて明治17年に試作砲が完成、明治25年に制式採用された。イタリア式の榴弾砲をベースとしているが、元を辿ればクルップ式の榴弾砲である。口径280mm、砲身長10.2口径、重量10.758トン、放列砲車重量33.6トン。ライフリングは左回りで、俯仰角はマイナス10度からプラス68度、360度旋回可能。弾丸は硬度の高い堅鉄弾で、重量217kg、初速毎秒142-314m、最大射程7800m。試製三式水中弾も開発された。220門が生産され、当初は日本本土の沿岸要塞に据え付けられていたが、日露戦争で旅順要塞第一次総攻撃が失敗すると急遽実戦投入が決定し、鎮海湾に据え付ける予定だった６門を送り込み、最終的に50日かけて18門を設置した。うち６門は奉天での戦闘にも投入されているが、凍結した地面に着弾した際に信管が破損、不発弾が多発（２割前後ともいわれる）した。要塞攻撃には高い威力を発揮したものの、戦艦ペレスウェートに対しては２発中１発が防御甲板を貫通できず、威力不足や射程不足が指摘され、七年式三十糎短榴弾砲が開発されることになったが、量産が遅れたために昇降式隠顕砲架を開発している。日露戦争後の明治39年、１門が伊勢神宮に奉納された。第１次大戦では青島要塞攻略に使用された。日華事変でも使われることになり、野戦に使用できるよう組み立て式の砲床を開発して一晩で設置できるようにし、砲は13トン牽引車で輸送した。昭和14年7-11月、西安と洛陽を結ぶ鉄道の途中にある潼関駅に向けて２門で射撃を行って線路を吹き飛ばし、軍用列車を転覆させたという。太平洋戦争では沖縄に持ち込まれて使用されている。参考：戦場写真で見る日本軍実戦兵器、月刊戦車マガジン10,’78、大砲入門、月刊丸9,’03

＜二八糎榴弾砲・海外シリーズ＞

　＜二八糎榴弾砲（ロシア軍）＞：ロシア軍榴弾砲。第１次大戦時、日本からロシアに24門が譲渡され、ポーランドのグロドノ要塞に14門、フィンランド湾のクロンシュタット要塞に10門が据え付けられた。グロドノ要塞は陥落したので、ここの榴弾砲はドイツ軍の手に渡っている。サハリン州立郷土博物館に１門が展示されており、明治37・38年戦役記念海軍大将片岡七郎銘と刻印されている。参考：戦場写真で見る日本軍実戦兵器、月刊世界の艦船1,’02

＜２８／３２ｃｍロケット重ヴォルフラーメン４０＞：ドイツ国防軍自走ロケットランチャーで、SWR40と略す。金属パイプに28/32cmロケット弾重ヴォルフ機材のランチャーを左右３基ずつ固定してあり、Sd.Kfz.251A-D型の兵員室に載せ、ランチャー固定台に付いているクランプで車体側面に固定する。ランチャー俯仰角は5-45度で、固定台には目盛りもふってある。兵員室内には７名の兵員を乗せ、発射操作は車内から行う。発射間隔は10秒。普通32cm焼夷ロケット弾１発と28cmロケット榴弾５発を装填して発射する。車内に予備ロケット弾６発を搭載できる。参考：月刊グランドパワー8,’04、ジャーマンタンクス

＜２８／３２ｃｍロケット弾重ヴォルフ機材＞：ドイツ国防軍のロケット弾及びランチャーで、1940年末から配備された。28cmロケット弾ヴォルフコーペル・シュプレングは全長1.19m、直径0.28m、総重量82kg、炸薬重量50kg（TNT）。32cmロケット弾ヴォルフコーペルFL50は全長1.29m、直径0.337mで、弾頭にガソリンとディーゼル燃料359リットルを収める。推進薬は両方とも重量6.6kgで、噴射口口径0.14m、安定翼は付いておらず、ロケット噴射により弾体をスピンさせて弾道を安定化させる。最大射程は28cmが2137m、32cmが2027m。最小射程はどちらも932m。当初ランチャーは木製の40式ランチャー（52kg）だったが、発射後にランチャーが燃える事故が多発したため、金属製の41式ランチャー（110kg）が製作された。いずれも単装４基を１列に並べてフレームに固定し、長さ13mまでの点火コードで発射する。右から順に４まで番号がふられ、3,1,2,4の順に２秒間隔で射出される。参考：月刊グランドパワー8,’04

＜２８．５ｃｍＫ（Ｅ）６０５（ｆ）＞：ドイツ軍の列車砲。元はフランス・シュナイダー社製1917年式列車砲で、第２次大戦時に接収して使用した。砲身重量35トン、放列重量152トン。口径285mm、弾丸重量270kg。砲口初速毎秒740m、射程27000m。参考：月刊グランドパワー3,’03

＜２９＞：イギリス海軍ネルソン級戦艦ロドネイ（Rodney）。1922年12月28日起工、1925年12月17日進水、1927年11月竣工、12月7日就役。1935年、航空艤装を施し、ウォーラス複葉飛行艇を運用可能となった。第２次大戦勃発時はイギリス本国艦隊第２戦艦戦隊に所属していた。1939年11月24日、ノルウェー沖で舵機を破損。12月下旬からドックインして修理に入った。1940年4月9日、ノルウェーでドイツ軍機の爆撃を受け、爆弾が命中したが、不発だった。9月13日、ゼーレーベ作戦対策のためオークニー諸島からイギリス南部に移動。1941年3月16日、北大西洋でHX114船団を護衛中にベルリン作戦から帰るグナイゼナウと遭遇したが、捕捉に失敗した。5月27日、ラインユーブング作戦行動中のビスマルク追撃作戦に参加し、主砲弾340発を発射した。終了後はアメリカのボストンで主機を修理した。9月下旬、ジブラルタルのＨ部隊に編入されてハルバード作戦に参加。11月、イギリスに帰還し、アイスランドに派遣されて北極海警備を行った。12月、修理に入った。1942年5月、修理を終えた。以降は殆ど修理されることなく酷使されている。8月、Ｆ部隊に配備されてペデスタル作戦に参加。11月、Ｈ部隊に配備されて北アフリカ上陸作戦に参加。1943年6月、イギリスに帰投。6月末、地中海に展開。7月、ハスキー作戦に参加。9月、アバランシュ作戦に参加。10月末、イギリスに帰投し、北海警備に就いた。1944年6月6日、オーバーロード作戦で陸上砲撃を実施。6月7日、カーン沖で対地援護射撃を実施。7月8日、ノルマンディー戦域に陸上砲撃を実施。9月、ムルマンスク航路JW60船団の護衛を実施。9月28日、ソ連を出港。10月4日、イギリスに帰投。北海警備に就いたが、11月にティルピッツが沈没して対抗すべき脅威がほぼ無くなり、実質的に予備艦となった。12月、1942年以降オーバーホールを受けられなかった主機が限界に達し、事実上の予備艦に編入された。1946年に退役し、1948年に除籍され、3月19日に売却されて解体された。参考：月刊世界の艦船5,'21、12,’15、1,’12、4,’17、第２次大戦のイギリス軍艦、近代戦艦史、月刊丸8,’87、Ｕボート入門

＜２９＞：マレーシア海軍レキウ級フリゲート１番艦ジェバト（Jebat）。1999年10月就役。2012年10月13日、同型艦30レキウと共にCVN-73ジョージ・ワシントンとの共同演習に参加。2013年3月26-30日、LIMA2013に参加。10月5日、オーストラリア海軍国際観艦式に参加。2017年5月12日、ペナン周辺海域でDD-104きりさめと親善訓練を実施。2021年7月25日、R08クイーン・エリザベス空母打撃群との共同演習に参加。参考：JShips Vol.24、月刊世界の艦船1,’13、7,’13、1,’14、8,’17、10,’21

＜２９Ｂ６＞：ロシア軍OTHレーダー、別名コンティネール（Konteiner）。NPK NIIDARが5N32ドゥガの後継として開発したもので、アルマーズ・アンテイが生産する。高さ34.155mの送信アンテナ塔を長さ1300mに渡りずらりと並べたフィールド−１と、受信アンテナ施設フィールド−２で構成される。初号機の建設はモルダヴィア共和国コバルキノに置かれた第590独立電波機器施設のフィールド２から開始され、ニジェゴロド州ゴロジェツにフィールド１を設置、2013年12月からテストを行った。カバー範囲は方位180度だが、改良を加えて2014年に方位240度とする予定である。極東にも2014-15年に配備予定。参考：月刊軍事研究9,’14

＜２９ＳＳ＞：海上自衛隊が平成29年度予算から建造予定の潜水艦で、3000トン型ともいう。元は平成28年度予算から建造予定だったため28SSだったが、１年ずれて29SSになった。新潜水艦の検討や設計をシステム化する次世代潜水艦システムの研究を2005-09年度に行い完成した潜水艦能力評価システムと、モデリング＆シミュレーション技術により初期段階での設計検討の精度を向上させるべく2009-11年度に研究した艦艇初期検討評価技術を使用して設計を行っている。そうりゅう型の改良型で、当初からリチウムイオン電池対応の機器設計をとっており、葉巻型船体にＸ舵を備える。2013-15年度に行われた潜水艦用構造様式の研究の基づき、耐圧船殻内の隔壁と防水区画を従来艦より１つずつ減らした。甲板は2007-14年度の被探知防止・耐衝撃潜水艦構造研究で開発した振動吸収装置（浮き甲板）を介して船体に取り付け、騒音や振動を外部に伝わりにくくし、船体の衝撃が内部機器に損傷を与えるのを防ぐ。プロペラも同じ研究で開発した低騒音型に換装する。ソナーシステムをアレイ開口拡大により高性能化したZQQ-8にし、リチウムイオン電池に急速充電できるよう主機やシュノーケル発電装置を強化、18式魚雷（開発名GRX-6）を搭載する。OYX-1情報処理サブシステム、ZQX-11E潜水艦戦術状況表示装置、ZYQ-52潜水艦発射制御装置、非貫通式潜望鏡１型改１、新型昇降式空中戦、NZLR-2電波探知器、潜水艦魚雷防御システムを装備する。全長84m、基準排水量3000トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、蓄電池はリチウムイオン電池、１軸推進、水中速力20ノット。兵装は533mm水中発射管HU-606C（18式魚雷）。たいげい型として完成した。参考：月刊世界の艦船2,'23、10,’19、2,’19、11,'17増刊、1,’19、4,’20、12,’20

＜二十九号爆弾＞：日本海軍の対B-29用空対空クラスター弾。１機の戦闘機で３機のB-29を墜とすというのがコンセプトで、仮称五式二十五番二十九号爆弾が製作されたが、制式化前に終戦となった。参考：日本海軍の爆弾

＜２００＞：中国海軍031型潜水艦１番艦。1966年9月進水。巨浪１型SLBM発射筒をセイルに２基装備して試験を行い、1982年10月、巨浪１型の水中発射テストに成功。1995年、巨浪２型のテスト用に改造され、発射筒１基を搭載、2001年から試験を繰り返している。2010年（2009年？）、巨浪２型の海中発射実験を行ったが、空中に飛び出したもののロケットに点火しなかった巨浪２型が墜落してそのまま自艦を直撃、大破した。2010年8月1日に中央軍事委員会から水下発射試験先鋒艇の称号を与えられており、退役したらしい。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊軍事研究4,’10、月刊世界の艦船12,’11、3,’13

＜２００ｃｍ探照灯（ドイツ軍）＞：ドイツ軍が第２次大戦時に使用した探照灯。光量24億3000万カンデラで、高度3900-5000mを飛行する航空機を距離14800mで照らし出せる。SW40A、SW40B、SW43の３種類がある。聴音機とリンクして遠隔操縦できた。銅が足らなくなると生産量が落ち、代わりに150cm探照灯を４連装にして使用した。参考：歴史群像4,’11

＜二百番五号爆弾＞：日本海軍が昭和13年頃に計画していた２トン級五号爆弾。昭和17年の段階でも計画中で、二式大艇に載せる予定だったようだが、計画のままで終わってしまったようだ。参考：日本海軍の爆弾

