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＜リア＞：DD-118（駆逐艦）を参照。

＜リアーナ＞：ロシアが開発した海洋捜索・ELINT衛星システムLiana。参謀本部偵察総局ツェリーナ衛星とロシア海軍レゲンダ衛星の後継で、1993年から開発された。参謀本部偵察総局用ロトスＳ衛星２基、ロシア海軍用ピオンNKS衛星２基、地上指揮所からなり、艦対艦・潜対艦ミサイルシステムのみならず、地対艦ミサイルシステムに対する洋上目標捜索指示も行える。資金面などの問題で打ち上げが遅れており、2009年にロトスＳ衛星が１基打ち上げられ、2015年にロトスＳ衛星が２基になったが、ピオンNKS衛星の方は2015年前半現在まだ打ち上げられていない。参考：月刊軍事研究5,’13、9,’14、11,’15、月刊世界の艦船11,’14

＜リア・エンジン機＞：リア・マウント・エンジン機ともいう。後部胴体にエンジンを装備する航空機のことで、リアジェット社のビジネス・ジェットがこの形態で有名になったのでリアジェット機とも呼ばれる。後部胴体に加えて主翼にも付いている航空機も含めることがある。低翼配置の小型ジェット機は地上クリアランスの関係で主翼にエンジンポッドが付けられないため、双発以上にするならこの方式になる。主翼の空力特性を邪魔せず、フラップの効きも良く、客室後部以外では騒音も小さい。エンジン取付部の胴体構造を強化する必要があり、エンジン重量と相まって機体重心が後ろ寄りになるため、主翼も比較的後方に置くことになる。水平尾翼を胴体最後部に置くとジェット排気に巻き込まれるため、Ｔ型尾翼を採用することが多いが、大迎え角時のディープ・ストールに注意。エンジンポッド方式より装備位置が高いので、整備性に劣る。参考：航空機設計法、月刊JWings10,’09別冊付録

＜リアクション制御システム＞：Reaction control system。V/STOL機が低空低速飛行やホバリングをする際に、機体各所から高圧空気を噴射して機体の姿勢を制御するシステムのこと。参考：月刊JWings10,’09別冊付録

＜リアクション・ホイール＞：ホイールと呼ばれる錘をモーターで回転させ、反動で本体を逆に回す装置で、衛星の姿勢制御に使用される。太陽電池からモーターに電力を供給すれば良いので、姿勢制御用ロケットを噴射する必要が無く、頻繁に姿勢を変える偵察衛星などに搭載されている。参考：月刊JWings9,’16

＜リアクター＞：イギリスの国際合同企業体が開発中の自動てき弾発射機。レーザー探知機とてき弾発射機からなり、発射機は全周旋回とある程度の俯仰が可能なターレットに搭載される。４連装のボックス型で、66mmまたは76mmてき弾を搭載し、自動再装填機構と予備弾倉３個を積んでいる。参考：月刊軍事研究11,’99

＜リア・サイト＞：照門を参照。

＜リアジェット７０＞：ボンバルディア社の自家用ジェットLEARJET 70。胴体後部両側にエンジンがあり、主翼は低翼配置でウイングレット付き、尾翼はＴ字。客室最後部にトイレ兼用のシートベルト付き座席がある。全長17.1m、全幅15.51m、全高4.31m、最大離陸重量9.752トン、最大着陸重量8.709トン。エンジンはハネウェルTFE731-40-BRターボファン（推力17.1kN）双発、巡航速度マッハ0.75-0.81、実用上昇限度15545m、航続距離3815km。乗員２名。客席数７。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜リアジェット７５＞：ボンバルディア社の自家用ジェットLEARJET 75。リアジェット70の胴体を延長して座席数を２席増やしたもので、2013年11月14日にFAAの形式証明を取得した。全長17.56m、全幅15.51m、全高4.31m、基本運航重量6.3トン、最大離陸重量9.752トン、最大着陸重量8.709トン。エンジンはハネウェルTFE731-40-BRターボファン（推力17.1kN）双発、巡航速度マッハ0.75-0.81、実用上昇限度15545m、航続距離3778km。乗員２名。客席数９。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜リアジェット社＞：アメリカのビジネスジェット機製作会社。1960年にアメリカ人実業家のウィリアム・Ｐ・リアがスイスでSAACという航空機会社を立ち上げ、スイスのP-16試作戦闘機をベースとしたビジネスジェットSAAC23を製作しようとしたが、リアがアメリカで社長を務める会社の重役にビジネスジェット分野への進出を全力で反対されたため、その会社の株を売って資金を入手、SAACを解散してカンザス州ウィチタに立ち上げたものである。SAAC23から改称されたリアジェット23は1963年10月7日に初飛行し、派生型のリアジェット24やリアジェット25なども開発した。1967年、ゲイツ・ラバー社の傘下となり、ゲイツ・リアジェット社に改称された。参考：月刊JWings8,’16

＜リアジェット機＞：リア・エンジン機を参照。

＜リアシュアランス作戦＞：NATO軍が行っているヨーロッパ哨戒ミッションOperation Reassurance（再保証作戦）。2017年5月22日から１ヶ月間、カナダ空軍CF-18戦闘機６機がアイスランドでスクランブル任務を実施。8月まで、イギリス空軍タイフーンFGR.4戦闘機４機がルーマニア上空哨戒ミッションを実施。9-12月、カナダ空軍CF-18戦闘機４機がルーマニア上空哨戒ミッションを実施。参考：月刊航空ファン11,’17

＜リアシュエロ＞：S-40（潜水艦）を参照。

＜リアシュエロ級＞：ブラジル海軍計画戦艦Riachuelo級。1914年にイギリスに発注した。排水量30500トン、速力22.4ノット。兵装は38.1cm連装砲塔５基（38.1cm砲８門？）、15.2cm砲14門。装甲厚は水線部343mm、甲板32mm。財政難などで起工には至っていない。参考：月刊世界の艦船6,'20、近代戦艦史

＜リアット＞：エア・タトゥー（航空ショー）を参照。

＜リア・マウント・エンジン機＞：リア・エンジン機を参照。

＜リアリー＞：DD-158（フラッシュ・デッキ型駆逐艦）またはDD-879（ギアリング級駆逐艦）を参照。

＜リアルタイム・リージョナル・ゲートウェイ＞：NSAが2005年にイラクで行った通信データ傍受作戦。イラク国内の通信データを全てファイリングして分析、テロ対策に使用するものである。参考：月刊軍事研究9,’13

＜リアンダー＞：75（リアンダー級軽巡）またはF109（リアンダー級フリゲート）を参照。

＜リアンダー級＞：イギリス海軍軽巡洋艦Leander級。第１次大戦後初のイギリス軽巡で、世界恐慌の影響から経済性重視で建造された。ヨーク級の排水量を1000トン減らし、煙突を１本に纏めて前後ポールマストと共に垂直に立てて針路判定を困難にし、甲板を広くとって航空関係設備に充てている。これによりイギリス海軍巡洋艦唯一の一本煙突艦となった。全長169.1m、幅16.9m、吃水5.8-6.0m（4.9m？）、基準排水量6985-7270トン。主機は蒸気タービン４基４軸72000馬力、最大速力32.5ノット。兵装は50口径15.2cm砲Mk�]�]�V連装砲塔Mk�]�]�T４基（船体前後に２基ずつ背負い式に搭載。俯仰角はマイナス５度からプラス60度、最大射程11430m、実用発射速度毎分６発）、10.2cm単装高角砲４基、533mm４連装魚雷発射管２基（煙突直後両舷に１基ずつ）。装甲厚は舷側102mm、甲板32mm、主砲塔25mm、弾火薬庫98-25mm。マックタガート式カタパルト１基とオスプレイ水上偵察機など航空機１機（無理すれば２機）を搭載する。乗員570名。艦番号75リアンダー、20ネプチューン、85オライオン、70アキリーズ、22アジャックスの５隻が1933-35年に就役し、他に３隻がパース級としてオーストラリア海軍に引き渡された。後に高角砲を10.2cm高角砲Mk�]�W連装砲架Mk�]�\４基にしたり、エリコン20mm単装機関砲を追加したりしている。参考：近代巡洋艦史、第２次大戦のイギリス軍艦、月刊世界の艦船11,’14、4,’12、月刊丸4,’17

＜リアンダー級＞：イギリス海軍フリゲート12I型Leander級。12型フリゲートの改良型である。一部は戦闘システムとしてCAAISを搭載する。1963-71年に原型（前期型）16隻と幅広型（後期型）10隻が竣工した。後にアイカラSUM、エグゾセSSM、シーキャットSAM、シーウルフSAMの搭載改修が行われており、改装後の兵装の違いで最終的に５グループに分類されている。1994年までに退役したが、一部は海外に売却された。その他、オランダやニュージーランド、オーストラリア、インド、チリなどは輸入したりライセンス生産したりしている。参考：参考：月刊世界の艦船9,’96、3,’07、10,’11

　＜リアンダー級前期型＞：全長113.4m、幅12.5m、基準排水量2500トン、満載排水量2962トン（2860トン？）。主機は蒸気タービンで、速力28ノット。兵装は45口径11.4cm連装両用砲Mk6が１基、シーキャットGWS22艦対空ミサイル４連装発射機１基、リンボー３連装対潜迫撃砲Mk10が１基。ウェストランド・ワスプ対潜ヘリ１機を搭載する。参考：月刊世界の艦船5,’83

　＜リアンダー級幅広型＞：全長113.4m、幅13.1m、吃水5.8m、基準排水量2500トン。主機は蒸気タービンで、出力30000馬力、速力28ノット。兵装はシーキャット４連装発射機１基、リンボー３連装発射機１基、114mm単装砲２門。ヘリ１機を搭載できる。F12アキリーズ、F16ディオミード、F57アンドロメダ、F58ハーマイアニ、F60ジュピター、F70アポロ、F71シラ、F72アリアドニ、F75カリブディスが1968-73年に竣工した。参考：月刊世界の艦船5,’83

　＜リアンダー級バッチ１＞：アイカラSUM搭載改修を受けたもの。全長113.4m、幅12.5m、吃水4.5m、基準排水量2450トン。主機は蒸気タービンで、出力30000馬力、速力28ノット。兵装はシーキャット４連装発射機２基、アイカラ単装発射機１基、40mm機関砲２門。ヘリ１機を搭載可能。F10オーロラ、F15ユーライアラス、F18ガラテア、F38アリシューザ、F104ダイドー、F109リアンダー、F114アジャックスが就役した。参考：月刊世界の艦船5,’83

　＜リアンダー級バッチ２＞：主砲とリンボーを撤去してエグゾセと短魚雷発射管を搭載し、シーキャット発射機２基を追加した対空能力強化型である。後部マストの対空レーダーは966型に換装された。全長109.7m、幅12.5m、吃水4.5m、基準排水量2450トン、満載排水量3200トン。主機は蒸気タービン２基２軸30000馬力、速力28ノット。兵装はエグゾセMM38単装発射筒４基、シーキャット４連装発射機３基、40mm単装機関砲２門（F52は装備せず）、20mm単装機関砲２丁、324mm３連装短魚雷発射管２基。リンクスHAS3ヘリ１機を搭載可能。乗員248名。1975-85年にF45ミナーヴァなど原型４隻が改装を受けた。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

　＜リアンダー級バッチ２ＴＡ＞：主砲とリンボーを撤去してエグゾセ発射筒と短魚雷発射管を装備したタイプ。全長109.7m、幅12.5m、吃水4.5m、基準排水量2450トン、満載排水量3200トン。主機は蒸気タービン２基２軸30000馬力、速力28ノット。兵装はエグゾセMM38単装発射筒４基、シーキャット４連装発射機２基、20mm単装機関砲２丁、324mm３連装短魚雷発射管２基。リンクスHAS3ヘリ１機を搭載可能。乗員266名。F28クレオパトラなどが就役した。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

　＜リアンダー級バッチ３Ａ＞：エグゾセとシーウルフの搭載改修を行ったタイプ。重量軽減のため、965型レーダーを撤去してマストを小型化し、搭載艇をゴムボートに変更した。全長113.4m、幅13.1m、吃水4.5m、満載排水量2962トン。主機は蒸気タービンで、出力30000馬力、２軸推進、速力28ノット。兵装はエグゾセMM38単装発射機４基、シーウルフ６連装発射機１基、20mm単装機関砲１丁、324mm３連装短魚雷発射管２基。ヘリコプター１機を搭載できる。1968年から５隻が就役した。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、月刊世界の艦船5,’83

　＜リアンダー級バッチ３Ｂ＞：全長113.4m、幅13.1m、吃水4.5m、満載排水量2962トン。主機は蒸気タービンで、出力30000馬力、２軸推進、速力28ノット。兵装はシーキャット４連装発射機１基、114mm連装砲１基、20mm単装機関砲３丁、リンボー１基。ヘリコプター１機を搭載できる。1973年に１隻が就役した。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜リアンダー級・海外シリーズ＞

＜ヴァン・スペイク級＞：インドネシア海軍フリゲートVan Speijk級。１番艦の艦名からアフマッド・ヤーニー（Ahmad Yani）級ともいう。オランダから中古で購入した。全長113.4m、幅12.5m、吃水4.2m、満載排水量2835トン。主機は蒸気タービンで、出力30000馬力、２軸推進、速力28.5ノット。兵装はハープーン４連装発射筒２基、シーキャット４連装発射機２基、76mm単装砲１門、324mm３連装短魚雷発射管２基。ワスプ・ヘリコプター１機を運用可能。アフマッド・ヤーニー、スラメット・リヤディ、ヨス・スダルソ、オスワルド・シアハーン、アブドゥル・ハリム・ペルダナクスマ、カレル・サトゥイトゥブンの６隻が1986-90年に就役した。2015年現在の兵装は以下の通り。RGM-84A艦対空ミサイル４連装発射筒Mk141が２基（３隻）または3M5艦対空ミサイル２セルVLS２基（１隻）またはC802艦対艦ミサイル単装発射筒４基（２隻）、ミストラル艦対空ミサイル連装発射機シンバド２基、３連装324mm短魚雷発射管２基（Mk46短魚雷）、76mm砲１門。Bo-105/NBo-105ヘリ１機を搭載できる。参考：月刊世界の艦船9,’96、3,’92増刊、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜ヴァン・スペイク級＞：オランダ海軍フリゲートVan Speijk級。オランダ海軍が建造したもので、レーダーをシグナール社製のLW03及びDA05に換装している。ヴァン・スペイク、ティエルク・ヒッデス、ヴァン・ガレン、ヴァン・ネス、エフェルトセン、イサーク・スウェールの６隻が就役した。1976年に近代化改装を実施、114mm連装砲をオットー・メララ社製62口径76mm砲に、リンボーを３連装短魚雷発射管Mk32に換装し、ハープーン４連装発射筒２基を装備、電子装備を一新した。1986-90年に全てインドネシア海軍に売却された。参考：参考：月刊世界の艦船9,’96

　＜ズルフィクアール級＞：パキスタン海軍フリゲートZulfiquar級。中古艦をイギリスから輸入したもので、ズルフィクアールとシャムシールの２隻が1988年に就役した。搭載ヘリをSA319Bアルーエト�Vに変更している。全長113.4m、幅13.1m、吃水4.5m、満載排水量2962トン。主機は蒸気タービンで、出力30000馬力、２軸推進、速力28ノット。兵装はシーキャット４連装発射機１基、114mm連装砲１門、20mm単装機関砲３丁、リンボー１基。参考：月刊世界の艦船9,’96、3,’92増刊

　＜リアンダー級（インド海軍）＞：インド海軍フリゲートで、ニルギリ級、ヒムギリ級ともいう。リアンダー級幅広型がベースである。2-5番艦はシグナール社製のLW08及びZW06レーダーを搭載している。入れ子式のヘリ格納庫を持つ。全長113.4m、幅13.1m、吃水5.5m、基準排水量2450トン、満載排水量2962トン。主機は蒸気タービン２基２軸30000馬力、最大速力28ノット。兵装はシーキャット４連装発射機１基（２基？）、114mm連装両用砲Mk16が１基、20mm単装機関砲２門、リンボー１基。搭載ヘリは１機で、1-4番艦がチェタク、5-6番艦（４番艦と６番艦？ベアトラップ装備）がシーキングMk42。1972-80年にF32ヒムギリ、F33ニルギリ、F35ウーダイギリ、F36ドゥナギリ、F41タラギリ、F42ヴィンドゥヤギリの６隻が就役した。後に324mm３連装短魚雷発射管２基を追加し、シーキャットの代わりにAK630を装備した。F41タラギリとF42ヴィンドゥヤギリにはヘリ格納庫上にUAV操縦室を設置し、ヘロン�Uを運用できるようにしてある。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、6,’83、9,’96、月刊軍事研究1,’11、4,’11

　＜リアンダー級（エクアドル海軍）＞：エクアドル海軍フリゲートで、1991年に２隻を購入した。改装後のバージョンで、114mm砲のかわりにエグゾセMM38発射筒４基とシーキャット４連装発射機１基を搭載しているが、ミサイルそのものは両方とも引き渡されていない。プレシデンテ・エロイ・アルファーロとモラン・バルベルデが就役した。2015年現在の兵装は以下の通り。エグゾセMM40艦対艦ミサイル単装発射筒４基、ファランクスCIWS１基、114mm連装砲１基、324mm短魚雷３連装発射管２基（Mk46短魚雷。プレシデンテ・エロイ・アルファーロのみ）、ミストラル艦対空ミサイル連装発射機３基（モラン・バルベルデのみ）。ベル206Bヘリ１機を搭載可能。参考：月刊世界の艦船9,’96、THE MILITARY BALANCE 2016

　＜リアンダー級（チリ海軍）＞：チリ海軍フリゲートで、コンデル級ともいう。エグゾセMM40連装発射筒２基を追加し、ヘリコプター設備を拡大、NAS332CSシュペルピューマ１機を搭載可能としている。1973-74年にコンデルとリンチが就役した。また、1990年にミニストロ・ツェンターノ、1992年にヘネラル・バクェダーノをイギリスから購入しているが、こちらは搭載ヘリをベル206B1としたのみで、大きな改装は施されていない。1992年時点の諸元は、全長113.4m、幅13.1m、吃水5.5m、満載排水量2962トン。主機は蒸気タービン、出力30000馬力、２軸推進、速力29ノット。兵装はエグゾセMM38単装発射筒４基、シーキャット４連装発射機１基、114mm連装砲１門、20mm機関砲２門、324mm３連装短魚雷発射管２基。ヘリコプター１機を搭載可能。参考：月刊世界の艦船9,’96、3,’92増刊、ミリタリー・バランス1989-1990

　＜リアンダー級（ニュージーランド海軍）＞：ニュージーランド海軍フリゲートで、ワイカト（Waikato）級ともいう。イギリスでF-55ワイカト（標準型）及びF-421カンタベリー（幅広型）が1966年と1971年に竣工し、F-104サウスランド（標準型、元ダイドー）とF-69ウェリントン（幅広型、元バキャンテ）をイギリスから1982年に購入した。F-104サウスランドのみ前甲板にアイカラ対潜ミサイル発射機を搭載し、ヘリ甲板上のシーキャットが２基（他艦は１基のみ）になっている。全長113.4m、幅12.5m（幅広型は13.1m）、吃水5.5m、基準排水量2580トン。満載排水量3035トン。主機は蒸気タービン２基２軸30000馬力、速力28ノット。兵装はアイカラ対潜ミサイル発射機１基（F-104サウスランドのみ）、シーキャット４連装発射機１基（F-104サウスランドは２基）、114mm連装砲１基（F-104サウスランドは装備せず）、40mm単装機関砲２基（F-104サウスランドのみ）、12.7mm機銃4-6丁、３連装短魚雷発射管２基。ワスプHAS-1ヘリ１機を搭載可能。乗員243-260名。F-421カンタベリーとF-69ウェリントンは1984年から近代化改装を実施、対空捜索レーダーをシグナール社製LW08に変更し、F-421カンタベリーはシーキャット発射機をファランクスMk15に換装している。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、9,’96、2,’87

＜リー＞：M3シリーズ（中戦車）を参照。

＜リーウィン＞：オーストラリア海軍リーウィン級海洋観測艦１番艦Leewin。2000年5月就役。参考：月刊世界の艦船6,’05

＜リーウィン級＞：オーストラリア海軍海洋観測艦Leewin級。後部甲板は02甲板がヘリコプター発着スペース、下の上甲板が水中観測機器用作業甲板である。船体中央の上部構造物には観測室などが収められているため、背が高い。サイドスキャンソナーやマルチビーム測深儀を搭載する。全長71.2m、満載排水量2170トン。主機はディーゼル・エレクトリックで、出力2176馬力、速力14ノット。リーウィンとメルヴィルの２隻が2000年に就役した。参考：月刊世界の艦船6,’05、11,’00

＜リーエー＞：MHV904（哨戒艇）を参照。

＜リー・エンフィールドＭｋ．�Tシリーズ＞：イギリス軍の小銃で、マガジン・ライフルMk.�Tに続いて制式化された。参考：月刊PANZER10,’02

＜リー・エンフィールドＭｋ．�T＞：マガジン・ライフルMk.�Tの銃身をエンフィールド型ライフリング（山・谷がはっきりしている）の施されたものに換装している。諸元はほぼマガジン・ライフルMk.�Tと同じ。参考：月刊PANZER10,’02

＜リー・エンフィールドＮｏ．�T＞：リー・エンフィールドMk.�Tの改良型で、ショート・マガジン・リー・エンフィールド（SMLE）とも呼ばれる。1902年に採用されたが、全部隊に配備されたのは第１次大戦が終わってからだった。重量が4.2kgとなり、装弾数が10発に増えた。銃剣が長さ408mm、重量0.68kgで重いので、射撃に影響を与えたらしい。参考：月刊PANZER10,’02、拳銃・小銃・機関銃

＜リーオッキ＞：071（潜水艦）を参照。

＜リーサーガン＞：我甦らん、という意味のラテン語。1879年にイギリスで進水した潜水艦で、ジョージ・ギャレット牧師が開発した。水上では蒸気船として航行し、潜航時は主缶の火を消して貯蔵ボイラーに貯めた蒸気により水中航行する。試験中に損壊してしまい、採用されなかったが、スウェーデンのノルデンフェルトが注目して改良型を製作している。参考：Ｕボート入門

＜リーサル・コーン＞：敵機後方半頂角30度以内、距離800m以内の円錐空間で、ここに位置して射撃すると命中率が高い。参考：図解現代の航空戦、戦闘機のしくみ

＜リージェント＞：A486（給兵艦）またはN41（潜水艦）を参照。

＜リージョン＞：F74（駆逐艦）を参照。

＜リージョン・オブ・メリット勲章＞：アメリカ軍の勲章で、アメリカ大統領の承認により国防長官から授与される。国内外の軍関係者の卓越した功績を表彰するもので、戦闘を伴わない行為や業績に対するものとしては最高位である。2007年10月、折木陸幕長に授与された。2010年6月、折木統幕長（２度目の受章）に授与された。2012年11月30日、トモダチ作戦におけるアメリカ軍とのパートナーシップ強化の功績で、アメリカ国防総省空軍司令部副参謀長（前在日米軍司令官）フィールズ中将からの強い推薦があり、折木前統幕長（３度目の受章）に授与された。2014年8月1日、護衛艦隊司令官在職時の日米共同訓練などを通じた同盟強化の功績により、佐世保地方総監に授与された。11月4日、海幕指揮通信情報部長・第２術科学校校長時代の日米共同運用向上と日米軍人間の関係深化の功績により、呉地方総監に授与された。2023年3月19日、山崎統幕長がリージョン・オブ・メリット・ディグリー・オブ・コマンダーを授与された。参考：朝雲

＜リージョン・ポッド＞：ロッキード・マーチン社製赤外線捜索追尾ポッドLegion pod。パッシブ赤外線方式空中目標遠距離捜索追尾装置AN/ASG-34(V)1（IRST21）、データリンク、プロセッサを内蔵し、センサー融合技術によるディスプレイ表示能力を持つ。2015年6月30日、F-16Dのエアインテイク下に搭載し、複数目標捜索追尾テストに成功した。2016年9月20日、F-15Cの胴体中央パイロンに搭載してテストを実施した。参考：月刊JWings9,’15、12,’16、月刊軍事研究6,’15

＜リージョンム＞：066（潜水艦）を参照。

＜リーズ＞：G27（駆逐艦）を参照。

＜リーズ・キャッスル＞：K384（コルベット）またはP258（哨戒艦）を参照。

＜リーズタウン＞：APA-56（攻撃輸送艦）を参照。

＜リーズナー＞：FF-1063（フリゲート）を参照。

＜リースンシン＞：068（潜水艦）を参照。

＜リーダー級＞：プロジェクト21956（ミサイル駆逐艦）を参照。

＜リーダーズ・ベネフィット・ローパス＞：ブルーインパルス航過飛行の１つ、Leader’s Benefit。１番機が先頭に立ち、残る５機はその後方で横一列に並んで航過する。参考：月刊JWings6,’09

＜リーチフォークリフト（バッテリ式）＞：自衛隊の車両。双信商事が受注している。参考：月刊軍事研究9,’14

＜リーディング＞：G71（駆逐艦）またはPF-66（タコマ級パトロールフリゲート）を参照。

＜リーディング・エッジ＞：前縁を参照。

＜リーディング・システムズ社＞：Leading Systems Incorporated。イスラエル空軍のチーフデザイナーを務めていたアブラハム・カレムがアメリカで設立した無人機会社である。1984年からアンバーを開発したが採用されず、ナット750を開発したが財政難でジェネラル・アトミックス社に買収され、ジェネラル・アトミックス・エアロノーティカル・システムズになった。参考：月刊JWings7,’14

＜リーデル級＞：プロジェクト21956（ミサイル駆逐艦）を参照。

＜リード角＞：Lead angle。ラグ・ヒンジを有するローター・ブレードがハンティングを起こした際に、ローター・ブレードがハブに対する取り付け位置から回転方向へ前進している角度のこと。参考：航空用語事典増補改訂版

＜リード・コリジョン攻撃＞：Lead Collision Attack、見越し衝突攻撃、90度ビーム攻撃。全天候迎撃戦闘機による空対空ロケット弾を使用した敵爆撃機攻撃法である。GCIにより地上管制官が迎撃戦闘機を敵爆撃機に向かわせ、接近したところで敵爆撃機の側面に回り込ませるように飛行コースを変更させる。その後迎撃戦闘機のFCSレーダーにより敵爆撃機をロックオン、レーダー・スコープの射撃指示に従ってロケット弾を発射し、敵爆撃機の後ろを抜けるように離脱、必要に応じて追跡コースに切り替えて再攻撃に入る。参考：空軍

　＜リード・コリジョン攻撃（ＡＩＭ−７スパロー）＞：目標に接近したら目標を自機飛行コースと直角に捉え（高度差1000フィート／304.8m以内）、左45度・距離20マイル以上で自機のレーダーにロックオン。「ジュディ」とコールして地上レーダーもしくはAEWのレーダー支援を外し、距離10-20マイルでAIM-7ミサイルを発射する。ミサイルが外れた場合、直ちに目標の後ろについてサイドワインダーを発射する（90度ビームアタック・ウィズ・リアタック）。参考：アメリカジェット戦闘機

＜リード式プロペラ＞：アメリカのリード（Sylvanus Albert Reed）博士とカーチス社が開発した航空機用金属製固定ピッチプロペラ。鍛造製軽合金薄板を捻ってプロペラの形に仕上げたもので、それまでの木製プロペラより耐久性が格段に優れ、薄いためプロペラ効率も良く、プロペラの後ろにある空冷エンジンの冷却も改善した。ただ前縁を丸めただけで断面は翼型をしておらず、騒音や振動が激しく、時にブレードが破損することもあったらしい。日本では三菱内燃機がフランス製リード式プロペラの生産権を購入し、住友伸銅鋼管株式会社で鍛造素材を製作、三菱内燃機でプロペラに仕上げ、日本陸軍八七式軽爆と九二式偵察機に搭載した。参考：月刊航空ファン10,’19

＜リード射撃＞：見越し射撃を参照。

＜リード・スラッシュ現象＞：弾丸が装甲板などに当たって粉砕され、その破片が開口部に吹き込まれて内部を損傷すること。参考：月刊グランドパワー10,’00

＜リード・ターン＞：空中戦機動の１つ、見越し旋回。敵機が正対してきた際、敵に先んじて旋回に入り、敵の未来位置に合わせて後方に付くものである。敵機前方で旋回して減速するため、下手をすると射界を横切ってしまい先に撃たれるので注意。参考：戦闘機のしくみ

＜リード・パーシュート＞：空中戦機動の１つ。前方を旋回する敵機の未来位置に向けて旋回追尾していくもので、急旋回によりエネルギーをロスするため、相手よりも大きい運動／位置エネルギーを有する時に使用すると良い。参考：戦闘機のしくみ

＜リード・ラグ・ヒンジ＞：Lead lag hinge。単にラグ・ヒンジ（Lag hinge）とも、ドラッグ・ヒンジ（Drag hinge）ともいう。ローターブレードとハブを連結するヒンジで、フラップ・ヒンジよりも外側にあり、アルファ・ヒンジとも呼ばれる。ヘリコプターのローター回転面が傾いた時に、ブレードの重心が軸より遠くなったり近くなったりするが、この時ブレードの回転速度にぶれが出てドラッギングを起こすので、これを許容して付け根に無理なモーメントがかからないようにする役割があり、回転軸に平行に設けられる。スペイン人のファン・ド・ラ・シエルヴァがオートジャイロの回転翼に採用したのが始まりである。リジッド・ローターやシーソー・ローターでは省略されており、これらはローターブレードの弾性でドラッギングを吸収する。参考：月刊航空ファン10,’98、ザ・マーチ40号、月刊JWings5,’17、航空用語事典増補改訂版

＜リーナ作戦＞：第２次大戦でドイツがゼーレーベ作戦に先立って実施した、イギリス本土へのスパイ侵入作戦。Ｕボート、小型ボート、水上機、夜間空挺降下などにより1940年9月から11月12日までに25名を侵入させた。MI5は三重スパイ（元はMI6のエージェントで、ドイツ諜報機関と接触して情報を漏らしていたのがMI5にばれ、今度はMI5のエージェントとしてドイツ側に罠を仕掛けた）を利用して侵入場所や日時を特定し、11名を即座に逮捕している。参考：月刊軍事研究5,’10

＜リーニャ＞：岩手地本マスコットキャラ・陸自版。参考：朝雲

＜リーバＳＵＶ＞：南アフリカのリーバ社が開発した小型装輪装甲車。民間・VIP輸送用で、NIJ規格レベルB6の耐弾装甲とNATO規格レベル３の耐地雷装甲を持つ。最大重量4.9トン。最大速度120km。乗員２名、乗車兵員４名。参考：月刊軍事研究3,’11

＜リーバ装甲車シリーズ＞：南アフリカのリーバ社が開発した４×４輪装甲車。参考：月刊軍事研究3,’11

　＜リーバ４×４ロング・ホイールベース＞：

　＜リーバ４×４ショート・ホイールベース＞：ロング・ホイールベース型のホイールベース短縮バージョンで、運転席にドアが取り付けられた。耐弾防御はNIJ規格レベルB7プラスであり、両側面に厚さ8.9mmの装甲板を取り付けてIED対策にしている。耐地雷防御はNATO規格レベル４。エアコンと50リットル入り飲料水タンクを標準装備する。エンジンはMAN社製D0836LFL40ディーゼル（240馬力）、タイヤは365/80R20、最大速度100km。乗員２名、搭乗兵員数４名。参考：月刊軍事研究3,’11

　＜リーバ４×４フラットデッキ＞：車体後部をフラットデッキにしたもので、貨物運搬の他、兵装搭載スペース（機銃、迫撃砲など）としても使用できる。参考：月刊軍事研究3,’11

＜リーパー＞：D82（護衛空母）を参照。

＜リーピング・レナ作戦＞：ベトナム戦争時にアメリカ軍が行ったホーチミンルート急襲作戦で、南ベトナムの山岳民族であるモンタニャール人を訓練して5-6名のパトロールグループに纏め上げ、ホーチミンルート付近に空挺降下させるものである。訓練が不十分な上、士気も低かったため、全く戦果は挙げられず全員が戦死するか捕虜になる有様で、作戦は失敗した。参考：月刊軍事研究12,’08

＜リーフ＞：R-39（SLBM）を参照。

＜リー・フォックス＞：APD-45（高速輸送艦）またはDE-65（護衛駆逐艦）を参照。

＜リーブス＞：APD-52（高速輸送艦）またはCG-24（ミサイル巡洋艦）またはDE-156（護衛駆逐艦）を参照。

＜リーフ・スプリング＞：重ね板バネのこと。メイン・リーフと呼ばれる長い金属板の両端に取り付け用のスプリングアイが付いている。メイン・リーフの下に、それより短い補助リーフ・スプリングを何枚か重ねてばね力を増加させ、中央部をセンターボルト、左右をクリップバンドで固定。中央下に車軸を置いてＵボルトでリーフ・スプリングごと固定する。リーフの間はラバーを嵌めて摩耗や音を防ぐ。ばね自体がサスペンション構造材の役目を持っており、取り付けも簡単で、耐荷重性も大きく、古くから使用された。制動力などが働くと波打つ、ばね下重量が重くて乗り心地が悪いなどの欠点がある。参照：自動車のサスペンション

＜リーフ・パターン＞：ERDLパターン（迷彩戦闘服）を参照。

＜リーフ・ポイント＞：P-3A VPU（電子偵察機）またはP-3B VPU（電子偵察機）を参照。

＜リーフレット＞：M3CDL（特殊戦車）を参照。

＜リーフレット・ディスペンサー＞：アメリカ軍の宣伝ビラ散布弾。クラスター爆弾と同じ容器にビラを詰めてばらまく。PDU-5とM129がある。参考：月刊軍事研究9,’03

＜リー・ヘルムズマン（アメリカ海軍）＞：Lee Helmsman。機関電信装置を担当する係で、当直士官など操舵指揮官の命令を機関室に伝達し、応答の確認を行う。参考：米海軍サバイバルマニュアル

＜リー・ライト＞：イギリス沿岸航空隊司令部のリー中佐が第２次大戦時に開発した航空機搭載用サーチライト。夜間に浮上中のＵボートを発見するための機材で、2200万カンデラの強力なライトを上下左右に動かせる架台に装着したものである。ASV Mk2で目標を探知すると、飛行高度を76mに落としてＵボートに接近、距離1.6kmでライトを付け、Ｕボートを見つけると高度15mまで降下して爆雷を投下する。1940年から開発され、1942年7月5日に第172飛行隊のウェリントンMk8に搭載されて初出撃し、１隻を撃沈した。ＵボートはFuMB1/2メトックスでレーダーに対抗したため、1942年後半からは戦果が少なくなった。参考：連合軍の傑作兵器駄作兵器

＜リーリィ＞：DD-158（駆逐艦）を参照。

＜リール＞：F129（ロスシー級フリゲート）またはM648（掃海艇）を参照。

＜リヴァイアサン＞：イギリス海軍マジェスティック級空母Leviathan。1945年6月7日進水。その後建造中止になり、主機はオランダ海軍空母カレル・ドールマンの機関事故の際に転用されている。1968年に解体された。参考：イギリス航空母艦史

＜リヴァイアサン級＞：Ｔ級潜水艦・海外シリーズを参照。

＜リヴァリーの戦い＞：湾岸戦争中の2月25日、アメリカ海兵隊第２海兵師団予備役第４戦車大隊Ｂ中隊（M1A1HA13両装備）と、イラク陸軍第３戦車師団サラディン増強戦車大隊（第８機械化旅団所属）との間で行われた戦闘で、時間帯が朝方だったので、リヴァリー（起床ラッパ）の戦いという名が付けられている。イラク陸軍戦車大隊はT-72戦車35両を始めとする精鋭で、2月25日未明に第８海兵連隊の補給部隊を発見して攻撃に向かっていた。0530、早めに起床したＢ中隊副隊長は中隊長の下に向かい、0630から開始予定の攻撃について打ち合わせを開始した。0545、車輪隊形で警戒にあたっていた戦車隊員が東からソ連製車両のエンジン音を耳にし、中隊長に報告。また、M-1A1HA戦車の１両がサーマルサイトで北に移動中の動目標を発見し、戦車長が直接報告したが、中隊長はAAVP7A1が移動していると判断して対策を取らなかった。報告後、戦車長は副中隊長車の砲手にサーマルサイトで付近を捜索するよう伝えている。0550、中隊長らもソ連製車両のエンジン音を聴取、慌てて戦車に戻って付近を捜索。副中隊長車は、T-72戦車少なくとも12両が、掩体に隠されたT-55が固める1800m先の舗装道路を、３列縦隊で左から右に移動しているのを発見した。敵部隊は前方にいる海兵隊補給部隊を攻撃するため砲塔を正面に向けており、暗闇に潜むＢ中隊には全く気づいていなかった。Ｂ中隊に警報が発令されたが、サーマルサイトの暖機に２分かかるため、戦闘隊形に移るのが遅れた。副中隊長率いる第３小隊が漸く横一列の攻撃体型に移行する頃、イラク軍戦車は距離1000mにまで迫り、Ｂ中隊に向けて砲塔を旋回し始めた。このため、第１・第２小隊の隊形が整うのを待たず、副中隊長兼第３小隊長ハート大尉車が砲撃し、瞬時に２両を撃破した。続いて第３小隊のもう１両が発砲したが、戦場の緊張のためか２発連続で外した。ハート大尉が３両目を屠った頃、中隊13両全車が隊形を整え、最初の発砲から90秒以内にイラク軍部隊に襲いかかった。この頃には夜が明け始め、イラク軍戦車の数は35両にまで増えていたが、うち20両が瞬時に破壊され、イラク軍は組織的な戦闘が行えなくなった。更に第８海兵連隊のTOW搭載HMMWVが戦列に加わり、縦隊を離れて逃げようとする戦車・装甲車を一方的に攻撃。0630までにT-72戦車30両、T-62戦車１両、T-55戦車３両、YW531装甲車など７両が破壊され、72名が捕虜となり、イラク軍戦車大隊は壊滅した。Ｂ中隊の損害はゼロである。射距離1000m台の交戦で、T-72にも反撃可能だったが、暗視装置が貧弱だったため敵を見つけるのが遅れ、発射速度や照準精度に問題があって反撃が不十分になり、夜明け後は既に組織的戦闘ができない状態で、一方的にやられてしまった。参考：月刊軍事研究1,’09、8,’99

＜リヴィエラ＞：イギリス海軍リヴィエラ級水上機母艦Riviera。元は1911年6月に竣工した英仏海峡高速鉄道連絡船で、1914年8月11日にイギリス海軍が取得し、9月6日（8月13日？）に改造と公試を終えた。12月24日、水上機母艦エンガディン、エンプレスと共に、クックスハーフェンのドイツ軍飛行船格納庫を爆撃した。1915年2月、本格的な水上機母艦への改装工事に入った。完工後はドーバー戦隊に配備され、観測や対潜哨戒を実施。1918年、地中海で任務に就いた。1919年、原船主に返還された。参考：イギリス航空母艦史

＜リヴィエラ級＞：イギリス海軍水上機母艦Riviera級。主力艦隊に付随して航空偵察を行うのが主任務で、第１次大戦勃発を受けて急速就役させるため高速鉄道海峡連絡線を購入し、前後甲板にキャンパスで格納庫を作るという最低限の改造を行って完成させている。全長103.9m、幅13.4m、吃水4.5m、常備排水量2550トン。主機はパーソンズ式直結蒸気タービン３基、主缶はバブコック＆ウィルコックス式石炭専焼水管缶６基、出力11000馬力、３軸推進、速力20.5ノット、石炭搭載量400トン、航続距離860海里（10ノット）。兵装は40mm単装機関砲2-3門。水上機４機を搭載可能。乗員197名。運用してみると、改造が最小限過ぎて役に立たず、追加改装を受ける羽目になった。キャンパス張りの格納庫と後部マストを撤去し、中央船楼後部を削り、その部分から後甲板にかけて固定式格納庫を設け、格納庫後端に水上機揚収用クレーンを装備、兵装も28口径7.6cm単装砲または40口径7.6cm単装砲４門と47mm単装高角砲２門に換装している。ついでにアーク・ロイヤルと同様の陸上機搭載設備を設ける計画もあったが、これは断念された。1919年に原船主に返還されたが、第２次大戦勃発で再度イギリス海軍が取得し、水雷練習艦になった。参考：イギリス航空母艦史

＜リウイング＞：Rewing。旧式機の主翼を疲労強度の向上した主翼に交換すること。参考：航空用語事典増補改訂版

＜リヴェンジ＞：06（戦艦）またはS27（戦略原潜）を参照。

＜リエンジン＞：Reengine。リパワー（Repower）、リモーター（Remotor）ともいう。旧式機を更新する際、新型機にすると予算がかかりすぎるため、機体はそのままでエンジンだけ高性能型に交換すること。新規騒音基準に適応せず燃費の悪い旧式機を高バイパス比エンジンに換装する計画（DC-8、KC-135、B707など）が多数立てられてリエンジンの名称が生まれた。エンジンの老朽化で整備費がかさみパーツ入手も困難になったり、燃料共通化による後方支援統一を図ったりする場合にもリエンジンを行う。参考：月刊軍事研究6,’18、航空用語事典増補改訂版

＜リエンユン級＞：連云級（掃海艇）を参照。

＜リエンユンカン＞：522（フリゲート）を参照。

＜リオウ＞：K557（フリゲート）を参照。

＜リオー＞：AKA-60（攻撃貨物輸送艦）を参照。

＜李億祺＞：071（潜水艦）を参照。

＜リオ・グランデ・ド・ノルチ＞：D37（駆逐艦）を参照。

＜リオ条約＞：米州相互援助条約を参照。

＜リオ・ダムジ級＞：キューバ海軍ミサイル艇Rio Damuji級。兵装はP-15M艦対艦ミサイル単装発射筒２基、57mm砲２門。ヘリ甲板を持つ。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜リオ・デ・ジャネイロ＞：ブラジル海軍トーマストン級ドック型揚陸艦Rio de Janeiro。元はアメリカ海軍トーマストン級ドック型揚陸艦LSD-33アラモで、1989年にリースして2001年に購入した。2008年から大規模修理に入っている。2012年に退役した。参考：月刊世界の艦船12,’12、2,’14

＜リオ・デ・ジャネイロ級＞：ブラジル海軍計画戦艦Rio de Janeiro級。常備排水量30250トン。速力22.4ノット。兵装は30.5cm砲14門、15.2cm砲20門。装甲厚は水線部209mm、甲板38mm。1911年に１隻が計画された。参考：近代戦艦史

＜りおでじやねろ丸＞：日本海軍りおでじやねろ丸型特設潜水母艦、通称りお丸。元は昭和5年に竣工した大阪商船の貨客船である。太平洋戦争前に特設運送船として徴用され、昭和16年3月に特設潜水母艦に類別された。5月、改造を完了。12月8日、太平洋戦争開戦時は第５潜水戦隊に所属していた。昭和18年9月、特設運送船に艦種変更された。昭和19年2月19日、トラック空襲で沈没した。参考：写真集日本の小艦艇、日本の潜水艦パーフェクトガイド

＜りおでじやねろ丸型＞：日本海軍特設潜水母艦。総トン数9626トン。速力17.1ノット。兵装は15cm単装砲２門（前後甲板）、九二式13mm連装機銃２基（上構後部両舷。船橋上面両舷に九六式25mm連装機銃２基という説あり）。りおでじやねろ丸が昭和16年5月に改造された。参考：月刊モデルアート9,’15増刊

＜リオネル・デュモン＞：アル・カイーダ系列のテロリストで、中枢に近い人物といわれる。元はボスニア紛争にイスラム義勇軍として参加しており、出身地のフランスに帰国後、ルーベ（Roubaix）団という武装組織を形成した。早い段階でアル・カイーダの外国人義勇兵受け入れ組織と繋がりを持ち、フランスを追われた後はアフガニスタンで軍事訓練を行っている。フランスのアルジェリア系移民の出身者を配下に持っていたルーベ団は、英語やフランス語に長じており、アラブ諸国出身者中心のアル・カイーダで重要な地位を占めたようである。2002年7月から2003年9月まで、総計10ヶ月間にわたり日本に潜伏して資金調達やテロ準備を行っていたが、イスラム組織が発達していないので、上手くいかなかったようだ。日本を出た後はロンドンのヒースロー空港に対する迫撃砲テロの準備指令を受け、資金調達のため日本を再訪している。この計画がイギリス情報当局にばれたためフランスに戻って潜伏していたところを逮捕された。参考：月刊軍事研究2,’05

＜リオ・ハト空港強襲＞：ジャスト・コーズ作戦で第75レンジャー連隊レッド支隊ロメオ（第２・第３大隊）が行った強襲作戦。パナマ市西部（作戦地域イーグル）のリオ・ハト空港に空挺強襲を行った。12月20日0100、実戦初参加のF-117攻撃機２機が空港に隣接するパナマ軍兵舎に2000ポンド爆弾２発を投下。ほぼ同時にAC-130H２機、AH-64A２機、AH-6リトルバード２機が空港付近を攻撃した。0103、15機のC-130からジープ４両、バイク４台、無線装置、レンジャー837名が高度152mから降下を開始。最後にMC-130コンバットタロン３機が強行着陸し、特殊部隊と車両などを降ろした。制圧に５時間を要し、AC-130の誤射で２名が死亡した。参考：月刊軍事研究11,’03

＜リオ・パパロアパン＞：メキシコ海軍パパロアパン級戦車揚陸艦１番艦Rio Papaloapan。元はアメリカ海軍ニューポート級戦車揚陸艦LST-1179ニューポートで、2001年にメキシコ海軍で再就役した。2010年1月、ハイチ大地震救援に派遣された。参考：月刊世界の艦船12,’12、4,’10

＜リオ防衛条約＞：米州相互援助条約を参照。

＜りお丸＞：りおでじゃねろ丸（特設潜水母艦）を参照。

＜リオン＞：フランス海軍ゲパール級駆逐艦Lion。1931年竣工。1940年6月13日からヴァード作戦に参加。1942年11月にツーロンで自沈したが、1943年に引き揚げられてイタリア海軍に接収され、FR.21と命名された。イタリア降伏により、1943年9月9日にラ・スペチアで自沈した。参考：第２次大戦のフランス軍艦、月刊世界の艦船2,’18

＜りおん丸＞：日本海軍特設艦船。昭和16年12月8日、太平洋戦争開戦時は建制では第11航空艦隊付属、兵力部署では南方部隊航空部隊付属だった。参考：帝国海軍太平洋作戦史�T

＜リガ＞：アドミラル・クズネツォフ（空母）またはワリャーグ（空母）を参照。

＜リガ級＞：ソ連海軍警備艦（西側分類フリゲート）50型Riga級。コラ型の改良型である。全長91.5m、幅10.1n、吃水3.2m、基準排水量1160トン、満載排水量1416トン（1510トン？）。主機は蒸気タービン、出力20000馬力、２軸推進、速力28ノット（30ノット？）。兵装は56口径100mm単装砲３門、37mm連装機関砲２基、25mm連装機関砲２基、16連装対潜ロケット発射機２基、533mm３連装魚雷発射管１基（２基？）、爆雷投射機４基、爆雷投下軌条２条、機雷28個。1954-59年に68隻が建造され、うち22隻が共産圏向けに輸出された。参考：月刊世界の艦船9,’96、3,’92増刊、2,'21、ソ連／ロシア巡洋艦建造史

＜リガ級・海外シリーズ＞

　＜成都級＞：成都級を参照。

　＜リガ級（ブルガリア）＞：全長91.5m、幅10.1m、吃水3.2m、満載排水量1510トン。主機は蒸気タービン、出力20000馬力、２軸推進、速力30ノット。兵装は100mm単装砲３門、37mm連装機関砲２門、25mm連装機関砲１門、５連装対潜ロケット発射機４基、533mm３連装魚雷発射管１基、機雷28発。１隻を導入した。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜リカバリー＞：90式戦車回収車の愛称。参考：月刊JWings6,’01

＜リカバリ・ドーリー＞：自衛隊の機器。川崎重工製。参考：月刊軍事研究7,’16

＜離艦促進噴進器＞：日本海軍のRATOで、天山と彗星に２基を装着し、毎秒10mほど加速させることができる。参考：月刊丸4,’99

＜離艦補助用ロケットブースター＞：RATOGを参照。

＜リキ＞：九五式野戦力作車を参照。

＜リクイン＞：SS-481（潜水艦）を参照。

＜陸王＞：日本陸軍のオートバイで、三共が開発した。ハーレーダビットソン1934型に似ており、不整地走行用に取り付け位置を高くしたサイドカー（通称２階建て。防風カバー付き）を装着できる。参考：月刊戦車マガジン1,’88

＜陸・海・空合同コンサート＞：防衛省主催の広報行事で、陸上自衛隊中央音楽隊、海上自衛隊東京音楽隊、航空自衛隊航空中央音楽隊が参加し、1997年から毎年実施されている。参考：MAMOR vol.81

＜陸軍＞：移動速度の関係から対処時間は時・日単位、作戦域は空軍・海軍に比べればずっと狭く、国土を更に区切って分担している。基本運用単位は将兵一人一人で、各種兵器や車両などを運用しており、これらを有機的に統合して機能ごとの部隊を編成、更にこれらを有機的に統合して諸兵科部隊とし、重要な時期・場所に集中させることで戦力の発揮が可能となる。上級司令官が将兵一人一人を全て把握するのは不可能であり、２段階下あたりが限界で、分権的な運用が行われる。ただし脅威の種類によっては特定機能部隊による即応対処が要求されるので、集権運用組織も必要である。参考：月刊軍事研究3,’16

＜陸軍３長官＞：陸軍大臣、参謀総長、教育総監のこと。参考：帝国陸海軍事典

＜陸軍科学学校＞：日本陸軍の補充学校。所在地は東京都牛込区。参考：陸海軍学校と教育

＜陸軍科学研究所登戸出張所＞：陸軍登戸研究所を参照。

＜陸軍看護婦＞：日本陸軍の女性看護師。陸軍病院などに勤務する。参考：軍医サンよもやま物語

＜陸軍機甲整備学校＞：日本陸軍の実施学校。東京都世田谷区にある。陸軍自動車学校をベースとして昭和16年8月に創設された。機甲兵の戦車学生と砲兵の牽引車学生、幹部候補生（戦車担当の第１中隊、牽引車担当の第２中隊、自動車担当の第３中隊）の教育を行う。参考：陸海軍学校と教育

＜陸軍技術研究所＞：日本陸軍の航空電波兵器開発機関で、場所から多摩陸軍技術研究所（多摩研）ともいう。警戒機、標定機、機上標定機、誘導機、妨害機、識別機、探索機などを開発したが、機上電波警戒機と低高度用電波高度計しか実用化できなかったらしい。昭和18年7月に北多摩郡小金井町に開設された。昭和19年4月、電波兵器練習部を新編した。隷下に第１教育隊（機上電波兵器運用操作。水戸、浜松）、第２教育隊（電波兵器整備。小平）、第３教育隊（地上電波兵器運用操作。国立など）、第４教育隊（船舶用・対潜用電波兵器運用操作。岩国、鎌倉など）が置かれている。昭和20年春、立川空襲を受けて北多摩郡谷保村に移転した。参考：首都防空網と空都多摩

＜陸軍騎兵学校＞：日本陸軍の実施学校。千葉県二宮町にある。昭和7年、満州事変が勃発したため、装甲自動車班を臨時編成して現地に派遣した。昭和9年4月、前年7月に編成された旅団装甲車隊の要員教育を開始。昭和11年、丙種戦車学生の教育を開始。昭和14年、甲種戦車学生の教育を開始。昭和16年、幹部候補生隊を創設。下士官候補者隊は千葉戦車学校に吸収された。昭和19年7月、学校本部と教導隊が戦車第４師団に再編され、学生教育を中止して幹部候補生教育のみを行うようになった。8月、青野原に移動。本土決戦に備えて第２総軍担当地域の機甲教育を担当することになり、丙種戦車学生の教育再開準備に入ったが、そのまま終戦を迎えた。参考：陸海軍学校と教育

＜陸軍空中指揮統制システム＞：A2C2を参照。

＜陸軍軍医学校＞：日本陸軍の各部学校で、本部、教育部、研究部、診療部、防疫部からなり、入隊して軍医を志願した医師に対して軍医としての教育を施す他、衛生関連調査研究や薬品製造、診療などを行う。所管は陸軍省。東京都牛込区にある。大元は明治3年に大阪軍事病院で創設された軍医学校で、明治5年の日本陸軍創設により大阪の軍医学校は廃止されて東京の軍医寮学舎（麹町隼町。明治4年設置）で軍医を養成するようになり、明治6年3月に軍医学校と改称された。この頃の教育内容は、当時西洋医学をちゃんと学んだ医師がほぼいなかったことから普通医学がメインであり、軍として必要な軍陣医学は殆ど教えておらず、文部省による医師教育制度の確立で用済みとなって明治10年に軍医学校は廃止されている。その後は東京医学校の生徒を軍医生徒（第一期は明治14年卒業）として採用し、軍医学講習所で教育するようになったが、小手先の育成制度では内容が不十分であり、明治19年に陸軍省医務局の下に陸軍軍医学舎（陸軍省内）が創設され、本格的に軍陣医学を教育するようになった。軍医生徒として医科大学を卒業した者か、医科大学卒業後に陸軍軍医を志願した者を講習生として採用し、６ヶ月の学術教育で軍医とする。また、１−３等軍医に対する４ヶ月間の学生医官教育も行った。明治21年、施設が手狭になったため、麹町富士見町四丁目に移転し、陸軍軍医学校に改称された。明治21年末、陸軍軍医学校条例が制定され、主任務が在職医官を召集して軍人衛生事項を実験講究することと、医官候補生及び薬剤官候補生を教生することであると定められた。在職医官は毎年２回召集され、４ヶ月の講究を受ける。医官候補生は医科大学学生の軍医志願者を陸軍軍医学校内で生活させ、陸軍制服を支給、医科大学に通学させるものである。学校長は軍医監または一等軍医正。明治25年、専門軍医を養成する専攻学生制度が開始された。明治26年、佐官を養成する上長官学生制度が開始された。医官候補生は陸軍軍医学校内での生活を止め、全面的に外部の医科大学へ養成を委託することになった。日清戦争では軍医が不足したため、民間の医師を募集して間に合わせたが、その際に軍医としての教育を施したという記録は無い。明治29年、ロシアに備えた軍備増強に対応するため、現役軍医・薬剤官を志願する一般医師・薬剤師を臨時募集して４ヶ月教育を施し、見習医官・見習薬剤官として採用する制度を開始。日露戦争では学生に対する教育を中止して原隊に復帰させ、外地へと出征させた。明治35年、優等学生３名に対し、初めて恩賜品が下賜された。明治36年、優等学生が卒業式で御前講演を行うようになった。明治39年、日露戦争終結により教育を再開。明治41年、陸軍軍医学校条例が改正され、学生が普通学生（教育期間６ヶ月）、専攻学生（４ヶ月）、上長官学生（４ヶ月）の３種に分かれ、軍医生徒の制度が廃止された。診療部が新設され、軍人、軍属、それら家族の診療を行うようになった。陸軍軍医学校教育綱領が制定され、学術課目などが決定された。明治43年、学術練習と軍人医学研究のため、一般患者の診療を行うことが可能となった。明治45年、徴兵副医官として充用される軍医を選兵医学講習員として召集し、４週間の教育を施すようになった。大正6年、陸軍軍医学校教育綱領細則が改正され、教育課目の時間数が変更された。大正11年、陸軍軍医学校条例を廃止し、陸軍軍医学校令を制定した。学校長は軍医総監または軍医監で、教育部、研究部、診療部、防疫部からなる。学生は上長官学生、甲種士官学生（旧専攻学生）、乙種士官学生（旧普通学生）、准士官学生で、教育期間は１年間（上長官学生以外）。陸軍軍医学校教育綱領が改正され、課目や授業時間数が増加した。大正12年9月1日、関東大震災で本館などの施設が崩壊した。軍陣衛生学教室化学兵器研究室も損壊して塩素ガスが漏れたたため、防毒マスクを付けた研究室員が鎮圧している。大正13年、准士官学生が准士官・下士官学生に改称された。昭和4年、戸山町に移転。昭和9年、陸軍軍医学校令が改訂され、学校本部が設置された。また、学生が甲種学生（旧甲種士官学生）、乙種学生（旧乙種士官学生。依託学生／委託生徒向けで、教育期間１年）、丙種学生（旧准士官学生）と改称され、衛生部士官学生（後に衛生部尉官学生）が入学できるようになった。陸軍軍医学校教育綱領が改正され、課目数や時間数が変更された。昭和11年、勅令で副校長を置くことが定められた。昭和12年、日華事変勃発に伴い、傷病兵の診療を行えるようになった。昭和13年、航空医学研究のため、富士山頂に軍事衛生学教室富士分業室（別名航空医学研究室）を設置。昭和14年、丁種学生（防疫・給水を主任務とする防疫給水部に赴任する衛生部下士官を養成）と幹部候補生（衛生部予備将校となる甲種幹部候補生。教育期間１年）制度が創設された。太平洋戦争勃発で民間では外国医学が全く導入できなくなったが、軍医学校では大使館や第三国を通じて医学雑誌を入手し、心電図（当時は電心図と訳していた）などの最新医学教育・研究が行われている。昭和17年、歯科医も入校できるようになった。陸軍軍医学校教育綱領が改正され、戦術と衛生要務が教育時間数のトップになった。昭和19年、軍医候補生教育を開始。これに伴い、臨時東京第三陸軍病院と早稲田第一高等学院の建物を使用するようになった。また、東京陸軍幼年学校が八王子に移転したため、元の土地建物が陸軍軍医学校に移管され、教育部がそちらに移った。昭和20年、東京第１陸軍病院が長野に疎開したため、土地建物と患者が移管された。3月10日、東京大空襲で救護班２班を編成し、１班を皇居に、１班を被災地に派遣した。4月、東京の本校が空襲を受け、木造の建物が全て焼失し、衛生学教室、図書館、元東京第１陸軍病院本館だけが残った。これを受けて本部だけを東京に残し山形県に転営。幹部候補生は寒河江中学（現寒河江高校）、乙種学生と現役衛生部見習士官教育隊は山形高校（現山形大学）、丁種学生と軍陣防疫学教室は山形師範学校（現山形北高校）、軍医候補生隊（短期現役の後期で、8月入学予定）は新庄、診療部は上の山温泉、軍陣衛生学教室は天童に移った。また、薬剤教室は甲府に転営した。山形市が空襲を受けた際の救護協定も山形市と締結され、救護班２班を編成し、第７小学校と柏倉門伝小学校の臨時野戦病院に負傷者を収容、３週間以内に民間の医療機関へと移送することになった。山形では食糧事情が最悪で、東京本校から山形まで食材が運ばれてくる間に空襲を受けたり盗まれたりして主食が定量の半分以下になってしまい、副食も野菜というより野草という方が通りが良く、昼食後の１時間は課業を止めて昼寝に回すというカロリー消費量低減策で凌いだ。7月10-16日、山形に空襲の恐れがあるとして授業を中止し、防空態勢強化作業を実施。延焼防止のため宿舎間の渡り廊下を壊し、防空壕と物品壕を製作、不要不急な物品は疎開させた。しかし国有財産である高校の校舎の一部を破壊してしまったため、戦後に学校側が文部省から追求されて回答に窮したらしい。7月17日、山形に艦上機による空襲警報が出され、ちょうど講演を行っていた斎藤茂吉氏が途中で切り上げて講壇から降りてしまった。8月15日、乙種学生第26期生は新潟県で現地戦術を行っていたが、正午の重大放送に備えて午前の演習は中止となり、ラジオで玉音放送を拝聴したものの雑音で殆ど聞こえず、東京の軍医学校本部からポツダム宣言受諾を知らされた。8月16日、乙種学生第26期生が山形に帰校し、全員退校を命じられた。これは副校長兼山形地区隊長の代理である副官小西軍医中佐の独断で、軍人の身分を隠して早期に民間へと分散させ、戦後復興を進めるための措置であり、軍医学校での記録を全て焼却することや、アメリカ軍が皇室に手を出したら決起することを訓示している。8月17日付で乙種学生第26期生が退校した。軍人ということを秘匿するため復員証明書が発行できないので、学徒動員解除証明書などを代わりに発行し、配給を受けられるようにしている。学生は山形駅から汽車で帰郷することになるが、切符を買う際の軍人割引証が残るとまずいということで駅舎ごと燃やす計画を立案。驚いた国鉄側が軍人割引証無しで割引切符を配布して事無きを得た。9月2日、陸軍軍医学校の所属将兵が復員した。11月26日、陸軍軍医学校令が廃止され、陸軍軍医学校も廃制となった。参考：陸海軍学校と教育、歴史群像12,’10、軍医サンよもやま物語

＜陸軍軍医学校教育綱領＞：陸軍軍医学校での教育内容を定めたもので、明治41年に制定された。課目と時間数は軍陣衛生学９時間、軍陣防疫学７時間、軍陣外科学6.5時間、軍陣内科学５時間、選兵医学７時間、戦術学・地形学1.5時間、野戦衛生勤務学1.5時間、国際法大意附赤十字条約1.5時間である。大正6年に細則が改訂され、時間数が軍陣衛生学７時間、軍陣防疫学７時間、軍陣外科学９時間、軍陣内科学６時間、選兵医学7.5時間、戦術学・地形学1.5時間、野戦衛生勤務学1.5時間、国際法大意附赤十字条約１時間となった。大正11年に綱領改定が行われ、時間数が30倍以上に増えた。課目と時間数は軍陣衛生学150時間、軍陣防疫学160時間、戦傷学（旧軍陣外科学）230時間、軍隊病学（旧軍陣内科学）200時間、選兵医学80時間、初級戦術（旧戦術学・地形学）50時間、戦時及び平時衛生勤務学（旧野戦衛生勤務学）と国際法大意附赤十字条約140時間、臨床医学165時間、馬術120時間、外国語適宜である。昭和9年に綱領改定が行われ、臨床医学の時間が倍以上になり、課目も増えた。課目と時間数は軍陣衛生学160時間＋野外実習２日、軍陣防疫学160時間、戦傷学160時間、軍隊病学150時間、選兵医学80時間、戦術及戦史70時間、軍陣衛生要務（旧戦時及び平時衛生勤務学）120時間＋野外作業９日、臨床医学430時間、国際法10時間、外国語50時間、馬術50時間、体操及剣術60時間である。昭和17年に綱領改定が行われ、課目優先順位のみ示されて具体的な時間数が表記されなくなり、教育期間短縮にも対応できるようにした。課目は戦術及戦史（作戦要務令と内外戦史）、軍陣衛生要務、軍陣衛生学（化学戦衛生勤務含む）、軍陣防疫学、戦傷学、軍隊病学、選兵医学（徴兵身体検査法や体力検査法など。徴兵では詐病を見破り、志願では匿病を見つけ出す）、軍陣航空医学、軍陣熱帯病学（主戦場が南方になったため新たに開始）、軍陣病理学、体操及剣術、馬術、外国語（ロシア語や中国語など隣邦語のうち１つ）で、軍陣衛生材料学、兵要衛生誌、軍隊経理、国際法などは課外教育となった。また、佐官学生と甲種学生は体操及剣術、馬術、外国語の教育を行わなくても良い。太平洋戦争末期になると男性全員を根こそぎ動員したため、徴兵検査がまともに行われなくなり、選兵医学の教育が省かれるようになった。参考：陸海軍学校と教育

＜陸軍勲功部隊賞賛章＞：部隊感状（アメリカ陸軍）を参照。

＜陸軍刑法＞：陸軍軍人（帰休兵以外の入営している現役軍人、召集中の在郷軍人、陸軍軍人として勤務中の在郷軍人、陸軍制服を着用中か、陸軍服役上の義務を履行中の在郷軍人、服務中の志願兵。陸軍所属の学生、陸軍軍属、陸軍で勤務中の海軍軍人もこれに準ずる）に適用される刑法で、明治41年4月9日に制定され、10月1日から施行された。徴兵逃れの罪など、一部陸軍軍人以外にも適用される条文がある。参考：帝国陸海軍事典

＜陸軍経理学校＞：日本陸軍の各部学校で、主計を養成する。東京都小平市（太平洋戦争終戦当時は北多摩郡小平町）にある。軍人を学生として入校させる他、明治38年からは準軍人の生徒を入校させるコースが設けられた（大正11年に一旦廃止され、昭和11年に再開）。ただ養成人数が需要に追いつかず、足りない分は大学や高等商業学校の卒業生に軍で短期見習い勤務を施して直接主計にすることで補っていた。昭和20年9月23日、占領軍が進駐を開始。参考：陸海軍学校と教育、首都防空網と空都多摩

＜陸軍憲兵学校＞：日本陸軍の補充学校。所在地は東京都中野区。参考：陸海軍学校と教育

＜陸軍工科学校＞：日本陸軍の学校で、大正9年に陸軍砲兵工科学校から改称された。火工科、鞍工科、銃工科、鍛工科、木工科、機工科、電工科があり、１年半かけて旧制工業学校程度の一般教育と旧制工業専門学校程度の工科専門教育を行う。昭和15年7月31日、陸軍兵器学校に改称された。参考：陸海軍学校と教育

＜陸軍航空（日本陸軍）＞：日本陸軍の航空部隊。明治40年10月、気球隊を創設。明治42年7月、臨時軍用気球研究会に参加。明治44年4月5日、徳川大尉と日野大尉が初飛行を実施。大正4年10月、気球隊を航空大隊に改編。大正6年、航空大隊を航空第１大隊に改編し、航空第２大隊の編成に着手。10月、ニ式二四型練習機を導入。大正8年、ニ式八一型練習機とニ式八三型練習機を導入。1月、フランス航空教育団61名を招き、操縦、空戦、写真偵察、無線通信、空中射撃、爆撃、機関工、気球、機体製作、発動機制作の各術科教育を受講した。4月、陸軍航空部令を発令し、陸軍航空部と陸軍航空学校を設置。それまで陸軍省では航空行政一般を軍務局工兵課、器材行政を兵器局器材課、補給を兵器廠、兵器製作を東京陸軍砲兵工廠が担当しており、更に航空機の研究審査を臨時軍用気球研究会、エンジン生産を陸軍砲兵工廠が担任し、航空機を使う部隊（航空大隊）は近衛師団交通兵団の隷下で、複雑怪奇に過ぎたため、陸軍航空部本部で航空機調査研究と教育、同補給部で器材製造修理補給、補給部支部で航空機製造修理を行うようにして効率化を図った。11月、航空第４大隊を創設。12月、陸軍航空学校教育部に爆撃班を新設して爆撃機の研究を開始。大正9年、ス式一三型戦闘機100機を輸入。5月、臨時軍用気球研究会が解散した。航空第２大隊を創設。大正10年春、丁式一型爆撃機の配備を開始。4月1日、下志津陸軍航空学校と明野陸軍航空学校が開校。10月、丁式二型爆撃機と戊式一型練習機の配備を開始。11月、航空第３大隊と航空第６大隊を創設。12月、航空第５大隊を創設。大正11年8月、航空大隊を飛行大隊に改編した。大正12-13年、ニューポール三三型練習機を導入。大正13年5月、陸軍航空学校を陸軍飛行学校に改称。大正14年5月1日、航空兵科が独立し、陸軍航空部を陸軍航空本部に、陸軍飛行学校研究部を陸軍航空本部技術部に改編した。飛行大隊が飛行連隊に改編され、飛行第７・第８連隊が創設された。昭和3年、陸軍航空本部技術部を陸軍航空技術研究所に改編した。昭和6年、九一式戦闘機を制式化。九二式超重爆の生産を開始。12月（10月？）、九二式戦闘機を制式化。昭和9年、九三式軽爆撃機の配備を開始。10月、九四式偵察機を制式化。昭和10年、陸軍航空技術学校を創設。4月、九五式一型練習機を制式採用。8月、熊谷陸軍飛行学校を創設。10月、九五式三型練習機を制式採用。11月、九五式戦闘機を制式化。昭和12年、陸軍航空本部兵器研究方針改訂で、司令部偵察機、軍偵察機、直接協同偵察機の区分を設けた。九七式司令部偵察機を制式化。所沢陸軍飛行学校を廃止。10月、東京陸軍航空学校を創設。12月、九七式戦闘機、九七式輸送機を制式採用。昭和13年、陸軍航空士官学校を創設。九七式軽爆撃機、九八式軽爆撃機を制式採用。2月、九七式重爆撃機を仮制式化。6月、所沢陸軍航空整備学校を創設。7月、陸軍航空本部兵器研究方針改訂で襲撃機の区分を設け、軍偵察機と同一機種を使用することになった。10月、九八式直協機を制式化。昭和14年4月、陸軍航空技術学校を創設。7月6日、九九式高等練習機を制式採用。12月、九九式襲撃機を制式化。昭和15年、陸軍航空工廠を創設。5月、九九式双発軽爆撃機を制式化。7月、一式双発高等練習機の量産を開始。9月、一〇〇式司偵を制式化。昭和16年、戦闘機55個中隊、軽爆33個中隊、重爆33個中隊、偵察29個中隊が予算化されていた。8月、一式戦闘機を制式化。9月、新鋭機用として航空九二揮発油を採用。昭和17年、二式戦闘機と二式復座戦闘機を制式化。1月、二式高等練習機を採用。2月、二式複座戦闘機を制式化。10月、陸軍航空審査部が創設された。昭和18年3月、立川陸軍航空整備学校が創設された。6月、三式戦闘機を制式化。7月、多摩陸軍技術研究所が創設された。12月、三式指揮連絡機を制式化。昭和19年、四式戦闘機を制式化。四式重爆の量産を開始。6月、各航空学校の任務が生徒への教育と操縦教官による作戦行動に改められ、各航空学校が軍の組織へと改編された。昭和20年、五式戦闘機を制式化。4月、航空総軍を新編。参考：月刊航空情報8,’12、月刊JWings1,’13、4,’20、月刊航空ファン11,'15、12,’17、首都防空網と空都多摩、太平洋海戦史

＜陸軍航空学校＞：日本陸軍の学校。大正8年4月、陸軍航空部令に基づき、所沢飛行場で創設された。科目は高等操縦術を学ぶ甲種、偵察通信などを学ぶ乙種、航空機関・射撃・爆撃などを学ぶ丙種の３種類である。また、航空研究を行う研究部も設けた。大正8年12月、教育部に爆撃班が新設された。射撃分校建設地を三重県明野ヶ原（後の明野飛行場）に決定。大正10年4月、所沢飛行場の空域が狭かったため、下志津飛行場を開設し、偵察教育を行う下志津分校を開校した。射撃分校を明野分校に改称。大正13年4月（5月？）、陸軍飛行学校に改編され、各分校は所沢陸軍飛行学校、下志津陸軍飛行学校、明野陸軍飛行学校に改編された。大正14年5月、所沢陸軍航空学校研究部が陸軍航空本部技術部に改編された。昭和12年10月、少年飛行兵の教育機関として東京陸軍航空学校が創設された。当初は熊谷陸軍飛行学校を間借りしていたが、昭和13年9月に北多摩郡村山に移転している。昭和18年3月、陸軍少年飛行兵学校に改編された。参考：首都防空網と空都多摩、月刊航空ファン3,’17、11,'15

＜陸軍航空技術学校＞：日本陸軍の補充学校で、整備士養成を主任務とする。所在地は東京都立川市。元は昭和10年8月に所沢飛行場で創設された航空技術学校で、昭和14年4月に陸軍航空技術学校と改称して立川に移った。東京陸軍航空学校、水戸陸軍飛行学校、熊谷陸軍飛行学校の修了生に対し、航空機の機体とエンジンの高度整備技術を教育して整備担当下士官や幹部候補生を養成する上級学校である。昭和19年6月に廃止された。参考：陸海軍学校と教育、首都防空網と空都多摩

＜陸軍航空技術研究所＞：日本陸軍の組織で、試作機のテストなどを行う。昭和3年11月、陸軍航空本部技術部をベースに東京府北多摩郡立川町（立川飛行場の隣）で創設された。昭和10年8月、建物を増設した。昭和14年7月、試作機審査部門が陸軍飛行実験部となった。昭和15年4月、陸軍飛行実験部が独立し、多摩飛行場に移った。昭和17年10月、第１−第８陸軍航空研究所に分かれた。第３陸軍航空研究所は武器弾薬、射爆撃、航空化学兵器を担当し、小金井町に設置された。第８陸軍航空研究所は立川にあり、航空医学や航空衛生学を担当した。昭和20年6月10日、空襲を受けた。6月11日、空襲を受けた。参考：丸エキストラ版No.71、首都防空網と空都多摩、軍医サンよもやま物語

＜陸軍航空工廠＞：日本陸軍の航空機製作施設。昭和15年、北多摩郡立川町（立川飛行場の隣）に設置され、6月に航空機製作所、9月にエンジン製作所が竣工した。昭和20年4月4日、空襲を受けた。6月11日、空襲を受けた。8月2日、空襲を受けた。参考：首都防空網と空都多摩

＜陸軍航空士官学校＞：日本陸軍の補充学校。昭和13年に陸軍士官学校所沢分校として開設され、同年12月に陸軍士官学校から独立して陸軍航空士官学校に改称され、陸軍航空総監部の下に置かれた。所在地は埼玉県豊岡町。航空兵科士官候補生の教育が主任務で、隊付期間を短くして教育期間全体は長めにとっており、22ヶ月の教育を受けて曹長となり、連隊で見習士官として３ヶ月過ごして少尉になる。陸軍士官学校第54-55期の航空兵は航空士官学校での教育が長かったため、他兵科の同期より少尉任官が半年遅れた。参考：陸海軍学校と教育、月刊丸4,’99、首都防空網と空都多摩

＜陸軍航空廠＞：日本陸軍の航空部隊補給機関。昭和10年8月、陸軍航空補給部から改編されて創設された。東京に陸軍航空本廠が置かれ、陸軍航空廠立川支廠、各務原支廠、平壌支廠、屏東支廠などが設置されている。昭和13年12月、帯広、宇都宮、大阪、満州に支廠、柏に柏分廠が設けられた。昭和17年10月、陸軍航空本廠が廃止され、各支廠は立川陸軍航空廠などとして独立し、陸軍航空本部の隷下に入った。参考：首都防空網と空都多摩

＜陸軍航空審査部＞：日本陸軍の組織で、昭和17年10月に陸軍飛行実験部から改称されて創設された。東京の西多摩郡福生町にある。航空機の性能審査に加え、エンジン、兵装、各種装備、航空医学なども審査研究することとなった。試作機を名人芸ではなく実戦部隊に近い形でテストするのが目的である。昭和19年末から本土空襲が開始されると、臨時防空部隊を編成して三式戦闘機・四式戦闘機を駆って出撃、時にはキ−102甲・乙や五式戦闘機といった試作戦闘機まで持ち出した。昭和19年11月24日にはキ−102甲で出撃したが、排気タービンを持つこの機体でも高度11500mを悠然と飛行するB-29には追いつけず、防空戦の前途多難さを示唆する結果となった。以降も防空戦闘にあたりつつ秋水や橘花の実用試験を行い、終戦を迎えた。昭和20年9月3日、占領軍が進駐を開始。参考：日本陸軍戦闘機隊、丸エキストラ版No.71、首都防空網と空都多摩

＜陸軍航空整備学校＞：日本陸軍の学校。補充学校として所沢陸軍航空整備学校（埼玉県所沢町）と岐阜陸軍航空整備学校（岐阜県各務原村）、実施学校として立川陸軍航空整備学校（東京都立川町）がある。昭和13年6月、所沢陸軍航空整備学校が開設され、下士官学生、幹部候補生、技術生徒などへの整備教育を開始した。また、北多摩郡村山村に分教場が置かれた。昭和18年8月、村山村の分教場を立川陸軍航空整備学校に改編した。昭和19年6月、立川陸軍航空整備学校が廃止され、立川教導航空整備師団に改編された。参考：陸海軍学校と教育、首都防空網と空都多摩

＜陸軍航空総監部＞：日本陸軍の組織で、昭和13年12月に発足し、陸軍航空士官学校を管理下に置いた。初代総監は東条英機。参考：月刊丸4,’99

＜陸軍航空隊（ソ連）＞：ソ連前線空軍のうち、陸軍に直接協力する部隊。前線軍から軍事作戦域という編制方式に変わった際、航空支援のレスポンスタイムを短縮し、地上部隊との密接な連携を図るために創設された。参考：攻撃ヘリコブラ＆アパッチ

＜陸軍航空通信学校＞：日本陸軍の補充学校。茨城県吉田村にある。参考：陸海軍学校と教育

＜陸軍航空部＞：日本陸軍の航空行政担当部門。本部で航空機調査研究教育、補給部で器材製造修理補給などの事務、所沢飛行場の補給部支部で航空機製造修理などの実務を行う。大正8年4月に陸軍省内で創設され、大正9年に三宅坂に本部を移した。大正9年9月、補給部に各務原支部が新編され、補給部支部は所沢支部に改称された。大正14年5月1日、陸軍航空本部に改編された。参考：首都防空網と空都多摩

＜陸軍航空本部＞：日本陸軍航空兵の本務、航空兵器工業、新型機種選定に関する事項などを決定する機関。航空気象関係の管轄機関でもある。本部長は大将または中将で、陸軍大臣に隷属する。総務部、技術部（所沢陸軍航空学校研究部から改編・編入）、補給部（所沢支部、各務原支部）、検査部を置き、定員は139名。大正14年5月1日、陸軍航空部から改編されて誕生した。昭和3年8月、技術部が所沢から立川に移転。11月、技術部が陸軍航空技術研究所として独立した。昭和9年5月、補給部所沢支部を立川飛行場の隣に移して立川支部に改称した。昭和10年8月、補給部を陸軍航空廠に改編した。昭和16年12月、三宅坂から市ヶ谷本村町に移転した。昭和17年10月、航空審査部、航空工廠、航空技術研究所、陸軍航空廠が隷下に入った。昭和18年、北多摩郡に出張所が設置された。参考：首都防空網と空都多摩、帝国陸海軍事典、月刊航空情報8,’12

＜陸軍高射学校＞：日本陸軍の実施学校で、陸軍防空学校を昭和19年4月に改称したものである。所在地は千葉県千葉市。参考：陸海軍学校と教育、月刊丸12,’11

＜陸軍工兵学校＞：日本陸軍の実施学校。千葉県松戸町に所在している。工兵少尉が普通課程に入学し、１年半の教育を受ける。卒業すると優秀な数名は砲工学校員外学生課程、上３分の１は高等科、それ以外は乙種学生課程に進む。参考：陸海軍学校と教育

＜陸軍功労章（アメリカ陸軍）＞：ARmy Achievement Medal（ARAM）。非戦闘時に挙げた優れた功績や職務に対して授与される。参考：月刊コンバットマガジン7,’06

＜陸軍参謀本部＞：参謀本部（日本陸軍）を参照。

＜陸軍士官学校（アメリカ陸軍）＞：ウェストポイント士官学校を参照。

＜陸軍士官学校（日本陸軍）＞：日本陸軍の補充学校で、兵科（憲兵と航空関係を除く）現役将校となすべき生徒（陸軍幼年学校卒業者と召募試験合格者）、乙種学生（曹長と准尉で選抜試験に合格した者。昭和16年12月から昭和19年夏まで）、丁種学生（予備役大尉・中尉で選抜試験に合格した者を兵科現役将校にする制度。昭和16年初めから昭和19年8月までの４期）、留学生（満州国。第58期からは日系士官候補生は生徒となり、フィリピン、ビルマ、インド、ジャワ、スマトラ、マレー、北ボルネオ、中華民国が留学生となった）を教育する。２年間の陸軍士官学校予科の時点では階級は無く、身分は生徒／学生／留学生だが、卒業すると士官候補生となって伍長の階級が付き、連隊に６ヶ月間配属されて上等兵に昇格、陸軍士官学校本科に軍曹で戻り、10-12ヶ月の陸軍士官学校本科の教育（主に指定兵科の小隊長になるためのもの）を受け、見習士官（曹長）になって連隊に配属される。本科教育は訓育（全教育の基調となる伝統精神）、学科（戦術、戦史、軍制、兵器、射撃、航空、築城、交通、測図、馬学、衛生、教育、外国語）、術科（演習場での教練、剣道、体操、馬術実習、典範令解説）からなる。学科では戦術、戦史、軍制で31%を占め、唯一の普通学である外国語（英語、フランス語、ドイツ語、ロシア語、中国語）は9%だった。生徒は生徒隊（学生は学生隊、留学生は留学生隊）を編成しており、生徒隊は30名の区隊と、5-6個区隊からなる中隊で構成される。兵科の割り振りは予科の卒業時で、本人志望に基づいて区隊長らが決定するが、決定日直前に卒業100日前の100日祭が開かれるため、兵科大明神と任地大権現を祀ってお祭り騒ぎとなる。学科、訓育、術科（剣道・体操など）では区隊がそのまま班となって教育を受けるが、教練の時は兵科ごとに再編されて教練班を編成する。卒業時には相模原で展覧演習が行われるが、これは見せるための演習で、実質的な最終演習は須走から籠坂峠を越えて山中湖に向かう追撃戦だった。明治7年12月、尾張藩上屋敷に創設された。建設場所から、市ヶ谷台の通称が付いている。明治20年6月、官制公布された。昭和12年9月30日、陸軍軍備拡充計画に伴い、陸軍予科士官学校が分離し、陸軍士官学校の方は座間相武台に移った（これに伴い通称も相武台になった）。この時本科の教育を受けていた第50期生は9月31日に市ヶ谷台から相武台に引っ越し、第51期生以降は直接相武台に入校（航空兵科は所沢分校を経て豊岡分校に入校）している。相武台の敷地は24万坪で、正門正面に学校本部、右に大講堂、東側に雄健（おたけび）神社、学校本部の奥に数棟の講堂と図書館、敷地中央に中隊生徒舎、その裏に食堂と剣道場、その北側に厩舎と馬場、西側に砲廠と車両廠、東に高等官集合所、生徒集合所、皇族舎などがあった。学校の敷地の隣には140坪の陸軍演習場が設けられた。昭和13年夏、日華事変勃発に伴う生徒数増加に対応するため、正門前の道路南側に南校舎が増設された。昭和19年、対米戦を想定した教育を開始（それまでは対ソ戦の応用で済むと考えていた）。4月、第57期生が卒業。第58期生が入校。10月、戦局悪化で予科士官学校を繰り上げ卒業した第59期生が入校。昭和20年春、食糧欠乏が顕著になり、主食すら食器の３分の１くらいしか盛られず、校庭に芋やカボチャを植えて賄ったが、平均体重は毎月減少していった。また、空襲に備えて防空壕が掘られた。6月7日、長野県北佐久郡に疎開。中隊ごとに国民学校に分宿して教育を受けた。食糧事情は最悪となり、演習帰りに背嚢に野草を詰めて帰投する有様だった。7月、第58期生が短縮教育で卒業。第60期生が入校。8月、富士山麓で長期野営演習を行っている最中に終戦を迎えた。参考：陸海軍学校と教育、月刊軍事研究9,’12、軍医サンよもやま物語、朝雲、人道・博愛−百年のあゆみ、MAMOR vol.162

＜陸軍士官学校事件＞：昭和9年11月、陸軍士官学校の士官候補生らがクーデター計画を立てたとして停職とされ、真崎甚三郎教育総監が監督責任を問われて罷免された事件。実際にはクーデター計画は無く、皇道派の教育総監を統制派の辻正信中隊長が追い落とすためにでっち上げたとされる。参考：歴史群像4,’11

＜陸軍輜重兵学校＞：日本陸軍の実施学校。東京都目黒区にある。輜重兵科に関する教育を行う。昭和15年、陸軍自動車学校から独立して創設された。参考：陸海軍学校と教育、歴史群像6,’16

＜陸軍自動車学校＞：日本陸軍の学校で、軍用車両に関する教育を行う。大正14年に創設された。昭和15年、陸軍輜重兵学校が独立した。参考：歴史群像6,’16

＜陸軍獣医学校＞：日本陸軍の各部学校。東京都世田谷区にある。参考：陸海軍学校と教育

＜陸軍州兵＞：アメリカの州軍部隊で、ARNG（Army National Guard）と略す。有事にはアメリカ陸軍に組み込まれる。参考：月刊軍事研究5,’16

　＜陸軍州兵（２００１年）＞：兵力357200名。動員師団８個（機甲１個、機械化３個、中３個、軽歩兵１個）、独立旅団18個（うち増強15個。機甲２個、機械化５個、歩兵７個、機甲騎兵１個）、野戦砲兵旅団司令部17個、偵察群１個、独立歩兵大隊１個、独立砲兵大隊36個、独立航空大隊19個、独立防空大隊11個（パトリオット２個、アヴェンジャー９個）、独立工兵大隊37個からなる。参考：THE MILITARY BALANCE2001・2002

　＜陸軍州兵（２０１５年）＞：兵力34万名。師団司令部８個、司令部組織６個、特殊部隊群２個、旅団戦闘団28個（歩兵旅団戦闘団20個、機甲旅団戦闘団７個、ストライカー旅団戦闘団１個）、多機能支援旅団45個、機能支援旅団／機能支援群51個からなる。ペンシルベニア州に第28歩兵師団、ヴァージニア州に第29歩兵師団、ミネソタ州に第34歩兵師団、カンザス州に第35歩兵師団、テキサス州に第36歩兵師団、インディアナ州に第38歩兵師団、カリフォルニア州に第40歩兵師団、ニューヨーク州に第42歩兵師団の各司令部が置かれている。参考：月刊軍事研究5,’16、THE MILITARY BALANCE 2016

＜陸軍重砲兵学校＞：日本陸軍の実施学校。神奈川県浦賀町にある。参考：陸海軍学校と教育

＜陸軍省＞：軍政に関する中央統轄機関で、陸軍軍政管理、陸軍軍人・軍属統括、所轄諸部・諸学校監督が主な機能である。トップは陸軍大臣で、大将または中将が任命される。昭和20年11月30日に廃止された。参考：帝国陸海軍事典、歴史群像8,’02

＜陸軍省軍務局長斬殺事件＞：福山の歩兵第41連隊所属の中佐が皇道派の怪文書を読み、陸軍省軍務局長が国防予算を減らして皇道派を弾圧、日本を外国の侮蔑に晒す行動に出ると信じ込んだため、上京して局長に面会、辞職を求めた。この時は退いたが、台湾赴任命令が出され、その直前の昭和10年8月にまた上京して局長室に上がり込み、局長を斬り殺した。中佐は翌年7月3日に銃殺刑となった。参考：月刊軍事研究7,’05

＜陸軍賞賛章（アメリカ陸軍）＞：ARmy Commendation Medal（ARCM）。戦闘時・非戦闘時の勇敢な行為や優れた功績・職務に対して授与される。参考：月刊コンバットマガジン7,’06

＜陸軍少年戦車兵学校＞：日本陸軍の補充学校。昭和14年に陸軍戦車学校で創設された少年戦車兵の生徒隊が始まりで、昭和16年12月1日に少年戦車兵学校令が公布されて千葉陸軍戦車学校内に創設された。昭和17年には朝日新聞社が全２巻の宣伝映画を製作している。昭和17年8月に西富士（静岡県上井出村）に転出した。終戦までに７期4160名が入校した。参考：陸海軍学校と教育、機甲入門

＜陸軍少年通信兵学校＞：日本陸軍の補充学校。東京陸軍少年通信兵学校（東京都東村山村）と村松陸軍少年通信兵学校（新潟県菅名村）がある。参考：陸海軍学校と教育

＜陸軍少年飛行兵＞：日本陸軍の航空要員養成制度。身体検査、学科検査、適性検査で合格したら、少年飛行兵学校で１年、飛行学校・航空通信学校・航空整備学校で１年の教育を経て下士官に昇任する。合格時の年齢により甲種生徒と乙種生徒に分けられ、年長者が所属する乙種生徒は教育期間が短い。教育内容は午前が学科として普通学（国語、数学、物理化学、図画など）や軍事学（兵器学、地形学、航空兵操典、体操教範、剣術教範、衛生救急法、軍人勅諭、戦陣訓、作戦要務令、歩兵操典など）を学び、午後が術科で実技を行う。夜中に非常呼集がかけられることもある。下士官昇任後、3-4年で航空士官学校に少尉候補生として入校することが可能。昭和18年10月入校の第17期生は昭和19年10月に卒業して各飛行学校に配属されたが、昭和20年初めには戦局悪化で飛行訓練を行えなくなり、本土防空部隊に回されて本土決戦訓練中に終戦を迎えた。参考：陸海軍学校と教育

＜陸軍少年飛行兵学校＞：日本陸軍の補充学校。昭和18年3月に制定された陸軍少年飛行兵学校令に基づき、陸軍航空学校から改編されて創設された。東京陸軍少年飛行学校（東京都北多摩郡東村山村。昭和18年3月開設）、大津陸軍少年飛行兵学校（大津市）、大分陸軍少年飛行兵学校（大分県駄ノ原）がある。昭和20年9月3日、東京陸軍少年飛行学校に占領軍が進駐を開始。東京陸軍少年飛行学校は農地改革で農業関係地主に払い下げられたが、農地としての開発は進まず、日本住宅公団に売却されて1966年に都営村山団地になった。参考：陸海軍学校と教育、首都防空網と空都多摩

＜陸軍省分室＞：中野学校を参照。

＜陸軍情報部語学学校＞：MISLS（Military Intelligence Service Language School）と略す。アメリカ陸軍の日系二世語学兵養成学校で、1941年11月にプレシディオ陸軍基地で創設された第４軍情報学校を1942年にミネソタ州キャンプ・サヴェッジで改編したものである。日本語と英語の両方に堪能で、アメリカへの忠誠心が厚い日系二世を捜し出して教育を受けさせ、情報要員として前線に送り出した。1942年9月にニューギニア、12月にガダルカナルへと語学兵が到着し、前線司令部で捕虜の尋問や書類の翻訳を実施、最前線で日本兵に投降を呼びかけることもあった。日系二世はアメリカ軍兵士から日本軍兵士と間違われかねないので、必ず白人兵が同行した。ビルマ戦線では日本軍後方に侵入しての特殊作戦も実施。1944年、ミネソタ州フォート・スネリングに移設された。サイパンではホイチ・クボ四等特技兵が捕虜から玉砕攻撃の日にちを聞き出し、洞窟に潜んでいた９名の日本兵と122人の民間人を投降させて殊勲十字章を授与された。硫黄島戦には50名以上の日系二世語学兵が参加し、テリー・タケシ・ドイ五等特技兵がシルバースターを授与されている。沖縄戦では民間人に紛れた日本兵を沖縄出身二世語学兵が沖縄の方言で話しかけて見破った。1945年8月15日の終戦後も日本の占領業務を手伝い、9月2日の降伏調印式には３名の日系二世語学兵が参加。マッカーサー元帥の通訳を務めていたカン・タガミ中尉は、皇居の部屋で昭和天皇陛下と二人きりになった際、「日系二世は２つの国の架け橋だ、ありがとう」というお言葉を頂いたという。1946年に廃校となり、それまでに6000名の語学兵を養成した。1972年の大統領命令11652号による機密解除で存在が明らかとなり、2000年4月に大統領部隊感状が授与された。参考：月刊軍事研究11,’11

＜陸軍製五〇瓩爆弾＞：日本海軍の爆弾で、陸軍の九四式爆弾を譲渡されて使用したものである。参考：日本海軍の爆弾

＜陸軍戦車学校＞：日本陸軍の実施学校で、千葉市にある。他兵科から戦車科に移った兵の教育や、整備通信教育を担当する。戦車第２連隊練習部と戦車第２連隊下士官候補者隊がベースで、これらを教育部に統合して教導隊（戦車による実車教育担当）と練習隊（軽装甲車による実車教育担当）を加え、昭和11年10月に千葉で創設された。学生は受講内容により甲種学生、乙種学生、丙種学生、丁種学生、軽装甲車学生に分かれ、教育部で教育を受ける。また、幹部候補生は下士官候補者隊で教育を受けた。昭和14年から少年戦車兵の教育が開始されたが、こちらは昭和16年に専門の少年戦車兵学校が開設されてそちらに移った。昭和15年12月、満州国吉林省公主嶺の公主嶺学校をベースに公主嶺戦車学校を開設。陸軍戦車学校は千葉戦車学校に改称され、乙種学生（通信。中少尉対象、６ヶ月）、丙種学生（整備。中少尉対象、８ヶ月）、丁種学生（歩兵科中少尉が戦車隊の将校として必要な教育を受ける６ヶ月コースと、機甲科少尉が機甲科将校用教育を受ける４ヶ月コース）の教育を担当するようになった。昭和19年7月、下士官候補者隊が幹部候補生隊に改編され、幹部候補生教育（８ヶ月）を行うようになった。学校組織のうち本部と教導隊が戦車第４師団として再編されたため、学生教育は中止されている。昭和20年3月、四平戦車学校から教官が転属し、4月から本土決戦に向けた学生教育を再開した。参考：陸海軍学校と教育

＜陸軍戦術ミサイルシステム＞：ATACMSシリーズを参照。

＜陸軍船舶練習部＞：日本陸軍の補充学校。広島市宇品にある。参考：陸海軍学校と教育

＜陸軍造兵廠＞：日本陸軍の兵器生産機関で、大正12年に東京砲兵工廠と大阪砲兵工廠が合併して創設された。昭和15年6月、相模陸軍造兵廠が開設された。昭和20年9月3日、技術研究所に占領軍が進駐を開始。参考：首都防空網と空都多摩、朝雲

＜陸軍大学校（ドイツ陸軍、再軍備後）＞：参謀将校の育成を目的とした学校で、主に師団以上の士気運用に関する教育を行う。陸軍幼年学校を経由するか、大尉への昇進時に行われる選抜試験で合格すると入学できる。期間は３年間（後に２年間）で、卒業すると師団以上の司令部で参謀将校に着任した。参考：月刊丸9,’03

＜陸軍大学校（日本陸軍）＞：日本陸軍の補充学校で、東京都港区にある。入試は初審（１次試験）が筆記、再審（２次試験）が面接で、再審では怒鳴りつけたり無理難題を出したりと、臨機応変な判断力などを試すための圧迫面接が行われたらしい。平時の課程年限は３年間。第一期生は10名で、明治18年末に卒業した。優等生は３名で、参謀適任証と恩賜賞の双眼鏡を授与されている。明治20年10月7日、勅命53号により卒業徽章（この時は襟に付ける金星で、後に胸に付ける「天保銭」になった）と恩賜賞（軍刀）が制定され、第三期生から適応された。また、主席卒業者が卒業式当日に御前公演を行うようになった。13期から学生数が40名前後（それまでは9-17名）に増加したが、それでも陸軍士官学校卒業者の１割くらいである。参考：陸海軍学校と教育、歴史群像6,’14

＜陸軍通信学校＞：日本陸軍の実施学校。神奈川県大野村にある。参考：陸海軍学校と教育

＜陸軍通信研究所＞：中野学校を参照。

＜陸軍鉄道練習部＞：日本陸軍の補充学校。千葉県津田沼町にある。参考：陸海軍学校と教育

＜陸軍特殊作戦コマンド＞：United States Army Special Operations Command (USASOC)。アメリカ特殊作戦軍隷下の陸軍特殊作戦部隊で、1989年12月1日に新編された。2010年6月、第４心理作戦群が第４軍事情報支援作戦群に改称された。2011年8月、第４軍事情報支援群が軍事情報支援作戦コマンドに改編された。参考：月刊軍事研究3,’13、7,’17、月刊航空ファン4,’18

　＜陸軍特殊作戦コマンド（１９８９年）＞：要員3000名。特殊部隊群（３個大隊編成）４個、レンジャー歩兵連隊（３個大隊編成）１個、航空群１個、心理作戦群（４個大隊編成）１個、民事対策大隊１個からなる。予備役は陸軍州兵特殊部隊群（３個大隊編成）２個と陸軍予備役特殊部隊群（３個大隊編成）２個。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜陸軍特殊作戦コマンド（２００１年）＞：人員15300名。特殊作戦群（大隊３個）５個、レンジャー歩兵連隊（大隊３個）１個、特殊作戦航空連隊（大隊３個）１個、心理戦群（大隊５個）１個、民軍作戦大隊（中隊５個）１個、通信大隊１個、支援大隊１個からなる。予備役は陸軍州兵2800名・陸軍予備役コマンド7800名。陸軍州兵は特殊作戦群（大隊３個）２個からなる。陸軍予備役コマンドは民事作戦司令部（コマンド４個・旅団８個）12個、心理戦群２個、民軍作戦大隊（中隊規模）36個からなる。参考：The Millitary Balance 2001・2002

　＜陸軍特殊作戦コマンド（２０１２年）＞：司令部はノースカロライナ州フォート・ブラッグにある。隷下にアメリカ陸軍特殊部隊コマンド（グリーンベレー）、第75レンジャー連隊、アメリカ陸軍特殊作戦航空コマンド（第160特殊作戦航空連隊）、軍事情報支援作戦コマンド、第95民事旅団、第528継戦旅団を置く。参考：月刊軍事研究3,’13

　＜陸軍特殊作戦コマンド（２０１５年）＞：USSOCOMの隷下で、兵力34100名。特殊作戦群（特殊作戦大隊４個、支援大隊１個）５個、レンジャー連隊（レンジャー大隊３個、戦闘支援大隊１個）１個、第160特殊作戦航空連隊（４個航空大隊）、民事旅団（民事大隊５個）１個、心理戦群（心理戦大隊３個）２個、兵站旅団１個からなる。M-ATV装甲車640両、AH-6M/MH-6M特殊作戦ヘリ50機、MH-47G特殊作戦ヘリ68機、MH-60K/L/M特殊作戦ヘリ62機、MQ-1C無人機12機、XPV-1軽偵察無人機15機、XPV-2軽偵察無人機14機、CQ-10無人輸送機28機を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜陸軍特殊作戦コマンド（２０１７年）＞：USSOCOMの隷下で、司令部はフォート・ブラッグにある。司令官はケネス・Ｅ・トーボ中将で、兵力27000名。第１特殊部隊コマンド（グリーンベレー。隷下に特殊部隊群・空挺７個、軍事情報群２個、第96民事旅団、第528継戦旅団を置く）、第75レンジャー連隊（隷下にレンジャー大隊３個と連隊特殊部隊大隊を置く）、アメリカ陸軍特殊作戦航空コマンド（隷下に第160特殊作戦航空連隊、陸軍特殊作戦コマンド飛行中隊を置く）、アメリカ陸軍ジョン・Ｆ・ケネディ特殊戦センター・学校からなる。参考：月刊軍事研究7,’17、月刊航空ファン4,’18

＜陸軍特殊作戦コマンド飛行中隊＞：アメリカ陸軍の特殊作戦訓練部隊で、UFC（USASOC Flight Company）と略す。陸軍特殊部隊が空軍輸送機から降下潜入することを想定した訓練を行うのが主任務である。参考：月刊航空ファン4,’18

　＜陸軍特殊作戦コマンド飛行中隊（２０１７年）＞：陸軍特殊作戦コマンド隷下で、ノースカロライナ州フォート・ブラッグに置かれている。C-27J輸送機７機、C-41A輸送機５機、U-27A、UV-20A、UH-60Lヘリ１機を訓練用に配備しており、一部はユマに展開して広大な面積を誇るユマ訓練場で使用する。他に要人輸送・連絡機としてC-12C輸送機１機を配備する。参考：月刊航空ファン4,’18

＜陸軍特別幹部候補生＞：特幹と略す。日本陸軍の下級将校促成制度で、昭和18年12月14日の勅令第922号、陸軍現役下士官補充および服役臨時特例で制定された。対象は15-19歳で、中学３年程度の学力を持つ者を採用し、１年半の教育で現役伍長（中学校卒業者または特殊技術所有者のうち、優秀者は現役軍曹）に任官するものである。一般からの志願者だけでなく、乙種少年飛行兵を希望したもののこちらに回されたり、現役兵から志願したり、逓信省航空機乗員養成所廃止によりこちらに移ってきたりした者も多かった。最初の試験は昭和19年2月に行われ、採用者には3月に航空本部から合格通知が届けられ、4月（第一期または第前期）・8月（第二期または第中期）・12月（第三期または第後期）に飛行学校、整備学校、通信学校、第一航空群隷下の各教育隊、船舶司令部特別幹部候補生教育隊などへと入校・入隊した。候補生だが現役軍人扱いであり、同級内では最先任で、上級者がいなければ特幹が指揮を執る。実際の教育期間は4-12ヶ月で、最短では２ヶ月半という部隊もあり、実戦部隊に配属されたり、召集下士官学生や甲種幹部候補生として次の課程に進んだり、特攻の道を選んだりした。終戦で資料が全て燃やされてしまったので、詳細な人数は不明だが、昭和19年採用者は５万名くらい、昭和20年採用者は2-3万名くらいらしい。うち２万名以上が実戦に投入されたとみられる。昭和19年4月、陸軍航空通信学校加古川分校加古川教育総隊尾上教育隊に航空通信分科特別幹部候補生７個中隊1800名が入隊（12月卒業）。陸軍航空通信学校加古川分校加古川教育総隊神野教育隊に航空通信分科特幹３個中隊が入隊（12月卒業）。第１航空情報連隊に航空通信分科特幹３個中隊が入校。第１気象連隊に航空通信分科特幹３個中隊が入隊（8月卒業）。所沢陸軍航空整備学校に航空整備分科特別幹部候補生が入隊（8月卒業）。所沢陸軍航空整備学校八戸教育隊に航空整備分科特幹３個中隊600名が入隊（8月卒業）。岐阜陸軍航空整備学校に航空整備分科特幹が入隊。立川陸軍航空整備学校に航空整備特幹が入隊（プロ野球巨人の川上哲治氏が区隊長を務めている）。第３航空教育隊に航空整備特幹が入隊（8月卒業）。第４航空教育隊に航空整備特幹９個中隊3000名が入隊（8月卒業）。第８航空教育隊に航空整備特幹３個中隊が入隊（8月卒業）。第９航空教育隊に航空整備特幹１個中隊が入隊（現役兵からの採用と一般採用の混成）。第13航空教育隊に航空整備分科特幹が入隊。船舶兵特別幹部候補生隊に船舶分科特別幹部候補生６個中隊1892名が入隊。4月1日、陸軍航空通信学校長岡教育総隊に航空通信分科特幹2500名が入校（12月卒業）。4月8日、大刀洗陸軍飛行学校に航空操縦分科特幹3215名が入校。4月10日、陸軍航空通信学校加古川分校加古川教育総隊加古川教育隊に航空通信分科特幹９個中隊（1-4が航空情報、5-6が対空、7-9が固定通信）2000名が入隊（12月29日卒業）。4月15日、第１航測連隊に航空通信分科特幹３個中隊1200名が入隊。4月20日、第31航空通信連隊に航空通信分科特幹第前期1000名が入隊。6月、岐阜陸軍航空整備学校に航空整備分科特幹が入隊。6月1日、宇都宮陸軍飛行学校に昭和19年4月入隊通信・整備分科からの操縦志望者600名と、大刀洗陸軍飛行学校からの転属者80名が、航空操縦分科特幹として入校。8月、岐阜陸軍航空整備学校に航空整備分科特幹が入隊。船舶兵特別幹部候補生隊に船舶分科特幹1700名が入隊。8月15日、宇都宮陸軍飛行学校に昭和19年4月採用航空操縦分科特幹第中期が入校したようである。第31航空通信連隊に航空通信分科特幹第中期1000名が入隊。第１航測連隊に航空通信分科特幹３個中隊1200名が入隊。第１気象連隊に航空通信分科特幹３個中隊が入隊（12月19日卒業）。所沢陸軍航空整備学校に航空整備分科特幹が入隊（12月卒業）。所沢陸軍航空整備学校八戸教育隊に航空整備分科特幹が入隊（12月卒業）。第３航空教育隊に航空整備特幹が入隊（12月卒業）。第４航空教育隊に航空整備特幹９個中隊3000名が入隊（12月卒業）。第８航空教育隊に航空整備特幹３個中隊が入隊（12月卒業）。第12航空教育隊に航空整備分科特幹が入隊（12月卒業）。10月、陸軍航空通信学校長岡教育総隊に航空通信分科特幹第後期が入校。陸軍航空通信学校加古川分校加古川教育総隊加古川教育隊に航空通信分科特幹４個中隊800名が入隊。陸軍航空通信学校菊池教育総隊新田原教育隊に昭和19年採用航空通信分科特幹が入隊。教導鉄道団司令部教育隊に鉄道分科特別幹部候補生が入隊したらしい（航空・船舶分科採用者が転科したともいわれる）。10月1日、岐阜陸軍航空整備学校に航空整備分科特幹が入隊（昭和20年3月3日卒業）。11月、第１航空軍教育隊に航空整備分科特幹が入隊。12月、第７航空通信連隊に航空通信分科特幹４班200名が入隊（昭和20年4月教育修了）。第31航空通信連隊に航空通信分科特幹第後期1000名が入隊。第１航空情報連隊に航空通信分科特幹３個中隊が入隊。第１気象連隊に航空通信分科特幹３個中隊が入隊。昭和20年1月、所沢陸軍航空整備学校八戸教育隊に航空整備特幹が入隊。2月、大刀洗陸軍飛行学校に昭和20年度採用航空操縦分科特幹1600名が入校。陸軍航空通信学校加古川分校加古川教育総隊加古川教育隊に昭和20年採用航空通信分科特幹が入隊（卒業前に終戦）。陸軍航空通信学校加古川分校加古川教育総隊尾上教育隊に昭和20年採用航空通信分科特幹が入校。陸軍航空通信学校加古川分校加古川教育総隊神野教育隊に昭和20年採用航空通信分科特幹が入隊（卒業前に終戦）。千葉陸軍高射学校（後に防空学校）に高射分科特別幹部候補生が入隊したらしい。陸軍重砲兵学校に重砲分科特別幹部候補生が入隊。野砲兵第216連隊に山砲分科特別幹部候補生が入隊し、各中隊に15名ずつ配属された。2月1日、陸軍航空通信学校菊池教育総隊新田原教育隊に昭和20年採用航空通信分科特幹８個中隊が入隊。船舶兵特別幹部候補生隊に船舶分科特幹2130名が入隊。陸軍兵器学校に技術分科特別幹部候補生６個中隊（１個中隊は６個区隊からなる）1600名が入隊。2月15日、陸軍少年戦車兵学校に戦車分科特別幹部候補生２個中隊518名が入隊（卒業前に終戦）。3月12日（3月10日説あり）、教導鉄道団司令部教育隊に鉄道分科特別幹部候補生が入隊（卒業前に終戦）。4月、陸軍航空通信学校加古川分校加古川教育総隊加古川教育隊に陸軍航空通信学校菊池教育総隊新田原教育隊から昭和20年採用特幹８個中隊、同吉田教育隊から少年飛行兵17期、大分少年飛行兵学校から少年飛行兵18期が移駐（いずれも卒業前に終戦）。東京陸軍少年通信兵学校に通信分科特別幹部候補生５個中隊（竹、雪、月、花、亀）が入隊（卒業前に終戦）。4月1日、所沢陸軍航空整備学校八戸教育隊に昭和20年採用航空整備分科特幹が入隊。4月16日、第31航空通信連隊に昭和20年採用航空通信分科特幹前期1000名が入隊。4月20日、第31航空通信連隊斉宮派遣隊（三重県斉宮にあった第７航空通信連隊が第31航空通信連隊に改編されて大刀洗に移駐、斉宮に残った部隊がこの名称となった）に航空通信分科特幹４班が入隊（卒業前に終戦）。6月、船舶兵特別幹部候補生隊に昭和20年採用船舶分科特幹2100名が入隊。8月20日、昭和20年8月以前に兵長だった特幹は終戦による特別措置として伍長または軍曹に昇任した。参考：陸海軍学校と教育

＜陸軍特別甲種幹部候補生＞：日本陸軍の下級予備将校養成制度で、海軍予備学生の陸軍版。太平洋戦争で下級予備将校が不足したため、大学や高専の学生を試験で採用し、予備士官学校に伍長で入校させて１年間の教育と半年の隊付勤務を経て少尉とするものである。昭和19年5月5日に発足したが、２期学生までで終戦を迎えた。千葉戦車学校と騎兵学校には100名ずつが入隊している。参考：月刊軍事研究2,’13、陸海軍学校と教育

＜陸軍特別操縦見習士官＞：日本陸軍のパイロット養成制度で、昭和18年7月に陸軍航空関係予備役将校補充及服役臨時特例として制定された。募集対象は大学・高専などの卒業者で、志願者に試験や身体検査を受けさせて採用する。第１期は採用予定1200名だったが、倍率が10倍以上になったため、2654名を採用し、昭和18年10月1日に各飛行学校に入校して教育が始まった。徴募が海軍第13期飛行科予備学生と重なったため、両方合格してどちらか選んだ者も多かったらしい。第２期は徴募対象者が学徒出陣により一般兵科部隊に入隊していたため、甲種幹部候補生として志願し、1136名が昭和19年2月1日に各飛行学校に入校した。第３期は昭和19年6月に各飛行学校に入校した。第４期は昭和19年8月に入校した。教育内容は赤トンボでの基本操縦を半年と、戦闘・偵察・爆撃に分かれての訓練を半年の計１年だが、第3-4期は燃料枯渇で飛ぶこともままならずに終戦を迎えた。第1-4期の総入隊者は6200名、戦没者は2400名強（第１期738名、第２期139名）といわれるが、終戦時に資料が散逸したので詳細は不明である。昭和46年3月、京都東山護国神社に慰霊碑と銘牌が配列された。参考：陸海軍学校と教育

＜陸軍戸山学校＞：日本陸軍の実施学校で、軍楽と体操を担任する。東京都牛込区にある。明治24年、軍楽部を設置し、軍楽兵教育を開始した。参考：陸海軍学校と教育、MAMOR vol.118

＜陸軍中野学校＞：中野学校を参照。

＜陸軍習志野学校＞：日本陸軍の実施学校で、化学兵器教育担当である。千葉県津田沼町（現・習志野市、習志野警察署、東邦中、東邦高）に所在する。参考：陸海軍学校と教育、月刊軍事研究1,’13

＜陸軍任務略綬章（アメリカ陸軍）＞：Army Service Ribbon（ASR）。陸軍の初期訓練を終了すると授与される。参考：月刊コンバットマガジン7,’06

＜陸軍燃料廠＞：日本陸軍の航空燃料研究施設。昭和15年5月下旬に航空燃料用国産プラントを建設するため陸軍技術将校15名が府中に移駐したのが始まりで、7月31日に北多摩郡府中町で創設された。昭和16年4月1日、本部機構が府中に移駐した。昭和19年3月1日、陸軍燃料本部に改編された。参考：府中基地ホームページ、首都防空網と空都多摩

＜陸軍燃料本部＞：日本陸軍の航空燃料研究組織。昭和19年3月1日、陸軍燃料廠から改編されて創設され、航空燃料や潤滑油の研究や供給確保を行った。終戦時は北多摩郡府中町八幡宿にあり、昭和20年9月13日から占領軍が進駐した。昭和32年8月1日から空自府中基地としても使用されている。昭和50年6月、アメリカ軍から全面返還された。参考：府中基地ホームページ、首都防空網と空都多摩

＜陸軍登戸研究所＞：日本陸軍の研究所。昭和12年11月、神奈川県稲田町登戸に陸軍科学研究所分室として登戸実験場が建設され、電波関係の技術研究を行っていた。昭和14年8月、施設拡充に伴い陸軍科学研究所登戸出張所に改称。昭和16年6月に第９技術研究所として独立した。組織は、物理関係を扱った第１科（風船爆弾などを開発）、科学関係を扱った第２科（細菌・毒薬からスパイ道具まで作っていた）、対中国経済謀略物資の研究・調達を行った第３科（杉工作などを行った）、第１・第２科の開発した諜報・防諜・謀略・宣伝の各器材の実験や陸軍中野学校への指導などを担当した第４科に分かれていた。参考：歴史群像2,’05、陸海軍学校と教育

＜陸軍飛行学校＞：日本陸軍の学校。大正13年5月に制定された陸軍飛行学校令に基づき、陸軍航空学校を改称したものである。補充学校としては仙台陸軍飛行学校（宮城県玉浦村）、宇都宮陸軍飛行学校（栃木県清原村）、熊谷陸軍飛行学校（埼玉県三尻村）、大刀洗陸軍飛行学校（福岡県大刀洗村）、実施学校としては明野陸軍飛行学校（三重県北浜村）、下志津陸軍飛行学校（千葉市）、鉾田陸軍飛行学校（茨城県新宮村）、浜松陸軍飛行学校（静岡県神久呂村）がある。大正13年5月の創設時には所沢陸軍飛行学校、下志津陸軍飛行学校、明野陸軍飛行学校があった。昭和8年8月、浜松陸軍飛行学校が開設された。昭和9年、所沢陸軍飛行学校で少年飛行兵の教育を開始。昭和10年12月（8月？）、熊谷陸軍飛行学校が開設された。昭和12年、所沢陸軍飛行学校が廃止された。昭和14年、鉾田陸軍飛行学校が開設された。昭和19年6月20日、官衙から軍隊組織に移行して航空戦力増強を図ることになり、教導飛行師団に改編された。参考：陸海軍学校と教育、首都防空網と空都多摩、月刊航空ファン4,’18、熊谷基地ホームページ、航空自衛隊パーフェクトガイド2015、朝雲

＜陸軍飛行実験部＞：日本陸軍の試作機審査機関で、昭和14年7月に陸軍航空技術研究所隷下に発足した。昭和15年4月に独立した機関となり、多摩飛行場に移転した。昭和17年10月、陸軍航空審査部に改編された。参考：首都防空網と空都多摩

＜陸軍飛行隊＞：日本陸軍の航空部隊。師団に配属された直協飛行隊が捜索を行う時は主に師団の戦闘に直接関係ある範囲の敵情を捜索し、指揮連絡を行う時は友軍の状態を明らかにすると共に必要に応じて地上部隊の連絡を為し、砲兵任務を行う時は目標捜索・射撃準備・射撃観測を行い、歩兵に協同する時はその戦闘経過を明らかにし他兵種との連繋に協力して戦闘指導を容易たらしめ、戦車に協同する時は戦車のため目標捜索や戦車の誘導連絡などを行う。軍に属する偵察飛行隊が師団に協力する場合もこれらに準じ、時として特に緊急な地上目標の攻撃も行う。偵察飛行隊の他、有力な飛行部隊が地上の作戦に参加する場合は、適時要点にその威力を集中発揮して地上部隊の戦闘に直接協同するか敵空中勢力を制圧して地上部隊の行動を容易にさせるものとする。この際、地上部隊と飛行部隊の相互の行動は、可能な限り緊密な協調を保つ必要がある。特に飛行部隊が地上部隊の戦闘に直接協同する場合に於いては、該正面の師団長が機を失せず飛行部隊指揮官と連絡し、的確な協定を遂げ、戦闘に当たっては関係各指揮官が手段を尽くして空地の連絡を保ち、統合戦闘力を遺憾なく発揮しなければならない。参考：作戦要務令

＜陸軍被服支廠倉庫＞：日本陸軍の倉庫。広島県広島市にあり、壁はレンガで覆われているが、鉄筋コンクリート＋レンガ造である。大正2年竣工。参考：朝雲

＜陸軍病院（日本陸軍）＞：明治21年11月に陸軍病院条令が制定された。明治33年10月、習志野陸軍病院が創設された。参考：人道・博愛−百年のあゆみ

＜陸軍武官（日本陸軍）＞：陸軍武官室は大使館や公使館に併設されている場合と、独立した事務所になっている場合がある。昭和6年7月、初のラトビア駐在陸軍武官が赴任。昭和9年、初のフィンランド駐在陸軍武官が赴任。昭和15年6月にソ連がバルト三国を併合し、8月に外国人退去勧告を出したため、ラトビアの陸軍武官室が閉鎖された。参考：月刊軍事研究8,’17

＜陸軍文官（日本陸軍）＞：軍属の１つ。軍人ではないが陸軍官衙等に勤務する官吏で、高等文官と判任官に分かれる。参考：衛兵勤務必携

＜陸軍兵器学校＞：日本陸軍の学校で、陸軍工科学校が昭和15年7月31日の勅令第498号により改称されたものである。所在地は神奈川県大野村。佐官学生（憲兵科と航空科を除く各兵科の中佐・少佐が対象）、甲種学生（憲兵科と航空科を除く各兵科の少佐・大佐が対象）、乙種学生（憲兵科と航空科を除く各兵科の尉官が対象）、丙種学生（砲兵科・工兵科の少尉候補者が対象）に対して兵器業務や兵器補給といった学術を教育するのが主任務で、精神主義に偏りすぎて兵器を軽視しがちだった佐官・士官にきちんとした教育を施すため、元々下士官向けだった陸軍工科学校に制度改革を加えた。参考：陸海軍学校と教育

　＜陸軍兵器学校（昭和２０年）＞：学校本部、教育部、研究部、生徒隊、幹部候補生隊（本部、第１・第２中隊）、練習隊（本部、第1-4中隊）、材料廠、広島分教所（本部、幹部候補生第３中隊、生徒隊第21中隊、生徒隊第22中隊）からなる。生徒隊は本部、第１大隊（火技）、第２大隊（鍛）、第３大隊（機）、電工大隊からなり、第１大隊は本部、第１・第４・第９中隊、第２大隊は本部、第５・第６中隊、第３大隊は本部、第７・第８中隊、電工大隊は本部、第２・第３中隊を隷下に置く。人員7234名。参考：陸海軍学校と教育

＜陸軍兵器行政本部＞：日本陸軍の組織。昭和17年10月、陸軍兵器局、陸軍兵器廠兵器本部、同造兵廠、同補給廠、陸軍技術本部、陸軍技術本部隷下の各研究所を統合改編して創設された。兵器、兵器材料、燃料に関する業務を行う。トップは本部長（中将）で、陸軍大臣に隷属する。参考：首都防空網と空都多摩、帝国陸海軍事典

＜陸軍兵站幕僚会議＞：MLST（Multilateral Logistics Staff Talks）と略す。陸上幕僚監部装備部／装備計画部が主催する多国間会議で、1997年から年に１回行われている。2008年、多国間兵站ハンドブックの作成を開始。2012年、多国間兵站ハンドブックの完成案を提示。2014年11月25-29日、防衛省などで第18回を開催。フランスが正式参加、ミャンマーが初参加し、各国から50名が集まって多国間兵站ハンドブックを３年以内に完成させ活用することを決定した。2016年11月24日から防衛省などで第19回を開催。日本から幕僚ら29名、アメリカ、イギリス、オーストラリア、中国、フランスなど海外18カ国から大佐・中佐級の21名が参加し、人道支援・災害救援における兵站協力をテーマに、マニュアル作成や、軍軍間だけでなく民軍間での兵站情報共有図共通化の重要性を確認し、多国間兵站ハンドブックへの各国からの最新情報提供でも一致した。2018年11月19-22日、防衛省などで第22回を開催。20カ国（カンボジア、ブルネイ、ラオスが初参加）から大佐・中佐級実務者26名が参加し、災害即応をテーマに発表や討議を行った。2021-22年は新型コロナウイルス感染症拡大で中止された。2023年は11月14-17日に行われ、アメリカ、イギリス、インドネシア、オーストラリア、カナダ、韓国、シンガポール、ドイツ、ニュージーランド、フランス、モンゴルから大佐級実務者が参加し、インド太平洋地域における継戦能力維持に係る多国間連携をテーマとした討議や、朝霞駐屯地での装備品研修を実施した。参考：朝雲

＜陸軍防空学校＞：日本陸軍の教育機関で、昭和13年8月に千葉県千葉市小仲台で創設された。昭和19年4月、陸軍高射学校に改称された。参考：月刊丸12,’11

＜陸軍砲兵工科学校＞：日本陸軍の学校。大元は明治5年に開設された兵器技術教育の場である造兵司諸工伝習所で、明治8年2月4日に造兵司が砲兵本廠と改称されたのに伴い砲兵本廠生徒学舎と改称され、更に明治18年の砲兵工廠生徒学舎、明治23年の砲兵工科学舎を経て明治29年に陸軍砲兵工科学校となった。大正9年に陸軍工科学校に改称された。参考：陸海軍学校と教育

＜陸軍法務訓練所＞：日本陸軍の各部学校で、東京都港区にある。参考：陸海軍学校と教育

＜陸軍保全局＞：アメリカ陸軍の情報組織で、ASA（Army Security Agency）と略す。通信保全局（SSA）を改称して1945年9月に創設された。陸軍参謀本部情報部（G-2）の隷下で、戦時だけでなく平時の情報任務も実施する。世界中に陸軍保全局通信所（USASAFS、U.S.ASA Field Station）と呼ばれる施設を確保し、シャムロック作戦など一般市民や国外組織を対象とした諜報作戦も行った。日本には東京都北区のキャンプ王子に極東地域／太平洋地域ASA本部が、東千歳、大井、普天間／楚辺、博多にUSASAFSが置かれている。1948年、航空分野が空軍に移管され、空軍保全部になった。1949年、統合参謀本部国軍保全局の隷下となった。1951年、NSAの隷下となった。1977年に廃止され、組織は陸軍情報保全軍（INSCOM）に移管された。参考・月刊軍事研究3,’14

＜陸軍歩兵学校＞：日本陸軍の実施学校。千葉市（現・千葉市稲毛区天台、作草部公園）にある。参考：陸海軍学校と教育

＜陸軍野戦砲兵学校＞：日本陸軍の実施学校。千葉県千代田村（現・千葉県四街道市、四街道市役所）にある。参考：陸海軍学校と教育、月刊軍事研究1,’13

＜陸軍優秀部隊感状＞：部隊感状（アメリカ陸軍）を参照。

＜陸軍用汎地球指揮統制システム＞：GCCS-Aを参照。

＜陸軍幼年学校（ドイツ陸軍、再軍備後）＞：13-14歳で入学し、４年間の教育訓練を受けて連隊付き士官候補生となり現場での勤務を経験、その後士官学校に入る。参考：月刊丸9,’03

＜陸軍幼年学校（日本陸軍）＞：日本陸軍の補充学校で、明治20年6月に官制公布された。東京（東京都横山村）、仙台（仙台市）、名古屋（愛知県篠岡村）、大阪（大阪府長野町）、広島（広島市）、熊本（熊本市八景水谷。昭和14年4月開設）の各陸軍幼年学校がある。卒業後は陸軍士官学校予科に進む。熊本陸軍幼年学校跡は陸自北熊本駐屯地になっており、史跡や資料が残っている。参考：陸海軍学校と教育、陸上自衛隊パーフェクトガイド2015、月刊軍事研究11,’16、人道・博愛−百年のあゆみ

＜陸軍予科士官学校＞：日本陸軍の補充学校。陸軍士官学校本科入校前の一般課程教育を担当する。昭和12年に陸軍士官学校から分かれて創設された。昭和16年9月、朝霞に移動し、振武台と通称がされるようになった。参考：陸海軍学校と教育、月刊軍事研究9,’12、MAMOR vol.162

＜陸軍予備士官学校＞：日本陸軍の補充学校。前橋、豊橋第一、豊橋第二、久留米第一、久留米第二、仙台、熊本がある。参考：陸海軍学校と教育

＜陸軍糧秣本廠＞：日本陸軍の食料・軍馬用飼料・調理器具・戦用糧食調達研究機関。大元は各師団が調達していた戦用糧食を一元調達管理する機関として明治34年に創設された陸軍中央糧秣廠で、明治35年1月に陸軍糧秣廠と改称されて平時の食料・飼料調達や調理器具・調理法の開発研究も担当することになり、明治41年に陸軍糧秣本廠に改称された。昭和3年、精米・精麦の一元調達を開始。玄米と玄麦を購入して本廠で胚芽米、大阪支廠と宇品支廠で無砂搗精麦に加工し部隊に支給することで、炊事時間短縮と購入費用節減を達成した。また、味噌、醤油、砂糖、燃料も一元調達としている。昭和4年には全陸軍部隊に必要な主食の６割を支給できるようになった。参考：日本陸軍兵営の食事

＜陸攻＞：陸上攻撃機を参照。

＜りくしかくん＞：奈良地方協力本部のマスコットキャラ、陸自版。2014年春に公募で誕生した。2015年8月15日、奈良県五條市で吉野川まつりに参加。12月13日、奈良マラソンで沿道から選手を応援し、自衛隊をPRした。参考：朝雲、MAMOR ｖol.132

＜陸式＞：日本海軍用語で、日本陸軍を軽蔑してこう言う。参考：帝国陸海軍事典

＜陸式拳銃＞：南部式拳銃を参照。

＜陸自指揮システム用端末（ＷＥＢ）＞：自衛隊の機器。富士通製。参考：月刊軍事研究9,’18

＜陸自指揮システム連係用ソフトウェア＞：自衛隊の機器。富士通製。参考：月刊軍事研究9,’12

＜陸自情報支援システム＞：自衛隊の機器。日立製作所製。参考：月刊軍事研究3,’16

＜陸自補給管理システム用ソフトウェア（その１）＞：自衛隊の機器。日本電気製。参考：月刊軍事研究5,’12

＜陸自補給管理システム用ソフトウェア（その２）＞：自衛隊の機器。日本電気製。参考：月刊軍事研究2,’14

＜陸修会＞：陸上自衛隊幹部退官者からなる組織。2022年4月に発足した。2023年10月6日、ホテルグランドヒル市ヶ谷で偕行社と組織統合に向けた合同表明会を実施。2024年4月1日、偕行社と統合され、陸修偕行社になった。参考：朝雲

＜陸楯２０００＞：LD-2000（高射機関砲）を参照。

＜陸将＞：陸上自衛隊の階級で、一般には中将にあたる。師団長の階級がこれだが、世界の軍隊標準では少将が務めるので、１つずれている。これの上は幕僚長たる陸将しか無いので、師団を統率する方面総監も階級としては陸将が充てられる。参考：月刊軍事研究9,’12

＜陸上移動目標識別＞：GMTI（Ground Moving Target Indication）と略す。合成開口レーダーを使用して車両や艦船などの移動目標を抽出する技術である。目標からの反射波のドップラー・シフトを検出して識別するが、陸上・水上を移動する目標は速度が遅く、停止目標とのドップラー・シフトが小さいので、クラッター処理に高度な技術が要る。また、連続する電波パルス間でアンテナが停止しているのと同じ状況を作ることによりクラッターを抑制する必要があるため、合成開口による地上画像取得を同時に行うことはできず、SARとGMTIを適宜交互に使うことになる。参考：月刊軍事研究12,’12、月刊航空ファン10,’14

＜陸上型イージス＞：イージス・アショアを参照。

＜陸上機動車＞：GMV（陸上機動車）またはHMMWV輸送車ファミリーを参照。

＜陸上機動車−海兵隊仕様＞：HMMWV輸送車ファミリーを参照。

＜陸上攻撃型スタンダードミサイル＞：LASMを参照。

＜陸上攻撃機＞：日本海軍の攻撃機分類の１つで、陸攻と略す。ワシントン条約とロンドン条約で戦闘艦艇の保有数が制限されたため、これを補う目的で南洋委任統治領の陸上基地から魚雷を積める大型長距離攻撃機を運用して漸減作戦に加えることにし、こう名付けた。発案者は山本五十六少将（当時。役職は海軍航空本部技術部長）である。主力艦１隻を行動不能とするには36機、撃沈するには72機を要すると見積もられ、昭和10年制式採用の九五式陸攻を皮切りに、九六式（昭和11年6月2日制式化）、一式（昭和16年4月2日制式化）が生産された。深山は性能不足で採用されず、十六試陸上攻撃機（泰山）は設計が纏まらず、十七試陸上攻撃機はエンジンが無く没になった。昭和11年に陸攻常設運用部隊の木更津海軍航空隊と鹿屋海軍航空隊が開設され、昭和12年から南洋群島の基地化も始まっている。ただし初実戦参加は日華事変の渡洋爆撃で、陸上爆撃への転用だった。昭和16年12月8日の太平洋戦争開戦時には陸攻航空隊（木更津、鹿屋、千歳、高雄、美幌、元山、三沢、第１、第４航空隊）定数合計は348機となっていて、日米主力艦隻数差の５隻を概ね撃沈できる計算だった。マレー沖海戦でイギリス主力艦２隻を撃沈して想定通りの活躍を見せたが、既に艦隊決戦の時代ではなく、以降は主力艦相手の大規模航空攻撃には使われなかった。参考：月刊丸1,’77、12,’11、3,’18別冊、月刊世界の艦船9,’13増刊、歴史群像8,’15

＜陸上自衛隊＞：Japan Ground Self-Defense Force、JGSDFと略す。自衛隊のうち、陸上幕僚監部並びに統合幕僚長及び陸上幕僚長の監督を受ける部隊及び機関で、主に陸で行動する。特性を四字熟語で表現（揶揄）して用意周到・動脈硬化と言われる。創設以来の主任務は国土防衛で、対抗部隊甲（要するにソ連）の侵略阻止であった。職種に関わらず野外部隊は体力向上に努めており、通信科出身のレンジャー隊員を輩出したりしている。冷戦後にゲリコマ対策訓練に偏重しすぎたことがあり、土砂崩れなどの災害派遣で人海戦術のスコップ手掘り捜索能力が落ちてしまい、異常に高い擬装能力や掩体構築能力も継承できなくなりかけたため、野戦訓練への回帰を実施中。1954年7月1日の防衛庁設置法及び自衛隊法の施行により発足した。定員は保安隊から２万名増の13万名で、１個方面隊４個管区隊編制である。定員は1953年10月に池田政調会長とロバートソン極東担当国務次官補・ナッシュ国防次官補との会談で、アメリカ側がソ連による日本侵攻で予想される兵力50万名・北海道九州２方面作戦に対抗できる10個師団32.5万名を主張したが、日本側はその隊員数を揃えるには憲法を改正して徴兵制を敷かねばならないとし、国内作戦であることを考慮して師団あたりの隊員数を減らし10個師団18万名を目標とする、ということで纏まった。航空機はL-5連絡機、L-19連絡機、L-21連絡機、H-13ヘリを保安隊から引き継いでいる。1954年、中特車、H-19Cヘリの導入を開始。1954年8月12日、帯広に第５管区総監部が設置された。1955年12月1日、西部方面隊、第７混成団、第８混成団が新編された。1955年度、１個管区隊が新編された。定数は15万名。1956年、KAL-1連絡機を配備。LM-1連絡機の配備を開始。M1サブマシンガンの供与が開始された。12月1日、第９混成団が新編され、定数は16万名となった。1957年、L-19多用途機の量産を開始。1958年6月10日に第10混成団、6月25日に第１空挺団が新編され、６個管区隊４個混成団体制となり、定数は17万名になった。1958-60年度の第１次防衛力整備計画で、自衛官定数18万名、予備自衛官定数15000名を整備する予定だったが、自衛官定数増は見送られ、予備自衛官のみ達成した。機械化混成団構想も生まれ、北海道の第７混成団、東北の第９混成団、中京の第10混成団、九州南部の第８混成団の普通科連隊を機械化、特科連隊を自走化しようとしたが、車両が足りなすぎるという結論に至り、第７混成団のみが機械化された。1958-59年、野砲の操砲要領を改定し、アメリカ式で30分かかっていた重砲布陣所要時間を７分にまで縮めるなどの成果を挙げた。1958年、M51高射砲の供与が開始された。1959年、研究用にV-44A大型ヘリの配備を開始。8月1日、方面管区制準備本部を臨時編成し、方面管区制移行準備に入った。8月13日、教育団を新編。12月4日、第１ロケット実験訓練隊を新編。1960年、第101建設隊が新編された。106mm無反動砲、60式自走106mm無反動砲、60式装甲車を制式化。60式３トン雪上車を仮制式化。M42自走高射機関砲を配備。1960年1月14日、北部方面隊と西部方面隊に加え、東北方面隊（東北６県担当）、東部方面隊（関東甲信越担当）、中部方面隊（中部近畿中国四国担当）が発足し、５個方面隊体制の方面管区制が完成した。通信団も新編されている。

1961年度までにアメリカからM24軽戦車475両、M4中戦車366両、M41軽戦車147両、M32戦車回収車80両を供与された。1961年、自衛官定数を171500名、予備自衛官定数を17000名に増やした。部隊は５個方面隊８個師団２個管区隊３個混成団に改編している。61式戦車を制式化。61式大型雪上車を仮制式化。1月13日、国防会議で13個師団への改編を決定。2月28日、第７混成団が機械化編成を完結した。8月17日、施設団や体育学校などを新編した。1962-66年度の第２次防衛力整備計画で、自衛官18万名、予備自衛官３万名を整備する予定だったが、自衛官定数は173000名に止まり、予備自衛官定数は３万名に増やした。部隊は５個方面隊13個師団（甲、乙、丙）編成となったが、定員が1500名しか増えていないので、大隊を廃止して中隊の上を連隊とすることにより部隊数を増やし、小銃分隊に機関銃を加えて小隊にするといった工夫を重ねて６個管区隊・４個混成団を13個師団に増大させた。また、装備の近代化を目標として国産装備品の開発が始まった。1962年、155mm自走榴弾砲M44A1を導入。62式地雷探知機を制式化。1月18日、第１師団、第２師団、第３師団、第５師団、第10師団、第11師団、第12師団、第13師団が新編された。2月15日、62式機関銃を制式化。8月15日、第４師団、第６師団、第７師団、第８師団、第９師団が新編された。1963年、航空部隊の改編を実施し、方面航空隊を新編した。63式対戦車地雷、64式対戦車誘導弾を制式化。105mm自走榴弾砲M52の供与を受けた。LM-2連絡機の配備を開始。1月17日、第101高射大隊を新編。9月30日、UH-1Bの引き渡し式を実施。1964年、ホークの配備を開始。T-34A練習機９機とKAL-2連絡機１機が空自から移管された。4月1日、ナイキ部隊を空自に移管した。10月6日、64式小銃が制式化された。1965年1月20日、初のホーク部隊である第102高射砲大隊が新編された。8月3日、富士教導団が新編された。1966年、第101建設隊が廃止された。KV-107�U-4の導入を開始。1967-71年度の第３次防衛力整備計画で自衛官定数を179000名、予備自衛官定数を36000名とし、部隊は５個方面隊13個師団１個混成団となった。1967年、鉄道連隊を創設。67式装甲作業車を制式化。7月10日、LR-1初号機を受領した。1968年、68式30型ロケット榴弾を制式化。68式155mm迫撃砲を仮制式化。L90高射機関砲システムの配備を開始。3月1日、第１ヘリコプター団が編成された。1969年3月10日、OH-6J初号機が引き渡された。1970年、70式自走浮橋、70式地雷原爆破装置、70式野戦特科射撃指揮装置を制式化。1971年、71式地雷探知機を制式化。TH-55J練習ヘリの導入を開始。1972-76年度の第４次防衛力整備計画で自衛官定数を18万名、予備自衛官定数を39000名とした。1972年、72式対戦車地雷を制式化。1973年、UH-1H多用途ヘリの導入を開始。73式装甲車を制式化。73式小型トラック、73式中型トラック、73式大型トラック、特大型セミトレーラーを仮制式化。10月16日、第１混成団を新編。1974年、74式戦車、74式自走105mm榴弾砲を制式化。74式特大型トラックを仮制式化。6月29日、81mm迫撃砲訓練事故で７名が殉職した。1976年、昭和52年度以降に係る防衛計画の大綱を策定し、基幹部隊12個師団・２個混成団、機動運用部隊１個機甲師団・１個特科団・１個空挺団・１個教導団・１個ヘリコプター団、低空域防空用地対空誘導弾部隊８個高射特科群を整備することとした。12月9-14日、宇都宮駐屯地で陸幕統裁方面隊対抗（東北方面隊２個航空団２個師団１個特科群対東部方面隊２個航空団２個師団１個空挺団１個戦車群）指揮所演習（辰演習）を実施。四次防の総仕上げで、陸自初の方面隊単位対抗演習であり、審判には野戦用自動データ処理システムを使用した。須賀川付近での決戦の結果、東部方面隊は南下する東北方面隊を押し戻し、東北方面隊は東部方面隊主力を山間部に封じたということで引き分けの判定となっている。1975年、75式自走多連装130mmロケットシステム、75式装甲ドーザを制式化。10月、75式自走155mm榴弾砲を制式化。1978年、78式戦車回収車を制式化。78式雪上車を仮制式化。9月20日、79式対舟艇対戦車誘導弾を制式化。1979年、OH-6D観測ヘリの導入を開始。1980年、定数18万名に対して実数は15万6300名であり、定外勤、臨時勤務、教育中の要員などを除いた第一線の充足率は７割台であった。北海道の師団は充足率９割だったが、中国地方などあまり重要でない方面は5-6割くらいしかなく、業務がかなりキツかったらしい。司令部や通信情報部隊は欠員を出す訳にいかないので、普通科中隊にしわ寄せが及び、充足率は５割を切っていた。1981年、３年前の日米防衛協力のための指針（ガイドライン）策定に伴い、アメリカ陸軍・海兵隊との日米共同演習が開始された。81式短距離地対空誘導弾を制式化。TL-1練習機の配備を開始。1980年度末、第７師団が機甲師団化された。1982年、82式指揮通信車を制式化。6月、ハワイで日米共同指揮所訓練を実施。9月、北海道大演習場で日米共同通信訓練を実施。11月10-18日、東富士演習場で日米共同実動演習を実施。12月、東千歳駐屯地で日米共同指揮所訓練を実施。1983年、83式地雷敷設装置を制式化。スティンガの配備を開始。1984年、AH-1S対戦車ヘリの配備を開始。9月18-30日、日米共同実動演習を実施。陸自第９師団、アメリカ陸軍第１軍団第７歩兵師団が参加した。1985年9月の中期防衛計画で、師団戦力増強と近代化を図ることになり、特に最大脅威対象正面である北海道の４個師団を優先的に強化。第６師団以南から戦車中隊１個を北部方面隊に移動させ、代わりに対戦車隊を増強し、青函以北の機甲戦力を全体の47%から60%に引き上げた。1985年、化学防護車（装輪）の開発が完了。FH-70榴弾砲の配備を開始。1986年11月、CH-47J輸送ヘリの配備を開始。12月、AS332L要人輸送ヘリが総理府から移管された。1986年度、軽雪上車の導入を開始。1987年、87式偵察警戒車、87式自走高射機関砲、87式対戦車誘導弾を制式化。1988年、88式地対艦誘導弾システムを制式化。1989年、89式装甲戦闘車、89式小銃を制式化。1990年、90式戦車、90式戦車回収車を制式化。1991年、91式携帯地対空誘導弾、91式戦車橋を制式化。1992年、派米射撃訓練を開始。92式地雷原処理車、92式浮橋を制式化。1993年、93式近距離地対空誘導弾を制式化。UH-1J多用途ヘリ初号機が引き渡された。平成8年度以降に係る防衛計画の大綱で、自衛官16万名（常備14万５千名、即応予備１万５千名）に削減され、基幹部隊８個師団・６個旅団、機動運用部隊１個機甲師団・１個空挺団・１個ヘリコプター団、地対空誘導弾部隊８個高射特科群の９個師団６個旅団体制をとることとした。1993年、高機動車の調達を開始。1994年、MLRSの配備を開始。94式水際地雷敷設装置を制式化。1995年、CH-47JA輸送ヘリ初号機が引き渡された。1996年、96式自走120mm迫撃砲、96式多目的誘導弾システムを制式化。73式小型トラック（新）の調達を開始。第４師団を近代化し、一部コア化改編。第５地対艦ミサイル連隊を健軍に新編、仙台の第２特科群にMLRS大隊を新編。補給関連組織を改編し、補給統制本部を新設、５個補給処を関東補給処に統合し、４個の地区補給処を補給処という名称に変えた。これにより補給は方面隊でなく中央で一括制御することとなった。12月、96式装輪装甲車を制式化。1997年、OH-1観測ヘリ初号機が引き渡された。1998年、UH-60JA多用途ヘリの引き渡しが始まった。1999年、99式自走155mm自走榴弾砲、99式弾薬給弾車を制式化。LR-2連絡偵察機初号機が引き渡された。３・1/2トントラックの配備を開始。2000年度、各種学校の研究部門を研究本部に統合した。