＜２０１＞：アラバ・シリーズ（輸送機）を参照。

＜２０１＞：台湾海軍LST-1級戦車揚陸艦中海（チュンハイ）。元はアメリカ海軍LST-1級戦車揚陸艦LST-755である。1946年5月就役。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜２０１＞：中国海軍清級弾道ミサイル実験潜水艦１番艦。2008年1月起工、2010年9月18日進水、2012年9月公試開始、2012年10月12日（16日？）就役、東海艦隊に配備された。2017年2月、セイル後半部がかさ上げされているのが確認された。2018-22年現在、東海艦隊に配備されている。参考：月刊世界の艦船10,’14、3,’18、2,’19、2,’20、4,’21、4,'22、月刊軍事研究5,’14

＜２０２＞：アラバ・シリーズ（輸送機）を参照。

＜２０３＞：オーストラリア海軍アラフラ級哨戒艦１番艦アラフラ（Arafura）。2019年5月起工、2021年12月16日進水。参考：月刊世界の艦船3,’22

＜２０３ｍｍ自走砲（中国）＞：中国のNORINCOが輸出用として独自開発した自走砲。M110A1のコピーで、1990年代に入って製作された。主砲は牽引式の長砲身203mm砲をベースとしたオリジナルで、射程延伸型ベースブリード弾を使用すると射程50kmに達するという。試作のみに終わったようである。参考：世界の軍用車両(2)、世界AFV年鑑2002-2003

＜２０３ｍｍ自走榴弾砲用鉄履帯＞：自衛隊の機器。小松製作所製。参考：月刊軍事研究4,’10

＜二〇三高地＞：高等工科学校体育祭で１年生が行う競技。ジャージに挟んだ紙のタグを取り合うというもので、毎年行われているが、いつ頃から始まったかは不明である。参考：MAMOR Vol.42

＜２０４型ソナー＞：SQG-4（ソナー）を参照。

＜２０５＞：台湾海軍LST-1級戦車揚陸艦、中建（チュンジュン）。元はアメリカ海軍LST-716である。1948年2月就役。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜２０５型＞：西ドイツ海軍潜水艦。バルト海での沿岸作戦用に開発した小型潜水艦である。201型の改良型だが、初期建造艦では201型同様、非磁性鋼の腐食が問題となった。全長43.9m、全幅4.6m、吃水4.3m、水上排水量419トン、水中排水量450トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、ディーゼル２基・電動モーター１基１軸1800馬力、水上速力10ノット、水中速力17ノット。潜航深度150m。兵装は533mm魚雷発射管８門（DM3長魚雷）。乗員22名。U11、U12など12隻が1962-69年に就役した。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船6,’05、ミリタリー・バランス1989-1990

＜２０５型・海外シリーズ＞

　＜ナルヴァーレン級＞：デンマーク海軍沿岸潜水艦Narhvalen級。デンマーク国立造船所でライセンス生産したもので、装備などをデンマーク用に換えてある。1990年代半ばにセンサー類の更新を始めとする近代化改装を受けた。全長44.3m（45.41m？）、全幅4.6m、吃水4.2m、水上排水量420トン（430トン？）、水中排水量450トン（480トン？）。主機はディーゼル・エレクトリック方式、ディーゼル発電機２基・電動モーター１基１軸1200馬力、水上速力12ノット、水中速力17ノット。潜航深度160m。兵装は533mm魚雷発射管８門（FFVタイプ61／FFVタイプ41長魚雷８本）。乗員24名（士官４名、下士官・兵17名？）。S320ナルヴァーレンとS321ノルドカペレンの２隻が1970年に就役した。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、現代の潜水艦、ミリタリー・バランス1989-1990

＜２０６型＞：マトカ級（ミサイル艇）を参照。

＜２０６型シリーズ＞：西ドイツ海軍戦後第４世代潜水艦。軍備制限条約一杯の水上排水量450トンで建造された。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版

＜２０６型＞：船体は単殻構造で、魚雷発射管を先込めとして予備魚雷を省き、乗員も極力減らし、機雷を外装式にしている。艦首上部に平べったいソナードームを持つ。潜舵は艦首にあり、操舵は左右にある舵を出し入れして行う。全長48.6m、水上排水量450トン。水上速力10ノット、水中速力17ノット。兵装は船体前端の533mm魚雷発射管８門。1973-75年にU13、U14、U15、U16、U17、U18、U19、U20、U21、U22、U23、U24、U25、U26、U27、U28、U29、U30の18隻が竣工した。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、現代の潜水艦、月刊世界の艦船8,’82増刊

＜２０６Ａ型＞：搭載ソナーを410A4からDBQS-21Dに換装、ISUS83戦闘システムを採用し、潜望鏡やESMなどの改修を行ったもので、工事は1987-92年に行われた。全長48.6m、全幅4.6m、吃水4.5m、水上排水量450トン、水中排水量498トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、ディーゼル発電機２基・電動モーター１基１軸1800馬力、水上速力10ノット、水中速力17ノット。潜航深度160m以上。兵装は533mm魚雷発射管８門（DM2A3魚雷８本または機雷16個）。外装式に機雷24個を装備可能。乗員22名。2000年頃に更なる近代化改装を受けている。2010年6月4日に残存する６隻（U15、U16、U17、U18、U23、U24）全ての一斉退役が発表され、8月30日に６隻揃ってエッケンフェルデ港沖でフェアウェル・パレードを行った。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、現代の潜水艦、月刊世界の艦船8,’10、12,’10、9,’12増刊、11,’16

＜２０６型・海外シリーズ＞

　＜２０６Ａ型（コロンビア海軍）＞：コロンビア海軍潜水艦で、Intrepido級ともいう。ドイツ海軍の中古２隻（U23とU24）をティッセンクルップ・マリン社で近代化改装したものである。全長48.6m、水中排水量498トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、水中速力17ノット。兵装は533mm魚雷発射管８門。イントレピドとインドマブルの２隻が2012年に就役した（2015年12月編入？）。2021年までに２隻とも蓄電池の換装工事を受けている。参考：月刊世界の艦船11,’16、3,’16、4,'20、2,'23、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜ガル級＞：イスラエル海軍潜水艦、別名540型。改良型で、HDW社が設計し、ヴィッカーズ社が建造した。兵装はMk37長魚雷、ハープーン。参考：月刊世界の艦船3,’19、ミリタリー・バランス1989-1990

＜２０７＞：シンガポール海軍エンデュアランス級揚陸艦１番艦エンデュアランス（Endurance）。2000年6月就役。2011年5月18-20日、シンガポールのチャンギ海軍基地でIMDEXに参加。2017年2月9-12日、士官候補生らを乗せて沖縄県勝連港に寄港した。士官候補生らは那覇基地でP-3Cの研修や海自若手幹部との交流を行っている。2018年8月1-5日、佐世保に寄港し、ホストシップのDD-117すずつきと親善行事やスポーツ交流を行った。参考：月刊軍事研究6,’05、9,’09、月刊世界の艦船8,’11、4,’17、10,’18、朝雲

＜２０７型潜水艦・海外シリーズ＞

＜コッベン級＞：コッベン級を参照。

＜トゥムレーレン級＞：コッベン級・海外シリーズを参照。

＜２０８＞：台湾海軍LST-1級戦車揚陸艦中訓（チュンシュン）。元はアメリカ海軍LST-1級戦車揚陸艦LST-732である。1955年1月就役。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜２０９＞：シンガポール海軍エンデュアランス級揚陸艦３番艦パーシステンス（Persistence）。2001年4月就役。2012年10月14日、海上自衛隊観艦式に参加。参考：月刊世界の艦船12,'23、月刊軍事研究9,’09、朝雲

＜２０９型＞：ドイツのIKL社が設計し、HDW（ホヴァルツヴェルケ・ドイツ）造船所が建造、フェロシュタール社が販売した輸出用潜水艦Type-209。水上排水量100トンおきに多数のタイプを用意してあり、輸出国のニーズに合わせた設計が可能なため、1971年から各国で配備されている。耐圧船殻は単殻式で、艦首に上構を置いてマッコウクジラ型にし、艦中央部にも少し背の高い上構を設け、その上にセイルを載せている。潜舵は引き込み式で艦首にあり、艦尾に十字舵を持つ。魚雷発射管はスイムアウト式で、潜対艦ミサイルも撃てる。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船9,’12増刊、11,’16、4,’20

＜２０９型・海外シリーズ＞

　＜２０９／１１００型（ギリシャ海軍）＞：ギリシャ海軍潜水艦で、209型第１バッチにあたる。全長54.1m、幅6.2m、吃水5.9m、水上排水量1100トン、水中排水量1207トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、ディーゼル４基、１軸推進、水上速力11.5ノット、水中速力22ノット。潜航深度250m。兵装は533mm魚雷発射管８門（魚雷14本）。乗員は士官７名、下士官・兵29名。S-110グラフコス、S-111ネレウス、S-112トリトン、S-113プロテウスの４隻が1971-72年に就役した。全艦2000年までに209/1200型に改装された。参考：現代の潜水艦、月刊世界の艦船11,’16

　＜２０９／１２００（アルゼンチン海軍）＞：アルゼンチン海軍潜水艦で、サルタ（Salta）級ともいう。1974年にS31サルタとサン・ルイスの２隻が就役し、フォークランド紛争に参加した。S31は兵装システムやエンジンを換装し、1995年に再就役した。全長55.9m、全幅6.3m、吃水5.5m、水上排水量1248トン、水中排水量1440トン（1285トン？）。主機はディーゼル・エレクトリック方式、ディーゼル発電機４基・電動モーター１基１軸4600馬力、水上速力10ノット、シュノーケル速力11ノット、水中速力22ノット。潜航深度250m。兵装は533mm魚雷発射管８門（Mk37またはSST-4長魚雷14本）。乗員31名（士官５名、下士官・兵26名）。サン・ルイスは1997年に除籍され、部品取りに使用された。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、現代の潜水艦、ミリタリー・バランス1989-1990、月刊世界の艦船11,’19、4,'20、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜２０９／１２００（韓国海軍）＞：チャン・ボゴ級シリーズを参照。

　＜２０９／１２００（ギリシャ海軍）＞：ギリシャ海軍潜水艦。第１バッチの４隻は209/1100型として就役したが、艦内が狭かったので第２バッチの４隻は船体を1.5m延長した209/1200型を採用、第１バッチも後に同じ規格に改装した。全長55.9m、全幅6.2m、吃水5.5m、水上排水量1100トン（1185トン？）、水中排水量1285トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、ディーゼル発電機４基・電動モーター１基１軸4600馬力、水上速力11ノット、水中速力21.5ノット。潜航深度250m。兵装は533mm魚雷発射管８門（魚雷とUGM-84Cハープーン・ブロック1B計14本）。乗員31名（士官６名、下士官・兵25名）。S-110グラフコス、S-111ネレウス、S-112トリトン、S-113プロテウス、S-116ポセイドン、S-117アンピトリテ、S-118オケアノス、S-119ポントスの８隻が1971-80年に就役した。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、現代の潜水艦

　＜２０９／１２００（コロンビア海軍）＞：コロンビア海軍潜水艦で、ピハオ（Pijao）級ともいう。1975年にSS28ピハオとSS29タイロナの２隻が就役した。1990-91年にバッテリー交換を含む近代化改装を受け、1999-2002年に艦令延長工事を行った。全長55.9m、全幅6.3m、吃水5.4m、水上排水量1180トン、水中排水量1285-1306トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、ディーゼル発電機４基・電動モーター１基１軸4600馬力、水上速力11ノット、水中速力22ノット。潜航深度250m。兵装は533mm魚雷発射管８門（魚雷14本）。乗員34名（士官７名と下士官・兵24名？）。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、現代の潜水艦、月刊世界の艦船4,’20、ミリタリー・バランス1989-1990

　＜２０９／１２００（トルコ海軍）＞：トルコ海軍潜水艦で、アティレイ（Atilay）級ともいう。当初は12隻を導入する予定だったが、1976-90年にS347アトゥライ、S348サルドゥライ、S349バトゥライ、S350ユルドゥライ、S351ドーアナイ、S352ドルナイの６隻を建造（1-3番艦はドイツ、4-6番艦はトルコ）した後209/1400型の生産に切り替えた。全長61.2m、全幅6.2m、吃水5.5m、水上排水量980トン（1180トン？）、水中排水量1185-1204トン（1285トン？）。主機はディーゼル・エレクトリック方式、ディーゼル発電機４基・電動モーター１基１軸4600馬力、水上速力11ノット、水中速力22ノット。潜航深度250m。兵装は533mm魚雷発射管８門（SST-4長魚雷14本）。乗員38名（士官６名と下士官・兵27名？）。1995年から順次209/1400型に準ずる性能を持たせるための改装工事に入っている。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、現代の潜水艦、JShips vol.48、月刊世界の艦船4,’20、ミリタリー・バランス1989-1990

　＜２０９／１２００（ペルー海軍）＞：ペルー海軍潜水艦。1-2番艦は209/1100型という説もあるが、諸元は3-6番艦と同じである。SS31アンガモス、SS32アントファガスタ、SS33ピサグア、SS34チパナ、SS35イスライ、SS36アリカの６隻が1974-83年に就役した。1986年から近代化改装を実施。全長55.9m（SS35・36は56.1m）、全幅6.2m、吃水5.5m、水上排水量1000トン（SS35・36は1185トン）、水中排水量1285トン（SS35・36は1290トン）。主機はディーゼル・エレクトリック方式、ディーゼル発電機４基・電動モーター１基１軸4600馬力、水上速力11ノット、シュノーケル速力11ノット、水中速力21. ノット。潜航深度250m。兵装は533mm魚雷発射管８門（A184長魚雷14本）。乗員31名（SS35・36は士官５名、下士官・兵30名の35名）。21世紀に入り、ティッセン・クルップ・マリーン・システムズ社で艦齢を15-20年延長し、戦闘システムやセンサーを新型に換装、エグゾセを運用できるようにする近代化改装を実施しており、SS31とSS32は2013年に完工した。引き続き残る４隻が改修に入っている。その後、10年間の寿命延長と更なる近代化改修を加えることになり、2017年12月からSS34、2019年末からSS32が工事に入った。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船9,’16、3,’18、4,'20、ミリタリー・バランス1989-1990

　＜２０９／１３００（インドネシア海軍）＞：インドネシア海軍潜水艦。艦番号401カクラと402ナンガラの２隻が1981年に就役した。1986-89年に近代化改装を行い、魚雷戦指揮装置を改修し、バッテリーを軽量の新型に換えた。全長59.5m、全幅6.2m、吃水5.4m、水上排水量1285トン、水中排水量1390トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、ディーゼル発電機４基・電動モーター１基１軸4600馬力、水上速力11ノット、水中速力21.5ノット。潜航深度240m。兵装は533mm魚雷発射管８門（SUT長魚雷14本）。乗員34名（士官６名、下士官・兵28名）。2000年代、韓国でエンジンのオーバーホールと蓄電池交換を行った。全長59.5m、水中排水量1412トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、水中速力21.5ノット。兵装は533mm魚雷発射管８門。2021年4月21日、402ナンガラが沈没事故を起こした。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、現代の潜水艦、月刊世界の艦船4,'20、9,'21、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜２０９／１３００（エクアドル海軍）＞：エクアドル海軍初の潜水艦で、シリ（Shyri）級ともいう。SUT長魚雷を運用する。S-101シリとS-102ユアンカビルカの２隻が1977-78年に就役した。1983-84年にドイツで近代化改装を実施。1999-2000年にチリで２度目の近代化改装を受けた。全長59.5m、全幅6.3m、吃水5.4m、水上排水量1285トン、水中排水量1390-1412トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、ディーゼル発電機４基・電動モーター１基１軸4600馬力、水上速力11ノット、シュノーケル速力11ノット、水中速力20-21.5ノット。潜航深度250m。兵装は533mm魚雷発射管８門（艦首。SUT長魚雷14本）。乗員33名（士官５名、下士官・兵28名）。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、現代の潜水艦、月刊世界の艦船11,’16、ミリタリー・バランス1989-1990、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜２０９／１３００（チリ海軍）＞：チリ海軍潜水艦で、トムソン（Tompson）級ともいう。海象条件に合わせ、標準型よりも潜舵長とマスト高が0.5m伸ばされている。艦番号20トムソンと21シンプソンの２隻が1984年に就役した。1990年頃に近代化改装を実施し、CSU90ソナーをオベロン級から移したりした。全長59.5m、全幅6.2m、吃水5.5m、水上排水量1260トン、水中排水量1390トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、ディーゼル発電機４基・電動モーター１基１軸4600馬力、水上速力11ノット、水中速力21.5ノット。潜航深度250m。兵装は533mm魚雷発射管８門（A-184ブラックシャーク長魚雷、SM39エグゾセ・ブロック�U艦対艦ミサイル計14本）。乗員32名（士官５名、下士官・兵26名？）。２隻とも2018年から大規模オーバーホールに入っており、2030年頃まで使う予定。全長61.2m、水中排水量1614トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、水中速力21.5ノット。兵装は533mm魚雷発射管８門（ブラックシャーク長魚雷）。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、現代の潜水艦、月刊世界の艦船4,'20、6,'21、ミリタリー・バランス1989-1990、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜２０９／１３００（ベネズエラ海軍）＞：ベネズエラ海軍潜水艦で、サバロ（Sabalo）級ともいう。全長54m、水上排水量990トン、水中排水量1350トン。兵装は533mm魚雷発射管（SST-4長魚雷）。S-31サバロとS-32カリベの２隻が1976-77年に就役した。1980年代前半に改装され、1990年代前半に２度目の改装を受け、全長を7m延長、潜望鏡を換装するなどした。全長61.2m、全幅6.2m、吃水5.5m、水上排水量1285トン、水中排水量1600トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、ディーゼル発電機４基・電動モーター１基１軸4600馬力、水上速力10ノット、水中速力22ノット。潜航深度250m。兵装は533mm魚雷発射管８門（艦首。SST-4長魚雷14本）。乗員33名（士官５名、下士官・兵28名）。更に近代化改装が行われ、指揮管制装置の改良や蓄電池の交換などを行い、2017年に工事を終了した。ただ２番艦は蓄電池に不具合があったらしく、2018年から再度の工事に入っている。全長61.2m、水中排水量1626トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、水中速力22ノット。兵装は533mm魚雷発射管８門。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、現代の潜水艦、月刊軍事研究4,’10、月刊世界の艦船4,’20、ミリタリー・バランス1989-1990、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜２０９／１４００（インドネシア海軍）＞：チャン・ボゴ級・海外シリーズを参照。

　＜２０９／１４００（エジプト海軍）＞：エジプト海軍潜水艦。2011年と2014年に２隻ずつ発注し、ティッセンクルップ・マリン・システムズ社が建造した。全長62m（61.2m？）、船殻直径6.2m、水上排水量1450トン、水中排水量1594-1620トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、水中速力21.5ノット。兵装は533mm魚雷発射管８門（UGM-84ハープーン運用可。魚雷はMk48またはブラックシャークらしい）。ソナーシステムはCSU-90。乗員30名。１番艦S-41（艦番号861）は2016年12月12日に就役した。２番艦S-42（艦番号864）は2017年8月8日に引き渡された。３番艦S43は2019年5月3日に命名式を行っており、2020年4月に納入された。４番艦S44（艦番号870）は2021年に就役した。参考：月刊世界の艦船4,'20、5,'22、11,’16、10,’16、10,’17、5,’16、3,’17、11,’17、8,’19、12,’20、10,’21

　＜２０９／１４００（トルコ海軍）＞：トルコ海軍潜水艦。前期４隻はプレヴェゼ（Preveze）級、後期４隻は電子戦装備などを改良しておりギュル（Gür）級とも呼ばれる。アトラス社製CSU83ソナー及びTAS-3曳航式ソナーを搭載する。全長62m、全幅6.2m、吃水5.5m、水上排水量1454トン、水中排水量1586-1611トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、ディーゼル発電機４基・電動モーター１基１軸4000馬力、水上速力10ノット、シュノーケル速力10ノット、水中速力21.5ノット、航続距離8200海里（水上８ノット）／400海里（水中４ノット）。潜航深度280m。兵装は533mm魚雷発射管８門で、魚雷（４番艦まではタイガーフィッシュMk24Mod2、５番艦以降はSTNアトラス社製DM2A4）とハープーンなど計14本を搭載する。乗員30名（士官８名、下士官・兵27名？）。S353プレヴェゼ、S354サカルヤ、S355・18マルト、S356アナファルタラル、S357ギュル、S358チャナッカレ、S359ブラクレイス、S360の８隻をノックダウン生産し、1994-2008年に就役させた。1-4番艦にSERO400電子光学潜望鏡（耐圧船殻貫通型）２本を搭載するなどの近代化改修を施す予定。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、現代の潜水艦、THE MILITARY BALANCE 2016、月刊世界の艦船4,’20、12,’21

　＜２０９／１４００（ブラジル海軍）＞：ブラジル海軍潜水艦、別名トゥピ（Tupi）級。艦載戦闘システムはCSU-83/I　SUSで、DBQS-21ソナーから得た最大24目標のデータを算出し、潜望鏡やESMのデータと照合、３目標と同時交戦でき、魚雷はKAFS-A10魚雷管制システムにより管制する。全長61.2m、全幅6.2m、吃水5.5m、水上排水量1400トン、水中排水量1550トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、ディーゼル発電機４基・電動モーター１基１軸4600馬力、水上速力11ノット、シュノーケル速力11ノット、水中速力21.5ノット。潜航深度250m。兵装は533mm魚雷発射管８門（タイガーフィッシュMk24Mod1長魚雷またはMk48長魚雷16本）。乗員41名（うち士官８名。36名？33名？）。S30トゥピ、S31タモヨ、S32ティンピラ、S33タパヨの４隻が1989-99年（2000年？）に就役した。2010年代から近代化改装を行い、戦闘指揮装置をロッキード・マーチン社製AN/BYG-501Mod1Dに換装し、Mk48Mod6AT長魚雷を運用可能としている。全長61.2m、水中排水量1522トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、水中速力21.5ノット。兵装は533mm魚雷発射管８門。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、現代の潜水艦、月刊世界の艦船4,'20、11,'22、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜２０９／１４００改（ブラジル海軍）＞：ブラジル海軍潜水艦。209/1400型に引き続いて導入したもので、209/1450型ともいう。艦載戦闘システムや居住区などにトルコ海軍209/1400型プレヴェゼ級に準じた改装が施されている。全長61m、水中排水量1620トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、水中速力22ノット。兵装は533mm魚雷発射管８門（Mk48長魚雷）。S34ティクナが2005年に就役した。2016年に近代化改装を受け、戦闘指揮装置を換装し、Mk48Mod6AT長魚雷を運用できるようになった。全長61m、水中排水量1586トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、水中速力22ノット。兵装は533mm魚雷発射管８門。参考：月刊世界の艦船10,’12、11,’16、4,'20、世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜２０９／１４００Ｍ（南アフリカ海軍）＞：南アフリカ海軍潜水艦。HDW社で１隻、TNSW社で２隻が建造された。STNアトラス社製CSU-90ソナーやISUS90系統合潜水艦戦闘システム、OMS-110非貫通型電子光学マスト、SERO400攻撃潜望鏡、スキャンター2002装備レーダーマスト、UME100ESMなどを装備している。全長62m、全幅7.6m、吃水5.8m、水上排水量1454トン、水中排水量1594トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、MTU社製12V396ディーゼル発電機４基・シーメンス社製電動モーター１基１軸5043馬力、水上速力10ノット、水中速力21.5ノット。潜航深度250m。兵装は533mm魚雷発射管８門（艦首。AEW SUT264長魚雷14本）。乗員30名。S-101マンサティシ、S-102シャーロット・マクセク、S-103クイーン・モジャジの３隻が2005-08年に竣工した。参考：月刊軍事研究12,’08、世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船6,’05、3,’17、JShips Vol.20、THE MILITARY BALANCE 2016