2001年、01式軽対戦車誘導弾を制式化。FFOSが完成。99式施設作業車の配備を開始。2001年6月19日から8月3日、北方機動演習を実施。2002年、重装輪回収車を制式化。2003年、03式中距離地対空誘導弾を制式化。3月、情報保全隊を創設。2005年度、第２混成団を第14旅団に改編。2006年、06式小銃てき弾を制式化。EC-225LP要人輸送ヘリの引き渡しが開始された。3月、AH-64D戦闘ヘリ初号機が引き渡された。2006年度、地方連絡部が地方協力本部となった。2007年、FFRSの運用を開始。3月28日、中央情報隊を創設。2007年度、東北方面混成団と中部方面混成団を新編。第３施設団を北部方面施設隊に改編。中央即応集団を新編。2009年、中距離多目的誘導弾の調達を開始。2009年4月30日、新型インフルエンザ検疫支援のため、成田空港検疫所に医官と看護官20名を派遣。8月24日、第６回太平洋地域陸軍参謀総長等会議と第33回太平洋地域陸軍管理セミナーに参加。9月8-25日、ヤキマ演習場で平成21年度派米実動訓練を実施。10月9-18日、饗庭野演習場と今津駐屯地で平成21年度日米共同実動訓練を実施。第７普通科連隊基幹の680名とニューヨーク州兵第1-69歩兵大隊基幹の200名が参加した。2010年、10式戦車を制式化。10式雪上車を仮制式化。2010年度、NBC偵察車と中距離多目的誘導弾の調達を開始。2010年3月1-5日、防衛省で平成21年度日米兵站幕僚会議を実施。3月末、年度末改編を実施。第１混成団を第15旅団に改編し、９個師団・６個旅団体制となった。第９師団が即応近代化師団に改編された。第50普通科連隊が高知駐屯地に移駐。情報科が新編された。高機動車と軽装甲機動車の量産が進み、普通科連隊が完全自動車化された。7月19-28日、ハワイのアメリカ陸軍スコフィールド・バラックス駐屯地で平成22年度日米共同方面隊指揮所演習を実施。陸自は陸幕や西部方面隊などから130名、アメリカ陸軍は太平洋陸軍司令部や第１軍団、在日米陸軍司令部などから100名が参加した。9月7-24日、アメリカのヤキマ演習場でアメリカ陸軍との合同実動演習ライジングサンダー（雷神2010）を実施。10月、ハワイで開催された第一回日米韓幕僚会議に参加。11月2-11日、アメリカ陸軍との日米共同実動訓練を上富良野演習場で実施。第２師団第26普通科連隊基幹の450名とミズーリ州兵第1-138歩兵大隊基幹の280名が参加した。11月17-19日、防衛省でアメリカ海兵隊と初の南西諸島防衛に関する実務者レベルの意見交換を実施。2011年、11式短距離地対空誘導弾を制式化。TH-480B練習ヘリの配備を開始。1月20日から2月3日、平成22年度日米共同方面隊指揮所演習を健軍駐屯地などで実施。西部方面隊などから4500名、在日米陸軍司令部やアメリカ海兵隊などから1500名が参加した。2月8日から3月3日まで、西部方面普通科連隊の隊員ら180名をアメリカ西海岸に派遣し、アメリカ海兵隊との共同訓練アイアンフィストを行った。3月11日に発生した東日本大震災の災害派遣に参加。4月22日、東日本大震災で遅れていた部隊改編を実施。方面隊から教育団と教育連隊を削除して北部方面混成団と東部方面混成団を新編し、第１・第２師団、第５旅団を改編した。また、中央警務隊を新編した。6月8-15日、IAEA原子力安全保安局に医官１名を派遣。6月12-25日、ハワイのフォート・シャフターでヤマサクラ60を実施。9月5-9日、第10回アジア太平洋地域多国間協力プログラムを実施。防衛省から45名、22カ国から実務者23人が参加し、東京と宮城県で東日本大震災の経験の共有と課題をテーマに意見交換などを行った。10月11-20日、第１師団とアメリカ陸軍テキサス州兵第3-141歩兵大隊が北富士演習場などで平成23年度日米共同実動訓練を実施。2012年1月16日から2月23日、アメリカ海軍コロナド基地やアメリカ海兵隊キャンプ・ペンドルトンなどで西部方面普通科連隊を基幹とする陸自隊員180名がアメリカ海兵隊との平成23年度日米共同実動訓練アイアンフィストに参加。着上陸戦闘の訓練を行った。1月24日から2月6日、ヤマサクラ61を実施。5月3-18日、豪州射撃競技会（AASAM2012）に初参加する第１空挺団主力の16名（89式小銃、MINIMI、9mm機関拳銃装備）をオーストラリアのバッカパンニャル諸職種訓練場に派遣。7月10-21日、ヤマサクラ62を実施。8月19-30日、日出生台演習場で平成24年度のアメリカ海兵隊との日米共同実動演習を実施。陸自から第４師団第41普通科連隊主力の隊員300名、74式戦車、FH70榴弾砲、AH-64D戦闘ヘリ、CH-47輸送ヘリ、アメリカ海兵隊から第３海兵師団戦闘攻撃大隊主力の兵員300名、AAV7戦闘車などが参加した。8月21日から9月26日まで、グアム・テニアンでアメリカ海兵隊第３海兵機動展開部隊（MEF）が主催する水陸両用実動訓練CERTEXに参加。8月30日から9月27日、吉林省琿春市栄安林場で行われた中国遺棄化学兵器発掘回収事業に自衛官７名を派遣。9月4-24日、ヤキマ演習場でアメリカ陸軍との共同実動訓練「雷神2012」（初のC4ISR訓練）を実施。第２師団第３普通科連隊を基幹とする隊員550名と、アメリカ陸軍第38騎兵連隊第３大隊基幹の兵員300名が参加した。9月25-29日、東京都内でMCAP2012を開催。9月26-28日、アメリカ陸軍との日米人事会議を防衛省で開催。初めて在日米海兵隊第３MEFから人事部長がオブザーバー参加した。10月12日から12月21日、尉官クラスの３名を第３海兵機動展開部隊に派遣して研修を実施。10月24日から11月7日、オリエント・シールド2012を実施。11月1-2日、防衛省で第二回日米間幕僚会議を開催。陸幕防衛部長、在日米陸軍司令官、韓国陸軍本部少将クラスなど30名が参加した。11月7-8日、防衛省でロシア陸軍との第10回日露幕僚会議を実施。2013年度に５年ぶりとなる陸幕長・陸軍総司令官によるハイレベル相互訪問を行うことなどで合意した。11月21日、防衛省でオーストラリア陸軍との日豪幕僚会議を実施。水陸両用作戦の研究を目的とする実務者交流を来年度から始めることなどで合意した。11月25日から12月2日、防衛省で陸軍兵站幕僚会議を実施。陸自を含む13カ国の大佐・中佐級兵站実務者が参加し、災害時の迅速な兵站協力のため後方支援体制をマニュアル化した多国間兵站ハンドブックを作成した。2013年1月27日から2月3日、カリフォルニア州フォート・アーウィン（ナショナル・トレーニング・センター）やジョージア州フォート・ペニング（下士官学校、レンジャー学校、機動センター）で国外隊付訓練（米陸軍）を実施。2月21日から3月9日、北海道大演習場と東千歳駐屯地でアメリカ第３海兵遠征軍第３海兵師団第４海兵連隊との平成24年度日米共同実動訓練フォレストライト３を実施。第７師団第11普通科連隊基幹の300名が参加した。5月1-18日、オーストラリアで豪州射撃競技会（AASAM2013）に参加。5月18-25日、オーストラリアのパッカパンニャル諸職種訓練場で2013年度日米豪射撃訓練サザン・ジャッカルーに参加。7月2日から8月4日、平成25年度協同転地演習（北方転地）を実施。中部方面隊や第10師団から隊員2300名、74式戦車28両など車両800両、航空機10機、海上自衛隊からLST-4001おおすみが参加した。8月28日から9月1日、MCAP2013を実施。8月28日から中国遺棄化学兵器発掘回収事業を実施。9月4-24日、平成25年度米国における米陸軍との実動訓練（雷神2013）を実施。10月8-18日、フォレスト・ライト2013に参加。10月15-28日、王城寺原演習場で在日米陸軍との平成25年度日米共同実動訓練を実施。第９師団第39普通科連隊、第９化学防護隊、中央特殊武器防護隊、第25歩兵師団第３旅団戦闘団第27歩兵連隊第２大隊などが参加した。10月16-18日、東ティモールでオーストラリア軍主催の災害派遣・人道支援図上演習ロング・リーチに参加。10月22日、東京五輪大会等準備委員会（委員長は山下裕貴陸幕副長）が発足した。11月18-22日、陸軍兵站幕僚会議を実施。16カ国が参加した。11月25-27日、第２回日越幕僚会議を開催。11月29日から12月12日、ヤマサクラ65演習を実施。2014年、主催者からの要請で、ミス・ワールド・ジャパン最終審査への支援（一日隊内生活）を開始。2月25日から3月8日、関山演習場や相馬原演習場などでアメリカ海兵隊との相互運用性向上を目的とする訓練を実施。第12旅団第２普通科連隊１個中隊基幹の200名とアメリカ海兵隊第３海兵師団第４海兵連隊第２大隊１個中隊基幹の170名が参加した。4月25日から5月20日、豪陸軍主催射撃競技会AASAMに参加。5月17-28日、日米豪射撃訓練サザン・ジャッカルーに参加。6月26日から7月25日、平成26年度協同転地演習（師団等転地）を実施。9月22日から10月12日、第３海兵機動展開部隊の招聘に応じ、フィリピンのバワラン島とその周辺海域で実施されたフィブレックス15にオブザーバー４名（陸幕と西部方面総監部）を派遣した。9月24日から12月19日、マクレガー射場でホーク及び中SAMによる部隊実射訓練を実施。10月27日から11月7日、オリエントシールド2014を実施。10月27日から11月26日、鎮西26演習を実施。11月6-11日、東京都内などでMCAP2014を開催。2015年1月19日から3月7日、アイアンフィスト15に参加。1月28日から2月8日、岩手山演習場などでアメリカ海兵隊との実動訓練（フォレスト・ライト2014-02）を実施。2月9-22日、アメリカ陸軍との実動訓練ノース・ウインド２を実施。4月11-16日、佐世保・宇久島・納島とその周辺空海域で、海自との平成27年度水陸両用戦訓練を実施。西部方面総監部、西部方面普通科連隊など隊員150名、車両10両、航空機６機が参加した。5月5-23日、AASAM2015に参加。5月21日から6月19日、日米豪共同訓練サザン・ジャッカルーに第１師団第32普通科連隊が参加。6月1-13日、ヤマサクラ68を実施。6月20日から7月1日、カーン・クエスト2015に中央即応連隊、国際活動教育隊、陸幕などが参加。7月5-21日、タリスマン・セイバーに参加。8月26-30日、北海道とその周辺海空域で平成27年度方面隊災害対処演習ノーザン・レスキュー2015を実施。9月6-18日、フォレスト・ライト2015に参加。9月10-21日、オリエント・シールド2015を実施。9月26日から10月12日、フィリピンのパラワン島・ルソン島周辺で米比共同訓練を研修した。10月19日から11月19日まで平成27年度方面隊実動演習（鎮西演習）を実施。

2016年、16式機動戦闘車を制式化。1月26日から2月6日、矢臼別演習場と然別演習場でアメリカ海兵隊との実動訓練フォレスト・ライト2015-02を実施。2月25日から3月16日、第８師団基幹の50名をアメリカ第３海兵遠征軍に派遣し、水陸両用作戦研修を実施。4月30日から5月25日、AASAM2016（平成28年度豪州における豪陸軍主催射撃競技大会）に参加。5月22日から6月4日、カーン・クエスト2016に参加。6月6日から7月29日、アフリカ施設部隊早期展開プロジェクトに参加。8月23日から9月1日、平成28年度第１回在外邦人等輸送訓練に参加。8月29日から9月8日、フォレスト・ライト2016-01を実施。11月10日、明治記念館で平成28年度陸自優秀隊員顕彰状授与式を実施。自衛官25名、技官５名、即応予備自衛官２名、予備自衛官２名が表彰を受けた。11月13-15日、南十字星16に参加。12月5日から日米共同方面隊指揮所演習ヤマサクラ71を実施。2017年1月30日から3月10日、アイアンフィスト17を実施。3月16-17日、横浜ノースドックで東部方面隊と在日米陸軍による日米共同災害対処訓練を実施。5月3-22日、アメリカ、イギリス、フランス、自衛隊の共同訓練に陸幕、西部方面隊、通信団、中央輸送業務隊の隊員50名とCH-47ヘリ１機で参加。5月13-26日、AASAM17に参加。5月17-28日、サザン・ジャッカルーに参加。5月18日、自衛隊家族会及び隊友会と、隊員家族の支援に対する協力に関する中央協定を締結。8月10-28日、アメリカ海兵隊との日米共同実動訓練ノーザンヴァイパーを北海道大演習場、上富良野演習場、矢臼別大演習場などで実施。第11旅団第28普通科連隊、第11特科隊など隊員1300名、90式戦車、99式自走155mm榴弾砲、UH-1Jヘリ、CH-47輸送ヘリなどが参加し、アメリカ第３海兵遠征軍第３海兵師団第４・第12海兵連隊など人員2000名、VMM-262所属MV-22B輸送機３機、CH-53輸送ヘリ４機などと各種訓練を行った。9月8-25日、アメリカ陸軍との日米共同訓練オリエントシールド2017を実施。9月13日から10月11日、中央即応集団14名がルソン島でカマンダグ2017訓練に参加。10月7日から11月4日、アメリカ海兵隊との実動訓練ドーンブリッツ17を実施。10月10-20日、第３海兵遠征軍に第８師団基幹40名を派遣して水陸両用作戦研修を実施。10月16日から11月3日、第３海兵遠征軍に第15旅団基幹50名を派遣して水陸両用作戦研修を実施。11月5-6日、MCAP2017を開催。11月15日、平成29年度陸自優秀隊員顕彰状授与式が行われ、自衛官25名、技官６名、即応予備自衛官２名、予備自衛官２名に顕彰状が授与された。

2018年3月26日、中央即応集団と第５高射特科群を廃止。3月27日、陸上総隊、水陸機動団、教育訓練研究本部、情報学校を新編、第８師団を機動師団に、第14旅団を機動旅団に改編した。敵の侵攻に対し、先遣部隊の即応展開、即応機動連隊の一次展開、機動師団・旅団の二次展開、増援部隊の三次展開を行い、即応機動する陸上防衛力で対抗する態勢を整える。中央輸送業務隊が中央輸送隊に改編された。4月17日から5月10日、AASAM2018に参加し、狙撃銃部門で優勝、国際マッチ部門で３位の成績を収めた。5月7日から6月8日、第12旅団第２普通科連隊１個中隊基幹130名がオーストラリアでサザンジャッカルー2018に参加。5月8-24日、水陸機動団演習を実施。水陸機動団、第１ヘリコプター団、DDH-181ひゅうが、LST-4002しもきたが参加した。5月28日から6月30日、第１空挺団がアークティック・オーロラ演習に参加。6月13-28日、ヤマサクラ74を実施。6月14-28日、カーンクエストに参加。6月15日から8月5日、リムパック2018に12式地対艦ミサイルシステムなどを派遣し、日米共同対艦戦闘訓練を初めて実施。7月14日、フランス共和国革命記念日パレードに日仏交友160周年で派遣された第１師団第32普通科連隊長以下７名が参加し、パリ市内シャンゼリゼ通りからコンコルド広場まで行進した。7月24-26日、パシフィック・シールド18に参加。8月23日から9月22日、雷神2018を実施。8月26日から9月19日、第９師団第21普通科連隊がオリエント・シールド2018に参加。9月8日から10月23日、カマンダグ18に参加。9月30日から10月12日、日本国内で初となるイギリス陸軍との実動訓練ヴィジラント・アイルズを実施。富士教導団偵察教導隊基幹の60名とイギリス名誉砲兵隊第１情報監視偵察旅団の50名が参加し、9月30日から10月4日までが富士学校と北富士演習場での機能別訓練、10月5-10日が王城寺原演習場での総合訓練で、ヘリボーン訓練、偵察行動における戦術技量に関する訓練、統合火力誘導訓練を行った。10月5-19日、日本国内で初となる日米共同水陸両用作戦実動訓練ブルークロマイト（青鉱石）を鹿児島県種子島と周辺海域で実施。水陸機動団本部、第２水陸機動連隊、第１ヘリコプター団などから陸自隊員230名、CH-47ヘリ、偵察ボート、海自LST-4001おおすみ、第３海兵師団第４海兵連隊第２大隊Ｅ中隊などからアメリカ海兵隊人員90名が参加し、種子島長浜海岸沖での偵察用ボート発着艦、CH-47によるヘリキャスト、内陸部へのヘリボーン降着、種子島空港跡地への上陸作戦を訓練した。10月13-14日、中部方面隊が南海レスキュー30を実施。10月17日から11月24日、第２・第６・第９師団と第14旅団が平成30年度協同転地演習を実施。10月18-19日、アメリカ空軍第384医療群主催の日米航空医学相互運用カンファレンスに衛生職域隊員が参加。10月21日、第12旅団と第１施設団第306施設隊が長野県総合防災訓練に参加。10月22日から11月24日、平成30年度方面隊実動演習を実施。西部方面隊、陸上総隊、北部方面隊、東北方面隊、海上自衛隊、航空自衛隊の隊員17000名、車両4500両、航空機65機が参加し、自衛隊施設外の区域や在日米軍施設を含む西部方面区全域で、島嶼侵攻事態対処訓練を行った。11月1-14日、インド軍対内乱・ジャングル戦学校で日印共同実動訓練ダルマ・ガーディアン18に参加。11月9-11日、みちのくALERT2018を実施。11月10-13日、MCAP2018プラスを実施。12月7-19日、フォレストライト2018-01を実施。

2019年1月7日から2月16日、アイアンフィスト19を実施。2月4-26日、カリフォルニア州ナショナル・トレーニング・センターでアメリカ陸軍との実動訓練を実施。第７師団第72戦車連隊基幹の390名がアラスカ州陸軍第25歩兵師団第１ストライカー旅団戦闘団基幹の4500名と交戦装置を用いた対抗訓練及び諸職種協同射撃訓練を行った。3月26日、第６師団を機動師団に、第11旅団を機動旅団に改編。第４師団に第４偵察戦闘大隊、第８師団に第８情報隊を新編。奄美駐屯地、瀬戸内分屯地、宮古島駐屯地を開設し、奄美警備隊、第344高射中隊、第301地対艦ミサイル中隊、宮古警備隊を新編した。3月26日から4月2日、AASAM19に参加。4月、シナイ半島の停戦監視を行っている多国籍部隊・監視団MFO司令部に陸上自衛官２名を派遣。4月30日、海上自衛隊平成31年度インド太平洋方面派遣訓練部隊PD19のDDH-183いずもに30名が乗艦し、横須賀を出港。5月10日から6月10日、第12旅団がサザン・ジャッカルー19に参加。5月中旬、UNMISS経験幹部２名をイギリスのノーフォークに派遣し、イギリス陸軍主催国連南スーダン共和国ミッションUNMISS派遣前訓練でイギリス陸軍UNMISS司令部派遣要員を指導した。5月22日から6月28日、第１空挺団がアークティック・オーロラ19に参加。5月25日から8月28日、国連三角パートナーシップ・プロジェクトでケニアに陸上自衛官23名を派遣。6月14-28日、カーン・クエスト19に陸上総隊など60名で参加。6月27日から7月22日、カンボジア軍への能力構築支援事業を実施。6月30日から7月25日、第３師団が協同転地演習を実施。6月30日から8月21日、タリスマン・セイバー19に参加。7月16-17日、第１空挺団がアメリカ空軍第374空輸航空団C-130J輸送機からの空挺降下訓練を実施。7月17-18日、第２回メガシティー会議に参加。7月17-30日、ヤマサクラ76を実施。8月22日から9月21日、雷神2019に参加。8月22日、日米共同サイバー戦競技会サイバーサンダーを実施。9月1日、令和元年度離島統合防災訓練に参加。9月3-9日、令和元年度方面隊実動演習（北部方面隊）を実施。北海道全域で本格侵攻事態が発生したと想定し、矢臼別演習場や北海道演習場など演習場15カ所と14市町村で行われ、北部方面隊、海自、空自などから隊員10000名、車両3000両、航空機30機が参加した。9月8-22日、拡大ASEAN国防相会議PKO専門家会合参加国実動訓練に陸上総隊20名が参加。9月29日から10月24日、スコットランドで日英共同実動訓練ヴィジラント・アイルズ19に参加。10月21日から11月22日、西部方面隊が鎮西演習を実施。10月27日から11月22日、第５旅団が協同転地演習を実施。10月28日から11月1日、日印共同訓練ダルマ・ガーディアン19を実施。11月5-26日、第２師団が協同転地演習を実施。11月11-15日、ラオス人民軍に能力構築支援事業を実施。11月18-22日、陸軍兵站実務者交流MLSTを実施。アメリカ、イギリス、オーストラリア、フランス、カナダ、インド、韓国、ASEAN諸国、モンゴル、ニュージーランド、トルコ、スリランカ、ネパール、パキスタン、フィジー、パラオ、パプアニューギニアの25カ国が参加し、防衛省市ヶ谷庁舎や東京臨海広域防災公園などで、HA/DR活動に関する兵站上の教訓、都市災害、オリンピック対応ノウハウなどに関する意見交換を行った。11月29日、自衛官25名、技官６名、即応予備自衛官２名、予備自衛官２名の令和元年度陸自優秀隊員顕彰状授与式を明治記念館で実施。12月1-13日、フォレスト・ライトMAを実施。

2020年、V-22輸送機の配備を開始。1月2日から2月7日、第９師団第39普通科連隊がルイジアナ州ジョイント・レディネス・トレーニング・センターでアメリカ陸軍との実動訓練コンバット・トレーニング・センター20を実施。1月18-30日、在日米軍との共同訓練フォレスト・ライトWAを実施。1月22日から2月8日、日米共同訓練ノーザンヴァイパーを実施。1月25日から2月13日、アメリカ海兵隊との実動訓練を実施。水陸機動団と第１ヘリコプター団の隊員60名、CH-47ヘリ、偵察用ボートなどが参加し、アメリカ海兵隊第31海兵遠征隊、MV-22B輸送機、CH-53輸送ヘリ、アメリカ海軍第11水陸両用戦隊、強襲揚陸艦などと、沖縄県及びその周辺海域で、ボートによる着上陸訓練や回転翼機による発着艦訓練などを行った。1月26日から3月9日、コブラ・ゴールド20に隊員140名と軽装甲機動車１両で参加。2月5-27日、アイアン・フィスト2020を実施。2月10-18日、第６師団第44普通科連隊が令和元年度協同転地演習を実施。2月21-23日、令和元年度日米共同統合防災訓練（南海レスキュー01）に参加。2月24-28日、令和元年度日米共同統合防空・ミサイル防衛訓練に参加。2月26-28日、中部訓練場で日米射撃競技会を実施。第15旅団、西部方面混成団第24普通科連隊、与那国沿岸監視隊、アメリカ第３海兵師団、アメリカ陸軍第10支援群、同第１防空大隊が参加し、第51普通科連隊第３中隊の分隊が優勝した。3月25日、第６師団第６特科連隊と第９師団第９特科連隊が廃止された。3月26日、東北方面特科隊隷下に東北方面特科連隊を新編した。第１ヘリコプター団隷下に輸送航空隊（MV-22B運用第107・第108飛行隊、CH-47ヘリ運用第109飛行隊からなる）を新編した。教育訓練研究本部隷下に訓練評価支援隊を新編した。8月24日から9月10日、令和2年度方面隊実動演習（北部方面隊）を実施。8月27-30日、第８師団第42即応機動連隊と第14旅団第15即応機動連隊が日出生台演習場で機動戦闘車合同射撃訓練を実施。9月2-9日、令和2年度機動展開訓練（中部方面隊）を実施。隊員300名、第14旅団司令部、第15即応機動連隊、第14飛行隊、第14偵察隊、第14高射特科中隊、第14通信隊、中部方面航空隊、第１ヘリコプター団が参加し、西部方面区（長崎県対馬市）への機動展開、沿岸監視、武装工作員対処の各訓練を行った。9月15日、第１空挺団240名が海自厚木航空基地でアメリカ第374空輸航空団C-130J輸送機２機に搭乗し、習志野演習場上空340mから空挺降下訓練を行った。10月13 -21日、令和2年度機動展開訓練（中部方面隊）を実施。第14旅団司令部、第15即応機動連隊、第14偵察隊、第14通信隊、第１ヘリコプター団、陸上総隊から隊員60名が参加し、第14旅団の部隊が第１ヘリコプター団CH-47ヘリで西部方面隊区（与那国駐屯地）に機動展開、与那国沿岸監視隊との協同警備訓練などを行った。10月16日から11月5日、西部方面隊実動演習02鎮西を実施。10月17日から11月9日、令和2年度機動展開訓練（東北方面隊）を実施。第６師団司令部、第44普通科連隊、第６高射特科大隊、第６後方支援連隊、第６通信大隊、第６飛行隊、第124地区警務隊から隊員700名が参加し、西部方面隊区（鹿屋航空基地や下甑島分屯基地）に機動展開して警備訓練などを行った。10月20日から11月12日、令和2年度機動展開訓練（北部方面隊）を実施。第２師団司令部、第25普通科連隊、第２偵察隊、第２通信大隊から隊員1000名が参加し、西部方面隊区（霧島演習場）に機動展開して対着上陸訓練などを行った。10月26日から11月5日、キーン・ソード21に参加。

2021年1月28日から2月6日、アメリカ第31海兵遠征隊との共同水陸両用戦訓練を実施。水陸機動団、第１ヘリコプター団、西部方面航空隊など隊員230名が、アメリカ海兵隊第31海兵遠征隊、アメリカ海軍第11水陸両用戦隊LHA-6アメリカ、同LSD-48アシュランドなどと、ボートによる着上陸訓練やヘリコプター発着艦訓練などを行った。LST-4001おおすみも加わる予定だったが、不具合で参加できなかった。2月12-13日、日米共同統合防災訓練TREXに参加。3月8-11日、東富士演習場で第１空挺団とアメリカ第374空輸航空団との日米共同空挺降下訓練（令和2年度第４回）を実施。3月18日、第３対戦車ヘリコプター隊が第１戦闘ヘリコプター隊に改編された。3月29日、西部方面システム通信群隷下に第301電子戦中隊を新編した。5月11-17日、水陸機動団や西部方面航空隊など隊員100名が、相浦駐屯地と霧島演習場で、フランス陸軍第７軽機甲旅団60名及びアメリカ海兵隊第３海兵師団、第３海兵兵站群、第１海兵航空団計60名との多国間共同実動訓練ARC21に参加し、指揮機関・機能別訓練（5月11-13日）と、水陸両用作戦（ヘリボーン）に引き続く市街地戦闘などの総合訓練（5月14-15日）を行った。5月20日、令和3年度第１回となる米空軍機からの降下訓練（国内）を実施。第１空挺団140名とアメリカ空軍C-130J-30輸送機３機が参加した。6月9-19日、水陸機動団と第１ヘリコプター団CH-47JAヘリが、九州西方海域などでLST-4002しもきた、LCAC-2105エアクッション艇５号、LCAC-2106エアクッション艇６号との水陸両用作戦協同訓練に参加。6月15日、令和3年度第１回陸上総隊・方面隊等最先任上級曹長会同をテレビ会議方式で実施。6月18日から7月11日、オリエント・シールド21に参加。6月18日、ラオス軍に対する能力構築支援セミナーをオンラインで実施。6月25日から8月7日、水陸機動団第２水陸機動連隊がタリスマン・セイバー2021に参加。7月4日まで、第14旅団第50普通科連隊基幹の60名がサザン・ジャッカルー21に参加。7月5-17日、令和3年度地対艦ミサイル部隊実射訓練を実施。第１特科団第１・第３地対艦ミサイル連隊など隊員140名がカリフォルニア州ポイント・マグー射場で88式地対艦誘導弾実射訓練を行い、洋上模擬標的を直撃した。7月20-22日、国内における米空軍機からの降下訓練（令和3年度第２回）を実施。第１空挺団が東富士演習場でアメリカ空軍C-130J-30輸送機２機から空挺降下を行った。7月30日、アメリカ陸軍と共同降下訓練を実施。第１空挺団とアメリカ第１特殊部隊群が日本からグアム島までC-130で飛行し、空挺降下を行った。8月2-27日、フィリピン海で大規模広域演習LSGE21にAH-64DヘリとCH-47JAヘリが参加。8月9日から11月19日、令和3年度ホーク・中SAM部隊実射訓練をニューメキシコ州マクレガー射場で実施。各高射特科群、第15旅団第15高射特科連隊、高射教導隊などから300名が参加し、ホークと中SAMによる初連携射撃訓練や、第15高射特科連隊03式中SAMと空自第２高射群ペトリオット（マクレガー射場で令和3年度高射部隊実弾射撃訓練に参加中）による初の協同射撃訓練（10月24日）などを行った。9月3-14日、能力構築支援事業で第２施設団主力の10名をモンゴルに派遣し、モンゴル陸軍工兵50名に測量教育と道路建設の技術指導を実施。9月5-8日、第７師団が令和3年度長距離機動訓練を実施。9月9日から10月中旬、能力構築支援事業で東部方面隊・武器学校主力の17名を東ティモールに派遣し、測量・施設機械整備・車両整備に関する教育を実施。9月10日から10月上旬、能力構築支援事業で中央音楽隊主力の６名をパプアニューギニアに派遣し、軍楽隊に演奏技術指導を実施。9月15日から11月下旬、令和3年度陸上自衛隊演習を実施。1993年以来となる陸自全部隊対象の大規模実動演習で、陸自隊員100000名、車両20000両、航空機120機に加え、海自LST-4002しもきた、空自、チャーター船ナッチャンWorld、はくおう、在日米陸軍輸送艇LCU-2009なども参加し、各駐屯地・分屯地での出動準備訓練（長距離機動に向けた弾薬・燃料・糧食等受領、車両への積載、出発前車両点検・整備、残留隊員への業務引継、託児所開設など）、機動展開訓練（通信科部隊先行展開・現地システム通信構成、後方支援部隊先行物資・燃料輸送、患者後送、第２師団・第６師団・第14旅団西方転地、統合・日米共同輸送など）、出動整備訓練（留守駐屯地への予備自衛官招集による人員補充、警備隊強化など）、兵站・衛生訓練、システム通信訓練を行った。9月13-15日、最先任上級曹長がハワイに出張し、インド太平洋地域陸軍参謀総長等会議IPACCと上級曹長フォーラムSELFに参加した。9月28日から10月8日、水陸機動団30名がカマンダグ21に参加。10月3-6日、第１空挺団と第１ヘリコプター団が協同長距離機動訓練を実施。島嶼部への緊急展開を想定して習志野駐屯地と木更津駐屯地からCH-47などヘリ30機で東富士演習場に空中機動し、飛行場制圧などの訓練を実施、10月5日には更に帯広飛行場に空中機動し、情報収集、狙撃、長距離通信訓練などの訓練を行った。10月10-15日、最先任上級曹長がワシントンDCに出張し、アメリカ陸軍協会年次総会の最先任フォーラムに出席した。10月30日、内閣府主催令和3年度大規模地震時医療活動訓練にCH-47JAヘリ２機で参加。11月12日と12月16日、みちのくALART2020を実施。11月22-27日、部隊訓練評価隊が本格的特科実設運営を実施。12月2日、最先任上級曹長根本准尉がアメリカ陸軍グリンストン最先任上級曹長とテレビ会談を実施。

2022年、UH-2多用途ヘリの配備を開始。1月10日から2月16日、アイアンフィスト22に参加。1月12日から2月3日、令和3年度第４回実動対抗演習等（訓練評価支援隊の支援による日出生台演習場における実動対抗演習）を実施。機動展開訓練、準備訓練、実動対抗演習が行われ、第10師団が日出生台演習場に機動展開して演習準備を行い、第８師団との対抗演習を行った。1月25-27日、東富士演習場で第１空挺団がアメリカ空軍と共同空挺降下訓練を実施。2月6日、アメリカ海軍との日米共同訓練に第１ヘリコプター団と水陸機動団が参加。2月27日から3月10日、ダルマ・ガーディアン21に参加。3月1日、多国間サイバー防護競技会を実施。3月4-25日、沼津海浜訓練場（3月4-15日、各種訓練）と東富士演習場（3月16-25日、実弾射撃訓練）で日米共同水陸両用作戦訓練を実施。水陸機動団第１水陸機動連隊（偵察ボート、AAV7、スカイレンジャーUAV、20式小銃、SFP9拳銃）と第１ヘリコプター団（輸送航空隊V-22輸送機、CH-47ヘリ）基幹の400名が、LSD-48アシュランド、LCU-1631、LCU-1634、第31海兵遠征隊（LARC-�X、JLTV）、第１海兵航空団F-35B戦闘機、KC-130J空中給油輸送機、VMM-265所属MV-22B輸送機、CH-53Eヘリと訓練を行った。3月17日、陸上総隊隷下に電子作戦隊を、サイバー防護隊隷下に第303システム防護隊を新編し、第２師団を機動師団に改編した。自衛隊那覇病院が空自から移管されている。4月3日、オーストラリア陸軍第１師団司令部に初代連絡官を派遣。6月13-16日、アメリカ海兵隊と共催して木更津駐屯地、横須賀基地、ホテル椿山荘で太平洋水陸両用指揮官シンポジウム2022を実施。横須賀基地ではLST-4001おおすみやAAV7水陸両用車を公開した。4月19-20日、陸自最先任上級曹長村脇准尉が令和4年度第１回陸上総隊・方面隊等最先任上級曹長会同を実施。5月11-12日、村脇陸自最先任上級曹長がアメリカ太平洋陸軍ブルザック最先任主催の下士官プログラムに参加。初日は渡會陸上総隊最先任上級曹長と共に習志野駐屯地で第１空挺団を研修し、２日目は永禮教育訓練研究本部最先任上級曹長及び内堀富士学校最先任上級曹長と日米相互ブリーフィング・意見交換を行った。6月6-20日、カーン・クエスト22に参加。6月29日から8月4日、西部方面隊第５地対艦ミサイル連隊がリムパック2022に参加。7月6-8日、令和4年度第２回国内における米空軍機からの降下訓練を実施。第１空挺団がアメリカ空軍横田基地でアメリカ空軍輸送機に乗り、王城寺原演習場で空挺降下訓練を行った。アメリカ空軍輸送機は軽物料投下も行っている。7月17日0803-0805頃、福岡県柳川市大和町付近上空を夜間飛行訓練中の西部方面ヘリコプター隊UH-60JA多用途ヘリ１機と第109飛行隊CH-47輸送ヘリ１機に対し、レーザー光線とみられる光が照射された。被害は無かったが、福岡県柳川警察署に通報している。8月14日から9月9日、オリエント・シールド22を実施。8月22-25日、北部方面隊が第７師団による令和4年度長距離機動訓練を実施。8月24日から9月28日、東ティモール国防軍後方支援隊などに対する日米豪新共同能力構築支援事業ハリィ・ハムトゥックに16名が参加。9月13日から11月24日、令和4年度ホーク・中SAM部隊実射訓練を実施。高射部隊年次射撃訓練中の空自高射部隊との陸空協同防空戦闘・実弾射撃訓練も行っている。10月1-14日、レゾリュート・ドラゴン22に参加。10月1日、第１空挺団が日出生台演習場で米空軍機からの降下訓練を実施。10月3-14日、米比海兵隊共同実動訓練カマンダグ22に参加。11月3-5日、オマーン軍楽祭に西部方面音楽隊基幹の音楽隊が参加。11月22-30日、日英共同実動訓練ヴィジラント・アイルズ22演習を実施。11月28日から12月13日、ヤマサクラ83を実施。12月11日、令和4年度栃木県・栃木市総合防災訓練に第12旅団第12ヘリコプター隊第１飛行隊UH-60JAヘリ、第12特科隊、第１施設団第307施設隊が参加。

2023年1-2月、令和4年度米国における実動訓練を実施。特殊作戦群がアメリカ陸軍特殊作戦コマンドと実動訓練を行った。1月31日から2月2日、第１空挺団が令和4年度第５回国内における米空軍機からの降下訓練を実施。2月17日から3月2日、ダルマ・ガーディアン22を実施。3月16日、石垣駐屯地が開設された。3月28-29日、カザフスタン軍参謀本部放射線・化学・生物防護・環境安全局長クルマガンベトフ大佐とコミサロフ中佐を招き、CBRN分野の専門家交流を実施。化学学校と中央特殊武器防護隊で、意見交換や訓練・研修・装備品見学を行った。4月25日、高度サイバー人材育成を目的にアメリカのマイクロソフト社と協定を締結し、陸幕指揮通信システム・情報部指揮通信システム課の一等陸佐がアメリカのマイクロソフト本社などで行われる研修に参加することになった。5月18日から6月21日、令和5年度北海道訓練センター第１回実動対抗演習等を実施。第１師団（AH-1S対戦車ヘリ、UH-1J汎用ヘリ、155mm榴弾砲、軽装甲機動車など）が上富良野演習場まで機動展開訓練（往路）を行い、上富良野演習場で準備訓練を実施、矢臼別演習場で第２師団（90式戦車など）と実動対抗演習を行い、上富良野演習場で補備訓練の後、各駐屯地へと機動展開訓練（復路）を実施した。5月23-24日、令和5年度第１回国内における米空軍機からの降下訓練を実施。第１空挺団が習志野演習場でアメリカ空軍機からの降下訓練を行った。6月19日から7月2日、モンゴルのファイブヒルズ訓練場で令和5年度多国間訓練カーン・クエスト23に参加。6月22日から7月13日、オーストラリアのタウンズビル演習場などで令和5年度豪州における米豪軍との実動訓練サザン・ジャッカルー23に参加。6月29日から7月31日、第10師団と第11旅団が令和5年度北海道訓練センター第２回実動対抗演習等を実施。7月7日、令和5年度第２回国内における米空軍機からの降下訓練を実施。第１空挺団が東富士演習場でアメリカ空軍機からの降下訓練・物料投下訓練を行った。7月10-17日、レゾリュート・ドラゴン23前段演習を実施。7月20日から8月4日、タリスマン・セイバー23に参加。8月1-3日、令和5年度第３回国内における米空軍機からの降下訓練を実施。第１空挺団が習志野演習場でアメリカ空軍機からの降下訓練を行った。8月27日から9月13日、令和5年度米尼軍との実動訓練スーパー・ガルーダ・シールド23を実施。9月、令和5年度豪州における実動訓練を実施。特殊作戦群がオーストラリアでオーストラリア陸軍特殊作戦コマンドと実動訓練を行った。9月10-29日、仏領ニューカレドニアで令和5年度ニューカレドニアにおける仏陸軍との実動訓練ブリュネ・タカモリ23を実施。第９師団第５普通科連隊などが、ニューカレドニア駐屯フランス軍ニューカレドニア海兵歩兵連隊などと、対ゲリラ・コマンドー作戦訓練（中隊規模以下の戦術行動、実弾射撃）を行った。9月11-13日、令和5年度第４回国内における米空軍機からの降下訓練を実施。第１空挺団が東富士演習場でアメリカ空軍機からの投降下訓練を行った。9月12日から12月6日、令和5年度ホーク・中SAM部隊実射訓練を実施。各高射特科群、第15旅団第15高射特科連隊、高射教導隊が、ニューメキシコ州マクレガー射場で、ホーク・中SAM実射訓練や空自ペトリオット（高射部隊年次射撃訓練中）との協同実射訓練などを行った。9月14-23日、令和5年度米陸軍との実動訓練オリエント・シールド23を実施。9月14日、防衛省でアメリカ陸軍と第43回日米人事会議を実施。9月20日から10月25日、第３師団と第９師団が令和5年度北海道訓練センター第３回実動対抗演習等を実施。9月25日から10月12日、ドイツ陸軍から大尉３名を受け入れ、初の日独若手幹部交流を実施。富士学校と習志野駐屯地で国際活動協力隊や第１空挺団を研修した。10月8-21日、第１特科団がカリフォルニア州ポイントマグー射場で令和5年度地対艦ミサイル部隊実射訓練を実施。10月14-21日、拡大ASEAN国防相会議（ADMMプラス）人道支援・災害救援演習に10名で参加。10月14-31日、レゾリュート・ドラゴン23演習（後段）を実施。10月15-17日、最先任上級曹長がアメリカ陸軍機動センターを研修した。10月24日、防衛省でカンボジア陸軍と初の幕僚協議を実施。10月29日から11月13日、ライジング・サンダー23を実施。11月9-20日、カマンダグ23に参加。11月15-26日、令和5年度英陸軍との実働訓練ヴィジラント・アイルズ23を実施。11月30日から12月13日、令和5年度日米豪共同指揮所演習ヤマサクラ85を実施。12月12-14日、市ヶ谷駐屯地でアメリカ太平洋陸軍とランド・フォーシーズ・サミットLFSを共催。森下陸幕長、アメリカ太平洋陸軍司令官、アメリカ太平洋海兵隊司令官、オーストラリア陸軍本部長、フィリピン陸軍司令官、フィリピン海兵隊司令官が参加し、日米豪比４カ国懇談、日米豪韓４カ国懇談（韓国陸軍参謀総長はビデオ会議で参加）、日米比３カ国懇談を実施、戦略環境認識を共有し、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた意見交換を行った。

2024年1-2月、特殊作戦群が令和5年度米国における実動訓練に参加し、アメリカ陸軍特殊作戦コマンドと共同訓練を行った。1月9-31日、水陸機動団と第13旅団が令和5年度北海道訓練センター第４回実動対抗演習等を実施。1月22-31日、令和5年度米陸軍との実動訓練ノース・ウインド24を実施。2月1-16日、第４師団が令和5年度北海道訓練センター第５回実動対抗演習等を実施。2月25日から3月9日、令和5年度インド陸軍との実動訓練ダルマ・ガーディアン23を実施。2月25日から3月17日、アイアン・フィスト24を実施。2月28日、愛知県の無人飛行ロボット実験場で、三菱重工製UAVの運用試験を行ったと発表した。物資100kgの自律飛行による輸送などをテストしている。3月6-7日、第１空挺団が喜界島と在日米軍横田基地で令和5年度第５回国内における米空軍機からの降下訓練を実施。3月21日、第７地対艦ミサイル連隊が新編された。与那国駐屯地と対馬駐屯地に電子戦部隊が配備された。通信学校がシステム通信・サイバー学校に改編された。3月22日、水陸機動団第３水陸機動連隊が新編された。3月27日、第３師団第３特科隊が廃止された。中部方面特科連隊が新編された。4月16-18日、第１空挺団が習志野演習場と在日米軍横田基地で令和6年度第１回国内における米空軍機からの降下訓練を実施。5月16日から6月29日、オーストラリアで令和6年度米豪軍との実動訓練サザン・ジャッカルー24に参加。5月26日、令和6年度富士総合火力演習を実施。5月30日、第１師団第１普通科連隊が北富士演習場で手榴弾投擲訓練を行った際、爆発後の手榴弾破片が投擲指導隊員１名に当たって死亡した。6月27日から8月1日、リムパック2024に第７地対艦ミサイル連隊12式地対艦誘導弾が参加。7月8-28日、第７師団と第12旅団が令和6年度北海道訓練センター第２回実動対抗演習等を実施。7月18-26日、令和6年度米陸軍との実動訓練オリエント・シールド24を実施。7月27日から8月8日、カーン・クエスト24に参加。7月28日から8月7日、レゾリュート・ドラゴン24を実施。7月31日から8月2日（8月1-2日は予備日）、第１空挺団が王城寺原演習場と在日米軍横田基地で令和6年度第２回国内における米空軍機からの降下訓練を実施。8月2日から9月5日、水陸機動団と第６師団が令和6年度北海道訓練センター第３回実動対抗演習等を実施。8月26日から9月6日、ジャワ島アエンバグス演習場やスマトラ島バトラジャ演習場などで令和6年度米尼軍等との実動訓練スーパー・ガルーダ・シールド24を実施。8月26日から11月26日、ニューメキシコ州マクレガー射場で令和6年度ホーク・中SAM部隊実射訓練を実施。各高射特科群、第２高射特科団第102高射特科隊、第15旅団第15高射特科連隊、高射教導隊が、ホーク地対空ミサイル・03式中距離地対空誘導弾の実射訓練と、空自ペトリオット地対空ミサイルとの連携協同実弾射撃訓練を行った。9月8-20日、令和6年度フランス陸軍との実動訓練ブリュネ・タカモリ24を実施。10月15-25日、カマンダグ24に参加。

参考：自衛隊法、月刊軍事研究9,’04、8,’04、7,’08、10,’08、3,’16、4,’97、3,’10、4,’10、9,’10、11,’10、4,’12、6,’12、8,’12、2,’13、9,’13、2,’15、5,’15、9,'15、4,’16、7,’16、2,’17、6,’17、12,’18、自衛隊装備年鑑1996、月刊PANZER3,’05、7,’10、8,’10、2,’11、6,’13、兵器最先端５、月刊丸8,’87、4,’99、12,’10、自衛隊装備カタログ1981、スピアヘッドNo.3、No.5、No.6、No.7、No.17、陸上自衛隊地上戦力の全容、月刊世界の艦船9,’01、8,’10、5,’11、3,’15、6,’15、7,’17、12,’17、6,’18、8,’19、5,'20、11,'20、1,'21、9,'21、10,'21、6,'22、10,'24、ザ・マーチ23号、月刊JWings7,’11、4,’12、11,’12、10,’13、4,’14、9,’14、2,’15、10,'15、11,’15、4,'16、11,’16、10,'17、6,’18、9,’18、10,’18、12,’18、7,’19、9,’19、11,’19、4,’20、5,’20、6,’20、11,'20、4,'21、6,'21、7,'21、9,'21、10,'21、11,'21、12,'21、1,'22、4,'22、6,'22、9,'22、10,'22、12,'22、3,'23、4,'23、6,'23、6,'24、8,’24、MAMOR vol.84、vol.93、vol.115、vol.137、vol.138、vol.139、vol.142、vol.151、vol.152、vol.155、vol.158、vol.160、月刊航空ファン1,’15、11,’16、10,’17、12,’17、6,’18、10,’19、2,’20、9,'22、日本の防衛戦力Part1、月刊世界の艦船12,'15、9,'22、11,'22、朝雲、陸上自衛隊ホームページ

　＜陸上自衛隊（１９７７年）＞：隊員155000名、予備役39000名。トップは防衛庁長官で、陸上幕僚長と陸上幕僚監部が補佐する。北部・東北・東部・中部・西部の各方面隊、通信団、機械化師団１個、師団12個、戦車団１個、空挺団１個、混成団１個、特科団１個、高射特科団２個、通信旅団１個、施設旅団５個、高射特科群８個、ヘリコプター団１個、航空中隊34個からなる。長官直轄部隊として、幹部学校、幹部候補生学校、富士学校、高射学校、航空学校、施設学校、通信学校、武器学校、需品学校、輸送学校、業務学校、調査学校、衛生学校、化学学校、少年工科学校、中央補給処、第101測量大隊、警務隊、檜町駐屯地業務隊、中央監察隊、中央資料隊、中央会計隊、中央調査隊、会計監査隊、資材統制隊、青函地区輸送連絡隊、京浜港湾処理隊、中央管制気象隊、人事統計隊、檜町警備隊、中央音楽隊、印刷補給隊も置かれている。61式戦車560両、74式戦車150両、M-41軽戦車130両、60式装甲兵員輸送車430両、73式装甲兵員輸送車70両、155mmカノン砲M2、105mm榴弾砲M2を360門、155mm榴弾砲M1を220門、105mm自走砲M52を　30門、155mm自走砲M44を10門、203mm自走砲M110を70門、107mm迫撃砲550門、57mm/75mm/106mm無反動砲（自走式含む）1500門、67式30型地対地ロケット、64式対戦車ミサイル、35mm連装/37mm/40mm/75mm/90mm高射砲400門、ホーク地対空ミサイル、L-19観測機30機、LM1/2観測機20機、LR-1連絡機10機、KV-107ヘリ50機、UH-1Hヘリ40機、UH-1Bヘリ80機、OH-6Jヘリ100機、H-13ヘリ３機を配備する。参考：軍事力バランス78年版、日本の防衛戦力Part1

　＜陸上自衛隊（１９８０年）＞：トップは防衛庁長官で、陸上幕僚長と陸上幕僚監部が補佐する。５個方面隊（北部、東北、東部、中部、西部）、12個師団・１個混成団編成で、機動運用部隊は１個機械化師団、１個戦車団、１個特科団、１個空挺団、１個指導団である。他に第１ヘリコプター団、通信団、幹部学校、幹部候補生学校、富士学校、高射学校、航空学校、施設学校、通信学校、武器学校、需品学校、輸送学校、業務学校、調査学校、衛生学校、化学学校、少年工科学校、需品補給処、武器補給処、施設補給処、通信補給処、衛生補給処などが編成されている。戦車830両（74式230両、61式560両、M41軽戦車15両）、装甲車540両（73式90両、60式430両、M3A1ハーフトラック20両）、自走砲135門、小銃237000丁、迫撃砲1800門、榴弾砲・カノン砲860門、ロケット発射機70基、64MAT220基、M20バズーカ7500基、84mm無反動砲230門、106mm自走無反動砲250門、L-90高射砲60門、75mm高射砲20門、自走高射機関砲110門、ホーク高射特科群8.5個、LR-1連絡機10機、LM連絡機5機、OH-6ヘリ119機、L-19連絡機18機、HU-1H/Bヘリ136機、KV107ヘリ54機、AH-1S２機、S-55C/H-19を12機、ベル47G/OH-13/KH-4を15機、TH-55Jを31機、O-1A/Eを85機、LM-1を23機保有する。参考：自衛隊装備カタログ1981

　＜陸上自衛隊（１９８０年代後半）＞：定員18万名、現役15.6万名、予備4.6万名。トップは防衛庁長官で、陸上幕僚長及び陸上幕僚監部が補佐する。隷下に北部方面隊、東北方面隊、東部方面隊、中部方面隊、西部方面隊、第１ヘリコプター団、通信団、富士教導団、幹部学校、幹部候補生学校、富士学校、高射学校、航空学校、施設学校、通信学校、武器学校、需品学校、輸送学校、業務学校、調査学校、衛生学校、化学学校、少年工科学校、需品補給処、武器補給処、施設補給処、通信補給処、衛生補給処などを置く。参考：兵器最先端５、月刊軍事研究3,’10

　＜陸上自衛隊（１９８９年）＞：現役自衛官156000名、予備自衛官46000名。５個方面隊、機甲師団１個、甲師団７個、乙師団５個、混成団２個、空挺団１個、特科団１個、高射特科団２個、教導団３個、ヘリコプター団１個、対戦車ヘリコプター隊２個からなる。61式戦車430両、74式戦車770両、82式指揮通信車100両、87式偵察警戒車20両、60式装甲車430両、73式装甲車210両、105mm砲M-101を290門、155mmカノン砲M-1/M-2を40門、155mm砲FH-70を140門、203mm砲M-115を40門、74式自走105mm榴弾砲20門、75式自走155mm榴弾砲200門、203mm自走榴弾砲M-110A2を70両、75式自走多連装130mmロケットランチャー70両、81mm迫撃砲820門、107mm迫撃砲560門、67式30型ロケット弾発射機50両、64式対戦車誘導弾220基、79式対舟艇対戦車誘導弾100基、87式対戦車誘導弾20基、M-20スーパーバズーカ、75mm無反動砲、84mm無反動砲カールグスタフ、106mm無反動砲、60式自走106mm無反動砲、35mm連装高射機関砲70基、37mm自走高射機関砲、40mm自走高射機関砲、スティンガー地対空ミサイル180基、81式短距離地対空誘導弾発射機40両、改ホーク地対空ミサイル200基、LR-1連絡偵察機20機、TL-1固定翼機２機、AH-1S攻撃ヘリ40機、AS-332L要人輸送ヘリ３機、CH-47J輸送ヘリ10機、KV-107輸送ヘリ50機、OH-6D/J観測ヘリ160機、UH-1B/H汎用ヘリ130機、TH-55練習ヘリ20機を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜陸上自衛隊（２００７年）＞：定員15.2万名、現役14.0万名、予備5.4万名。トップは防衛大臣で、陸上幕僚長及び陸上幕僚監部の補佐を受ける。隷下に北部方面隊、東北方面隊、東部方面隊、中部方面隊、西部方面隊、中央即応集団、特殊作戦群、通信団、幹部学校、幹部候補生学校、少年工科学校、富士学校、高射学校（改良ホーク、L-90）、航空学校、施設学校、通信学校、武器学校、需品学校、輸送学校、小平学校、衛生学校、化学学校、研究本部、中央管制気象隊などを置く。参考：月刊JWings6,’07、月刊軍事研究3,’10、月刊航空ファン4,’10

　＜陸上自衛隊（２０１５年）＞：最高指揮官は内閣総理大臣、トップは防衛大臣で、陸上幕僚長と陸上幕僚監部が補佐する。隷下部隊は北部方面隊、東北方面隊、東部方面隊、中部方面隊、西部方面隊、中央即応集団、通信団、中央情報隊、警務隊、中央会計隊、中央輸送業務隊、中央業務支援隊、中央管制気象隊、会計監査隊、中央音楽隊。隷下機関は幹部学校、幹部候補生学校、富士学校、各職種学校、高等工科学校、補給統制本部、研究本部、地区病院７院。他に３自衛隊共同機関として体育学校、自衛隊中央病院、地方協力本部が設けられている。現役隊員数15100名、予備自衛官46000名、即応予備自衛官8200名。特殊部隊ユニット（大隊）１個、第７師団（機甲偵察隊１個、戦車連隊３個、機甲歩兵連隊１個、飛行隊１個、自走砲連隊１個、防空連隊１個、戦闘工兵大隊１個、通信大隊１個、NBC大隊１個、兵站連隊１個）、第２師団（機甲偵察隊１個、戦車連隊１個、機械化歩兵連隊１個、歩兵連隊２個、飛行隊１個、自走砲兵連隊１個、対戦車中隊１個、防空大隊１個、戦闘工兵大隊１個、通信大隊１個、NBC大隊１個、兵站連隊１個）、第４師団（機甲偵察隊１個、戦車大隊１個、機械化歩兵連隊１個、歩兵連隊２個、歩兵中隊１個、飛行隊１個、砲兵連隊１個、対戦車中隊１個、防空大隊１個、戦闘工兵大隊１個、通信大隊１個、NBC大隊１個、兵站連隊１個）、第９師団（機甲偵察隊１個、戦車大隊１個、機械化歩兵連隊３個、飛行隊１個、砲兵連隊１個、防空大隊１個、戦闘工兵大隊１個、通信大隊１個、NBC大隊１個、兵站連隊１個）、第５・第11旅団（機甲偵察隊１個、戦車大隊１個、機械化歩兵連隊３個、飛行隊１個、自走砲兵大隊１個、防空中隊１個、戦闘工兵中隊１個、通信中隊１個、NBC中隊１個、兵站大隊１個）、第８歩兵師団（偵察隊１個、戦車大隊１個、歩兵連隊４個、航空隊１個、砲兵連隊１個、防空大隊１個、戦闘工兵大隊１個、通信大隊１個、NBC大隊１個、兵站連隊１個）、第１・第３・第６・第10師団（偵察隊１個、戦車大隊１個、歩兵連隊３個、航空隊１個、砲兵連隊１個、防空大隊１個、戦闘工兵大隊１個、通信大隊１個、NBC大隊１個、兵站連隊１個）、第13旅団（偵察隊１個、戦車中隊１個、歩兵連隊３個、航空隊１個、砲兵大隊１個、防空中隊１個、戦闘工兵中隊１個、NBC中隊１個、通信中隊１個、兵站大隊１個）、第14旅団（偵察隊１個、戦車中隊１個、歩兵連隊２個、航空隊１個、砲兵大隊１個、防空中隊１個、戦闘工兵中隊１個、NBC中隊１個、通信中隊１個、兵站大隊１個）、第15旅団（偵察隊１個、歩兵連隊１個、航空隊１個、防空連隊１個、戦闘工兵中隊１個、NBC中隊１個、通信中隊１個、兵站大隊１個）、第１空挺団（空挺大隊３個、砲兵大隊１個、戦闘工兵中隊１個、通信中隊１個、兵站大隊１個）、第12旅団（偵察隊１個、歩兵連隊３個、航空隊１個、自走砲兵大隊１個、防空中隊１個、戦闘工兵中隊１個、NBC中隊１個、通信中隊１個、兵站大隊１個）、第１ヘリコプター団、航空グループ（対戦車ヘリ大隊１個、ヘリ大隊１個）５個、砲兵旅団１個、砲兵ユニット２個、防空旅団２個、防空群４個、工兵旅団４個、工兵隊１個、電子戦大隊１個、情報大隊５個、憲兵旅団１個、通信旅団１個、兵站ユニット（旅団）５個、訓練旅団５個からなる。10式戦車53両、74式戦車293両、90式戦車341両、87式偵察警戒車110両、化学偵察車（装輪）52両、89式歩兵戦闘車68両、73式装甲車226両、82式指揮通信車205両、96式装輪装甲車357両、ブッシュマスター４両、99式自走155mm榴弾砲99両、203mm自走砲M110A2を67両、155mm砲FH-70を422門、227mm多連装ロケットM270MLRSを99両、96式自走120mm迫撃砲24両、81mm迫撃砲L16を651門、120mm迫撃砲RT428門、96式MPMS37両、79式対舟艇・対戦車誘導弾、87式対戦車誘導弾、01式対戦車誘導弾、84mm無反動砲カール・グスタフ、89mmロケットランチャー・スーパーバズーカ、LR-1連絡機１機、LR-2連絡機７機、AH-1S対戦車ヘリ60機、AH-64D戦闘ヘリ11機、OH-1観測へリ37機、OH-6D観測ヘリ48機、CH-47Jヘリ27機、CH-47JAヘリ30機、EC225要人輸送ヘリ３機、UH-60JAヘリ36機、UH-1Jヘリ130機、TH-480B練習ヘリ30機、03式中SAM40基、11式短SAM４基、81式短SAM47基、93式近SAM113基、ホーク126基、91式携SAM、87式自走高射機関砲52両、12式地対艦誘導弾システム２基、88式地対艦誘導弾システム86基、11式戦車回収車３両、78式戦車回収車36両、90式戦車回収車30両、91式戦車橋22両を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016、陸上自衛隊パーフェクトガイド2015

　＜陸上自衛隊（２０１８年３月２７日改編後）＞：トップは防衛大臣で、陸上幕僚長と陸上幕僚監部が補佐する。陸上総隊、北部方面隊、東北方面隊、東部方面隊、中部方面隊、西部方面隊、その他防衛大臣直轄部隊、学校（各職種学校など）、補給統制本部、教育訓練研究本部、補給処等からなる。また、３自衛隊共同機関として病院、地方協力本部がある。参考：陸上自衛隊ホームページ

　＜陸上自衛隊（２０２０年）＞：トップは防衛大臣で、陸上幕僚長と陸上幕僚監部が補佐する。陸上総隊、北部方面隊、東北方面隊、東部方面隊、中部方面隊、西部方面隊、航空学校、研究本部、補給統制本部などからなる。参考：月刊JWings6,’20

＜陸上自衛隊システム＞：G-NETを参照。

＜陸上自衛隊広報センター＞：陸上自衛隊朝霞駐屯地に併設された広報センターで、2002年4月にオープンした。愛称は、りっくんランド。展示ゾーンにはAH-1S（アメリカからの輸入版で、排気口が上向き）、90式戦車（試作車両）、FFOS試作機、偵察用オートバイ、パラシュート（一二傘）などが展示され、服装体験コーナー、AH-1Sシミュレータ（操縦はできないが、離陸、低空飛行、機関砲・TOWの発射を後席から体験する）、射撃シミュレータ（対戦車ヘリまたは戦車）も用意されている。屋外には地下指揮所、94式水際地雷敷設装置、87式自走高射機関砲の試作車AW-X（92式地雷原処理ローラの試験にも使用されたらしい）、89式装甲戦闘車、96式装輪装甲車、74式自走105mm榴弾砲、軽装甲機動車（試作初号車）、74式戦車、中距離多目的誘導弾（試作車）、10式戦車（試作初号車）が展示されている。東武東上線和光市駅から徒歩20分。開館時間は1000-1700、休館日は毎週月曜日・第４火曜日（祝日の場合は翌日の平日）、年末年始（12月28日から翌年1月4日）。入館料は無料。2010年5月4日、一日あたり入館者が2838人と最高を記録した。7月23日、入館者数が100万人を超えた。2010年11月1日から2011年1月31日まで18歳以上（高校生除く）500円、小中高校生以上200円の有料化実験を行ったが、来場者が60%以上減少した。2014年10月31日、来館者数150万人を達成。2020年2月、新型コロナウイルス感染症拡大で休館していたが、6月27日（24日？）に再開館した。2022年7月18日、東京地本城北地区隊と豊島出張所がミス学習院コンテスト2022ファイナリスト５人を含む学生19人に行った研修に協力した。参考：月刊JWings6,’02、9,’10、10,’10、4,’11、9,'20、MAMOR vol.91、vol.135、月刊丸5,’07、朝雲

＜陸上自衛隊の基準杭＞：第２師団（陸自）を参照。

＜陸上巡洋艦＞：1915年に帝政ロシアで設計された戦車。直径2.3mの車輪10組を取り付けたデッキに、装甲司令室（艦橋？）と砲塔（102mmまたは152mm砲）を搭載したもの。全長35mもあるが、カーブや段差のあるところでは苦労しそうである。砲塔の換わりに40門の重機関銃と20門のグレネードランチャーを搭載した派生型も考えられたが、どちらも設計案だけで終わった。参考：ソビエト・ロシア戦闘車両大系（上）

＜陸上前線航空統制官＞：前線航空統制官を参照。

＜陸上戦闘車＞：GCV（計画歩兵戦闘車）またはGCV（次世代戦車）を参照。

＜陸上総隊＞：Ground Component Command（GCC）。陸上自衛隊の部隊で、2013年に閣議決定された平成26年度以降に係る防衛計画の大綱と、平成26年度以降に係る中期防衛力整備計画に基づいて新編された。2006年3月に自衛隊の統合運用が開始されたが、航空自衛隊は航空総隊・航空支援集団、海上自衛隊は自衛艦隊が防衛大臣直轄なのに対し、陸上自衛隊は５個方面隊であり、2007年3月には中央即応集団も新設されたため、広域対処では防衛大臣がいちいち関係する複数の陸自部隊に命令を出す必要があり、三自衛隊間の調整も各方面隊や中央即応集団と個別に行わねばならず、陸自指揮組織一元化が課題に挙げられるようになった。日米共同作戦の際の在日米軍統合任務部隊陸上構成部隊／在日米海兵隊との連携も同様で、一元化によってスムーズに進められる。また、陸自の全国的な運用を統合幕僚監部で考えるのも困難が伴い、陸自の指揮系統を一元化する目的で新編が決定した。主任務は方面隊の一元的な指揮統制で、平素からの運用に係る事項に関して指揮を行い、統合幕僚監部、自衛艦隊司令部、航空総隊司令部、アメリカ軍との間での平素からの運用に係る調整を一元的に実施する。ただし完全に方面隊の上位機関という訳では無く、陸上総隊司令官は平時には防衛大臣の指揮監督を受けて陸上総隊の隊務を統括するのみで方面隊の運用権限は与えられておらず、自衛隊法第６章に規定する行動（防衛出動、治安出動、災害派遣など）その他これに関する事項（即応態勢、非常勤務態勢、自衛隊法第６章に規定する行動を迅速適切に実施するための準備行為、駐屯地警備、警戒監視・情報収集）に際して陸自部隊の一元運用が必要と防衛大臣が判断する場合（具体的には、陸上総隊に属する部隊と方面隊に属する部隊とで対処する必要がある場合と、異なる方面隊に属する部隊を以て対処する必要がある場合）にのみ方面隊の全部または一部を指揮する権限が付与されるというもので、陸自組織図を見ると方面隊と横並びになっており、陸上総隊司令官旗は方面総監旗と同じ、陸上総隊司令官の給料も方面総監と同じである。ただし大規模震災災害派遣以外の災害派遣では平素から方面隊の全部または一部を指揮することができ、自衛隊法第６章に規定する行動を迅速適切に実施するための準備行為を除く事項に関しては、防衛大臣が別に命ずる場合を除いて指揮が行える。国際活動、大規模震災災害派遣、準備行為に関しては、シビリアン・コントロールに観点から、政府の事態認定等に伴って発出される命令を受けた後に実施する。司令部には日米共同部が編成されており、これまで各方面隊が個別に行っていたアメリカ軍との共同訓練などの調整を一元的に行う。司令部は中央即応集団司令部のあった手狭な座間駐屯地から朝霞駐屯地に移設し、中央即応集団司令部が2018年3月26日2400で廃止されると同時に3月27日0000を以て機能を発揮できるよう、２年かけて周到に準備し、2018年3月5日に朝霞駐屯地に移転調整所を立ち上げ、3月13日に新庁舎が引き渡されると3月16日から物品を搬入して移転を成功させた。2018年3月27日、朝霞駐屯地で新編された。4月4日、朝霞駐屯地で新編行事を実施。小野寺防衛大臣から小林茂司令官に隊旗が授与された。4月12日、岩手県宮古市で山林火災が発生したため、陸上総隊行動命令第１号により災害派遣を発令した。6月13-28日、ヤマサクラ74に参加。6月14-28日、カーンクエストに参加。6月19-22日、平成30年度自衛隊統合防災演習に参加。6月27日から8月2日、リムパック2018に参加。7月5-8日に発生した西日本豪雨の災害派遣に参加。7月24-26日、パシフィック・シールド18に参加。9月1-9日、平成30年度在外邦人等保護措置訓練（国外）に参加。9月8日から10月23日、カマンダグ18に参加。10月15-24日、統合水陸両用作戦訓練に参加。10月22日から11月24日、平成30年度方面隊実動演習に参加。12月3-17日、ヤマサクラ75に参加。12月11-14日、平成30年度在外邦人等保護措置訓練（国内）に参加。2019年1月7日から2月16日、アイアンフィスト19に参加。1月21-26日、平成30年度自衛隊統合演習（指揮所演習）に参加。2月12-22日、コブラ・ゴールド19に参加。3月26日から4月2日、AASAM19に参加。5月8-17日、第５施設群の東富士演習場定期整備に協力した。6月14-28日、カーン・クエスト19に参加。7月17-30日、ヤマサクラ76に参加。9月7日、内閣府主催の大規模地震時医療活動訓練に参加。9月8-22日、拡大ASEAN国防相会議PKO専門家会合参加国実動訓練に20名で参加。9月29日から10月6日、令和元年度統合展開・行動訓練に参加。11月11-21日、令和元年度自衛隊統合演習（実動演習）に参加。12月3-16日、ヤマサクラ77に参加。12月5日、インド陸軍参謀長ラワット大将が視察した。12月9-14日、令和元年度在外邦人等保護措置訓練（国内）に参加。12月12日0109頃に発生した北海道宗谷地方北部を震源とする最大震度５弱の地震で情報収集にあたった。2020年1月24-31日、キーン・エッジ2020に参加。1月31日に発出された新型コロナウイルス感染症拡大防止の災害派遣に参加。2月21-23日、南海レスキュー01に参加。2月24-28日、令和元年度日米共同統合防空・ミサイル防衛訓練に参加。3月11日、即位の礼に関する一連の儀式の円滑な実施に大きく貢献した功績で、河野防衛大臣から第１級賞状が授与された。6月24日、統幕が行った東京電力ホールディングスとの停電復旧の共同机上演習に１名が参加。8月24日から9月10日、令和2年度方面隊実動演習（北部方面隊）に参加。10月13-21日、令和2年度機動展開訓練（中部方面隊）に参加。10月26日から11月5日、キーン・ソード21に参加。11月26日から12月3日、令和2年度在外邦人等保護措置訓練に参加。12月2-15日、ヤマサクラ79に参加。

2021年2月12-13日、日米共同統合防災訓練TREXに参加。2月22-26日、令和2年度日米共同統合防空・ミサイル防衛訓練に参加。5月14-16日、北富士演習場で陸上総隊直轄部隊演習（PKO等先遣隊演習）を実施。5月17-20日、令和3年度自衛隊統合防災演習指揮所訓練に参加。5月21-23日、北富士演習場で陸上総隊直轄部隊演習を実施。11月19-30日、令和3年度自衛隊統合演習（実動演習）に参加。12月1-13日、ヤマサクラ81に参加。2022年1月27日から2月3日、キーン・エッジ2022に参加。2月18日から3月4日、コブラ・ゴールド22に参加。2月21-25日、令和3年度日米共同統合防空・ミサイル防衛訓練に参加。3月17日、電子作戦隊が新編された。6月6-20日、カーン・クエスト22に参加。6月20-23日、令和4年度自衛隊統合防災演習に参加。8月31日から9月7日、令和4年度在外邦人等輸送訓練に参加。9月7日、浜田防衛大臣の初度視察を受けた。10月5-7日、東京ビッグサイトで開催された危機管理産業展2022／テロ対策特殊装備展でブースを出展し、輸送防護車展示や防弾チョッキ試着体験を行った。11月9日、令和4年度離島統合防災訓練及び日米共同統合防災訓練に参加。11月28日から12月13日、ヤマサクラ83に参加。12月3-18日、令和4年度統合展開・行動訓練に参加。2023年1月27日から2月3日、令和4年度自衛隊統合演習（指揮所演習）に参加。2月9日から3月10日、コブラ・ゴールド23に参加。2月17日と20-22日、令和4年度日米共同統合防空・ミサイル防衛訓練に参加。4月18日、オーストラリア陸軍第１師団主催多国間シンポジウムのポジエレスマーチに陸上総隊司令官が参加。6月19日から7月2日、カーン・クエスト23に参加。6月26-30日、令和5年度自衛隊統合防災演習に参加。7月12日、在日米陸軍司令官ウォーマック少将が司令部を訪問した。8月13-26日、GPOIキャップストーン演習クリス・アマン２に参加。11月9-20日、司令部がカマンダグ23に参加。11月10-20日、自衛隊統合演習（実動演習）に参加。11月30日から12月13日、ヤマサクラ85に参加。2024年2月1-8日、令和5年度日米共同統合演習（指揮所演習）に参加。2月4日から3月11日、コブラ・ゴールド24に参加。2月16日と19-22日、令和5年度日米共同統合防空・ミサイル防衛訓練に参加。2月25日から3月17日、アイアン・フィスト24に参加。4月23-26日、サイバー防衛演習ロックド・シールズ2024に司令部が参加。5月16日から6月9日、令和6年度北海道訓練センター第１回実動対抗演習等を実施。第５旅団（16式機動戦闘車、99式自走155mm榴弾砲、AH-1S対戦車ヘリ、UH-1J多用途ヘリなど）と第13旅団（16式機動戦闘車、155mm榴弾砲FH70、UH-1J多用途ヘリ）が北部方面区と中部方面区から機動展開訓練（往路）で矢臼別演習場に移動し、準備訓練と実動対抗演習を行い、撤収整備の後、機動展開訓練（復路）で北部方面区と中部方面区に戻った。5月20-24日、令和6年度自衛隊統合防災演習に参加。7月15-19日、バヌアツ共和国でパシフィック・パートナーシップ2024-2に参加。7月27日から8月8日、カーン・クエスト24に参加。7月28日から8月7日、レゾリュート・ドラゴン24演習に参加。9月4-10日、ミクロネシア連邦でパシフィック・パートナーシップ2024-2に参加。9月25-27日、パシフィック・プロテクター24に参加。9月28日、令和6年度大規模地震時医療活動訓練に参加。10月23日から11月1日、キーン・ソード25に参加。

参考：月刊軍事研究10,’18、3,’16、6,’18、9,’18、月刊航空ファン6,’17、11,’18、月刊世界の艦船9,’18、3,’19、11,’19、1,’20、11,'20、1,'21、4,'23、8,’24、MAMOR vol.140、vol.144、vol.160、月刊JWings5,’20、2,'21、5,'21、3,'22、6,'22、11,'22、1,'23、5,'23、統合幕僚監部ホームページ、朝雲

　＜陸上総隊（２０１８年３月２７日新編時）＞：朝霞駐屯地に置かれている。隊員数180名、トップは陸上総隊司令官（陸将）で、司令部／司令部付隊、第１空挺団、水陸機動団、第１ヘリコプター団、システム通信団、中央情報隊、中央即応連隊、特殊作戦群、中央特殊武器防護隊、対特殊武器衛生隊、国際活動教育隊からなる。司令部は司令官、幕僚長（陸将）、最先任上級曹長（准尉）、参事官（事務官）、監察官（一等陸佐）、法務官（一等陸佐）、報道官、医務官（一等陸佐）、総務部（部長は一等陸佐。総務課、会計課、人事課）、情報部（部長は中央情報隊長兼務の陸将補。情報第１課、情報第２課）、運用部（部長は陸将補。防衛課、運用課、システム通信課、国際協力課。方面隊を指揮し、自衛艦隊及び航空総隊と調整を行う）、後方運用部（部長は一等陸佐。後方運用課、装備課）、日米共同部（日米共同部長は陸将補、要員50名。座間駐屯地の旧中央即応集団庁舎に置かれている）からなる。参考：月刊軍事研究6,’18、月刊PANZER3,’18、陸上総隊ホームページ

　＜陸上総隊（２０２０年）＞：陸上自衛隊の部隊で、朝霞駐屯地にある。第１空挺団、第１ヘリコプター団、水陸機動団、システム通信団などを隷下に置く。参考：月刊JWings6,’20

＜陸上装備研究所＞：防衛装備庁／技術研究本部の研究所。2015年10月1日、技術研究本部から防衛装備庁の隷下に移った。2019年6月19日、トルコ陸軍総司令官ドゥンダル大将が視察した。参考：朝雲

＜陸上爆撃機（日本海軍）＞：陸上基地から運用する急降下爆撃機。銀河の試作機である十五試陸上爆撃機の開発と共に機種が新設された。参考：月刊丸4,’13、3,'18別冊、月刊世界の艦船9,’13増刊

＜陸上幕僚監部＞：陸上自衛隊の運用に関して防衛庁長官／防衛大臣を補佐する幕僚機関で、陸幕と略す。トップは陸上幕僚長。大元は警察予備隊の総隊総監部で、保安隊になって第１幕僚監部に改称され、自衛隊になって陸上幕僚監部となった。主任務は防衛・警備計画立案、教育訓練・行動・編成・装備・配置・情報・経理・調達・補給・保健衛生・人事・補充の計画立案、隊務の能率的運営に関する調査研究、部隊等の管理運営の調整、防衛庁長官／防衛大臣の定めた方針・計画の執行などである。1978年1月30日、改編を実施。それまでの一般幕僚（部長）・特別幕僚（課長・官）並列方式から、部長の下に課長、課長の下に班長を置く縦並び方式に変更し、部の名称を第１部−第５部から人事部（一部）、調査部（二部）、防衛部（三部）、装備部（四部）、教育訓練部（五部）に改称した。2001年3月27日、研究本部が新編された。2006年3月、統合運用体制への移行に伴い改編を実施。調査部と防衛部運用課を廃止し、運用支援・情報部を新編した。2009年10月23日、監理部総務課が担任して市ヶ谷駐屯地で平成21年度防衛監察業務担当者集合訓練を実施。11月30日から12月5日、陸幕装備部が防衛省で第13回陸軍兵站実務者交流を実施。自衛隊の他、アメリカ、インド、インドネシア、オーストラリア、カナダ、韓国、シンガポール、タイ、パキスタン、フィリピン、マレーシアが参加した。