＜２０９／１５００型（インド海軍）＞：インド海軍潜水艦、別名シシュマール（Shishumar）級。1981年から２隻をドイツで、４隻をインドのマザゴン・ドックで建造して６隻配備する予定だったが、インドでの組み立てが上手くいかないのと、本潜水艦建造事業に関するHDW社からの贈収賄が1990年に発覚したため、1992年にインド組み立てを２隻に減らした。セイル直前の上構内に西ドイツIKL船舶工務所が開発した球形潜水艦乗員救助装置（Rettungskugel）が搭載されている。これは直径2.6mの鋼球に乗員を収容するもので、下部２カ所に入り口となるハッチ、上部に出口となるハッチが用意されていて、内部は２段に仕切られており、上下に乗員計４名を収容可能。鋼球上面外部には発泡樹脂と浮力タンクが取り付けられていて、鋼球下部はハッチが耐圧隔壁を挟む形で耐圧船殻にめり込ませて設置され、浮力タンク上面が上構上面と一致するようになっている。緊急時には乗員が耐圧隔壁前後のハッチから鋼球内に乗り込み、潜水艦から分離させると、鋼球は浮力タンク及び発泡樹脂ごと海面に浮上するので、上部ハッチから外に出られる。鋼球内には換気無しでも９時間分の酸素が用意されており、鋼球が海面に浮上すると自動的にファン付き吸気筒が伸び、8-14日間の生存に十分な換気を行う。他にも６日分の非常用食糧、曳航索、無線機、吊り上げ金具などが用意されており、救難船が4-5ノットで曳航することができる。搭載ソナーはDBQS-21、ソナーシステムはCSU-83/Iで、３番艦S46シャルキ以降はパッシブソナーとしてフランス製DUUX5を搭載した。OMS-110非貫通型電子光学マストを装備。全長64.4m、全幅6.5m、吃水6m、基準排水量1450トン、水上排水量1660トン、水中排水量1850-1880トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、ディーゼル発電機（2400馬力）４基・電動モーター（4600馬力）１基１軸4600馬力、水上速力11ノット、水中速力22ノット、航続距離は８ノットで15000km。潜航深度260m。兵装は533mm魚雷発射管８門（SUT Mod1魚雷14本）で、Mk1魚雷発射管制システムにより管制する。また、艦外に機雷24発をストラップオンして敷設できる。乗員40名（士官８名、下士官・兵28名？）。S-44シシュマール、S-45シャンクシュ、S46シャルキ、S-47シャンクルの４隻が1986-94年に就役した。2010年代後半に近代化改装を受け、潜対艦ミサイルを運用可能となった。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、JShips Vol.24、現代の潜水艦、月刊軍事研究1,’11、月刊世界の艦船11,’16、5,’86、2,’17、11,’18、4,’20、7,’21

＜チャン・ボゴ級＞：チャン・ボゴ級シリーズを参照。

＜２０９ＰＮ型＞：トリデンテ級（潜水艦）を参照。

＜２１０＞：シンガポール海軍エンデュアランス級揚陸艦４番艦エンデバー（Endeavour）。2001年4月就役。2009年6月8-19日、カラット2009に参加。2010年7月、インドネシアのマルク諸島周辺で民生協力活動サリ・バンダ2010に参加。2011年3月25日、第４回西太平洋対機雷戦・潜水演習に参加。2013年10月1日、海上自衛隊DD-112まきなみ、中国海軍旅滬型駆逐艦113青島、タイ海軍クラビ級コルベット551クラビとシドニー沖で親善訓練を実施。10月5日、オーストラリア海軍国際観艦式に参加。2019年2月4日、士官候補生75名を乗せて海自佐世保基地に入港。2月8日、佐世保を出港し、DD-117すずつきと親善訓練を実施。参考：月刊世界の艦船12,'23、9,’09、1,’14、2,’14、4,’19、JShips VOL.44

＜２１０型＞：ウーラ級（潜水艦）を参照。

＜２１０型＞：中国海軍56口径100mm単装砲。フランスの100mm単装砲コンパクトのコピー（コンパクトをコピーしたH/PJ87の改良型？）で、類似の砲塔に56口径100mm砲を組み合わせたものらしい。052B型ミサイル駆逐艦と052C型ミサイル駆逐艦に搭載された。参考：月刊世界の艦船11,’14、6,’14、11,’20

＜２１１＞：韓国海軍チャムスリ�U級ミサイル艇１番艇。2017年10月、韓国海軍に引き渡された。参考：月刊世界の艦船3,’20

＜２１１＞：ロシア海軍プロジェクト12200哨戒艇ソボル（Sobol）。2011年6月29日から7月3日、IMDS2011に参加。参考：月刊軍事研究9,’11

＜２１２＞：韓国海軍チャムスリ�U級ミサイル艇２番艇。2019年11月26日、韓国海軍に引き渡された。参考：月刊世界の艦船2,’20

＜２１２Ａ型シリーズ＞：ドイツ海軍潜水艦。205/206型の後継である。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船4,'20

＜２１２Ａ型＞：1992年に設計が完成したが、イタリア海軍も採用したため細部の設計を変更し、HDW社とTNSW社で建造した。世界初の実用燃料電池AIP潜水艦で、PEM燃料電池方式AIP（１番艦はBZM34を９基、２番艦以降はBZM120を２基）搭載している。液体酸素は艦後上部耐圧船殻外タンク、水素は艦後下部耐圧船殻外水素吸蔵合金に貯蔵されており、前者は絶対圧2.6バール、後者は絶対圧2.3バールで燃料電池に送られる。船殻は部分複殻式で、後部耐圧殻は液体酸素タンク・水素吸蔵合金が周囲を取り巻いている分、前部耐圧殻より直径を小さくした。潜舵はセイルプレーンで、艦尾にはＸ舵を装備。潜望鏡はSERO14光学測距装置付き捜索用潜望鏡とSERO15レーザー測距器付き攻撃用潜望鏡。航海レーダーはイギリスのケルヴィン・ヒューズ社製1007型。ESMはFL1800U。ソナーシステムはDBQS40で、艦首に中周波円筒型パッシブソナー、側面にFAS-3中・低周波パッシブソナー、艦尾にTAS-3低周波TASS、機雷探知用としてMOA-3070高周波アクティブソナーを搭載する。艦載戦闘システムはノルウェー製MSI-90U。全長55.9m、耐圧船殻径（船体幅）7m、吃水6m、水上排水量1450トン、水中排水量1830-1859トン。主機はディーゼル・エレクトリック／AIP方式、MTU社製16V396SE84ディーゼル発電機（3120kW）１基・ジーメンス社製パーマシン電動モーター（1700kW）１基／AIP１基、出力3875馬力、７翅プロペラ１軸推進、最大水上速力12ノット、最大水中速力20ノット。AIP出力316kW（416馬力）で、巡航速力は８ノット以下だが、連続潜航時間は14-17日に及ぶ。AIPと電池推進のハイブリッドも可能。潜航深度250m。最大行動日数80日。兵装は533mm魚雷発射管６基（DM2魚雷12本）。乗員27名。U31、U32、U33、U34の４隻が2005-07年に就役した。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、月刊軍事研究4,’00、5,’01、4,’04、4,’13、3,’08、4,’10、4,’11、月刊世界の艦船3,’07、10,’12、10,’13、11,'20、9,’12増刊、5,’15、12,’16、月刊丸2,’12

　＜２１２Ａ型バッチ２＞：バッチ１の改良型。ソナーをEFAフランクアレイソナー（船体下部に前後に長いフェアリング状に装着）に換装し、OMS-110非貫通型電子光学マストを採用、艦載戦闘システムをドイツ製ISUS2000とし、船体を1.2m延長して工作員４名用ロックアウト・チェンバーを搭載、Ｘ舵先端部に整流フェアリングを装着している。ハイ・スキュード・プロペラのボスにはPBCF（プロペラ・ボス・キャップ・フィン）と呼ばれる円筒に螺旋フィンの付いたキャップが取り付けられており、プロペラ・ボス先端から発生する渦流を抑え、整流により推進効率を上昇させる効果がある。深々度潜航中でも通信が行えるよう、通信ブイを搭載した。ESMは通信傍受機能付きのMRBR800に換装している。全長57.1m、幅7m、吃水6m、水上排水量1473トン、水中排水量1859トン。主機はディーゼル・エレクトリック／AIP方式、ディーゼル発電機１基・PEM燃料電池方式AIP・永久磁石電動機１基１軸3875馬力、水上速力12ノット、水中速力20ノット。蓄電池はナトリウム・硫黄方式。兵装は533mm魚雷発射管６門（DM2A4魚雷12本）で、IDASの運用も可能。セイルに引き込み式30mm機関砲RMK30を搭載し、潜望鏡深度で発射できるようにする計画がある。乗員27名。U35とU36が2015-16年に就役した。参考：月刊世界の艦船8,’13、2,’12、10,’13、11,’16、3,’17

　＜２１２ＣＤ型＞：CDはCommon Designの略。ノルウェー海軍との共同開発・共同調達で、名称的には212型系列だが、212A型より船体は二回りくらい大きく、形状も対ソナー・ステルス強化で六角柱状に変更され、主機もディーゼル発電機を２基に増やしており、新型と言った方が良いらしい。コングスベルグ・ディフェンス＆エアロスペース社製ORCCA戦闘システム、コングスベルグ・マリタイム社製SA9510S Mk�UMANS（Mine Avoidance and Navigation Sonar）機雷探知ソナー、コングスベルグ・マリタイム社製BNS（Bottom Navigation System）航法システム、EM2040MILマルチビーム音響測深儀、iXblue社製Marins M8慣性航法装置、ヘンゾルト社製OMS150光学マスト１本、ヘンゾルト社製OMS300光学マスト１本、ヘンゾルト社製i360°OSパノラミック監視システム１基、コングスベルグ・ディフェンス＆エアロスペース社製広帯域ESM、コングスベルグ・ディフェンス＆エアロスペース社製LPI航海レーダーを装備する。全長73m、幅6.8m（10m？）、吃水7m、水中排水量2500トン（3100トン？）。主機はディーゼル・エレクトリック＋燃料電池AIP、水中速力20ノット。兵装は533mm魚雷発射管４門（DM2A4魚雷。６門？）。２隻を建造し、2032年と2034年に１隻ずつ納入する予定。１番艦は2023年9月12日に建造を開始した。参考：月刊世界の艦船5,'22、2,'23、9,'23、10,’21、9,’22、12,’23

＜２１２Ａ型・海外シリーズ＞

　＜２１２Ａ型（イタリア海軍）＞：イタリア海軍潜水艦。ドイツの支援を受けて建造した。居住性の向上を図っている他、TASSをセイル後端に装備する。戦闘システムはコングスベルグ社製MSI-90U。全長56.3m、幅6.8m、吃水7m、水上排水量1450トン（1509トン？）、水中排水量1830-1840トン。主機はディーゼル・エレクトリック／AIP方式、１軸推進、水上速力12ノット、水中速力20ノット。潜航深度400m。兵装は533mm魚雷発射管６門（A184魚雷・DM2A4魚雷12本または機雷24個）。乗員は士官５名と下士官・兵19名（計27名？）で、他に13名を収容できる。S-526サルバトーレ・トダロとS-527シレの２隻が2006-07年に就役した。更に2016年に３番艦ピエトロ・ヴェヌーティ、2017年に４番艦ロメオ・ロメイが引き渡されている。もう２隻か４隻建造するかもしれない。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、月刊軍事研究5,’01、3,’08、現代の潜水艦、月刊世界の艦船3,’14、10,’15、9,’16、8,’17、5,’19、4,'20、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜２１２ＣＤ型（ノルウェー海軍）＞：ノルウェー海軍計画潜水艦。ドイツ海軍との共同開発・共同調達である。全長73m、幅6.8m（10m？）、吃水7m、水中排水量2500トン（3100トン？）。主機はディーゼル・エレクトリック＋燃料電池AIP、水中速力20ノット。兵装は533mm魚雷発射管４門（DM2A4魚雷）。NSM潜対艦ミサイル用VLSも積むかもしれない。2023年に１番艦を起工し、2029-33年に４隻を受領する予定。参考：月刊世界の艦船5,'22、2,'23、9,'23、10,’21

　＜２１２ＮＦＳ型（イタリア海軍）＞：イタリア海軍計画潜水艦で、NFSはNear Future Submarineの略。改トダロ（Improved Todaro）級ともいう。212A型の拡大改良型で、フィンカンティエーリが建造する。船体規模は212A型バッチ２と同等。統合プラットフォーム管制システムはフィンカンティエーリ社製。SADOC（Sistema Automatizzatico Direzione Operazioni di Combattimento）指揮管制装置、UHF/SHF衛星通信装置、シミュレーション訓練装置はレオナルド社製で、使用魚雷もレオナルド社製ブラック・シャーク・アドバンスドである。蓄電池はリチウム・イオン電池、ソナーはELACソナー製、ESMはエレットロニカ製、LPIレーダーはGEMエレットロニカ製、潜望鏡はL3ハリス・テクノロジーズ製非貫通型電子光学マスト。リンク11/16を搭載するかもしれない。全長58.3m（57.1m？）、幅6.8m、吃水6.4m、水中排水量1830トン（1955トン？）。主機はディーゼル・エレクトリック＋燃料電池AIP、水中速力25ノット。兵装は533mm魚雷発射管６門。2021年に２隻（＋オプション２隻）を発注しており、2027年と2029年に就役予定。１番艦は2022年1月起工。２番艦は2023年6月6日にファースト・スチール・カットを行った。オプションが発動すれば2030年と2031年に就役予定で、オプションのうち１隻は2023年5月末に調達承認が下りた。参考：月刊世界の艦船5,’21、2,'23、9,’23、4,’22、5,’22

＜２１３＞：韓国海軍チャムスリ�U級ミサイル艇３番艇。参考：月刊世界の艦船3,’20

＜２１３＞：中国海軍ロメオ級潜水艦。参考：現代の潜水艦

＜２１４＞：中国海軍ロメオ級潜水艦。参考：現代の潜水艦

＜２１４型＞：ドイツの輸出用潜水艦。212A型の発展型で、PEM燃料電池方式のBZM120AIP（燃料セル120個、重量900kg、出力120kW）２基を搭載する。船体は複殻式。艦首に魚雷発射管扉があり、最前部がソナー室、その後ろに魚雷発射管室、その上面に魚雷搭載口、その後方両舷に潜舵、魚雷発射管室後方上部に兵員室、中央に魚雷室、下部に電池室がある。その後方にあたる船体中央部前方が厨房、その後ろが士官室、その後ろがソナー室及び発令所、その後方にあたる船体中央部後方が電子機器室となっていて、船体中央下部には液体酸素タンクと水素吸蔵合金タンクが収容されている。船体中央上面にはセイルがあり、SERO400潜望鏡、スフィンクス・レーダー、通信アンテナ、吸排気管が貫通している他、前部には昇降筒が用意されている。非貫通型潜望鏡OMS100も装備する。船体後部前上方にはディーゼルエンジン、下方（内外船殻間）には燃料電池があり、中央にモーターを配置、後方に推進軸と舵の操作装置があって、船体尾部外面に縦横舵及びハイスキュードプロペラを装備している。セイル付け根前部は整流フェアリングで覆い、雑音を減らした。艦載戦闘システムはISUS90、ソナーシステムはCSU90。全長65m（67.9m？）、耐圧船殻径6.3m、高さ13m、水上排水量1700トン、水中排水量1860トン（2020トン？）。主機はディーゼル・エレクトリック方式＋燃料電池方式AIP、MTU16V396ディーゼル（1000kW）２基、水上速力12ノット、水中速力20ノット、最大潜航深度400m以上。AIP機関を使用すれば、８ノット未満の速力で14日以上潜航できる。兵装は533mm魚雷発射管８基（魚雷とハープーン計16本）。乗員27名。参考：現代の潜水艦、月刊軍事研究7,’99、4,’00、5,’01、7,’05、月刊世界の艦船7,’13、10,’13、9,’12増刊、1,'15増刊、2,’23

＜２１４型・海外シリーズ＞

　＜２０９ＰＮ型＞：トリデンテ級を参照。

　＜２１４型（ギリシャ海軍）＞：ギリシャ海軍潜水艦。１番艦はドイツ、以降はギリシャのヘレニック造船所で建造した。船体前上部に潜舵、船体後部に十字舵を持つ。OMS-110非貫通型電子光学マストを装備する。全長65m、全幅6.3m、吃水6m、水上排水量1700トン、水中排水量1829トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式＋燃料電池方式AIP（240kW）、１軸推進、水上速力12ノット、水中速力20ノット。潜航深度400m。兵装は533mm魚雷発射管８門（SUT魚雷とUGM-84Cハープーン・ブロック1B計16本）。乗員27名。2006年にドイツで完成した１番艦を公試した結果、水上航走不安定（ローリング過大）、AIPシステムの低出力及びオーバーヒート、プロペラのキャビテーション、潜望鏡の振動、油圧システム防水不全、フランク・アレイ・ソナーの性能不足といった問題点が発見され、引き渡しが１年半以上遅れてしまい、結局2009年9月21日に一旦キャンセルされた。その後の再交渉で2010年9月30日に１番艦の就役が決定、5-6番艦も追加建造することになった。しかし予算不足などで2-4番艦は工事が中断、5-6番艦は建造が中止され、結局S-120パパニコリス、S-121カトソニス、S-122ピピノス、S-123マトロゾスの４隻が2010-16年に就役した。後に魚雷をDM2A4に換装している。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船3,’14、11,’16、3,’07、4,’10、1,’11、10,’12、10,’16、2,’17、4,'20、5,'22、現代の潜水艦、月刊軍事研究4,’10

　＜２１４ＴＮ型（トルコ海軍）＞：トルコ海軍潜水艦、別名レイス（Reis）級。2009年7月2日に１番艦ピーリーレイス（Pirireis）やセイディアリレイスなど６隻をノックダウン生産する契約を結んだ。出力120kWの燃料電池式AIPを２基搭載する。潜望鏡はSERO400電子光学潜望鏡（耐圧船殻貫通型）とOMS100電子光学マスト（非貫通型）。全長68.35m（65m？）、船殻直径6.3m、水中排水量2023-2050トン。主機はディーゼル・エレクトリック／燃料電池AIP方式、水中速力20ノット。兵装は533mm魚雷発射管８門。乗員40名。１番艦は2021年3月23日に進水し、2022年12月6日に公試を開始した。参考：月刊世界の艦船4,'20、11,'20、9,’09、11,’16、1,’20、3,’20、6,’21、12,’21、3,’23

　＜２１４／１７００型（韓国海軍）＞：韓国海軍潜水艦で、孫元一（ソン・ウォンイル、Son Won-il）級ともいう。計画名はKSS-2で、214型、スコルペヌ級、キロ級が応募して2000年に214型の採用を決め、第１バッチ３隻のライセンス生産を決定した。潜舵は艦首とセイルの中間、上甲板すれすれに装着されている。潜望鏡はサジェム社製シリーズ30非貫通型潜望鏡２本（哨戒用と攻撃用）で、ESMや秘匿赤外線通信装置と統合されている。ソナーはアトラス・エレクトロニク社製CSU-90、ESMはUME100。全長65m、幅6.3m、吃水6m、水上排水量1727トン、水中排水量1890トン。主機はディーゼル・エレクトリック／AIPで、MTU16V396SEディーゼル（4243馬力）発電機１基（４基？）・燃料電池・電動機１基１軸3875馬力（AIPは320馬力・240kW）、水上速力12ノット、水中速力20ノット、航続距離はシュノーケル８ノットで8000海里／水中バッテリー８ノットで420海里／水中燃料電池４ノットで2400海里、潜航深度400m、行動期間50日、連続海中行動期間２週間。兵装は533mm魚雷発射管８門（艦首。SUT長魚雷、ハープーン、SSM-700K海星。天龍SLCMも？）。乗員27名。艦番号072孫元一、073鄭地、075安重根が2007-09年に就役した。潜水艦建造の経験が無い現代重工業で作っており、HDW社からの技術供与は受けたものの無理があったようで、１番艦を運用したところ推進軸受けの位置がずれていたらしく騒音が契約書の基準値を超えていて、推進軸を交換した。また、第１バッチが竣工した後でセイルと上甲板を接続するボルトが折れるという欠陥が見つかり、2010年初めに全艦活動停止に追い込まれている。調べたところHDW社の要求通りの強度を持つボルトを使っていなかったためだったが、交換してもボルトが緩むため、HDW社が技術者を韓国に派遣して直接修理した。燃料電池も不良で、引き渡し前に３隻で計93回の不意停止を起こしていたが、現代重工が検査を不正に通過させて修理せずに引き渡したため、その後も計102回の不意停止を起こしている。この不正に関与したとして、予備役海軍大佐が逮捕される事態になった。造船所での爆発事故もあったらしい。更に６隻を2020年までに建造する予定で、これは燃料電池を改良型に、ESMをUME200に換装する。メーカーは４番艦以降の偶数艦を大宇造船海洋、奇数艦を現代重工とした。４番艦金佐鎮は2013年8月13日に進水、５番艦尹奉吉は2014年7月3日に進水、６番艦柳寛順は2015年5月7日に進水、７番艦ホン・ボムドは2016年4月5日に進水、８番艦イ・ボムソクは2016年11月8日に進水した。2020年になっても稼働率に不安があるらしく、海外展開は209型チャン・ボゴ級の専任状態である。参考：月刊世界の艦船7,’13、9,’17、12,’18、4,’09、3,’10、10,’12、11,’13、9,’14、7,’15、5,’16、11,’16、2,’17、3,’17、3,’20、月刊軍事研究5,’05、4,’10

＜２１５＞：韓国海軍チャムスリ�U級ミサイル艇４番艇。参考：月刊世界の艦船3,’20

＜２１５＞：中国海軍ロメオ級潜水艦。参考：現代の潜水艦

＜２１６＞：韓国海軍チャムスリ�U級ミサイル艇５番艇。2019年12月13日進水。参考：月刊世界の艦船3,’20

＜２１６＞：台湾海軍LST-1級戦車揚陸艦中光（チュンクアン）。元はアメリカ海軍LST-1級戦車揚陸艦LST-503である。1955年4月就役。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜２１６＞：中国海軍ロメオ級潜水艦。参考：現代の潜水艦

＜２１６型＞：オーストラリア海軍次期潜水艦計画SEA1000にドイツのHDW社が応募した潜水艦。セイル後方の船体内に直径2.5mの垂直多目的兵装モジュールがあり、巡航ミサイルやUUVを積める。セイルに非貫通型潜望鏡、艦尾にＸ舵を持つ。上構上に特殊部隊用SDV（Swimmer Delivery System）を設置することもできる。全長90m、排水量4000トン。燃料電池AIPを搭載する。兵装は533mm魚雷発射管６門（魚雷、潜対艦ミサイル、機雷）、垂直多目的兵装モジュール（巡航ミサイル）。採用されなかった。参考：月刊世界の艦船6,’16、2,’16

＜２１７＞：韓国海軍チャムスリ�U級ミサイル艇６番艇。2019年12月13日進水。参考：月刊世界の艦船3,’20

＜２１７＞：台湾海軍LST-1級戦車揚陸艦中肇（チュンツア）。元はアメリカ海軍LST-1級戦車揚陸艦LST-400ブラッドレイ・カウンティである。1958年9月就役。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜２１７＞：中国海軍ロメオ級潜水艦。参考：現代の潜水艦

＜２１８＞：韓国海軍チャムスリ�U級ミサイル艇７番艇。2019年12月13日進水。参考：月刊世界の艦船3,’20

＜２１８＞：台湾海軍LST-1級戦車揚陸艦中啓（チュンチ）。元はアメリカ海軍LST-1級戦車揚陸艦LST-279バークレー・カウンティである。1955年6月就役。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜２１８＞：中国海軍ロメオ級潜水艦。参考：現代の潜水艦