2011年4月22日、防衛課に国際防衛協力室を設置。11月28日から12月3日、装備部が主催する第15回陸軍兵站実務者交流（Multilateral Logistics Staff Talks）を防衛省で実施。アメリカ、インドネシア、オーストラリア、カナダ、韓国、シンガポール、タイ、パキスタン、フィリピン、マレーシア、モンゴルからの12名と、統幕、中央即応集団司令部、幹部学校、研究本部、補給統制本部などが参加した。2012年2月7-17日、コブラ・ゴールド12に参加。4月25-28日、第２回日印幕僚会議を実施。部隊間交流等の活発化とPKO等の分野での協力推進などで合意した。5月21-24日、第９回日英幕僚会議を実施。PKOでの協力、人道支援・災害救援での軍民協力体制推進のための部隊間交流活発化（CRFとイギリス陸軍軍事安定支援グループ）などで合意した。11月5-16日、キーン・ソード13に参加。12月1-13日、ヤマサクラ63に参加。12月17日から2013年3月28日、在沖第３海兵機動展開部隊（3MEF）に隊員２名を派遣。2013年10月16日から11月8日、伊豆大島で台風26号豪雨の災害派遣に参加。2014年1月15日から2月4日、キーン・エッジ2014に参加。2月11-21日、コブラ・ゴールド14に参加。3月31日から4月4日、装備部主催で平成25年度日米兵站幕僚会議を実施。5月7日、陸幕長・各部・課・室長ら50名が駐屯地グラウンドで体力検定を実施。全員が合格した。6月17-28日、カーン・クエスト14に２名がオブザーバー参加した。11月8-19日、キーン・ソード15に参加。12月2-15日、ヤマサクラ67に参加。11月10-11日、募集・援護課が防衛省で平成26年度募集・援護担当者会議を実施。各部隊の担当者40名が出席し、少子化の中での優秀な人材確保対策などを話し合った。11月25-29日、装備部主催で第18回陸軍兵站幕僚会議を開催。12月11日、防衛部が和光市民文化センターサンアゼリアで今後の日米同盟のあり方をテーマに第４回陸上自衛隊セミナーを実施。2015年1月26-30日、平成26年度自衛隊統合演習（指揮所演習）に参加。2月9-20日、コブラゴールド15に参加。2月14日、平成26年度自衛隊中央病院大量傷者受入訓練に参加。3月5日、防衛省で平成26年度防衛装備フォーラム（第17回目）を実施。防衛産業213社433人が参加した。3月16-17日、日米兵站幕僚会議に参加。6月1日、国連PKO局アフリカ第１部に運用支援・情報部の一等陸佐（課長級）を上級連絡官として派遣した（任期２年）。6月1-13日、ヤマサクラ68に参加。6月20日から7月1日、カーン・クエスト15に参加。8月29日から国連本部PKO局に運用支援・情報部の二等陸佐を派遣。10月1日、防衛装備庁発足に伴い、装備部を装備計画部に改編した。10月23日から11月13日、平成27年度自衛隊統合演習に参加。11月24日から装備部主催で第19回陸軍兵站幕僚会議を開催。12月1-13日、ヤマサクラ69に参加。12月8日、大阪市内のホテルで防衛部主催の陸上自衛隊セミナーを実施。テーマは新ガイドラインを踏まえた日米連携の強化で、アメリカ軍を含む30人が議論した。

2016年1月12日から2月2日、キーン・エッジ2016に参加。1月19日から2月19日、コブラ・ゴールド16に参加。2月、ラオスに対する能力構築支援事業に１名が参加。2月16日、防衛部主催の第７回陸上自衛隊フォーラムを都内のホテルで開催。積極的平和主義を具現化するための取り組みをテーマに、アメリカ軍や各国武官など90人が参加、基調講演やパネルディスカッションを行った。3月、ベトナムに対する能力構築支援事業に参加。3月2日、防衛部長がアメリカ国防総省でトモダチ作戦５周年記念式典に参加。3月12日、自衛隊中央病院で首都直下地震対処における同病院の対処要領を研修した。5月18-19日、募集・援護調整官が平成28年度都県募集等連絡会議に参加。6月12-22日、ヤマサクラ70に参加。6月29-30日と7月5-8日、平成28年度自衛隊統合防災演習に参加。10月4-12日、PHIBLEX2016に研修要員を派遣。10月30日から11月11日、キーン・ソード17に参加。11月30日から12月13日まで、ヤマサクラ71に参加。2017年3月28日、人事部、教育訓練部、運用支援・情報部を廃止し、人事教育部（人事教育計画課、補任課、募集・掩護課、厚生課）、運用支援・訓練部（運用支援課、訓練課）、指揮通信システム・情報部（指揮通信システム課、情報課）を新編、防衛課国際防衛協力室を防衛協力課に昇格させた。5月3-22日、アメリカ、イギリス、フランス、自衛隊の共同訓練に参加。5月18日、自衛隊家族会、隊友会と、隊員家族の支援に対する協力に関する中央協定を締結。8月8-9日、陸自幹部学校で第11回陸上自衛隊フォーラムを開催。9月25日から10月2日、平成29年在外邦人等保護措置訓練（国外）に参加。10月27日、指揮通信システム課が陸自における働き方改革推進のための取組コンテストで表彰された。11月29日から12月13日、ヤマサクラ73に参加。12月、国連PKO局に上級軍事連絡官として派遣されていた陸幕運用支援・情報部の一等陸佐が帰国し、19日に小野寺防衛大臣から一級賞詞と防衛功労賞が授与された。2018年1月9日から2月3日、キーン・エッジ2018に参加。4月6-7日、防衛部が主催して第13回陸上自衛隊フォーラムを北熊本・相浦駐屯地と佐世保市内で実施。6月13-28日、ヤマサクラ74に参加。6月19-22日、平成30年度自衛隊統合防災演習に参加。9月1-9日、平成30年度在外邦人等保護措置訓練（国外）に参加。11月19-23日、陸軍兵站幕僚会議を防衛省などで実施。12月3-17日、ヤマサクラ75に参加。2019年2月7日、平成30年度家族支援担当者会同（通算10回目）を実施。2月13-14日、陸幕長、陸幕副長、陸上総隊司令官、教育訓練研究本部長、アメリカ太平洋陸軍副司令官、在日米陸軍司令官、アメリカ太平洋海兵隊司令官、第３MEF副司令官らを迎えて第35回シニアリーダーズ・セミナーを実施。3月4-6日、山崎陸幕長がフィリピン陸軍司令官マカイログ・アルベルト中将の招待でフィリピンを訪問し、国防次官らと懇談、防衛協力・交流の強化で一致した。3月7日、山崎陸幕長がパプアニューギニアを初訪問し、国防軍司令官ギルバート・トロポ少将と懇談、防衛協力・交流強化で一致した。5月12-15日、湯浅陸幕長がハワイを訪問し、太平洋陸軍副司令官、太平洋海兵隊司令官、インド太平洋軍司令官と会談した。5月26-29日、湯浅陸幕長がモスクワを訪問（陸幕長の訪露は５年振り４回目）し、ロシア地上軍総司令官オレグ・サリュコフ上級大将と会談、ロシア軍参謀総長兼第１国防次官ヴァレリー・ゲラシモフ地上軍上級大将を表敬し、ロシア軍一般兵科大学と第４親衛戦車師団を視察した。6月18日、湯浅陸幕長がトルコ陸軍総司令官ドゥンダル大将と会談し、防衛協力・交流深化の重要性で一致した。7月11日、湯浅陸幕長が国連本部で国連平和維持活動PKO参謀長会議に出席し、国連PKO工兵部隊マニュアル改訂案を提出した。7月16日、湯浅陸幕長がアメリカ太平洋陸軍司令官ブラウン大将と会談し、グレーゾーン事態における日米部隊連携の重要性で一致した。7月17-30日、ヤマサクラ76に参加。7月22日、湯浅陸幕長がブラジル陸軍司令官ブジョウ大将と会談し、防衛協力・深化で一致した。8月20-22日、湯浅陸幕長がハワイ州キャンプ・スミスで第７回日米豪シニア・リーダーズ・セミナーに出席した。8月23-27日、予備自衛官室が予備自衛官60名に予備自衛官中央訓練を実施。9月8-11日、湯浅陸幕長がタイに出張し、インド太平洋地域陸軍参謀総長等会議に出席した。10月15-19日、湯浅陸幕長がワシントンやオタワなどを訪問（陸幕長初のカナダ公式訪問）し、アメリカ陸軍将来コマンド司令官ジョン・マリー大将やカナダ陸軍司令官ウェイン・エアー中将と会談、アメリカ陸軍協会年次総会でスピーチを行った。10月19日、運用支援課の２等陸佐を２年間の予定で国連本部に派遣した。国連平和活動局軍事部軍事計画課でPKOの方針策定、基準設定、計画作成などにあたる。10月28日から11月1日、湯浅陸幕長がインドを訪問し、国防相や陸海空軍参謀長と会談、ダルマ・ガーディアン19を視察した。11月11-21日、令和元年度自衛隊統合演習（実動演習）に参加。12月3-16日、ヤマサクラ77に参加。12月4日、湯浅陸幕長が防衛省でインド陸軍参謀長ラワット大将と会談し、共同訓練の継続や演習オブザーバーの相互派遣などで一致した。12月19日、運用支援・訓練部が働き方改革推進のための取り組みコンテストで防衛副大臣賞を受賞した。2020年2月12-13日、市ヶ谷駐屯地で令和元年度家族支援担当者集合訓練を実施。2月26-29日、湯浅陸幕長がカンボジアを公式訪問し、フンセン首相、バニュ国防大臣、ピセン国軍総司令官を表敬、マネット陸軍司令官と会談し、PKO訓練学校や陸軍士官学校を視察した。6月11日、MFO第２次司令部要員２名が陸幕長応接室で陸幕長に出国報告を実施。6月19日、湯浅陸幕長がアメリカ太平洋陸軍司令官ラカメラ大将とテレビ会議を行い、陸軍種間協力の方向性について意見を交わした。6月22日、全国自衛隊地方協力本部長会議を新型コロナウイルス感染症対策でオンラインにより実施。7月7日、厚生課が各部隊の家族支援等担当者を朝霞駐屯地に集めて安否確認システム普及教育を実施。7月8日、湯浅陸幕長がオーストラリア陸軍本部長バー中将と電話会談し、新型コロナウイルス感染症拡大の現状を踏まえ、自由で開かれたインド太平洋の維持強化のためには、日米豪印の連携や協力が重要であることを確認した。8月8日、国連本部に陸幕運用支援・訓練部運用支援課の女性２等陸佐を派遣。国連事務局に女性自衛官を派遣するのは初で、国連活動支援局特別活動部パートナーシップ支援課で国連野外衛生救護補助員コースUNFMACに関する業務などを行う。8月21日、湯浅陸幕長がフィリピン陸軍ソベハナ中将と電話会談し、新型コロナウイルス感染症拡大の現状を踏まえつつ、自由で開かれたインド太平洋の維持強化のため、感染症終息後を見据えた両国陸軍種間の防衛協力・交流について意見交換した。8月26日、湯浅陸幕長がアメリカ太平洋海兵隊司令官ラダー中将とテレビ会談して意見交換を行い、防衛協力促進で一致した。9月14日、湯浅陸幕長がインド陸軍参謀長ナラヴァネ大将と電話会談し、陸軍種間の防衛協力・交流推進で一致した。9月24-25日、湯浅陸幕長が2020年日米豪シニア・リーダーズ・セミナーにテレビ会議形式で出席し、アメリカ太平洋陸軍司令官ラカメラ大将、アメリカ太平洋海兵隊司令官ラダー中将、オーストラリア陸軍本部長バー中将らと、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた意見交換を行った。9月29日、湯浅陸幕長がカンボジア軍副司令官兼陸軍司令官マネット中将と電話会談し、新型コロナウイルス感染症への対応状況や、防衛協力・交流について意見交換した。10月20日、湯浅陸幕長がアメリカのマッカーシー陸軍長官と会談し、防衛協力推進を確認した。10月26日から11月5日、キーン・ソード21に参加。10月28日、湯浅陸幕長がドイツ陸軍総監マイス中将と電話会談し、安全保障環境や防衛協力・交流に関する意見交換を行った。11月1日、令和2年度陸上幕僚長感謝状を部外功労35団体・42個人に授与した。11月13日、湯浅陸幕長がシンガポール陸軍司令官ホウ少将とテレビ会談し、自由で開かれたインド太平洋実現のため、防衛協力・交流を推進させることで一致した。11月17-18日、防衛部長がアメリカ太平洋陸軍・フィリピン陸軍主催・26カ国出席のインド太平洋地域陸軍管理セミナーIPAMSにオンラインで参加し、市街地環境におけるインド太平洋地域陸軍の課題への対応をテーマに発表を行った。11月19日、令和2年度陸自優秀隊員顕彰状授与式を実施。隊務一般の部で自衛官21名、技官５名、即応予備自衛官２名、予備自衛官２名、隊務特別の部で自衛官５名、予備自衛官１名、事務官１名が表彰された。11月25日、湯浅陸幕長がインドネシア陸軍参謀長プルカサ大将と電話会談し、防衛協力・交流について意見交換、自由で開かれたインド太平洋の維持強化に向けた連携強化で一致した。12月2-15日、ヤマサクラ79に参加。12月9日、湯浅陸幕長がオーストラリア陸軍本部長バー中将とテレビ会談し、陸軍種間の協力・連携強化で一致した。12月18日、湯浅陸幕長がフランス陸軍参謀総長ビュルカール大将とテレビ会談し、防衛協力・交流の方向性などを話し合った。

2021年2月2日、湯浅陸幕長がアメリカ陸軍参謀総長マッコンビル大将とテレビ会談し、バイデン新政権発足後も防衛協力の深化と日米同盟基軸の抑止力・対処力強化で一致した。2月25-26日、第39回シニア・リーダーズ・セミナーをテレビ会議方式で開催し、湯浅陸幕長、アメリカ太平洋陸軍司令官ラカメラ大将、アメリカ太平洋海兵隊司令官ラダー中将らが出席、日米同盟の抑止力・対処力の更なる強化で一致した。3月16日、湯浅陸幕長がインド陸軍参謀長ナラヴァネ大将とオンラインで電話会談し、防衛協力・交流の強化推進で一致した。4月8日、吉田陸幕長がアメリカ太平洋陸軍司令官ラカメラ大将とテレビ会談した。4月9日、吉田陸幕長がアメリカ海兵隊総司令官バーガー大将及びアメリカ太平洋海兵隊司令官ラダー中将とテレビ会談した。4月13日、吉田陸幕長がアメリカ陸軍参謀総長マッコンビル大将とテレビ会談した。4月14日、吉田陸幕長がオーストラリア陸軍本部長バー中将とテレビ会談した。5月17-20日、令和3年度自衛隊統合防災演習指揮所訓練に参加。5月19-20日、吉田陸幕長がアメリカ太平洋陸軍主催多国間テレビ会議シンポジウムの第２回インド太平洋ランドパワー会議に出席。自由で開かれたインド太平洋堅持のための強靱性及び周到性をテーマに、アメリカ、東アジア、東南アジア、南アジア、オセアニアの陸軍参謀長級と、意見交換を行った。6月2日、吉田陸幕長がフィリピン陸軍司令官センティーノ中将と電話会談し、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序維持の重要性を認識、力を背景とする現状変更の試みへの反対で一致し、防衛協力・交流について意見交換した。6月17日、吉田陸幕長がアメリカ太平洋陸軍司令官フリン大将とテレビ会談し、防衛協力深化で一致した。6月23日、吉田陸幕長がインド陸軍参謀長ナラヴァネ大将と電話会談し、連携強化で一致した。6月29日、ソマリア沖海賊対処行動支援隊16次隊要員３名が吉田陸幕長に出国報告を実施。7月7日、吉田陸幕長が来日したアメリカ太平洋海兵隊司令官ラダー中将と会談し、陸自と海兵隊との連携強化を確認した。吉田陸幕長がベトナム人民軍副参謀長ギア陸軍中将とテレビ会談し、連携強化で一致した。7月8-9日、日米豪シニア・リーダーズ・セミナーTSLS2021を開催し、吉田陸幕長、アメリカ太平洋陸軍司令官フリン大将、オーストラリア陸軍本部長バー中将が参加、インド太平洋地域の戦略環境に関する認識を共有した。7月21日、吉田陸幕長がイギリス陸軍参謀総長スミス大将とテレビ会談し、防衛協力・交流の深化で一致した。8月2日、吉田陸幕長が在日米陸軍司令官ヴァウル准将と防衛省で会談し、防衛協力の方向性に関する意見交換を行い、陸自領域横断作戦とアメリカ陸軍マルチドメインオペレーションの連携に向けた取り組み強化の認識を共有した。8月6日、吉田陸幕長がインドネシア陸軍参謀長プルカサ大将と電話会談し、防衛協力・交流について意見交換した。8月30日、吉田陸幕長がフリン太平洋陸軍司令官と防衛省で会談し、連携深化で一致した。8月31日、吉田陸幕長がフランス陸軍参謀長シル大将とテレビ会談し、連携強化で一致した。9月4-5日、募集・援護課が令和3年度一般大出身陸自幹部候補生合格者にフォローアップイベントを実施。9月13-15日、森下陸上幕僚副長がハワイでインド太平洋地域陸軍参謀総長等会議IPACCに出席。9月21日、第３海兵遠征軍司令官クラーディ中将が吉田陸幕長に離任の挨拶を行った。10月9日、募集・援護課が令和3年度一般大出身陸自幹部候補生合格者にフォローアップイベントを実施。10月21日、第５施設群副群長以下５名が陸幕副長にジブチでの災害対処能力強化支援事業の出国報告を実施。11月4日、吉田陸幕長がオーストラリア陸軍本部長バー中将と防衛省で会談し、オーストラリア陸軍への連絡官派遣に向けた覚書に署名した。11月19-30日、令和3年度自衛隊統合演習（実動演習）に参加。11月19日、吉田陸幕長がドイツ陸軍総監マイス中将とテレビ会談し、防衛協力・連携強化で一致した。11月22日、アメリカ陸軍サイバーコマンド司令官フォガティ中将とアメリカ陸軍参謀本部第６部長モリソン中将が吉田陸幕長を表敬し、陸幕指揮通信システム・情報部長と会談した。12月20日、吉田陸幕長が第３海兵遠征軍新司令官ビアマン中将と初のテレビ会談を実施。

2022年1月17日、吉田陸幕長がドイツ陸軍総監とテレビ会談を行った。1月21日、吉田陸幕長がイギリス陸軍参謀総長とテレビ会談を行った。1月28日、アメリカ太平洋陸軍司令官とテレビ会談を行った。2月2日、吉田陸幕長がフランス陸軍参謀長とテレビ会談し、「陸上自衛隊とフランス陸軍の協力」文書に署名した。2月8日、働き方改革推進のための取り組みコンテスト陸上幕僚長賞の授賞式が行われ、陸幕厚生課と中央管制気象隊に表彰状が授与された。3月17日、吉田陸幕長がインド陸軍参謀長ナラヴァネ大将とテレビ会談し、防衛協力強化で一致した。3月25日、陸自とアメリカ陸軍との日米人事会議（第41回）がオンライン形式で行われ、人事教育部長、人事教育計画課長、募集・援護課長ら10名が参加し、アメリカ陸軍参謀本部第１部長ら７名と、高度な専門職能が必要な分野における人材育成について議論した。3月31日から4月10日、吉田陸幕長がアメリカを訪問し、ハワイのフォート・シャフターで第41回シニア・リーダーズ・セミナーに出席すると共に、アメリカ本土で陸軍将来コマンド、国防総長、陸軍装備コマンド、陸軍省早期能力重要技術室、陸軍諸職種共同センター、第１軍団、第７歩兵師団、第17砲兵旅団などを訪問、長距離極超音速兵器LRHWなどを視察した。4月20日、吉田陸幕長がフィリピン陸軍司令官ブラウナー中将とテレビ会談し、防衛協力・交流についての意見交換を実施、連携強化を確認した。4月27日、通信システム・情報部長が在京武官団の文化研修を主催し、15カ国の武官と夫人計29名に能楽鑑賞を行った。5月12日、吉田陸幕長がオーストラリア陸軍副本部長フォックス少将と防衛省で会談した。5月17-19日、ホノルルで開催された太平洋地上軍シンポジウムLANPACに陸幕副長が参加。アメリカ太平洋陸軍司令官、イギリス・カナダ・シンガポール・フランス各陸軍指揮官と個別に会談した。5月18日、吉田陸幕長が防衛省でカレ国連事務次長と会談し、PKOに関する意見交換を行い、緊密な連携を確認した。5月25日、吉田陸幕長がベトナム人民軍副参謀長ギア陸軍中将と防衛省で会談した。6月2日、インド陸軍参謀長バンデ大将とテレビ会談を行った。6月20-23日、令和4年度自衛隊統合防災演習に参加。6月27-28日、ホテルグランドヒル市ヶ谷で全国自衛隊地方協力本部長会議を実施。7月3-4日、吉田陸幕長がイギリスを訪問し、クィン国防閣外大臣、サンダース陸軍参謀総長、ホッケンハル戦略コマンド司令官と懇談した。7月4-6日、吉田陸幕長がドイツを訪問し、マイス陸軍総監と会談、ドイツ陸軍試験・試行部隊を視察した。7月6日、イギリスとドイツに出張していた吉田陸幕長が、ドイツ出国前のPCR検査で新型コロナウイルスに感染していることが判明した。無症状で、7月7日の帰国予定を延期して５日間の現地療養を行い、その間はリモートで職務を実施している。7月25日、吉田陸幕長がオーストラリア陸軍本部長スチュアート中将と電話会談した。8月7-9日、吉田陸幕長がインドネシアを訪問し、インドネシア陸軍ドゥドゥン陸軍参謀長との懇談、国連三角パートナーシップ・プログラム開講式出席、陸軍戦略予備軍部隊訪問などを行った。8月10-14日、吉田陸幕長がオーストラリアを訪問し、オーストラリア陸軍本部長スチュアート中将との懇談、陸軍参謀長シンポジウムへの参加、日米豪シニア・リーダーズ・セミナーでの意見交換などを行った。8月24日、吉田陸幕長が防衛省でイギリス陸軍参謀本部国際関係部長デイヴィーズ准将の表敬を受けた。9月8日、吉田陸幕長がアメリカ太平洋海兵隊司令官ジャーニー中将とテレビ会議を行った。9月12-15日、山根陸幕副長がバングラデシュのダッカで第46回インド太平洋地域管理セミナーIPAMSに参加。9月22日、モンゴル軍に対する人道支援・災害救援分野での能力構築支援事業に参加する隊員のうち５名が防衛省で吉田陸幕長に出国報告を実施。9月27-29日、防衛協力課１名がモンゴル軍に対する人道支援・災害救援分野での能力構築支援事業に参加。9月28日、指揮通信システム・情報部長が在京武官団文化セミナーを実施。16カ国の国防武官ら35名が参加し、極東国際軍事裁判や三島由紀夫事件の説明、大本営地下壕跡見学などを行った。9月30日、ホテル椿山荘東京で第20回陸上自衛隊フォーラムを実施。PKO参加30周年ということで、カンボジアPKO第１次派遣施設大隊長が基調講演を、陸幕副長ら８名がパネルディスカッションを行った。10月5-6日、山根陸幕副長がオーストラリアで防衛装備品展示会Land Forcesに参加。10月10-12日、山根陸幕副長がワシントンでアメリカ陸軍協会年次総会に参加。10月19日、インドネシア軍工兵要員に対する支援部隊早期展開プロジェクトを終えた隊員４名が防衛省で吉田陸幕長に帰国報告を実施。10月20日、吉田陸幕長がカザフスタン地上軍総司令官コイバコフ少将とビデオ通話で懇談した。陸自とカザフスタン地上軍のトップによる初の懇談で、中国・北朝鮮問題やアフガニスタン・アゼルバイジャン・アルメニア情勢について議論し、能力構築支援などによる関係強化で一致している。10月25-27日、指揮通信システム・情報部長が令和４年度在京武官団研修を実施。20カ国24名が参加し、北部方面総監部での北部方面総監による講話聴講、令和4年度第７師団戦車射撃競技会研修、史跡研修などを行った。11月28日から12月13日、ヤマサクラ83に参加。12月上旬から２年間、運用支援課一等陸佐を国連平和活動局軍事部軍事能力評価室室長として国連本部に派遣。12月9日、吉田陸幕長が防衛省でアメリカ太平洋海兵隊司令官ジャーニー中将と会談した。12月10日、吉田陸幕長が防衛省でフィリピン海兵隊司令官ギアラン少将と会談した。12月11日、朝霞駐屯地で日米比陸軍種ハイレベル懇談を初開催。吉田陸幕長が、アメリカ太平洋陸軍司令官フリン大将、アメリカ太平洋海兵隊司令官ジャーニー中将、フィリピン陸軍司令官ブラウナー中将、フィリピン海兵隊司令官ギアラン少将と、インド太平洋地域の安全保障環境や、今後の防衛協力などについて意見交換を行った。

2023年1月18日、指揮通信システム・情報部長が在京武官団セミナーを実施。16カ国34名が参加し、清澄庭園と深川江戸資料館で日本文化を研修した。2月3日、吉田陸幕長とインドネシア陸軍参謀長アブドゥルラフマン陸軍大将が防衛省で懇談した。2月9日から3月10日、コブラ・ゴールド23に参加。2月12-18日、吉田陸幕長がベトナムとカンボジアを公式訪問し、ベトナム人民軍総参謀長、ベトナム人民軍副参謀長、カンボジア首相、カンボジア陸軍司令官と懇談・表敬した。2月13日、募集・援護課が防衛省で令和4年度募集担当者会同を実施。2月22日、吉田陸幕長がオーストラリア陸軍本部長とビデオ会議を行い、日豪陸軍種間協力のためのロードマップに署名した。3月22日、吉田陸幕長がインド陸軍パンデ参謀長とビデオ会談を行った。3月30日、吉田陸幕長が統幕長となり、森下陸将が陸幕長に就任、防衛省で着任行事が行われた。4月17-20日、防衛部長以下20名が防衛省でアメリカ海兵隊総司令部戦略・計画課長以下20名と第13回幕僚会議を３年振りの対面で実施。4月25日、森下陸幕長がフィリピン陸軍司令官ブラウナー中将及びフィリピン海兵隊司令官ギアラン中将とビデオ会議によるハイレベル懇談を実施。4月27日、森下陸幕長が在日米陸軍司令部第６部長ネトラウア中佐に防衛省で第１号防衛協力章を贈呈した。森下陸幕長がアメリカ太平洋海兵隊司令官ジャーニー中将及びフィリピン海兵隊司令官ギアラン中将とビデオ会議を実施。5月9-11日、陸幕副長と陸幕防衛協力班長らがオーストラリアのキャンベラで第21回日豪幕僚協議に参加。5月15日、森下陸幕長がアメリカ海兵隊総司令官バーガー大将と防衛省で懇談した。5月16-21日、森下陸幕長がアメリカに出張し、アメリカ陸軍協会主催太平洋地上軍シンポジウム2023と第43回シニアリーダーズ・セミナーに参加した。5月22-26日、装備計画部化学室長がロッテルダムで第17回国際CBRN会議とNCTヨーロッパに参加。6月20-21日、第３回日タイ幕僚協議を防衛省と駒門駐屯地で実施。タイ陸軍本部ムンクラハン少将らの表敬を受け、関係発展で一致し、駒門駐屯地で国際活動教育隊の活動や装備品を説明した。6月20-21日、ホテルグランドヒル市ヶ谷で全国自衛隊地方協力本部長等会議を行い、森下陸幕長が14地本に２級賞状を授与した。6月26-30日、令和5年度自衛隊統合防災演習に参加。7月5日、防衛部長以下９名がイギリス国防省でイギリス陸軍・イギリス海兵隊と幕僚協議を実施。7月12日、在日米陸軍司令官ウォーマック少将が防衛省で森下陸幕長を表敬した。森下陸幕長が防衛省で在日米陸軍司令部第３部長ローマスター大佐に感謝状と第１号防衛協力章を贈呈した。7月13-14日、装備計画部長以下９名が、キャンベラのオーストラリア陸軍参謀本部で、オーストラリア陸軍参謀本部第４部長以下８名及びアメリカ陸軍第８戦域サステイメントコマンド司令官以下２名と、広報支援分野の連携協議を実施。7月21日、森下陸幕長が防衛省でカレ国連活動支援担当事務次長と懇談した。7月25日、森下陸幕長が防衛省でドイツ陸軍総監マイス中将と懇談した。森下陸幕長がMFO事務局長の表敬を受け、防衛省で懇談した。8月2日、募集班が海幕募集推進室・空幕募集班と共に、防衛省厚生棟で、陸海空自衛隊サマー・フレンドシップキャンペーン広報活動と隊員自主募集呼び掛けを実施。8月27日から9月1日、森下陸幕長がオーストラリア陸軍主催の第７回陸軍参謀長シンポジウムCAS（Chief of Army Symposium）に参加。9月5日、防衛部長と防衛協力課長が防衛省で新馬ポール陸軍参謀本部担当者と幕僚協議を実施。9月7日、森下陸幕長がアメリカ陸軍サイバーCOE（Center Of Excellence）司令官スタントン少将と防衛省で懇談した。9月11日、森下陸幕長と指揮通信システム・情報部長が防衛省でアメリカ海兵隊総司令官スミス大将と懇談した。9月22日、森下陸幕長が防衛省でアメリカ陸軍参謀総長ジョージ大将と会談した。9月24-29日、森下陸幕長がインドを訪問し、インド太平洋地域陸軍参謀長等会議IPACCに出席、日米韓豪４カ国懇談や10カ国陸軍トップとの２国間懇談などを行った。10月5日、トルコ陸軍と幕僚協議を実施。10月9-11日、陸幕副長がワシントンでアメリカ陸軍協会年次総会に参加。10月18日、森下陸幕長が防衛省でインド陸軍大学校長バンディ中将と会談した。10月24日、防衛省で行われた初の陸自・カンボジア陸軍幕僚協議に防衛部長や防衛協力課班長らが参加。11月5-9日、森下陸幕長がフランスを訪問し、参謀長シル大将と会談、第３師団を訪問し、第３師団長と懇談した。11月8日、陸幕副長が防衛省でフランス陸軍ドクトリン・コマンド訓練センター長ヴィドー中将と懇談した。11月9-10日、森下陸幕長がイタリアを訪問し、陸上部隊指揮官カンポレアーレ中将と懇談した。11月9日、陸幕副長が防衛省でアメリカ太平洋海兵隊副司令官シップリー准将と懇談した。11月13日、防衛部防衛協力課長らが防衛省で第６回日越陸軍種幕僚協議に参加。11月14-17日、装備計画部が第25回陸軍兵站幕僚会議MLSTを実施。11月30日から12月13日、ヤマサクラ85に参加。12月5日、森下陸幕長がドイツ陸軍マイス総監とビデオ会議形式で懇談した。

2024年2月4日から3月11日、コブラ・ゴールド24に参加。3月29日、監理部総務課に民間力活用推進班を新編し、防衛省で新編行事を実施。5月20-24日、令和6年度自衛隊統合防災演習に参加。10月23日から11月1日、キーン・ソード25に参加。

参考：日本の防衛戦力Part1、月刊世界の艦船4,’12、1,’13、4,’14、1,’15、4.’15、12,’15、1,'16、4,'16、7,’17、9,’18、1,’20、1,’21、8,’24、月刊軍事研究7,’12、8,’14、9,'15、6,’16、1,’18、MAMOR vol.77、vol.100、vol.113、月刊JWings1,’14、4,’15、12,’17、3,’22、7,’24、月刊航空ファン1,’17、11,’18、朝雲

　＜陸上幕僚監部（１９８５年）＞：トップは陸上幕僚長（陸将）で、陸幕副長（陸将）が補佐する。監理部（総務課、法務課、会計課）、人事部（人事計画課、補任課、募集課、厚生課、警務課）、調査部（国内担当の調査第一課、国外担当の調査第二課）、防衛部（防衛課、運用課、研究課）、装備部（管理・輸送課、武器・化学課、通信電子課、航空機課、需品課、施設課、開発課）、教育訓練部（教育課、訓練課）、衛生部、監察官１名で構成される。参考：陸上自衛隊地上戦力の全容

＜陸上幕僚長＞：陸上幕僚監部の長で、陸上自衛官の最高位の職。防衛庁長官／防衛大臣の指揮監督の下、部隊に対する防衛庁長官／防衛大臣命令を執行し、隊務に関して防衛庁長官／防衛大臣を補佐し、隊務や所部の隊員の服務を監督する。参考：日本の防衛戦力Part1

＜陸上発射型トマホーク＞：GLCMを参照。

＜陸将補＞：陸上自衛隊の階級で、一般には少将にあたる。旅団長・団長を務めるが、これは世界の軍隊標準的には准将が担任するので、階級が１つずれている。参考：月刊軍事研究9,’12

＜陸上無人機＞：技術研究本部が2009年度から研究（陸上無人機技術の研究試作）を行っているUGV。スズキのジムニーに各種センサーと自動操縦装置などを装着し、遠隔操作で無人走行できるようにしている。車体前部バンパー下（探知距離70m）、後部バンパー上（探知距離8m）、フロントグリル前面（探知距離8m）、ルーフにLIDARによる障害物探知装置を備えており、赤外線カメラやステレオカメラ（２つのカメラで物体を立体的に捉える）もルーフ上に搭載。バックミラーの所にCCDカメラが装着されており、画像は操縦者の液晶ディスプレイに送られるが、タイムラグがあるので、障害物をUGVの判断で回避するシステムも備えていて、操縦者が走行方向などの大まかな指示を出せば後は車側の判断でステアリングなどを行う。無線通信距離は中継機無しで3km。無線が妨害されても携帯電話の3G回線を使用して操作できる。操縦装置は可搬式と人体装着式の２種を用意。前者は液晶ディスプレイ、ハンドル、市販のゲーム用ペダルなどから構成され、操縦者は椅子に座って液晶画面を見ながら操縦する。後者はバッテリーや制御装置を収容したバックパック、CCDカメラの映像を映し出すヘッドマウントディスプレイ、操縦用コントローラ（市販ゲーム用に類似）で構成される。車両側の操縦システムは可動式アームを外付けしたもので、ペダルやシフトレバーをアームが踏んだり動かしたりして運転する。昼間舗装路で60km、昼間無舗装路で30kmの最大速度を出せ、夜間無灯火でも無人走行できるよう研究が続けられていて、2011年度末から試作車を使用したテストが行われている。また、民生品のコンピュータが大型で過熱するため、改良を施す必要がある。参考：MAMOR vol.70、月刊軍事研究11,’12、3,’13

＜陸上無人支援車＞：GUSSを参照。

＜陸上用赤外線暗視装置＞：自衛隊の機器。日本電気製。参考：月刊軍事研究9,’09

＜陸戦の法規慣例に関する条約＞：1907年10月18日にハーグで署名され、1910年1月26日に発効した。日本は1911年（明治44年）12月13日に批准し、1912年2月11日に発効した。締約国陸軍に適応され、交戦国が全て本条約を締約してあるときに限り、締約国間に適用される。締約国の兵士だけでなく、組織化されて識別用徽章と兵器を装備した民兵・義勇兵、非占領地域で侵入軍に抗敵するため兵器を装備した郡民兵も、戦争法規慣例を遵守すれば本条約の適応を受ける。兵力は戦闘員と非戦闘員から構成され、敵に捕縛された場合は両者とも捕虜として同等の扱いを受ける。戦闘時は、毒または毒を施した兵器の使用、敵に対して背信行為を使用して殺傷すること、降伏した敵を殺傷すること、助命拒否を宣言すること、不必要な苦痛を与える兵器を使用すること、軍用標章や敵の制服、ジュネーブ条約の特殊徽章を勝手に使うこと、やむを得ない場合を除き敵の財産を破壊・押収すること、敵国民の権利・訴権の停止や裁判不受理を宣言することを禁止する。防守されていない都市は攻撃してはいけない。強襲時以外は、砲撃開始前に事前通告を行う。宗教・学術・技芸・慈善に使用する建物、歴史的建造物、病院、傷病人収容所は、同時に軍事上の目的に使用されていない限り砲撃禁止で、防御側はこれらの建物や収容所には目立つ目印を付け、その目印を攻撃側に通告しておく。都市その他の地域での略奪は禁止。間諜は、交戦者の作戦地域内で対手交戦者に通報するため隠密もしくは虚偽の口実のもとに行動し、情報を収集するものと定義する。変装していない軍人で敵作戦地域内に侵入した者、通信伝達員、連絡員は含まない。間諜を捕らえた場合、裁判をしなければ罰してはならない。また、過去に間諜行為を行い、現在は一般の兵士として戦闘に参加し、捕虜となった場合には、間諜行為の責任を問われることは無い。交渉のため白旗を掲げて来る軍使は不可侵権を持つが、これを受ける義務は無く、濫用が疑われる場合には一時的に抑留することができる。軍使が背信行為を教唆したり、不可侵権を利用して背信行為を行おうとしたりした証拠が明白なときは、不可侵権を失う。一方が休戦違反を行った場合、他方は休戦規約を廃棄でき、緊急時には直ちに戦闘を再開できる。ただし個人が自己の意志で休戦規約に違反したときは、その処罰と賠償を求めるにとどめる。国の権力が占領者に移ったときは、占領者は支障がない限り現行の法律を尊重し、公序良俗と生活を回復確保することに全力を尽くす。交戦者は、占領地の人民に敵軍の情報を強要することはできない。また、人民に強制的に忠誠を誓わせることはできない。占領地人民の権利、個人の生命、私有財産、信仰の自由を尊重し、私有財産の没収をしてはならない。とくに略奪は厳禁。占領地人民から税を取るときは、なるべくそれまでの賦課規制によって徴収する。税金以外の取り立てを行うのは、軍や占領地行政の需要に応じ総指揮官が命令した場合に限る。また、領収書を発行する。現品徴発や課役は、軍や占領地行政の需要に応じ現地指揮官が命令した場合に限る。占領地人民に連帯責任による連座罰を与えてはならない。参考：軍縮条約・資料集第２版

＜陸曹＞：陸上自衛隊の階級。部隊の基幹要員で、専門分野の技能を持ち、幹部を補佐すると共に、陸士を直接指導する。高等／少年工科学校で４年間の生徒課程を修了するか、一般高校を卒業して採用試験を受け陸曹候補学生課程を修了するか、陸士長で１年以上経過して連隊の昇任試験をクリアし陸曹候補学生課程を修了すると三等陸曹になれる。陸曹候補学生課程は陸曹教育隊で行われる。任官後は部隊に配属され、適宜初級陸曹特技課程や上級陸曹特技課程を修了し、特技（モス）を取得する。陸曹教育隊で陸曹上級課程を修了すると一等陸曹となる。参考：MAMOR vol.140、陸上自衛隊地上戦力の全容

＜陸曹教育隊＞：陸上自衛隊の教育部隊。陸曹として必要な知識や技能を獲得させるのが主任務で、各方面隊に１個ずつ置かれている。陸曹候補学生課程や陸曹上級課程の教育を行う。参考：スピアヘッドNo.16、MAMOR vol.60、陸上自衛隊地上戦力の全容

＜陸曹航空操縦学生課程＞：陸上自衛隊の航空機パイロット養成課程の１つ。受験資格は受験年の1月1日以前に三等陸曹に昇任した26歳未満の隊員。参考：月刊JWings12,’10

＜陸曹航空操縦課程＞：陸上自衛隊の航空機パイロット養成課程の１つで、FEC（Flight Enlistedman Course）と略す。航空学校宇都宮校で実施される。陸上自衛隊入隊後、三等陸曹に昇任して１年を経過し、操縦課程への部内選抜資格を得て試験に合格した隊員がこの課程に進むことができる。年齢は27歳未満まで。９ヶ月の座学教育を受け、4-6ヶ月の練習機教育と6-8ヶ月の実用機教育を経て１年９ヶ月で修了、ウイングマークが授与される。その後は機種ごとの操縦訓練に移る。199期から回転翼機の教育体制が新しくなり、前期課程として航空学校宇都宮校で幹部自衛官に向けての教育や航空関連の実技教育（操縦以外）を９ヶ月間受け、中期課程として航空学校宇都宮校でTH-480Bによる基本操縦訓練を９ヶ月間150時間受講し、国交省の事業用回転翼操縦免許を取得、後期課程として航空学校本校（OH-1、UH-60JA、AH-1S、AH-64D）、航空学校宇都宮校（UH-1J）、第１ヘリコプター団（CH-47J）に移り機種ごとの実用機教育（AH-64Dは６ヶ月、他は５ヶ月）を受け、防衛大臣の航空操縦技能証明を得てウイングマークを取得することになった。参考：MAMOR vol.111、vol.127、月刊JWings5,’08、月刊航空ファン11,’16

＜陸曹候補生＞：三等陸曹を目指す隊員が選考から昇任までの間に与えられる身分で、陸曹に必要な教育訓練（陸曹候補生課程）が施される。参考：MAMOR Vol.81

＜陸曹候補生課程＞：陸上自衛隊の教育。陸曹に必要なリーダーシップ、技術、知識を３ヶ月間教育する。参考：MAMOR vol.102

＜陸曹上級英語課程＞：陸上自衛隊小平学校で行われる語学課程。日米共同訓練やPKOなどに必須の英語教育を行う。参考：MAMOR vol.98

＜陸測＞：航法の１つで、艦船から陸地を観測し、特徴的な地形などを３点見つけて羅針盤で方位を確認し、三角測量により自艦の位置を把握する。参考：MAMOR vol.103

＜陸の条約＞：ジュネーブ第一条約を参照。

＜陸幕指命演習＞：陸上自衛隊が方面隊に訓練内容を指定して行う演習で、毎年１回行われる。参考：月刊丸3,’90

＜陸幕情報本部電波部＞：陸上幕僚監部のSIGINT担当部署で、1996年に創設された。東千歳（稚内、東根室、根室にも分遣隊を派遣）、小舟渡、大井、美保、大刀洗、喜界島に通信所を持ち、極東全域の無線通信を傍受して発信源を特定している。参考：月刊軍事研究1,’05

＜陸幕第二部＞：陸上自衛隊の幕僚機構で、情報機関の管理統制等にあたる。総括班（管理）、情報一班（一般情報担当）、情報二班（技術情報担当）、見積班（情報の評価判定）、地誌班（国内地理担当）、保全班（防諜担当）、渉外班（防衛駐在官のサポート、他国武官との窓口業務）があり、情報班は10名前後、他は５名前後で構成された。中央調査隊や中央資料隊を実質的に指揮下に置いている。必要な情報は主に二別の傍受した無線や、中央資料隊から得ており、在日米陸軍情報部やDIAなどにも足を運んで情報を得、陸幕長に報告を上げた。アジアの情報に関してはアメリカ軍よりも収集能力が高く、ホーチミンルート情報などを在日米軍に提供したこともあったという。参考：月刊軍事研究4,’09、5,’09

＜陸幕第二部別室＞：二別を参照。

＜陸幕第二部別班＞：陸上自衛隊の非公然組織で、正式には陸上幕僚監部第二部情報一班特別勤務班、通称武蔵機関。1961年から正式に活動を開始、日米共同情報活動を担当し、アメリカ陸軍第500部隊と連携、活動資金の半分以上がアメリカ側から出ていた。本部は陸幕二部及び第500部隊隷下の統合本部で、その下に工作本部と工作支援部があり、工作本部の下には工作班３つがある。実働要員は20名前後で、4-5名ずつのグループに分けられているが、情報収集は個人で行う。アメリカ軍要員と共同での情報収集は行わず、外国に関する情報（軍事及び政治経済情報。国内は一部の保全関連などを除き担当しない）を個別に調査して報告を陸上自衛隊調査隊とアメリカ側に上げるのが主任務である。拠点は1973年頃までがキャンプ・ドレイク、以降がキャンプ座間。現地在住者や旅行者、商社社員などから情報を収集し、自ら外国に赴くことは無く、大した情報は集めていなかったようで、日米情報活動の連携をアピールするのが創設の狙いだったらしい。その割に陸幕第二部長直轄として他の第二部要員からの接触を断絶するなど存在を隠しすぎたため、金大中氏拉致事件や三島由紀夫クーデター未遂事件に関与したなどというあらぬ噂を立てられてしまい、規模がかなり縮小されたようである。本部も六本木の陸幕地階に移動したという。参考：月刊軍事研究5,’09、9,’09

＜陸幕調査部別室＞：調別を参照。

＜陸ぽん＞：滋賀地方協力本部のマスコットキャラ。2016年1月21日、ケーブルテレビZTV近江八幡支局の大津駐屯地での番組収録に協力した。11月3日、第64回小江戸彦根の城祭りに参加。参考：朝雲

＜陸用爆弾＞：日本海軍用語で、地上に落とすための爆弾のこと。艦船の装甲甲板に衝突する通常爆弾よりも弾体がヤワで済み、安価に作れたが、信管が作動する前に弾体が破壊されて威力を減ずる恐れがあり、重要目標への爆撃には通常爆弾の方を使用した。当初は通常爆弾と同じ信管を付けていたようだが、昭和12年に専用の安価な信管を開発した。参考：日本海軍の爆弾

＜リクルート＞：PT-16シリーズ（練習機）を参照。

＜リケッツ＞：DE-254（護衛駆逐艦）を参照。

＜リゲル＞：インドネシア海軍海洋観測艦Rigel。2018年10月29日にジャワ島北方海上で墜落したライオンエアB737MAX-8の機体構成部品所在確認任務に参加。2021年4月21日に行方不明になったインドネシア海軍潜水艦402ナンガラの捜索活動に参加。参考：月刊航空ファン1,’19、月刊世界の艦船7,’21

＜利剣＞：中国が開発中のステルス全翼型無人戦闘航空機（UCAV）、リジャン（Lijang）。設計は中国工業集団公司瀋陽飛機設計研究院、製造は中国工業集団公司江西洪都航空工業集団有限責任公司で、2013年5月初めにデモンストレーターの映像がインターネットで流され、2013年11月21日に初飛行した。外観はRQ-170、X-47B、ニューロンに似ているらしいが、ロシア製無人機のコピーという説も出されている。翼スパン14m、エンジンはWP-7で、後にRD-93に換装された。爆弾倉内にCM-506誘導爆弾を搭載できる。完成型はGJ-11らしい。参考：月刊軍事研究2,’17、朝雲、月刊JWings8,’13、月刊世界の艦船5,'24

＜リコイル＞：反動のこと。参考：GUN用語事典

＜リコイル・アクション＞：反動利用式を参照。

＜リコイル・システム＞：駐退復座機を参照。

＜リコイル・スプリング＞：復座バネを参照。

＜リコイル・パッド＞：銃床後端の反動吸収用ゴムパッド。参考：GUN用語事典

＜リコイル・ブースター＞：recoil booster。後座ブースター、加速器ともいう。反動利用式の火器の砲口・銃口に付けるラッパ状の部品で、発射ガスを受け止めて後座力を大きくし、銃砲の作動に必要な反動を確保する。発射速度を増す役割もある。消炎器としての機能を持つことも多い。参考：火器弾薬技術ハンドブック、GUN用語事典

＜リコイル・リデューサー＞：砲口消炎器のこと。参考：GUN用語事典

＜リコイルレス・ライフル＞：無反動砲を参照。

＜リ号研究作戦＞：太平洋戦争ニューギニア戦における、ポートモレスビー攻略用陸路の偵察作戦。昭和17年6月12日、大本営が大陸命第633号で第17軍司令官に対して下命した。7月2日、独立工兵第15連隊主力がダバオを出港。7月18日、ラバウルで独立工兵第15連隊に第17軍から正式なリ号研究作戦命令が出された。7月19日（20日夜？）、独立工兵第15連隊、歩兵大隊１個、山砲中隊１個からなるポートモレスビー陸路進攻先遣部隊（南海支隊先遣隊）がラバウルを出港。船内で将校団に対して先遣隊長（独立工兵第15連隊長）から作戦について説明があり、将校団からはモルモットだ、無駄死にだと反発が出たが、先遣隊長が本作戦は軍命であると一喝して黙らせた。ちなみに第17軍が作戦命令を発出した時には既に大本営陸軍部（というか辻参謀の独断）から第17軍に対して陸路攻略決定の密命が下されていて、実際には進撃路偵察ではなく攻略作戦になり、7月21日にゴナに上陸してポートモレスビーに向かった。参考：軍医戦記、月刊軍事研究9,’09

＜リゴー・ド・ジュヌイリー＞：フランス海軍ブーゲンビル級植民地通報艦４番艦Rigault de Genouilly。1933年就役。1940年7月4日、地中海アルジェ沖でイギリス潜水艦N42パンドラの雷撃を受けて沈没した。参考：月刊世界の艦船5,’12

＜リコール＞：フランス海軍対潜戦訓練標的RECALL。フランスのシーバー社が開発した。艦上から人員が手で海面に投下すると、潜航して水中標的になり、探知したアクティブ・ソナー音を増幅して送り返し、潜水艦役を務める。訓練終了後は浮上するので、遠隔操作で艦に呼び戻し、回収してレコーダーが記録した訓練魚雷の動きを解析する。全長900mm、直径120mm、重量10kg。電源はリチウム電池または、ニッカド電池、速力12ノット、潜航深度300m、航続時間10時間（リチウム電池）。参考：朝雲

＜リコメンド＞：海上自衛隊用語で、部下から上官に対して進言すること。参考：歴史群像4,’18

＜リコン・スカウト＞：アメリカのSWATで実用試験が行われている投擲型偵察ロボット、別名QN-TANK。円筒形本体の両側にギア状の車輪が付いており、後方に姿勢安定用の棒が延びている。本体には赤外線カメラとアンテナ２本が仕込まれていて、7.6m先までの画像を毎秒30フレームで撮影して屋外なら90m先、屋内なら30m先まで送信する。高さ9mからの落下に耐えられる。参考：月刊軍事研究2,’13

＜リザード＞：ウィザード（誘導爆弾キット）を参照。

＜リザード４＞：ウィザード（誘導爆弾キット）を参照。

＜リザードフィッシュ＞：SS-373（潜水艦）を参照。

＜リサ・アン＞：RC-135E（弾道ミサイル情報収集機）を参照。

＜利済＞：満州国海軍仮装砲艦Lichi。元は中東鉄路局の外輪船、第６号巡船で、東北軍閥が仮装砲艦に仕立て、満州国建国に伴い海軍に編入したものである。全長48.4m、排水量362トン。主機はレシプロで、速力7.6ノット。兵装は8cm平射砲２門、8cm迫撃砲１門、重機関銃２丁。1907年竣工。参考：月刊世界の艦船7,’11、月刊丸3,’14

＜リザル＞：PS74（コルベット）を参照。

＜リザル級＞：フィリピン海軍パトロール・コルベットRizal級。元はアメリカ海軍オーク級掃海艦である。全長67.4m、幅9.8m、吃水3.3m、満載排水量1250トン。兵装は76mm単装砲２門、40mm連装機関砲２基、20mm連装機関砲２基、12.7mm機銃２丁、ヘッジホッグ１基、324mm３連装短魚雷発射管２基、爆雷投下軌条２条。PS70とPS74の２隻が就役した。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、JShips Vol.20

＜李四光＞：894（試験艦）を参照。

＜李四光＞：中国海軍636型海洋観測艦１番艦Li Siguang。1998年就役。後に国家海洋局農業部に移管されて漁政206となり、更に中国海警局に移管されて海警2506になった。参考：月刊世界の艦船2,’19

＜李四光型＞：910型（試験艦）を参照。

＜リジッドアクスル・サスペンション＞：車軸懸架式サスペンション。左右両輪を１本の車軸で連結したサスペンションで、トーションビーム式サスペンションや、リーフスプリングを使用したものがある。構造が簡単でコストが低く、スペースも少なくて済む。上下運動の際のアラインメント変化が少なく、タイヤの摩耗も少ない。独立懸架でなく、左右の車輪が連動するため乗り心地は悪い。左右の車輪が独立して地面を捉え続ける必要が薄い非駆動軸に採用される。参考：自動車のサスペンション、自動車メカニズム図鑑、クルマのすべてがわかる事典

＜リジッド型メインローター＞：Rigid rotor、無関節型ローター。メインローターブレードをフレキシブルにして発生応力を低くすることにより、フラップ・ヒンジの効果を持たせ、フラップ・ヒンジとラグ・ヒンジを省略、フェザリング・ヒンジだけを付けたローターヘッドのこと。ヒンジレス・ローター（Hingeless rotor）とも呼ばれ、この場合にはフェザリング・ヒンジの事をフェザリング軸と称する。ブレードをローターハブにスプリング金具で片持ち式に固定しただけの単純構造で、故障も少なく整備が容易。ヒンジが無いため、全関節型やセミリジッド型に比べてローターの振動が少なく、ブレードに作用する揚力がハブに直接モーメントとして働くため操縦性が良く、そのモーメントが非常に大きいのでヘリの重心が多少移動しても支障が無く、ループやロールといった機動飛行も可能である。ローターはフェザリングの動きしかできないため、旋回時にはローターハブやマストに負荷がかかる。1959年にロッキード社がCL-475試作ヘリでテストし、XH-51/AH-51、AH-56Aに取り入れた。他にSA314やBo105などが使用している。全ヒンジを省いたベアリングレス型ローターの事をリジット型と呼び、フェザリング・ヒンジのみのものはセミリジッド型に含めることもある。参考：航空用語事典増補改訂版、世界の傑作機No34、月刊軍事研究9,’07、10,’07、月刊JWings10,’09別冊付録、3,’18

＜リジャン＞：利剣（無人攻撃機）を参照。

＜李従茂＞：066（潜水艦）を参照。

＜リシュリュー＞：フランス海軍リシュリュー級戦艦１番艦Richelieu。1935年10月22日起工、1939年1月17日進水、1940年1月公試開始、6月15日に工事進捗率95%で就役した。ドイツ国防軍がブレストを占領する直前の6月19日に兵学校卒業生全員を乗せて脱出に成功、ダカールに入港してヴィシー政権側についた。7月3日、イギリス海軍空母I95ハーミーズから出撃した第814中隊ソードフィッシュの雷撃を受けて魚雷１発を被雷、右舷推進器が損傷して浸水し、着底した。数日後に復旧したが、9月23-25日にイギリス戦艦２隻と交戦してバーラムを損傷させたものの、被弾損傷し、薬室内爆発事故により２番砲塔７番主砲が折れた。1942年11月、自由フランス軍の隷下となって連合軍に加わり、アメリカに回航され、1943年2月24日にブルックリン海軍工廠に入って修理改装を開始した。10月10日、残りの工事と損傷復旧工事を終えて復帰。11月20日、スカパフローに入港し、イギリス本国艦隊隷下となった。1944年3月、イギリス東洋艦隊の隷下となった。4月10日、ツリンコマリに入港。以降は極東で行動し、ビルマ作戦やアンダマン海周辺での作戦に従事。1945年5月、羽黒の攻撃にも出撃したが、イギリス海軍駆逐艦隊に先を越されたため、ダーバンに向かい修理を受けた。完工後、対日戦線への復帰のためインド洋を東に向かっている途中で終戦となった。1945年9月2日、東京湾で降伏調印式に参加。その後仏印で作戦に就き、1946年2月にフランスに戻った。1956年、繋留訓練施設艦に艦種変更された。1958年に退役して予備役に編入された。1967年12月に除籍され、1968年1月16日に艦名が船体Q432に変更された。9月、サンタマリア造船所に売却されて解体された。ブレスト軍港に主砲１門が展示されている。参考：歴史群像4,’11、月刊世界の艦船1,’12、4,’17、9,'21、第２次大戦のフランス軍艦、近代戦艦史

＜リシュリュー級＞：フランス海軍戦艦Richelieu級。イタリアのリットリオ級に対抗して1935年度と1938年度に２隻ずつ建造する予定で、1938年度艦の起工は大型艦用建造ドックが空くまで待つ必要があったため、３番艦には小改良を加え、４番艦は本格的な改装を実施してガスコーニュ級になった。ダンケルク級をベースに基準排水量を軍縮条約一杯の35000トンとし、主砲を38cmに拡大してある。船体は平甲板型で、中央に長めの船楼を持つ。主砲は38cm砲M1935の４連装砲塔２基で、前甲板に背負い式で装備する。砲塔後部には13.5m測距儀を持つ。主砲弾は弾庫からの弾丸と装薬室からの装薬を一旦換装室に上げ、纏めて砲塔内に送る方式である。副砲は1936年型55口径15.2cm３連装両用砲で、中央部と後部に搭載、後部甲板は航空艤装に充てた。副砲仰角は機構上は90度あるが、実用上は75度が限界で、旋回俯仰速度と高仰角での装填速度が遅く、実際には対空用としてはあまり役に立たなかったようだ。また副砲の製造ペースが戦艦全体の建造ペースを左右したため、３番艦は計画当初から副砲を３基に減らした。主砲方位盤は前檣楼頂部（上に前部副砲用方位盤が載っている）と煙突後方甲板室上部後端にあり、1-2番艦は三重式、３番艦は二重式である。補機室は主砲火薬庫間及び後部機関室後方の２箇所に設けられ、どちらか一方が損害を受けても補完できるようにされた。後部マストと煙突は一体化されたマック方式で、煙路は後方に曲げて排煙、煙突上部に見張所や後部副砲用方位盤を置いている。主要区画131.45mに対する集中防御方式を採用しており、水線部は装甲厚330mm20度のインターナルアーマーで、水中防御はTNT300kgの魚雷に抗堪できるよう多層式水中防御を採用し、水船部装甲板と舷側外板との幅8mの隙間、弾火薬庫部分の水雷防御隔壁外側衝撃吸収層、主要区画部バルクヘッド艦首側前方・艦尾側後方にはエボナイト・ムースと呼ばれる不燃性ゴム発泡材を充填した。推進装置の配置は缶機缶機のシフト式で、直径4.5mの主缶６基を３基ずつ前後の缶室に纏めている。全長247.9m、最大幅33.1m、吃水9.6m、基準排水量38500トン（リシュリュー）／42806トン（ジャン・バール）、公試排水量40927トン（リシュリュー）、機関重量2865トン。主機はパーソンズ式高中低圧ギヤード・タービン４基、主缶はアンドレ・スラル式重油専焼水管缶（27気圧、350℃）６基、公称出力155000馬力、４軸推進、速力30ノット（31.5ノット？）、公試時最大速力32ノット、航続距離10240海里（18ノット）。兵装は45口径38cm砲M1935の４連装砲塔２基（前甲板）、1936年型55口径15.2cm３連装両用砲４基（リシュリューは後に３基に減）、45口径10cm連装高角砲６基（ジャン・バールは12基、クレマンソーは８基）、37mm連装機関砲４基（ジャン・バールは57mm連装高角砲12基、クレマンソーは37mm連装機関砲６基）、13.2mm４連装機銃４基（ジャン・バールは20mm単装機関砲20丁、クレマンソーは13.2mm４連装機銃９基）。リシュリューのみカタパルト１基と水上機３機（５機？）を搭載する。装甲厚は水線部343mm、甲板171mm、司令塔444mm、主砲塔バーベット405mm、主砲塔前楯430mm、主砲塔側面300mm、主砲塔天蓋170-195mm、副砲塔前楯116-130mm、副砲塔側面70mm、副砲塔天蓋70mm。乗員1670名（ジャン・バールは2134名）。１番艦リシュリューが1940年、２番艦ジャン・バールが1955年に竣工し、３番艦クレマンソーは建造中止となった。主砲装薬は新型のSD21を使用して38cm級では最強の威力を誇る筈だったが、リシュリューで膅発事故が起きたため旧来のSD19を使わざるを得なくなっている。主機も整備に手間が掛かり、第２次大戦勃発で部品調達が困難になると、25-27ノットを発揮するのがやっとの状態になってしまった。両用砲が対空射撃に使えず、高角砲はカバー範囲が狭く、装薬庫の位置が高く敵弾が飛び込んでくる可能性があり、燃料を満載すると水中防御が減殺されるといった欠点も指摘されている。参考：第２次大戦のフランス軍艦、近代戦艦史、月刊世界の艦船6,'20、1,’12、7,’11、1,’12、4,’17、歴史群像4,’11

＜リシュリュー級・改装＞：1943年にリシュリューがアメリカで改装を受けた。折れた７番主砲と損傷した５番・８番主砲をジャン・バールの主砲と交換、主砲内腔を削ってイギリス製38.1cm砲弾を使用可能とし（主砲はそのままでフランス規格砲弾をアメリカのクルセブル製鋼所で製作？）、前檣楼の測距儀１基をレーダー（アメリカ製対空捜索レーダー、アメリカ製対水上捜索レーダー、イギリス製FCSレーダー）に換装、対空装備をアメリカ制式に換装強化し、艦尾の航空設備を撤去するなどしている。全長247.85m、全幅33.08m、基準排水量37250トン。主機はパーソンズ蒸気タービン４基、主缶６基、出力155000馬力、４軸推進、速力32ノット、燃料搭載量5866トン、航続距離は18ノットで5500海里。兵装は45口径380mm４連装砲塔２基、52口径152mm３連装砲塔３基、45口径100mm連装高角砲６基、ボフォース40mm４連装機関砲14基、エリコン20mm単装機関砲48門。装甲厚は砲塔防楯430mm、上面170mm、インターナルアーマー170-330mm。乗員1600名。参考：歴史群像4,’11、第２次大戦のフランス軍艦、月刊世界の艦船1,’12、9,’21

＜李純信＞：068（潜水艦）を参照。

＜離昇出力＞：Take off power。離陸時など、大きいエンジン出力を必要とする際に、定格出力（連続最大出力）を超えて使用できる出力のこと。５分間くらい発揮してもエンジンが壊れない程度に無理をさせた際の最大出力をいう事が多く、最大離陸出力ともいう。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊丸4,’99、世界航空機年鑑2018-2019

＜李承晩ライン＞：竹島を参照。

＜りしり＞：MSC-623（掃海艇）を参照。

＜リジリエンス＞：シンガポール海軍フィアレス級哨戒艦Resilience。1998年2月就役。2018年7月19日に退役した。参考：月刊世界の艦船10,’18

＜リシン＞：ヒマ（トウゴマ）の種に含まれる植物毒、Ricine。蛋白質だが、胃腸で消化される前に消化管からエンドサイトーシスにより取り込まれ、細胞内でリボソーマルRNAを切断し、細胞を壊死させる。経口摂取の他、経気道でも効果を出すので、エアロゾル散布も有効。リシン入りの金属球を傘に似せた暗殺銃で撃ち込んだ例（マルコフ殺害事件、コストフ暗殺未遂事件）もある。致死性が高く、致死量は73mgとされる。参考：図解雑学生物・化学兵器、化学・生物兵器概論

＜リス＞：K-333（潜水艦）を参照。

＜リス＞：ポーランドのWZM5社が開発した８×８輪装甲兵員輸送車Rys。SKOTの改良型である。イベコ社製カーサー８ディーゼルエンジンを搭載し、車長・操縦手用全周旋回ペリスコープを備えている。セラミック製の付加装甲を装着可能。水陸両用で、C-130により空輸も可能。参考：月刊軍事研究10,’04

＜リス・ファミリー＞

　＜Ｒｙｓ　ＭＥＤ＞：装甲救急車型で、2004年12月に試作型がイラクに送られた他、2007年にはアフガニスタンに投入された。車体サイドドアを拡大して医官の出入りを容易としており、エアコンを強化、予備タイヤを車体上部に搭載するようにしている。車内には担架４床を収容可能。総重量17トン。エンジンはイベコ社製Cusor8ターボチャージャー付きディーゼル。無線機はPNR-500携帯通信機及びVHF無線機。乗員は操縦手、医官（指揮官）、医療助手1-2名。参考：月刊軍事研究1,’08

　＜自走迫撃砲＞：98mm迫撃砲M98を搭載した自走迫撃砲型。2003年に開発された。参考：月刊軍事研究10,’04

　＜大隊指揮車＞：WBエレクトロニクス社製アザリア射撃管制システムを搭載したタイプで、クラブ自走榴弾砲大隊用に開発された。2004年6月にポーランド国防軍によるテストを終了した。参考：月刊軍事研究10,’04

　＜歩兵戦闘車＞：ラインメタルE8砲塔を搭載した歩兵戦闘車型。2003年に開発された。参考：月刊軍事研究10,’04

＜リズ＞：深山シリーズ（陸上攻撃機）を参照。

＜利綏＞：満州国江上軍砲艦Lisui。元はドイツ海軍河用砲艦ファーターラントで、第一次大戦中の1917年3月に中華民国が接収し、1932年2月に満州国が編入した。全長50.1m、排水量350トン。主機はレシプロで、速力６ノット。兵装は7.5cm野砲１門、8cm迫撃砲１門、重機関銃１丁。参考：月刊世界の艦船7,’11、月刊丸3,’14

＜リスカム・ベイ＞：ACV-56（護衛空母）を参照。

＜リストア・ホープ作戦＞：1992年12月9日にアメリカが国連の要請を受けて実施した、ソマリア救済作戦。アメリカ海兵隊がM1A1、LAV-25などと共に派遣され、治安維持にあたった。1993年5月4日、第２次国連ソマリア活動に引き継がれた。参考：月刊軍事研究4,’04

＜リスト規制＞：経済産業省が行っている輸出規制で、武器、大量破壊兵器関連機材、通常兵器関連汎用品の輸出に際しては経産大臣の許可が要るというものである。参考：核兵器事典

＜リセプタクル＞：受油口。フライング・ブーム方式を参照。

＜李阡＞：062（潜水艦）を参照。

＜利爪式教練機＞：T-38海外シリーズ（練習機）を参照。

＜理想迎え角＞：Ideal angle of attack。翼前縁が淀み点になる迎え角のこと。参考：航空機設計法

＜リソース＞：A480（給兵艦）を参照。

＜リソース級＞：イギリス海軍工作艦Resource級。戦闘艦に対する修理を行う艦で、陸上基地から離れた海域で任務に就く。垂線間長152.4m、基準排水量12300トン。速力15ノット。兵装は10cm連装砲４基など。リソースが1930年に就役した。参考：第２次大戦のイギリス軍艦

＜リソース級＞：イギリス海軍給兵艦Resource級。船型は船首尾楼型（ウエル・デッキ型）で、ウエル・デッキ前部に艦橋、船尾楼に上部構造物、艦尾に機関室を持つ。船尾上構にはヘリ発着スペースもある。全長195.1m、幅23.5m、吃水8m、満載排水量22890トン。主機は蒸気タービンで、出力20000馬力、速力21ノット。1967年にA480リソース、A486リージェントの２隻が竣工した。参考：月刊世界の艦船5,’83

＜リタ＞：連山（陸上攻撃機）を参照。

＜リターデッド・ブローバック＞：遅延ブローバックのこと。参考：GUN用語事典

＜履帯＞：無限軌道、Track。キャタピラはキャタピラー社の登録商標である。１枚ずつは履板ともいう。履帯の接地面は地面に対して相対速度ゼロで、いわば履帯を地面に敷きながらその上を転輪で転がっていくとも言える。よって、外側は地面に食い込みつつ、内側は平坦で滑らかに仕上げなければならない。長所は、不整地踏破性が高い、接地圧が低いので軟弱地を踏破できる、地面を捕握して車両の推力発揮を助けられる、信地旋回ができる、耐弾性が高いことである。凍結地などの踏破性向上のため、防滑パッドを取り付けることもあるが、ショックアブソーバーなどに過負荷を生じたりするので注意。短所は、旋回時の抵抗が大きい、平坦地での走行抵抗が大きい、部品点数が多い、耐久性が低い、音がうるさいなど。旋回時の抵抗はかなりのもので、動力再生式操向装置ができるまでは、アクセルを踏み込まないと旋回できなかった。初めて開発されたのは1780年で、木製のポータブル軌道を車輪の前に並べていくものだった。1886年に最前部の車輪を一段高くすると踏破性が格段に改善することが発見され、1888年に転輪が開発されている。1904年にホルト・マニュファクチュアリング社（後のキャタピラー社）が製品化に成功、キャタピラと命名し、1908年には初の軍用履帯が誕生した。参考：月刊PANZER5,’02、6,’02、8,’10、月刊JWings1,’03、機甲入門、スピアヘッドNo.8

　＜一体型履帯＞：履板を鍛造または鋳造で一体成型し、それぞれを連結ピンで結合し、履帯とするもの。部品点数は少ないが、複雑な形状を一体成型する必要があり、費用がかかる。参考：月刊PANZER6,’02

　＜ウェットピン式履帯＞：履帯ピンにゴムブッシュと呼ばれるリング状のゴムを装着し、ピン孔に挿入するタイプの履帯。履帯が曲げられる際に曲げエネルギーがゴムブッシュに蓄えられ、逆に曲がる時にそれを放出してエネルギー損失を減らし、走行抵抗を減少させる。また、ピンの摩耗防止作用もあり、履帯の交換サイクルを延長させている。1934年頃にアメリカで考案された。日本軍では信頼できる接着剤が無かったので実用化されず、戦後にアメリカから接着剤を導入して陸上自衛隊の国産装軌車両に導入している。参考：月刊PANZER6,’02、7,’03、陸自車輌の開発記録

　＜屈曲履帯＞：履帯がある程度左右に曲がるので、転輪を操向させると旋回できる。空挺戦車テトラークに採用された。参考：月刊PANZER5,’02

　＜組立型履帯＞：履板、コネクター、センターガイドなどを個別に製造し、組み立てて履帯とするもの。生産性が高く、幅広の履帯に適する。参考：月刊PANZER6,’02

　＜湿式履帯＞：ニードルベアリングのハウジング部に定期的にグリースを注入する必要がある。参考：月刊グランドパワー5,’04

　＜ドライピン式履帯＞：履帯ピンとピン孔が直接接触するタイプの履帯。抵抗が大きい。参考：月刊PANZER6,’02

　＜ベルト型履帯＞：鋼線に包合した弾性ベルトに履板を固定するタイプ。軽量で走行抵抗も少ないが、ベルトの寿命が短く、値段が高い。雪上車などで使用される。参考：月刊PANZER6,’02

＜履帯（ディール社製）＞：組み立て式履帯の大手メーカー、ドイツのDiel社が開発したもの。着脱可能なゴムパッド（トラックパッド）を、履帯本体のグローサーに横からはめ込むことができ、履板本体の摩耗を防止できる。トラックパッドの換わりに防滑パッドをはめることも可能。重量別などに25種類以上が用意されている。参考：月刊PANZER6,’02

＜リ・タイ・ト＞：HQ-012（フリゲート）を参照。

＜履帯幅除雷プラウ＞：TWMPを参照。

＜履帯幅除雷ローラー＞：TWMRを参照。

＜履帯ピッチ＞：履帯（履板）の前後長で、前の連結ピンの中心から後ろの連結ピンの中心までの長さである。参考：月刊PANZER6,’02

＜リダウト＞：H41（駆逐艦）を参照。

＜リダ級＞：ロシア海軍内水掃海艇10750型Lida級。満載排水量131-137トン。兵装はAK630CIWS１基。参考：月刊世界の艦船10,’15、2,’17、THE MILITARY BALANCE 2016

＜リダ級・海外シリーズ＞

＜リダ級（カザフスタン海軍）＞：カザフスタン海軍掃海艇Lida型。カスピ海用で、ロシアのスレドネ・ネフスキー造船所に２隻発注した。全長31.45m。主機はMAN社製ディーゼル（380馬力）２基、最大速力11ノット、航続距離650海里。兵装は9K38イグラ対空ミサイル４セル発射機１基、12.7mm機銃１丁、機雷４個。機雷捜索ソナー、機雷処分システム、音響掃海システム、遠隔操作式UUVを装備する。2015年に竣工する予定。参考：月刊世界の艦船2,’14

＜離脱装弾筒付き徹甲弾＞：APDSを参照。

＜リタリエイター＞：NA-247（計画軽爆撃機）またはNR-349（計画迎撃機）を参照。

＜リダンダンシー＞：Redundancy、冗長性。１つの系統を複数装備していること、バックアップ。フェイルセーフ構造の一種で、操縦系統や油圧系統、燃料系統などが備えている。１カ所の被害で全てのシステムが破壊されない、１つのシステムの損害により他のシステムの機能が低下しない、１つのシステムが保たれていれば機能を維持できる、という原則が守られていないと、意味が無くなる。参考：月刊航空ジャーナル7,’81臨時増刊、月刊JWings10,’01、航空用語事典増補改訂版

＜リチウムイオン電池（新野外用）＞：自衛隊の機器。東海理研製。参考：月刊軍事研究1,’17

＜リチウムエンジン＞：リチウムと６フッ化硫黄を化学反応させて高熱を発生させ、これにより水を加熱して得た高圧水蒸気でタービンを回転させるエンジン。外部から酸素などを取り入れる必要が無く、排気も生じない。97式魚雷に搭載されている。参考：月刊軍事研究6,’93別冊