＜２１８ＳＧ型＞：シンガポール海軍AIP潜水艦。ドイツのティッセン・クルップ・マリーン・システムズ社が建造する。214型の水中排水量を100トンほど増やして外洋行動力を高めており、自動化を進めて乗員28名による三直勤務を可能とした。セイル幅が上甲板幅より広いので、セイル前後にドアを設けて間を通路にし、上甲板での乗員移動を楽にした。潜舵は上構前部両舷にあり、艦尾舵は浅海活動に有利なＸ舵。艦載戦闘システムはシンガポール・テクノロジー・エンジニアリングとアトラス・エレクトロニクの共同開発である。全長70m、水中排水量2200トン。主機はディーゼル・エレクトリック／燃料電池AIP方式、水中速力15ノット。兵装は533mm魚雷発射管８門。乗員28名。2013年11月29日、チャレンジャー級（ショーオルメン級）の後継として２隻の建造契約を締結した。2021-22年に引き渡される予定。2017年5月15日、シンガポール国防省がアーチャー級の後継として２隻を追加発注した。2024年から引き渡される予定。１番艦インヴィンシブル（Invincible）は2019年2月18日に進水し、2020年8月31日に公試を開始したが、2021年4月に艦内の配電盤から火災が発生し、11月下旬に修理を終えて再び公試に入った。12月初めに深々度潜航試験を実施したが、１回だけで打ち切られ、ドックインして点検に入っている。２番艦インペカブルと３番艦イラストリアスは2022年12月13日に進水した。参考：月刊世界の艦船5,’19、4,'20、2,'23、10,’17、3,’14、8,’17、11,’20、4,’21、3,’22、5,’22、3,’23、8,’23

＜２１９＞：韓国海軍チャムスリ�U級ミサイル艇８番艇。2019年12月13日進水。参考：月刊世界の艦船3,’20

＜２２１＞：台湾海軍LST-1級戦車揚陸艦中権（チュンチュアン）。元はアメリカ海軍LST-1級戦車揚陸艦LST-1030である。1948年2月就役。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜２２６＞：台湾海軍LST-1級戦車揚陸艦中治（チュンツー）。元はアメリカ海軍LST-1級戦車揚陸艦LST-1091サガダホック・カウンティである。1958年10月就役。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜２２６型レーダー＞：中国の開発したレーダーで、GECマルコーニ社製スカイレンジャーをコピーしている。参考：月刊軍事研究4,’11

＜２２７＞：台湾海軍LST-1級戦車揚陸艦中明（チュンミン）。元はアメリカ海軍LST-1級戦車揚陸艦LST-1152スイートウォーター・カウンティである。1958年10月就役。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜２２７＞：中国海軍ロメオ級潜水艦。参考：現代の潜水艦

＜２２８＞：中国海軍ロメオ級潜水艦。参考：現代の潜水艦

＜２２９＞：台湾海軍LST-1級戦車揚陸艦中海（Chunghai）。1964年、揚陸指揮艦LCC-1高雄に改造された。参考：月刊世界の艦船12,’12

＜２３０＞：台湾海軍LST-1級戦車揚陸艦中邦（チュンバン）。元はアメリカ海軍LST-1級戦車揚陸艦LST-578である。1958年9月就役。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜２３１＞：台湾海軍LST-1級戦車揚陸艦中業（チュンイェ）。元はアメリカ海軍LST-1級戦車揚陸艦LST-1144サブレット・カウンティである。1961年9月就役。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜２３２＞：台湾海軍ニューポート級戦車揚陸艦１番艦中和（チュンホ）。元はアメリカ海軍ニューポート級戦車揚陸艦LST-1180マニトウォクである。1997年5月就役。2010年4月30日、遠洋練習航海に先立つ内地巡航のため高雄を出港。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船11,’00

＜２３２＞：中国海軍明級潜水艦。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜２３３＞：カナダ海軍サン・ローラン級駆逐艦フレーザー（Fraser）。1957年竣工。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜２３３＞：中国海軍明級潜水艦。参考：現代の潜水艦

＜２３３＞：台湾海軍ニューポート級戦車揚陸艦２番艦中平（チュンピン）。元はアメリカ海軍ニューポート級戦車揚陸艦LST-1181サムターである。1997年5月就役。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜２３７＞：中国海軍ロメオ級潜水艦、長城237号（Changcheng 237）。1978年就役。1998年に退役した。青島海軍博物館に展示されている。参考：月刊世界の艦船4,’11、10,’19、現代の潜水艦

＜２３８＞：中国海軍ロメオ級潜水艦。参考：現代の潜水艦

＜２３９＞：中国海軍ロメオ級潜水艦。参考：現代の潜水艦

＜２４０Ｖ８Ｆ８＞：アメリカ海軍の潜水艦用８気筒４サイクルディーゼルエンジン。２サイクルディーゼルの75/6HS型や70/6MS型がイマイチだったため、アメリカ海軍機関局がNLSECO社に対し、同社製民間用４サイクルディーゼルをベースに開発させたものである。出力240馬力（350rpm）。Ｎ級潜水艦（エレクトリックボート社設計）に搭載した結果、良好な成績を収めた。参考：アメリカ潜水艦史

＜２４１＞：ヴィスマール（警備艦）を参照。

＜２４１＞：ポーランド海軍プロジェクト621級哨戒艇シロンザク（Ślązak。スラザク？）。2001年起工。2009年9月の進水後に予算不足で工事が中断した。2015年7月2日再進水。2019年就役。2023年6月4-16日、バルトップス2023に参加。参考：月刊世界の艦船9,’23

＜２４５Ｈ５２＞：自衛隊の発動発電機用鉛蓄電池。新神戸電機製。参考：月刊軍事研究5,’14

＜２４５型＞：中国海軍轟炸６型Ｄ爆撃機が搭載している捜索レーダーで、別名HL6Dコバルト。中国雷華電子技術研究所第781工場が製作した。使用周波数はＩバンド。最大探知距離150km。参考：月刊軍事研究11,’16、2,’18

＜２４９＞：中国海軍ロメオ級潜水艦。参考：現代の潜水艦

＜２５０＞：中国海軍ロメオ級潜水艦。参考：現代の潜水艦

＜２５０−３型＞：中国軍のクラスター爆弾で、BL755をベースに製作されているらしい。参考：軍用機ウェポン・ハンドブック

＜２５０−Ｂ１７Ｂ＞：GMが開発したターボプロップエンジンで、N22B、SM1019Eなどに搭載されている。圧縮機は軸流式６段・遠心式１段、燃焼器はカン式で燃焼室１個、タービンは高圧２段・低圧２段。全長1.143m、高さ0.572m、重量88.4kg。最大連続出力358馬力。参考：世界の軍用機1979

＜２５０−Ｂ１７Ｆ海外シリーズ＞

　＜２５０−Ｂ１７Ｆ・維持用（航空自衛隊）＞：航空自衛隊のT-7用エンジン。新東亜交易が受注している。参考：月刊軍事研究7,’18

＜２５０ターボシャフトエンジン・シリーズ＞：GM傘下（1995年以降ロールスロイス傘下）アリソン・エンジン社のターボシャフトエンジン。1960年代に開発された。参考：月刊JWings8,’20、世界の軍用機1979

＜２５０−Ｃ２０Ｂ＞： OH-6D、BO105D、A109Aなどに搭載された。圧縮機は遠心式１段・軸流式６段、燃焼器はカン式で燃焼室１個、タービンは高圧２段・低圧２段。全長1.046m、高さ0.589m、重量71.5kg。最大連続出力400馬力、離昇出力420馬力。参考：世界の軍用機1979

＜２５０−Ｃ２８Ｂ＞：圧縮機は遠心式１段、燃焼器はカン式で燃焼室１個、タービンは高圧２段・低圧２段。全長1.239m、高さ0.638m、重量99.3kg。最大連続出力500馬力、離昇出力500馬力。参考：世界の軍用機1979

＜２５０−Ｃ２８Ｃ＞：圧縮機は遠心式１段、燃焼器はカン式で燃焼室１個、タービンは高圧２段・低圧２段。全長1.032m、高さ0.638m、重量99.3kg。最大連続出力500馬力、離昇出力500馬力。参考：世界の軍用機1979

＜２５０−Ｃ３０Ｃ＞：圧縮機は遠心式１段、燃焼器はカン式で燃焼室１個、タービンは高圧２段・低圧２段。全長1.097m、高さ0.638m、重量106.6kg。最大連続出力650馬力、離昇出力700馬力。参考：世界の軍用機1979

＜２５０トン型＞：Ｃ級（潜水艦）を参照。

＜２５１＞：中国海軍ロメオ級潜水艦。参考：現代の潜水艦

＜２５１＞：パキスタン海軍江衛�U型フリゲート１番艦ズルフィクアール（Zulfiquar）。2009年7月30日就役。2010年12月11日、スリランカ海軍創設60周年記念国際観艦式に参加。2015年3月18日、LIMA2015国際海上レビューに参加。2020年10月3日、ソマリア沖海賊対処第36次水上部隊DD-111おおなみと共同訓練（戦術運動、クロスデッキなど）を実施。参考：月刊世界の艦船4,’10、3,’10、7,’15、JShips Vol.44、朝雲

＜２５２＞：中国海軍ロメオ級潜水艦。参考：現代の潜水艦

＜２５２＞：パキスタン海軍江衛�U型フリゲート２番艦シャムシール（Shamsheer）。2010年2月就役。2022年11月6日、海上自衛隊創設70周年記念令和4年度国際観艦式に参加。参考：月刊世界の艦船4,’10、4,’11、1,’23

＜２５３＞：パキスタン海軍江衛�U型フリゲート３番艦サイーフ（Saif）。2017年11月20日、タイのパタヤで挙行されたASEAN創設50周年記念観艦式に参加。2021年2月11-16日、アマン21に参加。参考：月刊世界の艦船4,’10、5,'21、月刊軍事研究2,’18

＜２５３＞：中国海軍ロメオ級潜水艦。参考：現代の潜水艦

＜２５４＞：中国海軍ロメオ級潜水艦。参考：現代の潜水艦

＜２５４＞：パキスタン海軍江衛�U型フリゲート４番艦アスラット（Aslat）。2013年就役。2021年2月11-16日、アマン21に参加。参考：月刊世界の艦船5,’21

＜２５５＞：中国海軍ロメオ級潜水艦。参考：現代の潜水艦

＜２５６＞：中国海軍ロメオ級潜水艦。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜２５７＞：中国海軍ロメオ級潜水艦。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜２５８＞：中国海軍ロメオ級潜水艦。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜２５９＞：中国海軍ロメオ級潜水艦。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜２６０＞：中国海軍ロメオ級潜水艦。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜２６０＞：パキスタン海軍オリヴァー・ハザード・ペリー級ミサイル・フリゲート、アラムジル（Alamgir）。元はFFG-8マッキナニーである。2010年就役。2014年3月25-27日、DIMDEX2014に参加。2021年2月11-16日、アマン21に参加。2月26日と3月1日、ソマリア沖海賊対処水上部隊DD-109ありあけと、アラビア海北部西方海域及びアデン湾で、海賊対処共同訓練（戦術運動、写真撮影、近接運動、小型船近接対処、クロスデッキ）を実施。7月10日、ソマリア沖海賊対処第39次水上部隊DD-153ゆうぎりとカラチ沖で親善訓練を実施。参考：月刊世界の艦船7,’14、5,’21、10,’21

＜２６４＞：ルーマニア海軍コントラアミラル・イェウスタツィウ・セバスティアン級コルベット、コントラアミラル・イェウスタツィウ・セバスティアン（Contra-Amiral Eustaţiu Sebastian）。1989年就役。2018年8月、ルーマニア統合100周年記念式典に参加。参考：月刊世界の艦船4,’19

＜２６４型＞：T58型（掃海艇）を参照。

＜２６６Ｍ型＞：ナチャ型（掃海艇）を参照。

＜２６８＞：中国海軍ロメオ級潜水艦。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜２６９＞：中国海軍ロメオ級潜水艦。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜２７０＞：中国海軍ロメオ級潜水艦。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜２７１＞：中国海軍ロメオ級潜水艦。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜２７１＞：ポーランド海軍カシン改型ミサイル駆逐艦ワルシャワ（Warszawa）。元はソ連海軍プロジェクト61PMカシン改型ミサイル駆逐艦スメリイで、1988年1月に引き渡された。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜２７１型揚陸艇シリーズ＞：中国海軍汎用揚陸艇。067型／068型／069型揚陸艇がベースである。参考：月刊軍事研究9,’18、5,’14