＜リチウム・イオン電池＞：陽極がコバルト酸リチウムなどリチウム遷移金属酸化物、電解液が有機溶媒、陰極が黒鉛など炭素素材（チタン酸リチウムなど特殊素材のこともある）で構成されている二次電池で、1991年に日本で実用化された。電解液をゲル状ポリマーにしたタイプはリチウム・イオン・ポリマー電池という。陽極と陰極を薄い板状に加工、間にフィルム状のセパレータを挟み込んだ構造をしていて、エネルギー密度が高く（重量あたりエネルギーは鉛蓄電池の２倍以上、一説には4-5倍）、小型軽量で、起電力が１セルあたり3.6ボルトと強力であり、マイナス20℃からプラス60℃まで安定して使用でき、放電電圧も最後まで安定している。化学反応ではなくリチウムイオンの移動のみで充放電を行うため、鉛蓄電池のように充電電流量が大きくても水素が出てくるような事は無く、電池容量の95%くらいまで発電機をフル回転させて充電でき、化学変化を伴わないのでサイクル寿命が長く（陰極が何回リチウムを吸着・放出できるかで決まる）、安全な急速完全充電が可能。電解液が変化せず、気体の発生も無いので、完全密封してメンテナンスフリーにでき、性能維持のため基地に帰って充電する手間が要らない。電池電圧により容量を正確に把握でき、自己放電率は毎月1%くらい。小空間に高エネルギー密度の電池を詰め込む際には充放電量や温度などの管理が必要で、製造時の極小導電性異物混入や過放充電などによるショート、被弾損傷などによる変形から、過熱や発火の恐れがあり、その熱が隣接するリチウム電池に波及して発火が連鎖する。陽極に希土類を使用するため、コストがかかる。ただし充放電寿命は鉛蓄電池の10倍以上あるので、ライフサイクルコストの差はそれほどでない。電解液が有毒・可燃性の場合があり、漏洩に注意が要る。小型で長時間の給電が可能なため、地雷や機雷用の電源として使用されている。また、充放電効率に優れ、配置を自由にできることから、そうりゅう型11番艦SS-511おうりゅう以降の潜水艦用二次電池として陽極にニッケル・コバルト・アルミニウム酸リチウムを使用したタイプが採用された。オーストラリア海軍向けには陽極にマンガン、陰極にチタン酸リチウムを使用したタイプ（蓄電量は低いが熱安定性は高く、完全充電して釘を打ち込んでも火を噴くことは無い）を提案している。ただ蓄電容量増加で従来のシュノーケル航行時の発電力では充電に時間がかかりすぎるらしく、防衛装備庁が新型シュノーケル発電システムを開発中である。中国海軍は元級潜水艦に中国ウィンストン・バッテリー社製リチウム・イオン電池（10000AH）960個、韓国海軍はKSS-3級バッチ２にサムソン製リチウム・イオン電池を搭載した。参考：月刊軍事研究10,’06、月刊世界の艦船9,'24、11,'20、4,'20、7,’17、2,’15、4,’14、11,’16、1,’16、火器弾薬技術ハンドブック

＜リチオ＞：イタリア海軍フルット級潜水艦Litio。1943年9月10日、建造中にドイツ国防軍に接収され、UIT8となった。参考：ナチスＵボート

＜リチャード・Ｂ・アンダーソン＞：DD-786（駆逐艦）を参照。

＜リチャード・Ｂ・マイヤーズ＞：マイヤーズ（アメリカ空軍大将）を参照。

＜リチャード・Ｂ・ラッセル＞：SSN-687（スタージョン級攻撃原潜）を参照。

＜リチャード・Ｅ・クラウス＞：DD-849（駆逐艦）を参照。

＜リチャード・Ｅ・バード＞：T-AKE-4（補給艦）を参照。

＜リチャード・Ｇ・ルーガー＞：DDG-136（イージス駆逐艦）を参照。

＜リチャード・Ｉ・ボング＞：ボング（アメリカ陸軍航空軍エース）を参照。

＜リチャード・Ｊ・ダンツィヒ＞：DDG-143（イージス駆逐艦）を参照。

＜リチャード・Ｌ・ペイジ＞：FFG-5（フリゲート）を参照。

＜リチャード・Ｍ・マッコールＪｒ．＞：LPD-29（ドック型輸送揚陸艦）を参照。

＜リチャード・Ｍ・ローウェル＞：DE-403（護衛駆逐艦）を参照。

＜リチャード・Ｐ・リアリー＞：DD-664（駆逐艦）を参照。

＜リチャード・Ｓ・ブル＞：DE-402（護衛駆逐艦）を参照。

＜リチャード・Ｗ・スーザンス＞：DE-342（護衛駆逐艦）を参照。

＜リックン＞：鹿児島地方協力本部マスコットキャラクター鹿地本３兄弟の陸自版。平川動物公園のホワイトタイガーの被り物をしている。2022年9月3-4日、鹿児島地本が鹿児島市センテラス天文館イベント広場で行った市街地広報に参加。参考：MAMOR vol.132、朝雲

＜りっくんランド＞：陸上自衛隊広報センターを参照。

＜リッコーヴァー＞：ハイマン・Ｇ・リッコーヴァー。1900年、ポーランド（当時は帝政ロシア領）生まれ。ユダヤ系で、1905年（1906年？）にロシアの迫害を逃れるためアメリカに移住した。1918年、アナポリス海軍兵学校に入校。1922年6月、アナポリス海軍兵学校を成績上位20%以内で卒業。技術士官を目指し、MITの理学修士を取得している。太平洋戦争中は艦艇局電気部部長を務めた。1946年、アメリカ海軍が艦船用原子炉の研究に着手したのを受け、自ら海軍艦船局長に申し出て国立原子エネルギー研究所に勤務。潜水艦の動力源として有用であると海軍に提案したが蹴られたため、潜水艦畑のニミッツ海軍作戦部長に直訴し、1948年1月に新設された艦艇局原子力動力部の部長となった。1949年2月、原子力委員会海軍原子炉部長を兼任し、艦艇用原子炉を開発、原子力艦隊の父と呼ばれた。ただし本人は原子力潜水艦のアイディアを即採用したサリバン海軍長官の方をそう呼ぶべきとしている。原子力艦開発にあたっては、作戦より何より安全第一を強調した。原子力潜水艦勤務の全士官と原子力水上艦勤務の艦長及び原子炉関係士官は全員自分で（圧迫）面接して安全な航行を行うに足る人物かチェックしている。頑固でクセのありすぎる人物であり、上官にも部下にも敵を作りまくり、少将への進級を２回却下され、強制退役にされかけた所を大統領と議会に何とか救われた。1973年、大将に昇任。1982年、81歳で退役し、士官現役期間63年のアメリカ海軍最長記録を作った。86歳で死去した。参考：月刊世界の艦船9,'12増刊、10,'23、9,’17、月刊軍事研究4,’16

＜力骨＞：リブを参照。

＜リッジウェイ＞：マシュー・Ｂ・リッジウェイ。1895年生まれ。第82歩兵師団をアメリカ軍初の空挺師団に改編した人物である。第２次大戦終戦時は第18空挺軍団長だった。陸軍参謀次長として朝鮮戦争に参加。ウォーカー将軍の死後、後任として第８軍司令官となり、右胸に手榴弾、左胸に包帯セットを付けて観測機とジープで前線を走り回り、兵士の士気を鼓舞した。マッカーサー解任後、国連軍最高司令官に着任。朝鮮戦争休戦後はNATO軍最高司令官を経て陸軍参謀総長となったが、インドシナ介入に反対して辞職。ベトナム戦争反対運動にも参加している。参考：朝鮮戦争（下）

＜リッジバック＞：イギリス陸軍の装甲車Ridgeback。マスティフの４×４輪型で、車体側面に複合装甲製の増加装甲を装備する。乗員２名＋乗車兵員５名。野戦救急車、指揮通信車などのバリエーションもあり、157両以上が配備されている。参考：月刊軍事研究9,’09

＜リッター・スリング＞：海上自衛隊のレスキュー用吊り上げ装備品。要するに担架で、要救助者の胸に直方体の浮き具を置いて呼吸を確保し、体をベルトで固定、ホイスト・ケーブルで吊り上げる。参考：MAMOR vol.103

＜リッチ＞：DD-820（駆逐艦）またはDE-695（バックレイ級護衛駆逐艦）を参照。

＜リッチェイ＞：DE-385（護衛駆逐艦）を参照。

＜リッチフィールド＞：DD-336（駆逐艦）を参照。

＜リッチモンド＞：CL-9（軽巡洋艦）またはF-239（23型フリゲート）またはG88（タウン級駆逐艦第３グループ）を参照。

＜リッチモンド・Ｋ・ターナー＞：CG-20（ミサイル巡洋艦）を参照。

＜立直＞：当直に就くこと。参考：MAMOR vol.122

＜リッツィ＞：DE-537（護衛駆逐艦）を参照。

＜リットリオ＞：イタリア海軍ヴィットリオ・ヴェネト級戦艦２番艦Littorio（古代ローマ執政官の前衛が持っていた斧で、ファシスト党のシンボル）。1934年10月28日起工、1940年5月6日竣工。1942年6月14日、イギリスのマルタ島補給ヴィガラス作戦MW11船団を攻撃するため、戦艦ヴィットリオ・ヴェネト、重巡ゴリツィア、トレント、軽巡ジュゼッペ・ガリバルディ、エマヌエレ・フィリベルト・デュカ・ダオスタ、駆逐艦と共にタラントを出撃。ムッソリーニ失脚後、1943年7月30日にイタリア（Italia）と改称された。イタリア降伏により9月9日にドイツ軍のSD1400Xによる攻撃を受け大破したが、マルタ島に辿り着いて連合軍に投降し、エジプトに抑留された。1947年、戦後賠償艦としてアメリカ海軍に引き渡され、1948年8月9日に除籍されて解体された。参考：月刊世界の艦船1,’12、4,’17、11,'20、7,723、近代戦艦史

＜リップソー＞：アメリカ陸軍の遠隔操作式武装機動車（Remote Armed Maneuver Platform、RAMP）、Ripsaw。元は武装無人車両用銃塔のテスト用としてHowe & Howe Technologies社が開発した装軌式無人車両である。M113装甲兵員輸送車の中から遠隔操作する。車体はアルミフレーム製で、中央上面に銃塔を持つ。重量４トン、ペイロード0.907トン。エンジンはデュラマックス・ディーゼル（750馬力）、最大速度153km。参考：月刊軍事研究2,’17

＜リップフェルト＞：ヘルムート・リップフェルト（Helmut Lipfert）、ドイツ空軍エース。1942年12月、ドイツ空軍第52戦闘航空団に配属された。1943年1月30日、初撃墜を記録。1944年4月、90機撃墜で騎士鉄十字章を受章した。1945年2月、第53戦闘航空団第２飛行隊司令となった。4月8日、200機撃墜を達成。最終階級は大尉。総撃墜機数203機（うちIl-2が40機）。参考：グラフィックアクション36

＜リップル爆撃＞：爆弾を連続投下する爆撃法。無誘導爆弾の低い命中率を補うことができる。参考：月刊軍事研究4,’11

＜リップル・ファイア＞：数発のミサイルを発射し、LOAL方式で次々と多目標をロックオンして撃破していくこと。または数発のロケット弾を連射して広範囲を制圧すること。参考：攻撃ヘリコブラ＆アパッチ、月刊JWings6,’13

＜リディア・リトヴァック＞：リトヴァック（ソ連空軍エース）を参照。

＜リデスデイル＞：L100（駆逐艦）を参照。

＜リデュースド・スラスト＞：Reduced thrust。エンジン推力を定格推力（運用限界）より控えめにして運用すること。エンジンの負担が減り、オーバーホール間隔や寿命の延長を図れる。定格推力自体は下げないのがディレイテッド・エンジンとの違い。参考：航空用語事典増補改訂版

＜リデル級＞：プロジェクト10510（原子力砕氷船）を参照。

＜リトアニア＞：13世紀にリトアニア公国として独立したが、16世紀に衰退してポーランドとの合邦になり、1795年の第３次ポーランド分割でロシア帝国に編入された。第１次大戦で1915年にドイツに占領され、自治が認められた。1918年2月16日、ロシア革命の隙を突いて独立宣言を出した。3月3日にロシアとドイツが締結したブレスト・リトフスク講和条約でドイツの勢力下に置かれることとなり、3月23日にドイツが従属国として独立を承認。11月に第１次大戦が終わると、ロシア赤軍の侵攻を受けたが、1919年2月に撃退し、1920年7月12日にソ連と平和条約を結んで正式に独立した。10月9日、ポーランドが首都ヴィリニュスに侵攻して占領してしまったため、カウナスに遷都した。1921年9月22日、国際連盟に加盟。1922年12月20日、旧連合国から独立が承認された。1924年5月8日、ベルサイユ条約に基づいてメーメルラントが編入された。1932年5月4日、ソ連と不可侵条約を締結。1934年4月4日、ソ連との不可侵条約の期限を1945年12月31日まで延長。9月12日、エストニア・ラトビアと友好協力協定を調印。1939年3月24日、ヒトラーがメーメルを回収。8月23日に締結された独ソ不可侵条約の秘密議定書でドイツの勢力圏とされたが、ソ連が750万ドルで権利を買い取って9月28日に締結した独ソ境界・友好条約の秘密議定書でソ連の勢力圏に移された。9月17日にソ連はポーランドへと侵攻、その後リトアニア編合に乗り出した。10月10日、ソ連との間に相互援助条約を締結させられ、ソ連軍２万名が駐留を開始した。1940年5月30日、リトアニアでソ連軍兵士が不当に拘束され軍事機密を離すよう脅迫されているとソ連のタス通信が発表。6月15日（14日？）、ソ連から親ソ政府樹立を強制され大統領が国外に亡命、6月16日（15日？）に15万名のソ連軍が進駐、6月21日には傀儡政権が樹立され、7月14-15日の議会選挙で親ソ候補者だけが当選し、7月21日に議会がソ連への併合決議を議決、8月3日にソ連に編入された。1941年6月14-16日、13000人が追放された。1940年6月のソ連軍駐留から1941年6月までにソ連奥地の収容所に送られたリトアニア人は38000人以上にのぼる。6月23日の独ソ戦開始でドイツ軍の侵攻を受け、6月末にはドイツがほぼ全土を占領。7月25日、バルト三国・白ロシアが帝国全権委員区オストラントとしてドイツの統治下に入った。1944年2月、ドイツは西進するソ連に対抗するため、リトアニア国内での地方軍団編成が許可され、30000人が志願した。しかしドイツはリトアニア住民の徴兵と国外戦闘への派出に切り替え、リトアニア軍団将校団は強制収容所送りになり、兵士のうち数十名が処刑され、3000人以上が逮捕された。6月、ソ連がバグラチオン作戦を発動してリトアニアに侵攻。80000人が国外に脱出した。7月13日にはソ連のリトアニア占領政府の下に国家保安人民委員部が組織され、弾圧が開始された。結果、パルチザンの活動が激化したが、NKVDが力ずくで制圧を行った。リトアニア西部には祖国防衛軍団が編成されたが、武装が貧弱で、10月7日に壊滅。10月末、ソ連がほぼ全土を占領。11月、パルチザンは33000人に達し、各地にパルチザン地域を確立、軍隊と同じ指揮系統で運営されていた。12月、ソ連はリトアニア全土でパージ作戦を開始し、建物や農場を焼き払い、住民ごとパルチザンを殺害していった。1944-45年、ソ連によりリトアニア人13200人が処刑され、108000人がソ連軍に徴兵された。ソ連は殺害したパルチザンを身元確認と称して広場で晒し者にし、その辺に投げ捨てた。1946年、ソ連国家保安省がパルチザンの擬装部隊を編成してパルチザン組織に紛れ込ませ、パルチザンを家族ごと殺害し始めた。5月5日、パルチザンは南リトアニア・パルチザン地域を形成し、リトアニア独立回復などの政治宣言を行った。しかしソ連はパルチザンの最高指揮組織内部にまで国家保安省要員を紛れ込ませて対抗。1947年初めにソ連の戦術がばれたが、1948年にはパルチザンの人数は2300人にまで減少していた。1948年3月、ソ連はリトアニア国内の農業集団化を強制的に進めることとし、集団農場への強制移住やシベリア追放が繰り返され、パルチザンの活動を支える地盤が急速に失われた。1944年のソ連による再占領から1952年までにシベリアなどに送られた住民は245000人に上る。1956年、パルチザン活動の中心人物は全て逮捕され、45人のパルチザンが細々と活動を続けるのみとなった。1986年に最後のパルチザンが倒れた。1990年3月11日、リトアニア最高会議でソ連からの独立宣言が採択された。ソ連は撤回を要求したが、拒否されたため、4月17日からリトアニア向けの天然ガス供給を、4月18日から石油供給を停止した。リトアニアはソ連領カリーニングラードに向かうパイプラインから得られる天然ガスを使用して耐え凌いだため、ソ連は6月中旬に天然ガスの供給を半分だけ再開し、6月30日から石油供給を元に戻した。1991年1月11日、ソ連内務省治安部隊と戦車隊がリトアニアに侵攻、市民に14人の死者と数百人の負傷者を出しつつリトアニアを制圧した。1月17日、国防義勇軍サバノリを編成してソ連軍に対抗。3月11日、ソ連離脱と独立を宣言した。8月19日のモスクワクーデターによりソ連の求心力が低下、ウクライナなどが次々と独立する中、9月6日に独立がソ連からも認められた。9月17日、国連に加盟。10月16日、正式に国防省が誕生した。1993年8月、ロシア軍が撤退。2004年3月29日、NATOに加盟した。5月1日、EUに加盟した。参考：月刊軍事研究5,’11、12,’08、5,’12、歴史群像4,’17、8,’15

＜リトアニア海軍＞：2008年、デンマークからフリーヴェフィスケン級掃海艇３隻を導入。2008-11年、イギリスからハント級掃海艇２隻を導入。参考：月刊世界の艦船3,’14

＜リトアニア海軍（２０１３年）＞：兵力633名。哨戒艇４隻、掃海艇３隻、掃海指揮艦１隻、救難艦１隻を配備する。参考：月刊世界の艦船3,’14

＜リトアニア海軍（２０１５年）＞：兵力650名。ラトビア海軍、エストニア海軍と統合海軍ユニットのBALTRONを編成している。ゼマティス級哨戒艇３隻、シュトルム級哨戒艇１隻、リンダウ級掃海艇１隻、ハント級掃海艇２隻、ヨトヴィンギス級掃海艇１隻、兵站支援船３隻を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜リトアニア空軍＞

＜リトアニア空軍（２０１５年）＞：兵力1100名。パイロット平均飛行時間は年間120時間。L-39ZA練習機１機、C-27J輸送機３機、L-410軽輸送機２機、Mi-8/-17ヘリ８機、AS365M3ヘリ１機、FIM-92A、RBS-70を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016、月刊航空ファン11,’15

＜リトアニア軍＞：規模からして国土防衛能力は限定的なため、NATO軍との協力を重視している。2014年12月、サイバー防衛強化のため新しい法律を制定し、国防省にサイバー防衛・情報技術局を新設した。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

　＜リトアニア軍（２０１５年）＞：現役総兵力16400名（陸軍10850名、海軍650名、空軍1100名、特殊作戦軍（特殊作戦グループ１個）、兵站支援コマンド1400名、訓練教義コマンド800名、憲兵1600名）、予備役6700名（全て陸軍）、準軍事組織11300名（ライフルマン・ユニオン7800名、内務省国境警備隊3500名）。アフガニスタンにNATOのレゾリュート・サポート作戦で70名、マリにEUTMマリ要員４名、北海にNATO軍SNMCMG1の掃海艇１隻、セルビアにKFOR要員１名、ウクライナにOSCE要員３名を派遣している。NATOのバルチック・エア・ポリシングBAPでハンガリーのグリペンＣ戦闘機４機が駐留している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜リトアニア陸軍＞：2015年、PzH2000自走榴弾砲21両、M577V2指揮車両26両、BPZ-2装甲回収車６両を発注した。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜リトアニア陸軍（２０１５年）＞：現役兵力6000名、招集中予備役4800名、予備役（国防義勇軍）4850名。機械化旅団１個、自動車化歩兵大隊３個、工兵大隊１個、訓練連隊１個、国防義勇軍国土防衛ユニット６個からなる。M113A1装甲車234両、105mm牽引砲M101を18門、120mm迫撃砲2B11を５門、120mm迫撃砲M/41Dを10門、120mm迫撃砲テンペラを15門、ジャベリン搭載M1025A2HMMWV10両、ジャベリン対戦車ミサイル、84mm無反動砲カールグスタフ、グロム携SAM、RBS-70、FIM-92、MT-LB装甲工兵車８両、M113装甲回収車４両を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜リトヴァック＞：リディア・リトヴァック（Lydia Litvyak）。1921年、モスクワ生まれ。16歳で民間飛行クラブに入学し、Po-2による操縦訓練を受けた。1941年、独ソ戦が始まり、女性航空兵士募集に応じて10月から軍での基礎訓練に入った。1942年4月、基礎訓練を終了し、新設された女性戦闘機連隊である第586戦闘機連隊のパイロットとなった。5月17日、Yak-1の慣熟訓練を終了。5月18日、サラトフ市のアヒシモフカ飛行場で実戦配備された。9月、スターリングラード戦で消耗したパイロットの補充のため、親衛第73戦闘機連隊に転属となった。9月13日、Bf109戦闘機とJu88爆撃機を１機ずつ撃墜。撃墜されたBf109のパイロットは捕虜となり、撃墜された相手との面会を求めてきたため、リトヴァックが会いに行ったところ、悪いジョークだと思われたという。12月末までに戦闘機３機と輸送機３機を撃墜して女性初のエースとなり、リリー（百合）やスターリングラードの白バラの愛称でプロパガンダにも使用された。1943年3月、Bf109Fを撃墜してダブルエースとなった。その後He111の防御砲火で不時着し、左足に重傷を負って３週間入院した。復帰後に小隊長に昇格、２機を撃墜したが、1943年8月1日、Yak-9に搭乗して出撃、Bf109及びFw190計８機の追撃を受けているところを僚機に目撃されたのを最後に消息不明となった。元の所属だった第586戦闘機連隊はリトヴァックを戦死扱いせず、1945年に解散されるまで点呼を続けている。総撃墜機数は単独12機・共同３機。行方不明のため長らくソ連邦英雄章が授与されていなかったが、1979年に埋葬場所が判明して戦死認定を受け、1990年にソ連邦英雄章が追授された。参考：月刊JWings6,’09、10,’11、月刊航空ファン2,’11

＜リドゥート＞：3K96（艦対空ミサイルシステム）を参照。

＜離島残置諜者＞：日本陸軍中野学校が昭和19年夏に養成した諜報員で、連合軍に占領された島に止まって敵状を無線通報するための要員である。手足や目が無くなっても耳と口があるうちは得た情報を送り続けよと教育を受け、少尉１名と下士官３名で編成され、１日４回無線を送る。参謀本部から11班が各地に送り込まれ、現地部隊でも適宜編成されて任務にあたった。フィリピンには43名が昭和19年末に送り込まれたが、この頃は無線機も無く、ゲリラ戦任務を主としていた。終戦後も忠実に任務を守り続けており、昭和31年10月にフィリピンのミンドロ島で１班が発見され帰国、フィリピンのルバング島に送られた小野田寛郎少尉率いる１班が元上官の命令により日本に帰還したのは昭和49年3月9日のことである。参考：太平洋戦争情報戦

＜リトゥチ＞：ロシア海軍クリヴァク�T級フリゲートLetuchy。2000年9月11日、ペトロパブロフスク・カムチャツキー沖でDDH-142ひえい、DD-155はまぎりと共に第３回日露共同訓練（遭難船舶捜索救助）を行った。参考：月刊世界の艦船11,’00

＜リトリエミ級＞：フィンランド海軍内海哨戒艇。兵装は対潜ロケット発射機２基。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜リトル＞：APD-4（高速輸送艦）またはDD-79（平甲板型駆逐艦）またはDD-803（フレッチャー級駆逐艦）を参照。

＜リドル＞：APD-60（高速輸送艦）またはDE-76（バックレイ級護衛駆逐艦）またはDE-185（カノン級護衛駆逐艦）またはDE-206（バックレイ級護衛駆逐艦）を参照。

＜リトル・ウィリー＞：イギリスの試作戦車で、菱形戦車の前に開発されたものである。名前の由来は、ドイツの皇太子にイギリス兵が付けたニックネーム。製作はウィリアム・フォスター社。ベースは農耕用トラクターで、車体両側面下部に履帯付きの足周りを装着しており、足回りの配置は現代戦車と同じである。車体はかなり背が高く、前面上部左右に視察窓が付いていて、視察スリット付きの上ヒンジ開閉式装甲板で塞ぐことができる。前身のNo.1リンカーン・マシーンは車体中央上部に全周旋回砲塔のダミーも付いていたが、本車では装備されていない。後部には超壕用の尾輪を装着できる。当時の技術では超壕性が低く、不整地走破も困難で、菱形戦車が開発されることとなった。全長8.07m、全幅3.8m、全高3.2m、重量14トン。最大速度5.6km。乗員６名。ボービントン戦車博物館に展示されている。参考：歴史群像12,’03、月刊PANZER8,’02、ウォーマシン・レポート11、戦車の戦う技術

＜リトルウイング＞：T-7Jrを参照。

＜リトル・ジョー＞：Little Joe。アメリカ海軍がラーク艦対空ミサイル完成までの繋ぎとして開発した艦対空ミサイルで、空対空ミサイルとしても使用できる。神風特攻隊防御用として1945年5月に開発承認、7月にはフライト試験が実施された。RATO用ロケット（推力450kg）を流用しており、４本のブースターロケットも搭載されている。炸薬重量45kg。誘導は無線遠隔操作で、射程3000m。試験用ミサイルKAN1/KAN2を開発し、第２次大戦終結後に15発の試験用リトル・ジョーが製造されたが、必要性が無いと判断され、キャンセルされた。参考：月刊軍事研究5,’03、月刊丸8,’95

＜リトル・ジョン＞：アメリカ陸軍・海兵隊の地対地ロケットで、制式名称はM-47（後にMGR-3）。１軸２輪の牽引架台に発射レールを置き、ロケット弾を剥き出しで装着している。全長4.4m、直径0.32m、翼スパン0.58m。弾頭はW45核弾頭（1-10キロトン）または通常弾頭で、弾頭重量（発射重量？）445kg。固体燃料ロケット推進で、射程16.5km。1957年に完成してエマーソン社が生産し、１961年から実戦配備された。改良型のM-51も開発されている。参考：アメリカの核兵器、月刊丸4,’99、月刊軍事研究10,’10

＜リトル・ジョン装置＞：Littlejohn adaptor。イギリス軍がアメリカ軍から供与された37mm戦車砲M6の砲口に取り付けた延長砲身で、口径漸減砲のように先端を少し絞り込み、初速が増すようにしてある。1940年にチェコのJanececが開発した２ポンド砲用口径漸減アタッチメントをベースに開発した。参考：月刊PANZER3,’10、British and American tanks of World War Two

＜リトル・タイフーン＞：KAMAZ-53949（装甲車）を参照。

＜リトル・デービッド＞：アメリカ軍の試作臼砲。1944年3月のアメリカ陸軍航空軍の実験で、T1航空爆弾の命中精度がイマイチだったことから、これを地上から発射するというアイディアが生まれ、日本本土侵攻作戦向けに1944年10月から開発された。口径は爆弾に合わせて36インチ（914mm）もあり、砲身長は8.53m、戦闘重量81.5トン、砲身重量40トン。移動はM26戦車用の牽引車を改造した８輪トレーラーで行う、設置の際には地面を斜めに掘り込んで長さ5.5m・幅3.4mの鋼鉄製の箱を埋め、砲身をセットする。復座機は無く、発射後はポンプを使って砲身を元の位置に戻す。砲尾には俯仰用のギアがセットされていて、俯仰角は45-65度、射界は13度ずつ。砲弾は砲口から装填する。砲弾重量1.68トン、炸薬重量0.726トン（ピクリン酸系のピラクトル爆薬）、分離装薬式で薬嚢重量0.16トン、最大射程8.686km。射撃準備にかかる時間は12時間。1945年4月に試作砲が完成したが、テスト中に終戦を迎え、開発中止となった。参考：連合軍の傑作兵器駄作兵器

＜リトルドラケン＞：サーブ35/J35シリーズ（戦闘機）を参照。

＜リトルバード＞：AH-6C（武装ヘリ）またはH-6U（無人ヘリ）またはMH-6Jライト（特殊作戦ヘリ）を参照。

＜リトル・フェラー実験＞：アメリカが実施した、W54核弾頭の核実験。参考：月刊軍事研究10,’10

　＜リトル・フェラー�T＞：1962年7月17日に行われた。爆発威力はTNT火薬換算で18トンで、史上最小威力の核実験となっている。参考：月刊軍事研究10,’10

　＜リトル・フェラー�U＞：1962年7月7日に行われた。爆発威力はTNT火薬換算で22トンである。参考：月刊軍事研究10,’10

＜リトル・ブルドッグ＞：M41シリーズ（軽戦車）を参照。

＜リトルボーイ＞：Mk�T（核爆弾）を参照。

＜リトル・ロック＞：CL-92（軽巡洋艦）またはLCS-9（沿海戦闘艦）を参照。

＜リナリア＞：K282（改フラワー級コルベット）またはPG-91（テンプトレス級コルベット）を参照。

＜リニアＣＦＡＲ＞：CFARを参照。

＜リニア・アレイ・アンテナ＞：Linear Array Antenna。アンテナを直線上に配置したもので、フェイズド・アレイ・レーダーなどで使用される。参考：レーダの基礎

＜リニア・インプロージョン＞：原子爆弾の１つで、線型爆縮、二次元爆縮などと訳す。インプローシブ型の亜型であり、武器グレードのウランまたはプルトニウムを円筒状に成型し、内部にイニシエーターを入れ、外側に爆縮レンズを取り付けてある。細長くできる、1000G以上の加速度に耐えられるなどの利点があり、核砲弾に適している。アメリカ陸軍155mm核砲弾Mk48の弾頭であるW48、203mm核砲弾M753の弾頭であるW79などに使用された。参考：月刊軍事研究8,’05

＜リネイト＞：AKA-36（攻撃貨物輸送艦）を参照。

＜リネージュ１０００シリーズ＞：エンブラエルのコーポレート機Lineage1000。ERJ170/190リージョナル・ジェットのコーポレート仕様で、社内名称はERJ190-100ECJである。試作機は2007年12月13日に初飛行し、12月17日にFAAの形式証明を取得、納入初号機としてアメリカに送られた。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜リネージュ１０００＞：キャビンを執務室、ラウンジ、休憩室の３つに分けて各室にトイレを設け、シャワー室も追加した。床下貨物室は燃料タンクに変更している。フライトシステムはクラス�Uエレクトリック・フライト・バッグ、計器板はグラスコクピットである。エンジンはGE社製CF34-10E7BまたはCF34-10E6双発。参考：世界航空機年鑑2018-2019

　＜リネージュ１０００Ｅ＞：航続距離延伸型で、ついでにコクピットを改良した。全長36.34m、全幅28.72m、全高10.57m。最大速度マッハ0.82、実用上昇限度12500m、航続距離8519km。乗員２名。客席数13-19。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜リノ＞：CL-96（軽巡洋艦）を参照。

＜リノリウム＞：コルクとキャンバスを主な素材とする樹脂板で、防音・断熱効果を持つが、可燃性である。日本海軍が艦艇の甲板に真鍮製帯状固定金具で取り付けて使用した。参考：月刊世界の艦船2,’87、月刊モデルアート9,’15増刊、月刊JWings2,’00

＜リバー級＞：26型フリゲート（カナダ海軍）を参照。

＜リバー級＞：イギリス海軍潜水艦。水上排水量2165トン、水中排水量2680トン。航続距離は12.4ノットで30000km。1930年に建造されたが、主機が蒸気機関式だったので、間も無く時代遅れになった。参考：連合軍の傑作兵器駄作兵器

＜リバー級＞：イギリス海軍フリゲートRiver級。対潜護衛が主任務で、当初は二軸コルベットの分類だったが、後にフリゲートになった。フラワー級が小型すぎて航洋力に欠けたため、大西洋全域で行動できるよう船体を大型化し、船首楼を延長、主機を倍増して主缶を水管缶に変更し、速力をＵボート超えの20ノットに上げ、ヘッジホッグを搭載して装備も強化したものである。全長91.9m、幅11.1m、吃水2.7m、基準排水量1310トン（後期型は1460トン）。主機は直立３段膨張式４気筒レシプロ蒸気機関２基（5500馬力）または蒸気タービン（6500馬力）で、主缶は海軍省式３胴型水管缶２基、２軸推進、速力20ノット。燃料搭載量は最初の24隻が440トン、以降が646トンで、航続距離は後者が12ノットで9500海里。兵装は40口径10.2cm単装砲２門（後期型は45口径10.2cm単装高角砲２門、76mm単装高角砲１門）、20mm機関砲4-6門（後に12門程度に増設）、ヘッジホッグ１基、爆雷投射機（前期はＫ砲８基、後期はＹ砲４基）、爆雷投下軌条２条（当初126-150個、後に200個）。1942-44年にK21ダート、K92イグゼ、K97エイヴォン、K215ニス、K217スウェイル、K219ネス、K221チェルマー、K222テヴィオット、K224ロザー、K227イッチェン、K230ウェア、K232テイ、K235ジェド、K239テスト、K241ケイル、K243トレント、K246スペイ、K248ウェーブニー、K250トウィード、K251リブル、K252ヘルフォード、K253ヘルムスデイル、K254エトリック、K255バリンデリー、K256バン、K257ダーグ、K258ストルール、K259レーガン、K260モヨラ、K261モーネ、K262エアー、K263ブレイド、K264カム、K265ディヴェロン、K266ファル、K267フローム、K268ランボーネ、K269アドゥー、K269ミオン、K270ウインドラッシュ、K270ニーネ、K271プリム、K272ティヴィ、K289バール、K292トリッジ、K293テーズ、K294トーウィ、K295ウスク、K297アンナン、K299クックメア、K300イーブンロード、K301ファインドホーン、K302インヴァー、K303ロッシー、K304パレット、K305シエル、K356オドザニ、K365ロッチー、K367タフ、K371ワイ、K392ナダー、K404アンナン、K411ダドン、K417ハラデイル、K441モンノー、K458テーム、K526オウ、K667インチ・アランの68隻が竣工した。また、67隻がカナダ海軍で、12隻がオーストラリア海軍で、２隻がアメリカ海軍で使用された。参考：第２次大戦のイギリス軍艦、月刊世界の艦船3,’07、9,’96

＜リバー級・海外シリーズ＞

　＜アッシュビル級＞：アッシュビル級を参照。

　＜リバー級（オーストラリア海軍）＞：オーストラリア海軍フリゲートRiver級。全長91.8m、幅11.1m、吃水3.8m、基準排水量1489トン、満載排水量2120トン。主機は三連成レシプロ蒸気機関２基２軸5500馬力、速力20ノット、航続距離7200海里（12ノット）。兵装は10.2cm単装砲２門、40mm単装機関砲２門、20mm単装機関砲６門、ヘッジホッグ１基、爆雷投射機４基、爆雷投下軌条２条。乗員140名。ディアマンティナなどが就役した。参考：月刊世界の艦船10,’23

＜リバー級（フランス海軍）＞：フランス海軍フリゲート（1951年から二等護衛艦）。第２次大戦後期にイギリス海軍からラ・シュルプリズなど８隻が引き渡された。大西洋やドーバー海峡で船団護衛任務に就き、戦後も使用された。全長93.5m、基準排水量1365トン。主機はレシプロ２基２軸5500馬力、速力20ノット。兵装は10.2cm単装砲２門、40mm単装機関砲３門、20mm単装機関砲６門、ヘッジホッグ１基、Ｋ砲４基、爆雷投下軌条２条。後に主砲を10.5cm単装砲２門に換装した。参考：月刊世界の艦船5,’13、第２次大戦のフランス軍艦

＜リバー級＞：イギリス海軍外洋哨戒艦OPV（Offshore Patrol Vessel）River級。参考：月刊軍事研究12,’11、10,’10、月刊世界の艦船5,’16

＜リバー級バッチ１（１−３番艦）＞：主任務はイギリス沿岸域及びジブラルタルの哨戒、漁場保全、災害派遣、海洋汚染防止、消防、救難などである。対水上／航海レーダーや、標準コンテナを取り扱い可能な25トンクレーンを装備する。全長79.5m、全幅13.6m、満載排水量1677トン。主機はディーゼル２基、２軸推進、巡航速力15ノット、最大速力20ノット、航続距離は15ノットで5500海里。兵装はエリコン20mm機関砲１門、7.62mm機銃２丁。RHIBを２隻搭載する。乗員43名（うち士官８名）。１番艦P281タイン、３番艦P283マージーなど３隻が2003年（2003-05年？）に就役した。参考：月刊軍事研究12,’11、10,’10、月刊世界の艦船5,’16、6,’19

＜リバー級バッチ１（４番艦）＞：フォークランド諸島担当として建造されたもので、船体を延長し、後部にヘリ甲板を追加、小−中型ヘリの発着艦を可能とした。クライドが2007年に就役した。参考：月刊世界の艦船6,’19

　＜リバー級バッチ２＞：拡大改良型で、バッチ１が数も能力も足りないことから開発された。船体を大型化し、レーダーに二次元対空捜索能力を持たせ、兵装を強化、艦載戦闘システムも積み、ヘリ甲板をマーリン対潜ヘリ対応に拡大した。省力化を進めていて、通常航海時の艦橋要員は当直士官１名と操舵員１名の計２名で済み、機関操縦室も通常は無人である。士官室にはカウンター形式の小さいバー（酒提供場所）が設置されている。全長90.5m、幅13.6m、吃水3.8m、満載排水量2000トン。主機はMAN社製16V28/33Dディーゼル２基、出力19712馬力、２軸推進、最大速力24-25ノット、航続距離5500海里（12ノット）、連続作戦行動可能日数35日。兵装は30mm単装機関砲１門（前甲板）、7.62mmミニガン２基、7.62mm単装機銃２丁。乗員34名（洋上最低所要数）／58名（通常任務時）。予備居住区が51名分（60名分？）ある。１番艦P222フォース、２番艦メドウェイ、３番艦P224トレント、４番艦P233テイマー、５番艦P234スペイの５隻が2018-21年に就役した。参考：月刊世界の艦船5,'22、6,’19、5,’16、6,’18、1,’19、2,’21、4,’21、1,’23、月刊軍事研究4,’19

　＜リバー級バッチ３＞：バッチ２とほぼ同型で、バッチ１の後継として配備する予定。参考：月刊世界の艦船5,’16

＜リバー級＞：オーストラリア海軍River級。全長112.8m、幅12.5m、吃水5.3m、満載排水量2700トン。主機は蒸気タービンで、出力30000馬力、２軸推進、速力30ノット。兵装はシーキャット４連装発射機１基、114mm連装砲１基、12.7mm機銃４丁、アイカラ単装発射機１基、324mm３連装短魚雷発射管２基。1964年から３隻が就役した。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜リバー級＞：南アフリカ海軍掃海艇River級。ドイツのNavors級を導入したものである。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜リバーサイド＞：APA-102（攻撃輸送艦）を参照。

＜リバース・ピッチ＞：Reverse pitch。プロペラのピッチが推進状態とは逆になっていること。着陸でブレーキをかける時などに使用される。参考：月刊JWings10,’09別冊付録

＜リバーバンク研究所＞：アメリカの繊維商であるジョージ・フェビアンが1916年に個人的に設立した暗号解読機関で、アメリカ陸軍省、海軍省、国務省、法務省から依頼を受けていた。参考：太平洋戦争情報戦

＜リバー・ラトラーズ＞：VFA-204（戦闘攻撃飛行隊）を参照。

＜リバウンディング効果＞：HEAT弾のジェットがセラミックに当たると、セラミックが微粉化してジェットに混入し、貫徹力が低下する現象。参考：火器弾薬技術ハンドブック、月刊軍事研究5,’04

＜リバダビア＞：アルゼンチン海軍リバダビア級戦艦Rivadavia。1910年起工、1914年12月竣工。1956年に除籍され、イタリアのジェノバでスクラップにされた。参考：近代戦艦史、月刊世界の艦船9,’13、4,’17

＜リバダビア級＞：アルゼンチン海軍戦艦Rivadavia級。ブラジルがイギリスに発注したミーナ・ジェライス級ド級戦艦に対抗して配備したもので、欧米から15の設計案を取り寄せて審査の上、アメリカのものを発注した。船型は長船首楼型。主砲配置は前後部がアメリカ流の背負い式、中央がイギリス流の両舷前後互い違い式で、ドイツ流に副砲を搭載し、水中防御はイギリス式の縦通隔壁（水雷防御縦壁）とオーストリア・ハンガリー式の艦底部に水平な装甲板の組み合わせ、前部マストはアメリカ流の籠マスト、後部マストはイギリス流の単脚マスト、推進はドイツ流の３軸推進と、各国の特徴を取り入れた艦となっている。全長181.3m、幅30m、吃水8.5m、常備排水量27940トン。主機は蒸気タービン３基３軸40000馬力、速力22.5ノット。兵装は30.5cm連装砲６基、15.2cm単装砲12門（16門？）、10.2cm単装砲16門、533mm水中発射管２門。装甲厚は水線部305mm（279mm？）、甲板76mm。乗員1130名。リバダビア、モレノの２隻が1914-15年に竣工した。1924-25年にアメリカで改装を行い、主缶を重油専焼とし、後部マストを三脚式に変更、２番・５番砲塔上面に測距儀塔を設け、射撃指揮装置を新型にし、10.2cm単装砲を撤去して（全てか一部のみかは不明）7.6cm単装高角砲４門を追加した。諸元は基準排水量27720トン、出力45000馬力、速力23ノット、乗員1215名となっている。1940年、40mm単装機関砲４門を搭載した。参考：近代戦艦史、月刊世界の艦船9,’13、1,’12、4,’17

＜リバティ＞：T406-AD-400（エンジン）を参照。

＜リバティ１＞：シャヒネ海外シリーズ（地対空ミサイル）を参照。

＜リバティ・エンジン＞：アメリカのパッカード社が生産した航空機用ガソリンエンジンで、アメリカの自動車メーカー及びイギリス・フランスの技術者の協力を得て1915年から開発したものである。Ｖ型12気筒水冷で、重量380kg、出力400馬力。シリンダーブロックが一体型でなくボルト組み立てのため、オイル漏れが発生した他、冷却ファン駆動用チェーンの損耗が激しいという欠点があった。1920年代に各種航空機に搭載された他、1930年代には戦車用エンジンとしてクリスティー戦車に使用され、ソ連ではBT-2戦車に積んだ。参考：月刊PANZER7,’05、歴史群像10,’08

＜リバティ・エンジン海外シリーズ＞

　＜リバティＭｋ�X＞：Liberty Mk�X。イギリスのナフィールド社がライセンス生産権を得て改良を加え、戦車に搭載したものである。液冷Ｖ型12気筒ガソリンエンジンで、出力395馬力（毎分1650回転）。巡航戦車Mk.�V、同Mk.�W、同Mk.�Xクルセイダー、同Mk.�Zキャバリエ、A27Lセントーに搭載された。参考：British and American tanks of World War Two

＜リバティ号爆撃事件＞：第３次中東戦争中の1967年6月、イスラエル軍がアメリカの通信傍受船リバティ号を爆撃した事件。開戦前からシナイ半島沖に派遣されていたリバティ号（星条旗を掲げていた）を開戦２日目にイスラエル軍戦闘攻撃機がロケット弾と機関砲で攻撃し、更に魚雷艇３隻が接近して魚雷２本と銃撃を浴びせ、魚雷１本が命中して船体中央吃水線下に直径40フィート（1.22）の大穴が空き、船体には821箇所の弾痕が残り、アメリカ兵34名が死亡、171名が負傷した。イスラエル軍はアラブ連合補給艦エル・クセイルと誤認したと発表したが、アメリカ軍艦であることを認識した上で攻撃したといわれ、イスラエル兵によるエジプト軍捕虜虐殺をキャッチされないために行われたと推測する向きもある。イスラエル側は後に間違いだったと弁解し、ジョンソン米大統領もイスラエルが鹵獲した東側兵器（MiG-21や戦車など）の提供と引き換えにこれを受け入れ、事件の真相は未だに分からない。参考：月刊軍事研究5,’02、7,’99

＜リバティ・シップ＞：アメリカ戦時標準設計貨物船、船舶分類記号EC2-S-C1。名称の由来は「Give me liberty or give me death（我らに自由を、しからずんば死を）」で、１番船にはアメリカ独立戦争時にこの演説を行ったパトリック・ヘンリーの名が付けられている。１番船パトリック・ヘンリー進水式（1941年9月27日）に参列したルーズベルト大統領が船の姿を見てUgly Duckling（醜いアヒルの子）と評したため、これが通称になり、リバティー船団はUgly Duckling Fleetと呼ばれた。第２次大戦時の大西洋の戦いで大損害を被ったイギリス商船を補充すべく急速量産を図った貨物船で、イギリス戦時標準設計船エンパイア級（の貨物船型オーシャン級）をアメリカ規格に改造、ブロック建造と電気溶接を採用し、安価で量産の効く主機を積んだ。船型は平甲板型で、舷弧を持ち、船底は二重底で、船体中央に船橋及び船橋と一体化した煙突がある。上甲板には前部に貨物積み降ろしハッチ３基とデリックブーム付きマスト２本、後部に貨物積み降ろしハッチ２基とデリックブーム付きマスト１本を持つ。全長132m（125.3m？134.6m？）、全幅17.2m、深さ11.1m、吃水8.1-8.5m、総トン数7126-7197トン、重量トン数10600-10865トン、載貨重量10920トン。主機は三段膨張式レシプロ蒸気機関１基、連続最大出力2500馬力、１軸推進、航海速力11-11.5ノット、最大速力12.5ノット。兵装は前甲板甲板室上の３インチ（76.2mm）単装砲１門、後甲板甲板室上の５インチ（127mm）単装砲１門、船橋四周と前部マスト基部両舷と後甲板甲板室左右（５インチ単装砲前方）の20mm単装機関砲計８門。太平洋戦争後半には20mm機関砲を12門程度に増やした。乗員は船員45人、兵装要員19名。1941年1月に200隻の建造が発表され、4月に112隻、7月に418隻、10月に632隻が追加され、第２次大戦中に造船所17ヵ所建造船台400基で2712隻（EC2-S-C1貨物船2581隻、Z-ET1-S-C3油槽船62隻、Z-EC2-S-C2戦車輸送船・Z-EC2-S-C5航空機輸送船・EC2-S-AW1石炭運搬船など69隻。計2751隻？）1944万総トンが建造された。平均建造日数は90日で、ロバート・ピアリーに至っては1942年11月8日に船体ブロックの溶接を開始、11月12日に進水して11月15日に竣工している。生産ピークの1943年8月から1944年末までは１日３隻ペースで竣工した。運航管理は全てアメリカ海事委員会の管轄である。損失は航空機／潜水艦156隻、水上艦５隻、触雷18隻、海難51隻、その他５隻の計235隻。1942年、荒天の洋上を航行中に上構直前で船体が破断する事故が数件発生し、溶接部の脆弱性に起因すると推定されたが詳細は不明で、事故の確率は低いとしてそのまま建造を続け、強度調査を随時行って応急補強で済ませた。結局使用していたリムド鋼材が電気溶接向きで無かったのが原因であると判明したのは1946年になってからで、1950年にその欠点を無くしたキルド鋼材を開発している。終戦で不良箇所のチェックを行った結果、780隻が運航困難とみなされてスクラップにされ、残りの1700隻も大部分が予備船舶に回されて保管され、うち700隻は主に海外の民間海運会社に売却された。1950年代後半に船体が寿命を迎えると次々にスクラップ業者に回された。1943年竣工のジェレミア・オブライエン（Jermiah O’Brien）は当時の姿のままで保存船としてサンフランシスコ国立海洋博物館により動態保存されており、サンフランシスコ・フリート・ウィークに毎年参加（2018年も参加した）、オーバーナイト・プログラムと呼ばれる船中泊のイベントを開催している。2010年現在では他にジョン・Ｗ・ブラウンが航行可能状態で保存されていて、現存するリバティ・シップはこの２隻のみである。参考：戦時標準船入門、輸送船入門、月刊世界の艦船1,’12、1,’15、1,’19、8,’24

＜リバティ戦車＞：Mk.�[（菱形戦車）を参照。

＜リバティ・ベルズ＞：VAW-115（飛行隊）を参照。

＜リバティ・リフター＞：DARPAが開発している水陸両用地面効果機。水面・地面すれすれでの飛行のみならず、高度3000mでも通常飛行でき、100-200ノットで太平洋を横断できる。ペイロード77トン。参考：月刊JWings9,’22

＜リバプール＞：11（重巡）またはD-92（42型駆逐艦）を参照。

＜リバプール級＞：サウザンプトン級第２グループ（軽巡洋艦）を参照。

＜リパブリック社＞：アメリカの航空機会社。元は1932年に創設されたセバスキー社で、1939年にこの社名となった。1965年、フェアチャイルド・ヒラー社に吸収され、フェアチャイルド・リパブリック社となった。参考：航空ジャーナル7,’81臨時増刊、月刊JWings1,’12

＜リバモア＞：DD-429（駆逐艦）を参照。

＜リバモア級＞：アメリカ海軍駆逐艦Livermore級。ベンソン級のギブス＆コックス社図面バージョンで、64隻が建造された。ベンソン級のうち２隻は本級と同じ設計のため、一緒くたにしてグリーブス級と呼ばれることもあり、DD-453以降をブリストル級として別分類することもある。缶機缶機の分離配置を採用した。全長106.1m、幅11m、吃水3.1m、基準排水量1630トン。主機は高低圧２胴型一段減速オール・ギヤード・タービン（巡航タービンは減速歯車装置付きの直結式）、主缶（43.3気圧、454℃）４基、出力50000馬力、２軸推進、速力37ノット。兵装は12.7cm単装両用砲５門、533mm４連装魚雷発射管２基で、DD-453以降は両者とも１基ずつ減らされた、乗員250名。DD-429リバモア、DD-430エバール、DD-431プランケット、DD-432キアニー、DD-433グウィン、DD-434メレディス、DD-435グレイソン、DD-436モンセン、DD-437ウールゼイ、DD-438ラドロー、DD-439エディソン、DD-440エリクソン、DD-441ウィルクス、DD-442ニコルソン、DD-443スワンソン、DD-444イングラハム、DD-453ブリストル、DD-454エリソン、DD-455ハンブルトン、DD-456ロッドマン、DD-457エモンス、DD-458メイコム、DD-461フォレスト、DD-462フィッチ、DD-463コリー、DD-464ホブソン、DD-483アーロン・ワード、DD-484ブキャナン、DD-485ダンカン、DD-486ランズダウン、DD-487ラードナー、DD-488マッカラ、DD-489マーヴァイン、DD-490クイック、DD-493カーミック、DD-494ドイル、DD-495エンディコット、DD-496マックック、DD-497フランクフォード、DD-618ダヴィソン、DD-619エドワーズ、DD-620グレノン、DD-621ジェファーズ、DD-622マドックス、DD-623ネルソン、DD-624ボールドウィン、DD-625ハーディング、DD-626サターリー、DD-627トンプソン、DD-628ウェレス、DD-632コウィー、DD-633ナイト、DD-634ドラン、DD-635アール、DD-636バトラー、DD-637ゲラルディ、DD-638ハーンドン、DD-639シャブリック、DD-640ビーティ、DD-641ティルマン、DD-645スティーブンソン、DD-646ストックトン、DD-647ソーン、DD-648ターナーが1940年から就役した。参考：第２次大戦のアメリカ軍艦、月刊世界の艦船5,’11

＜リバモア級・海外シリーズ＞

　＜あさかぜ型＞：あさかぜ型護衛艦を参照。

＜リパワー＞：リエンジンを参照。

＜リビア＞：トリポリタニア、フェザーン、キレナイカの３地域に分かれており、キレナイカの王がトリポリタニアとフェザーンの遊牧民を統治するという形が続いていて、1911-1912年にイタリアの植民地（それまではオスマントルコの支配下だった）となり、第２次大戦終結でキレナイカとトリポリタニアがイギリス、フェザーンがフランスの軍政下に置かれた。1949年11月、国連決議でリビアの独立が承認され、1951年12月29日にリビア王国連邦が誕生した。1953年にイギリス、1954年にアメリカ、1955-56年にフランス・イタリアと経済・軍事協力協定を結び、資金を得て石油掘削を開始。1961年から石油の本格的な生産が開始されたが、得られる外貨は国王が独占してしまった。このため、1950年代後半から王政打倒運動が本格化し、1969年9月1日にカダフィ大佐がクーデターを起こして実権を握った。以降はイギリスとアメリカの軍事基地を撤退させ、石油権益を国有化、アラブ民族主義、イスラム社会主義、反帝国主義、直接民主制などによる国造りを進めた。しかし各国のゲリラを公然と支援、他国の政治家にまで暗殺者を送ったため、「アラブの問題児」と言われることになり、西側との関係は途切れ、ソ連との軍事的関係を強めた。領海は200海里と主張し、シドラ湾の北緯32度30分以南は自国の内海であると宣言するなど、国際慣習を無視した言動を続けている。キレナイカの油田から得られる富（年間500億ドルともいわれる）をトリポリタニア（カダフィ大佐）が独占しており、国内の隠れた不満は大きい。反体制派への弾圧も相当なもので、裁判所で無罪といわれたのに投獄されたり、ベンガジ（キレナイカ地域で、反カダフィ派が多い）出身の政治犯を中心に虐殺が行われたりしていた。アメリカを帝国主義の親玉として敵対視しており、アメリカもソ連と密接な関係があるとして非難、双方敵対状態にある。1981年にはアメリカがシドラ湾演習を行って威圧、リビアは空軍機を差し向けて戦闘に至っている。1986年4月5日、ドイツのディスコで爆弾テロが発生、リビア工作員の犯行と断定したアメリカはエルドラド・キャニオン作戦でトリポリなどを爆撃した。1988年にはパンアメリカン航空の旅客機がリビア工作員の仕掛けた爆弾によりイギリス本土上空で爆破されて墜落、住民を含む270人が死亡している。1992-93年、国連がリビアに対する制裁を決議し、経済状況が悪化したため、以降は態度を軟化させた。2003年9月12日、国連がリビアへの制裁を解除。2006年5月15日、アメリカがテロ支援国家の指定を解除して国交を回復した。2011年2月15日、ベンガジで発生した反政府デモが内戦に発展。8月21日にカダフィ政権が崩壊し、カダフィ大佐自身も10月に殺害された。参考：歴史群像8,’11、月刊JWings9,’10、月刊航空ファン6,’11、F-14トムキャット

＜リビア海軍＞：1976年、641型潜水艦６隻の供与が開始された。1981-85年、ナヌチュカ�U級ミサイル艇４隻が引き渡された。1986-87年、コニ級フリゲート２隻が就役。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊、11,’11

＜リビア海軍（１９７７年）＞：兵力2700名。フリゲート１隻、コルベット２隻、ミサイル艇３隻、哨戒艇11隻、兵站支援艦１隻を配備する。参考：軍事力バランス78年版

＜リビア海軍（１９８９年）＞：兵力8000名（沿岸警備隊含む）。タラブルス、ベンガジ、デルナ、トブルク、シジ・ピラル、アル・クームスに基地がある。フォックストロット級潜水艦６隻、ダートアサワリ級フリゲート１隻、コニ級フリゲート２隻、アサド・アル・タジェル級コルベット４隻、ナヌチュカ級コルベット３隻、シャララ級ミサイル艇９隻、オサ�U級ミサイル艇12隻、スーザ級ミサイル艇３隻、トブルク級沿岸哨戒艇１隻、ガリアン級内海哨戒艇４隻、SAR-33級内海哨戒艇14隻、ベニナ級内海哨戒艇３隻、小型内海哨戒艇２隻、ナチャ級掃海艦８隻、イブン・オウフ級戦車揚陸艦２隻、ポルノクヌイ級中型揚陸艦３隻、戦車揚陸艇16隻、補給艦１隻、輸送艦２隻、サルベージ船１隻、潜水支援艦１隻、Mi-14対潜ヘリ25機、SA-321対潜・捜索救難ヘリ12機を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜リビア海軍（２０１５年）＞：House of Representativesはコニ級フリゲート１隻、哨戒艇５隻以上、兵站支援船１隻、国民救国政府民兵Libya Dawnはコンバタント�U級ミサイル艇１隻、哨戒艇３隻以上、イブン・ハリッサ級戦車揚陸艦１隻、兵站支援船２隻を保有しているが、整備状態や、海軍戦力が機能しているかは不明である。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜リビア空軍＞：Al Quwwat al-Jawwiya al-Libiyya。防空軍団（戦闘機配備）、空軍軍団（戦闘爆撃機、輸送機、ヘリなど配備）、空軍士官学校からなる。防空軍団は国土を４分割して部隊を配置している。1969年のカダフィ大佐によるクーデター以降、同じカダドゥファ族出身でなければ入隊することすらできなくなった。1971年、SA321Mヘリの導入を開始。1974-75年、MiG-23戦闘機を配備。1980年、SA321GMヘリの配備を開始。5月、G222T輸送機が初飛行。1989年、Su-24MK戦闘爆撃機を採用。2015年2月16日、リビアのデルナにあるイスラム国拠点を爆撃。参考：月刊JWings9,’10、5,’15、月刊軍事研究11,’11

　＜リビア空軍（１９７７年）＞：兵力4500名。Tu-22爆撃機12機、ミラージュ�VＥ戦闘機30機、MiG-23戦闘機30機、ミラージュ�X戦闘機50機、ガレブ30機、ミラージュ�VER偵察機10機、C-130E輸送機８機、C-47輸送機９機、ファルコン輸送機２機、ジェットスター輸送機１機、ミラージュ�VＢ練習機10機、ミステール20練習機２機、MiG-23U練習機５機、マジステール練習機12機、T-33練習機３機、アルエート�U／�Vヘリ13機、AB47ヘリ３機、シュペルフルロン９機、CH-47Cヘリ８機、Mi-8ヘリ12機、クロタル60基、S-75/S-125/2K12地対空ミサイル60基を配備する。参考：軍事力バランス78年版

　＜リビア空軍（１９８９年）＞：兵力22000名（防空部隊含む）。Tu-22爆撃機４機、ミラージュ�XD/DE戦闘機45機、ミラージュ�XDD戦闘機10機、ミラージュF1AD戦闘機12機、MiG-23BN戦闘機28機、MiG-23U戦闘機８機、Su-20戦闘機90機、Su-24戦闘機６機、ミラージュF1ED戦闘機12機、ミラージュF1BD戦闘機６機、MiG-21戦闘機75機、MiG-23フロッガーＥ戦闘機131機、MiG-25戦闘機55機、MiG-25U戦闘機３機、J-1ヤストレブCOIN機30機、ミラージュ�XDR偵察機６機、MiG-25R偵察機７機、An-26輸送機16機、C-130H輸送機７機、L-100-20輸送機２機、L-100-30輸送機３機、G-222輸送機20機、Il-76輸送機５機、L-410輸送機18機、Mi-24攻撃ヘリ16機、CH-47C輸送ヘリ６機、Mi-8汎用ヘリ７機、AS-61要人輸送ヘリ１機、SA-316汎用ヘリ４機、ガレブG-2練習機89機、Mi-2練習ヘリ20機、Tu-22転換訓練機２機、L-39ZO転換訓練機70機、SF-260WL転換訓練機77機、セネズ防空指揮管制システム、5V28/S-75/S-125/2K12/9K33地対空ミサイルを保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜リビア空軍（リビア内戦時）＞：MiG-21MFを45機、MiG-23BN/ML/MS/UBを115機、MiG-25/25Uを90機、ミラージュF1AD/BD/EDを32機、G2AEガレブを20機、Mi-24/35を35機配備している。参考：月刊航空ファン6,’11

　＜リビア空軍（２０１５年）＞：House of RepresentativesはMiG-23MLD戦闘機、MiG-21bis戦闘機１機以上、MiG-21MF戦闘機５機以上、ミラージュF-1ED戦闘機（少数を保管中）、Mi-24/-35攻撃ヘリ３機以上、Mi-8T/Mi-17輸送ヘリ５機以上、R-3/R-60空対空ミサイルを、国民救国政府General National CongressはMiG-25P/PU戦闘機１機、MiG-23ML戦闘機、G-2ガレブ／L-39ZO練習機４機以上、An-72輸送機１機以上、CH-47C輸送ヘリ２機、Mi-17輸送ヘリ、Mi-14輸送ヘリ１機以上、R-3/R-60空対空ミサイルを保有しているが、整備状態や、使い物になるかどうかは不明である。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜リビア軍＞：1969年にカダフィ大佐がクーデターを起こし政権を掌握した。その後はカダフィ大佐と同じカダドゥファ族出身でなければ高官に就任できなくなり、完全志願制でないことも加わって士気が低下、ハミス旅団と呼ばれる3000名規模のカダフィ大佐直属エリート部隊に優先的に装備を回したため、一般軍の戦闘力を維持できなくなった。1975年12月、アルジェリアと防衛条約を締結。1980年代頃からアフリカを中心とする周辺諸国で傭兵集めに着手。リビア国内に訓練施設を作り、アフリカ各地の紛争などに送り込んで実戦体験を積ませ、いざという時の手駒とした。2010年2月、ロシアからMiG-29SMTとSu-30MKを１個飛行隊分ずつ、S-300PMU2を数個中隊分、トールM1とブークM1-2を20両、Mi-17、Mi-35、Ka-52を購入する18億ドルの契約を結んだ。ただ2011年にロシアが禁輸措置を発効したため、どれだけ引き渡されたかは不明である。2012年5月6日、ロシアが禁輸措置を解除した。参考：月刊軍事研究11,’12、11,’11

　＜リビア軍（１９８９年）＞：総兵力85000名、予備役の人民民兵40000名。準軍隊組織として革命防衛隊（リワ・ハリス・アル・ジャマヒリア）、イスラム汎アフリカ軍団、税関・沿岸警備隊があり、装備する戦車、歩兵戦闘車、装甲兵員輸送車、哨戒艇などは陸軍や海軍が保有している。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

　＜リビア軍（２０１５年）＞：トブルクに根拠地があり、国際的に正規政府として認められているHouse of Representativesと、トリポリに根拠地があるGeneral National Congress（国民救国政府）とで内戦状態にあり、双方とも総兵力は不明。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜リビア内戦＞：2011年1月、チュニジアやエジプトでの革命に刺激を受け、ネット上での呼びかけに応じてリビアでデモが開かれるようになった。当初は住宅建設の遅れに抗議するもので、リビア政府は200億ユーロをかけて建設を進めるといった案を出して対応していたが、1月後半にリビアのジャーナリストが自由化を求めるデモを呼びかけたため、こちらの要素が次第に高まっていった。2月15日、２週間ほど前に逮捕された反カダフィ政治団体メンバーの人権派弁護士を釈放するよう要求する数百人規模のデモがキレナイカ州の州都ベンガジで開始された。2月17日、反カダフィ派の国民抵抗評議会がこの日を「蜂起の日」として呼びかけ、各地で大規模デモが発生。リビア政府は警官隊に発砲を命じるなど苛烈な弾圧に入った。2月19日、反体制派がベニナ国際空港を占拠。2月20日夜、首都トリポリで反体制デモが発生し、警官隊との衝突が起こった。2月21日、ベンガジの主要部を反体制派が掌握、これに対してリビア政府が軍を動員しての無差別攻撃に出たが、自国民を銃撃するのを嫌って空軍パイロット２名がミラージュF1戦闘機２機ごとマルタに亡命した。また、反体制側も警察署や軍施設を襲撃して武装化を開始した。政権内部からも弾圧反対の意見が出たものの、2月24日、カダフィ大佐は徹底抗戦を宣言し、私兵や近隣アフリカ諸国から募った傭兵（この頃には既に6000名規模がいたらしい）を投入、航空戦力や装甲車両も動員して攻勢に出た。2月25日、化学兵器禁止機関がリビアに15トン（9.5トンともいわれる）のマスタードガスが貯蔵されていると発表した。2月27日、反政府組織はベンガジで暫定政権のリビア国民評議会を発足させ、欧米やアラブ諸国の承認を得た。国連安保理決議1970号が全会一致で採択され、リビア政府に暴力の停止と人民の保護を要求、捜査訴追をハーグ国際刑事裁判所に付託することになった。アメリカとスイスはカダフィ大佐の資産を凍結した。2月28日、中国空軍Il-76MDがリビアから脱出する中国人を輸送するため、新疆ウイグル自治区の国際空港を離陸してリビアに向かった。これが中国空軍初の自国民保護目的海外軍用機派遣である。3月4日、国際刑事裁判所検察局が人道に反する罪に関してカダフィ大佐ら８名の捜査を開始したと発表。3月中旬、カダフィ側が石油施設を奪回し、リビア西部のほぼ全域を制圧、ベンガジに向け進撃を開始した。3月12日、アラブ連盟が国民評議会政府を承認。3月17日、リビア上空に飛行禁止空域を設定し、外国軍の駐留を除くあらゆる軍事手段の行使を認める国連安保理決議1973が賛成10、棄権５（ロシア、中国など）、反対０で採択された。3月18日、リビア政府が停戦を宣言したが、実際には弾圧が継続された。3月19日、国連安保理決議1973に基づいてリビア上空に飛行禁止区域が設定され、市民保護のための武力行使も可能となり、アメリカ指揮下での対リビア作戦であるオデッセイ・ドーン作戦が開始された。イギリス名称はエラミー作戦、フランスはアルマッタン作戦、カナダはモバイル作戦である。反政府組織のMiG-23BN戦闘機１機が同士討ちで墜落、この様子はユーチューブにアップロードされた。イタリアがトーネードECRによる電子戦支援を開始。イタリア空軍のユーロファイター2000戦闘機４機がグロッセート基地からシチリア島トラバニ基地に展開。3月20日、イタリア空軍がユーロファイター2000を投入。スペイン空軍のEF-18が戦域に到着。カタール空軍のミラージュ2000が戦域に到着。3月24日、ノルウェーのF-16がソウダベイから出撃。3月25日、NATOで唯一軍事介入に反対していたトルコが賛成に回り、フリゲート４隻と潜水艦１隻を派遣して海上封鎖を行うことになった。これによりNATO司令部への指揮権付与が可能となった。カタール空軍が作戦に参加、飛行禁止空域の監視を開始した。3月26日、UAEのF-16戦闘機６機がデチモマンヌ基地に到着。3月30日、イタリア海軍は潜水艦１隻、空母１隻、駆逐艦２隻、フリゲート１隻、コルベット１隻、哨戒艇３隻、揚陸艦２隻、補給艦１隻を展開させていた。3月31日、作戦指揮権がNATOに移管され、多国籍軍の総合作戦名がユニファイド・プロテクター作戦に変更された。4月10日、反政府側がベニナ基地から鹵獲したMiG-23を離陸させたが、同士討ちを避けるためNATOが着陸させた。8月21日、反政府側が首都トリポリの大部分を制圧、政権が崩壊した。8月22日、反政府側がカダフィの居住地域を除く全地域を制圧。8月23日、国民評議会がトリポリを完全に制圧した。10月、カダフィが殺害された。2014年6月、国民議会選挙が行われたが、誕生した世俗派政権に反発するイスラム勢力を中心に、部族・出身地別民兵グループも乱立し、イスラム国も混じって内戦状態に陥った。7月、トリポリ国際空港周辺で激しい戦闘が勃発。リビア全体の治安悪化で日本や欧米諸国が大使館を閉鎖する事態になった。8月23日頃、UAE空軍とエジプト空軍がリビア領内のイスラム過激派を爆撃した。両国独自の作戦で、欧米諸国からはますます混乱させるだけと危惧されている。10月末、イギリス軍がイギリスのケンブリッジ州バシンブルンで6月から実施していたリビア軍兵士の訓練を１ヶ月前倒しで終了。2000名を養成する予定が事前のチェックに325名しか合格せず、うち１割が訓練を拒否、20名強が亡命を申請したが却下され、５名が性犯罪で逮捕され（うち２名は男性に対する性的暴行）、90名が訓練を離脱し、脱走兵による犯罪を防止するためスコットランドから警戒部隊を増派しなければならなくなる状況に陥り、無残な結果となった。その後イスラム勢力がトリポリを制圧して国民救国政府の樹立を宣言。世俗派はトブルクに拠点を移した。2015年現在、トリポリを拠点とする国民救国政府GNC（General National Congress）とトブルクを拠点とするHoR（House of Representatives）に分裂し、Dawn及びDignityと呼ばれるそれぞれの民兵が各地で戦闘を繰り広げている状態である。1月末、リビア西部のコリンシア・ホテルをイスラム国支部が襲撃。8月、イスラム国がシルテを制圧。12月、国連が和平仲介を開始。2016年4月、国民救国政府が世俗派主導の統一政府に権限を移すと発表し、トリポリに統一政府が樹立された。ただし散発的な戦闘は続いている。5月、統一政府がイスラム国拠点シルテへの攻撃を開始。12月6日、シルトを統一政府が奪回した。参考：月刊丸12,’11、月刊航空ファン5,’11、6,’11、月刊JWings5,’11、7,’11、11,’14、月刊世界の艦船6,’11、月刊軍事研究10,’11、8,’11、10,’14、12,’15、2,’17、朝雲、THE MILITARY BALANCE 2016

＜リビア陸軍＞：

＜リビア陸軍（１９７７年）＞：兵力22000名。機甲旅団１個、機械化歩兵旅団２個、国家警備隊旅団１個、特殊部隊旅団１個、砲兵大隊３個、高射砲大隊２個からなる。T-62戦車200両、T-54/55戦車1000両、サラディン装甲車100両、EE-9カスカベル装甲車75両、フェレット偵察車100両、BTR-40/50/60装甲兵員輸送車220両、OT-62/64装甲兵員輸送車110両、サラセン60両、M113A1装甲兵員輸送車250両、BMP-1歩兵戦闘車、105mm榴弾砲75門、122mm榴弾砲70門、155mm榴弾砲、ビジラント／9M14対戦車ミサイル300基、スカッドミサイル、23mm機関砲／70口径40mm高射機関砲／57mm高射砲120門、AB47ヘリ６機、AB206ヘリ５機、アルエート�Vヘリ４機、セスナO-1軽飛行機を配備する。参考：軍事力バランス78年版

＜リビア陸軍（１９８９年）＞：兵力55000名。戦車師団１個、機械化歩兵師団２個、戦車大隊38個、機械化歩兵大隊54個、国家警備隊旅団１個、砲兵大隊41個、防空大隊２個、パラシュート／コマンドー大隊12個、地対地ミサイル旅団７個、地対空ミサイル大隊３個からなる。T-54/-55/-62戦車1800両（うち保管中1200両）、T-72戦車180両、BRDM-2偵察車240両、EE-9偵察車380両、BMP歩兵戦闘車520両、BTR-50/60装甲兵員輸送車690両、OT-62/64装甲兵員輸送車、EE-11装甲兵員輸送車100両、フィアット6614、105mm砲M101を60門、122mm砲D-74を60門、122mm砲D-30を330門、130mm砲M-46を350門、2S1自走砲126両、2S3自走砲48両、DANA自走砲、パルマリア自走砲190門、M-109自走砲18門、63型ロケットランチャー、BM-21、RM-70、130mmロケットランチャーM-51、82mm/120mm/160mm/240mm迫撃砲、フロッグ７発射機30基、スカッドＢ発射機75基、ビジラント／ミラン／9M14対戦車ミサイル（BRDM自走対戦車ミサイル含む）3000基、106mm無反動砲220門、ZU-23-2、ZSU-23-4、M-53/59自走高射機関砲、70口径40mm高射機関砲、57mm高射機関砲S-60を92門、9M32/9K31/9K35地対空ミサイル、クロタル地対空ミサイル４連装ランチャー24基、CH-47輸送ヘリ13機、AB206連絡ヘリ５機、SA-316連絡ヘリ11機を保有する。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜リビア陸軍（２０１５年）＞：House of Representativesは2011年の内戦後に残った装備を入手しているが、再整備待ちの状態で、数量は大部分が不明である。T-55戦車、T-72戦車、BRDM-2偵察車、EE-9偵察車、BMP-1歩兵戦闘車、M113装甲兵員輸送車、BTR-60PB装甲兵員輸送車、ラーテル装甲車、プーマ装甲車、タイフーン装甲車、パンテーラT6装甲車、122mm砲D-30、63式107mm多連装ロケット、122mm自走多連装ロケットBM-21、M106迫撃砲、9P157-2クリザンテマＳ自走対戦車ミサイル10両、9K11/9K111/9K113対戦車ミサイル、ミラン対戦車ミサイル、106mm無反動砲M40A1、84mm無反動砲カール・グスタフ、9K338携帯地対空ミサイル、23mm自走高射機関砲ZSU-23-4を保有する。国民救国政府General National Congressの保有装備も状態は不詳である。T-55戦車、T-72戦車、プーマ装甲車、IAGガーディアン装甲車、130mm砲M-46、155mm自走砲パルマリア、122mm多連装ロケットRM-70、122mm多連装ロケットBM-21、9K11/9K111/9K113対戦車ミサイル、ミラン対戦車ミサイル、120mm迫撃砲2B11を保有する。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜リピーター・ジャミング＞：ジャミングを参照。