＜２７１型＞：擱座着岸により車両や兵員を揚陸するのが主任務で、船型は平底型、船首にランプ兼用バウドアを持つ。積載量100トン。1970年に１番艇が竣工したが、能力不足だったらしく、量産には至らなかった。参考：月刊軍事研究5,’14、9,’18

＜２７１�U型＞：271型の改良型。全長56.5m、満載排水量570トン。主機はディーゼル２基、２軸推進、速力13ノット。兵装は14.5mm連装機銃４基（艦前後両舷１基ずつ）。積載量通常100トン／最大150トンで、人員300名または戦車３両または大型輸送車７両を搭載可能。1970年代半ばから80年代に200隻くらい建造されたらしい。参考：月刊軍事研究5,’14、9,’18、月刊世界の艦船9,’11

＜２７１�V型＞：271�U型の改良型。船体を一回り大きくすると共に、船底をＶ字型にし、艦首を観音開き扉で覆って速力を向上させている。全長58.4m、満載排水量634トン。最大速力16ノット、航続距離は10ノットで1000海里。兵装は25mm連装機関砲２基、14.5mm連装機銃２基。積載量150トンで、人員200名または戦車３両＋人員70名または軽戦車７両を搭載できる。参考：月刊軍事研究5,’14、9,’18

＜２７１�VＡ型＞：271�V型の大型化バージョンで、全長は少し短い。全長56.5m、満載排水量800トン。最大速力15ノット。兵装は14.5mm連装機銃２基。人員200名または戦車３両＋人員70名または軽戦車７両を搭載できる。参考：月刊軍事研究5,’14、9,’18

＜２７１型レーダー＞：イギリス海軍の対水上レーダーで、1941年に実用化された。NT98マグネトロンを使用して波長9.7cmの電波を発信することができ、波間に漂う潜望鏡を探知することが可能だった。フラワー級コルベットに搭載された。後にマグネトロンを高出力型のCV56に変更したが、アンテナ線とのマッチングが悪く、導波管（ウェーブ・ガイド）に換えて性能を強化した。参考：連合軍の傑作兵器駄作兵器

＜２７２＞：中国海軍ロメオ級潜水艦。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜２７２型＞：中国海軍砕氷観測艦。2016年に海冰722が就役した。参考：月刊世界の艦船4,’16

＜２７２＞：ポーランド海軍ミサイル・フリゲート、ゲネラル・カシミエルツ・プラスキ（Generał Kazimierz Pułaski）。2018年10月25日から11月7日、トライデント・ジャンクチュア2018演習に参加。2019年6月9-21日、バルトップス2019に参加。参考：月刊世界の艦船2,’19、9,’19

＜２７３＞：ポーランド海軍ジェネラル・カシミエルツ・プラスキ級ミサイル・フリゲート、ジェネラル・タデューツ・コシチェンコ（General Tadeusz Kosciuszko。ゲネラウ・タデウシュ・コシチュシュコ？）。元はアメリカ海軍O.H.ペリー級FFG-9ワッズワースである。2002年6月就役。2011年6月6-16日、バルトップス2011演習に参加。6月18-26日、ドイツのキール・ウィーク2011に参加。2013年5月25-27日、イギリスで大西洋の戦い70周年記念行事に参加。8月10日、海上自衛隊遠洋練習艦隊とグディニア沖で親善訓練を実施。2018年6月25日から7月6日、ダイナミック・マングース2018に参加。2023年6月17-25日、キール・ウィークに参加。参考：JShips Vol.24、月刊世界の艦船9,’11、8,’13、12,’13、10,’18、9,’23

＜２７４型＞：イギリス海軍射撃指揮レーダー。アンテナは送信用と受信用を上下に合わせている。レーダー・ビームを左右に振るスキャン能力が無いので弾着観測などは行えず、測距しかできない。使用波長はＳバンド。参考：月刊世界の艦船4,’17

＜２７５＞：中国海軍ロメオ級潜水艦。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜２７５＞：ポーランド海軍ワルシャワ級駆逐艦ワルシャワ（Warszawa）。元はソ連海軍56K型駆逐艦スプラヴェドリヴィで、1970年に引き渡された。参考：月刊世界の艦船5,’86

＜２７６＞：中国海軍ロメオ級潜水艦。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜２７７＞：中国海軍ロメオ級潜水艦。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜２７８＞：中国海軍ロメオ級潜水艦。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜２７８Ａ型＞：GM社が開発したディーゼルエンジンで、エヴァーツ級護衛駆逐艦や潜水艦に搭載された。16気筒Ｖ型２サイクルで、シリンダー径203mm、ストローク254mm、回転数750rpm、出力1700馬力。参考：アメリカ護衛艦史

＜２７９＞：中国海軍ロメオ級潜水艦。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜２８０＞：中国海軍ロメオ級潜水艦。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜２８０＞：カナダ海軍イロコイ級ヘリコプター駆逐艦１番艦イロコイ（Iroquois）。1969年7月起工、1972年7月竣工。2012年5月23-30日、米英戦争200周年記念ニューヨーク艦隊週間に参加。2013年5月9-13日、ハンブルク港まつりに参加。5月25-27日、イギリスで大西洋の戦い70周年記念行事に参加。2015年5月1日に退役した。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、8,’12、8,’13、4,’14、7,’15

＜２８０ｍｍＡ＞：原子砲を参照。

＜２８１＞：カナダ海軍イロコイ級ヘリコプター駆逐艦２番艦ヒューロン（Huron）。1972年12月竣工。1988年6月、日本に寄港した。1991年からTRUMP改装を実施。2005年に退役した。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、5,’17

＜２８２＞：カナダ海軍イロコイ級ヘリコプター駆逐艦３番艦アサバスカン（Athabaskan）。1972年竣工・就役。2010年1月、ハイチ大地震救援に参加。2015年10月21日から11月6日、トライデント・ジャンクチュア2015演習に参加。2016年5月25-31日、ニューヨーク艦隊週間に参加。9月9-26日、カットラス・フューリー2016に参加。2017年3月10日に退役した。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、4,’10、1,’16、8,’16、12,’16

＜２８２＞：パキスタン海軍ミルゲム級コルベット３番艦カイバル（Khaibar）。2021年5月1日、トルコのイスタンブール造船所で起工。2022年11月25日進水。参考：月刊世界の艦船2,’23

＜２８２型レーダー＞：イギリス海軍の試作艦載対水上射撃指揮レーダーで、1941年に制作された。使用波長0.5m。参考：連合軍の傑作兵器駄作兵器

＜２８３＞：カナダ海軍イロコイ級ヘリコプター駆逐艦４番艦アルゴンキン（Algonquin）。1973年9月竣工。1987年11月から1991年、TRUMP改装を実施。1996年5月22日から6月22日、リムパック96に参加。2010年6月12日、カナダ海軍創設100周年記念観艦式に参加。6月23日からリムパック2010に参加。9月20日、チリ独立200周年国際観艦式に参加。2015年6月11日に退役した。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、9,’96、9,’10、12,’10、7,’15

＜２８３型レーダー＞：イギリス海軍の艦載対空レーダー。1937年から開発し、第２次大戦前に完成した。使用波長7m。開戦時には数百基が生産されており、洋上のＵボートを探知するのにも使用された。参考：連合軍の傑作兵器駄作兵器

＜２８４型レーダー＞：イギリス海軍の艦載対水上射撃指揮レーダー。283型の波長を0.5m（周波数600MHz）にしたもので、ダイポールアンテナを使用し、送信用と受信用のものが左右に分かれて取り付けられている。レーダー・ビームを左右に振るスキャン能力が無いので弾着観測などは行えず、測距しかできない。1940年末に実用化されてキング・ジョージ�X世を皮切りに搭載され、ビスマルク追撃戦で使用された。参考：月刊世界の艦船1,’12、4,’17、連合軍の傑作兵器駄作兵器

＜２８６＞：中国海軍ロメオ級潜水艦。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜２８７＞：中国海軍ロメオ級潜水艦。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜２９１＞：中国海軍ロメオ級潜水艦。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜２９１＞：ポーランド海軍877E型キロ級潜水艦オルゼル（Orzel）。1986年就役。2001年5月28日から6月4日、スコットランドのファスレーン基地でイギリス潜水艦部隊100周年記念式典に参加。2013年、オーバーホールを受けた。ついでの改装はしなかったらしい。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船9,’01、4,’20

＜２９２＞：中国海軍ロメオ級潜水艦。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜２９２＞：ポーランド海軍641型フォックストロット級潜水艦ヴィルク（Wilk）。1987年就役。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版

＜２９３＞：中国海軍ロメオ級潜水艦。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜２９３＞：ポーランド海軍641型フォックストロット級潜水艦ドジク（Dzik、猪）。1988年、ソ連から貸与されて就役。1993年、ロシアから譲渡された。2003年に退役した。セイル上部と潜望鏡がグディニア海軍博物館の屋外に展示されている。参考：月刊世界の艦船1,’15、世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版

＜２９４＞：中国海軍ロメオ級潜水艦。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜２９５＞：中国海軍ロメオ級潜水艦。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜２９６＞：中国海軍ロメオ級潜水艦。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜２９７＞：中国海軍ロメオ級潜水艦。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜２９８＞：中国海軍ロメオ級潜水艦。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜２９９＞：中国海軍ロメオ級潜水艦。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜二〇〇〇Ｇ燃料給油車＞：航空自衛隊の３軸６輪ジェット燃料給油車両。全長9.8m、全幅2.49m、全高3.12m、車両重量11.31トン。エンジン出力257kW、最大速度90km。積載量８トン。車両は日産ディーゼル製で、東急車輌製造が架装を担当している。参考：航空自衛隊パーフェクトガイド2015

＜二〇〇〇Ｇ燃料給油車（改）＞：自衛隊の車両。UDトラックスジャパンまたは日野自動車製。参考：月刊軍事研究8,’13、9,’13

＜二〇〇〇Ｌ燃料タンク車＞：航空自衛隊の燃料タンク車。発動発電機用軽油を輸送するのが主任務である。全長5.26m、全幅1.795m、全高2.27m、車両重量3.54トン。最大速度105km。積載量1.7トン。乗員１名。いすゞ自動車製。参考：航空自衛隊パーフェクトガイド2015、月刊軍事研究6,’13

＜２０００型＞：イタリアのフィアット社が第１次大戦中に開発した突破戦車（カルロ・ダサルト）。フランスのシュナイダー突撃戦車をベースにしており、車体周囲に機関銃７丁を備え、車体上の砲塔に65mm砲を装備している。重量40トン。数両のみ生産された。参考：月刊JWings12,’03

＜二〇〇〇瓩爆弾＞：日本海軍が昭和16年5月から開発した２トン爆弾。試作前に開発中止になった。参考：日本海軍の爆弾

＜２００１号級＞：イギリス海軍機動掃海艇で、アメリカで建造されたものを150隻近く導入した。前期型は煙突２本、後期型は１本。全長41.3m、基準排水量207トン。速力14ノット。兵装は76mm単装高角砲１門、20mm単装機関砲２門。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜２００４式火箭筒＞：RPG-7海外シリーズ（対戦車ロケット）を参照。

＜２００５型＞：イギリス海軍の水上艦用曳航ソナーアレイで、アクティブ・パッシブ式。低周波を使用する。23型フリゲートに搭載されている。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜２００７型＞：イギリス海軍の潜水艦用ソナーで、船体側面に装備するフランク・アレイ式パッシブ・ソナーである。使用周波数は低周波（1-3kHz）。カナダ海軍アップホルダー級、チリ海軍オベロン級に搭載されている。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船1,'15増刊

＜２０１４アルミニウム＞：銅系高力アルミニウム合金の一種で、動4.4%、マンガン0.8%、マグネシウム0.4%、ケイ素0.8%を含む。引っ張り強さは１平方ミリメートルあたり48kg。参考：航空用語事典増補改訂版

＜２０１６型＞：イギリス海軍の水上艦用バウソナーで、捜索・攻撃用の低中周波アクティブ／パッシブ・ソナーである。インヴィンシブル級空母、42型駆逐艦、22型フリゲートに搭載されている。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊、艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜２０１７アルミニウム＞：ジュラルミンを参照。