＜リヒート＞：アフターバーナーを参照。

＜リピートパスＩｎＳＡＲ＞：干渉合成開口レーダーを参照。

＜リヒターシュレッパー＞：ドイツ兵器局が1928年7月に開発を命じた車両で、軽トラクターの意。トラクターとは名ばかりで、実際は軽戦車である。ラインメタル社は3.7cm戦車砲と機銃１丁を搭載した重量8-9トンの車両を、クルップ社はそれより小型の車両を製作したが、要求性能に足らず、どちらもキャンセルされた。参考：月刊PANZER7,’04

＜リヒテンシュタインＢＣ１＞：FuG202（レーダー）を参照。

＜リヒテンシュタインＣ−１＞：FuG212（レーダー）を参照。

＜リヒテンシュタインＣ−１Ｗ＞：FuG212a（レーダー）を参照。

＜リヒテンシュタインＳＮ２＞：FuG220（レーダー）を参照。

＜リヒトホーフェン＞：ドイツ陸軍騎兵大尉マンフレート・フォン・リヒトホーフェン（Manfred von Richthofen）男爵、連合軍通称レッドバロン。ドイツ貴族出身で、1892年5月2日、ドイツ東部ブレスラウ生まれ。1903年、幼年学校入学。1911年、幼年学校を卒業して士官候補生となり、第１槍騎兵連隊配属となった。1912年11月、士官学校を卒業して少尉に任官。1914年8月、第１次大戦勃発でベルギー戦線に投入された。その後ベルダンに移動したが塹壕に籠もりきりとなり、航空部隊への転属を希望、1915年6月に10日間強の偵察士官としての訓練を受け、東部戦線に移動して第69野戦飛行隊配属となり、操縦訓練を受け12月にパイロット資格を得た。1916年8月、東部戦線を視察に来たベルケ大尉の単座戦闘機部隊編成論を聞いて戦闘機パイロットを目指すことにし、大尉と一緒にドイツ本国に帰国、8月末に新編された単座戦闘機部隊の第２戦闘飛行中隊に配属されてフランス戦線に投入された。9月17日、アルバトロスD.�Tでイギリス軍FE.2Bを撃墜し、公式初撃墜を記録（偵察部隊でも２機を撃墜しているが非公認）。その後アルバトロスD.�Vなどに乗り込んでエースとなった。胴体に暗い赤の塗装を施していたため、連合軍からは真紅の悪魔（ル・ディアブル・ルージュ）というニックネームを付けられている（ちなみに主翼上面はグリーンとブラウンの二色迷彩、主翼下面はライトブルー）。11月23日、DH.2を撃墜して16機撃墜を達成。1917年1月4日、17機目を撃墜。この功績でプール・ラ・メリート勲章を受章した。1月10日、第11戦闘飛行中隊指揮官となった。6月、大尉に昇任し、第１戦闘航空団司令となった。7月2日、57機目を撃墜。7月6日、リール北方爆撃のため来襲したイギリス軍FE.2を迎撃したが、正面攻撃をかけた際に跳弾が後頭部をかすめ頭蓋骨に達する傷を受け、味方戦線に不時着した。7月25日に退院し、8月上旬に戦線に復帰している。8月16日、ニューポール17戦闘機を撃墜して58機目の戦果を挙げた。8月26日、59機目（スパッド�Z戦闘機）を撃墜。9月からフォッカーDr.1の前生産型であるV4の２号機を使用している。9月1日、60機目を撃墜。9月3日、61機目を撃墜。9月6日、命令で休暇に入った。10月10日、戦線に復帰。10月半ばからフォッカーDr.1（自分専用３機を用意した）に乗り込み、目立つ赤い塗装を施して空戦を行っている。1918年4月20日に80機目を撃墜して第１次大戦時のトップエースとなったが、1918年4月21日、白っぽい青の下面以外は全て赤塗りのフォッカーDr.1に乗り込んでカッピー飛行場を離陸後、すぐにイギリス空軍第209飛行中隊ソッピース・キャメル戦闘機部隊と空戦になった。敵戦闘機に追いすがるうち、ソンム河峡谷の敵戦線上空超低高度に入り込んだところを後方からロイ・ブラウン大尉機の射撃を受けて１発が心臓を貫通、戦死した。地上にはオーストラリア軍部隊が布陣しており、フォッカーDr.1に向け小銃による集中射撃を行っていて、オーストラリア側は地上部隊による戦果と主張している。遺体はイギリス軍の手によりフランスノベルタングルで埋葬されたが、後にドイツに持ち帰られたらしい。乗機の残骸はイギリス空軍が収集し、一部が生まれ故郷のフォン・リヒトホーフェン記念館に展示されている。ちなみに弟のロタール・フォン・リヒトホーフェンも戦闘機パイロットで、1917年3月に実戦部隊に配属されると１ヶ月で20機を撃墜し、第１次大戦で40機のスコアを挙げた（1917年5月と1918年3月に墜落事故を起こしている）が、1922年に飛行機事故で死亡した。参考：月刊航空ファン12,’17、1,’18、週刊エアクラフトNo.21、図解世界の軍用機史、戦闘機のしくみ

＜リヒャルト・バイツェン＞：Z-4（駆逐艦）を参照。

＜リフ＞：S-300F（地対空ミサイル）を参照。

＜リブ＞：Rib、小骨。翼桁とほぼ垂直に何本も入っている骨格構造で、外板に作用する揚力などの空気力を翼桁に伝達する。小型機では単に板をプレスしただけの構造だが、大型機では桁と同様の構造になっていたり、三角形のトラス構造になっていたりする。エンジンナセル、降着装置、舵面ヒンジなどが付く所はそれらの力を受け止めるために頑丈な構造をしており、力骨（りっこつ）と呼ばれる。燃料タンク側面を構成するリブは水密隔壁構造をしている。参考：航空用語事典増補改訂版

＜リフＭ＞：S-300FM（地対空ミサイル）を参照。

＜リフィジェニ＞：フランス海軍ラ・メルポメーヌ級水雷艇L’Iphigenie。1936年竣工。1942年12月8日にビゼルトでイタリア軍に接収され、FR.43と改称された。イタリア降伏後はドイツに渡ってTA.11となり、1943年9月10日にイタリア西岸のピオンビーノ沖でイタリア軍魚雷艇と交戦、沈没した。参考：第２次大戦のフランス軍艦

＜リプソー・レンジ＞：三沢対地射爆撃場を参照。

＜リフターＡＰＵ／空中パック＞：自衛隊の機器。川崎重工製。参考：月刊軍事研究10,’18

＜リフター（ＩＤＧ／ＡＰＵ駆動交流発電機）＞：自衛隊の機器。川重明石エンジニアリング製。参考：月刊軍事研究12,’18

＜リフティング・イーグル＞：RU-21D（電子偵察機）を参照。

＜リフティング・カナード＞：カナード翼を参照。

＜リフティングストラップ（２５０００ポンド用）＞：自衛隊の機器。JALUX製。参考：月刊軍事研究12,’17

＜リフト＞：エレベーター（空母）を参照。

＜リフト・エンジン＞：Lift engine。V/STOLを行うために下方向に排気を噴出するエンジンのこと。メインエンジンそのものを回転させるティルトジェットよりは構造が単純だが、メインエンジンに加えて搭載するので重量とスペースがかさむ、水平飛行中には只の死荷重になる、排気や巻き上がった土砂をメインエンジンやリフトエンジンが吸い込むと出力が落ちる、滑走路を高温高速の排気が直撃するので下手をすると滑走路が溶けるといった問題がある。参考：月刊JWings10,’09別冊付録、5,’16、月刊軍事研究7,’11、航空用語事典増補改訂版

＜リフト効率増大装置＞：LIDsを参照。

＜リフト・ダンパー＞：スポイラーを参照。

＜リフト・トラック＞：自衛隊の車両。シンフォニアテクノロジー製。参考：月刊軍事研究4,’16

＜リフト・ファン＞：Lift fan。V/STOLを行うために真下方向に空気を噴出するファン。噴出するのはただの空気なので、エンジンが吸い込んでも特に問題は無い。ちなみにLiftFanというスペルにすると、F-35B用リフトファンを開発したロールスロイス社の登録商標になる。参考：月刊JWings10,’09別冊付録、月刊丸2,’12

＜リフトフット＞：RU-21E（電子偵察機）を参照。

＜リフトマスター＞：C-118（輸送機）を参照。

＜リブラ＞：AKA-12（攻撃貨物輸送艦）またはP402（哨戒艦）を参照。

＜リプライザル＞：CV-35（空母）を参照。

＜リブラ級＞：アメリカ海軍攻撃貨物輸送艦Libra級。Cs-F型標準貨物船を攻撃貨物輸送艦に改造したもので、前甲板と上構前後に計３基のキングポストがあり、40トンデリック１基、30トンデリック３基、10トンデリック６基、５トンデリック２基を装備し、LCM９隻とLCVP10隻を搭載可能。全長140m、幅19.2m、吃水7.45m、軽荷排水量6944トン、満載排水量11600トン。主機はギヤード・タービン１基、主缶はフォスター・ホイーラー缶２基、出力6000馬力、１軸推進、速力16.4ノット、航続距離は12ノットで18180海里。兵装は38口径12.7cm単装両用砲１門（艦尾。上陸作戦火力支援用）、40mm連装機関砲４基、20mm単装機関砲18門、12.7mm機銃10丁。乗員334名。兵員190名、貨物4605トンを搭載できる。参考：アメリカ揚陸艦史

＜リプリー＞：G79（駆逐艦）を参照。

＜リブル＞：K251（フリゲート）を参照。

＜リフレクター＞：反射体を参照。

＜リフレックス＞：アメリカ空軍のB-52爆撃機とKC-135空中給油機による核アラート作戦。参考：月刊軍事研究10,’06

＜リペアキット＞：自衛隊の機器。ドイチェ・ジャパン製。参考：月刊軍事研究3,’14

＜リベシオ＞：F572（フリゲート）を参照。

＜リペツク＞：B-177（キロ級潜水艦）を参照。

＜リベッチオ＞：イタリア海軍フリゲートLibeccio。2016年2月22日からダイナミック・マンタ2016に参加。参考：月刊世界の艦船5,’16

＜リベット＞：アメリカ空軍航空システムセンターがビッグサファリ計画に基づいて改造した特殊用途機に付けるオペレーショナル・ネーム。参考：月刊JWings5,’18

＜リベットアンバー＞：RC-135E（弾道ミサイル情報収集機）を参照。

＜リベットコード＞：RC-135M（信号情報収集機）を参照。

＜リベットジョイント＞：RC-135V（電子情報収集機）またはRC-135W（電子情報収集機）を参照。

＜リベットファイア＞：EC-130H（電子戦機）を参照。

＜リベットプラス＞：RC-135D（信号情報収集機）を参照。

＜リベットライダー＞：EC-130E（RR）心理戦機を参照。

＜リベラウ＞：F43（フリゲート）を参照。

＜リベリア軍＞

＜リベリア軍（１９７７年）＞：兵力5220名。歩兵大隊１個、近衛大隊１個、砲兵大隊１個、工兵大隊１個、サービス大隊１個、偵察中隊１個からなる。M3A1偵察車、75mm/105mm榴弾砲、60mm/81mm迫撃砲10門、砲艇１隻、哨戒艇５隻、C-47輸送機２機を配備する。参考：軍事力バランス78年版

＜リベリア軍（１９８９年）＞：兵力5800名（うち沿岸警備隊500名）。要人邸警備隊大隊１個、歩兵大隊６個、砲兵大隊１個、工兵大隊１個、装甲偵察中隊１個、空中偵察大隊１個からなる。沿岸警備隊の基地はモンロビア、バッサ、シノエ、ケープパルマスにある。ピラーニャ装甲兵員輸送車10両、75mm砲M-116を３門、105mm砲M-101を８門、BM-21、82mm迫撃砲M-37、107mm迫撃砲、120mm迫撃砲M-43、89mmロケットランチャーLRAC、106mm無反動砲M40、セスナ172連絡偵察機２機、セスナ208連絡偵察機１機、小型内海哨戒艇５隻を保有する。北朝鮮軍100名が駐留している。参考：ミリタリー・バランス1989-1990

＜リベリア軍（２０１５年）＞：現役兵力2050名（うち沿岸警備隊50名）。第23歩兵旅団（歩兵大隊２個、工兵中隊１個、憲兵中隊１個）、訓練ユニット１個（編成中）からなる。沿岸警備隊は10トン以下の巡視船10隻を保有する。マリにMINUSMA要員49名、歩兵小隊１個を派遣している。バングラデシュ軍UNMIL要員292名、工兵中隊１個、兵站小隊１個、オブザーバー８名、ベニン軍UNMIL要員１名とオブザーバー２名、ボリビア軍UNMILオブザーバー１名、ブラジル軍UNMIL要員２名とオブザーバー２名、ブルガリア軍UNMILオブザーバー２名、中国軍UNMIL要員514名、工兵中隊１個、輸送中隊１個、野戦病院１個、オブザーバー２名、デンマーク軍UNMIL要員２名とオブザーバー２名、エクアドル軍UNMIL要員１名とオブザーバー２名、エジプト軍UNMILオブザーバー８名、エチオピア軍UNMIL要員６名とオブザーバー11名、フィンランド軍UNMIL要員１名、ガンビア軍UNMILオブザーバー１名、ドイツ軍UNMILオブザーバー２名、ガーナ軍UNMIL要員820名、歩兵大隊１個、兵站小隊１個、オブザーバー13名、インドネシア軍UNMILオブザーバー１名、韓国軍UNMIL要員１名とオブザーバー１名、キルギスタン軍UNMILオブザーバー３名、マレーシア軍UNMIL要員１名とオブザーバー３名、モルドバ軍UNMILオブザーバー２名、ミャンマー軍UNMILオブザーバー２名、ナミビア軍UNMIL要員１名とオブザーバー１名、ネパール軍UNMIL要員18名とオブザーバー２名、ニジェール軍UNMILオブザーバー２名、ナイジェリア軍UNMIL要員1408名、歩兵大隊２個、オブザーバー10名、パキスタン軍UNMIL要員131名、野戦病院１個、オブザーバー９名、ポーランド軍UNMILオブザーバー２名、ルーマニア軍UNMILオブザーバー２名、ロシア軍UNMILオブザーバー３名、セルビア軍UNMILオブザーバー５名、トーゴ軍UNMIL要員１名とオブザーバ−２名、ウクライナ軍UNMIL要員175名、ヘリ飛行隊１個、オブザーバー２名、アメリカ軍UNMIL要員４名とオブザーバ−４名、イエメン共和国軍UNMIL要員１名、ザンビア軍UNMILオブザーバー２名、ジンバブエ軍UNMILオブザーバー３名が駐留している。参考：THE MILITARY BALANCE 2016

＜リベリア内戦＞：リベリアはアフリカ西端にあり、1847年にアメリカの解放奴隷の入植地として建国された。1989年、リビアでゲリラ訓練を受けたチャールズ・テーラーがリベリア国民解放戦線（NPLF）を立ち上げ、内戦が始まった。ダイヤモンド、ゴムなどの利権争いと虐殺による民族対立により内戦は泥沼化し、人口300万人の内30万人が死亡、200万人が難民となる悲惨な状況に陥った。1992年には安保理決議788号でリベリアへの武器禁輸措置を決定している。1997年にテーラーが大統領になっても対立は続き、リベリア和解民主連合LURD（コートジボアールが支援）とリベリア民主運動MODEL（ギニアが支援）も加わった。2003年7月には弱体な政府軍の隙を突いてLURDが首都に侵攻、一般市民中心に数千人が殺害され、アメリカがLHD-3キアサージで大使館員・民間人避難シャイニング・エクスプレス作戦を行う事態となっている。これを受けて国連の介入とアメリカの圧力（とはいっても2000名の兵士が交替でアメリカ大使館の護衛をする程度だが）でテーラーがナイジェリアに亡命、和平協定も結ばれたが、武装解除が未だに進まず（一番解除されているのは政府軍という噂もある）、地方では戦闘が続いている。参考：月刊軍事研究7,’04、6,’04、月刊世界の艦船12,’20、ベーシック条約集2018

＜リベリア和解民主連合＞：LURDを参照。

＜リペリング＞：ラペリングを参照。

＜リベルーラ＞：M.39B（実験機）を参照。

＜リベルタ＞：アルゼンチン海軍練習帆船。全長103m、排水量3765トン。総合帆走面積2977平方メートル。乗員は士官26名、下士官・兵189名、士官候補生189名。1963年5月竣工。2008年8月5-11日、横浜新港に寄港。2022年9月10日、リオ・デ・ジャネイロ沖でブラジル独立・海軍創設200周年記念国際観艦式に参加。参考：月刊軍事研究11,’08、月刊世界の艦船12,’22

＜リベルター＞：プリンシペ・アルフォンソ（巡洋艦）を参照。

＜リベルテ級＞：フランス海軍前ド級戦艦Liberte級。全長135.3m、常備排水量14860トン。主機はレシプロ蒸気機関３基３軸17500馬力、速力18ノット。兵装は30.5cm連装砲２基、19.4cm単装砲10門、6.5cm単装砲13門、4.7cm単装砲10門、45cm水中魚雷発射管２門。ジュスティス、デモクラティなど４隻が竣工した。参考：月刊世界の艦船3,’14

＜リベレーター＞：B-24海外シリーズ（爆撃機）を参照。

＜リベレーター・エキスプレス＞：C-87シリーズ（輸送機）を参照。

＜リベロス＞：チリ海軍フリゲートで、元はオランダ海軍のフリゲートである。2008年6月29日から7月31日まで、リムパック08に参加。参考：月刊軍事研究11,’08

＜リポーター＞：F-15A（偵察機）を参照。

＜リボルバー＞：回転式拳銃を参照。

＜リボルバー・カノン＞：１本の機関砲身に対し、複数の薬室を円周上に並べてある機関砲のことで、薬室を外部動力で回転させながら発射する。発射速度を高くできるが、砲身が１本なので、過熱に注意が要る。参考：月刊世界の艦船1,'15増刊、月刊JWings12,’22

＜リボルバーガン＞：ラインメタル・ディフェンス社が開発した拠点防空用ガンシステム。参考：月刊軍事研究1,’14

　＜リボルバーガンＭｋ１＞：1992年から開発され、2012年に完成した。参考：月刊軍事研究1,’14

　＜リボルバーガンＭｋ２＞：2013年5月15日に公開された改良型。基本システムはレーダー１基と遠隔操作式砲塔２基で構成されるが、１基のコンソールで砲塔８基まで遠隔操作できる。レーダーと砲塔はISO標準コンテナに搭載される固定式と、トラックに搭載される車載型の２種がある。データリンクはイーサネット、FO、DT60を使用可能。発射速度は最大毎分1000発、バースト毎分200発で、装弾数252発、通常は１回の迎撃で18発発射する。再装填にかかる時間は２名で８分。参考：月刊軍事研究1,’14

＜リボルビング・ライフル＞：回転式拳銃と同様の弾倉を使用するライフル。シリンダーと銃身の隙間から発射ガスが漏れて銃身前方を支える腕を焼くので、廃れた。参考：GUN用語事典

＜リマウ＞：インドネシアの国産６×６輪装甲車。見た目はVBAにそっくりである。戦闘重量14.5トン。エンジンはルノー・トラック・ディフェンス社製ディーゼル（320馬力）で、最大速度80km、航続距離600km。自衛用として12.7mm機銃を装備する。乗員３名＋乗車兵員10名。マレーシア軍も採用した。参考：月刊軍事研究8,’12

＜りま丸＞：日本郵船貨物船。総トン数7250トン。昭和19年2月7日0800、モタ〇二船団の一員として六連島を出港。2月8日2220、鹿児島県草垣島西110海里で魚雷３本を被雷して沈没し、乗員と陸軍将兵の計2765名が戦死、573名が救助された。参考：輸送船入門

＜リミニ＞：5561（掃海艇）を参照。

＜利民＞：満州国海軍大同級砲艦Limin。1933年8月26日就役。参考：月刊世界の艦船7,’11＜リムーア海軍航空基地＞：アメリカ海軍の航空基地。2016年4月1日深夜、民間ジープがエプロンに侵入し、F/A-18E戦闘機に激突、ジープの運転手と同乗者１人が死亡した。参考：月刊航空ファン6,’16

＜リムド薬莢＞：薬莢を参照。

＜リムノス＞：F-451（フリゲート）を参照。

＜リムパック＞：環太平洋合同演習（RIM of the PACific exercise）の略。アメリカ第３艦隊を中心とする多国籍間演習で、ソ連への対抗を目的に1971年から開始された。主な内容は水上打撃戦訓練、対潜捜索攻撃訓練、防空戦訓練、電子戦訓練、対敵顧慮下の移動訓練など。自衛隊は第７回のリムパック80から参加した。軍事ジャーナリストの勉強の場にもなっており、日本、韓国、台湾などのメディアも研鑽を積んでいる。参考：日本の戦力、月刊軍事研究10,’08

　＜リムパック７１＞：1971年11月8日から11月18日まで実施された。参加国はアメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドである。参考：日本の戦力

　＜リムパック７２＞：1972年9月5日から9月14日まで実施された。参加国はアメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドである。参考：日本の戦力

＜リムパック７３＞：1973年9月10日から9月21日まで実施された。参加国はアメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドで、艦艇23隻、航空機200機、人員14000名が参加した。参考：日本の戦力

＜リムパック７５＞：1975年3月11日から3月21日まで実施された。参加国はアメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドで、艦艇31隻、航空機200機、人員17000名が参加した。参考：日本の戦力

＜リムパック７７＞：1977年2月17日から3月11日まで実施された。参加国はアメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドで、艦艇38隻、航空機225機、人員20000名が参加した。参考：日本の戦力

＜リムパック７８＞：1978年4月4日から5月4日まで実施された。参加国はアメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドで、艦艇42隻、航空機225機、人員22000名が参加した。参考：日本の戦力

　＜リムパック８０＞：1980年2月26日から3月18日まで実施された。参加国はアメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、日本（初参加）で、参加兵力は艦艇43隻、航空機200機、人員２万名。多国間演習なので集団的自衛権の行使だと国会で論争になったが、戦争でなく訓練をするということでクリアし、念のため参加部隊を日本以外の国からなるマルチラテラル・フォースと日米のみのバイラテラル・フォースに分けてもらい、海自は日米共同訓練という形式で参加している。海上自衛隊はDDG-163あまつかぜ、DDH-142ひえい、P-2J対潜哨戒機８機、隊員740名を派遣した。出発直前には派遣部隊指揮官の第51護衛隊司令、あまつかぜ艦長、ひえい艦長が護衛艦隊司令官に呼ばれ、勝たねば生きて帰るなとの訓示を受けている。参加各国はブルーとオレンジの両軍に振り分けられ、オーストラリア空母メルボルンを中核に、カナダとニュージーランドの部隊を加えたオレンジ軍がハワイの島を占領したため、空母CV-64コンステレーションを中心とするブルー軍が強襲して取り返すというシナリオで実動訓練が行われた。ブルー軍の布陣は、中心に空母コンステレーション、インナーサークルにひえいなど対潜艦、アウターサークルに直接支援攻撃原潜２隻（空母前方）とTASS装備艦（空母両側）、前衛（空母前方100海里）にあまつかぜなどミサイル防空艦であり、上空にはE-2C、F-14、SH-3、S-3が配置されていた。風速30ノット以上、シーステート6-7という荒天の中、進撃速力24ノット・空母発着艦時速力30ノットでブルー軍は前進し（途中で洋上補給も行っており、DDGあまつかぜは3月9日のAOE-1サクラメントからなど４回受けた）、完全電波封止EMCON（レーダーと無線通信禁止。リンク14/16や衛星通信は可能）、対潜完全パッシブオペレーション（パッシブソナーは使用可能だがアクティブソナーは攻撃直前のみ）でオレンジ軍に攻撃をかけた。当時の海自はリンク16も衛星通信もパッシブソナーも無いので、情報取得手段が受信専用のリンク14とESMしか無く、あまつかぜはリンク14に英語が得意な海曹２名を張り付けて暗号テレタイプ通信を翻訳し、完全電波封止解除・武器使用自由（Weapons free）の命令を受けると直ちにレーダーを作動させ艦対空ミサイルを発射、４回の対空戦闘で命中４回を記録した。オレンジ軍空母メルボルンのA-4による反撃で空母コンステレーションが大破判定となり、SSN-583サーゴがとどめを刺しに向かったが、あまつかぜがインナーサークルに24ノットで急行して10分間のアクティブ探知を行い、目の前に原潜がいるのを確認、アスロックで３回攻撃して撃破判定を与え、阻止に成功した。これによりあまつかぜは最優秀艦に選ばれている。3月12-13日はカウアイ島沖で付随訓練の対空ミサイル射撃訓練が行われ、あまつかぜはBQM-34亜音速標的をダイレクトヒットし、AQM-37超音速標的を至近距離通過・命中判定で命中率100%を収めた。3月21日、あまつかぜ艦長はアメリカ第３艦隊司令部に呼ばれ、司令官からオペレーション・シーマンシップどちらも傑出していた（Outstanding）との講評を受け、太平洋の虎という称号と、記念盾を授与された。参考：朝雲、日本の戦力、月刊世界の艦船8,’10、5,’02増刊

　＜リムパック８２＞：1982年3月23日から4月30日までサンディエゴからハワイにかけての中部太平洋で実施された。参加国はアメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、日本で、艦艇60隻、航空機120機以上、人員29000名以上が参加した。アメリカからはCV-61レンジャー、巡洋艦スタンドレー、LHA-5ペリリュー、LPH-11ニューオーリンズなどが参加。また、B-52もリムパックに初参加しており、Tu-22Mバックファイアに見立てて訓練を行ったとみられる。自衛隊はDDH-143しらね、DDG-168たちかぜ、DDG-169あさかぜ、P-2J対潜哨戒機８機、隊員940名を派遣した。オーストラリアからは駆逐艦39ホバートと41ブリスベーンなどが参加。3月22日にサンディエゴに集結し、翌日から対潜作戦基礎演習を１週間、対空作戦基礎演習を１週間実施。4月7日から実戦想定段階に移行し、各国部隊はハワイ沖で訓練を行った。4月19日、強襲上陸訓練を実施。第１海兵旅団4500名と第７両用戦隊がハワイ島付近に展開、0600に300名がLSTで、600名がペリリュー及びニューオーリンズからヘリコプター18機で上陸した。その後も数波の上陸部隊が続き、1100までに海岸堡を確保して終了した。この際に海自の護衛艦３隻が揚陸輸送艦の支援にあたったとされる。4月24日、ハワイのカホラウェ島でアメリカ、カナダ、海自が上陸前の艦砲射撃訓練を実施。訓練中、CV-61レンジャーは潜水艦による訓練攻撃を６回受けたが、うち２回は潜水艦を逆に撃沈し、両方とも海自による戦果であったという。参考：日本の戦力

　＜リムパック８４＞：1984年5月14日から6月28日に実施され、海上自衛隊からはDDH-144くらま、DDG-169あさかぜ、DDG-170さわかぜ、DD-122はつゆき、DD-123しらゆき、P-2J対潜哨戒機４機、P-3C対潜哨戒機４機が参加した。参考：月刊世界の艦船6,'22、月刊航空ファン3,’11

　＜リムパック８６＞：1986年6月18-30日（5-6月？）に実施された。海上自衛隊は初めて八八艦隊編成の護衛隊群（DDH-144くらま、DD-123しらゆき、DD-124みねゆき、DD-126はまゆき、DD-127いそゆき、DD-128はるゆき、DDG-168たちかぜ、DDG-170さわかぜ）を参加させた。他にSS-571たかしおとP-3C哨戒機８機（P-2Jも？）が参加している。参考：月刊航空ファン3,’11、月刊世界の艦船8,’10、6,’22

　＜リムパック８８＞：1988年6月16日から7月20日に実施された。アメリカ海軍から第７空母戦闘群CVN-68ニミッツ、CGN-36カリフォルニア、CG-54アンティータム、AOR-3カンザスシティなどが参加している。海上自衛隊（派遣期間は6月3日から8月19日）からは第１護衛隊群の８隻（DDH-143しらね、DDG-169あさかぜ、DDG-170さわかぜ、DD-122はつゆき、DD-123しらゆき、DD-127いそゆき、DD-128はるゆき、DD-129やまゆき）、SS-580たけしお、AOE-422とわだ、P-3C哨戒機が参加した。４名が連絡幹部としてCVN-68ニミッツに派遣され、海自との連絡任務に就いている。DD-127いそゆきは事前訓練でアメリカ海軍攻撃原潜を探知するも追尾に失敗したことが度々あったため、TACNOTEを作成して反省点を纏めた。これに基づいて空母護衛訓練では攻撃原潜を自前のソナーで探知すると対潜ヘリに引き継ぎ、25ノットで離脱しようとする原潜を機関全力で追いかけ、発着艦針路を取れないので自艦の対潜ヘリに僚艦で補給を受けさせつつ９時間に及ぶ連続追尾を成功させてアメリカ海軍から絶賛されている。SS-580たけしおはハープーン潜対艦ミサイルの実射訓練を行った。参考：月刊世界の艦船4,’12、6,'22、3,'22、月刊軍事研究10,’13、2,’19

　＜リムパック９０＞：1990年4月10日から6月2日に行われ、韓国が初参加した。海自からはDDH-141はるな、DDG-172しまかぜ、DDG-170さわかぜ、DD-124みねゆき、DD-126はまゆき、DD-127いそゆき、DD-132あさゆき、DD-133しまゆき、AOE-422とわだ、SS-574もちしお、P-3C哨戒機８機が参加している。参考：月刊世界の艦船6,'22、7,’19、月刊軍事研究10,’12

　＜リムパック９２＞：1992年6月1日から8月24日に行われ、海自からはDDH-144くらま、DDG-168たちかぜ、DDG-170さわかぜ、DD-129やまゆき、DD-130まつゆき、DD-151あさぎり、DD-152やまぎり、DD-157さわぎり、SS-574もちしお、AOE-424はまな、P-3C哨戒機８機が参加した。参考：月刊世界の艦船6,'22、7,’19

　＜リムパック９４＞：1994年5月24日から7月7日に行われた。海自からはDDH-144くらま、DDG-171はたかぜ、DDG-173こんごう、DD-151あさぎり、DD-153ゆうぎり、DD-154あまぎり、DD-155はまぎり、DD-157さわぎり、SS-580たけしお、AOE-423ときわ、P-3C哨戒機８機が参加し、海上自衛隊初のイージス艦参加となった。また、参加全艦がデータリンクを装備し、アメリカ海軍と情報をリアルタイムで共用しつつ訓練することができるようになった。参考：月刊世界の艦船6,'22、8,’10、7,’19、月刊航空ファン3,’11

　＜リムパック９６＞：1996年5月22日から6月21日に実施され、海上自衛隊からはDDH-142ひえい、DD-152やまぎり、DD-153ゆうぎり、DD-156せとぎり、DD-157さわぎり、DD-158うみぎり、DDG-168たちかぜ、DDG-174きりしま、SS-584なつしお、AOE-424はまな、P-3C哨戒機８機が参加した。6月4日、DD-153ゆうぎりがアメリカ海軍A-6E攻撃機を誤撃墜した。参考：月刊世界の艦船6,'22、7,’19、月刊航空ファン3,’11

　＜リムパック９８＞：1998年7月7日から8月7日に行われ、海上自衛隊からDDH-143しらね、DDG-174きりしま、DD-101むらさめ、DD-102はるさめ、AOE-422とわだ、SS-585はやしお、P-3C哨戒機６機が参加した。参考：月刊世界の艦船6,'22、7,’19、8,’14、月刊航空ファン3,’11

　＜リムパック２０００＞：2000年5月31日から7月6日に行われ、海上自衛隊からDDH-144くらま、DDG-173こんごう、DDG-172しまかぜ、DD-101むらさめ、DD-103ゆうだち、DD-104きりさめ、DD-151あさぎり、SS-584なつしお、AOE-424はまな、P-3C哨戒機８機が参加した。参考：月刊世界の艦船6,'22、7,’19

　＜リムパック０２＞：2002年6月25日から7月23日に行われ、海上自衛隊からDDG-174きりしま、DD-101むらさめ、DD-107いかづち、DD-155はまぎり、SS-584なつしお、P-3C哨戒機８機が参加した。参考：月刊世界の艦船6,’22、7,’19

　＜リムパック０４＞：2004年6月29日から7月27日に行われ、海上自衛隊からDDH-141はるな、DDG-169あさかぜ、DD-105いなづま、DD-154あまぎり、SS-595なるしお、P-3C哨戒機８機が参加した。参考：月刊世界の艦船6,'22、7,’19

　＜リムパック０６＞：2006年6月26日から7月28日に行われ海上自衛隊からDDH-142ひえい、DD-106さみだれ、DD-109ありあけ、SS-596くろしお、P-3C哨戒機８機が参加した。参考：月刊世界の艦船6,'22、7,’19

　＜リムパック０８＞：2008年6月29日から7月31日、ハワイ周辺海域で実施された。参加国はアメリカ、日本、イギリス、オーストラリア、オランダ、カナダ、韓国、シンガポール、チリ、ペルーの10ヵ国で、参加戦力は艦艇35隻、潜水艦６隻、航空機150機、人員20000名。海上自衛隊はDDG-174きりしま、DD-156せとぎり、DDH-141はるな、DD-112まきなみ、SS-595なるしお、第２航空隊P-3C哨戒機５機を派遣。P-3Cはハープーンの発射訓練を実施した。アメリカからはCV-63キティホークとCG-73ポートロイヤル、オーストラリアからはアンザック、潜水艦SSG-75ウォーラー、韓国からはムンムデワン、シンガポールからはステッドファースト、チリからはリベロス、イギリスからはニムロッド哨戒機が参加した。ウォーラーはMk48Mod7CBASS魚雷１本で標的艦（スプルーアンス級駆逐艦）を真っ二つにして撃沈している。参考：月刊軍事研究9,’08、11,’08、月刊JWings10,’10、月刊世界の艦船7,’19、6,’21

　＜リムパック１０＞：2010年6月23日から8月1日までハワイ周辺で実施された。参加国はアメリカ（CVN-76ロナルド・レーガンとCVW-14、LCS-1フリーダム、LHD-6ボンノム・リシャール、CPRW-2とCPRW-7とCPRW-9所属のP-3C）、インドネシア、オーストラリア（06ニューキャッスル、カニンブラ、空軍第10飛行隊及び第11飛行隊のAP-3C哨戒機２機）、オランダ、カナダ（283アルゴンキン、FFH335カルガリー）、韓国（991セジョン・デワン、071リー・オッギ、第613飛行大隊P-3C哨戒機１機）、コロンビア、シンガポール（シュープリーム）、タイ、チリ、日本、フランス（F731プレリアル）、ペルー、マレーシアで、人員20000名、水上艦艇34隻、潜水艦５隻、航空機170機。海上自衛隊はDDG-177あたご、DD-108あけぼの、SS-600もちしお、第51飛行隊所属P-3C哨戒機１機、第５航空群所属P-3C哨戒機２機、第22航空隊所属SH-60K哨戒ヘリ１機を派遣し、アメリカ軍との２カ国軍編成だけでなく、初めて多国間非戦闘軍事作戦に参加した。また、オブザーバーとしてブラジル、インド、ニュージーランド、オーストラリア陸軍が参加した。訓練内容は沿岸作戦を重視する傾向が見られ、沿岸をカバーするであろう敵空軍の排除にも力を入れた他、海上自衛隊、シンガポール、フランスなどのグループと、韓国、オーストラリア、カナダなどのグループに分かれての部隊相互運用訓練も実施している。民間の機体も演習の支援にあたっており、ATAC社のハンター、TacAir社のL-29、フェニックス・アビエーションのリアジェット36Aが対艦攻撃などをシミュレートし、オメガタンカー社のB707-300が空中給油を行った。訓練弾による撃沈訓練ではLSD-36アンカレッジなど３隻が標的となり、10隻以上の艦船や10機の航空機がミサイルなどを撃ち込んだ。参考：月刊JWings10,’10、月刊世界の艦船9,’10、8,’10、月刊丸10,’10

　＜リムパック１２＞：通算23回目で、2012年6月29日から8月3日に実施された。アメリカ（CVN-68ニミッツ、CG-59プリンストン、CG-65チョーシン、CG-70レイク・エリー、LHD-2エセックス、T-AO-187ヘンリー・Ｊ・カイザー）、イギリス（司令部要員のみ）、インド（司令部要員のみ）、インドネシア、オーストラリア（FFH157パース、潜水艦ファンコム）、オランダ、カナダ（CF-188戦闘機、潜水艦876ヴィクトリア）、韓国（992ユルゴク・イイ、981チェ・ヨン、069ナーデーヨン）、コロンビア（司令部要員のみ）、シンガポール（67フォーミダブル）、タイ（司令部要員のみ）、チリ（アルミランテ・リンチ）、トンガ、日本（DDH-143しらね、DDG-175みょうこう、MST-464ぶんご、第11飛行隊P-3C哨戒機３機）、ニュージーランド（P-3K哨戒機）、ノルウェー（司令部要員のみ）、フィリピン（司令部要員のみ）、フランス、ペルー（司令部要員のみ）、マレーシア、メキシコ（ウスマシンタ）、ロシア（初正式参加。アドミラル・パンテレーエフなど艦艇３隻）の22カ国から兵員25000名、艦艇42隻、潜水艦６隻、航空機200機以上が参加した。7月7日、パールハーバーが一般公開された。7月17日、カナダ潜水艦ヴィクトリアがMk48魚雷１本を発射し、アメリカ退役補給艦T-AFS-5コンコードに命中させて撃沈した。7月22日、オーストラリア潜水艦ファンコムがアメリカ除籍給兵艦T-AE-26キラウエアにMk48魚雷１本を発射、船体を真っ二つにして撃沈した。参考：月刊世界の艦船9,’12、10,’12、6,’12、1,’13、月刊軍事研究10,’12、朝雲

　＜リムパック２０１４＞：第24回で、2014年6月26日から8月1日まで実施された。アメリカ（CVN-76ロナルド・レーガン、CG-73ポート・ロイヤル、LHA-5ペリリュー、LPD-23アンカレッジ、JHSV-3ミリノケット、T-MLP-1モントフォード・ポイント、LCS-2インディペンデンス、LCS-4コロナド、T-AH-19マーシー、CVW-2、VP-45所属P-8A、VMM-122所属MV-22B、HMH-465所属CH-53E、UHAC実験車両、第909空中給油飛行隊KC-135R、第199戦闘飛行隊F-22A、アメリカ陸軍第25師団第25航空連隊CH-47F、OH-58D、UH-60M、HH-60M）、イギリス、インド（F49サヒャドリ）、インドネシア（バンダ・アチェ）、オーストラリア、オランダ、カナダ（ヴィクトリア、FFH335カルガリー、CP-140Mブロック�V、CP-140A、CF-18A）、韓国（993ソエ・ユ・ソンリョン）、コロンビア（アルミランテ・パディーヤ）、シンガポール、中国（初参加。駆逐艦171海口、フリゲート575岳陽、補給艦886千島湖、病院船和平方舟、Z-9、Z-8JH）、チリ、トンガ、日本、ニュージーランド（L421カンタベリー）、ノルウェー（F310フリチョフ・ナンセン）、フィリピン、フランス、ブルネイ（初参加。ダルラマン）、ペルー、マレーシア、メキシコ（P164センテナリオ・デ・ラ・レボリュシオン）の22カ国から人員25000名以上、水上艦49隻、潜水艦６隻、航空機200機以上が参加した。海上自衛隊はDDG-174きりしま、DDH-182いせ、第５航空群P-3C哨戒機３機、第22航空隊SH-60Jヘリ１機、同SH-60Kヘリ２機、掃海部隊隊員10名を派遣した。DDG-174きりしまはアメリカ空軍第125戦闘飛行隊F-16C戦闘機が発射したAQM-37C高速標的機２機と陸上発射BQM-74E亜音速標的機２機をSM-2で撃墜し、127mm砲とCIWSの射撃訓練も実施している。P-3Cは空中発射型ハープーン１発を発射し、標的艦となったLST-1187タルカルーサに命中させた。DDH-182いせは第22航空隊ヘリやアメリカ陸軍ヘリを発着艦させている。陸上自衛隊が初参加で、西部方面普通科連隊１個小隊基幹40名による水陸両用作戦、MV-22B/CH-53Eからの降下訓練などを行った。F310フリチョフ・ナンセンはNSMをLPD-5オグデンと戦車揚陸艇に命中させている。中国は周辺海域に東調型情報収集艦851北極星を派遣して情報収集を行い、各国から呆れられた。参考：月刊JWings8,’14、9,’14、10,’14、月刊世界の艦船7,’14、8,’14、9,’14、10,’14、月刊軍事研究1,’15、11,’14、朝雲

　＜リムパック２０１６＞：第25回で、2016年6月30日から8月4日、ハワイ周辺とアメリカ西岸周辺で実施された。アメリカ（CVN-74ジョン・Ｃ・ステニス、同空母打撃群CG-53モービル・ベイ、同空母打撃群第21駆逐隊DDG-93チャンフーン、DDG-106ストックデイル、DDG-110ウィリアム・Ｐ・ローレンス、CVW-9、CG-59プリンストン、DDG-91ピンクニイ、DDG-86シャウプ、LCS-1フリーダム、LCS-4コロナド、LHA-6アメリカ、LPD-22サンディエゴ、LSD-52パールハーバー、MCM-4チャンピオン、T-ARS-50セイフガード、T-AO-187ヘンリー・Ｊ・カイザー、T-ATF-169ナバホ、T-AOE-7レイニア、T-AO-204ラパハノック、T-AKE-11ワシントンチャンバー、SSN-717オリンピアなど潜水艦４隻、太平洋海兵隊司令部、第３海兵連隊、沿岸警備隊WMSL-752ストラットン）、イギリス、イタリア（初参加）、インド（F48サツプラ）、インドネシア（365ディポネゴロ）、オーストラリア（L02キャンベラ、FFH-152ワラムンガ、FFH-155バララト）、オランダ、カナダ（FFH-331バンクーバー、FFH-335カルガリー、M704イエローナイフ、M709サスカトゥーン）、韓国（979カムガンチャン、991セジョン・デワン、潜水艦リーオッキ）、コロンビア、シンガポール（ステッドファスト）、タイ、中国（153西安、572衡水、867長島、966高郵湖、866和平方舟）、チリ（05アルミランテ・コクレーン）、デンマーク（初参加）、ドイツ（初参加）、日本、ニュージーランド（テ・カハ）、ノルウェー、フィリピン、ブラジル、フランス（F731プレリアル）、ブルネイ、ペルー、マレーシア、メキシコ（A412ウスマシンタ）の26カ国（本当は27カ国だったがブラジルが直前キャンセル）から人員25000名以上、水上艦・潜水艦40隻、航空機200機以上が参加した。アメリカ海軍の意向により、燃料はバイオ燃料（牛脂肪廃油製）の混合燃料を使っている。自衛隊はDDH-181ひゅうが、DDG-176ちょうかい、第21航空隊SH-60Kヘリ１機、第23航空隊SH-60Kヘリ１機、第25航空隊SH-60Jヘリ１機（隊員計650名）、第２航空群第２航空隊第21飛行隊P-3C哨戒機２機・隊員70名、掃海隊群司令部水中処分班５名、陸自隊員50名（西部方面総監部、第４師団、第８師団、第15旅団、西部方面普通科連隊、中央即応集団など）を6月7日から8月23日に派遣し、対潜戦、対水上戦、対空戦、対機雷戦、ミサイル発射訓練（ひゅうががESSMを２発、ちょうかいがSM-2を２発）、海賊対処訓練、他国海軍との巡航訓練、人道支援・災害救援訓練、水陸両用作戦訓練（AAV7をアメリカ海兵隊から借りた）、日米相互運用性向上訓練などを行っている。開始前の6月28日、北朝鮮の弾道ミサイルを想定した日米韓BMD対処訓練を行った。7月19日、ハワイ州カウアイ島北55海里でLCS-4コロナドがハープーンを発射し、FFG-37クロメリンを撃沈した。中国はマスメディアの取材拒否、海自幹部の乗艦拒否及び艦上レセプションへの招待拒否、海自艦上レセプションへの参加拒否（しかも海自から招待されなかったと嘘をつく）といった非常識な行為に走り、アメリカ軍からこっぴどく叱られた。参考：JShips VOL.70、月刊航空ファン8,’16、月刊JWings8,’16、9,’16、月刊世界の艦船8,’16、9,’16、10,’16、月刊軍事研究10,’16、朝雲

　＜リムパック２０１８＞：第26回で、2018年6月28日から8月2日にハワイやカリフォルニア周辺海域などで行われた。アメリカ（CVN-70カール・ヴィンソン、CG-57レイク・シャンプレイン、DDG-88プレブル、DDG-104スタレット、DDG-105デューイ、T-AH-19マーシー、SSN-717オリンピア、SSN-776ハワイ、MQ-8C、沿岸警備隊WMSL-750バーソルフ）、イギリス、インド（サヒャドリ）、インドネシア（590マカッサル、331ラディン・エディ・マルタディナタ）、オーストラリア（L01アデレード、FFH156トゥーウムバ、メルボルン、サクセス）、カナダ（FFH331バンクーバー、オタワ、アステリクス）、韓国（992ユルゴク・イイ、065パク・イ、UDT/SEAL）、シンガポール（71テネイシャス）、チリ（07アルミランテ・リンチ）、日本、ニュージーランド（F111テ・マナ）、フィリピン（17アンドレス・ボニファシオ、ダバオ・デル・スル）、フランス（F731プレリアル）、ペルー（海軍特殊部隊FOES、沿岸警備隊カッターのフェレ）、マレーシア（レキウ）など25カ国から25000名、水上艦46隻、潜水艦５隻、航空機200機、人員25000名が参加し、対潜戦、対水上戦、対空戦、対機雷戦、SSN-776ハワイやヘリコプターからの各国特殊部隊展開、人道支援／災害対処などの訓練を実施している。中国海軍も当初は参加予定だったが、南シナ海の軍事化がリムパックの理念と矛盾しているとして、5月末にアメリカ側が招待を撤回した。アメリカはMQ-8CにAN/AES-1機雷探知機とAN/ASQ-235機雷処分具を搭載して対機雷戦訓練に参加させている。DDG-105デューイは秘密裏に高速艦砲弾HVPの発射試験を行った。海自はDDH-182いせと乗員390名、哨戒ヘリ３機、第５航空隊P-3C哨戒機２機、第５航空隊員60名、掃海部隊隊員10名（掃海隊群司令部要員と水中処分員）、SBUを派遣した。DDH-182いせはESSMの実射訓練を行い、標的機２機に２発を発射した。この際、１機目の初弾が不発だったので予備弾を使っている。また、人道支援／災害対処訓練にも参加した。掃海隊群はカリフォルニア州ポイント・ロマ基地ダイビング訓練施設やサンディエゴ郊外の海域でREMUS100を使用した機雷捜索・掃討などの訓練を行い、アメリカ海軍及びニュージーランド海軍との共同掃海訓練も行っている。陸上自衛隊は第５地対艦ミサイル連隊第４中隊の隊員100名と12式地対艦ミサイルシステム一式を派遣し、6月15日から8月5日まで日米共同対艦戦闘訓練を実施。海自P-3Cが取得した目標情報に基づいて日米共同火力調整を行い、日米共同指揮所で射撃諸元を算定し入力、12SSMとHIMARSを発射する訓練を行った。7月12日にはカウアイ島バーキングサンズ基地で沖合90kmの太平洋ミサイル射場に浮かぶLST-1191ラシーンを標的とする日米同時弾着実射訓練を行い、12式地対艦誘導弾（改）２発とアメリカ陸軍第18砲兵旅団HIMARSがロケット弾５発を発射、12式は２発とも命中した。HIMARSのロケット弾は上空で子爆弾を撒布して艦上で炸裂させ、レーダーアンテナ、CIWS、ECM/ESMなどを破壊している。更に12式地対艦ミサイルシステムはもう２発を90km先の洋上標的に発射し、こちらも全て命中した。また、陸上総隊司令部や水陸機動団第２水陸機動連隊の70名はアメリカ海兵隊第３海兵連隊など600名とカネオヘ・ベイ基地やポハクロア訓練場などでAAV7を使用した水陸両用訓練などを行った。参考：月刊世界の艦船9,’18、8,’18、10,’18、4,’19、12,'23、月刊航空ファン9,’18、10,’18、月刊軍事研究10,’18、11,’18、朝雲

　＜リムパック２０２０＞：2020年8月17-31日に開催され、アメリカ、オーストラリア、カナダ、韓国、シンガポール、日本、ニュージーランド、フィリピン、フランス、ブルネイの10カ国から艦艇22隻・潜水艦１隻・人員5300名が参加し、対空戦、対水上戦、対潜戦などの訓練を行った。アメリカ海軍はCVN-71セオドア・ルーズベルトで新型コロナウイルス感染者が多発したため空母の参加を取り止め、LHD-2エセックスやCG-70レイク・エリーなど８隻を参加させている。アメリカ沿岸警備隊からはWMSL-755マンローが参加。海上自衛隊からは隊員550名、DDH-182いせ、搭載機２機、DDG-178あしがらが令和2年度米国派遣訓練（護衛艦）として参加。派遣期間は7月23日から9月18日までで、DDG-178あしがらは乗員１名の新型コロナウイルス感染判明により8月1日からになった。DDH-182いせはオーストラリア海軍補給艦O226シリウスから洋上給油を受けている。DDG-178あしがらは8月17日（現地時間。日本時間では18日）にSM-2の実射を行った。オーストラリア海軍はイージス艦39ホバート、フリゲートFFH-153スチュアート、フリゲートFFH-151アルンタ、補給艦O226シリウスが参加し、ホバートはSM-2の実射、スチュアートはハープーンの実射を行い、アルンタは太平洋ミサイル射場PMRFでRIM-162ESSMを標的機に向け実射している。カナダ海軍からはフリゲートFFH334レジャイナとフリゲートFFH338ウィニペグが参加し、レジャイナがハープーンの実射を行った。韓国海軍イージス駆逐艦993ソエ・ユ・ソンリョン、ミサイル駆逐艦975チュンムゴン・イスンシン、シンガポール海軍フリゲート73スプリーム、ニュージーランド海軍海洋観測艦A09マナワヌイ、ブルネイ海軍哨戒艦07ダルル・エサンが参加した。LKA-114ダーラムが洋上標的を務め、ハープーンなどを被弾して沈没した。参考：月刊世界の艦船11,'20、10,’20、MAMOR vol.166、朝雲

　＜リムパック２０２２＞：2022年6月29日から8月4日にハワイ沖とカリフォルニア沖で行われ、26カ国から人員25000名、艦艇42隻（実際には46隻だったらしい。アメリカ海軍CVN-72エイブラハム・リンカーン、CG-53モービル・ベイ、DDG-62フィッツジェラルド、DDG-90チャーフィー、DDG-101グリッドレイ、DDG-102サンプソン、DDG-111スプルーアンス、LHD-2エセックス（MAGTF7搭載）、DDG-1001マイケル・モンサー、T-AO-187ヘンリー・Ｊ・カイザー、大型USVノーマッド、中型USVシー・ハンター、オーストラリア海軍強襲揚陸艦L02キャンベラ、フリゲートFFH-152ワラムンガ、補給艦A195サプライ、カナダ海軍フリゲートFFH331バンクーバー、FFH338ウィニペグ、韓国海軍強襲揚陸艦6112マラド、イージス駆逐艦991セジョン・デワン、シンガポール海軍フリゲート69イントレピッド、ニュージーランド海軍補給艦A11アオテアロア、フランス海軍フリゲートFプレリアル、マレーシア海軍コルベット26レキル、メキシコ海軍揚陸艦A412ウスマシンタなど）、航空機170機（アメリカ空軍KC-135空中給油機、第45戦闘飛行隊A-10C攻撃機、第199戦闘飛行隊F-22A戦闘機、アメリカ海軍P-3C哨戒機、VFA-41所属F/A-18F戦闘機、VP-8所属P-8A哨戒機、アメリカ海兵隊VMFA-232所属F/A-18C/D戦闘機、HMLA-169所属AH-1Z攻撃ヘリ・UH-1Y汎用ヘリ、VMM-362所属MV-22B輸送機、HMH-462所属CH-53E強襲輸送ヘリ、アメリカ陸軍AH-64攻撃ヘリ、インド空軍P-8I哨戒機、オーストラリア空軍P-8A哨戒機、カナダ空軍CP-140哨戒機、韓国海軍P-3C哨戒機、L-3コミュニケーションズ社リアジェットLJ36A仮想敵機、ハンター・アビエーション社ハンターMk58仮想敵機など）が参加した。ノースロップ・グラマン社がウルトラ・ライトEAのプロトタイプ実証試験を行っている。自衛隊の派遣期間は6月29日から8月4日で、海自DDH-183いずも、DD-110たかなみ、搭載ヘリ３機、第３航空隊P-1哨戒機１機、第４整備補給隊、陸自西部方面隊第５地対艦ミサイル連隊12式地対艦ミサイルが参加した。7月29日から8月3日には、存立危機事態を想定した初めての訓練を行っている。退役フリゲートFFG-60ロドニー・Ｆ・デービスと退役ドック型輸送艦LPD-9デンバーが実艦的として沈没した。LPD-9デンバーは7月22日のSINKEX（SINK EXercise）で標的艦を務め、アメリカ海軍VX-30所属NP-3D観測機が訓練評価を担当し、海自P-1哨戒機がレーダーにより遠距離で太平洋ミサイル射場PMRFの目標を捉え、カウアイ島バーキングサンズ基地の第５地対艦ミサイル連隊に伝達、12式地対艦ミサイルを発射して命中させている。同時にアメリカ陸軍も同基地からHIMARSを発射、こちらも命中した。他にCVN-72エイブラハム・リンカーンのVFA-41所属F/A-18F戦闘機がLRASM、カネオヘ飛行場から出撃したVMFA-232所属F/A-18C/D戦闘機がハープーン、AGM-88HARM、JDAM、バーキングサンズ基地から出撃したAH-64攻撃ヘリがAGM-114、ハイドラ・ロケット弾、30mm機関砲、DDG-90チャーフィーが127mm弾を撃ち込んで撃沈している。P-1哨戒機は撃沈まで観測にあたり、９時間弱のフライトをこなした。参考：月刊世界の艦船9,’22、10,'22、4,'23、月刊JWings10,'22、9,’22、朝雲

　＜リムパック２０２４＞：第29回で、2024年6月27日から8月1日に西太平洋で行われ、アメリカ海軍CVN-70カール・ヴィンソン、CVW-2（VFA-2、VFA-113、VFA-194、VFA-97、VAW-113、VAQ-136など）、DDG-54カーティス・ウィルバー、DDG-62フィッツジェラルド（RGM-184A NSM艦対艦ミサイル搭載）、VX-9（仮想敵機役）所属F/A-18F戦闘機・EA-18G電子戦機、VRM-30Det.2所属CMV-22艦上輸送機、アメリカ空軍第303戦闘飛行隊A-10C攻撃機、イタリア海軍AW101対潜ヘリ、オーストラリア海軍イージス艦42シドニー（NSM艦対艦ミサイル搭載）、カナダ海軍FFH331バンクーバー、シンガポール海軍（フリゲート72ストルワート）、ドイツ空軍ユーロファイター戦闘機３機、ドイツ海軍F222バーデン・ヴュルテンブルグ、A1412フランクフルト・アム・マイン、ニュージーランド海軍A11アオテアロア、フランス海軍D655ブルターニュ、ペルー海軍揚陸艦156ピスコ（第22海軍攻撃飛行隊AS-61Dシーキング２機搭載）、メキシコ海軍揚陸艦A412ウスマシンタ（第１艦上哨戒海軍航空隊AS565MBeヘリ搭載）など29カ国（アメリカ、イギリス、イスラエル、イタリア、インド、インドネシア、エクアドル、オーストラリア、オランダ、カナダ、韓国、コロンビア、シンガポール、スリランカ、タイ、チリ、デンマーク、ドイツ、トンガ、日本、ニュージーランド、フィリピン、ブラジル、フランス、ブルネイ、ペルー、ベルギー、マレーシア、メキシコ）25000名・42隻・150機以上が参加し、対潜戦、ミサイル射撃、人道支援・災害派遣などの各種訓練を行った。DDG-62フィッツジェラルドと42シドニーは標的艦LHA-1タラワとLPD-8ダビュークにNSM艦対艦ミサイルの実射訓練を行っている。海上自衛隊の派遣期間は6月27日から8月2日で、LST-4003くにさき（LCAC-2105などLCAC２隻搭載）、DDG-180はぐろ（第22航空隊SH-60Kヘリ搭載）、第１航空群第１航空隊第12飛行隊P-1哨戒機が参加した。陸上自衛隊からは第５地対艦ミサイル連隊が参加している。7月5日1330頃（日本時間）、リムパック参加のためハワイのカウアイ島に派遣された第７地対艦ミサイル連隊所属隊員が運転するレンタカー（隊員３名搭乗）と、現地民間人が運転するバイク（１人搭乗）が衝突し、バイクの民間人１人が死亡、隊員１名が軽傷を負った。7月10-16日、F/A-18戦闘機がAIM-174B空対空ミサイル実弾または訓練弾で標的迎撃訓練を行った模様。7月12日、陸上自衛隊12式地対艦誘導弾がLHA-1タラワを標的とした実艦標的撃沈訓練SINKEXに参加。7月19日、B-2爆撃機がクイックシンク誘導爆弾の実艦標的撃沈訓練を行い、LHA-1タラワを撃沈した。参考：海上自衛隊ホームページ、陸上自衛隊ホームページ、月刊世界の艦船9,’24、10,’24、11,'24、月刊JWings10,’24

＜リムファイア型薬莢＞：薬莢を参照。

＜リム・ファイア・マグナム・カートリッジ＞：RFMと略す。.22口径ウインチェスター・マグナム弾のことである。火薬量が多く、.22口径LRよりも威力が高い。参考：GUN用語辞典

＜リムペット・マイン＞：リムペットはカサガイの意。船体に直接取り付けるタイプの機雷である。参考：月刊丸5,’13

＜リムレス薬莢＞：薬莢を参照。

＜リモアイ・シリーズ＞：韓国陸軍手投げ式小型無人偵察機。星宇エンジニアが忠南大学と開発し、2007年頃から配備した。参考：月刊軍事研究3,’18

　＜リモアイ００２＞：試作型。参考：月刊軍事研究3,’18

　＜リモアイ００２Ｂ＞：最初の量産型。参考：月刊軍事研究3,’18

　＜リモアイ００６＞：改良型。機体は強化プラスチックと炭素複合材製。センサーは13万画素CCDまたは赤外線カメラで、映像はパッド型コントローラー内蔵ディスプレイにリアルタイムで映し出される。発進は手投げ、着陸は全自動胴体着陸で行う。自律飛行と遠隔操作が可能で、通信が途中で途切れたら、発進地点または事前設定地点に戻ってくる。全長1.72m、翼スパン2.59m、最大発進重量6.8kg。最大速度75km、航続時間1.5時間。地上管制装置は背負って持ち運べる。参考：月刊軍事研究3,’18

＜リモーター＞：リエンジンを参照。

＜リモーテッド・ライノ＞：QF-4標的機シリーズ（アメリカ空軍）を参照。

＜リモート・ウェポン・ステーション（自衛隊）＞：技術研究本部が2009-2011年度に開発した遠隔操作機銃。12.7mm重機関銃M2の左に弾倉（リンクレス式ベルト給弾）、右に視察照準装置が付いており、車内にはジョイスティック式の操作部と液晶ディスプレイの表示部を設置する。機銃は反動軽減のため緩衝器を介して取り付けられているが、作動に必要な反動を残しつつ射撃精度を維持するのに苦労したという。各種車両に搭載可能で、試作品１基が製作され、動揺架台や軽装甲機動車でテストを実施した。射撃精度は人間が撃つより高かったが、軽装甲機動車の車体後部に装置を押し込めたため、操作性が悪かったらしい。重量が160kgあるので、装備品化に際しては軽量化を要する。参考：MAMOR vol.85、月刊PANZER12,’13

＜リモートウェポンステーション（機動戦闘車用）＞：自衛隊の機器。日本製鋼所製。参考：月刊軍事研究10,’16

＜リモートキャリア＞：FCAS（フランス・ドイツ・スペイン）を構成する無人機。主契約社はエアバス、メインパートナー（開発支援企業）はMBDAである。2019年6月のパリ航空ショーでコンセプトモデルが展示された。菱形断面胴体に展開式主翼とＸ字尾翼が付く。主翼は中翼配置で、胴体中央−後部に引き込まれており、胴体中央の主翼取り付け部ピボットを中心に外旋させて引き出す。技術実証機としてDo-DT25標的無人機を使用してテストを行っており、2022年12月12日に飛行中のA400M輸送機からの射出・運用試験に成功した。参考：月刊JWings11,’20、3,’23

＜リモート・コントロール・ヴィークル＞：セルビアが開発した６輪UGV。IED／地雷処理用の電動式車両で、前部に2kgまでのものを掴めるアームが付く。重量250kg。駆動時間２時間。参考：月刊軍事研究9,’11

＜リモートテストセット＞：自衛隊の機器。日本電気製。参考：月刊軍事研究10,’13

＜リモーラ＞：オーストラリア海軍が採用した遠隔操作潜水艇。2006年11月、パース沖で訓練中に遠隔操作・電力供給ケーブルが切れてしまい、救難員２名を乗せたまま深度140mの海底に沈んだ。一旦浮揚に成功して救難員は救出されたが、リモーラは再度落下し、2007年4月に回収したものの、使用不能になってしまった。参考：月刊世界の艦船12,’13

＜リャオヤン＞：DDG-921（ミサイル駆逐艦）を参照。

＜略語（海上自衛隊）＞：日本海軍から引き継いでいる。司令官・司令はシ、副官はフカ、司令部付はシツキ、隊補給長はタホキ、艦長はカ、艇長はテ、副長はフ、船務長はセム、航海長はコ、砲雷長はホラ、機関長はキ、船務士はセムシ、電整士はデシ、水雷士はスシ、砲術士はホシ、応急士はオシ、甲板士官はカパ、当直士官はト。幕僚は日本海軍の参謀の略であるサを使い、幕僚長はサチ、先任幕僚はセサ、砲術幕僚はホサ、監理幕僚はカリサ、情報幕僚はゼウサ、作戦幕僚はサクサ、訓練・教育幕僚はクレサ、航空幕僚はコクサ、運用幕僚はウサ、気象幕僚はキセサ、後方幕僚はロジサ、機関幕僚はキサ、通信幕僚はツサ、対潜幕僚はタセサ、技術幕僚はギサと略す。参考：日本の防衛戦力Part3

＜略語（日本海軍）＞：佐世保はサセ、佐世保鎮守府はサチン。横須賀鎮守府はヨコチン。鎮海はチンだが、鎮海が警備府／要港から鎮守府になっていたら（以下略）。某海軍士官が妻にいつもの調子でチンタツサセニコイ（鎮海を出港して佐世保に着く予定なので、佐世保まで来て欲しい）と電報を打ったところ、何という卑猥な電報を送るんだと義父が激怒したとか、慌てた妻がチンムリニタタスナスグサセユクと返電したとかいうジョーク（多分）も生まれた。霞ヶ浦海軍航空隊はカスクウ。司令官はシカ、艦長はカ、先任参謀はセサ、軍医長はグチ、航海士はコシ、砲術士はホシ。カヨカカコシラで、本艦艦長から貴艦艦長へ、艦長並びに航海士来艦されたし、という意味である。「迎えの内火艇送れ」はムの１文字で済ます。「突撃せよ」はトを連打する（ト連送）。参考：海軍こぼれ話

＜略帽＞：陸上自衛隊の制服用帽子。正帽の略式で、ベレー帽型をしている。生地はフェルト。参考：MAMOR vol.137

＜リャザン＞：K44（原潜）を参照。

＜リャンヌイ＞：ソ連海軍クリヴァク�U型フリゲートRyanny。1980年竣工。参考：月刊世界の艦船3,’92増刊

＜リュイス＞：DE-535（護衛駆逐艦）を参照。

＜龍＞：第761航空隊（日本海軍）を参照。

＜龍王山丸＞：日本海軍雑用船Ryuosan maru。元は鶴丸汽船の石炭輸送用内航中型貨物船で、昭和15年4月27日に竣工し、昭和18年6月に徴用された。垂線間長85.74m、幅13.11m、深さ7.01m、吃水6.01m、総トン数2455トン、重量トン数3587トン。主機は三連成レシプロ蒸気機関１基１軸2600馬力、航海速力12ノット、最大速力13.5ノット。昭和18年11月4日、ラバウルからカビエンに向かっていたところ、カビエン南西7kmで触雷して沈没した。参考：月刊世界の艦船1,’22

＜竜ヶ崎飛行場＞：日本海軍の飛行場。太平洋戦争末期、茨城県竜ヶ崎町貝塚原に開設された。参考：首都防空網と空都多摩

＜柳寛順＞：韓国海軍214型潜水艦６番艦Ryu Gwan-sun（リュ・グアンスン。女性抗日活動家）。2015年5月7日進水。2016年11月就役予定。参考：月刊世界の艦船7,’15

＜竜騎兵＞：ドラグーン。戦場までの移動を騎馬で行い、戦闘は下馬して行う兵士のこと。参考：歴史群像6,’04

＜柳京ホテル＞：柳京はユギョンと読む。金正日の指導の下、1989年の第13回世界青年学生祭典開催に合わせて平壌で着工された巨大なホテル。円筒から３方向に部屋が延びており、105階建て、高さ300mで、客室総数3000室、延べ建築面積36万平方メートルである。途中で工事が中断され、金日成主席の80歳の誕生日である1992年4月15日の完工を目指して再開されたものの再び中断され、今に至る。構造設計に問題があったらしく、下層階の構造は重量に耐えられず歪んでおり、上層階の窓やコンクリートもずれていて、完成の見込みは立っていないが、金正日の肝煎りで建設を開始したため取り壊すわけにもいかず、補強工事で崩壊を食い止めている。参考：月刊軍事研究8,’95

＜龍江＞：601（ミサイル艇）を参照。

＜龍江級＞：台湾海軍ミサイル艇、ルンジャン級。アメリカのタコマ・ボート社が開発した汎用哨戒艇PSMM Mk5が原型で、１番艇の艇番号601龍江はアメリカで建造され、２番艇の艇番号602緩江は台湾海軍でライセンス生産された。排水量の割に強力な兵装を持つが、動揺性能が悪いためフィン・スタビライザーを装備している。それ以外にも問題が多いらしく、１番艇は可動状態に無いらしい。全長50.2m、全幅7.3m、吃水2.9m、満載排水量270トン。主機はCODAG方式、出力14736馬力、３軸推進、速力38ノット。兵装は雄風�T発射筒４基、76mm単装砲１基、30mm連装機関砲１丁、12.7mm単装機銃２丁。乗員38名。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

＜劉公島＞：865（潜水艦救難艦）を参照。

＜�驪ｻ丸＞：日本海軍特設運送船。総トン数2700トン。昭和17年竣工、海軍に徴用された。昭和19年3月30-31日、アメリカ海軍機動部隊のパラオ大空襲を受け、アラカベサン島南で沈没した。参考：月刊丸4,’17

＜龍虎山＞：980（揚陸艦）を参照。

＜龍虎隊＞：日本海軍の神風特攻隊。台湾の虎尾基地で編成された九三式中練による特攻部隊で、フィリピン航空戦による消耗と沖縄戦初期の特攻により第一線機を使い果たしてしまったため、虎尾基地に残っていた数十機の九三式中練を使用したものである。参考：月刊丸6,’01

　＜第一龍虎隊＞：昭和20年5月19日に九三式中練８機で虎尾基地を出発したが、天候不良などで特攻はおろか出撃基地となる宮古島にすら辿り着けなかった。参考：月刊丸6,’01

　＜第二龍虎隊＞：昭和20年5月25日に九三式中練８機で虎尾基地を出発したが、第一龍虎隊と同じ結果となった。参考：月刊丸6,’01

　＜第三龍虎隊＞：昭和20年7月中旬に出撃命令が出され、7月24日に九三式中練８機で虎尾基地を出発、新竹基地と宜蘭基地を経て日没近くに宮古島に到着した。7月27日夕方、翌日夜半に沖縄在泊敵艦船に特攻を行うよう命令が出された。7月28日朝、宮古島で第三龍虎隊の指揮を執る第29航空戦隊航空参謀冨士少佐は出撃時刻を2100に決定。2030過ぎに隊員が飛行場に整列し、250kg爆弾１発を積んだ九三式中練８機に乗り込んで離陸したものの、エンジン不調で全機引き返してきた。再点検してみると2-3機に少々の異常があったのみで、特攻や敵襲に対する重圧など極度の緊張からエンジン音などを異常と感じてしまったらしく、冨士少佐は同じ隊員を再出撃させるべきか迷ったが、隊員８名が自ら出撃を願ったため、翌日に再出撃させることとした。7月29日夜、九三式中練８機が250kg爆弾１発ずつを積んで出撃。４機がエンジン不調で戻ってきたが、再整備の上で2240に４機とも出撃した。2300に１機がまたまた不調を来して戻り、この機の再々出撃は断念されている（パイロットは第４龍虎隊に編入）。7月30日0030過ぎ、最初の４機がDD-792カラハン、DD-793カッシン・ヤング、DD-561プリチェットからなる駆逐艦戦隊に接近。カラハンのレーダーには南東18.5kmから接近する１機がキャッチされ、他の２隻もレーダーで機影を確認、各艦には総員戦闘配置が下命された。九三式中練は高度500フィート（152.4m）を時速85ノットで接近。0130過ぎ、１番機がカラハンの３マイル東を通過した後で反転し、カラハンに突撃した。カラハンは25ノットに増速して面舵をとり、５インチ（127mm）砲で撃ちまくったものの撃墜できず、１番機は艦尾から上部給弾室に突入、爆弾が機械室に飛び込んで炸裂した。主缶損傷・左舷停止、給弾室誘爆などの大損傷を受けたカラハンでは総員退艦用意が下命され、１時間後に艦尾爆雷に誘爆して艦は沈没、47名が死亡した。カッシン・ヤングには２番機が突入したが、対空砲火を受けて艦首から30mのところに墜落。プリチェットには３番機と４番機が向かい、４番機が突入して軽微な損傷を与えた。0300、再出撃した３機が沖縄本島南岸からカッシン・ヤングに接近。付近に味方機がいたため、カッシン・ヤングは敵味方不明機に対する射撃を控えており、１番機にダビットに突入されて24名の死者と46名の行方不明者を出した。２番機・３番機は救援のため慶良間諸島から派遣された輸送駆逐艦ホーレイス・Ａ・バスに突入しようとしたが、回避されて海面に墜落した。8月1日、高雄警備府司令長官から感状が授与された。参考：月刊丸6,’01

　＜第四龍虎隊＞：昭和20年8月3日に編成された。２個小隊16機編成で、１個小隊は２個区隊からなる。8月13日に出撃予定だったが、8月15日に延期され、ポツダム宣言受諾により中止となった。隊員は昭和21年2月21日に復員船（リバティー船のVO5）で高雄港を離れ、2月27日に広島湾大竹港に帰国した。参考：月刊丸6,’01

＜竜骨＞：キールを参照。

＜榴霰弾＞

　＜榴霰弾（日本陸軍）＞：10-16gの小弾を70mmクラスで7-80個、150mmクラスで1000個内蔵しており、黒色火薬により散布する。戊辰戦争から使用された。第１次大戦で塹壕が多用されるようになると殆ど効果が無くなり、製造効率も悪く、信管精度の問題で射程延伸に伴って最適炸裂高度を適正化することも難しくなったため、廃れた。参考：大砲入門

＜粒子放射線＞：放射線を参照。

＜柳州＞：573（054A型フリゲート）を参照。

＜龍驤＞：日本海軍鉄甲帯コルベットRyujo。元は熊本藩が慶応2年（1866年）にイギリスのグラバー兄弟商会に発注した鉄甲帯コルベットで、アレクザンダー・ホール造船所で建造されジョーショー・マル（Jhosho Maru）として明治2年5月に進水し、8月にイギリスを出発、12月3日（明治3年1月？）に長崎に到着し、熊本藩が龍驤丸（りょうしょうまる）と改称、明治3年4月7日に熊本藩が受領、5月8日に兵部省に献納された。この時は龍驤という漢字で「りょうしょう」と読み、明治10年代末に「りゅうじょう」に改称したらしい。帆汽両用艦で、船型は３檣シップ型、船体は木造で、水線部に厚さ114mmの装甲帯を装着している。全長64m、総トン数1459トン（イギリス登録）／2520トン（日本海軍登録）。兵装は110ポンド・アームストロング砲２門。明治3年12月、イギリス海兵士官ホーズ大尉による砲術教練（横浜御軍艦砲銃教練）を開始。明治4年5-7月、明治天皇西海巡航の御召艦となった。明治7年3月1日、佐賀の乱の征伐総督と参軍を乗せ品川を出港。3月9日、福岡に到着し、征伐総督と参軍を下ろした。4月13日、長崎で征伐総督を乗せ、品川に向かった。明治10年、西南戦争に参加。2月19日に長崎に進出し、周辺警備にあたった。3月9日、陸戦隊を鹿児島に上陸させ、砲台などを破壊。4月26日、鹿児島上陸作戦に際し、アームストロング砲２門を陸揚げして操作要員を陸戦隊として派出した。明治14年2月2日から7月28日、第５回遠洋練習航海に参加。帰国後、外国人教師ウィルラン中佐が、食料庫を増設し、艦首の砲を撤去するなど艦首を軽量化して帆走や錨作業を容易にし、最後部マストを帆走に使わず船具や要員を削減して実習員の収容スペースを増やすといった改修点を海軍省に具申した。明治15年12月19日から明治16年9月15日、第７回遠洋練習航海に参加。明治17年12月、常備艦に指定された。明治18年、前年に発生した朝鮮での甲申政変を受け、朝鮮周辺での警備任務に就いた。明治18年11月、横須賀鎮守府所属航海練習艦となった。明治20年、第10回遠洋練習航海に参加。明治23年3月、砲術練習艦に指定された。明治26年11月に除籍され、砲術練習所の岸壁に係留されて砲術練習に使用された。明治41年に売却されたが、マストが教育材料として海軍砲術学校に移設され、艦首の飾り板と艦名文字板が熊本に送られている。マストは太平洋戦争終戦で失われたが、艦首の飾り板と艦名文字板は熊本城天守閣に展示され、熊本地震で被災した後は熊本博物館で保管中。参考：月刊世界の艦船2,'23、9,’22

＜龍驤＞：日本海軍龍驤型空母Ryujo。昭和8年5月9日竣工。昭和8年10月30日、連合艦隊第１航空戦隊に所属。搭載機は三式艦戦常用６機、補用２機、一三式艦攻常用９機、補用３機だった。昭和9年から九〇式艦戦を搭載。5月26日から8月20日まで、呉工廠で復原性改善工事を実施。昭和10年9月26日、第４艦隊事件で波浪により羅針艦橋前面が圧壊し、舷外通路まで損傷する被害を受けた。昭和10年10月（昭和11年5月26日？）から昭和11年8月20日（5月30日？）、第４艦隊事件で受けた損傷の修理と改装のため呉工廠にドックイン。昭和12年7月7日の日華事変勃発時には第１艦隊第１航空戦隊に所属しており、事変を受けて書類の上では戦闘機が九六式艦戦に改編されたが、実際には九〇式艦戦を搭載していた。8月6日、第３艦隊第１航空戦隊に転属。8月12日、佐世保を出港。8月16日、上海沖に到着。9月2日、佐世保に帰港して補給を行った。9月5日、佐世保を出港。9月20日、南支作戦支援を実施。広東攻撃で戦果を挙げ、支那方面艦隊長官から感状を受けた。10月3日、上海沖に移動。10月5日、航空隊を公大飛行場に派遣した。12月1日、内地に帰還し、第２艦隊第２航空戦隊に転属、訓練任務に就いた。12月29日、第１艦隊第１航空戦隊に転属。昭和14年3月16日、蒼龍、赤城と共に佐世保港に入港。3月21日、蒼龍、赤城と共に佐世保港を出港。3月24日、青島港外に到着。午後に艦上機が発進し、青島上空を示威飛行した。3月31日、第２艦隊第２航空戦隊に転属。4月1日、青島港を出港して日本に向かった。10月、広東作戦支援のため南支方面に出動。昭和14年11月15日、第２艦隊第２航空戦隊から外され、予備艦となり、修理と改装を行った。昭和15年2-7月、第12連合航空隊の発着艦訓練を実施。11月15日、現役に復帰し、第１艦隊第３航空戦隊に所属。九六式艦戦16機と九七艦攻18機を搭載した。昭和16年4月10日、第１航空艦隊第４航空戦隊に転属。6月、内南洋で対潜作戦訓練を実施し、第11航空艦隊が行ったＧ訓練にも協力した。11月27日、佐伯湾を出港。12月5日、パラオに入港。12月6日、パラオを出撃。12月8日、太平洋戦争開戦時は建制も兵力部署も第４航空戦隊に所属しており、ダバオ飛行場及び特設水上機母艦プレストンを九六式艦戦９機と九七艦攻13機により攻撃。更に艦戦３機と艦攻２機で追撃をかけたが、艦戦１機が対空砲火を被弾して不時着した。パイロットは機体を焼却して自決した。12月12日、レガスピ上陸作戦を支援。12月14日、パラオに入港。12月17日、パラオを出撃。12月19-20日、ダバオ攻略作戦を支援。12月24日までホロ島攻略作戦を支援。その後マレー作戦支援に使用されることになり、昭和17年1月7日、カムラン湾に到着。2月10日、Ｌ作戦協力のためカムラン湾を出撃。3月10日、Ｄ作戦に参加。4月、インド洋ベンガル湾で通商破壊作戦を実施。4月5日、セイロン島攻撃に参加。4月23日、瀬戸内海に帰投。零戦16機と艦攻20機が配備された。5月26日、アリューシャン作戦のため陸奥湾大湊を出撃。6月4-5日、ダッチハーバーを空襲したが、対空砲で撃墜された零戦１機が敵の手に渡った。7月、第２航空戦隊に編入された。8月16日、第３艦隊に編入され、ガダルカナル島に向け出撃。8月24日、第２次ソロモン海戦に参加。ガダルカナル島を攻撃中に艦上機の攻撃を受けて沈没した。11月10日に除籍された。参考：日本海軍戦闘機隊、図解日本の空母、第２次大戦日本海軍作戦年誌、月刊丸8,’87、月刊世界の艦船9,’14、日本海軍艦隊総覧、月刊航空ファン8,’18、帝国海軍太平洋作戦史�T

＜龍驤型＞：日本海軍空母Ryujo型。大正14年策定・昭和2年度予算承認の艦艇補充計画により建造されたもので、当初は若宮の後継となる水上機母艦だったが、ワシントン条約成立で条約制限外（排水量10000トン以下）の小型空母（基準排水量7100トン、公試排水量9800トン、速力30ノット、搭載機数18機＋補用６機）に変更された。しかし建造途中でロンドン条約が締結され、制限内に入ってしまい、小型化のメリットが消失。これをカバーしようと最大限の航空機（36機）を搭載できるよう格納庫を２段に増やすなど無理な変更を加えた結果、バルジを付けたもののトップヘビーが酷く、公試で転舵した際に20度も傾斜するなど復原性に問題があり、改装を要することとなった。船体は重巡青葉型を参考としており、船体内に下部格納庫を設け、船体上甲板の上に第２最上甲板、最上甲板、艦橋甲板（高角砲甲板）、飛行甲板を重ねてある。排水量制限を考慮して乾舷を低くしたため、凌波性を向上させるべく艦首には大きなシアとフレアが付けられ、外見は青葉型とかなり違ったものになった。艦首形状は水面上がクリッパー型、水線下がダブルカーベチャー型とされ、味方駆逐艦が敷設した一号機雷を乗り越えて艦隊決戦場に直接乗り込めるようにした。平甲板式空母で、艦橋甲板前端に羅針艦橋（操舵室も内蔵）を持ち、飛行甲板前部両側に戦闘指揮施設が設置された。羅針艦橋の後部には伝令室、作戦室兼海図室、無線電話室などが設けられ、更に後ろは上部格納庫とされた。羅針艦橋前面には見張り方向盤、左舷寄りの前面には2.5m測距儀、右舷側面には1.5m測距儀が装備されている。羅針艦橋両舷側面にはスポンソンが設けられており、13ミリ連装機銃１丁を装備した。羅針艦橋両舷後方には舷外通路が作られており、砲戦指揮通信所が置かれ、左の砲戦指揮通信所の天井の上には指揮所兼照射指揮所も設置された。砲戦指揮通信所の舷側にはスポンソンが設けられ、九一式高射装置、4.5m高角測距儀、高角見張り盤などを搭載して高角砲指揮所として使用された。砲戦指揮通信所前方の天井上には補助艦橋があり、右舷側のものは飛行機指揮所として使われた。艦橋付近に起倒式マストが２本あり、左舷側が信号マスト、右舷側がアンテナマストである。飛行甲板は全長158.6m、最大幅23mで、エレベーターは電動式のものが前後に１基ずつ搭載されており、サイズは前が11.1m×15.7m、後ろが10.8m×8m。前部エレベーターの直前に前面遮風柵がある他、側面遮風柵も持つ。滑走制止装置は空廠式三型で、着艦制動装置は横索式のフランス製フュー式着艦制動装置（後に呉式四型、アレスティング・ワイヤ６本）。飛行甲板上には九〇センチ隠顕式探照灯２基、伸縮式航海灯掲揚マスト２本なとが装備された。ボイラーはロ号艦本式専焼缶６基で、缶室６室に１基ずつ収容される。煙突は右舷中央の中段から後ろ斜め上を向けて突き出しており、開口部が斜め下に向かう。熱煙冷却装置と緊急用上面排気口も装備した。鳳翔と同じく、スペリー社製ジャイロスタビライザーを搭載しているが、トップヘビーが酷く、公試で最大速力での転舵を行った際には20度ほど傾いている。艦尾は青葉型とほぼ同じで、平衡式釣合舵と２軸の推進軸（プロペラ直径4.4m）を装着する。艦尾上には飛行甲板支柱１組と飛行機取り入れ用のクレーンがあり、格納庫後端の開放部から航空機を搬入する。飛行甲板下の艦尾後部甲板はカッター格納庫である。飛行甲板前方寄り両舷に九一式高射装置を搭載する。全長180.0m、最大幅20.32m、平均吃水5.56m、基準排水量8000トン。主機は艦本式オールギヤードタービン４基、主缶はロ号艦本式重油専焼水管缶（20気圧、飽和蒸気）６基で、出力65000馬力、２軸推進、速力29.0ノット（公試時29.5ノット）、重油搭載量2934トン、航続距離は14ノットで10000海里。航空機搭載数36機＋補用機12機。ただし実際の就役時の定数は九〇式艦戦12機、一三式艦攻６機、九〇式艦偵６機、補用機８機の計32機だった。兵装は八九式四〇口径一二.七サンチ連装高角砲６基（飛行甲板中央部両舷スポンソンに３基ずつ）、保式一三ミリ４連装機銃６基（飛行甲板前方両舷に１基ずつ、後方両舷に２基ずつ）。装甲厚は艦中心部舷側NVNC甲鈑46mm、弾火薬庫対８インチ（20.3cm）砲弾防御、機関部対６インチ（15.2cm）砲弾防御。乗員924名。太平洋戦争開戦時の搭載機は九六式艦戦19機（常用16機、補用３機）、九七式艦攻21機（常用18機、補用３機）。零戦は昭和17年4月に初めて搭載した。最終出撃時の搭載機は零戦24機、九七式艦攻９機。参考：図解日本の空母、月刊丸2,’12別冊付録、日本航空母艦史

＜龍驤型（改装）＞：友鶴事件を受け、昭和9年5月から8月にかけて復元性能改善工事（第１次改装）を実施。重心降下のためバルジを拡大、固定バラストを搭載し、バラストキールを装備、羅針艦橋両側の機銃用スポンソンを縮小し、艦橋左舷のマストを軽量化型に換えた。船体が右舷に29.5度傾斜すると海水が浸入する恐れがあったため、煙突の装備位置を3m高くして斜め下に突出させ、40度の傾斜まで耐えられるようにした。また、側面遮風柵と後部エレベーターの覆いを撤去し、下部１番格納庫を廃止、格納庫後端を閉鎖して扉を取り付けた。５・６番連装高角砲は撤去し、九六式25mm連装機銃２基に換装している。この改装で乾舷が減少したが、艦首形状がそのままだったので凌波性が不足し、第４艦隊事件で損傷する原因となった。昭和10年9月26日に第４艦隊事件に遭遇、受けた艦橋前壁圧壊などの損傷を修理するため昭和10年10月から昭和11年5月までドックイン。波浪浸入防止のため艦首の錨甲板を一層高くして第２最上甲板と繋げ、操舵室を下に移すなど羅針艦橋を小型化して構造を強化、両側を露天式に変更すると共に、羅針艦橋前面の形状を丸みを帯びたものとして波浪の衝撃を逃がすようにし、前面に付いていた見張り方向盤を撤去、2.5m測距儀用のスポンソンを側方に移し、1.5m測距儀を搭載した。飛行甲板前部の形状が丸みを帯びたものに変更され、全長156.5m、前部幅17mとなった。格納庫後端の扉は損傷を受けたために廃止され、エンジンなどの搬出入口を設けたらしい。航空機は飛行甲板上の起倒式クレーンで飛行甲板に載せた後、エレベーターで格納庫に搬入するようにした。基準排水量は10600トン、公試排水量は12000トン超に増えた。搭載機は常用36機＋補用12機となり、兵装は127mm高角砲８門、25mm機銃４丁、13mm機銃24丁だった。参考：図解日本の空母、日本航空母艦史、月刊丸2,’12別冊付録、日本海軍艦隊総覧

＜りゅう縄射撃＞：らつ縄射撃かも。拉縄射撃と書く。砲の撃鉄に縄を掛け、数メートル離れたところでそれを引っ張って射撃する方法。迫撃砲でも可能。暴発時にも安全なので、装薬量の多い長距離射撃をする際に用いる。参考：月刊JWings11,’01、月刊PANZER12,’00

＜龍驤戦闘機隊＞：昭和12年8月22日、宝山上空で初陣を飾り、九〇式艦戦４機でカーチス・ホーク18機を攻撃し、１発も被弾せずに６機を撃墜した。8月23日、４機で出撃し、宝山上空でカーチス・ホーク27機を攻撃し、９機を撃墜、支那方面艦隊司令長官から感状を授与された。9月21日、広東攻撃で敵戦闘機12機を撃墜（うち不確実１機）、支那方面艦隊司令長官から感状を授与された。昭和16年12月8日、ダバオ攻撃で九六式艦戦12機が出撃したが、１機が対空砲火で被弾し不時着、パイロットは機体を焼却して自決した。昭和17年4月23日、零戦に機種を変更。6月5日、ダッチハーバー空襲でPBY飛行艇を撃墜したが、対空砲で被弾した１機が不時着し、アメリカの手に渡ってしまった。8月24日、第２次ソロモン海戦で15機が出撃、ガダルカナル島上空で15機を撃墜したが、その間に母艦が攻撃を受け、直掩の10機が奮闘して11機を撃墜したものの龍驤は沈没、出撃機は全機不時着水して失われた。参考：日本海軍戦闘機隊

＜龍驤丸＞：龍驤（コルベット）を参照。

＜龍神丸＞：龍王汽船貨客船Ryujin maru。元は明治40年2月28日竣工のブリティッシュ・インディア汽船所属カルナで、大正12年に龍王汽船が購入して龍神丸になった。垂線間長131.22m、幅16.52m、深さ9.72m、吃水8.32m、総トン数6243トン、重量トン数9350トン。主機は三連成レシプロ蒸気機関１基１軸3767馬力、航海速力10ノット、最大速力13.5ノット。昭和17年4月13日、土佐清水南方100kmでSS-209グレイリングの雷撃を受け沈没した。日本側資料では3月27日に豊後水道で触雷沈没となっている。参考：月刊世界の艦船10,'21

＜龍星＞：九三式陸上中型練習機（龍虎隊）を参照。

＜流星シリーズ＞：日本海軍艦上攻撃機、略符号B7A、連合軍コードはグレース（Grace）。500kg（800kg？）爆弾での急降下爆撃、800kg爆弾での水平爆撃、雷撃が可能で、投弾後は零戦に匹敵する機動性能を持ち、爆雷装時巡航速度200ノットで航続距離1200海里以上、最大速度300ノット以上を誇る万能機として、昭和16年10月10日に要求が纏まり、愛知航空機へと試作依頼が出された。参考：月刊丸3,'18別冊、月刊JWings11,’03

　＜流星＞：試作型、略符号B7A1。エンジンは一時双発も検討されたが、昭和16年5月13日に空冷エンジン単発と決定、直後に耐久試験をクリアした誉を積むことになった。ただ完成したばかりのエンジンを搭載するのに一抹の不安があり、胴体は他の同等出力エンジン（誉より直径が大きい）に換装しても差し支えない設計を採ると共に、爆弾倉も設けたため、かなり太くなった。結局エンジンは誉を積んだので、機首の直径が小さくて済み、機首上面を下げてコクピットからの下方視野を改善した。主翼は楕円テーパー翼で、中翼の折り畳み式逆ガル翼を採用し、高揚力装置として二重隙間フラップを装備、フラップ直前の主翼下面にダイブブレーキを備えている。降着装置は尾輪式で、尾輪も含め引き込み式である。全長11.49m、全幅14.4m、自重3624kg、正規全備重量5700kg、雷撃過荷時総重量6590kg。エンジンは中島製誉一一型（1800馬力）単発、プロペラは４翅。自衛武装は両主翼の20mm機関砲１門ずつ（試作６号機から装備）、機首カウリング上面の7.7mm機銃２丁、後席の7.7mmまたは13mm機銃１丁。二式空三号無線電信機、一式空三号隊内無線電話機、一式空三号無線帰投方位測定機を装備する。乗員２名。昭和18年4月に初号機が初飛行してテストに入ったが、強度計算に間違いがあり、再設計を繰り返したが解決されず、流星改として大幅改造されることとなった。参考：月刊JWings11,’03、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊丸3,'18別冊、9,'20

　＜流星改＞：量産型、略符号B7A2。ドイツのヘンシェル社の技術を取り入れ、機首の機銃を外すなどして重量軽減・構造強化を図ったもので、主翼を直線テーパー翼に改良（大規模再設計はしていない？）し、エンジンを誉一二型（1825馬力）に変更、尾輪は固定式にしている。垂直尾翼のラダーを上方に延長し、後席キャノピー形状を変更した。全長11.49m、全幅14.40m、全高4.07m、自重3614kg、全備重量5700kg。翼面荷重１平方メートルあたり161kg。エンジンは誉一二型（1825馬力）単発、最大速度543km、実用上昇限度8950m、上昇力6000mまで10分29秒、機内燃料容量1406リットル、航続距離正規1852km／過荷時2982km。自衛武装は20mm固定機関砲２門、13mm旋回機銃１丁。800-1000kg魚雷１発または800kg爆弾１発または250kg爆弾２発などを搭載できる。乗員は操縦員と偵察・電信員兼銃手の２名。昭和19年度から月産100機で量産する予定だったが、改良が間に合わず生産が遅れ、エンジンと油圧に故障が多発、過荷時全備重量7000kg弱の機体を運用できる着艦制動装置・滑走制止装置・エレベーターを備えた空母も無く、試作機含め30機程度が完成した昭和20年1月16日に軍需省から3月末での量産打ち切りが下命された。それでも銀河が夜間戦闘機に改造され分の補充として愛知航空機と大村21空廠で細々と生産が続けられ、100機前後（111機？）が完成している。昭和20年7月25日からの関東沖アメリカ空母機動部隊攻撃で初実戦参加し、直後に終戦を迎えた。参考：月刊JWings11,’03、第２次世界大戦軍用機ハンドブック・日本篇、月刊丸3,'18別冊、8,’87、日本航空母艦史

＜�髏ｼ丸＞：中村汽船貨物船。総トン数4805トン。昭和19年2月25日、バリ島北で雷撃を受けて沈没し、乗船していた乗員・将兵計4999名全員が戦死した。参考：輸送船入門

＜柳成龍＞：993（イージス艦）を参照。

＜龍泉＞：515（油槽艦）を参照。

＜流線＞：Stream line。流体各点の流れの方向を小さな矢印で表し、それを繋げて線状にしたもの。参考：航空用語事典増補改訂版

＜流体クラッチ＞：クラッチを参照。

＜流体抵抗＞：流体中で動く物体に対して働く抵抗のこと。摩擦抵抗、粘性圧力抵抗、造波抵抗などがある。参考：図解雑学　船のしくみ

＜榴弾＞：HE （High Explosive）と略す。内部に炸薬が詰まった砲弾・弾丸で、目標に接近または到達すると信管により炸裂、弾殻が石榴のように弾け飛び、破片効果と爆風により人員や車両などを広範囲に亘り破壊する。弾殻は鍛鋼製で、粉々になりすぎないよう十分な肉厚を持たせる。信管は弾頭にあることが多く、着発や近接信管などを用いる。炸薬は、主としてTNTまたは３号爆薬（コンポジットＢ）が充填される。長距離間接射撃で使用されることも多く、射程を伸ばすため、弾体を尖鋭化したり、ベースブリードを付けたり、ロケットアシストを用いたりする。参考：火器弾薬技術ハンドブック、戦争がやってくる、MAMOR vol.132

＜榴弾砲＞：日本陸軍では「りゅうだんぽう」と読む。英語ではハウザー（Howitzer）という。口径長20-40で、低い山なりの放物曲線弾道（曲射弾道）をとり、射角を取ることで射程を延伸でき、重い弾丸を少ない発射装薬で遠距離に飛ばせるので、間接射撃を主任務とする。15世紀にチェコで使用されたhoufniceと呼ばれる軽量短砲身砲が大元で、持ち運びには便利だが威力が小さいために一旦廃れ、17世紀半ば頃までに炸裂弾を発射する砲として再度注目された。弾丸と装薬を装填する薬室、薬室後面を塞ぐ閉鎖機、薬室前面に連なり砲弾に初速と射角・方位角を付与する砲身、砲身を支える砲架、砲架に砲身を載せると共に射角を付与する際の支点となる砲耳、射角付与の際に砲身が下がってこないようにする平衡機、発射時の反動を受け止め砲身を元の位置に戻す駐退復座機といった構造で構成される。カノン砲よりも軽量で、車輪付きなので臼砲よりも機動力が高く、カノン砲よりも発射エネルギーが低いことによる威力不足は大重量砲弾で補い、カノン砲からは発射できなかった炸裂弾（強力な装薬を使うと砲身内で炸裂してしまう）も使用できた。カノン砲よりも製造が容易で、大口径化しても陸上で移動可能な程度に軽量であり、19世紀後半には大口径榴弾砲が最強の陸上砲となった。参考：コンバット・バイブル２、火器弾薬技術ハンドブック、MAMOR vol.146、兵器最先端５、歴史群像12,’09、日本戦車隊戦史

＜リューツ＞：DD-481（駆逐艦）を参照。

＜龍田基地＞：中国軍航空基地。2400m滑走路、掩体25基、耐爆シェルター12基を持つ。参考：月刊軍事研究8,’14

＜流入角＞：Inflow angle。プロペラ羽根断面に流入する空気の流れがプロペラ回転面と構成する角度のこと。プロペラ後流による誘導速度を無視した場合、流入角の正接（tanφ）は回転速度とプロペラ断面半径と円周率の積を二倍した値で飛行速度を割ったものとなる。断面羽根角から流入角を引き算すれば見かけ上の迎え角を算出することができるが、正確な迎え角はプロペラ後流の渦による誘導速度で補正を加えて計算する必要がある。参考：航空用語事典増補改訂版

＜竜の歯＞：対戦車障害の１つ。台形コンクリートブロックの頂部にＨ鋼を突き出させたもので、道路上に設置し、車両底部や履帯を損傷させる。迂回された場合に備え、周辺の路外には対戦車地雷を埋めておく。参考：英独航空決戦

＜流氷観測（海上自衛隊）＞：マイク・フライトを参照。

＜リューブツ＞：東ドイツ海軍パルヒム�T型警備艦Lubz。参考：月刊世界の艦船5,’91

＜リューベック＞：F214（ブレーメン級フリゲート）を参照。

＜リューベック＞：ドイツ海軍ケルン級フリゲートLubeck。1963年就役。1988年にトルコ海軍に売却された。参考：月刊世界の艦船9,'96

＜龍鳳＞：日本海軍龍鳳型空母１番艦。元は潜水母艦大鯨で、昭和16年9月14日から横須賀工廠で空母に改造され、昭和17年11月28日竣工。11月30日、航空母艦龍鳳に改称され、第３艦隊所属となった。12月11日、トラックに陸軍機を輸送するため横須賀を出港。12月12日、八丈島東方150海里でアメリカ潜水艦SS-228ドラムの雷撃を受け、魚雷１本を右舷中央に被雷して損傷し、引き返して修理を行った。昭和18年1月15日、第３艦隊第50航空戦隊に転属。2月、修理を完了。3月末、瀬戸内海で着艦訓練を実施したり、雷撃訓練の目標艦になったりした。6月12日、第３艦隊第２航空戦隊に転属。損傷した飛鷹の飛行隊が配属され、6月16日に横須賀を出港した。6月21日、トラックに進出。7月2日から飛行隊をブインに展開した。7月19日、飛行隊をブインに残してトラックを出港。7月24日、瀬戸内海に帰投。9月1日、飛行隊が第26航空戦隊に転属となり、新たな飛行隊を再編成することになった。10月19日、飛行隊はシンガポールに進出して訓練を実施、龍鳳は本土からシンガポールへの資材輸送にあたった。12月10日、飛行隊がシンガポールを出撃してトラックに進出。12月22日、龍鳳は飛行隊を残してトラックを出港。12月27日から翌年1月9日まで、飛行隊がカビエンに派遣された。昭和19年1月1日、龍鳳が瀬戸内海西部に帰投。1月25日、飛行隊がラバウルに進出。2月20日、飛行隊がトラックに後退。3月4日、所属飛行隊は第652航空隊に再編された。3月末、サイパン輸送及び瀬戸内海での着艦訓練を実施。5月11日、あ号作戦参加のため瀬戸内海を出港。6月19日、マリアナ沖海戦に参加。6月20日、艦上機の攻撃を受けて損傷した。6月24日、瀬戸内海に帰投。7-8月、修理と改装を実施。7月10日、第３艦隊第１航空戦隊に転属。8月10日、第３艦隊第４航空戦隊に転属。10月、捷一号作戦が発動されたが、飛行隊が再編できず、参加できなかった。10月末からキールンへの輸送任務を実施。以降は呉軍港に係留されたままとなった。11月7日、第１機動艦隊旗艦となった。11月15日、第１機動艦隊が解隊されたため、連合艦隊第１航空戦隊に転属。昭和20年1月1日、第２艦隊第１航空戦隊に転属。3月19日、呉で空襲を受けて爆弾５発を被弾、飛行甲板や格納庫を損傷して大破した。その後飛渡瀬付近に疎開繋留された。4月20日、連合艦隊から除かれて呉鎮守府部隊に転属し、特殊警備艦となった。7月24日、呉で爆撃を受けて損傷した。7月28日、呉で空襲を受けて損傷した。終戦時は小破の状態だった。ただ航行は出来ても損傷と火災の影響で船としての能力を発揮することは無理で、引揚輸送には使用されなかった。11月30日に除籍された。昭和21年4月2日、播磨造船所呉船渠で解体が開始され、9月25日に終了した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌、図解日本の空母、月刊世界の艦船2,'23、帝国陸海軍事典、日本海軍戦闘機隊、日本航空母艦史

＜龍鳳型＞：日本海軍空母、基本計画番号G7。昭和16年末から潜水母艦大鯨を改造して製作され、昭和17年11月に竣工した。船体はそのままで、艦首にシアとフレアを持つ。ただ電気溶接部分に歪みが生じるなどの問題が出たため、後に鋲接に変更している。格納庫前方の上甲板室上に支柱２組を設けて飛行甲板を設置した。飛行甲板は全長185m、前端幅12m、中央幅23m、後端幅16mで、前後に１基ずつエレベーター（13m×12m）がある。前部エレベーターの前に着艦制止柵２基と遮風柵があり、前後エレベーター間には８本のアレスティング・ワイヤを持つ。格納庫は２段式で、当初は空母機動部隊の攻撃力増勢に使用する予定だったので艦爆18機と艦攻（偵察用）４機のみの搭載とされたが、実際には防空任務メインに変更されて艦戦と艦攻を積んでいる。前部飛行甲板支柱前方の上甲板室両舷には25mm３連装機銃２基が装備された。従来の羅針艦橋を撤去して飛行甲板下の操舵室を羅針艦橋兼操舵室に改造、その後方に伝令所、作戦室兼海図室などを設け、両舷には瑞鳳型と同様の指揮・見張り施設、補助艦橋、防空艦橋が設置された。補助艦橋の下には舷外通路があり、左側のものは大型で起倒式の信号用マストが置かれた。艦尾形状はクルーザー・スターンで、舵は外側に20度の傾斜を持つ２枚の平衡舵である。後部甲板には飛行甲板支柱１組が立てられた。主機は潜水母艦時代のディーゼル（増載して速力強化する予定だった）が不調だったため陽炎型駆逐艦と同じタービンに換装されている。右舷中央に斜め下向き煙突１本を持つ。全長215.65m、最大幅19.58m、平均吃水6.67m、基準排水量13360トン。主機は艦本式オールギヤードタービン２基、主缶はロ号艦本式重油専焼水管缶４基、２軸推進、出力52000馬力、速力26.5ノット、重油搭載量2400トン、航続距離は18ノットで8000海里。兵装は八九式12.7サンチ連装高角砲４門（前後エレベーター付近両舷に１基ずつ）、九六式二五ミリ三連装機銃10基（飛行甲板前端下の上甲板上に２基、艦尾に２基、中央部両舷に３基ずつ）。搭載機数は零戦21機（全機常用）、一四試艦攻11機（常用９機、補用２機）の予定で、４機を甲板繋止とした。実際には常用24機、補用７機だった。乗員989名。参考：図解日本の空母、日本航空母艦史、月刊丸2,’12別冊付録、月刊世界の艦船9,’14

＜龍鳳型（改装）＞：昭和19年7-8月、あ号作戦の修理の際に飛行甲板を前に15m延ばし、支柱を簡易型に変更、羅針艦橋前方の最上甲板に25mm３連装機銃４基、連装機銃４基を設置、艦首に25mm単装機銃２門を装備した。他に25mm単装機銃21門、13mm単装機銃18門、12サンチ28連装噴進砲６基、電探を搭載している。羅針艦橋前方の甲板中央には12.7cm高角砲装填演習砲１門が置かれた。参考：図解日本の空母、日本航空母艦史

＜龍鳳戦闘機隊＞：昭和18年7月2日、ラバウルに進出。すぐにブインに移動し、7月4日、レンドバ沖攻撃に参加。9月1日、所属の全員が第26航空戦隊に移った。本土で再編され、10月19日からシンガポールで訓練に入った。12月10日、シンガポールを発ってトラックに進出。昭和12月27日、カビエンに派遣された。1月25日、ラバウルに進出。2月20日までに40機を撃墜したが、稼働機が4-5機にまで減少し、トラックに後退した。3月4日、第652航空隊に再編された。参考：日本海軍戦闘機隊

＜リューリカ＝サトゥルン特殊設計局＞：A.リューリカ＝サトゥルン特殊設計局を参照。

＜リューリカ設計局＞：ソ連のエンジン設計局Lyul'ka（アルヒープ・ムィハーイロヴィチ・リューリカ技師から）。後にエンジン製造所サトゥルンと合併して株式会社化し、A.リューリカ＝サトゥルン特殊設計局になった。参考：月刊JWings1,’21

＜リュ・グアンスン＞：柳寛順（潜水艦）を参照。

＜リュ・ソンヨン＞：993（イージス艦）を参照。

＜リュッチェンス＞：D-185（駆逐艦）を参照。

＜リュッチェンス級＞：チャールズ・Ｆ・アダムス級・海外シリーズ（駆逐艦）を参照。

＜リュッツォ＞：SS義勇第37騎兵師団を参照。

＜リュッツォ＞：ドイツ海軍デアフリンガー級巡洋戦艦Lützow。1916年竣工。1916年5月31日、ジュットランド海戦に第１偵察戦隊旗艦（ヒッパー中将座乗）として参加。38.1cm主砲弾含む24発を被弾し、うちインヴィンシブルからの２発が水線部に命中して行動不能となり、6月1日に味方駆逐艦の雷撃により処分された。参考：近代戦艦史、月刊世界の艦船6,’16、歴史群像6,’16

＜リュッツォ＞：ドイツ海軍プリンツ・オイゲン級重巡洋艦３番艦Lützow。1937年起工、1939年7月1日進水。1940年2月、ソ連に売却されることになり、4月にレニングラードに曳航され、9月にペトロパブロフスクと命名された。参考：写真集ドイツの巡洋艦、近代巡洋艦史、月刊丸1,’10別冊、ソ連／ロシア巡洋艦建造史

＜リュッツォ＞：ドイツ海軍ドイッチュラント級ポケット戦艦Lützow（ナポレオン戦争時の軍人）。元はドイッチュラントという名称だったが、戦没した際に国民の士気に悪影響があるということで1939年11月15日にヒトラーが改称させた。1940年4月、高角砲を65口径10.5cm連装高角砲３基に換装。4月7日からノルウェー攻略ヴェーゼル演習作戦に参加。4月11日、重巡洋艦ブリュッヘルと共にオスロ攻撃に向かったが、スカウ沖でイギリス海軍潜水艦N69スピアフィッシュの雷撃を受け、艦尾を大破した。1941年6月、ノルウェーに向かったが、イギリス軍機の空襲を受け損傷した。1942年5月、アドミラル・シェーアと共に第２戦闘群に編入された。7月、PQ17輸送船団攻撃に向かったが、座礁した。12月30日、レーゲンボーゲ作戦に参加。12月31日、バレンツ海海戦に参加。1943年からバルト海で訓練に使用された。夏、ノルウェー方面で対ソ支援船団攻撃任務に就いた。1944年秋、東部戦線で地上支援を実施。1945年4月16日、バルチック海シュヴィーネミュンデ南沖でイギリス爆撃機の空襲を受け、トールボーイの至近弾により大破着底した。その後も弾薬が尽きるまでソ連軍に対する砲撃任務を続けている。5月4日、ソ連に鹵獲されるのを防ぐため、乗員により爆破処分された。ソ連軍が残骸を接収し、1947年に標的として処分。1949年に解体された。参考：月刊世界の艦船7,’15、月刊丸3,’90、4,’17、写真集ドイツの巡洋艦、グラフィックアクション44、JShips VOL.70

＜リュッツォウ＞：ギュンター・リュッツォウ（ドイツ空軍エース）を参照。

＜リュティヒ作戦＞：第２次大戦時にノルマンディーに上陸し、コブラ作戦でブルターニュ半島南西付け根のアヴランシュを陥落させた連合軍に対してドイツ国防軍が計画した反撃作戦。西方軍総司令官フォン・クールゲ元帥は戦線を整理して新しい防御線を引く予定だったが、ヒトラーが連合軍橋頭堡撃滅作戦に話を膨らませてしまった。アメリカ第３軍の後方連絡路となっているアヴランシュを攻略して孤立させるもので、8月6日に８個機甲師団と歩兵・降下猟兵８個師団をもって開始する予定だったが、２個機甲師団の到着が遅れ、8月7日0000に変更された。攻撃発起点はフレールの南からモルタンの東にかけてで、第47機甲軍団の３個機甲師団（本当は４個師団の予定だったが、１個師団は師団長が作戦に疑問を感じており、動かなかった）が突撃を開始した。しかし夜明けには天気予報が外れて朝靄が発生せず、空襲を避けるために擬装に入ったが、延べ1000機の連合軍戦闘爆撃機により損害が続出したため、座して死を待つよりも突撃を選んだ。連合軍はウルトラ情報でドイツ国防軍の反撃を把握して防御を強化しており、モルタン北方の317高地に孤立した連合軍１個大隊が的確な砲撃指示を出し、ドイツ国防軍に大損害を与えて攻撃を頓挫させた。8月7日深夜、カナダ第１軍がファレーズ奪還を目指すトータライズ作戦を開始し、8月10日にはアメリカ第15軍団が北上、リュティヒ作戦部隊が包囲される危機が生じ、ファレーズからの脱出に主眼が移ることとなる。参考：月刊PANZER8,’01、4,’93、月刊丸12,’11

＜リュビ＞：S-601（原潜）を参照。

＜リュビ＞：フランス海軍サフィール級機雷敷設潜水艦Rubis。1933年竣工。1940年7月、自由フランス軍に加わった。第２次大戦中は1940年5月から1944年12月まで28回の作戦行動で683個の機雷を北海やビスケー湾に敷設し、14隻の商船と７隻の小艦艇を沈めた。1949年に解体された。参考：第２次大戦のフランス軍艦、月刊世界の艦船6,’09

＜リュビ級＞：フランス海軍攻撃型原子力潜水艦Rubis（ルビー）級。フランス初の攻撃原潜で、1964年に4000トン級で計画されたが高額すぎて1968年に中止され、その後アゴスタ級を原子力化した小型安価版として復活し、世界一小さい実戦用原潜になった。主任務を対水上戦に置いて設計されたが、1-4番艦を運用してみると水中高速航行時の静粛性などに難があったらしく、５・６番艦は艦首をマッコウクジラ型から涙滴型に変更して全長を1.3m延長、対水上戦と対潜戦の両方を行えるようシステムの改良を行うなどして就役したため、アメティスト（紫水晶の意。Amelioration Tactique Hydrodynamique Silence Transmission E’coute、戦術・流体力学・静粛・通信・聴音向上の略）バッチと呼ばれる。静粛性を重視して主機は原子力ターボ・エレクトリック方式にした。DMUX20バウソナーとDSUV62C曳航アレイソナーを搭載する。戦闘システムはSADE統合指揮管制装置、対水上・航海レーダーはDRUA33、ESMはDR3000U。運用は２クルー制。全長72m（1-4番艦）／73.6m（５・６番艦）、幅7.6m、吃水6.4m、水上排水量2410-2449トン、水中排水量2670-2713トン。主機は原子力ターボ・エレクトリック方式、CAS48原子炉（出力48MW）１基・蒸気タービン発電機２基・電動モーター（9500馬力）１基、出力9500馬力、１軸推進、水中速力25ノット以上。潜航深度300m以上。兵装は艦首の533mm魚雷発射管４門で、F17Mod2魚雷とSM39エグゾセミサイル合計14本または機雷32個を搭載する。乗員68名（66名？士官10名＋下士官52名？）。S-601リュビ、S-602サフィール、S-603カサビアンカ、S-604エムロード、S-605アメティスト、S-606ペルルの６隻が1983-93年に就役した。７・８番艦も作る予定だったが、冷戦終結で建造が打ち切られている。1989-95年、1-4番艦がアメティスト・バッチと同様の改装工事を受け、艦首形状変更で全長が５・６番艦と同じになった。参考：世界の潜水艦ハンドブック改訂第２版、月刊軍事研究9,’12、5,’17、2,’01、月刊世界の艦船10,'23、6,'21、8,’18、10,’02、3,’00、11,’16、2,’10、6,’01、9,’12増刊、1,'15増刊、現代の潜水艦

＜リュングマン・モデルＡＧ４２＞：スウェーデン軍セミオートマチックライフル。カール・グスタフAB.が開発し、1942年に採用された。作動はガス直接利用式で、レシーバーはスチールの削り出しである。ボルト操作時に指を挟みやすいという欠点がある。全長1224mm、銃身長652mm、重量4.75kg。ライフリングは４条右回り。使用弾は7.92mm×57弾で、装弾数10発。エジプトやデンマークでライセンス生産もされた。参考：最新軍用ライフル図鑑

＜リュングマン・モデルＡＧ４２海外シリーズ＞

　＜ハキム＞：エジプト軍セミオートマチックライフル。マズル・コンペンセイターなどに改良が施されている。全長1280mm、銃身長650mm、重量4.65kg。ライフリングは４条右回り。使用弾は7.92mm×57弾で、装弾数10発。参考：最新軍用ライフル図鑑

＜旅＞：中国軍の部隊単位で、旅団に相当する。参考：月刊軍事研究5,’16

＜了＞：自衛隊用語で、了解の略。参考：スピアヘッドNo.13

＜領域横断的＞：クロス・ドメイン（Cross Domain）ともいう。防衛省が2019年度概算要求や2022年12月策定の防衛３文書などで提示した概念で、陸海空という従来の領域に、宇宙、サイバー、電磁波といった新領域を加え、これらの領域を一元的な指揮統制下に運用し、横断的に活用すること。統合運用よりも一歩進んだ概念で、これにより防衛力の質と量を必要かつ十分に確保できるようにする。ある領域の弱点がそのまま領域横断してしまうと、栄養の樽理論の如く全領域の足かせになりかねないので、それを他領域でカバーする方向で領域横断的運用を行う必要がある。参考：月刊軍事研究12,’18、月刊世界の艦船4,’23、月刊JWings8,’24、朝雲

＜領海＞：沿岸国の主権が及ぶ海域（上空、海底、海底の地下を含む）。各国は沿岸から3-200海里とまちまちに設定していた（西側諸国は３海里、東側諸国は12海里が多かった）が、これだと船舶の自由航行ができなくなるので、1958年の第１次国連海洋法会議で話し合われたが合意が得られず、1960年の第２次国連海洋法会議でも纏まらず、1973-82年の第３次国連海洋法会議で領海を12海里以内に決定、1994年の国連海洋法条約で200海里の排他的経済水域を設定すると同時に領海を基線（沿岸国が公認する大縮尺海図に記載されている海岸の低潮線）から12海里以内と正式に制定し、沿岸国の権利を保ちつつ船舶の航行も自由にできるようにした。自然に形成された陸地で満潮時に海面下に沈むもの（低潮高地）は、全部又は一部が本土または島から領海の幅を超える距離にある場合、人工的に海面上に現れるようにしても領海やEEZは主張できず、周囲500mを安全範囲とするのみとなる。軍艦を含む船舶には領海内無害通航の権利が国際的に認知されており（国連海洋法条約第17条、同第19条１項）、安全保障上の害を及ぼさなければ他国領海であっても航行が可能で、領海に侵入した艦船を無条件に撃沈することはできない。ただし安全保障上の害には武力による威嚇や武力行使だけでなく、ECMなどの妨害、訓練や演習、防衛関連情報収集、航空機や軍事機器の発着・積み込み、海洋汚染、漁業活動、調査測量なども含むので注意。潜水艦（潜水船）は海面上を航行し、かつ旗を掲げなければならない（国連海洋法条約第20条）。航空機には無害通航権は適用されないので、安全保障上の害が無くても領海上空に入った時点で領空侵犯である。国連海洋法条約第25条に基づき、自国の安全の保護（武器を使用する演習を含む）のため不可欠である場合に限り、無害通航を一時的に停止することができ、危険海域を告示するなど、通航船舶への配慮を行う。国際海峡のうち、その全体が沿岸国の領海となっているものは、国連海洋法条約に基づいて通過通航権が認められており、安全保障上の害を及ぼさなければ潜水艦の潜航通過も可能で、上空を航空機が通っても領空侵犯にはならない。参考：月刊軍事研究9,’06、9,’09、11,’16、ベーシック条約集2018、月刊世界の艦船10,'15、1,'16、月刊JWings4,’13、11,’07、1,'22、ザ・マーチ39号、朝雲

　＜領海（日本）＞：自衛隊や海上保安庁が常時警戒監視活動を行っているが、自衛隊法にも海上保安庁法にも領海警備の規定は無く、根拠となる法律は防衛省設置法第４条18項の調査研究と、海上保安庁法第２条の航行秩序維持であり、領海法には無害通航にあたらない航行の具体的規定も無い。1977年5月2日公布・7月1日施行の領海法（1996年6月14日に領海及び接続水域に関する法律に改称）で12海里の領海を規定した。しかし、附則２号で宗谷海峡、津軽海峡、対馬海峡東水道、対馬海峡西水道、大隅海峡については他国船舶が航行に使用する国際海峡であるとして「特定海域」に指定し、領海は当分の間３海里となっている。ここを12海里にすると、海峡間全てが日本の領海となり、米露中の核搭載艦が通過した際に非核三原則に触れることになる他、国際海洋法条約により海峡全体に無害通航権でなく通過通航権が認められ、安全保障上の害が無ければ他国潜水艦は潜航通過でき、上空も他国航空機が通れてしまう。1996年12月24日、「我が国の領海及び内水で潜没航行する外国潜水艦への対処について」を安全保障会議と閣議で決定し、領海や内水で潜没航行する潜水艦に対しては閣議決定を経ず防衛庁長官／防衛大臣が内閣総理大臣の承認だけで海上警備行動を発令する、とした。2005年1月19日、領水内潜没潜水艦に関する対処方針を改定。2008年6月11日公布・7月1日施行の領海等における外国船舶の航行に関する法律で、領海及び内水での外国船舶の航行方法や航行規制に関する措置などを定めた。2013年5月13日、国籍不明の潜水艦が領海内に入った場合、自衛隊に海上警備行動を発令し、浮上して国旗を掲げるよう求めると、防衛大臣が表明した。2015年5月14日、外国軍艦が領海及び内水で無害通航に該当しない航行を行った場合で、海上警備行動を発令するのに必要な閣議を開いている暇が無い時は、内閣総理大臣が電話などで国務大臣の了解を得て閣議決定とすることにした。どうしても連絡が付かなかった場合は事後承諾にする。参考：ザ・マーチ39号、月刊軍事研究11,’16、月刊世界の艦船7,’19、4,'23、月刊JWings1,’22、ベーシック条約集2018、朝雲

＜僚艦防空＞：Local Area Defence。あきづき型護衛艦が備えている防空能力で、弾道ミサイル対処に専念すると経空脅威を排除できなくなるこんごう型イージス護衛艦を守るものである。防空ソフトウェアに自艦から逸れる横行目標を攻撃できる能力を追加し、比較的長射程のESSMにより迎撃できるようにした。ESSMの射程内に捉えた目標を見境無く迎撃しても無駄弾が増えるだけなので、僚艦の攻撃に向かう脅威を識別して優先迎撃しつつ、自艦に向かってくる脅威も撃ち落としていくプログラムが必要になるが、どの程度の能力を備えているかは当然ながら公表されていない。参考：月刊世界の艦船12,’18

＜僚機＞：ウイングマンを参照。

＜領空＞：National Air Space。領土と領海の上空にあたる領域で、1944年12月7日制定の国際民間航空条約（通称シカゴ条約）で規定されている。第３条（ｃ）で、民間航空機（軍、税関、警察といった国の航空機は除く）は許可を受けなければ他国領域上空を飛行してはならないと定められていて、事前の許可無く侵入すると領空侵犯・国家人格権侵害となり、国際法違反となる。ただし、違反したからといって問答無用で撃墜することに正当性を与えてはおらず、第３条の２「武器の不使用」で飛行中の民間航空機に対して武器使用を差し控えなければならず、要撃する場合には航空機内の人命を脅かしたり航空機の安全を損なってはならないと規定されている。とはいえ、この規定は国連憲章に定める国の権利と義務を修正するものではなく、実力行使が排除されている訳でも無いが、武力行使で対応する場合には正当防衛や自衛権の行使といった他の正当な理由に基づく必要がある。民間航空機が許可無く領空を飛行した場合や、領空を飛行しているのが国際民間条約と両立しない目的のため使用されている民間航空機だった場合、国際民間航空条約第３条の２（ｂ）に基づき、指定空港に着陸するよう要求するか、領空侵犯を終止させるための指示を出すことができ、すべての民間航空機はこの命令に従う義務がある。主権の及ぶ高度には触れておらず、国家の実効的支配が及ばない（航空機も対空ミサイルも届かない）ような超高々度は領空には属さないとみなしている。つまり、概ね大気圏内であり、偵察衛星の領空侵犯は今のところ問題にされない。領海の外側にあたる接続水域・排他的経済水域や航海の上空は国際空域で、軍民問わず上空通過は自由である。参考：ベーシック条約集2018、月刊丸3,’14、月刊軍事研究3,’03、月刊航空ファン7,’17、月刊JWings1,’23、5,’23

＜領空侵犯（日本）＞：1967年8月19日、北海道礼文島上空をソ連機１機が侵犯。1974年2月7日、北海灯礼文島上空をソ連機１機が侵犯。1975年9月24日、伊豆諸島式根島・神津島間の領海上空をTu-95爆撃機２機が侵犯。1976年9月6日、MiG-25亡命事件。1977年9月7日、五島列島西方の白瀬島北西領海上空をTu-95爆撃機２機が侵犯。1978年3月17日、対馬東方領海上空をTu-95爆撃機１機が侵犯。12月5日、北海道礼文島北方領海上空をソ連機１機が侵犯。1979年11月15日、尖閣諸島大正島南方領海上空をTu-95爆撃機２機が侵犯。1980年6月29日、能登半島北方軸倉島北東領海上空をIl-38哨戒機２機が侵犯。8月18日0700頃、五島列島南東領海上空をIl-62哨戒機１機が侵犯。1981年6月6日、北海道礼文島北方領海上空をIl-14哨戒機１機が侵犯。7月24日、北海道礼文島北方領海上空をソ連機１機が侵犯。1982年4月3日、長崎県男女群島鳥島西方領海上空をIl-62哨戒機１機が侵犯。1983年10月15日、北海道知床岬北東領海上空をソ連の不明機２機が侵犯。11月15日、福岡県沖ノ島北西領海上空をTu-16爆撃機１機とTu-95爆撃機１機が侵犯。1984年11月12日、福岡県沖ノ島北西領海上空をTu-16爆撃機１機が侵犯。11月23日、福岡県沖ノ島北西領海上空をTu-95爆撃機１機とTu-142哨戒機１機が侵犯。1986年2月6日、北海道礼文島北方領海上空をソ連機１機が侵犯。1987年8月27日、北海道礼文島西方領海上空をソ連機１機が侵犯。12月9日、沖縄本島上空と徳之島・沖永良部島間の領海上空をTu-16爆撃機１機が侵犯。1989年4月21日、北海道礼文島北方領海上空をソ連機１機が侵犯。1991年7月6日、北海道根室半島南方領海上空をAn-30機１機が侵犯。8月15日、北海道礼文島北方領海上空をTu-95爆撃機２機が侵犯。1992年4月10日、北海道礼文島上空及び稚内北西領海上空をAn-12機１機が侵犯。5月7日、北海道枝幸沖領海上空をロシア機１機が侵犯。7月28日、長崎県対馬東方領海上空をTu-154哨戒機１機が侵犯。1993年8月31日、青森県久六島西方領海上空をIl-20哨戒機１機が侵犯。1994年3月25日、尖閣諸島魚釣島領海上空及び久場島領海上空を台湾のB-350機１機が侵犯。1995年3月23日、北海道礼文島領海上空をMiG-31戦闘機１機が侵犯。2001年2月14日、北海道礼文島領海上空をTu-22機２機とロシア機２機が侵犯。4月11日、北海道礼文島北方領海上空をロシア機１機が侵犯。同日、青森県久六島西方領海上空をSu-24戦闘機１機が侵犯。2006年1月25日、北海道礼文島北方領海上空をAn-72機１機が侵犯。2008年2月9日、伊豆諸島南部嬬婦岩領海上空をTu-95爆撃機１機が侵犯。これを受けて日露間で航空チャートの擦り合わせが実施された。2012年12月13日、尖閣諸島魚釣島南方領海上空を中国軍Y-12機１機が侵犯。2013年2月14日、北海道利尻島南西沖の領海上空をSu-27戦闘機２機が侵犯。8月22日1200過ぎ、福岡県沖ノ島北西領海上空をTu-95爆撃機２機が侵犯（1958年以降37回目）。2015年9月15日14時５分５秒から14時４分21秒、ロシア機が根室半島沖の領空を侵犯（1958年以降38回目）。2017年5月18日1052-1056、尖閣諸島領海に侵入した中国海警2308が魚釣島西北西14kmで小型無人機を発進させて領空も侵犯した。2019年6月20日午前8時53分32秒、ロシア空軍Tu-95爆撃機２機が沖縄県南大東島領海上空の東経131度00分・北緯25度46分に西から侵入し、午前8時56分18秒に東経131度05分・北緯26度03分を北に退去した。午前10時21分55秒、同じ２機が八丈島領海上空の東経139度28分・北緯33度13分に南西から侵入し、午前10時23分51秒に東経139度44分・北緯33度22分を北東に退去した。外務省の駐日ロシア大使館に対する抗議に対し、ロシア国防省は公海上空の飛行と反論しており、航法ミス説が出ている。7月23日、ロシア空軍A-50早期警戒管制機１機とTu-95爆撃機２機がウラジオストク方面から竹島に接近し、中国軍轟炸６型爆撃機２機が東シナ海から対馬海峡東水道を抜けて日本海に入り竹島に接近。Tu-95爆撃機２機と轟炸６型爆撃機２機は竹島沖で合流してＵターンし、対馬海峡を南下して東シナ海に向かったが、A-50は竹島東北東沖から竹島に接近し、午前9時9分38秒から午前9時12分31秒まで竹島東の領空内を南に通過、その後北に反転して午前9時33分34秒から午前9時37分29秒まで竹島西の領空内を北に通過し、２度の領空侵犯を行った。韓国空軍F-15K戦闘機１機とF-16戦闘機１機がスクランブル発進し、計360発の警告射撃を行っている。韓国はロシアに対して抗議したが、ロシアはTu-95爆撃機２機が公海上空で訓練飛行を行ったもので警告射撃も受けていないと発表した。日本は竹島を防空識別圏外に置いているため、A-50に対してスクランブル発進は行わず（Tu-95と轟炸６型に対しては実施）、韓国とロシアに対して抗議している。2020年10月2日1223頃、北海道知床岬の領海上空でMi-8ヘリが領空を侵犯した。機体に赤十字マークがあり、数分で領空を離脱したことから、防衛省は単純ミスによる侵犯とみて調査し、外務省を通じて詳細を確認している。2021年9月12日0937頃と0958頃、ロシア民間企業An-26輸送機（機体番号RA26521）１機が北海道知床岬の領海上空で領空を侵犯した。外務省ロシア課長が駐日ロシア大使館参事官に、在ロシア日本大使館公使がロシア外務省担当局次長レベルに抗議している。2022年3月2日1023頃、ロシア軍ヘリコプターと推定される１機が北海道根室半島沖の領空を侵犯した。防衛省が外交ルートを通じてロシアに厳重な抗議を行い、再発防止を強く求めている。2023年2月16日、アメリカによる中国偵察気球撃墜を受け、領空侵犯した気球や無人機が日本のものでないと認定された場合、撃墜が可能であるという新たな武器使用基準を定め、運用を開始した。10月31日1244頃、ロシアのものと推定されるヘリコプター１機が北海道根室半島沖の領海上空を侵犯した。2024年8月26日、Y-9情報収集機１機が東シナ海から東に進み、長崎県男女群島南南東沖から東沖にかけて周回し、1129-1131に男女群島東の領空を侵犯（中国軍機として初）した。その後、男女群島南東沖から西に進み、東シナ海に戻っている。9月23日、ロシア軍Il-38哨戒機が日本海を東北東に進み、樺太半島南部東のモネロン島で変針して南北に往復を繰り返し、1303-04頃、1531頃、1542-1543頃の３回にわたり、北海道礼文島北方の領海上空を侵犯した。その後モネロン島から西南西に変針し、日本海に向かっている。参考：朝雲、月刊JWings11,’13、12,'15、9,’19、10,’19、12,’20、12,'21、11,’24、月刊軍事研究4,’14、月刊世界の艦船12,'15、8,’17、5,'22、5,'23、月刊航空ファン9,’19

＜両舷直＞：日本海軍兵科（狭義）所属員で、従兵や衛兵などの役目を割り当てられなかった者が所属する部署。弾薬・食糧搭載、カッター揚収といった通常航海中の各種作業にあたる。参考：続日本海軍よもやま物語

＜両舷灯＞：海上自衛隊用語で、永年勤続10年・25年の防衛記念章しか付けていない自衛官のこと。向かって右に赤（10年勤続）、左に緑（25年勤続）という舷灯と同じ配置になるので。参考：月刊世界の艦船8,’11増刊

＜猟犬と野兎＞：第１世代赤外線パッシブホーミングを参照。

＜良好＞：日本海軍で検査などの成績を示すのに使用される言葉。評価は４段階で、上から順に極めて優良、概ね良好、良好、やや良好である。普通とか不良とかは無いので、やや良好が一番悪い。参考：海軍よもやま物語

＜量産イーグル・パッケージ２０００＞：F-15C（戦闘機）を参照。

＜量子井戸型赤外線検知素子＞：QWIPを参照。

＜量子化移相誤差＞：フェイズド・アレイ・レーダーで問題となる誤差。フェイズド・アレイ・レーダーでは各電波ビームの位相を0-2πの範囲で遅延させてレーダーの走査方向を制御するが、移相器では無段階で遅延できる訳では無く、4-6ビット（16段階から64段階）くらいで量子化しているので、理想的な遅延量からの誤差が生まれる。これが量子化移相誤差で、アンテナ利得、ビーム幅、ビーム指向方向、サイドローブレベルが劣化（特に後二者）してしまう。通常は確率的なばらつきを持って誤差が生じるが、レーダー波を特定の方向に向けた際、数素子ごとに同一誤差が繰り返し発生するような規則性が生まれ、サイドローブが無視できないレベルに上昇することがある。これを防ぐため、各アンテナ素子の移相量にランダムな一定の移相量を加えて規則性を生じないようにするといった手法が必要になったりする。ビーム指向方向のずれは、アンテナ素子数100で３ビット移相器を使用した場合、ビーム幅の1%以下くらいなので、捜索レーダーなら問題無いレベルだが、追尾レーダーや射撃指揮レーダーとして使う場合には精度に欠けるので、アンテナ素子を増やす、移相器のビット数を増加させる、各素子順送りで１ビットずつ移相器の設定を進める、といった工夫で解決する。参考：レーダシステムの基礎理論

＜聊城＞：608（コルベット）を参照。

＜糧食班＞：陸上自衛隊駐屯地業務隊隷下の組織で、駐屯地での食事提供が主任務である。トップは糧食班長で、調理長、食堂長、栄養担当官（献立を作る）、検収係（食材をチェックする）などからなるが、要員が足らないため、他部隊からの応援（キッチン・ポリス、KPと呼ばれる）を受ける。ここでの調理経験が災害派遣などで活きるため、新人自衛官の格好の調理教育現場であったが、最近は人員不足と予算不足の関係で、民間から応援要員を集めることもある。応援要員を纏めるのは糧食班調理分隊長。参考：MORIBITO Vol.3

＜糧食用線量率計＞：陸上自衛隊の放射線検知器。フォールアウトで汚染された可能性のある糧食や水などの汚染度を測定するために使用する。本体重量15kg、付属品等重量13kg。アルファ線、ベータ線、ガンマ線を1-99999カウントの範囲で測定可能。富士電機製。需品科部隊に装備されている。参考：自衛隊装備カタログ1981

＜糧食用線量率計３形＞：陸上自衛隊のγ線検知器で、フォールアウトにより汚染された疑いのある糧食、水などの測定を行う。地域用線量率計３形とほぼ同じもので、測定器の検知部がサンプル測定用に変わっている。総重量7.5kg。参考：月刊軍事研究6,’11、自衛隊装備年鑑1996

＜良心的兵役拒否＞：個人が意識・思想・信条の自由に基づいて兵役を拒否すること。単に嫌だからとか面倒だからというのは該当しない。信仰上の理由で兵役に就かず、代わりに金銭納付で済ませる制度はオランダで1575年に制定されており、他の欧米諸国にも広まった。国連では1993年の「市民及び政治の権利を認める国際盟約」で定義され、1995年3月8日の国連人権委員会決議で市民だけでなく現役軍人もこの権利を有するとされている。ちなみに毎年5月15日は国際良心的兵役拒否の日である。参考：月刊軍事研究10,’14

＜利用推力＞：Available thrust。エンジンが特定の条件（高度、外気温度、推力設定）において発揮しうる推力のこと。参考：航空用語事典増補改訂版

＜リョーズキー＞：ロシア海軍ステレグシュチイ級コルベットRezkii。2016年起工。太平洋艦隊に配備される予定。参考：月刊世界の艦船9,’16

＜両棲偵捜大隊（台湾）＞：台湾海兵隊司令部直轄の特殊部隊で、敵橋頭堡への逆上陸作戦に備え、水陸両用偵察（ARP、Amphibious Reconnaissance and Patrol）任務を実施する。本部小隊、偵察中隊３個（第１中隊が水中偵察、第２・第３中隊が陸上捜索）、補給・役務中隊１個、特殊勤務中隊２個（対テロ作戦）、水中爆破中隊（機雷など各種障害の爆破）などから編成され、定員900名。装備はM8快速艇、手こぎボート、65式K2小銃、91式小銃などで、音の出ないクロスボウなども使用する。参考：月刊丸4,’07

＜両棲突撃車＞：水陸両用戦車を参照。

＜稜線射撃＞：戦車などが車体を戦車壕・地形障害に隠し、砲塔・武装だけ露出して稜線越しに射撃すること。参考：JGround VOL.4、陸上自衛隊地上戦力の全容

＜猟鳥犬式空中管制機＞：O-1海外シリーズを参照。

＜遼寧＞：16（空母）を参照。

＜遼寧級＞：中国海軍初の空母（中国では練習空母に類別）、001型Liaoning級。就役時点で中国海軍最大の軍艦だった。元はロシア海軍アドミラル・クズネツォフ級空母２番艦ワリヤーグで、マカオの企業（創律集団旅游娯楽公司）に売却されたのを中国が接収し、復帰させた。スカイウォッチの換わりに346型フェイズド・アレイ・レーダーを搭載、兵装をFL-3000N短距離艦対空ミサイル18連装発射機４基など近接防空用兵器のみとしている。STOBAR方式の空母で、飛行甲板（第１甲板）は左舷側に開角７度のアングルド・デッキを持ち、艦首飛行甲板は傾斜14度のスキージャンプ台となっていて、ブラスト・デフレクターが２基設置されている。滑走距離105m、スキージャンプ台からの発艦容量は26トン程度で、搭載兵装と燃料容量に制限が生じるため、殲撃15にバディ・ポッドを積んで簡易型空中給油機にするようだが、こちらの燃料容量にも限度があるので、頻繁に発着艦と燃料補給を繰り返さなければならない。飛行甲板中央左舷側にもブラスト・デフレクターが１基用意されていて、滑走距離195mあり、対地・対艦任務の際に使用する。発艦の際には殲撃15の主脚前方にブロック状のストッパーを立ち上げて機体の前進を抑えるが、新型艦上機が開発されたらホイールトラックに合わせた別のストッパーを追加するのか、新型機に艦側ストッパー不要の強力なブレーキを装備するのかは不明。アレスティング・ワイヤは４本で、装置本体は第２甲板に収容される。アレスティング・ワイヤはロシアから購入できず、中国は独自開発としているが、ブラジル海軍空母サン・パウロに搭載されたアメリカ製Mk7アレスティング・ワイヤの技術を導入したらしく、見た目はそっくりである。飛行甲板左舷後部にFLOLS（国産だがアメリカのものに類似）とLSOステーションがあり、ロシア式の着艦管制所も残されている。艦上機出撃回数は１日60ソーティを目標にしていたが、実際に運用してみたら40ソーティが限界だったらしい。飛行甲板右舷に煙突と一体化したアイランドがあり、その前後に１基ずつの舷側エレベーターを持つ。アイランド第１甲板−01甲板は艦長公室、高級居室（政治委員、編隊指揮員、航空兵団長用）、パイロット用２名居室、大会議室、当直室、待機室、食堂などに宛てられている。アイランド02甲板前方が航海艦橋、同後方が航空艦橋である。アイランド前端の前面・左側面と後端の右側面・後面に346型フェイズド・アレイ・レーダーのかまぼこ型アンテナが仰角80度で装着されていて、アイランド上面前後端に364型海鴎対空・対水上レーダーを収容したレドーム、アイランド中央上面タワーマストトップに382型三次元レーダー、マスト前方にデータリンクアンテナを収容した小ドーム、マスト左右に長距離レーダー用レドームが配置され、アイランド左右のスポンソンに電子戦装置が２基ずつ搭載される。アイランド後部にはAN/SPN-46精密進入着艦装置類似のアンテナが２基設置されている。格納庫は船体中央から後部の第3-5甲板レベルで、航空機運用の便を図るためターンテーブルを設けた。格納庫前方は長さ30mにわたって居住区と食堂になっていたが、これを撤去して格納庫に変更、床面積を1000平方メートルほど増やして5500平方メートル（長さ183m、幅29.4m、高さ7.5m）にした。格納庫内に殲撃15型戦闘機24機（18機？）を搭載できる。更に前方はP-700ミサイル区画だったが、全て撤去して作戦指揮区画（CICや司令部作戦室FICなど）としている。ここの両舷は幅3mの隔離船倉となっており、防護区画を兼ねる。元々作戦指揮区画があった第6-7甲板は居住区と食堂になった。主機区画は船体中央やや後ろ寄りの第５甲板より下で、前方から第１機械室、前部缶室、第２機械室、間を開けて第３機械室、後部缶室、第４機械室と並ぶシフト配置（前後缶室の間隔は70m）である。主機の蒸気タービンは使用不能状態（徹底的に破壊したとされていたが、配管の一部を切断した程度だったらしい）で、ディーゼルエンジンに積み替える話もあったが、最大速力が19ノットしか出なくなるので、修理して使えるようにした。殲撃15が兵装無しでアングルド・デッキから発艦している写真もあるので、ペイロード限定状態の殲撃15をスキージャンプ台無しでも発艦させられるくらいの速力は発揮できるようである。缶室には艦の中心線に一致する隔壁が設けられており、左右に重油専焼缶２基ずつを収容している。艦載戦闘システムはH/ZBJ-1。全長304.5m、船体幅37m、飛行甲板最大幅70m、吃水10.5m、キールからマストまでの高さ60m、基準排水量46637トン、満載排水量59439トン。主機は蒸気タービン４基、主缶は重油専焼缶８基、出力200000馬力、４軸推進、速力30ノット、航続距離4000海里（30ノット）。発電機はタービン（出力1.5MW）９基＋ディーゼル（出力1.5MW）６基。兵装はHHQ-10近接防御艦対空ミサイル18連装発射機FL3000N飛豹が４基（艦両舷前後に１基ずつ）、RBU6000対潜ロケット発射機２基（飛行甲板後部両舷スポンソン。対魚雷用に使うらしい）、1130型CIWS３基（RBU6000の後方スポンソンに１基ずつ、スキージャンプ台付け根右舷スポンソンに１基）。自衛用に726-4型24連装デコイ発射機４基（左舷中央に２基、艦尾両舷に１基ずつ）と16連装対魚雷デコイ発射機を装備する。搭載機は殲撃15戦闘機18-24機、Z-18F対潜ヘリ（Z-8対潜ヘリ？）６機、Z-18J早期警戒ヘリ（Z-18YJ？Ka-31？）４機、Z-9C救難ヘリ（Z-9G？）２機とみられる（Ka-28/-31/Z-8S/-8JHヘリ計17機？）。乗員1334名（将校536名、下士官741名、水兵823名の計2100名？）、航空要員626名（500名？）、司令部要員40名。2012年9月25日に遼寧が就役した。名前は施琅（Shilang。17世紀に台湾を征服した将軍）になるという話もあったが、ただでさえ尖閣諸島と南シナ海で周辺諸国と揉めまくっているのに、これ以上刺激しまくるのはまずいと思ったようだ。突貫工事で完成させたためか、ある部門では造船作業中に15人の死者が出たという（中船重工集団公司第701研究所・遼寧システム主任設計師の話）。パイロットの訓練にはブラジルの支援も受けているらしい。デッキ・オペレーションはアメリカ式で、飛行甲板上の要員もライフ・プリザーバー・ベストMk1のような色分けベストを着用している。これをベースに国産の002型空母を建造しており、本艦は訓練用空母として使用するとみられる。2018年8月から大連造船所で整備改修に入り、着艦拘束装置用油圧システムとアレスティング・ワイヤを新型に換え、アイランド前面の形状を平坦にしてRCSを減らし、航空艦橋の窓を拡大するなどの改装を行い、動力系に改良を加え、メイン・レーダー以外の電子兵装（ECM/ESM含む）を002型空母と同じものに換装した。2023年2月から2024年2月、艦齢延長・改装工事を行い、発着艦標識の更新などを実施した。2024年2月29日からの洋上公試では殲撃35型艦上戦闘機とみられるモックアップを積んでおり、搭載に備えた改修を行ったかもしれない。参考：月刊世界の艦船3,’20、4,’16、10,’16、3,’17、10,’17、5,’15、11,’15、6,’14、11,’11、9,’11、8,’11、1,’02、4,’10、3,’10、4,’11、1,’12、2,’12、5,’12、9,’12、8,’13、9,’13、12,’13、1,’14、12,’14、12,’18、6,'24、月刊JWings5,’02、5,’14、10,’12、12,’12、2,’13、月刊軍事研究4,’12、10,’12、2,’15、8,’07、4,’99、9,’09、3,’12、10,’12、4,’13、月刊航空ファン2,’12、11,’11、8,’17、朝雲、THE MILITARY BALANCE 2016

＜凌波性＞：波切り性能。甲板に波をかぶらずに航行できる能力のこと。参考：月刊JWings2,’00

＜利用馬力＞：Available power。利用推力を馬力に換算したもの。参考：航空用語事典増補改訂版

＜猟兵＞：Jager。軽装備で狙撃を主任務とするドイツ軍軽歩兵のこと。参考：兵器最先端５

＜瞭望１号＞：中国が江南造船所で建造中の情報収集艦Liaowang-1。正式な艦種は海上総合警戒艦で、自国や他国のミサイル観測が主任務である。船型は長船首楼型で、船首楼甲板前部に艦橋、後部に大型煙突があり、その間や艦橋上面・煙突後面に大型アンテナドームが並ぶ。後甲板はヘリ甲板で、Z-20ヘリを運用できる。ヘリ格納庫は無い。参考：月刊世界の艦船10,’24

＜遼陽＞：DDG921（ミサイル駆逐艦）を参照。

＜猟鷹＞：練15シリーズ（練習機）を参照。

＜両用戦艦艇＞：水陸両用作戦で使用する艦艇。第２次大戦中は大型のLSTと、小型・中型のLSU、LCU、LCM、LCVPがあった。大戦後は艦内のドックウェルに小型・中型両用戦艦艇を収容するLPDとLSDが建造され、ヘリやVTOL機の登場で強襲揚陸艦（LHD、LHA、LPH）が開発された。ドックウェルを発進してそのまま陸に上がれるLCACも登場。洋上で水陸両用作戦の指揮を行える揚陸指揮艦LCCも運用される。参考：月刊丸12,’90