＜２０１９／８２型音響迎撃受信ソナー＞：イギリス海軍トラファルガー級原潜及びスイフトシュア級原潜に搭載されているパッシブ・ソナー。インターセプト用で、敵のアクティブ・ソナーや魚雷の探知に使用される。参考：月刊軍事研究5,’01、艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜２０２０／７４／７６型コンフォーマル・アレイ・ソナー＞：イギリス海軍トラファルガー級原潜及びスイフトシュア級原潜に搭載されている船底ソナー。使用周波数は低周波で、基本は攻撃用パッシブ・ソナーだが、アクティブ・ソナーとしても使え、氷海での航行中に氷山を避けるのにも役立つ。参考：月刊軍事研究5,’01、艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜２０２４アルミニウム＞：超ジュラルミンを参照。

＜２０２６型＞：オランダ海軍ワルラス級潜水艦に搭載されているパッシブ曳航ソナー。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊

＜２０３１型＞：イギリス海軍の水上艦用曳航ソナーアレイで、超低周波を使用するパッシブ・ソナーである。22型フリゲートに搭載された。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜２０３１Ｚ型＞：イギリス海軍の水上艦用曳航ソナーアレイで、低周波パッシブ式。23型フリゲートに搭載された。参考：月刊軍事研究12,’15

＜２０４０型＞：イギリス海軍の潜水艦用パッシブ式バウ・ソナーで、使用周波数は中周波。カナダ海軍アップホルダー級に搭載されている。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船1,'15増刊

＜２０４３型＞：イギリス海軍の潜水艦用アクティブ／パッシブ式バウ・ソナー。2054型統合ソナーの一部を構成する。ヴァンガード級に搭載された。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船1,'15増刊

＜２０４６型＞：イギリス海軍の潜水艦用超低周波曳航ソナーアレイ。トラファルガー級などに搭載されており、ヴァンガード級では2054型統合ソナーの一部を構成している。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船1,'15増刊

＜２０５０型＞：イギリス海軍の水上艦用バウ・ソナーで、捜索・攻撃用の中周波（4.5-7.5KHz）アクティブ／パッシブ・ソナーである。同時追尾目標数40。23型フリゲート、42型駆逐艦に搭載された。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊軍事研究1,’14、10,’10、月刊世界の艦船1,'15増刊

＜２０５４型＞：イギリス海軍の潜水艦用統合ソナー、別名ソナー2054（Sonar 2054）またはS2054。2043型バウ・ソナー、2046型曳航ソナー、2082型高周波ソナーなどから構成される。ヴァンガード級に搭載された。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船1,'15増刊、1,’22

＜２０６５型＞：イギリス海軍の潜水艦用曳航ソナーアレイ。2076型統合ソナーを構成する曳航式パッシブ・ソナー・アレイである。アレイ部全長1200m、曳航ケーブル長400m。アスチュート級、トラファルガー級に搭載された。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊、1,’22

＜２０７２型＞：イギリス海軍の潜水艦用船底・側面装備パッシブ・ソナーで、使用周波数は低周波。トラファルガー級、スイフトシュア級に搭載されている。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版

＜２０７６型＞：イギリス海軍の潜水艦用ソナーシステム、別名ソナー2076（Sonar 2076）またはS2076。2079型バウ・ソナー、側面ソナー（船体両側面にアレイ３カ所ずつ）、2065型TASS、2077型氷塊・障害物探知回避ソナー（艦首下部）、水中電話（潜舵前後に送受信アレイを装備）で構成される。アスチュート級、トラファルガー級に搭載された。ドレッドノート級戦略原潜にも搭載予定。参考：月刊世界の艦船1,'22、1,'15増刊、9,’12増刊、1,’17、10,’23

＜２０７７型＞：イギリス海軍の潜水艦搭載近距離識別（機雷探知・障害物回避）用アクティブ・ソナー。コンフォーマル・アレイ・ソナーで、艦首（船体下部とセイル頂部？）に装着され、使用周波数は高周波。トラファルガー級、スイフトシュア級、アスチュート級に搭載されている。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船9,’12増刊、1,'15増刊、1,’17

＜２０７９型＞：イギリス海軍の潜水艦用艦首ソナー。2076型統合ソナーを構成するコンフォーマル・アレイ・ソナーで、艦首下部にソナーアレイが張り付けられている。アスチュート級、トラファルガー級に搭載された。参考：月刊世界の艦船9,’12増刊、1,'15増刊

＜２０８２型＞：イギリス海軍の潜水艦用高周波パッシブ・ソナーで、ソナーアレイはセイルに装着される。2054型統合ソナーを構成する。ヴァンガード級に搭載された。参考：艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船1,'15増刊

＜２０８７型＞：イギリス海軍の水上艦用低周波曳航ソナーアレイ。タレス社製UMS4249を導入したもので、アクティブ（周波数2kHz以下）及びパッシブ（0.1-100kHz）送受波モジュールを上下４段に装備する。マルチスタティックでの運用も可能。23型フリゲートと26型フリゲートに搭載された。参考：月刊世界の艦船5,’12、月刊丸2,’12、艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊軍事研究1,’14、10,’10、3,’13

＜２０９１型＞：MFS-7000（ソナー）を参照。

＜２０９３型シリーズ＞：イギリス海軍の機雷探知用高周波アクティブ／パッシブ式可変深度ソナー。1980年代にソ連軍が開発した深々度敷設上昇機雷に対抗するものである。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊、12,’22

＜２０９３型＞：VDS方式で、海中に下ろして使用でき、下ろさなければハル・ソナーになる。使用周波数は80kHz/350kHz。サンダウン級掃海艇に搭載された。海自も導入し、すがしま型掃海艇に搭載した。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊、12,'22、海上自衛隊全艦艇史

＜２０９３型ワイドバンド＞：改良型で、開発名称2093CSP（Capability Sustainment Programme）。探知能力や探知距離を強化している。サンダウン級掃海艇に2018年から搭載された。参考：月刊世界の艦船11,’18

＜２０９３型・海外シリーズ＞

　＜ＺＱＳ−４＞：海上自衛隊の機雷探知ソナー。ライセンス生産版で、ひらしま型・えのしま型掃海艇にハルマウントで搭載されている。S-10機雷掃討具の死角となる掃海艇至近の海面や浅深度の機雷を探知するのが主任務である。日立製作所製。参考：月刊世界の艦船5,’13、1,'15増刊、1,’19、海上自衛隊全艦艇史、月刊軍事研究2,’08

　＜ＺＱＳ−４−１＞：自衛隊の機雷探知機。日立製作所製。参考：月刊軍事研究4,’14

　＜ＴＹＰＥ２０９３−２＞：自衛隊の機雷探知機。日立製作所製。参考：月刊軍事研究5,’10

＜２１５０型＞：イギリス海軍26型フリゲート用アクティブ・パッシブ式バウソナー（ハルソナー？）。イギリスのウルトラ・エレクトロニクス社が開発した。2050型よりも小型軽量省電力である。使用周波数4.5-7.5kHz。同時追尾可能目標数40。23型フリゲートも改装で搭載した。オーストラリア海軍ホバート級イージス艦にも搭載されている。参考：月刊世界の艦船7,'20、9,’16、1,’22、10,'23

＜２１７０型＞：イギリス海軍の水上艦用魚雷防御システム、別名S2170、略称SSTD（Surface Ship Torpedo Defence）、輸出名称シー・セントー（Sea Sentor）。魚雷探知用の2070型曳航ソナー、曳航型音響デコイ、射出型音響デコイ（両舷に８連装発射機を搭載）から構成され、接近する魚雷を2070型ソナーにより自動的に探知・識別し、脅威評価を行ってコンソールに表示、操艦指示やデコイ作動の指示を出す。射出型音響デコイはLEAD（Launched Expendable Acoustic Device）と呼ばれるもので、臼砲発射型のMk13（全長419mm、直径123mm、重量7.5kg）とロケット発射型のMk14（全長1226mm、重量25.9kg）があり、射出４秒後に着水し、射出10秒後に作動する。曳航ソナー及び曳航デコイはフレキシブル・ケーブルFTB（Flexible Towed Body）内部に収容されるので、巻き取り機にそのまま巻き上げることができ、回収が容易である。イギリスのウルトラ・エレクトロニクス社が2001年から開発し、2004年10月に23型フリゲートD45ウェストミンスターで初の実用試験を実施、45型駆逐艦に新規装備され、182型曳航式音響デコイに換わって既存艦にも搭載された。参考：月刊世界の艦船8,’21、月刊軍事研究6,’15、4,’07、2,’07、1,’08

＜２１９３型＞：イギリス海軍の機雷探知用アクティブ／パッシブ式ハルソナー。探知距離1km。ハント級掃海艇に搭載された。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊

＜２２０８＞：中国海軍022型高速ミサイル艇１番艇。2004年5月進水。参考：月刊軍事研究4,’05

＜２２８５−１＞：自衛隊の空中線。昌新が受注している。参考：月刊軍事研究8,’18

＜２４００ＴＤ＞：イギリス海兵隊の小型ホバークラフトで、イギリスのグリフォン・ホバーワーク社が開発した。全長13.6m、全幅6.8m、搭載量2.4トン。主機はディーゼルで、推進は４翅ファン１基、最大速力35ノット。参考：月刊軍事研究1,’12

＜２４００型＞：ヴィッカーズ社が開発した潜水艦。FCSはTIOS-E。全長70.25m、水上排水量2160トン、水中排水量2400トン。主機はディーゼル・エレクトリック方式、インタークーラー・スーパーチャージャー付き４サイクル16気筒Ｖ型ディーゼル発電機（1350bkW）２基・電動機（4000kW）１基、１軸推進、シュノーケル速力10ノット、水上速力12ノット、水中速力20ノット。潜航深度200m以上。兵装は21インチ（533mm）魚雷発射管６門（魚雷・潜対艦ミサイル18本または機雷）。乗員44名。参考：ザ・マーチ39号

＜２５００エアロカー＞：1960年代にカーチス・ライト社が開発したエアクッション車両で、操縦席前後にダクテッドファンを持ち、地上を浮上走行する。アメリカ陸軍でテストされたが、採用されず、基地のゲートガードとして使用された。参考：月刊丸2,’12

＜２５１９アルミニウム＞：アルミニウム合金の１つ。7039アルミニウムの改良型で、マグネシウムの割合を減らし、銅を加えている。参考：月刊PANZER9,’03

＜２０１２０型＞：ロシア海軍実験潜水艦。水測兵装、水中兵器、UUVの実験用で、魚雷発射管２門や大口径VLSといったテスト用兵装も積んでいる。当初は小型原子炉をAIPとして使えないかテストしているという説があったが、そうではなかった。全長98.6m、幅10.6m、水上排水量2300トン、水中排水量3950トン（4064トン？）。主機はディーゼル・エレクトリック方式、水上速力10ノット、水中速力17ノット。乗員52名。B-90サロフが2008年に就役した。参考：月刊世界の艦船6,’15、3,’14、4,’20

＜２０１８０型シリーズ＞：プロジェクト20180シリーズ（多用途砕氷タグ）を参照。

＜２０３８０型シリーズ＞：プロジェクト20380シリーズ（コルベット）を参照。

＜２１１８０型＞：プロジェクト21180（砕氷艦）を参照。

＜２１３００Ｓ型＞：プロジェクト21300S（潜水艦救難艦）を参照。

＜２１６３０型シリーズ＞：プロジェクト21630シリーズ（コルベット）を参照。

＜２１８２０型＞：デュゴン級（汎用揚陸艇）を参照。

＜２１９８０型＞：プロジェクト21980（哨戒艇）を参照。

＜２２１００型＞：プロジェクト22100（警備艦）を参照。

＜２２１２０型＞：プロジェクト22120（沿岸警備艇）を参照。

＜２２３５０型シリーズ＞：プロジェクト22350シリーズ（フリゲート）を参照。

＜２２４６０型＞：プロジェクト22460（哨戒艇）を参照。

＜２２８００型＞：プロジェクト22800（ミサイル艇）を参照。

＜２３１２０型＞：プロジェクト23120（耐氷型支援船）を参照。

＜２３３７０型＞：プロジェクト23370（多目的カッター）を参照。

＜２３５５０型＞：プロジェクト23550（砕氷哨戒艦）を参照。

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