＜両洋艦隊法案＞：スターク案を参照。

＜両用軽歩兵旅団（北朝鮮）＞：北朝鮮軍第８特殊軍団隷下にあるといわれる水陸両用戦旅団。３個が編成され、東海岸に１個、西海岸に２個が配置されているとされる。隷下に司令部、2-7個大隊、信号中隊、工兵小隊、後方部隊を置き、SEALに似た特殊部隊員も存在するらしい。装備は120mm迫撃砲、107mm無反動砲B-11、水陸両用軽戦車、水陸両用兵員輸送車、侵入用特殊艇、ミゼットサブ、輸送艇、水中装備などとみられる。主任務は沿岸部の重要施設破壊、後方遮断、強襲上陸、渡河支援、特殊作戦、戦略後方地域への新戦線構築だが、軽装備で兵力も少ないので、どれだけの有効性を持つかは不明。国内では戦略後方地域の防衛や基地警備部隊支援、島嶼防衛などを行う。参考：月刊丸12,’90

＜両用戦巡洋艦＞：キャロネード級（内水火力支援艦）を参照。

＜両用即応群＞：ARGを参照。

＜両用砲＞：対地（対艦）と対空の両方に使用できる火砲。参考：月刊JWings2,’00

＜良洋丸＞：日本陸軍輸送船。元は昭和6年1月15日に竣工した東洋汽船の貨物船である。垂線間長126.49m、幅17.07m、深さ9.68m、満載吃水7.64m、総トン数5974トン、重量トン数9101トン。主機はMAN社製単動式D6Z60/90型ディーゼル１基3931馬力、航海速力12.5ノット、最大速力16.1ノット。太平洋戦争勃発で陸軍に徴用され、マレーやソロモンへの輸送任務を行った。昭和19年3月4日、小樽から千島列島松輪島に部隊を輸送したが、松輪島で荒天により船底を損傷、擱座放棄された。参考：月刊世界の艦船4,’12

＜旅海級＞：051B級（駆逐艦）を参照。

＜緑蜂＞：台湾陸軍短距離地対地ミサイル（地対艦ミサイル？）Ching Feng。アメリカのランスの技術を何らかの手段で手に入れて開発したらしい。射程130km。参考：月刊丸4,’99、THE MILITARY BALANCE 2016

＜旅滬型＞：中国海軍052A型（Type-052A）駆逐艦のNATOコード、ルーフー（Luhu）型。中国軍艦初のCODOG艦である。051S級が計画中止になったため、051級旅大型の後継を手っ取り早く入手すべく、主機や兵装は丸ごと西側の技術を取り入れた。都合８カ国の技術を導入したので、海軍内部では８カ国連合と呼ばれていたらしい。艦対空ミサイルはアメリカからスタンダードを提案されたが、当時の中国の技術レベルではコピーが難しいとしてクロタルにしている。中国「艦船知識」誌のCG断面図解ではCICが上構前部01甲板レベルに設けられているが、本当かは不明。全長144m、全幅16m、吃水5.1m、満載排水量4674トン。主機はCODOG方式、ガスタービン（１番艦がLM2500、２番艦が天安門事件の禁輸でウクライナ製AM50）２基・ディーゼル２基、出力55000馬力（１番艦）／48600馬力（２番艦）、２軸推進、速力31ノット。兵装は79式56口径100mm連装砲１門（艦首）、37mm連装機関砲76A型４基、FQF2500対潜ロケットランチャー２基（砲の前方左右）、HHQ-7／クロタル８連装発射機１基（砲の後方）、YJ-82対艦ミサイル４連装発射機４基（２番艦はYJ-81対艦ミサイル連装発射機８基）、324mm３連装短魚雷発射管２基（Yu-7）。自衛用に946式15連装チャフディスペンサーを装備する。Z-9A/Z-9Cヘリ２機を搭載可能。ソナーシステムはSJD-9で、バウソナー、DUBV-43/ESS-1VDS、SJG-206曳航ソナーを装備する。ヘリコプター格納庫上には中国国産レーダーのゴッド・アイが搭載されており、射撃指揮レーダーは主砲用が344型、対空ミサイル用が345型、機関砲用が347G型。対空・水上捜索レーダーはトムソンCSF社製DRBV15で、戦闘情報処理装置は１番艦がZKJ-3、２番艦がトムソンCSF社製TAVITACのコピーであるZKJ-4。乗員266名。艦番号112ハルビン、113チンタオの２隻が1994年と1996年に就役した。2003-04年に対艦ミサイルをYJ-83ミサイル４連装発射筒４基に、主砲を56口径100mm連装砲PJ-33Aに換えている。2009-11年に近代化改装を実施し、戦闘情報処理装置をZKJ-4Bに換装、レーダーやVDSを一新し、２番艦はガスタービンも変更した。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船9,’11、10,’11、4,’16、11,’24、5,’15、6,’14、1,'15増刊、4,’17、6,'22、月刊軍事研究4,’05、1,’09、月刊丸1,’10別冊

　＜旅滬級（近代化改装）＞：2010年にハルビン、2011年にチンタオが実施した。37mm連装機銃76Aを全て撤去し、ヘリ格納庫上にタイプ730CIWSを搭載している。また、２番マストトップに364型対空／対水上レーダーを内蔵するとみられるレドームを設置し、ヘリ格納庫上の518型レーダーを518B型に換装して衛星通信用レドームも２基追加した。全長144m、全幅16m、吃水5.1m、満載排水量4674トン。主機はCODOG方式、ガスタービン（１番艦がLM2500、２番艦が天安門事件の禁輸でウクライナ製AM50）２基・ディーゼル２基２軸55000馬力（２番艦は48600馬力）、速力31ノット。兵装はステルスシールド型100mm連装砲PJ-33Aが１基（艦首）、FQF2500対潜ロケットランチャー２基（砲の前方左右）、クロタル／HHQ-7艦対空ミサイル８連装発射機１基（砲の後方）、YJ-83ミサイル４連装発射筒４基（後部マスト前後）、Yu-7用324mm３連装短魚雷発射管２基（後部マスト両舷）、タイプ730CIWS２基（ヘリ格納庫上両舷）。Z-9A/Z-9Cヘリ２機を搭載可能。乗員266名。参考：月刊世界の艦船2,’20、3,’17、10,’11、6,’14

＜旅州級＞：051C型（ミサイル駆逐艦）を参照。

＜旅順基地＞：中国海軍基地。2003年、旅順保障基地に改称された。2012年、旅順保障基地、大連水警区、営口水警区が統合されて旅順基地が復活した。2019年現在、排他的経済水域の防衛を担当する北部戦区海軍／北海艦隊護衛艦第11支隊（056/056A型コルベット10隻）が配備されている。参考：月刊世界の艦船2,’19、2,’20

＜旅順警備府＞：日本海軍の警備府。昭和16年11月20日、旅順要港から改編されて創設された。昭和17年1月5日に廃止され、旅順方面特別根拠地隊となった。参考：月刊世界の艦船9,’13増刊

＜旅順口鎮守府＞：旅順鎮守府を参照。

＜旅順鎮守府＞：日本海軍の鎮守府で、明治38年1月7日に旅順口鎮守府として開庁し、明治39年9月22日に改称された。関東州海軍区を所管する。大正3年4月1日、旅順要港に降格となった。参考：月刊世界の艦船9,’13増刊

＜旅順丸＞：日本海軍特設巡洋艦。元は明治25年にイギリスで竣工した貨物船で、明治27年に日本郵船が購入して欧州航路に就航、日露戦争勃発に伴い明治37年に徴用したものである。船尾の船倉を機雷300個収容の機雷庫とし、艦尾両舷に機雷投下台を設けている。総トン数4794トン。日露戦争では日本海や黄海に機雷を敷設した。参考：敷設艦 工作艦 給油艦 病院船

＜旅順要港＞：日本海軍の要港。大正3年4月1日、旅順鎮守府から降格されて開設された。大正11年12月、廃止された。昭和8年4月、満州国建国に伴い再編された。昭和16年11月20日、旅順警備府に改編された。参考：月刊世界の艦船9,’13増刊

＜旅大級シリーズ＞：中国海軍駆逐艦051型（Type-051）のNATOコード、ルーター（Luda）級。ソ連のコトリン級駆逐艦をベースに開発された中国国産駆逐艦で、長距離弾道ミサイル試射の際に着弾点の太平洋公海上に展開できる艦船として設計された。中国初の対艦ミサイル搭載艦でもある。1971-91年に17隻が建造された。2020年8月30日に最後の２隻（165湛江と166珠海）が退役した。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊軍事研究8,’07、月刊世界の艦船9,’11、3,’05、6,’14、11,’20

　＜旅大�T級＞：船型は平甲板型で、前部マストに354型アイ・シールド対水上レーダー、２番煙突直前に517H-1型ナイフ・レスト対空レーダーを装備している。射撃指揮装置は主砲と対艦ミサイルが343型、機関砲が341型。ソナーはSJD-1またはSJD-7。全長132m、全幅12.8m、吃水4.6m、基準排水量3250トン、満載排水量3670トン。主機は蒸気タービン２基２軸72000馬力（60000馬力？）、速力32ノット。兵装はHY-2対艦ミサイル３連装発射機２基、76型58口径130mm連装砲２門、66式57mm連装砲または76型37mm連装機関砲４門、61式25mm連装機銃４門、FQF2500対潜ロケット発射機２基、爆雷投射機2-4基、爆雷投下軌条2-4条。一部に３連装短魚雷発射管２基を装備したものもある。乗員280名。艦番号106西安、107銀川、108興寧、109開封、110大連、131南京、132合肥、133重慶、134遵義、161長沙、162南寧、163南昌、164桂林、165湛江が就役した。艦番号160広州は1978年に爆発事故を起こし、廃棄された。後に051DT型や051G型への改装を受けた。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊軍事研究4,’05、月刊世界の艦船3,’92増刊、3,’05、6,’14、1,'15増刊、月刊丸1,’10別冊

　＜旅大�U級＞：�T級の後部甲板にヘリコプター甲板と格納庫を増設し、Zhi-9Aヘリコプター２機を搭載可能としたもの。後部にあった130mm連装砲１門と、57mm連装砲または37mm連装砲１門は外された。艦番号105済南が1987年に改装を受けた。2008年に退役した。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版、月刊世界の艦船10,’19

　＜旅大�V級＞：�T級のミサイルをYJ-1対艦ミサイル連装発射筒４基に換えたもの。３連装短魚雷発射管２基を装備し、25mm連装機関砲４基は全て外した。後部マストトップにはライス・スクリーン三次元レーダーを搭載。艦番号166珠海が1991年に就役した。後に051G�U型に改装された。参考：中国／台湾海軍ハンドブック改訂第２版

　＜０５１ＤＴ型＞：Type-051DT。艦対艦ミサイルをHY-2からYJ-83に換装し、後部甲板室上の57mm連装砲１基を外してHQ-7を搭載する近代化改装を行ったもの。全長132m、幅12.8m、吃水4.7m、満載排水量3790トン。主機は蒸気タービン２基２軸72000馬力、速力32ノット。兵装はHQ-7艦対空ミサイル８連装発射機１基、YJ-83艦対艦ミサイル４連装発射筒４基、130mm連装砲２基、57mm連装砲３基、FQF2500対潜ロケット発射機２基、324mm短魚雷３連装発射管２基。乗員280名。艦番号109開封、艦番号110大連が改装を受けた。2019年に両艦共退役した。参考：月刊世界の艦船3,’17、4,’16、8,’19

　＜０５１Ｇ型＞：Type-051G。艦対艦ミサイルをHY-2からYJ-83に換装し、後部甲板室上の57mm連装砲１基を外してHQ-7を搭載、130mm砲を外してステルス砲塔100mm連装砲２基を積み、57mm連装砲を撤去して37mm連装機関砲２基に換装、対潜システムを改良したもの。全長132m、幅12.8m、吃水4.7m、満載排水量3790トン。主機は蒸気タービン２基２軸72000馬力、速力32ノット。兵装はHHQ-7艦対空ミサイル８連装発射機１基、YJ-83艦対艦ミサイル４連装発射筒４基、100mm連装砲２基、37mm連装機関砲３基、FQF2500対潜ロケット発射機２基、324mm短魚雷３連装発射管２基。乗員280名。艦番号165湛江が改装を受けた。2020年に退役した。参考：月刊世界の艦船2,’20、3,’17、4,’16、11,’20

　＜０５１Ｇ�U型＞：051G型と同様の改装を受けたもので、レーダーが少し違うらしい。艦番号166珠海が改装を受けた。2020年に退役した。参考：月刊世界の艦船4,’16、11,’20

　＜広域防空艦＞：計画長射程艦対空ミサイル搭載型。1980年代後半に計画したが、053K型江東型フリゲートの短距離艦対空ミサイルすら運用に難渋していたため、イギリス企業の協力を得てシーダートと艦載ヘリを積むことにしたものの、天安門事件で没になった。1990年代に入ると新型艦の建造に計画を変更、ソブレメンヌイ級の輸入を経て052B型に進んでいる。参考：月刊世界の艦船4,’21

＜旅団＞：Brigade（Bde）、中国軍では旅。語源はラテン語のブリーガ（戦闘・紛争）で、中世末期には中隊（カンパニ）と同じような意味だったが、17世紀の近世に入って複数の連隊（スウェーデン軍だけは大隊）を組み合わせた任務部隊を指すようになり、師団が登場するまで独立した戦術単位としては最大の部隊だった。諸兵連合最大の戦術単位部隊で、前線・後方担当の各兵科を１名の指揮官の下に運用することができる。隷下部隊である大隊の指揮機構が小さく、他の兵種を連合させることができないので、戦略単位としての運用はし難いが、即応性に富むため、平時には旅団編制としておき、有事の際に編合して師団にするという方法が第４次中東戦争で注目されるようになった。冷戦終結以降、重師団同士の長期間にわたる全面戦闘が起こりにくくなったため、作戦単位を多く取れ、短期決戦向きの旅団が更に重要度を増している。陸上自衛隊では隷下部隊を連隊とすることでミニ師団としての機能を持たせようとしている。参考：月刊軍事研究4,’07、2,’02、7,’97、5,’16、歴史群像6,’16、軍事力バランス78年版

＜旅団（日本陸軍）＞：２個連隊から編成される。参考：帝国陸海軍事典

＜旅団（陸上自衛隊）＞：陸上自衛隊の部隊。方面隊の隷下にあり、師団の隷下ではなく独立している。トップは旅団長で、旅団司令部、連隊、その他直轄部隊からなる。師団よりも小規模なため能力は限定されるが、師団と同様に地域特性に応じて作戦遂行に必要な戦闘機能、戦闘支援機能、後方支援機能を持ち、地域的・期間的に独立して１正面の作戦を遂行する能力を有する。平成8年度以降に係る防衛計画の大綱で旅団１型、旅団２型、旅団３型が定義された。平成17年度以降に係る防衛計画の大綱で総合近代化旅団と即応近代化旅団が定義された。平成26年度以降に係る防衛計画の大綱で、機動運用部隊と地域配備部隊に分けることになり、第５・第11・第14旅団を機動旅団に改編し、第12旅団は既に機動運用されているので機動運用部隊に組み込み、第13・第15旅団を地域配備部隊とする。参考：月刊軍事研究4,’07、8,’11、6,’18、9,’18、自衛隊法

　＜旅団（陸自、２０１５年）＞：隊員数3000名で、他国軍の連隊クラスである。トップは旅団長（陸将補）で、旅団司令部、司令部付隊、普通科連隊、戦車大隊、特科連隊・特科隊、高射特科大隊・高射特科中隊、対戦車中隊・対舟艇対戦車中隊、偵察隊、施設中隊、通信中隊、後方支援隊、整備中隊、補給中隊、輸送隊、衛生隊からなる。参考：陸上自衛隊パーフェクトガイド2015、月刊軍事研究9,’18

＜旅団１型＞：平成7年度の防衛計画の大綱改正に基づいて規定された陸上自衛隊旅団編成。在道の師団１型をコンパクトにしたもので、敵機甲兵力に対しても正面戦闘を行える能力を持つ。具体的には第５旅団、第11旅団。普通科連隊は重迫撃砲小隊１個を持ち、各普通科連隊の１個中隊は96式装輪装甲車化される。旅団本部、普通科連隊（軽）３個、特科隊（自走化）１個、戦車隊（大隊規模）１個、後方支援隊１個、高射特科中隊１個、対舟艇対戦車中隊（MPMS装備）１個、施設中隊１個、通信中隊１個からなる。参考：月刊軍事研究8,’02、4,’07、月刊PANZER9,’03

＜旅団２型＞：平成7年度の防衛計画の大綱改正に基づいて規定された陸上自衛隊旅団編成。師団２型のコンパクト型で、普通科部隊を中心とし、機甲兵力の投入が困難な場所を主体に活動する。具体的には陸上自衛隊第13・第14旅団である。旅団本部、普通科連隊（軽）４個（軽装甲機動車装備。うち１個はコア連隊、第14旅団はコア連隊欠。各普通科連隊のうち１個中隊は軽装甲機動車で自動車化）、特科隊１個、戦車中隊１個、高射特科中隊１個、施設中隊１個、通信中隊１個、重MAT装備対舟艇／対戦車中隊１個（第14旅団では欠）、後方支援隊１個からなる。参考：月刊PANZER9,’03、月刊軍事研究4,’07、8,’02

＜旅団３型＞：平成7年度の防衛計画の大綱改正に基づいて規定された旅団編成で、地上機動では間に合わない緊急時に威力を発揮する空中機動部隊である。具体的には陸上自衛隊第12旅団。普通科連隊（軽）４個（軽装甲機動車装備、うち１個はコア連隊。各普通科連隊は１個重迫撃砲小隊を有する）、特科隊１個、高射特科中隊１個、施設中隊１個、通信中隊１個、ヘリコプター隊１個、重MAT装備対戦車中隊１個、後方支援隊１個からなる。第12ヘリコプター隊はOH-6を４機、UH-60JAを８機、CH-47J/JAを８機装備しており、これで１個普通科連隊を輸送できる。空中機動性が高められてはいるが、独自の攻撃へリ部隊を持たないので、戦闘の中心は陸上部隊が担うことになる。参考：月刊PANZER9,’03、月刊軍事研究8,’02、10,’05、4,’07

＜旅団戦闘団＞：アメリカ陸軍の基本作戦単位で、BCT（Brigade Combat Team）と略す。アメリカ陸軍の冷戦時代の基本作戦単位は師団だったが、冷戦終結で対テロ戦争へと舵を切ったのに伴い、師団隷下の旅団を自己完結で作戦ができるよう編成し直し、諸兵連合化したものである。司令部、歩兵大隊または諸兵科連合大隊３個（2013年までは２個）、騎兵大隊、砲兵大隊、工兵大隊、旅団支援大隊からなり、歩兵旅団戦闘団（IBCT）、ストライカー旅団戦闘団（SBCT）、重旅団戦闘団（HBCT）／機甲旅団戦闘団（ABCT）の３種類に分かれる。2013年にはIBCT20個、SBCT８個、HBCT17個が編成されていたが、その後急速に削減が進み、2016年にはIBCT14個、SBCT８個、HBCT９個になった。2016年度以降、総数でもう１個減らして30個（IBCT14個、SBCT6-7個、HBCT10-9個）に再編する予定。参考：月刊PANZER10,’12、月刊軍事研究7,’16、9,’03、6,’16

＜旅団長（陸上自衛隊）＞：旅団の長で、方面総監の指揮監督を受け、旅団の隊務を統括する。参考：自衛隊法

＜旅洋型＞：052B型（ミサイル駆逐艦）を参照。

＜旅洋�U型＞：052C型（ミサイル駆逐艦）を参照。

＜旅洋�V型＞：052D型（ミサイル駆逐艦）を参照。

＜リヨン級＞：フランス海軍計画戦艦Lyon級。ノルマンディー級の改良型で、主砲塔を１基増やし、機関を強化して速力を２ノット増したものである。常備排水量29000トン（35000トン？）。速力23ノット。兵装は34cm４連装砲４基（前部１基、前後煙突間１基、後部２基）、13.8cm砲28門。装甲厚は水線部300mm、甲板70mm。リヨン、リル、デュクネ、トゥールビルの４隻が発注されたが、第１次大戦勃発により計画中止となった。参考：月刊世界の艦船6,'20、近代戦艦史

＜リラ＞：ロシア海軍677型ラダ級潜水艦に搭載されているソナーシステムLira。艦首ソナー、側面ソナー、TASSで構成される。参考：月刊世界の艦船1,’15増刊、1,’22

＜リライアント＞：C-81（輸送機）を参照。

＜リライアント＞：イギリス海軍航空支援艦。元はコンテナ船のアストロノーマで、フォークランド諸島の警備用として1983年に徴用されてブリティッシュ・エアロスペース社ダイナミックグループで８ヶ月の改造を受けた。74個のコンテナを使用してヘリ格納庫、飛行管制室、燃料補給ユニット、応急指揮室、ヘリ整備品倉庫、発電機室、配電盤室、工作室を作り、更に56個のコンテナで乗員・航空要員150名の居住区画、給水装置、汚物処理装置、弾薬庫、食料庫、一般倉庫を製作している。ただ就役後にコンテナ部分の防水が不完全であるという欠点が判明した。自衛用に20mm機関砲４門、チャフ発射機を装備。レーダーと衛星通信装置なども搭載している。就役後はベイルート駐留イギリス分遣隊の引き揚げを行った後、フォークランド諸島警備を実施した。参考：月刊丸10,’93

＜リラ級＞：705K型（原潜）を参照。

＜リラン・システム＞：スウェーデンのボフォース社が開発した照明ロケット弾発射機。先込式の単装発射筒に71mm照明ロケット弾を装填して発射するもので、最大射程1300m。Pz61、Pz68、Strv.103、Ikv.91、CV90などに搭載可能。参考：月刊PANZER7,’05、8,’18

＜リリ＞：768（コルベット）を参照。

＜リリー＞：リトヴァック（ソ連エース）を参照。

＜リリー・マルレーン＞：ドイツの歌曲で、ラーレ・アンデルセンが歌った第２次大戦中のヒット曲である。毎日2157に流れ、北アフリカ戦線では敵味方問わずドイツ国防軍ベオグラード放送にチャンネルを合わせたといわれる。参考：月刊PANZER10,’02

＜離陸＞：飛行機が静止状態から離陸滑走に入り、降着装置が地面から離れ、離陸面上の規定高度（50フィート／15mまたは35フィート／10.7m）に達して上昇に移り、高度1500フィート（450m。500m？）または規定の上昇率に達するまでのこと。または離陸形態から巡航形態への移行を完了するまでのこと。離陸滑走中にエンジンが故障した場合、V1に達していたらそのまま離陸を継続するが、気象条件、滑走路の状況（壊れた部品が散らばっていると片付けが終わるまで閉鎖になる）、最大着陸重量の兼ね合いで、すぐ引き返して元の空港に着陸できるとは限らないので、巡航形態に移って別の空港まで飛んだり、燃料投棄地点（原野や海など）で十分な高度を取り燃料を投棄・気化させたりする必要があり、それなりの高度や上昇率に達するまでを離陸と定義し、エンジン故障でも離陸を完遂できるような性能を持たせている。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊航空情報4,’18

＜離陸安全速度＞：V2を参照。

＜離陸滑走距離＞：Take-off runway distance、Take-off roll、Take-off run。ただしTake-off runは不釣り合い滑走路長を使用する際の離陸時に使用する法律用語（テイクオフ・ラン）でもあるので、一般的な離陸滑走距離をいう場合には他の英語を使う。飛行機が通常離陸静止出発点から滑走を開始し、全ての車輪が地面を離れるまでの距離のこと。参考：航空用語事典増補改訂版、月刊JWings4,’04

＜離陸距離＞：Take-off distance。最大離陸重量の飛行機が静止出発点（海面高度、標準温度状態）から滑走を始め、ある一定の高度に達するまでの水平距離。Ｔ類（輸送機）以外の飛行機では高度50フィート（15m）に達するまでをいう。Ｔ類レシプロ機では、釣り合い滑走路長と同じ。Ｔ類ガスタービン機では、１発動機不作動状態で高度35フィート（10.7m）に達するまでの水平距離と、全発動機作動状態で高度35フィート（10.7m）に達するまでの水平距離の1.15倍の距離の、どちらか長い方（FAR25 take-off field length）をいう。参考：航空用語事典増補改訂版、世界航空機年鑑2018-2019、月刊JWings4,’04、10,’09別冊付録

＜離陸形態＞：Take-off configuration。航空機が降着装置を下げ、フラップを離陸位置にセットした形態のこと。参考：月刊航空情報4,’18

＜離陸決定速度＞：V1を参照。

＜離陸重量＞：Take-off weight。運航重量にペイロードと燃料重量を加えたもの、または零燃料重量に燃料重量を加えたもので、最大離陸重量以内に収めないと離陸できない。参考：月刊JWings10,’09別冊付録、世界航空機年鑑2018-2019

＜離陸性能＞：Take-off performance。離陸の際に飛行機が示す性能のこと。離陸時機体重量、浮揚時速度、エンジン出力・推力、抗力、転がり摩擦係数（滑走路と車輪との摩擦力）、パイロットの操縦技量で決まる。エンジン出力・推力を増やす、離陸速度を小さくする（翼面荷重を減らして失速速度を小さくする）、高揚力装置などにより揚力係数を大きくする、アスペクト比を大きくして誘導抗力を減らす、といった工夫で離陸性能を向上させることができる。滑走路周辺の気温、大気圧、風速、天候、滑走路勾配などにも影響される。参考：航空用語事典増補改訂版、航空機設計法

＜離陸速度＞：Take-off speed。離陸を完了するまでの要所要所で達するべき速度のこと。V1、VR、V2があるが、飛行機の種類によっては設定されていない値もある。参考：航空用語事典増補改訂版

＜離陸中止速度＞：V1を参照。

＜離陸必要滑走路長＞：Required take-off field length。Ｔ類飛行機（輸送機）が特定の重量で特定の条件下に離陸する場合に必要な滑走路の長さ。釣り合い滑走路長や不釣り合い滑走路長で示される。参考：航空用語事典増補改訂版

＜リリプート＞：T17（豆戦車）を参照。

＜リリヤ２＞：9M519-1-7（ECM弾）を参照。

＜リレイ・ウィルソン＞：アメリカ海軍護衛駆逐艦。1945年1月10日、リンガエン湾付近で神風特攻機１機が命中し、基地航空隊の攻撃も受けて損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜リレントレス＞：H85（駆逐艦）またはベル525（ヘリコプター）を参照。

＜リロード＞：再装填。一般には使用済み薬莢に雷管や発射薬を詰めて再使用することを指す。参考：GUN用語事典

＜リロッド・シリーズ＞：LIROD（方位盤）を参照。

＜リンガ＞：ラトビア海軍ストルム級高速哨戒艇。元はノルウェー海軍高速哨戒艇グニストである。参考：月刊軍事研究3,’12

＜リンカーン＞：G42（駆逐艦）を参照。

＜臨界＞：Criticality。核分裂連鎖反応により核分裂が継続する状態のこと。参考：月刊世界の艦船2,’15

＜臨界高度＞：Critical altitude。与圧高度ともいう。スーパーチャージャー付きレシプロエンジンを装備する航空機は、上昇するにつれ大気圧減少により減ってくる吸気圧力を一定に保つため、スロットル・バルブを徐々に開いてスーパーチャージャーの回転数を上げていくが、スロットル・バルブが全開になりスーパーチャージャーの性能限界に達し、それ以上に上昇すると吸気圧力を一定に保てなくなる高度を臨界高度という。参考：航空用語事典増補改訂版

＜臨界点速度＞：V1を参照。

＜臨界発動機＞：Critical engine。ある任意の飛行形態（離着陸時など）において故障した時、飛行性に最も有害な影響を与える１個以上のエンジンのこと。ジェット多発機なら、左右それぞれの外側のエンジンが該当する。プロペラ多発機なら、プロペラが右回転の場合は左外側、左回転の場合は右外側のエンジンが該当する。Ｔ類飛行機（輸送機）の離陸性能を測る際の１発動機不作動は、臨界発動機が不作動であると仮定して算出する。参考：航空用語事典増補改訂版

＜臨界前核実験＞：爆縮用高性能炸薬を炸裂させることでプルトニウムにどう作用するかなどを調べる核実験で、核分裂連鎖反応を伴わない。参考：核兵器事典

＜臨界マッハ数＞：Critical Mach number。一様な流れの中に置かれた物体の周囲の流れのうち、一番速い部分が音速に達した際の、一様な流れのマッハ数のこと。これを上回ると、物体周囲の流れの各所が音速を超え始め、あちこちで衝撃波が発生して流れが複雑に変化する。参考：航空用語事典増補改訂版、航空機設計法

＜臨界量＞：核分裂連鎖反応を生じうる、核分裂物質の最小量。元素の種類、密度（二乗に反比例する）、濃縮度、形態などで変化する。表面積が小さい方が臨界量が小さい（中性子が逃げない）ので、容積と重量が同じなら球形にするのが最も効率が良い。原爆に使用する場合、爆縮レンズでの圧縮、タンパーでの中性子封じ込めなどの工夫がされており、プルトニウム239で2.5kg（純度100%）から20kg（純度50%）、ウラン235で13-15kg（純度100%）から25kg（純度90%）が臨界量とされる。参考：核兵器事典、アメリカの核兵器

＜臨界レイノルズ数＞：Critical Reynolds number。層流から乱流に遷移するレイノルズ数のこと。表面が十分に滑らかで、流れの下流に向かって無限に延びている板を、大きな乱れの無い一様な流れに置き、流れの動粘性係数をν、速度をＶ、境界層の始まる前縁から距離ｘの点をＴとし、レイノルズ数をVx／νで定義すると、臨界レイノルズ数530000でＴにおいて遷移が起きる。板の表面の粗さや、流れの乱れ具合によって様々に変化する。参考：航空用語事典増補改訂版

＜リンガエン＞：CVE-126（護衛空母）を参照。

＜リンガ泊地＞：シンガポール島の南130マイルにある海域で、赤道直下にあり、大きさは南北50マイル・東西30マイル、水深は30-40m。北にリオウ水道とズリアン水道、南にペルハラ水道があり、ペルハラ水道を防備すれば潜水艦の侵入を防げる。ジャワ島から食糧、パレンバンから石油の供給を受けることが可能。参考：月刊丸8,’11

＜臨勤＞：臨時勤務を参照。

＜臨沂＞：547（054A型フリゲート）を参照。

＜輪距＞：ホイール・ベースを参照。

＜リング＞：SS-297（潜水艦）を参照。

＜リンク４＞：アメリカ海軍のデータリンク・システム、別名TADIL（TActical Digital Information Link）-C。開発当初はUSC2と呼ばれ、1950年代から運用された。参考：月刊世界の艦船2,’22

＜リンク４Ａ＞：NTDS搭載艦から航空機の管制用データ（空母自動着艦、航空管制、航空迎撃管制、地上攻撃管制、慣性航法装置支援など）送信を行う時に使用されるシステムで、航空機からも情報を返送できる。デジタル情報送受信システムで、時分割多重伝送方式を採用し、複数航空機への同時送信を可能とした。使用周波数UHF、データ・レート5kbps、使用無線機はSRC17。艦船側の時分割多重伝送方式データ・ターミナル・セットはウェスタン・エレクトリック社製SSW1。最大100機までの航空機管制が可能。艦艇としてはタイコンデロガ級巡洋艦やアーレイ・バーク級駆逐艦、航空機としてはE-2C、S-3A、P-3Cなどに搭載された。参考：月刊軍事研究6,’04、3,’03、日米イージス艦とミサイル防衛、月刊世界の艦船8,’82増刊、2,’22

＜リンク４Ｃ＞：F-14戦闘機向け。１つのネットワークに４機まで参加できるが、リンク4A/4CによるF-14同士の直接交信はできない。参考：月刊世界の艦船2,’22

＜リンク１１＞：アメリカ海軍のデータリンク・システム。1961年から運用され、当初はＡリンクと呼ばれていた。海軍戦術データ装置NTDSを装備している艦船・航空機・陸上基地（Participating Unit、PUと呼ぶ）のコンピュータ間で、2-30MHzのHFまたは225-400MHzのVHF/UHFを使用してデータ交換を行うシステムである。PUは最大62で、通常は20くらいが参加する。送信されるデータは目標情報、武器情報、指揮管制状況で、Ｍシリーズ・メッセージと呼ばれ、M.1が参照点座標、M.2が空中目標座標、M.3が水上目標座標、M.4が対潜戦目標座標、M.5がESM探知目標座標、M.6がECM目標座標、M.7が戦域ミサイル防衛、M.9が情報源、M.10が航空管制、M.11Bが航空機状況、M.11Cが対潜哨戒機状況、M.11Dが敵味方識別装置情報、M.11Mが諜報状況、M.13が国籍情報、M.14が武器・交戦状況、M.15が指揮統制状況である。データは暗号機経由でデータ・ターミナル・セットDTS（Data Terminal Set）に入力され、デジタル・アナログ変換、プロトコル管制、エラー検知がなされた後、無線通信機で送信され、受信側は逆ルートで受信する。通信距離はHFで555km以上、UHFで46km（艦船同士）／278km（艦船と航空機）。運用モードはロール・コール（Roll Call。通常運用モード）とブロードキャスト（Broadcast。電波封止状況下モード）。ロール・コールでは、ネットワーク参加艦船のうち１隻がネット管制ステーションNCS（Net Control Station）になり、他がこれに従うネット・ピケット・ステーションNPS（Net Picked Station）となって順番に呼び出され、ＡフレームとＢフレーム（24ビットずつ計48ビット）からなるメッセージ・フォーマットに従って自己保有データを送信する。ポーリング方式による伝送のため、通信速度が遅く（データ更新レートはPU20の場合で10秒に１回。PUが増えると更に遅くなる）、ジャミングに弱いのが欠点で、NCSがリンク11を使えなくなるとネットワーク全体が崩壊してしまう。ブロードキャストは電波放射管制下であるPUが他のPUに対して一方的に送信を行うもので、データを１回だけ送信するのをショート・ブロードキャスト、連続送信するのをロング・ブロードキャストと呼ぶ。開発時期が古いので運用効率に限界があり、人工衛星を使うSAT Link 11や、複数周波数を同時に使うMFL（Multi Frequency Link 11）といった技術でカバーした。タイコンデロガ級巡洋艦、アーレイ・バーク級駆逐艦、しらね型護衛艦、はるな型護衛艦、たちかぜ型ミサイル護衛艦、あさぎり]型護衛艦、海自P-3C哨戒機、同E-2C早期警戒機などに搭載された。NTDSのコンピュータを搭載していないとデータ処理ができないのでリンク11は使えないが、それだと不便なので、リンク14で受信だけできるようにした。2020年代半ばにアメリカ海軍のサポートが終了するので、後継のリンク22に切り換える必要がある。参考：日米イージス艦とミサイル防衛、月刊世界の艦船2,'22、7,’17、1,'22、月刊軍事研究6,’04、3,’03、2,’02

　＜リンク１１Ａ＞：TADIL（TActical Digital Information Link）-Aともいう。通信速度1364bps（HF/UHF）または2250bps（UHF）。参考：月刊世界の艦船2,'22、7,’17

　＜リンク１１Ｂ＞：TADIL（TActical Digital Information Link）-Bともいう。短波無線通信または陸上有線通信を使用し、通信速度1200bps。参考：月刊世界の艦船7,’17

＜リンク１２＞：リンク11のUHF使用モード。Ｃリンクともいう。参考：月刊軍事研究6,’04

＜リンク１４＞：アメリカ海軍のデータリンク・システムで、当初Ｂリンクとも呼ばれた。海軍戦術データリンク装置NTDSを搭載しておらず、リンク11を使用できない艦船や航空機に対し、NTDS装備艦からアメリカ海軍標準テレタイプ形式で戦術データを単方向伝送し、受信だけ行ってもらうシステムである。HF/UHF/VHFを使用して高度なセンサーや戦術データ処理装置を搭載している艦船から目標データをテレタイプで文字列データにして送信、これを受信する。ただし、受信側はデータを手動でプロットする必要があり、通信速度が75bpsとリンク11に輪を掛けて遅い。タイコンデロガ級巡洋艦、アーレイ・バーク級駆逐艦、しらね型護衛艦などに送信装置、はつゆき型護衛艦に受信装置が搭載された。参考：月刊軍事研究6,’04、2,’02、3,’03、日米イージス艦とミサイル防衛、月刊世界の艦船2,'22、8,’82増刊、5,’91、7,’17

＜リンク１６＞：アメリカ軍のデータリンク・システムで、アメリカ空軍ではTADIL-J（Tactical Digtal Information Link-Joint）という。リンク11の改良型で、リンク４の機能も統合しており、統合戦術情報配分装置JTIDS、MIDS-LVT、MIDS-JTRS、MOSといった端末を使用してリンク11と類似のデータ交換を行う。ネットワークを構成する艦船・航空機などはJU（JTIDS Unit。指揮統制機能を持つC2 JUと、持たないNon-C2 JUがある）と呼ばれ、同時に送受信して混信しないよう、最大128JUがタイムスロット（時間枠）を順番に割り当てられて情報を送受信する時分割多元接続TDMA（Time Division Multiple Access）方式を採用した。タイムスロットは128分の１秒間（12秒のフレームを1536分割している）なので、一見すると各JUが同時に送受信を行っているように見える。符号解読キーや識別データ交換によりIFFの代用にもなり、推測航法やGPSによる位置データを交換すれば戦術航法にも使える。伝送無線周波数はUHF（960-1008MHz、1053-1065MHz、1130-1215MHz。細分されているのはIFFと被らないようにするため）で、各タイムスロットで異なる51周波数を使用し、毎秒76923回の周波数ホッピングによりジャミングや傍受に対抗する。水平線内通信距離300海里、水平線外通信距離500海里。使用周波数の関係から基本は水平線内通信で、水平線外通信の際は航空機、UAV、衛星（アメリカ海軍はS-TADIL-J、イギリス海軍はSTDLを使う）で中継する必要がある。伝送速度は音声通話で2.4-16kbps、データ通信で31.6または57.6または115.2または238kbpsで、その後データ通信に1137kbpsと2000kbpsが追加された。リンク11より送受信レート（100倍）、対ジャミング性能、セキュリティ機能などが向上しており、リンク11のネットワーク管制ステーションNTSのような通信中枢を設定しないので１つのJUが潰されてもネットワーク全体には影響が無い。タイコンデロガ級巡洋艦、アーレイ・バーク級駆逐艦などに搭載された。21世紀に入り、さすがに対ジャミング性能や秘匿性に劣るという問題が出てきているようである。参考：日米イージス艦とミサイル防衛、月刊軍事研究7,’13、6,’04、3,’03、2,’02、10,’11、月刊世界の艦船7,’17、2,'22、5,’91、10,’19

＜リンク１６用整備器材＞：自衛隊の機器。アメリカ海軍省に発注している。参考：月刊軍事研究10,’15

＜リンク２２＞：NATOの非衛星通信式長距離データリンクで、当初はNILE（NATO Improved Link Eleven）と呼ばれた。リンク11の後継となるリンク16ファミリーとして1996年から開発した。500海里の範囲内にスーパー・ネットワークを構築して最大125ユニットを参加させ、300海里の範囲のサブ・ネットワーク（それぞれ異なる通信方式を使用可能）最大4-8個に分割して運用する。使用周波数はHFまたはVHF/UHFで、時分割多元接続TDMAネットワーク・プロトコルを使用したQAM変調方式により、HFで1.2-3.6kbps、UHFで2.4-10kbpsの通信能力があり、72ビットのリード・ソロモン符号送受信能力も有する。周波数ホッピング機能があり、リンク16よりも対ジャミング性能が高い。参考：月刊世界の艦船2,'22、7,’17、艦載兵器ハンドブック改訂第２版、月刊軍事研究2,’11

＜リング・インサート＞：インサートを参照。

＜リングギア式砲架＞：上部砲架を参照。

＜リングゴールド＞：DD-500（駆逐艦）を参照。

＜リンク式給弾機＞：リンクで連結された弾薬を弾倉から装填口まで装弾する方式の給弾装置。参考：火器弾薬技術ハンドブック

＜リンク式サスペンション＞：リジッドアクスル・サスペンションの１つ。車軸をリンクで車体に固定し、捩れ力を吸収、車軸の左右端に置かれたコイルスプリングとショックアブソーバーで緩衝を行う。軽量で機能性に優れるが、部品点数が多くなりコストなどの面で劣る。参照：自動車のサスペンション

＜リンクス＞：ERC-90F1（装甲車）またはM113C&Wシリーズ（軽指揮偵察車）またはM157（煙幕車両）またはM157A2（煙幕車両）またはWDZ（トラック）を参照。

＜リンクス＞：イギリス海軍レオパルド級フリゲートLynx。1957年就役。1982年にバングラデシュ海軍に引き渡され、F15アブバカルとなった。参考：月刊世界の艦船9,’96

＜リンクス・シリーズ＞：ジェネラル・アトミックス・エアロノーティカル・システムズ社偵察システムズ・グループが開発した合成開口レーダー・地上移動目標指示装置Lynx。参考：月刊軍事研究4,’07

　＜リンクス�T＞：アメリカ軍制式名称AN/APY-8。両側下方の地上画像と前下方・両側下方の地上移動目標画像を取得でき、最大偵察可能距離は100kmに達する。UH-60、RC-12、I-ナットER、MQ-9Aなどに搭載されている。重量52kg。参考：月刊軍事研究4,’07、12,’17

　＜リンクス�U＞：アメリカ軍制式名称はAN/ZPY-1（AN/DPY-1？）で、別名スターライト（STARLite、Small TActical Radar Lightweightの略）。リンクスERブロック30以降にあたる。リンクス�Tの小型軽量型で、複合材を多用し、プロセッサーボードを５枚から２枚に減らすなどして重量を34kgに抑えている。安定化ジンバルはロール方向を省いた２軸とした。使用周波数はKuバンドで、解像度は0.3-3m、探知距離4-80km。走査範囲はプラスマイナス23-130度。地上移動目標指示モードでは探知能力7-23km、走査範囲プラスマイナス175度。走査速度は、高度20000フィート（6096m）・走査角40度で20秒間隔の走査を行った場合、毎時6000平方キロメートルである。合成開口モード、地上移動目標表示モード、海洋移動目標表示モードが用意されている他、リンクス�Tに引き続き自動人工物目標探知機能を持ち、目標の大きさと移動速度から目標の種類を自動的に判別することが可能。ER/MPウォーリア、MQ-9A、MQ-1Cグレイ・イーグルに搭載された。参考：月刊軍事研究4,’07、8,’11、4,’11、1,’17、12,’17

　＜リンクス�UＥ＞：リンクス�Uの輸出型で、イラク空軍のキングエア350Bに搭載されている。参考：月刊軍事研究4,’07

＜リンクス・シリーズ＞：イギリス軍・フランス軍汎用ヘリコプターWG-13 Lynx。1967年2月にSA330ピューマ、SA341ガゼルと共に英仏共同開発計画が決まり、1968年からウェストランド社主導でアエロスパシアル社と共同開発され、1971年3月21日に初飛行した。1972年に時速321.74kmのヘリコプター速度世界記録（当時）を達成。1976年から引き渡され、イギリスでは陸軍用汎用／攻撃ヘリ・海軍用対潜ヘリとして、フランスでは海軍用対潜／連絡ヘリとして使用（フランス陸軍は途中で抜けた）されており、他に14カ国が対潜ヘリとして採用している。1986年、特別改造型が時速400.87kmのヘリコプター速度世界記録を達成した。イギリス海軍では2017年3月24日に退役した。イギリス陸軍では2018年1月16日に退役記念フェアウェル・フライトが行われた。後継機はAW159ワイルドキャットである。フランス海軍では2020年8月に全機退役した。参考：月刊JWings12,’13、世界の軍用機1982、1979、月刊エアワールド10,’03、月刊航空ファン4,’18、月刊世界の艦船12,’20

　＜リンクスＨＡＳ．Ｍｋ２＞：最初の量産型。イギリス海軍用で、対艦・対潜攻撃を主任務とする。メインローターはセミリジッド式グラスファイバー製４翅で折り畳み機構を持ち、取り付けアームはチタン製。胴体は金属製セミモノコック構造で、グラスファイバーも多用した。キャビンは防音で、操縦席1-2席を含め座席13席を用意でき、両側に後方スライドドアを持つ。スリング重量は最大1.36トンで、フロートや吊り上げ重量0.27トンのホイストを装備して捜索救難任務にも就ける。テイルローターは４翅で、テイルブーム尾部上面の垂直安定板端左舷側に付く。エンジンは胴体上に２基が並列装備され、その後方にトランスミッションがある。機首下面にフェランティ社製シースプレー捜索・追尾レーダーを搭載し、AN/ASQ-18ディッピング・ソナー、AN/ASQ-81MADなども装備する。電子装備や計器も充実しており、全天候下で作戦を遂行できる。降着装置は前輪式で、前輪はダブルタイヤ、主輪はシングルタイヤであり、揺れる艦上で走り出さないよう主輪は前方に開いている。全長15.16m、胴体長12.06m、メインローター直径12.8m、全高3.62m、自重2.76トン、総重量4.309トン、最大総重量4.763トン。エンジンはロールスロイス社製GEM-4（900馬力）双発で、巡航速度148ノット、最大速度180ノット、ホバリング高度限界2900m（地面効果外）。航続距離365海里。兵装はシースキュア対艦ミサイル４発または魚雷２発。乗員１名（３名？）。2017年3月17日に最終フライトが行われ、イギリス海軍から退役した。参考：世界軍用機年鑑1990-91、世界の軍用機1982、1979、軍事分析湾岸戦争、月刊丸3,’90、月刊航空ファン4,’18

　＜リンクスＭｋ２（ＦＮ）＞：フランス海軍が導入したリンクスHAS.Mk2。シースキュアの代わりにAS12空対艦ミサイルを装備する。参考：月刊JWings12,’13

　＜リンクスＨＡＳ．Ｍｋ３＞：リンクスHAS.Mk2のエンジンをロールスロイス社製ジェム42-1に換装したもの。参考：月刊JWings12,’13

　＜リンクスＨＡＳ．Ｍｋ３ＧＭ＞：リンクスHAS.Mk3のアビオニクス強化型。FLIRを装備している。参考：月刊JWings12,’13

　＜リンクスＨＡＳ．Ｍｋ３Ｓ＞：リンクスHAS.Mk3の秘話無線システム追加型。参考：月刊JWings12,’13

　＜リンクスＭｋ４（ＦＮ）＞：リンクスMk2(FN)のエンジンをロールスロイス・ジェム42-1に換装したタイプ。1978年から40機が就役した。2020年7月18-23日に駆逐艦D646ラトゥーシュ・トレヴィルで第34航空隊所属５機が最後の艦上展開を行い、8月に退役した。参考：月刊JWings12,’13、月刊世界の艦船12,’20

　＜リンクスＨＭＡ．Ｍｋ８＞：イギリス海軍の汎用型で、別名スーパーリンクス（Super Lynx）。対潜・対水上戦、捜索救難などに使用される。メインローターは空力性能に優れたBERPブレード（４翅）に換装した。レーダーは胴体下から機首に移している。最大発艦重量5.33トン。双発で、巡航速度254km、航続距離528km。シースプレイMk1レーダー、シー・アウル赤外線暗視装置、ディッピング・ソナー、磁気探知機を装備。スティング・レイ短魚雷２発またはシースキュア対艦ミサイル４発を搭載できる。2017年3月23日にヨービルトン海軍航空基地でラストフライトが行われ、3月24日にイギリス海軍で完全退役した。後継はAW159ワイルドキャット。参考：月刊軍事研究4,’07、月刊丸12,’11、月刊JWings12,’13、6,’17、月刊航空ファン6,’17

　＜リンクスＡＨ．Ｍｋ１＞：イギリス陸軍の兵員輸送／武装ヘリ型で、1977年から引き渡され、1978年8月から配備された。長さ2.06m、幅1.4-1.71m、高さ1.42m、容積５立方メートルのキャビンを持ち、兵員輸送を主任務とする。TOW８発を搭載し、キャビン内部に予備弾８発を収納、キャビン上にルーフ・マウント型M65照準装置を装着して対戦車任務にも就くことが可能で、TOW予備弾の再装填は、前線から1km下がり、着地して行い、発進基地での補給には5-6分しかかからない。機関砲やロケット弾を搭載して軽武装ヘリコプターにも転用できる。降着装置はスキッド型。胴体長11.67m、ローター直径12.8m、自重2423kg、総重量3629kg。エンジンはロールスロイス社製ジェム２（671kW）双発で、経済巡航速度138ノット、最大巡航速度160ノット、実用上昇限度4850m、航続距離150海里（兵員10名）。乗員1-2名。兵員なら最大12名、貨物なら最大907kgを搭載でき、スリングなら1360kgまで吊り下げられる。参考：攻撃ヘリコブラ＆アパッチ、軍事分析湾岸戦争、世界の軍用機1979、空軍、月刊JWings12,’13、兵器最先端５、月刊航空ファン4,’18

　＜リンクスＡＨ．Ｍｋ５＞：イギリス陸軍向けで、リンクスAH1のエンジン強化型である。エンジンはロールスロイス社製ジェム41-1（835kW）。参考：月刊JWings12,’13、世界軍用機年鑑1990-91

　＜リンクスＡＨ．Ｍｋ７＞：イギリス陸海軍の兵員輸送／武装ヘリ型で、1985年から運用された。リンクスAH1/AH5の改良型で、エンジンを強化し、アビオニクスや自動飛行操縦システムを更新している。参考：月刊軍事研究3,’10、月刊JWings12,’13、月刊航空ファン4,’18

　＜リンクスＡＨ．９＞：イギリス陸軍の兵員輸送／偵察ヘリ。リンクスAH7の飛行性能向上型で、メインローターをBERPブレードに変更し、トランスミッションを強化し、降着装置を車輪式としている。アパッチ導入により主任務から軽攻撃を外して偵察を加えたため、対戦車ミサイル運用能力は除外され、必要に応じてドアガンだけ装備した。新造機とリンクスAH7からの改修で計24機を配備し、1990年7月から運用した。参考：月刊軍事研究3,’10、世界軍用機年鑑1990-91、月刊JWings12,’13、月刊航空ファン4,’18

　＜リンクスＡＨ．９Ａ＞：AH9のエンジンをT-800（CTS800-4N？）に換装したもの。22機を改修予定。2018年1月17日にフェアウェル・フライトが行われて退役した。参考：月刊航空ファン4,’18、6,’10

＜スーパーリンクス２００＞：エンジンをLHTEC社製CTS800ターボシャフトに換装したもの。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜スーパーリンクス３００＞：Super Lynx 300。スーパーリンクス200のアビオニクスをEH-101ヘリ系統に換装したもの。全長15.24m、メインローター直径12.8m、全高3.67m、総重量5.33トン。エンジンはLHTEC社製CTS800-4N（1361軸馬力）双発、巡航速度246km、ホバリング高度限界3656m（地面効果内）／2636m（外）、航続距離564km、航続時間３時間。乗員2-3名。客席数６以上。参考：世界航空機年鑑2018-2019

＜リンクス海外シリーズ＞

　＜ＳＨ−１４Ｄ＞：オランダ海軍ヘリ。エンジンをGEM-4高出力型（1050馬力）双発に変更し、総重量を4.76トンに上げている。参考：世界の軍用機1979、月刊エアワールド10,’03

　＜リンクス（韓国海軍）＞：韓国海軍艦載ヘリ。リンクスMk99を11機とMk99Aを13機配備している。シースプレーMk3レーダー、AN/AQS-18ディッピングソナー、空対艦ミサイル、Mk46対潜魚雷、爆雷などを搭載可能。2016年9月26日、米韓合同洋上訓練中にリンクスMk99ヘリ１機が墜落し、乗員１名が死亡、２名が行方不明になった。保有22機を飛行停止にして原因を調査している。9月28日、国会で野党議員が防衛事業庁の内部監査資料を公表し、リンクスに偽造品質保証書類付きのボルトが使用されていたことが判明した。事故との関連は不明。参考：月刊世界の艦船7,’13、月刊JWings12,’16

　＜リンクス（デンマーク海軍）＞：デンマーク海軍ヘリ。1980年代にリンクスMk.80ヘリ８機を導入した。2000-04年、リンクスMk.90への改修を実施。2017年12月15日に最後の３機がラストフライトを行い、退役した。参考：月刊航空ファン3,’18

　＜リンクスＭｋ８８Ａ（ドイツ海軍）＞：ドイツ海軍ヘリ。対水上捜索レーダーを標準装備し、オプションでディッピング・ソナーも積める。全長15.2m、ローター直径12.8m、全高3.7m、自重3.3トン、最大重量5.3トン。エンジンはロールス・ロイス社製ジェム42（1000軸馬力）双発、巡航速度141km、最大速度201km、航続距離528km。兵装は短魚雷２発またはシー・スキュア空対艦ミサイル２発。1981年に就役した。参考：月刊世界の艦船3,'22、THE MILITARY BALANCE 2016、月刊JWings2,’21

＜リンクス歩兵戦闘車シリーズ＞：ラインメタル社が開発した歩兵戦闘車。装甲兵員輸送車、武装偵察車、指揮通信車、修理回収車、野戦救急車などのファミリー化も考慮している。参考：月刊軍事研究10,’16

　＜リンクスＫＦ３１＞：下部転輪はダブルタイプ片側６組、履帯はゴム製。砲塔はLANCE有人／無人砲塔で、主砲は30mm機関砲または35mm機関砲（AHEAD弾対応）で、同軸に7.62mm機銃（３銃身で、過熱したら次の銃身で撃つ）を備え、砲塔左には対戦車ミサイル連装ランチャーを搭載する。車長用自動目標捜索追尾機能付き全周パノラミックサイト、状況把握システム、レーザー検知器、狙撃探知機を装備。戦闘重量38トン。エンジン出力563kW、最大速度65km。乗員３名＋乗車兵員６名。参考：月刊軍事研究10,’16

　＜リンクスＫＦ４１＞：下部転輪はダブルタイプ片側６組で、起動輪は前方、誘導輪は後方にあり、足回りは分厚いスカートでカバーされる。履帯はゴム製。砲塔はラインメタル社製ランス2.0。主砲は35mm機関砲Wotman35（使用弾は35mm×228弾）で、砲身に平面を組み合わせたカバーが付いている。同軸機銃は３銃身7.62mm機銃。砲塔両側面に対戦車ミサイル（スパイクなど）並列連装ランチャー、砲塔上面にMSSA（Main Sensor Slaved Armament）遠隔操作銃塔兼車長・砲手用パノラマサイトを装備する。SEOSS（Stabilised Electoro Optical Sight System）砲手用サイトや偵察用無人機も積んでおり、自衛用にROSY発煙弾発射機を左右８基ずつ搭載する。増加装甲やAPSを追加可能。戦闘重量44トン。エンジンはリープヘル製で、出力700kW/1140馬力、トランスミッションはレンク社製、最大速度70km。乗員３名＋乗車兵員８名。参考：月刊軍事研究10,’18、10,’16、12,’18

＜リンクス・スカウトカー・シリーズ＞：ダイムラー・スカウトカーをカナダで製作したもの。参考：世界の軍用車両(4)

　＜リンクス・スカウトカーＭｋ�T＞：シャシーをクォッド３トン牽引車の流用とし、ボディ外見はそのままにやや大型化してある。折り畳み式の装甲天蓋を持つ。参考：世界の軍用車両(4)

　＜リンクス・スカウトカーＭｋ�U＞：キャンパス製の天蓋に変更し、足回りに改良を加えたタイプ。参考：世界の軍用車両(4)

＜リンクスＥＬＧロボット＞：ヨルダン・エレクトロニック・ロジスティックス社が開発したUGV。足回りにオニギリ型の装軌システムを採用しており、不整地踏破力が高く、30度の坂を登れる。非致死性弾を発射するてき弾発射機、モジュラー式ロボットアームなどの装備が可能。エンジンは電動モーター（1.2馬力）２基。参考：月刊軍事研究5,’11

＜リンクス・ワイルドキャット＞：AW159（ヘリ）を参照。

＜リングネス＞：APD-100（高速輸送艦）またはDE-590（護衛駆逐艦）を参照。

＜リング・ファイア＞：アニュラー・リム・ファイアを参照。

＜リンクレス給弾＞：ベルトコンベア式給弾機を参照。

＜リンクレス弾薬再装填システム＞：LALSを参照。

＜リング・レバー・ライフル＞：サミュエル・コルトが設立したパテント・アームズ社が開発したレバーアクション式ライフルで、レバー先端がリング状になっているためこう呼ばれた。同様のレバーを持つ後発のライフルは、こうは呼ばない。参考：GUN用語事典

＜リングロック・ツールキット＞：自衛隊の機器。日本エアロスペース製。参考：月刊軍事研究12,’18

＜輪形陣＞：Circular formationまたはWagonwheel formation。中央に防御対象を置き、周囲を円形に取り囲んだ陣形である。攻撃側が防御側に切り込んでいく時に、全周を警戒するため使用される。兵装の射程が互いに重なるように配置して死角を作らないようにしつつ、一撃で多数が倒されないように互いに距離をとる必要がある。参考：月刊軍事研究11,’06

　＜輪形陣（アメリカ海軍）＞：ジュットランド海戦の分析結果から、広範囲に展開する大艦隊を適切に指揮する必要性が把握されたため、海軍大学校で兵棋演習を繰り返した結果、中央の旗艦が発信した信号を全艦に行き届かせ、全周警戒を実施でき、対空砲火の集中も可能な陣形として、1922年頃にロスコー・Ｃ・マクフォール中佐が主力艦を中心として巡洋艦や駆逐艦を円周状に並べる輪形陣を編み出した。1924年に初めて空母（CV-1ラングレー）が組み込まれている。1932年編成では、戦闘部隊は戦艦14隻、軽巡５隻、駆逐艦28隻、空母２隻、潜水艦18隻、敷設艦８隻で編成されており、索敵部隊は重巡８隻、軽巡５隻、駆逐艦26隻、空母１隻、潜水艦28隻で編成されていた。輪形陣の中心は戦闘部隊の戦艦14隻及び補給艦船で、20海里外側に軽巡、その５海里外側に駆逐艦を配置し、更に10海里外側に潜水艦を置き、艦上機は上空直掩及び対潜警戒を実施する。索敵部隊は戦闘部隊の前方250-500海里に位置し、昼は巡洋艦11隻を25海里間隔で１列に、夜は２列（200海里間隔）に並べ、艦上機も付近で索敵を行う。艦上機を発艦させる際には空母が風上に向かい全速航行するが、陣形中央の旗艦の号令が行き届きやすいので、空母の行動に全艦を随伴させるのも容易である。艦上機が不時着水したら輪形陣外側に位置する駆逐艦にピックアップしてもらう。艦載水上機は弾着観測が主任務である。太平洋戦争では劈頭の真珠湾攻撃で戦艦が壊滅し、今後の戦闘は航空戦の様相を呈してきていたため、空母を中心とした防空輪形陣を形成するようになり、機動部隊旗艦を中心とした円周上に４個空母任務群を配置し、その間に戦艦と重巡が位置して内側の輪形陣を形成、その外側を駆逐艦と軽巡がぐるりと囲んで二重に防御した。風向きの関係で空母が針路を変えた場合には、周囲の艦船も同じように針路を変えてそのまま進撃する。接近してきた敵機は捜索識別圏（Search and identification zone）で探知して敵味方識別を行い、内側の撃破圏（Destruction zone）で艦上戦闘機が迎撃し、撃ち漏らしたら最内側の最終防衛圏（Vital combat zone）でのエリア／ポイント・ディフェンス（対空射撃）により殲滅する。珊瑚海海戦ではCV-2レキシントンとCV-5ヨークタウンを中心に輪形陣を張ったが、両艦の運動性能が異なっていたため、回避行動時に輪形陣が乱れてしまい、間を突破されてCV-2レキシントンが沈められた。マリアナ沖海戦では輪形陣前方15海里に戦艦、更に10海里前方にレーダー・ピケット艦を置いて対空警戒を行った。戦後は脅威の種類こそ航空機、水上艦、潜水艦で変わらないものの、手段にミサイルが加わり、防衛戦術にもミサイルや電子戦などが加わって複雑化しており、定型的な輪形陣を取らず、状況に応じて臨機応変な隊形を整えることが多くなった。各艦の距離は数千から一万ヤード（9144m）を保ち、核攻撃を受けた場合でも他艦には被害が及ばないようにする。イージス艦が配備されると空母を中心に半径100kmくらいの円周上にイージス艦を配備、その前方をAEWで哨戒し、前方400-600km、全周250-300kmの範囲をカバーするようになった。空母の前方160-180海里のところにF/A-18戦闘機が滞空し、CAPを行う。対潜防御は空母を中心に10海里前後の内域防御幕（Inner screen）をMH-60Rのディッピングソナー、12-25海里の外域防御幕（Outer screen）をMH-60Rのソノブイと攻撃原潜で実施する。参考：月刊世界の艦船2,’87、8,’82増刊、6,’93別冊、6,’16、帝国海軍太平洋作戦史�T、月刊丸6,’14、12,’92、月刊軍事研究11,’15

　＜輪形陣（イギリス海軍）＞：1980年の対潜輪形陣は、空母を中心として対潜艦艇複数を円周上に配置し、円周内に複数の防空艦を置き、対潜艦輪形陣の前方に原潜２隻による潜水艦哨戒エリアを設け、更に前方に対潜哨戒機が展開し、輪形陣側面に対潜ヘリがソノブイ・バリアを張るというものだった。参考：朝雲

　＜輪形陣（日本海軍）＞：ミッドウェイ海戦の戦訓に基づき、従来の警戒航行序列の代わりに採用された。ただ高角砲を装備する艦艇が大型艦に限られていたため、第１機動艦隊戦策（機動部隊の航空戦を規定する規則）を改訂して防空輪形陣を正式採用したのは昭和19年3月のことである。空母から半径2000mの所に高角砲装備艦艇が内郭陣を敷き、半径3500mで対潜艦艇が外郭陣で囲む二重輪形陣で、戦艦と巡洋艦を前衛として敵の方向に置き、こちらも輪形陣を組んで敵航空機の攻撃を吸収するというもので、空母は長い航続距離を活かしてアウトレンジ戦法を行い、前衛は可能なら敵艦隊に接近して夜戦をかける予定だった。マリアナ沖海戦で実行に移され、この時は前衛に航続距離の短い爆装零戦を搭載する空母を中心とする輪形陣を置いていた。しかしアメリカ軍の対空レーダーによる迎撃管制などによりアウトレンジ戦法は失敗、相変わらずのソナー能力不足から潜水艦により空母２隻を沈められてしまった。比島沖海戦で第２艦隊は第１機動艦隊戦策通りの二重輪形陣、第３艦隊は半径1500-2500mの防空輪形陣を作り、沖縄特攻で第２艦隊は半径2000mの防空輪形陣を形成している。参考：月刊丸12,’92、月刊世界の艦船6,’16

＜臨検＞：船舶に乗り込んで禁制品の運搬をしていないかどうか調査すること。国連海洋法第110条によるもの（軍艦や軍用航空機が海賊行為・奴隷取引・無許可放送を行っていると十分な根拠を以て疑われる外国船舶などに対して行う。）、PSIに基づくもの、経済制裁確認のためのもの（MIO）、工作船など犯罪に従事していると疑われる船舶に対してもの、海上輸送規制法に基づくものなどがある。参考：月刊丸1,’07、ベーシック条約集2018

＜リンコンプライス＞：H47（駆逐艦）を参照。

＜臨時Ｆ−２飛行隊＞：第３飛行隊を参照。

＜臨時Ｆ−４ＥＪ飛行隊＞：第301飛行隊を参照。

＜臨時Ｆ−１５飛行隊＞：第202飛行隊を参照。

＜臨時Ｆ−１０４飛行隊＞：第201飛行隊を参照。

＜臨時Ｔ−２訓練隊＞：第21飛行隊を参照。

＜臨時演習召集＞：召集（日本軍）を参照。

＜臨時海軍建設部＞：日本海軍の根拠地設営部隊。安全な地域に恒久根拠地を建設するのが主任務で、文官技師などが配置されていた。参考：月刊世界の艦船9,’13増刊

＜臨時教育Ｆ−２飛行隊＞：第21飛行隊を参照。

＜臨時魚雷艇訓練所＞：日本海軍の訓練所。昭和19年4月1日、横須賀水雷学校分校として現在の長崎県東彼杵郡川棚町に置かれた。当初は魚雷艇要員の訓練を行っていたが、9月頃から震洋、回天、伏龍、蛟龍などの訓練も始まった。訓練期間は1-2ヶ月、平均在所人数は3000名であった。卒業生のうち3511名が戦死し、うち震洋乗員は2523名にのぼる。参考：月刊世界の艦船3,’10

＜臨時勤務＞：自衛隊用語で、臨勤と略す。現所属のまま他部隊に派遣されて一時的に仕事を手伝うこと。参考：MAMOR vol.164

＜臨時高射砲＞：日本陸軍が青島攻略戦で使用した高射砲。地面に穴を掘って台座を作り、三八式野砲を丸ごと載せて高角全周射撃ができるようにしている。対航空機用の弾薬は開発されず、高い所まで砲弾を撃ち上げられる野砲といったレベルだった。臨時高射砲小隊に配備された。参考：月刊丸3,’14、大砲入門

＜臨時召集＞：召集（日本軍）を参照。

＜臨時赤軍野外教令＞：赤軍野外教令を参照。

＜臨時装甲列車＞：日本陸軍がシベリア出兵時の戦訓を元に昭和7年から陸軍技術本部で開発した装甲列車で、南満州鉄道から車両の無償供与を受け、陸軍兵器本廠で日本製鋼所の装甲板を貼り付けて昭和8年（昭和7年5月？）に組み立てが完成し、昭和8年6月（7月？）から試験に賦され、関東軍に配備された。先頭から防護車（警戒車かも。無蓋貨車ベース。軽機関銃１丁、60cm探照灯１基）、重砲車（石炭車ベース。重機関銃１丁、十四年式一〇糎高射砲１門、騎銃10丁）、軽砲車（重機関銃２ないし４丁、十一年式七糎半野戦高射砲２門、騎銃10丁）、歩兵車（無蓋貨車ベース。13mm機関銃２丁、重機関銃４丁、高射機関銃２丁、歩兵銃２丁）、指揮車（石炭車ベースで、上段が砲兵指揮所、下段が列車指揮所。重機関銃２丁、騎銃10丁、30cm探照灯２基、観測具一式）、機関車（ソリイ型機関車の側面に6-10mm厚の装甲板を張ったもの）、炭水車、補助炭水車（軽機関銃２丁）、材料車（石炭車の台車に三等客車の台枠を乗せて新型車体を組み合わせたもの。軽機関銃２丁、無線機１基、鉄道器材一式）、歩兵車、重砲車（石炭車ベース。重機関銃４丁、改造四年式一五糎榴弾砲１門、騎銃10丁）、軽砲車、防護車の順に連結されている。後進速度が遅いという欠点があった。参考：月刊軍事研究7,’17、工兵入門、丸エキストラ版No.71、戦場写真で見る日本軍実戦兵器

＜臨時青島要港部＞：日本海軍の要港部で、大正3年11月に創設された。大正4年6月、青島根拠地隊に改編された。参考：月刊世界の艦船9,’13増刊

＜臨時動員＞：日本陸軍用語で、二倍動員をかけること。常設師団を野戦師団に転換して出征させ、その後留守師団司令部と補充隊を編成して必要な人員と資材を動員する。２週間以内に完結させることが可能だった。秘密裏に実施するもので、戦時計画に基づいて軍令陸甲で発令され、予算は臨時軍事費から出される。参考：月刊軍事研究12,’06

＜臨時飛行教育航空隊＞：第23飛行隊を参照。

＜臨時編成＞：臨時動員の亜型で、常設師団を野戦師団に充足した後、留守師団を常設師団と同じ編成で動員すること。編成された留守師団は臨時編成乙と呼ばれる。更に動員をかけて野戦師団と同等まで強化することもあり、この場合には留守師団は臨時編成甲と呼ばれる。動員には4-5日しかかからない。臨時動員と同様に秘密裏に行われる。参考：月刊軍事研究12,’06

＜リンゼイ＞：アメリカ海軍敷設駆逐艦。昭和20年4月12日、菊水２号作戦特攻機の攻撃を受けて損傷した。参考：第２次大戦日本海軍作戦年誌

＜臨戦準備＞：艦艇の戦闘力を全て発揮できるようにするための作業。弾薬、ミサイル、魚雷を作戦規定量まで搭載し、可燃物を降ろし、故障部品などは全て取り替え、兵員を充足させる。参考：月刊世界の艦船8,’82増刊

＜臨汾＞：545（フリゲート）を参照。

＜リンダウ級＞：西ドイツ海軍掃海艇Lindau級。船体は木製である。全長47.5m、幅8.3m、吃水2.5m、基準排水量370トン。兵装は40mm機関砲１門。ASDIC193型ソナー、PAP104機雷処分具を搭載する。参考：月刊世界の艦船8,’82増刊

＜リンダウ級・海外シリーズ＞

　＜リンダウ級（リトアニア）＞：全長47.1m、全幅8.3m、基準排水量395トン、満載排水量463トン。速力16ノット。兵装は40mm機関砲１門。機雷探知器材とPAP104機雷処分具を搭載する。M51、M52スドゥヴィスの２隻が就役した。参考：月刊軍事研究6,’12、月刊世界の艦船9,’11

＜リンチ＞：チリ海軍リアンダー級フリゲートLynch。参考：月刊世界の艦船9,’96

＜リンチェ＞：ブレダ88シリーズ（爆撃機）またはLMVシリーズ（装甲車）を参照。

＜リンチェ・スカウトカー＞：イタリア軍の装甲車。イギリスのダイムラー・スカウトカーMk.�Tｂをフルコピーして小改良を施したもので、兵員室上面にハッチを付けて密閉式とし、前面にブレダ8mm機銃を搭載、装甲厚を14-8.5mmに減らした。参考：世界の軍用車両(4)、月刊グランドパワー1,’01

＜リンチピン＞：車輪を車軸に固定するピンのことで、情報を検討する時の前提を指す。絶対的な事実である必要があり、これが仮説にすぎないとなると情報の検討自体が意味をなさなくなってしまう。参考：月刊軍事研究1,’09

＜リンディスファーン＞：P300（哨戒艦）を参照。

＜リンデマン砲台＞：アドルフ砲またはグロスドイッチュラント砲台ともいう。ドイツ国防軍がカレー地区南方のサン・ガテに建設した長距離砲台で、Ｈ級戦艦に搭載する予定だった52口径40.6cm砲SKC/39を厚さ4mのコンクリート天井を持つ要塞に据え付けた。射界は左右50度ずつで、３門が設置されている。ドーバー市を射程に収めた。参考：歴史群像12,’03、第２次大戦ドイツ戦闘兵器カタログVol.4

＜リンデンワルド＞：LSD-6（揚陸艦）を参照。

＜りんどう＞：LSSL-421（警備艇）を参照。

＜リンド・マコーミック＞：DDG-8（駆逐艦）を参照。

＜リンドルメン級＞：デンマーク海軍敷設艦Lindormen級。機雷50個を搭載できる。ロッセンなどが就役した。参考：ミリタリー・バランス1989-1990、月刊世界の艦船9,’17

＜リンフェン＞：545（フリゲート）を参照。

＜リンボー＞：AS Mk10（対潜兵器）を参照。

＜リンボーネ＞：L57（駆逐艦）を参照。

＜リン・ログ受信機＞：リニア受信機とログ受信機の長所を兼ね備えたレーダー受信機。一定信号強度以下の信号を受信すると、リニア受信機のようにクロス・オーバー・ポイントまで信号を増幅し、それ以上の信号を受け取ると、対数増幅で受信する。微弱信号を最大増幅で、大信号を小振幅で受信することにより、飽和攻撃を阻止する。参考：月刊エアワールド4,’00

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